説明

画像形成装置

【課題】ユーザにとって使いやすい画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、本体筐体2の開口2Aに対向する搬送ローラ24と、開口2Aを開閉し、閉じた状態において用紙Sを上方に向けて湾曲させながら案内する案内リブ25Bを有するリアカバー25と、従動ローラ24Bを支持し、従動ローラ24Bを駆動ローラ24Aに接触させる接触位置と、従動ローラ24Bを駆動ローラ24Aから離間させる離間位置との間で揺動可能なリアシュート26とを備える。リアカバー25は、閉じた状態において揺動軸25Aよりも下側に向けて延びる延出部25Dを有し、開いた状態において搬送ローラ24から送り出された用紙Sが載置されるように設けられている。リアシュート26は、開いた状態のリアカバー25の延出部25Dが当接することでリアカバー25の姿勢を規制する規制部27をリアカバー25に載置される用紙Sの少なくとも幅内に有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置本体の開口を開閉するカバーを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタなどの画像形成装置には、装置本体に対して揺動することで装置本体の開口を開閉するカバーを備え、当該カバーに、閉じた状態において画像形成部から搬出された用紙を、画像形成部の上方に設けられた排紙トレイに向けて湾曲させながら案内するガイドが設けられたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、上記のような画像形成装置においては、開いた状態のカバーの上面を装置本体からストレート排紙された用紙の排紙トレイとして利用する構成も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−202402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1(図8参照)に開示された画像形成装置のように、開かれたカバーの下端部と装置本体との間に隙間ができてしまうと、カバーの上面に載置された用紙が当該隙間を通過して落下してしまう可能性があり、ユーザにとって使いにくくなるおそれがあった。
【0005】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、ユーザにとって使いやすい画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、装置本体と、装置本体の開口に対向して設けられ、記録シートを送り出す対の搬送ローラと、装置本体に揺動可能に設けられて開口を開閉し、閉じた状態において対の搬送ローラから送り出された記録シートを対の搬送ローラの上方に向けて湾曲させながら案内する案内部を有するカバーと、対の搬送ローラのうちの一方のローラを支持し、当該一方のローラを他方のローラに接触させる接触位置と一方のローラを他方のローラから離間させる離間位置との間で揺動可能な支持部材とを備えている。
カバーは、閉じた状態において揺動軸よりも下側に向けて延びる延出部を有し、開いた状態において対の搬送ローラから送り出された記録シートが載置されるように設けられている。
支持部材は、開いた状態のカバーの延出部が当接することでカバーの姿勢を規制する規制部をカバーに載置される記録シートの少なくとも幅内に有する。
【0007】
このような構成によれば、開いた状態において、対の搬送ローラから送り出された記録シートが載置されるカバーは、その延出部が当該カバーに載置される記録シートの少なくとも幅内で支持部材の規制部と当接するので、カバーと支持部材との間には記録シートが通過可能な隙間が形成されない。これにより、カバーに載置された記録シートの落下を防止することができる。
【0008】
また、対の搬送ローラの間で記録シートが詰まった場合であっても、カバーを開き、支持部材を接触位置から離間位置に揺動させることで、一方のローラと他方のローラのニップを解除することができるので、詰まった記録シートの処理(ジャム処理)を容易に行うことができる。
以上により、画像形成装置をユーザにとって使いやすいものとすることができる。
【0009】
前記した画像形成装置において、規制部は、接触位置において延出部が当接する第1当接部と、離間位置において前記延出部が当接する第2当接部とを有し、第2当接部から支持部材の揺動中心までの距離が第1当接部から前記揺動中心までの距離よりも小さく、かつ、第1当接部から第2当接部までが連続した面となっている構成とすることができる。
【0010】
このような構成によれば、ジャム処理を行う際に支持部材を接触位置から離間位置に揺動させることで、これに連動してカバーがさらに大きく開かれるため、ジャム処理をより容易に行うことができる。
【0011】
また、本発明の画像形成装置において、規制部は、接触位置において延出部が当接する第1当接部と、離間位置において延出部が当接する第2当接部とを有し、第1当接部から第2当接部までが支持部材の揺動中心を中心とした曲面となっている構成とすることもできる。
【0012】
このような構成によれば、ジャム処理を行う際に支持部材を接触位置から離間位置に揺動させてもカバーが揺動しない、特に閉じる方向に揺動しないので、ジャム処理を容易に行うことができる。
【0013】
また、カバーの延出部が規制部に当接するとき、および、当接した後において、延出部から規制部に伝わる力は、常に支持部材の揺動中心を向くことになるので、支持部材に不要な力、特に、支持部材を揺動させようとする力が作用しない。そのため、支持部材が接触位置および離間位置のいずれの位置にあるときも、支持部材およびカバーの姿勢を安定させることができる。さらに、これによって、特に、支持部材が接触位置にあるときに、対の搬送ローラを安定して接触させることができるので、対の搬送ローラが接離可能な構成において記録シートを安定して搬送することができる。
【0014】
前記した第2当接部から揺動中心までの距離が第1当接部から揺動中心までの距離よりも小さい画像形成装置において、第1当接部は、その法線が支持部材の揺動中心を通るように構成されていることが好ましい。
【0015】
このような構成によれば、上記と同様に、カバーの延出部が規制部(第1当接部)に当接するとき、および、当接した後において、延出部から規制部に伝わる力が支持部材の揺動中心を向くことになるので、支持部材を揺動させようとする力が作用しない。これにより、支持部材およびカバーの姿勢を安定させることができるとともに、対の搬送ローラを安定して接触させることができるので、記録シートを安定して搬送することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、カバーに載置された記録シートの落下を防止したり、ジャム処理を容易に行ったりすることができるので、画像形成装置をユーザにとって使いやすいものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の一例としてのレーザプリンタの概略構成を示す図である。
【図2】第1実施形態に係るレーザプリンタにおいてリアカバーを開いた状態を示す拡大図である。
【図3】リアカバーと規制部の当接状態を示す斜視図である。
【図4】第1実施形態に係るリアシュートを離間位置に揺動した状態を示す拡大図である。
【図5】第2実施形態に係るレーザプリンタにおいてリアカバーを閉じた状態を示す拡大図である。
【図6】リアカバーを開いた状態を示す拡大図である。
【図7】第2実施形態に係るリアシュートを離間位置に揺動した状態を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1実施形態]
次に、本発明の第1実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、まず、実施形態に係る画像形成装置の一例としてのレーザプリンタ1の概略構成を簡単に説明し、その後、本発明の特徴部分に係るレーザプリンタ1(リアカバー25周辺)の詳細な構成について説明する。
【0019】
また、以下の説明において、方向は、レーザプリンタ1を使用するユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1における右側を「前」、左側を「後」とし、手前側を「左」、奥側を「右」とする。また、図1における上下方向を「上下」とする。
【0020】
<レーザプリンタの概略構成>
図1に示すように、レーザプリンタ1は、装置本体の一例としての本体筐体2と、記録シートの一例としての用紙Sを供給する給紙部3と、露光装置4と、用紙S上にトナー像(現像剤像)を転写するプロセスカートリッジ5と、用紙S上のトナー像を熱定着する定着装置8とを主に備えている。
【0021】
給紙部3は、本体筐体2内の下部に設けられ、給紙トレイ31と、用紙押圧板32と、給紙機構33とを主に備えている。給紙トレイ31に収容された用紙S(例えば、普通紙など)は、用紙押圧板32によって上方に寄せられ、給紙機構33によってプロセスカートリッジ5(感光体ドラム61と転写ローラ63との間)に向けて供給される。
【0022】
露光装置4は、本体筐体2内の上部に配置され、図示しないレーザ発光部やポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを備えている。この露光装置4では、レーザ発光部から出射される画像データに基づくレーザ光(鎖線参照)が、感光体ドラム61の表面で高速走査されることで、感光体ドラム61の表面を露光する。
【0023】
プロセスカートリッジ5は、露光装置4の下方に配置され、本体筐体2に設けられたフロントカバー21を開いたときにできる開口から本体筐体2に対して着脱可能に装着される構成となっている。このプロセスカートリッジ5は、ドラムユニット6と、現像ユニット7とから構成されている。
【0024】
ドラムユニット6は、感光体ドラム61と、帯電器62と、転写ローラ63とを主に備えている。また、現像ユニット7は、ドラムユニット6に対して着脱可能に装着される構成となっており、現像ローラ71と、供給ローラ72と、層厚規制ブレード73と、トナー(現像剤)を収容するトナー収容部74とを主に備えている。
【0025】
このプロセスカートリッジ5では、感光体ドラム61の表面が、帯電器62により一様に帯電された後、露光装置4からのレーザ光の高速走査によって露光されることで、感光体ドラム61上に画像データに基づく静電潜像が形成される。また、トナー収容部74内のトナーは、供給ローラ72を介して現像ローラ71に供給され、現像ローラ71と層厚規制ブレード73の間に進入して一定厚さの薄層として現像ローラ71上に担持される。
【0026】
現像ローラ71上に担持されたトナーは、現像ローラ71から感光体ドラム61上に形成された静電潜像に供給される。これにより、静電潜像が可視像化され、感光体ドラム61上にトナー像が形成される。その後、感光体ドラム61と転写ローラ63の間を用紙Sが搬送されることで感光体ドラム61上のトナー像が用紙S上に転写される。
【0027】
定着装置8は、プロセスカートリッジ5の後方に配置され、加熱ローラ81と、加熱ローラ81と対向配置されて加熱ローラ81を押圧する加圧ローラ82とを主に備えている。この定着装置8では、用紙S上に転写されたトナー像を、用紙Sが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過する間に熱定着させている。トナー像が熱定着された用紙Sは、搬送ローラ24および排紙ローラ23によって本体筐体2の上部に設けられた排紙トレイ22上に排出される。
【0028】
<レーザプリンタの詳細構成>
レーザプリンタ1は、本発明の特徴部分に関連する構成として、対の搬送ローラ24と、カバーの一例としてのリアカバー25と、支持部材の一例としてのリアシュート26とを備えている。
【0029】
搬送ローラ24は、定着装置8から搬出された用紙Sを本体筐体2の外部に向けて搬送する(送り出す)ローラであり、定着装置8の後方で本体筐体2の開口2Aに対向して(定着装置8と開口2Aの間に)設けられている。本実施形態において、搬送ローラ24は、左右方向に並んで複数対設けられている(図3参照)。
【0030】
各対の搬送ローラ24は、それぞれ、上側に配置され、本体筐体2内に設けられた図示しないモータから駆動力が伝達されることで回転駆動する駆動ローラ24A(他方のローラの一例)と、下側に配置されて駆動ローラ24Aに従動回転する従動ローラ24B(一方のローラの一例)とから構成されている。
【0031】
リアカバー25は、揺動軸25Aを揺動中心として本体筐体2に対し揺動可能に設けられており、その揺動によって本体筐体2の後部に設けられた開口2Aを開閉する。このリアカバー25は、閉じた状態において搬送ローラ24から送り出された用紙Sを搬送ローラ24の上方の排紙ローラ23および排紙トレイ22に向けて湾曲させながら案内する案内部の一例としての案内リブ25Bを有している。
【0032】
また、図2に示すように、リアカバー25は、開いた状態において、搬送ローラ24から送り出された用紙Sが載置されるように設けられている。言い換えると、リアカバー25は、開いた状態では、本体筐体2内から開口2Aを通して外部に排出された用紙S(例えば、はがきなど)が載置される、いわば第2の排紙トレイとして機能する。
【0033】
図1に戻り、リアカバー25は、前記した案内リブ25Bと、カバー部25Cと、延出部25Dとを主に有している。
案内リブ25Bは、カバー部25Cの内面上部に左右方向に並ぶように複数(図では1つのみ図示)設けられている。
【0034】
カバー部25Cは、閉じた状態において、用紙Sが通過可能な開口2Aを覆う部位であり、開口2Aの幅(左右方向で対向する開口2Aの縁部の間隔)と略同じ幅寸法で形成されている。言い換えると、図3に示すように、カバー部25C(リアカバー25)の幅L1(左右方向の長さ)は、用紙S、より詳細には、レーザプリンタ1で画像形成が可能な最大サイズの用紙Sの幅Wよりも大きく形成されている。
【0035】
図1に示すように、延出部25Dは、閉じた状態において、揺動軸25Aよりも下側に向けて延びる部分であり、カバー部25Cの下側の部分を構成するとともに、その下端部25Eが本体筐体2の内部(前方)に向けて屈曲形成されている。図2に示すように、この延出部25Dの下端部25Eは、リアカバー25を開いたときに、リアシュート26の後述する規制部27と当接する。
【0036】
リアシュート26は、定着装置8の後方に設けられており、定着装置8から搬出された用紙Sを搬送ローラ24(駆動ローラ24Aと従動ローラ24Bの間)に向けて案内可能なガイド面26Bを有している。このリアシュート26は、本体筐体2とは別部品として形成されており、駆動ローラ24Aと従動ローラ24Bからなる対の搬送ローラ24のうちの従動ローラ24Bを回転可能に支持している。
【0037】
図2,4に示すように、リアシュート26は、揺動軸26Aを揺動中心として本体筐体2に対し揺動可能に設けられている。より詳細に、リアシュート26は、図2に示す、従動ローラ24Bを本体筐体2に支持された駆動ローラ24Aに接触させる接触位置と、図4に示す、従動ローラ24Bを駆動ローラ24Aから離間させる離間位置との間で揺動可能に支持されている。
【0038】
これにより、搬送ローラ24の間で用紙Sが詰まった場合であっても、リアカバー25を開き、リアシュート26を接触位置から離間位置に揺動させることで、駆動ローラ24Aと従動ローラ24Bのニップを解除できるので、詰まった用紙Sの処理(ジャム処理)を容易に行うことができるようになっている。
【0039】
また、リアシュート26は、その後部の下端に、開いた状態のリアカバー25の延出部25Dの下端部25Eが当接することで、開いたときのリアカバー25の姿勢を規制する規制部27を有している。より詳細に、規制部27は、図2に示す接触位置において延出部25Dの下端部25Eが当接する第1当接部27Aと、図4に示す離間位置において延出部25Dの下端部25Eが当接する第2当接部27Bとを有しており、第1当接部27Aから第2当接部27Bまでが連続した側面視略弓状の曲面となっている。
【0040】
さらに述べると、規制部27は、第2当接部27Bから揺動軸26A(揺動中心)までの距離D2が第1当接部27Aから揺動中心までの距離D1よりも小さくなっており、第1当接部27Aから第2当接部27Bに向けて揺動軸26Aに徐々に近づくような曲面形状をなしている。
【0041】
図3に示すように、本実施形態において、規制部27の幅L2(左右方向の長さ)は、開いた状態のリアカバー25に載置される(開口2Aから排出される)用紙Sの幅Wとほぼ同じ幅寸法であって、リアカバー25(延出部25Dの下端部25E)の幅L1よりも小さく形成されている。そして、規制部27と、延出部25Dの下端部25Eとは、用紙Sの幅W内の左右方向略全範囲において互いに当接可能に形成されている。
【0042】
これにより、開いた状態のリアカバー25(延出部25Dの下端部25E)と、リアシュート26(規制部27)との間には、レーザプリンタ1で画像形成が可能な用紙Sが通過可能な隙間は形成されないので、リアカバー25に載置された用紙Sが落下することを防止することができるようになっている。
【0043】
また、規制部27が、第1当接部27Aから第2当接部27Bに向けて揺動軸26Aに徐々に近づくような曲面形状をなしていることで、リアシュート26を図2に示す接触位置から図4に示す離間位置に揺動させると、リアカバー25は、図4の二点鎖線で示す姿勢からさらに大きく開くように揺動することとなる。これにより、開口2Aがより広く外部に露出するので、ユーザの手が入れやすくなるため、ジャム処理をより容易に行うことができるようになっている。
【0044】
なお、図2に示すように、本実施形態において、規制部27は、第1当接部27Aの法線Lがリアシュート26の揺動軸26A(揺動中心)を通るように形成されている。これにより、リアカバー25を開いて、延出部25Dの下端部25Eが第1当接部27Aに当接するとき、および、当接した後において、延出部25Dの下端部25Eから第1当接部27Aに伝わる力は、常にリアシュート26の揺動中心を向くことになるので、リアシュート26に不要な力、特に、リアシュート26を揺動させようとする力が作用しないようになっている。
【0045】
そのため、リアシュート26が接触位置にあるときに、リアシュート26およびリアシュート26に支持されるリアカバー25の姿勢を安定させることができるようになっている。また、これにより、搬送ローラ24を安定して接触させることができるので、搬送ローラ24が接離可能な構成においても用紙Sを安定して搬送することが可能となる。
【0046】
以上説明した本実施形態によれば、リアカバー25に載置された用紙Sの落下を防止したり、ジャム処理を容易に行ったりすることができるので、レーザプリンタ1をユーザにとって使いやすいものとすることができる。
【0047】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態では、前記した第1実施形態と同様の構成要素については、同一符号を付して、その説明を省略することとする。
【0048】
図5に示すように、本実施形態のリアシュート26の規制部28は、接触位置において延出部25Dの下端部25Eが当接する第1当接部28Aから、離間位置において延出部25Dの下端部25Eが当接する第2当接部28Bまでが、揺動軸26A(揺動中心)を中心とした側面視円弧状の曲面となっている。すなわち、規制部28は、第1当接部28Aから揺動中心までの距離D3と、第2当接部28Bから揺動中心までの距離D4が互いに等しく、さらに、第1当接部28Aから第2当接部28Bまでの間の各位置から揺動中心までの距離が距離D3(=D4)と等しくなっている。
【0049】
このような構成によれば、ジャム処理を行う際に、リアシュート26を、図6に示す接触位置から、図7に示す離間位置に揺動させてもリアカバー25が揺動しない、特に閉じる方向に揺動しないため、ジャム処理を容易に行うことができる。
【0050】
また、本実施形態の構成によれば、第1当接部28Aおよび第2当接部28Bは、いずれも法線(符号省略)がリアシュート26の揺動中心を通ることになるので、リアカバー25を開いて、延出部25Dの下端部25Eが規制部28に当接するとき、および、当接した後において、延出部25Dの下端部25Eから規制部28に伝わる力は、常にリアシュート26の揺動中心を向くことになる。
【0051】
これにより、リアシュート26が接触位置および離間位置のいずれの位置にあるときにも、リアシュート26に当該リアシュート26を揺動させようとする力が作用しないため、リアシュート26およびリアカバー25の姿勢を安定させることができるようになっている。また、リアシュート26が接触位置にあるときには、前記した第1実施形態の場合と同様に、搬送ローラ24を安定して接触させることができるので、用紙Sを安定して搬送することが可能となる。
【0052】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0053】
前記実施形態では、延出部25Dと規制部27とが、レーザプリンタ1で画像形成が可能な最大サイズの用紙Sの幅W内の全範囲において当接するように構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、延出部と規制部とが当接する範囲は、カバーに載置された記録シートの落下を防止することができる範囲(延出部と規制部との間に記録シートが通過可能な隙間ができない範囲)であればよく、例えば、画像形成が可能な最小サイズの記録シートの幅の範囲内であってもよい。また、当然のことではあるが、延出部と規制部とが画像形成が可能な最大サイズの記録シートの幅よりも大きい範囲で当接する構成としてもよい。
【0054】
また、前記実施形態では、延出部25Dと規制部27とが、左右方向(幅方向)に連続的に当接していたが(図3参照)、本発明はこれに限定されず、例えば、幅方向において断続的に当接するように構成されていてもよい。すなわち、本発明においては、当接した延出部と規制部との間に画像形成が可能な最小サイズの記録シートの幅よりも小さい幅の隙間が形成されていても問題はない。
【0055】
前記実施形態では、カバーとして、本体筐体2(装置本体)の後部に設けられたリアカバー25を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、装置本体の前部や左右に設けられたカバーであってもよい。
【0056】
前記実施形態では、画像形成装置として、レーザ光で感光体ドラム61(感光体)を露光するレーザプリンタ1を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、LED光で感光体を露光する電子写真方式のプリンタであってもよいし、インクジェット方式のプリンタであってもよいし、感熱方式のプリンタであってもよい。また、画像形成装置は、プリンタに限定されず、例えば、フラットベッドスキャナなどの原稿読取装置を備える複写機や複合機などであってもよい。さらに、画像形成装置は、モノクロ画像だけでなく、カラー画像も形成可能なものであってもよい。
【0057】
前記実施形態では、記録シートとして、普通紙やはがきなどの用紙Sを例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、OHPシートなどであってもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 レーザプリンタ
2 本体筐体
2A 開口
24 搬送ローラ
24A 駆動ローラ
24B 従動ローラ
25 リアカバー
25A 揺動軸
25B 案内リブ
25D 延出部
26 リアシュート
26A 揺動軸
27 規制部
27A 第1当接部
27B 第2当接部
S 用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
前記装置本体の開口に対向して設けられ、記録シートを送り出す対の搬送ローラと、
前記装置本体に揺動可能に設けられて前記開口を開閉し、閉じた状態において前記対の搬送ローラから送り出された記録シートを前記対の搬送ローラの上方に向けて湾曲させながら案内する案内部を有するカバーと、
前記対の搬送ローラのうちの一方のローラを支持し、当該一方のローラを他方のローラに接触させる接触位置と、前記一方のローラを前記他方のローラから離間させる離間位置との間で揺動可能な支持部材と、を備え、
前記カバーは、閉じた状態において揺動軸よりも下側に向けて延びる延出部を有し、開いた状態において前記対の搬送ローラから送り出された記録シートが載置されるように設けられ、
前記支持部材は、開いた状態の前記カバーの前記延出部が当接することで前記カバーの姿勢を規制する規制部を前記カバーに載置される記録シートの少なくとも幅内に有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記規制部は、
前記接触位置において前記延出部が当接する第1当接部と、前記離間位置において前記延出部が当接する第2当接部とを有し、
前記第2当接部から前記支持部材の揺動中心までの距離が前記第1当接部から前記揺動中心までの距離よりも小さく、かつ、前記第1当接部から前記第2当接部までが連続した面となっていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記規制部は、
前記接触位置において前記延出部が当接する第1当接部と、前記離間位置において前記延出部が当接する第2当接部とを有し、
前記第1当接部から前記第2当接部までが前記支持部材の揺動中心を中心とした曲面となっていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1当接部の法線は、前記支持部材の揺動中心を通ることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−10592(P2013−10592A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143898(P2011−143898)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】