画像形成装置
【課題】記録紙束の前半頁群に続く頁を視認するために、当該記録紙束をどのように扱えばよいかを、記録紙束の視認者が即座に判断できるようにする。
【解決手段】画像合成部が、印刷順設定部により印刷順が設定された前半頁群の最終頁の画像データに、当該最終頁の次頁となる画像データが印刷される記録紙面を案内する案内画像の画像データを合成し、当該案内画像合成処理がされた各頁の画像データを、記録部が上記設定された印刷順に従って記録紙各面に印刷する。
【解決手段】画像合成部が、印刷順設定部により印刷順が設定された前半頁群の最終頁の画像データに、当該最終頁の次頁となる画像データが印刷される記録紙面を案内する案内画像の画像データを合成し、当該案内画像合成処理がされた各頁の画像データを、記録部が上記設定された印刷順に従って記録紙各面に印刷する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、印刷対象となる各画像データを、その頁順を並べ換えて印刷する際の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置等においては、印刷対象とする複数頁の原稿画像データを、その頁順を変更した上で記録紙に印刷する技術が適用されている。例えば、下記特許文献1に示されるように、このような画像形成装置として、印刷対象となる各頁の画像データについて、第1頁から総ページ数の半分の頁までの前半頁群の画像データを、記録紙第1頁からその表面(オモテ面。以下同様)に、画像データの頁順通りに印刷されるように印刷順を設定し、総ページ数の半分よりも後となる後半頁群の画像データは、画像を反転させた上で、その最終頁から頁順とは逆に、記録紙第1頁からその裏面に印刷するように印刷順を設定するものがある。
【0003】
上記従来の画像形成装置により、上記のような頁順変更で印刷された印刷物は、その記録紙束を左右方向のいずれかの端部で綴じると、記録紙束を第1頁からめくって一方面側(例えば、当該記録紙束における奇数頁部分)に印刷された画像のみを頁順に確認し、その後、当該記録紙束を綴じられている側をそのまま維持した状態で、上下端部を反転させて当該記録束の最終頁を正面側とし、この状態となった記録紙束の最初の頁(実際には最終頁)からめくって他面側(例えば、当該記録紙束における偶数頁部分)に印刷された画像のみを頁順に確認すれば、記録紙束の全頁を片面ずつ頁順に読み取る場合に、記録紙束をめくる方向を変更せずに最後の頁まで読み取ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−133837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のように、記録紙束を第1頁からめくって一方面側に印刷された画像のみを頁順に全て確認した後、これに続く頁を視認するために当該記録紙束をどのように扱えばよいか(上記のように綴じられている側を維持したままで記録紙束の正面と背面を入れ換えるのか、或いは、綴じられている側を反対側にして記録紙束をめくる方向を逆とし、記録紙束の最終頁の裏面から視認するのか等)を、記録紙束の視認者が即座に判断することは困難である。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、上記のように印刷対象となる前半頁群の画像データを記録紙表面に頁順に印刷し、後半頁群の画像データをその天地方向を反転させて記録紙第1頁の裏面から頁順とは逆の順で各記録紙裏面に印刷した印刷物について、記録紙束を第1頁からめくって表面側部分に印刷された画像のみを頁順に全て確認した後、前半頁群に続く頁を視認するために当該記録紙束をどのように扱えばよいかを、記録紙束の視認者が即座に判断できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に記載の発明は、複数頁分の画像データを取得する画像データ取得部と、
前記画像データ取得部によって取得された各頁の画像データについて、当該取得された画像データに付随する付随情報に基づいて第1頁から予め定められた頁までの前半頁群の画像データを、記録紙第1頁から以降連続する各頁の表面への印刷対象として前記付随情報が示すそれぞれの頁順に従って印刷順を設定し、前記付随情報に基づいて前記予め定められた頁よりも後となる後半頁群の各画像データを、前記前半頁群の画像データの印刷に用いられた最終頁の記録紙、又は前記前半頁群の画像データの印刷に用いられた記録紙に追加して用いられる記録紙の最終頁から遡って連続する各頁の裏面への印刷対象として、前記頁順に従って印刷順を設定する印刷順設定部と、
前記印刷順設定部により印刷順が設定された前記後半頁群の画像データの天地方向を反転させる処理を行う画像反転処理部と、
前記印刷順設定部により印刷順が設定された前半頁群における最終頁の画像データに、当該後半頁群で最初の頁となる画像データが印刷される記録紙面を案内する案内画像の画像データを合成する画像合成部と、
前記印刷順設定部により設定された前記印刷順に従って、前記画像データ取得部によって取得された各頁の画像データであって、前記画像反転処理部及び前記画像合成部による前記各処理が行われた画像データを記録紙各面に印刷する印刷部と
を備える画像形成装置である。
【0008】
この発明によれば、画像合成部が、印刷順設定部により上記のように印刷順が設定された前半頁群の最終頁の画像データに、当該最終頁の次頁となる画像データが印刷される記録紙面を案内する案内画像の画像データを合成し、上記画像反転処理及び当該案内画像合成処理がされた各頁の画像データを、印刷部が上記印刷順に従って記録紙各面に印刷するので、当該印刷によって得られる印刷物の視認者が当該案内画像を見ることにより、当該印刷物を第1頁からめくって表面側部分に印刷された画像のみを頁順に全て確認した後、前半頁群に続く頁(後半頁群における最初の頁)を視認するためには、どの記録紙面を見ればよいかを的確に把握させることができる。これにより、当該印刷物の視認者は、当該印刷物を第1頁からめくって表面側部分に印刷された画像のみを頁順に確認した後、前半頁群に続く頁を視認するために当該印刷物をどのように扱えばよいかを即座に判断することが可能になる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、前記印刷順設定部は、前記予め定められた頁を、前記付随情報に基づいて総頁数の半分にあたる頁、又は当該半分にあたる頁に最も近い前後頁のいずれかとするものである。
【0010】
この発明によれば、印刷順設定部が、上記各頁の画像データの総頁数の半分にあたる頁、又は当該半分にあたる頁に最も近い前後頁のいずれかを上記予め定められた頁として、印刷順を設定するので、上記印刷順設定、画像反転処理、及び当該案内画像合成処理がされた各頁の画像データの印刷に要する記録紙枚数を最少に近く低減することが可能となる。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、前記予め定められた頁の指定をユーザから受け付ける頁指定受付部を更に備え、
前記印刷順設定部は、前記頁指定受付部によって指定が受け付けられた頁を、前記予め定められた頁とするものである。
【0012】
この発明によれば、印刷順設定部は、頁指定受付部で指定が受け付けられた頁を上記予め定められた頁として上記印刷順の設定を行うので、ユーザ所望の頁で、記録紙表面に印刷される前半頁群と、記録紙裏面に印刷される後半頁群とを分けることが可能になる。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置であって、前記印刷順設定部は、前記各頁の画像データが属する章を示す章情報を前記付随情報から取得し、当該章情報が示す各章において頁順が最終頁となる画像データのうち、前記付随情報が示す総頁数の半分にあたる頁に最も近い頁となる章の最終頁を前記予め定められた頁とするものである。
【0014】
この発明では、印刷順設定部は、上記章情報が示す各章において最終頁となる画像データのうち、上記取得された各頁の画像データの総頁数の半分にあたる頁に最も近い頁を前記予め定められた頁とするので、印刷対象となる画像が章の途中で、記録紙表面に印刷される前半頁群と、記録紙裏面に印刷される後半頁群とに分断される事態が回避される。
【0015】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置であって、前記画像合成部は、前記前半頁群における最終頁の画像データに、前記設定した印刷順での前記印刷部による印刷毎に異なる前記案内画像の画像データを合成し、
前記印刷順設定部は、前記画像データ取得部によって取得された各頁の画像データに付随する付随情報が示す頁順情報と、当該各頁の画像データに対して前記印刷順設定部により設定された印刷順情報と、当該各頁の画像データに対して前記合成に用いられた案内画像とを対応付けて記憶すると共に、
前記画像データ取得部によって取得された各頁の画像データのいずれかが、前記案内画像の画像データを含むか否かを判別する判別部を更に備え、
前記印刷順設定部は、前記判別部が前記各頁の画像データのいずれかが案内画像の画像データを含むと判別した場合、前記画像データ取得部によって取得された各頁の画像データの印刷順を、当該判別された案内画像に対応付けて記憶している前記頁順情報及び印刷順情報の相関関係に基づいて当該頁順情報が示す頁順に従った印刷順に新たに設定し、
前記印刷部は、前記印刷順設定部によって新たに変更された当該印刷順に従って、前記画像データ取得部によって取得された各頁の画像データを記録紙に印刷するものである。
【0016】
この発明によれば、印刷順設定部は、画像データ取得部によって取得された画像データが上記案内画像を有すると判別部により判別された場合には、当該印刷対象とされる画像の画像データの印刷順を、当該判別された案内画像に対応付けて記憶されている頁順情報及び印刷順情報の相関関係に基づいて当該頁順情報が示す頁順に従った印刷順に新たに設定し、印刷部は、当該変更された印刷順に従って当該画像データを記録紙に印刷するので、前記印刷順設定部による前記印刷順設定と、前記画像反転処理部及び前記画像合成部による前記各処理に基づいて印刷された印刷物を、この印刷の対象とされた元々の画像データが有していた頁順通りに戻して印刷された印刷物を得ることができる。
【0017】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像形成装置であって、前記画像合成部は、前記判別部が前記各頁の画像データのいずれかが前記案内画像の画像データを含むと判別した場合に、前記案内画像を含む頁の画像データから当該案内画像の画像データを削除し、
前記印刷部は、前記画像合成部による削除処理後の前記各頁の画像データを、前記印刷順設定部によって変更された印刷順に従って記録紙に印刷するものである。
【0018】
この発明によれば、画像合成部は、各頁の画像データのいずれかが案内画像の画像データを含む場合に、案内画像を含む頁の画像データから当該案内画像の画像データを削除し、印刷部により、当該削除処理後の各頁の画像データが印刷されるので、印刷順設定部によって設定された印刷順に基づいて印刷された印刷物を、この印刷の対象とされた元々の画像データが有していた頁順及び画像の通りに戻して印刷された印刷物を得ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、印刷対象となる前半頁群の画像データを記録紙表面に頁順に印刷し、後半頁群の画像データを、天地方向を反転させて記録紙第1頁から、各画像データに付された頁順とは逆の順で記録紙裏面に印刷した印刷物について、当該印刷物を第1頁からめくって表面側部分に印刷された画像のみを頁順に確認した後、前半頁群に続く頁を視認するためには当該印刷物をどのように扱えばよいかを、印刷物の視認者が即座に判断できるようにすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】複合機の内部構成を概略的に示す側面図である。
【図2】複合機の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図3】複合機による印刷処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
【図4】原稿及び印刷順を示す図である。
【図5】当該印刷処理で得られた印刷物であって最終頁を開いた示す図である。
【図6】原稿及び印刷順を示す図である。
【図7】原稿及び印刷順を示す図である。
【図8】複合機による印刷処理の第2実施形態を示すフローチャートである。
【図9】原稿及び印刷順を示す図である。
【図10】原稿及び印刷順を示す図である。
【図11】複合機による印刷処理の第3実施形態を示すフローチャートである。
【図12】原稿及び印刷順を示す図である。
【図13】原稿及び印刷順を示す図である。
【図14】第4実施形態に係る印刷処理を行うために必要な複合機の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図15】複合機による印刷処理の第4実施形態を示すフローチャートである。
【図16】(a)(b)は印刷順の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は複合機1の内部構成を概略的に示す側面図である。複合機1は、装置本体2と、装置本体2の左方に配設されたスタックトレイ3と、装置本体2の上部に配設された原稿読取部5と、原稿読取部5の上方に配設された原稿給送部6とを有している。
【0022】
複合機1のフロント部には、操作部(操作手段)47が設けられている。この操作部47には、ユーザが印刷(出力)実行指示を入力するためのスタートキー471と、印刷部数等を入力するためのテンキー472と、各種複写動作の操作ガイド情報等を表示し、これら各種設定入力用にタッチパネル機能を有する液晶ディスプレイ等からなる表示部473と、表示部473で設定された設定内容等をリセットするリセットキー474と、実行中の印刷動作を停止させるためのストップキー475と、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能を切り換えるための機能切換キー477が備えられている。
【0023】
原稿読取部(画像取得部の一例)5は、CCD(Charge Coupled Device)センサ及び露光ランプ等からなるスキャナ部51と、ガラス等の透明部材により構成された原稿台52及び原稿読取スリット53とを備える。スキャナ部51は、図略の駆動部によって移動可能に構成され、原稿台52に載置された原稿を読み取るときは、原稿台52に対向する位置で原稿面に沿って移動され、原稿画像を走査しつつ取得した画像データを制御部100(図2)へ出力する。また、スキャナ部51は、原稿給送部6により給送された原稿を読み取るときは、原稿読取スリット53と対向する位置に移動され、原稿読取スリット53を介して原稿給送部6による原稿の搬送動作と同期して原稿の画像を取得し、その画像データを制御部100へ出力する。
【0024】
原稿給送部6は、原稿を載置するための原稿載置部61と、画像読み取り済みの原稿を排出するための原稿排出部62と、原稿載置部61に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して原稿読取スリット53に対向する位置へ搬送し、原稿排出部62へ排出するための給紙ローラ(図略)、搬送ローラ(図略)等からなる原稿搬送機構63を備える。原稿搬送機構63は、さらに原稿を表裏反転させて原稿読取スリット53と対向する位置へ再搬送する用紙反転機構(図略)を備え、原稿読取スリット53を介してスキャナ部51から原稿の両面の画像を読取可能にしている。
【0025】
また、原稿給送部6は、その前面側が上方に移動可能となるように装置本体2に対して回動自在に設けられている。原稿給送部6の前面側を上方に移動させて原稿台52上面を開放することにより、原稿台52上面の原稿載置位置に読み取り原稿、例えば見開き状態にされた書籍等を操作者がセットできるようになっている。
【0026】
装置本体2は、複数の給紙カセット461と、給紙カセット461から記録紙を1枚ずつ繰り出して記録部40へ搬送する給紙ローラ462と、給紙カセット461から搬送されてきた記録紙に画像を形成する記録部40とを備える。
【0027】
記録部(印刷部)40は、スキャナ部51で取得された画像データに基づくレーザ光等を生成して感光体ドラム43を露光する光学ユニット42と、感光体ドラム43上にトナー像を形成する現像部44と、感光体ドラム43上のトナー像を記録紙に転写する転写部41と、トナー像が転写された記録紙を加熱してトナー像を記録紙に定着させる定着部45と、記録部40内の用紙搬送路中に設けられ、記録紙をスタックトレイ3又は排出トレイ48まで搬送する搬送ローラ463,464等とを備える。
【0028】
記録紙の両面に画像を形成する場合は、記録部40で記録紙の一方の面に画像を形成した後、この記録紙を排出トレイ48側の搬送ローラ463にニップされた状態とする。この状態で搬送ローラ463を反転させて記録紙をスイッチバックさせ、記録紙を用紙搬送路Lに送って記録部40の上流域に再度搬送し、記録部40により他方の面に画像を形成した後、記録紙をスタックトレイ3又は排出トレイ48に排出する。
【0029】
図2は複合機1の概略構成を示す機能ブロック図である。複合機1には、装置全体の動作制御を司る制御部100が備えられている。この制御部100には、スキャナ部51と、用紙搬送部131と、記録部40とが接続されている。スキャナ部51は、露光ランプ511及びCCD512等を有する。また、制御部100には、スキャナ部51で読み取られた文書データ等が一時的に保存される画像メモリ140と、大量の文書データを保存可能な記憶容量を有する大容量のHDD(記憶装置)150とが接続されている。
【0030】
画像処理部160は、スキャナ部51による原稿読み取り時には、スキャナ部51から出力されるアナログ画像信号をデジタル画像に変換し、画質を向上させる画像処理を施す。また、スキャナ部51によって読み取った画像データを、HDD150に格納する場合には、画像処理部160は、上記画像処理後のデータを更に圧縮画像に変換し、画像メモリ140に書き込む。制御部100は、画像メモリ140に書き込まれた圧縮画像を、文書管理の対象となるファイルデータとしてHDD150に格納する。また、登録文書のプリントアウト時には、画像処理部160は、HDD150又は画像メモリ140に記憶されているプリントアウト対象のファイルデータ(圧縮画像)を伸張処理する。
【0031】
さらに、画像処理部160は、印刷順設定部161、画像反転処理部162、及び画像合成部163として機能する。
【0032】
印刷順設定部161は、原稿読取部5により読み取られた原稿複数頁分からなる画像データ、又はI/F部210によりネットワーク上のPC等から取得された複数頁分からなる画像データ等を印刷対象データとし、当該印刷対象データをなす各頁の画像データの印刷順を設定する。
【0033】
本実施形態では、印刷順設定部161は、当該印刷対象データに付随する付随情報(当該印刷対象データの印刷に用いられる記録紙サイズ、モノクロ/カラー画像の別、当該印刷対象データを構成する各頁の画像データについての頁順、当該各頁の画像データが属する章を示す章等の情報。但し、付随情報をこれらに限定する趣旨ではない)に含まれる頁順情報に基づいて、当該印刷対象データをなす各頁毎の画像データについて、第1頁から予め定められた頁までの前半頁群の画像データを、記録紙第1頁から続く以降各頁の表面への印刷対象とし、この前半頁群の各頁の画像データについて、当該頁順情報が示す頁順に従って印刷順を設定する。さらに、印刷順設定部161は、当該頁順情報が示す上記予め定められた頁よりも後となる頁からなる後半頁群の各画像データを、上記の前半頁群の画像データの印刷に用いられた最終頁の記録紙から第1頁に向かって連続する各頁の裏面への印刷対象とし、この後半頁群の各頁の画像データについて、上記頁順情報が示す頁順に従って印刷順を設定する。
【0034】
画像反転処理部162は、印刷順設定部161により印刷順が設定された後半頁群の画像データの天地方向を反転させる処理を行う。
【0035】
画像合成部163は、印刷順設定部161により印刷順が設定された前半頁群において頁順が最終頁となる画像データに、当該前半頁群における最終頁の次頁となる画像データ(上記後半頁群の最初の頁となる画像データ)が印刷される記録紙面を案内する案内画像の画像データを合成する。当該案内画像の画像データは、画像合成部163が保有する、制御部100に内蔵されるメモリに保存される、又はHDD150に保存される、のいずれでもよい。当該案内画像の詳細は後述する。
【0036】
記録部40は、印刷順設定部161により設定された上記印刷順に従って、上記印刷対象データをなす各頁毎の画像データであって、画像反転処理部162及び画像合成部163による上記各処理が行われた画像データを記録紙各面に印刷する。
【0037】
なお、本実施形態では、制御部100とは別個の画像処理部160が印刷順設定部161として機能するものとしているが、制御部100が印刷順設定部161として機能するものであってもよいし、制御部100が画像合成部163として機能するものであってもよい。
【0038】
制御部100は、頁指定受付部106及び後処理設定部109として機能する。
【0039】
頁指定受付部106は、ユーザの操作部47の操作により入力された頁指定を、上記印刷順設定部161が印刷順の設定に用いる上記予め定められた頁の指定として受け付ける。印刷順設定部161は、頁指定受付部106によって当該予め定められた頁の指定が受け付けられた場合には、当該指定された頁を上記予め定められた頁として用いる。
【0040】
後処理設定部109は、ユーザによって操作部47に入力された後処理方法(ステイプル又はパンチ等)を指定する指示と、ユーザによって操作部47に入力された綴じ位置を指定する指示とに従って綴じ位置を設定する。
【0041】
さらに、制御部100は、複合機1が実行可能な各機能を制御するスキャナコントローラ101,ファクシミリコントローラ102,プリンタコントローラ103,コピーコントローラ104及びネットワークコントローラ105として機能する。
【0042】
スキャナコントローラ101は、スキャナ部動作に必要な各部の動作制御を行うものである。ファクシミリコントローラ102は、ファクシミリ動作に必要な各部の動作制御を行うものであり、ファクシミリ通信に必要なデータの調整を行うファクシミリ通信部170を制御する。ファクシミリ通信部170には、データ送受信相手である相手先ファクシミリとの電話回線の接続を制御するNCU(Network Control Unit)が備えられている。
【0043】
プリンタコントローラ103は、プリンタ動作に必要な各部の動作制御を行うものである。コピーコントローラ104は、コピー動作に必要な各部の動作制御を行うものである。ネットワークコントローラ105は、本複合機1とネットワーク上のコンピュータ、更には、インターネット上のサイトとの間で行われるデータ送受信を制御するものである。ネットワークコントローラ105は、上記I/F部210を介して外部とデータを送受信させる。
【0044】
操作部47は、複合機1の操作に必要な各種の指示がユーザから入力されるものである。操作部47は、表示部473と、操作キー部470(スタートキー471、テンキー472、リセットキー474、ストップキー475、機能切換キー477等からなる)とを有している。
【0045】
次に、複合機1による印刷処理について説明する。図3は複合機1による印刷処理の第1実施形態を示すフローチャート、図4,図6,図7は原稿及び印刷順を示す図、図5は当該印刷処理で得られた印刷物であって最終頁を開いた示す図である。
【0046】
ユーザにより複数枚の原稿が原稿載置部61に載置され、操作部47のスタートキー471の押下でコピー開始指示が入力されると、制御部100は、原稿読取部5に、原稿載置部61に載置されている当該複数枚分(複数頁分)の原稿の読み取りを行わせる(S1)。これにより、印刷対象データが複合機1に取得される。また、当該複合機1にネットワーク接続されたパーソナルコンピュータから送信されてくる原稿複数頁分の画像データからなる印刷対象データを、I/F部210が受信することによって、複合機1での印刷対象データの取得が行われてもよい。取得された印刷対象データは、画像メモリ140又はHDD150に一次的に記憶される。
【0047】
なお、原稿読取部5によって複数枚分の原稿が読み取られて印刷対象データが取得された場合、制御部100は、当該各頁の画像データの特性から、当該印刷対象データの印刷に用いられる記録紙サイズ、モノクロ/カラー画像の別、当該印刷対象データを構成する各頁の画像データについての頁順、当該各頁の画像データが属する章を示す章等の情報を検出し、当該検出した各情報を上述の付随情報として、当該取得された印刷対象データと共に画像メモリ140又はHDD150に記憶させる。なお、付随情報は、印刷対象データに関連付けて制御部100又は図略のメモリに記憶されてもよい。また、印刷対象データが、ネットワーク接続されたパーソナルコンピュータからI/F部210により受信される場合は、上記付随情報が付随した印刷対象データが受信される。
【0048】
続いて、印刷順設定部161は、上記原稿複数頁分からなる印刷対象データをなす各頁の画像データについて、当該印刷対象データに付随する上記付随情報に含まれる頁順情報に基づいて、第1頁から予め定められた頁までの前半頁群の画像データを、記録紙第1頁から続く以降各頁の表面への印刷対象として、当該頁順情報が示す頁順に従って印刷順を設定する(S2)。この予め定められた頁は、例えば複合機1の工場出荷前に、製造者により印刷順設定部161に予め記憶されている。本実施形態では、当該予め定められた頁の一例として、ここでは、上記頁順情報が示す総頁数の半分にあたる頁(例えば、図4に示すように、原稿が8枚であって、原稿画像データが8頁分の場合には第4頁)を用いる。さらに、印刷順設定部161は、当該頁順情報に基づいて上記予め定められた頁よりも後となる頁からなる後半頁群の各画像データを、上記の前半頁群の画像データの印刷に用いられた最終頁の記録紙から遡って第1頁に向かって連続する各頁の裏面への印刷対象として、上記頁順情報が示す頁順に従って印刷順を設定する。
【0049】
そして、画像反転処理部162は、印刷順設定部161により印刷順が設定された後半頁群の画像データの天地方向を反転させる(S3)。
【0050】
さらに、画像合成部163は、印刷順設定部161により印刷順が設定された前半頁群において頁順が最終頁となる画像データに、当該前半頁群における最終頁の次頁となる画像データ(上記後半頁群の最初の頁となる画像データ)が印刷される記録紙面を案内する案内画像の画像データを合成する(S4)。画像合成部163は、例えば、図5に示すように、「綴じ位置を左に保ったまま、この印刷物を回転させて背面側を手前にして下さい」といったメッセージ画像を上記案内画像として、その画像データを予め記憶しており、この画像データを案内画像の画像データとして用いる。なお、当該案内画像の合成処理は、画像データが存在していない領域に行われることが好ましい。
【0051】
後処理設定部109は、S4での処理後の印刷対象データに対して、ユーザによって操作部47に入力された後処理方法(ステイプル又はパンチ等)を指定する指示と、ユーザによって操作部47に入力された綴じ位置を指定する指示とに従って綴じ位置を設定する(S5)。本実施形態では、図5に示すように、ユーザにより、後処理がステイプル、綴じ位置が記録紙縦向きで左端中央部2箇所に設定されている例を示す。
【0052】
記録部40は、S2において印刷順設定部161により設定された上記印刷順に従って、上記印刷対象データをなす各頁の画像データであって、S3及びS4において上記画像反転処理部162及び画像合成部163による上記各処理が行われた画像データを記録紙各面に印刷する(S6)。
【0053】
記録部40により上記印刷が行われた各記録紙からなる記録紙束に対して、制御部100は、後処理部220に、S5において後処理設定部109により設定された後処理及び綴じ位置の内容で後処理を実行させる(S7)。
【0054】
当該一連の印刷処理によれば、図5に示すように、前半頁群の最終頁には、当該最終頁の次頁を示す案内画像が印刷されるため、当該印刷によって得られる印刷物の視認者に対して、当該印刷物を第1頁からめくって表面側部分に印刷された画像のみを頁順に全て確認した後、前半頁群に続く頁(後半頁群における最初の頁)を視認するためには、どの記録紙面を見ればよいかを的確に把握させることができる。これにより、当該印刷物の視認者は、当該印刷物を第1頁からめくって表面側部分に印刷された画像のみを頁順に確認した後、前半頁群に続く頁を視認するために当該印刷物をどのように扱えばよいかを即座に判断することが可能になる。
【0055】
なお、当該予め定められた頁の一例として、当該総頁数の半分にあたる頁の前後頁のいずれかの頁(例えば、原稿画像データが9頁分の場合に第4頁又は第5頁)を用いてもよい。この場合、印刷順設定部161は、原稿画像データが9頁分の場合に、総頁数の半分にあたる頁よりも大きい第5頁を上記予め定められた頁とするときは、図6に示すように、印刷対象データをなす各頁の画像データの第1頁〜第5頁までを前半頁群とし、記録紙第1頁から続く以降各頁の表面への印刷対象として、当該印刷対象データの頁順情報が示す頁順に従って印刷順を設定し、さらに、印刷対象データをなす各頁の画像データの第6頁〜第9頁までを後半頁群とし、この後半頁群の各画像データを、上記の前半頁群の画像データの印刷に用いられた最終頁の記録紙から遡って第1頁に向かって連続する各頁の裏面への印刷対象として、上記頁順情報が示す頁順に従って印刷順を設定する。
【0056】
また、印刷順設定部161は、原稿画像データが9頁分の場合に、総頁数の半分にあたる頁よりも小さい第4頁を上記予め定められた頁とするときは、図7に示すように、印刷対象データをなす各頁の画像データの第1頁〜第4頁までを前半頁群とし、印刷対象データをなす各頁の画像データの第5頁〜第9頁までを後半頁群とする。この場合、印刷順設定部161は、前半頁群の各画像データを、記録紙第1頁から続く以降各頁の表面への印刷対象として、当該印刷対象データの頁順情報が示す頁順に従って印刷順を設定し、後半頁群なる第5頁〜第9頁を印刷可能とするために、更に記録紙第5頁目を設定し、当該記録紙第5頁目の表面には印刷対象画像を設定しない。さらに、後半頁群の各画像データを、上記の前半頁群の画像データの印刷に用いられた最終頁となる記録紙第5頁目の記録紙から遡って第1頁に向かって連続する各頁の裏面への印刷対象として、上記頁順情報が示す頁順に従って印刷順を設定する。このように、記録紙第5頁の表面は白紙となるが、上述したように、前記頁群の最終頁となる記録紙第4頁の表面には、当該前半頁群における最終頁の次頁となる画像データ(上記後半頁群の最初の頁となる画像データ)が印刷される記録紙面を案内する案内画像が印刷されるので、当該印刷物を視認するユーザは当該白紙部分を視認することなく即座に後半頁群の最初の頁を視認することが可能である。
【0057】
次に、複合機1による印刷処理の第2実施形態について説明する。図8は複合機1による印刷処理の第2実施形態を示すフローチャートである。図9は原稿及び印刷順を示す図なお、第1実施形態と同様の処理は説明を省略する。
【0058】
この第2実施形態では、印刷順設定部161が印刷順の設定に用いる上記予め定められた頁をユーザが指定可能とする。
【0059】
印刷対象データの取得後、印刷順設定部161は、上記予め定められた頁を頁順で何頁目とするかのユーザからの頁指定が頁指定受付部106に受け付けられているか否かを判断する(S12)。
【0060】
印刷順設定部161は、上記ユーザからの頁指定が頁指定受付部106に受け付けられていると判断した場合は(S12でYES)、当該指定された頁を上記予め定められた頁として、即ち、当該指定された頁を前半頁群の最終頁として印刷順を設定する(S13)。例えば、印刷対象データの総頁数が8頁であって、ユーザにより指定された頁が第5頁である場合、図9に示すように、印刷順設定部161は、印刷順を、前半頁群の最終頁が第5頁となるように設定し、前半頁群の最初の頁が第6頁となるように設定する。すなわち、第6頁以降の頁群でなる後半頁群の各画像データを、前半頁群の画像データの最終頁となる第5頁の記録紙から遡って記録紙第1頁に向かって連続する各頁の裏面への印刷対象として、上記頁順情報が示す頁順に従って後半頁群の各画像データ印刷順を設定する。
【0061】
なお、印刷対象データの総頁数が8頁であって、ユーザにより指定された頁が当該総頁数の半分の頁数よりも小さい頁、例えば第3頁である場合、図10に示すように、印刷順設定部161は、印刷順を、前半頁群の最終頁が第3頁となるように設定し、前半頁群の最初の頁が第4頁となるように設定するが、この場合、後半頁群(第4頁〜第8頁)の各画像データの印刷に記録紙5枚を要するため、前半頁群の各頁の画像データは、記録紙第1頁から以降に続く第3頁から第5頁までの表面への印刷対象として印刷順が設定され、後半頁群の各頁の画像データは、前半頁群の画像データの印刷に用いられた最終頁である第5頁の記録紙から遡って第1頁に向かって以降連続する各頁の裏面への印刷対象として印刷順が設定される。
【0062】
一方、印刷順設定部161が、上記ユーザからの頁指定が頁指定受付部106に受け付けられていないと判断した場合は(S12でNO)、印刷順設定部161は、印刷対象データをなす各頁の画像データについて、第1頁から上記予め定められた頁までの前半頁群の画像データとし、当該予め定められた頁の次頁から最終頁までを後半群の画像データとする第1実施形態と同様の印刷順設定を行う(S19)。なお、S12及びS19以降の処理は、第1実施形態と同様である。
【0063】
次に、複合機1による印刷処理の第3実施形態について説明する。図11は複合機1による印刷処理の第3実施形態を示すフローチャートである。図12は原稿及び印刷順を示す図である。なお、第1又は第2実施形態と同様の処理は説明を省略する。
【0064】
この第3実施形態では、印刷順設定部161が、印刷対象データをなす各頁の画像データが属する章を示す章情報を、当該印刷対象データに付随する付随情報から取得し、当該章情報が示す各章において頁順が最終頁となる画像データのうち、前記付随情報が示す総頁数の半分にあたる頁に最も近い頁となる章の最終頁を、上記予め定められた頁として用いる。
【0065】
この「章」とは、印刷対象データをなす各頁の画像データの纏まりの単位である。例えば、当該印刷対象データをなす各頁の画像データの総頁数が12頁である場合、第1章に第1頁〜第3頁が属し、第2章に第4頁〜第8頁が属し、第3章に第9頁〜第12頁が属するという各章の頁構成の情報が「章情報」である。また、本実施形態では、当該例を用いて説明を進める。この章情報は、付随情報に一情報として含まれている。
【0066】
印刷順設定部161は、上記印刷対象データをなす各頁の画像データについて、当該印刷対象データに付随する付随情報から章情報を取得できた場合は(S22でYES)、当該章情報に基づいた印刷順設定を行う(S23)。
【0067】
この印刷順設定として、まず、印刷順設定部161は、当該章情報が示す各章において頁順が最終頁となる頁を特定する。上記に示した章情報の例の場合、印刷順設定部161により、第1章の最終頁が第3頁、第2章の最終頁が第8頁、第3章の最終頁が第12頁と特定される。
【0068】
さらに、印刷順設定部161は、上記付随情報の頁順情報が示す総頁数の半分にあたる頁を算出する。上記に示した章情報の例の場合、総頁数が第12頁なので、印刷順設定部161により、半分の頁は第6頁と算出される。
【0069】
続いて、印刷順設定部161は、当該算出した半分の頁に最も近い頁となる章の最終頁を判定する。上記に示した章情報の例の場合、第1章の最終頁が第3頁、第2章の最終頁が第8頁、第3章の最終頁が第12頁であり、算出した半分の頁は第6頁であるので、当該算出した半分の頁に最も近い頁となる章の最終頁は第8頁となる。
【0070】
そして、印刷順設定部161は、最も近い頁となる章の最終頁を、前半頁群の最終頁である上記予め定められた頁とする。上記に示した章情報の例の場合、印刷順設定部161は、第2章の最終頁である第8頁を、上記予め定められた頁とする。
【0071】
印刷順設定部161は、このようにして決定した予め定められた頁を用いて、第1実施形態と同様に印刷順を設定する。上記に示した章情報の例を用いて説明すると、予め定められた頁が第8頁となるため、図12に示すように、印刷順設定部161により、印刷対象データをなす各頁の画像データの第1頁〜第8頁までが前半頁群と設定され、第9頁〜第12頁までが後半頁群と設定される。
【0072】
なお、例えば、章情報が、第1章に第1頁〜第5頁が属し、第2章に第6頁〜第9頁が属し、第3章に第10頁〜第12頁が属するという各章の頁構成を示す場合、図13に示すように、総頁数が第12頁なので、印刷順設定部161により、第1章の最終頁である第5頁が、総頁数の半分の頁は第6頁に近いとして、上記予め定められた頁とされ、印刷対象データをなす各頁の画像データの第1頁〜第5頁までが前半頁群と設定され、第6頁〜第12頁までが後半頁群と設定される。
【0073】
この第3実施形態によれば、印刷対象となる画像が、章の途中で、記録紙表面に印刷される前半頁群と、記録紙裏面に印刷される後半頁群とに分断される事態が回避される。
【0074】
次に、複合機1による印刷処理の第4実施形態について説明する。図14は第4実施形態に係る印刷処理を行うために必要な複合機1の概略構成を示す機能ブロック図である。図15は複合機1による印刷処理の第4実施形態を示すフローチャートである。なお、第1乃至第3実施形態のいずれかと同様の処理は説明を省略する。なお、特に、説明しない限り、各部及び各機構による動作及び機能は図2を用いて説明したものと同様である。
【0075】
図14に示すように、第4実施形態に係る印刷処理を行う複合機1は、更に、判別部107を備える。判別部107は、印刷対象データをなす各頁の画像データのいずれかが、案内画像の画像データを含むかを判別する。
【0076】
また、第4実施形態に係る印刷処理を行う複合機1では、画像合成部163は、前半頁群における最終頁の画像データに、印刷順設定部161が設定した印刷順での記録部40による印刷毎に異なる案内画像の画像データを合成する。例えば、画像合成部163は、各印刷ジョブ毎に異なるシリアル番号を作成して、標準として用いる案内画像に当該印刷ジョブ毎に異なるシリアル番号を付加した内容からなる画像を、上記「印刷毎に異なる案内画像」として用いる。
【0077】
また、印刷順設定部161は、更に、第1乃至第3実施形態で示した印刷順設定により設定された印刷順での記録部40による印刷(印刷ジョブ)が行われる場合に、この第1乃至第3実施形態で設定された印刷順と、この印刷における印刷対象データに付随していた付随情報が示す元々の頁順情報と、当該印刷ジョブにおいて上記合成に用いられた案内画像とを対応付けて記憶する。
【0078】
さらに、印刷順設定部161は、判別部107によって上記各頁のいずれかの画像データが上記案内画像を含むと判別された場合に、当該印刷対象データをなす各頁の画像データの印刷順を、当該判別された案内画像に対応付けて記憶している頁順情報に従った印刷順に変更する。
【0079】
図15のフローチャートを参照して、第4実施形態に係る印刷処理を説明する。この第4実施形態は、印刷対象データの取得後、判別部107は、当該取得した印刷対象データをなす各頁の画像データについて、案内画像の画像データを含むか否かを判別する(S32)。判別部107は、例えば、画像合成部163が記憶しているこれまでに用いた案内画像の画像データに基づいて当該案内画像の有無を判別する。判別部107は、例えば、上記取得した印刷対象データをなす各頁の画像データのいずれかに、上記案内画像の画像データが含まれるか否かを、いわゆるパターンマッチング機能等により判別する。判別部107は、上記案内画像を構成する画素群に一致又は近似する画素群で構成される画像があれば、上記取得した印刷対象データに、当該案内画像の画像データが含まれると判断する。
【0080】
ここで、判別部107によって、上記各頁の画像データに、当該案内画像の画像データが含まれないと判断された場合(S32でNO)、印刷順設定部161は、上記取得した原稿複数頁分からなる印刷対象データをなす各頁の画像データについて、上述した第1乃至第3実施形態に係る印刷処理における印刷順設定のいずれかを行う(S39)。
【0081】
そして、画像反転処理部162は、元の後半頁群の画像データの天地方向を反転させ(S40)、画像合成部163は、前半頁群において頁順が最終頁となる画像データに案内画像の画像データを合成するが(S41)、このとき、画像合成部163は、当該印刷ジョブのみに適用するシリアル番号(各印刷ジョブ毎に異なるシリアル番号)を作成して、標準として用いる案内画像に当該シリアル番号を付加した内容からなる案内画像(印刷ジョブ毎に異なる案内画像)を生成し、当該生成した案内画像を、上記前半頁群において最終頁となる画像データに合成する。
【0082】
さらに、印刷順設定部161は、更に、S39で設定された印刷順と、この印刷における印刷対象データに付随していた付随情報が示す元々の頁順と、当該印刷ジョブにおいて上記合成に用いられた案内画像とを対応付けて記憶する(S42)。ここでの記憶の対象とされる印刷順には、S40で画像合成部163により行われた印刷対象データをなす各頁の画像データに対する反転処理の有無情報が含まれるものとする。
【0083】
次に、後処理設定部109は、S41での処理後の印刷対象データに対して、ユーザからの後処理方法及び綴じ位置を指定する指示に従って後処理内容及び綴じ位置を設定し(S36)、記録部40は、S39で設定された上記印刷順に従って、S41の処理後の上記印刷対象データをなす各頁の画像データを記録紙各面に印刷する(S37)。記録部40により上記印刷が行われた各記録紙からなる記録紙束に対しては、後処理部220により、S36において後処理設定部109により設定された後処理及び綴じ位置の内容で後処理が実行される(S38)。
【0084】
一方、判別部107によって、上記印刷対象データに、案内画像の画像データが含まれると判断された場合(S32でYES)、印刷順設定部161は、当該含有が判別された案内画像に対応付けられて記憶されている印刷順情報と、この印刷における印刷対象データに付随していた付随情報が示す元々の頁順情報とを検出し、当該印刷順情報が示す印刷順と、当該頁順情報が示す頁順との関係に基づいて、当該印刷順情報が示す印刷順を当該頁順情報が示す頁順に変換するために必要となる頁置き換え処理を割り出し、当該割り出した頁置き換え処理を、S31で取得された印刷対象データをなす各頁の画像データに付随する付随情報に含まれる頁順情報が示す頁順に対して行うことで、当該S31で取得された印刷対象データの各頁の画像データについての印刷順を新たに設定する(S33)。
【0085】
この頁置き換え処理とは、第1乃至第3実施形態の印刷処理における印刷順設定に用いられた各頁の画像データの頁配置置換処理とは反対の処理を示す。例えば、この頁置き換え処理は、図16(a)に示す順番(上記記憶されている印刷順)及び天地方向で並ぶ各頁の画像データを、図16(b)に示す順番(上記記憶されている頁順)及び天地方向で並ぶ状態に置き換えるための処理、すなわち、この例で言えば、図16(a)において、記録紙第2枚目表面に配置されている画像データを記録紙第1枚目裏面に置き換え(反転処理不要)、記録紙第3枚目表面に配置されている画像データを記録紙第2枚目表面に置き換え(反転処理不要)、記録紙第4枚目表面に配置されている画像データを記録紙第2枚目裏面に置き換え(反転処理不要)、記録紙第1枚目裏面に配置されている画像データを記録紙第4枚目裏面に置き換え(反転処理要)、記録紙第2枚目裏面に配置されている画像データを記録紙第4枚目表面に置き換え(反転処理要)、記録紙第3枚目裏面に配置されている画像データは置き換えせずに反転処理を行い、記録紙第4枚目裏面に配置されている画像データを記録紙第3枚目表面に置き換える(反転処理要)、といった頁置き換え処理である。印刷順設定部161は、上記案内画像の含有が判別される度に、当該案内画像に対応付けられて記憶されている印刷順情報及び頁順情報に基づいて、当該頁置き換え処理を割り出す。
【0086】
そして、画像反転処理部162は、S33で設定された印刷順が示す各頁の画像データに対する反転処理の要不要の情報に基づいた反転処理を行う(S34)。
【0087】
さらに、画像合成部163は、S31で取得された印刷対象データをなす各頁の画像データのうち、S32で案内画像の含有が判別された頁の画像データから、当該案内画像の画像データを消去する処理を行う(S35)。
【0088】
当該S33乃至S35の処理を終えた上記印刷対象データをなす各頁の画像データに対して、以降、S36乃至S38の処理が行われる。
【0089】
この第4実施形態に係る印刷処理によれば、第1乃至第3実施形態で示した印刷順設定に基づいて印刷された印刷物を、この印刷の対象とされた元々の画像データが有していた頁順通りに戻して印刷された印刷物を簡単に得ることができる。
【0090】
なお、上記第4実施形態に係る印刷処理においては、S35での画像合成部163による案内画像の画像データ消去処理を行わず、含有が判別された案内画像をそのまま残して印刷するものとしてもよい。
【0091】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。すなわち、本発明の範囲は上記に示した各実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。上記実施形態では、本発明の実施形態の構成及び処理を図1乃至図16に示しているが、当該構成及び処理は本発明の実施形態の単なる一例に過ぎない。
【符号の説明】
【0092】
1 複合機
40 記録部
5 原稿読取部
51 スキャナ部
100 制御部
106 頁指定受付部
107 判別部
109 後処理設定部
160 画像処理部
161 印刷順設定部
162 画像反転処理部
163 画像合成部
210 I/F部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、印刷対象となる各画像データを、その頁順を並べ換えて印刷する際の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置等においては、印刷対象とする複数頁の原稿画像データを、その頁順を変更した上で記録紙に印刷する技術が適用されている。例えば、下記特許文献1に示されるように、このような画像形成装置として、印刷対象となる各頁の画像データについて、第1頁から総ページ数の半分の頁までの前半頁群の画像データを、記録紙第1頁からその表面(オモテ面。以下同様)に、画像データの頁順通りに印刷されるように印刷順を設定し、総ページ数の半分よりも後となる後半頁群の画像データは、画像を反転させた上で、その最終頁から頁順とは逆に、記録紙第1頁からその裏面に印刷するように印刷順を設定するものがある。
【0003】
上記従来の画像形成装置により、上記のような頁順変更で印刷された印刷物は、その記録紙束を左右方向のいずれかの端部で綴じると、記録紙束を第1頁からめくって一方面側(例えば、当該記録紙束における奇数頁部分)に印刷された画像のみを頁順に確認し、その後、当該記録紙束を綴じられている側をそのまま維持した状態で、上下端部を反転させて当該記録束の最終頁を正面側とし、この状態となった記録紙束の最初の頁(実際には最終頁)からめくって他面側(例えば、当該記録紙束における偶数頁部分)に印刷された画像のみを頁順に確認すれば、記録紙束の全頁を片面ずつ頁順に読み取る場合に、記録紙束をめくる方向を変更せずに最後の頁まで読み取ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−133837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のように、記録紙束を第1頁からめくって一方面側に印刷された画像のみを頁順に全て確認した後、これに続く頁を視認するために当該記録紙束をどのように扱えばよいか(上記のように綴じられている側を維持したままで記録紙束の正面と背面を入れ換えるのか、或いは、綴じられている側を反対側にして記録紙束をめくる方向を逆とし、記録紙束の最終頁の裏面から視認するのか等)を、記録紙束の視認者が即座に判断することは困難である。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、上記のように印刷対象となる前半頁群の画像データを記録紙表面に頁順に印刷し、後半頁群の画像データをその天地方向を反転させて記録紙第1頁の裏面から頁順とは逆の順で各記録紙裏面に印刷した印刷物について、記録紙束を第1頁からめくって表面側部分に印刷された画像のみを頁順に全て確認した後、前半頁群に続く頁を視認するために当該記録紙束をどのように扱えばよいかを、記録紙束の視認者が即座に判断できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に記載の発明は、複数頁分の画像データを取得する画像データ取得部と、
前記画像データ取得部によって取得された各頁の画像データについて、当該取得された画像データに付随する付随情報に基づいて第1頁から予め定められた頁までの前半頁群の画像データを、記録紙第1頁から以降連続する各頁の表面への印刷対象として前記付随情報が示すそれぞれの頁順に従って印刷順を設定し、前記付随情報に基づいて前記予め定められた頁よりも後となる後半頁群の各画像データを、前記前半頁群の画像データの印刷に用いられた最終頁の記録紙、又は前記前半頁群の画像データの印刷に用いられた記録紙に追加して用いられる記録紙の最終頁から遡って連続する各頁の裏面への印刷対象として、前記頁順に従って印刷順を設定する印刷順設定部と、
前記印刷順設定部により印刷順が設定された前記後半頁群の画像データの天地方向を反転させる処理を行う画像反転処理部と、
前記印刷順設定部により印刷順が設定された前半頁群における最終頁の画像データに、当該後半頁群で最初の頁となる画像データが印刷される記録紙面を案内する案内画像の画像データを合成する画像合成部と、
前記印刷順設定部により設定された前記印刷順に従って、前記画像データ取得部によって取得された各頁の画像データであって、前記画像反転処理部及び前記画像合成部による前記各処理が行われた画像データを記録紙各面に印刷する印刷部と
を備える画像形成装置である。
【0008】
この発明によれば、画像合成部が、印刷順設定部により上記のように印刷順が設定された前半頁群の最終頁の画像データに、当該最終頁の次頁となる画像データが印刷される記録紙面を案内する案内画像の画像データを合成し、上記画像反転処理及び当該案内画像合成処理がされた各頁の画像データを、印刷部が上記印刷順に従って記録紙各面に印刷するので、当該印刷によって得られる印刷物の視認者が当該案内画像を見ることにより、当該印刷物を第1頁からめくって表面側部分に印刷された画像のみを頁順に全て確認した後、前半頁群に続く頁(後半頁群における最初の頁)を視認するためには、どの記録紙面を見ればよいかを的確に把握させることができる。これにより、当該印刷物の視認者は、当該印刷物を第1頁からめくって表面側部分に印刷された画像のみを頁順に確認した後、前半頁群に続く頁を視認するために当該印刷物をどのように扱えばよいかを即座に判断することが可能になる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、前記印刷順設定部は、前記予め定められた頁を、前記付随情報に基づいて総頁数の半分にあたる頁、又は当該半分にあたる頁に最も近い前後頁のいずれかとするものである。
【0010】
この発明によれば、印刷順設定部が、上記各頁の画像データの総頁数の半分にあたる頁、又は当該半分にあたる頁に最も近い前後頁のいずれかを上記予め定められた頁として、印刷順を設定するので、上記印刷順設定、画像反転処理、及び当該案内画像合成処理がされた各頁の画像データの印刷に要する記録紙枚数を最少に近く低減することが可能となる。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、前記予め定められた頁の指定をユーザから受け付ける頁指定受付部を更に備え、
前記印刷順設定部は、前記頁指定受付部によって指定が受け付けられた頁を、前記予め定められた頁とするものである。
【0012】
この発明によれば、印刷順設定部は、頁指定受付部で指定が受け付けられた頁を上記予め定められた頁として上記印刷順の設定を行うので、ユーザ所望の頁で、記録紙表面に印刷される前半頁群と、記録紙裏面に印刷される後半頁群とを分けることが可能になる。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置であって、前記印刷順設定部は、前記各頁の画像データが属する章を示す章情報を前記付随情報から取得し、当該章情報が示す各章において頁順が最終頁となる画像データのうち、前記付随情報が示す総頁数の半分にあたる頁に最も近い頁となる章の最終頁を前記予め定められた頁とするものである。
【0014】
この発明では、印刷順設定部は、上記章情報が示す各章において最終頁となる画像データのうち、上記取得された各頁の画像データの総頁数の半分にあたる頁に最も近い頁を前記予め定められた頁とするので、印刷対象となる画像が章の途中で、記録紙表面に印刷される前半頁群と、記録紙裏面に印刷される後半頁群とに分断される事態が回避される。
【0015】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置であって、前記画像合成部は、前記前半頁群における最終頁の画像データに、前記設定した印刷順での前記印刷部による印刷毎に異なる前記案内画像の画像データを合成し、
前記印刷順設定部は、前記画像データ取得部によって取得された各頁の画像データに付随する付随情報が示す頁順情報と、当該各頁の画像データに対して前記印刷順設定部により設定された印刷順情報と、当該各頁の画像データに対して前記合成に用いられた案内画像とを対応付けて記憶すると共に、
前記画像データ取得部によって取得された各頁の画像データのいずれかが、前記案内画像の画像データを含むか否かを判別する判別部を更に備え、
前記印刷順設定部は、前記判別部が前記各頁の画像データのいずれかが案内画像の画像データを含むと判別した場合、前記画像データ取得部によって取得された各頁の画像データの印刷順を、当該判別された案内画像に対応付けて記憶している前記頁順情報及び印刷順情報の相関関係に基づいて当該頁順情報が示す頁順に従った印刷順に新たに設定し、
前記印刷部は、前記印刷順設定部によって新たに変更された当該印刷順に従って、前記画像データ取得部によって取得された各頁の画像データを記録紙に印刷するものである。
【0016】
この発明によれば、印刷順設定部は、画像データ取得部によって取得された画像データが上記案内画像を有すると判別部により判別された場合には、当該印刷対象とされる画像の画像データの印刷順を、当該判別された案内画像に対応付けて記憶されている頁順情報及び印刷順情報の相関関係に基づいて当該頁順情報が示す頁順に従った印刷順に新たに設定し、印刷部は、当該変更された印刷順に従って当該画像データを記録紙に印刷するので、前記印刷順設定部による前記印刷順設定と、前記画像反転処理部及び前記画像合成部による前記各処理に基づいて印刷された印刷物を、この印刷の対象とされた元々の画像データが有していた頁順通りに戻して印刷された印刷物を得ることができる。
【0017】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像形成装置であって、前記画像合成部は、前記判別部が前記各頁の画像データのいずれかが前記案内画像の画像データを含むと判別した場合に、前記案内画像を含む頁の画像データから当該案内画像の画像データを削除し、
前記印刷部は、前記画像合成部による削除処理後の前記各頁の画像データを、前記印刷順設定部によって変更された印刷順に従って記録紙に印刷するものである。
【0018】
この発明によれば、画像合成部は、各頁の画像データのいずれかが案内画像の画像データを含む場合に、案内画像を含む頁の画像データから当該案内画像の画像データを削除し、印刷部により、当該削除処理後の各頁の画像データが印刷されるので、印刷順設定部によって設定された印刷順に基づいて印刷された印刷物を、この印刷の対象とされた元々の画像データが有していた頁順及び画像の通りに戻して印刷された印刷物を得ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、印刷対象となる前半頁群の画像データを記録紙表面に頁順に印刷し、後半頁群の画像データを、天地方向を反転させて記録紙第1頁から、各画像データに付された頁順とは逆の順で記録紙裏面に印刷した印刷物について、当該印刷物を第1頁からめくって表面側部分に印刷された画像のみを頁順に確認した後、前半頁群に続く頁を視認するためには当該印刷物をどのように扱えばよいかを、印刷物の視認者が即座に判断できるようにすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】複合機の内部構成を概略的に示す側面図である。
【図2】複合機の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図3】複合機による印刷処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
【図4】原稿及び印刷順を示す図である。
【図5】当該印刷処理で得られた印刷物であって最終頁を開いた示す図である。
【図6】原稿及び印刷順を示す図である。
【図7】原稿及び印刷順を示す図である。
【図8】複合機による印刷処理の第2実施形態を示すフローチャートである。
【図9】原稿及び印刷順を示す図である。
【図10】原稿及び印刷順を示す図である。
【図11】複合機による印刷処理の第3実施形態を示すフローチャートである。
【図12】原稿及び印刷順を示す図である。
【図13】原稿及び印刷順を示す図である。
【図14】第4実施形態に係る印刷処理を行うために必要な複合機の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図15】複合機による印刷処理の第4実施形態を示すフローチャートである。
【図16】(a)(b)は印刷順の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は複合機1の内部構成を概略的に示す側面図である。複合機1は、装置本体2と、装置本体2の左方に配設されたスタックトレイ3と、装置本体2の上部に配設された原稿読取部5と、原稿読取部5の上方に配設された原稿給送部6とを有している。
【0022】
複合機1のフロント部には、操作部(操作手段)47が設けられている。この操作部47には、ユーザが印刷(出力)実行指示を入力するためのスタートキー471と、印刷部数等を入力するためのテンキー472と、各種複写動作の操作ガイド情報等を表示し、これら各種設定入力用にタッチパネル機能を有する液晶ディスプレイ等からなる表示部473と、表示部473で設定された設定内容等をリセットするリセットキー474と、実行中の印刷動作を停止させるためのストップキー475と、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能を切り換えるための機能切換キー477が備えられている。
【0023】
原稿読取部(画像取得部の一例)5は、CCD(Charge Coupled Device)センサ及び露光ランプ等からなるスキャナ部51と、ガラス等の透明部材により構成された原稿台52及び原稿読取スリット53とを備える。スキャナ部51は、図略の駆動部によって移動可能に構成され、原稿台52に載置された原稿を読み取るときは、原稿台52に対向する位置で原稿面に沿って移動され、原稿画像を走査しつつ取得した画像データを制御部100(図2)へ出力する。また、スキャナ部51は、原稿給送部6により給送された原稿を読み取るときは、原稿読取スリット53と対向する位置に移動され、原稿読取スリット53を介して原稿給送部6による原稿の搬送動作と同期して原稿の画像を取得し、その画像データを制御部100へ出力する。
【0024】
原稿給送部6は、原稿を載置するための原稿載置部61と、画像読み取り済みの原稿を排出するための原稿排出部62と、原稿載置部61に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して原稿読取スリット53に対向する位置へ搬送し、原稿排出部62へ排出するための給紙ローラ(図略)、搬送ローラ(図略)等からなる原稿搬送機構63を備える。原稿搬送機構63は、さらに原稿を表裏反転させて原稿読取スリット53と対向する位置へ再搬送する用紙反転機構(図略)を備え、原稿読取スリット53を介してスキャナ部51から原稿の両面の画像を読取可能にしている。
【0025】
また、原稿給送部6は、その前面側が上方に移動可能となるように装置本体2に対して回動自在に設けられている。原稿給送部6の前面側を上方に移動させて原稿台52上面を開放することにより、原稿台52上面の原稿載置位置に読み取り原稿、例えば見開き状態にされた書籍等を操作者がセットできるようになっている。
【0026】
装置本体2は、複数の給紙カセット461と、給紙カセット461から記録紙を1枚ずつ繰り出して記録部40へ搬送する給紙ローラ462と、給紙カセット461から搬送されてきた記録紙に画像を形成する記録部40とを備える。
【0027】
記録部(印刷部)40は、スキャナ部51で取得された画像データに基づくレーザ光等を生成して感光体ドラム43を露光する光学ユニット42と、感光体ドラム43上にトナー像を形成する現像部44と、感光体ドラム43上のトナー像を記録紙に転写する転写部41と、トナー像が転写された記録紙を加熱してトナー像を記録紙に定着させる定着部45と、記録部40内の用紙搬送路中に設けられ、記録紙をスタックトレイ3又は排出トレイ48まで搬送する搬送ローラ463,464等とを備える。
【0028】
記録紙の両面に画像を形成する場合は、記録部40で記録紙の一方の面に画像を形成した後、この記録紙を排出トレイ48側の搬送ローラ463にニップされた状態とする。この状態で搬送ローラ463を反転させて記録紙をスイッチバックさせ、記録紙を用紙搬送路Lに送って記録部40の上流域に再度搬送し、記録部40により他方の面に画像を形成した後、記録紙をスタックトレイ3又は排出トレイ48に排出する。
【0029】
図2は複合機1の概略構成を示す機能ブロック図である。複合機1には、装置全体の動作制御を司る制御部100が備えられている。この制御部100には、スキャナ部51と、用紙搬送部131と、記録部40とが接続されている。スキャナ部51は、露光ランプ511及びCCD512等を有する。また、制御部100には、スキャナ部51で読み取られた文書データ等が一時的に保存される画像メモリ140と、大量の文書データを保存可能な記憶容量を有する大容量のHDD(記憶装置)150とが接続されている。
【0030】
画像処理部160は、スキャナ部51による原稿読み取り時には、スキャナ部51から出力されるアナログ画像信号をデジタル画像に変換し、画質を向上させる画像処理を施す。また、スキャナ部51によって読み取った画像データを、HDD150に格納する場合には、画像処理部160は、上記画像処理後のデータを更に圧縮画像に変換し、画像メモリ140に書き込む。制御部100は、画像メモリ140に書き込まれた圧縮画像を、文書管理の対象となるファイルデータとしてHDD150に格納する。また、登録文書のプリントアウト時には、画像処理部160は、HDD150又は画像メモリ140に記憶されているプリントアウト対象のファイルデータ(圧縮画像)を伸張処理する。
【0031】
さらに、画像処理部160は、印刷順設定部161、画像反転処理部162、及び画像合成部163として機能する。
【0032】
印刷順設定部161は、原稿読取部5により読み取られた原稿複数頁分からなる画像データ、又はI/F部210によりネットワーク上のPC等から取得された複数頁分からなる画像データ等を印刷対象データとし、当該印刷対象データをなす各頁の画像データの印刷順を設定する。
【0033】
本実施形態では、印刷順設定部161は、当該印刷対象データに付随する付随情報(当該印刷対象データの印刷に用いられる記録紙サイズ、モノクロ/カラー画像の別、当該印刷対象データを構成する各頁の画像データについての頁順、当該各頁の画像データが属する章を示す章等の情報。但し、付随情報をこれらに限定する趣旨ではない)に含まれる頁順情報に基づいて、当該印刷対象データをなす各頁毎の画像データについて、第1頁から予め定められた頁までの前半頁群の画像データを、記録紙第1頁から続く以降各頁の表面への印刷対象とし、この前半頁群の各頁の画像データについて、当該頁順情報が示す頁順に従って印刷順を設定する。さらに、印刷順設定部161は、当該頁順情報が示す上記予め定められた頁よりも後となる頁からなる後半頁群の各画像データを、上記の前半頁群の画像データの印刷に用いられた最終頁の記録紙から第1頁に向かって連続する各頁の裏面への印刷対象とし、この後半頁群の各頁の画像データについて、上記頁順情報が示す頁順に従って印刷順を設定する。
【0034】
画像反転処理部162は、印刷順設定部161により印刷順が設定された後半頁群の画像データの天地方向を反転させる処理を行う。
【0035】
画像合成部163は、印刷順設定部161により印刷順が設定された前半頁群において頁順が最終頁となる画像データに、当該前半頁群における最終頁の次頁となる画像データ(上記後半頁群の最初の頁となる画像データ)が印刷される記録紙面を案内する案内画像の画像データを合成する。当該案内画像の画像データは、画像合成部163が保有する、制御部100に内蔵されるメモリに保存される、又はHDD150に保存される、のいずれでもよい。当該案内画像の詳細は後述する。
【0036】
記録部40は、印刷順設定部161により設定された上記印刷順に従って、上記印刷対象データをなす各頁毎の画像データであって、画像反転処理部162及び画像合成部163による上記各処理が行われた画像データを記録紙各面に印刷する。
【0037】
なお、本実施形態では、制御部100とは別個の画像処理部160が印刷順設定部161として機能するものとしているが、制御部100が印刷順設定部161として機能するものであってもよいし、制御部100が画像合成部163として機能するものであってもよい。
【0038】
制御部100は、頁指定受付部106及び後処理設定部109として機能する。
【0039】
頁指定受付部106は、ユーザの操作部47の操作により入力された頁指定を、上記印刷順設定部161が印刷順の設定に用いる上記予め定められた頁の指定として受け付ける。印刷順設定部161は、頁指定受付部106によって当該予め定められた頁の指定が受け付けられた場合には、当該指定された頁を上記予め定められた頁として用いる。
【0040】
後処理設定部109は、ユーザによって操作部47に入力された後処理方法(ステイプル又はパンチ等)を指定する指示と、ユーザによって操作部47に入力された綴じ位置を指定する指示とに従って綴じ位置を設定する。
【0041】
さらに、制御部100は、複合機1が実行可能な各機能を制御するスキャナコントローラ101,ファクシミリコントローラ102,プリンタコントローラ103,コピーコントローラ104及びネットワークコントローラ105として機能する。
【0042】
スキャナコントローラ101は、スキャナ部動作に必要な各部の動作制御を行うものである。ファクシミリコントローラ102は、ファクシミリ動作に必要な各部の動作制御を行うものであり、ファクシミリ通信に必要なデータの調整を行うファクシミリ通信部170を制御する。ファクシミリ通信部170には、データ送受信相手である相手先ファクシミリとの電話回線の接続を制御するNCU(Network Control Unit)が備えられている。
【0043】
プリンタコントローラ103は、プリンタ動作に必要な各部の動作制御を行うものである。コピーコントローラ104は、コピー動作に必要な各部の動作制御を行うものである。ネットワークコントローラ105は、本複合機1とネットワーク上のコンピュータ、更には、インターネット上のサイトとの間で行われるデータ送受信を制御するものである。ネットワークコントローラ105は、上記I/F部210を介して外部とデータを送受信させる。
【0044】
操作部47は、複合機1の操作に必要な各種の指示がユーザから入力されるものである。操作部47は、表示部473と、操作キー部470(スタートキー471、テンキー472、リセットキー474、ストップキー475、機能切換キー477等からなる)とを有している。
【0045】
次に、複合機1による印刷処理について説明する。図3は複合機1による印刷処理の第1実施形態を示すフローチャート、図4,図6,図7は原稿及び印刷順を示す図、図5は当該印刷処理で得られた印刷物であって最終頁を開いた示す図である。
【0046】
ユーザにより複数枚の原稿が原稿載置部61に載置され、操作部47のスタートキー471の押下でコピー開始指示が入力されると、制御部100は、原稿読取部5に、原稿載置部61に載置されている当該複数枚分(複数頁分)の原稿の読み取りを行わせる(S1)。これにより、印刷対象データが複合機1に取得される。また、当該複合機1にネットワーク接続されたパーソナルコンピュータから送信されてくる原稿複数頁分の画像データからなる印刷対象データを、I/F部210が受信することによって、複合機1での印刷対象データの取得が行われてもよい。取得された印刷対象データは、画像メモリ140又はHDD150に一次的に記憶される。
【0047】
なお、原稿読取部5によって複数枚分の原稿が読み取られて印刷対象データが取得された場合、制御部100は、当該各頁の画像データの特性から、当該印刷対象データの印刷に用いられる記録紙サイズ、モノクロ/カラー画像の別、当該印刷対象データを構成する各頁の画像データについての頁順、当該各頁の画像データが属する章を示す章等の情報を検出し、当該検出した各情報を上述の付随情報として、当該取得された印刷対象データと共に画像メモリ140又はHDD150に記憶させる。なお、付随情報は、印刷対象データに関連付けて制御部100又は図略のメモリに記憶されてもよい。また、印刷対象データが、ネットワーク接続されたパーソナルコンピュータからI/F部210により受信される場合は、上記付随情報が付随した印刷対象データが受信される。
【0048】
続いて、印刷順設定部161は、上記原稿複数頁分からなる印刷対象データをなす各頁の画像データについて、当該印刷対象データに付随する上記付随情報に含まれる頁順情報に基づいて、第1頁から予め定められた頁までの前半頁群の画像データを、記録紙第1頁から続く以降各頁の表面への印刷対象として、当該頁順情報が示す頁順に従って印刷順を設定する(S2)。この予め定められた頁は、例えば複合機1の工場出荷前に、製造者により印刷順設定部161に予め記憶されている。本実施形態では、当該予め定められた頁の一例として、ここでは、上記頁順情報が示す総頁数の半分にあたる頁(例えば、図4に示すように、原稿が8枚であって、原稿画像データが8頁分の場合には第4頁)を用いる。さらに、印刷順設定部161は、当該頁順情報に基づいて上記予め定められた頁よりも後となる頁からなる後半頁群の各画像データを、上記の前半頁群の画像データの印刷に用いられた最終頁の記録紙から遡って第1頁に向かって連続する各頁の裏面への印刷対象として、上記頁順情報が示す頁順に従って印刷順を設定する。
【0049】
そして、画像反転処理部162は、印刷順設定部161により印刷順が設定された後半頁群の画像データの天地方向を反転させる(S3)。
【0050】
さらに、画像合成部163は、印刷順設定部161により印刷順が設定された前半頁群において頁順が最終頁となる画像データに、当該前半頁群における最終頁の次頁となる画像データ(上記後半頁群の最初の頁となる画像データ)が印刷される記録紙面を案内する案内画像の画像データを合成する(S4)。画像合成部163は、例えば、図5に示すように、「綴じ位置を左に保ったまま、この印刷物を回転させて背面側を手前にして下さい」といったメッセージ画像を上記案内画像として、その画像データを予め記憶しており、この画像データを案内画像の画像データとして用いる。なお、当該案内画像の合成処理は、画像データが存在していない領域に行われることが好ましい。
【0051】
後処理設定部109は、S4での処理後の印刷対象データに対して、ユーザによって操作部47に入力された後処理方法(ステイプル又はパンチ等)を指定する指示と、ユーザによって操作部47に入力された綴じ位置を指定する指示とに従って綴じ位置を設定する(S5)。本実施形態では、図5に示すように、ユーザにより、後処理がステイプル、綴じ位置が記録紙縦向きで左端中央部2箇所に設定されている例を示す。
【0052】
記録部40は、S2において印刷順設定部161により設定された上記印刷順に従って、上記印刷対象データをなす各頁の画像データであって、S3及びS4において上記画像反転処理部162及び画像合成部163による上記各処理が行われた画像データを記録紙各面に印刷する(S6)。
【0053】
記録部40により上記印刷が行われた各記録紙からなる記録紙束に対して、制御部100は、後処理部220に、S5において後処理設定部109により設定された後処理及び綴じ位置の内容で後処理を実行させる(S7)。
【0054】
当該一連の印刷処理によれば、図5に示すように、前半頁群の最終頁には、当該最終頁の次頁を示す案内画像が印刷されるため、当該印刷によって得られる印刷物の視認者に対して、当該印刷物を第1頁からめくって表面側部分に印刷された画像のみを頁順に全て確認した後、前半頁群に続く頁(後半頁群における最初の頁)を視認するためには、どの記録紙面を見ればよいかを的確に把握させることができる。これにより、当該印刷物の視認者は、当該印刷物を第1頁からめくって表面側部分に印刷された画像のみを頁順に確認した後、前半頁群に続く頁を視認するために当該印刷物をどのように扱えばよいかを即座に判断することが可能になる。
【0055】
なお、当該予め定められた頁の一例として、当該総頁数の半分にあたる頁の前後頁のいずれかの頁(例えば、原稿画像データが9頁分の場合に第4頁又は第5頁)を用いてもよい。この場合、印刷順設定部161は、原稿画像データが9頁分の場合に、総頁数の半分にあたる頁よりも大きい第5頁を上記予め定められた頁とするときは、図6に示すように、印刷対象データをなす各頁の画像データの第1頁〜第5頁までを前半頁群とし、記録紙第1頁から続く以降各頁の表面への印刷対象として、当該印刷対象データの頁順情報が示す頁順に従って印刷順を設定し、さらに、印刷対象データをなす各頁の画像データの第6頁〜第9頁までを後半頁群とし、この後半頁群の各画像データを、上記の前半頁群の画像データの印刷に用いられた最終頁の記録紙から遡って第1頁に向かって連続する各頁の裏面への印刷対象として、上記頁順情報が示す頁順に従って印刷順を設定する。
【0056】
また、印刷順設定部161は、原稿画像データが9頁分の場合に、総頁数の半分にあたる頁よりも小さい第4頁を上記予め定められた頁とするときは、図7に示すように、印刷対象データをなす各頁の画像データの第1頁〜第4頁までを前半頁群とし、印刷対象データをなす各頁の画像データの第5頁〜第9頁までを後半頁群とする。この場合、印刷順設定部161は、前半頁群の各画像データを、記録紙第1頁から続く以降各頁の表面への印刷対象として、当該印刷対象データの頁順情報が示す頁順に従って印刷順を設定し、後半頁群なる第5頁〜第9頁を印刷可能とするために、更に記録紙第5頁目を設定し、当該記録紙第5頁目の表面には印刷対象画像を設定しない。さらに、後半頁群の各画像データを、上記の前半頁群の画像データの印刷に用いられた最終頁となる記録紙第5頁目の記録紙から遡って第1頁に向かって連続する各頁の裏面への印刷対象として、上記頁順情報が示す頁順に従って印刷順を設定する。このように、記録紙第5頁の表面は白紙となるが、上述したように、前記頁群の最終頁となる記録紙第4頁の表面には、当該前半頁群における最終頁の次頁となる画像データ(上記後半頁群の最初の頁となる画像データ)が印刷される記録紙面を案内する案内画像が印刷されるので、当該印刷物を視認するユーザは当該白紙部分を視認することなく即座に後半頁群の最初の頁を視認することが可能である。
【0057】
次に、複合機1による印刷処理の第2実施形態について説明する。図8は複合機1による印刷処理の第2実施形態を示すフローチャートである。図9は原稿及び印刷順を示す図なお、第1実施形態と同様の処理は説明を省略する。
【0058】
この第2実施形態では、印刷順設定部161が印刷順の設定に用いる上記予め定められた頁をユーザが指定可能とする。
【0059】
印刷対象データの取得後、印刷順設定部161は、上記予め定められた頁を頁順で何頁目とするかのユーザからの頁指定が頁指定受付部106に受け付けられているか否かを判断する(S12)。
【0060】
印刷順設定部161は、上記ユーザからの頁指定が頁指定受付部106に受け付けられていると判断した場合は(S12でYES)、当該指定された頁を上記予め定められた頁として、即ち、当該指定された頁を前半頁群の最終頁として印刷順を設定する(S13)。例えば、印刷対象データの総頁数が8頁であって、ユーザにより指定された頁が第5頁である場合、図9に示すように、印刷順設定部161は、印刷順を、前半頁群の最終頁が第5頁となるように設定し、前半頁群の最初の頁が第6頁となるように設定する。すなわち、第6頁以降の頁群でなる後半頁群の各画像データを、前半頁群の画像データの最終頁となる第5頁の記録紙から遡って記録紙第1頁に向かって連続する各頁の裏面への印刷対象として、上記頁順情報が示す頁順に従って後半頁群の各画像データ印刷順を設定する。
【0061】
なお、印刷対象データの総頁数が8頁であって、ユーザにより指定された頁が当該総頁数の半分の頁数よりも小さい頁、例えば第3頁である場合、図10に示すように、印刷順設定部161は、印刷順を、前半頁群の最終頁が第3頁となるように設定し、前半頁群の最初の頁が第4頁となるように設定するが、この場合、後半頁群(第4頁〜第8頁)の各画像データの印刷に記録紙5枚を要するため、前半頁群の各頁の画像データは、記録紙第1頁から以降に続く第3頁から第5頁までの表面への印刷対象として印刷順が設定され、後半頁群の各頁の画像データは、前半頁群の画像データの印刷に用いられた最終頁である第5頁の記録紙から遡って第1頁に向かって以降連続する各頁の裏面への印刷対象として印刷順が設定される。
【0062】
一方、印刷順設定部161が、上記ユーザからの頁指定が頁指定受付部106に受け付けられていないと判断した場合は(S12でNO)、印刷順設定部161は、印刷対象データをなす各頁の画像データについて、第1頁から上記予め定められた頁までの前半頁群の画像データとし、当該予め定められた頁の次頁から最終頁までを後半群の画像データとする第1実施形態と同様の印刷順設定を行う(S19)。なお、S12及びS19以降の処理は、第1実施形態と同様である。
【0063】
次に、複合機1による印刷処理の第3実施形態について説明する。図11は複合機1による印刷処理の第3実施形態を示すフローチャートである。図12は原稿及び印刷順を示す図である。なお、第1又は第2実施形態と同様の処理は説明を省略する。
【0064】
この第3実施形態では、印刷順設定部161が、印刷対象データをなす各頁の画像データが属する章を示す章情報を、当該印刷対象データに付随する付随情報から取得し、当該章情報が示す各章において頁順が最終頁となる画像データのうち、前記付随情報が示す総頁数の半分にあたる頁に最も近い頁となる章の最終頁を、上記予め定められた頁として用いる。
【0065】
この「章」とは、印刷対象データをなす各頁の画像データの纏まりの単位である。例えば、当該印刷対象データをなす各頁の画像データの総頁数が12頁である場合、第1章に第1頁〜第3頁が属し、第2章に第4頁〜第8頁が属し、第3章に第9頁〜第12頁が属するという各章の頁構成の情報が「章情報」である。また、本実施形態では、当該例を用いて説明を進める。この章情報は、付随情報に一情報として含まれている。
【0066】
印刷順設定部161は、上記印刷対象データをなす各頁の画像データについて、当該印刷対象データに付随する付随情報から章情報を取得できた場合は(S22でYES)、当該章情報に基づいた印刷順設定を行う(S23)。
【0067】
この印刷順設定として、まず、印刷順設定部161は、当該章情報が示す各章において頁順が最終頁となる頁を特定する。上記に示した章情報の例の場合、印刷順設定部161により、第1章の最終頁が第3頁、第2章の最終頁が第8頁、第3章の最終頁が第12頁と特定される。
【0068】
さらに、印刷順設定部161は、上記付随情報の頁順情報が示す総頁数の半分にあたる頁を算出する。上記に示した章情報の例の場合、総頁数が第12頁なので、印刷順設定部161により、半分の頁は第6頁と算出される。
【0069】
続いて、印刷順設定部161は、当該算出した半分の頁に最も近い頁となる章の最終頁を判定する。上記に示した章情報の例の場合、第1章の最終頁が第3頁、第2章の最終頁が第8頁、第3章の最終頁が第12頁であり、算出した半分の頁は第6頁であるので、当該算出した半分の頁に最も近い頁となる章の最終頁は第8頁となる。
【0070】
そして、印刷順設定部161は、最も近い頁となる章の最終頁を、前半頁群の最終頁である上記予め定められた頁とする。上記に示した章情報の例の場合、印刷順設定部161は、第2章の最終頁である第8頁を、上記予め定められた頁とする。
【0071】
印刷順設定部161は、このようにして決定した予め定められた頁を用いて、第1実施形態と同様に印刷順を設定する。上記に示した章情報の例を用いて説明すると、予め定められた頁が第8頁となるため、図12に示すように、印刷順設定部161により、印刷対象データをなす各頁の画像データの第1頁〜第8頁までが前半頁群と設定され、第9頁〜第12頁までが後半頁群と設定される。
【0072】
なお、例えば、章情報が、第1章に第1頁〜第5頁が属し、第2章に第6頁〜第9頁が属し、第3章に第10頁〜第12頁が属するという各章の頁構成を示す場合、図13に示すように、総頁数が第12頁なので、印刷順設定部161により、第1章の最終頁である第5頁が、総頁数の半分の頁は第6頁に近いとして、上記予め定められた頁とされ、印刷対象データをなす各頁の画像データの第1頁〜第5頁までが前半頁群と設定され、第6頁〜第12頁までが後半頁群と設定される。
【0073】
この第3実施形態によれば、印刷対象となる画像が、章の途中で、記録紙表面に印刷される前半頁群と、記録紙裏面に印刷される後半頁群とに分断される事態が回避される。
【0074】
次に、複合機1による印刷処理の第4実施形態について説明する。図14は第4実施形態に係る印刷処理を行うために必要な複合機1の概略構成を示す機能ブロック図である。図15は複合機1による印刷処理の第4実施形態を示すフローチャートである。なお、第1乃至第3実施形態のいずれかと同様の処理は説明を省略する。なお、特に、説明しない限り、各部及び各機構による動作及び機能は図2を用いて説明したものと同様である。
【0075】
図14に示すように、第4実施形態に係る印刷処理を行う複合機1は、更に、判別部107を備える。判別部107は、印刷対象データをなす各頁の画像データのいずれかが、案内画像の画像データを含むかを判別する。
【0076】
また、第4実施形態に係る印刷処理を行う複合機1では、画像合成部163は、前半頁群における最終頁の画像データに、印刷順設定部161が設定した印刷順での記録部40による印刷毎に異なる案内画像の画像データを合成する。例えば、画像合成部163は、各印刷ジョブ毎に異なるシリアル番号を作成して、標準として用いる案内画像に当該印刷ジョブ毎に異なるシリアル番号を付加した内容からなる画像を、上記「印刷毎に異なる案内画像」として用いる。
【0077】
また、印刷順設定部161は、更に、第1乃至第3実施形態で示した印刷順設定により設定された印刷順での記録部40による印刷(印刷ジョブ)が行われる場合に、この第1乃至第3実施形態で設定された印刷順と、この印刷における印刷対象データに付随していた付随情報が示す元々の頁順情報と、当該印刷ジョブにおいて上記合成に用いられた案内画像とを対応付けて記憶する。
【0078】
さらに、印刷順設定部161は、判別部107によって上記各頁のいずれかの画像データが上記案内画像を含むと判別された場合に、当該印刷対象データをなす各頁の画像データの印刷順を、当該判別された案内画像に対応付けて記憶している頁順情報に従った印刷順に変更する。
【0079】
図15のフローチャートを参照して、第4実施形態に係る印刷処理を説明する。この第4実施形態は、印刷対象データの取得後、判別部107は、当該取得した印刷対象データをなす各頁の画像データについて、案内画像の画像データを含むか否かを判別する(S32)。判別部107は、例えば、画像合成部163が記憶しているこれまでに用いた案内画像の画像データに基づいて当該案内画像の有無を判別する。判別部107は、例えば、上記取得した印刷対象データをなす各頁の画像データのいずれかに、上記案内画像の画像データが含まれるか否かを、いわゆるパターンマッチング機能等により判別する。判別部107は、上記案内画像を構成する画素群に一致又は近似する画素群で構成される画像があれば、上記取得した印刷対象データに、当該案内画像の画像データが含まれると判断する。
【0080】
ここで、判別部107によって、上記各頁の画像データに、当該案内画像の画像データが含まれないと判断された場合(S32でNO)、印刷順設定部161は、上記取得した原稿複数頁分からなる印刷対象データをなす各頁の画像データについて、上述した第1乃至第3実施形態に係る印刷処理における印刷順設定のいずれかを行う(S39)。
【0081】
そして、画像反転処理部162は、元の後半頁群の画像データの天地方向を反転させ(S40)、画像合成部163は、前半頁群において頁順が最終頁となる画像データに案内画像の画像データを合成するが(S41)、このとき、画像合成部163は、当該印刷ジョブのみに適用するシリアル番号(各印刷ジョブ毎に異なるシリアル番号)を作成して、標準として用いる案内画像に当該シリアル番号を付加した内容からなる案内画像(印刷ジョブ毎に異なる案内画像)を生成し、当該生成した案内画像を、上記前半頁群において最終頁となる画像データに合成する。
【0082】
さらに、印刷順設定部161は、更に、S39で設定された印刷順と、この印刷における印刷対象データに付随していた付随情報が示す元々の頁順と、当該印刷ジョブにおいて上記合成に用いられた案内画像とを対応付けて記憶する(S42)。ここでの記憶の対象とされる印刷順には、S40で画像合成部163により行われた印刷対象データをなす各頁の画像データに対する反転処理の有無情報が含まれるものとする。
【0083】
次に、後処理設定部109は、S41での処理後の印刷対象データに対して、ユーザからの後処理方法及び綴じ位置を指定する指示に従って後処理内容及び綴じ位置を設定し(S36)、記録部40は、S39で設定された上記印刷順に従って、S41の処理後の上記印刷対象データをなす各頁の画像データを記録紙各面に印刷する(S37)。記録部40により上記印刷が行われた各記録紙からなる記録紙束に対しては、後処理部220により、S36において後処理設定部109により設定された後処理及び綴じ位置の内容で後処理が実行される(S38)。
【0084】
一方、判別部107によって、上記印刷対象データに、案内画像の画像データが含まれると判断された場合(S32でYES)、印刷順設定部161は、当該含有が判別された案内画像に対応付けられて記憶されている印刷順情報と、この印刷における印刷対象データに付随していた付随情報が示す元々の頁順情報とを検出し、当該印刷順情報が示す印刷順と、当該頁順情報が示す頁順との関係に基づいて、当該印刷順情報が示す印刷順を当該頁順情報が示す頁順に変換するために必要となる頁置き換え処理を割り出し、当該割り出した頁置き換え処理を、S31で取得された印刷対象データをなす各頁の画像データに付随する付随情報に含まれる頁順情報が示す頁順に対して行うことで、当該S31で取得された印刷対象データの各頁の画像データについての印刷順を新たに設定する(S33)。
【0085】
この頁置き換え処理とは、第1乃至第3実施形態の印刷処理における印刷順設定に用いられた各頁の画像データの頁配置置換処理とは反対の処理を示す。例えば、この頁置き換え処理は、図16(a)に示す順番(上記記憶されている印刷順)及び天地方向で並ぶ各頁の画像データを、図16(b)に示す順番(上記記憶されている頁順)及び天地方向で並ぶ状態に置き換えるための処理、すなわち、この例で言えば、図16(a)において、記録紙第2枚目表面に配置されている画像データを記録紙第1枚目裏面に置き換え(反転処理不要)、記録紙第3枚目表面に配置されている画像データを記録紙第2枚目表面に置き換え(反転処理不要)、記録紙第4枚目表面に配置されている画像データを記録紙第2枚目裏面に置き換え(反転処理不要)、記録紙第1枚目裏面に配置されている画像データを記録紙第4枚目裏面に置き換え(反転処理要)、記録紙第2枚目裏面に配置されている画像データを記録紙第4枚目表面に置き換え(反転処理要)、記録紙第3枚目裏面に配置されている画像データは置き換えせずに反転処理を行い、記録紙第4枚目裏面に配置されている画像データを記録紙第3枚目表面に置き換える(反転処理要)、といった頁置き換え処理である。印刷順設定部161は、上記案内画像の含有が判別される度に、当該案内画像に対応付けられて記憶されている印刷順情報及び頁順情報に基づいて、当該頁置き換え処理を割り出す。
【0086】
そして、画像反転処理部162は、S33で設定された印刷順が示す各頁の画像データに対する反転処理の要不要の情報に基づいた反転処理を行う(S34)。
【0087】
さらに、画像合成部163は、S31で取得された印刷対象データをなす各頁の画像データのうち、S32で案内画像の含有が判別された頁の画像データから、当該案内画像の画像データを消去する処理を行う(S35)。
【0088】
当該S33乃至S35の処理を終えた上記印刷対象データをなす各頁の画像データに対して、以降、S36乃至S38の処理が行われる。
【0089】
この第4実施形態に係る印刷処理によれば、第1乃至第3実施形態で示した印刷順設定に基づいて印刷された印刷物を、この印刷の対象とされた元々の画像データが有していた頁順通りに戻して印刷された印刷物を簡単に得ることができる。
【0090】
なお、上記第4実施形態に係る印刷処理においては、S35での画像合成部163による案内画像の画像データ消去処理を行わず、含有が判別された案内画像をそのまま残して印刷するものとしてもよい。
【0091】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。すなわち、本発明の範囲は上記に示した各実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。上記実施形態では、本発明の実施形態の構成及び処理を図1乃至図16に示しているが、当該構成及び処理は本発明の実施形態の単なる一例に過ぎない。
【符号の説明】
【0092】
1 複合機
40 記録部
5 原稿読取部
51 スキャナ部
100 制御部
106 頁指定受付部
107 判別部
109 後処理設定部
160 画像処理部
161 印刷順設定部
162 画像反転処理部
163 画像合成部
210 I/F部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数頁分の画像データを取得する画像データ取得部と、
前記画像データ取得部によって取得された各頁の画像データについて、当該取得された画像データに付随する付随情報に基づいて第1頁から予め定められた頁までの前半頁群の画像データを、記録紙第1頁から以降連続する各頁の表面への印刷対象として前記付随情報が示すそれぞれの頁順に従って印刷順を設定し、前記付随情報に基づいて前記予め定められた頁よりも後となる後半頁群の各画像データを、前記前半頁群の画像データの印刷に用いられた最終頁の記録紙、又は前記前半頁群の画像データの印刷に用いられた記録紙に追加して用いられる記録紙の最終頁から遡って連続する各頁の裏面への印刷対象として、前記頁順に従って印刷順を設定する印刷順設定部と、
前記印刷順設定部により印刷順が設定された前記後半頁群の画像データの天地方向を反転させる処理を行う画像反転処理部と、
前記印刷順設定部により印刷順が設定された前半頁群における最終頁の画像データに、当該後半頁群で最初の頁となる画像データが印刷される記録紙面を案内する案内画像の画像データを合成する画像合成部と、
前記印刷順設定部により設定された前記印刷順に従って、前記画像データ取得部によって取得された各頁の画像データであって、前記画像反転処理部及び前記画像合成部による前記各処理が行われた画像データを記録紙各面に印刷する印刷部と
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記印刷順設定部は、前記予め定められた頁を、前記付随情報に基づいて総頁数の半分にあたる頁、又は当該半分にあたる頁に最も近い前後頁のいずれかとする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記予め定められた頁の指定をユーザから受け付ける頁指定受付部を更に備え、
前記印刷順設定部は、前記頁指定受付部によって指定が受け付けられた頁を、前記予め定められた頁とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記印刷順設定部は、前記各頁の画像データが属する章を示す章情報を前記付随情報から取得し、当該章情報が示す各章において頁順が最終頁となる画像データのうち、前記付随情報が示す総頁数の半分にあたる頁に最も近い頁となる章の最終頁を前記予め定められた頁とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像合成部は、前記前半頁群における最終頁の画像データに、前記設定した印刷順での前記印刷部による印刷毎に異なる前記案内画像の画像データを合成し、
前記印刷順設定部は、前記画像データ取得部によって取得された各頁の画像データに付随する付随情報が示す頁順情報と、当該各頁の画像データに対して前記印刷順設定部により設定された印刷順情報と、当該各頁の画像データに対して前記合成に用いられた案内画像とを対応付けて記憶すると共に、
前記画像データ取得部によって取得された各頁の画像データのいずれかが、前記案内画像の画像データを含むか否かを判別する判別部を更に備え、
前記印刷順設定部は、前記判別部が前記各頁の画像データのいずれかが案内画像の画像データを含むと判別した場合、前記画像データ取得部によって取得された各頁の画像データの印刷順を、当該判別された案内画像に対応付けて記憶している前記頁順情報及び印刷順情報の相関関係に基づいて当該頁順情報が示す頁順に従った印刷順に新たに設定し、
前記印刷部は、前記印刷順設定部によって新たに変更された当該印刷順に従って、前記画像データ取得部によって取得された各頁の画像データを記録紙に印刷する請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像合成部は、前記判別部が前記各頁の画像データのいずれかが前記案内画像の画像データを含むと判別した場合に、前記案内画像を含む頁の画像データから当該案内画像の画像データを削除し、
前記印刷部は、前記画像合成部による削除処理後の前記各頁の画像データを、前記印刷順設定部によって変更された印刷順に従って記録紙に印刷する請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項1】
複数頁分の画像データを取得する画像データ取得部と、
前記画像データ取得部によって取得された各頁の画像データについて、当該取得された画像データに付随する付随情報に基づいて第1頁から予め定められた頁までの前半頁群の画像データを、記録紙第1頁から以降連続する各頁の表面への印刷対象として前記付随情報が示すそれぞれの頁順に従って印刷順を設定し、前記付随情報に基づいて前記予め定められた頁よりも後となる後半頁群の各画像データを、前記前半頁群の画像データの印刷に用いられた最終頁の記録紙、又は前記前半頁群の画像データの印刷に用いられた記録紙に追加して用いられる記録紙の最終頁から遡って連続する各頁の裏面への印刷対象として、前記頁順に従って印刷順を設定する印刷順設定部と、
前記印刷順設定部により印刷順が設定された前記後半頁群の画像データの天地方向を反転させる処理を行う画像反転処理部と、
前記印刷順設定部により印刷順が設定された前半頁群における最終頁の画像データに、当該後半頁群で最初の頁となる画像データが印刷される記録紙面を案内する案内画像の画像データを合成する画像合成部と、
前記印刷順設定部により設定された前記印刷順に従って、前記画像データ取得部によって取得された各頁の画像データであって、前記画像反転処理部及び前記画像合成部による前記各処理が行われた画像データを記録紙各面に印刷する印刷部と
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記印刷順設定部は、前記予め定められた頁を、前記付随情報に基づいて総頁数の半分にあたる頁、又は当該半分にあたる頁に最も近い前後頁のいずれかとする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記予め定められた頁の指定をユーザから受け付ける頁指定受付部を更に備え、
前記印刷順設定部は、前記頁指定受付部によって指定が受け付けられた頁を、前記予め定められた頁とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記印刷順設定部は、前記各頁の画像データが属する章を示す章情報を前記付随情報から取得し、当該章情報が示す各章において頁順が最終頁となる画像データのうち、前記付随情報が示す総頁数の半分にあたる頁に最も近い頁となる章の最終頁を前記予め定められた頁とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像合成部は、前記前半頁群における最終頁の画像データに、前記設定した印刷順での前記印刷部による印刷毎に異なる前記案内画像の画像データを合成し、
前記印刷順設定部は、前記画像データ取得部によって取得された各頁の画像データに付随する付随情報が示す頁順情報と、当該各頁の画像データに対して前記印刷順設定部により設定された印刷順情報と、当該各頁の画像データに対して前記合成に用いられた案内画像とを対応付けて記憶すると共に、
前記画像データ取得部によって取得された各頁の画像データのいずれかが、前記案内画像の画像データを含むか否かを判別する判別部を更に備え、
前記印刷順設定部は、前記判別部が前記各頁の画像データのいずれかが案内画像の画像データを含むと判別した場合、前記画像データ取得部によって取得された各頁の画像データの印刷順を、当該判別された案内画像に対応付けて記憶している前記頁順情報及び印刷順情報の相関関係に基づいて当該頁順情報が示す頁順に従った印刷順に新たに設定し、
前記印刷部は、前記印刷順設定部によって新たに変更された当該印刷順に従って、前記画像データ取得部によって取得された各頁の画像データを記録紙に印刷する請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像合成部は、前記判別部が前記各頁の画像データのいずれかが前記案内画像の画像データを含むと判別した場合に、前記案内画像を含む頁の画像データから当該案内画像の画像データを削除し、
前記印刷部は、前記画像合成部による削除処理後の前記各頁の画像データを、前記印刷順設定部によって変更された印刷順に従って記録紙に印刷する請求項5に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−80194(P2012−80194A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221191(P2010−221191)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]