画像形成装置
【課題】簡易な方式で樹脂レンズの内部吸収による光量低下むらを抑制することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、450nm未満の波長の光ビームをそれぞれ出力することが可能な複数の発光部を含む光源と、光源からの光ビームを偏向走査する回転多面鏡と、感光体と、回転多面鏡により走査された光ビームを前記感光体上に結合させる走査光学レンズ系と、光源を制御するための制御部とを備える。走査光学レンズ系は樹脂レンズに相当し、複数の発光部からそれぞれ出力される光ビームは、被走査面上において副走査方向の位置がそれぞれ異なる。制御部は、前記回転多面鏡により走査する際、前記複数の発光部のうちのある発光部を用いて走査した場合に前記樹脂レンズが劣化したか否かを判断し、劣化したと判断した場合には、前記複数の発光部のうちの別の発光部を用いて走査する。
【解決手段】画像形成装置は、450nm未満の波長の光ビームをそれぞれ出力することが可能な複数の発光部を含む光源と、光源からの光ビームを偏向走査する回転多面鏡と、感光体と、回転多面鏡により走査された光ビームを前記感光体上に結合させる走査光学レンズ系と、光源を制御するための制御部とを備える。走査光学レンズ系は樹脂レンズに相当し、複数の発光部からそれぞれ出力される光ビームは、被走査面上において副走査方向の位置がそれぞれ異なる。制御部は、前記回転多面鏡により走査する際、前記複数の発光部のうちのある発光部を用いて走査した場合に前記樹脂レンズが劣化したか否かを判断し、劣化したと判断した場合には、前記複数の発光部のうちの別の発光部を用いて走査する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特に短波長レーザを用いて走査する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、記録媒体上に画像を形成するプリンタや複写機が知られている。
これらプリンタや複写機に代表される画像形成装置は、光走査装置を用いて静電潜像を形成し、形成された静電潜像によりトナー画像を作成して、そのトナー画像を定着器により加熱および加圧することで記録媒体上に定着させて記録媒体上に画像を形成するものがある。
【0003】
一般に、この種の光走査装置はレーザ光源からの光ビームをポリゴンミラーによって偏向し、結像レンズ系によって被走査面上に光スポットとして結像させるようになっている。
【0004】
レーザ光源には半導体レーザ等が多用され、レーザ光源から射出された発散光は、コリメータレンズにより略平行な光ビームに変換され、アパーチャにより光ビームの外形が制限される。外形が制限された光ビームは、定角速度で回転するポリゴンミラーにより偏向されて結象レンズ系に入射する。結像レンズ系は定角速度で偏向された光ビームを所定の間隔で配置された被走査面上に等距離速度で走査させるfθ特性を有し、全走査域にわたって微小な光スポットを形成するように設けられている。
【0005】
一方で、近年においては、高解像度化の要求により短波長のレーザ光源を使用し、より微小スポットを形成する方式が提案されている(特許文献1)。
【0006】
しかしながら、結像レンズ系として樹脂レンズを用いる場合、短波長の光ビームになるに従い、樹脂レンズの内部吸収により樹脂レンズの透過率が減少するため高コストのガラスレンズが採用されてきた。
【0007】
これに対して、特許文献2においては、結像レンズ系としての樹脂レンズを加工することにより樹脂レンズの内部吸収による透過率の減少を抑制する方式を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−240591号公報
【特許文献2】特開2004−145352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記公報に示される方式は、樹脂レンズを調整する方式であるため特殊な加工が必要でありコストがかかるという問題がある。
【0010】
一方で、光ビームは、樹脂レンズに均等に連続的に照射されるわけではない。画像領域には印字部と非印字部とがあるため発光部は、常に発光した状態ではなくオン/オフを繰り返すことになる。
【0011】
したがって、樹脂レンズの一部の領域が他の領域と比べて短波長の光ビームの照射される割合が高い場合、樹脂レンズ内における透過率のばらつきが生じる可能性がある。
【0012】
これにより主走査方向に光量低下ムラが生じるという問題があった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、簡易な方式で樹脂レンズの内部吸収による光量低下むらを抑制することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のある局面に従う画像形成装置は、450nm未満の波長の光ビームをそれぞれ出力することが可能な複数の発光部を含む光源と、光源からの光ビームを偏向走査する回転多面鏡と、感光体と、回転多面鏡により走査された光ビームを前記感光体上に結合させる走査光学レンズ系と、光源を制御するための制御部とを備える。走査光学レンズ系は樹脂レンズに相当し、複数の発光部からそれぞれ出力される光ビームは、被走査面上において副走査方向の位置がそれぞれ異なり、制御部は、前記回転多面鏡により走査する際、前記複数の発光部のうちのある発光部を用いて走査した場合に前記樹脂レンズが劣化したか否かを判断し、劣化したと判断した場合には、前記複数の発光部のうちの別の発光部を用いて走査する。
【0014】
好ましくは、制御部は、走査された光ビームの発光光量および時間に基づいて前記樹脂レンズが劣化したか否かを判断する。
【0015】
好ましくは、光ビームの光量を検出する検出手段と、走査光学レンズ系を通過した光ビームを分光して一方の光ビームを前記感光体上に結合させ、他方の光ビームを前記検出手段に対して出力する分光手段とをさらに備え、制御部は、前記検出手段で検出された光ビームの光量値に基づいて前記樹脂レンズが劣化したか否かを判断する。
【0016】
好ましくは、ある発光部に従う光ビームの前記被走査面上における副走査方向の位置と、前記別の発光部に従う光ビームの前記被走査面上における副走査方向の位置との距離は、前記光ビームの光束幅よりも大きい。
【0017】
好ましくは、制御部は、印字される画像種類を識別し、識別結果に応じた判断基準に従って前記樹脂レンズが劣化したか否かを判断する。
【発明の効果】
【0018】
簡易な方式で樹脂レンズの内部吸収による光量低下むらを抑制する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に従う画像形成装置が適用されるタンデム方式のMFP100の概略構成を示す模式的断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に従うレーザ装置113に含まれるレーザ走査部118Kについて説明する概略構成図である。
【図3】本発明の実施の形態に従うLDアレイ2の構成について説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態に従うLDアレイ2からの光ビームを走査した場合の走査レンズ6a,6bにおける照射位置を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態に従うレーザ走査部118Kを駆動する概略ブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態に従う画像印字のための走査処理におけるタイミングシーケンスを説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態に従うCCD110から出力された出力用画像データの一例を説明する図である。
【図8】図7で説明した出力用画像データについて、主走査発光量積算部36で積算した積算結果を説明する図である。
【図9】印字画像に対応して走査レンズ6a,6bが劣化して透光率が低下した場合を説明する図である。
【図10】本発明の実施の形態に従う画像印字のための発光部の選択を説明するフロー図である。
【図11】本発明の実施の形態の変形例1に従うレーザ装置113に含まれるレーザ走査部118K#について説明する概略構成図である。
【図12】レーザ走査部118K#の一部を横から見た図である。
【図13】本発明の実施の形態の変形例2に従う発光部202a,202bの光ビームの光束幅とビーム間隔について説明する図である。
【図14】本発明の実施の形態の変形例3に従う画像印字のための発光部の選択を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に従う画像形成装置が適用されるタンデム方式のMFP100の概略構成を示す模式的断面図である。
【0022】
図1を参照して、MFP100は、原稿から画像データを読取る画像形成部101と、画像処理部110Aと、用紙上に画像を印刷する画像出力部102とから構成される。
【0023】
画像形成部101の原稿台103上に載置された原稿は、スキャナ104の備える露光ランプ105により照射される。スキャナ104は、スキャナモータ112により矢印方向に移動して原稿全体を走査する。
【0024】
原稿面からの反射光は、ミラー106〜108および集光レンズを介してCCD(Charge Coupled Devices)110上に像を結ぶ。CCD110は、原稿面からの反射光をRGBの色データ(アナログ信号)に変換して画像処理部110Aに出力する。CCD110が画像処理部110Aに出力する色データを、出力画像用データという。
【0025】
画像処理部110Aは、CCD110から入力される画像データに所定の画像処理を施してレーザ装置113にデジタル信号を出力する。ここでスキャナ104からレーザ装置113に出力されるデジタル信号は、シアン用の画像色データCと、マゼンタ用の画像色データMと、イエロー用の画像色データYと、ブラック用の画像色データKである。光走査装置であるレーザ装置113は、入力された画像色データC,M,Y,Kに基づいて、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックそれぞれの感光体115C,115M,115Y,115Kに光ビームを出力する。
【0026】
画像出力部102において、レーザ装置113から出力される光ビームは、帯電チャージャ114C,114M,114Y,114Kによって帯電された感光体115C,115M,115Y,115Kを露光し、静電潜像を形成する。シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの4色の現像器116C,116M,116Y,116Kにより、感光体115C,115M,115Y,115K上の静電潜像が現像される。
【0027】
一方、転写ベルト130は、駆動ローラ133Aと固定ローラ133B,133C,133Dとにより弛まないように懸架されている。駆動ローラ133Aが図中で反時計回りに回転すると、転写ベルト130が所定速度で図中の反時計回りに回転する。
【0028】
給紙カセット120〜122より適当な用紙が搬送され、タイミングローラ131から転写ベルト130に用紙が供給される。転写ベルト130に供給された用紙は、転写ベルト130上に担持され、図中で左方向に搬送される。これにより、用紙がシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの順に感光体115C,115M,115Y,115Kと接触する。用紙がそれぞれの感光体115C,115M,115Y,115Kと接触したときに、感光体と対をなす転写チャージャ117C,117M,117Y,117Kにより感光体上に現像されたトナー像が用紙に転写される。
【0029】
トナー像が転写された用紙は、定着ローラ対132により加熱および加圧される。これにより、トナーは溶かされて用紙に定着する。その後、用紙は画像出力部102から排出される。
【0030】
なお、本例においては、原稿台103に原稿を載置する場合について図示しているが例えば、図示しない自動原稿搬送装置(ADF(Auto Document Feeder))を用いて原稿台に原稿を搬送するようにしても良い。
【0031】
図2は、本発明の実施の形態に従うレーザ装置113に含まれるレーザ走査部118Kについて説明する概略構成図である。
【0032】
図2を参照して、本発明の実施の形態に従うレーザ走査部118Kは、LDアレイ2、コリメータレンズ3、アパーチャ7、ポリゴンミラー4、走査レンズ6a,6b、SOS(Start of Scan)センサ5およびセンサレンズ40とを含む。なお、本例においては、レーザ走査部118Kについて説明するが、レーザ走査部118Y、118M、118Cについても同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0033】
ポリゴンミラー4は、図示しない駆動回路に入力される制御信号に基づいて所定の回転速度で回転する。
【0034】
LDアレイ2から放射された光ビーム8は、コリメータレンズ3で略平行光とされ、ポリゴンミラー4の偏向反射面で回転され、等角速度に偏向され、走査レンズ6a,6bを透過して感光体115K上で結像し、矢印方向(主走査方向)に走査される。本例においては、LDアレイ2から1本の光ビームが出力されるものとする。
【0035】
感光体115Kには矢印方向への主走査と感光体115Kの回転による副走査とで2次元の静電潜像が形成される。
【0036】
走査レンズ6a及び6bは、光ビームを感光体115K上で結像させる結像特性及びポリゴンミラー4で等角速度に偏向された光ビームを主走査方向に等速度に補正するfθ特性を有している。
【0037】
センサレンズ40は、ポリゴンミラー4で偏向された入射される光ビームをSOSセンサ5に集光する。なお、走査レンズ6a,6bおよびセンサレンズ40は、樹脂レンズが用いられるものとする。
【0038】
SOSセンサ5は、感光体115Kの画像が形成される領域外に配置され、センサレンズ40を透過した光ビームの入射を検知する。当該光ビームの入射を検知することにより主走査方向の開始タイミング(同期)が設定される。
【0039】
図3は、本発明の実施の形態に従うLDアレイ2の構成について説明する図である。
図3を参照して、本発明の実施の形態に従うLDアレイ2は、複数の発光部202a,202bを有している。LDアレイ2における複数の発光部202a,202b(ここでは2つの発光部とする)から出射される光ビームはともに450nm未満の波長をもつ光ビームを出射する。例えば、一例として発光部202a,202bは青色レーザを用いるものとする。
【0040】
なお、LDアレイ2から出射される光ビームが走査する感光体115Kは、450nm未満の光ビームに感度を持っているものとする。
【0041】
本例においては、複数の発光部202a,202bのうちの1つの光ビームを照射するものとする。
【0042】
図4は、本発明の実施の形態に従うLDアレイ2からの光ビームを走査した場合の走査レンズ6a,6bにおける照射位置を説明する図である。
【0043】
図4を参照して、LDアレイ2の発光部202a,202bからのそれぞれの光ビームBM1,BM2は、感光体115Kを走査する主走査方向に対して副走査方向の位置が異なるように走査レンズ6a,6bに照射される。
【0044】
図5は、本発明の実施の形態に従うレーザ走査部118Kを駆動する概略ブロック図である。
【0045】
図5を参照して、ここでは、レーザ走査部118Kと、画像処理部110Aの構成とが示されている。
【0046】
画像処理部110Aは、メモリ31と、CPU(Central Processing Unit)32と、クロック発生回路33と、画像処理ブロック34と、変調回路35a,35bと、主走査発光量積算部36と、主走査カウンタ37とを含む。
【0047】
CPU32は、メモリ31に予め格納されたプログラムに基づいて画像処理部110A全体を制御する。
【0048】
CCD110から出力された出力用画像データは画像処理ブロック34に入力され、画像処理ブロック34では入力された画像データに画像処理を施すとともに変調回路35a,35bのいずれか一方に出力する。
【0049】
クロック発生回路33は、CPU32からの指示に従って変調回路35a,35bにおける同期信号を生成するためのデータクロックDCKa,DCKbを生成する。
【0050】
変調回路35a,35bは、画像処理ブロック34から出力された出力用画像データをデータクロックDCKa,DCKbに同期して画像データIa,Ibとしてレーザ走査部118Kに出力する。なお、本例においては、変調回路35a,35bが並列に動作することはなく、いずれか一方が動作するものとする。
【0051】
レーザ走査部118Kにおいて、変調回路35aから出力された画像データIaはレーザ駆動回路10aに入力される。また、変調回路35bから出力された画像データIbはレーザ駆動回路10bに入力される。
【0052】
レーザ駆動回路10aは、画像データIaに応じてLDアレイ2に内蔵される発光部202aを駆動し、光ビームを感光体115Kに出力する。また、レーザ駆動回路10bは、画像データIbに応じてLDアレイ2に内蔵される発光部202bを駆動し、光ビームを感光体115Kに出力する。
【0053】
これにより感光体115Kに対する画像記録(印字処理)が行われる。本例においては、一例として、光ビームが照射された箇所が除電され当該箇所にトナーが付着するものとする。すなわち、光ビームは印字部に照射されるものとする。
【0054】
また、レーザ駆動回路10a,10bは、CPU32からの発光信号Pa,Pbの指示に従ってLDアレイ2に内蔵される発光部202a,202bを駆動し、光ビームを出力する。
【0055】
各レーザ駆動回路10a,10bには、図示しないがLDアレイ2からの光ビームの光量を示す信号がフイードバックされ、その光量が一定になるようにLDアレイ2に内蔵された各発光部の駆動が制御される。
【0056】
LDアレイ2から出力される光ビームはポリゴンミラー4に供給されて偏向され、上述したように走査レンズ6a,6bを透過して被走査面である図示しない感光体115K上に走査される。
【0057】
ポリゴンミラー4は、駆動部11により駆動され、回転速度はCPU32により入力されるポリゴンミラー駆動信号により制御される。
【0058】
このポリゴンミラー4によって偏向された光ビームの走査開始点は、SOSセンサ5によって規定される。本例においては、発光部202aあるいは発光部202bから出力された光ビームは、走査領域の先端側で走査され、当該領域に配置されたSOSセンサ5で当該光ビームが検出される。そして、SOSセンサ5の検出信号(同期信号)は、CPU32を経由して画像処理ブロック34に供給されて、LDアレイ2に内蔵したそれぞれの発光部による記録開始のタイミングが制御される。
【0059】
また、主走査カウンタ37は、クロック発生回路33からのデータクロックDCLKに従って主走査カウント値を主走査発光量積算部36に出力する。主走査カウント値は、光ビームが走査される主走査方向の位置に関連付けられており、データクロックDCLKに従ってカウントアップするものとする。そして、主走査カウント値は、光ビームが感光体の終端側で走査される位置に関連付けられた所定値に到達した場合にリセットされるものとする。
【0060】
主走査発光量積算部36は、主走査カウント値の入力に従って、画像処理ブロック34から出力される画像データに対する発光量を主走査カウント値毎に積算する。
【0061】
なお、本例においては、主走査発光量積算部36に対して画像データIa,Ibがそれぞれ入力されるためそれぞれの画像データ毎に主走査発光量が積算されるものとする。
【0062】
なお、本例においては、レーザ走査部118Kを主に説明するが、他のレーザ走査部についても同様である。
【0063】
図6は、本発明の実施の形態に従う画像印字のための走査処理におけるタイミングシーケンスを説明する図である。
【0064】
図6を参照して、SOSセンサ5から出力される同期信号、画像データIa,Ib、発光信号Pa,Pbおよび発光部202a,202bの発光状態が示されている。
【0065】
画像の印字時には、発光部202a,202bのうち1つの発光部のみを用いて印字が実行される。
【0066】
具体的には、まず、発光信号Paにより発光部202aを発光させて、SOSセンサ5を走査し、同期信号を出力する。その後、同期信号により書き出しタイミングを制御された画像データIaにより450nm未満の波長の光ビームを出射して画像を形成する。また、発光信号Paにより画像領域外で発光部202aを発光させ、光量調整を行っている。
【0067】
一方で、発光部202aからの光ビームにより走査レンズ6a,6bの照射位置に内部吸収による透過率の劣化が生じたと判断された場合には、図6の後半に示されるように、発光部202aから発光部202bに切り替えて印字が実行される。
【0068】
具体的には、発光信号Pbにより発光部202bを発光させて、SOSセンサ5を走査し、同期信号を出力する。その後、同期信号により書き出しタイミングを制御された画像データIbにより450nm未満の波長の光ビームを出射して画像を形成する。また、発光信号Pbにより画像領域外で発光部202bを発光させ、光量調整を行っている。
【0069】
当該処理、すなわち、発光部202aから発光部202bに発光部を切り替えることにより走査レンズ6a,6bにおける照射位置が異なるため透過率の劣化の影響を受けることなく画像を形成することが可能となる。
【0070】
次に、走査レンズの劣化を判断する方式について説明する。
図7は、本発明の実施の形態に従うCCD110から出力された出力用画像データの一例を説明する図である。
【0071】
図7を参照して、当該出力用画像データに対応して、画像処理ブロック34は、画像処理を施して変調回路35aに出力する。そして、変調回路35aは、画像処理ブロック34から出力された出力用画像データをデータクロックDCKaに同期して画像データIaとしてレーザ走査部118Kに出力する。そして、変調回路35aから出力された画像データIaは、レーザ駆動回路10aに入力される。そして、レーザ駆動回路10aが駆動し、発光部202aから出力される光ビームに従ってポリゴンミラーの回転方向である主走査方向に走査する。そして、感光体115Kを副走査方向に回転させて、感光体115K上に印字画像に対応する2次元の静電潜像を形成する。
【0072】
図8は、図7で説明した出力用画像データについて、主走査発光量積算部36で積算した積算結果を説明する図である。
【0073】
図8を参照して、ここで、横軸は、主走査カウント値を示している。縦軸は主走査発光量を主走査位置毎の発光積算時間として示している。すなわち、図9に示される発光積算時間は、主走査カウント値に対応する位置への光ビームの照射量(発光量)に相当する。
【0074】
図9は、印字画像に対応して走査レンズ6a,6bが劣化して透光率が低下した場合を説明する図である。
【0075】
図9に示されるように、発光部202aからの光ビームによって走査レンズ6a,6bには透過率のばらつきが生じることになる。
【0076】
図10は、本発明の実施の形態に従う画像印字のための発光部の選択を説明するフロー図である。当該処理は、主にCPU32によって実行される。
【0077】
図10を参照して、まず、発光部の発光積算時間の閾値Trefを読み出す(ステップS2)。具体的には、CPU32は、メモリ31に格納されている閾値Trefを読み出す。
【0078】
次に、発光部の発光積算時間Ttotal,Ttotal2を読み出す(ステップS4)。具体的には、CPU32は、主走査発光量積算部36の積算結果を取得する。Ttotal1は画像データIaに基づく発光部202aの発光積算時間、Ttotal2は画像データIbに基づく発光部202bの発光積算時間に相当する。
【0079】
次に、発光部202aの発光積算時間Ttotal1が閾値Trefよりも小さいかどうかを判断する(ステップS6)。
【0080】
ステップS6において、発光積算時間Ttotal1が閾値Trefよりも小さいと判断した場合(ステップS6においてYES)には、発光部202aを選択する(ステップS8)。
【0081】
そして、選択した発光部202aを用いて画像を形成する。
また、次に、画像を形成した際の発光時間をカウント値として、Tcnt1を計算する(ステップS10)。
【0082】
そして、発光積算時間を計算する(ステップS12)。具体的には、Ttotal1+Tcnt1=Ttotal1とする。そして、処理を終了する(エンド)。
【0083】
一方、ステップS6において、発光積算時間Ttotal1が閾値Trefよりも大きいと判断した場合(ステップS6においてNO)には、発光積算時間Ttotal2が閾値Trefよりも小さいかどうかを判断する(ステップS14)。
【0084】
ステップS14において、発光積算時間Ttotal2が閾値Trefよりも小さいと判断した場合(ステップS14においてYES)には、発光部202bを選択する(ステップS16)。
【0085】
そして、選択した発光部202bを用いて画像を形成する。
また、次に、画像を形成した際の発光時間をカウント値として、Tcnt2を計算する(ステップS18)。
【0086】
そして、発光積算時間を計算する(ステップS20)。具体的には、Ttotal2+Tcnt2=Ttotal2とする。そして、処理を終了する(エンド)。
【0087】
また、ステップS14において、発光積算時間Ttotal2が閾値Trefよりも大きいと判断した場合(ステップS14においてNO)には、トラブルコードを出力する(ステップS22)。
【0088】
そして、処理を終了する(エンド)。
当該トラブルコードは、発光部202aおよび発光部202bのいずれを選択した場合であっても走査レンズ6a,6bの劣化により透光率が低下しているため光量低下むらを抑制することができないことを意味する。当該場合には、走査レンズ6a,6bの交換が必要であり、そのためのコードが出力される。
【0089】
(変形例1)
図11は、本発明の実施の形態の変形例1に従うレーザ装置113に含まれるレーザ走査部118K#について説明する概略構成図である。
【0090】
図11を参照して、本発明の実施の形態に従うレーザ走査部118K#は、レーザ走査部118Kと比較して、ハーフミラー9と、センサ41をさらに設けた点が異なる。その他の構成については、図2で説明したのと同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0091】
ハーフミラー9は、走査レンズ6a,6bを通過した光ビームを分光する。そして、分光した光ビームの一方を感光体115Kに照射する。また、もう一方の光ビームをセンサ41側に出力する。
【0092】
センサ41は、光ビームの入射光量を測定する。当該センサ41により走査レンズ6a,6bを通過した光ビームの光量を測定することが可能となり、当該測定結果に基づいて、走査レンズ6a,6bの透過率の低下を測定することが可能となる。
【0093】
図12は、レーザ走査部118K#の一部を横から見た図である。
図12を参照して、ポリゴンミラー4で反射した光ビームは走査レンズ6a,6bを通過してハーフミラー9に入射される。
【0094】
ハーフミラー9では、光ビームを分光して一方の光ビームを感光体115Kに照射する。また、残りの光ビームはハーフミラー9をそのまま通過してセンサ41に入射される。
【0095】
上記構成により、例えば、主走査発光量積算部36および主走査カウンタ37を用いなくてもセンサ41に入射された光量に基づいて発光部202a,202bを切り替えるようにすることが可能である。
【0096】
(変形例2)
次に、発光部202a,202bの切り替えについて説明する。
【0097】
図13は、本発明の実施の形態の変形例2に従う発光部202a,202bの光ビームの光束幅とビーム間隔について説明する図である。
【0098】
図13を参照して、発光部202aと発光部202bとから出射される光ビームの光束幅が光ビームの間隔(発光部202aの光ビームの中心と発光部202bの光ビームの中心間の距離)よりも小さい。言い換えれば、光ビームの光束幅よりも光ビームの間隔が大きくなるように副走査方向の位置を設定する。
【0099】
当該構成により、発光部202aの光ビームと、発光部202bの光ビームとが重なり合うことがなく、当該構成により発光部を切り替えた際に適正な光ビームの光量を照射することが可能となる。
【0100】
(変形例3)
次に、印刷する画像の情報に応じて発光部を切り替える際の閾値を変更する場合について説明する。
【0101】
図14は、本発明の実施の形態の変形例3に従う画像印字のための発光部の選択を説明するフロー図である。当該処理は、主にCPU32によって実行される。
【0102】
図14を参照して、当該フロー図は、図10で説明したフロー図と比較して、ステップS1をさらに追加した点が異なる。
【0103】
まず、印字する画像の情報を読み出す(ステップS1)。例えば、印字する画像がテキスト画像、写真等の情報を読み出す。当該情報は、読み込んだ画像データに基づいてソフト的に判断してもよいし、ユーザーが設定した内容に基づいて判断するようにしてもよい。
【0104】
次に、発光部の発光積算時間の閾値Trefを読み出す(ステップS2)。具体的には、CPU32は、メモリ31に格納されている閾値Trefを読み出す。ここで、本例においては、画像の情報に基づいて閾値が異なるものとする。一例として、印刷する画像がテキスト画像である場合、光量低下が画像に与える影響は小さいため閾値Trefを大きな値に設定して切り替えを遅くすることが可能である。一方、印刷する画像が写真画像でハーフトーン等が使用される場合、光量低下が画像に与える影響は大きいため閾値Trefを小さな値に設定して切り替えを早くすることが可能である。
【0105】
以降の処理については、図10で説明したフローと同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0106】
当該処理により、印字する画像情報に基づいて閾値を変更することにより、発光部を適切に切り替えることができる。
【0107】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0108】
2 LDアレイ、3 コリメータレンズ、4 ポリゴンミラー、5 SOSセンサ、6a,6b 走査レンズ、7 アパーチャ、8 光ビーム、10a,10b レーザ駆動回路、11 駆動部、31 メモリ、33 クロック発生回路、34 画像処理ブロック、35a,35b 変調回路、101 画像形成部、102 画像出力部、103 原稿台、104 スキャナ、105 露光ランプ、110A 画像処理部、112 スキャナモータ、113 レーザ装置。
【技術分野】
【0001】
この発明は、特に短波長レーザを用いて走査する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、記録媒体上に画像を形成するプリンタや複写機が知られている。
これらプリンタや複写機に代表される画像形成装置は、光走査装置を用いて静電潜像を形成し、形成された静電潜像によりトナー画像を作成して、そのトナー画像を定着器により加熱および加圧することで記録媒体上に定着させて記録媒体上に画像を形成するものがある。
【0003】
一般に、この種の光走査装置はレーザ光源からの光ビームをポリゴンミラーによって偏向し、結像レンズ系によって被走査面上に光スポットとして結像させるようになっている。
【0004】
レーザ光源には半導体レーザ等が多用され、レーザ光源から射出された発散光は、コリメータレンズにより略平行な光ビームに変換され、アパーチャにより光ビームの外形が制限される。外形が制限された光ビームは、定角速度で回転するポリゴンミラーにより偏向されて結象レンズ系に入射する。結像レンズ系は定角速度で偏向された光ビームを所定の間隔で配置された被走査面上に等距離速度で走査させるfθ特性を有し、全走査域にわたって微小な光スポットを形成するように設けられている。
【0005】
一方で、近年においては、高解像度化の要求により短波長のレーザ光源を使用し、より微小スポットを形成する方式が提案されている(特許文献1)。
【0006】
しかしながら、結像レンズ系として樹脂レンズを用いる場合、短波長の光ビームになるに従い、樹脂レンズの内部吸収により樹脂レンズの透過率が減少するため高コストのガラスレンズが採用されてきた。
【0007】
これに対して、特許文献2においては、結像レンズ系としての樹脂レンズを加工することにより樹脂レンズの内部吸収による透過率の減少を抑制する方式を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−240591号公報
【特許文献2】特開2004−145352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記公報に示される方式は、樹脂レンズを調整する方式であるため特殊な加工が必要でありコストがかかるという問題がある。
【0010】
一方で、光ビームは、樹脂レンズに均等に連続的に照射されるわけではない。画像領域には印字部と非印字部とがあるため発光部は、常に発光した状態ではなくオン/オフを繰り返すことになる。
【0011】
したがって、樹脂レンズの一部の領域が他の領域と比べて短波長の光ビームの照射される割合が高い場合、樹脂レンズ内における透過率のばらつきが生じる可能性がある。
【0012】
これにより主走査方向に光量低下ムラが生じるという問題があった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、簡易な方式で樹脂レンズの内部吸収による光量低下むらを抑制することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のある局面に従う画像形成装置は、450nm未満の波長の光ビームをそれぞれ出力することが可能な複数の発光部を含む光源と、光源からの光ビームを偏向走査する回転多面鏡と、感光体と、回転多面鏡により走査された光ビームを前記感光体上に結合させる走査光学レンズ系と、光源を制御するための制御部とを備える。走査光学レンズ系は樹脂レンズに相当し、複数の発光部からそれぞれ出力される光ビームは、被走査面上において副走査方向の位置がそれぞれ異なり、制御部は、前記回転多面鏡により走査する際、前記複数の発光部のうちのある発光部を用いて走査した場合に前記樹脂レンズが劣化したか否かを判断し、劣化したと判断した場合には、前記複数の発光部のうちの別の発光部を用いて走査する。
【0014】
好ましくは、制御部は、走査された光ビームの発光光量および時間に基づいて前記樹脂レンズが劣化したか否かを判断する。
【0015】
好ましくは、光ビームの光量を検出する検出手段と、走査光学レンズ系を通過した光ビームを分光して一方の光ビームを前記感光体上に結合させ、他方の光ビームを前記検出手段に対して出力する分光手段とをさらに備え、制御部は、前記検出手段で検出された光ビームの光量値に基づいて前記樹脂レンズが劣化したか否かを判断する。
【0016】
好ましくは、ある発光部に従う光ビームの前記被走査面上における副走査方向の位置と、前記別の発光部に従う光ビームの前記被走査面上における副走査方向の位置との距離は、前記光ビームの光束幅よりも大きい。
【0017】
好ましくは、制御部は、印字される画像種類を識別し、識別結果に応じた判断基準に従って前記樹脂レンズが劣化したか否かを判断する。
【発明の効果】
【0018】
簡易な方式で樹脂レンズの内部吸収による光量低下むらを抑制する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に従う画像形成装置が適用されるタンデム方式のMFP100の概略構成を示す模式的断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に従うレーザ装置113に含まれるレーザ走査部118Kについて説明する概略構成図である。
【図3】本発明の実施の形態に従うLDアレイ2の構成について説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態に従うLDアレイ2からの光ビームを走査した場合の走査レンズ6a,6bにおける照射位置を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態に従うレーザ走査部118Kを駆動する概略ブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態に従う画像印字のための走査処理におけるタイミングシーケンスを説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態に従うCCD110から出力された出力用画像データの一例を説明する図である。
【図8】図7で説明した出力用画像データについて、主走査発光量積算部36で積算した積算結果を説明する図である。
【図9】印字画像に対応して走査レンズ6a,6bが劣化して透光率が低下した場合を説明する図である。
【図10】本発明の実施の形態に従う画像印字のための発光部の選択を説明するフロー図である。
【図11】本発明の実施の形態の変形例1に従うレーザ装置113に含まれるレーザ走査部118K#について説明する概略構成図である。
【図12】レーザ走査部118K#の一部を横から見た図である。
【図13】本発明の実施の形態の変形例2に従う発光部202a,202bの光ビームの光束幅とビーム間隔について説明する図である。
【図14】本発明の実施の形態の変形例3に従う画像印字のための発光部の選択を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に従う画像形成装置が適用されるタンデム方式のMFP100の概略構成を示す模式的断面図である。
【0022】
図1を参照して、MFP100は、原稿から画像データを読取る画像形成部101と、画像処理部110Aと、用紙上に画像を印刷する画像出力部102とから構成される。
【0023】
画像形成部101の原稿台103上に載置された原稿は、スキャナ104の備える露光ランプ105により照射される。スキャナ104は、スキャナモータ112により矢印方向に移動して原稿全体を走査する。
【0024】
原稿面からの反射光は、ミラー106〜108および集光レンズを介してCCD(Charge Coupled Devices)110上に像を結ぶ。CCD110は、原稿面からの反射光をRGBの色データ(アナログ信号)に変換して画像処理部110Aに出力する。CCD110が画像処理部110Aに出力する色データを、出力画像用データという。
【0025】
画像処理部110Aは、CCD110から入力される画像データに所定の画像処理を施してレーザ装置113にデジタル信号を出力する。ここでスキャナ104からレーザ装置113に出力されるデジタル信号は、シアン用の画像色データCと、マゼンタ用の画像色データMと、イエロー用の画像色データYと、ブラック用の画像色データKである。光走査装置であるレーザ装置113は、入力された画像色データC,M,Y,Kに基づいて、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックそれぞれの感光体115C,115M,115Y,115Kに光ビームを出力する。
【0026】
画像出力部102において、レーザ装置113から出力される光ビームは、帯電チャージャ114C,114M,114Y,114Kによって帯電された感光体115C,115M,115Y,115Kを露光し、静電潜像を形成する。シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの4色の現像器116C,116M,116Y,116Kにより、感光体115C,115M,115Y,115K上の静電潜像が現像される。
【0027】
一方、転写ベルト130は、駆動ローラ133Aと固定ローラ133B,133C,133Dとにより弛まないように懸架されている。駆動ローラ133Aが図中で反時計回りに回転すると、転写ベルト130が所定速度で図中の反時計回りに回転する。
【0028】
給紙カセット120〜122より適当な用紙が搬送され、タイミングローラ131から転写ベルト130に用紙が供給される。転写ベルト130に供給された用紙は、転写ベルト130上に担持され、図中で左方向に搬送される。これにより、用紙がシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの順に感光体115C,115M,115Y,115Kと接触する。用紙がそれぞれの感光体115C,115M,115Y,115Kと接触したときに、感光体と対をなす転写チャージャ117C,117M,117Y,117Kにより感光体上に現像されたトナー像が用紙に転写される。
【0029】
トナー像が転写された用紙は、定着ローラ対132により加熱および加圧される。これにより、トナーは溶かされて用紙に定着する。その後、用紙は画像出力部102から排出される。
【0030】
なお、本例においては、原稿台103に原稿を載置する場合について図示しているが例えば、図示しない自動原稿搬送装置(ADF(Auto Document Feeder))を用いて原稿台に原稿を搬送するようにしても良い。
【0031】
図2は、本発明の実施の形態に従うレーザ装置113に含まれるレーザ走査部118Kについて説明する概略構成図である。
【0032】
図2を参照して、本発明の実施の形態に従うレーザ走査部118Kは、LDアレイ2、コリメータレンズ3、アパーチャ7、ポリゴンミラー4、走査レンズ6a,6b、SOS(Start of Scan)センサ5およびセンサレンズ40とを含む。なお、本例においては、レーザ走査部118Kについて説明するが、レーザ走査部118Y、118M、118Cについても同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0033】
ポリゴンミラー4は、図示しない駆動回路に入力される制御信号に基づいて所定の回転速度で回転する。
【0034】
LDアレイ2から放射された光ビーム8は、コリメータレンズ3で略平行光とされ、ポリゴンミラー4の偏向反射面で回転され、等角速度に偏向され、走査レンズ6a,6bを透過して感光体115K上で結像し、矢印方向(主走査方向)に走査される。本例においては、LDアレイ2から1本の光ビームが出力されるものとする。
【0035】
感光体115Kには矢印方向への主走査と感光体115Kの回転による副走査とで2次元の静電潜像が形成される。
【0036】
走査レンズ6a及び6bは、光ビームを感光体115K上で結像させる結像特性及びポリゴンミラー4で等角速度に偏向された光ビームを主走査方向に等速度に補正するfθ特性を有している。
【0037】
センサレンズ40は、ポリゴンミラー4で偏向された入射される光ビームをSOSセンサ5に集光する。なお、走査レンズ6a,6bおよびセンサレンズ40は、樹脂レンズが用いられるものとする。
【0038】
SOSセンサ5は、感光体115Kの画像が形成される領域外に配置され、センサレンズ40を透過した光ビームの入射を検知する。当該光ビームの入射を検知することにより主走査方向の開始タイミング(同期)が設定される。
【0039】
図3は、本発明の実施の形態に従うLDアレイ2の構成について説明する図である。
図3を参照して、本発明の実施の形態に従うLDアレイ2は、複数の発光部202a,202bを有している。LDアレイ2における複数の発光部202a,202b(ここでは2つの発光部とする)から出射される光ビームはともに450nm未満の波長をもつ光ビームを出射する。例えば、一例として発光部202a,202bは青色レーザを用いるものとする。
【0040】
なお、LDアレイ2から出射される光ビームが走査する感光体115Kは、450nm未満の光ビームに感度を持っているものとする。
【0041】
本例においては、複数の発光部202a,202bのうちの1つの光ビームを照射するものとする。
【0042】
図4は、本発明の実施の形態に従うLDアレイ2からの光ビームを走査した場合の走査レンズ6a,6bにおける照射位置を説明する図である。
【0043】
図4を参照して、LDアレイ2の発光部202a,202bからのそれぞれの光ビームBM1,BM2は、感光体115Kを走査する主走査方向に対して副走査方向の位置が異なるように走査レンズ6a,6bに照射される。
【0044】
図5は、本発明の実施の形態に従うレーザ走査部118Kを駆動する概略ブロック図である。
【0045】
図5を参照して、ここでは、レーザ走査部118Kと、画像処理部110Aの構成とが示されている。
【0046】
画像処理部110Aは、メモリ31と、CPU(Central Processing Unit)32と、クロック発生回路33と、画像処理ブロック34と、変調回路35a,35bと、主走査発光量積算部36と、主走査カウンタ37とを含む。
【0047】
CPU32は、メモリ31に予め格納されたプログラムに基づいて画像処理部110A全体を制御する。
【0048】
CCD110から出力された出力用画像データは画像処理ブロック34に入力され、画像処理ブロック34では入力された画像データに画像処理を施すとともに変調回路35a,35bのいずれか一方に出力する。
【0049】
クロック発生回路33は、CPU32からの指示に従って変調回路35a,35bにおける同期信号を生成するためのデータクロックDCKa,DCKbを生成する。
【0050】
変調回路35a,35bは、画像処理ブロック34から出力された出力用画像データをデータクロックDCKa,DCKbに同期して画像データIa,Ibとしてレーザ走査部118Kに出力する。なお、本例においては、変調回路35a,35bが並列に動作することはなく、いずれか一方が動作するものとする。
【0051】
レーザ走査部118Kにおいて、変調回路35aから出力された画像データIaはレーザ駆動回路10aに入力される。また、変調回路35bから出力された画像データIbはレーザ駆動回路10bに入力される。
【0052】
レーザ駆動回路10aは、画像データIaに応じてLDアレイ2に内蔵される発光部202aを駆動し、光ビームを感光体115Kに出力する。また、レーザ駆動回路10bは、画像データIbに応じてLDアレイ2に内蔵される発光部202bを駆動し、光ビームを感光体115Kに出力する。
【0053】
これにより感光体115Kに対する画像記録(印字処理)が行われる。本例においては、一例として、光ビームが照射された箇所が除電され当該箇所にトナーが付着するものとする。すなわち、光ビームは印字部に照射されるものとする。
【0054】
また、レーザ駆動回路10a,10bは、CPU32からの発光信号Pa,Pbの指示に従ってLDアレイ2に内蔵される発光部202a,202bを駆動し、光ビームを出力する。
【0055】
各レーザ駆動回路10a,10bには、図示しないがLDアレイ2からの光ビームの光量を示す信号がフイードバックされ、その光量が一定になるようにLDアレイ2に内蔵された各発光部の駆動が制御される。
【0056】
LDアレイ2から出力される光ビームはポリゴンミラー4に供給されて偏向され、上述したように走査レンズ6a,6bを透過して被走査面である図示しない感光体115K上に走査される。
【0057】
ポリゴンミラー4は、駆動部11により駆動され、回転速度はCPU32により入力されるポリゴンミラー駆動信号により制御される。
【0058】
このポリゴンミラー4によって偏向された光ビームの走査開始点は、SOSセンサ5によって規定される。本例においては、発光部202aあるいは発光部202bから出力された光ビームは、走査領域の先端側で走査され、当該領域に配置されたSOSセンサ5で当該光ビームが検出される。そして、SOSセンサ5の検出信号(同期信号)は、CPU32を経由して画像処理ブロック34に供給されて、LDアレイ2に内蔵したそれぞれの発光部による記録開始のタイミングが制御される。
【0059】
また、主走査カウンタ37は、クロック発生回路33からのデータクロックDCLKに従って主走査カウント値を主走査発光量積算部36に出力する。主走査カウント値は、光ビームが走査される主走査方向の位置に関連付けられており、データクロックDCLKに従ってカウントアップするものとする。そして、主走査カウント値は、光ビームが感光体の終端側で走査される位置に関連付けられた所定値に到達した場合にリセットされるものとする。
【0060】
主走査発光量積算部36は、主走査カウント値の入力に従って、画像処理ブロック34から出力される画像データに対する発光量を主走査カウント値毎に積算する。
【0061】
なお、本例においては、主走査発光量積算部36に対して画像データIa,Ibがそれぞれ入力されるためそれぞれの画像データ毎に主走査発光量が積算されるものとする。
【0062】
なお、本例においては、レーザ走査部118Kを主に説明するが、他のレーザ走査部についても同様である。
【0063】
図6は、本発明の実施の形態に従う画像印字のための走査処理におけるタイミングシーケンスを説明する図である。
【0064】
図6を参照して、SOSセンサ5から出力される同期信号、画像データIa,Ib、発光信号Pa,Pbおよび発光部202a,202bの発光状態が示されている。
【0065】
画像の印字時には、発光部202a,202bのうち1つの発光部のみを用いて印字が実行される。
【0066】
具体的には、まず、発光信号Paにより発光部202aを発光させて、SOSセンサ5を走査し、同期信号を出力する。その後、同期信号により書き出しタイミングを制御された画像データIaにより450nm未満の波長の光ビームを出射して画像を形成する。また、発光信号Paにより画像領域外で発光部202aを発光させ、光量調整を行っている。
【0067】
一方で、発光部202aからの光ビームにより走査レンズ6a,6bの照射位置に内部吸収による透過率の劣化が生じたと判断された場合には、図6の後半に示されるように、発光部202aから発光部202bに切り替えて印字が実行される。
【0068】
具体的には、発光信号Pbにより発光部202bを発光させて、SOSセンサ5を走査し、同期信号を出力する。その後、同期信号により書き出しタイミングを制御された画像データIbにより450nm未満の波長の光ビームを出射して画像を形成する。また、発光信号Pbにより画像領域外で発光部202bを発光させ、光量調整を行っている。
【0069】
当該処理、すなわち、発光部202aから発光部202bに発光部を切り替えることにより走査レンズ6a,6bにおける照射位置が異なるため透過率の劣化の影響を受けることなく画像を形成することが可能となる。
【0070】
次に、走査レンズの劣化を判断する方式について説明する。
図7は、本発明の実施の形態に従うCCD110から出力された出力用画像データの一例を説明する図である。
【0071】
図7を参照して、当該出力用画像データに対応して、画像処理ブロック34は、画像処理を施して変調回路35aに出力する。そして、変調回路35aは、画像処理ブロック34から出力された出力用画像データをデータクロックDCKaに同期して画像データIaとしてレーザ走査部118Kに出力する。そして、変調回路35aから出力された画像データIaは、レーザ駆動回路10aに入力される。そして、レーザ駆動回路10aが駆動し、発光部202aから出力される光ビームに従ってポリゴンミラーの回転方向である主走査方向に走査する。そして、感光体115Kを副走査方向に回転させて、感光体115K上に印字画像に対応する2次元の静電潜像を形成する。
【0072】
図8は、図7で説明した出力用画像データについて、主走査発光量積算部36で積算した積算結果を説明する図である。
【0073】
図8を参照して、ここで、横軸は、主走査カウント値を示している。縦軸は主走査発光量を主走査位置毎の発光積算時間として示している。すなわち、図9に示される発光積算時間は、主走査カウント値に対応する位置への光ビームの照射量(発光量)に相当する。
【0074】
図9は、印字画像に対応して走査レンズ6a,6bが劣化して透光率が低下した場合を説明する図である。
【0075】
図9に示されるように、発光部202aからの光ビームによって走査レンズ6a,6bには透過率のばらつきが生じることになる。
【0076】
図10は、本発明の実施の形態に従う画像印字のための発光部の選択を説明するフロー図である。当該処理は、主にCPU32によって実行される。
【0077】
図10を参照して、まず、発光部の発光積算時間の閾値Trefを読み出す(ステップS2)。具体的には、CPU32は、メモリ31に格納されている閾値Trefを読み出す。
【0078】
次に、発光部の発光積算時間Ttotal,Ttotal2を読み出す(ステップS4)。具体的には、CPU32は、主走査発光量積算部36の積算結果を取得する。Ttotal1は画像データIaに基づく発光部202aの発光積算時間、Ttotal2は画像データIbに基づく発光部202bの発光積算時間に相当する。
【0079】
次に、発光部202aの発光積算時間Ttotal1が閾値Trefよりも小さいかどうかを判断する(ステップS6)。
【0080】
ステップS6において、発光積算時間Ttotal1が閾値Trefよりも小さいと判断した場合(ステップS6においてYES)には、発光部202aを選択する(ステップS8)。
【0081】
そして、選択した発光部202aを用いて画像を形成する。
また、次に、画像を形成した際の発光時間をカウント値として、Tcnt1を計算する(ステップS10)。
【0082】
そして、発光積算時間を計算する(ステップS12)。具体的には、Ttotal1+Tcnt1=Ttotal1とする。そして、処理を終了する(エンド)。
【0083】
一方、ステップS6において、発光積算時間Ttotal1が閾値Trefよりも大きいと判断した場合(ステップS6においてNO)には、発光積算時間Ttotal2が閾値Trefよりも小さいかどうかを判断する(ステップS14)。
【0084】
ステップS14において、発光積算時間Ttotal2が閾値Trefよりも小さいと判断した場合(ステップS14においてYES)には、発光部202bを選択する(ステップS16)。
【0085】
そして、選択した発光部202bを用いて画像を形成する。
また、次に、画像を形成した際の発光時間をカウント値として、Tcnt2を計算する(ステップS18)。
【0086】
そして、発光積算時間を計算する(ステップS20)。具体的には、Ttotal2+Tcnt2=Ttotal2とする。そして、処理を終了する(エンド)。
【0087】
また、ステップS14において、発光積算時間Ttotal2が閾値Trefよりも大きいと判断した場合(ステップS14においてNO)には、トラブルコードを出力する(ステップS22)。
【0088】
そして、処理を終了する(エンド)。
当該トラブルコードは、発光部202aおよび発光部202bのいずれを選択した場合であっても走査レンズ6a,6bの劣化により透光率が低下しているため光量低下むらを抑制することができないことを意味する。当該場合には、走査レンズ6a,6bの交換が必要であり、そのためのコードが出力される。
【0089】
(変形例1)
図11は、本発明の実施の形態の変形例1に従うレーザ装置113に含まれるレーザ走査部118K#について説明する概略構成図である。
【0090】
図11を参照して、本発明の実施の形態に従うレーザ走査部118K#は、レーザ走査部118Kと比較して、ハーフミラー9と、センサ41をさらに設けた点が異なる。その他の構成については、図2で説明したのと同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0091】
ハーフミラー9は、走査レンズ6a,6bを通過した光ビームを分光する。そして、分光した光ビームの一方を感光体115Kに照射する。また、もう一方の光ビームをセンサ41側に出力する。
【0092】
センサ41は、光ビームの入射光量を測定する。当該センサ41により走査レンズ6a,6bを通過した光ビームの光量を測定することが可能となり、当該測定結果に基づいて、走査レンズ6a,6bの透過率の低下を測定することが可能となる。
【0093】
図12は、レーザ走査部118K#の一部を横から見た図である。
図12を参照して、ポリゴンミラー4で反射した光ビームは走査レンズ6a,6bを通過してハーフミラー9に入射される。
【0094】
ハーフミラー9では、光ビームを分光して一方の光ビームを感光体115Kに照射する。また、残りの光ビームはハーフミラー9をそのまま通過してセンサ41に入射される。
【0095】
上記構成により、例えば、主走査発光量積算部36および主走査カウンタ37を用いなくてもセンサ41に入射された光量に基づいて発光部202a,202bを切り替えるようにすることが可能である。
【0096】
(変形例2)
次に、発光部202a,202bの切り替えについて説明する。
【0097】
図13は、本発明の実施の形態の変形例2に従う発光部202a,202bの光ビームの光束幅とビーム間隔について説明する図である。
【0098】
図13を参照して、発光部202aと発光部202bとから出射される光ビームの光束幅が光ビームの間隔(発光部202aの光ビームの中心と発光部202bの光ビームの中心間の距離)よりも小さい。言い換えれば、光ビームの光束幅よりも光ビームの間隔が大きくなるように副走査方向の位置を設定する。
【0099】
当該構成により、発光部202aの光ビームと、発光部202bの光ビームとが重なり合うことがなく、当該構成により発光部を切り替えた際に適正な光ビームの光量を照射することが可能となる。
【0100】
(変形例3)
次に、印刷する画像の情報に応じて発光部を切り替える際の閾値を変更する場合について説明する。
【0101】
図14は、本発明の実施の形態の変形例3に従う画像印字のための発光部の選択を説明するフロー図である。当該処理は、主にCPU32によって実行される。
【0102】
図14を参照して、当該フロー図は、図10で説明したフロー図と比較して、ステップS1をさらに追加した点が異なる。
【0103】
まず、印字する画像の情報を読み出す(ステップS1)。例えば、印字する画像がテキスト画像、写真等の情報を読み出す。当該情報は、読み込んだ画像データに基づいてソフト的に判断してもよいし、ユーザーが設定した内容に基づいて判断するようにしてもよい。
【0104】
次に、発光部の発光積算時間の閾値Trefを読み出す(ステップS2)。具体的には、CPU32は、メモリ31に格納されている閾値Trefを読み出す。ここで、本例においては、画像の情報に基づいて閾値が異なるものとする。一例として、印刷する画像がテキスト画像である場合、光量低下が画像に与える影響は小さいため閾値Trefを大きな値に設定して切り替えを遅くすることが可能である。一方、印刷する画像が写真画像でハーフトーン等が使用される場合、光量低下が画像に与える影響は大きいため閾値Trefを小さな値に設定して切り替えを早くすることが可能である。
【0105】
以降の処理については、図10で説明したフローと同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0106】
当該処理により、印字する画像情報に基づいて閾値を変更することにより、発光部を適切に切り替えることができる。
【0107】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0108】
2 LDアレイ、3 コリメータレンズ、4 ポリゴンミラー、5 SOSセンサ、6a,6b 走査レンズ、7 アパーチャ、8 光ビーム、10a,10b レーザ駆動回路、11 駆動部、31 メモリ、33 クロック発生回路、34 画像処理ブロック、35a,35b 変調回路、101 画像形成部、102 画像出力部、103 原稿台、104 スキャナ、105 露光ランプ、110A 画像処理部、112 スキャナモータ、113 レーザ装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
450nm未満の波長の光ビームをそれぞれ出力することが可能な複数の発光部を含む光源と、
前記光源からの光ビームを偏向走査する回転多面鏡と、
感光体と、
前記回転多面鏡により走査された光ビームを前記感光体上に結合させる走査光学レンズ系と、
前記光源を制御するための制御部とを備え、
前記走査光学レンズ系は樹脂レンズに相当し、
前記複数の発光部からそれぞれ出力される光ビームは、被走査面上において副走査方向の位置がそれぞれ異なり、
前記制御部は、前記回転多面鏡により走査する際、前記複数の発光部のうちのある発光部を用いて走査した場合に前記樹脂レンズが劣化したか否かを判断し、
劣化したと判断した場合には、前記複数の発光部のうちの別の発光部を用いて走査する、画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、走査された光ビームの発光光量および時間に基づいて前記樹脂レンズが劣化したか否かを判断する、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
光ビームの光量を検出する検出手段と、
前記走査光学レンズ系を通過した光ビームを分光して一方の光ビームを前記感光体上に結合させ、他方の光ビームを前記検出手段に対して出力する分光手段とをさらに備え、
前記制御部は、前記検出手段で検出された光ビームの光量値に基づいて前記樹脂レンズが劣化したか否かを判断する、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ある発光部に従う光ビームの前記被走査面上における副走査方向の位置と、前記別の発光部に従う光ビームの前記被走査面上における副走査方向の位置との距離は、前記光ビームの光束幅よりも大きい、請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、印字される画像種類を識別し、
識別結果に応じた判断基準に従って前記樹脂レンズが劣化したか否かを判断する、請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項1】
450nm未満の波長の光ビームをそれぞれ出力することが可能な複数の発光部を含む光源と、
前記光源からの光ビームを偏向走査する回転多面鏡と、
感光体と、
前記回転多面鏡により走査された光ビームを前記感光体上に結合させる走査光学レンズ系と、
前記光源を制御するための制御部とを備え、
前記走査光学レンズ系は樹脂レンズに相当し、
前記複数の発光部からそれぞれ出力される光ビームは、被走査面上において副走査方向の位置がそれぞれ異なり、
前記制御部は、前記回転多面鏡により走査する際、前記複数の発光部のうちのある発光部を用いて走査した場合に前記樹脂レンズが劣化したか否かを判断し、
劣化したと判断した場合には、前記複数の発光部のうちの別の発光部を用いて走査する、画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、走査された光ビームの発光光量および時間に基づいて前記樹脂レンズが劣化したか否かを判断する、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
光ビームの光量を検出する検出手段と、
前記走査光学レンズ系を通過した光ビームを分光して一方の光ビームを前記感光体上に結合させ、他方の光ビームを前記検出手段に対して出力する分光手段とをさらに備え、
前記制御部は、前記検出手段で検出された光ビームの光量値に基づいて前記樹脂レンズが劣化したか否かを判断する、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ある発光部に従う光ビームの前記被走査面上における副走査方向の位置と、前記別の発光部に従う光ビームの前記被走査面上における副走査方向の位置との距離は、前記光ビームの光束幅よりも大きい、請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、印字される画像種類を識別し、
識別結果に応じた判断基準に従って前記樹脂レンズが劣化したか否かを判断する、請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図7】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図7】
【図9】
【公開番号】特開2013−50597(P2013−50597A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188772(P2011−188772)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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