説明

画像形成装置

【課題】 像担持体を備えた複数のイメージングユニットと、中間転写ベルトを備えた転写ユニットとを画像形成装置内に着脱可能に装着させるあたり、これらの位置決めが低コストで簡単且つ適切に行えると共に、これらの着脱も容易に行えるようにする。
【解決手段】 トナー像を保持して回転駆動される像担持体11を有する複数のイメージングユニット10A〜10Dと、回転ローラ22に架け渡されて回転駆動される中間転写ベルト21を有する転写ユニット20とを装置本体1内に着脱可能に装着させる画像形成装置において、転写ユニットを位置決めさせる転写ユニット位置決め部31a,31bと各イメージングユニットを位置決めさせるイメージングユニット位置決め部32とが設けられて同一形状になった一対の位置決め部材30A,30Bを装置本体内に所要間隔を介して装着させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機やプリンター等の画像形成装置に係り、特に、トナー像を保持して回転駆動される像担持体を有する複数のイメージングユニットが装置本体内に着脱可能に装着されると共に、回転ローラに架け渡されて回転駆動される無端状の中間転写ベルトに各イメージングユニットにおける像担持体に保持されたトナー像が転写される転写ユニットが装置本体内に着脱可能に装着されてなる画像形成装置において、複数のイメージングユニットと転写ユニットとの位置決めが低コストで簡単且つ適切に行えると共に、イメージングユニットや転写ユニットの着脱が容易に行えるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンター等の画像形成装置としては、従来から様々な種類のものが使用されている。
【0003】
そして、近年においては、フルカラーの画像形成を行う画像形成装置として、複数の像担持体にそれぞれ色彩の異なるトナー像を形成し、各像担持体に形成されたトナー像を中間転写ベルトに転写させて、この中間転写ベルト上にフルカラーのトナー像を形成し、このように中間転写ベルト上に形成されたフルカラーのトナー像を記録紙などに転写させるようにしたものが用いられている。
【0004】
また、上記のような画像形成装置においては、上記の各像担持体や中間転写ベルトを画像形成装置内に簡単にセットできるようにすると共に、これらを交換する作業も簡単に行えるようにするために、上記の中間転写ベルトや像担持体をそれぞれユニット化させることが行われるようになった。
【0005】
そして、特許文献1に示されるように、トナー像を保持して回転駆動される像担持体を有する複数のイメージングユニットを装置本体内に着脱可能に装着させると共に、回転ローラに架け渡されて回転駆動される無端状の中間転写ベルトに各イメージングユニットにおける像担持体に保持されたトナー像が転写される転写ユニットを装置本体内に着脱可能に装着させるようにした画像形成装置が提案されている。
【0006】
ここで、上記のような転写ユニットとイメージングユニットとを用いた画像形成装置においては、上記の転写ユニットとイメージングユニットとをそれぞれ画像形成装置内にセットさせるにあたり、転写ユニットとイメージングユニットとを、この画像形成装置内に設けられたそれぞれの装着部に装着させるようにしている。
【0007】
しかし、上記のように転写ユニットやイメージングユニットを画像形成装置内に設けられたそれぞれの装着部に装着させるようにした場合、それぞれの装着位置に少しのずれが生じるだけであっても、転写ユニットに設けられた中間転写ベルトとイメージングユニットに設けられた像担持体との間の位置関係がずれてしまい、良好な画像形成が行えなくなるという問題があった。
【0008】
また、上記のように画像形成装置内に転写ユニットとイメージングユニットとを装着させる装着部をそれぞれ別個に設けると、コストが高くつくと共に、装置が大型化するという問題もあった。
【0009】
また、従来においては、特許文献2に示されるように、感光体ドラムを支持フレームに支持する位置決めブロックと、この位置決めブロックに設けられるガイド孔部と、転写ローラを支持する転写ローラ支持部材と、この転写ローラ支持部材に設けられ位置決めブロックのガイド孔部に係合することにより感光体ドラム軸心に対する転写ローラ軸心の位置を決めるガイドピンとを具備した転写ベルト及び接触転写器を用い、感光体ニップ幅と転写ニップ幅のセンタ位置のずれを矯正して転写ムラを改善するようにした画像形成装置も提案されている。
【0010】
しかし、この画像形成装置においても、像担持体を有する複数のイメージングユニットを用いた場合には、数多くの部品が必要になると共に、これらを設けるスペースも必要になり、コストが高くつくと共に、装置が大型化するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2001−356546号公報
【特許文献2】特開平11−194629号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
この発明は、トナー像を保持して回転駆動される像担持体を有する複数のイメージングユニットが装置本体内に着脱可能に装着されると共に、回転ローラに架け渡されて回転駆動される無端状の中間転写ベルトに各イメージングユニットにおける像担持体に保持されたトナー像が転写される転写ユニットが装置本体内に着脱可能に装着された画像形成装置における上記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0013】
すなわち、この発明においては、上記のような画像形成装置において、複数のイメージングユニットと転写ユニットとの位置決めが低コストで簡単且つ適切に行えると共に、イメージングユニットや転写ユニットの着脱が容易に行えるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明においては、上記のような課題を解決するため、トナー像を保持して回転駆動される像担持体を有する複数のイメージングユニットが装置本体内に着脱可能に装着されると共に、回転ローラに架け渡されて回転駆動される無端状の中間転写ベルトに上記のイメージングユニットにおける像担持体に保持されたトナー像が転写される転写ユニットが装置本体内に着脱可能に装着されてなる画像形成装置において、上記の転写ユニットを位置決めさせる転写ユニット位置決め部と各イメージングユニットを位置決めさせる複数のイメージングユニット位置決め部とが設けられて同一形状になった一対の位置決め部材を、装置本体内に所要間隔を介して装着させるようにした。
【0015】
ここで、上記のように装置本体内に所要間隔を介して装着させた一対の位置決め部材により、上記のイメージングユニットや転写ユニットを、装置本体内に位置決めして着脱可能に装着させるにあたっては、イメージングユニットを一対の位置決め部材に対して交差する方向に挿入させて、一対の位置決め部材により位置決めさせるようにし、また転写ユニットを一対の位置決め部材に沿った方向に挿入させて、一対の位置決め部材により位置決めさせるようにすることができる。
【0016】
また、上記の位置決め部材としては、細長の板材で構成され、上記の転写ユニット位置決め部として、位置決め部材の長手方向一端側に上記の転写ユニットにおける回転ローラの回転軸を回転可能に係止させる係止凹部が設けられると共に、上記のイメージングユニット位置決め部として、上記のイメージングユニットにおける像担持体を回転可能に保持する保持部材と係合する係合部が位置決め部材の長手方向に所要間隔を介して複数設けられたものを用いることができる。
【0017】
また、このような位置決め部材において、転写ユニットにおける回転ローラの回転軸を回転可能に係止させる係止凹部を上下方向に所要間隔を介して複数設けると共に、イメージングユニットにおける像担持体を回転可能に保持する保持部材と係合する係合部を位置決め部材の下部側においてテーパー状に収縮した形状に形成することができる。
【0018】
そして、この位置決め部材によりイメージングユニットや転写ユニットを位置決めさせるにあたっては、上記のイメージングユニットを挿入させる方向の奥側における位置決め部材よりも手前側における位置決め部材の位置を上方にずらせた状態で、この一対の位置決め部材を装置本体内に装着させ、上記の転写ユニットにおける回転ローラの回転軸を、奥側における位置決め部材と手前側における位置決め部材とにおいて高さが一致した位置におけるそれぞれの係止凹部に係止させて、上記の回転ローラを水平に保持させる共に、上記の像担持体を回転可能に保持する保持部材に、上記の各位置決め部材に設けられたテーパー状に収縮した形状に形成された係合部に係合される位置を調整する調整手段を設け、像担持体を水平に保持させるようにすることが好ましい。
【0019】
また、上記の各位置決め部における係止凹部を転写ユニットの挿入方向の手前側に設けると共に、転写ユニットにおける回転ローラの回転軸を、転写ユニットより側方に突出した位置で上記の係止凹部に回転可能に係止させるようにすることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
この発明においては、トナー像を保持して回転駆動される像担持体を有する複数のイメージングユニットと回転ローラに架け渡されて回転駆動される無端状の中間転写ベルトに上記のイメージングユニットにおける像担持体に保持されたトナー像が転写される転写ユニットとを装置本体内に着脱可能に装着させるにあたり、転写ユニット位置決め部と複数のイメージングユニット位置決め部が設けられて同一形状になった一対の位置決め部材を装置本体内に所要間隔を介して装着させ、この一対の位置決め部材における転写ユニット位置決め部により上記の転写ユニットを位置決めさせると共に、複数のイメージングユニット位置決め部により各イメージングユニットを位置決めさせるようにしている。
【0021】
このようにすると、転写ユニットと各イメージングユニットとを、同じ形状になった一種類の位置決め部材を用いて、装置本体内の所定位置に適切に位置決めさせて着脱可能に装着させることができるようになり、転写ユニットと各イメージングユニットとを低コストで簡単且つ適切に装置本体内に装着させることができるようになると共に、装置が大型化するということもない。
【0022】
また、上記の位置決め部材において、転写ユニットにおける回転ローラの回転軸を回転可能に係止させる係止凹部を上下方向に所要間隔を介して複数設けると共に、イメージングユニットにおける像担持体を回転可能に保持する保持部材と係合する係合部を位置決め部材の下部側においてテーパー状に収縮した形状に形成した場合、イメージングユニットを挿入させる方向の奥側における位置決め部材よりも手前側における位置決め部材の位置を上方にずらせた状態で、この一対の位置決め部材を装置本体内に装着させ、上記の転写ユニットにおける回転ローラの回転軸を、奥側における位置決め部材と手前側における位置決め部材とにおいて高さが一致した位置におけるそれぞれの係止凹部に係止させて、上記の回転ローラを水平に保持させる共に、上記の像担持体を回転可能に保持する保持部材に、上記の各位置決め部材に設けられたテーパー状に収縮した形状に形成された係合部に係合される位置を調整する調整手段を設け、像担持体を水平に保持させることができる。
【0023】
このようにすると、イメージングユニットを挿入させる方向の奥側における位置決め部材よりも手前側における位置決め部材の位置を上方にずらせた状態であっても、転写ユニットにおける回転ローラや、各イメージングユニットにおける像担持体が水平に保持された状態になって、転写ユニットと各イメージングユニットが適切に位置決めされるようになる。また、上記のように奥側における位置決め部材よりも手前側における位置決め部材が上方にずれて位置するため、各イメージングユニットを一対の位置決め部材に対して交差する方向に挿入させたり、引き出したりして、各イメージングユニットを装置本体内に装着させたり、装置本体内から取り出したりする際に、手前側における位置決め部材が邪魔になるということがなく、各イメージングユニットを装置本体内に着脱させる作業が容易に行えるようになる。
【0024】
また、上記の各位置決め部における係止凹部を転写ユニットの挿入方向の手前側に設けると共に、転写ユニットにおける回転ローラの回転軸を、転写ユニットより側方に突出した位置で上記の係止凹部に回転可能に係止させるようにすると、転写ユニットを一対の位置決め部材に沿った方向に挿入させたり、引き出したりして、転写ユニットを装置本体内に装着させたり、転写ユニットを装置本体内から取り出したりする際に、転写ユニットが一対の位置決め部材に衝突して傷ついたりするのが防止されて、転写ユニットを装置本体内に着脱させる作業が容易に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置によって画像形成を行う状態を示した概略説明図である。
【図2】上記の実施形態の画像形成装置において、装置本体内に設ける同一形状になった一対の位置決め部材を示した概略斜視図である。
【図3】上記の実施形態の画像形成装置において、上記の一対の位置決め部材を装置本体内に装着させるにあたり、一対の位置決め部材の位置を上下方向にずらせ、所要間隔を介して対向するように配置させた状態を示した概略斜視図である。
【図4】上記の実施形態の画像形成装置において、各イメージングユニットと転写ユニットとを上記の一対の位置決め部材の間に位置決めさせて装着させた状態を、イメージングユニットの挿入方向手前側から示した概略斜視図である。
【図5】上記の実施形態の画像形成装置において、各イメージングユニットと転写ユニットとを上記の一対の位置決め部材の間に位置決めさせて装着させた状態を、イメージングユニットの挿入方向奥側から示した概略斜視図である。
【図6】上記の実施形態の画像形成装置において、転写ユニットを上記の一対の位置決め部材の間に位置決めさせて装着させた状態を示した概略平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、この発明の実施形態に係る画像形成装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、この発明に係る画像形成装置は、下記の実施形態に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0027】
この実施形態の画像形成装置においては、図1に示すように、その装置本体1内に、4つのイメージングユニット10A〜10Dと、転写ユニット20とを着脱自在に装着させるようにしている。
【0028】
ここで、上記の各イメージングユニット10A〜10Dにおいては、トナー像を保持して回転駆動される像担持体として、回転軸11aを中心に回転するドラム状の感光体11を設けると共に、この感光体11の表面を帯電させる帯電ローラからなる帯電部材12と、帯電された感光体11の表面に画像情報に応じた露光を行って感光体11の表面に静電潜像を形成する露光装置13と、上記の感光体11の表面に形成された静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置14と、上記の感光体11の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト21に転写させた後の感光体11の表面に残留するトナー等の残留物を除去する第1クリーニング装置15を設けている。
【0029】
そして、上記の各イメージングユニット10A〜10Dにおける各現像装置14においては、黒色,黄色,マゼンダ色,シアン色の異なった色彩のトナーを収容させている。
【0030】
また、転写ユニット20においては、無端状の中間転写ベルト21を一対の回転ローラ22,23に架け渡すように設け、回転する一方の回転ローラ22によりこの中間転写ベルト21を回転駆動させるようにすると共に、この中間転写ベルト21の内周側において、上記のイメージングユニット10A〜10Dにおける各感光体11と中間転写ベルト21を介して対向するようにして4つの一次転写ローラ24を設けている。
【0031】
そして、この実施形態に係る画像形成装置において、フルカラーの画像形成を行うにあたっては、上記の各イメージングユニット10A〜10Dにおける各感光体11の表面をそれぞれ上記の帯電部材12によって帯電させ、このように帯電された各感光体11の表面にそれぞれ露光装置13により、それぞれの画像情報に応じた露光を行って各感光体11の表面に静電潜像を形成するようにしている。
【0032】
そして、このように静電潜像が形成された各感光体11に対して、それぞれ対応する現像装置14からそれぞれの色彩のトナーを供給し、各イメージングユニット10A〜10Dにおける各感光体11の表面にそれぞれの色彩のトナー像を形成するようにしている。
【0033】
次いで、このように各イメージングユニット10A〜10Dにおける各感光体11の表面に形成された各色彩のトナー像を、回転ローラ22,23に架け渡されて回転移動される中間転写ベルト21の表面に、各感光体11と対向するようにしてこの中間転写ベルト21の内周側に設けられた各一次転写ローラ24により順々に転写させて、この中間転写ベルト21の表面にフルカラーのトナー像を形成するようにしている。
【0034】
そして、このようにフルカラーのトナー像を中間転写ベルト21に転写させた後における各感光体11の表面に残留するトナー等の残留物をそれぞれ第1クリーニング装置16によって各感光体11の表面から除去するようにしている。
【0035】
一方、上記のように中間転写ベルト21の表面に形成されたフルカラーのトナー像を、上記の一方の回転ローラ22と2次転写ローラ2とが対向する転写部に導くと共に、記録媒体Sを給紙ローラ3により給紙し、この記録媒体Sをタイミングローラ4によって適当なタイミングで上記の回転ローラ22と転写ローラ2とが対向する転写部に導き、中間転写ベルト21の表面におけるフルカラーのトナー像を記録媒体Sに転写させるようにしている。
【0036】
次いで、このようにフルカラーのトナー像が転写された記録媒体Sを一対の定着ローラ6,6が設けられた定着部に導き、この一対の定着ローラ6,6間において、上記のフルカラーのトナー像を記録媒体Sに定着させた後、この記録媒体Sを排紙ローラ7により排紙させるようにしている。
【0037】
また、上記のように中間転写ベルト21の表面に形成されたフルカラーのトナー像を記録媒体Sに転写させた後、この中間転写ベルト21の表面に残ったトナー等の残留物を第2クリーニング装置8により中間転写ベルト21から除去するようにしている。
【0038】
ここで、この実施形態の画像形成装置において、上記の各イメージングユニット10A〜10Dを装置本体1内に着脱可能に装着させるにあたっては、装置本体1の正面側に設けた正面扉(図示せず)を開き、各イメージングユニット10A〜10Dを、装置本体1の正面側から上記の中間転写ベルト21の移動方向に対して交差する方向に装置本体1内に挿入し、またこのように装置本体1内に挿入された各イメージングユニット10A〜10Dを装置本体1内から引き出すようにしている。
【0039】
また、上記の転写ユニット20を装置本体1内に着脱可能に装着させるにあたっては、図1に示すように、装置本体1の側面部に2次転写ローラ2を保持した側面扉9を設け、この側面扉9を開け、転写ユニット20を上記の2次転写ローラ2側から中間転写ベルト21の移動方向に沿って装置本体1内に挿入し、またこのように装置本体1内に挿入された転写ユニット20を装置本体1内から引き出すようにしている。
【0040】
そして、上記の各イメージングユニット10A〜10Dと転写ユニット20とを装置本体1内の所定位置に位置決めしてセットするにあたり、この実施形態の画像形成装置においては、図2に示すように、細長の板材で構成されて同一形状になった一対の位置決め部材30A,30Bを用いるようにしている。
【0041】
ここで、この一対の位置決め部材30A,30Bにおいては、上記の転写ユニット20を位置決めする転写ユニット位置決め部として、各位置決め部材30A,30Bの長手方向一端側に、転写ユニット20における回転ローラ22の回転軸22aを回転可能に係止させる2つの係止凹部31a,31bが上下方向に所要間隔を介して設けられ、またイメージングユニット位置決め部として、各イメージングユニット10A〜10Dにおける感光体11の回転軸11aの両端部を回転可能に保持する両側の保持部材16a,16bと係合する係合部32が、各位置決め部材30A,30Bの下部側において、その長手方向に所要間隔を介してそれぞれ4つ設けられており、上記の各係合部32は、それぞれ上方に向かってテーパー状に収縮した山形状に形成されている。
【0042】
ここで、上記の一対の位置決め部材30A,30Bにより、上記の各イメージングユニット10A〜10Dと転写ユニット20とを装置本体1内の所定位置に位置決めしてセットするにあたっては、図3に示すように、各イメージングユニット10A〜10Dを挿入させる方向の奥側における位置決め部材30Bよりも手前側における位置決め部材30Aの位置を上方にずらせ、手前側の位置決め部材30Aに設けられた下側の係止凹部31bと、奥側の位置決め部材30Bに設けられた上側の係止凹部31aとが同じ高さになるようにして、この一対の位置決め部材30A,30Bを、各イメージングユニット10A〜10Dを挿入させる方向に所要間隔を介して対向するようにして、装置本体1内の所定位置に装着させるようにしている。
【0043】
また、このように装置本体1内に装着された一対の位置決め部材30A,30Bに対して、上記の各イメージングユニット10A〜10Dを、装置本体1の正面側から中間転写ベルト21の移動方向に対して交差する方向に装置本体1内に挿入させて位置決めするにあたっては、図4及び図5に示すように、それぞれの感光体11の回転軸11aの両端部を回転可能に保持する保持部材16a,16bにおいて、イメージングユニット10A〜10Dを挿入させる挿入方向奥側における保持部材16bとして、感光体11の回転軸11aを回転可能に保持する軸受け部材16bを用いる一方、イメージングユニット10A〜10Dを挿入させる挿入方向手前側における保持部材16aとして、感光体11の回転軸11aを回転可能に保持するアース板付軸受け部材16aを設けるようにしている。
【0044】
そして、イメージングユニット10A〜10Dを挿入させる挿入方向奥側における感光体11の回転軸11aに設けられた軸受け部材16bを、イメージングユニット10A〜10Dの挿入方向奥側に位置する位置決め部材30Bに設けられた係合部32に係合させると共に、イメージングユニット10A〜10Dを挿入させる挿入方向手前側における感光体11の回転軸11aに設けられたアース板付軸受け部材16aを、イメージングユニット10A〜10Dの挿入方向手前側に位置する位置決め部材30Aに設けられた係合部32に係合させて、各イメージングユニット10A〜10Dにおける各感光体11が水平に保持された状態で位置決めされるようにしている。
【0045】
このようにして各イメージングユニット10A〜10Dを一対の位置決め部材30A,30Bの間に導いて位置決めするようにした場合、イメージングユニット10A〜10Dを挿入させる挿入方向手前側における位置決め部材30Aが上方にずれた状態になっているため、各イメージングユニット10A〜10Dを一対の位置決め部材30A,30Bに対して交差する方向に挿入させて、各イメージングユニット10A〜10Dを装置本体1内に装着させたり、各イメージングユニット10A〜10Dを一対の位置決め部材30A,30Bに対して交差する方向に引き出して、各イメージングユニット10A〜10Dを装置本体1内から取り出したりする際に、手前側における位置決め部材30Aが邪魔になるということがなく、各イメージングユニット10A〜10Dを装置本体1内に着脱させる作業が容易に行えるようになる。
【0046】
また、上記のように装置本体1内に装着された一対の位置決め部材30A,30Bに対して、上記の転写ユニット20を2次転写ローラ2側から中間転写ベルト21の移動方向に沿って装置本体1内に挿入させて位置決めするにあたっては、図4〜図6に示すように、2次転写ローラ2と対向する上記の回転ローラ22側に設けられた把持部25を持って、この転写ユニット20を上記の回転ローラ22と反対側における回転ローラ23側からガイド部材(図示せず)により一対の位置決め部材30A,30Bに沿って装置本体1内に挿入させるようにする。
【0047】
そして、2次転写ローラ2と対向する上記の回転ローラ22の回転軸22aを転写ユニット20より側方に突出させ、このように突出された回転軸22aの一端側を、イメージングユニット10A〜10Dの挿入方向奥側に位置する位置決め部材30Bに設けられた上側の係止凹部31aに係止させる一方、上記の回転ローラ22の回転軸22aの他端側を、イメージングユニット10A〜10Dの挿入方向手前側に位置する位置決め部材30Aに設けられた下側に位置する係止凹部31bに係止させ、上記の回転ローラ22を一対の位置決め部材30A,30B間において水平に保持させて、転写ユニット20が水平に保持された状態に位置決めされるようにしている。
【0048】
このように転写ユニット20より側方に突出された回転軸22aの両側の端部を、それぞれの位置決め部材30A,30Bに係止させて位置決めするようにした場合、回転軸22aの両側の端部が位置決め部材30A,30Bに接触するだけであるため、転写ユニット20を2次転写ローラ2側から中間転写ベルト21の移動方向に沿って装置本体1内に挿入させたり、装置本体1内から取り出したりする際に、転写ユニット20のその他の部分が位置決め部材30A,30Bに接触せず、転写ユニット20を装置本体1内に着脱させる作業が容易に行えるようになる。
【0049】
また、この実施形態においては、上記のようにイメージングユニット10A〜10Dを挿入させる方向の奥側における位置決め部材30Bよりも手前側における位置決め部材30Aの位置を上方にずらせた状態においても、各イメージングユニット10A〜10Dにおける各感光体11が水平に保持された状態で位置決めされると共に、転写ユニット20における回転ローラ22が一対の位置決め部材30A,30B間において水平に保持されて、転写ユニット20が水平に保持された状態で位置決めされるようになる。このため、上記のように各感光体11の表面に形成された各色彩のトナー像が、回転ローラ22,23に架け渡されて回転移動される中間転写ベルト21の表面に順々に適切に転写されるようになり、転写むら等の発生も抑制されて、良好なフルカラーの画像が得られるようになる。
【符号の説明】
【0050】
1 装置本体
2 2次転写ローラ
3 給紙ローラ
4 タイミングローラ
6 定着装置
7 排紙ローラ
8 第2クリーニング装置
9 側面扉
10A〜10D イメージングユニット
11 感光体(像担持体)
11a 回転軸
12 帯電部材
13 露光装置
14 現像装置
15 第1クリーニング装置
16a アース板付軸受け部材(保持部材)
16b 軸受け部材(保持部材)
20 転写ユニット
21 中間転写ベルト
22 回転ローラ
22a 回転軸
23 回転ローラ
24 一次転写ローラ
25 把持部
30A,30B 位置決め部材
31a,31b 係止凹部(転写ユニット位置決め部)
32 係合部(イメージングユニット位置決め部)
S 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を保持して回転駆動される像担持体を有する複数のイメージングユニットが装置本体内に着脱可能に装着されると共に、回転ローラに架け渡されて回転駆動される無端状の中間転写ベルトに各イメージングユニットにおける像担持体に保持されたトナー像が転写される転写ユニットが装置本体内に着脱可能に装着されてなる画像形成装置において、上記の転写ユニットを位置決めさせる転写ユニット位置決め部と各イメージングユニットを位置決めさせる複数のイメージングユニット位置決め部とが設けられて同一形状になった一対の位置決め部材が、装置本体内に所要間隔を介して装着されてなることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、上記のイメージングユニットが、装置本体内に所要間隔を介して装着された一対の位置決め部材に対して交差する方向に挿入されて、一対の位置決め部材により位置決めされることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置において、上記の転写ユニットが、装置本体内に所要間隔を介して装着された一対の位置決め部材に沿った方向に挿入されて、一対の位置決め部材により位置決めされることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の画像形成装置において、上記の位置決め部材が細長の板材で構成されてなり、上記の転写ユニット位置決め部として、位置決め部材の長手方向一端側に上記の転写ユニットにおける回転ローラの回転軸を回転可能に係止させる係止凹部が設けられると共に、上記のイメージングユニット位置決め部として、上記のイメージングユニットにおける像担持体を回転可能に保持する保持部材と係合する係合部が位置決め部材の長手方向に所要間隔を介して複数設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において、上記の位置決め部材に、転写ユニットにおける回転ローラの回転軸を回転可能に係止させる係止凹部が上下方向に所要間隔を介して複数設けられると共に、イメージングユニットにおける像担持体を回転可能に保持する保持部材と係合する係合部が位置決め部材の下部側においてテーパー状に収縮した形状に形成され、上記のイメージングユニットを挿入させる方向の奥側における位置決め部材よりも手前側における位置決め部材の位置を上方にずらせた状態で、この一対の位置決め部材が装置本体内に装着されてなり、上記の転写ユニットにおける回転ローラの回転軸が、奥側における位置決め部材と手前側における位置決め部材とにおいて高さが一致した位置におけるそれぞれの係止凹部に係止されて、上記の回転ローラが水平に保持される共に、上記の像担持体を回転可能に保持する保持部材が、上記の各位置決め部材に設けられたテーパー状に収縮した形状に形成された係合部に係合されて像担持体が水平に保持されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の画像形成装置において、上記の各位置決め部材における係止凹部が転写ユニットの挿入方向の手前側に設けられると共に、転写ユニットにおける回転ローラの回転軸が、転写ユニットより側方に突出した位置で上記の係止凹部に回転可能に係止されていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−8131(P2011−8131A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−153143(P2009−153143)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】