画像管理装置及び画像管理システム
【課題】医用画像データの保存及びバックアップに要する時間を短縮する。
【解決手段】NAS81〜8Nは、画像管理装置4により、予備のグループA、画像データ書き込み可能なグループB、付帯情報のみ更新可能なグループC、データの読み出しのみ可能なグループDに分類される。これにより、画像データを保存する際には、画像データ書き込み可能なグループBに属するNASにのみアクセスすればよいので、保存に要する時間が短縮される。また、バックアップにおいては、前回のバックアップ時にグループB、Cに属していたNASと、前回のバックアップ時にはグループAに属し今回のバックアップ時にはグループBに属していたNASとについてのみ、バックアップを行えばよいので、バックアップに要する時間が短縮される。
【解決手段】NAS81〜8Nは、画像管理装置4により、予備のグループA、画像データ書き込み可能なグループB、付帯情報のみ更新可能なグループC、データの読み出しのみ可能なグループDに分類される。これにより、画像データを保存する際には、画像データ書き込み可能なグループBに属するNASにのみアクセスすればよいので、保存に要する時間が短縮される。また、バックアップにおいては、前回のバックアップ時にグループB、Cに属していたNASと、前回のバックアップ時にはグループAに属し今回のバックアップ時にはグループBに属していたNASとについてのみ、バックアップを行えばよいので、バックアップに要する時間が短縮される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像データを保管する画像管理装置及び画像管理システムに係り、さらに詳しくは、医用画像データを効率良く管理する画像管理装置及び画像管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、病院内における情報の共有化や効率的な情報の管理を主眼として情報のネットワーク化が進められている。X線コンピュータ断層撮影(CT)装置、磁気共鳴イメージング装置、核医学装置、超音波診断装置などの各種モダリティで撮像される医用画像を、情報通信ネットワークを用いて統括的に管理する画像管理システムは、その代表例である。このようなシステムでは、情報通信ネットワークに、上記各種モダリティと、医用画像データを保管するいわゆるストレージ装置と、医用画像を表示するパーソナルコンピュータ等のクライアント端末とが接続される。そして、モダリティから情報通信ネットワークを介して送信された医用画像データは、ストレージ装置に一旦保管されたうえ、メディアなどに定期的にバックアップされる。そして、ストレージ装置に保管された医用画像データは、情報通信ネットワークを介してクライアント端末へ送信され、その画面上に表示される。
【0003】
上述したような情報通信ネットワークのストレージ装置の1つにNAS(Network Attached Storage)がある。図11には、NASによって構築された画像管理システムの論理構成の一例が示されている。図11に示されるように、画像管理システム101は、通信ネットワークとしてのLAN(Local Area Network)11に、モダリティ1、画像管理装置3、クライアント端末としての複数の画像表示装置5、画像バックアップ装置7が接続されることによって構築されている。
【0004】
画像管理装置3には、複数のNAS81〜8N(Nは、2以上の整数)が接続されている。画像管理装置3は、モダリティ1から送られてきた医用画像データを、NAS81〜8Nのいずれかに格納する。画像管理装置3は、医用画像データを保管する際には、NASの負荷を分散するために、その医用画像データを検査単位に平均し、接続されている全てのNAS81〜8Nにアクセスしてそれらの空き容量を調べ、空き容量が最も大きいNASを特定し、特定されたNASに画像データを保管している。そして、画像管理装置3は、定期的に、そのバックアップ間隔の間に保管するデータの内容が更新されたすべてのNAS81〜8Nに格納された医用画像データを、画像バックアップ装置7にバックアップしている。
【0005】
さらに、画像管理装置3は、画像表示装置5から医用画像データの送信依頼があった場合には、その医用画像データをNAS81〜8Nのいずれかから読み出して、画像表示装置5にその医用画像データを送っている。前述のように、医用画像データは、各NASに分散して保管されているので、画像を利用する複数の画像表示装置5各々からのアクセスに対しても、各NASの負荷が分散されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2004−234557号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、従来の画像管理システムでは、医用画像データを保管する際に、各NASの空き容量を調べるためにすべてのNASに一旦アクセスする必要があり、このアクセスのために、医用画像データを保管するまでに時間がかかってしまうという不都合が生じていた。
【0008】
また、画像データ等のバックアップ時には、前回のバックアップ時から保管する医用画像データの内容が更新されたNASについては、すべてバックアップの対象となる。前述のように、新たな医用画像データは各NASに分散して保管されることから、バックアップ対象となるNASの数は非常に多くなり、データがバックアップされるメディア交換のオーバーヘッドなどが増えて、バックアップに要する時間が増加してしまうという不都合が生じていた。
【0009】
本発明の目的は、上記事情に鑑みてなされたものであり、画像データを保管に要する時間を短縮することができる画像管理装置及び画像管理システムを提供することである。
【0010】
また、本発明の目的は、データのバックアップに要する時間を短縮することができる画像管理装置及び画像管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、付帯情報及び画像データからなる画像情報を保管するための複数のストレージ装置を管理する画像管理装置であって、
複数のストレージ装置を、少なくとも、画像情報を書き込み可能なグループと画像データの書き込みが禁止されるグループとに分類するグループ管理部と、
前記画像情報を書き込み可能なグループに属するストレージ装置のうち、空き容量の最も大きなストレージ装置を選択し、選択されたストレージ装置に画像情報の書き込みを行うデータ管理部とを備える画像管理装置である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、グループ管理部によって画像データを書き込み可能なグループとして管理されているストレージ装置だけが、画像データの格納先の候補となるので、空き容量を調べるストレージ装置を、書き込み可能なグループとして管理されているストレージ装置だけとすることができるようになる。この結果、すべてのストレージ装置にアクセスして空き容量を調べる必要がなくなるため、画像データの保管に要する時間を短縮することができる。
【0013】
また、請求項1に記載の発明によれば、前回のバックアップ時から今回のバックアップ時までの間に、データを書き込み可能なグループに属していたストレージ装置だけについて、データのバックアップを行えばよいので、バックアップに要する時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る画像管理装置及び画像管理システムの好適な実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0015】
図1には、本発明の一実施形態に係る画像管理システム100の論理構成の一例が示されている。図1に示されるように、本実施形態に係る画像管理システム100は、モダリティ1と、画像管理装置4と、画像表示装置5と、画像バックアップ装置7と、LAN(Local Area Network)11と、N(Nは2以上の整数)台のNAS(Network Attached Storage)81〜8Nとを備えている。モダリティ1と、画像管理装置4と、複数の画像表示装置5と、画像バックアップ装置7とは、LAN11に接続され、互いに通信可能となっている。実際には、モダリティ1については、それぞれ複数台がLAN11に接続されていてもよいが、図面の錯綜を防ぐため、図1ではそのうちの1台のみが示されている。また、NAS(Network Attached Storage)81〜8Nも、実際には、LAN11に接続されており、このLAN11を介して、画像管理装置4とのデータ送受信を行うが、説明を簡単にするため、図1では、NAS81〜8Nが画像管理装置3に接続されているものとして図示し、以下の説明を行うものとする。
【0016】
モダリティ1は、被検体を観察し、その観察結果から医用画像データ(以下、「画像データ」と略述する)を生成する医用診断装置である。画像データがモダリティ1で作成されると、その画像データには、その画像データに対応する患者ID、検査ID、シリーズID、画像番号、スライス厚の情報、撮影部位の情報等が付帯するようになる。これらの情報を、以下では「付帯情報」という。また、画像データと付帯情報とを総称して「画像情報」ということもある。この付帯情報は、医用画像に関する通信と保存の規格であるDICOM規格に従っている。モダリティ1で生成された画像データ及びその付帯情報は、LAN11を経由して画像管理装置4に送られる。
【0017】
画像管理装置4は、N個(Nは、2以上の自然数)のNAS81〜8Nを管理するコンピュータである。より具体的には、画像管理装置4は、LAN11を介してモダリティ1から送られた画像データ及びその付帯情報をNAS81〜8Nに保存し、画像表示装置5からの要求により、画像表示装置5に対し、要求された画像データ及びその付帯情報を、LAN11を介して送信する。さらに、画像管理装置4は、定期的に、LAN11を介して、画像バックアップ装置7へ、NAS81〜8Nに保存されたデータのバックアップを行う。
【0018】
図2には、画像管理装置4の内部の機能ブロック図が示されている。図2に示されるように、画像管理装置4は、グループ管理部41と、データ管理部43と、バックアップ管理部45と、データベース47とを備えている。画像管理装置4は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置であり、CPUとRAMとROM(いずれも不図示)とを有している。このCPUが、グループ管理部41、データ管理部43、バックアップ管理部45、データベース47に対応するプログラムを実行することにより、それらの機能が実現されている。
【0019】
グループ管理部41は、NAS81〜8Nをそれぞれ属性が異なる4種類のグループA〜Dに分類して管理している。図1、図2においては、NAS81〜8Nのうち、NAS81〜8M1がグループAに分類されており、NAS8M1+1〜8M2がグループBに分類されており、NAS8M2+1〜8M3がグループCに分類されており、NAS8M3+1〜8M4がグループDに分類されている。ここで、M1、M2、M3、M4は整数であり、0<M1<M2<M3<M4<Nの関係があるものとする。
【0020】
グループAは、予備のNASのグループである。グループBは、画像データ及び付帯情報を書き込み可能なNASのグループである。本実施形態では、このグループに属するNASに対して、画像データ及びその付帯情報が保管される。グループCは、付帯情報のみ書き換え可能なNASのグループである。このグループに属するNASに対しては、画像データの書き込みは禁止されており、その付帯情報の内容の更新だけが可能となっている。グループDは、読み出しのみ可能なNASのグループである。このグループのNASに対しては、画像データ及びその付帯情報の書き込みが禁止されている。
【0021】
通常、NAS8k(k=1、2、3、…N)は、所属するグループが、グループA→グループB→グループC→グループDとなるように遷移する。グループ管理部41は、必要に応じて、各NASが、どのグループに属すべきかを判定し、その判定結果に応じて、そのNASが属すべきグループを決定している。
【0022】
なお、このシステムでは、最初からNASを4つのグループに分類するわけではない。システム運用開始当初は、NAS81〜8Nは、予備のグループAと、画像データ及びその付帯情報が書き込み可能なグループBとに分類しておき、この後、グループ管理部41が、空き容量が少なくなったNASをグループCに移行させ、最終的にグループDに移行させることにより、NASが結果的に4つのグループに分類されるようになる。なお、システム運用開始当初におけるグループBに属するNASの数は、画像管理装置4のオペレータによって指定可能となっている。
【0023】
本実施形態では、グループCに属するNASがグループCに属している期間を有限としている。以下では、この期間を「付帯情報変更可能期間」とする。グループ管理部41は、NASがグループBからグループCに移行した時点で時間計測を開始し、その時間が付帯情報変更可能期間を経過したNASを、グループCからグループDに移行させる。この付帯情報変更可能期間は、システム運用開始当初に、画像管理装置4のオペレータによって予め指定可能となっている。
【0024】
どのNASがそのグループに属しているかは、データベース47内に設けられたグループ管理テーブル51に記述されている。グループ管理部41は、あるグループに属しているNASの別のグループへの移行を、このグループ管理テーブル51の内容を書き換えることにより行う。すなわち、グループ管理部41は、グループ管理テーブル51を用いて、NASのグループを管理している。
【0025】
データ管理部43は、モダリティ1から画像データ及びその付帯情報を受信して、グループBに属するNAS8M1+1〜8M2に保存する。このとき、データ管理部43は、データベース47のグループ管理テーブル51を参照し、グループBに属しているNASがNAS8M1+1〜8M2であることを読み出す。そして、データ管理部43は、グループBに属する個々のNASにアクセスし、その空き容量を問い合わせる。そして、グループBに属するNAS8M1+1〜8M2のうち、空き容量が最も大きいNASに画像データ及びその付帯情報を保存する。
【0026】
このように、本実施形態によれば、それぞれの空き容量を調べるためにアクセスするNASが、NAS8M1+1〜8M2のみとなるため、そのアクセスに要する時間は短くなる。
【0027】
また、データ管理部43は、NAS8M1+1〜8M2、8M2+1〜8M3に保存されたデータのうち、すでに保存した画像データに付帯する付帯情報の更新を行う場合もある。
【0028】
データ管理部43は、画像データが、どのNASに保存されているかを示す情報を、データベース47のデータ管理テーブル53に登録している。また、新たに保存されたデータ及び更新されたデータは後述するバックアップの対象、すなわち差分データとなるため、データ管理部43は、バックアップ対象となる差分データの情報(対応NAS及びその格納領域)を、「バックアップ履歴」として、バックアップ管理テーブル55に登録しておく。
【0029】
バックアップ管理部45は、例えば定期的に、NAS81〜8Nに保存されたデータを、画像バックアップ装置7にバックアップする。バックアップ管理部45は、効率的なバックアップを行うため、バックアップ管理テーブル55を参照し、前回のバックアップ時から、保存するデータの内容が更新されているNASのみについて、データのバックアップを行う。
【0030】
バックアップ管理部45は、各NASについて前回のバックアップ時との差分データのみをバックアップする。バックアップ管理テーブル55には、前述のように、各NASで前回のバックアップ時から内容が変わった差分データに関する情報が登録されており、その情報から、各NASでのバックアップすべき差分データを把握することが可能となる。
【0031】
また、バックアップ管理部45には、予め、バックアップする装置数が指定されている。このバックアップする装置数は、予め、オペレータによって指定されている。バックアップ管理部45は、実際に、バックアップが必要となったNASの数が、その指定数を上回った場合には、バックアップ管理部45は、NAS間のデータの移動により、バックアップすべきNASの数を削減する。
【0032】
図1に戻り、画像表示装置5は、オペレータの操作入力に従って、画像管理装置4に保存された画像データの読み出し要求を、画像管理装置4に発する。画像管理装置4を構成するデータ管理部43は、データ管理テーブル53を参照して、その要求に対象となった画像データを、いずれかのNASから読み出して、画像表示装置5に送る。
【0033】
画像表示装置5は、送られた画像データに対応する医用画像を画面上に表示する。画像表示装置5に表示された画像を見たオペレータが、その画像とともに表示された付帯情報などに誤りを発見し、その付帯情報の書き換えをすべく、画像表示装置5の操作入力により、訂正された付帯情報を書き換え、確定を指令した場合、その操作入力により書き換えられた付帯情報は、画像管理装置4に送られる。画像管理装置4は、NASに保存された該当する付帯情報を、送られた付帯情報に更新する。
【0034】
画像バックアップ装置7は、バックアップ先の記録媒体であるメディア(例えば、光ディスクなどのリムーバブルディスクなど)へバックアップデータを書き込み可能な装置である。画像バックアップ装置7には、画像管理装置4を構成するバックアップ管理部45の管理の下で、NAS81〜8Nに保存された画像データ及びその付帯情報がバックアップされる。
【0035】
NAS81〜8Nそれぞれは、画像管理装置4との間で画像データ及び付帯情報の送受信をファイル単位で行うファイルシステムと記憶装置と(いずれも不図示)を備えるファイルサーバであり、画像データ及びその付帯情報を保存する。NAS81〜8Nは、画像管理装置4の指示の下で、画像データ等の書き込みや読み出しを行う。なお、このNASは、適宜増設することが可能である。
【0036】
次に、画像管理システム100の具体的な動作についてフローチャートを中心に説明する。図3には、データ管理部43の処理の一例のフローチャートが示され、図4、図5には、グループ管理部41の処理の一例のフローチャートが示され、図6には、バックアップ管理部45の処理の一例のフローチャートが示されている。また、図7には、データ管理部43によるデータの書き込み動作の一例が模式的に示され、図8(A)、図8(B)には、データ管理部43による付帯情報の更新動作の一例が模式的に示され、図9には、グループ管理部41によるグループの管理の流れが模式的に示され、図10(A)には、バックアップ対象のNASを説明するための図が示され、図10(B)には、バックアップ時のデータ移動の一例が模式的に示されている。
【0037】
まず、画像管理装置4による画像データ及びその付帯情報の書き込み動作について説明する。図3には、画像データ及びその付帯情報の書き込み動作の際の画像管理装置3を構成するデータ管理部43の処理手順のフローチャートが示されている。
【0038】
図3に示されるように、まず、ステップ201において、データ管理部43は、モダリティ1又は画像表示装置5からの保存対象のデータの受信待ち状態となっている。そのデータが受信されると、データ管理部43は、ステップ203に進む。ステップ203では、送られたデータが、画像データであるか否かを判断する。この判断が肯定されればステップ205に進み、否定されればステップ215に進む。
【0039】
ステップ205〜ステップ214の処理は、画像データの書き込み処理である。まず、ステップ205では、グループ管理テーブル51を参照して、現在グループBに属するNASを読み出す。ここで、図1のようにグループ分けされている場合には、NAS8M1+1〜8M2が読み出されるようになる。そして、ステップ207において、グループBに属する各NAS8M1+1〜8M2にアクセスして、その空き容量を問い合わせる。次のステップ209では、空き容量最大のNASを特定し、ステップ211では、特定されたNASに画像データを保管する。
【0040】
例えば、図7に示されるように、グループBに属するNASが、NAS82、83、84であったとすると。データ管理部43は、細線矢印で示されるように、NAS82、83、84にアクセスする(ステップ207)。すると、破線矢印で示されるように、各NAS82、83、84はそれぞれ、自分の空き容量を、データ管理部43に送信する。そして、データ管理部43は、太線矢印で示されるように、最も空き容量が大きなNAS83に画像データ及びその付帯情報を保存する(ステップ211)。図7からもわかるように、データ管理部43は、NASの空き容量を把握するのにグループBに属するNASだけにアクセスすればよいので、空き容量を得るための時間を短縮しデータの保存に要する時間を全体的に短縮することができる。
【0041】
次のサブルーチン213は、グループ管理テーブルの更新処理である。このサブルーチン213では、図4に示されるように、例えば、ステップ301において、データ管理部43は、グループ管理部41に対し、グループ更新処理の起動コマンドを送信する。この起動コマンドには、グループBに含まれる各NASの空き容量の情報が含まれている。このコマンドを受けて、グループ管理部41は処理を開始する。まず、ステップ401では、画像データを書き込める空き容量がないNASが有るか否かを判断する。この判断が肯定された場合にのみ、ステップ403とステップ405とをこの順に実行する。
【0042】
ステップ403では、グループ管理部41は、空き容量がないNASを、グループ管理テーブル51を書き替えて、グループBからグループCに移行させる。さらに、ステップ405では、該当NASの台数分だけグループAからグループBに移行させるように、グループ管理テーブル51を書き換える。これにより、例えば図9に示されるように、グループBからグループCに移行するNASが2台であった場合には、グループ管理部41は、グループAから、新たに2台のNASを、グループBに移行させる。なお、このグループBに移行したNASは、バックアップ時における後述する3)のNASに該当するため、このステップ405では、グループ管理部41は、バックアップ管理テーブル55に、グループBに移行したNASが、3)のNASである旨を登録しておく。
【0043】
ステップ401において判断が否定された後、又は、ステップ405実行後に行われるステップ407では、グループ管理部41は、処理終了通知を、データ管理部43に返す。データ管理部43は、受信待ちとなっており、処理終了通知を受けると、サブルーチン213を終了する。
【0044】
図3に戻り、サブルーチン213終了後、データ管理部43は、ステップ214に進み、新たに画像データ及び付帯情報が保存されたNASのその格納領域などの情報を、データ管理テーブル53に登録するとともに、「バックアップ履歴」としてバックアップ管理テーブル55に登録し、データベース47を更新する。ステップ214終了後は、データ管理部43は、ステップ201に戻って受信待ちとなる。
【0045】
一方、ステップ203で判断が否定された後に行われるステップ215〜ステップ231は、付帯情報の更新処理である。
【0046】
まず、ステップ215では、データ管理部43は、グループ管理テーブル51からグループB、Cに属するNASを読み出す。ここで、図8(A)に示される例では、グループBに属するNASとして、NAS82、83が読み出され、グループCに属するNASとして、NAS84が読み出される。そして、次のステップ217では、グループB、Cに属するNASに付帯情報を更新する画像データが存在するか否かを判断する。この判断が肯定されればステップ219に進み、否定されればステップ221に進む。
【0047】
ステップ219では、データ管理部43は、図8(A)に示されるように、グループB、Cのいずれかに属するNASに保存された画像データに付帯する付帯情報の更新を行う。ステップ219終了後は、ステップ201に戻り、再び受信待ち状態となる。
【0048】
一方、ステップ217において判断が否定された後のステップ221では、データ管理部43は、グループ管理テーブル51からグループDのNASを読み出し、次のステップ223では、更新されるべき付帯情報を保管するNASを特定する。次のステップ225では、グループBのNASにアクセスし、各NASの空き容量を問い合わせ、ステップ227では、空き容量最大のNASを特定する。次のステップ229では、図8(B)に示されるように、付帯情報を保管するNASから、グループBに属しその中で空き容量が最大であるNASに、該当する付帯情報及びその付帯情報に対応する画像データを移動させる。次のステップ231では、データ管理部43は、データ管理テーブル53やバックアップ管理テーブル55を、上記データの移動に応じて書き換え、データベース47を更新する。
【0049】
次に、グループCに属するNASを、グループDに属するNASに移行させる処理について説明する。この処理は、定期的に実施される。図5に示されるように、ステップ501において、グループCに属するNASの中に、付帯情報変更可能期間を経過したNASが有るか否かを判断する。この判断が肯定された場合にのみ、グループ管理部41は、ステップ503において、該当するNASが、グループCからグループDに移行するように、グループ管理テーブル51を書き替える。この処理により、図9に示されるように、付帯情報変更可能期間が経過したNASは、グループCからグループDに移行するようになる。
【0050】
次に、画像管理システム100のバックアップの際の動作について説明する。図6には、バックアップの際のバックアップ管理部45の動作を示すフローチャートが示されている。図6に示されるように、まず、ステップ601では、データベース47のバックアップ管理テーブル55を参照して、バックアップ対象のNASを特定する。
【0051】
バックアップ対象のNASとしては、図10(A)に示されるように、以下の3つのNASが該当するようになる。
1)前回のバックアップ時にグループBに属していたNAS
2)前回のバックアップ時にグループCに属していたNAS
3)前回のバックアップ時にはグループAであったが、今回のバックアップ時にはグループBに属しているNAS
バックアップ管理テーブル55には、前回バックアップ時の1)、2)、3)に該当しているNASと、そのNASに保存されたデータのうち、前回のバックアップ時から今回のバックアップ時までの間に、新たに書き込まれた画像データ及びその付帯情報、更新された付帯情報などのデータが、「バックアップ履歴」として保存されている。バックアップ管理部45は、これらの情報に基づいて、バックアップ対象のNASの装置数を特定する。
【0052】
次のステップ603では、バックアップするNASの装置数が、指定数を超えているか否かを判断する。この指定数は、前述のとおり、オペレータによって、予め指定されているものとする。この判断が肯定されればステップ615に進み、否定されればステップ605に進む。
【0053】
ステップ615では、バックアップをそのまま実行し、ステップ617では、上述した「バックアップ履歴」(1)、2)、3)に該当するNASなどの情報)をバックアップ管理テーブル55に保存して、処理を終了する。このバックアップ履歴は、次回のバックアップ時に参照される。
【0054】
一方、ステップ603において判断が否定された場合に実行されるステップ605〜ステップ613では、バックアップ必要なNASの装置数が、指定数を超えていた場合に行われる処理である。まず、ステップ605では、2)に分類されるNAS(図10(B)に示されるように、前回のバックアップ時にグループCに属していたNAS)であって、前回のバックアップ時から、付帯情報が変更された画像データ及びその付帯情報を、空き容量が最も大きなNASに移動させる。次のステップ607では、移動元のNASを、グループDのNASに移行させる。図10(B)に示されるように、2)に属するNASに保存されたデータのうち、前回のバックアップ時から書き換えられた可能性があるデータ(差分データ)は、更新される可能性が小さい付帯情報のみであり、バックアップ必要なデータ量は、1)に属するNASよりも少ないのが一般的である。
【0055】
次のステップ609では、バックアップするNAS数が指定数を超えているか否かを判断する。この判断が肯定されればステップ611に進み、否定されればステップ615に進んで、バックアップをそのまま実行し、ステップ617では、「バックアップ履歴」をバックアップ管理テーブル55に保存して、処理を終了する。なお、この場合、ステップ615では、ステップ605でデータの移動先となったNASについては、最終的に、前回のバックアップ時から今回のバックアップ時までに新たに追加された画像データ及びその付帯情報と、ステップ605におけるデータ移動により書き込まれた画像データ及びその付帯情報とのデータが、全体的な差分データとしてバックアップされることになる。
【0056】
ステップ609で判断が肯定されると、ステップ611に進む。ステップ611では、1)に分類されるNAS(図10(B)に示されるように、前回のバックアップ時にグループBに属していたNAS)であって、前回のバックアップ時から、新たに記憶された画像データ及び付帯情報(差分データ)を空き容量が最も大きなNASに移動させる。図10(B)に示されるように、1)に属するNASでは、前回のバックアップ時から書き換えられた可能性があるデータ(差分データ)は、新たな画像データなどが含まれているため、バックアップ必要なデータ量は、2)に属するNASよりも多いのが一般的である。
【0057】
次のステップ613では、移動元のNASを、グループDに移行させる。ステップ613終了後は、ステップ615に進み、指定数以内のNASについて、データのバックアップを実行し、ステップ617では、今回のバックアップの対象であったNASに関する情報などの「バックアップ履歴」を保存して、処理を終了する。なお、この場合、ステップ615では、ステップ611でデータの移動先となったNASについては、最終的に、前回のバックアップ時から今回のバックアップ時までに新たに追加された画像データ及びその付帯情報と、ステップ605でのデータ移動により新たに書き込まれた画像データ及びその付帯情報とのデータが、全体的な差分データとしてバックアップされることになる。
【0058】
このように、本実施形態によれば、前回のバックアップ時に、グループCに属していたNASの更新データ(付帯情報のみ)を、最初に移動させ、それでもバックアップ対象の装置数が指定数を超えていたときだけ、前回のバックアップ時に、グループBに属していたNASのデータの更新データを、移動させる。このような手順とすれば、データ量の少ないデータを先に移動させて、それでバックアップ対象の装置数が指定数以下となれば、データの移動は行われなくなるので、バックアップ時のNAS間のデータの移動量を極力少なくすることができる。
【0059】
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、グループ管理部41によって画像データを書き込み可能なグループBとして管理されているNASだけが、画像データの格納先の候補となるので、空き容量を調べるNASを、書き込み可能なグループBとして管理されているNASだけとすることができるようになる。この結果、すべてのNASにアクセスして空き容量を調べる必要がなくなるため、画像データの保管に要する時間を短縮することができる。
【0060】
また、本実施形態によれば、グループ管理部41は、画像データを書き込み可能なグループBに属するNASのうち、画像データを記憶する空き容量のないNASがある場合には、そのNASをグループBから除外する。そして、予備のグループAに属するNASを、書き込み可能なグループBから除外されたNASの数だけ、予備のグループAから画像データを書き込み可能なグループBに移行させる。このようにすれば、画像データを書き込み可能なグループBに属するNASの数は、常に一定となり、画像データの保存を、滞りなく行うことができるようになる。
【0061】
また、本実施形態によれば、グループ管理部41は、画像データを書き込み可能なグループBから除外されたNASを、画像データに付帯する付帯情報のみ書き換え可能なグループCに移行させ、データ管理部43は、付帯情報のみ書き換え可能なグループに属するNASに対しては、付帯情報の書き換えのみを行う。このようにすれば、新たな画像データを書き込める空き容量のないNASに書き込まれた画像データに対しても、付帯情報変更可能期間が経過する前は、付帯情報の更新が可能となる。
【0062】
また、本実施形態によれば、グループ管理部41は、NASが、付帯情報のみ書き換え可能なグループCに属する付帯情報変更可能期間を有限とし、当該付帯情報変更可能期間が経過したNASを、グループCから、読み出しのみ可能なグループDに移行させ、データ管理部43は、読み出しのみ可能なグループに属するNASに対しては、データの読み出しのみを行う。このようにすれば、付帯情報変更可能期間が経過したNASを、自動的にグループCからグループDに移行することができる。
【0063】
なお、上記実施形態では、付帯情報変更可能期間は、予めオペレータによって指定されているものとしたが、画像管理装置4において、期間算出部をさらに備え、その期間算出部において当該付帯情報変更可能期間を自動的に算出するようにしてもよい。例えば、この期間算出部では、画像データが保存されてから画像表示装置5に読み出されるまでの時間のデータ、その時間の平均値や標準偏差などの統計的なデータに基づいて、付帯情報変更可能期間を算出することができる。
【0064】
また、本実施形態によれば、グループ管理部41は、付帯情報を書き込む際に、当該付帯情報に対応する画像データが、画像データを書き込み可能なグループBと、付帯情報のみ書き換え可能なグループCとのいずれかに属するNASの中に保存されていない場合には、付帯情報と、その付帯情報に対応する画像データとを、当該画像データが保存されているNASから、画像データを書き込み可能なグループBに属するNASに移動させ、データ管理部43は、画像データの移動先のNASに保存されている付帯情報を、新たな付帯情報に書き換える。このようにすれば、読み取りのみ可能なNASに保存された画像データに対しても、その付帯情報を更新することが可能となる。
【0065】
また、本実施形態によれば、前回のバックアップ時とは、保存するデータの内容が異なるNASに保存されたデータのバックアップを定期的に行うバックアップ管理部45をさらに備えている。このバックアップ管理部45は、バックアップを行うNASの数が、指定数を超えた場合には、NAS間のデータの移動により、バックアップを行うストレージ装置の数を削減する。このようにすれば、バックアップするNASの数を、指定されたバックアップ装置数に制限することができるので、バックアップに要する時間を短縮することができる。
【0066】
また、本実施形態によれば、バックアップ対象のNASには、1)前回のバックアップ時に、画像データを書き込み可能なグループBに属していたNASと、2)前回のバックアップ時に、付帯情報のみ書き換え可能なグループCに属していたNASと、3)前回のバックアップ時と、今回のバックアップ時との間に、書き込み可能なグループBに属することとなったNASとが含まれている。バックアップ管理部45は、バックアップを行うNASの数が、指定されたバックアップ装置数を超えていた場合には、2)に属するNASに保存されたデータを、3)に属するNASに移動させる。2)に属するNASに保存されたデータのうち、前回のバックアップ時から書き換えられた可能性があるデータは付帯情報のみであり、実際に更新されたデータ量は少ないのが一般的である。したがって、このようにすれば、バックアップ対象のNASの数を削減することができるうえ、その削減時におけるバックアップ時におけるデータの移動量をできるだけ少なくすることができるので、バックアップに要する時間を短縮することができる。
【0067】
また、本実施形態によれば、バックアップ管理部45は、2)に属するNASに保存されたデータを、3)に属するNASに移動させた後も、バックアップを行うNASの数が、指定されたバックアップ装置数を超えていた場合には、1)に属するNASに保存されたデータを、3)に属するNASに移動させる。このようにすれば、バックアップする装置数を、指定されたバックアップ装置数以下として、バックアップに要する時間を短縮することができる。
【0068】
また、本実施形態では、バックアップ管理部45は、3)に属するNASのうち、空き容量が最も大きいNASにデータを移動させる。このようにすれば、各NASの負荷を極力分散した状態で、データのバックアップを行うことができる。
【0069】
なお、上記実施形態では、予め、バックアップ装置数の上限値である指定数を設定したが、本発明はこれに限らず、過去のバックアップ時における各NASの負荷を監視し、その監視結果に基づいて、バックアップ対象のNASの指定数を算出する装置数算出部を画像管理装置4内に設けるようにしてもよい。
【0070】
また、本実施形態では、バックアップ管理部45は、バックアップするデータを、現在NASに保存されているデータと前回のバックアップされたデータとの差分データとしている。このようにすれば、すべてのデータをバックアップするよりも、バックアップするデータのサイズを少なくすることができ、バックアップに要する時間を短縮することができる。
【0071】
なお、上記実施形態では、付帯情報のみ更新可能なグループCを設けたが、本発明はこれには限られない。例えば、予備のグループと、データの書き込み可能なグループと、データの読み出しのみ可能なグループとに分類するだけでもよい。
【0072】
なお、本発明の対象となるストレージ装置は、NASのみには限られない。医用画像データを検査単位に平均し、複数のストレージ装置に分散して保存するシステムであれば、適用が可能である。これに伴い、通信ネットワークもLAN11以外のものを採用することが可能である。
【0073】
さらに、本実施形態に係る画像管理システム100は、観点を変えると、画像管理装置4と、NAS81〜8Nと、を備える画像管理システムであるとすることができる。この画像管理システムによれば、医用画像データ及びその付帯情報の効率的な管理が可能となる。
【0074】
また、本実施形態に係る画像管理システム100は、観点を変えると、画像管理装置4とLAN11によって接続され、画像管理装置4によって管理される画像データを表示する画像表示装置5をさらに備えるシステムであるとすることができる。この画像システムによれば、画像管理装置4において、画像データの効率的な保存及び管理が可能となるため、画像表示装置5での医用画像の表示、付帯情報の書き換えを、効率的に行うことができる。
【0075】
また、本発明は、観点を変えると、画像管理装置4とLAN11によって接続され、画像管理装置4によって管理される画像データをバックアップする画像バックアップ装置7をさらに備える画像管理システムであるとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像管理システムの論理構成を示すブロック図である。
【図2】画像管理装置の内部構成を示す機能ブロック図である。
【図3】画像管理装置のデータ保存の際の処理手順のフローチャートである。
【図4】グループ更新のサブルーチンのフローチャートである。
【図5】付帯情報変更可能期間を経過したNASを読み出しのみ可能なNASに変更する処理のフローチャートである。
【図6】バックアップ管理部の処理を示すフローチャートである。
【図7】画像データの保存処理を模式的に示す図である。
【図8】付帯情報の更新処理を模式的に示す図である。
【図9】バックアップ処理を模式的に示す図である。
【図10】図10(A)は、バックアップが必要なNASを説明するための図であり、図10(B)は、NASが採用された通信ネットワークの論理構成の一例である。
【図11】従来の画像管理システムの論理構成を示す図である。
【符号の説明】
【0077】
1 モダリティ
3、4 画像管理装置
5 画像表示装置
7 画像バックアップ装置
81〜8N NAS
11 LAN
41 グループ管理部
43 データ管理部
45 バックアップ管理部
47 データベース
51 グループ管理テーブル
53 データ管理テーブル
55 バックアップ管理テーブル
100、101 画像管理システム
A、B、C、D グループ
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像データを保管する画像管理装置及び画像管理システムに係り、さらに詳しくは、医用画像データを効率良く管理する画像管理装置及び画像管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、病院内における情報の共有化や効率的な情報の管理を主眼として情報のネットワーク化が進められている。X線コンピュータ断層撮影(CT)装置、磁気共鳴イメージング装置、核医学装置、超音波診断装置などの各種モダリティで撮像される医用画像を、情報通信ネットワークを用いて統括的に管理する画像管理システムは、その代表例である。このようなシステムでは、情報通信ネットワークに、上記各種モダリティと、医用画像データを保管するいわゆるストレージ装置と、医用画像を表示するパーソナルコンピュータ等のクライアント端末とが接続される。そして、モダリティから情報通信ネットワークを介して送信された医用画像データは、ストレージ装置に一旦保管されたうえ、メディアなどに定期的にバックアップされる。そして、ストレージ装置に保管された医用画像データは、情報通信ネットワークを介してクライアント端末へ送信され、その画面上に表示される。
【0003】
上述したような情報通信ネットワークのストレージ装置の1つにNAS(Network Attached Storage)がある。図11には、NASによって構築された画像管理システムの論理構成の一例が示されている。図11に示されるように、画像管理システム101は、通信ネットワークとしてのLAN(Local Area Network)11に、モダリティ1、画像管理装置3、クライアント端末としての複数の画像表示装置5、画像バックアップ装置7が接続されることによって構築されている。
【0004】
画像管理装置3には、複数のNAS81〜8N(Nは、2以上の整数)が接続されている。画像管理装置3は、モダリティ1から送られてきた医用画像データを、NAS81〜8Nのいずれかに格納する。画像管理装置3は、医用画像データを保管する際には、NASの負荷を分散するために、その医用画像データを検査単位に平均し、接続されている全てのNAS81〜8Nにアクセスしてそれらの空き容量を調べ、空き容量が最も大きいNASを特定し、特定されたNASに画像データを保管している。そして、画像管理装置3は、定期的に、そのバックアップ間隔の間に保管するデータの内容が更新されたすべてのNAS81〜8Nに格納された医用画像データを、画像バックアップ装置7にバックアップしている。
【0005】
さらに、画像管理装置3は、画像表示装置5から医用画像データの送信依頼があった場合には、その医用画像データをNAS81〜8Nのいずれかから読み出して、画像表示装置5にその医用画像データを送っている。前述のように、医用画像データは、各NASに分散して保管されているので、画像を利用する複数の画像表示装置5各々からのアクセスに対しても、各NASの負荷が分散されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2004−234557号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、従来の画像管理システムでは、医用画像データを保管する際に、各NASの空き容量を調べるためにすべてのNASに一旦アクセスする必要があり、このアクセスのために、医用画像データを保管するまでに時間がかかってしまうという不都合が生じていた。
【0008】
また、画像データ等のバックアップ時には、前回のバックアップ時から保管する医用画像データの内容が更新されたNASについては、すべてバックアップの対象となる。前述のように、新たな医用画像データは各NASに分散して保管されることから、バックアップ対象となるNASの数は非常に多くなり、データがバックアップされるメディア交換のオーバーヘッドなどが増えて、バックアップに要する時間が増加してしまうという不都合が生じていた。
【0009】
本発明の目的は、上記事情に鑑みてなされたものであり、画像データを保管に要する時間を短縮することができる画像管理装置及び画像管理システムを提供することである。
【0010】
また、本発明の目的は、データのバックアップに要する時間を短縮することができる画像管理装置及び画像管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、付帯情報及び画像データからなる画像情報を保管するための複数のストレージ装置を管理する画像管理装置であって、
複数のストレージ装置を、少なくとも、画像情報を書き込み可能なグループと画像データの書き込みが禁止されるグループとに分類するグループ管理部と、
前記画像情報を書き込み可能なグループに属するストレージ装置のうち、空き容量の最も大きなストレージ装置を選択し、選択されたストレージ装置に画像情報の書き込みを行うデータ管理部とを備える画像管理装置である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、グループ管理部によって画像データを書き込み可能なグループとして管理されているストレージ装置だけが、画像データの格納先の候補となるので、空き容量を調べるストレージ装置を、書き込み可能なグループとして管理されているストレージ装置だけとすることができるようになる。この結果、すべてのストレージ装置にアクセスして空き容量を調べる必要がなくなるため、画像データの保管に要する時間を短縮することができる。
【0013】
また、請求項1に記載の発明によれば、前回のバックアップ時から今回のバックアップ時までの間に、データを書き込み可能なグループに属していたストレージ装置だけについて、データのバックアップを行えばよいので、バックアップに要する時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る画像管理装置及び画像管理システムの好適な実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0015】
図1には、本発明の一実施形態に係る画像管理システム100の論理構成の一例が示されている。図1に示されるように、本実施形態に係る画像管理システム100は、モダリティ1と、画像管理装置4と、画像表示装置5と、画像バックアップ装置7と、LAN(Local Area Network)11と、N(Nは2以上の整数)台のNAS(Network Attached Storage)81〜8Nとを備えている。モダリティ1と、画像管理装置4と、複数の画像表示装置5と、画像バックアップ装置7とは、LAN11に接続され、互いに通信可能となっている。実際には、モダリティ1については、それぞれ複数台がLAN11に接続されていてもよいが、図面の錯綜を防ぐため、図1ではそのうちの1台のみが示されている。また、NAS(Network Attached Storage)81〜8Nも、実際には、LAN11に接続されており、このLAN11を介して、画像管理装置4とのデータ送受信を行うが、説明を簡単にするため、図1では、NAS81〜8Nが画像管理装置3に接続されているものとして図示し、以下の説明を行うものとする。
【0016】
モダリティ1は、被検体を観察し、その観察結果から医用画像データ(以下、「画像データ」と略述する)を生成する医用診断装置である。画像データがモダリティ1で作成されると、その画像データには、その画像データに対応する患者ID、検査ID、シリーズID、画像番号、スライス厚の情報、撮影部位の情報等が付帯するようになる。これらの情報を、以下では「付帯情報」という。また、画像データと付帯情報とを総称して「画像情報」ということもある。この付帯情報は、医用画像に関する通信と保存の規格であるDICOM規格に従っている。モダリティ1で生成された画像データ及びその付帯情報は、LAN11を経由して画像管理装置4に送られる。
【0017】
画像管理装置4は、N個(Nは、2以上の自然数)のNAS81〜8Nを管理するコンピュータである。より具体的には、画像管理装置4は、LAN11を介してモダリティ1から送られた画像データ及びその付帯情報をNAS81〜8Nに保存し、画像表示装置5からの要求により、画像表示装置5に対し、要求された画像データ及びその付帯情報を、LAN11を介して送信する。さらに、画像管理装置4は、定期的に、LAN11を介して、画像バックアップ装置7へ、NAS81〜8Nに保存されたデータのバックアップを行う。
【0018】
図2には、画像管理装置4の内部の機能ブロック図が示されている。図2に示されるように、画像管理装置4は、グループ管理部41と、データ管理部43と、バックアップ管理部45と、データベース47とを備えている。画像管理装置4は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置であり、CPUとRAMとROM(いずれも不図示)とを有している。このCPUが、グループ管理部41、データ管理部43、バックアップ管理部45、データベース47に対応するプログラムを実行することにより、それらの機能が実現されている。
【0019】
グループ管理部41は、NAS81〜8Nをそれぞれ属性が異なる4種類のグループA〜Dに分類して管理している。図1、図2においては、NAS81〜8Nのうち、NAS81〜8M1がグループAに分類されており、NAS8M1+1〜8M2がグループBに分類されており、NAS8M2+1〜8M3がグループCに分類されており、NAS8M3+1〜8M4がグループDに分類されている。ここで、M1、M2、M3、M4は整数であり、0<M1<M2<M3<M4<Nの関係があるものとする。
【0020】
グループAは、予備のNASのグループである。グループBは、画像データ及び付帯情報を書き込み可能なNASのグループである。本実施形態では、このグループに属するNASに対して、画像データ及びその付帯情報が保管される。グループCは、付帯情報のみ書き換え可能なNASのグループである。このグループに属するNASに対しては、画像データの書き込みは禁止されており、その付帯情報の内容の更新だけが可能となっている。グループDは、読み出しのみ可能なNASのグループである。このグループのNASに対しては、画像データ及びその付帯情報の書き込みが禁止されている。
【0021】
通常、NAS8k(k=1、2、3、…N)は、所属するグループが、グループA→グループB→グループC→グループDとなるように遷移する。グループ管理部41は、必要に応じて、各NASが、どのグループに属すべきかを判定し、その判定結果に応じて、そのNASが属すべきグループを決定している。
【0022】
なお、このシステムでは、最初からNASを4つのグループに分類するわけではない。システム運用開始当初は、NAS81〜8Nは、予備のグループAと、画像データ及びその付帯情報が書き込み可能なグループBとに分類しておき、この後、グループ管理部41が、空き容量が少なくなったNASをグループCに移行させ、最終的にグループDに移行させることにより、NASが結果的に4つのグループに分類されるようになる。なお、システム運用開始当初におけるグループBに属するNASの数は、画像管理装置4のオペレータによって指定可能となっている。
【0023】
本実施形態では、グループCに属するNASがグループCに属している期間を有限としている。以下では、この期間を「付帯情報変更可能期間」とする。グループ管理部41は、NASがグループBからグループCに移行した時点で時間計測を開始し、その時間が付帯情報変更可能期間を経過したNASを、グループCからグループDに移行させる。この付帯情報変更可能期間は、システム運用開始当初に、画像管理装置4のオペレータによって予め指定可能となっている。
【0024】
どのNASがそのグループに属しているかは、データベース47内に設けられたグループ管理テーブル51に記述されている。グループ管理部41は、あるグループに属しているNASの別のグループへの移行を、このグループ管理テーブル51の内容を書き換えることにより行う。すなわち、グループ管理部41は、グループ管理テーブル51を用いて、NASのグループを管理している。
【0025】
データ管理部43は、モダリティ1から画像データ及びその付帯情報を受信して、グループBに属するNAS8M1+1〜8M2に保存する。このとき、データ管理部43は、データベース47のグループ管理テーブル51を参照し、グループBに属しているNASがNAS8M1+1〜8M2であることを読み出す。そして、データ管理部43は、グループBに属する個々のNASにアクセスし、その空き容量を問い合わせる。そして、グループBに属するNAS8M1+1〜8M2のうち、空き容量が最も大きいNASに画像データ及びその付帯情報を保存する。
【0026】
このように、本実施形態によれば、それぞれの空き容量を調べるためにアクセスするNASが、NAS8M1+1〜8M2のみとなるため、そのアクセスに要する時間は短くなる。
【0027】
また、データ管理部43は、NAS8M1+1〜8M2、8M2+1〜8M3に保存されたデータのうち、すでに保存した画像データに付帯する付帯情報の更新を行う場合もある。
【0028】
データ管理部43は、画像データが、どのNASに保存されているかを示す情報を、データベース47のデータ管理テーブル53に登録している。また、新たに保存されたデータ及び更新されたデータは後述するバックアップの対象、すなわち差分データとなるため、データ管理部43は、バックアップ対象となる差分データの情報(対応NAS及びその格納領域)を、「バックアップ履歴」として、バックアップ管理テーブル55に登録しておく。
【0029】
バックアップ管理部45は、例えば定期的に、NAS81〜8Nに保存されたデータを、画像バックアップ装置7にバックアップする。バックアップ管理部45は、効率的なバックアップを行うため、バックアップ管理テーブル55を参照し、前回のバックアップ時から、保存するデータの内容が更新されているNASのみについて、データのバックアップを行う。
【0030】
バックアップ管理部45は、各NASについて前回のバックアップ時との差分データのみをバックアップする。バックアップ管理テーブル55には、前述のように、各NASで前回のバックアップ時から内容が変わった差分データに関する情報が登録されており、その情報から、各NASでのバックアップすべき差分データを把握することが可能となる。
【0031】
また、バックアップ管理部45には、予め、バックアップする装置数が指定されている。このバックアップする装置数は、予め、オペレータによって指定されている。バックアップ管理部45は、実際に、バックアップが必要となったNASの数が、その指定数を上回った場合には、バックアップ管理部45は、NAS間のデータの移動により、バックアップすべきNASの数を削減する。
【0032】
図1に戻り、画像表示装置5は、オペレータの操作入力に従って、画像管理装置4に保存された画像データの読み出し要求を、画像管理装置4に発する。画像管理装置4を構成するデータ管理部43は、データ管理テーブル53を参照して、その要求に対象となった画像データを、いずれかのNASから読み出して、画像表示装置5に送る。
【0033】
画像表示装置5は、送られた画像データに対応する医用画像を画面上に表示する。画像表示装置5に表示された画像を見たオペレータが、その画像とともに表示された付帯情報などに誤りを発見し、その付帯情報の書き換えをすべく、画像表示装置5の操作入力により、訂正された付帯情報を書き換え、確定を指令した場合、その操作入力により書き換えられた付帯情報は、画像管理装置4に送られる。画像管理装置4は、NASに保存された該当する付帯情報を、送られた付帯情報に更新する。
【0034】
画像バックアップ装置7は、バックアップ先の記録媒体であるメディア(例えば、光ディスクなどのリムーバブルディスクなど)へバックアップデータを書き込み可能な装置である。画像バックアップ装置7には、画像管理装置4を構成するバックアップ管理部45の管理の下で、NAS81〜8Nに保存された画像データ及びその付帯情報がバックアップされる。
【0035】
NAS81〜8Nそれぞれは、画像管理装置4との間で画像データ及び付帯情報の送受信をファイル単位で行うファイルシステムと記憶装置と(いずれも不図示)を備えるファイルサーバであり、画像データ及びその付帯情報を保存する。NAS81〜8Nは、画像管理装置4の指示の下で、画像データ等の書き込みや読み出しを行う。なお、このNASは、適宜増設することが可能である。
【0036】
次に、画像管理システム100の具体的な動作についてフローチャートを中心に説明する。図3には、データ管理部43の処理の一例のフローチャートが示され、図4、図5には、グループ管理部41の処理の一例のフローチャートが示され、図6には、バックアップ管理部45の処理の一例のフローチャートが示されている。また、図7には、データ管理部43によるデータの書き込み動作の一例が模式的に示され、図8(A)、図8(B)には、データ管理部43による付帯情報の更新動作の一例が模式的に示され、図9には、グループ管理部41によるグループの管理の流れが模式的に示され、図10(A)には、バックアップ対象のNASを説明するための図が示され、図10(B)には、バックアップ時のデータ移動の一例が模式的に示されている。
【0037】
まず、画像管理装置4による画像データ及びその付帯情報の書き込み動作について説明する。図3には、画像データ及びその付帯情報の書き込み動作の際の画像管理装置3を構成するデータ管理部43の処理手順のフローチャートが示されている。
【0038】
図3に示されるように、まず、ステップ201において、データ管理部43は、モダリティ1又は画像表示装置5からの保存対象のデータの受信待ち状態となっている。そのデータが受信されると、データ管理部43は、ステップ203に進む。ステップ203では、送られたデータが、画像データであるか否かを判断する。この判断が肯定されればステップ205に進み、否定されればステップ215に進む。
【0039】
ステップ205〜ステップ214の処理は、画像データの書き込み処理である。まず、ステップ205では、グループ管理テーブル51を参照して、現在グループBに属するNASを読み出す。ここで、図1のようにグループ分けされている場合には、NAS8M1+1〜8M2が読み出されるようになる。そして、ステップ207において、グループBに属する各NAS8M1+1〜8M2にアクセスして、その空き容量を問い合わせる。次のステップ209では、空き容量最大のNASを特定し、ステップ211では、特定されたNASに画像データを保管する。
【0040】
例えば、図7に示されるように、グループBに属するNASが、NAS82、83、84であったとすると。データ管理部43は、細線矢印で示されるように、NAS82、83、84にアクセスする(ステップ207)。すると、破線矢印で示されるように、各NAS82、83、84はそれぞれ、自分の空き容量を、データ管理部43に送信する。そして、データ管理部43は、太線矢印で示されるように、最も空き容量が大きなNAS83に画像データ及びその付帯情報を保存する(ステップ211)。図7からもわかるように、データ管理部43は、NASの空き容量を把握するのにグループBに属するNASだけにアクセスすればよいので、空き容量を得るための時間を短縮しデータの保存に要する時間を全体的に短縮することができる。
【0041】
次のサブルーチン213は、グループ管理テーブルの更新処理である。このサブルーチン213では、図4に示されるように、例えば、ステップ301において、データ管理部43は、グループ管理部41に対し、グループ更新処理の起動コマンドを送信する。この起動コマンドには、グループBに含まれる各NASの空き容量の情報が含まれている。このコマンドを受けて、グループ管理部41は処理を開始する。まず、ステップ401では、画像データを書き込める空き容量がないNASが有るか否かを判断する。この判断が肯定された場合にのみ、ステップ403とステップ405とをこの順に実行する。
【0042】
ステップ403では、グループ管理部41は、空き容量がないNASを、グループ管理テーブル51を書き替えて、グループBからグループCに移行させる。さらに、ステップ405では、該当NASの台数分だけグループAからグループBに移行させるように、グループ管理テーブル51を書き換える。これにより、例えば図9に示されるように、グループBからグループCに移行するNASが2台であった場合には、グループ管理部41は、グループAから、新たに2台のNASを、グループBに移行させる。なお、このグループBに移行したNASは、バックアップ時における後述する3)のNASに該当するため、このステップ405では、グループ管理部41は、バックアップ管理テーブル55に、グループBに移行したNASが、3)のNASである旨を登録しておく。
【0043】
ステップ401において判断が否定された後、又は、ステップ405実行後に行われるステップ407では、グループ管理部41は、処理終了通知を、データ管理部43に返す。データ管理部43は、受信待ちとなっており、処理終了通知を受けると、サブルーチン213を終了する。
【0044】
図3に戻り、サブルーチン213終了後、データ管理部43は、ステップ214に進み、新たに画像データ及び付帯情報が保存されたNASのその格納領域などの情報を、データ管理テーブル53に登録するとともに、「バックアップ履歴」としてバックアップ管理テーブル55に登録し、データベース47を更新する。ステップ214終了後は、データ管理部43は、ステップ201に戻って受信待ちとなる。
【0045】
一方、ステップ203で判断が否定された後に行われるステップ215〜ステップ231は、付帯情報の更新処理である。
【0046】
まず、ステップ215では、データ管理部43は、グループ管理テーブル51からグループB、Cに属するNASを読み出す。ここで、図8(A)に示される例では、グループBに属するNASとして、NAS82、83が読み出され、グループCに属するNASとして、NAS84が読み出される。そして、次のステップ217では、グループB、Cに属するNASに付帯情報を更新する画像データが存在するか否かを判断する。この判断が肯定されればステップ219に進み、否定されればステップ221に進む。
【0047】
ステップ219では、データ管理部43は、図8(A)に示されるように、グループB、Cのいずれかに属するNASに保存された画像データに付帯する付帯情報の更新を行う。ステップ219終了後は、ステップ201に戻り、再び受信待ち状態となる。
【0048】
一方、ステップ217において判断が否定された後のステップ221では、データ管理部43は、グループ管理テーブル51からグループDのNASを読み出し、次のステップ223では、更新されるべき付帯情報を保管するNASを特定する。次のステップ225では、グループBのNASにアクセスし、各NASの空き容量を問い合わせ、ステップ227では、空き容量最大のNASを特定する。次のステップ229では、図8(B)に示されるように、付帯情報を保管するNASから、グループBに属しその中で空き容量が最大であるNASに、該当する付帯情報及びその付帯情報に対応する画像データを移動させる。次のステップ231では、データ管理部43は、データ管理テーブル53やバックアップ管理テーブル55を、上記データの移動に応じて書き換え、データベース47を更新する。
【0049】
次に、グループCに属するNASを、グループDに属するNASに移行させる処理について説明する。この処理は、定期的に実施される。図5に示されるように、ステップ501において、グループCに属するNASの中に、付帯情報変更可能期間を経過したNASが有るか否かを判断する。この判断が肯定された場合にのみ、グループ管理部41は、ステップ503において、該当するNASが、グループCからグループDに移行するように、グループ管理テーブル51を書き替える。この処理により、図9に示されるように、付帯情報変更可能期間が経過したNASは、グループCからグループDに移行するようになる。
【0050】
次に、画像管理システム100のバックアップの際の動作について説明する。図6には、バックアップの際のバックアップ管理部45の動作を示すフローチャートが示されている。図6に示されるように、まず、ステップ601では、データベース47のバックアップ管理テーブル55を参照して、バックアップ対象のNASを特定する。
【0051】
バックアップ対象のNASとしては、図10(A)に示されるように、以下の3つのNASが該当するようになる。
1)前回のバックアップ時にグループBに属していたNAS
2)前回のバックアップ時にグループCに属していたNAS
3)前回のバックアップ時にはグループAであったが、今回のバックアップ時にはグループBに属しているNAS
バックアップ管理テーブル55には、前回バックアップ時の1)、2)、3)に該当しているNASと、そのNASに保存されたデータのうち、前回のバックアップ時から今回のバックアップ時までの間に、新たに書き込まれた画像データ及びその付帯情報、更新された付帯情報などのデータが、「バックアップ履歴」として保存されている。バックアップ管理部45は、これらの情報に基づいて、バックアップ対象のNASの装置数を特定する。
【0052】
次のステップ603では、バックアップするNASの装置数が、指定数を超えているか否かを判断する。この指定数は、前述のとおり、オペレータによって、予め指定されているものとする。この判断が肯定されればステップ615に進み、否定されればステップ605に進む。
【0053】
ステップ615では、バックアップをそのまま実行し、ステップ617では、上述した「バックアップ履歴」(1)、2)、3)に該当するNASなどの情報)をバックアップ管理テーブル55に保存して、処理を終了する。このバックアップ履歴は、次回のバックアップ時に参照される。
【0054】
一方、ステップ603において判断が否定された場合に実行されるステップ605〜ステップ613では、バックアップ必要なNASの装置数が、指定数を超えていた場合に行われる処理である。まず、ステップ605では、2)に分類されるNAS(図10(B)に示されるように、前回のバックアップ時にグループCに属していたNAS)であって、前回のバックアップ時から、付帯情報が変更された画像データ及びその付帯情報を、空き容量が最も大きなNASに移動させる。次のステップ607では、移動元のNASを、グループDのNASに移行させる。図10(B)に示されるように、2)に属するNASに保存されたデータのうち、前回のバックアップ時から書き換えられた可能性があるデータ(差分データ)は、更新される可能性が小さい付帯情報のみであり、バックアップ必要なデータ量は、1)に属するNASよりも少ないのが一般的である。
【0055】
次のステップ609では、バックアップするNAS数が指定数を超えているか否かを判断する。この判断が肯定されればステップ611に進み、否定されればステップ615に進んで、バックアップをそのまま実行し、ステップ617では、「バックアップ履歴」をバックアップ管理テーブル55に保存して、処理を終了する。なお、この場合、ステップ615では、ステップ605でデータの移動先となったNASについては、最終的に、前回のバックアップ時から今回のバックアップ時までに新たに追加された画像データ及びその付帯情報と、ステップ605におけるデータ移動により書き込まれた画像データ及びその付帯情報とのデータが、全体的な差分データとしてバックアップされることになる。
【0056】
ステップ609で判断が肯定されると、ステップ611に進む。ステップ611では、1)に分類されるNAS(図10(B)に示されるように、前回のバックアップ時にグループBに属していたNAS)であって、前回のバックアップ時から、新たに記憶された画像データ及び付帯情報(差分データ)を空き容量が最も大きなNASに移動させる。図10(B)に示されるように、1)に属するNASでは、前回のバックアップ時から書き換えられた可能性があるデータ(差分データ)は、新たな画像データなどが含まれているため、バックアップ必要なデータ量は、2)に属するNASよりも多いのが一般的である。
【0057】
次のステップ613では、移動元のNASを、グループDに移行させる。ステップ613終了後は、ステップ615に進み、指定数以内のNASについて、データのバックアップを実行し、ステップ617では、今回のバックアップの対象であったNASに関する情報などの「バックアップ履歴」を保存して、処理を終了する。なお、この場合、ステップ615では、ステップ611でデータの移動先となったNASについては、最終的に、前回のバックアップ時から今回のバックアップ時までに新たに追加された画像データ及びその付帯情報と、ステップ605でのデータ移動により新たに書き込まれた画像データ及びその付帯情報とのデータが、全体的な差分データとしてバックアップされることになる。
【0058】
このように、本実施形態によれば、前回のバックアップ時に、グループCに属していたNASの更新データ(付帯情報のみ)を、最初に移動させ、それでもバックアップ対象の装置数が指定数を超えていたときだけ、前回のバックアップ時に、グループBに属していたNASのデータの更新データを、移動させる。このような手順とすれば、データ量の少ないデータを先に移動させて、それでバックアップ対象の装置数が指定数以下となれば、データの移動は行われなくなるので、バックアップ時のNAS間のデータの移動量を極力少なくすることができる。
【0059】
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、グループ管理部41によって画像データを書き込み可能なグループBとして管理されているNASだけが、画像データの格納先の候補となるので、空き容量を調べるNASを、書き込み可能なグループBとして管理されているNASだけとすることができるようになる。この結果、すべてのNASにアクセスして空き容量を調べる必要がなくなるため、画像データの保管に要する時間を短縮することができる。
【0060】
また、本実施形態によれば、グループ管理部41は、画像データを書き込み可能なグループBに属するNASのうち、画像データを記憶する空き容量のないNASがある場合には、そのNASをグループBから除外する。そして、予備のグループAに属するNASを、書き込み可能なグループBから除外されたNASの数だけ、予備のグループAから画像データを書き込み可能なグループBに移行させる。このようにすれば、画像データを書き込み可能なグループBに属するNASの数は、常に一定となり、画像データの保存を、滞りなく行うことができるようになる。
【0061】
また、本実施形態によれば、グループ管理部41は、画像データを書き込み可能なグループBから除外されたNASを、画像データに付帯する付帯情報のみ書き換え可能なグループCに移行させ、データ管理部43は、付帯情報のみ書き換え可能なグループに属するNASに対しては、付帯情報の書き換えのみを行う。このようにすれば、新たな画像データを書き込める空き容量のないNASに書き込まれた画像データに対しても、付帯情報変更可能期間が経過する前は、付帯情報の更新が可能となる。
【0062】
また、本実施形態によれば、グループ管理部41は、NASが、付帯情報のみ書き換え可能なグループCに属する付帯情報変更可能期間を有限とし、当該付帯情報変更可能期間が経過したNASを、グループCから、読み出しのみ可能なグループDに移行させ、データ管理部43は、読み出しのみ可能なグループに属するNASに対しては、データの読み出しのみを行う。このようにすれば、付帯情報変更可能期間が経過したNASを、自動的にグループCからグループDに移行することができる。
【0063】
なお、上記実施形態では、付帯情報変更可能期間は、予めオペレータによって指定されているものとしたが、画像管理装置4において、期間算出部をさらに備え、その期間算出部において当該付帯情報変更可能期間を自動的に算出するようにしてもよい。例えば、この期間算出部では、画像データが保存されてから画像表示装置5に読み出されるまでの時間のデータ、その時間の平均値や標準偏差などの統計的なデータに基づいて、付帯情報変更可能期間を算出することができる。
【0064】
また、本実施形態によれば、グループ管理部41は、付帯情報を書き込む際に、当該付帯情報に対応する画像データが、画像データを書き込み可能なグループBと、付帯情報のみ書き換え可能なグループCとのいずれかに属するNASの中に保存されていない場合には、付帯情報と、その付帯情報に対応する画像データとを、当該画像データが保存されているNASから、画像データを書き込み可能なグループBに属するNASに移動させ、データ管理部43は、画像データの移動先のNASに保存されている付帯情報を、新たな付帯情報に書き換える。このようにすれば、読み取りのみ可能なNASに保存された画像データに対しても、その付帯情報を更新することが可能となる。
【0065】
また、本実施形態によれば、前回のバックアップ時とは、保存するデータの内容が異なるNASに保存されたデータのバックアップを定期的に行うバックアップ管理部45をさらに備えている。このバックアップ管理部45は、バックアップを行うNASの数が、指定数を超えた場合には、NAS間のデータの移動により、バックアップを行うストレージ装置の数を削減する。このようにすれば、バックアップするNASの数を、指定されたバックアップ装置数に制限することができるので、バックアップに要する時間を短縮することができる。
【0066】
また、本実施形態によれば、バックアップ対象のNASには、1)前回のバックアップ時に、画像データを書き込み可能なグループBに属していたNASと、2)前回のバックアップ時に、付帯情報のみ書き換え可能なグループCに属していたNASと、3)前回のバックアップ時と、今回のバックアップ時との間に、書き込み可能なグループBに属することとなったNASとが含まれている。バックアップ管理部45は、バックアップを行うNASの数が、指定されたバックアップ装置数を超えていた場合には、2)に属するNASに保存されたデータを、3)に属するNASに移動させる。2)に属するNASに保存されたデータのうち、前回のバックアップ時から書き換えられた可能性があるデータは付帯情報のみであり、実際に更新されたデータ量は少ないのが一般的である。したがって、このようにすれば、バックアップ対象のNASの数を削減することができるうえ、その削減時におけるバックアップ時におけるデータの移動量をできるだけ少なくすることができるので、バックアップに要する時間を短縮することができる。
【0067】
また、本実施形態によれば、バックアップ管理部45は、2)に属するNASに保存されたデータを、3)に属するNASに移動させた後も、バックアップを行うNASの数が、指定されたバックアップ装置数を超えていた場合には、1)に属するNASに保存されたデータを、3)に属するNASに移動させる。このようにすれば、バックアップする装置数を、指定されたバックアップ装置数以下として、バックアップに要する時間を短縮することができる。
【0068】
また、本実施形態では、バックアップ管理部45は、3)に属するNASのうち、空き容量が最も大きいNASにデータを移動させる。このようにすれば、各NASの負荷を極力分散した状態で、データのバックアップを行うことができる。
【0069】
なお、上記実施形態では、予め、バックアップ装置数の上限値である指定数を設定したが、本発明はこれに限らず、過去のバックアップ時における各NASの負荷を監視し、その監視結果に基づいて、バックアップ対象のNASの指定数を算出する装置数算出部を画像管理装置4内に設けるようにしてもよい。
【0070】
また、本実施形態では、バックアップ管理部45は、バックアップするデータを、現在NASに保存されているデータと前回のバックアップされたデータとの差分データとしている。このようにすれば、すべてのデータをバックアップするよりも、バックアップするデータのサイズを少なくすることができ、バックアップに要する時間を短縮することができる。
【0071】
なお、上記実施形態では、付帯情報のみ更新可能なグループCを設けたが、本発明はこれには限られない。例えば、予備のグループと、データの書き込み可能なグループと、データの読み出しのみ可能なグループとに分類するだけでもよい。
【0072】
なお、本発明の対象となるストレージ装置は、NASのみには限られない。医用画像データを検査単位に平均し、複数のストレージ装置に分散して保存するシステムであれば、適用が可能である。これに伴い、通信ネットワークもLAN11以外のものを採用することが可能である。
【0073】
さらに、本実施形態に係る画像管理システム100は、観点を変えると、画像管理装置4と、NAS81〜8Nと、を備える画像管理システムであるとすることができる。この画像管理システムによれば、医用画像データ及びその付帯情報の効率的な管理が可能となる。
【0074】
また、本実施形態に係る画像管理システム100は、観点を変えると、画像管理装置4とLAN11によって接続され、画像管理装置4によって管理される画像データを表示する画像表示装置5をさらに備えるシステムであるとすることができる。この画像システムによれば、画像管理装置4において、画像データの効率的な保存及び管理が可能となるため、画像表示装置5での医用画像の表示、付帯情報の書き換えを、効率的に行うことができる。
【0075】
また、本発明は、観点を変えると、画像管理装置4とLAN11によって接続され、画像管理装置4によって管理される画像データをバックアップする画像バックアップ装置7をさらに備える画像管理システムであるとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像管理システムの論理構成を示すブロック図である。
【図2】画像管理装置の内部構成を示す機能ブロック図である。
【図3】画像管理装置のデータ保存の際の処理手順のフローチャートである。
【図4】グループ更新のサブルーチンのフローチャートである。
【図5】付帯情報変更可能期間を経過したNASを読み出しのみ可能なNASに変更する処理のフローチャートである。
【図6】バックアップ管理部の処理を示すフローチャートである。
【図7】画像データの保存処理を模式的に示す図である。
【図8】付帯情報の更新処理を模式的に示す図である。
【図9】バックアップ処理を模式的に示す図である。
【図10】図10(A)は、バックアップが必要なNASを説明するための図であり、図10(B)は、NASが採用された通信ネットワークの論理構成の一例である。
【図11】従来の画像管理システムの論理構成を示す図である。
【符号の説明】
【0077】
1 モダリティ
3、4 画像管理装置
5 画像表示装置
7 画像バックアップ装置
81〜8N NAS
11 LAN
41 グループ管理部
43 データ管理部
45 バックアップ管理部
47 データベース
51 グループ管理テーブル
53 データ管理テーブル
55 バックアップ管理テーブル
100、101 画像管理システム
A、B、C、D グループ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
付帯情報及び画像データからなる画像情報を保管するための複数のストレージ装置を管理する画像管理装置であって、
複数のストレージ装置を、少なくとも、画像情報を書き込み可能なグループと画像データの書き込みが禁止されるグループとに分類するグループ管理部と、
前記画像情報を書き込み可能なグループに属するストレージ装置のうち、空き容量の最も大きなストレージ装置を選択し、選択されたストレージ装置に画像情報の書き込みを行うデータ管理部と、
を備えることを特徴とする画像管理装置。
【請求項2】
前記グループ管理部は、
画像の保管が行われていない、前記2つのグループとは異なるストレージ装置を予備のグループに分類し、
前記画像情報を書き込み可能なグループに属するストレージ装置のうち、前記画像情報を記憶する空き容量のないストレージ装置がある場合には、そのストレージ装置を画像情報の書き込み可能なグループから除外し、
前記予備のグループに属するストレージ装置を、前記画像情報を書き込み可能なグループに移行させることを特徴とする請求項1に記載の画像管理装置。
【請求項3】
前記グループ管理部は、
前記書き込み可能なグループから除外されたストレージ装置を、前記画像データの書き込みが禁止されるグループに移行させ、
前記データ管理部は、
前記画像データの書き込みが禁止されるグループに属するストレージ装置に対しては、前記付帯情報の書き換えを可能とすることを特徴とする請求項2に記載の画像管理装置。
【請求項4】
前記グループ管理部は、
前記ストレージ装置が、前記画像データの書き込みが禁止されるグループに属する期間を有限とし、
当該期間が過ぎたストレージ装置を、前記画像データの書き込みが禁止されるグループから、画像情報の書き込みが禁止されるグループに移行させ、
前記データ管理部は、
前記画像情報の書き込みが禁止されるグループに属するストレージ装置に対しては、画像情報の書き込みを禁止することを特徴とする請求項3に記載の画像管理装置。
【請求項5】
前記画像情報が保存されてから再び読み出されるまでの時間の統計量に基づいて、前記期間を算出する期間算出部をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の画像管理装置。
【請求項6】
前記データ管理部は、
前記画像情報の書き込みが禁止されるグループのストレージ装置に保管される画像情報の付帯情報を書き換える場合には、
前記付帯情報の書き換えの対象となっている画像情報を、当該画像情報が保存されているストレージ装置から、前記画像情報を書き込み可能なグループに属するストレージ装置に移動させ、
前記画像データの移動先のストレージ装置に記憶される前記画像情報に対して、前記付帯情報を書き換えることを特徴とする請求項4に記載の画像管理装置。
【請求項7】
前回のバックアップ時とは記憶するデータの内容が異なるストレージ装置に保存されたデータのバックアップを定期的に行うバックアップ管理部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像管理装置。
【請求項8】
前記バックアップ管理部は、
バックアップ対象のストレージ装置の数が、指定数を超えた場合には、ストレージ装置間のデータの移動により、バックアップ対象のストレージ装置の数を削減することを特徴とする請求項7に記載の画像管理装置。
【請求項9】
バックアップを行う対象のストレージ装置には、
前回のバックアップ時に、画像情報を書き込み可能なグループに属していた第1のストレージ装置と、前回のバックアップ時に、画像データの書き込みが禁止されるグループに属していた第2のストレージ装置と、前回のバックアップ時と、今回のバックアップ時との間に、画像情報を書き込み可能なグループに属することとなった第3のストレージ装置とが含まれ、
前記バックアップ管理部は、
バックアップ対象のストレージ装置の数が、指定数を超えた場合には、前記第2のストレージ装置に保存されたデータを、前記第3のストレージ装置に移動させることを特徴とする請求項8に記載の画像管理装置。
【請求項10】
前記バックアップ管理部は、
前記画像データの書き込みが禁止されるグループに属するストレージ装置に保存されたデータを、前記第3のストレージ装置に移動させた後も、バックアップを行うストレージ装置の数が、指定されたバックアップ装置数を超えていた場合には、
前記第1のグループに属するストレージ装置に保存されたデータを、前記第3のストレージ装置に移動させることを特徴とする請求項9に記載の画像管理装置。
【請求項11】
前記バックアップ管理部は、
前記第3のストレージ装置のうち、空き容量が最も大きいストレージ装置に、前記データを移動させることを特徴とする請求項10に記載の画像管理装置。
【請求項12】
過去のバックアップ時における前記各ストレージ装置の負荷を監視し、その監視結果に基づいて、指定数を算出する指定数算出部をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の画像管理装置。
【請求項13】
前記バックアップ管理部は、
前記バックアップするデータを、現在ストレージ装置に保存されているデータと前回のバックアップされたデータとの差分データとすることを特徴とする請求項7〜12のいずれか一項に記載の画像管理装置。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の画像管理装置と、
前記複数のストレージ装置と、を備える画像管理システム。
【請求項15】
前記画像管理装置と通信ネットワークによって接続され、前記画像管理装置によって管理される画像データを表示する画像表示装置をさらに備えることを特徴とする請求項14に記載の画像管理システム。
【請求項16】
前記画像管理装置と通信ネットワークによって接続され、前記画像管理装置によって管理される画像情報をバックアップする画像バックアップ装置をさらに備えることを特徴とする請求項14又は15に記載の画像管理システム。
【請求項1】
付帯情報及び画像データからなる画像情報を保管するための複数のストレージ装置を管理する画像管理装置であって、
複数のストレージ装置を、少なくとも、画像情報を書き込み可能なグループと画像データの書き込みが禁止されるグループとに分類するグループ管理部と、
前記画像情報を書き込み可能なグループに属するストレージ装置のうち、空き容量の最も大きなストレージ装置を選択し、選択されたストレージ装置に画像情報の書き込みを行うデータ管理部と、
を備えることを特徴とする画像管理装置。
【請求項2】
前記グループ管理部は、
画像の保管が行われていない、前記2つのグループとは異なるストレージ装置を予備のグループに分類し、
前記画像情報を書き込み可能なグループに属するストレージ装置のうち、前記画像情報を記憶する空き容量のないストレージ装置がある場合には、そのストレージ装置を画像情報の書き込み可能なグループから除外し、
前記予備のグループに属するストレージ装置を、前記画像情報を書き込み可能なグループに移行させることを特徴とする請求項1に記載の画像管理装置。
【請求項3】
前記グループ管理部は、
前記書き込み可能なグループから除外されたストレージ装置を、前記画像データの書き込みが禁止されるグループに移行させ、
前記データ管理部は、
前記画像データの書き込みが禁止されるグループに属するストレージ装置に対しては、前記付帯情報の書き換えを可能とすることを特徴とする請求項2に記載の画像管理装置。
【請求項4】
前記グループ管理部は、
前記ストレージ装置が、前記画像データの書き込みが禁止されるグループに属する期間を有限とし、
当該期間が過ぎたストレージ装置を、前記画像データの書き込みが禁止されるグループから、画像情報の書き込みが禁止されるグループに移行させ、
前記データ管理部は、
前記画像情報の書き込みが禁止されるグループに属するストレージ装置に対しては、画像情報の書き込みを禁止することを特徴とする請求項3に記載の画像管理装置。
【請求項5】
前記画像情報が保存されてから再び読み出されるまでの時間の統計量に基づいて、前記期間を算出する期間算出部をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の画像管理装置。
【請求項6】
前記データ管理部は、
前記画像情報の書き込みが禁止されるグループのストレージ装置に保管される画像情報の付帯情報を書き換える場合には、
前記付帯情報の書き換えの対象となっている画像情報を、当該画像情報が保存されているストレージ装置から、前記画像情報を書き込み可能なグループに属するストレージ装置に移動させ、
前記画像データの移動先のストレージ装置に記憶される前記画像情報に対して、前記付帯情報を書き換えることを特徴とする請求項4に記載の画像管理装置。
【請求項7】
前回のバックアップ時とは記憶するデータの内容が異なるストレージ装置に保存されたデータのバックアップを定期的に行うバックアップ管理部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像管理装置。
【請求項8】
前記バックアップ管理部は、
バックアップ対象のストレージ装置の数が、指定数を超えた場合には、ストレージ装置間のデータの移動により、バックアップ対象のストレージ装置の数を削減することを特徴とする請求項7に記載の画像管理装置。
【請求項9】
バックアップを行う対象のストレージ装置には、
前回のバックアップ時に、画像情報を書き込み可能なグループに属していた第1のストレージ装置と、前回のバックアップ時に、画像データの書き込みが禁止されるグループに属していた第2のストレージ装置と、前回のバックアップ時と、今回のバックアップ時との間に、画像情報を書き込み可能なグループに属することとなった第3のストレージ装置とが含まれ、
前記バックアップ管理部は、
バックアップ対象のストレージ装置の数が、指定数を超えた場合には、前記第2のストレージ装置に保存されたデータを、前記第3のストレージ装置に移動させることを特徴とする請求項8に記載の画像管理装置。
【請求項10】
前記バックアップ管理部は、
前記画像データの書き込みが禁止されるグループに属するストレージ装置に保存されたデータを、前記第3のストレージ装置に移動させた後も、バックアップを行うストレージ装置の数が、指定されたバックアップ装置数を超えていた場合には、
前記第1のグループに属するストレージ装置に保存されたデータを、前記第3のストレージ装置に移動させることを特徴とする請求項9に記載の画像管理装置。
【請求項11】
前記バックアップ管理部は、
前記第3のストレージ装置のうち、空き容量が最も大きいストレージ装置に、前記データを移動させることを特徴とする請求項10に記載の画像管理装置。
【請求項12】
過去のバックアップ時における前記各ストレージ装置の負荷を監視し、その監視結果に基づいて、指定数を算出する指定数算出部をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の画像管理装置。
【請求項13】
前記バックアップ管理部は、
前記バックアップするデータを、現在ストレージ装置に保存されているデータと前回のバックアップされたデータとの差分データとすることを特徴とする請求項7〜12のいずれか一項に記載の画像管理装置。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の画像管理装置と、
前記複数のストレージ装置と、を備える画像管理システム。
【請求項15】
前記画像管理装置と通信ネットワークによって接続され、前記画像管理装置によって管理される画像データを表示する画像表示装置をさらに備えることを特徴とする請求項14に記載の画像管理システム。
【請求項16】
前記画像管理装置と通信ネットワークによって接続され、前記画像管理装置によって管理される画像情報をバックアップする画像バックアップ装置をさらに備えることを特徴とする請求項14又は15に記載の画像管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−71039(P2008−71039A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−247954(P2006−247954)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
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