説明

画像形成装置

【課題】前段の画像形成ユニットに備わる給紙トレイより給紙した用紙に印刷処理を実行するパターンと、後段の画像形成ユニットに備わる給紙トレイより給紙した用紙に印刷処理を実行するパターンと、を切換えて印刷指示情報に基づく印刷処理を実行する際の、前段の画像形成ユニットの資材劣化を抑制すると共に、画像形成装置の消費電力を抑制する。
【解決手段】画像形成装置1において、タンデムシステム管理部190が、印刷指示情報に基づいて混在印刷処理を実行する場合、何枚目の印刷対象用紙まで片面印刷処理が完了したか等を表す片面印刷処理の実行状況に応じて、第1画像形成ユニット100の駆動状態や停止状態を切換えるタイミングを制御するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用紙の片面に印刷処理が可能な画像形成ユニットを直列に2台連結したタンデム構成の画像形成装置が知られている。当該画像形成装置によると、前段又は後段の何れかの画像形成ユニットによって用紙の片面にのみ印刷処理を行う片面印刷処理と、前段の画像形成ユニットで用紙の片面に印刷処理を行ったのち後段の画像形成ユニットで当該用紙の反対面に印刷処理を行うことで、用紙の両面に印刷処理を行う両面印刷処理と、が可能である。ただし、このような画像形成装置では、片面印刷処理を行う場合、前段の画像形成ユニットに備わる給紙トレイより給紙を行っていたため、片面印刷処理時でも前段の画像形成ユニットを動作させなければならず、前段の画像形成ユニットの不必要な資材劣化や電力の浪費が引き起こされていた。
【0003】
そこで、例えば、後段の画像形成ユニットに給紙トレイを備えたタンデム構成の画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1,特許文献2等参照)。当該特許文献1及び2記載の画像形成装置によると、片面印刷処理を行う場合、後段の画像形成ユニットに備わる給紙トレイより給紙が可能であるため、前段の画像形成ユニットを停止することができる。
【0004】
さらに、後段の画像形成ユニットに給紙トレイを備えた画像形成装置であって、両面印刷処理の実行中、任意のページ間にて片面印刷処理が実行可能で、片面印刷処理を行った用紙について両面印刷処理を行う用紙に適当な間隔をおいて合流させられるものが知られている(例えば、特許文献3等参照)。
【0005】
上記特許文献3記載の画像形成装置によると、両面印刷処理の実行中に片面印刷処理が実行可能なので、印刷ジョブ等の印刷指示情報中に、ある用紙に両面印刷処理を実行すべき指示と別の用紙に片面印刷処理を実行すべき指示とが混在(混在ジョブ)していても、後段の画像形成ユニットに備わる給紙トレイより給紙した用紙に対する印刷処理を実行するパターンと、前段の画像形成ユニットに備わる給紙トレイより給紙した用紙に対する印刷処理を実行するパターンと、を切換えて実行することで、双方の指示に対する印刷処理を一度に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−86455号公報
【特許文献2】特開2005−22243号公報
【特許文献3】特開平8−319051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献3に記載の画像形成装置によると、混在ジョブ等について、後段の画像形成ユニットに備わる給紙トレイより給紙した用紙に対する印刷処理を実行するパターンと、前段の画像形成ユニットに備わる給紙トレイより給紙した用紙に対する印刷処理を実行するパターンと、を切換えて実行する際の、前段の画像形成ユニットの動作状態(駆動した状態又は駆動を停止した状態)が考慮されていない。つまり、後段の画像形成ユニットに備わる給紙トレイより給紙した用紙に対する印刷処理を実行する場合であっても、常時前段の画像形成ユニットが駆動状態にあることで、前段の画像形成ユニットに依然不必要な資材劣化や電力の浪費が生ずるおそれがあった。
【0008】
そこで、本発明の課題は、前段の画像形成ユニットに備わる給紙トレイより給紙した用紙に印刷処理を実行するパターンと、後段の画像形成ユニットに備わる給紙トレイより給紙した用紙に印刷処理を実行するパターンと、を切換えて印刷指示情報に基づく印刷処理を実行する際の、前段の画像形成ユニットの動作を制御することにより、前段の画像形成ユニットの資材劣化を抑制すると共に、画像形成装置の消費電力を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、用紙の片面への印刷処理を実行する画像形成ユニットを前段と後段に直列に設け、用紙の片面又は両面への印刷処理が実行可能な画像形成装置であって、前記前段に連結された第1画像形成ユニットは用紙を給紙する第1給紙トレイを有し、前記後段に連結された第2画像形成ユニットは用紙を給紙する第2給紙トレイを有し、印刷対象用紙ごとに片面又は両面への印刷処理の実行を指示する印刷指示情報に基づいて、前記第1給紙トレイより給紙する用紙に対する印刷処理である第1印刷処理と、前記第2給紙トレイより給紙する用紙に対する印刷処理である第2印刷処理と、を切換えて実行する際、前記第2印刷処理の実行状況に応じて、前記第1画像形成ユニットの動作状態を制御する制御部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
したがって、本発明は、前段の画像形成ユニットに備わる給紙トレイより給紙した用紙に印刷処理を実行するパターンと、後段の画像形成ユニットに備わる給紙トレイより給紙した用紙に印刷処理を実行するパターンと、を切換えて印刷指示情報に基づく印刷処理を実行する際の、前段の画像形成ユニットの動作を制御することにより、前段の画像形成ユニットの資材劣化を抑制すると共に、画像形成装置の消費電力を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態1に係る画像形成装置の全体図である。
【図2】図1の画像形成装置において、後処理ユニットを省略した内部構成を模式的に示す図である。
【図3】図1の画像形成装置の制御構造を表すブロック図である。
【図4】印刷対象用紙が片面用紙のみの場合に、図2の画像形成装置内で印刷対象用紙が辿る経路及び印刷対象用紙の向きを説明するための図である。
【図5】印刷対象用紙が両面用紙のみの場合に、図2の画像形成装置内で印刷対象用紙が辿る経路及び印刷対象用紙の向きを説明するための図である。
【図6】印刷対象用紙に片面用紙と両面用紙とが含まれる場合に、図2の画像形成装置内で印刷対象用紙が辿る経路及び印刷対象用紙の向きを説明するための図である。
【図7】実施形態1に係る画像形成装置が混在印刷処理を実行する際の、第1画像形成ユニットと第2画像形成ユニットの動作状態と各印刷対象用紙の印刷処理に対する実行状況との計時変化を説明するためのタイムチャートである。
【図8】実施形態1に係る画像形成装置が混在印刷処理を実行する途中で、用紙なし状態が検出された場合の、第1画像形成ユニットと第2画像形成ユニットの動作状態と各印刷対象用紙の印刷処理に対する実行状況との計時変化を説明するためのタイムチャートである。
【図9】実施形態1に係る画像形成装置が混在印刷処理を実行する途中で、用紙なし状態が検出された場合の、図2の画像形成装置内で印刷対象用紙が辿る経路及び印刷対象用紙の向きを説明するための図である。
【図10】実施形態1に係る画像形成装置が実行する印刷処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】実施形態1に係る画像形成装置が実行する印刷処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】実施形態1に係る画像形成装置が実行する印刷処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】実施形態1に係る画像形成装置が実行する第1画像形成ユニット100の給紙タイミング設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】実施形態1に係る画像形成装置が実行する第2画像形成ユニット200の給紙タイミング設定処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本実施形態1に係る画像形成装置について、図1〜図14を参照して説明する。
【0013】
画像形成装置1は、複写機等であり、図1及び図2に示すように、給紙ユニット300と、前段の第1画像形成ユニット100と、後段の第2画像形成ユニット200と、後処理ユニット400と、が直列に接続されたタンデム形式の画像形成装置である。
そして、画像形成装置1は、給紙ユニット300,第1画像形成ユニット100,第2画像形成ユニット200に備わる給紙トレイより給紙された用紙に対して、第1画像形成ユニット100や第2画像形成ユニット200で印刷処理を行い、後処理ユニット400で所定の後処理を施して当該用紙を出力する。
【0014】
給紙ユニット300は、図2に示すように、給紙ユニットトレイ310と、給紙ユニットセンサ315と、搬送路T1と、を含んで構成される。
給紙ユニットトレイ310は、用紙の斤量やサイズ等に基づいて識別された規格用紙や特殊用紙を予め設定された種類ごとに収容する。そして、給紙ユニットトレイ310に収納された用紙は、搬送ローラによって搬送路T1を経由し、第1画像形成ユニット100に供給される。ここで、図2に示すように、給紙ユニットトレイ310(又は後述する第1画像形成ユニット100の第1給紙トレイ110)に備わる何れかのトレイより用紙の給紙が開始される位置をS1とする。
給紙ユニットセンサ315は、給紙ユニットトレイ310の各トレイにおける用紙の搬出位置近傍に設けられ、当該位置を用紙が通過した場合に検出信号を出力するセンサである。
【0015】
第1画像形成ユニット100は、図2に示すように、第1給紙トレイ110と、第1画像形成部120と、第1搬搬送路切換部130,131と、第1用紙検知センサ部135と、ADF(Auto Document Feeder)140と、スキャナ150と、表示操作部160と、搬送路T2,T3,T5,反転搬送路T4と、を含んで構成される。
【0016】
第1給紙トレイ110は、用紙の斤量やサイズ等に基づいて識別された規格用紙や特殊用紙を予め設定された種類ごとに収容する。そして、第1給紙トレイ110に収納された用紙は、搬送ローラによって搬送路T2から搬送路T3へと搬送される。
【0017】
第1画像形成部120は、用紙の片面に対して電子写真方式の画像形成を行う。当該第1画像形成部120は、感光体ドラム121a,現像ローラ121b,転写ローラ121cやレーザユニット等から構成される転写部121と、加熱ローラや加圧ローラ等から構成される定着部122と、を含む。第1画像形成部120は、入力される画像データに基づき感光体ドラム121aの周面にトナー像を形成する。そして、第1画像形成部120は、搬送路T1又は搬送路T2を介して搬送路T3へ搬送された用紙に、感光体ドラム121aに形成したトナー像を転写ローラ121cによって転写する。さらに、第1画像形成部120は、定着部122によって当該用紙に転写したトナー像を定着させることで、用紙に画像を形成する。
【0018】
搬送路切換部130は、搬送路T1を経由して搬送路切換部130へ搬入される用紙と、搬送路T2を経由して搬送路切換部130へ搬入される用紙と、の何れかの用紙が搬送路T3へ搬送されるように搬送路の切換えを行う。
搬送路切換部131は、搬送路T3を経由して搬送路切換部131へ搬入される用紙を、反転搬送路T4を経由して搬送路T5へ搬送するか、反転搬送路T4を経由せずに搬送路T5へ搬送するか、を切換える。ここで、用紙は、反転搬送路T4を経由した場合、反転搬送路T4によって表裏面が上下反転した状態で搬送路T5へ搬送される。勿論、反転搬送路T4に搬送された用紙を表裏面を反転した状態で、再度、転写部121に搬送して用紙の反対の面に画像を形成できるように構成されていても構わない。
【0019】
第1用紙検知センサ部135は、複数の第1用紙検知センサ135a,135bと、第1排紙センサ135pを含んで構成される。
第1用紙検知センサ135a,135b,第1排紙センサ135pは、第1画像形成ユニット100内の用紙の搬送路に沿った位置に設けられ、当該位置の近傍を用紙が通過した場合に検出信号を出力するセンサである。また、第1排紙センサ135pは、第1画像形成ユニット100の外部へと用紙が搬出される位置(第2画像形成ユニット200との境界部近傍)に設けられ、第1画像形成ユニット100から用紙が排紙される排紙状態を検出する。
【0020】
ADF140は、原稿載置用のトレイに積載される原稿を、最上部から順にスキャナ150へ自動搬送する。
スキャナ150は、ADF140により搬送された原稿の読取り処理を行う。具体的には、スキャナ150は、原稿を光源から出射した光で走査し、反射光をCCD(Charge Coupled Device)で結像して光電変換する。そして、スキャナ150は、光電変換によって読取った原稿より原稿画像を取得する。
【0021】
表示操作部160は、LCD(Liquid Crystal Display)と、LCDを覆うように設けられたタッチパネルと、各種操作キーや操作ボタン等の操作キー群と、等で構成される。表示操作部160は、後述するタンデムシステム管理部からの指示に従って、各種操作画面や各種処理結果をLCDに表示する。また、表示操作部160は、ユーザによりタッチパネルや操作キー群が操作されると、操作内容に応じた各種操作信号をタンデムシステム管理部へ出力する。
【0022】
第2画像形成ユニット200は、図2に示すように、第2給紙トレイ210と、第2画像形成部220と、第2搬送路切換部230,231と、第2用紙検知センサ部235と、搬送路T6,T7,T9、反転搬送路T8を含んで構成される。
ここで、第2給紙トレイ210は第1給紙トレイ110と、第2画像形成部220は第1画像形成部120と、第2搬送路切換部230,231は第1搬搬送路切換部130,131と、第2用紙検知センサ部235は第1用紙検知センサ部135と、搬送路T6,T7,T9は搬送路T2,T3,T5と、反転搬送路T8は反転搬送路T4と、それぞれ、同じ構成及び機能を有するため、説明を省略する。
なお、図2に示すように、第2画像形成部220において、感光体ドラム221aの周面に画像が書き込まれる書き込み位置をS2、感光体ドラム221aに形成されたトナー画像が転写ローラ221cによって用紙に転写される転写位置をS3、とする。
【0023】
後処理ユニット400は、搬送路T9を介して搬入される用紙について、必要に応じて所定の後処理を行う。後処理ユニット400が行う後処理には、例えば、ソート処理、断裁処理、穴あけ処理、ステープル処理などがある。そして、当該後処理ユニット400は、ユーザの所望する処理内容に応じて1又は複数台が直列に配設される。なお、後処理ユニット400に搬送された用紙は、当該後処理ユニット400に備わる排紙トレイ411(第1排紙トレイ)又はサブトレイ412(第2排紙トレイ)を介して排紙される。
【0024】
次に、図3に示すブロック図を参照して、画像形成装置1の機能的構成について説明する。
【0025】
画像形成装置1は、図3に示すように、給紙ユニット300と、第1画像形成ユニット100と、第2画像形成ユニット200と、後処理ユニット400と、を有しており、各ユニット間はシリアル通信などによりデータの送受信が可能なように構成される。
【0026】
給紙ユニット300は、給紙ユニット制御部320を含んで構成される。そして、給紙ユニット制御部320は、一の給紙ユニットトレイ310から用紙を搬出し、搬送路T1を介して第1画像形成ユニット100へ給紙する。
【0027】
第1画像形成ユニット100は、ADF制御部141と、スキャナ制御部151と、第1画像形成部120と、第1用紙搬送部132と、第1用紙検知センサ部135と、第1給紙トレイ制御部111と、第1コントロール部170と、第1状態管理部171と、第1画像処理部180と、タンデムシステム管理部190(制御部)と、を含んで構成される。
【0028】
ADF制御部141は、ADF140に原稿が載置された際に当該ADF140の駆動制御を行う。スキャナ制御部151は、スキャナ150による原稿画像の読取り制御を行う。第1給紙トレイ制御部111は、第1コントロール部170からの指示の下、一の第1給紙トレイ110から用紙を給紙する制御を行う。
第1用紙搬送部132は、第1コントロール部170からの指示の下、搬送路切換部130を介して、第1給紙トレイ110から給紙される用紙(搬送路T2を経由する用紙)又は給紙ユニット300から搬入される用紙(搬送路T1を経由する用紙)の何れかの用紙を搬送路T3へ搬送する制御を行う。また、当該第1用紙搬送部132は、搬送路切換部131を介して、搬送路T3を経由して搬送路切換部131へ搬入された用紙を、反転搬送路T4を経由して搬送路T5へ搬送するか、反転搬送路T4を経由せずに搬送路T5へ搬送するか、を切換える制御を行う。
【0029】
表示操作部160は、LCDと、LCDを覆うように設けられたタッチパネルと、各種操作キーや操作ボタン等の操作キー群と、等で構成される。表示操作部160は、タンデムシステム管理部190からの指示に従って、各種操作画面や各種処理結果をLCDに表示する。また、表示操作部160は、ユーザによりタッチパネルや操作キー群が操作されると、操作内容に応じた各種操作信号をタンデムシステム管理部190へ出力する。具体的には、表示操作部160は、ユーザがADF140に載置した原稿の印刷処理をタンデムシステム管理部190に実行させる指示操作を行うと、当該指示操作に基づく操作信号を印刷指示情報としてタンデムシステム管理部190へ出力する。
【0030】
第1コントロール部170は、第1状態管理部171から送信される指示信号に従って、ADF制御部141、スキャナ制御部151、第1給紙トレイ制御部111、第1画像形成部120、第1用紙搬送部132、第1検知センサ部135、などの駆動をコントロールする。
【0031】
第1状態管理部171は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を含んで構成される。そして、第1状態管理部171は、タンデムシステム管理部190から送信される指示信号に従って、CPUがROMに記憶された各種プログラムを読み出してRAMに展開し、その展開した各種プログラムを実行することで、第1画像形成ユニット100の動作全般を管理(制御)する。
【0032】
第1画像処理部180は、第1状態管理部171から送信される指示信号に従って、各種画像処理を実行し、印刷用の画像データを生成する。例えば、第1画像処理部180は、LAN(Local Area Network)等を介して第1画像形成ユニット100と接続されたPC(Personal Computer)などから送信される印刷ジョブに基づいてRIP(Raster Image Processer)処理等の画像処理を施し、印刷用の画像データを生成する。また、第1画像処理部180は、ユーザによる表示操作部160の操作を介してスキャナ150より読取った原稿画像に基づく印刷用の画像データを生成する。
そして、第1状態管理部171は、第1画像処理部180の生成した印刷用の画像データを第1コントロール部170へ送信し、当該画像データに基づく画像を用紙上に形成する。
【0033】
タンデムシステム管理部190は、CPU、RAM、ROMを含んで構成される。そして、タンデムシステム管理部190は、CPUがROMに記憶された各種プログラムを読み出してRAMに展開し、その展開した各種プログラムを実行することで、第1画像形成装置1の動作全般を制御する。つまり、タンデムシステム管理部190は、CPUが各種プログラムを実行する際、第1状態管理部171、第2画像形成ユニット200の第2状態管理部271、給紙ユニット300の給紙ユニット制御部320、後処理ユニット400の後処理ユニット制御部410、に対して各種の指示信号を送信することで、タンデムシステム内の各ユニットを統括制御する。
具体的には、タンデムシステム管理部190は、LANを介してPCから送信される印刷ジョブや、表示操作部160を介したユーザによる印刷処理の実行指示に基づく操作信号を、印刷指示情報として取得すると、当該印刷指示情報に基づく印刷処理を実行する。ここで、印刷指示情報には、印刷対象となる用紙(印刷対象用紙)ごとに片面印刷処理を施すべきか、両面印刷処理を施すべきか、等の指示に係る情報が含まれる。
なお、片面印刷処理(第2印刷処理)は、タンデムシステム管理部190の制御の下、第2画像形成ユニット200の第2給紙トレイ210より給紙された用紙(片面用紙)に対して、当該第2画像形成ユニット200が印刷処理を実行することを指す。また、両面印刷処理(第1印刷処理)は、タンデムシステム管理部190の制御の下、第1画像形成ユニット100の第1給紙トレイ110(又は給紙ユニット300の給紙ユニットトレイ310)より給紙された用紙(両面用紙)に対して、第1画像形成ユニット100及び第2画像形成ユニット200が各々用紙の片面に印刷処理を施すことを指す。ここで、片面印刷処理及び両面印刷処理の詳細は後述する。
【0034】
第2画像形成ユニット200は、第2画像形成部220と、第2用紙搬送部232と、第2用紙検知センサ部235と、第2給紙トレイ制御部211と、第2コントロール部270と、第2状態管理部271と、第2画像処理部280と、を含んで構成される。
ここで、第2画像形成部220は第1画像形成部120と、第2用紙搬送部232は第1用紙搬送部132と、第2用紙検知センサ部235は第1用紙検知センサ部135と、第2給紙トレイ制御部211は第1給紙トレイ制御部111と、第2コントロール部270は第1コントロール部170と、第2状態管理部271は第1状態管理部171と、第2画像処理部280は第1画像処理部180と、それぞれ、同じ構成及び機能を有するため、説明を省略する。
【0035】
後処理ユニット400は、後処理ユニット制御部410を含んで構成される。そして、給紙ユニット制御部410は、タンデムシステム管理部190から送信される指示信号に従って、搬送路T9を介して搬入される用紙に対して必要な後処理を実行する制御を行う。
【0036】
「印刷処理について」
次に、タンデムシステム管理部190が実行する印刷処理について説明する。
【0037】
(印刷対象用紙が片面用紙のみの場合)
タンデムシステム管理部190は、取得した印刷指示情報に基づいて、全ての印刷対象用紙が片面用紙であると判断した場合、図4に示す片面印刷処理を実行する。ここで、図4に示す白抜きの矢印は、片面印刷処理における用紙の搬送方向を示す。また、当該白抜きの矢印のうち、*が付された矢印は、用紙の裏面が上向きであることを模式的に表す。
具体的には、タンデムシステム管理部190は、図4に示すように、第2給紙トレイ210に備わる一の給紙トレイから用紙を給紙させる。この際、タンデムシステム管理部190は、第2用紙搬送部232を介して、搬送路T6を経由する用紙が搬送路T7へ搬送されるように、搬送路切換部230を切換える。同時に、タンデムシステム管理部190は、第2用紙搬送部232を介して、搬送路T7を経由して搬送路切換部231へ搬入される用紙が、反転搬送路T8を経由して搬送路T9へ搬送されるように、搬送路切換部231を切換える。
次に、タンデムシステム管理部190は、第2画像形成部220によって搬送路T7へ搬入した用紙の表面に、第2画像処理部280が生成する画像データに基づく画像を形成する。次に、タンデムシステム管理部190は、当該画像の形成された用紙を反転搬送路T8に搬送する。つまり、タンデムシステム管理部190は、用紙の裏面が上方に向いた状態で搬送路T9へ搬送されるように、用紙の表裏面を反転させる。
そして、タンデムシステム管理部190は、搬送路T9を介して当該用紙を後処理ユニット400へ搬送し、必要な後処理を行った後排紙トレイ411から排紙させる。
【0038】
なお、タンデムシステム管理部190は、第1給紙トレイ110又は給紙ユニットトレイ310に備わる一の給紙ユニットトレイから給紙させた用紙に基づいて片面印刷処理を実行しても勿論よい。この場合、タンデムシステム管理部190は、搬送路T1又は搬送路T2を経由して搬送される用紙を第1用紙搬送部132により搬送路T3に搬入させる。そして、タンデムシステム管理部190は、第1画像形成部120によって当該用紙の表面に、第1画像処理部180が生成する画像データに基づく画像を形成する。次に、タンデムシステム管理部190は、当該画像の形成された用紙を反転搬送路T4に搬送し、用紙の表裏面を反転させる。次に、タンデムシステム管理部190は、搬送路T5を経由して当該用紙を第2画像形成ユニット200に搬送する。そして、タンデムシステム管理部190は、第2画像形成部220によって用紙に画像を形成することなく、且つ、反転搬送路T8により用紙の表裏面を反転させることなく、用紙を後処理ユニット400へ搬送し、必要な後処理を行って排紙トレイ411から排紙させる。
【0039】
(印刷対象用紙が両面用紙のみの場合)
タンデムシステム管理部190は、印刷指示情報に基づいて、全ての印刷対象用紙が両面用紙であると判断した場合、図5に示す両面印刷処理を実行する。ここで、図5に示す黒塗りの矢印は、両面印刷処理における用紙の搬送方向を示す。また、当該黒塗りの矢印のうち、*が付された矢印は、用紙の裏面が上向きであることを模式的に表す。
具体的には、タンデムシステム管理部190は、図5に示すように、給紙ユニットトレイ310に備わる一の給紙ユニットトレイから用紙を給紙させる。
この際、タンデムシステム管理部190は、第1用紙搬送部132を介して、搬送路T1を経由する用紙が搬送路T3へ搬送されるように、搬送路切換部130を切換える処理を行う。同時に、タンデムシステム管理部190は、第1用紙搬送部132を介して、搬送路T3を経由して搬送路切換部131へ搬入される用紙が、反転搬送路T4を経由して搬送路T5へ搬送されるように、搬送路切換部131を切換える処理を行う。
また、タンデムシステム管理部190は、第2用紙搬送部232を介して、搬送路T5を経由する用紙が搬送路T7へ搬送されるように、搬送路切換部230を切換える処理を行う。さらに、タンデムシステム管理部190は、第2用紙搬送部232を介して、搬送路T7を経由して搬送路切換部231へ搬入される用紙が、反転搬送路T8を経由せずに搬送路T9へ搬送されるように、搬送路切換部231を切換える処理を行う。
【0040】
次に、タンデムシステム管理部190は、第1画像形成部120によって搬送路T3へ搬入した用紙の片面に、第1画像処理部180が生成する両面用紙の表面用の画像データに基づく画像を形成する。次に、タンデムシステム管理部190は、当該表面用の画像の形成された用紙を反転搬送路T4に搬送する。つまり、タンデムシステム管理部190は、用紙の裏面が上方に向いた状態で搬送路T5へ搬送されるように、用紙の表裏面を反転させる。
次に、タンデムシステム管理部190は、搬送路T5を介して当該用紙を第2画像形成ユニット200へ搬送させる。次に、タンデムシステム管理部190は、搬送路T5を介して搬送路T7へ搬入した用紙の裏面に、第2画像処理部280が生成する両面用紙の裏面用の画像データに基づく画像を形成する。
そして、タンデムシステム管理部190は、搬送路T9を介して当該用紙を後処理ユニット400へ搬送し、必要な後処理を行った後排紙トレイ411から排紙させる。
なお、タンデムシステム管理部190は、第1給紙トレイ110に備わる一の給紙トレイから給紙させた用紙に基づいて両面印刷処理を実行しても勿論よい。この場合、タンデムシステム管理部190は、第1用紙搬送部132を介して、搬送路T2を経由する用紙が搬送路T3へ搬送されるように、搬送路切換部130を切換える処理を行う。
【0041】
(印刷対象用紙に片面用紙と両面用紙とが含まれる場合)
タンデムシステム管理部190は、印刷指示情報に基づいて、複数の印刷対象用紙に片面用紙と両面用紙とを含むと判断した場合、混在印刷処理を実行する。
具体的には、タンデムシステム管理部190は、現在頁(複数の印刷対象用紙のうち、印刷処理を実行するタイミングにある印刷対象用紙)が片面用紙であると判断した場合には片面印刷処理を実行する一方で、現在頁が両面用紙であると判断した場合には両面印刷処理を実行する。但し、タンデムシステム管理部190は、図6に示すように、両面印刷処理を実行する場合、第1画像形成部120によって搬送路T3へ搬入した用紙の片面に、両面用紙の裏面用の画像データに基づく画像を形成する。
次に、タンデムシステム管理部190は、当該裏面用の画像が形成された用紙を反転搬送路T4に搬送し、用紙の表面が上方に向いた状態で搬送路T5へ搬送されるように、用紙の表裏面を反転させる。つまり、タンデムシステム管理部190は、片面用紙であるか両面用紙であるかを問わず、搬送路T7へ搬入した用紙に対して、第2画像形成部220によって用紙の表面用の画像データに基づく画像を形成する。そして、タンデムシステム管理部190は、当該画像の形成された用紙を反転搬送路T8に搬送し、用紙の裏面が上方に向いた状態で搬送路T9へ搬送させる。
そのため、タンデムシステム管理部190は、現在頁が片面用紙である場合と両面用紙である場合とで、その都度第2用紙搬送部232によって反転搬送路T8を経由するか否かを切換えることなく、常に用紙を同じ向きで排紙することができる。
【0042】
「混在印刷処理時の画像形成装置の駆動状態について」
(用紙無し状態が検出されない場合)
次に、タンデムシステム管理部190が混在印刷処理を実行する際の、画像形成装置1(第1画像形成ユニット100と第2画像形成ユニット200)の動作状態と各印刷対象用紙の印刷処理に対する実行状況との計時変化を、図7のタイムチャートを用いて説明する。ここで、図7では、タンデムシステム管理部190が取得した印刷指示情報において、1枚目〜3枚目の印刷対象用紙が片面用紙、4枚目〜6枚目の印刷対象用紙が両面用紙、である場合を例示する。また、タンデムシステム管理部190が当該印刷指示情報に基づく印刷処理を実行する間、給紙ユニットセンサ315,第1用紙検知センサ部135,第2用紙検知センサ部235から、各トレイの用紙無し状態の検出信号は出力されないものとする。
【0043】
まず、タンデムシステム管理部190が印刷処理を開始する前の状態では、第1画像形成ユニット100(第1用紙搬送部132及び第1画像形成部120)及び第2画像形成ユニット200(第2用紙搬送部232及び第2画像形成部220)は駆動を停止した状態(停止状態)にある。
そして、タンデムシステム管理部190は、1枚目〜3枚目の印刷対象用紙について片面印刷処理を実行するために、図示しない電源部等を介して第2画像形成ユニット200(第2用紙搬送部232及び第2画像形成部220)を駆動開始する(駆動状態にする)。ここで、タンデムシステム管理部190は、片面印刷処理を実行する上で、第1画像形成ユニット100は用いないので、停止状態を継続させる。
「停止状態」とは、プリント動作をしていないアイドリング状態と同じ状態であり、紙を搬送する駆動負荷及び画像を形成する感光体等の駆動負荷が停止状態で、かつ画像を形成する為の高圧、レーザー等が出力オフ状態にあり、定着については、アイドリング時の設定温度で温度コントロールしている状態を指す。
【0044】
次に、タンデムシステム管理部190は、1枚目〜3枚目の印刷対象用紙について片面印刷処理(第2画像形成ユニット200による給紙,画像の書き込み,第2画像形成ユニット200からの排紙)を順次行う。この際、タンデムシステム管理部190は、片面用紙の最終頁よりN枚前の頁の印刷対象用紙に対する画像の書き込み開始時点(最終回より所定回数前の片面処理における用紙への画像の書き込みのタイミング)で、第1画像形成ユニット100を駆動状態に切換え、4枚目の印刷対象用紙(両面用紙)の給紙を開始する。つまり、図7では、Nを1とした場合、タンデムシステム管理部190は、片面用紙の最終頁である3枚目の印刷対象用紙より1枚前の2枚目の印刷対象用紙に対する画像の書き込み開始時点D1で、第1画像形成ユニット100を駆動状態に切換える。
ここで、タンデムシステム管理部190は、Nの値を、第1給紙トレイ110又は給紙ユニットトレイ310より用紙(両面用紙)の給紙が開始される位置S1から、第2画像形成部220において画像が感光体ドラム221aに書き込まれる書き込み位置S2までの、用紙の搬送路長に基づいて決定する。つまり、タンデムシステム管理部190は、位置S3〜位置S2までの搬送路長をα、位置S3〜位置S1までの搬送路長をβとした場合に、β―αの搬送路長に配置可能な用紙の枚数と、予め定めたマージン枚数と、でNの値を決定する。ただし、タンデムシステム管理部190は、印刷指示情報を取得した時点で、片面用紙の枚数がNに満たないと判断した場合、当該印刷指示情報に基づく印刷処理を開始する時点で、第1画像形成ユニット100を駆動状態に切換える。
つまり、タンデムシステム管理部190は、混在印刷処理を実行する上で、片面印刷処理の実行状況(例えば、何枚目の印刷対象用紙まで片面印刷処理が完了したか等)に応じて、第1画像形成ユニット100の動作状態を切換えるタイミングを制御する。
【0045】
次に、タンデムシステム管理部190は、4枚目〜6枚目の印刷対象用紙について両面印刷処理、つまり第1画像形成ユニット100による裏面の印刷処理(第1画像形成ユニット100による給紙,画像形成,第1画像形成ユニット100からの排紙,第2画像形成ユニット200による画像形成,第2画像形成ユニット200からの排紙)を順次行う。ここで、第1画像形成ユニット100は、第1排紙センサ135pを介して両面用紙の最終紙(図7では、6枚目の印刷対象用紙)の排紙が検出された時点で、駆動状態を継続する必要がなくなる。そのため、タンデムシステム管理部190は、図7に示すように、両面用紙の最終紙の排紙が検出された時点D2より予め定めた時間D3を経過したタイミングで第1画像形成ユニット100(第1用紙搬送部132及び第1画像形成部120)を停止状態に切換える。
【0046】
(用紙なし状態が検出された場合)
次に、混在印刷処理の実行途中で、各トレイの用紙無し状態の検出信号が出力された場合の、タンデムシステム管理部190が実行する処理について、図8及び図9を用いて説明する。ここで、図8及び図9では、タンデムシステム管理部190が取得した印刷指示情報において、1枚目〜5枚目の印刷対象用紙が片面用紙、6枚目〜10枚目の印刷対象用紙が両面用紙、である場合を例示する。また、タンデムシステム管理部190が片面印刷処理を実行する際、図8に示すD4の時点で、第2用紙検知センサ部235からトレイの用紙無し状態(5枚目の印刷対象用紙の用紙無し状態)の検出信号が出力されたものとする。なお、図9に示す各矢印に添えられた矩形内の数字は、各印刷対象用紙の頁番号を表す。
【0047】
まず、タンデムシステム管理部190は、図7と同様にして、1枚目〜5枚目の印刷対象用紙について片面印刷処理を実行するために、図示しない電源部等を介して第2画像形成ユニット200を駆動可能な状態にする。ここで、タンデムシステム管理部190は、片面印刷処理を実行する上で、第1画像形成ユニット100は用いないので、停止状態を継続させる。
【0048】
次に、タンデムシステム管理部190は、1枚目〜4枚目の印刷対象用紙について、第2画像形成ユニット200により片面印刷処理を順次実行させる。この際、タンデムシステム管理部190は、図8に示すように、Nを3として、片面用紙の最終頁である5枚目よりN枚前の頁である2枚目の印刷対象用紙に対する画像の書き込みを開始する時点で、第1画像形成ユニット100を駆動状態に切換える。そして、タンデムシステム管理部190は、図9に示すように、第1画像形成ユニット100により、6枚目以降の印刷対象用紙についての両面印刷処理を順次開始する。
【0049】
ここで、タンデムシステム管理部190は、図8に示すD4の時点で第2用紙検知センサ部235から第2給紙トレイ210の用紙無し状態の検出信号が出力されると、当該D4の時点以降の第1画像形成ユニット100による両面印刷処理を中止させる。つまり、タンデムシステム管理部190は、図8に示すD5の時点で、既に第1給紙トレイ110より給紙済みの8枚目の印刷対象用紙に対する画像の書き込みを中止し、図8に示すD6の時点で、第1給紙トレイ110より9枚目の(未給紙の)印刷対象用紙の給紙を中止する。
この際、図8に示すとおり、6枚目及び7枚目の印刷対象用紙は、D5の時点で既に第1画像形成ユニット100より排紙されており、第2画像形成ユニット200内へ搬入されている。そのため、タンデムシステム管理部190は、図8に示すD7及びD8の時点で(つまり、第2排紙センサ235pの検出信号により6枚目及び7枚目の印刷対象用紙が第2画像形成ユニット200から排紙されることが検出された時点で)、当該6枚目及び7枚目の印刷対象用紙を、図1に示す排紙トレイ411ではなく、サブトレイ412より排紙されるように制御する。
また、D5の時点で画像の書き込みが中止された8枚目の印刷対象用紙は、タンデムシステム管理部190が6枚目及び7枚目の印刷対象用紙と同様にサブトレイ412より排紙させてもよいし、第2給紙トレイ210に用紙が給紙されるまで第1画像形成ユニット100の搬送路内(例えば、第1画像形成部120直前に備わるレジストローラの位置)に待機させた後、用紙が給紙された時点で、6枚目の印刷対象用紙として両面印刷処理を施してもよい。
【0050】
(印刷処理)
次に、本実施形態に係る画像形成装置1が実行する印刷処理について、図10〜図12のフローチャートを用いて説明する。
【0051】
まず、タンデムシステム管理部190は、印刷指示情報を取得すると、各印刷対象用紙に対する印刷指示情報をRAMの給紙待ち行列へ振り分ける(ステップS1)。ここで、給紙待ち行列は、印刷対象用紙の頁番号と、印刷対象用紙が片面用紙であるか両面用紙であるかの識別情報と、等からなる情報を印刷対象用紙単位で格納するための行列(テーブル)である。
次いで、タンデムシステム管理部190は、給紙待ち行列のうち一の印刷対象用紙(対象頁)について、後述する第1画像形成ユニット100の給紙タイミング設定処理を実行する(ステップS2)。
次いで、タンデムシステム管理部190は、対象頁について、後述する第2画像形成ユニット200の給紙タイミング設定処理を実行する(ステップS3)。
【0052】
次いで、タンデムシステム管理部190は、ステップS2の処理によって第1画像形成ユニット100による対象頁の給紙タイミングであるか否か(後述するステップS107に係る給紙タイミングフラグがオンであるか否か)を判断する(ステップS4)。そして、タンデムシステム管理部190は、ステップS4にて給紙タイミングでないと判断した場合(ステップS4;No)、ステップS10の処理へ移行する。
一方で、タンデムシステム管理部190は、ステップS4にて給紙タイミングであると判断した場合(ステップS4;Yes)、第1用紙検知センサ部135を介して第1画像形成ユニット100が用紙無し状態にあるか否かを判断する(ステップS5)。
そして、タンデムシステム管理部190は、ステップS5にて用紙無し状態にあると判断した場合(ステップS5;Yes)、表示操作部160を介して用紙を補給すべき旨をユーザに警告し(ステップS6)、ステップS10に移行する。一方で、タンデムシステム管理部190は、ステップS5にて用紙無し状態にないと判断した場合(ステップS5;No)、第1画像形成ユニット100が停止状態であるか否かを判断する(ステップS7)。
そして、タンデムシステム管理部190は、ステップS7にて停止状態でないと判断した場合(ステップS7;No)、ステップS9の処理へ移行する。一方、タンデムシステム管理部190は、ステップS7にて停止状態であると判断した場合(ステップS7;Yes)、第1画像形成ユニット100を駆動状態に切換え(ステップS8)、当該第1画像形成ユニット100による印刷処理(両面用紙の片面に対する印刷処理)を実行させる(ステップS9)。
【0053】
次いで、タンデムシステム管理部190は、ステップS3の処理によって第2画像形成ユニット200による対象頁の給紙タイミングであるか否か(後述するステップS204に係る給紙タイミングフラグがオンであるか否か)を判断する(ステップS10)。そして、タンデムシステム管理部190は、ステップS10にて給紙タイミングでないと判断した場合(ステップS10;No)、ステップS19の処理へ移行する。
一方で、タンデムシステム管理部190は、ステップS10にて給紙タイミングであると判断した場合(ステップS10;Yes)、第2用紙検知センサ部235を介して第2画像形成ユニット200が用紙無し状態にあるか否かを判断する(ステップS11)。
【0054】
次いで、タンデムシステム管理部190は、ステップS11にて用紙無し状態にあると判断した場合(ステップS11;Yes)、第1画像形成ユニット100による給紙済みで且つ排出前の(第1画像形成ユニット100内に残存する)印刷対象用紙があるか否かを判断する(ステップS12)。そして、タンデムシステム管理部190は、ステップS12にて印刷対象用紙が無いと判断した場合(ステップS12;No)、ステップ15の処理へ移行する。
一方で、タンデムシステム管理部190は、ステップS12にて印刷対象用紙があると判断した場合(ステップS12;Yes)、当該印刷対象紙を後処理ユニット400のサブトレイ412より排紙させる(ステップS13)。次いで、タンデムシステム管理部190は、給紙待ち行列を変更する(ステップS13にて排紙した枚数に応じて、給紙待ち行列の頁番号を繰り上げる)(ステップS14)。
次いで、タンデムシステム管理部190は、表示操作部160を介して用紙を補給すべき旨をユーザに警告し(ステップS15)、ステップS19の処理へ移行する。
【0055】
次いで、タンデムシステム管理部190は、第2画像形成ユニット200が停止状態にあるか否かを判断する(ステップS16)。
そして、タンデムシステム管理部190は、ステップS16にて停止状態にないと判断した場合(ステップS16;No)、ステップS18の処理へ移行する。一方、タンデムシステム管理部190は、ステップS16にて停止状態にあると判断した場合(ステップS16;Yes)、第2画像形成ユニット200を駆動状態に切換え(ステップS17)、当該第2画像形成ユニット200による印刷処理(片面用紙に対する印刷処理)を実行させる(ステップS18)。
【0056】
次いで、タンデムシステム管理部190は、第1画像形成ユニット100による印刷処理済みの印刷対象用紙(つまり、ステップS9にて印刷処理が行われた印刷対象用紙)が第2画像形成ユニット200に搬入されたか否かを判断し(ステップS19)、搬入されていないと判断する場合(ステップS19;No)、ステップS21の処理へ移行する。
一方で、タンデムシステム管理部190は、ステップS19にて搬入されたと判断する場合(ステップS19;Yes)、第2画像形成ユニット200による印刷処理(両面用紙における、ステップS9にて印刷処理が行われた面の反対面に対する印刷処理)を実行させる(ステップS20)。
次いで、タンデムシステム管理部190は、印刷対象用紙のうち両面用紙の最終頁を排紙した後、所定時間(図7に示す予め定めた時間D3)が経過したか否かを判断する(ステップS21)。
次いで、ステップS21にて経過していないと判断する場合(ステップS21;No)、ステップS23の処理へ移行する。一方で、タンデムシステム管理部190は、ステップS21にて経過したと判断する場合(ステップS21;Yes)、第1画像形成ユニット100を停止状態に切換える(ステップS22)。
【0057】
次いで、タンデムシステム管理部190は、給紙待ち行列における最終頁が排紙された(対象頁以降で給紙待ちの印刷対象紙が存在する)か否かを判断する(ステップS23)。そして、タンデムシステム管理部190は、ステップS23にて印刷対象紙が存在すると判断する場合(ステップS23;Yes)、ステップS2以降の処理を繰り返す。
一方で、タンデムシステム管理部190は、ステップS23にて印刷対象紙が存在しないと判断する場合(ステップS23;No)、他の印刷指示情報が存在する(を取得した)か否かを判断する(ステップS24)。そして、タンデムシステム管理部190は、ステップS24にて存在すると判断する場合(ステップS24;Yes)、ステップS1以降の処理を繰り返す。
一方で、タンデムシステム管理部190は、ステップS24にて存在しないと判断する場合(ステップS24;No)、給紙待ち行列における最終頁が排紙された後、予め定めた所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS25)。そして、タンデムシステム管理部190は、所定時間が経過していないと判断する場合(ステップS25;No)、経過するまで待機する。一方で、タンデムシステム管理部190は、所定時間が経過したと判断する場合(ステップS25;Yes)、第2画像形成ユニット200を停止状態に切換え(ステップS26)、本処理を終了する。
【0058】
(第1画像形成ユニットの給紙タイミング設定処理)
次いで、タンデムシステム管理部190が実行する、第1画像形成ユニット100の給紙タイミング設定処理について、図13のフローチャートを用いて説明する。
【0059】
まず、タンデムシステム管理部190は、給紙待ち行列より対象頁の頁番号nを取得する(ステップS101)。次いで、タンデムシステム管理部190は、ステップS101にて取得した頁番号nが1であるか否かを判断する(ステップS102)。
そして、タンデムシステム管理部190は、ステップS102にて1であると判断する場合(ステップS102;Yes)、ステップS108の処理へ移行する。
一方で、タンデムシステム管理部190は、ステップS102にて1と異なる(1以上である)と判断する場合(ステップS102;No)、給紙待ち行列に基づいて、頁番号n−1の(対象頁の前頁の)印刷対象用紙を第1画像形成ユニット100(又は給紙ユニット300)より給紙するか否かを判断する(ステップS103)。
【0060】
次いで、タンデムシステム管理部190は、ステップS103にて第1画像形成ユニット100より給紙しない(つまり、第2画像形成ユニット200より給紙した)と判断する場合(ステップS103;No)、対象頁以前の印刷対象用紙で第2給紙トレイ210より未給紙の枚数がN枚であるか否かを判断する(ステップS104)。
【0061】
そして、タンデムシステム管理部190は、ステップS104にてN枚であると判断する場合(ステップS104;Yes)、頁番号n−1の印刷対象用紙が第2用紙検知センサ部235を介して第2画像形成ユニット200の搬送路所定位置に達したか否かを判断する(ステップS105)。
次いで、タンデムシステム管理部190は、ステップS105にて搬送路所定位置に達したと判断する場合(ステップS105;Yes)、ステップS108の処理へ移行する。一方で、タンデムシステム管理部190は、ステップS105にて搬送路所定位置に達していないと判断する場合(ステップS105;No)、本処理を終了する。
なお、ステップS105において、タンデムシステム管理部190は、現在印刷処理を実行している印刷対象用紙が、第2給紙トレイ210より給紙開始されてから予め定めた時間経過したか否かを判断することとしてもよい。また、給紙開始されてから予め定めた時間に限らず、印刷対象用紙の搬送や印刷対象用紙に対する画像の書き込み等のタイミングを判断条件としてもよい。
【0062】
次いで、タンデムシステム管理部190は、ステップS104にてN枚でないと判断する場合(ステップS104;No)、対象頁以前の印刷対象用紙で第2給紙トレイ210より未給紙の枚数がN枚未満であるか否かを判断する(ステップS106)。そして、タンデムシステム管理部190は、ステップS106にてN枚未満と判断する場合(ステップS106;Yes)、ステップS108の処理へ移行する。一方、タンデムシステム管理部190は、ステップS106にてN枚を上回ると判断する場合(ステップS106;No)、本処理を終了する。
【0063】
また、タンデムシステム管理部190は、ステップS103にて第1画像形成ユニット100より給紙すると判断する場合(ステップS103;Yes)、頁番号n−1の印刷対象用紙が第1用紙検知センサ部135を介して第1画像形成ユニット100の搬送路所定位置に達したか否かを判断する(ステップS107)。そして、タンデムシステム管理部190は、ステップS107にて搬送路所定位置に達したと判断する場合(ステップS107;Yes)、ステップS108の処理へ移行する。一方で、タンデムシステム管理部190は、ステップS107にて搬送路所定位置に達していないと判断する場合(ステップS107;No)、本処理を終了する。
【0064】
次いで、タンデムシステム管理部190は、ステップS105やステップS107にて搬送路所定位置に達したと判断する場合(ステップS105,ステップS107;Yes)、又はステップS106にてN枚未満であると判断する場合(ステップS106;Yes)、第1画像形成ユニット100による対象頁の給紙タイミングであることを示唆する給紙タイミングフラグをオンに設定し(ステップS108)、本処理を終了する。
【0065】
(第2画像形成ユニットの給紙タイミング設定処理)
次いで、タンデムシステム管理部190が実行する、第2画像形成ユニット200の給紙タイミング設定処理について、図14のフローチャートを用いて説明する。
【0066】
まず、タンデムシステム管理部190は、給紙待ち行列より対象頁の頁番号nを取得する(ステップS201)。次いで、タンデムシステム管理部190は、ステップS201にて取得した頁番号nが1であるか否かを判断する(ステップS202)。
そして、タンデムシステム管理部190は、ステップS202にて1であると判断する場合(ステップS202;Yes)、ステップS204の処理へ移行する。
【0067】
一方で、タンデムシステム管理部190は、ステップS202にて1と異なる(1以上である)と判断する場合(ステップS202;No)、頁番号n−1の印刷対象用紙が第2用紙検知センサ部235を介して第2画像形成ユニット200の搬送路所定位置に達したか否かを判断する(ステップS203)。
そして、タンデムシステム管理部190は、ステップS203にて搬送路所定位置に達したと判断する場合(ステップS203;Yes)、第2画像形成ユニット200による対象頁の給紙タイミングであることを示唆する給紙タイミングフラグをオンに設定し(ステップS204)、本処理を終了する。一方で、タンデムシステム管理部190は、ステップS203にて搬送路所定位置に達していないと判断する場合(ステップS203;No)、そのまま本処理を終了する。
【0068】
以上、本実施形態に係る画像形成装置1によると、タンデムシステム管理部190は、印刷指示情報に基づいて混在印刷処理を実行する場合、何枚目の印刷対象用紙まで片面印刷処理が完了したか等を表す片面印刷処理の実行状況に応じて、第1画像形成ユニット100の動作状態(駆動状態又は停止状態)を切換えるタイミングを制御する。そのため、タンデムシステム管理部190は、混在印刷処理を行うにあたって片面印刷処理を実行する場合であっても、常時第1画像形成ユニット100が駆動状態にあることで、第1画像形成ユニット100に不必要な資材劣化や電力の浪費が生ずることを好適に回避できる。
したがって、画像形成装置1は、前段の画像形成ユニットに備わる給紙トレイより給紙した用紙に印刷処理を実行するパターンと、後段の画像形成ユニットに備わる給紙トレイより給紙した用紙に印刷処理を実行するパターンと、を切換えて印刷指示情報に基づく印刷処理を実行する際の、前段の画像形成ユニットの動作状態を考慮した画像形成装置であるといえる。
【0069】
また、タンデムシステム管理部190は、複数枚の片面用紙に対する印刷処理の後に両面用紙に対する印刷処理を行うパターンの混在印刷処理を実行する際、片面用紙の最終頁よりN枚前の頁の印刷対象用紙に対する画像の書き込み開始時点で、第1画像形成ユニット100を停止状態から駆動状態に切換え、両面用紙の給紙を開始する。
つまり、タンデムシステム管理部190は、常に混在印刷処理の開始時点より第1画像形成ユニット100を駆動状態にしておくのではなく、上記画像の書き込み開始時点に至るまでは停止状態にしておくことで、第1画像形成ユニット100による不要な電力消費を抑えることができる。
【0070】
ただし、タンデムシステム管理部190は、片面用紙の枚数がNに満たないと判断した場合、混在印刷処理を開始する時点で、第1画像形成ユニット100を停止状態から駆動状態に切換え、両面用紙の給紙を開始する。そのため、タンデムシステム管理部190は、混在印刷処理における片面用紙の枚数が少なく、即座に両面印刷処理を開始する必要のある場合における、両面印刷処理開始時の応答性(両面用紙の生産性)を確保することができる。
【0071】
また、タンデムシステム管理部190は、混在印刷処理の実行途中で、第2給紙トレイ210が用紙なし状態となったと判断する場合、第1画像形成ユニット100より給紙済みで且つ当該用紙なし状態となった頁以降の印刷対象用紙(排紙トレイ411より排紙されていない用紙)はヤレ紙としてサブトレイ412より排紙させる。
そのため、タンデムシステム管理部190は、用紙なし状態であるにもかかわらず、第1画像形成ユニット100より給紙済みの印刷対象用紙が排紙トレイ411から排紙されることによる、全ての印刷対象用紙の最終的な出力への影響(排紙時における頁順序の狂い等)が防止できる。
【0072】
また、タンデムシステム管理部190は、上記第1画像形成ユニット100より給紙済みで且つ用紙なし状態となった頁以降の印刷対象用紙のうち、第1画像形成ユニット100による画像の書き込みがされていない印刷対象用紙を、第1画像形成ユニット100の搬送路内に待機させる。そして、タンデムシステム管理部190は、ユーザによって用紙が給紙された時点で当該印刷対象用紙に画像の書き込みを施す。
つまり、タンデムシステム管理部190は、画像の書き込みがされていない印刷対象用紙が不必要にサブトレイ412へ排紙されることを防止できるので、全ての印刷対象用紙の最終的な出力に対する生産性を高めることができる。
【0073】
(変形例1)
実施形態1において、タンデムシステム管理部190は、図7に示す混在印刷処理を実行する際、片面用紙の最終頁よりN枚前の頁の印刷対象用紙に対する画像の書き込み開始時点で、第1画像形成ユニット100を停止状態から駆動状態に切換えた。
しかしながら、例えば、タンデムシステム管理部190は、印刷指示情報における片面用紙の枚数が予め定めた枚数に満たない場合は、混在印刷処理の開始時点で第1画像形成ユニット100を駆動状態にし、片面用紙の枚数が予め定めた枚数を超える場合は、混在印刷処理の開始時点で第1画像形成ユニット100を停止状態にするように構成しても良い。
【0074】
(変形例2)
また、例えば、タンデムシステム管理部190は、片面用紙の枚数や、第2給紙トレイ210より用紙を給紙して第2画像形成ユニット200から排紙するまでの時間、などに基づいて、片面用紙に対する印刷処理に要する時間を算出(予測)し、当該時間が予め定めた時間に満たない場合は、混在印刷処理の開始時点で第1画像形成ユニット100を駆動状態にし、当該時間が予め定めた時間を超える場合は、混在印刷処理の開始時点で第1画像形成ユニット100を停止状態にするように構成しても良い。
【0075】
つまり、変形例1及び変形例2に係るタンデムシステム管理部190は、片面用紙の枚数や片面用紙に対する印刷処理に要する時間に応じて、混在印刷処理の開始時点における第1画像形成ユニット100の駆動状態と停止状態とを切換えるので、第1画像形成ユニット100による不要な電力消費を抑えることができる。
【0076】
(変形例3)
実施形態1では、図7や図8に示す印刷指示情報において、印刷指示情報において複数枚の片面用紙の後に複数枚の両面用紙が存在するパターンを例示したが、本変形例3の如く、複数枚の両面用紙の後に複数枚の片面用紙が存在し、さらに複数枚の両面用紙が続くパターン(つまり、タンデムシステム管理部190が両面印刷処理を実行した後片面印刷処理を実行し、その後さらに両面印刷処理を実行する場合)も存在する。
【0077】
この場合、タンデムシステム管理部190は、片面用紙の枚数(片面印刷処理の実行回数)に応じて、第1画像形成ユニット100の駆動状態を制御する。具体的には、タンデムシステム管理部190は、取得した印刷指示情報に基づいて、片面用紙の枚数を計数する。そして、タンデムシステム管理部190は、計数した片面用紙の枚数が予め定めた設定枚数を下回る場合、片面印刷処理を実行する間、最初の両面印刷処理にて駆動状態にある第1画像形成ユニット100の駆動を継続させておく一方、計数した片面用紙の枚数が予め定めた設定枚数を上回る場合、片面印刷処理の実行時に最初の両面印刷処理にて駆動状態にある第1画像形成ユニット100の駆動を停止させておく。
【0078】
ここで、タンデムシステム管理部190は、図10〜図12のフローチャートで説明した印刷処理を実行する際、図12に示すステップS21,S22に換えて以下の処理を行う。つまり、タンデムシステム管理部190は、上記計数した片面用紙の枚数が設定枚数を下回るか否かに応じて、第1画像形成ユニット100の駆動を継続するか停止するかを判断する処理を行う。そして、タンデムシステム管理部190は、当該判断の結果に基づき、第1画像形成ユニット100の駆動タイミングを制御する処理を行う。
【0079】
以上、本変形例によると、タンデムシステム管理部190は、両面印刷処理を実行した後片面印刷処理を実行し、その後さらに両面印刷処理を実行する際、片面印刷処理の実行時間が短いと予測される場合は、第1画像形成ユニット100の駆動を継続することで、その後の両面印刷処理の開始時の応答性(両面用紙の生産性)を高められる。一方で、タンデムシステム管理部190は、片面印刷処理の実行時間が十分に大きいと予測される場合は、第1画像形成ユニット100の駆動を停止させて画像形成装置1の省電力化を図ることができる。
【0080】
なお、本変形例3において、タンデムシステム管理部190は、片面用紙の枚数(片面印刷処理の実行回数)に応じて、第1画像形成ユニット100の駆動状態を制御するものとしたが、始めの片面印刷処理を連続して実行する時間を算出し、当該算出した時間が予め定めた設定時間を下回る場合、第1画像形成ユニット100の駆動を継続させておく一方、算出した時間が予め定めた設定時間を上回る場合、第1画像形成ユニット100の駆動を停止させておくこととしても勿論良い。
【0081】
なお、以上の実施形態における記述は、本発明に係る好適な画像形成装置の一例であり、これに限定されるものではない。
また、以上の実施形態における画像形成装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関して本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0082】
具体的には、例えば、画像形成装置1は、給紙ユニット300と、第1画像形成ユニット100と、第2画像形成ユニット200と、後処理ユニット400とが、それぞれ別体で構成されて連結された構造であっても、それらが一体に構成されていても構わない。
【符号の説明】
【0083】
1 画像形成装置
100 第1画像形成ユニット
110 第1給紙トレイ
120 第1画像形成部
190 タンデムシステム管理部(制御部)
200 第2画像形成ユニット
210 第2給紙トレイ
220 第2画像形成部
300 給紙ユニット
310 給紙ユニットトレイ
400 後処理ユニット
411 排紙トレイ(第1排紙トレイ)
412 サブトレイ(第2排紙トレイ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙の片面への印刷処理を実行する画像形成ユニットを前段と後段に直列に設け、用紙の片面又は両面への印刷処理が実行可能な画像形成装置であって、
前記前段に連結された第1画像形成ユニットは用紙を給紙する第1給紙トレイを有し、
前記後段に連結された第2画像形成ユニットは用紙を給紙する第2給紙トレイを有し、
印刷対象用紙ごとに片面又は両面への印刷処理の実行を指示する印刷指示情報に基づいて、前記第1給紙トレイより給紙する用紙に対する印刷処理である第1印刷処理と、前記第2給紙トレイより給紙する用紙に対する印刷処理である第2印刷処理と、を切換えて実行する際、前記第2印刷処理の実行状況に応じて、前記第1画像形成ユニットの動作状態を制御する制御部を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記印刷指示情報に基づいて、前記第1印刷処理を実行した後に前記第2印刷処理を実行し、その後さらに前記第1印刷処理を実行する際、複数枚の用紙に連続して画像を形成すべく前記第2印刷処理を連続して実行する回数が所定回数を下回る場合、前記第2印刷処理を実行する間も前記第1画像形成ユニットの駆動を継続させておく一方、前記第2印刷処理を連続して実行する回数が所定回数を上回る場合、前記第2印刷処理を実行する間は前記第1画像形成ユニットの駆動を停止させておくことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記印刷指示情報に基づいて、前記第1印刷処理を実行した後に前記第2印刷処理を実行し、その後さらに前記第1印刷処理を実行する際、前記第2印刷処理を連続して実行する時間を算出し、前記算出した時間が所定時間を下回る場合、前記第2印刷処理を実行する間も前記第1画像形成ユニットの駆動を継続させておく一方、前記算出した時間が前記所定時間を上回る場合、前記第2印刷処理を実行する間は前記第1画像形成ユニットの駆動を停止させておくことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記印刷指示情報に基づいて、複数枚の用紙に連続して画像を形成すべく前記第2印刷処理を複数回に亘って連続して実行した後に前記第1印刷処理を実行する際、最終回の第2印刷処理より所定回数前の第2印刷処理における画像の書き込みのタイミングで、前記第1画像形成ユニットの駆動を開始するとともに、前記第1印刷処理における前記第1給紙トレイからの用紙の給紙を開始することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記印刷指示情報に基づいて、複数枚の用紙に連続して画像を形成すべく前記第2印刷処理を複数回に亘って連続して実行した後に前記第1印刷処理を実行する際、前記複数回が所定回数を下回る場合、前記第2印刷処理の開始時点で、前記第1画像形成ユニットの駆動を開始するとともに、前記第1印刷処理における前記第1給紙トレイからの用紙の給紙を開始することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の画像形成装置において、
前記制御部により前記第1印刷処理又は前記第2印刷処理が実行された用紙を排紙するための第1排紙トレイと、
前記用紙を排紙するための前記第1排紙トレイと異なる第2排紙トレイと、
を備え、
前記制御部は、前記第2印刷処理の実行過程で前記第2給紙トレイが用紙なし状態にあると判断した場合、当該用紙なし状態にあると判断した時点で、前記第1給紙トレイから給紙済みの用紙で且つ前記第1排紙トレイに排紙されていない用紙を前記第2排紙トレイに排紙させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項4又は5に記載の画像形成装置において、
前記制御部により前記第1印刷処理又は前記第2印刷処理が実行された用紙を排紙するための第1排紙トレイと、
前記用紙を排紙するための前記第1排紙トレイと異なる第2排紙トレイと、
を備え、
前記制御部は、前記第2印刷処理の実行過程で前記第2給紙トレイが用紙なし状態にあると判断した場合、当該用紙なし状態にあると判断した時点で、前記第1給紙トレイから給紙済みの用紙で且つ前記第1排紙トレイに排紙されていない用紙のうち、前記第1印刷処理における画像の書き込みがされた用紙を前記第2排紙トレイに排紙させる一方、前記第1印刷処理における画像の書き込みがされていない用紙を前記第1画像形成ユニットに備わる搬送路内に待機させることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−128241(P2012−128241A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−280408(P2010−280408)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】