画像形成装置
【課題】多数の作像装置を有する画像形成装置において高い生産性を維持したまま、高画質化、省設置面積化を図り、しかもコストダウンする。
【解決手段】画像形成ユニット10Y,10M,10Cからトナー像を転写する中間転写ベルト4aと、画像形成ユニット10R,10G,10Gでトナー像を転写する中間転写ベルト4bを1台の書込ユニット200を挟んで配置し、転写搬送装置15に2組のカラートナー像を転写する。両中間転写体7a,7bの間にはブラックのトナー像を転写搬送装置15の記録媒体Pに転写する画像形成ユニット10Kを配置する。書込ユニット200は、画像形成ユニット10Y,10M,10Cと、画像形成ユニット10R,10G,10Gと画像形成ユニット10Kに向けて書込項を射出する。
【解決手段】画像形成ユニット10Y,10M,10Cからトナー像を転写する中間転写ベルト4aと、画像形成ユニット10R,10G,10Gでトナー像を転写する中間転写ベルト4bを1台の書込ユニット200を挟んで配置し、転写搬送装置15に2組のカラートナー像を転写する。両中間転写体7a,7bの間にはブラックのトナー像を転写搬送装置15の記録媒体Pに転写する画像形成ユニット10Kを配置する。書込ユニット200は、画像形成ユニット10Y,10M,10Cと、画像形成ユニット10R,10G,10Gと画像形成ユニット10Kに向けて書込項を射出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複合機などの画像形成装置に係り、特にイエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの基本4色以外に、レッド・グリーン・ブルー(2次色)や透明トナーなどの特殊トナーも併用する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式の画像形成装置では高速化と高画質化が進められてきた。その結果、フルカラー画像形成装置としてはイエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの4色を用いた4連タンデム方式に代表される多数連続タンデムエンジンの画像形成装置が、オフィス市場やプロダクションプリンティング市場で急速に普及している。
【0003】
特にプロダクションプリンティング市場では、オフィス市場以上に高いカラー画像生産性、色再現力、画像品質が求められる。このニーズに応えるため、従来のイエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの基本4色にレッド・グリーン・ブルー(2次色)を加えた7色による7連タンデム方式の画像形成装置が提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。このような多数連続タンデムエンジンは作像ユニットの数によらず高い生産性を維持できる。
【0004】
しかし、上述の多数連続タンデムエンジンを備えた画像形成装置にあっては、上流の作像ユニットで転写されたトナーが下流の作像ユニットの転写部を通過する際に、放電ハザードを受けて画質が悪化する、下流の作像ユニットに逆転写するトナーが増加し、無駄なトナー消費が多い、画像形成装置の設置面積が大きくなる、周長の長い無端ベルトが必要となるためベルト製造上の課題が大きい、駆動制御の技術的課題が大きい、書込光が感光体上を走査するためのポリゴンミラーを各色で共通化した場合端に配置された作像ユニットほど光路長が長くなってしまうため色ずれや倍率誤差など書込位置のずれが生じやすい、等の問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した多数連続タンデムエンジンの問題を解決するために、2つの中間転写体を上下に2段重ねにして作像ユニットを分散させ、さらに画像が記録媒体に転写される向きをそろえた画像形成装置が提案されている(特許文献3参照)。図15は従来の画像形成装置の概略構造を示す断面図である。この画像形成装置は、複数のサブ作像装置510,520を画像形成装置本体に同一の設置姿勢で中間転写媒体511,521の張設方向と直交する方向上で重畳的に配置し、かつ、被転写媒体531へ同じ向きに転写像の転移が行われるものである。各サブ作像装置510,520は、それぞれ書込ユニット512,522、感光体ドラム5213,523、現像器514,524などを備えた作像ユニット515,525、前記中間転写媒体511,521を含む中間転写装置516,526を備える他、前記被転写媒体531を定着する定着装置532を備えている。
【0006】
しかし、このような画像形成装置は2台の書込ユニットを必要とするため、部品点数の増加によるコストアップの他、高さ方向のスペースの増大が問題となる。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、多数の作像装置を有する画像形成装置において高い生産性を維持したまま、高画質化、省設置面積化を図り、しかもコストダウンができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、記録媒体にトナー像を転写する2つ以上の中間転写体と、書込装置により潜像が書き込まれる3つ以上の感光体と、を備えてなり、前記感光体は、各中間転写体にそれぞれ1つ以上が当接又は近接して配置される中間転写体用感光体と、中間転写体を経ずに前記記録媒体に直接転写する少なくとも1つの記録媒体用感光体からなり、全ての感光体に潜像を形成する1台の書込装置を備え、前記中間転写体のうち少なくとも2つの中間転写体は前記書込装置を挟んで配置されると共に前記中間転写体用感光体は、各々の中間転写体の書込装置側に配置され、前記録媒体用感光体は、前記書込装置に対して前記2つの中間転写体の配置方向とは異なる方向に配置されており、前記書込装置は、少なくとも3つ以上の方向に感光体への書込光が射出され、前記3つ以上の方向のうち2つ方向に向け射出された書込光は前記中間転写体用感光体に射出され、前記3つ以上の方向のうち1つの方向に射出された書込光は前記記録媒体用に射出されることを特徴とする画像形成装置である。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記書込装置は、書込光を反射して感光体上を走査するポリゴンミラーを備え、前記ポリゴンミラーから反射ミラーを経ずに射出され、対応する感光体に直接入射する少なくとも1つの直接書込光を射出することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記直接書込光以外の書込光を対応する感光体に導く反射体と前記反射体の位置補正を行い、前記直進書込光による感光体の画像形成位置を基準にして、他の感光体の画像形成位置を直接書込光による感光体の画像形成位置にそろえる補正機構と、前記補正機構を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の画像形成装置において、前記書込装置は、前記2組の中間転写体用感光体に共通の射出光を発する1台の光源と、前記光源からの射出光の方向を切り換える切換機構と、前記切換機構の切換制御を行う切換制御手段と、を備え、前記1台の光源が共通して射出光を発する中間転写体のうち、用紙搬送方向上流側に位置する中間転写体と、この中間転写体に配置された感光体との当接点T1Aからこの中間転写体と記録媒体との当接点T2Aまでの距離をLa、用紙搬送方向下流側に位置する中間転写体と、この中間転写体に配置された感光体との当接点T1Bからこの中間転写体の記録媒体との当接点T2Bまでの距離をLb、前記当接点T2Aと前記当接点T2Bの間の記録媒体搬送経路の距離をLab、紙の搬送方向の長さをLpとしたとき、La+Lab>Lb+Lpを満たすものとし、前記上流側の感光体への書込終了後に下流側の感光体の書込開始を行えるようで間に合うよう前記切換機構を切換制御することを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記切換機構は、回転させて反射面の向きを変える反射ミラーを備え、前記切換制御手段は、前記反射ミラーの回転で前記2つの感光体への書込を切り換えることを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記切換機構は、光源からの射出光を2つに分けこの2つに分けられた射出光をそれぞれ前記2つの感光体に導くハーフミラーと、ハーフミラーより下流に配置され2つの射出光をそれぞれ遮るシャッター機構とを備え前記切換制御手段は、前記シャッター機構の開閉で感光体書込を切り換えることを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までの何れか一項に記載の画像形成装置において、前記中間転写体にはそれぞれ2つ以上の中間転写体用感光体からなる感光体群が配置されており、前記感光体群の各々で位置ずれ補正を行い、さらに前記感光体群及び記録媒体用感光体の間での位置ずれ補正を行う補正機構と、前記補正機構の補正制御を行う補正制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項8の発明は、請求項7に記載の画像形成装置において、前記補正制御手段は、前記2群の感光体群の一方のみで位置ずれ補正を行った後、画像のずれ量が一定値より大きかった場合のみ、他方の感光体群の位置ずれ補正を行うことを特徴とする。
【0016】
請求項9の発明は、請求項1から請求項8までの何れか一項に記載の画像形成装置において、前記書込装置には、書込光が射出される射出窓が形成され、前記射出窓のうち書込装置の上側に配置された射出窓には射出窓の清掃機構を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項10の発明は、請求項1から請求項9までの何れか一項に記載の画像形成装置において、前記2つの中間転写体には、それぞれの中間転写体を前記記録媒体の搬送を行う搬送装置から離間させる駆動機構を備えることを特徴とする。
【0018】
請求項11の発明は、請求項10に記載の画像形成装置において、前記記録媒体用感光体は、ブラックのトナー像を作成することを特徴とする。
【0019】
請求項12の発明は、請求項10又は請求項11に記載の画像形成装置において、前記2つの中間転写体で形成するトナーの色を使用頻度の高低により2分類して配置しておき、画像形成する入力画像が使用頻度の低いトナーを使用しない場合、前記使用頻度の低いトナー像を作成する中間転写体を前記搬送装置から離間させることを特徴とする。
【0020】
請求項13の発明は、請求項10から請求項12までの何れか一項に記載の画像形成装置において、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナーを一方の中間転写体側に配置し、これらの3色を用いない色で構成される画像が入力した場合、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナーを配置した中間転写体を前記搬送装置から離間させる転写搬送装置に対して離間させることを特徴とする。
【0021】
請求項14の発明は、請求項10から請求項13までの何れか一項に記載の画像形成装置において、一方の中間転写体に作成するトナー像はレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)であることを特徴とする。
【0022】
請求項15の発明は、請求項10から請求項14までの何れか一項に記載の画像形成装置において、前記レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)のトナー像を作成する中間転写体は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像を作成する中間転写体より上流側に配置されていることを特徴とする。
【0023】
請求項16の発明は、請求項1から請求項15までの何れか一項に記載の画像形成装置において、少なくとも1つの中間転写体と、前記搬送装置との間には、それぞれに接する第2の中間転写体を介在させ、該第2の中間転写体を前記中間転写体および搬送装置と当接又は離間する駆動手段を配置したことを特徴とする。
【0024】
請求項17の発明は、請求項16に記載の画像形成装置において、前記中間転写体と前記第2の中間転写体とを当接又は離間する駆動手段を備えることを特徴とする。
【0025】
請求項18の発明は、請求項17に記載の画像形成装置において、前記中間転写体と前記転写搬送体とを当接又は離間する駆動手段を備えることを特徴とする。
【0026】
請求項19の発明は、請求項16から請求項18までの何れか一項に記載の画像形成装置において、前記第2の中間転写体は、回転可能な円筒状部材であることを特徴とする。
【0027】
請求項20の発明は、請求項16から請求項18までの何れか一項に記載の画像形成装置において、前記第2の中間転写体は、転動可能な無端ベルト状の部材であることを特徴とする。
【0028】
請求項21の発明は、請求項1から請求項20までの何れか一項に記載の画像形成装置において、前記感光体、前記中間転写体、前記第2の中間転写体、及び前記搬送装置のうちの少なくとも1つのもの、又は、少なくとも2つの部材を組み合わせたものは、交換可能なカートリッジをなしていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る画像形成装置によれば、多数の作像ユニットを有するものであっても、書き込み装置を1台とできるので、高生産性や高画質を維持したまま、省設置面積、コストダウンを図ることができる。また、本発明によれば、作像しない時には中間転写体を離間させて駆動を止めることができるので、中間転写体と中間転写体に配置された感光体の長寿命化を図ることができる。更に、発明によれば、中間転写体と紙搬送体の間に第2の中間転写体を介在させているので、多数の感光体を有する画像形成装置において、生産性を落とすことなく、ファーストプリントスピードを向上させ、作像ユニットの共通化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本実施例に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】書込ユニットの構成を示す側面からの模式図である。
【図3】書込ユニットの構成を示す上面からの模式図である。
【図4】第2の実施例に係る画像形成装置の書込ユニットを示す側面からの模式図である。
【図5】感光体の群分けを示す模式図である。
【図6】露光のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図7】第3の実施例に係る画像形成装置に使用する書込ユニットの構成を示す側面からの模式図である。
【図8】第4の実施例に係る画像形成装置の要部を示す模式図である。
【図9】第4の実施例に係る画像形成装置の変形例を示す要部の模式図である。
【図10】第4の実施例に係る画像形成装置の他の変形例を示す要部の模式図である。
【図11】第5の実施例に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図12】比較例に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図13】比較例に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図14】第5の実施例の変形例に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図15】従来の画像形成装置の概略構成を示す断面図である
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、記録媒体にトナー像を転写する2つ以上の中間転写体と、書込装置により潜像が書き込まれる3つ以上の感光体と、を備えてなり、前記感光体は、各中間転写体にそれぞれ1つ以上が当接又は近接して配置される中間転写体用感光体と、中間転写体を経ずに前記記録媒体に直接転写する少なくとも1つの記録媒体用感光体からなり、全ての感光体に潜像を形成する1台の書込装置を備え、前記中間転写体のうち少なくとも2つの中間転写体は前記書込装置を挟んで配置されると共に前記中間転写体用感光体は、各々の中間転写体の書込装置側に配置され、前記録媒体用感光体は、前記書込装置に対して前記2つの中間転写体の配置方向とは異なる方向に配置されており、前記書込装置は、少なくとも3つ以上の方向に感光体への書込光が射出され、前記3つ以上の方向のうち2つ方向に向け射出された書込光は前記中間転写体用感光体に射出され、前記3つ以上の方向のうち1つの方向に射出された書込光は前記記録媒体用に射出されるものである。
【0032】
本例によれば、作像装置での転写を複数の中間転写体を使用した転写と、感光体からの直接の転写とで分散して行えるので、装置の省スペース化を図ることができる。また、本例では感光体の配置を複数の中間転写体ごとに変え、下側の中間転写体に対して感光体は上側、上側の中間転写体に対して感光体は下側に配置し、中間転写体に挟まれる位置に書込装置を配置したので、多数の色に対応する感光体を備えた画像形成装置にあっても全ての感光体を1つの書込装置からの書込光で潜像を形成できるようになり、部品点数の低減によるコスト低下と省スペース化を図ることができる。
【0033】
また、本発明において、前記書込装置は、書込光を反射して感光体上を走査するポリゴンミラーを備え、前記ポリゴンミラーから反射ミラーを経ずに射出され、対応する感光体に直接入射する少なくとも1つの直接書込光を射出する。
【0034】
本例によれば、書込装置には1つのポリゴンミラーを配置するだけで済む他、直接書込光の射出に反射ミラーが不要として反射ミラーの数を最小限に抑えることができ、部品点数を低減することができコスト低下を図ることができる。
【0035】
また、本発明において、前記直接書込光以外の書込光を対応する感光体に導く反射体と前記反射体の位置補正を行い、前記直進書込光による感光体の画像形成位置を基準にして、他の感光体の画像形成位置を直接書込光による感光体の画像形成位置にそろえる補正機構と、前記補正機構を制御する制御手段と、を備えることができる。
【0036】
本例によれば、直直接書込光に対応する感光体を位置ずれ補正の基準にするので、装置の各部材の調整が容易になる他、感光体の画像形成位置を容易に調節することができ、位置ずれ補正の精度を向上させ、より高画質な画像を提供することができる。
【0037】
本発明の画像形成装置において、前記書込装置は、前記2組の中間転写体用感光体に共通の射出光を発する1台の光源と、前記光源からの射出光の方向を切り換える切換機構と、前記切換機構の切換制御を行う切換制御手段と、を備え、前記1台の光源が共通して射出光を発する中間転写体のうち、用紙搬送方向上流側に位置する中間転写体と、この中間転写体に配置された感光体との当接点T1Aからこの中間転写体と記録媒体との当接点T2Aまでの距離をLa、用紙搬送方向下流側に位置する中間転写体と、この中間転写体に配置された感光体との当接点T1Bからこの中間転写体の記録媒体との当接点T2Bまでの距離をLb、前記当接点T2Aと前記当接点T2Bの間の記録媒体搬送経路の距離をLab、紙の搬送方向の長さをLpとしたとき、La+Lab>Lb+Lpを満たすものとし、前記上流側の感光体への書込終了後に下流側の感光体の書込開始を行えるようで間に合うよう前記切換機構を切換制御する。
【0038】
本例によれば、前記La+Lab>Lb+Lpなる条件を満たすように中間転写体の長さや感光体の配置を調整しているので、下流側の感光体の書込みを終えたあと上流側感光体の書込みを開始すればよくなり、これにより光源を共通化して書込光の光路を切り替えることで両方の感光体に書き込めるようになり、部品点数の低減によるコスト低下を図ることができる。
【0039】
本発明の画像形成装置において、前記切換機構は、回転させて反射面の向きを変える反射ミラーを備え、前記切換制御手段は、前記反射ミラーの回転で前記2つの感光体への書込を切り換えることができる。
【0040】
本例によれば、反射ミラーを回転させる機構を追加だけで、切り替えのための新たな光学素子は不要となり、最小限の部品追加で光源の共通化が可能となるため、光源共通化によるコスト低下を図ることができる。
【0041】
本発明の画像形成装置において、前記切換機構は、光源からの射出光を2つに分けこの2つに分けられた射出光をそれぞれ前記2つの感光体に導くハーフミラーと、ハーフミラーより下流に配置され2つの射出光をそれぞれ遮るシャッター機構とを備え前記切換制御手段は、前記シャッター機構の開閉で感光体書込を切り換えることができる。
【0042】
本例によれば、光学素子は全て固定配置されているため、書込光の光路が安定して位置ずれが発生しにくくなり、高画質な画像を提供できるほか、位置ずれ補正の頻度を減らせるため印刷中の待ち時間を低減することができる。
【0043】
本発明の画像形成装置において、前記中間転写体にはそれぞれ2つ以上の中間転写体用感光体からなる感光体群が配置されており、前記感光体群の各々で位置ずれ補正を行い、さらに前記感光体群及び記録媒体用感光体の間での位置ずれ補正を行う補正機構と、前記補正機構の補正制御を行う補正制御手段と、を備えることができる。
【0044】
本例によれば、各感光体だけで予め位置ずれ補正を行った上で、感光体同士の位置ずれ補正を行ので、例えば一部の感光体しか用いない印刷モード中に他の感光体の位置ずれ補正を行っておくことで、印刷を中断しなければならない待ち時間を最小限に抑えることができる。
【0045】
本発明の画像形成装置において、前記補正制御手段は、前記2群の感光体群の一方のみで位置ずれ補正を行った後、画像のずれ量が一定値より大きかった場合のみ、他方の感光体群の位置ずれ補正を行うものである。
【0046】
本例によれば、一方の位置ずれ補正結果に応じて他方の位置ずれ補正を行うべきか否かを判断するので、位置ずれ補正を効率的に行う、即ち大きな位置ずれが想定される場合に重点的に位置ずれ補正を行うことが可能になり、位置ずれ補正による待ち時間を最小限に抑えることが可能となる。
【0047】
本発明の画像形成装置において、前記書込装置には、書込光が射出される射出窓が形成され、前記射出窓のうち書込装置の上側に配置された射出窓には射出窓の清掃機構を備えるものとできる。
【0048】
重力を考慮すると書込装置の上側の窓にトナーなどは付着しやすく、他の面の窓には付着しづらい。本例では、上側の面の窓にのみ清掃機構を設置することで、最小限の部品追加で異常画像を効率良く抑制することが可能となる。
【0049】
本発明の画像形成装置において、前記2つの中間転写体には、それぞれの中間転写体を前記記録媒体の搬送を行う搬送装置から離間させる駆動機構を備えることができる。
【0050】
中間転写体が搬送装置に常に当接していると、中間転写体とそれぞれの中間転写体に配置されている感光体は、搬送装置が駆動している際は作像しない時も駆動されることになる。中間転写体及び感光体にはそれぞれ駆動する距離で決まる寿命があり、作像しない時には駆動させないことが望ましい。本例によれば、作像しない時には離間させて駆動を止めることができ中間転写体と中間転写体に配置された感光体の長寿命化を図ることができる。
【0051】
本発明の画像形成装置において、前記記録媒体用感光体は、ブラックのトナー像を作成することを特徴とする。本例によれば、搬送装置に直接転写を行うトナー像をブラックとし、白黒印刷時には中間転写体を搬送装置から離間させておくことができるので、白黒印刷時にはカラーの中間転写体とカラーの感光体は駆動しないものとでき、そのため、その他の色の感光体と中間転写体の長寿命化が図れ、白黒画像印刷時の印刷コストを低くできる。
【0052】
本発明の画像形成装置において、前記2つの中間転写体で形成するトナーの色を使用頻度の高低により2分類して配置しておき、画像形成する入力画像が使用頻度の低いトナーを使用しない場合、前記使用頻度の低いナー像を作成する中間転写体を前記搬送装置から離間させることができる。本例によれば、入力画像が使用頻度の低いトナーを使用しない画像であった場合、その中間転写体を転写搬送装置から離間させておくことができ、当該中間転写体と使用頻度が低いトナーに対応する感光体の駆動を停止できる。そのため、中間転写体と当該感光体の長寿命化が可能となる。
【0053】
本発明の画像形成装置において、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナーを一方の中間転写体側に配置し、これらの3色を用いない色で構成される画像が入力した場合、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナーを配置した中間転写体を前記搬送装置から離間させる転写搬送装置に対して離間させることができる。
【0054】
本例によれば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナーを使用しない画像であった場合、その中間転写体を転写搬送装置から離間させておくことができ、当該中間転写体と当該トナーに対応する感光体の駆動を停止できる。そのため、中間転写体と当該感光体の長寿命化が可能となる。
【0055】
また、本発明の画像形成装置において、一方の中間転写体に作成するトナー像はレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)とすることができる。基本4色のY,M,C,K(1C)でR,G,B(2C)を再現するには、1Cの場合に比して2倍トナー量が必要となる。本例ではRGBのトナーを使用できるので、2Cを再現するためには1C分の付着量だけで可能となるため、トナーの低付着量化が図れる。
【0056】
本発明の前記画像形成装置において、前記レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)のトナー像を作成する中間転写体は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像を作成する中間転写体より上流側に配置されていることを特徴とする。
【0057】
2つの中間転写体にそれぞれ像担持体が3つずつ配置されており、転写搬送装置に直接転写を行う像担持体が1つある場合、最上流のトナー像は定着前までに逆転写(通常の転写とは逆に被転写媒体から転写媒体へトナーが転写する現象)を6回受ける。そのため、最上流の像担持体には多くのトナーを付着させなければならない。また、上流の中間転写体で色重ねのトナー像を作成する場合には、中間転写体上のトナー付着量がさらに多くなる。トナー付着量が多いと転写する際にトナー像が散ってしまい、良好なトナー像が得られない。ここで、R,G,Bについてみると、R,G,Bは加法混色ができないため色重ねをしない。本例では、R,G,Bのトナー像を作成する中間転写体を他の中間転写体に対して上流に配置するので、上流に配置された中間転写体上の付着量の増加と、付着量の増加によるトナーの散りを抑制し、良好なトナー像を得ることが可能となる。
【0058】
本発明の前記画像形成装置において、少なくとも1つの中間転写体と、前記搬送装置との間には、それぞれに接する第2の中間転写体を介在させ、該第2の中間転写体を前記中間転写体および搬送装置と当接又は離間する駆動手段を配置することができる。
【0059】
書込装置を1台とし2つの中間転写体の間に配置すると、感光体から転写されたトナー像の中間転写体上の移動距離が長くなるためにファーストプリントスピードが遅くなってしまう。本例によれば、第2の中間転写体を配置しているので、書込装置を挟む2つの中間転写体の回転方向を逆とすることができ、転写されたトナー像の中間転写体上の移動距離が短くすることができファーストプリントスピードを短縮することができる。
【0060】
また、書込装置を挟む2つの中間転写体等は上下方向に逆に配置されることとなる。この場合、各装置への重力の作用方向が一致しないため、現像装置の部品や筐体を共通化できないことが多い。本例では、第2の中間転写体を配置すると共に中間転写体及び書込装置を鉛直方向に配置すれば、各部品等は、左右対称形状となるために、共通化できる作像ユニットの部品や筐体が多くなり、コストダウンおよび生産の点から環境負荷低減につながる。また作像体を鉛直方向に配列することで、書込装置の下方に光路が配置されず、射出光窓の汚れが少なくなり、遮光による白スジなどの異常画像が起こりにくいという利点がある。
【0061】
本発明の画像形成装置において、前記中間転写体と前記第2の中間転写体とを当接又は離間する駆動手段を備えることを特徴とする。本例によれば、中間転写体を第2の中間転写体から離間できるので、離間した中間転写体と該中間転写体に配置された感光体の長寿命化を図ることができる。
【0062】
本発明の画像形成装置において、前記中間転写体と前記転写搬送体とを当接又は離間する駆動手段を備えることを特徴とする。本例によれば、中間転写体を転写搬送体から離間できるので、離間した中間転写体と該中間転写体に配置された感光体の長寿命化を図ることができる。
【0063】
本発明の画像形成装置において、前記第2の中間転写体は、回転可能な円筒状部材とすることができる。本例によれば、第2の中間転写体をシンプルな構成にすることができ、コストダウンを図ることができる。
【0064】
本発明の画像形成装置において、前記第2の中間転写体は、転動可能な無端ベルト状の部材とすることができる。本例によれば、自由なレイアウトを採用することができる。
【0065】
本発明の画像形成装置において、前記感光体、前記中間転写体、前記第2の中間転写体、及び前記搬送装置のうちの少なくとも1つのもの、又は、少なくとも2つの部材を組み合わせたものは、交換可能なカートリッジをなすものとできる。本例によれば、各部材を交換可能なカートリッジとしているので、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【実施例】
【0066】
以下実施例に係る画像形成装置について説明する。以下、本発明の実施形態について説明する。ここでは、画像形成装置100は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(以下、Y,C,M,Kと略す)の基本4色と、レッド、グリーン、ブルー(以下、R,G,Bと略す)の特殊トナーを用いるカラーデジタル複合機として説明する。
【0067】
図1は、本実施例係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。画像形成装置100は、図1に示すように、Y,M,C用の3つの画像形成ユニット10Y,10M,10Cと、R,G,B用の3つの画像形成ユニット10R,10G,10Bと、をそれぞれ中間転写装置7a,7bである中間転写ベルト4aと中間転写ベルト4bに沿ってベルト移動方向に直列に配置したタンデム方式のものとして構成される。また、転写搬送装置15には、Kの画像形成ユニット10Kが直接転写により作像できるように配置されており、Kトナー像は記録媒体Pに直接転写されるように配置されるよう構成される。Kの画像形成ユニット10Kは、中間転写ベルト4aおよび中間転写ベルト4bを備えた画像形成ユニット10Y,10M,10C及び画像形成ユニット10R,10G,10Bは独立して配置されており、画像形成ユニット10Kで作成されたKトナー像は転写搬送装置15により記録媒体に直接転写される。また、各画像形成ユニット10R,10G,10Bは、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジとして形成される。
【0068】
転写搬送装置15は略水平に延びる中間転写装置7aおよび中間転写装置7bに対して略垂直に交差するように配置されている。画像形成ユニット10Y,10M,10C及び画像形成ユニット10R,10G,10Bは、感光体としての感光体1、トナーを潜像に供給してトナー像を形成する現像装置2Y,2M、2C、2R,2G,2B、帯電装置3Y,3M、3C、3R,3G,3B、クリーニング装置6Y,6M、6C、6R,6G,6B等を備えている。各感光体1は中間転写ベルト4に接するように配置されている。
【0069】
レーザにより潜像を形成する書込ユニット200により、各感光体1Y,1M、1C、1R,1G,1B上に静電潜像が形成される。なお、本実施例ではクリーニング装置6Y,6M、6C、6R,6G,6Bとしてブレードタイプのものを用いたが、本発明はこれに限定される趣旨ではなく、ファーブラシローラ、磁気ブラシクリーニング方式であっても良い。また、各クリーニング装置6Y,6M、6C、6R,6G,6Bには、潤滑剤が格納されており、潤滑剤は、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレイン酸鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸銅、パルチミン酸、亜鉛パルチミン酸コバルト、パルチミン酸銅、パルチミン酸マグネシウム、パルチミン酸アルミニウム、パルチミン酸カルシウム、カプリル酸鉛、カプロン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム、及びリコリノレン酸カドミウムの如き比較的高次の脂肪酸などが挙げられる。また、カルナウバワックスのような天然ワックスであってもよい。
【0070】
この例では均一に帯電された感光体1Y,1M、1C、1R,1G,1Bは、書込ユニット200からの色別の露光光により画像部を露光され、現像装置2Y,2M、2C、2R,2G,2Bによってトナー像が作られる。感光体1Y,1M、1C、1R,1G,1B上に作られたカラートナー像は、タイミングを合わせてそれぞれ中間転写ベルト4a,4bに転写され、色重ねされたトナー像が形成される。
【0071】
中間転写ベルト4a,4bは、駆動ローラ9a,9bと従動ローラ8a,8bにより支持されており、中間転写ベルト4a,4bの内側には、各感光体1Y,1M、1C、1R,1G,1Bに対向して1次転写手段としての1次転写ローラ5Y,5M、5C、5R,5G,5Bと中間転写ベルト対向ローラ20a,20bが設けられている。この中転ベルト対向ローラ20a,20bに対向して中間転写ベルト4a,4bの外側には、中間転写ベルト4a,4b上の残留トナーを除去するクリクリーニング装置10a,10bが設けられている。
【0072】
中間転写装置7aは中間転写装置7bおよびブラック(K)の画像形成ユニット10Kに対して下流に配置されており、さらにKの画像形成ユニット10Rは中間転写体7bに対して下流に配置されている。
【0073】
中間転写ベルト4b上に作られたRGBのトナー像は、転写搬送装置15が搬送する記録媒体P上に転写され、その後、画像形成ユニット10Kの感光体1K上に作られたKトナー像が記録媒体Pに直接転写され、色重ねされたトナー像が形成される。さらにその後、中間転写ベルト4a上で色重ねされたYMCのトナー像が記録媒体P上に転写される。
【0074】
故に、転写搬送ベルト14はKトナー像の転写部では直接転写ベルトとして機能し、中間転写ベルト4上のYMCおよびRGBのトナー像の転写部では2次転写ベルトとして機能する。
【0075】
転写搬送ベルト14および中間転写ベルト4a,4bとしては、体積抵抗率1010〜1015Ω・cm、表面抵抗率1010〜1015Ω/□の無端ベルトであり、例えば変性ポリイミド、熱硬化ポリイミド、ポリカーボネイト、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジニアリングプラスチックに導電性を付与する目的で、例えばアセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック、酸化チタン、チタン酸カリウム、酸化錫、リチウム塩、四級アンモニウム塩等の各種導電剤を添加した、厚さ0.1〜1.0mmの半導電性フィルム基体の外側に、好ましくはトナーフィルミング防止層として厚さ5〜50μmのフッ素コーティングを行った、2層構成のシームレスベルトが挙げられる。転写搬送ベルト14および中間転写ベルト4の基体としては、この他に、シリコンゴム或いはウレタンゴム等に導電材料を分散した厚さ0.5〜2.0mmの半導電性ゴムベルトを使用することもできる。
【0076】
画像形成装置本体の下部には給紙トレイ25,26が設けられており、給紙トレイ25,26から給紙された記録媒体Pはレジストローラ対19に達し、ここでスキューを修正された後レジストローラ対19により所定のタイミングで搬送される。また、転写搬送装置15の入口ローラ13に対向する位置に、レジストローラ対19から搬送された記録媒体Pを転写搬送ベルト14へと吸着させる吸着ローラ21を備えている。
【0077】
RGBトナー像とKトナー像とYMCトナー像を重ねて転写された記録媒体Pは、定着装置18によりトナー像を定着され、カラー画像が形成される。
【0078】
転写搬送装置15は、転写搬送ベルト14と、転写搬送ベルト14を支持する駆動ローラ12、転写手段を兼ねる従動ローラ5K、転写搬送装置15へ記録媒体Pを迎え入れるための入口ローラ13、転写搬送ベルト対向ローラ22、及び2次転写手段としての2次転写ローラ17a,17bを備えている。
【0079】
2次転写ローラ17a,17bは中間転写ベルト4の従動ローラ8a,8bに対向して配置されており、図示しない接離機構により中間転写ベルト4a,4bに対して接離可能となっている。白黒画像作成時においては、Kの画像データに基づいて書込ユニット200により、画像形成ユニット10Kの感光体1K上の画像部が露光され、現像装置2Kによってトナー像が作られる。作成されたKトナー像は転写搬送ベルト14によって搬送される記録媒体上に直接転写され、定着装置18により定着され、白黒画像が形成される。
【0080】
また、転写搬送装置15には転写搬送ベルト対向ローラ22が配置され、この転写搬送ベルト対向ローラ22に対向して転写搬送ベルト14の外側には、転写搬送ベルト14の残留トナーを除去するクリーニング装置16が設けられている。
【0081】
2次転写ローラ17は、金属性ローラ、あるいは芯金の周りに体積抵抗率1×105Ω・cm〜1×1012Ω・cm、厚さ2mm〜10mm、ゴム硬度10度〜100度の導電性の弾性層が被覆されているものを使用することができる。なお、この弾性層は発泡性であってもよい。
【0082】
次に書込ユニットの構成について説明する。図2は書込ユニットの構成を示す側面からの模式図、図3は書込ユニットの構成を示す上面からの模式図である。書込ユニット200には、7色の作像ユニットに対応した7本の書込光のLD光源108K〜108Bが設置されている。図2に示すように、7本の書込光のうちK,C,R,G用書込光の4本の書込光は互いに高さを異なるようにしてあるが、それだけではK、C、R用書込光のLD光源と、G用書込用のLD光源の基板が干渉してしまう。そこで図3に示すように、K、R用書込光は横方向にもLD光源の位置をずらしてある。同様にM,Y,B用の3本の書込光は高さを異なるものとし、Y用書込光について横方向にもLD光源の位置をずらしている。LD光源108K〜108Bから出た7本の書込光のうち、横にずらしたK,R,Y用書込光は反射ミラー109K,109R,109Yで向きを変え、高さ以外はそれぞれC,G,M用書込光と光路をそろえる。
【0083】
7本の書込光は高速で回転する1台のポリゴンミラー101に入射し、その側面で反射される。本実施例では六角柱状のポリゴンミラーを用いている。ポリゴンミラー101の側面の向きに応じて、書込光の反射方向が変わるため、ポリゴンミラー101を回転させると、反射した書込光が感光体上を走査できるようになる。
【0084】
ポリゴンミラー101で反射した書込光は、次にf−θレンズ102A,102Bを通過する。ポリゴンミラー101で反射した直後の書込光は、その進行方向が変わる角速度が一定であり、これでは主走査方向(感光体の軸方向)には平面である感光体の表面を一定速度で走査することができない。そこで書込光をf−θレンズ102A,102Bで屈折させることで、感光体の表面を一定速度で走査できるようにする。
【0085】
f−θレンズ102A,102Bを通過した7本の書込光のうち、直接転写であるKの感光体1Kを露光させる書込光103Kは、そのまま書込ユニット200の側面から射出される。位置ずれ補正を説明する項で改めて述べるが、このようにK用の書込光103Kはポリゴンミラー101で反射された後に反射ミラーを全く介さないため、部品点数が最小限で済むという利点がある反面、構造的に書込光103Kの感光体1Kへの照射位置を調整することが難しい。
【0086】
一方、他の6色(C,M,Y,R,G,B)の書込光103C〜Bは反射ミラー104C,104M,104Y,104R,104G,104Bで1乃至3回反射される。C,M,Yの書込光103C,103M,103Yは書込ユニット200の上面から、R,G,Bの書込光103R,103G,103Bは書込ユニット200の下面から射出し、それぞれ対応する色の感光体1Y,1M、1C、1R,1G,1Bを露光する。反射ミラーのうち反射ミラー104C−3、104M−3、104Y−1、104R−1、104G−3、104B−3には、反射面を2方向に微回転させる駆動装置(非図示)とわずかに捻る駆動装置(非図示)が設置されており、位置ずれ補正の際はこれら駆動装置で各反射ミラーを微動させて、画像形成位置を調整する。
【0087】
次に書込ユニットにおいてLD光源の共通化を図ったものについて説明する。まず第2の実施例について説明する。この例は回転ミラー105を用いて光路を切り替えるものである。図4は第2の実施例に係る画像形成装置の書込ユニットを示す側面からの模式図、図5は感光体の群分けを示す模式図である。この書込ユニット200において、LD光源を共通化するに際して、感光体1R,1G,1B(感光体群A。図5参照)のうち最上流にある感光体1Rと、感光体1Y,1M、1C(感光体群B、図5参照)のうち最上流にある感光体1Y用の書込光が共通化される。同様に各感光体群で中央位置にある感光体1Gと感光体1M用の書込光、各感光体群で最下流にある感光体1Bと感光体1C用の書込光がそれぞれ共通化される。その結果、LD光源108は前記実施例では7個必要だったのに対して、4つのLD光源108K,108RY,108GM,108BCを配置するだけで済み、部品点数を削減できる。ここで添え字はそれぞれ露光する感光体に作成されるトナー像の色を示している。例えばLD光源108RYは、感光体1R及び感光体1Yを露光する。
【0088】
この例の書込ユニット200において、LD光源から出た書込光は回転するポリゴンミラー101で反射して、f−θレンズ102A,102Bで屈折する。Kの書込光103Kはそのまま書込ユニット200の側面から射出され、感光体1Kを露光させる。一方、他の3本の書込光は回転ミラー105RY,105GM,105BCに向かう。回転ミラー105RY,105GM,105BCは反射面が大きく回転するような駆動装置を備えており、反射面の向きによってどちらの感光体を露光するかが切り替わるようになっている。回転ミラー105BCを例に説明すると、回転ミラー105BCは、図4に示すように、回転ミラー105BCの反射面が斜め上を向いている場合、書込光103BCは反射ミラー104C−1,104C−2を経て書込ユニット200の上面から射出され、感光体1Cを露光する。逆に回転ミラー150BCの反射面が図4の状態から90°回転して斜め下を向いている場合、書込光103BCは反射ミラー104B−1,104B−2を経て書込ユニット200の下面から射出され、感光体1Bを露光する。回転ミラー105RYも回転ミラー105BCと同様の動作をして感光体1R,1Yの露光を切り替える。回転ミラー105GMは、図4に示すように、書込光103GMの光路に入っている場合は感光体1Mが露光され、回転して光路から外れた場合感光体1Gが露光される。
【0089】
次に書込ユニット200で実際に7色の印刷を行う場合の動作を説明する。まず印刷開始時は回転ミラー105RY,105GM,105BCの反射面はそれぞれ1R、1G,感光体1Bを露光する方向を向いている。露光開始のトリガ信号がR→G→Bの順に入力して、対応する感光体群B(感光体1R,1G,1B)への潜像形成が始まる。紙1枚分の潜像形成が終了すると、今度は露光終了のトリガ信号がR→G→Bの順に入力される。露光終了のトリガ信号が来た順に、回転ミラー105RY→105GM→105BCと反射面が回転して、それぞれ感光体群B(感光体1Y,1M,1C)を露光する方向を向くようになる。反射面の回転が終了した後、Y→M→Cの順に露光開始のトリガ信号が入力され、対応する感光体への潜像形成が始まる。紙1枚分の潜像形成が終了すると、露光終了のトリガ信号がY→M→Cの順に入力して、これが入力された順に各回転ミラーは元の感光体群A(感光体1R,1G,1B)を露光する方向に戻る。
【0090】
ここで、本例では共通のLD光源で上流側の感光体群A,下流側の感光体群Bに共通の射出光を発するようにしているため、前記上流側の感光体群Aへの書込終了後に下流側の感光体群Bへの書込を行うようしなければはならない。このため、各感光体側の感光体と中間転写ベルトとの当接点(T1A、T1B)、中間転写ベルトと記録媒体Pとの当接点(T2A,T2B)の位置関係に条件を設け、前記書込のタイミングがずれるようにしなしている。
【0091】
感光体群Aと感光体群Bで共通するLD光源として、感光体1Bと感光体1Cを感光するLD光源108BCについてみる。感光体群A側の感光体1Bと中間転写ベルト4bの当接点をT1A、この中間転写ベルト4bと記録媒体Pとの当接点をT2Aとして、T1AからT2Aまでの搬送距離をLaとし、感光体群B側の感光体1Cと中間転写ベルト4aの当接点をT1B、中間転写ベルト4aの記録媒体Pとの当接点をT2Bとして、T1BからT2Bまでの搬送距離をLb、前記T2Aと前記T2Bの間の記録媒体搬送経路の距離をLab、記録媒体Pの搬送方向の長さをLpとする。
【0092】
本例に係る書込ユニット200は、中間転写ベルトの長さや感光体の配置を調整して
La+Lab>Lb+Lp
を満たすようにしている。そして、他のLD光源108RY,108GMが露光する感光体等についても同様の条件で配置される。
【0093】
図6は露光のタイミングを示すタイミングチャートである。本例によれば、前記条件を満たすように中間転写体の長さや感光体の配置を調整しているので、図6に示すように、下流側感光体群の感光体の書込みを終えたあと上流側感光体群の感光体に書込みを開始することができる。これにより光源を共通化して書込光の光路を切り替えることで両方の感光体に書き込めるようになり、部品点数の低減によるコスト低下を図ることができる。
【0094】
次に第3の実施例について説明する。この例は、ハーフミラーとシャッターとを用いて光路を切り替えるものである。図7は第3の実施例に係る画像形成装置に使用する書込ユニットの構成を示す側面からの模式図である。本例の書込ユニット200において、LD光源の共通化を行うための組み合わせは回転ミラーの場合と同様で、RとY、GとM、BとYがそれぞれ共通化され、LD光源108K,108RY,108GM,108BCを4個備える。
【0095】
図7に示すように、ポリゴンミラー101で反射し、f−θレンズ102A,102Bで屈折した書込光103RY,103GM,103BCはそれぞれハーフミラー106RY,106GM,106BCに向かう。ハーフミラー106RY,106GM,106BCは入射光を透過光と反射光に分けるビームスプリッタの一種であり、透過光と反射光の強度の比率が1:1に近い。本実施例では四角柱状のハーフミラーを使用し、反射光が透過光に対して90°の角度をなして進むものを用いた。ハーフミラー106RY,106GM,106BCに入射した書込光103RY,103GM,103BCの透過光103Y,103M,103Cはそれぞれ感光体1Y,1M,1Cに、反射光103R,103G,103Bはそれぞれ感光体群A(感光体1R,1G,1B)に導かれる。
【0096】
書込光103Y,103M,103Cは書込ユニット200の上面から射出され、書込光103R,103G,103Bは下面から射出されるが、6本全ての書込光の出口にはシャッター107Y,107M,107C、107R,107G、107Bとその駆動装置(非図示)が設置されている。このハーフミラーを使用する場合は前述した回転ミラー使用する場合と異なり、シャッター107Y,107M,107C、107R,107G、107Bの手前までは常に両方(感光体1Y,1M,1C用と、感光体1R,1G,1B用)の書込光103が届いているので、シャッター107Y,107M,107C、107R,107G、107Bを適切に開閉することで潜像を形成する感光体1を切り替えることとなる。
【0097】
次に書込ユニット200で7色の印刷を行う場合の動作を説明する。まず印刷開始時はシャッター107R,107G,107Bが開いており、シャッター107C,107M,107Yは閉じている。露光開始のトリガ信号がR→G→Bの順に入力すると、対応する感光体群A(感光体1R,1G,1B)への潜像形成が始まる。紙1枚分の潜像形成が終了すると、今度は露光終了のトリガ信号がR→G→Bの順に入力する。露光終了のトリガ信号が来た順に、シャッター107R,107G,107Bが閉じて、同時にシャッター107Y,107M,107Cが開く。各シャッター開閉切り替えが終了した後、Y→M→Cの順に露光開始のトリガ信号が入力すると、対応する感光体群B(感光体1Y,1M,1C)への潜像形成が始まる。紙1枚分の潜像形成が終了すると、露光終了のトリガ信号がY→M→Cの順に来て、これが来た順に元のように、シャッター107R,107G,107Bのみが開いた状態に戻る。なお、本例でも前記第3の実施例と同様に、1つのLD光源が異なるタイミングで複数の感光体を露光できるよう感光体及び中間転写ベルト等の配置を設定する。
【0098】
次に位置ずれの補正について説明する。画像形成装置100は、印刷中又は待機中に調整動作として位置ずれ補正を行う。まず補正動作に入ると、2次転写ローラ17aが離間し、感光体1Y,1M,1Cで位置ずれ補正用の画像パターンが形成され、中間転写ベルト4aに転写される。3色の画像パターンがそろったところで、中間転写ベルト4aに近接して感光体1Cと従動ローラ8aの間の領域にある位置センサ(非図示)を用いて、3色分の画像パターンの位置を検知する。これ基づいて感光体群B(感光体1Y,1M,1C)についての補正を行う。
【0099】
この時、位置ずれの最大値が5[um]以下であった場合、本例では感光体群Bについて全く位置ずれしていないと判断する。印刷中に割り込みで調整動作を行っている場合、感光体群Bについて全く位置ずれしていなければ他の色も位置ずれしていない可能性が高いと判断して調整動作を終了し、2次転写ローラ17aを当接して印刷を再開する。この処理を行う理由は、以下の通りである。即ち、位置ずれが発生する主要因は書込ユニットの温度変化による光学素子の熱膨張でありY,M,Cの位置ずれ量と他の色の位置ずれ量には相関があり、一方の位置ずれが少ない場合は他方の位置ずれも少ないと推定できるからである。印刷中の調整動作はユーザを待たせることになるため、このような場合は調整時間の短縮を優先している。
【0100】
一方、位置ずれの最悪値が5[um]を超えた場合や待機中に調整動作を行った場合は、感光体内と感光体群同士の位置ずれ補正に移行する。まず感光体群A(感光体1R,1G,1B)で位置ずれ補正用の画像パターンを形成し、中間転写ベルト4bに転写される。このとき感光体1BのみはB,K,Cで感光体群間の位置ずれ補正を行うための画像パターンを先行して描き、後からRやGの画像パターンの付近にR,G,Bで感光体群A内の位置ずれ補正を行うための画像パターンを描く。また2次転写ローラ17aを当接し、感光体1K,1Cでも感光体群間の位置ずれ補正を行うための画像パターンを描く。感光体群A内の位置ずれ補正は、中間転写ベルト4bに近接して感光体1Bと駆動ローラ9bの間の領域にある位置センサ(非図示)で検知して実施する。また感光体群同士の位置ずれ補正は、画像パターンを転写搬送ベルト14に転写して、転写搬送ベルト14に近接して2次転写ローラ17aと駆動ローラ12の間の領域にある位置センサ(非図示)で検知して実施する。なお、この位置ずれ補正を行う際には、書込ユニット200内の反射ミラー104をわずかに回転・捻ることで書込光の感光体上の照射位置を修正し、K以外の6色の画像形成位置をKの位置にそろえる。
【0101】
次に第4の実施例について説明する。図8は第4の実施例に係る画像形成装置の要部を示す模式図である。本実施例に係る画像形成装置は、中間転写装置7a,7bを転写搬送装置15の転写搬送ベルト14に対して接触、離間可能に形成したものである。従動ローラ8a,8bを図示しない駆動装置で前記転写搬送ベルト14から離間できるように構成している。そして、中間転写装置7a,7bの中間転写ベルト4a,4bの内側にはテンションローラ23a,23bが配置されており、従動ローラ8a,8bが転写搬送装置15から離間する動作に合わせて、中間転写ベルト4のベルトテンションを一定に保つように連動して動くようにしている。
【0102】
図9は第4の実施例に係る画像形成装置の変形例を示す要部の模式図である。この例では、従動ローラ8a,8bと駆動ローラ9a,9bの両者を動かすことにより、中間転写装置を平行移動するように離間動作をしても良い。図9に示す例は、図8に示す例に比べてテンションローラ23が不要であるため、離間機構を有する中間転写装置を少ない部材で製造することが可能となる。
【0103】
図10は第4の実施例に係る画像形成装置の他の変形例を示す要部の模式図である。この例は、中間転写装置7a,7bと転写搬送装置15とを離間させるため、中間転写装置7a,7bに代え転写搬送装置15を移動している。転写搬送装置15は、中間転写装置7bに対して離間動作を行うため、転写搬送装置を支持している入口ローラ13、中間転写装置7bに対向している2次転写ローラ17b及び吸着ローラ21を連動して移動する。
【0104】
一方、転写搬送装置15が中間転写装置7bに対して離間させる場合、前記各例のように2軸で転写搬送装置15を支持していると、駆動ローラ12を移動させる必要がある。転写搬送装置15の駆動ローラ12は、中間転写装置7から離間しても回転駆動する必要がある。図3にあるような中間転写装置7の駆動ローラ9を移動させる場合は、移動後は転写搬送装置15から離間しているため、回転駆動する必要がない。しかし、転写搬送装置は駆動ローラが移動しても回転駆動する必要がある。所定の場所で回転駆動している駆動ローラを移動させて、移動させた先でも同様に回転駆動させるには、装置が大掛かりになり、製造コストもアップする。そのため、そのため、2軸構成の転写搬送装置ではなく、図10に示したような少なくとも3軸以上のローラに支持された転写搬送装置の構成にして、転写搬送装置の駆動ローラ12は動かない構成にする必要がある。すなわち、図10に示した駆動ローラ12は動かない構成にし、従動ローラ24を追加して、従動ローラと中間転写体aの2次転写ローラ17aを移動させる構成にすればよい。なお、転写搬送装置の駆動ローラ12は、転写搬送ベルトの良好な搬送性を確保するために、転写搬送ベルト14に対して、巻きつき量が円周の1/3以上であることが望ましい。
【0105】
次に第5の実施例にかかる画像形成装置について説明する。本例に係る画像形成装置は、第1の実施例と同様にイエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(Y、C、M、K)の基本4色とレッド、グリーン、ブルー(R、G、B)の特殊トナーを用いたカラーデジタル複合機である。
【0106】
図11は第5の実施例に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。カラーデジタル複合機は図11に示すように、YMCの3つの画像形成ユニットとRGBの3つの画像形成ユニットをそれぞれ中間転写ベルト4aと中間転写ベルト4bに沿ってベルト移動方向に直列に配置されたタンデム方式を採用している。
【0107】
転写搬送装置15には、Kの画像形成ユニットが直接転写により作像できるように配置されており、Kトナー像は記録媒体に直接転写されるように配置されている。Kの画像形成ユニットは、中間転写ベルト4aおよび中間転写ベルト4bに対するR、G、B、Y、M、Cの転写構成とは独立しており、そこで作成されたKトナー像は中間転写ベルト4とは異なる転写搬送装置15により記録媒体に直接転写される
【0108】
本例に係る画像形成装置の転写搬送装置15は略水平に延びる中間転写装置7aおよび中間転写装置7bに対して略垂直に交差するように配置されており、記録媒体Pは、転写搬送装置15によって水平方向に搬送される。
【0109】
それぞれの画像形成ユニットは、感光体としての感光体1、トナーを潜像に供給してトナー像を形成する現像装置2、帯電装置3、クリーニング装置6等を備えている。クリーニング装置6は、不図示のトナー搬送経路をへて不図示の廃トナータンクへ回収する手段を持っている。なお、本実施形態ではクリーニング装置6としてブレードタイプのものを用いたが、本発明はこれに限定される趣旨ではなく、ファーブラシローラ、磁気ブラシクリーニング方式であっても良い。
【0110】
各感光体1は中間転写ベルト4に接するように配置されている。レーザにより潜像を形成する書込ユニット200により、各感光体1上に静電潜像が形成される。均一に帯電された感光体1は、書込ユニット200からの色別の露光光により画像部を露光され、現像装置2によってトナー像が作られる。感光体1Y、1C、1M上に作られたカラートナー像は、タイミングを合わせて中間転写ベルト4aに転写され、色重ねされたトナー像が形成される。
【0111】
中間転写ベルト4は、駆動ローラ9と従動ローラ8により支持されており、中間転写ベルト4の内側には、各感光体1に対向して1次転写手段としての1次転写ローラ5と中間転写転ベルト対向ローラ20が設けられている。中間転写ベルト対向ローラ20に対向して中間転写ベルト4の外側には、中間転写ベルト4上の残留トナーを除去するクリーニング装置10が設けられている。中間転写装置7aは中間転写装置7bおよびブラック(K)の画像形成ユニットに対して下流に配置されており、Kの画像形成ユニットは中間転写体7bに対して下流かつ中間転写体7aに対して上流に配置されている。
【0112】
中間転写ベルト4b上に作られたRGBのトナー像は、第二中間転写体50に転写された後、転写搬送装置15が搬送する記録媒体P上に転写され、その後、感光体1K上に作られたKトナー像が記録媒体に直接転写され、色重ねされたトナー像が形成される。さらにその後、中間転写ベルト4a上で色重ねされたYMCのトナー像が記録媒体上に転写される。故に、転写搬送ベルト14はKトナー像の転写部では(一次)直接転写ベルトとして機能し、中間転写ベルト4上のYMCおよびRGBのトナー像の2次転写部では2次転写ベルトとして機能する。また、第二中間転写体50は、RGBトナー像の2次転写および三次転写を行う。
【0113】
第二中間転写体50は、第二中間転写体50上の残留トナーを除去するクリ−ニング装置6Tが設けられている。本実施例に示す第二中間転写体50はドラム形状であり、芯金の周りに、体積抵抗率1×105Ω・cm〜1×1012Ω・cm、厚さ2mm〜10mm、ゴム硬度10度〜100度の導電性の弾性層が被覆されているものなどが挙げられる。なお、この弾性層は発泡性であってもよい。さらに、弾性層の表層には、トナー像を維持し、さらにクリーニング性を高めるためにコート層が被覆されている。コート層は、転写ベルト材料や定着ローラの表層として用いられる変性ポリイミド、熱硬化ポリイミド、ポリカーボネイト、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、PFAやPTFEに代表されるフッ素系高分子、アクリル系高分子などである。第二中間転写体50はドラム状ではなく、無端ベルト状であっても良い。その際、第二中間転写体の材質は以下転写搬送ベルト14および中間転写ベルト4の材質と同様な構成を取ることができる。
【0114】
転写搬送ベルト14および中間転写ベルト4としては、体積抵抗率1010〜1015Ω・cm、表面抵抗率1010〜1015Ω/□の無端ベルトであり、例えば変性ポリイミド、熱硬化ポリイミド、ポリカーボネイト、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジニアリングプラスチックに導電性を付与する目的で、例えばアセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック、酸化チタン、チタン酸カリウム、酸化錫、リチウム塩、四級アンモニウム塩等の各種導電剤を添加した、厚さ0.1〜1.0mmの半導電性フィルム基体の外側に、好ましくはトナーフィルミング防止層として厚さ5〜50μmのフッ素コーティングを行った、2層構成のシームレスベルトが挙げられる。転写搬送ベルト14および中間転写ベルト4の基体としては、この他に、シリコンゴム或いはウレタンゴム等に導電材料を分散した厚さ0.5〜2.0mmの半導電性ゴムベルトを使用することもできる。
【0115】
画像形成装置本体の下部には給紙トレイが設けられており、給紙トレイから給紙された記録媒体Pはレジストローラ対19に達し、ここでスキューを修正された後レジストローラ対19により所定のタイミングで搬送される。また、転写搬送装置15の入口ローラ13に対向する位置に、レジストローラ対19から搬送された記録媒体Pを転写搬送ベルト14へと不図示の電源から印加される電圧で吸着させる吸着ローラ21を備えている。
【0116】
RGBトナー像とKトナー像とYMCトナー像を重ねて転写された記録媒体Pは、定着装置18によりトナー像を定着され、カラー画像が形成される。転写搬送装置15は、転写搬送ベルト14と、転写搬送ベルト14を支持する駆動ローラ12、転写手段を兼ねる従動ローラ5K、転写搬送装置15へ記録媒体Pを迎え入れるための入口ローラ13、転写搬送ベルトクリーニング対向ローラ22、及びYMCトナー像の2次転写手段としての2次転写ローラ17aと、RGBトナー像の3次転写手段としての3次転写ローラ17bを備えている。2次転写ローラ17aは中間転写ベルト4aの従動ローラ8aに対向して配置されており、3次転写ローラ17bは、第二中間転写体50に対抗して配置されている。第二中間転写体50は、中間転写ベルト4bの従動ローラ8bに対抗して配置されている。中間転写装置7aと転写搬送ベルトおよび、中間転写装置7bと第二中間転写体50は不図示の当接・離間機構によって、画像形成装置が動作中であっても停止中であっても当接・離間を自由に行うことができる。この当接離間機構は前記第4の実施例に係るものと同様のものを使用することができる。
【0117】
白黒画像作成時においては、Kの画像データに基づいて書込ユニット200により、感光体1K上の画像部が露光され、現像装置2Kによってトナー像が作られる。作成されたKトナー像は転写搬送ベルト14によって搬送される記録媒体上に直接転写される。転写搬送ベルト対向ローラ22に対向して転写搬送ベルト14の外側には、転写搬送ベルト14の残留トナーを除去するクリーニング装置16が設けられている。
【0118】
2次転写ローラ17としては、金属性ローラか、あるいは芯金の周りに、体積抵抗率1×105Ω・cm〜1×1012Ω・cm、厚さ2mm〜10mm、ゴム硬度10度〜100度の導電性の弾性層が被覆されているものなどが挙げられる。なお、この弾性層は発泡性であってもよい。
【0119】
各色のトナー像を転写させるために、1次転写ローラ5は不図示の電源によって正極性の電圧を印加することができるようになっている。中間転写ベルト4aの従動ローラ8a、中間転写ベルト4bの従動ローラ8b、第二中間転写体50、2次転写ローラ17bについても、不図示の電源によって正極性の電圧を印加することができるようになっている。また、2次転写ローラ17aは接地されている。RGBトナー像を中間転写ベルト4bから記録媒体Pへ転写させる時は、従動ローラ8bの印加電圧をVx、第二中間転写体50の印加電圧をVy、2次転写ローラ17bの印加電圧をVzとすると(いずれも正極性)、それぞれの絶対値は以下式1の関係にある。
【0120】
Vx<Vy<Vz …式1
【0121】
画像形成装置本体の左側には付図示の給紙トレイが設けられており、各給紙トレイから図示しない給紙手段により給紙された記録媒体Pは、不図示の搬送手段により搬送されてレジストローラ対19に達し、ここでスキューを修正された後レジストローラ対により所定のタイミングで、転写搬送装置15へ送られる。
【0122】
転写搬送装置15へ搬送された記録媒体Pは、吸着ローラ21によって転写搬送ベルト14に保持され、各色トナー像を重ねて転写され、定着装置18へ搬送される。定着装置によってトナー像を定着され、カラー画像が形成された記録媒体は不図示の搬送経路を経由して搬送され、不図示の排紙ローラにより不図示の排紙トレイへ排出されてスタックされる。
【0123】
図12及び図13は比較例に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。図12に示す画像形成装置は2台の書込ユニット11,41を備えるものであり、前記従来例に示した画像形成装置と同様の構成を備えるものである。図13に示す画像形成装置は書込ユニット200を1つとしたもの前記第1の実施例に係る画像形成装置と同様の構成を備えるものである。図12に示す画像形成装置は2台の書込ユニット11,41を備えるものであり、前記従来例に示した画像形成装置と同様の構成を備えるものである。図13に示す画像形成装置は、図12に示した画像形成装置に比して書込ユニットを少なくしている。しかし、この画像形成装置では、書込ユニット200の左に位置する作像装置Dにおいて、各色の感光体1B,1G,1Rで転写された中間転写ベルト4b状のトナー像は、その移動距離が長くなるためにファーストプリントスピードが遅くなってしまうこととなる。
【0124】
これに対して、本実施例によれば、書込ユニット200に位置する中間転写ベルト4bは、前記比較例と転動方向が逆となり、転写されたトナー像の中間転写体上の移動距離が短くなる。このためでファーストプリントスピードが短縮される。
【0125】
また、図13に示す画像形成装置では、書込ユニット200の左に位置する作像装置Dと、書込ユニット200の右に位置する作像装置Eとでは、各構成部材が上下逆の配置になってしまう。このため、書込ユニット200の左右に配置された現像装置2Y,2M、2Cと現像装置2R,2G,2B、クリーニング装置6Y,6M、6Cと、クリーニング装置6R,6G,6Bでは、作用する重力の方向が逆となる。このため、各ユニットの部品や筐体を共通化できないこととなる。
【0126】
これに対して、本実施例は、作像装置を鉛直方向に配列し、第二中間転写体50を配置することにより、書込ユニット200の左右に画像形成装置の構成は略左右対称となるために、共通化できる作像ユニットの部品や筐体が多くなり、コストダウンおよび生産の点から環境負荷低減を図ることができる。
【0127】
また、本例では作像装置を鉛直方向に沿って配列しているので、作像体の下方向位置に光路が位置することがないため、防塵レンズを汚れにくく、遮光による白スジなどの異常画像が起こりにくい。
【0128】
なお、本実施例では、Kトナー像を直接転写させる方式を記載したが、Y、M、CとKを直列に配置して、全色中間転写方式とする形態でも良い。図14は第5の実施例の変形例に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。本例では、書込ユニット200の右側に配置した中間転写ベルト4aには、イエロー(Y)、マゼンタ(M),シアン(C)の作像装置の下側にブラック(K)の作像装置を配置して、ブラックのトナー像を中間転写ベルト4aに転写するようにしている。
【符号の説明】
【0129】
1Y,1M,1C 感光体
1B,1G,1R 感光体
1K,1C 感光体
2Y,2M、2C 現像装置
2B,2G,2R、現像装置
2K 現像装置
4a,4b 中間転写ベルト
10Y,10M,10C 画像形成ユニット
10R,10G,10B 画像形成ユニット
100 画像形成装置
101 ポリゴンミラー
104 反射ミラー
102A,102B f−θレンズ
108 LD光源
200 書込ユニット
【先行技術文献】
【特許文献】
【0130】
【特許文献1】特開2005−157314号公報
【特許文献2】特開2007−057774号公報
【特許文献3】特開2005−148268号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複合機などの画像形成装置に係り、特にイエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの基本4色以外に、レッド・グリーン・ブルー(2次色)や透明トナーなどの特殊トナーも併用する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式の画像形成装置では高速化と高画質化が進められてきた。その結果、フルカラー画像形成装置としてはイエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの4色を用いた4連タンデム方式に代表される多数連続タンデムエンジンの画像形成装置が、オフィス市場やプロダクションプリンティング市場で急速に普及している。
【0003】
特にプロダクションプリンティング市場では、オフィス市場以上に高いカラー画像生産性、色再現力、画像品質が求められる。このニーズに応えるため、従来のイエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの基本4色にレッド・グリーン・ブルー(2次色)を加えた7色による7連タンデム方式の画像形成装置が提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。このような多数連続タンデムエンジンは作像ユニットの数によらず高い生産性を維持できる。
【0004】
しかし、上述の多数連続タンデムエンジンを備えた画像形成装置にあっては、上流の作像ユニットで転写されたトナーが下流の作像ユニットの転写部を通過する際に、放電ハザードを受けて画質が悪化する、下流の作像ユニットに逆転写するトナーが増加し、無駄なトナー消費が多い、画像形成装置の設置面積が大きくなる、周長の長い無端ベルトが必要となるためベルト製造上の課題が大きい、駆動制御の技術的課題が大きい、書込光が感光体上を走査するためのポリゴンミラーを各色で共通化した場合端に配置された作像ユニットほど光路長が長くなってしまうため色ずれや倍率誤差など書込位置のずれが生じやすい、等の問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した多数連続タンデムエンジンの問題を解決するために、2つの中間転写体を上下に2段重ねにして作像ユニットを分散させ、さらに画像が記録媒体に転写される向きをそろえた画像形成装置が提案されている(特許文献3参照)。図15は従来の画像形成装置の概略構造を示す断面図である。この画像形成装置は、複数のサブ作像装置510,520を画像形成装置本体に同一の設置姿勢で中間転写媒体511,521の張設方向と直交する方向上で重畳的に配置し、かつ、被転写媒体531へ同じ向きに転写像の転移が行われるものである。各サブ作像装置510,520は、それぞれ書込ユニット512,522、感光体ドラム5213,523、現像器514,524などを備えた作像ユニット515,525、前記中間転写媒体511,521を含む中間転写装置516,526を備える他、前記被転写媒体531を定着する定着装置532を備えている。
【0006】
しかし、このような画像形成装置は2台の書込ユニットを必要とするため、部品点数の増加によるコストアップの他、高さ方向のスペースの増大が問題となる。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、多数の作像装置を有する画像形成装置において高い生産性を維持したまま、高画質化、省設置面積化を図り、しかもコストダウンができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、記録媒体にトナー像を転写する2つ以上の中間転写体と、書込装置により潜像が書き込まれる3つ以上の感光体と、を備えてなり、前記感光体は、各中間転写体にそれぞれ1つ以上が当接又は近接して配置される中間転写体用感光体と、中間転写体を経ずに前記記録媒体に直接転写する少なくとも1つの記録媒体用感光体からなり、全ての感光体に潜像を形成する1台の書込装置を備え、前記中間転写体のうち少なくとも2つの中間転写体は前記書込装置を挟んで配置されると共に前記中間転写体用感光体は、各々の中間転写体の書込装置側に配置され、前記録媒体用感光体は、前記書込装置に対して前記2つの中間転写体の配置方向とは異なる方向に配置されており、前記書込装置は、少なくとも3つ以上の方向に感光体への書込光が射出され、前記3つ以上の方向のうち2つ方向に向け射出された書込光は前記中間転写体用感光体に射出され、前記3つ以上の方向のうち1つの方向に射出された書込光は前記記録媒体用に射出されることを特徴とする画像形成装置である。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記書込装置は、書込光を反射して感光体上を走査するポリゴンミラーを備え、前記ポリゴンミラーから反射ミラーを経ずに射出され、対応する感光体に直接入射する少なくとも1つの直接書込光を射出することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記直接書込光以外の書込光を対応する感光体に導く反射体と前記反射体の位置補正を行い、前記直進書込光による感光体の画像形成位置を基準にして、他の感光体の画像形成位置を直接書込光による感光体の画像形成位置にそろえる補正機構と、前記補正機構を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の画像形成装置において、前記書込装置は、前記2組の中間転写体用感光体に共通の射出光を発する1台の光源と、前記光源からの射出光の方向を切り換える切換機構と、前記切換機構の切換制御を行う切換制御手段と、を備え、前記1台の光源が共通して射出光を発する中間転写体のうち、用紙搬送方向上流側に位置する中間転写体と、この中間転写体に配置された感光体との当接点T1Aからこの中間転写体と記録媒体との当接点T2Aまでの距離をLa、用紙搬送方向下流側に位置する中間転写体と、この中間転写体に配置された感光体との当接点T1Bからこの中間転写体の記録媒体との当接点T2Bまでの距離をLb、前記当接点T2Aと前記当接点T2Bの間の記録媒体搬送経路の距離をLab、紙の搬送方向の長さをLpとしたとき、La+Lab>Lb+Lpを満たすものとし、前記上流側の感光体への書込終了後に下流側の感光体の書込開始を行えるようで間に合うよう前記切換機構を切換制御することを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記切換機構は、回転させて反射面の向きを変える反射ミラーを備え、前記切換制御手段は、前記反射ミラーの回転で前記2つの感光体への書込を切り換えることを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記切換機構は、光源からの射出光を2つに分けこの2つに分けられた射出光をそれぞれ前記2つの感光体に導くハーフミラーと、ハーフミラーより下流に配置され2つの射出光をそれぞれ遮るシャッター機構とを備え前記切換制御手段は、前記シャッター機構の開閉で感光体書込を切り換えることを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までの何れか一項に記載の画像形成装置において、前記中間転写体にはそれぞれ2つ以上の中間転写体用感光体からなる感光体群が配置されており、前記感光体群の各々で位置ずれ補正を行い、さらに前記感光体群及び記録媒体用感光体の間での位置ずれ補正を行う補正機構と、前記補正機構の補正制御を行う補正制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項8の発明は、請求項7に記載の画像形成装置において、前記補正制御手段は、前記2群の感光体群の一方のみで位置ずれ補正を行った後、画像のずれ量が一定値より大きかった場合のみ、他方の感光体群の位置ずれ補正を行うことを特徴とする。
【0016】
請求項9の発明は、請求項1から請求項8までの何れか一項に記載の画像形成装置において、前記書込装置には、書込光が射出される射出窓が形成され、前記射出窓のうち書込装置の上側に配置された射出窓には射出窓の清掃機構を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項10の発明は、請求項1から請求項9までの何れか一項に記載の画像形成装置において、前記2つの中間転写体には、それぞれの中間転写体を前記記録媒体の搬送を行う搬送装置から離間させる駆動機構を備えることを特徴とする。
【0018】
請求項11の発明は、請求項10に記載の画像形成装置において、前記記録媒体用感光体は、ブラックのトナー像を作成することを特徴とする。
【0019】
請求項12の発明は、請求項10又は請求項11に記載の画像形成装置において、前記2つの中間転写体で形成するトナーの色を使用頻度の高低により2分類して配置しておき、画像形成する入力画像が使用頻度の低いトナーを使用しない場合、前記使用頻度の低いトナー像を作成する中間転写体を前記搬送装置から離間させることを特徴とする。
【0020】
請求項13の発明は、請求項10から請求項12までの何れか一項に記載の画像形成装置において、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナーを一方の中間転写体側に配置し、これらの3色を用いない色で構成される画像が入力した場合、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナーを配置した中間転写体を前記搬送装置から離間させる転写搬送装置に対して離間させることを特徴とする。
【0021】
請求項14の発明は、請求項10から請求項13までの何れか一項に記載の画像形成装置において、一方の中間転写体に作成するトナー像はレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)であることを特徴とする。
【0022】
請求項15の発明は、請求項10から請求項14までの何れか一項に記載の画像形成装置において、前記レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)のトナー像を作成する中間転写体は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像を作成する中間転写体より上流側に配置されていることを特徴とする。
【0023】
請求項16の発明は、請求項1から請求項15までの何れか一項に記載の画像形成装置において、少なくとも1つの中間転写体と、前記搬送装置との間には、それぞれに接する第2の中間転写体を介在させ、該第2の中間転写体を前記中間転写体および搬送装置と当接又は離間する駆動手段を配置したことを特徴とする。
【0024】
請求項17の発明は、請求項16に記載の画像形成装置において、前記中間転写体と前記第2の中間転写体とを当接又は離間する駆動手段を備えることを特徴とする。
【0025】
請求項18の発明は、請求項17に記載の画像形成装置において、前記中間転写体と前記転写搬送体とを当接又は離間する駆動手段を備えることを特徴とする。
【0026】
請求項19の発明は、請求項16から請求項18までの何れか一項に記載の画像形成装置において、前記第2の中間転写体は、回転可能な円筒状部材であることを特徴とする。
【0027】
請求項20の発明は、請求項16から請求項18までの何れか一項に記載の画像形成装置において、前記第2の中間転写体は、転動可能な無端ベルト状の部材であることを特徴とする。
【0028】
請求項21の発明は、請求項1から請求項20までの何れか一項に記載の画像形成装置において、前記感光体、前記中間転写体、前記第2の中間転写体、及び前記搬送装置のうちの少なくとも1つのもの、又は、少なくとも2つの部材を組み合わせたものは、交換可能なカートリッジをなしていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る画像形成装置によれば、多数の作像ユニットを有するものであっても、書き込み装置を1台とできるので、高生産性や高画質を維持したまま、省設置面積、コストダウンを図ることができる。また、本発明によれば、作像しない時には中間転写体を離間させて駆動を止めることができるので、中間転写体と中間転写体に配置された感光体の長寿命化を図ることができる。更に、発明によれば、中間転写体と紙搬送体の間に第2の中間転写体を介在させているので、多数の感光体を有する画像形成装置において、生産性を落とすことなく、ファーストプリントスピードを向上させ、作像ユニットの共通化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本実施例に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】書込ユニットの構成を示す側面からの模式図である。
【図3】書込ユニットの構成を示す上面からの模式図である。
【図4】第2の実施例に係る画像形成装置の書込ユニットを示す側面からの模式図である。
【図5】感光体の群分けを示す模式図である。
【図6】露光のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図7】第3の実施例に係る画像形成装置に使用する書込ユニットの構成を示す側面からの模式図である。
【図8】第4の実施例に係る画像形成装置の要部を示す模式図である。
【図9】第4の実施例に係る画像形成装置の変形例を示す要部の模式図である。
【図10】第4の実施例に係る画像形成装置の他の変形例を示す要部の模式図である。
【図11】第5の実施例に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図12】比較例に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図13】比較例に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図14】第5の実施例の変形例に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図15】従来の画像形成装置の概略構成を示す断面図である
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、記録媒体にトナー像を転写する2つ以上の中間転写体と、書込装置により潜像が書き込まれる3つ以上の感光体と、を備えてなり、前記感光体は、各中間転写体にそれぞれ1つ以上が当接又は近接して配置される中間転写体用感光体と、中間転写体を経ずに前記記録媒体に直接転写する少なくとも1つの記録媒体用感光体からなり、全ての感光体に潜像を形成する1台の書込装置を備え、前記中間転写体のうち少なくとも2つの中間転写体は前記書込装置を挟んで配置されると共に前記中間転写体用感光体は、各々の中間転写体の書込装置側に配置され、前記録媒体用感光体は、前記書込装置に対して前記2つの中間転写体の配置方向とは異なる方向に配置されており、前記書込装置は、少なくとも3つ以上の方向に感光体への書込光が射出され、前記3つ以上の方向のうち2つ方向に向け射出された書込光は前記中間転写体用感光体に射出され、前記3つ以上の方向のうち1つの方向に射出された書込光は前記記録媒体用に射出されるものである。
【0032】
本例によれば、作像装置での転写を複数の中間転写体を使用した転写と、感光体からの直接の転写とで分散して行えるので、装置の省スペース化を図ることができる。また、本例では感光体の配置を複数の中間転写体ごとに変え、下側の中間転写体に対して感光体は上側、上側の中間転写体に対して感光体は下側に配置し、中間転写体に挟まれる位置に書込装置を配置したので、多数の色に対応する感光体を備えた画像形成装置にあっても全ての感光体を1つの書込装置からの書込光で潜像を形成できるようになり、部品点数の低減によるコスト低下と省スペース化を図ることができる。
【0033】
また、本発明において、前記書込装置は、書込光を反射して感光体上を走査するポリゴンミラーを備え、前記ポリゴンミラーから反射ミラーを経ずに射出され、対応する感光体に直接入射する少なくとも1つの直接書込光を射出する。
【0034】
本例によれば、書込装置には1つのポリゴンミラーを配置するだけで済む他、直接書込光の射出に反射ミラーが不要として反射ミラーの数を最小限に抑えることができ、部品点数を低減することができコスト低下を図ることができる。
【0035】
また、本発明において、前記直接書込光以外の書込光を対応する感光体に導く反射体と前記反射体の位置補正を行い、前記直進書込光による感光体の画像形成位置を基準にして、他の感光体の画像形成位置を直接書込光による感光体の画像形成位置にそろえる補正機構と、前記補正機構を制御する制御手段と、を備えることができる。
【0036】
本例によれば、直直接書込光に対応する感光体を位置ずれ補正の基準にするので、装置の各部材の調整が容易になる他、感光体の画像形成位置を容易に調節することができ、位置ずれ補正の精度を向上させ、より高画質な画像を提供することができる。
【0037】
本発明の画像形成装置において、前記書込装置は、前記2組の中間転写体用感光体に共通の射出光を発する1台の光源と、前記光源からの射出光の方向を切り換える切換機構と、前記切換機構の切換制御を行う切換制御手段と、を備え、前記1台の光源が共通して射出光を発する中間転写体のうち、用紙搬送方向上流側に位置する中間転写体と、この中間転写体に配置された感光体との当接点T1Aからこの中間転写体と記録媒体との当接点T2Aまでの距離をLa、用紙搬送方向下流側に位置する中間転写体と、この中間転写体に配置された感光体との当接点T1Bからこの中間転写体の記録媒体との当接点T2Bまでの距離をLb、前記当接点T2Aと前記当接点T2Bの間の記録媒体搬送経路の距離をLab、紙の搬送方向の長さをLpとしたとき、La+Lab>Lb+Lpを満たすものとし、前記上流側の感光体への書込終了後に下流側の感光体の書込開始を行えるようで間に合うよう前記切換機構を切換制御する。
【0038】
本例によれば、前記La+Lab>Lb+Lpなる条件を満たすように中間転写体の長さや感光体の配置を調整しているので、下流側の感光体の書込みを終えたあと上流側感光体の書込みを開始すればよくなり、これにより光源を共通化して書込光の光路を切り替えることで両方の感光体に書き込めるようになり、部品点数の低減によるコスト低下を図ることができる。
【0039】
本発明の画像形成装置において、前記切換機構は、回転させて反射面の向きを変える反射ミラーを備え、前記切換制御手段は、前記反射ミラーの回転で前記2つの感光体への書込を切り換えることができる。
【0040】
本例によれば、反射ミラーを回転させる機構を追加だけで、切り替えのための新たな光学素子は不要となり、最小限の部品追加で光源の共通化が可能となるため、光源共通化によるコスト低下を図ることができる。
【0041】
本発明の画像形成装置において、前記切換機構は、光源からの射出光を2つに分けこの2つに分けられた射出光をそれぞれ前記2つの感光体に導くハーフミラーと、ハーフミラーより下流に配置され2つの射出光をそれぞれ遮るシャッター機構とを備え前記切換制御手段は、前記シャッター機構の開閉で感光体書込を切り換えることができる。
【0042】
本例によれば、光学素子は全て固定配置されているため、書込光の光路が安定して位置ずれが発生しにくくなり、高画質な画像を提供できるほか、位置ずれ補正の頻度を減らせるため印刷中の待ち時間を低減することができる。
【0043】
本発明の画像形成装置において、前記中間転写体にはそれぞれ2つ以上の中間転写体用感光体からなる感光体群が配置されており、前記感光体群の各々で位置ずれ補正を行い、さらに前記感光体群及び記録媒体用感光体の間での位置ずれ補正を行う補正機構と、前記補正機構の補正制御を行う補正制御手段と、を備えることができる。
【0044】
本例によれば、各感光体だけで予め位置ずれ補正を行った上で、感光体同士の位置ずれ補正を行ので、例えば一部の感光体しか用いない印刷モード中に他の感光体の位置ずれ補正を行っておくことで、印刷を中断しなければならない待ち時間を最小限に抑えることができる。
【0045】
本発明の画像形成装置において、前記補正制御手段は、前記2群の感光体群の一方のみで位置ずれ補正を行った後、画像のずれ量が一定値より大きかった場合のみ、他方の感光体群の位置ずれ補正を行うものである。
【0046】
本例によれば、一方の位置ずれ補正結果に応じて他方の位置ずれ補正を行うべきか否かを判断するので、位置ずれ補正を効率的に行う、即ち大きな位置ずれが想定される場合に重点的に位置ずれ補正を行うことが可能になり、位置ずれ補正による待ち時間を最小限に抑えることが可能となる。
【0047】
本発明の画像形成装置において、前記書込装置には、書込光が射出される射出窓が形成され、前記射出窓のうち書込装置の上側に配置された射出窓には射出窓の清掃機構を備えるものとできる。
【0048】
重力を考慮すると書込装置の上側の窓にトナーなどは付着しやすく、他の面の窓には付着しづらい。本例では、上側の面の窓にのみ清掃機構を設置することで、最小限の部品追加で異常画像を効率良く抑制することが可能となる。
【0049】
本発明の画像形成装置において、前記2つの中間転写体には、それぞれの中間転写体を前記記録媒体の搬送を行う搬送装置から離間させる駆動機構を備えることができる。
【0050】
中間転写体が搬送装置に常に当接していると、中間転写体とそれぞれの中間転写体に配置されている感光体は、搬送装置が駆動している際は作像しない時も駆動されることになる。中間転写体及び感光体にはそれぞれ駆動する距離で決まる寿命があり、作像しない時には駆動させないことが望ましい。本例によれば、作像しない時には離間させて駆動を止めることができ中間転写体と中間転写体に配置された感光体の長寿命化を図ることができる。
【0051】
本発明の画像形成装置において、前記記録媒体用感光体は、ブラックのトナー像を作成することを特徴とする。本例によれば、搬送装置に直接転写を行うトナー像をブラックとし、白黒印刷時には中間転写体を搬送装置から離間させておくことができるので、白黒印刷時にはカラーの中間転写体とカラーの感光体は駆動しないものとでき、そのため、その他の色の感光体と中間転写体の長寿命化が図れ、白黒画像印刷時の印刷コストを低くできる。
【0052】
本発明の画像形成装置において、前記2つの中間転写体で形成するトナーの色を使用頻度の高低により2分類して配置しておき、画像形成する入力画像が使用頻度の低いトナーを使用しない場合、前記使用頻度の低いナー像を作成する中間転写体を前記搬送装置から離間させることができる。本例によれば、入力画像が使用頻度の低いトナーを使用しない画像であった場合、その中間転写体を転写搬送装置から離間させておくことができ、当該中間転写体と使用頻度が低いトナーに対応する感光体の駆動を停止できる。そのため、中間転写体と当該感光体の長寿命化が可能となる。
【0053】
本発明の画像形成装置において、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナーを一方の中間転写体側に配置し、これらの3色を用いない色で構成される画像が入力した場合、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナーを配置した中間転写体を前記搬送装置から離間させる転写搬送装置に対して離間させることができる。
【0054】
本例によれば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナーを使用しない画像であった場合、その中間転写体を転写搬送装置から離間させておくことができ、当該中間転写体と当該トナーに対応する感光体の駆動を停止できる。そのため、中間転写体と当該感光体の長寿命化が可能となる。
【0055】
また、本発明の画像形成装置において、一方の中間転写体に作成するトナー像はレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)とすることができる。基本4色のY,M,C,K(1C)でR,G,B(2C)を再現するには、1Cの場合に比して2倍トナー量が必要となる。本例ではRGBのトナーを使用できるので、2Cを再現するためには1C分の付着量だけで可能となるため、トナーの低付着量化が図れる。
【0056】
本発明の前記画像形成装置において、前記レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)のトナー像を作成する中間転写体は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像を作成する中間転写体より上流側に配置されていることを特徴とする。
【0057】
2つの中間転写体にそれぞれ像担持体が3つずつ配置されており、転写搬送装置に直接転写を行う像担持体が1つある場合、最上流のトナー像は定着前までに逆転写(通常の転写とは逆に被転写媒体から転写媒体へトナーが転写する現象)を6回受ける。そのため、最上流の像担持体には多くのトナーを付着させなければならない。また、上流の中間転写体で色重ねのトナー像を作成する場合には、中間転写体上のトナー付着量がさらに多くなる。トナー付着量が多いと転写する際にトナー像が散ってしまい、良好なトナー像が得られない。ここで、R,G,Bについてみると、R,G,Bは加法混色ができないため色重ねをしない。本例では、R,G,Bのトナー像を作成する中間転写体を他の中間転写体に対して上流に配置するので、上流に配置された中間転写体上の付着量の増加と、付着量の増加によるトナーの散りを抑制し、良好なトナー像を得ることが可能となる。
【0058】
本発明の前記画像形成装置において、少なくとも1つの中間転写体と、前記搬送装置との間には、それぞれに接する第2の中間転写体を介在させ、該第2の中間転写体を前記中間転写体および搬送装置と当接又は離間する駆動手段を配置することができる。
【0059】
書込装置を1台とし2つの中間転写体の間に配置すると、感光体から転写されたトナー像の中間転写体上の移動距離が長くなるためにファーストプリントスピードが遅くなってしまう。本例によれば、第2の中間転写体を配置しているので、書込装置を挟む2つの中間転写体の回転方向を逆とすることができ、転写されたトナー像の中間転写体上の移動距離が短くすることができファーストプリントスピードを短縮することができる。
【0060】
また、書込装置を挟む2つの中間転写体等は上下方向に逆に配置されることとなる。この場合、各装置への重力の作用方向が一致しないため、現像装置の部品や筐体を共通化できないことが多い。本例では、第2の中間転写体を配置すると共に中間転写体及び書込装置を鉛直方向に配置すれば、各部品等は、左右対称形状となるために、共通化できる作像ユニットの部品や筐体が多くなり、コストダウンおよび生産の点から環境負荷低減につながる。また作像体を鉛直方向に配列することで、書込装置の下方に光路が配置されず、射出光窓の汚れが少なくなり、遮光による白スジなどの異常画像が起こりにくいという利点がある。
【0061】
本発明の画像形成装置において、前記中間転写体と前記第2の中間転写体とを当接又は離間する駆動手段を備えることを特徴とする。本例によれば、中間転写体を第2の中間転写体から離間できるので、離間した中間転写体と該中間転写体に配置された感光体の長寿命化を図ることができる。
【0062】
本発明の画像形成装置において、前記中間転写体と前記転写搬送体とを当接又は離間する駆動手段を備えることを特徴とする。本例によれば、中間転写体を転写搬送体から離間できるので、離間した中間転写体と該中間転写体に配置された感光体の長寿命化を図ることができる。
【0063】
本発明の画像形成装置において、前記第2の中間転写体は、回転可能な円筒状部材とすることができる。本例によれば、第2の中間転写体をシンプルな構成にすることができ、コストダウンを図ることができる。
【0064】
本発明の画像形成装置において、前記第2の中間転写体は、転動可能な無端ベルト状の部材とすることができる。本例によれば、自由なレイアウトを採用することができる。
【0065】
本発明の画像形成装置において、前記感光体、前記中間転写体、前記第2の中間転写体、及び前記搬送装置のうちの少なくとも1つのもの、又は、少なくとも2つの部材を組み合わせたものは、交換可能なカートリッジをなすものとできる。本例によれば、各部材を交換可能なカートリッジとしているので、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【実施例】
【0066】
以下実施例に係る画像形成装置について説明する。以下、本発明の実施形態について説明する。ここでは、画像形成装置100は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(以下、Y,C,M,Kと略す)の基本4色と、レッド、グリーン、ブルー(以下、R,G,Bと略す)の特殊トナーを用いるカラーデジタル複合機として説明する。
【0067】
図1は、本実施例係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。画像形成装置100は、図1に示すように、Y,M,C用の3つの画像形成ユニット10Y,10M,10Cと、R,G,B用の3つの画像形成ユニット10R,10G,10Bと、をそれぞれ中間転写装置7a,7bである中間転写ベルト4aと中間転写ベルト4bに沿ってベルト移動方向に直列に配置したタンデム方式のものとして構成される。また、転写搬送装置15には、Kの画像形成ユニット10Kが直接転写により作像できるように配置されており、Kトナー像は記録媒体Pに直接転写されるように配置されるよう構成される。Kの画像形成ユニット10Kは、中間転写ベルト4aおよび中間転写ベルト4bを備えた画像形成ユニット10Y,10M,10C及び画像形成ユニット10R,10G,10Bは独立して配置されており、画像形成ユニット10Kで作成されたKトナー像は転写搬送装置15により記録媒体に直接転写される。また、各画像形成ユニット10R,10G,10Bは、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジとして形成される。
【0068】
転写搬送装置15は略水平に延びる中間転写装置7aおよび中間転写装置7bに対して略垂直に交差するように配置されている。画像形成ユニット10Y,10M,10C及び画像形成ユニット10R,10G,10Bは、感光体としての感光体1、トナーを潜像に供給してトナー像を形成する現像装置2Y,2M、2C、2R,2G,2B、帯電装置3Y,3M、3C、3R,3G,3B、クリーニング装置6Y,6M、6C、6R,6G,6B等を備えている。各感光体1は中間転写ベルト4に接するように配置されている。
【0069】
レーザにより潜像を形成する書込ユニット200により、各感光体1Y,1M、1C、1R,1G,1B上に静電潜像が形成される。なお、本実施例ではクリーニング装置6Y,6M、6C、6R,6G,6Bとしてブレードタイプのものを用いたが、本発明はこれに限定される趣旨ではなく、ファーブラシローラ、磁気ブラシクリーニング方式であっても良い。また、各クリーニング装置6Y,6M、6C、6R,6G,6Bには、潤滑剤が格納されており、潤滑剤は、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレイン酸鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸銅、パルチミン酸、亜鉛パルチミン酸コバルト、パルチミン酸銅、パルチミン酸マグネシウム、パルチミン酸アルミニウム、パルチミン酸カルシウム、カプリル酸鉛、カプロン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム、及びリコリノレン酸カドミウムの如き比較的高次の脂肪酸などが挙げられる。また、カルナウバワックスのような天然ワックスであってもよい。
【0070】
この例では均一に帯電された感光体1Y,1M、1C、1R,1G,1Bは、書込ユニット200からの色別の露光光により画像部を露光され、現像装置2Y,2M、2C、2R,2G,2Bによってトナー像が作られる。感光体1Y,1M、1C、1R,1G,1B上に作られたカラートナー像は、タイミングを合わせてそれぞれ中間転写ベルト4a,4bに転写され、色重ねされたトナー像が形成される。
【0071】
中間転写ベルト4a,4bは、駆動ローラ9a,9bと従動ローラ8a,8bにより支持されており、中間転写ベルト4a,4bの内側には、各感光体1Y,1M、1C、1R,1G,1Bに対向して1次転写手段としての1次転写ローラ5Y,5M、5C、5R,5G,5Bと中間転写ベルト対向ローラ20a,20bが設けられている。この中転ベルト対向ローラ20a,20bに対向して中間転写ベルト4a,4bの外側には、中間転写ベルト4a,4b上の残留トナーを除去するクリクリーニング装置10a,10bが設けられている。
【0072】
中間転写装置7aは中間転写装置7bおよびブラック(K)の画像形成ユニット10Kに対して下流に配置されており、さらにKの画像形成ユニット10Rは中間転写体7bに対して下流に配置されている。
【0073】
中間転写ベルト4b上に作られたRGBのトナー像は、転写搬送装置15が搬送する記録媒体P上に転写され、その後、画像形成ユニット10Kの感光体1K上に作られたKトナー像が記録媒体Pに直接転写され、色重ねされたトナー像が形成される。さらにその後、中間転写ベルト4a上で色重ねされたYMCのトナー像が記録媒体P上に転写される。
【0074】
故に、転写搬送ベルト14はKトナー像の転写部では直接転写ベルトとして機能し、中間転写ベルト4上のYMCおよびRGBのトナー像の転写部では2次転写ベルトとして機能する。
【0075】
転写搬送ベルト14および中間転写ベルト4a,4bとしては、体積抵抗率1010〜1015Ω・cm、表面抵抗率1010〜1015Ω/□の無端ベルトであり、例えば変性ポリイミド、熱硬化ポリイミド、ポリカーボネイト、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジニアリングプラスチックに導電性を付与する目的で、例えばアセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック、酸化チタン、チタン酸カリウム、酸化錫、リチウム塩、四級アンモニウム塩等の各種導電剤を添加した、厚さ0.1〜1.0mmの半導電性フィルム基体の外側に、好ましくはトナーフィルミング防止層として厚さ5〜50μmのフッ素コーティングを行った、2層構成のシームレスベルトが挙げられる。転写搬送ベルト14および中間転写ベルト4の基体としては、この他に、シリコンゴム或いはウレタンゴム等に導電材料を分散した厚さ0.5〜2.0mmの半導電性ゴムベルトを使用することもできる。
【0076】
画像形成装置本体の下部には給紙トレイ25,26が設けられており、給紙トレイ25,26から給紙された記録媒体Pはレジストローラ対19に達し、ここでスキューを修正された後レジストローラ対19により所定のタイミングで搬送される。また、転写搬送装置15の入口ローラ13に対向する位置に、レジストローラ対19から搬送された記録媒体Pを転写搬送ベルト14へと吸着させる吸着ローラ21を備えている。
【0077】
RGBトナー像とKトナー像とYMCトナー像を重ねて転写された記録媒体Pは、定着装置18によりトナー像を定着され、カラー画像が形成される。
【0078】
転写搬送装置15は、転写搬送ベルト14と、転写搬送ベルト14を支持する駆動ローラ12、転写手段を兼ねる従動ローラ5K、転写搬送装置15へ記録媒体Pを迎え入れるための入口ローラ13、転写搬送ベルト対向ローラ22、及び2次転写手段としての2次転写ローラ17a,17bを備えている。
【0079】
2次転写ローラ17a,17bは中間転写ベルト4の従動ローラ8a,8bに対向して配置されており、図示しない接離機構により中間転写ベルト4a,4bに対して接離可能となっている。白黒画像作成時においては、Kの画像データに基づいて書込ユニット200により、画像形成ユニット10Kの感光体1K上の画像部が露光され、現像装置2Kによってトナー像が作られる。作成されたKトナー像は転写搬送ベルト14によって搬送される記録媒体上に直接転写され、定着装置18により定着され、白黒画像が形成される。
【0080】
また、転写搬送装置15には転写搬送ベルト対向ローラ22が配置され、この転写搬送ベルト対向ローラ22に対向して転写搬送ベルト14の外側には、転写搬送ベルト14の残留トナーを除去するクリーニング装置16が設けられている。
【0081】
2次転写ローラ17は、金属性ローラ、あるいは芯金の周りに体積抵抗率1×105Ω・cm〜1×1012Ω・cm、厚さ2mm〜10mm、ゴム硬度10度〜100度の導電性の弾性層が被覆されているものを使用することができる。なお、この弾性層は発泡性であってもよい。
【0082】
次に書込ユニットの構成について説明する。図2は書込ユニットの構成を示す側面からの模式図、図3は書込ユニットの構成を示す上面からの模式図である。書込ユニット200には、7色の作像ユニットに対応した7本の書込光のLD光源108K〜108Bが設置されている。図2に示すように、7本の書込光のうちK,C,R,G用書込光の4本の書込光は互いに高さを異なるようにしてあるが、それだけではK、C、R用書込光のLD光源と、G用書込用のLD光源の基板が干渉してしまう。そこで図3に示すように、K、R用書込光は横方向にもLD光源の位置をずらしてある。同様にM,Y,B用の3本の書込光は高さを異なるものとし、Y用書込光について横方向にもLD光源の位置をずらしている。LD光源108K〜108Bから出た7本の書込光のうち、横にずらしたK,R,Y用書込光は反射ミラー109K,109R,109Yで向きを変え、高さ以外はそれぞれC,G,M用書込光と光路をそろえる。
【0083】
7本の書込光は高速で回転する1台のポリゴンミラー101に入射し、その側面で反射される。本実施例では六角柱状のポリゴンミラーを用いている。ポリゴンミラー101の側面の向きに応じて、書込光の反射方向が変わるため、ポリゴンミラー101を回転させると、反射した書込光が感光体上を走査できるようになる。
【0084】
ポリゴンミラー101で反射した書込光は、次にf−θレンズ102A,102Bを通過する。ポリゴンミラー101で反射した直後の書込光は、その進行方向が変わる角速度が一定であり、これでは主走査方向(感光体の軸方向)には平面である感光体の表面を一定速度で走査することができない。そこで書込光をf−θレンズ102A,102Bで屈折させることで、感光体の表面を一定速度で走査できるようにする。
【0085】
f−θレンズ102A,102Bを通過した7本の書込光のうち、直接転写であるKの感光体1Kを露光させる書込光103Kは、そのまま書込ユニット200の側面から射出される。位置ずれ補正を説明する項で改めて述べるが、このようにK用の書込光103Kはポリゴンミラー101で反射された後に反射ミラーを全く介さないため、部品点数が最小限で済むという利点がある反面、構造的に書込光103Kの感光体1Kへの照射位置を調整することが難しい。
【0086】
一方、他の6色(C,M,Y,R,G,B)の書込光103C〜Bは反射ミラー104C,104M,104Y,104R,104G,104Bで1乃至3回反射される。C,M,Yの書込光103C,103M,103Yは書込ユニット200の上面から、R,G,Bの書込光103R,103G,103Bは書込ユニット200の下面から射出し、それぞれ対応する色の感光体1Y,1M、1C、1R,1G,1Bを露光する。反射ミラーのうち反射ミラー104C−3、104M−3、104Y−1、104R−1、104G−3、104B−3には、反射面を2方向に微回転させる駆動装置(非図示)とわずかに捻る駆動装置(非図示)が設置されており、位置ずれ補正の際はこれら駆動装置で各反射ミラーを微動させて、画像形成位置を調整する。
【0087】
次に書込ユニットにおいてLD光源の共通化を図ったものについて説明する。まず第2の実施例について説明する。この例は回転ミラー105を用いて光路を切り替えるものである。図4は第2の実施例に係る画像形成装置の書込ユニットを示す側面からの模式図、図5は感光体の群分けを示す模式図である。この書込ユニット200において、LD光源を共通化するに際して、感光体1R,1G,1B(感光体群A。図5参照)のうち最上流にある感光体1Rと、感光体1Y,1M、1C(感光体群B、図5参照)のうち最上流にある感光体1Y用の書込光が共通化される。同様に各感光体群で中央位置にある感光体1Gと感光体1M用の書込光、各感光体群で最下流にある感光体1Bと感光体1C用の書込光がそれぞれ共通化される。その結果、LD光源108は前記実施例では7個必要だったのに対して、4つのLD光源108K,108RY,108GM,108BCを配置するだけで済み、部品点数を削減できる。ここで添え字はそれぞれ露光する感光体に作成されるトナー像の色を示している。例えばLD光源108RYは、感光体1R及び感光体1Yを露光する。
【0088】
この例の書込ユニット200において、LD光源から出た書込光は回転するポリゴンミラー101で反射して、f−θレンズ102A,102Bで屈折する。Kの書込光103Kはそのまま書込ユニット200の側面から射出され、感光体1Kを露光させる。一方、他の3本の書込光は回転ミラー105RY,105GM,105BCに向かう。回転ミラー105RY,105GM,105BCは反射面が大きく回転するような駆動装置を備えており、反射面の向きによってどちらの感光体を露光するかが切り替わるようになっている。回転ミラー105BCを例に説明すると、回転ミラー105BCは、図4に示すように、回転ミラー105BCの反射面が斜め上を向いている場合、書込光103BCは反射ミラー104C−1,104C−2を経て書込ユニット200の上面から射出され、感光体1Cを露光する。逆に回転ミラー150BCの反射面が図4の状態から90°回転して斜め下を向いている場合、書込光103BCは反射ミラー104B−1,104B−2を経て書込ユニット200の下面から射出され、感光体1Bを露光する。回転ミラー105RYも回転ミラー105BCと同様の動作をして感光体1R,1Yの露光を切り替える。回転ミラー105GMは、図4に示すように、書込光103GMの光路に入っている場合は感光体1Mが露光され、回転して光路から外れた場合感光体1Gが露光される。
【0089】
次に書込ユニット200で実際に7色の印刷を行う場合の動作を説明する。まず印刷開始時は回転ミラー105RY,105GM,105BCの反射面はそれぞれ1R、1G,感光体1Bを露光する方向を向いている。露光開始のトリガ信号がR→G→Bの順に入力して、対応する感光体群B(感光体1R,1G,1B)への潜像形成が始まる。紙1枚分の潜像形成が終了すると、今度は露光終了のトリガ信号がR→G→Bの順に入力される。露光終了のトリガ信号が来た順に、回転ミラー105RY→105GM→105BCと反射面が回転して、それぞれ感光体群B(感光体1Y,1M,1C)を露光する方向を向くようになる。反射面の回転が終了した後、Y→M→Cの順に露光開始のトリガ信号が入力され、対応する感光体への潜像形成が始まる。紙1枚分の潜像形成が終了すると、露光終了のトリガ信号がY→M→Cの順に入力して、これが入力された順に各回転ミラーは元の感光体群A(感光体1R,1G,1B)を露光する方向に戻る。
【0090】
ここで、本例では共通のLD光源で上流側の感光体群A,下流側の感光体群Bに共通の射出光を発するようにしているため、前記上流側の感光体群Aへの書込終了後に下流側の感光体群Bへの書込を行うようしなければはならない。このため、各感光体側の感光体と中間転写ベルトとの当接点(T1A、T1B)、中間転写ベルトと記録媒体Pとの当接点(T2A,T2B)の位置関係に条件を設け、前記書込のタイミングがずれるようにしなしている。
【0091】
感光体群Aと感光体群Bで共通するLD光源として、感光体1Bと感光体1Cを感光するLD光源108BCについてみる。感光体群A側の感光体1Bと中間転写ベルト4bの当接点をT1A、この中間転写ベルト4bと記録媒体Pとの当接点をT2Aとして、T1AからT2Aまでの搬送距離をLaとし、感光体群B側の感光体1Cと中間転写ベルト4aの当接点をT1B、中間転写ベルト4aの記録媒体Pとの当接点をT2Bとして、T1BからT2Bまでの搬送距離をLb、前記T2Aと前記T2Bの間の記録媒体搬送経路の距離をLab、記録媒体Pの搬送方向の長さをLpとする。
【0092】
本例に係る書込ユニット200は、中間転写ベルトの長さや感光体の配置を調整して
La+Lab>Lb+Lp
を満たすようにしている。そして、他のLD光源108RY,108GMが露光する感光体等についても同様の条件で配置される。
【0093】
図6は露光のタイミングを示すタイミングチャートである。本例によれば、前記条件を満たすように中間転写体の長さや感光体の配置を調整しているので、図6に示すように、下流側感光体群の感光体の書込みを終えたあと上流側感光体群の感光体に書込みを開始することができる。これにより光源を共通化して書込光の光路を切り替えることで両方の感光体に書き込めるようになり、部品点数の低減によるコスト低下を図ることができる。
【0094】
次に第3の実施例について説明する。この例は、ハーフミラーとシャッターとを用いて光路を切り替えるものである。図7は第3の実施例に係る画像形成装置に使用する書込ユニットの構成を示す側面からの模式図である。本例の書込ユニット200において、LD光源の共通化を行うための組み合わせは回転ミラーの場合と同様で、RとY、GとM、BとYがそれぞれ共通化され、LD光源108K,108RY,108GM,108BCを4個備える。
【0095】
図7に示すように、ポリゴンミラー101で反射し、f−θレンズ102A,102Bで屈折した書込光103RY,103GM,103BCはそれぞれハーフミラー106RY,106GM,106BCに向かう。ハーフミラー106RY,106GM,106BCは入射光を透過光と反射光に分けるビームスプリッタの一種であり、透過光と反射光の強度の比率が1:1に近い。本実施例では四角柱状のハーフミラーを使用し、反射光が透過光に対して90°の角度をなして進むものを用いた。ハーフミラー106RY,106GM,106BCに入射した書込光103RY,103GM,103BCの透過光103Y,103M,103Cはそれぞれ感光体1Y,1M,1Cに、反射光103R,103G,103Bはそれぞれ感光体群A(感光体1R,1G,1B)に導かれる。
【0096】
書込光103Y,103M,103Cは書込ユニット200の上面から射出され、書込光103R,103G,103Bは下面から射出されるが、6本全ての書込光の出口にはシャッター107Y,107M,107C、107R,107G、107Bとその駆動装置(非図示)が設置されている。このハーフミラーを使用する場合は前述した回転ミラー使用する場合と異なり、シャッター107Y,107M,107C、107R,107G、107Bの手前までは常に両方(感光体1Y,1M,1C用と、感光体1R,1G,1B用)の書込光103が届いているので、シャッター107Y,107M,107C、107R,107G、107Bを適切に開閉することで潜像を形成する感光体1を切り替えることとなる。
【0097】
次に書込ユニット200で7色の印刷を行う場合の動作を説明する。まず印刷開始時はシャッター107R,107G,107Bが開いており、シャッター107C,107M,107Yは閉じている。露光開始のトリガ信号がR→G→Bの順に入力すると、対応する感光体群A(感光体1R,1G,1B)への潜像形成が始まる。紙1枚分の潜像形成が終了すると、今度は露光終了のトリガ信号がR→G→Bの順に入力する。露光終了のトリガ信号が来た順に、シャッター107R,107G,107Bが閉じて、同時にシャッター107Y,107M,107Cが開く。各シャッター開閉切り替えが終了した後、Y→M→Cの順に露光開始のトリガ信号が入力すると、対応する感光体群B(感光体1Y,1M,1C)への潜像形成が始まる。紙1枚分の潜像形成が終了すると、露光終了のトリガ信号がY→M→Cの順に来て、これが来た順に元のように、シャッター107R,107G,107Bのみが開いた状態に戻る。なお、本例でも前記第3の実施例と同様に、1つのLD光源が異なるタイミングで複数の感光体を露光できるよう感光体及び中間転写ベルト等の配置を設定する。
【0098】
次に位置ずれの補正について説明する。画像形成装置100は、印刷中又は待機中に調整動作として位置ずれ補正を行う。まず補正動作に入ると、2次転写ローラ17aが離間し、感光体1Y,1M,1Cで位置ずれ補正用の画像パターンが形成され、中間転写ベルト4aに転写される。3色の画像パターンがそろったところで、中間転写ベルト4aに近接して感光体1Cと従動ローラ8aの間の領域にある位置センサ(非図示)を用いて、3色分の画像パターンの位置を検知する。これ基づいて感光体群B(感光体1Y,1M,1C)についての補正を行う。
【0099】
この時、位置ずれの最大値が5[um]以下であった場合、本例では感光体群Bについて全く位置ずれしていないと判断する。印刷中に割り込みで調整動作を行っている場合、感光体群Bについて全く位置ずれしていなければ他の色も位置ずれしていない可能性が高いと判断して調整動作を終了し、2次転写ローラ17aを当接して印刷を再開する。この処理を行う理由は、以下の通りである。即ち、位置ずれが発生する主要因は書込ユニットの温度変化による光学素子の熱膨張でありY,M,Cの位置ずれ量と他の色の位置ずれ量には相関があり、一方の位置ずれが少ない場合は他方の位置ずれも少ないと推定できるからである。印刷中の調整動作はユーザを待たせることになるため、このような場合は調整時間の短縮を優先している。
【0100】
一方、位置ずれの最悪値が5[um]を超えた場合や待機中に調整動作を行った場合は、感光体内と感光体群同士の位置ずれ補正に移行する。まず感光体群A(感光体1R,1G,1B)で位置ずれ補正用の画像パターンを形成し、中間転写ベルト4bに転写される。このとき感光体1BのみはB,K,Cで感光体群間の位置ずれ補正を行うための画像パターンを先行して描き、後からRやGの画像パターンの付近にR,G,Bで感光体群A内の位置ずれ補正を行うための画像パターンを描く。また2次転写ローラ17aを当接し、感光体1K,1Cでも感光体群間の位置ずれ補正を行うための画像パターンを描く。感光体群A内の位置ずれ補正は、中間転写ベルト4bに近接して感光体1Bと駆動ローラ9bの間の領域にある位置センサ(非図示)で検知して実施する。また感光体群同士の位置ずれ補正は、画像パターンを転写搬送ベルト14に転写して、転写搬送ベルト14に近接して2次転写ローラ17aと駆動ローラ12の間の領域にある位置センサ(非図示)で検知して実施する。なお、この位置ずれ補正を行う際には、書込ユニット200内の反射ミラー104をわずかに回転・捻ることで書込光の感光体上の照射位置を修正し、K以外の6色の画像形成位置をKの位置にそろえる。
【0101】
次に第4の実施例について説明する。図8は第4の実施例に係る画像形成装置の要部を示す模式図である。本実施例に係る画像形成装置は、中間転写装置7a,7bを転写搬送装置15の転写搬送ベルト14に対して接触、離間可能に形成したものである。従動ローラ8a,8bを図示しない駆動装置で前記転写搬送ベルト14から離間できるように構成している。そして、中間転写装置7a,7bの中間転写ベルト4a,4bの内側にはテンションローラ23a,23bが配置されており、従動ローラ8a,8bが転写搬送装置15から離間する動作に合わせて、中間転写ベルト4のベルトテンションを一定に保つように連動して動くようにしている。
【0102】
図9は第4の実施例に係る画像形成装置の変形例を示す要部の模式図である。この例では、従動ローラ8a,8bと駆動ローラ9a,9bの両者を動かすことにより、中間転写装置を平行移動するように離間動作をしても良い。図9に示す例は、図8に示す例に比べてテンションローラ23が不要であるため、離間機構を有する中間転写装置を少ない部材で製造することが可能となる。
【0103】
図10は第4の実施例に係る画像形成装置の他の変形例を示す要部の模式図である。この例は、中間転写装置7a,7bと転写搬送装置15とを離間させるため、中間転写装置7a,7bに代え転写搬送装置15を移動している。転写搬送装置15は、中間転写装置7bに対して離間動作を行うため、転写搬送装置を支持している入口ローラ13、中間転写装置7bに対向している2次転写ローラ17b及び吸着ローラ21を連動して移動する。
【0104】
一方、転写搬送装置15が中間転写装置7bに対して離間させる場合、前記各例のように2軸で転写搬送装置15を支持していると、駆動ローラ12を移動させる必要がある。転写搬送装置15の駆動ローラ12は、中間転写装置7から離間しても回転駆動する必要がある。図3にあるような中間転写装置7の駆動ローラ9を移動させる場合は、移動後は転写搬送装置15から離間しているため、回転駆動する必要がない。しかし、転写搬送装置は駆動ローラが移動しても回転駆動する必要がある。所定の場所で回転駆動している駆動ローラを移動させて、移動させた先でも同様に回転駆動させるには、装置が大掛かりになり、製造コストもアップする。そのため、そのため、2軸構成の転写搬送装置ではなく、図10に示したような少なくとも3軸以上のローラに支持された転写搬送装置の構成にして、転写搬送装置の駆動ローラ12は動かない構成にする必要がある。すなわち、図10に示した駆動ローラ12は動かない構成にし、従動ローラ24を追加して、従動ローラと中間転写体aの2次転写ローラ17aを移動させる構成にすればよい。なお、転写搬送装置の駆動ローラ12は、転写搬送ベルトの良好な搬送性を確保するために、転写搬送ベルト14に対して、巻きつき量が円周の1/3以上であることが望ましい。
【0105】
次に第5の実施例にかかる画像形成装置について説明する。本例に係る画像形成装置は、第1の実施例と同様にイエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(Y、C、M、K)の基本4色とレッド、グリーン、ブルー(R、G、B)の特殊トナーを用いたカラーデジタル複合機である。
【0106】
図11は第5の実施例に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。カラーデジタル複合機は図11に示すように、YMCの3つの画像形成ユニットとRGBの3つの画像形成ユニットをそれぞれ中間転写ベルト4aと中間転写ベルト4bに沿ってベルト移動方向に直列に配置されたタンデム方式を採用している。
【0107】
転写搬送装置15には、Kの画像形成ユニットが直接転写により作像できるように配置されており、Kトナー像は記録媒体に直接転写されるように配置されている。Kの画像形成ユニットは、中間転写ベルト4aおよび中間転写ベルト4bに対するR、G、B、Y、M、Cの転写構成とは独立しており、そこで作成されたKトナー像は中間転写ベルト4とは異なる転写搬送装置15により記録媒体に直接転写される
【0108】
本例に係る画像形成装置の転写搬送装置15は略水平に延びる中間転写装置7aおよび中間転写装置7bに対して略垂直に交差するように配置されており、記録媒体Pは、転写搬送装置15によって水平方向に搬送される。
【0109】
それぞれの画像形成ユニットは、感光体としての感光体1、トナーを潜像に供給してトナー像を形成する現像装置2、帯電装置3、クリーニング装置6等を備えている。クリーニング装置6は、不図示のトナー搬送経路をへて不図示の廃トナータンクへ回収する手段を持っている。なお、本実施形態ではクリーニング装置6としてブレードタイプのものを用いたが、本発明はこれに限定される趣旨ではなく、ファーブラシローラ、磁気ブラシクリーニング方式であっても良い。
【0110】
各感光体1は中間転写ベルト4に接するように配置されている。レーザにより潜像を形成する書込ユニット200により、各感光体1上に静電潜像が形成される。均一に帯電された感光体1は、書込ユニット200からの色別の露光光により画像部を露光され、現像装置2によってトナー像が作られる。感光体1Y、1C、1M上に作られたカラートナー像は、タイミングを合わせて中間転写ベルト4aに転写され、色重ねされたトナー像が形成される。
【0111】
中間転写ベルト4は、駆動ローラ9と従動ローラ8により支持されており、中間転写ベルト4の内側には、各感光体1に対向して1次転写手段としての1次転写ローラ5と中間転写転ベルト対向ローラ20が設けられている。中間転写ベルト対向ローラ20に対向して中間転写ベルト4の外側には、中間転写ベルト4上の残留トナーを除去するクリーニング装置10が設けられている。中間転写装置7aは中間転写装置7bおよびブラック(K)の画像形成ユニットに対して下流に配置されており、Kの画像形成ユニットは中間転写体7bに対して下流かつ中間転写体7aに対して上流に配置されている。
【0112】
中間転写ベルト4b上に作られたRGBのトナー像は、第二中間転写体50に転写された後、転写搬送装置15が搬送する記録媒体P上に転写され、その後、感光体1K上に作られたKトナー像が記録媒体に直接転写され、色重ねされたトナー像が形成される。さらにその後、中間転写ベルト4a上で色重ねされたYMCのトナー像が記録媒体上に転写される。故に、転写搬送ベルト14はKトナー像の転写部では(一次)直接転写ベルトとして機能し、中間転写ベルト4上のYMCおよびRGBのトナー像の2次転写部では2次転写ベルトとして機能する。また、第二中間転写体50は、RGBトナー像の2次転写および三次転写を行う。
【0113】
第二中間転写体50は、第二中間転写体50上の残留トナーを除去するクリ−ニング装置6Tが設けられている。本実施例に示す第二中間転写体50はドラム形状であり、芯金の周りに、体積抵抗率1×105Ω・cm〜1×1012Ω・cm、厚さ2mm〜10mm、ゴム硬度10度〜100度の導電性の弾性層が被覆されているものなどが挙げられる。なお、この弾性層は発泡性であってもよい。さらに、弾性層の表層には、トナー像を維持し、さらにクリーニング性を高めるためにコート層が被覆されている。コート層は、転写ベルト材料や定着ローラの表層として用いられる変性ポリイミド、熱硬化ポリイミド、ポリカーボネイト、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、PFAやPTFEに代表されるフッ素系高分子、アクリル系高分子などである。第二中間転写体50はドラム状ではなく、無端ベルト状であっても良い。その際、第二中間転写体の材質は以下転写搬送ベルト14および中間転写ベルト4の材質と同様な構成を取ることができる。
【0114】
転写搬送ベルト14および中間転写ベルト4としては、体積抵抗率1010〜1015Ω・cm、表面抵抗率1010〜1015Ω/□の無端ベルトであり、例えば変性ポリイミド、熱硬化ポリイミド、ポリカーボネイト、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジニアリングプラスチックに導電性を付与する目的で、例えばアセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック、酸化チタン、チタン酸カリウム、酸化錫、リチウム塩、四級アンモニウム塩等の各種導電剤を添加した、厚さ0.1〜1.0mmの半導電性フィルム基体の外側に、好ましくはトナーフィルミング防止層として厚さ5〜50μmのフッ素コーティングを行った、2層構成のシームレスベルトが挙げられる。転写搬送ベルト14および中間転写ベルト4の基体としては、この他に、シリコンゴム或いはウレタンゴム等に導電材料を分散した厚さ0.5〜2.0mmの半導電性ゴムベルトを使用することもできる。
【0115】
画像形成装置本体の下部には給紙トレイが設けられており、給紙トレイから給紙された記録媒体Pはレジストローラ対19に達し、ここでスキューを修正された後レジストローラ対19により所定のタイミングで搬送される。また、転写搬送装置15の入口ローラ13に対向する位置に、レジストローラ対19から搬送された記録媒体Pを転写搬送ベルト14へと不図示の電源から印加される電圧で吸着させる吸着ローラ21を備えている。
【0116】
RGBトナー像とKトナー像とYMCトナー像を重ねて転写された記録媒体Pは、定着装置18によりトナー像を定着され、カラー画像が形成される。転写搬送装置15は、転写搬送ベルト14と、転写搬送ベルト14を支持する駆動ローラ12、転写手段を兼ねる従動ローラ5K、転写搬送装置15へ記録媒体Pを迎え入れるための入口ローラ13、転写搬送ベルトクリーニング対向ローラ22、及びYMCトナー像の2次転写手段としての2次転写ローラ17aと、RGBトナー像の3次転写手段としての3次転写ローラ17bを備えている。2次転写ローラ17aは中間転写ベルト4aの従動ローラ8aに対向して配置されており、3次転写ローラ17bは、第二中間転写体50に対抗して配置されている。第二中間転写体50は、中間転写ベルト4bの従動ローラ8bに対抗して配置されている。中間転写装置7aと転写搬送ベルトおよび、中間転写装置7bと第二中間転写体50は不図示の当接・離間機構によって、画像形成装置が動作中であっても停止中であっても当接・離間を自由に行うことができる。この当接離間機構は前記第4の実施例に係るものと同様のものを使用することができる。
【0117】
白黒画像作成時においては、Kの画像データに基づいて書込ユニット200により、感光体1K上の画像部が露光され、現像装置2Kによってトナー像が作られる。作成されたKトナー像は転写搬送ベルト14によって搬送される記録媒体上に直接転写される。転写搬送ベルト対向ローラ22に対向して転写搬送ベルト14の外側には、転写搬送ベルト14の残留トナーを除去するクリーニング装置16が設けられている。
【0118】
2次転写ローラ17としては、金属性ローラか、あるいは芯金の周りに、体積抵抗率1×105Ω・cm〜1×1012Ω・cm、厚さ2mm〜10mm、ゴム硬度10度〜100度の導電性の弾性層が被覆されているものなどが挙げられる。なお、この弾性層は発泡性であってもよい。
【0119】
各色のトナー像を転写させるために、1次転写ローラ5は不図示の電源によって正極性の電圧を印加することができるようになっている。中間転写ベルト4aの従動ローラ8a、中間転写ベルト4bの従動ローラ8b、第二中間転写体50、2次転写ローラ17bについても、不図示の電源によって正極性の電圧を印加することができるようになっている。また、2次転写ローラ17aは接地されている。RGBトナー像を中間転写ベルト4bから記録媒体Pへ転写させる時は、従動ローラ8bの印加電圧をVx、第二中間転写体50の印加電圧をVy、2次転写ローラ17bの印加電圧をVzとすると(いずれも正極性)、それぞれの絶対値は以下式1の関係にある。
【0120】
Vx<Vy<Vz …式1
【0121】
画像形成装置本体の左側には付図示の給紙トレイが設けられており、各給紙トレイから図示しない給紙手段により給紙された記録媒体Pは、不図示の搬送手段により搬送されてレジストローラ対19に達し、ここでスキューを修正された後レジストローラ対により所定のタイミングで、転写搬送装置15へ送られる。
【0122】
転写搬送装置15へ搬送された記録媒体Pは、吸着ローラ21によって転写搬送ベルト14に保持され、各色トナー像を重ねて転写され、定着装置18へ搬送される。定着装置によってトナー像を定着され、カラー画像が形成された記録媒体は不図示の搬送経路を経由して搬送され、不図示の排紙ローラにより不図示の排紙トレイへ排出されてスタックされる。
【0123】
図12及び図13は比較例に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。図12に示す画像形成装置は2台の書込ユニット11,41を備えるものであり、前記従来例に示した画像形成装置と同様の構成を備えるものである。図13に示す画像形成装置は書込ユニット200を1つとしたもの前記第1の実施例に係る画像形成装置と同様の構成を備えるものである。図12に示す画像形成装置は2台の書込ユニット11,41を備えるものであり、前記従来例に示した画像形成装置と同様の構成を備えるものである。図13に示す画像形成装置は、図12に示した画像形成装置に比して書込ユニットを少なくしている。しかし、この画像形成装置では、書込ユニット200の左に位置する作像装置Dにおいて、各色の感光体1B,1G,1Rで転写された中間転写ベルト4b状のトナー像は、その移動距離が長くなるためにファーストプリントスピードが遅くなってしまうこととなる。
【0124】
これに対して、本実施例によれば、書込ユニット200に位置する中間転写ベルト4bは、前記比較例と転動方向が逆となり、転写されたトナー像の中間転写体上の移動距離が短くなる。このためでファーストプリントスピードが短縮される。
【0125】
また、図13に示す画像形成装置では、書込ユニット200の左に位置する作像装置Dと、書込ユニット200の右に位置する作像装置Eとでは、各構成部材が上下逆の配置になってしまう。このため、書込ユニット200の左右に配置された現像装置2Y,2M、2Cと現像装置2R,2G,2B、クリーニング装置6Y,6M、6Cと、クリーニング装置6R,6G,6Bでは、作用する重力の方向が逆となる。このため、各ユニットの部品や筐体を共通化できないこととなる。
【0126】
これに対して、本実施例は、作像装置を鉛直方向に配列し、第二中間転写体50を配置することにより、書込ユニット200の左右に画像形成装置の構成は略左右対称となるために、共通化できる作像ユニットの部品や筐体が多くなり、コストダウンおよび生産の点から環境負荷低減を図ることができる。
【0127】
また、本例では作像装置を鉛直方向に沿って配列しているので、作像体の下方向位置に光路が位置することがないため、防塵レンズを汚れにくく、遮光による白スジなどの異常画像が起こりにくい。
【0128】
なお、本実施例では、Kトナー像を直接転写させる方式を記載したが、Y、M、CとKを直列に配置して、全色中間転写方式とする形態でも良い。図14は第5の実施例の変形例に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。本例では、書込ユニット200の右側に配置した中間転写ベルト4aには、イエロー(Y)、マゼンタ(M),シアン(C)の作像装置の下側にブラック(K)の作像装置を配置して、ブラックのトナー像を中間転写ベルト4aに転写するようにしている。
【符号の説明】
【0129】
1Y,1M,1C 感光体
1B,1G,1R 感光体
1K,1C 感光体
2Y,2M、2C 現像装置
2B,2G,2R、現像装置
2K 現像装置
4a,4b 中間転写ベルト
10Y,10M,10C 画像形成ユニット
10R,10G,10B 画像形成ユニット
100 画像形成装置
101 ポリゴンミラー
104 反射ミラー
102A,102B f−θレンズ
108 LD光源
200 書込ユニット
【先行技術文献】
【特許文献】
【0130】
【特許文献1】特開2005−157314号公報
【特許文献2】特開2007−057774号公報
【特許文献3】特開2005−148268号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体にトナー像を転写する2つ以上の中間転写体と、
書込装置により潜像が書き込まれる3つ以上の感光体と、を備えてなり、
前記感光体は、各中間転写体にそれぞれ1つ以上が当接又は近接して配置される中間転写体用感光体と、中間転写体を経ずに前記記録媒体に直接転写する少なくとも1つの記録媒体用感光体からなり、
全ての感光体に潜像を形成する1台の書込装置を備え、
前記中間転写体のうち少なくとも2つの中間転写体は前記書込装置を挟んで配置されると共に前記中間転写体用感光体は、各々の中間転写体の書込装置側に配置され、
前記録媒体用感光体は、前記書込装置に対して前記2つの中間転写体の配置方向とは異なる方向に配置されており、
前記書込装置は、少なくとも3つ以上の方向に感光体への書込光が射出され、前記3つ以上の方向のうち2つ方向に向け射出された書込光は前記中間転写体用感光体に射出され、前記3つ以上の方向のうち1つの方向に射出された書込光は前記記録媒体用に射出されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記書込装置は、書込光を反射して感光体上を走査するポリゴンミラーを備え、
前記ポリゴンミラーから反射ミラーを経ずに射出され、対応する感光体に直接入射する少なくとも1つの直接書込光を射出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記直接書込光以外の書込光を対応する感光体に導く反射体と
前記反射体の位置補正を行い、前記直進書込光による感光体の画像形成位置を基準にして、他の感光体の画像形成位置を直接書込光による感光体の画像形成位置にそろえる補正機構と、
前記補正機構を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記書込装置は、前記2組の中間転写体用感光体に共通の射出光を発する1台の光源と、
前記光源からの射出光の方向を切り換える切換機構と、
前記切換機構の切換制御を行う切換制御手段と、を備え、
前記1台の光源が共通して射出光を発する中間転写体のうち、用紙搬送方向上流側に位置する中間転写体と、この中間転写体に配置された感光体との当接点T1Aからこの中間転写体と記録媒体との当接点T2Aまでの距離をLa、
用紙搬送方向下流側に位置する中間転写体と、この中間転写体に配置された感光体との当接点T1Bからこの中間転写体の記録媒体との当接点T2Bまでの距離をLb、前記当接点T2Aと前記当接点T2Bの間の記録媒体搬送経路の距離をLab、紙の搬送方向の長さをLpとしたとき、
La+Lab>Lb+Lpを満たすものとし、
前記上流側の感光体への書込終了後に下流側の感光体の書込開始を行えるようで間に合うよう前記切換機構を切換制御することを特徴とする請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記切換機構は、回転させて反射面の向きを変える反射ミラーを備え、
前記切換制御手段は、前記反射ミラーの回転で前記2つの感光体への書込を切り換えることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記切換機構は、光源からの射出光を2つに分けこの2つに分けられた射出光をそれぞれ前記2つの感光体に導くハーフミラーと、ハーフミラーより下流に配置され2つの射出光をそれぞれ遮るシャッター機構とを備え
前記切換制御手段は、前記シャッター機構の開閉で感光体書込を切り換えることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記中間転写体にはそれぞれ2つ以上の中間転写体用感光体からなる感光体群が配置されており、
前記感光体群の各々で位置ずれ補正を行い、さらに前記感光体群及び記録媒体用感光体の間での位置ずれ補正を行う補正機構と、
前記補正機構の補正制御を行う補正制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項6までの何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記補正制御手段は、前記2群の感光体群の一方のみで位置ずれ補正を行った後、画像のずれ量が一定値より大きかった場合のみ、他方の感光体群の位置ずれ補正を行うことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記書込装置には、書込光が射出される射出窓が形成され、前記射出窓のうち書込装置の上側に配置された射出窓には射出窓の清掃機構を備えることを特徴とする請求項1から請求項8までの何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記2つの中間転写体には、それぞれの中間転写体を前記記録媒体の搬送を行う搬送装置から離間させる駆動機構を備えることを特徴とする請求項1から請求項10までの何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記記録媒体用感光体は、ブラックのトナー像を作成することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記2つの中間転写体で形成するトナーの色を使用頻度の高低により2分類して配置しておき、画像形成する入力画像が使用頻度の低いトナーを使用しない場合、前記使用頻度の低いナー像を作成する中間転写体を前記搬送装置から離間させることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナーを一方の中間転写体側に配置し、これらの3色を用いない色で構成される画像が入力した場合、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナーを配置した中間転写体を前記搬送装置から離間させる転写搬送装置に対して離間させることを特徴とする請求項10から請求項12までの何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
一方の中間転写体に作成するトナー像はレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)であることを特徴とする請求項10から請求項13までの何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)のトナー像を作成する中間転写体は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像を作成する中間転写体より上流側に配置されていることを特徴とする請求項10から請求項14までの何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項16】
少なくとも1つの中間転写体と、前記搬送装置との間には、それぞれに接する第2の中間転写体を介在させ、該第2の中間転写体を前記中間転写体および搬送装置と当接又は離間する駆動手段を配置したことを特徴とする請求項1から請求項15までの何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記中間転写体と前記第2の中間転写体とを当接又は離間する駆動手段を備えることを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記中間転写体と前記転写搬送体とを当接又は離間する駆動手段を備えることを特徴とする請求項17に記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記第2の中間転写体は、回転可能な円筒状部材であることを特徴とする請求項16から請求項18までの何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項20】
前記第2の中間転写体は、転動可能な無端ベルト状の部材であることを特徴とする請求項16から請求項18までの何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項21】
前記感光体、前記中間転写体、前記第2の中間転写体、及び前記搬送装置のうちの少なくとも1つのもの、又は、少なくとも2つの部材を組み合わせたものは、交換可能なカートリッジをなしていることを特徴とする請求項1から請求項20までの何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
記録媒体にトナー像を転写する2つ以上の中間転写体と、
書込装置により潜像が書き込まれる3つ以上の感光体と、を備えてなり、
前記感光体は、各中間転写体にそれぞれ1つ以上が当接又は近接して配置される中間転写体用感光体と、中間転写体を経ずに前記記録媒体に直接転写する少なくとも1つの記録媒体用感光体からなり、
全ての感光体に潜像を形成する1台の書込装置を備え、
前記中間転写体のうち少なくとも2つの中間転写体は前記書込装置を挟んで配置されると共に前記中間転写体用感光体は、各々の中間転写体の書込装置側に配置され、
前記録媒体用感光体は、前記書込装置に対して前記2つの中間転写体の配置方向とは異なる方向に配置されており、
前記書込装置は、少なくとも3つ以上の方向に感光体への書込光が射出され、前記3つ以上の方向のうち2つ方向に向け射出された書込光は前記中間転写体用感光体に射出され、前記3つ以上の方向のうち1つの方向に射出された書込光は前記記録媒体用に射出されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記書込装置は、書込光を反射して感光体上を走査するポリゴンミラーを備え、
前記ポリゴンミラーから反射ミラーを経ずに射出され、対応する感光体に直接入射する少なくとも1つの直接書込光を射出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記直接書込光以外の書込光を対応する感光体に導く反射体と
前記反射体の位置補正を行い、前記直進書込光による感光体の画像形成位置を基準にして、他の感光体の画像形成位置を直接書込光による感光体の画像形成位置にそろえる補正機構と、
前記補正機構を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記書込装置は、前記2組の中間転写体用感光体に共通の射出光を発する1台の光源と、
前記光源からの射出光の方向を切り換える切換機構と、
前記切換機構の切換制御を行う切換制御手段と、を備え、
前記1台の光源が共通して射出光を発する中間転写体のうち、用紙搬送方向上流側に位置する中間転写体と、この中間転写体に配置された感光体との当接点T1Aからこの中間転写体と記録媒体との当接点T2Aまでの距離をLa、
用紙搬送方向下流側に位置する中間転写体と、この中間転写体に配置された感光体との当接点T1Bからこの中間転写体の記録媒体との当接点T2Bまでの距離をLb、前記当接点T2Aと前記当接点T2Bの間の記録媒体搬送経路の距離をLab、紙の搬送方向の長さをLpとしたとき、
La+Lab>Lb+Lpを満たすものとし、
前記上流側の感光体への書込終了後に下流側の感光体の書込開始を行えるようで間に合うよう前記切換機構を切換制御することを特徴とする請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記切換機構は、回転させて反射面の向きを変える反射ミラーを備え、
前記切換制御手段は、前記反射ミラーの回転で前記2つの感光体への書込を切り換えることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記切換機構は、光源からの射出光を2つに分けこの2つに分けられた射出光をそれぞれ前記2つの感光体に導くハーフミラーと、ハーフミラーより下流に配置され2つの射出光をそれぞれ遮るシャッター機構とを備え
前記切換制御手段は、前記シャッター機構の開閉で感光体書込を切り換えることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記中間転写体にはそれぞれ2つ以上の中間転写体用感光体からなる感光体群が配置されており、
前記感光体群の各々で位置ずれ補正を行い、さらに前記感光体群及び記録媒体用感光体の間での位置ずれ補正を行う補正機構と、
前記補正機構の補正制御を行う補正制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項6までの何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記補正制御手段は、前記2群の感光体群の一方のみで位置ずれ補正を行った後、画像のずれ量が一定値より大きかった場合のみ、他方の感光体群の位置ずれ補正を行うことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記書込装置には、書込光が射出される射出窓が形成され、前記射出窓のうち書込装置の上側に配置された射出窓には射出窓の清掃機構を備えることを特徴とする請求項1から請求項8までの何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記2つの中間転写体には、それぞれの中間転写体を前記記録媒体の搬送を行う搬送装置から離間させる駆動機構を備えることを特徴とする請求項1から請求項10までの何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記記録媒体用感光体は、ブラックのトナー像を作成することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記2つの中間転写体で形成するトナーの色を使用頻度の高低により2分類して配置しておき、画像形成する入力画像が使用頻度の低いトナーを使用しない場合、前記使用頻度の低いナー像を作成する中間転写体を前記搬送装置から離間させることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナーを一方の中間転写体側に配置し、これらの3色を用いない色で構成される画像が入力した場合、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナーを配置した中間転写体を前記搬送装置から離間させる転写搬送装置に対して離間させることを特徴とする請求項10から請求項12までの何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
一方の中間転写体に作成するトナー像はレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)であることを特徴とする請求項10から請求項13までの何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)のトナー像を作成する中間転写体は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像を作成する中間転写体より上流側に配置されていることを特徴とする請求項10から請求項14までの何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項16】
少なくとも1つの中間転写体と、前記搬送装置との間には、それぞれに接する第2の中間転写体を介在させ、該第2の中間転写体を前記中間転写体および搬送装置と当接又は離間する駆動手段を配置したことを特徴とする請求項1から請求項15までの何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記中間転写体と前記第2の中間転写体とを当接又は離間する駆動手段を備えることを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記中間転写体と前記転写搬送体とを当接又は離間する駆動手段を備えることを特徴とする請求項17に記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記第2の中間転写体は、回転可能な円筒状部材であることを特徴とする請求項16から請求項18までの何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項20】
前記第2の中間転写体は、転動可能な無端ベルト状の部材であることを特徴とする請求項16から請求項18までの何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項21】
前記感光体、前記中間転写体、前記第2の中間転写体、及び前記搬送装置のうちの少なくとも1つのもの、又は、少なくとも2つの部材を組み合わせたものは、交換可能なカートリッジをなしていることを特徴とする請求項1から請求項20までの何れか一項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−197111(P2011−197111A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−61241(P2010−61241)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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