説明

画像形成装置

【課題】像担持体として中間転写体、転写搬送体または感光体ベルトが用いられる画像形成装置において、像担持体表面の表面摩擦係数を調整する際に、清掃手段の寿命短命化を招くことなく、また清掃手段のビビリや、駆動力伝達手段を構成する駆動ギア等の破損、あるいは駆動手段としての駆動モータ自身等が破損することなく、像担持体表面の表面摩擦係数を容易に適正な所定の範囲にさせることができ、安定した画像を得ることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】制御手段50は、摩擦係数検知手段45からの中間転写ベルト10の表面摩擦係数検知に係る出力信号に基づいて、中間転写ベルト10の表面が所定の表面摩擦係数になるように、駆動モータ22を制御することにより中間転写ベルト10を回転駆動させながら電圧印加手段(1次転写電流印加手段101、2次転写電流印加手段102)をして所定の電圧を中間転写ベルト10に印加させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ、プロッタ等またはそれら複数の機能を備えた複合機等の画像形成装置に関し、さらに詳しくは、像担持体として中間転写体、転写搬送体または感光体ベルトを用いる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の画像形成装置、特にはトナーを用いて画像形成を行う電子写真方式の画像形成装置において、像担持体としての感光体の表面の摩擦係数を上昇させるために、清掃手段としての例えばクリーニングブレードの感光体に対する当接圧を高くする方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、感光体に対する清掃手段(例えばクリーニングブレード)の当接圧を高くするため、清掃手段(例えばクリーニングブレード)の寿命を縮めてしまうことは避けられない。また、清掃手段のビビリや、清掃手段が像担持体に巻き込まれ、清掃手段が破損してしまったり、像担持体の回転不良といった問題も発生しやすくなる。
【0004】
像担持体においては、清掃手段(例えばクリーニングブレード等)の像担持体表面への当接部(以下、「清掃手段当接部」ともいう)と像担持体表面との間の摩擦係数(以下、「表面摩擦係数」ともいう)が高くなると、清掃手段当接部と像担持体表面との間の摩擦が増加し、これにより清掃手段の先端が像担持体に食い込むような態様で像担持体の回転方向下流側に引き込まれるような不具合状態が発生する。最悪の場合、そのまま清掃手段が巻き込まれてしまい清掃不良となることや、清掃手段が破損する懸念がある。巻き込まれた状態で像担持体が回転していれば、像担持体を損傷してしまう虞もある。
【0005】
またこの状態では、清掃手段当接部と像担持体との間の摩擦係数が増大しているため、像担持体を回転駆動する駆動手段にかかる負荷も増大し、その駆動手段の駆動力伝達手段を構成する駆動ギア等の破損や、駆動モータ自身の破損も生じうる。
特に近年は、高画質化のためにトナーの粒径が小さく、かつ、球形であることが求められている。このようなトナーは清掃しにくい傾向となるため、清掃手段当接部の像担持体表面に対する当接圧を高く設定する必要があり、低すぎるとトナーのすり抜けによる清掃不良が発生しやすくなり、高すぎると表面摩擦係数が高すぎて清掃手段のビビリや像担持体の回転不良といった問題が発生しやすくなる。表面摩擦係数が高いと、清掃不良が起こりやすくなる。
しかし、前記表面摩擦係数の範囲内であっても、表面摩擦係数が上がると、像担持体の駆動が停止する状態が起こりやすいという問題がある。また、清掃手段の摩耗量も増加し、寿命が短くなってしまう。
【0006】
逆に、表面摩擦係数が低くなると、像担持体からのトナー転写時に、転写手段との拘束力が低下するため、シート状記録媒体(以下、用紙や記録紙、OHP等の転写材を含み、「シート」ともいう)突入時の衝撃で横スジ状の異常画像の発生や、トナー像が完全に転写されず、転写不良となってしまう問題がある。また、表面摩擦係数を上昇させるためには高画像面積率の画像を数十枚通紙する必要があった。
上述した現象および問題は、像担持体として中間転写体、転写搬送体または感光体ベルトを用いる画像形成装置においても同様に存在する。
【0007】
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、特には像担持体として中間転写体、転写搬送体または感光体ベルトが用いられる画像形成装置において、像担持体表面の表面摩擦係数を調整する際に、清掃手段の寿命短命化を招くことなく、また清掃手段のビビリや、駆動力伝達手段を構成する駆動ギア等の破損、あるいは駆動手段としての駆動モータ自身等が破損することなく、像担持体表面の表面摩擦係数を容易に適正な所定の範囲にさせることができ、清掃不良のない安定した画像を得ることができる画像形成装置を実現し提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上述の課題を解決するとともに上述の目的を達成するために、後述の実施例を含む実施形態等に記載の実験等を行い鋭意研究する中で、以下の現象を見いだした。すなわち、像担持体としての中間転写体として無端ベルトからなる中間転写ベルトにおいて、その基材としてPAI(ポリアミドイミド)やPI(ポリイミド)等のエンジニアリングプラスチックを用いた場合、図2に示すように、ある所定の電圧をパラメータとして中間転写ベルトに印加すると、その印加時間に応じて、中間転写ベルトの表面粗さが変化することで、その像担持体表面の表面摩擦係数を主として上昇する方に容易に変えられることを突き止めた。本発明は、このような実験で裏付けられた原理を基本にしてなされたものである。
【0009】
上述した課題を解決するとともに上述した目的を達成するために、請求項ごとの発明では、以下のような特徴ある手段・発明特定事項(以下、「構成」という)を採っている。
請求項1記載の発明は、トナー像を担持する像担持体と、該像担持体上のトナー像をシート状記録媒体に転写する転写手段と、前記像担持体の表面に残留した残トナーを該像担持体の表面に当接しながら清掃する清掃手段と、前記像担持体表面と前記清掃手段当接部との間の表面摩擦係数を検知する摩擦係数検知手段とを具備した画像形成装置において、前記表面摩擦係数を調整するための所定の電圧を前記像担持体に印加する電圧印加手段と、前記摩擦係数検知手段により検知された前記表面摩擦係数に係る信号に基づいて、前記像担持体の表面が所定の表面摩擦係数になるように、前記像担持体を回転駆動させながら前記電圧印加手段をして前記所定の電圧を前記像担持体に印加させる制御手段とを有することを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、トナー像を担持する像担持体と、該像担持体上のトナー像をシート状記録媒体に転写する転写手段と、前記像担持体の表面に残留した残トナーを該像担持体の表面に当接しながら清掃する清掃手段と、前記像担持体表面と前記清掃手段当接部との間の表面摩擦係数を検知する摩擦係数検知手段とを具備した画像形成装置において、前記表面摩擦係数を調整するための所定の電圧を前記像担持体に印加する電圧印加手段と、前記表面摩擦係数を調整するための潤滑剤を前記像担持体の表面に供給する潤滑剤供給手段と、前記摩擦係数検知手段により検知された前記表面摩擦係数に係る信号に基づいて、前記像担持体の表面が所定の表面摩擦係数になるように、前記像担持体を回転駆動させながら前記電圧印加手段をして前記所定の電圧を前記像担持体に印加させると共に、前記潤滑剤供給手段をして前記潤滑剤を前記像担持体の表面に供給させる制御手段とを有することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、トナー像を担持する像担持体と、該像担持体上のトナー像をシート状記録媒体に転写する転写手段と、前記像担持体の表面に残留した残トナーを該像担持体の表面に当接しながら清掃する清掃手段と、前記像担持体表面と前記清掃手段当接部との間の表面摩擦係数を検知する摩擦係数検知手段とを具備した画像形成装置において、前記表面摩擦係数を調整するための所定の電圧を前記像担持体に印加する電圧印加手段と、前記トナーの消費量を認識するトナー消費量認識手段と、前記摩擦係数検知手段により検知された前記表面摩擦係数に係る信号および前記トナー消費量認識手段からの前記トナーの消費量認識に係る信号に基づいて、前記像担持体の表面が所定の表面摩擦係数になるように、前記像担持体を回転駆動させながら前記電圧印加手段をして前記所定の電圧を前記像担持体に印加させる制御手段とを有することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、トナー像を担持する像担持体と、該像担持体上のトナー像をシート状記録媒体に転写する転写手段と、前記像担持体の表面に残留した残トナーを該像担持体の表面に当接しながら清掃する清掃手段と、前記像担持体表面と前記清掃手段当接部との間の表面摩擦係数を検知する摩擦係数検知手段とを具備した画像形成装置において、前記表面摩擦係数を調整するための所定の電圧を前記像担持体に印加する電圧印加手段と、前記表面摩擦係数を調整するための潤滑剤を前記像担持体の表面に供給する潤滑剤供給手段と、前記トナーの消費量を認識するトナー消費量認識手段と、前記摩擦係数検知手段により検知された前記表面摩擦係数に係る信号および前記トナー消費量認識手段からの前記トナーの消費量認識に係る信号に基づいて、前記像担持体の表面が所定の表面摩擦係数になるように、前記像担持体を回転駆動させながら前記電圧印加手段をして前記所定の電圧を前記像担持体に印加させると共に、前記潤滑剤供給手段をして前記潤滑剤を前記像担持体の表面に供給させる制御手段とを有することを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか一つに記載の画像形成装置において、前記画像形成装置の製造工程に、前記像担持体の動作を回転駆動させながら検査する検査工程を有し、前記制御手段は、前記検査工程での前記像担持体の回転駆動時に、前記所定の電圧を前記像担持体に印加する制御、前記潤滑剤を前記像担持体の表面に供給する制御および前記トナーを前記像担持体の表面に供給する制御のうちの少なくとも1つの制御を行うことを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5の何れか一つに記載の画像形成装置において、前記像担持体は、中間転写体であることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし5の何れか一つに記載の画像形成装置において、前記像担持体は、転写搬送体であることを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項1ないし5の何れか一つに記載の画像形成装置において、前記像担持体は、感光体ベルトであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、上記課題を解決して新規な画像形成装置を実現し提供することができる。請求項ごとの効果を挙げれば、以下のとおりである。
請求項1記載の発明によれば、制御手段は、摩擦係数検知手段により検知された表面摩擦係数に係る信号に基づいて、像担持体(例えば、中間転写体、転写搬送体および感光体ベルトのうちの少なくとも1つ)の表面が所定の表面摩擦係数になるように、像担持体を回転駆動させながら電圧印加手段をして所定の電圧を像担持体に印加させることにより、容易に、表面摩擦係数を所定の範囲に調整(主として上昇調整)することが可能となるので、清掃不良や、清掃手段の巻き込み、転写不良等の異常画像の無い、安定した画像を容易に得ることができる。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、制御手段は、摩擦係数検知手段により検知された表面摩擦係数に係る信号に基づいて、像担持体(例えば、中間転写体、転写搬送体および感光体ベルトのうちの少なくとも1つ)の表面が所定の表面摩擦係数になるように、像担持体を回転駆動させながら電圧印加手段をして所定の電圧を像担持体に印加させると共に、潤滑剤供給手段をして潤滑剤を像担持体の表面に供給させることにより、容易かつ確実に、表面摩擦係数を所定の範囲に調整することが可能となるので、清掃不良や、清掃手段の巻き込み、転写不良等の異常画像の無い、安定した画像を容易に得ることができる。また、電圧印加手段をして所定の電圧を像担持体に印加させる制御だけでは、専ら表面摩擦係数を上昇調整する制御が主となるが、潤滑剤を像担持体の表面に供給させることで表面摩擦係数を減少調整する制御も可能となるので、表面摩擦係数を確実に所定の範囲に調整することができる。さらに、公知の潤滑剤供給による制御構成をそのまま利用することができ、新たな構成としては主として制御手段の構成を付加すれば済むため、上記効果を簡単な構成で奏する。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、制御手段は、摩擦係数検知手段により検知された表面摩擦係数に係る信号およびトナー消費量認識手段からのトナーの消費量認識に係る信号に基づいて、像担持体(例えば、中間転写体、転写搬送体および感光体ベルトのうちの少なくとも1つ)の表面が所定の表面摩擦係数になるように、像担持体を回転駆動させながら電圧印加手段をして所定の電圧を像担持体に印加させることにより、容易に、表面摩擦係数を所定の範囲に調整(主として上昇調整)することが可能となるので、清掃不良や、清掃手段の巻き込み、転写不良等の異常画像の無い、安定した画像を容易に得ることができる。また、公知のトナー消費量認識手段の制御構成をそのまま利用することができ、新たな構成としては主として制御手段の構成を付加すれば済むため、上記効果を簡単な構成で奏する。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、制御手段は、摩擦係数検知手段により検知された表面摩擦係数に係る信号およびトナー消費量認識手段からのトナーの消費量認識に係る信号に基づいて、像担持体(例えば、中間転写体、転写搬送体および感光体ベルトのうちの少なくとも1つ)の表面が所定の表面摩擦係数になるように、像担持体を回転駆動させながら電圧印加手段をして所定の電圧を像担持体に印加させると共に、潤滑剤供給手段をして潤滑剤を像担持体の表面に供給させることにより、容易かつ確実に、表面摩擦係数を所定の範囲に調整することが可能となるので、清掃不良や、清掃手段の巻き込み、転写不良等の異常画像の無い、安定した画像を容易に得ることができる。また、電圧印加手段をして所定の電圧を像担持体に印加させる制御や、トナーの消費量認識に係る信号に基づく制御では、専ら表面摩擦係数を上昇調整する制御が主となるが、潤滑剤を像担持体の表面に供給させることで表面摩擦係数を減少調整する制御も可能となるので、表面摩擦係数を確実に所定の範囲に調整することができる。さらに、公知の潤滑剤供給による制御構成およびトナー消費量認識手段の制御構成をそのまま利用することができ、新たな構成としては主として制御手段の構成を付加すれば済むため、上記効果を簡単な構成で奏する。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、前記構成により、画像形成装置がユーザに渡る前の、画像形成装置の製造工程における検査工程において、像担持体(例えば、中間転写体、転写搬送体および感光体ベルトのうちの少なくとも1つ)の表面の表面摩擦係数が所定の範囲に調整されるので、効率的、かつ、未然に異常画像の発生を防止することが可能となる。
【0022】
請求項6記載の発明によれば、請求項1ないし5の何れか一つに記載の発明の効果を、像担持体が中間転写体である画像形成装置で得られる。
請求項7記載の発明によれば、請求項1ないし5の何れか一つに記載の発明の効果を、像担持体が転写搬送体である画像形成装置で得られる。
請求項8記載の発明によれば、請求項1ないし5の何れか一つに記載の発明の効果を、像担持体が感光体ベルトである画像形成装置で得られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態1を示す画像形成装置の概略的な正断面図である。
【図2】(a)は、中間転写ベルトに印加する印加電圧をパラメータとしたときの、印加時間と摩擦係数との関係を表すグラフ、(b)は、その数値を表した図表である。
【図3】実施形態1の制御構成を示すブロック図である。
【図4】実施形態2の制御構成を示すブロック図である。
【図5】実施形態3の制御構成を示すブロック図である。
【図6】実施形態4の制御構成を示すブロック図である。
【図7】実施形態5を示す画像形成装置の概略的な正断面図である。
【図8】実施形態6を示す画像形成装置の概略的な正断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という)を詳細に説明する。各実施形態等に亘り、同一の機能および形状等を有する構成要素(部材や構成部品)等については、混同の虞がない限り一度説明した後では同一符号を付すことによりその説明を省略する。公開特許公報等の構成要素を引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、各実施形態等のそれと区別するものとする。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の実施形態等はこの発明における最良の実施形態の一例であって、特許請求の範囲を限定するものではない。
【0025】
(実施形態1)
図1を参照して、本発明の実施形態1を説明する。同図は、実施形態1におけるカラー画像形成装置を示す概略的な構成図である。本実施形態においては、像担持体を中間転写体とし、さら具体的には中間転写体として無端状の中間転写ベルト10を用いた例で説明する。
図1に示すカラー画像形成装置は、同図における左側から右にこの順に、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーでそれぞれ画像形成を行う4つの画像形成手段(もしくは画像形成部)が中間転写ベルト10の下方に並んで配置されたタンデム方式のカラー画像形成装置である。
同図において、イエロートナーに係る画像形成手段回りの構成要素を符号添え字「a」を付すことで、マゼンタトナーに係る画像形成手段回りの構成要素を符号添え字「b」を付すことで、シアントナーに係る画像形成手段回りの構成要素を符号添え字「c」を付すことで、ブラックトナーに係る画像形成手段回りの構成要素を符号添え字「d」を付すことでそれぞれ区別して表している。以下、各画像形成手段回りの構成要素は、トナー色等が異なるのみで同様の構成であるため、説明の簡明化を図るために、現像手段を除き、上記符号添え字を省略したアラビア数字の符号で総括的に説明するものとする(以下、各実施形態の画像形成装置でも同じ)。
【0026】
図1に示すように、本実施形態における画像形成装置は、感光体1を有し、この感光体1の周りには、ブレード3を備えた感光体クリーニングユニット2、図示しない除電手段、帯電手段としての帯電器4、露光手段5、後述する現像手段、中間転写ベルト10などが配置されている。現像手段は、イエロー現像器6、マゼンタ現像器7、シアン現像器8、ブラック現像器9の4個の現像器から構成される。
フルカラー画像形成時は、図示しない除電手段により残留電荷を除去された感光体1の表面は帯電器4により一様に帯電される。次いで、露光手段5により画像情報に基づいてレーザ等の露光光が照射され、一様に帯電された感光体1の表面に静電潜像が形成される。この感光体1上に形成された静電潜像は、イエロー現像器6、マゼンタ現像器7、シアン現像器8、ブラック現像器9によって順に、各色のトナーが供給され現像されることで可視像(トナー像)を形成し、1次転写電流印加手段101および電源手段(図示せず)を介して1次転写バイアスが1次転写手段としての1次転写バイアスローラ11に印加されることにより、各色の可視像が図1中矢印方向に走行する中間転写ベルト10上に順次重ね合わせて転写されることでフルカラー画像(トナー像)が形成される。
【0027】
転写紙25は、シート給送装置31に配設されているシート給送手段としての給紙ローラ26および図示しない分離手段によって、1枚ずつ分離されて転写紙搬送ローラ27を経由して給送され、レジストローラ28のニップ部によって、その先端が一旦停止されて斜めずれなど修正された後、中間転写ベルト10面の4色重ね画像の先端部が2次転写位置に到達するタイミングに合わせてレジストローラ28から給紙される。中間転写ベルト10上の4色重ね画像は、2次転写位置、すなわち図示しない電源および2次転写電流印加手段102を介して所定の電圧が印加された、2次転写手段としての2次転写ローラ21によって、転写紙25に一括転写される。
転写紙25に転写された4色重ね画像は、図示しない除電手段によって除電された後に定着入口ガイド44に沿って定着手段30へ搬送され、定着手段30で加熱・加圧されて定着された後、排紙ローラ32によって図示しない排紙トレイに排紙される。
【0028】
以下、本実施形態の構成についてさらに詳述する。中間転写ベルト10は、1次転写バイアスローラ11、2次転写対向ローラ12、従動ローラ14、従動ローラ15、ベルトクリーニング対向ローラ13に掛け渡され、かつ、張架されている。ベルトクリーニング対向ローラ13の図示しない軸受けには、中間転写ベルト10に所定の張力を付与するための圧縮バネ13の一端が係止されていて、同ローラ13は図において左方に向かって常に付勢されている。各1次転写バイアスローラ11は、圧縮バネ等からなるローラ加圧手段29によって、中間転写ベルト10の裏面に当接し、かつ、中間転写ベルト10を介して中間転写ベルト10の表面が感光体1に接触・押圧する向きに付勢されている。
2次転写対向ローラ12は、中間転写ベルト10の駆動ローラを兼ねていて、中間転写ベルト10を駆動する中間転写体駆動手段としての駆動モータ22に、ギヤ列等の駆動力伝達手段を介して連結されている。中間転写ベルト10は、駆動モータ22によって、そのプロセス速度が150mm/secで走行・駆動するように調整されている。
2次転写対向ローラ12を始めとして、上記各ローラ11,13,14,15は図示しない中間転写ベルトユニット側板によって中間転写ベルト10の両側より回転可能に軸支・支持されている。駆動モータ22は、ブラシレスDCモータを用いており、上記中間転写ベルトユニット側板側の不動部材に固設されている。
【0029】
1次転写バイアスローラ11は、各画像形成手段ごとに配設されている感光体1と対向する中間転写ベルト10との接触部に配置されており、該1次転写バイアスローラ11には図示しない電源および1次転写電流印加手段101を介して、所定の転写バイアスが印加される。本実施形態例では、+1800Vが印加されるように設定されている。
【0030】
中間転写ベルト10は、PVDF(ポリフッ化ビニルデン)、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PI(ポリイミド)、PAI(ポリアミドイミド)、PC(ポリカーボネート)等の樹脂を単層または複数層に構成し、カーボンブラック等の導電性材料を分散させ、その体積抵抗率を10〜1012Ωcm、かつ、表面抵抗率を10〜1013Ω/□の範囲となるよう調整されている。なお、必要に応じ該中間転写ベルト10の表面に離型層をコートしても良い。コートに用いる材料としては、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PTFE(ポリ四フッ化エチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニルデン)、PEA(パ−フルオロアルコキシフッ素樹脂)、FEP(四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体)、PVF(フッ化ビニル)等のフッ素樹脂が使用できるが、これに限定されるものではない。
中間転写ベルト10の製造方法は、注型法、遠心成形法等があり、必要に応じてその表面を研磨しても良い。
【0031】
中間転写ベルト10の体積抵抗率が上述した範囲を超えると、転写に必要なバイアスが高くなるため、電源コストの増大を招くため好ましくない。また、転写工程、転写紙剥離工程などで中間転写ベルト10の帯電電位が高くなり、かつ自己放電が困難になるため除電手段を設ける必要が生じる。また、体積抵抗率および表面抵抗率が上記範囲を下回ると、帯電電位の減衰が早くなるため自己放電による除電には有利となるが、転写時の電流が面方向に流れるためトナー飛び散りが発生してしまう。したがって、本発明・本実施形態における中間転写ベルト10の体積抵抗率および表面抵抗率は、上記範囲内であることが好ましい。
【0032】
体積抵抗率および表面抵抗率の測定は高抵抗抵抗率計(三菱化学社製:ハイレスタIP)にHRSプローブ(内側電極直径5.9mm、リング電極内径11mm)を接続し、体積抵抗率の測定の場合には中間転写ベルト10の表裏に100Vの電圧を、表面抵抗率の測定の場合には中間転写ベルト10の表裏に500Vの電圧を、それぞれ印加して10秒後の測定値を用いた。
【0033】
図1において、19は、中間転写ベルト10をクリーニングするベルトクリーニングユニットである。ベルトクリーニングユニット19には、清掃手段としてのウレタンゴムよりなるクリーニングブレード20が配置されており、クリーニングブレード20の先端を中間転写ベルト10の表面に押し当てて、トナーを堰き止めて清掃する構成となっている。
【0034】
中間転写ベルト10をクリーニングしやすくするために、脂肪酸金属塩(A)と無機潤滑剤(B)とを含む原料で成型された固形潤滑剤155を、潤滑剤塗布手段としての潤滑剤塗布部材152により中間転写ベルト10に塗布または付着させる工程を行う。
脂肪酸金属塩(A)とは直鎖状の炭化水素構造を持ち、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸から選択される少なくとも1種以上の脂肪酸を含有し、亜鉛、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、リチウムから選択される少なくとも1種以上の金属を含有する脂肪酸金属塩が挙げられる。取り分けその中でもステアリン酸亜鉛は、工業的規模で生産され、かつ、多方面での使用実績があることから、コストと品質安定性と信頼性とで、最も好ましい材料である。ただし、一般に工業的に使われている高級脂肪酸金属塩は、その名称の化合物単体組成ではなく、多かれ少なかれ類似の他の脂肪酸金属塩、金属酸化物、および遊離脂肪酸を含むものであり、本発明・本実施形態での脂肪酸金属塩もその例外ではない。
【0035】
無機潤滑剤(B)とは、自身が劈開して潤滑する、或いは内部滑りを起こす無機化合物のことを指す。具体的な物質例としては、タルク・マイカ・窒化ホウ素・二硫化モリブデン・二硫化タングステン・カオリン・スメクタイト・ハイドロタルサイト化合物・フッ化カルシウム・グラファイト・板状アルミナ・セリサイト・合成マイカなどがあるがこれに限るものではない。中でも窒化ホウ素は、原子がしっかりと組み合った六角網面が広い間隔で重なり、層間に働く力は弱いファンデルワールス力のみであるため、容易に劈開、潤滑することから、本発明・本実施形態においては最も好ましく用いられる。なお、これらの無機潤滑剤は疎水性付与等の目的で、必要に応じて表面処理がなされていても良い。
【0036】
これらの潤滑剤は微量ずつ、粉体の形態で中間転写ベルト10の表面に供給されるのであるが、その具体的な方法としては、ブラシなどの潤滑剤塗布部材152によりブロック(塊)状に固形成型された潤滑剤を削り取って塗布する方法や、トナーに外添して供給する方法等がある。ただし、トナーに外添して潤滑剤を供給する場合、その供給量が出力する画像面積に依存し、常に中間転写ベルト表面全面に供給することはできないため、簡易な装置構成で、かつ、中間転写ベルト表面全面に安定に潤滑剤を供給しようとした場合、本実施形態例のように固形潤滑剤155をブラシ状の潤滑剤塗布部材152で削り取って塗布する方法が良い。
なお、本実施形態では、固形潤滑剤155の粉体を中間転写ベルト10の表面に供給する潤滑剤供給手段を積極的に用いて制御すること(後述の実施形態2等)は行わず、通常の制御で微量ずつ供給される。つまり、本実施形態では、潤滑剤供給手段は必須の構成ではなく無くても良い。
【0037】
固形潤滑剤155をブラシ状の潤滑剤塗布部材152で削り取るために、スプリングのような弾性体である潤滑剤加圧手段153により、固形潤滑剤155を1〜4Nの力でブラシ状の潤滑剤塗布部材152に圧接する。固形潤滑剤155の幅(紙面に垂直な感光体1の軸方向の寸法ないし中間転写ベルト10の幅方向の寸法でもある)は、画像幅よりも広く設定する必要があるため、304mm以上とする。ブラシ状の潤滑剤塗布部材152の幅は、固形潤滑剤155を均一に削り取るために、固形潤滑剤155の幅よりも大きくとる必要がある。
【0038】
中間転写ベルト10表面の表面摩擦係数(中間転写ベルト10表面とクリーニングブレード20先端当接部との間の摩擦係数であり、以下、本実施形態等において、「中間転写ベルト10表面の摩擦係数」または単に「摩擦係数」ともいう)は0.25〜0.4の範囲内に設定すると良いことが、以下に述べる理由および実験結果より判明している。すなわち、摩擦係数を0.4よりも高くすると、上記材質のクリーニングブレード20が中間転写ベルト10に巻き込まれて、中間転写ベルト10の駆動回転不良、破損を招く。また、クリーニング不良の原因にもなる。摩擦係数を0.25よりも低くすると、感光体1から中間転写ベルト10へのトナー転写時に、感光体1と中間転写ベルト10との拘束力が低下し、シート状記録媒体としての転写材突入時の衝撃で横スジ状の異常画像が発生する。また、感光体1のトナー像が中間転写ベルト10に完全に転写されず、転写不良となってしまう虞がある。
【0039】
中間転写ベルト10表面の摩擦係数を検知するには、中間転写ベルト10に対するクリーニングブレード20の当接圧と、中間転写ベルト10を駆動する駆動モータ22の駆動トルクとから算出する。中間転写ベルト10の駆動トルクは、駆動モータ22に流れる電流を電流計でサンプリングして算出する。
本実施形態の摩擦係数検知手段は、上述したように、中間転写ベルト10を駆動する駆動モータ22と、駆動モータ22に駆動電流を供給する電源(図示せず)と、駆動モータ22に流れる駆動電流の大きさを検知する電流計とから主に構成されている公知のものである。例えば、特開2009−8716号公報の図2等や、特許第4046311号公報に開示されているものと同様である。すなわち、上記電源がオンされると、駆動モータ22が作動されることで、中間転写ベルト10が回転駆動され、この際に駆動モータ22に流れる駆動電流が上記電流計により自動的に検知される。
【0040】
駆動モータ22の駆動トルクは、主として中間転写ベルト10表面とクリーニングブレード20との間に作用する摩擦力であり、中間転写ベルト10表面の摩擦係数に応じて変動し、中間転写ベルト10表面の摩擦係数が大きいほど大きくなる。一方、上記駆動電流は、駆動モータ22の回転速度に比例する。これらの関係により、駆動モータ22の駆動トルクが大きいほど、すなわち中間転写ベルト10表面の摩擦係数が大きいときほど、駆動モータ22に流れる駆動電流は小さくなり、これとは逆に駆動モータ22の駆動トルクが小さいときほど、すなわち中間転写ベルト10表面の摩擦係数が小さいときほど、駆動モータ22に流れる駆動電流は大きくなる。
【0041】
例えば特許第4046311号公報の段落「0075」に記載されていると同様に、オイラーベルト法を用いて中間転写ベルト10の静止摩擦係数を正確に測定しておき、その測定時と同一の条件で駆動モータ22の駆動電流を電流計で測定したデータとをまとめてデータテーブルを作成する。このように予め実験で取得された駆動モータ22の駆動電流と中間転写ベルト10の表面摩擦係数とに係る関係データは、後述する制御のために、図3に示す制御手段50のROM(図示せず)に記憶・格納される。
【0042】
2次転写ローラ21は、SUS等の金属製芯金上に、導電性材料によって10〜1010Ωの抵抗値に調整されたウレタン等の弾性体を被覆することで構成されている。
なお、2次転写ローラ21の抵抗値測定は、導電性の金属製板に2次転写ローラ21を設置し、芯金両端部に片側4.9N(両側で合計9.8N)の荷重を掛けた状態にて、芯金と前記金属製板との間に1000Vの電圧を印加した時に流れる電流値から算出した。
また、2次転写ローラ21は駆動ギヤ(図示せず)によって駆動力が与えられており、その周速度は中間転写ベルト10の周速度に対して、略同一となるよう調整されている。
【0043】
2次転写ローラ21には、図示しない電源および2次転写電流印加手段102を介して所定の電圧が印加されており、1次転写電流印加手段101と共に図3に示す本実施形態の電圧印加手段を構成している。
本実施形態の電圧印加手段、つまり中間転写ベルト10の表面摩擦係数を調整するための所定の電圧を中間転写ベルト10に印加する電圧印加手段は、1次転写電流印加手段101と2次転写電流印加手段102とからなる。
2次転写は、定電流で制御され、本実施形態例ではその設定値を+30μAとした。
【0044】
図2を参照して、本実施形態の電圧印加手段により、所定の印加電圧を所定の印加時間印加したときの中間転写ベルト10の表面摩擦係数の変化について、実験によって得られた結果を説明する。図2(a)のグラフは、横軸に印加時間(分)を、縦軸に中間転写ベルト10の表面摩擦係数(以下、単に「摩擦係数」ともいう)をそれぞれ取り、電圧印加手段(1次転写電流印加手段101、2次転写電流印加手段102)による印加電圧2kV、4kVをパラメータにしたときの中間転写ベルト10の摩擦係数の値の変化を表している。図2(b)の表は、図2(a)のグラフを作製プロットする前の数値データを記載している。
なお、1次転写電流印加手段101を介しての通常転写時の印加電圧は、上記したとおり+1800Vであり、2次転写電流印加手段102を介しての通常転写時の印加電圧は、+1300Vである。
図2に関する実験条件は、上述した技術事項以外については次のとおりである。
リコー製 「imagio MP C2200」の1次、2次転写装置を一部改造して、図2の結果を得た。
中間転写ベルト10の材質としては、その基材にPAI(ポリアミドイミド)を用いたものであり、その詳細仕様としては、トータルの厚みが0.08mmで、
上記PAI製の基材層が0.07mmのものである。
用いたトナーは、特開2008−129323号公報の段落「0037」〜「0042」に記載されていると同様のもの、つまり重合法で生成された重合トナーであり、その形状係数SF−1、形状係数SF−2が共に100〜180の範囲で、かつ、体積平均粒径が4〜10μmの範囲内の6.5μmのものである。
【0045】
上記実験の結果、本実施形態の電圧印加手段によって、図2(a)に示したように、所定の電圧を所定の印加時間印加すると、中間転写ベルト10の表面粗さの値が上昇し、これによって中間転写ベルト10の摩擦係数が上昇することが分かった。電圧を印加する1次転写バイアスローラ11と、2次転写ローラ21とが各中間転写ベルト10と接触している部分(各転写ローラの発泡セル径等)を詳細に観察したところ、接触している部分と接触していない部分とがあり、そこで電流が流れる部分と流れない部分との差によって材質に変化、すなわち表面粗さに変化が現れていることが確認された。
図2(a)に示す実験結果より、特に、中間転写ベルト10の基材にPAI(ポリアミドイミド)を用いた場合、初期の摩擦係数が0.2程度であり、電圧印加手段により電圧を印加することにより、容易かつ効率的に、中間転写ベルト10表面の摩擦係数を0.25〜0.4の範囲に設定することができる。
【0046】
図3を参照して、本実施形態の制御構成について説明する。同図に示す制御手段50は、それぞれ図示しないCPU、ROM、RAM、内部タイマ等を有する周知のマイクロコンピュータを具備しており、画像形成装置本体の内部に設けられている。
制御手段50のCPUは、摩擦係数検知手段45からの中間転写ベルト10の表面摩擦係数検知に係る信号、画像形成装置本体に設けられた各種センサからの検知信号および制御手段50のROMから呼び出された動作プログラム等に基づいて、駆動モータ22、電圧印加手段の1次転写電流印加手段101、2次転写電流印加手段102の作動等を制御する。制御手段50のROMには駆動モータ22の駆動電流と中間転写ベルト10の表面摩擦係数とに係る関係データ、駆動モータ22の作動、および電圧印加手段の1次転写電流印加手段101、2次転写電流印加手段102の作動に係る図2(a)の関係データ、ならびに必要な動作プログラム等が記憶されており、この関係データや動作プログラムは上記CPUによって適宜呼び出される。制御手段50のRAMは、制御手段50のCPUの計算結果を一時的に記憶する機能、摩擦係数検知手段45等から入力されたデータ出力信号やオン/オフ出力信号を随時記憶する機能等を有している。
【0047】
制御手段50のCPU(以下、前後の文脈等から制御手段50のCPUであることが理解できるときには説明の簡明化のため単に「制御手段50」ともいい、以下の実施形態等でも同じ)は、摩擦係数検知手段45からの中間転写ベルト10の表面摩擦係数検知に係る出力信号に基づいて、中間転写ベルト10の表面が所定の表面摩擦係数(上記した0.25〜0.4の範囲)になるように、駆動モータ22を制御することにより中間転写ベルト10を回転駆動させながら電圧印加手段(1次転写電流印加手段101と2次転写電流印加手段102)をして所定の電圧を中間転写ベルト10に印加させる機能を有する。
制御手段50は、中間転写ベルト10の表面が所定の表面摩擦係数(0.25〜0.4)になるまで、中間転写ベルト10を回転駆動させながら電圧印加手段をしての所定の電圧印加動作を実行させるが、この際適宜、制御手段50は摩擦係数検知手段45からの中間転写ベルト10の表面摩擦係数検知に係る出力信号によって、中間転写ベルト10の表面摩擦係数の調整程度を認識しながら上記制御を繰り返し続行する、いわゆるフィードバック制御を行うこととなる(以下の実施形態等でも同じ)。
【0048】
本実施形態によれば、図3の制御構成の制御手段50を具備することにより、駆動モータ22を制御することで中間転写ベルト10を回転駆動させながら電圧印加手段(1次転写電流印加手段101と2次転写電流印加手段102)をして所定の電圧を中間転写ベルト10に印加させることで、中間転写ベルト10の表面摩擦係数を容易に上昇・調整することが可能となる。これにより、清掃不良や、清掃手段(クリーニングブレード20)の巻き込み、転写不良等の異常画像の無い、安定した画像を容易に得ることができる。したがって、従来のように、表面摩擦係数を上昇させるために、数十枚通紙して高画像面積率の画像をプリントする必要もない。
また、本実施形態によれば、従来からある転写バイアス印加手段をそのまま利用することができ、新たな構成としては制御手段50周りの構成を付加すれば済むため、上記利点効果を簡単な構成で奏するものである。
【0049】
制御手段50による中間転写ベルト10の摩擦係数制御は、中間転写ベルト10の回転中に、中間転写ベルト10の摩擦係数を算出しながら、通常の通紙・プリント中、通紙後に行われるが、次のように画像形成装置の製造・組立工程時の検査工程で行っても良いことも一つの特徴となっている。
すなわち、図1の画像形成装置の製造・組立工程に、中間転写ベルト10の動作を回転駆動させながら検査する検査工程を有し、制御手段50は、前記検査工程での中間転写ベルト10の回転駆動時に、摩擦係数検知手段45からの中間転写ベルト10の表面摩擦係数検知に係る出力信号に基づいて、中間転写ベルト10の表面が所定の表面摩擦係数(上記した0.25〜0.4の範囲)になるように、駆動モータ22を制御することにより中間転写ベルト10を回転駆動させながら電圧印加手段(1次転写電流印加手段101と2次転写電流印加手段102)をして所定の電圧を中間転写ベルト10に印加させる制御を行うものである(これを、本実施形態の変形例とする)。
【0050】
実施形態1の変形例によれば、検査工程で検査と同時に中間転写ベルト10(像担持体)の表面摩擦係数を上昇・調整することができることにより、効率的に異常画像の発生を防止することが可能となる。
【0051】
(実施形態2)
図1、図2および図4を参照して、本発明の実施形態2を説明する。本実施形態は、図1〜図3に示した実施形態1と比較して、図1、図2および図4に示すように、中間転写ベルト10の表面摩擦係数を調整するための潤滑剤を中間転写ベルト10の表面に供給する潤滑剤供給手段150を用いる点、制御手段50に代えて、制御手段50Aを用いる点が主に相違する。
【0052】
本実施形態の潤滑剤供給手段150は、実施形態1で説明した潤滑剤塗布部材152、潤滑剤加圧手段153および固形潤滑剤155からなる潤滑剤塗布装置と比較して、実施形態1の潤滑剤塗布装置に加えて、潤滑剤塗布部材152を中間転写ベルト10の表面に対して接離させる接離手段を用いる点が相違する。
上記接離手段は、例えば潤滑剤塗布部材152を中間転写ベルト10の表面から離間する方向に変位させる図4に示すプル式のソレノイド151と、潤滑剤塗布部材152を中間転写ベルト10の表面に当接する向きに常に付勢する付勢手段としてのバネ(図示せず)との組み合わせからなる。
【0053】
なお、上記接離手段は、上記の構成に限らず、特許第4046311号公報に開示されているように、固形潤滑剤155とブラシ状の潤滑剤塗布部材152とを接離させるものでも良いし、その接離のために用いる駆動手段等も公知の手段から適宜選択可能である。また、接離手段に限らず、特許第4046311号公報の図2および段落「0094」〜「0097」に記載されているように、潤滑剤の塗布を促進したり抑制したりする切換スイッチ(51)と電源(52)、(53)とを用いる構成等、公知の構成を適宜用いて制御しても良い。
【0054】
図4を参照して、本実施形態の制御構成について説明する。同図に示す制御手段50Aは、実施形態1の制御手段50と同様構成の周知のマイクロコンピュータを具備している。
制御手段50AのROMは、実施形態1の制御手段50のそれと比較して、新たにソレノイド151の作動に係る関係データ、中間転写ベルト10の摩擦係数を所定の表面摩擦係数(0.25〜0.4)にするための電圧印加手段により印加される所定の電圧と、潤滑剤供給手段150により供給される潤滑剤量(もしくは供給時間、具体的にはソレノイド151の作動時間)との関係データ(データテーブル等)、および必要な動作プログラム等が記憶されている点のみ相違する。
【0055】
すなわち、制御手段50A(CPU)は、摩擦係数検知手段45からの中間転写ベルト10の表面摩擦係数検知に係る出力信号に基づいて、中間転写ベルト10の表面が所定の表面摩擦係数(0.25〜0.4)になるように、駆動モータ22を制御することにより中間転写ベルト10を回転駆動させながら電圧印加手段(1次転写電流印加手段101と2次転写電流印加手段102)をして所定の電圧を中間転写ベルト10に印加させると共に、潤滑剤供給手段150をして固形潤滑剤155の潤滑剤を中間転写ベルト10の表面に供給させる機能を有する。
【0056】
固形潤滑剤155の潤滑剤自体の摩擦係数を、0.3程度に設定し、これを潤滑剤供給手段150によって、すなわち本実施形態の具体例ではソレノイド151をオフ作動させることで潤滑剤塗布部材152を中間転写ベルト10の表面に当接させて中間転写ベルト10に潤滑剤を塗布することで、中間転写ベルト10表面の摩擦係数を0.25〜0.4に制御できることが、予め実験によって確認している。
さらに具体的には、中間転写ベルト10の基材にPAI(ポリアミドイミド)を用いる場合、上述したように初期の摩擦係数が0.2程度であり、これに潤滑剤を塗布することで、摩擦係数を0.25から0.3に制御できることが確認済みである。また、中間転写ベルト10の基材にPI(ポリイミド)を用いる場合、初期の摩擦係数が0.5程度であり、これに潤滑剤を塗布することで、摩擦係数を0.3程度に制御できることが確認済みである。
【0057】
本実施形態によれば、中間転写ベルト10の摩擦係数を容易に調整することが可能となる。これにより、清掃不良や、清掃手段(クリーニングブレード20)の巻き込み、転写不良等の異常画像の無い、安定した画像を容易に得ることができる。
実施形態1の制御手段50による中間転写ベルト10の摩擦係数制御では、図2(a)のグラフに示されているとおり、摩擦係数の制御は専ら摩擦係数を上昇させるには有利であったが、摩擦係数を減少させることは簡単にできなかった。しかしながら、本実施形態によれば、公知の潤滑剤塗布制御を組み合わせ制御することで、摩擦係数を減少させることも容易にできる。すなわち、中間転写ベルト10の摩擦係数を下げて上記所定の範囲の0.25〜0.4にしなければならないときには、電圧印加手段(1次転写電流印加手段101と2次転写電流印加手段102)をして所定の電圧を中間転写ベルト10に印加させる制御を中止したり、あるいは印加時間や印加電圧を下げたりすると同時に、主として上記潤滑剤塗布制御を実行する例が挙げられる。
また、本実施形態によれば、従来からある転写バイアス印加手段と、公知の潤滑剤塗布制御構成とをそのまま利用することができ、新たな構成としては制御手段50A周りの構成を付加すれば済むため、上記利点効果を簡単な構成で奏するものである。
また、本実施形態によれば、摩擦係数の制御を2つの制御構成の組み合わせで可能であるため、その制御に寄与する度合いを分担できるので、設計上の自由度も増加すると共に、片方が故障したような場合でもそれをある程度補償することが可能となる。
【0058】
制御手段50Aによる中間転写ベルト10の摩擦係数制御は、実施形態1と同様に、中間転写ベルト10の回転中に、中間転写ベルト10の摩擦係数を算出しながら、通常の通紙・プリント中、通紙後に行われるが、実施形態1の変形例と同様に、画像形成装置製造・組立時の検査工程における中間転写ベルト10の回転駆動時に行っても良い。
【0059】
(実施形態3)
図1、図2および図5を参照して、本発明の実施形態3を説明する。本実施形態は、図1〜図3に示した実施形態1と比較して、図1、図2および図5に示すように、トナーの消費量を認識するトナー消費量認識手段の機能を代用するプリント枚数検知手段47を用いる点、制御手段50に代えて、制御手段50Bを用いる点が主に相違する。
【0060】
中間転写ベルト10は、トナーを塗布・供給すると摩擦係数が上昇することが、従来から分かっている。ちなみに、例えば、本実施形態の上記トナーを用いて、A4サイズの転写紙(シート)に画像面積率30%の画像をトナー濃度0.45mg/cmで作像した場合、200枚程度のプリントで、中間転写ベルト10の表面摩擦係数が0.1程度上昇することが予め実験で確認して分かっている。このことから、トナー約17gの消費量(供給)で中間転写ベルト10の表面摩擦係数が約0.1上昇することとなる。
【0061】
プリント枚数検知(計数)手段47は、例えば排紙ローラ32配置部位に適宜設けられる画像形成(印刷)済みのシートを検知するセンサ等を兼ねることができる。
また、図5のブロック図を見て直ちに本実施形態を理解できるようにプリント枚数検知手段47を付加する制御構成としたが、これに限定されず、例えば制御手段50Bが具備しているCPUがその機能を兼ねることも可能である。すなわち、制御手段50BのCPUが備えているカウント・計算機能を活用して、プリント枚数と、制御手段50BのRAMに随時記憶される転写紙(シート)サイズと、画像面積率等とから、トナーの消費量をより正確に計算して中間転写ベルト10の表面摩擦係数の上昇度合いを算出しても良い。
【0062】
図5を参照して、本実施形態の制御構成について説明する。同図に示す制御手段50Bは、実施形態1の制御手段50と同様構成の周知のマイクロコンピュータを具備している。
制御手段50BのROMは、実施形態1の制御手段50のそれと比較して、中間転写ベルト10の摩擦係数を所定の表面摩擦係数(0.25〜0.4)にするための電圧印加手段により印加される所定の電圧と、プリント枚数検知手段47により検知されたプリント枚数(トナー消費量)に対応した中間転写ベルト10の表面摩擦係数との関係データ(データテーブル等)、および必要な動作プログラム等が記憶されている点のみ相違する。
【0063】
すなわち、制御手段50B(CPU)は、摩擦係数検知手段45からの中間転写ベルト10の表面摩擦係数検知に係る出力信号およびプリント枚数検知手段47からのプリント枚数(トナー消費量)に係る出力信号に基づいて、中間転写ベルト10の表面が所定の表面摩擦係数(0.25〜0.4)になるように、駆動モータ22を制御することにより中間転写ベルト10を回転駆動させながら電圧印加手段(1次転写電流印加手段101と2次転写電流印加手段102)をして所定の電圧を中間転写ベルト10に印加させる機能を有する。
【0064】
本実施形態によれば、実施形態1と同様に中間転写ベルト10の摩擦係数を容易に上昇・調整することが可能となり、実施形態1と同様の利点効果を奏する。
また、本実施形態によれば、従来からある転写バイアス印加手段およびトナーによる摩擦制御構成をそのまま利用することができ、新たな構成としては制御手段50B周りの構成を付加すれば済むため、上記利点効果を簡単な構成で奏するものである。
また、本実施形態によれば、摩擦係数の制御を2つの制御構成の組み合わせで可能であるため、その制御に寄与する度合いを分担できるので、設計上の自由度も増加すると共に、片方が故障したような場合でもそれをある程度補償して制御することができるようになる。
【0065】
制御手段50Bによる中間転写ベルト10の摩擦係数制御は、実施形態1と同様に、中間転写ベルト10の回転中に、摩擦係数検知手段45により検知された表面摩擦係数に係る出力信号およびプリント枚数検知手段47からのプリント枚数(トナー消費量)に係る出力信号に基づいて、中間転写ベルト10の摩擦係数を算出しながら、通常の通紙・プリント中、通紙後に行われるが、実施形態1の変形例と同様に、画像形成装置製造・組立時の検査工程における中間転写ベルト10の回転駆動時に行っても良いことは無論である。
【0066】
(実施形態4)
図1、図2および図6を参照して、本発明の実施形態4を説明する。本実施形態は、図1、図2、図4に示した実施形態2と比較して、図6に示すように、実施形態3で説明したトナー量認識手段を代用するプリント枚数検知手段47を用いる点、制御手段50に代えて、制御手段50Cを用いる点が主に相違する。この相違点を除き、本実施形態は、実施形態2と同様である。
【0067】
図6を参照して、本実施形態の制御構成について説明する。同図に示す制御手段50Cは、実施形態2の制御手段50Aと同様構成の周知のマイクロコンピュータを具備している。
制御手段50CのROMは、実施形態2の制御手段50Aのそれと比較して、中間転写ベルト10の摩擦係数を所定の表面摩擦係数(0.25〜0.4)にするための電圧印加手段により印加される所定の電圧と、プリント枚数検知手段47により検知されたプリント枚数(トナー消費量)に対応した中間転写ベルト10の表面摩擦係数との関係データ(データテーブル等)、および必要な動作プログラム等が記憶されている点のみ相違する。
【0068】
すなわち、制御手段50C(CPU)は、摩擦係数検知手段45からの中間転写ベルト10の表面摩擦係数検知に係る出力信号およびプリント枚数検知手段47からのプリント枚数(トナー消費量)に係る出力信号に基づいて、中間転写ベルト10の表面が所定の表面摩擦係数(0.25〜0.4)になるように、駆動モータ22を制御することにより中間転写ベルト10を回転駆動させながら電圧印加手段(1次転写電流印加手段101と2次転写電流印加手段102)をして所定の電圧を中間転写ベルト10に印加させると共に、潤滑剤供給手段150をして固形潤滑剤155の潤滑剤を中間転写ベルト10の表面に供給させる機能を有する。
【0069】
本実施形態によれば、実施形態2と同様の利点効果を奏する。また、本実施形態によれば、公知の潤滑剤塗布制御を組み合わせ制御することで、摩擦係数を減少させることも容易にできる。また、本実施形態によれば、従来からある転写バイアス印加手段、公知の潤滑剤塗布制御構成、およびトナーによる摩擦制御構成をそのまま利用することができ、新たな構成としては制御手段50C周りの構成を付加すれば済むため、上記利点効果を簡単な構成で奏するものである。
また、本実施形態によれば、摩擦係数の制御を3つの制御構成の組み合わせで可能であるため、その制御に寄与する度合いを分担できるので、設計上の自由度も増加すると共に、そのうちの1つが故障したような場合でもそれをある程度補償することが可能となる。
【0070】
制御手段50Cによる中間転写ベルト10の摩擦係数制御は、実施形態2と同様に、中間転写ベルト10の回転中に、中間転写ベルト10の摩擦係数を算出しながら、通常の通紙・プリント中、通紙後に行われるが、実施形態1や2の変形例と同様に、画像形成装置製造・組立時の検査工程における中間転写ベルト10の回転駆動時に行っても良い。
【0071】
(実施形態5)
図7を参照して、本発明の実施形態5を説明する。図7に示す画像形成装置においても、上述した実施形態1〜4と同様の技術思想によるものであるため、多少の機能上の相違はあっても本質的に同様の機能を発揮する構成要素は、混同の虞がない限り実施形態1〜4で用いたと同じ符号で簡明に説明する。同図は、実施形態5におけるカラー画像形成装置を示す概略的な構成図である。本実施形態においては、像担持体を転写搬送体とし、さら具体的には転写搬送体として無端状の転写搬送ベルト18を用いた例で説明する。
図7に示すカラー画像形成装置は、同図における右側から左にこの順に、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーでそれぞれ画像形成を行う4つの画像形成手段(もしくは画像形成部)が転写搬送ベルト18の上方に並んで配置されたタンデム方式のカラー画像形成装置である。
【0072】
図7に示すように、本実施形態における画像形成装置は、感光体1を有し、この感光体1の周りには、図1に示したと同様に、ブレード3を備えた感光体クリーニングユニット2、図示しない除電手段、帯電器4、露光手段5、現像手段(イエロー現像器6、マゼンタ現像器7、シアン現像器8、ブラック現像器9)、転写搬送ベルト18などが配置されている。
フルカラー画像形成時は、図示しない除電手段により残留電荷を除去された感光体1の表面は帯電器4により一様に帯電される。次いで、露光手段5により画像情報に基づいてレーザ等の露光光が照射され、一様に帯電された感光体1の表面に静電潜像が形成される。この感光体1上に形成された静電潜像は、イエロー現像器6、マゼンタ現像器7、シアン現像器8、ブラック現像器9によって順に、各色のトナーが供給され現像されることで可視像(トナー像)を形成し、各画像形成部におけるトナー像転写部において、電源手段(図示せず)および転写電流印加手段103を介して転写バイアスが転写手段としての転写バイアスローラ23に印加されることにより、各色の可視像が図7中矢印方向に走行する転写搬送ベルト18上に吸着されて搬送される転写紙上に順次重ねて転写されることでフルカラー画像(トナー像)が形成される。
【0073】
転写紙25は、シート給送装置31の給紙ローラ26および図示しない分離手段によって、1枚ずつ分離されて転写紙搬送ローラ27を経由して給送され、レジストローラ28のニップ部によって、その先端が一旦停止されて斜めずれなど修正された後、所定のタイミングでレジストローラ28から転写搬送ベルト18と入口ローラ17とのニップ部に向けて給紙される。
転写紙25に転写された4色重ね画像は、図示しない除電手段によって除電された後に定着入口ガイド44に沿って定着手段30へ搬送され、定着手段30で加熱・加圧されて定着された後、排紙ローラ32によって図示しない排紙トレイに排紙される。
【0074】
以下、本実施形態の構成についてさらに詳述する。転写搬送ベルト18は、ベルトクリーニング対向ローラ13、従動ローラ14、従動ローラ15、従動ローラ16に掛け渡され、かつ、張架されている。各転写バイアスローラ23は、圧縮バネ等からなるローラ加圧手段29によって、転写搬送ベルト18の裏面に当接し、かつ、転写搬送ベルト18を介して転写搬送ベルト18の表面が感光体1に接触・押圧する向きに付勢されている。
ベルトクリーニング対向ローラ13は、転写搬送ベルト18の駆動ローラを兼ねていて、転写搬送ベルト18を駆動する転写搬送体駆動手段としての駆動モータ22に、ギヤ列等の駆動力伝達手段を介して連結されている。転写搬送ベルト18は、駆動モータ22によって、そのプロセス速度が150mm/secで走行・駆動するように調整されている。
上記各ローラ13,14,15,16,23は図示しない転写搬送ベルトユニット側板によって転写搬送ベルト18の両側より回転可能に軸支・支持されている。駆動モータ22は、ブラシレスDCモータを用いており、上記転写搬送ベルトユニット側板側の不動部材に固設されている。
【0075】
転写バイアスローラ23は、各画像形成手段ごとに配設されている感光体1と対向する転写搬送ベルト18との接触部に配置されており、該転写バイアスローラ23には図示しない電源および転写電流印加手段103を介して、所定の転写バイアスが印加される。
【0076】
転写搬送ベルト18は、実施形態1等の中間転写ベルト10と同様の材料、すなわち、PVDF(ポリフッ化ビニルデン)、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PI(ポリイミド)、PAI(ポリアミドイミド)、PC(ポリカーボネート)等の樹脂を単層または複数層に構成し、カーボンブラック等の導電性材料を分散させ、その体積抵抗率を10〜1012Ωcm、かつ、表面抵抗率を10〜1013Ω/□の範囲となるよう調整されている。なお、必要に応じ該転写搬送ベルト18の表面に離型層をコートしても良いことや、転写搬送ベルト18の製造方法は、実施形態1等の中間転写ベルト10の場合と同様である。
【0077】
ベルトクリーニングローラ13に対向する転写搬送ベルト18近傍には、転写搬送ベルト18をクリーニングする、実施形態1等と同様構成のベルトクリーニングユニット19が配置されていて、クリーニングブレード20の先端を転写搬送ベルト18の表面に押し当てて、トナーや紙粉等を堰き止めて清掃する構成となっている。
【0078】
転写搬送ベルト18をクリーニングしやすくするために、実施形態1等と同様構成の、脂肪酸金属塩(A)と無機潤滑剤(B)とを含む原料で成型された固形潤滑剤155を潤滑剤塗布部材152により転写搬送ベルト18に塗布または付着させる工程を行う。
なお、固形潤滑剤155の粉体を転写搬送ベルト18の表面に供給する潤滑剤供給手段を積極的に用いて制御したり、通常の制御で微量ずつ供給されることは、実施形態1や2の制御と同様である。
【0079】
転写搬送ベルト18表面の表面摩擦係数(転写搬送ベルト18表面とクリーニングブレード20先端当接部との間の摩擦係数であり、以下、単に「摩擦係数」ともいう)は0.25〜0.4の範囲内に設定すると良いことが、以下に述べる理由および実験結果より判明している。すなわち、摩擦係数を0.4よりも高くすると、上記材質のクリーニングブレード20が転写搬送ベルト18に巻き込まれて、転写搬送ベルト18の駆動回転不良、破損を招く。また、クリーニング不良の原因にもなる。摩擦係数を0.25よりも低くすると、感光体1から転写搬送ベルト18上の転写紙へのトナー転写時に、感光体1と転写搬送ベルト18上の転写紙との拘束力が低下し、シート状記録媒体としての転写材突入時の衝撃で横スジ状の異常画像が発生する。また、感光体1のトナー像が転写搬送ベルト18上の転写紙に完全に転写されず、転写不良となってしまう虞がある。
【0080】
転写搬送ベルト18表面の摩擦係数を検知するには、実施形態1等と同様構成の摩擦係数検知手段45を用いる。実施形態1等と同様に、予め実験で取得された駆動モータ22の駆動電流と転写搬送ベルト18の表面摩擦係数とに係る関係データは、図示しない制御手段のROMに記憶・格納される。
【0081】
本実施形態の電圧印加手段である転写電流印加手段103により、所定の印加電圧を所定の印加時間印加したときの転写搬送ベルト18の表面摩擦係数の変化については、図2に示した実施形態1の実験結果と同様傾向にあることが想定される。すなわち、所定の電圧を所定の印加時間印加すると、転写搬送ベルト18の表面粗さの値が上昇し、これによって転写搬送ベルト18の摩擦係数が上昇することが想定される。
このような観点から、図7の画像形成装置においても、当業者であれば、実施形態1〜4およびその変形例で説明したと同様の制御構成を想定することができる。
【0082】
図7の画像形成装置においても、図1の画像形成装置における実施形態1〜4およびその変形例の制御構成と同様に、図3〜図6に示した電圧印加手段の1次転写電流印加手段101、2次転写電流印加手段102に代えて、転写電流印加手段103とすることで、実施形態1〜4およびその変形例と同様の技術思想の下での制御を行うことが可能である。その制御構成および制御動作の詳細は、重複説明を避ける上から省略するが、当業者であれば、実施形態1〜4およびその変形例の制御構成から容易に理解して図7の画像形成装置においても実施できるから、これ以上の説明は省略する。
【0083】
(実施形態6)
図8を参照して、本発明の実施形態6を説明する。図8に示す画像形成装置においても、上述した実施形態1〜4と同様の技術思想によるものであるため、多少の機能上の相違はあっても本質的に同様の機能を発揮する構成要素は、混同の虞がない限り実施形態1〜4で用いたと同じ符号で簡明に説明する。同図は、実施形態6におけるカラー画像形成装置を示す概略的な構成図である。本実施形態においては、像担持体として無端状の感光体ベルト1を用いた例で説明する。
図8に示すカラー画像形成装置は、同図における左側から右にこの順に、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーでそれぞれ画像形成を行う4つの画像形成手段(もしくは画像形成部)が感光体ベルト1の下方に並んで配置されたタンデム方式のカラー画像形成装置である。
【0084】
図8に示すように、本実施形態における画像形成装置は、無端ベルトからなる感光体ベルト1を有し、この感光体ベルト1の周りには、クリーニングブレード3を備えた感光体クリーニングユニット2、帯電手段としての帯電器4a,4b,4c,4d、露光手段5、現像手段(イエロー現像器6、マゼンタ現像器7、シアン現像器8、ブラック現像器9)などが配置されている。
本実施形態では、感光体クリーニングユニット2のクリーニングブレード3が、清掃手段と機能する。
【0085】
フルカラー画像形成時は、感光体ベルト1の表面は帯電器4a,4b,4c,4dにより一様に帯電される。次いで、露光手段5により画像情報に基づいてレーザ等の露光光が照射され、一様に帯電された感光体ベルト1の表面に静電潜像が形成される。この感光体ベルト1上に形成された静電潜像は、イエロー現像器6、マゼンタ現像器7、シアン現像器8、ブラック現像器9によって順に、各色のトナーが供給され現像されることで可視像(トナー像)を形成し、各画像形成部におけるトナー像転写部において、電源手段(図示せず)および1次転写電流印加手段201を介して1次転写バイアスが1次転写手段としての非接触式の1次転写電極24に印加されることにより、各色の可視像が図8中矢印方向に走行する感光体ベルト1上に順次重ねて転写されることでフルカラー画像(トナー像)が形成される。
【0086】
転写紙25は、シート給送装置31の給紙ローラ26および図示しない分離手段によって、1枚ずつ分離されて転写紙搬送ローラ27を経由して給送され、レジストローラ28のニップ部によって、その先端が一旦停止されて斜めずれなど修正された後、感光体ベルト1上の4色重ね画像の先端部が2次転写位置に到達するタイミングに合わせてレジストローラ28から給紙される。感光体ベルト1上の4色重ね画像は、2次転写位置、すなわち図示しない電源および2次転写電流印加手段202を介して所定の電圧が印加された、2次転写手段としての2次転写ローラ21によって、転写紙25に一括転写される。
転写紙25に転写された4色重ね画像は、図示しない除電手段によって除電された後に定着入口ガイド44に沿って定着手段30へ搬送され、定着手段30で加熱・加圧されて定着された後、排紙ローラ32によって図示しない排紙トレイに排紙される。
【0087】
以下、本実施形態の構成についてさらに詳述する。感光体ベルト1は、2次転写対向ローラ12、ベルトクリーニング対向ローラ13、従動ローラ14、従動ローラ15に掛け渡され、かつ、張架されている。
2次転写対向ローラ12は、感光体ベルト1の駆動ローラを兼ねていて、感光体ベルト1を駆動する感光体ベルト駆動手段としての駆動モータ22に、ギヤ列等の駆動力伝達手段を介して連結されている。感光体ベルト1は、駆動モータ22によって、そのプロセス速度が150mm/secで走行・駆動するように調整されている。
上記各ローラ12,13,14,15は図示しない感光体ベルトユニット側板によって感光体ベルト1の両側より回転可能に軸支・支持されている。駆動モータ22は、ブラシレスDCモータを用いており、上記感光体ベルトユニット側板側の不動部材に固設されている。
【0088】
各1次転写電極24は、感光体ベルト1を挟んで各画像形成手段ごとに配設されているイエロー現像器6、マゼンタ現像器7、シアン現像器8、ブラック現像器9と対向する感光体ベルト1の裏面側に非接触で配置されている。1次転写電極24には図示しない電源および1次転写電流印加手段201を介して、所定の転写バイアスが印加される。
感光体ベルト1は、PET(ポリエチレン・テレフタレート)等の表面に導電層を設け、その上に感光剤を塗布して形成されている。
【0089】
ベルトクリーニングローラ13に対向する感光体ベルト1近傍には、感光体ベルト1をクリーニングする、実施形態1等と同様構成の感光体クリーニングユニット3が配置されている。感光体クリーニングユニット3には、清掃手段としてのウレタンゴムよりなるクリーニングブレード3が配置されており、クリーニングブレード3の先端を感光体ベルト1の表面に押し当てて、トナーを堰き止めて清掃する構成となっている。
【0090】
感光体ベルト1をクリーニングしやすくするために、実施形態1等と同様構成の、脂肪酸金属塩(A)と無機潤滑剤(B)とを含む原料で成型された固形潤滑剤155を潤滑剤塗布部材152により感光体ベルト1に塗布または付着させる工程を行う。
なお、固形潤滑剤155の粉体を転写搬送ベルト18の表面に供給する潤滑剤供給手段を積極的に用いて制御したり、通常の制御で微量ずつ供給されることは、実施形態1や2の制御と同様である。
【0091】
感光体ベルト1表面の表面摩擦係数(感光体ベルト1表面とクリーニングブレード3先端当接部との間の摩擦係数であり、以下、単に「摩擦係数」ともいう)は0.25〜0.4の範囲内に設定すると良いことが、以下に述べる理由および実験結果より判明している。すなわち、摩擦係数を0.4よりも高くすると、上記材質のクリーニングブレード3が感光体ベルト1に巻き込まれて、感光体ベルト1の駆動回転不良、破損を招く。また、クリーニング不良の原因にもなる。摩擦係数を0.25よりも低くすると、感光体ベルト1から転写紙へのトナー転写時に横スジ状の異常画像が発生する。また、トナーが感光体ベルト1から転写紙上に完全に転写されず、転写不良となってしまう虞がある。
【0092】
感光体ベルト1表面の摩擦係数を検知するには、実施形態1等と同様構成の摩擦係数検知手段45を用いる。実施形態1等と同様に、予め実験で取得された駆動モータ22の駆動電流と感光体ベルト1の表面摩擦係数とに係る関係データは、図示しない制御手段のROMに記憶・格納される。
【0093】
2次転写ローラ21は、実施形態1のそれと同様の材料で同様の物性値を有する。2次転写ローラ21は駆動ギヤ(図示せず)によって駆動力が与えられており、その周速度は感光体ベルト1の周速度に対して、略同一となるよう調整されている。
【0094】
2次転写ローラ21には、図示しない電源および2次転写電流印加手段202を介して所定の電圧が印加されており、1次転写電流印加手段201と共に図13に示す本実施形態の電圧印加手段を構成している。
本実施形態の電圧印加手段は、つまり感光体ベルト1の表面摩擦係数を調整するための所定の電圧を感光体ベルト1に印加する電圧印加手段は、1次転写電流印加手段201と2次転写電流印加手段202とからなる。
2次転写は、定電流で制御され、本実施形態例ではその設定値を+20μAとした。
【0095】
本実施形態の電圧印加手段である1次転写電流印加手段201および2次転写電流印加手段202により、所定の印加電圧を所定の印加時間印加したときの感光体ベルト1の表面摩擦係数の変化については、図2に示した実施形態1の実験結果と同様傾向にあることが想定される。
このような観点から、図8の画像形成装置においても、当業者であれば、実施形態1〜4およびその変形例で説明したと同様の制御構成を想定することができる。
【0096】
図8の画像形成装置においても、図1の画像形成装置における実施形態1〜4およびその変形例の制御構成と同様に、図3〜図6に示した電圧印加手段の1次転写電流印加手段101、2次転写電流印加手段102に代えて、1次転写電流印加手段201、2次転写電流印加手段202とすることで、実施形態1〜4およびその変形例と同様の技術思想の下での制御を行うことが可能である。その制御構成および制御動作の詳細は、重複説明を避ける上から省略するが、当業者であれば、実施形態1〜4およびその変形例の制御構成から容易に理解して図8の画像形成装置においても実施できるから、これ以上の説明は省略する。
【0097】
以上説明したとおり、本発明を特定の実施形態や変形例等について説明したが、本発明が開示する技術的範囲は、上述した実施形態や変形例あるいは実施例等に例示されているものに限定されるものではなく、それらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や変形例あるいは実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
【符号の説明】
【0098】
1 感光体ベルト、感光体(像担持体)
2a〜2d 感光体クリーニングユニット
3 クリーニングブレード(清掃手段)
4a〜4d 帯電器(帯電手段)
5a〜5d 露光手段
6 イエロー現像器(現像手段)
7 マゼンタ現像器(現像手段)
8 シアン現像器(現像手段)
9 ブラック現像器(現像手段)
10 中間転写ベルト(像担持体、中間転写体)
11a〜11d 1次転写バイアスローラ(1次転写手段)
12 2次転写対向ローラ
13 ベルトクリーニング対向ローラ
18 転写搬送ベルト(像担持体、転写搬送体)
19 ベルトクリーニングユニット
20 クリーニングブレード(清掃手段)
21 2次転写ローラ(2次転写手段)
22 駆動モータ
23 転写バイアスローラ(転写手段)
24 1次転写電極(1次転写手段)
25 転写紙、転写材(シート状記録媒体)
30 定着手段
45 摩擦係数検知手段
47 プリント枚数検知手段(トナー消費量認識手段、トナー消費量検出手段)
50,50A,50B,50C 制御手段
101 1次転写電流印加手段(電圧印加手段)
102 2次転写電流印加手段(電圧印加手段)
103 転写電流印加手段(電圧印加手段)
150 潤滑剤供給手段
151 ソレノイド (潤滑剤供給手段、接離手段)
152 潤滑剤塗布部材
153 潤滑剤加圧手段
155 固形潤滑剤
201 1次転写電流印加手段(電圧印加手段)
202 2次転写電流印加手段(電圧印加手段)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0099】
【特許文献1】特開2001−51571号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持する像担持体と、該像担持体上のトナー像をシート状記録媒体に転写する転写手段と、前記像担持体の表面に残留した残トナーを該像担持体の表面に当接しながら清掃する清掃手段と、前記像担持体表面と前記清掃手段当接部との間の表面摩擦係数を検知する摩擦係数検知手段とを具備した画像形成装置において、
前記表面摩擦係数を調整するための所定の電圧を前記像担持体に印加する電圧印加手段と、
前記摩擦係数検知手段により検知された前記表面摩擦係数に係る信号に基づいて、前記像担持体の表面が所定の表面摩擦係数になるように、前記像担持体を回転駆動させながら前記電圧印加手段をして前記所定の電圧を前記像担持体に印加させる制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
トナー像を担持する像担持体と、該像担持体上のトナー像をシート状記録媒体に転写する転写手段と、前記像担持体の表面に残留した残トナーを該像担持体の表面に当接しながら清掃する清掃手段と、前記像担持体表面と前記清掃手段当接部との間の表面摩擦係数を検知する摩擦係数検知手段とを具備した画像形成装置において、
前記表面摩擦係数を調整するための所定の電圧を前記像担持体に印加する電圧印加手段と、
前記表面摩擦係数を調整するための潤滑剤を前記像担持体の表面に供給する潤滑剤供給手段と、
前記摩擦係数検知手段により検知された前記表面摩擦係数に係る信号に基づいて、前記像担持体の表面が所定の表面摩擦係数になるように、前記像担持体を回転駆動させながら前記電圧印加手段をして前記所定の電圧を前記像担持体に印加させると共に、前記潤滑剤供給手段をして前記潤滑剤を前記像担持体の表面に供給させる制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
トナー像を担持する像担持体と、該像担持体上のトナー像をシート状記録媒体に転写する転写手段と、前記像担持体の表面に残留した残トナーを該像担持体の表面に当接しながら清掃する清掃手段と、前記像担持体表面と前記清掃手段当接部との間の表面摩擦係数を検知する摩擦係数検知手段とを具備した画像形成装置において、
前記表面摩擦係数を調整するための所定の電圧を前記像担持体に印加する電圧印加手段と、
前記トナーの消費量を認識するトナー消費量認識手段と、
前記摩擦係数検知手段により検知された前記表面摩擦係数に係る信号および前記トナー消費量認識手段からの前記トナーの消費量認識に係る信号に基づいて、前記像担持体の表面が所定の表面摩擦係数になるように、前記像担持体を回転駆動させながら前記電圧印加手段をして前記所定の電圧を前記像担持体に印加させる制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
トナー像を担持する像担持体と、該像担持体上のトナー像をシート状記録媒体に転写する転写手段と、前記像担持体の表面に残留した残トナーを該像担持体の表面に当接しながら清掃する清掃手段と、前記像担持体表面と前記清掃手段当接部との間の表面摩擦係数を検知する摩擦係数検知手段とを具備した画像形成装置において、
前記表面摩擦係数を調整するための所定の電圧を前記像担持体に印加する電圧印加手段と、
前記表面摩擦係数を調整するための潤滑剤を前記像担持体の表面に供給する潤滑剤供給手段と、
前記トナーの消費量を認識するトナー消費量認識手段と、
前記摩擦係数検知手段により検知された前記表面摩擦係数に係る信号および前記トナー消費量認識手段からの前記トナーの消費量認識に係る信号に基づいて、前記像担持体の表面が所定の表面摩擦係数になるように、前記像担持体を回転駆動させながら前記電圧印加手段をして前記所定の電圧を前記像担持体に印加させると共に、前記潤滑剤供給手段をして前記潤滑剤を前記像担持体の表面に供給させる制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置の製造工程に、前記像担持体の動作を回転駆動させながら検査する検査工程を有し、
前記制御手段は、前記検査工程での前記像担持体の回転駆動時に、前記所定の電圧を前記像担持体に印加する制御、前記潤滑剤を前記像担持体の表面に供給する制御および前記トナー消費量認識手段からの前記トナーの消費量認識に係る信号に基づき行う制御のうちの少なくとも1つの制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記像担持体は、中間転写体であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1ないし5の何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記像担持体は、転写搬送体であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1ないし5の何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記像担持体は、感光体ベルトであることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−211008(P2010−211008A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−57814(P2009−57814)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】