説明

画像形成装置

【課題】 複数の給紙トレイを有する画像形成装置において、複数の給紙トレイをグループ化して、ひとつの給紙トレイが空になった場合にグループ化されている別のカセットに給紙を切り替えて動作の停止を防ぐ方法があったが、グループ化されている全ての給紙トレイの用紙を使いきってしまえばその時点で動作が停止してしまう。
【解決手段】 本発明の画像形成装置では、グループ化された給紙トレイからの給紙を行う際には、給紙トレイの用紙残量の少ないものを優先的に選択して給紙を行うために、早期に給紙トレイの用紙切れ表示をユーザに認識させることが可能となった。また、最後に選択される給紙トレイに一番多く用紙があるため、最後の給紙トレイである旨の通知を受けたユーザは、時間の余裕をもって用紙の補充を行うことが可能となった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
複数の給紙収容部(給紙カセットや手差し給紙トレイ等)を有する画像形成装置において、給紙収容部をグループ化してひとつの給紙収容部として利用する際に、グループ化されたうちの給紙収容部の用紙の全てを使いきる前にユーザにすでに空になった給紙収容部を通知して用紙補充を促し、グループ化された給紙収容部の収容枚数限度を超えて連続印刷を可能とする技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の給紙収容部(給紙カセットや手差し給紙トレイ等)を有する画像形成装置では、これら複数の給紙収容部を用紙サイズや用紙の種類等毎にグループ分けをして用いる方法があった。
【0003】
例えば、複数の給紙トレイをグループとして扱って、個々の給紙トレイのステータスを前記したグループ化した給紙トレイのステータスとして表す方法がある(特許文献1参照)。
【0004】
この方法ではグループ化した給紙トレイの全ての枚数を合算したものとして表示する際には効果がある。しかし、グループ化された給紙収容部の用紙の全てが消費された場合には、用紙切れのエラーメッセージを発して印刷動作が停止する。その場合には前記給紙収容部に用紙を補給しなければ再度の印刷を開始することができなかった。
【特許文献1】特開2006−76868号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、複数の給紙収容部を有する画像形成装置において、用紙切れによる印刷動作の停止を抑制すること及び複数の給紙収容部の収容枚数を超えて連続印刷可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、複数の給紙収容部から給紙駆動部により連続的に印刷部へ給紙可能な画像形成装置であって、前記給紙収容部をグループ分けして設定するグループ設定保持部と、前記グループ内の給紙収容部の用紙切れを検知する用紙残量検知部と、前記用紙残量検知部が前記給紙収容部のいずれかの用紙切れを検知すると、同じグループ内の他の給紙収容部からの給紙に切り替えるよう前記給紙駆動部を制御する給紙切替制御部と、を有し、前記給紙切替制御部は、前記給紙の切替の際に前記グループ内の各給紙収容部のいずれか残量枚数の最も多いものを最後に選択することを最も主要な特徴とする。
【0007】
また、本発明の画像形成装置は、前記画像形成装置であって、前記給紙切替制御部は、前記給紙の切替の際に前記グループ分けされた給紙収容部のうちの残量枚数の少ない順に選択するよう前記給紙駆動部を制御することを主要な特徴とする。
【0008】
また本発明の画像形成装置は、前記画像形成装置であって、前記用紙残量検知部の用紙切れ検知に基づき前記グループ分けされた給紙収容部のひとつに用紙切れがある場合には、ユーザにその旨を通知する用紙切れ通知部を有することを主要な特徴とする。
【0009】
また本発明の画像形成装置は前記画像形成装置であって、前記用紙切れ通知部は、前記グループ内の最後の給紙収容部にのみ用紙が残っている状態になったことをユーザに通知することを主要な特徴とする。
【0010】
また本発明の画像形成装置は前記画像形成装置であって、前記給紙収容部は、前記用紙切れの給紙収容部に対して、印刷動作を停止することなく前記用紙の補充が可能であることを主要な特徴とする。
【0011】
また本発明の画像形成装置は前記画像形成装置であって、前記用紙切れ通知部は、前記給紙収容部からの用紙切れの際、又は、ユーザの操作開始の際の少なくとも一方をトリガーとして通知することを主要な特徴とする。
【0012】
また本発明の画像形成装置は前記画像形成装置であって、前記用紙切れ通知部は、画像形成装置本体の表示部、内部ウェブサーバ、外部装置のプリンタ監視ユーティリティの少なくともひとつに通知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の画像形成装置は、複数の給紙収容部から給紙駆動部により連続的に印刷部へ給紙可能な画像形成装置であって、前記給紙収容部をグループ分けして設定するグループ設定保持部と、前記グループ内の給紙収容部の用紙切れを検知する用紙残量検知部と、前記用紙残量検知部が前記給紙収容部のいずれかの用紙切れを検知すると、同じグループ内の他の給紙収容部からの給紙に切り替えるよう前記給紙駆動部を制御する給紙切替制御部と、を有し、前記給紙切替制御部は、前記給紙の切替の際に前記グループ内の各給紙収容部のいずれか残量枚数の最も多いものを最後に選択することを最も主要な特徴とするため、グループ分けされた給紙収容部のうちの最後のひとつの給紙収容部からの給紙に切替が行われてから同給紙収容部の用紙が消費するまでの時間が最も長いため、その間他の給紙収容部の用紙残量がゼロであることをユーザに認識させることが容易となり、給紙収容部の全てが空になる前にユーザが用紙の補充又は補充の準備を行うことが可能となり、用紙切れによる装置の停止状態の時間を抑制することが可能となった。
【0014】
また、本発明の画像形成装置は、前記画像形成装置であって、前記給紙切替制御部は、前記給紙の切替の際に前記グループ分けされた給紙収容部のうちの残量枚数の少ない順に選択するよう前記給紙駆動部を制御することを主要な特徴とするため、グループ分けされたうちの用紙残量が最も少ないものが最初に消費されることにより、用紙残量がゼロであることをユーザに早期に認識させることが容易となる。そのため、給紙収容部の全てが空になる前にユーザが用紙の補充又は補充の準備を行うことが可能となり、用紙切れによる装置の停止状態の時間を抑制することが可能となった。
【0015】
また本発明の画像形成装置は、前記画像形成装置であって、前記用紙残量検知部の用紙切れ検知に基づき前記グループ分けされた給紙収容部のひとつに用紙切れがある場合には、ユーザにその旨を通知する用紙切れ通知部を有することを主要な特徴とするため、複数の給紙収容部を有する画像形成装置において、グループ化されている給紙収容部のうちのひとつが用紙切れを起こしたことをユーザに認識させることが可能であるので、用紙切れを認識したユーザが用紙を補充すること、又は用紙の補充を準備することにより装置の停止状態を最小限にすることが可能となった。
【0016】
また本発明の画像形成装置は前記画像形成装置であって、前記用紙切れ通知部は、前記グループ内の最後の給紙収容部にのみ用紙が残っている状態になったことをユーザに通知することを主要な特徴とするため、グループ化された給紙収容部のうちのひとつにしか用紙が残っていないことをユーザに認識させることが可能であるので、ひとつの給紙収容部にしか用紙が残っていないことを認識したユーザが用紙を補充すること、又は用紙の補充を準備することにより装置の停止状態を最小限にすることが可能となった。
【0017】
また本発明の画像形成装置は前記画像形成装置であって、前記給紙収容部は、前記用紙切れの給紙収容部に対して、印刷動作を停止することなく前記用紙の補充が可能であることを主要な特徴とするため、用紙切れを認識したユーザが印刷動作中であっても用紙切れの給紙収容部に用紙を補充すれば給紙収容部が最大に保持できる用紙枚数を超えて連続的に印刷を行うことが可能となった。
【0018】
また本発明の画像形成装置は前記画像形成装置であって、前記用紙切れ通知部は、前記給紙収容部からの用紙切れの際、又は、ユーザの操作開始の際の少なくとも一方をトリガーとして通知することを主要な特徴とするため、印刷中に用紙がなくなったときに限らず、ユーザが画像形成装置の使用を開始しようとしたときに、ひとつの給紙収容部にしか用紙が残っていないことをユーザに通知することが可能など、様々な使用状況に対応して用紙切れによる印刷動作の停止の可能性を抑制することが可能となった。
【0019】
また本発明の画像形成装置は前記画像形成装置であって、前記用紙切れ通知部は、画像形成装置本体の表示部、内部ウェブサーバ、外部装置のプリンタ監視ユーティリティの少なくともひとつに通知することを特徴とするため、ユーザが画像形成装置のそばにいるときに限らず、ホストコンピュータからの印刷を行っている際や、プリンタ監視ユーティリティにより画像形成装置の管理を行っている際にも用紙切れを把握することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
複数の給紙収容部を有する画像形成装置において、グループ化された給紙収容部の用紙切れによる印刷動作の停止を抑制することが出来ないという問題点をグループ化された給紙収容部のひとつが空になった際、又は最後のひとつの給紙収容部を残して後の給紙収容部が全て空になった際に、用紙切れのメッセージを通知すると共に用紙補充の警告を行う方法及び用紙切れの際には、グループ化されたうちの用紙残量の最も多い給紙収容部を最後に選択する方法とにより解決した。
【実施例】
【0021】
[装置構成]
図1は、本発明の実施例に係わる画像形成装置の機械的構成を主に示す側面断面図である。
【0022】
説明中での給紙収容部とは、後述する手差しトレイ220のような平型の給紙トレイと、給紙カセット201a,b,c,dのような箱型の給紙トレイの両方のことを示す。
【0023】
画像形成装置1は、本体部200と、図1における本体部200の左側に配設された用紙後処理部300と、ユーザが種々の操作指令等を入力するための操作部400と、本体部200の上部に配設された原稿読み取り部500と、原稿読み取り部500の上方に配設された原稿給送部600とから構成される。
【0024】
操作部400は、タッチパネル401(表示部)、スタートキー402及びテンキー403等を備える。タッチパネル401(表示部)は、種々の操作画面を表示するとともに、ユーザが種々の操作指令を入力するための種々の操作ボタン等を表示する。スタートキー402は、ユーザが印刷実行指令等を入力するために用いられ、テンキー403は、印刷枚数等を入力するために用いられる。
【0025】
原稿給送部600は、原稿収納部601、原稿排出部602、給紙ローラ603及び原稿搬送部604等を備え、原稿読み取り部500は、スキャナ501等を備える。給紙ローラ603は、原稿収納部601にセットされた原稿を繰り出し、原稿搬送部604は、繰り出される原稿を1枚ずつ順にスキャナ501上に搬送する。スキャナ501は搬送される原稿を順次読み取り、読み取られた原稿は原稿排出部602に排出される。
【0026】
本体部200は、複数の給紙カセット201a,b,c,d(給紙収容部)、手差し給紙トレイ220(給紙収容部)、複数の給紙ローラ202a,b,c,d,221(給紙駆動部)、転写ローラ203(印刷部)、感光体ドラム204(印刷部)、露光装置206(印刷部)、現像装置207(印刷部)、定着ローラ208(印刷部)、排出口209、及び排出トレイ210等を備える。
【0027】
上記の給紙カセット201a,b,c,dと手差し給紙トレイ220により給紙収容部を構成している。
【0028】
上記の転写ローラ203、感光体ドラム204、露光装置206、現像装置207)、定着ローラ208により印刷部240を形成している。
【0029】
上記の複数の給紙ローラ202a,b,c,d,221と、給紙収容部から印刷部240への給紙パス及びその駆動系により給紙駆動部230を構成している。
【0030】
感光体ドラム204は、矢印方向に回転しながら帯電装置(図示省略)によって一様に帯電される。露光装置206は、原稿読み取り部500において読み取られた原稿の画像データに基づいて生成された変調信号をレーザ光に変換して出力し、感光体ドラム204に静電潜像を形成する。現像装置207は、黒色の現像剤を感光体ドラム204に供給してトナー画像を形成する。
【0031】
一方、給紙収容部の給紙カセット201a,b,c,dにおいては、給紙ローラ202a,b,c,dが印刷用紙が収納された給紙カセット201a,b,c,dの最上面の用紙に当接して回転することにより給紙駆動部230の給紙パスに印刷用紙を引き出す。また、手差し給紙トレイ220においては、給紙ローラ221が手差し給紙トレイ220の最上面の用紙に当接して回転することにより給紙駆動部230の給紙パスに印刷用紙を引き出して、転写ローラ203まで給送する。転写ローラ203は、搬送された印刷用紙に感光体ドラム204上のトナー像を転写させ、定着ローラ208は、転写されたトナー像を加熱して印刷用紙に定着させる。その後、印刷用紙は本体部200の排出口209から用紙後処理部300に搬入される。また、印刷用紙は、必要に応じて排出トレイ210へも排出される。
【0032】
前記給紙カセット201a,b,c,dには、その用紙残量を検出する残量センサ205a,b,c,dが、各給紙カセットに取り付けられている。残量センサ205a,b,c,dは、図に示すようにJ字状をしており、用紙の残量の低下とともに上部の軸を中心に回転することにより用紙残量を検出すると共に、用紙がなくなると残量センサの紙に接する部分が給紙カセット(給紙収容部)の底面に開けられた穴部(不図示)に落ち込むため用紙が無くなった事を検出可能である。
【0033】
なお、手差し給紙トレイ220(給紙収容部)においては、給紙ローラ221が残量センサの役割を果たしている。
【0034】
本画像形成装置1の給紙カセット201a,b,c,dは、用紙補充のために画像形成装置本体200から取り出すときには、図1の右側方向(図1の矢印P)にスライドして取り出されるために給紙ローラ202a,b,c,dから、転写ローラ203及び感光体ドラム204へつながる給紙駆動部230の給紙パスを遮ることがない。そのため、印刷動作中であっても印刷部240への給紙に係っていない給紙カセットの交換は可能であり、その際には印刷動作を停止させることが無い。
【0035】
また、手差し給紙トレイ220においても同様に印刷動作を遮ることなく用紙の補充が可能である。
【0036】
用紙後処理部300は、搬入口301、印刷用紙搬送部302、搬出口303及びスタックトレイ304等を備える。印刷用紙搬送部302は、排出口209から搬入口301に搬入された印刷用紙を順次搬送し、最終的に搬出口303からスタックトレイ304へ印刷用紙を排出する。スタックトレイ304は、搬出口303から搬出された印刷用紙の集積枚数に応じて矢印方向に上下動可能に構成されている。
【0037】
[機能ブロック]
図2は、本発明実施例の画像形成装置の機能ブロック図である。
【0038】
本機能ブロック図では、本発明の本質に関係する部分のみをブロック図化して説明してある。通常の画像形成装置に備わっており、図1の構成図において説明した印刷部240や後処理装置300などのブロック図化については省略した。
【0039】
図2には、図1の側面断面図ですでに説明した給紙収容部(給紙カセット201a,b,c,d及び手差し給紙トレイ220)、給紙駆動部230、操作部400、操作部400中のタッチパネル401(表示部)などと共に、図1では説明されていない機能ブロック部であるソフトウェア機能部700、通信インタフェース部751を有している。
【0040】
このソフトウェア機能部700は、用紙残量検知部701、用紙サイズ種類検知部703、グループ設定保持部705、内部Webサーバ707、給紙切替制御部709、用紙切れ通知部711を有している。
【0041】
また、画像形成装置1は、その通信インタフェース部751を通してネットワーク801に接続しており、同じくネットワークに接続されたPC1(Personal Computer)901(外部装置)、PC2(Personal Computer)903(外部装置)と接続している。
【0042】
以下に各機能部について説明する。本機能ブロックの説明においては、本発明の本質に関わるグループ化、給紙切替、及び給紙切れ通知に関する機能部についてのみ説明を行う。その他の本発明の本質に関係のない画像処理部などの説明は省略した。
【0043】
通信インタフェース部751は、画像形成装置1をネットワークと接続するインタフェース部である。通信インタフェース部751を通してPC(Personal Computer)等の外部装置と接続する。
【0044】
ソフトウェア機能部700は、画像形成装置1のコンピュータにソフトウェアにより各種機能を実現させる機能部である。
【0045】
用紙残量検知部701は、給紙カセット部201が有する各給紙カセット201a,b,c,dの用紙残量を検出する残量センサ205a,b,c,dからの信号を受信して、各給紙カセット201a,b,c,dの用紙の残量がどれくらいかと、用紙がなくなってしまったことを検知する。
【0046】
用紙サイズ種類検知部703は、給紙カセット部201の各給紙カセット201a,b,c,dの用紙サイズを定める枠部によって測定された用紙サイズの信号や、給紙経路中に設置されたセンサからの信号により、各給紙カセットに供給された用紙サイズや用紙の種類などを検知する。
【0047】
これらのセンサなどでは検知できないような用紙種類、例えば厚紙や色紙、又は片面使用済み用紙などについては、ユーザの設定により次項のグループ設定保持部705に設定を行う。
【0048】
グループ設定保持部705は、複数ある給紙カセットをグループ毎に分けて設定(グループ化機能)することが可能である。一般的には、用紙のサイズ及び種類が同じもの毎にグループ化することが行われる。(ただし、異なるものをグループ化して設定することも可能である。)
本画像形成装置1では、複数の給紙収容部(複数の給紙カセット201a,b,c,d及び手差し給紙トレイ220)をグループ分けして、それらグループ化されたものをひとつの大容量給紙収容部として扱う(以降、グループ化機能と呼ぶ)ことが可能である。このグループ化機能により、一つの給紙カセットの最大用紙容量を超える大量の印刷を行うことが可能となる。すなわち、グループ化された給紙カセットの一つの用紙が使い果たされて空になっても、自動的にグループ化されている異なる給紙カセットからの給紙に切り替えることにより、「紙無しエラー、印刷エンジンの休止」状態を発生させずに、グループ化されたすべての給紙収容部の用紙がなくなるまでの連続印刷を行えることが可能となり、そのことがこのグループ化機能の最大の利点である。
【0049】
本グループ設定保持部705は、この給紙収容部のグループ化の設定(例えば、給紙カセットa,cをひとつのグループでA4普通用紙を入れたもの、給紙カセットb,d、手差し給紙トレイをひとつのグループでA4片面使用済み用紙と設定など)を行い、その設定状態を記録して保持する。
【0050】
この設定は、操作部400からの入力によって行っても良いし、通信インタフェース部751を通して外部装置であるPC1;901のプリンタ監視ユーティリティ911により行っても良いし、また外部装置であるPC2;903のブラウザ913を用いて画像形成装置1の内部Webサーバ707にアクセスして内部Webサーバ707の有する設定機能を用いて行っても良い。
【0051】
内部Webサーバ707は、画像形成装置1の装置の状態を外部装置であるPC2;903のブラウザ913からアクセスできるように、設けられたものである。内部Webサーバ707のページにアクセスすることにより、画像形成装置1の設定状態を確認できると共に設定の変更を行うことも可能である。前記したように、給紙収容部のグループ化の設定も内部Webサーバ707にアクセスすることにより、設定の確認と変更が可能である。
【0052】
給紙切替制御部709は、グループ化された給紙収容部からの給紙を行う際にどの給紙収容部を選択するかを給紙駆動部230に指示を行って制御する機能部である。給紙切替制御部709は、この給紙収容部の選択を行う際に各給紙収容部の残量枚数の少ないものを優先的に選択して給紙を行う。このような選択を行うことにより、残量枚数の一番多い給紙収容部が最終に選択されることとなり、その他の給紙収容部が空になっていることを表示する時間が長くなるので、ユーザは全ての用紙切れが発生する前に用紙切れに気付き用紙の補充を行うこととなる。その結果印刷の途中に用紙切れが発生して印刷がジョブの途中で中断してしまう可能性を抑制することとなる。
【0053】
用紙切れ通知部711は、印刷が行われて用紙が消費されてグループ化された給紙収容部のカセットのいずれかがなくなった場合に用紙切れの通知を行うこと、及び最後の給紙収容部にだけ用紙が残っている状態になると、ユーザに対して用紙交換の警告を発する機能部である。
【0054】
[フローチャート]
図3のフローチャートを用いて、画像形成装置においてグループ化設定の動作について説明する。
【0055】
S11:画像形成装置1の給紙収容部(複数の給紙カセット201a,b,c,d及び手差し給紙トレイ220)のグループ化設定を行う。前記したように、この場合にユーザは画像形成装置1本体の操作部400を用いて、グループ化設定を行っても良いし、また、画像形成装置1とネットワーク接続されている、PCからグループ化設定を行っても良い。実際の設定動作は図5を用いて後述する。
【0056】
次に図4のフローチャートを用いて、給紙収容部のグループ選択が行なわれている際の印刷動作おける給紙切替の選択制御及び用紙切れ通知について説明する。
【0057】
画像形成装置において印刷動作が開始すると図4のフローチャートが開始する。
【0058】
S21:用紙残量検知部701は、現在選択されているグループの各給紙収容部の用紙残量枚数をチェックする。
【0059】
S23:S21での用紙残量チェックの結果、全ての給紙収容部の用紙残量がゼロであるときは、これ以上印刷動作を継続できないので用紙切れのメッセージを出して異常終了する。そうでない場合には動作をS25に移行する。異常終了した場合にはユーザにより給紙収容部に用紙が補給されて印刷動作が再開されて図4のフローチャートが再開する。
【0060】
S25:用紙切れ通知部711は、用紙切れを起こした給紙収容部について用紙切れが発生していることを通知する。通知の方法は、操作部400のタッチパネル401(表示部)に表示する方法であってもよいし、外部装置であるPC1;901が搭載しているプリンタ監視ユーティリティ911に通知する方法であってもよいし、内部Webサーバ707を経由してPC2;903のブラウザに通知する方法であってもよい。又はそれらのうちから複数の手段を同時に行う方法であってもよい。
【0061】
S27:S21での用紙残量チェックの結果、用紙残量がゼロでない給紙収容部の数が1より多い場合は動作をS31に移行する。用紙残量がゼロでない給紙収容部の数が1の場合は、動作をS29に移行する。
【0062】
S29:用紙切れ通知部711は、用紙が残っているのがひとつの給紙収容部となったこと、及びすでに空になっている他の給紙収容部に用紙を補給するようにユーザに警告する。警告の方法はS25と同様に、そこで挙げた複数の方法の少なくとも一つを行う。
【0063】
S31:給紙切替制御部709は、用紙の残っている給紙収容部の中から用紙枚数の最も少ない給紙収容部を選択する。
【0064】
S33:選択された給紙収容部に用紙が残っているかどうかを判断する。用紙が残っていれば動作をS35に移行する。用紙が残っていなければ動作をS21に戻す。
【0065】
S35:選択された給紙収容部から用紙を給紙して1部の印刷を行う。
【0066】
S37:ジョブのすべての枚数の印刷を終了したかどうかを判断する。終了していれば、動作を正常に終了したとしてフローチャートの動作は終了する。ジョブにまだ残った印刷がある場合には、動作をS33に戻す。
【0067】
以上の一連の動作により、グループ化されたうちの一つの給紙収容部に用紙がなくなっても、同じグループの他の給紙収容部に用紙が残っている場合には、その給紙収容部に切り替えて通知する。また、その場合に残った給紙収容部がグループのうちの最後のひとつであるときには、グループ中の用紙がなくなった他の給紙収容部に用紙を補充するようにユーザに警告する。
【0068】
上記図4のフローチャートでは、S25で用紙切れの発生が起こっていることを通知するとしたが、この場合にはすべての通知手段に対して通知を行わずとも例えばタッチパネル(表示部)においてのみ表示するというような方法であってもよい。又は、単にタッチパネルにおける給紙収容部の用紙残量がないことを表示するだけのものであってもよいし、さらには設定によっては全く通知を行わないとする方法であってもよい。
【0069】
本フローチャート(図4)では、用紙切れが発生したことをトリガーとしての動作の通知について説明したが、本フローチャート(図4)の起動トリガーとして画像形成装置の電源投入やユーザの操作開始をもってするという方法をとってもよい。
【0070】
[グループ設定のユーザインタフェース画面]
画像形成装置1での給紙収容部のグループ設定を画像形成装置1のタッチパネル401を用いて行う際の設定動作について図5のユーザインタフェース画面を用いて説明する。
【0071】
タッチパネル401以外に内部Webサーバ707やプリンタ監視ユーティリティ911を用いてグループ化設定する方法も可能である。その場合でも基本的には図5と同様な画面が表示されて、タッチパネルの代わりにマウス等によって選択するという点が異なるだけである。
【0072】
図5(A)から(D)に示すのは、タッチパネル401上に表示されるグループ設定画面の例である。図5(A)に装置の各部のアイコンが表示されており、番号を付したトレイ1は、給紙カセットa;201aに対応し、トレイ2は、給紙カセットb;201bに対応し、トレイ3は、給紙カセットc;201cに対応し、トレイ4は、給紙カセットd;201dに対応する。MPは、手差し給紙トレイ220に対応する。又画面上にグループ設定ボタン451が配置されている。
【0073】
図5(B)に示すように、ユーザはタッチパネル上に表示された上記の給紙トレイ(給紙収容部)のアイコンのうちグループ化したいものに接触してハイライト化させる。
【0074】
次に、図5(C)に示すようにグループ設定ボタン451に接触してグループ化を決定する。
【0075】
決定されたグループは、図5(D)に示す用にトレイ1とトレイ4を包含する枠によって示される。
【0076】
[実施例の効果]
本発明実施例の画像形成装置1により、以下のことが可能となった。
【0077】
本実施例の画像形成装置1は、グループ化された給紙収容部を用いることにより、ひとつの給紙カセット等の用紙供給枚数を超えて連続して印刷を継続することが可能となった。
【0078】
印刷中であっても印刷に係っていない給紙収容部については、印刷を中止することなく用紙の補充が可能であるため、グループ化された給紙収容部の印刷に係っていない給紙カセット等に用紙の補充を行える。
【0079】
グループ分けされた給紙収容部のうち、用紙残量の少ないものから順に消費されるため、早期に用紙切れをユーザに認識させることが可能となり、結果的にユーザがグループ分けされた全ての給紙収容部の用紙切れが発生する前に用紙の補充を行う時間が増えて、用紙切れによる装置の停止状態の発生を抑制することが可能となった。
【0080】
ユーザは、給紙カセットに用紙がなくなったことを通知されるために、その通知により用紙補充動作を行うことができる。また、動作の開始の際にも画像形成装置は、給紙収容部の状態をチェックして同通知を行うため、自身の印刷動作により給紙収容部のひとつの用紙を使いきった場合でなくとも、用紙の補充の必要なことを認識可能である。
【0081】
さらに、グループ化された用紙手段の用紙が消費されて、最後のひとつの給紙収容部のみになった際には、ユーザにその旨を警告するため、ユーザはすでに用紙を使いきって空になった給紙カセット等に用紙の補充を行うため、本実施例の画像形成装置のようにカセットに給紙を行うために印刷動作を停止する必要の無い装置では、印刷を停止することなくグループ化された用紙の供給枚数の制限をうけることなく連続的に印刷を行うことが可能となった。
【0082】
[その他]
本発明実施例の画像形成装置1は、原稿給送部600や、原稿読取部500や、後処理装置300などの機能部を備えた比較的高機能な画像形成装置を例に説明を行ったが、本発明はこの実施例に限らず例えば上記の機能部が備わっていない画像形成装置であっても応用可能であり、画像形成装置の装置構成は本発明の要旨あるいは技術思想に反しない範囲で適宜変更可能である。また、それら変更を行った画像形成装置も本発明の技術的範囲の射程内である。
【0083】
本実施例の画像形成装置1では、用紙切れを用紙切れ通知部711により行う方法として説明したが、用紙切れ通知部711以外に従来技術にあるような、用紙残量を常に表示部に表示するような方法を用いてもよい。この場合は、給紙収容部の残量センサ205a,b,c,dが用紙残量を計測して、タッチパネル401において、用紙残量をアイコン等で表示する方法を用いる。用紙残量の表示については、残量が空になった際にはその旨を表示することを含んでも良い。
【0084】
本実施例の画像形成装置1では、図4のフローチャートのS31において、給紙収容部の選択を行う際には、残量用紙枚数の少ない順に選択する方法としたが、S31においては、残量用紙枚数の最も多いものを最後に選択するということだけを指定して、それ以前の選択(残量の残っている給紙収容部が3以上あるときでの給紙収容部の選択)においては、例えば残量用紙枚数の最も多いもの以外の選択は、給紙収容部の上部に並んでいるから順に選択する方法や、あらかじめ設定によって優先順位を定めておく方法などを選択しても良い。この方法によっても、最終的に選択された給紙収容部は最も枚数が多く、またS29の補充警告によってユーザに通知をされるので、印刷動作の停止を抑制することが可能である。
【0085】
本実施例の画像形成装置1は、印刷動作中に印刷動作に係っていない印刷収容部に用紙を補充する際には、印刷動作を停止しないで行うことが可能であるが、そのような構造の画像形成装置に限らず、用紙の補充の際には印刷動作を停止してしまう構造(例えば、給紙カセットの引き出し方向に給紙パスがある)の画像形成装置であっても用紙切れの通知を認識したユーザが交換のための用紙の準備を装置停止前に行うことができるため、装置の停止状態を最小限に抑える効果がある。もちろん、本実施例のように印刷動作に係っていない印刷収容部に用紙を補充する際には、印刷動作を停止しないで行うことが可能である画像形成装置において本発明の効果が最も高い。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明実施例の画像形成装置の側面断面図である。
【図2】本発明実施例の画像形成装置の機能ブロック図である。
【図3】本発明実施例の画像形成装置のグループ化設定の際のフローチャートである。
【図4】本発明実施例の画像形成装置の印刷動作開始の際の動作のフローチャートである。
【図5】本発明実施例の画像形成装置のグループ設定の際のユーザインタフェース画面である。
【符号の説明】
【0087】
1 画像形成装置
201a,b,c,d 給紙カセット(給紙収容部)
202a,b,c,d 給紙ローラ(給紙駆動部)
203 転写ローラ(印刷部)
204 印刷ドラム(印刷部)
205a,b,c,d 残量センサ
206 露光装置(印刷部)
207 現像装置(印刷部)
208 転写ローラ(印刷部)
220 手差し給紙トレイ(給紙収容部)
221 給紙ローラ(給紙駆動部)
230 給紙駆動部
240 印刷部
401 タッチパネル(表示部)
701 用紙残量検知部
703 用紙サイズ検知部
705 グループ設定保持部
707 内部Webサーバ(内部ウェブサーバ)
709 給紙切替制御部
711 用紙切れ通知部
751 通信インタフェース部
901 PC1(Personal Computer)(外部装置)
903 PC2(Personal Computer)(外部装置)
911 プリンタ監視ユーティリティ
913 ブラウザ
P 給紙カセット引出方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の給紙収容部から給紙駆動部により連続的に印刷部へ給紙可能な画像形成装置であって、
前記給紙収容部をグループ分けして設定するグループ設定保持部と、
前記グループ内の給紙収容部の用紙切れを検知する用紙残量検知部と、
前記用紙残量検知部が前記給紙収容部のいずれかの用紙切れを検知すると、同じグループ内の他の給紙収容部からの給紙に切り替えるよう前記給紙駆動部を制御する給紙切替制御部と、を有し、
前記給紙切替制御部は、前記給紙の切替の際に前記グループ内の各給紙収容部のいずれか残量枚数の最も多いものを最後に選択する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置であって、
前記給紙切替制御部は、前記給紙の切替の際に前記グループ分けされた給紙収容部のうちの残量枚数の少ない順に選択するよう前記給紙駆動部を制御する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2の画像形成装置であって、
前記用紙残量検知部の用紙切れ検知に基づき前記グループ分けされた給紙収容部のひとつに用紙切れがある場合には、ユーザにその旨を通知する用紙切れ通知部を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかの画像形成装置であって、
前記用紙切れ通知部は、前記グループ内の最後の給紙収容部にのみ用紙が残っている状態になったことをユーザに通知する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかの画像形成装置であって、
前記給紙収容部は、前記用紙切れの給紙収容部に対して、印刷動作を停止することなく前記用紙の補充が可能である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかの画像形成装置であって、
前記用紙切れ通知部は、前記給紙収容部からの用紙切れの際、又は、ユーザの操作開始の際の少なくとも一方をトリガーとして通知する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかの画像形成装置であって、
前記用紙切れ通知部は、画像形成装置本体の表示部、内部ウェブサーバ、外部装置のプリンタ監視ユーティリティの少なくともひとつに通知する
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−256077(P2009−256077A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−109644(P2008−109644)
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】