説明

画像形成装置

【課題】中間転写方式の画像形成装置における設計的な自由度を高めることを目的とする。
【解決手段】感光ドラム50上に現像剤像を形成する画像形成部40と、中間転写ベルト71と、前記感光ドラム50に形成された現像剤像を前記中間転写ベルト71に対して一次転写させる一次転写ローラ78と、前記中間転写ベルト71から被記録媒体へ現像剤像を二次転写させる機能と、前記中間転写ベルト71に付着した付着物をクリーニングする機能を有する二次転写ローラ110と、搬送経路Lを挟んで前記中間転写ベルト71の反対側に配置され、前記二次転写ローラ110が前記中間転写ベルト71から除去した前記付着物を収容する廃トナーボックス131と、前記廃トナーボックス131が着脱可能に装着される装着部90とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中間転写方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
4色のトナー像を中間転写ベルト上に形成した後、被記録媒体に一括転写する中間転写方式を採用した画像形成装置がある。このような画像形成装置では、被記録媒体に一括転写されずに中間転写ベルト上に残った廃トナーを中間転写ベルトから除去することによって中間転写ベルトをクリーニングするため、クリーニング装置を設けている。例えば、下記特許文献1には、中間転写ベルトをクリーニングするベルトクリーニング装置8A、8Bを、搬送経路に対して中間転写ベルトと同じ側に設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−334011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ベルトクリーニング装置が中間転写ベルト上に残った廃トナーの大部分を除去する場合、ベルトクリーニング装置が中間転写ベルトから除去した廃トナーを貯留する廃トナーボックスやベルトクリーニング装置自体が大型化しやすく、中間転写ベルトやトナー像を形成する画像形成部を構成する各部品と互いに干渉しないように決定する必要があり、設計上の制約が大きい。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、中間転写方式の画像形成装置における設計的な自由度を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される画像形成装置は、被記録媒体が搬送される搬送経路と、感光体を含み、前記感光体上に現像剤像を形成する画像形成部と、前記感光体と対向する中間転写体と、前記感光体に形成された現像剤像を前記中間転写体に対して一次転写させる一次転写部材と、前記中間転写体から前記搬送経路上の被記録媒体へ現像剤像を二次転写させる二次転写部材と、前記中間転写体に付着した付着物を前記中間転写体から除去するクリーニング部材と、前記搬送経路を挟んで前記中間転写体の反対側に配置され、前記クリーニング部材が前記中間転写体から除去した前記付着物を収容する収容体と、前記収容体が着脱可能に装着される装着部とを備える。この構成では、付着物を収容する収容体が、搬送経路を挟んで中間転写体の反対側において装着部に着脱可能に装着されることから、クリーニング部材が中間転写体上の付着物の大部分を除去する程、クリーニング能力が大きくても、収容体を交換することでその能力を担保することができ、ひいては、中間転写体側のクリーニング部材や収容体を小型化あるいはなくすことができる。そのため、中間転写体周辺に空きスペースが出来、中間転写方式の画像形成装置における設計的な自由度を高めることができる。
【0006】
また、上記画像形成装置において、前記二次転写部材が前記クリーニング部材を兼用する構成にしてもよい。
【0007】
また、上記画像形成装置において、前記画像形成部は、複数の前記感光体上に形成された各前記現像剤像を、各前記感光体に対向して配置された各前記一次転写部材によって前記中間転写体に転写するタンデム方式の画像形成部であるようにしてもよい。
【0008】
また、上記画像形成装置において、前記画像形成装置の筐体である本体ケースと、前記本体ケース内に設けられた前記記装着部にする前記収容体の出入口となる開口部と、前記開口部を開閉する開閉部材を備え、記収容体は、前記着脱部に対して外面壁を前記開口部に臨ませた状態で装着される構成にしてもよい。
【0009】
また、上記画像形成装置において、前記画像形成装置のうち、ユーザ用の操作部が設けられた側を前側、その反対側を後側と定義したときに、前記中間転写体に対して前記収容体を前後に向かい合わせて配置してもよい。
【0010】
また、上記画像形成装置において、前記二次転写時以外の期間であって且つ前記クリーニング部材を兼用した前記二次転写部材が前記付着物を前記中間転写体から除去するクリーニング時には、前記二次転写時に比べて、前記搬送経路上の被記録媒体に前記現像剤が二次転写される二次転写位置における前記中間転写体の移動速度と前記二次転写部材の移動速度との速度差を大きくする制御部を備える構成にしてもよい。
【0011】
また、上記画像形成装置において、前記中間転写体上の付着物を一時的に回収して、前記中間転写体上に前記一次転写される前記現像剤像に重ならないタイミングで回収した前記付着物を前記中間転写体に戻す補助クリーニング部材を備えるようにしてもよい。
【0012】
また、上記画像形成装置において、前記二次転写部材は、前記制御部に制御されて回転する軸部材と、前記軸部材の外周側に形成される多孔質状の材料からなる被覆層とから構成され、前記制御部は、前記クリーニング時に、前記二次転写位置での移動方向が前記中間転写体の移動方向と同方向になるように前記二次転写部材の回転方向を制御し、かつ前記二次転写部材の移動速度が前記中間転写体の移動速度よりも大きくなるように制御するようにしてもよい。
【0013】
また、上記画像形成装置において、前記制御部は、前記クリーニング時に、前記二次転写位置での移動方向が、前記中間転写体の移動方向と逆方向になるように前記二次転写部材の回転方向を制御するようにしてもよい。
【0014】
また、上記画像形成装置において、前記クリーニング部材は、前記二次転写部材に対して接触した状態で回転し前記二次転写部材が前記中間転写体から除去した付着物を回収する回収部材と、前記回収部材から回収した付着物を掻き取って前記収容体に収容させる掻き取り部とを備え、前記掻き取り部は、前記回収部材が正方向に回転しているときに、前記回収部材から前記付着物を掻き取る第一掻き取り部材と、前記回収部材が前記正方向とは逆方向に回転しているときに、前記回収部材から前記付着物を掻き取る第二掻き取り部材とを含む構成としもよい。
【0015】
また、上記画像形成装置において、前記中間転写体から前記付着物を除去するためのクリーニング電圧を、前記二次転写部材に印加する電圧印加部を備え、前記電圧印加部は、前記速度差の増加に応じて、前記クリーニング電圧のレベルを下げるようにしてもよい。
【0016】
また、上記画像形成装置において、前記クリーニング部材は、前記二次転写部材とは別に設けられた専用部材であり、かつ前記中間転写体に対向して前記中間転写体から付着物を除去するクリーニング位置と、前記搬送経路を挟んで前記中間転写体の反対側に位置する待機位置との間で変位するようにしてもよい。
【0017】
また、本明細書によって開示される画像形成装置は、感光体を含み、前記感光体上に現像剤像を形成する画像形成部と、前記感光体と対向する中間転写体と、前記感光体に形成された現像剤像を前記中間転写体に一次転写させる一次転写部材と、前記中間転写体から搬送経路を搬送される被記録媒体に現像剤像を二次転写させる二次転写機能と、前記中間転写体から付着物を除去するクリーニング機能を備える二次転写部材と、前記二次転写部材が前記中間転写体から除去した前記付着物を収容する収容体と、前記二次転写時以外の期間であって且つ前記二次転写部材が前記付着物を前記中間転写体から除去するクリーニング時には、前記二次転写時に比べて、前記二次転写される二次転写位置における前記中間転写体の移動速度と前記二次転写部材の移動速度との速度差を大きくする制御部と、を備える。この構成では、クリーニング時に、中間転写体の移動速度に対する二次転写体の移動速度の速度差を大きくする。そのため、両間の摩擦が大きくなることから、中間転写体上の付着物が摩擦力により剥がれ易くなり、クリーニング性能が高まる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、中間転写方式の画像形成装置における設計的な自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態1におけるレーザプリンタの要部側断面図
【図2】クリーニング装置の拡大図
【図3】二次転写時とクリーニング時における、二次転写ローラの回転速度と印加電圧をまとめた図表
【図4】二次転写ローラの回転速度を切り換える変速機構の構造を模式化した図
【図5a】補助クリーニングローラによる残留トナーの回収/放出動作を示す図
【図5b】補助クリーニングローラによる残留トナーの回収/放出動作を示す図
【図5c】補助クリーニングローラによる残留トナーの回収/放出動作を示す図
【図5d】補助クリーニングローラによる残留トナーの回収/放出動作を示す図
【図5e】補助クリーニングローラによる残留トナーの回収/放出動作を示す図
【図6】廃トナーボックスの着脱構造を示す図
【図7】レーザプリンタの電気的構成を示すブロック図
【図8】各バイアス回路等の動作タイミングを示すタイミングチャート図
【図9】実施形態2におけるクリーニング装置の構造を示す図(回収ローラの正転状態を示す)
【図10】実施形態2におけるクリーニング装置の構造を示す図(回収ローラの反転状態を示す)
【図11】実施形態3におけるレーザプリンタの要部側断面図
【図12】廃トナーボックスの着脱過程を示す図
【図13】廃トナーボックスの着脱過程を示す図
【図14】実施形態4におけるレーザプリンタの要部側断面図(クリーニング装置のクリーニング位置を示す)
【図15】実施形態4におけるレーザプリンタの要部側断面図(クリーニング装置の待機位置を示す)
【図16】4サイクル方式のレーザプリンタの要部側断面図(本技術の適用例を示す)
【発明を実施するための形態】
【0020】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図8によって説明する。
1.全体構成
図1はレーザプリンタSの要部側断面図である。尚、以下の説明において、前後方向についてはユーザのアクセス側、すなわち操作パネル(本発明の「操作部」に相当)21Aや表示部21Bが形成された図1における左側を前側とし、アクセス側の反対側にあたる図1の右側を後側とする。また、幅方向とは前後方向に直交する方向、すなわち図1において紙面に直交する方向とする。また、上下方向とは、図1における上下方向を指すものとする。
【0021】
レーザプリンタ(本発明の画像形成装置に相当)Sは中間転写タンデム方式のカラーレーザプリンタであって、筐体として機能する本体ケース21の底側に給紙部30を備え、その上方には搬送経路Lが形成されている。
【0022】
搬送経路Lは、図1において破線で示す通りであり、給紙部30の後端から斜め方向に延びている。そして、搬送経路Lは、二次転写位置P2に至ると、その後上方に向かい、最終的には本体ケース21の後部上端で再び前方に向きを換えて本体ケース21の上面壁に形成された排紙トレイ27に至る。尚、本体ケース21の前面側にはヒンジにより開閉可能なフロントカバー23が設けられており、また後面側には同じくヒンジにより開閉可能なリヤカバー25が設けられている。
【0023】
2.各部の構成
レーザプリンタSは、大まかには給紙部30、中間転写ベルトユニット70、プロセスユニット50とスキャナユニット60とからなる画像形成部40、定着部80、クリーニング装置100から構成されており、これら給紙部30、中間転写ベルトユニット70、プロセスユニット50、スキャナユニット60を順に下から積み上げるように配置した構成となっている。給紙部30は給紙カセット31と給紙ローラ33とレジストローラ35から構成される。給紙カセット31は被記録媒体としての用紙を収容するものであり、給紙ローラ33は用紙を一枚ずつ取り出して、搬送経路Lへと送り出すものである。
【0024】
図1に示す符号36は検出センサであり、レジストローラ35に対する用紙の接近を検出する機能を担っている。レジストローラ35は、給紙ローラ33を経由して搬送されてきた用紙を、二次転写位置P2に搬送するのに先だって、用紙の姿勢を正しい姿勢に矯正するものである。具体的には、レジストローラ35は、検出センサ36による検出タイミングに基づき、用紙の搬送方向先端がレジストローラ35に到達する手前でその駆動力を切られて、用紙がレジストローラ35に進入するのを止めるため、搬送方向に対し姿勢の傾いた用紙は、その先端辺が搬送方向垂直となるように矯正される。レジストローラ35は、用紙の姿勢が矯正されたタイミングで駆動力を入れられ、用紙を二次転写位置P2へ送り出す。
【0025】
プロセスユニット50は、中間転写ベルトユニット70の上側であって、本体ケース21のほぼ中央(高さ方向の中央)に位置し、感光ドラム51、帯電器53、トナーボックス55、供給ローラ57、現像ローラ59から構成される。トナーボックス55は4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナーに対応して4組設けられており、本実施形態のものは、これら4組のトナーボックス55Y、55M、55C、55Kを装置の前後方向に一列状に配している。
【0026】
そして、各トナーボックス55Y、55M、55C、55Kの下端部に、供給ローラ57並びに現像ローラ59がそれぞれ対向配置され、更に、各現像ローラ59と向かい合って各感光ドラム51Y、51M、51C、51Kがそれぞれ配置されている。また、帯電器53は、各感光ドラム51Y、51M、51C、51Kの上部にあって、各感光ドラム51Y、51M、51C、51Kの表面を一様に正極性に帯電させる機能を有する。
【0027】
スキャナユニット60は4つの感光ドラム51Y、51M、51C、51Kに対応して4つのスキャナ部61Y、61M、61C、61Kを備え、プロセスユニット50の上側に配置されている。各スキャナ部61は図示しないレーザダイオード(LDとも称す)を備え、LDから出射されたレーザ光を、図1に示す一点鎖線の経路を経て、各感光ドラム51Y、51M、51C、51Kの表面に照射させる機能を有する。このスキャナユニット60は、プロセスユニット50の上側に配置されている。
【0028】
中間転写ベルトユニット70は、駆動ローラ73、バックアップローラ75の2つのローラを備えると共に、これら2つのローラ73、75を無端状の中間転写ベルト(本発明の「中間転写体」に相当)71によって掛け渡している。中間転写ベルトユニット70は、給紙部30とプロセスユニット50の間において概ね水平に配置されている。より具体的に言えば、中間転写ベルト71は4つの感光ドラム51Y、51M、51C、51Kに対向しており、この実施形態では、転写面(上面)を各感光ドラム51Y、51M、51C、51Kの下端に接触させている。
【0029】
中間転写ベルト71は、例えばポリカーボネート等の樹脂材からなり、その幅寸法は印字可能な最大用紙サイズ(例えばA4サイズ)の幅寸法以上になっている。中間転写ベルト71は、各感光ドラム51Y、51M、51C、51Kに対向配置されていて、転写面たる上面を各感光ドラム51Y、51M、51C、51Kに接触させている。そして、メインモータ161から駆動ローラ73に駆動力が伝達されると、駆動ローラ73が回動し始める。この駆動ローラ73の回動により、中間転写ベルト71は図1に示す矢印方向に循環駆動する。尚、メインモータ161は各種ローラ、例えば給紙ローラ33、レジストローラ35、一次転写ローラ(本発明の「一次転写部材」に相当)78、二次転写ローラ(本発明の「二次転写部材」に相当)110や感光ドラム51等の動力源となっている。
【0030】
また、各感光ドラム51Y、51M、51C、51Kには、中間転写ベルト71を間に挟んで一次転写ローラ78Y、78M、78C、78Kが対向して配置されている。この一次転写ローラ78は、一次転写電圧の印加により、各感光ドラム51Y、51M、51C、51K上に形成されたトナー像(本発明の「現像剤像」に相当)を中間転写ベルト71上に一次転写させるものである。
【0031】
そして、バックアップローラ75の後方には中間転写ベルト71を間に挟んで二次転写ローラ110が配置されている。二次転写ローラ110は、金属製のローラ軸(本発明の「軸部材」)110Aと、ローラ軸110Aの外周側に形成された被覆層110Bとから構成されている。ローラ軸110Aは中間転写ベルト71の幅方向に延びており、後記するCPU151に制御されて回転するようになっている。また、被覆層110Bは、多孔質状の材料(導電性の発泡ウレタン)から形成されている。この二次転写ローラ110のローラ軸110Aには、後述する二次転写バイアス印加回路171より二次転写電圧(負の電圧)V1が印加される構成となっている。一方、バックアップローラ75のローラ軸75Aは接地されていることから、二次転写電圧V1の印加により、バックアップローラ75側から二次転写ローラ110側に向かう電界が生じ、この電界の作用により、中間転写ベルト71上に一次転写されたトナー像を用紙に二次転写することが出来る。
【0032】
また、二次転写ローラ110は、トナー像を用紙に二次転写する二次転写機能と、中間転写ベルト71をクリーニングするクリーニングローラとしての機能を兼用しており、後記するクリーニング装置100の一部を構成している。中間転写ベルト71をクリーニングする原理は、トナー像を用紙に二次転写する原理と基本的には同じであり、二次転写ローラ110に負のクリーニング電圧が印加されることにより中間転写ベルト71のクリーニングが行われる。すなわち、二次転写ローラ110に負のクリーニング電圧V2を印加すると、バックアップローラ75側から二次転写ローラ110側に向かう電界が生じ、この電界の作用により、中間転写ベルト71上の残留トナーZが二次転写ローラ110側に吸引され、中間転写ベルト71上の残留トナーZを除去することができる(図2参照)。
【0033】
また、本実施形態では、二次転写ローラ110に対して印加する電圧を、二次転写時とクリーニング時で切り換えており、二次転写電圧V1に比べてクリーニング電圧V2の絶対値を低い値に設定している(図3参照)。一例として、二次転写電圧V1が−1500Vの設定に対して、クリーニング電圧V2は−1000Vに設定してある。このように、二次転写電圧V1に比べてクリーニング電圧V2の絶対値を低い値に設定しているのは、二次転写時は、中間転写ベルト71と二次転写ローラ110との間に用紙が位置するので、用紙の抵抗分は電圧を高くする必要がある。一方、クリーニング時は両間71、110に用紙が無いので抵抗分が減り、電圧を下げることが出来るからである。
【0034】
また、本実施形態では、二次転写ローラ110の回転速度を、二次転写時とクリーニング時とで切り換えるようにしている。すなわち、二次転写ローラ110は、後述するエンジンコントローラ150のCPU151により、二次転写時には、中間転写ベルト71と同じ方向に同じ回転速度で回転駆動される。一方、クリーニング時には、CPU151により、中間転写ベルト71と同じ方向に中間転写ベルト71よりも高い回転速度で回転駆動される。尚、前述の「同じ方向」とは、二次転写位置P2での二次転写ローラ110の移動方向が、図2に示すように、中間転写ベルト71の移動方向(下から上に向かう方向)と同じ方向になることを意図する。
【0035】
このように、クリーニング時に、中間転写ベルト71の回転速度に対して二次転写ローラ110の回転速度に速度差を持たせることにより、両間の摩擦が大きくなることから、中間転写ベルト71上の残留トナーZが摩擦力により剥がれ易くなる。
【0036】
尚、上記構成により本明細書にて開示される画像形成装置の「前記二次転写時以外の期間であって且つ前記クリーニング部材を兼用した前記二次転写部材(この例では二次転写ローラ110)が前記付着物を前記中間転写体(この例では中間転写ベルト71)から除去するクリーニング時には、前記二次転写時に比べて、前記二次転写される二次転写位置における前記中間転写体(この例では中間転写ベルト71)の移動速度(この例では回転速度)と前記二次転写部材(この例では二次転写ローラ110)の移動速度(この例は回転速度)との速度差を大きくする制御部(ここでは、CPU151)を備える。」が実現されている。
【0037】
また、二次転写ローラ110の回転速度を切り換えるには、例えば、メインモータ161の動力を2次転写ローラ110に伝達するギヤ列を切り換えればよい。ここでは、図4に示すように、変速用電磁クラッチ(乾式クラッチ)173を用いて切り換えを行う変速装置180を例示する。図中、符号161はメインモータ、符号181はモータギヤ、符号182は伝達ギヤ、符号183、184、185は減速ギヤ、符号186はプーリ、符号187は1方向クラッチ内蔵プーリ、符号188はタイミングベルト、符号191は駆動軸、符号195は二次転写ローラ110の回転軸である。
【0038】
上記の変速装置180は、変速用電磁クラッチ173をオフ状態にすると、メインモータ161の動力がモータギヤ181、伝達ギヤ182を介して駆動軸191に直接伝達される。そのため、駆動軸191が高速回転することから、二次転写ローラ110を高速回転させることが可能となる。一方、変速用電磁クラッチ173をオン状態にすると、メインモータ161の動力がモータギヤ181、伝達ギヤ182、減速ギヤ183、184、185、タイミングベルト188を介して減速されて駆動軸191に伝達される。そのため、駆動軸191が低速回転することから、二次転写ローラ110を低速回転させることが可能となる。尚、このような変速装置180は例えば、特開平5−265271に開示がある。
【0039】
定着部80はプロセスユニット50の後方であって、後述する廃トナーボックス130の上側に設けられている。定着部80は、加熱ローラ83と、同加熱ローラ83に対して対向対置される押圧ローラ82とからなる。加熱ローラ83は加熱のためのハロゲンランプ(図示せず)を備え、二次転写ローラ110により用紙上に二次転写されたカラーのトナー像(現像剤像)を、用紙が加熱ローラ83と押圧ローラ82との間を通過する間に熱定着させるものである。
【0040】
次に、補助クリーニングローラ(本発明の「補助クリーニング部材」に相当)95と、クリーニング装置100について説明する。補助クリーニングローラ95は、用紙の搬送方向においてプロセスユニット50の上流側に配置されている。具体的には、バックアップローラ96との間に中間転写ベルト71を挟んだ状態で、バックアップローラ96と対向配置されている。この補助クリーニングローラ95は、中間転写ベルト71の表面上の付着物(主として、二次転写後に中間転写ベルト71上に残留する残留トナーZ)を一時回収し、一時回収した残留トナーZを中間転写ベルト71上に一次転写されるトナー像に重ならないタイミングで中間転写ベルト71に戻す(放出する)ものである。
【0041】
例えば3枚の原稿を印刷する場合、まず、図5aに示すようにプロセスユニット50にて1枚目と2枚目の用紙に対するトナー像がそれぞれ形成され、感光体51から中間転写ベルト71上に一次転写される。尚、図5は感光ドラム51Yのみ図示している。その後、図5bに示すように1枚目の用紙に対してトナー像が二次転写される。この時、プロセスユニット50により3枚目の用紙に対するトナー像が形成され中間転写ベルト71上に一次転写される。その後、図5c、図5dに示すように、2枚目の用紙と3枚目の用紙に対して順にトナー像が二次転写される。
【0042】
そして、補助クリーニングローラ95は、印刷開始から3枚目の用紙に対するトナー像が中間転写ベルト71上に一次転写されるまでの間は、中間転写ベルト71から二次転写残たる残留トナーZを一時回収する。そして、3枚目の用紙に対してトナー像が二次転写されるのとほぼ同時に、図5dに示すように一時回収した残留トナーZを放出して中間転写ベルト71上に戻す。具体的には1、2枚目の用紙に対するトナー像の2次転写に伴う残留トナーZを放出して中間転写ベルト71上に戻す。そして、その後、補助クリーニングローラ95から中間転写ベルト71に戻された残留トナーZ及び3枚目の用紙に二次転写されずに中間転写ベルト71上に付着した残留トナーZは、図5eに示すように、クリーニング装置100により除去される構成となっている。
【0043】
尚、この補助クリーニングローラ95には、電界の作用により残留トナーZを吸引、放出するものであり、後述する補助クリーナバイアス印加回路175により中間転写ベルト71の電位より低い第一電圧、例えば負極性の電圧が印加されると残留トナーZを吸引し、補助クリーナバイアス印加回路175により中間転写ベルト71の電位より高い電圧、例えば正極性の電圧が印加されると吸引した残留トナーZを放出する。
【0044】
クリーニング装置100は、中間転写ベルト71上の残留トナーZを中間転写ベルト71から除去することにより、中間転写ベルト71をクリーニングするものである。このクリーニング装置100は、二次転写ローラ(「クリーニングローラ」を兼用)110と、回収ローラ(本発明の「回収部材」に相当)120と、廃トナーボックス(本発明の収容部に相当する)130とから構成されている。
【0045】
二次転写ローラ110の構造は、先に説明した通りであり、金属製のローラ軸110Aを、多孔質状の材料からなる被覆層(導電性の発泡ウレタン)110Bにより被覆した構造となっている。この二次転写ローラ110にクリーニング電圧V2を印加すると、電界の作用で、中間転写ベルト71側から残留トナーZを吸引除去できる。
【0046】
回収ローラ120は、金属製(例えば、鉄材にNiメッキが施された構成、あるいはステンレス材からなる構成等)であって、二次転写ローラ110に接触した状態で二次転写ローラ110に従動回転する。この回収ローラ120は、二次転写ローラ110が中間転写ベルト71から残留トナーZを吸引するのと同じの原理(電界の作用)で、二次転写ローラ110が中間転写ベルト71から除去した残留トナーZを二次転写ローラ110から回収することができる。
【0047】
すなわち、回収ローラ120のローラ軸120Aに対して二次転写ローラ110に印加するクリーニング電圧V2よりも絶対値の大きい負のクリーニング電圧を印加すると、二次転写ローラ110側から回収ローラ120側に向かう電界が生じる。そのため、この電界の作用により、二次転写ローラ110が中間転写ベルト71から除去した残留トナーZを二次転写ローラ110から回収できる(図2参照)。
【0048】
尚、この実施形態では、回収ローラ120を二次転写ローラ110に従動回転する従動ローラとした。回収ローラ120は、メインモータ161の動力により駆動する駆動ローラであってもよく、回収ローラ120を駆動にすることで、ローラの滑りを抑えることが可能となる。
【0049】
クリーニングブレード125は、例えばゴム製であって、回収ローラ120に当接している。このクリーニングブレード125は、回収ローラ120から残留トナーTを掻き取って、廃トナーボックス130に貯留させる機能を担っている。
【0050】
廃トナーボックス130は回収した残留トナーZを貯留するものであり、本体ケース21の幅方向に長く、また上下に長いボックス型をしている。係る廃トナーボックス130は、搬送経路Lを挟んで中間転写ベルト71の反対側(具体的には、中間転写ベルト71の後方)に配置されていて、本体ケース21から着脱可能となっている。
【0051】
以下、廃トナーボックス130の着脱構造について詳しく説明する。本体ケース21の後方下部には、本体ケース21の一部を用いて装着部90が形成されている。装着部90は、本体ケース21の後面壁22に開口(以下、開口部90A)している。開口部90Aは、本体ケース21内に設けられた装着部90に対して廃トナーボックス130を出入りさせる出入口として機能する。また、開口部90Aには、開口部90Aを閉止可能な大きさのリヤカバー(本発明の「開閉部材」に相当)25が設けられており、リヤカバー25を開口部90Aの下縁に形成されたヒンジを軸に回転操作することで、開口部90Aを開閉できるようになっている。そのため、リヤカバー25を開けて、開口部90Aを開放させることで、廃トナーボックス130を、開口部90Aを通じて装着部90に対して着脱できる。尚、二次転写ローラ110や回収ローラ120は廃トナーボックス130に取り付けられていることから、廃トナーボックス130の取り外しにより、両ローラ110、120を含むクリーニング装置200の全体を装着部90より着脱できる。
【0052】
そして、装着部90の大きさは、廃トナーボックス130、二次転写ローラ110、回収ローラ120を含むクリーニング装置100の全体を隙間なく収容させる大きさとなっている。ただし、二次転写ローラ110は二次転写ベルト71に接触させる必要がるので、装着部90には二次転写ローラ110に対応して逃がし孔(図略)が形成されている。そして、装着部90内に廃トナーボックス130を収容させた後、リヤカバー25を閉じると、図1に示すように、リヤカバー25が廃トナーボックス130の後面壁(本発明の「外壁面」に相当)131に対向し、廃トナーボックス130を装着部90内にて前後方向に位置規制する。また、装着部90内にクリーニング装置100が収容された状態から、リヤカバー25を開けると、図6にて二点鎖線にて示すように、収容された廃トナーボックス130の後面壁131が開口部90Aに臨んだ状態になるので、ユーザが装着部90から廃トナーボックス130を含むクリーニング装置100の全体を簡単に交換することが出来る。
【0053】
また、装着部90は、廃トナーボックス130が装着部90内の収容位置(図6にて二点鎖線で示す位置)にあるときに、廃トナーボックス130に当接して、廃トナーボックス130を保持する保持部を備えている。保持部の構成としては、例えば、装着部90における廃トナーボックス130の前面と対向する面に上方へ延びるフック状の突起部、そして、廃トナーボックス130における前記突起部と対向する位置に突起部の形状に対応する凹部を設け、これら突起部と凹部とが装着位置で係合する構成が考えられるが、特別な構成に限定される必要はなく、廃トナーボックス130が収容位置に向けて前方向に押し込まれると廃トナーボックス130の上面と下面から廃トナーボックス130を押圧する構成等、他の構成であってもよい。
【0054】
次に、レーザプリンタSの電気的構成について図7を参照して説明する。レーザプリンタSは、CPU(本発明の「制御装置」の一例)151、ROM153、RAM155を有するエンジンコントローラ150を備えている。エンジンコントローラ150のCPU151は各電装品、すなわちメインモータ161、スキャナモータ162、各種バイアス印加回路163、165、169、171、LDドライブ回路167、変速用電磁クラッチ173、補助クリーナバイアス印加回路175、給紙ローラ33に対する動力の伝達を入り切りする給紙電磁クラッチ177を制御するものである。また、ROM153は、印刷処理を実行するためのプログラムを格納するものであり、RAM155はCPU151のワーキングメモリとして使用される。
【0055】
尚、帯電バイアス印加回路163は、帯電器53に帯電電圧を印加する回路であり、現像バイアス印加回路165は、現像ローラ59に現像電圧を印加する回路である。また、一次転写バイアス印加回路169は一次転写ローラ78に一次転写電圧を印加する回路である。
【0056】
また、二次転写バイアス印加回路(本発明の「電圧印加回路」に相当)171は、二次転写ローラ110に対して、二次転写電圧(負の電圧)V1と、二次転写電圧より絶対値の低いクリーニング電圧(負の電圧)V2を印加する回路である。変速用電磁クラッチ173は、二次転写ローラ110のギヤ列を切り換えることにより、二次転写ローラ110の回転速度を中間転写ベルト71と同速度と、中間転写ベルト71より速い回転速度の2段階に可変させるものである。
【0057】
補助クリーナバイアス印加回路175は、補助クリーニングローラ95に対して、吸引用の第一電圧と放出用の第二電圧を印加するものである。また、図中省略してあるが、回収ローラ120にクリーニング電圧を印加する印加回路も設けられている。
【0058】
次に上記レーザプリンタSにて実行される印刷動作について図8を参照して説明すると、印刷データDをPC等の情報端末装置や原稿を読み取る画像読取装置などから受信すると、エンジンコントローラ150のCPU151は印刷処理を開始させ、メインモータ161及びスキャナモータ162を回転させ、帯電バイアス印加回路163を介して各帯電器53に帯電電圧を印加させ、また、現像バイアス印加回路165を介して各現像ローラ59に現像バイアスを印加する。
【0059】
その後、CPU151はLDドライブ回路167を介して各スキャナ部61Y〜61Kから各感光ドラム51Y〜51Kに向けてレーザ光をそれぞれ照射させる。これにより、各感光ドラム51Y、51M、51C、51Kの表面には、画像データに応じた所定の静電潜像が形成される。
【0060】
その後、現像ローラ59上に担持されかつ正帯電されているトナーが、各感光ドラム51Y、51M、51C、51Kの表面上に形成される静電潜像に供給される。これにより、各感光ドラム51Y、51M、51C、51Kの静電潜像は、可視像化され、感光ドラム51Y、51M、51C、51Kの表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
【0061】
また、上記したトナー像を形成するための処理と並行して、メインモータ161から駆動ローラ73に動力が伝達されて中間転写ベルト71が循環駆動される。そして、CPU151は、各感光ドラム51Y、51M、51C、51Kを露光するタイミングに合わせて一次転写バイアス印加回路169を介して各一次転写ローラ78Y、78M、78C、78Kに一次転写電圧を印加させる。
【0062】
これにより、各感光ドラム51Y、51M、51C、51Kの表面上に担持された各色のトナー像は、各感光ドラム51と一次転写ローラ78が接する一次転写位置P1にて中間転写ベルト71の表面に一次転写される。この一次転写がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に行われて、中間転写ベルト71上には各色のトナー像が重畳転写されることとなる。
【0063】
中間転写ベルト71への一次転写終了後、エンジンコントローラ150のCPU151は、二次転写バイアス印加回路171を介して二次転写ローラ110に二次転写電圧V1を印加させる。これにより、給紙カセット31から送り出された用紙が二次転写位置P2を通るときに、二次転写電圧V1の作用により、中間転写ベルト71の表面上に一次転写されたトナー像が用紙に一括して二次転写される。その後、定着部80を通過するときに、二次転写されたトナー像は熱定着される。そして、画像形成後の用紙は、最終的には、搬送経路Lを通って本体ケース21の後端上部に至り、排紙ローラ37を介して排紙トレイ27上に排紙される。
【0064】
そしてエンジンコントローラ150のCPU151は、印刷処理が終了すると、次に中間転写ベルト71をクリーニングするクリーニング処理を実行させる。具体的には、変速用電磁クラッチ173をON状態からOFF状態に切り換える。これにより、ギヤ列が切り換り、二次転写ローラ110は、中間転写ベルト71と同じ方向に中間転写ベルト71より高い回転速度で回転する状態となる。上記により本明細書にて開示される画像形成装置の「前記制御部(この例ではCPU151)は、前記クリーニング時に、前記二次転写位置での移動方向が前記中間転写体(この例では中間転写ベルト71)の移動方向と同方向になるように前記二次転写部材(この例では、二次転写ローラ110
の回転方向を制御し、かつ前記二次転写部材(この例では、二次転写ローラ110)の移動速度が前記中間転写体(この例では中間転写ベルト71)の移動速度よりも大きくなるように制御する。」が実現されている。
【0065】
以上のことから、中間転写ベルト71と二次転写ローラ110の間に速度差が生じて両間の摩擦が大きくなることから、中間転写ベルト71上の残留トナーは摩擦力により剥がれ易くなり、クリーニング電圧V2が印加された二次転写ローラ110によって吸引除去される。そして、二次転写ローラ110側に吸い取られた残留トナーは、回収ローラ120により回収された後、クリーニングブレード125により掻き取られて、廃トナーボックス130に収容される。
【0066】
尚、この実施形態では、二次転写ローラ110には二次転写時(図8のT2期間)を除いて、印刷処理の開始後、常時クリーニング電圧V2が印加された状態にあり、印刷処理の開始から二次転写までの期間T1も、中間転写ベルト71上の残留トナーを吸引して、中間転写ベルト71を清潔な状態に保つようになっている。
【0067】
また、ここでは、1枚の用紙を印刷する場合を例にして説明を行ったが、複数枚の用紙を印刷する場合には、各用紙に対する印刷処理の終了後にクリーニング処理を行う必要はなく、最終頁までは、補助クリーニングローラ95によって残留トナーを一時回収しておき、最終頁の用紙の印刷終了後に、一時回収した残留トナーをまとめてクリーニングするようにすればよい。
【0068】
以上説明したように、レーザプリンタSは、残留トナーZを収容する廃トナーボックス130を、搬送経路Lを挟んで中間転写ベルト71の反対側に配置し、かつ廃トナーボックス130を、装着部90を介して本体ケース21に対して着脱可能に装着している。そのため、クリーニングローラの機能を兼用する二次転写ローラ110が中間転写ベルト71上の付着物の大部分を除去する程、クリーニング能力が大きくても、廃トナーボックス130を交換することでその能力を担保することができ、ひいては、中間転写ベルト71側のクリーニング部材や収容体を小型化あるいはなくすことができる。そのため、中間転写ベルト71の周辺に空きスペースが出来、中間転写方式の画像形成装置における設計的な自由度を高めることができる。
【0069】
また、レーザプリンタSは、二次転写ローラ110がクリーニングローラを兼用しているので、クリーニングローラを専用に設ける場合に比べて、部品点数を削減することが可能となる。
【0070】
また、4サイクル方式では、中間転写ベルト71から二次転写ローラ110を離間させる機構が必要となる。この点、本レーザプリンタはタンデム構成となっている。そのため、中間転写ベルト71に二次転写ローラ110を常時接触させておくことが可能であり、離間の機構を設ける必要がない。そのため、4サイクル方式に比べて離間の機構が不要な分、それ以外の各部材の設計自由度(配置の自由度)が高くなる。
【0071】
また、レーザプリンタSは、中間転写ベルト71に対して廃トナーボックス130を前後に向かい合わせて配置してあることから、これらを上下に向かい合わせて配置する場合に比べて装置を高さ方向において小型化できる。
【0072】
また、レーザプリンタSは、補助クリーニングローラ95を設けて、中間転写ベルト71上の付着物を一時回収するようにしている。そのため、複数枚の用紙を続けて印刷することが可能であり、従来と同程度の印刷速度を維持することが可能となり、印刷性能を低下させない。
【0073】
また、レーザプリンタSは、クリーニング時に、二次転写ローラ110の回転速度を中間転写ベルト71の回転速度より高めることにより、中間転写ベルト71に対して速度差を付けている。このような設定にすることで、二次転写ローラ110の表面に残留トナーZが詰まり難くなり、クリーニング性能が低下し難くなるというメリットが得られる。
【0074】
というのも、二次転写ローラ110の被覆層110Bは多孔質状となっているので、吸着した残留トナーZがローラ表面の微小な孔に入り込むことがある。出願人の知見によれば、中間転写ベルト71に対して二次転写ローラ110の回転速度を高くすると、中間転写ベルト71に付着した残留トナーZが二次転写ローラ110によって押し込まれる時間を、回転速度を低くした場合に比べて短くすることができることから、吸着した残留トナーZがローラ表面の孔に入り込み難くなる。そのため、残留トナーZが詰まり難くなり、クリーニング性能が低下し難くなるというメリットが得られる。
【0075】
<実施形態2>
次に本発明の実施形態2を図9、図10によって説明する。実施形態1では、二次転写ローラ110の回転速度を、二次転写時とクリーニング時で切り換える構成を説明した。すなわち、二次転写時には、二次転写ローラ110を、中間転写ベルト71と同じ回転速度で回転させる一方、クリーニング時には、中間転写ベルト71よりも高い回転速度で回転させた。そして、二次転写ローラ110の回転方向は切り替えせず、中間転写ベルト71の回転方向と同じ方向に常時回転するものであった。
【0076】
実施形態2のレーザプリンタ1は、二次転写ローラ110の回転方向を切り換える切り換え機能を追加しており、CPU151が二次転写ローラ110の回転方向を、二次転写時には中間転写ベルト71の回転方向と同じ方向になるように制御し(図9参照)、クリーニング時には中間転写ベルト71の回転方向に対して逆方向に回転するように制御する(図10)。
【0077】
尚、「同じ方向」とは、二次転写位置P2での二次転写ローラ110の移動方向が、図9に示すように、中間転写ベルト71の移動方向(下から上に向かう方向)と同じ方向になることを意図する。また、「逆方向」とは、二次転写位置P2で二次転写ローラ110の移動方向が、図10に示すように中間転写ベルト71の移動方向(下から上に向かう方向)と逆方向になることを意図する。
【0078】
クリーニング時に、中間転写ベルト71に対して二次転写ローラ110を逆回転させると、両間71、110の摩擦が一層大きくなることから、中間転写ベルト71上の残留トナーZが摩擦力により剥がれ易くなる。そのため、残留トナーを吸引し易くなり、クリーニング性能を高めることが可能となる。
【0079】
また、実施形態2のレーザプリンタでは、図9、図10に示すように、回収ローラ120に対して第一クリーニングブレード(本発明の「第一掻き取り部材」に相当)127と、第二クリーニングブレード(本発明の「第二掻き取り部材」に相当)128を設けている。
【0080】
第一クリーニングブレード127は、回収ローラ120が正方向(図9の反時計方向)に回転しているときに、回収ローラ120上に付着した残留トナーZを掻き取るのに対して、第二クリーニングブレード128は、回収ローラ120が正方向とは逆方向(図10の時計方向)に回転しているときに、回収ローラ120上に付着した残留トナーを掻き取る。
【0081】
以上のことから、回転中は、回転方向に関係なく、どちらかのクリーニングブレード127、128が残留トナーZを掻き取るので、回収ローラ120、引いては中間転写ベルト71の表面を常に清潔な状態に保つことが可能となる。
【0082】
尚、二次転写ローラ110の回転方向をCPU151にて切り換えるには、例えば、実施形態1のように、電磁クラッチの入り切りでギヤ列を切り換える構成や、二次転写ローラ110に対して動力源のモータを専用に設け、モータ軸の回転方向を切り換える構成が適用可能である。
【0083】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図11ないし図13によって説明する。実施形態1では、クリーニング装置100の廃トナーボックス130を、搬送経路Lを挟んで中間転写ベルト71の逆側に配置すると共に、本体ケース21に装着部90を設けて廃トナーボックス130を本体ケース21から着脱できるようにした。 具体的には、中間転写ベルト71
の後方に廃トナーボックス130を配置し、本体ケース21のリヤカバー25を開けて、本体ケース21から廃トナーボックス130を脱着させるようにした。
【0084】
実施形態3のレーザプリンタSは、クリーニング装置200の廃トナーボックス230を、搬送経路Lを挟んで中間転写ベルト71の逆側に配置すると共に、本体ケース21に装着部235を設けて、本体ケース21から廃トナーボックス230を着脱できるようにしている点が共通している。主たる相違点は、搬送経路Lを給紙カセット31の前側を始端としている点と、廃トナーボックス230の配置と本体ケース21に対する着脱の仕方にある。
【0085】
具体的に説明すると、実施形態3のレーザプリンタSは、実施形態1と同様に、給紙カセット31、中間転写ベルトユニット240、プロセスユニット50、スキャナユニット60を下から順に積み上げるように配置した構成となっている。
【0086】
実施形態3において、搬送経路Lは、図11において破線で示す通りであり、給紙部30の前方上部で反転して本体ケース21の後方に向かう。そして本体ケース21の後部に至ると、今度は向きを換えて上方に向かい、最終的には、本体ケース21の後部上端で再び前方に向きを換えて本体ケース21の上面壁に形成された排紙トレイ27に至る。
【0087】
中間転写ベルトユニット240は、駆動ローラ73、バックアップローラ75、テンションローラ77の3つのローラを備えると共に、これら3つのローラ73、75、77を無端状の中間転写ベルト71によって掛け渡している。
【0088】
テンションローラ77は、中間転写ベルト71に張力を作用させるものであり、前後方向では両ローラ73、75の間にあって、高さ方向では両ローラ73、75の下方に位置している。また、テンションローラ77の下側には、二次転写ローラ110が対向配置されている。この二次転写ローラ110は、実施形態1と同様に二次転写機能とクリーニング機能を兼用しており、クリーニング装置200の一部を構成している。
【0089】
クリーニング装置200は、図11にて示すように、二次転写ローラ110と回収ローラ120とクリーニングブレード125と廃トナーボックス230とから構成されている。廃トナーボックス230は、搬送経路Lを挟んで中間転写ベルト71の下側に配置されている。廃トナーボックス230を含むクリーニング装置200は、給紙カセットの上側に設けられた装着部235に対して着脱可能に装着されている。装着部235は、底の浅いボックス型をしており、廃トナーボックス230を含むクリーニング装置200を上側から収めて装着させる構造となっている。
【0090】
廃トナーボックス230は回収した残留トナーZを貯留するものであり、本体ケース21の前後方向に長い形状となっている。また、中間転写ベルト71と給紙カセット31の間に配置されていることから、上下に薄い形状になっている。そして、図12に示すように、本体ケース21の前側に設けたフロントカバー23を開放して、プロセスユニット50と中間転写ベルトユニット70を本体ケース21から取り外すと、廃トナーボックス230が露出した状態になる。
【0091】
そのため、図13に示すように、廃トナーボックス230と共に二次転写ローラ110や回収ローラ120を含むクリーニング装置200の全体を取り外すことが出来る構成となっている。
【0092】
このように、実施形態3のものは、実施形態1、2と同様、残留トナーZを収容する廃トナーボックス230を、搬送経路Lを挟んで中間転写ベルト71の反対側に配置し、かつ廃トナーボックス230を、装着部235を介して本体ケース21に対して着脱可能に装着している。そのため、クリーニングローラの機能を兼用する二次転写ローラ110が中間転写ベルト71上の付着物の大部分を除去する程、クリーニング能力が大きくても、廃トナーボックス230を交換することでその能力を担保することができ、ひいては、中間転写ベルト71側のクリーニング部材や収容体を小型化あるいはなくすことができる。そのため、中間転写ベルト71の周辺に空きスペースが出来、中間転写方式の画像形成装置における設計的な自由度を高めることができる。
【0093】
また、実施形態3では、中間転写ベルト71と廃トナーボックス230を上下配置していることから、前後配置する実施形態1の構成に比べて、レーザプリンタSを高さ方向で小型化することは難しくなる。しかし、プロセスユニット50、中間転写ベルトユニット70、クリーニング装置200を、全て前側から取り外せるというメリットがある。
【0094】
<実施形態4>
次に、本発明の実施形態4を図14ないし図15によって説明する。実施形態1〜3では二次転写ローラ110は二次転写機能とクリーニング機能を兼用しており、クリーニング装置100、200の一部を構成していた。
【0095】
実施形態4は、二次転写ローラ110とは別にクリーニングローラ(本発明の「クリーニング部材」に相当)310を専用に設けるようにした点が、実施形態1〜3と主に相違している。具体的に説明すると、実施形態4のクリーニング装置300は、クリーニングローラ310と回収ローラ120とクリーニングブレード125と廃トナーボックス330とから構成されている。これらクリーニング装置300は、給紙カセット31の上側に設けられた装着部335に着脱可能に装着されていて、給紙カセット31と中間転写ベルト71の間のスペースに配置されている。装着部335は底の浅いボックス型をしており、廃トナーボックス330を含むクリーニング装置300を上側から収めて装着させる構造となっている。
【0096】
装着部335は、本体ケース21に取り付けられたヒンジ部350を中心に回転可能になっていて、不図示の駆動装置の作動により、装着部35上に装着されたクリーニング装置300を図14に示すクリーニング位置と、図15に示す待機位置に移動させる構成となっている。
【0097】
図14に示すクリーニング位置では、廃トナーボックス330を含むクリーニング装置300の全体が前端を持ち上げるように傾いた姿勢となり、クリーニングローラ310が、テンションローラ77の後方に位置するバックアップローラ79に対向して中間転写ベルト71に接触する関係となる。
【0098】
また、図15に示す待機位置では、廃トナーボックス330を含むクリーニング装置300の全体が概ね水平な姿勢となり、クリーニングローラ310が中間転写ベルト71から離間して、クリーニング装置300の全体が搬送経路Lの下方に位置する。
【0099】
そして、エンジンコントローラ150のCPU151は、用紙搬送中(給紙カセット31から送出された用紙が搬送経路Lを送られる間)、クリーニング装置300を待機位置に位置させるように駆動装置を制御することから、クリーニング装置300が用紙搬送の邪魔にならない。逆に言えば、用紙搬送中、クリーニング装置300が搬送経路Lに対して重なる位置関係にあると、クリーニング装置300に用紙が干渉し搬送不良となるが、この実施形態では、離間する位置関係になるので、搬送不良が起きない。
【0100】
一方、エンジンコントローラ150のCPU151は、中間転写ベルト71をクリーニングする場合には、駆動装置を作動させてクリーニング装置300を待機位置からクリーニング位置へ移動させる。クリーニング位置では、上記したように、クリーニングローラ310が、バックアップローラ79に対向して中間転写ベルト71に接触する関係となる。そのため、中間転写ベルト71をクリーニングすることが可能である。
【0101】
そして、実施形態4のレーザプリンタSは、実施形態1〜3の場合と同様に、残留トナーZを収容する廃トナーボックス330を、搬送経路Lを挟んで中間転写ベルト71の反対側に配置し、かつ廃トナーボックス330を、装着部335を介して本体ケース21に対して着脱可能に装着している。そのため、クリーニングローラ310が中間転写ベルト71上の付着物の大部分を除去する程、クリーニング能力が大きくても、廃トナーボックス330を交換することでその能力を担保することができ、ひいては、中間転写ベルト71側のクリーニング部材や収容体を小型化あるいはなくすことができる。そのため、中間転写ベルト71の周辺に空きスペースが出来、中間転写方式の画像形成装置における設計的な自由度を高めることができる。
【0102】
尚、駆動装置の構成としては、例えば装着部335に対して支持アームを取り付け、それをモータの動力を使用して、ヒンジ部350を中心に回転させてやればよい。また、駆動装置の動力源となるモータはメインモータを使用してもいいし、それとは別に専用のモータを使用してもよい。
【0103】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0104】
(1)実施形態1〜4では、タンデム方式のレーザプリンタSを示したが、本技術の適用範囲は、タンデム方式のレーザプリンタSに限定されるものではなく、図16に示すように4サイクル方式のレーザプリンタSに対しても適用可能である。4サイクル方式とは、感光ドラム450、帯電器430、一次転写ローラ460、露光装置410を1組だけ設けていて、中間転写ベルト500を4回転させる間に各色の現像ローラ420Y、420M、420C、420Kにより、1つの感光ドラム400上に4色のトナー像を順に形成するものである。
【0105】
図16に示す構成例では、感光ドラム450上に形成されたトナー像を、中間転写ベルト500に対して一次転写した後、用紙に二次転写する構成となっている。二次転写ローラ470は、実施形態1〜3の場合と同じように、二次転写機能とクリーニング機能を兼用しており、回収ローラ610、クリーニングブレード620、廃トナーボックス630と共にクリーニング装置600を構成している。そして、廃トナーボックス630は、実施形態1〜3の場合と同じように、搬送経路Lを挟んで中間転写ベルト71の逆側に配置してあることから、廃トナーボックス630の容量を大きくすることが可能であり、また中間転写ベルト等各部品の配置自由度が高い。
【0106】
(2)実施形態1〜4では、いずれも補助クリーニングローラ95を設けたレーザプリンタSを例示したが、少なくともクリーニング装置100、200、300が設けられていればよく、補助クリーニングローラ95は廃止してもよい。このようにすれば、中間転写ベルト71周辺に空きスペースがより一層出来、レーザプリンタSにおける設計的な自由度をより一層高めることができる
【0107】
(3)実施形態1〜4では、回収部材の一例として回収ローラを例示したが、ローラに替えてブラシにすることが可能である。また、回収ローラを設けずに、二次転写ローラ110にクリーニングブレード125を当接させて、二次転写ローラ110上のトナーを直接クリーニングブレード125によって掻き取るようにしてもよい。
【0108】
(4)実施形態1では、メインモータ161を動力源として二次転写ローラ110を駆動させた。二次転写ローラ110の駆動源は、メインモータに限定されるものではなく専用モータを設ける構成でもよい。そして、専用モータを設ける場合、二次転写ローラ110の回転速度を任意に調整することが可能となるので、例えば、濃度パッチなどを除去する際には、中間転写ベルトに対する二次転写ローラの速度差のレベルを大きくして摩擦力を大きくすることで、濃度パッチなど転写残トナーに比べて除去し難い付着物であってもきれいにクリーニングできる。
【0109】
また、別の使用法として、中間転写ベルト71に対する二次転写ローラ110の回転速度の速度差の増加に応じて、二次転写ローラ110に印加するクリーニング電圧V2を下げるように二次転写バイアス印加回路171をCPU151にて制御することにより、電力消費を抑えることが可能となる。
【符号の説明】
【0110】
21…本体ケース
33…給紙ローラ
40…画像形成部
50…プロセスユニット
51Y〜51K…感光ドラム(本発明の「感光体」に相当)
59…現像ローラ
60…スキャナユニット
71…中間転写ベルト(本発明の「中間転写体」に相当)
78…一次転写ローラ(本発明の「一次転写部材」に相当)
80…定着部
90…装着部
95…補助クリーニングローラ(本発明の「補助クリーニング部材」に相当)
100…クリーニング装置
110…二次転写ローラ(本発明の「二次転写部材」、「クリーニング部材」に相当)
120…回収ローラ(本発明の「回収部材」に相当)
125…第一クリーニングブレード(本発明の「第一掻き取り部材」に相当)
126…第二クリーニングブレード(本発明の「第二掻き取り部材」に相当)
130…廃トナーボックス(本発明の「収容体」に相当)
150…エンジンコントローラ
151…CPU(本発明の「制御部」に相当)
171…二次転写バイアス印加回路(本発明の「電圧印加回路」に相当)
L…搬送経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体が搬送される搬送経路と、
感光体を含み、前記感光体上に現像剤像を形成する画像形成部と、
前記感光体と対向する中間転写体と、
前記感光体に形成された現像剤像を前記中間転写体に対して一次転写させる一次転写部材と、
前記中間転写体から前記搬送経路上の被記録媒体へ現像剤像を二次転写させる二次転写部材と、
前記中間転写体に付着した付着物を前記中間転写体から除去するクリーニング部材と、
前記搬送経路を挟んで前記中間転写体の反対側に配置され、前記クリーニング部材が前記中間転写体から除去した前記付着物を収容する収容体と、
前記収容体が着脱可能に装着される装着部とを備える画像形成装置。
【請求項2】
前記二次転写部材が前記クリーニング部材を兼用した構成である請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成部は、複数の前記感光体上に形成された各前記現像剤像を、各前記感光体に対向して配置された各前記一次転写部材によって前記中間転写体に転写するタンデム方式の画像形成部である請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成装置の筐体である本体ケースと、
前記本体ケース内に設けられた前記記装着部にする前記収容体の出入口となる開口部と、
前記開口部を開閉する開閉部材を備え、
前記収容体は、前記着脱部に対して外面壁を前記開口部に臨ませた状態で装着される請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成装置のうち、ユーザ用の操作部が設けられた側を前側、その反対側を後側と定義したときに、
前記中間転写体に対して前記収容体を前後に向かい合わせて配置した請求項3または請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記二次転写時以外の期間であって且つ前記クリーニング部材を兼用した前記二次転写部材が前記付着物を前記中間転写体から除去するクリーニング時には、前記二次転写時に比べて、前記搬送経路上の被記録媒体に前記現像剤が二次転写される二次転写位置における前記中間転写体の移動速度と前記二次転写部材の移動速度との速度差を大きくする制御部を備える請求項2ないし請求項5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記中間転写体上の付着物を一時的に回収して、前記中間転写体上に前記一次転写される前記現像剤像に重ならないタイミングで回収した前記付着物を前記中間転写体に戻す補助クリーニング部材を備える請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記二次転写部材は、前記制御部に制御されて回転する軸部材と、前記軸部材の外周側に形成される多孔質状の材料からなる被覆層とから構成され、
前記制御部は、前記クリーニング時に、前記二次転写位置での移動方向が前記中間転写体の移動方向と同方向になるように前記二次転写部材の回転方向を制御し、かつ前記二次転写部材の移動速度が前記中間転写体の移動速度よりも大きくなるように制御する請求項6または請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記クリーニング時に、前記二次転写位置での移動方向が、前記中間転写体の移動方向と逆方向になるように前記二次転写部材の回転方向を制御する請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記クリーニング部材は、
前記二次転写部材に対して接触した状態で回転し前記二次転写部材が前記中間転写体から除去した付着物を回収する回収部材と、
前記回収部材から回収した付着物を掻き取って前記収容体に収容させる掻き取り部とを備え、
前記掻き取り部は、
前記回収部材が正方向に回転しているときに、前記回収部材から前記付着物を掻き取る第一掻き取り部材と、
前記回収部材が前記正方向とは逆方向に回転しているときに、前記回収部材から前記付着物を掻き取る第二掻き取り部材とを含む構成である請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記中間転写体から前記付着物を除去するためのクリーニング電圧を、前記二次転写部材に印加する電圧印加部を備え、前記電圧印加部は、前記速度差の増加に応じて、前記クリーニング電圧のレベルを下げる請求項6ないし請求項10のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記クリーニング部材は、前記二次転写部材とは別に設けられた専用部材であり、かつ前記中間転写体に接触して前記中間転写体から付着物を除去するクリーニング位置と、前記搬送経路を挟んで前記中間転写体の反対側に位置する待機位置との間で変位する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項13】
感光体を含み、前記感光体上に現像剤像を形成する画像形成部と、
前記感光体と対向する中間転写体と、
前記感光体に形成された現像剤像を前記中間転写体に一次転写させる一次転写部材と、
前記中間転写体から搬送経路を搬送される被記録媒体に現像剤像を二次転写させる二次転写機能と、前記中間転写体から付着物を除去するクリーニング機能を備える二次転写部材と、
前記二次転写部材が前記中間転写体から除去した前記付着物を収容する収容体と、
前記二次転写時以外の期間であって且つ前記二次転写部材が前記付着物を前記中間転写体から除去するクリーニング時には、前記二次転写時に比べて、前記二次転写される二次転写位置における前記中間転写体の移動速度と前記二次転写部材の移動速度との速度差を大きくする制御部と、を備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図5e】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−194539(P2012−194539A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−21593(P2012−21593)
【出願日】平成24年2月3日(2012.2.3)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】