説明

画像形成装置

【課題】後処理装置を接続可能な画像形成装置において、後処理装置による処理が不可能となることによる出力用紙やトナー、インク等の無駄な消費を低減し、ユーザの意図した文書を得ること。
【解決手段】後処理装置を接続可能な画像形成装置であって、印刷ジョブを取得する実行命令取得部121と、印刷ジョブに基づいて出力される用紙の枚数を認識する出力枚数情報取得部122と、後処理装置において処理可能な紙束の厚さを示す情報を取得する制限束厚情報取得部123と、処理可能な用紙の厚さを求める紙厚条件算出部125と、搬送された用紙の厚さの検知結果を取得する用紙厚検知結果取得部124と、紙圧条件及び検知された用紙の厚さに基づいて画像形成出力の実行可否を判断する可否判断部126とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、画像形成出力を実行した後の後処理装置を接続可能な画像形成装置の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報の電子化が推進される傾向にあり、電子化された情報の出力に用いられるプリンタやファクシミリ及び書類の電子化に用いるスキャナ等の画像処理装置は欠かせない機器となっている。このような画像処理装置は、撮像機能、画像形成機能及び通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能な複合機として構成されることが多い。
【0003】
このような画像処理装置のうち、電子化された情報の画像形成出力に用いられる画像形成装置においては、画像形成出力を実行するエンジン部に複数の用紙を順次搬送することにより、複数頁の画像形成出力を可能としている。
【0004】
また、ステープル、製本、パンチ等の後処理を実行する後処理装置と接続可能な画像形成装置においては、エンジン部に順次搬送される複数の用紙の厚さを積算し、積算結果が所定値を超えた際に、ステープルを分割して行うことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。これにより、後処理装置が処理可能な厚さを超えた紙束に対して後処理が実行され、後処理結果の不良が発生することを防ぐことができる。
【0005】
また、後処理装置で処理すべき紙束が生成される前に後処理の可否を判断する方法として、紙束に含まれる用紙の枚数、既に後処理装置内に搬送された用紙の枚数及び既に後処理装置内にスタックされている紙束の厚さに基づき、最終的に生成される紙束の厚さを予測計算する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された方法を用いる場合、紙束が強制的に分割されてしまうため、ユーザの意図した文書とは異なる文書が生成されてしまう。また、特許文献2に開示された方法は、画像形成装置において画像形成出力が実行された後の後処理装置での判断であるため、既に出力された用紙や出力のために消費したトナーやインクが無駄となってしまう。
【0007】
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであり、後処理装置を接続可能な画像形成装置において、後処理装置による処理が不可能となることによる出力用紙やトナー、インク等の無駄な消費を低減し、ユーザの意図した文書を得ることを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、画像形成出力された用紙の束に対して所定の処理を実行する後処理装置を接続可能な画像形成装置であって、前記画像形成出力の実行命令であって出力用紙を前記後処理装置に搬送することを示す情報を含む実行命令を取得する実行命令取得部と、前記取得された実行命令に基づいて出力される用紙の枚数を示す出力枚数情報を取得する出力枚数情報取得部と、前記後処理装置において処理可能な紙束の厚さを示す制限束厚情報を取得する制限束厚情報取得部と、前記取得された処理可能束厚情報及び出力枚数情報に基づき、処理可能な用紙の厚さを示す紙厚条件を求める紙厚条件算出部と、前記画像形成出力のために搬送された用紙の厚さの検知結果を取得する用紙厚検知結果取得部と、前記求められた紙厚条件及び前記検知された用紙の厚さに基づいて前記取得された実行命令に係る画像形成出力の実行可否を判断する可否判断部とを含む。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記画像形成出力の実行が不可能であると判断された場合に、前記取得された実行命令に係る画像形成出力を中断する中断制御部を更に含むことを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記取得された実行命令に係る画像形成出力を中断した場合、警告を発する警告発信部を更に含むことを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記画像形成出力の実行が不可能であると判断された場合に、前記搬送された用紙に対する画像形成出力を取り消し、次に搬送された用紙に対して前記用紙の厚さの検知処理及び前記画像形成出力の実行可否の判断処理を実行させる続行制御部を更に含むことを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記続行制御部は、前記次に搬送された用紙に対して前記画像形成出力の実行可否の判断処理を実行させた結果、前記画像形成出力の実行が可能であると判断された場合に、前記取り消された画像形成出力に係る画像を前記次に搬送された用紙に対して描画させることを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の画像形成装置において、前記続行制御部は、前記次に搬送された用紙に対して前記画像形成出力の実行可否の判断処理を実行させた結果、所定回数以上連続して前記画像形成出力の実行が不可能であると判断された場合、前記取得した実行命令に係る画像形成出力を中断することを特徴とする。
【0014】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6いずれかに記載の画像形成装置において、前記画像形成出力のために搬送された用紙を排出する用紙排出部を更に含み、前記用紙排出部は、前記画像形成出力の実行が不可能であると判断された場合に、前記搬送された用紙を前記後処理装置とは異なる排出先に排出することを特徴とする。
【0015】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7いずれかに記載の画像形成装置において、前記制限束厚情報取得部は、前記後処理装置から前記制限束厚情報を取得することを特徴とする。
【0016】
また、請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8いずれかに記載の画像形成装置において、前記制限束厚情報を記憶している制限束厚情報記憶部を更に含み、前記制限束厚情報取得部は、前記制限束厚情報記憶部から前記制限束厚情報を取得することを特徴とする。
【0017】
また、請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9いずれかに記載の画像形成装置において、前記画像形成出力に用いられる用紙を保持する用紙保持部と、前記搬送された用紙の厚さを検知する用紙厚検知部と、前記搬送された用紙に対して画像形成出力を実行する画像形成出力部とを更に含み、前記用紙厚検知部は、前記用紙保持部から前記画像形成出力部に至る前記用紙の搬送経路において、前記用紙保持部に近い位置で前記用紙の厚さを検知することを特徴とする。
【0018】
また、請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の画像形成装置において、前記用紙保持部は、用紙を保持する複数のトレイ部を含み、前記用紙厚検知部は、前記複数のトレイ夫々から引き出された用紙が前記画像形成出力部に至る搬送経路が合流した後の位置で前記用紙の厚さを検知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、複数の用紙を順次搬送することにより複数頁の画像形成出力を可能とする画像形成装置において、ひとまとまりの文書が種類の異なる用紙によって画像形成出力されることを防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る印刷ジョブに含まれる情報の例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る情報記憶部に記憶されている情報の例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るエンジン制御部の機能構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の他の実施形態に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の他の実施形態に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
実施の形態1.
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態においては、パンチ、ステープル、製本及び折り曲げ等の後処理を実行する後処理装置に接続可能であって、画像形成出力のために搬送された用紙の厚さを検知して、後処理装置による処理が可能か否かを判断する機能を有する画像形成装置について説明する。
【0022】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、一般的なサーバやPC(Personal Computer)等の情報処理端末と同様の構成に加えて、画像形成を実行するエンジンを有する。即ち、本実施形態に係る画像形成装置1は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)20、ROM(Read Only Memory)30、エンジン40、HDD(Hard Disk Drive)50及びI/F60がバス90を介して接続されている。また、I/F60にはLCD(Liquid Crystal Display)70及び操作部80が接続されている。
【0023】
CPU10は演算手段であり、画像形成装置1全体の動作を制御する。RAM20は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM30は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。エンジン40は、画像形成装置1において実際に画像形成を実行する機構である。
【0024】
HDD50は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納されている。I/F60は、バス90と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD70は、ユーザが画像形成装置1の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部80は、キーボードやマウス等、ユーザが画像形成装置1に情報を入力するためのユーザインタフェースである。
【0025】
このようなハードウェア構成において、ROM30やHDD50若しくは図示しない光学ディスク等の記録媒体に格納されたプログラムがRAM20に読み出され、CPU10の制御に従って動作することにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係る画像形成装置1等の情報処理端末の機能を実現する機能ブロックが構成される。
【0026】
次に、図2を参照して、本実施形態に係る画像形成装置1及び後処理装置2の機能構成について説明する。図2は、本実施形態に係る画像形成装置1及び後処理装置2の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、コントローラ100、ADF(Auto Documennt Feeder:原稿自動搬送装置)101、スキャナユニット102、排紙トレイ103、ディスプレイパネル104、給紙テーブル105、プリントエンジン106、排紙トレイ107、ネットワークI/F108及び厚さセンサ109を有する。また、本実施形態に係る後処理装置2は、コントローラ201、後処理エンジン202、排紙トレイ203及び情報記憶部204を有する。
【0027】
また、コントローラ100は、主制御部111、エンジン制御部112、入出力制御部113、画像処理部114及び操作表示制御部115を有する。図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、スキャナユニット102、プリントエンジン106を有する複合機として構成されている。尚、図2においては、電気的接続を実線の矢印で示しており、用紙若しくは文書束の流れを破線の矢印で示している。
【0028】
ディスプレイパネル104は、画像形成装置1の状態を視覚的に表示する出力インタフェースであると共に、タッチパネルとしてユーザが画像形成装置1を直接操作し若しくは画像形成装置1に対して情報を入力する際の入力インタフェース(操作部)でもある。ネットワークI/F108は、画像形成装置1がネットワークAを介して他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)インタフェースが用いられる。
【0029】
コントローラ100は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。具体的には、ROM30や不揮発性メモリ並びにHDD50や光学ディスク等の不揮発性記録媒体に格納されたファームウェア等の制御プログラムが、RAM20等の揮発性メモリ(以下、メモリ)にロードされ、CPU10の制御に従って構成されるソフトウェア制御部と集積回路などのハードウェアとによってコントローラ100が構成される。コントローラ100は、画像形成装置1全体を制御する制御部として機能する。
【0030】
主制御部111は、コントローラ100に含まれる各部を制御する役割を担い、コントローラ100の各部に命令を与える。エンジン制御部112は、プリントエンジン106やスキャナユニット102等を制御若しくは駆動する駆動手段としての役割を担う。また、エンジン制御部112は、本実施形態の要旨に係る機能として、プリントエンジン106に搬送される用紙の厚さに基づき、後処理装置2による後処理が適正に実行可能か否か判断する機能を有する。エンジン制御部112の機能の詳細については、後述する。
【0031】
入出力制御部113は、ネットワークI/F108を介して入力される信号や命令を主制御部111に入力する。また、主制御部111は、入出力制御部113を制御し、ネットワークI/F108を介して他の機器にアクセスする。更に、入出力制御部112は、印刷ジョブが後処理の実行命令を含む場合、後処理の情報を後処理装置2のコントローラ201に送信する。
【0032】
画像処理部114は、主制御部111の制御に従い、入力された印刷ジョブに含まれる印刷情報に基づいて描画情報を生成する。この描画情報とは、画像形成部であるプリントエンジン106が画像形成動作において形成すべき画像を描画するための情報である。また、印刷ジョブに含まれる印刷情報とは、PC等の情報処理装置にインストールされたプリンタドライバによって画像形成装置1が認識可能な形式に変換された画像情報である。
【0033】
また、画像処理部114は、スキャナユニット102から入力される撮像データを処理し、画像データを生成する。この画像データとは、スキャナ動作の結果物として画像形成装置1に格納され若しくはネットワークを介して接続されたファイルサーバ等に保存される情報である。操作表示制御部115は、ディスプレイパネル104に情報表示を行い若しくはディスプレイパネル104を介して入力された情報を主制御部111に通知する。
【0034】
画像形成装置1がプリンタとして動作する場合は、まず、入出力制御部113がネットワークI/F108を介して印刷ジョブを受信する。入出力制御部113は、受信した印刷ジョブを主制御部111に転送する。主制御部111は、印刷ジョブを受信すると、画像処理部114を制御して、印刷ジョブに含まれる印刷情報に基づいて描画情報を生成する。図3に、印刷ジョブに含まれる情報の例を示す。図3に示すように、本実施形態に係る印刷ジョブは、印刷情報に加えて後処理情報を含む。後処理情報は、後処理装置2による後処理の実行命令を含む情報である。
【0035】
画像処理部114によって描画情報が生成されると、エンジン制御部112は、生成された描画情報に基づき、給紙テーブル105から搬送される用紙に対して画像形成を実行する。即ち、プリントエンジン106が画像形成出力部として機能する。また、給紙テーブル105が用紙保持部として機能する。プリントエンジン106の具体的態様としては、インクジェット方式による画像形成機構や電子写真方式による画像形成機構等を用いることが可能である。プリントエンジン106によって画像形成が施された文書は排紙トレイ107に排紙され若しくは後処理装置2に搬送される。
【0036】
画像形成装置1がスキャナとして動作する場合は、ユーザによるディスプレイパネル104の操作若しくはネットワークI/F108を介して外部のクライアント端末2等から入力されるスキャン実行指示に応じて、操作表示制御部115若しくは入出力制御部113が主制御部111にスキャン実行信号を転送する。主制御部111は、受信したスキャン実行信号に基づき、エンジン制御部112を制御する。
【0037】
エンジン制御部112は、ADF101を駆動し、ADF101にセットされた撮像対象原稿をスキャナユニット102に搬送する。また、エンジン制御部112は、スキャナユニット102を駆動し、ADF101から搬送される原稿を撮像する。また、ADF101に原稿がセットされておらず、スキャナユニット102に直接原稿がセットされた場合、スキャナユニット102は、エンジン制御部112の制御に従い、セットされた原稿を撮像する。即ち、スキャナユニット102が撮像部として動作する。
【0038】
撮像動作においては、スキャナユニット102に含まれるCCD等の撮像素子が原稿を光学的に走査し、光学情報に基づいて生成された撮像情報が生成される。エンジン制御部112は、スキャナユニット102が生成した撮像情報を画像処理部114に転送する。画像処理部114は、主制御部111の制御に従い、エンジン制御部112から受信した撮像情報に基づき画像情報を生成する。
【0039】
画像処理部114が生成した画像情報はHDD50の画像形成装置1に装着された記憶媒体に保存される。画像処理部114によって生成された画像情報は、ユーザの指示に応じてそのままHDD50等に格納され若しくはネットワークI/F108を介して外部の装置に送信される。即ち、ADF101及びエンジン制御部112が画像入力部として機能する。
【0040】
また、画像形成装置1が複写機として動作する場合は、エンジン制御部112がスキャナユニット102から受信した撮像情報若しくは画像処理部114が生成した画像情報に基づき、画像処理部114が描画情報を生成する。その描画情報に基づいてプリンタ動作の場合と同様に、エンジン制御部112がプリントエンジン106を駆動する。
【0041】
厚さセンサ109は、画像形成装置1がプリンタ若しくは複写機として動作する際に、給紙テーブル105からプリントエンジン106に搬送される用紙の厚さを検知する用紙厚検知部である。厚さセンサ109による検知出力は、エンジン制御部112に入力される。
【0042】
後処理装置2のコントローラ201は、後処理装置2の動作を制御する制御部であり、画像形成装置1のコントローラ100と同様に、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。コントローラ201は、画像形成装置1の入出力制御部113から取得した後処理情報に従い、後処理エンジン202に後処理を実行させる。
【0043】
後処理装置2の後処理エンジン202は、コントローラ201の制御に従い、パンチ(穴あけ)、ステープル(ホチキス止め)、仕分け、シフトソート、回転ソート、製本、折り曲げ等、様々な後処理を実行する機能を有する。後処理エンジン202は、プリントエンジン106によって画像形成が実行された用紙をスタックするトレイを含み、このトレイにスタックされた紙束に対して後処理を実行する。後処理エンジン106は、後処理を実行した紙束を排紙トレイ203に出力する。
【0044】
後処理装置2の情報記憶部204は、後処理装置2の動作に係るパラメータ等の情報を記憶している。情報記憶部204が記憶している情報の例を図4に示す。図4に示すように、情報記憶部204は、コントローラ201が後処理エンジン202を制御する際に参照するパラメータの情報に加えて、後処理エンジン202が一度に処理可能な紙束の厚さ、即ち制限束厚を示す制限束厚情報を記憶している。この制限束厚情報は、コントローラ201が、画像形成装置1のコントローラ100からの要求に応じて読み出し、コントローラ100に送信する。即ち、情報記憶部204が、制限束厚情報記憶部として機能する。
【0045】
このような画像形成装置1及び搬送装置2において、本実施形態に係る要旨は、厚さセンサ109が検知した用紙の厚さの情報及び後処理装置2から取得した束圧制限情報に基づき、エンジン制御部112が後処理の実行可否を判断することにある。以下、本実施形態に係る画像形成装置1の動作について説明する。
【0046】
まず、本実施形態に係るエンジン制御部112の機能構成について、図5を参照して説明する。図5に示すように、本実施形態に係るエンジン制御部112は、実行命令取得部121、出力枚数情報取得部122、制限束厚情報取得部123、用紙厚検知結果取得部124、紙厚条件算出部125及び可否判断部126を含む。
【0047】
実行命令取得部121は、入出力制御部113が受信した印刷ジョブを主制御部111から取得する。出力枚数情報取得部122は、実行命令取得部121が取得した印刷ジョブに含まれる印刷情報に基づき、その印刷ジョブによって出力される用紙の枚数の情報を取得する。制限束厚情報取得部123は、主制御部111の制御に従い、図4において説明したように、後処理装置2の情報記憶部204に記憶されている制限束厚情報を取得する。用紙厚検知結果取得部124は、厚さセンサ109による用紙の厚さの検知結果を取得する。
【0048】
紙厚条件算出部125は、出力枚数情報取得部122によって取得された出力枚数の情報及び制限束厚情報取得部123によって取得された制限束厚情報に基づき、紙束を構成する各用紙が満たすべき紙厚の条件(以降、紙厚条件とする)を算出する。紙厚条件算出部125は、以下の式(1)に基づいて紙厚条件を算出する。

【0049】
可否判断部126は、紙厚条件算出部125が算出した紙厚条件と、用紙厚検知結果取得部124が取得した厚さセンサ109による用紙の厚さの情報に基づき、印刷出力の続行可否を判断する。エンジン制御部112のこのような機能構成により、本実施形態の要旨となる機能が実現される。
【0050】
次に、本実施形態に係る画像形成装置1の動作について説明する。図6は、本実施形態に係る画像形成装置1が、後処理の実行命令を含む印刷ジョブに基づいて画像形成出力を実行する際の、エンジン制御部112の動作を示すフローチャートである。図6に示すように、まず、実行命令取得部121が、主制御部111の制御に従い、入出力制御部113がネットワークI/F102を介して受信した印刷ジョブを取得する(S601)。
【0051】
実行命令取得部121が印刷ジョブを取得すると、出力枚数情報取得部122が、印刷ジョブに含まれる印刷情報に基づき、その印刷ジョブによって出力される用紙の枚数を認識する(S602)。そして、制限束厚情報取得部123が、主制御部111の制御に従い、後処理装置2の情報記憶部204に記憶されている制限束厚情報を取得する(S603)。
【0052】
S603においては、まず、入出力制御部113が後処理装置2のコントローラ201を介して制限束厚情報を取得する。そして、入出力制御部113が取得した制限束厚情報を主制御部111が制限束厚情報取得部123に入力することにより、制限束厚情報取得部123が制限束厚情報を取得する。
【0053】
制限束厚情報取得部123が制限束厚情報を取得すると、紙厚条件算出部125が、上述した式(1)を用いて、紙厚条件を算出する(S604)。そして、給紙テーブル105が、エンジン制御部112の制御に従ってプリントエンジン106に用紙を給紙すると(S605)、厚さセンサ109が用紙厚さを検知し(S606)、用紙厚検知結果取得部124がその検知結果を取得する。尚、S605、S606の処理は、S602〜S604の処理と並行して実行することや、S602〜S604の処理よりも先に実行することが可能である。
【0054】
用紙厚検知結果取得部123が厚さセンサ109による検知結果を取得すると、可否判断部126が、S604において算出された紙厚条件とS606において取得された厚さセンサ109の検知結果を比較する(S607)。S607の比較の結果、厚さセンサ109の検知結果が、紙厚条件によって示される紙厚を超えている場合(S607/YES)、エンジン制御部112は、画像形成出力の実行が不可能である(出力NG)と判断し、搬送中の用紙への画像形成出力を取り消す(S608)。そして、エンジン制御部112は、プリントエンジン106を制御し、搬送された用紙を排紙トレイ107に排紙させる(S609)。即ち、S609においては、プリントエンジン106が用紙排出部として機能する。
【0055】
プリントエンジン106が電子写真方式による画像形成機構を用いている場合、
S806の処理は、感光体ドラムへの静電潜像の形成、トナーによる現像及び転写等の一連の作像動作をキャンセルする処理である。他方、プリントエンジン106がインクジェット方式による画像形成機構を用いている場合、S806の処理は、搬送された用紙に対するインクの吐出をキャンセルする処理である。このような処理により、無駄な画像形成出力を低減し、トナー若しくはインクの無駄な消費を回避することができる。尚、いずれの場合においても、画像処理部114による描画情報の生成もキャンセルすることにより、画像処理装置1の処理負荷の低減を図ることが可能である。
【0056】
用紙の排紙が完了すると、エンジン制御部112は、実行中の印刷ジョブを中断し、ディスプレイパネル104への警告表示を実行して(S610)、処理を終了する。即ち、エンジン制御部112が、中断制御部として機能する。S610の警告表示に際して、エンジン制御部112は、ジョブの中断を示す信号(以降、ジョブ中断信号とする)を主制御部111に入力する。主制御部111は、エンジン制御部112から取得したジョブ中断信号に基づき、操作表示制御部115を制御して、ディスプレイパネル104に警告画面を表示させる。この警告画面には、搬送された用紙の厚さが処理可能な厚さを上回ったためにジョブが中断されたことが表示される。即ち、操作表示制御部115及びディスプレイパネル104が連動して警告発信部として機能する。
【0057】
他方、S607の比較の結果、厚さセンサ109の検知結果が、紙厚条件によって示される紙厚以下である場合(S607/NO)、エンジン制御部112は、プリントエンジン106を制御し、搬送された用紙に対して画像形成出力を実行して(S611)、その用紙を後処理装置2に排紙させる(S612)。その結果、印刷ジョブが完了した場合(S612/YES)、そのまま処理を終了し、印刷ジョブが完了していなければ(S612/NO)、S605からの処理を繰り返す。このような処理により、本実施形態に係る画像形成装置1の動作が完了する。
【0058】
このように、本実施形態においては、後処理装置によって処理可能な紙束の厚さ及び印刷ジョブによって出力される枚数に基づき、用紙1枚当たりの厚さの限度を求める。そして、画像形成出力のために搬送された用紙の厚さを検知し、その検知結果が上記求めた厚さの限度を超えている場合、用紙への画像形成出力をキャンセルする。このような構成により、後処理装置によって処理不可能な紙束の生成を確実に回避すると共に無駄な画像形成出力の実行を防ぎ、用紙やトナー若しくはインクの無駄な消費を防ぐことが可能となる。
【0059】
ここで、本実施形態においては、図6のS607の後、即ち、搬送された用紙の厚さが紙厚条件を満たしているか否かを判断した上で、用紙への画像形成出力の実行有無が判断される。従って、電子写真方式のプリントエンジン106を用いる場合、静電潜像の形成、トナーによる現像等の作象動作は、S607の後に開始する必要がある。
【0060】
しかしながら、例えばフルカラーの画像形成出力の場合、CMYK(Cyan、Mazenta、Yellow、blacK)の4色のトナー像を生成する必要があるため、上述した作象動作を開始するタイミングが早いことが一般的であり、そのタイミングは、例えば、用紙が給紙テーブル105から引き出された直後である。従って、厚さセンサ109は、用紙の搬送経路において、可能な限り給紙テーブル105の直後に設けることが好ましい。
【0061】
他方、複数種類の用紙に対応するため、複数の給紙テーブルが設けられる場合がある。この場合、夫々の給紙テーブルから引き出された用紙の搬送経路はプリントエンジン106に至る途中で合流するため、給紙テーブル105の直後に厚さセンサ109を設ける場合、複数の給紙テーブル夫々に対して厚さセンサを設ける必要がありコスト増となる。
【0062】
これに対して、夫々の給紙テーブル105から引き出された用紙の搬送経路が合流する位置の直後に厚さセンサ109を設けることにより、1つの厚さセンサ109ですべての給紙テーブル105から引き出された用紙の厚さを検知することが可能となる。
【0063】
しかしながら、この場合、厚さセンサ109が設けられた位置からプリントエンジン106までの用紙の搬送経路が短くなるため、上述した静電潜像の形成、現像等の作象動作が間に合わない可能性がある。ここで、プリントエンジン106には、搬送された用紙と現像されたトナー像とのタイミングを合わせるためにレジストローラが設けられている。従って、上述したように、厚さセンサ109が設けられた位置からプリントエンジン106までの用紙の搬送経路が短くなる場合、エンジン制御部112が、レジストローラを制御して用紙の搬送を遅らせることにより、作象動作が間に合わないという課題を解決することができる。
【0064】
尚、レジストローラの制御により用紙の搬送を遅らせる場合、用紙1枚あたりの画像形成出力に要する時間が長くなり、結果的に印刷ジョブが完了するまでの時間が長くなる。このような弊害は、上述したように、厚さセンサ109を設ける位置を調整することにより、解決することが可能となる。
【0065】
また、上記実施形態においては、制限束厚情報取得部123が、後処理装置2の情報記憶部204に記憶されている制限束厚情報を、入出力制御部113を介して取得する場合が例として説明されている。この他、例えば、制限束厚情報を記憶している記憶部を画像形成装置1側に設けても良い。即ち、制限束厚情報記憶部を画像形成装置1に設けても良い。この場合、S603において、制限束厚情報取得部123は、画像形成装置1に設けられたHDD50等の記憶部から制限束厚情報を取得する。
【0066】
また、上記実施形態においては、S607において出力NGと判断された場合、判断対象の用紙は後処理装置2ではなく排紙トレイ107に排紙される例を説明した。これにより、紙厚条件を満たさない用紙が後処理装置2に搬送されることにより後処理の不良が発生することを確実に回避することができる。また、出力がキャンセルされたために白紙で排出された用紙が、後処理を施すべき紙束に混入してしまうことを防ぐことができる。
【0067】
他方、上述したように、本実施形態においては、搬送された用紙が出力NGと判断された場合はジョブを中断するため、そのまま後処理が実行されることはない。従って、出力NGと判断された用紙が後処理装置2に搬送されても、後処理が実行される前に、ユーザがその用紙を取り除けば、後処理不良は発生しない。従って、出力NGと判断された用紙であっても、後処理装置2に搬送されるようにしても良い。これにより、プリントエンジン106の機構やエンジン制御部112による処理を簡略化することが可能となる。
【0068】
また、上記実施形態においては、S607において出力NGと判断されてジョブが中断された場合、ディスプレイパネル104に警告を表示する場合を例として説明した。これにより、ユーザにジョブが中断したことを通知することができる。ユーザにジョブの中断を通知する方法としては、上記ディスプレイパネル104への画面表示の他、画像形成装置1に設けられたLED(Light Emitting Diode)ランプの点灯や点滅若しくは音声や警告音の出力等の方法を用いることができる。この場合、LEDランプ及びそれを駆動するドライバ等が警告発信部として機能する。この他、ネットワークを介して他の装置への警告を行っても良い。例えば、主制御部111は、入出力制御部113を制御し、中断した印刷ジョブを出力したクライアント端末に対して警告を行うことが可能である。この場合、主制御部111及び入出力制御部113が警告発信部として機能する。
【0069】
また、上記実施形態においては、図3において説明したように、後処理の実行命令が印刷ジョブに含まれる場合を例として説明した。しかしながら、後処理の実行命令が後処理装置2に直接入力される場合もあり得る。この場合においても、プリントエンジン106によって画像形成出力が施された用紙を後処理エンジン202に搬送するために、後処理装置2への搬送のきっかけとなる情報が必要である。従って、画像形成装置1は、印刷ジョブに関連して、少なくとも後処理装置2への用紙の搬送のきっかけとなる情報を取得する。
【0070】
尚、実行すべき後処理の内容に応じて、後処理エンジン202において用紙を受ける位置が異なる場合があり得る。この場合、画像形成装置1は、実行すべき後処理に応じた搬送先に用紙を搬送する必要があるため、印刷ジョブに関連して、後処理エンジン202における用紙の搬送先を示す情報を取得する。この情報は例えば、“製本”、“パンチ”、“ステープル”等、後処理の種類を識別する識別情報である。
【0071】
実施の形態2.
実施の形態1においては、図6において説明したように、搬送された用紙の厚さが紙厚条件を満たさない場合、ジョブを中断する例が説明されている。本実施形態においては、ジョブを中断することなく、ユーザが望む形態の文書を得る方法を説明する。尚、実施の形態1と同様の符号を付す構成については、同一または相当部を示し、説明を省略する。
【0072】
本実施形態に係る画像形成装置1の構成は、実施の形態1に係る画像形成装置1の構成と概ね同一である。本実施形態に係る画像形成装置1は、搬送された用紙が紙厚条件を満たさなかった場合の動作が実施の形態1と異なる。以下、本実施形態に係る画像形成装置1の動作について説明する。
【0073】
図7は、本実施形態に係る画像形成装置1の動作を示すフローチャートであり、実施の形態1の図6に相当する。図7に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、S701〜709及びS711〜S713について、図6のS601〜S609及びS611〜S613と同様の動作を実行する。
【0074】
図7に示すように、本実施形態において、エンジン制御部112は、プリントエンジン106を制御して、画像形成出力がキャンセルされた用紙を排紙トレイ107に排紙した後、キャンセルされたページの画像形成出力をリトライする(S710)。これにより、エンジン制御部112は、キャンセルされたページの画像形成出力について、S705からの処理を繰り返す。即ち、エンジン制御部112が、用紙厚さの検知及び紙厚条件の判断処理を続行させる続行制御部として機能する。
【0075】
本実施形態に係る動作の場合、例えば、給紙テーブル105に厚い用紙が混入していた場合や、給紙テーブル105にセットされている用紙の厚さがS704における紙厚条件の算出結果を満たすものの、その厚さの差異が極わずかである場合等に特に効果がある。厚い用紙が混入していた場合、混入していた用紙が搬送された場合に、紙厚条件を満たさずNGとなっても、次の用紙を搬送して再度判断すれば紙厚条件を満たすことが考えられるため、中断することなくジョブを完了することが可能となる。
【0076】
また、紙厚条件と用紙の厚さとの差異が極わずかである場合、本来は紙厚条件を満たす厚さの用紙であっても、厚さセンサ109による検知誤差や用紙の個体差によって、厚さセンサ109の検知結果が紙厚条件を満たさない場合があり得る。このような場合に、1枚の用紙が紙厚条件を満たさずNGとなっても、次の用紙を搬送して再度判断すれば紙厚条件を満たすことが考えられる。
【0077】
尚、図7にしめすような動作を実行する場合、紙厚条件を満たさない用紙が給紙テーブル105にセットされていると、S705〜S710の動作が延々と繰り返されることになる。そのような課題を解決する方法としては、例えば、用紙が紙厚条件を満たさなかった回数をカウントしておき、カウント数が所定値に達したらジョブを中断する方法が考えられる。そのような態様について、図8を参照して説明する。
【0078】
図8は、図7の変形例としての画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。図8においては、図7のS701〜S704を省略し、S705以降を示している。図8に示すように、本例においてはS701〜S709及びS711〜S713は、図7と同様に動作する。
【0079】
図8の例においては、出力がキャンセルされて(S708)、用紙が排紙トレイ107に排出されると(S709)、エンジン制御部112は、キャンセルカウントをインクリメントする(S801)。そして、エンジン制御部112は、キャンセルカウントのカウント値を参照し、3未満であれば(S802/YES)、S710のリトライ処理を実行してS705に戻る。
【0080】
他方、キャンセルカウントのカウント値が3に達している場合(S802/NO)、エンジン制御部112は、図6のS610と同様のジョブ中断及び警告表示処理を実行し(S803)、処理を終了する。このように、図8の態様の場合、搬送された用紙の厚さが紙厚条件を満たさずに出力がキャンセルされる処理が3回繰り返された場合、エンジン制御部112が、給紙テーブル105にセットされた用紙の入れ替えが必要であると判断して、ジョブを中断する。このような処理により、上述した課題を解決することができる。
【0081】
尚、図8の説明においては、キャンセルカウントについての閾値を“3”としているが、この値は例であり、“2”であっても、“4”以上であっても良い。
【符号の説明】
【0082】
1 画像形成装置、
2 後処理装置、
10 CPU、
20 RAM、
30 ROM、
40 エンジン、
50 HDD、
60 I/F、
70 LCD、
80 操作部、
90 バス、
100 コントローラ、
101 ADF、
102 スキャナユニット、
103 排紙トレイ、
104 ディスプレイパネル。
105 給紙テーブル、
106 プリントエンジン、
107 排紙トレイ、
108 ネットワークI/F、
109 厚さセンサ、
111 主制御部、
112 エンジン制御部、
113 入出力制御部、
114 画像処理部、
115 操作表示制御部、
121 実行命令取得部、
122 出力枚数情報取得部、
123 制限束厚情報取得部、
124 用紙厚検知結果取得部、
125 紙厚条件算出部、
126 可否判断部、
201 コントローラ、
202 後処理エンジン、
203 排紙トレイ、
204 情報記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0083】
【特許文献1】特開2005−263457号公報
【特許文献2】特開平11−38713号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成出力された用紙の束に対して所定の処理を実行する後処理装置を接続可能な画像形成装置であって、
前記画像形成出力の実行命令であって出力用紙を前記後処理装置に搬送することを示す情報を含む実行命令を取得する実行命令取得部と、
前記取得された実行命令に基づいて出力される用紙の枚数を示す出力枚数情報を取得する出力枚数情報取得部と、
前記後処理装置において処理可能な紙束の厚さを示す制限束厚情報を取得する制限束厚情報取得部と、
前記取得された処理可能束厚情報及び出力枚数情報に基づき、処理可能な用紙の厚さを示す紙厚条件を求める紙厚条件算出部と、
前記画像形成出力のために搬送された用紙の厚さの検知結果を取得する用紙厚検知結果取得部と、
前記求められた紙圧条件及び前記検知された用紙の厚さに基づいて前記取得された実行命令に係る画像形成出力の実行可否を判断する可否判断部とを含む、画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成出力の実行が不可能であると判断された場合に、前記取得された実行命令に係る画像形成出力を中断する中断制御部を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記取得された実行命令に係る画像形成出力を中断した場合、警告を発する警告発信部を更に含むことを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成出力の実行が不可能であると判断された場合に、前記搬送された用紙に対する画像形成出力を取り消し、次に搬送された用紙に対して前記用紙の厚さの検知処理及び前記画像形成出力の実行可否の判断処理を実行させる続行制御部を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記続行制御部は、前記次に搬送された用紙に対して前記画像形成出力の実行可否の判断処理を実行させた結果、前記画像形成出力の実行が可能であると判断された場合に、前記取り消された画像形成出力に係る画像を前記次に搬送された用紙に対して描画させることを特徴とする、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記続行制御部は、前記次に搬送された用紙に対して前記画像形成出力の実行可否の判断処理を実行させた結果、所定回数以上連続して前記画像形成出力の実行が不可能であると判断された場合、前記取得した実行命令に係る画像形成出力を中断することを特徴とする、請求項4または5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成出力のために搬送された用紙を排出する用紙排出部を更に含み、
前記用紙排出部は、前記画像形成出力の実行が不可能であると判断された場合に、前記搬送された用紙を前記後処理装置とは異なる排出先に排出することを特徴とする、請求項1乃至6いずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制限束厚情報取得部は、前記後処理装置から前記制限束厚情報を取得することを特徴とする、請求項1乃至7いずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制限束厚情報を記憶している制限束厚情報記憶部を更に含み、
前記制限束厚情報取得部は、前記制限束厚情報記憶部から前記制限束厚情報を取得することを特徴とする、請求項1乃至8いずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記画像形成出力に用いられる用紙を保持する用紙保持部と、
前記搬送された用紙の厚さを検知する用紙厚検知部と、
前記搬送された用紙に対して画像形成出力を実行する画像形成出力部とを更に含み、
前記用紙厚検知部は、前記用紙保持部から前記画像形成出力部に至る前記用紙の搬送経路において、前記用紙保持部に近い位置で前記用紙の厚さを検知することを特徴とする、請求項1乃至9いずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記用紙保持部は、用紙を保持する複数のトレイ部を含み、
前記用紙厚検知部は、前記複数のトレイ夫々から引き出された用紙が前記画像形成出力部に至る搬送経路が合流した後の位置で前記用紙の厚さを検知することを特徴とする、請求項10に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−217564(P2010−217564A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64878(P2009−64878)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】