説明

画像形成装置

【課題】本発明は、スペースを有効活用することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】カラープリンタは、静電潜像が形成される感光体(感光ドラム31)を有する複数のプロセスユニット61と、各プロセスユニット61と交互に配列されて感光体を露光する露光部材(LEDヘッド62)と、複数のプロセスユニット61の並列方向における一端側が他端側を中心にして回動可能となるトップカバー21と、露光部材とトップカバー21とを連結する複数の支持部材22とを備えている。そして、露光部材は、その最遠部位Eが支持部材22の突出方向において同一または基端側にあるように構成され、支持部材22の外側面22bが、露光可能な位置にある露光部材の最遠部位Eの回動軌跡OLに接する接線TLよりも回動軸21a側に寄るように形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回動可能となるカバーでLEDヘッドを支持する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、画像形成装置として、帯電された感光ドラムに光を照射して、光で照射された部分の電位を変えて感光ドラム上に静電潜像を形成し、その静電潜像に現像剤を供給することにより形成される現像剤像を用紙に転写することで、用紙に所定の画像を形成するものが知られている。
【0003】
このような画像形成装置としては、従来、複数の感光ドラムに光を照射する複数のLEDヘッドと、感光ドラムやトナー収容室等を備えた複数のプロセスユニットとが一方向に交互に配設されたものが知られている(特許文献1参照)。そして、この画像形成装置では、各LEDヘッドが、回動可能なトップカバーに対して、鉛直方向に延在する支持部材を介して連結されることで、感光ドラムに対して近接・離間可能に構成されている。
【0004】
【特許文献1】特開平9−160333号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記した従来技術では、支持部材が略鉛直方向に延びるため、トップカバーの回動にともなってLEDヘッドおよび支持部材を通過させるスペースを多く必要とし、画像形成装置内のスペースを十分に有効活用できているとはいえなかった。
【0006】
そこで、本発明は、スペースを有効活用することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決する本発明は、間隔を置いて並べられ、静電潜像が形成される感光体を有する複数のプロセスユニットと、前記複数のプロセスユニットの並列方向において各プロセスユニットと交互に配列されて前記感光体のそれぞれを露光する複数の露光部材と、前記複数のプロセスユニットの並列方向における一端側が他端側を中心にして回動可能となるカバーと、前記カバーから突出するように設けられ、先端側において前記露光部材を支持することにより前記露光部材と前記カバーとを連結し、前記露光部材を前記感光体に対して対向した露光位置と前記露光位置から退避した退避位置との間で変位可能とする複数の支持部材とを備え、前記露光部材は、前記露光部材の前記カバーの回動軸から最も遠くに位置する最遠部位が、前記回動軸に対して、前記支持部材の突出方向において、同一位置または基端側にあるように構成され、前記露光部材が前記露光位置にあるときにおいて、前記支持部材の面のうち前記カバーの回動軸とは反対側に位置する外側面が、前記露光部材の最遠部位の回動軌跡の接線よりも前記回動軸側に寄るように構成されたことを特徴とする。
【0008】
ここで、「露光部材が露光位置にあるときにおいて、支持部材の外側面が前記露光部材の最遠部位の回動軌跡の接線よりも前記回動軸側に寄る」とは、支持部材の外側面の一部が最遠部位の回動軌跡の接線よりも回動軸側にあり、外側面のその他の部位が最遠部位の回動軌跡の接線と重なる構成も含む。
【0009】
本発明によれば、支持部材の外側面が露光部材の最遠部位の回動軌跡の接線よりもカバーの回動軸側に寄るように構成されたので、カバーの回動にともなって支持部材が通過するためのスペースをより小さくすることが可能となる。そのため、例えばエアの通り道の確保や、プロセスユニットの把持部の設置スペースの確保や、プロセスユニットのトナー収容部の大型化のために、スペースを有効活用することができる。
【0010】
また、本発明は、第1本体面と、第1本体面に対向する第2本体面と、第1本体面から第2本体面に向かう方向へ延在する第3本体面と、第3本体面に対向する第4本体面とを有する本体筐体と、前記第1本体面から前記第2本体面へ向かう方向において並列に配設される複数の感光体と、前記複数の感光体に対応して設けられ、前記感光体を露光して静電潜像を形成する複数の露光部材と、前記第1本体面側が前記本体筐体に対して回動可能に支持され、前記第3本体面を構成するカバーと、前記露光部材が前記感光体を露光する露光位置から前記露光位置よりも前記第3本体面側に位置する退避位置へ回動して移動するように、前記露光部材と前記カバーとを連結して前記露光部材を支持する複数の支持部材とを備え、前記支持部材は、前記第1本体面に対向する第1支持面と前記第2本体面に対向する第2支持面とを有し、前記複数の感光体の軸を含む第1平面に垂直で、かつ、前記カバーの回動軸を含む第2平面から前記第2支持面までの距離が、前記第4本体面から前記第3本体面に向けて同一もしくは徐々に減少し、かつ、前記第2支持面における最も第3本体面側の距離が、最も第4本体面側の距離よりも小さくなるように、形成されることを特徴とする。
【0011】
これによれば、カバーの回動軸を含む第2平面から第2支持面までの距離が、第4本体面から第3本体面に向けて同一もしくは徐々に減少し、かつ、第2支持面における最も第3本体面側の距離が、最も第4本体面側の距離よりも小さくなるので、カバーの回動にともなって支持部材が通過するためのスペースをより小さくすることが可能となる。そのため、例えばエアの通り道の確保や、プロセスユニットの把持部の設置スペースの確保や、プロセスユニットのトナー収容部の大型化のために、スペースを有効活用することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、カバーの回動にともなって支持部材が通過するためのスペースをより小さくすることが可能となる。そのため、例えばエアの通り道の確保や、プロセスユニットの把持部の設置スペースの確保や、プロセスユニットのトナー収容部の大型化のために、スペースを有効活用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
参照する図面において、図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例としてのカラープリンタの全体構成を示す要部断面図である。なお、以下の説明においては、まず、カラープリンタの全体構成を説明した後、本発明の特徴部分の詳細を説明することとする。
【0014】
1.カラープリンタ1の全体構成
図1に示すように、カラープリンタ1は、本体筐体2内に、用紙51を供給する給紙部5と、給紙された用紙51に画像を形成する画像形成部6と、画像が形成された用紙51を排出する排紙部7とを備えている。ここで、本体筐体2は、第1本体面の一例としての後面2bと、この後面2bに対向する第2本体面の一例としての前面2aと、後面2bから前面2aに向かう方向(前後方向)へ延在する第3本体面の一例としての上面2cと、この上面2cに対向する第4本体面の一例としての下面2dとを有する。
【0015】
なお、以下の説明において、特に断りがないかぎり図1に示した上下方向を上下、図1における右側を手前、左側を奥、紙面の奥側を右、紙面の手前側を左として、各方向を示す。ここでの方向は、カラープリンタ1の手前側に立った者から見た方向を基準として規定してある。
【0016】
(1)給紙部5
給紙部5は、本体筐体2内の下方において、本体筐体2に着脱自在に装着される給紙トレイ50と、給紙トレイ50から用紙51を画像形成部6へ搬送する用紙供給機構58とからなる。
この用紙供給機構58は、給紙トレイ50の手前側端部に設けられた、給紙ローラ52、分離ローラ53、分離パッド54などからなり、これらにより用紙51が一枚ずつ分離されて上方へ送られる。上方へ向けて搬送された用紙51は、紙粉取りローラ55とピンチローラ56の間を通過する過程で紙粉が除去された後、搬送経路57を通って奥側へ方向転換され、ベルト73の上に供給される。
【0017】
(2)画像形成部6
画像形成部6は、プロセスユニット61、露光部材の一例としてのLEDヘッド62、転写部63および定着部64を備えている。
【0018】
[プロセスユニット61]
プロセスユニット61は、ドラムサブユニット30と現像カートリッジ40とを備え、前後方向において所定の間隔を置いて並べられている。そして、このプロセスユニット61の奥側の面である内側面61aと、手前側の面である外側面61bは、ともに上下左右方向に沿って形成されている。
【0019】
ドラムサブユニット30には、それぞれ所定の位置にシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色のトナーが入った現像カートリッジ40が取り付けられている。
ドラムサブユニット30は、感光体の一例としての感光ドラム31や、スコロトロン型帯電器(符号省略)などを備え、現像カートリッジ40は、現像ローラ(符号省略)などを備えている。ここで、感光ドラム31は、複数設けられており、前後方向(本体筐体2の前面2aから後面2bに向かう方向)において並列に配列されている。
【0020】
そして、このプロセスユニット61では、前述のスコロトロン型帯電器により感光ドラム31の表面が帯電され、この帯電された部分が後述するLEDヘッド62から出射される光によって露光されて電位が下がることによって、感光ドラム31上に画像データに基づく静電潜像が形成される。さらに、この静電潜像に前述の現像ローラより帯電されたトナーが供給されることで、感光ドラム31上にトナー像が担持される。
【0021】
[LEDヘッド62]
LEDヘッド62は、各感光ドラム31を露光するために各感光ドラム31に対応して複数設けられ、複数のプロセスユニット61の並列方向において各プロセスユニット61と交互に配列されている。詳しくは、複数のLEDヘッド62および複数のプロセスユニット61は、奥側からLEDヘッド62、プロセスユニット61の順で並べられている。そして、各LEDヘッド62は、本体筐体2の奥側に設けられた回動軸21aを中心として回動するトップカバー21に対して、各支持部材22を介して連結されている。これにより、各LEDヘッド62は、各感光ドラム31を露光する露光位置と、各感光ドラム31から本体筐体2の上面2c側に退避する退避位置との間で、移動可能となっている。なお、本発明の特徴部分である支持部材22の詳細については後で詳述する。
【0022】
[転写部63]
転写部63は、駆動ローラ71、従動ローラ72、ベルト73、転写ローラ74およびクリーニング部75を備えている。
【0023】
駆動ローラ71および従動ローラ72は、離間して平行に配置され、これらの間に無端状のベルト73が張り渡されている。また、ベルト73の内側には各感光ドラム31との間でベルト73を挟み込む転写ローラ74が配置されている。転写ローラ74には、図示しない高圧基板から転写バイアスが印加される。画像形成時には、ベルト73により搬送されてきた用紙51は、感光ドラム31と転写ローラ74にベルト73を介して挟まれ、感光ドラム31上のトナー像が用紙51に転写される。
【0024】
クリーニング部75は、ベルト73の下方に配置され、ベルト73に付着したトナーを除去し、その下方に配置されたトナー貯留部76に除去したトナーを落下させるようになっている。
【0025】
[定着部64]
定着部64は、転写部63の下流側、すなわち本体筐体2における奥側に配置され、加熱ローラ81および加圧ローラ82を備えている。
加熱ローラ81の中にはハロゲンランプが設けられ、このハロゲンランプは加熱ローラ81の表面を定着温度に加熱する。加圧ローラ82は、加熱ローラ81と圧接されるように配置され、加熱ローラ81との間で用紙51を挟持しつつ送ることで、用紙51上のトナー像を熱定着させる。
【0026】
(3)排紙部7
排紙部7には、用紙51を搬送する複数の搬送ローラ92が配置されている。そして、搬送ローラ92により排出された用紙51は、本体筐体2の上面2c(排紙トレイ)に蓄積される。
【0027】
次に、本発明の特徴部分の構造、すなわち支持部材22の構造について詳細に説明する。参照する図面において、図2は、支持部材の構造を詳細に示す拡大断面図である。
【0028】
図2に示すように、支持部材22の奥側(回動軸21a側)の面である内側面22aは、回動軸21aを中心として回動するLEDヘッド62の奥側の面である内側面62a(詳しくは、内側面62aのうち回動軸21aに最も近い最近部位K)の回動軌跡ILに沿った円筒面状に形成される。また、支持部材22の手前側の面である外側面22bは、LEDヘッド62の手前側の面である外側面62b(詳しくは、外側面62bのうち回動軸21aから最も遠い最遠部位E)の回動軌跡OLに接する接線であって、感光ドラム31に対して露光可能な位置にあるLEDヘッド62の外側面62bに接する接線TLよりも回動軸21a側に寄った円筒面状に形成される。詳しくは、支持部材22の外側面22bは、接線TLと、LEDヘッド62の外側面62bの回動軌跡OLとの間に位置するように形成されている。
【0029】
因みに、LEDヘッド62は、LEDヘッド62の最近部位Kが回動軸21aに対して支持部材22の突出方向において同一位置にあり、且つ、LEDヘッド62の最遠部位Eが回動軸21aに対して支持部材の突出方向における基端側にあるように配置および形成されている。より具体的には、LEDヘッド62の内側面62aおよび外側面62bがともに支持部材22の突出方向(上下方向)に沿って形成されている。
ここで、図2における2点鎖線HLは、4つのLEDヘッド62の先端側面を結んだ直線である。
また、最遠部位Eの露光位置における回動軌跡OLに接する接線TLは、実際には、上側に向うに従ってやや奥側へ向けて傾斜している。つまり、接線TLは、鉛直線に対してやや傾斜している。なお、図2においては、説明の便宜上、鉛直方向に接線TLを描いている。
【0030】
言い換えると、図1に示すように、支持部材22の面のうち本体筐体2の後面2bに対向する第1支持面の一例としての内側面22aと、前面2aに対向する第2支持面の一例としての外側面22bは、以下のような条件で形成されている。ここで、図1において前後方向に沿った一点鎖線は、複数の感光ドラム31の軸を含む仮想的な第1平面F1を示し、上下方向に沿った一点鎖線は、第1平面F1に垂直で、かつ、トップカバー21の回動軸21aを含む仮想的な第2平面F2を示す。そして、支持部材22の内側面22aおよび外側面22bは、前記した第2平面F2との距離が上方に向けて常に徐々に減少するように形成されている。さらに、言い換えると、支持部材22は、支持部材22の突出方向における先端側から基端側へ向かうにしたがって、接線TLと外側面22bとのプロセスユニット61の並列方向における距離が徐々に増加するように、構成されている。
【0031】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
支持部材22の外側面22bを接線TLよりも回動軸21a側に寄せたので、支持部材22の外側面22bとプロセスユニット61の内側面61aとの間のスペースを有効活用できる。また、支持部材22の内側面22aをLEDヘッド62の内側面62aの回動軌跡ILに沿わせるように形成したので、回動軌跡ILよりも回動軸21a側のスペースを最大限有効活用できるとともに、支持部材22の回動軸21a側の肉厚を最大限増やして、その剛性を向上させることができる。なお、前記した各スペースは、例えばエアの通り道として利用したり、プロセスユニット61を把持するための把持部の設置スペースとして利用することができる。
【0032】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。ここで、以下に示す変形例の説明に使用する図3〜図7においては、理解し易いように、トップカバー等の形状を簡略化して示すこととする。
【0033】
前記実施形態では、プロセスユニット61の内側面61aおよび外側面61bを上下方向に沿った形状としたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図3に示すように、プロセスユニット65の内側面65aを接線TLに交差させ、内側面65aのうち接線TLと交差させた部位よりも上側(支持部材の突出方向における基端側)を接線TLよりも回動軸21a側に寄るように形成してもよい。また、プロセスユニット65の内側面65aは、第2平面F2との距離が上方に向けて常に徐々に減少するように形成されている。
これによれば、プロセスユニット65の回動軸21a側を大きく形成することができるので、例えば収容するトナー量を増やすことができる。なお、この図3の形態では、回動軸21a側からLEDヘッド62、プロセスユニット65の順に並ぶことで、複数のプロセスユニット65の全ての内側面65aが支持部材23に隣接するため、複数のプロセスユニット65の全ての内側面65aを前記した形状としている。しかし、LEDヘッド62とプロセスユニット65の並び順が逆である場合には、この限りではない。すなわち、この場合、最も回動軸21a側に位置することでLEDヘッド62とは隣接しないプロセスユニット65の内側面65aは、どのような形状であってもよい。
【0034】
また、図3に示すように、各支持部材23の内側面23aを前記実施形態と同様に形成し、外側面23bを各LEDヘッド62の外側面62bの回動軌跡OLに沿った形状に形成してもよい。これによれば、回動軌跡OLの外側(回動軸21aとは反対側)のスペースを最大限有効活用することができる。
また、図3に示すように、各支持部材23の内側面23aおよび外側面23bを、回動軸21aを中心とする円筒面状に形成してもよい。これによれば、各支持部材23の内側面23aおよび外側面23bを、各LEDヘッド62の内側面62aおよび外側面62bの回動軌跡IL,OLの形状により近づけることができるので、スペースを最大限有効活用しつつ、十分な剛性を保つことができる。
【0035】
また、図3に示すように、各プロセスユニット65の外側面65bのうち支持部材23に隣接する外側面65b(回動軸21a側の3つの外側面65b)を、隣接する支持部材23の内側面23aに沿った形状に形成してもよい。これによれば、プロセスユニット65の回動軸21aとは反対側の部分を大きく形成でき、例えば収容するトナー量を増やすことができる。なお、この場合、回動軸21aから最も遠いプロセスユニット65の外側面65bはどのような形状であってもよく、例えば図示のように上下左右方向に沿った平面状に形成してもよい。
【0036】
なお、図4に示すように、プロセスユニット66の内側面66aは、隣接する支持部材23の外側面23bに沿った形状に形成するのが望ましい。これによれば、プロセスユニット66の回動軸21a側の部分を最大限大きく形成することができる。
【0037】
また、図4に示すように、各支持部材23の内側面23aおよび外側面23bを、回動軸21aを中心とする円筒面状に形成し、かつ、各プロセスユニット66の支持部材23と隣接する各内側面66aおよび各外側面66bを、回動軸21aを中心とする円筒面状に形成してもよい。これによれば、各プロセスユニット66と各支持部材23とが互いの円筒面を介して並列方向において最大限詰めて配列されるので、スペースを最大限有効活用することができる。また、この場合、各プロセスユニット66の配置位置によって各プロセスユニット66の円筒面状の内側面66aおよび外側面66bの形状に違いがでるので、各プロセスユニット66が異形状となり、誤装着を防止することができる。
【0038】
図3,4に示す形態では、プロセスユニット65,66を全て異形状に形成したが、本発明はこれに限定されず、全て同一形状に形成してもよい。なお、この場合は、図5に示すような形状に、プロセスユニット67を形成するのが望ましい。すなわち、複数のプロセスユニット67の各内側面67aを、複数のLEDヘッド62のうち回動軸21a側から最も遠い側に位置するLEDヘッド62の外側面62bの回動軌跡OLの曲率以下の曲率となる円筒面状にそれぞれ形成する。言い換えると、複数のプロセスユニット67の各内側面67aの曲率半径r1が、回動軸21aから最も遠い側に位置するLEDヘッド62の外側面62bの回動軌跡OLの曲率半径r2以上となるように、各内側面67aを形成する。
【0039】
また、複数のプロセスユニット67の各外側面67bを、複数のLEDヘッド62のうち回動軸21a側から2番目に位置するLEDヘッド62の内側面62aの回動軌跡ILの曲率以上の曲率となる円筒面状にそれぞれ形成する。言い換えると、複数のプロセスユニット67の各外側面67bの曲率半径r3が、回動軸21a側から2番目に位置するLEDヘッド62の内側面62aの回動軌跡ILの曲率半径r4以下となるように、各外側面67bを形成する。以上のような構造によれば、各プロセスユニット67が同一形状となるので、製造コストの低減を図ることができる。また、各プロセスユニット67の内側面67aおよび外側面67bを前述のような曲率の円筒面状とすることで、図1の実施形態のように平面状に形成するものに比べ、各プロセスユニット67を大きくすることができる。
【0040】
前記各実施形態では、支持部材22,23を全て異形状に形成したが、本発明はこれに限定されず、全て同一形状に形成してもよい。なお、この場合は、図6に示すような形状に、支持部材24を形成するのが望ましい。すなわち、複数の支持部材24の各外側面24bを、複数のLEDヘッド62のうち回動軸21a側から最も遠い側に位置するLEDヘッド62の外側面62bの回動軌跡OLの曲率以上の曲率となる円筒面状にそれぞれ形成する。言い換えると、複数の支持部材24の各外側面24bの曲率半径r5が、回動軸21a側から最も遠い側に位置するLEDヘッド62の外側面62bの回動軌跡OLの曲率半径r6以下となるように、各外側面24bを形成する。
【0041】
また、複数の支持部材24の各内側面24aを、複数のLEDヘッド62のうち回動軸21a側から2番目に位置するLEDヘッド62の内側面62aの回動軌跡ILの曲率以下の曲率となる円筒面状にそれぞれ形成する。言い換えると、複数の支持部材24の各内側面24aの曲率半径r7が、回動軸21a側から2番目に位置するLEDヘッド62の内側面62aの回動軌跡ILの曲率半径r8以上となるように、各内側面24aを形成する。以上のような構成によれば、各支持部材24が同一形状となるので、製造コストの低減を図ることができる。また、各支持部材24の内側面24aおよび外側面24bを前述のような曲率の円筒面状とすることで、スペースの有効活用をしつつ十分な剛性に保つことができる。
【0042】
また、支持部材を全て同一形状にするには、図6のような形状に限らず、図7のような形状としてもよい。すなわち、複数の支持部材25の各外側面25bを、複数のLEDヘッド62のうち回動軸21a側から最も近い側に位置するLEDヘッド62の外側面62bの回動軌跡OLの曲率以上の曲率となる円筒面状にそれぞれ形成する。言い換えると、複数の支持部材25の各外側面25bの曲率半径r9が、回動軸21a側から最も近い側に位置するLEDヘッド62の外側面62bの回動軌跡OLの曲率半径r10以下となるように、各外側面25bを形成する。
【0043】
また、複数の支持部材25の各内側面25aを、複数のLEDヘッド62のうち回動軸21aから最も遠くに位置するLEDヘッド62の内側面62aの回動軌跡ILの曲率以下の曲率となる円筒面状にそれぞれ形成する。言い換えると、複数の支持部材25の各内側面25aの曲率半径r11が、回動軸21aから最も遠くに位置するLEDヘッド62の内側面62aの回動軌跡ILの曲率半径r12以上となるように、各内側面25aを形成する。以上のような構成によれば、全ての支持部材25の内側面25aおよび外側面25bが、LEDヘッド62の内側面62aおよび外側面62bの回動軌跡IL,OL内に収まるので、スペースを最大限有効活用することができる。
【0044】
図1〜図5に示す形態では、回動軌跡IL,OLに沿った形状として、円筒面を採用したが、本発明はこれに限定されず、例えば多角形状を採用してもよい。
前記各実施形態では、LEDヘッドと支持部材を別体としたが、本発明はこれに限定されず、一体に形成してもよい。
図2に示す実施形態において、LEDヘッド62は、LEDヘッド62の最近部位Kが回動軸21aに対して支持部材22の突出方向において同一位置にあり、且つ、LEDヘッド62の最遠部位Eが回動軸21aに対して支持部材22の突出方向における基端側にあるように配置および形成されたが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、LEDヘッド62は、LEDヘッド62の最近部位Kおよび最遠部位Eがともに、回動軸21aに対して支持部材22の突出方向における基端側にあるように配置および形成されていてもよい。
また、LEDヘッド62は、LEDヘッド62の最近部位Kおよび最遠部位Eがともに、回動軸21aに対して支持部材22の突出方向において同一位置にあるように配置および形成されていてもよい。
【0045】
前記各実施形態では、支持部材の内側面および外側面を、第2平面との距離が上方に向けて常に徐々に減少するように構成したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、支持部材の内側面または外側面を、第2平面との距離が上方に向けて同一となる部分と徐々に減少する部分とで構成するとともに、最も第3本体面側の距離が最も第4本体面側の距離よりも小さくなるように構成してもよい。
【0046】
前記各実施形態では、カラープリンタの奥側を中心にしてトップカバーを回動させたが、本発明はこれに限定されず、手前側を中心にしてトップカバーを回動させてもよい。
前記各実施形態では、カラープリンタの前後方向にプロセスユニットを並べたが、本発明はこれに限定されず、カラープリンタの左右方向にプロセスユニットを並べてもよい。この場合、トップカバーの左右のいずれか一端をカラープリンタの本体に回動可能に設ければよい。
【0047】
前記各実施形態では、LEDヘッド62の回動軸21a側の形状と、回動軸21aとは反対側の形状を面状としたが、本発明はこれに限定されず、曲面状、凹凸形状であってもよい。なお、この場合、支持部材やプロセスユニットの内側面および外側面の形状の基準となる回動軌跡は、例えば曲面状や凹凸形状などの形状のうち回動軸に最も近い最近部位の回動軌跡や、回動軸から最も遠い最遠部位の回動軌跡となる。
また、上記各実施形態においては、支持部材22はカバー21に対して固定された構成であるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、支持部材22の先端側が前後方向(プロセスユニットの並列方向)に揺動可能に支持されていてもよい。このような構成において、本発明に係る支持部材22の形状は、支持部材22の揺動範囲のうち、LEDヘッド62が露光位置にある位置を基準として決めることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例としてのカラープリンタの全体構成を示す要部断面図である。
【図2】支持部材の構造を詳細に示す拡大断面図である。
【図3】主にプロセスユニットの内側面が接線よりも回動軸側に寄った形態を簡略化して示す側面図である。
【図4】プロセスユニットの内側面が支持部材の外側面に沿う形態を簡略化して示す側面図である。
【図5】各プロセスユニットの内側面および外側面をそれぞれ同じ曲率で形成した形態を簡略化して示す側面図である。
【図6】各支持部材の内側面および外側面をそれぞれ同じ曲率で形成した第1の形態を簡略化して示す側面図である。
【図7】各支持部材の内側面および外側面をそれぞれ同じ曲率で形成した第2の形態を簡略化して示す側面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 カラープリンタ
2 本体筐体
21 トップカバー
21a 回動軸
22 支持部材
22a 内側面
22b 外側面
31 感光ドラム
40 現像カートリッジ
61 プロセスユニット
61a 内側面
61b 外側面
62 LEDヘッド
62a 内側面
62b 外側面
IL 回動軌跡
OL 回動軌跡
TL 接線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔を置いて並べられ、静電潜像が形成される感光体を有する複数のプロセスユニットと、
前記複数のプロセスユニットの並列方向において各プロセスユニットと交互に配列されて前記感光体のそれぞれを露光する複数の露光部材と、
前記複数のプロセスユニットの並列方向における一端側が他端側を中心にして回動可能となるカバーと、
前記カバーから突出するように設けられ、先端側において前記露光部材を支持することにより前記露光部材と前記カバーとを連結し、前記露光部材を前記感光体に対して対向した露光位置と前記露光位置から退避した退避位置との間で変位可能とする複数の支持部材とを備え、
前記露光部材は、前記露光部材の前記カバーの回動軸から最も遠くに位置する最遠部位が、前記回動軸に対して、前記支持部材の突出方向において、同一位置または基端側にあるように構成され、
前記露光部材が前記露光位置にあるときにおいて、
前記支持部材の面のうち前記カバーの回動軸とは反対側に位置する外側面が、前記露光部材の最遠部位の回動軌跡の接線よりも前記回動軸側に寄るように構成されたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記支持部材は、前記支持部材の突出方向における先端側から基端側へ向かうにしたがって、前記接線と前記外側面との前記プロセスユニットの並列方向における距離が常に徐々に増加するように、構成されたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記支持部材の面のうち前記回動軸側に位置する内側面が、前記露光部材の部位のうち前記回動軸に最も近くに位置する最近部位の回動軌跡に沿った形状に形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記プロセスユニットの面のうち前記回動軸側に位置するとともに、前記支持部材に隣接する内側面が、前記接線と交差するとともにその交差した部位よりも前記支持部材の突出方向における基端側が前記回動軸側に寄るように形成されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記プロセスユニットの前記内側面が、隣接する前記支持部材の外側面に沿った形状に形成されることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記支持部材の外側面が、前記露光部材の最遠部位の回動軌跡に沿った形状に形成されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記プロセスユニットの面のうち前記回動軸側とは反対側に位置するとともに、前記支持部材に隣接する外側面が、隣接する支持部材の内側面に沿った形状に形成されることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記複数の露光部材および前記複数のプロセスユニットが、前記回動軸側から露光部材、プロセスユニットの順で並べられ、
前記複数のプロセスユニットが、全て同一形状で形成され、
前記複数のプロセスユニットの各内側面が、前記複数の露光部材のうち前記回動軸側から最も遠い側に位置する露光部材の最遠部位の回動軌跡の曲率以下の曲率となる円筒面状にそれぞれ形成され、
前記複数のプロセスユニットの各外側面が、前記複数の露光部材のうち前記回動軸側から2番目に位置する露光部材の最近部位の回動軌跡の曲率以上の曲率となる円筒面状にそれぞれ形成されることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記複数の露光部材および前記複数のプロセスユニットが、前記回動軸側から露光部材、プロセスユニットの順で並べられ、
前記複数の支持部材が、全て同一形状で形成され、
前記複数の支持部材の各外側面が、前記複数の露光部材のうち前記回動軸側から最も遠い側に位置する露光部材の最遠部位の回動軌跡の曲率以上の曲率となる円筒面状にそれぞれ形成され、
前記複数の支持部材の各内側面が、前記複数の露光部材のうち前記回動軸側から2番目に位置する露光部材の最近部位の回動軌跡の曲率以下の曲率となる円筒面状にそれぞれ形成されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記複数の支持部材の各内側面および各外側面が、前記カバーの回動軸を中心とする円筒面状に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記複数のプロセスユニットの各内側面および各外側面が、前記カバーの回動軸を中心とする円筒面状に形成されていることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記複数の露光部材および前記複数のプロセスユニットが、前記回動軸側から露光部材、プロセスユニットの順で並べられ、
前記複数の支持部材が、全て同一形状で形成され、
前記複数の支持部材の各外側面が、前記複数の露光部材のうち前記回動軸側から最も近い側に位置する露光部材の最遠部位の回動軌跡の曲率以上の曲率となる円筒面状にそれぞれ形成され、
前記複数の支持部材の各内側面が、前記複数の露光部材のうち前記回動軸から最も遠くに位置する露光部材の最近部位の回動軌跡の曲率以下の曲率となる円筒面状にそれぞれ形成されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項13】
第1本体面と、第1本体面に対向する第2本体面と、第1本体面から第2本体面に向かう方向へ延在する第3本体面と、第3本体面に対向する第4本体面とを有する本体筐体と、
前記第1本体面から前記第2本体面へ向かう方向において並列に配設される複数の感光体と、
前記複数の感光体に対応して設けられ、前記感光体を露光して静電潜像を形成する複数の露光部材と、
前記第1本体面側が前記本体筐体に対して回動可能に支持され、前記第3本体面を構成するカバーと、
前記露光部材が前記感光体を露光する露光位置から前記露光位置よりも前記第3本体面側に位置する退避位置へ回動して移動するように、前記露光部材と前記カバーとを連結して前記露光部材を支持する複数の支持部材とを備え、
前記支持部材は、
前記第1本体面に対向する第1支持面と前記第2本体面に対向する第2支持面とを有し、
前記複数の感光体の軸を含む第1平面に垂直で、かつ、前記カバーの回動軸を含む第2平面から前記第2支持面までの距離が、前記第4本体面から前記第3本体面に向けて同一もしくは徐々に減少し、かつ、前記第2支持面における最も第3本体面側の距離が、最も第4本体面側の距離よりも小さくなるように、形成されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
前記カバーの回動軸を含む第2平面から前記第2支持面までの距離が、前記第4本体面から前記第3本体面に向けて常に徐々に減少するように、前記支持部材が形成されることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−296379(P2008−296379A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−141570(P2007−141570)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】