画像表示装置およびそのプログラム
【課題】多数の断層画像からなる三次元画像データのうち比較対象部位が撮影されている三次元画像データを自動的に検索して表示する。
【解決手段】部位認識手段32で、三次元画像データを構成する断層画像それぞれについて、いずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識する。選択手段31で選択された基準三次元画像データの各断層画像に撮影されている部位を前記部位認識手段32を用いて認識した結果と、三次元画像記憶手段30の中の他の三次元画像データの各断層画像に撮影されている部位を前記部位認識手段32を用いて認識した結果とを比較して、検索手段33により基準三次元画像データの断層画像の部位中の少なくとも1つの部位の断層画像を含む三次元画像データを他の三次元画像データの中から検索して、表示手段34で検索された三次元画像データを表示する。
【解決手段】部位認識手段32で、三次元画像データを構成する断層画像それぞれについて、いずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識する。選択手段31で選択された基準三次元画像データの各断層画像に撮影されている部位を前記部位認識手段32を用いて認識した結果と、三次元画像記憶手段30の中の他の三次元画像データの各断層画像に撮影されている部位を前記部位認識手段32を用いて認識した結果とを比較して、検索手段33により基準三次元画像データの断層画像の部位中の少なくとも1つの部位の断層画像を含む三次元画像データを他の三次元画像データの中から検索して、表示手段34で検索された三次元画像データを表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体や動物の特定の部位を撮影した断層画像を表示するための画像表示装置およびそのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、CTやMRI等の撮影モダリティの高速化やマルチスライス対応といった高性能化に伴い、1つの撮影シリーズで被写体の複数の部位の撮影を行い、数百から数千の断層画像を取得することが可能になってきている。これにより、被写体は部位毎に何度も撮影を受ける必要がなくなり、患者の負担は軽減されてきた。
【0003】
このような多数の断層画像からなる複数のシリーズの中から診断するシリーズを選択させる際には、表示スペースなどの理由から1シリーズの断層画像を重ねて1シリーズの断層画像の先頭に位置する断層画像のサムネイル画像のみを表示している(例えば、特許文献1)。
【0004】
さらに、表示した複数のサムネイル画像の中から診断対象となるシリーズを選択して読影を行う。読影を行う際には、1シリーズには複数枚の断層画像が含まれているので、選択したシリーズに含まれる全部の断層画像を確認するために、サムネイル画像上でマウスのホイール操作等を行うことにより1枚ずつ順番に表示させている。
【特許文献1】特開2004−73680号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
診断対象のシリーズの断層画像の診断を行う際、診断対象の画像を該画像と同じ被写体を撮影した過去の画像とを比較読影することがある。比較読影をするには診断対象シリーズの画像と同じ部位が撮影されているシリーズ(比較対象シリーズ)を探さなければならないが、画面上には1シリーズの断層画像の最初の断層画像しか表示されないため、医師は断層画像を順に切り替えながら1枚ずつ表示して撮影部位を確認する作業がしばしば発生し非常に手間である。例えば、診断対象シリーズの画像の撮影部位が「胸部〜腹部」であるとき比較対象シリーズの画像にも同じ部位が撮影されていなければならないが、サムネイル画像で表示されている先頭の断層画像が頭部の場合には、撮影部位が「頭部〜頚部」であるか「頭部〜骨盤」であるかの判断がつかないため、断層画像を順に切り替えて表示させて確認しなければならなかった。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、多数の断層画像からなる複数の三次元画像データのうち比較対象部位が撮影されている三次元画像データを自動的に選択表示することができる画像表示装置およびそのプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の画像表示装置は、被写体を撮影した複数枚の断層画像で構成された三次元画像データを表示する画像表示装置であって、前記三次元画像データを複数記憶する三次元画像記憶手段と、各三次元画像データを構成する断層画像それぞれについて、いずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識する部位認識手段と、前記複数の三次元画像データの中から1つを基準三次元画像データとして選択する選択手段と、該選択手段により選択された基準三次元画像データの各断層画像に撮影されている部位を前記部位認識手段を用いて認識した結果と、前記三次元画像データの中の他の三次元画像データの各断層画像に撮影されている部位を前記部位認識手段を用いて認識した結果とを比較して、前記基準三次元画像データの断層画像の部位中の少なくとも1つの部位の断層画像を含む三次元画像データを前記他の三次元画像データの中から検索する検索手段と、該検索手段により検索された三次元画像データを表示する表示手段とを備えることを特徴とするものである。
【0008】
本発明のプログラムは、コンピュータを、被写体を撮影した複数枚の断層画像で構成された三次元画像データの各断層画像それぞれについて、いずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識する部位認識手段と、複数の三次元画像データの中から1つを基準三次元画像データとして選択する選択手段と、該選択手段により選択された基準三次元画像データの各断層画像に撮影されている部位を前記部位認識手段を用いて認識した結果と、前記複数の三次元画像データの中の他の三次元画像データの各断層画像に撮影されている部位を前記部位認識手段を用いて認識した結果とを比較して、前記基準三次元画像データの断層画像の部位中の少なくとも1つの部位の断層画像を含む三次元画像データを前記他の三次元画像データの中から検索する検索手段と、該検索手段により検索された三次元画像データを表示する表示手段として機能させることを特徴とするものである。
【0009】
「被写体」の具体例としては、人体が挙げられるが、他の動物等であってもよい。
【0010】
「部位」とは、被写体が人体の場合、人体の体部を識別するものであり、具体例としては、頭部、頸部、胸部、腹部、骨盤部、脚部の他、前記各部のうち隣接する2つの部位の両方を含む部位、例えば頭頸部や胸腹部等が挙げられる。
【0011】
本発明の他の画像表示装置は、被写体を撮影した複数枚の断層画像で構成された三次元画像データを表示する画像表示装置であって、前記三次元画像データを複数記憶する三次元画像記憶手段と、各三次元画像データを構成する断層画像それぞれについていずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識する部位認識処理を施して得られた各断層画像の部位情報を、各断層画像それぞれに対応付けて記憶する部位情報記憶手段と、部位または部位の範囲を入力する入力手段と、該入力手段から入力された部位または部位の範囲の少なくとも一部が撮影された断層画像を含む三次元画像データを、前記部位情報記憶手段に記憶されている三次元画像データの各断層画像に対応付けられている部位情報に基づいて検索する検索手段と、該検索手段により検索された三次元画像データを表示する表示手段とを備えることを特徴とするものである。
【0012】
本発明の他のプログラムは、コンピュータを、部位または部位の範囲を入力する入力手段と、該入力手段から入力された部位または部位の範囲の少なくとも一部が撮影された断層画像を含む三次元画像データを、複数の三次元画像データの各断層画像に対応付けられている、該断層画像それぞれについていずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識する部位認識処理を施して得られた各断層画像の部位情報に基づいて検索する検索手段と、該検索手段により検索された三次元画像データを表示する表示手段として機能させるものである。
【0013】
本発明のさらに他の画像表示装置は、被写体を撮影した複数枚の断層画像で構成された三次元画像データを表示する画像表示装置であって、前記三次元画像データを複数記憶する三次元画像記憶手段と、各三次元画像データを構成する断層画像それぞれについて、いずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識する部位認識手段と、該部位認識手段により得られた各断層画像の部位情報を、各断層画像それぞれに対応させて記憶する部位情報記憶手段と、部位または部位の範囲を入力する入力手段と、該入力手段から入力された部位または部位の範囲の少なくとも一部が撮影された断層画像を含む三次元画像データを、前記複数の三次元画像データの各断層画像に対応付けられている部位情報に基づいて検索する検索手段と、該検索手段により検索された三次元画像データを表示する表示手段とを備えることを特徴とするものである。
【0014】
本発明のさらに他のプログラムは、コンピュータを、被写体を撮影した複数枚の断層画像で構成された三次元画像データの各断層画像それぞれについて、いずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識する部位認識手段と、部位または部位の範囲を入力する入力手段と、該入力手段から入力された部位または部位の範囲の少なくとも一部が撮影された断層画像を含む三次元画像データを、複数の三次元画像データの各断層画像に対応付けられている、該断層画像それぞれについて前記部位認識手段により得られた各断層画像の部位情報に基づいて検索する検索手段と、該検索手段により検索された三次元画像データを表示する表示手段として機能させることを特徴とするものである。
【0015】
また、前記他の画像表示装置が、前記複数の三次元画像データの中から基準三次元画像データを1つ選択する選択手段をさらに備えるように構成した場合には、前記入力手段が、前記選択手段により選択された基準三次元画像データを構成する各断層画像の部位情報に基づいて、前記表示する部位または部位の範囲を入力するものであってもよい。
【0016】
また、前記部位情報は、前記各断層画像が被写体の頭部、頚部、胸部、胸腹部、腹部、骨盤部および脚部のうちいずれの部位を撮影した画像であるかを表すものであってもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、三次元画像データを構成する断層画像それぞれについて、いずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識して、基準となる三次元画像データに撮影されている部位または部位の範囲の少なくとも一部が撮影された断層画像を含む三次元画像データを検索することにより、三次元画像データの断層画像を全て表示して確認することなく、比較対象となる三次元画像データを探し出すことができる。
【0018】
あるいは、診断対象となる部位や部位の範囲を入力して、入力された部位や部位の範囲が撮影された三次元画像データを部位認識した結果を用いて検索することにより、三次元画像データの断層画像を全て表示して確認することなく、対象となる三次元画像データを探し出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ、本発明の第1の実施の形態について説明する。
【0020】
図1に、第1の実施の形態となる医療情報システム1の概略構成を示す。図に示すように、このシステムは、医用画像の撮影装置(モダリティ)2、読影ワークステーション3、画像管理サーバ4が、ネットワーク5を介して互いに通信可能な状態で接続されて構成されている。読影ワークステーション3や画像管理サーバ4は、CD−ROM等の記録媒体からインストールされたプログラムによって制御される。また、プログラムは、インターネット等のネットワーク経由で接続されたサーバからダウンロードされた後にインストールされたものであってもよい。
【0021】
モダリティ2には、被写体の検査対象部位を撮影することにより、その部位を表した複数枚の断層画像を生成し、その断層画像にDICOM規格で規定された付帯情報をする機能を備えている。付帯情報は、そのモダリティ等のメーカー独自の規格のものであってもよい。モダリティ2の具体例としては、CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、PET(Positron Emission Tomography)などが挙げられる。
【0022】
読影ワークステーション3は、画像診断医が画像の読影や読影レポートの作成に利用する装置であり、処理装置と1台または2台の高精細ディスプレイとキーボード・マウスなどの入力機器により構成される。この装置では、画像管理サーバ4に対する画像の閲覧要求や、画像管理サーバ4から受信した画像に対する各種画像処理、画像の表示、画像中の病変らしき部分の自動検出・強調表示、読影レポートの作成の支援、読影レポートサーバ(図示なし)に対する読影レポートの登録要求や閲覧要求、読影レポートサーバから受信した読影レポートの表示等が行われる。また、この読影ワークステーション3には断層画像の表示・選択を行うためのプログラムがインストールされている(後に詳述)。
【0023】
画像管理サーバ4は、汎用の比較的処理能力の高いコンピュータにデータベース管理システム(DataBase Management System: DBMS)の機能を提供するソフトウェアプログラムが組み込まれたものであり、大容量ストレージを備えている。
【0024】
画像管理サーバ4は、モダリティ2からの1回の検査で撮影された複数の断層画像を1シリーズとして三次元画像データの登録を受け付けると、その三次元画像データをDICOMなどのフォーマットで登録する。DICOMの付帯情報には、例えば、個々の画像を識別するための画像ID、被写体を識別するための患者ID、検査を識別するための検査ID、画像データごとに割り振られるユニークなID(UID)、その画像データが生成された検査日、検査時刻、その画像データを取得するための検査で使用されたモダリティ2の種類、患者氏名、年齢、性別などの患者情報、検査部位(撮影部位)、撮影情報(撮影プロトコル、撮影シーケンス、撮像手法、撮影条件、造影剤の使用、三次元画像データの断層画像の間隔など)、1回の検査で複数の画像を取得したときのシリーズ番号あるいは採取番号などの情報が含まれる。
【0025】
また、画像管理サーバ4は、読影ワークステーション3からの閲覧要求をネットワーク5経由で受信すると、登録されている三次元画像データを検索して、検索された三次元画像データを要求元の読影ワークステーション3に送信する。
【0026】
読影ワークステーション3は、画像診断医等のユーザによって読影対象画像の閲覧を要求する操作が行われると、画像管理サーバ4に対して閲覧要求を送信し、読影に必要な三次元画像データを取得する。そして、その三次元画像データを表示画面上に表示する。
【0027】
また、読影ワークステーション3には、画像表示用のプログラムがインストールされて本願発明の画像表示装置として機能し、図2に示すように、三次元画像データを記憶する三次元画像記憶手段30と、三次元画像データより基準三次元画像データを選択する選択手段31と、三次元画像データを構成する断層画像それぞれの部位を認識する部位認識手段32と、基準三次元画像データと同じ部位を含む三次元画像データを検索する検索手段33と、検索された三次元画像データを表示する表示手段34を備える。
【0028】
三次元画像記憶手段30は、ハードディスクなどの記憶装置であり、画像管理サーバ4から取得した三次元画像データを記憶する。例えば、観察対象となる特定の患者の患者IDを画像管理サーバ4に送信して、その被写体を撮影した三次元画像データを全て取得して三次元画像記憶手段30に記憶する。
【0029】
選択手段31は、三次元画像記憶手段30に記憶されている三次元画像データの中から、基準三次元画像データをユーザに選択させるインターフェースとして機能する。各三次元画像データは複数の断層画像で構成されるが、図3に示すように、断層画像のうち先頭の断層画像のサムネイル画像tを三次元画像データを代表する画像として並べて表示し、表示されている複数のサムネイル画像tの中からキーボード・マウスなどの入力機器を用いてユーザに選択させ、選択された三次元画像データを基準三次元画像データとする(図3では、実線で囲んだサムネイル画像が選択された状態を表している)。あるいは、診断対象とする基準三次元画像データは、三次元画像データの付帯情報に記録されている検査IDを指定することにより、指定された検査IDの三次元画像データが基準三次元画像データとして選択されるようにしてもよい。
【0030】
部位認識手段32は、三次元画像データを構成する複数枚の断層画像それぞれに対して部位認識処理を行い、各断層画像に撮影されている部位を認識する。この部位認識処理では、各断層画像に撮影された画像の各部位らしさのスコアを学習器などを用いて算出した後に、さらに、断層画像の部位を、人体の体部の上から下に向かって並べた並び順(例えば、頭部、頭頸部、頸部、胸部、胸腹部、腹部、骨盤部、脚部の順)が保たれるように決定する。
【0031】
具体的には、まず、各部位(頭部、頭頸部、頸部、胸部、胸腹部、腹部、骨盤部、脚部など)をクラスとして定義し、断層画像から抽出された人体領域の数、人体領域中の空気領域や骨領域の人体領域に対する割合、その人体領域の円形度等の特徴量を用いて各クラス毎に学習して、各部位らしさのスコアを算出する学習器を生成しておく。この学習器を用いて、各断層画像ごとに各クラスのスコアを計算する。スコアだけ見ると、胸部のスコアが一番高い断層画像の間に腹部のスコアが一番高い断層画像が挟まれている場合がある。しかし、断層画像は胸部〜胸腹部〜腹部の断層画像へと人体の部位の並びにしたがって連続的に変わっていくので、胸部のスコアが高い断層画像の間に腹部のスコアが高い断層画像が存在していても、その断層画像は実際には腹部ではなく胸部の断層画像である可能性が高い。そこで、断層画像毎の各クラスのスコアの値と部位の連続性に基づき、動的計画法(DPマッチング;Dynamic Programming)用いて各断層画像の部位を決定する(詳細は、本出願人が出願の特開2008−6188などを参照)。
【0032】
検索手段33は、基準三次元画像データの断層画像に撮影されている部位や部位の範囲が重なる部位が撮影された断層画像を含む三次元画像データを、基準三次元画像データに部位認識処理を施してして得られた結果と三次元画像記憶手段30に記憶されている三次元画像データに部位認識処理を施して得られた結果とを比較して検索する。
【0033】
該当する三次元画像データの検索は、具体的には、断層画像の部位の一致度を利用する。例えば、図4に示すように三次元画像データ1を基準三次元画像データとする。三次元画像データ1と三次元画像データ2の断層画像の部位を比較した際に、三次元画像データ2の部位に三次元画像データ1の部位が含まれる場合、もしくは、図5に示すように同一である場合は、比較診断対象部位が含まれていると判断して三次元画像データ2を取り出す。また、図6に示すように、完全に一致する部位がなければ、比較診断する対象部位が含まれていないと判断する。図7のように、三次元画像データ1とわずかに一致する部位が三次元画像データ2に存在するケースでは、三次元画像データ1の部位の数の半分以上が含まれていれば、比較対象の画像と判断するようにすればよい。
【0034】
このような判断に加えて、断層画像のスライス間隔をさらに利用して、基準三次元画像データと同一の部位の体軸方向の長さ(距離)を基準にして、比較対象の画像であるか否かを判断してもよい。すなわち、図7では、CHESTのみ一致し、基準三次元画像データの部位数(HEAD,HEAD_NECK,NECK,CHEST)のうちの1個しか写っていないので、比較診断する対象部位が含まれていないと判断してもよいが、CHESTの断層画像の枚数×スライス間隔を計算し、基準三次元画像データの体軸方向の長さが何割一致しているかを計算し、一致する長さの割合が大きければ対象部位を含んでいると判断する。あるいは、一致する部位の断層画像の数や距離情報を表示するようにして、ユーザに判断してもらうようにしてもよい。
【0035】
さらに、上記のようにどの程度撮影されている部位が重なるかに加えて、部位の境界からの距離も考慮して判断するようにしてもよい。例えば、同じ部位を撮影しようとしても、わずかに撮影範囲がずれることがある。例えば、胸部を撮影しようとした場合に、ある画像ではNECKが完全に写らない三次元画像データとなり、ある画像ではNECKがわずかにうつっている三次元画像データとなるケースがある。このようなケースでは、部位認識結果は、断層画像がCHESTから始まるか、NECKから始まるかというように異なった結果となる(図8参照)。そのため、断層画像のスライス間隔を考慮して、部位の境界からの距離が標準的な部位の長さに対してあまりにも小さい場合は、撮影誤差と判断して撮影部位範囲をNECKからではなく、CHESTからと修正した後、上記ように、部位の一致度を利用して識別をしてもよい。例えば、人体のNECKの長さは2mmであるとは考えられないので、撮影誤差と判断する。閾値は、人体の部位の標準長に基づき決定すればよい。
【0036】
さらに、断層画像のスライスの位置合わせを行って判断するようにしてもよい。まず、部位の境界が一致するように、断層画像のスライスの位置合わせを行った(あるいは、あるスライスでの部位の比率を利用した位置合わせ)後に、一致するスライスの体軸方向の距離(長さ)を計算して、比較対象画像であるかを判断する。例えば、2つの三次元画像データ(三次元画像データ1:断層画像の6枚、三次元画像データ2:断層画像の8枚)の部位認識結果が下表1であったとする。部位の境界で位置合わせを行ったとすると、三次元画像データ1のスライス4と、三次元画像データ2のスライス2が一致する。この対応関係を基準に考えると、三次元画像データ1のスライス番号1、2は、三次元画像データ2と対応するスライス番号が無い。そして、三次元画像データ1のスライス番号3〜6が、三次元画像データ2のスライス番号1〜4に対応することになる。したがって、4枚の断層画像のみ対応する断層画像があることになるので、スライス間隔との積を求めれば、撮影部位が一致する体軸方向の長さが求まり、この体軸方向にある程度の長さがあれば、比較診断対象の画像であると判断する。例えば、あらかじめ10cm一致すれば比較診断対象と判断するなど決めておけばよい。また、撮影部位が一致する体軸方向の長さを表示するようにし、ユーザに判断してもらうようにしても良い(位置合わせ手法の詳細については、本願出願人が出願の特開2008−6188などを参照)。
【表1】
【0037】
表示手段34は、検索手段33により検索された三次元画像データが確認できるように表示する。例えば、検索された三次元画像データのみの一覧を表示してもよいし、三次元画像記憶手段30に記憶されている三次元画像データの一覧から、該当する三次元画像データのがわかるようにマークをつけて表示してもよい。例えば、図3に示すように、各三次元画像データを代表するサムネイル画像(断層画像の先頭のサムネイル画像)の一覧を表示しておき、検索された三次元画像データに該当するサムネイル画像の枠の色(図3では、破線で囲んで表している)のみを変えたり、該当する三次元画像データのみが選択できるようにアクティブ表示にするなど、検索された三次元画像データであることがわかるように表示されればよい。
【0038】
さらに、図9に示すように、基準三次元画像データと検索された三次元画像データの撮影部位範囲をシェーマ図とともに示すようにしてもよい。あるいは、図10に示すように、基準三次元画像データと検索された三次元画像データの撮影部位範囲をコロナル画像(あるいはサジタル画像)とともに示すようにしてもよい。
【0039】
次に、図11のフローチャートに従って、本発明の画像表示処理の流れについて説明する。
【0040】
まず、読影を行う医師が読影ワークステーション3から診断対象となる被写体の患者IDを入力して、診断対象となる三次元画像データの取得要求を画像管理サーバ4に送信する。画像管理サーバ4は、取得要求と共に送られてきた患者IDと一致する三次元画像データを全て検索して、読影ワークステーション3へ送信する。読影ワークステーション3では受信した三次元画像データを三次元画像記憶手段30に一旦記憶する(S100)。
【0041】
選択手段31は、三次元画像記憶手段30に記憶された三次元画像データのサムネイル画像の一覧を表示画面上に表示する(S101)。ユーザはその一覧の中から、診断する三次元画像データを基準三次元画像データとして選択する。選択された基準三次元画像データのサムネイル画像を赤枠(図3では、実線で表している)で囲んで表示する(S102)。
【0042】
診断を行う場合には、過去に撮影された同じ部位と比較して診断を行うが、サムネイル画像は先頭の三次元画像データの断層画像が1枚のみが表示されるので、この状態ではどの三次元画像データに基準三次元画像データと比較する部位が撮影されているかわからない。
【0043】
そこで、検索手段33で、基準三次元画像データの各断層画像に撮影されている部位を部位認識手段32を用いて認識した結果と、三次元画像記憶手段30に記憶されている三次元画像データ(基準三次元画像として選択された画像を除く)の各断層画像に撮影されている部位を部位認識手段を32用いて認識した結果とを比較して、同じ部位が撮影されている三次元画像データを検索する(S103)。
【0044】
検索手段33により同じ部位が撮影されていると判定されて検索された三次元画像データのサムネイル画像が、表示手段34により青枠(図3では、破線で表している)で囲まれて表示される。さらに、必要に応じて、検索された三次元画像データと基準三次元画像データの撮影部位範囲とが比較できるように、図9のシェーマ図や、図10の撮影部位範囲を示すコロナル画像(あるいはサジタル画像)を別ウィンドウで表示する(S104)。
【0045】
ユーザは、検索された三次元画像データの中から基準三次元画像データと比較する三次元画像データを選択して、選択した三次元画像データの断層画像を表示装置上に表示して基準三次元画像データの断層画像と比較読影を行う(S105)。
【0046】
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態の医療情報システム1の概略構成は前述の第1の実施の形態と同じである。本実施の形態が第1の実施の形態と異なる構成を備えるのは、読影ワークステーション(画像表示装置)である。本実施の形態の構成のうち前述の実施の形態と略同じ構成のものには同一の符号を付して詳細な説明は省略し、異なる構成についてのみ詳細な説明をする。
【0047】
読影ワークステーション3は、図12に示すように、三次元画像データを記憶する三次元画像記憶手段30と、三次元画像データより基準三次元画像データを選択する選択手段31と、三次元画像データを構成する断層画像それぞれの部位を認識する部位認識手段32と、三次元画像データを構成する断層画像それぞれの部位情報を記憶する部位情報記憶手段35と、部位または部位の範囲を入力する入力手段36と、三次元画像データを検索する検索手段33aと、検索された三次元画像データを表示する表示手段34を備える。
【0048】
部位情報記憶手段35は、三次元画像データの各断層画像がいずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識する部位認識処理を施して得られた各断層画像の部位情報(例えば、部位名のテキストまたは各部位を識別するコード)を、各断層画像それぞれに対応付けて記憶する。この部位情報記憶手段35は、三次元画像記憶手段30と同じ記憶装置であっても異なる記憶装置あってもよい。また、部位情報は断層画像の付帯情報として各断層画像に直接付帯されていてもよいし、部位情報と断層画像とを別のデータとして部位情報と断層画像とが関連付けられるようにリンクされていてもよい。
【0049】
入力手段36は、検索する三次元画像データを構成する断層画像に撮影されている部位または部位の範囲を入力する。具体的には、選択手段31で選択された基準三次元画像データの各断層画像に対応付けられている部位情報を、部位や部位の範囲として入力してもよい。あるいは、部位または部位範囲入力用の入力画面を用意しておき、入力画面からユーザが部位名や部位の範囲を入力してもよい。
【0050】
検索手段33aは、入力手段36より入力された部位や部位の範囲の断層画像を含む三次元画像データを検索する。入力手段36から基準三次元画像データの部位情報が入力された場合には、部位情報記憶手段35に記憶されている基準三次元画像データ以外の三次元画像データの各断面画像の部位情報を参照して検索するが、具体的には前述の第1の実施の形態で説明した検索手段33と同様に基準三次元画像データと他の三次元画像データに撮影されている部位の比較を行って判断する。
【0051】
部位名や部位の範囲のみが入力された場合には、部位情報記憶手段35に記憶されている三次元画像データの各断面の部位情報から、ユーザが入力した部位名や部位の範囲の断層画像が含まれているかを判断して該当する三次元画像データを検索する。
【0052】
次に、図13のフローチャートに従って、第2の実施の形態の画像表示処理の流れについて説明する。
【0053】
まず、読影を行う医師が読影ワークステーション3から診断対象となる被写体の患者IDを入力して、診断対象となる三次元画像データの取得要求を画像管理サーバ4に送信する。画像管理サーバ4は、取得要求と共に送られてきた患者IDと一致する三次元画像データを全て検索して、読影ワークステーション3へ送信する。読影ワークステーション3は受信した三次元画像データを三次元画像記憶手段30に一旦記憶する(S110)。
【0054】
ここで、三次元画像記憶手段30に記憶されている三次元画像データに対して部位認識手段32を用いて部位認識処理を先に施して、その結果得られた部位情報を部位情報記憶手段35に記憶する(S111)。
【0055】
選択手段31で三次元画像記憶手段30に記憶された三次元画像データのサムネイル画像の一覧を表示画面上に表示し(S112)、ユーザはその一覧の中から、診断する三次元画像データを基準三次元画像データとして選択する。選択された基準三次元画像データのサムネイル画像を赤枠(図3では実線で表している)で囲んで表示する(S113)。
【0056】
基準三次元画像データの各断層画像の部位情報を入力手段36に受け渡す(S114)。検索手段33aは、入力手段36から入力された基準三次元画像データの部位情報と、部位情報記憶手段35に記憶されている他の三次元画像データの部位情報とを比較して、該当する三次元画像データを検索する(S115)。表示手段34で、検索手段33aにより検索された三次元画像データのサムネイル画像を青枠(図3では破線で表している)で囲んで表示する(S116)。
【0057】
ユーザは、検索された三次元画像データの中から基準三次元画像データと比較する三次元画像データを選択して、選択した三次元画像データの断層画像を表示装置上に表示して基準三次元画像データの断層画像と比較読影を行う(S117)。
【0058】
あるいは、図14のフローチャートのように、ユーザが入力した部位や部位の範囲を含む三次元画像データを検索するようにしてもよい。
【0059】
前述の処理の流れと同様に、画像管理サーバ4から送られてきた三次元画像データは、読影ワークステーション3へ送信され、読影ワークステーション3の三次元画像記憶手段30に一旦記憶する(S120)。三次元画像記憶手段30にされている三次元画像データに対して、部位認識手段32を用いて部位認識処理を先に施して、その結果得られた部位情報を部位情報記憶手段35に記憶する(S121)。
【0060】
ユーザは、入力手段36で、入力画面から部位名や部位の範囲を入力する(S122)。検索手段33aでは、部位情報記憶手段35に記憶されている三次元画像データの各断層画像の部位情報から、ユーザが入力した部位名や部位の範囲が含まれているかを判断して、該当する三次元画像データを検索する(S123)。表示手段34で、検索手段33aにより検索された三次元画像データのサムネイル画像を表示する(S124)。
【0061】
さらに、ユーザは、検索された三次元画像データの中から基準三次元画像データと比較する三次元画像データを選択して、選択した三次元画像データの断層画像を表示装置上に表示して基準三次元画像データの断層画像と比較読影を行う(S125)。
【0062】
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態の医療情報システム1の概略構成は前述の第1、第2の実施の形態と略同じであるが、画像管理サーバに部位認識機能を提供するソフトウェアプログラムが組み込まれている場合について説明する。本実施の形態の構成のうち前述の実施の形態と略同じ構成のものには同一の符号を付して詳細な説明は省略し、異なる構成についてのみ詳細な説明をする。
【0063】
本実施の形態の画像管理サーバ4は、図15に示すように、三次元画像データを記憶する三次元画像記憶手段30と、三次元画像データを構成する断層画像それぞれの部位を認識する部位認識手段32と、三次元画像データを構成する断層画像それぞれの部位情報を記憶する部位情報記憶手段35と、三次元画像データを検索する検索手段33bとを備える。
【0064】
一方、読影ワークステーション3は、図16に示すように、三次元画像データより基準三次元画像データを選択する選択手段31bと、部位または部位の範囲を入力する入力手段36bと、検索された三次元画像データを表示する表示手段34bとを備える。
【0065】
選択手段31bは、画像管理サーバ4の画像記憶手段30に記憶されている三次元画像データの中からユーザに基準三次元画像データを選択させる。具体的には、例えば画像管理サーバ4から画像記憶手段30に記憶されている三次元画像データの先頭の断層画像のサムネイル画像を受信して一覧表示し、サムネイル画像の中からキーボード・マウスなどの入力機器を用いてユーザに選択させ、選択された三次元画像データを基準三次元画像データとする。
【0066】
入力手段36bは、基準三次元画像データの部位情報を画像管理サーバ4から受け取って、部位や部位の範囲を表す情報として、画像管理サーバ4の検索手段33bに受け渡す。あるいは、入力画面からユーザが部位名や部位の範囲を入力したデータを、画像管理サーバ4の検索手段33bに受け渡す。
【0067】
画像管理サーバ4の検索手段33bは、読影ワークステーション3の入力手段36bから受け渡された部位情報や入力手段36bからユーザが入力した部位のデータに基づいて、部位情報記憶手段35に記憶されている部位情報を参照して該当する三次元画像データを検索し、検索した結果を読影ワークステーション3に送信する。
【0068】
読影ワークステーション3の表示手段34bは、画像管理サーバ4から受信した検索結果にしたがって該当する三次元画像データが確認できるように表示を行う。例えば、三次元画像データのサムネイル画像の一覧から該当する三次元画像データのみの枠の色を変えて表示する。
【0069】
次に、図17のフローチャートに従って、第3の実施の形態の画像表示処理の流れについて説明する。
【0070】
画像管理サーバ4では、予め、三次元画像記憶手段30に記憶されている三次元画像データに対して部位認識手段32を用いて部位認識処理を施して、その結果を部位情報記憶手段35に記憶しておく(S140)。
【0071】
まず、読影を行う医師が読影ワークステーション3から診断対象となる被写体の患者IDを入力して、診断対象となる三次元画像データの取得要求を画像管理サーバ4に送信する(S130)。画像管理サーバ4は、取得要求と共に送られてきた患者IDと一致する三次元画像データを全て検索して、サムネイル画像を読影ワークステーション3へ送信する(S141)。
【0072】
読影ワークステーション3では、選択手段31bで受信した三次元画像データのサムネイル画像を一覧表示する(S131)。ユーザはその一覧の中から、診断する三次元画像データを基準三次元画像データとして選択する(S132)。選択された基準三次元画像データの断層画像の部位情報を画像管理サーバ4に要求する。画像管理サーバ4から基準三次元画像データの断層画像の部位情報が読影ワークステーション3に送信され(S142)、その部位情報を入力手段36bに受け渡す。
【0073】
読影ワークステーション3から画像管理サーバ4へ基準三次元画像データの断層画像の部位情報が送信され(S133)、画像管理サーバ4の検索手段33bは、送信された基準三次元画像データの断層画像の部位情報と部位情報記憶手段35に記憶されている他の三次元画像データの部位情報とを比較して、該当する三次元画像データを検索する(S143)。
【0074】
画像管理サーバ4から読影ワークステーション3に検索された三次元画像データのデータが送信され、読影ワークステーション3の表示手段34bで、検索手段33bにより検索された三次元画像データのサムネイル画像を青枠で囲んで表示する(S134)。
【0075】
ユーザが、検索された三次元画像データの中から基準三次元画像データと比較する三次元画像データを選択すると、読影ワークステーション3から選択された三次元画像データの断層画像の送信要求が画像管理サーバ4に送信され(S135)、画像管理サーバ4から断層画像が読影ワークステーション3に送信される(S144)。読影ワークステーション3の表示装置上に受信した断層画像を表示して基準三次元画像データの断層画像と比較読影を行う(S136)。
【0076】
本実施の形態では、基準三次元画像データの断層画像の部位情報に基づいて、該当する三次元画像データの検索を行う場合について説明したが、読影ワークステーション3でユーザが入力した部位や部位の範囲のデータを画像管理サーバ4に送信して、検索手段33bで部位や部位の範囲のデータに基づいて該当する三次元画像データを検索するようにしてもよい。
【0077】
上述の各実施の形態では、同じ被写体の三次元画像データの比較を行う場合について説明したが、他の被写体の三次元画像データを比較するものであってもよい。
【0078】
以上、詳細に説明したように、複数の断層画像から構成される三次元画像データから所望の部位を撮影した三次元画像データを容易に検索することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本実施の形態の医療情報システム1の概略構成
【図2】第1の実施の形態の読影ワークステーション(画像表示装置)の構成図
【図3】三次元画像データの一覧表示の一例
【図4】2つの三次元画像データ間の部位の重なりを説明するための図(その1)
【図5】2つの三次元画像データ間の部位の重なりを説明するための図(その2)
【図6】2つの三次元画像データ間の部位の重なりを説明するための図(その3)
【図7】2つの三次元画像データ間の部位の重なりを説明するための図(その4)
【図8】2つの三次元画像データ間の部位の重なりを説明するための図(その5)
【図9】三次元画像データの撮影部位範囲を表すシェーマ図の例
【図10】三次元画像データの撮影部位範囲を表すコロナル画像(あるいはサジタル画像)の例
【図11】第1の実施の形態の処理の流れを表すフローチャート
【図12】第2の実施の形態の読影ワークステーション(画像表示装置)の構成図
【図13】第2の実施の形態の処理の流れを表すフローチャート(その1)
【図14】第2の実施の形態の処理の流れを表すフローチャート(その2)
【図15】第3の実施の形態の画像管理サーバの構成図
【図16】第3の実施の形態の読影ワークステーションの構成図
【図17】第3の実施の形態の処理の流れを表すフローチャート
【符号の説明】
【0080】
1 医療情報システム
2 撮影装置
3 読影ワークステーション
4 画像管理サーバ
5 ネットワーク
30 三次元画像記憶手段
31,31b 選択手段
32 部位認識手段
33,33a,33b 検索手段
34,34b 表示手段
35 部位情報記憶手段
36,36b 入力手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体や動物の特定の部位を撮影した断層画像を表示するための画像表示装置およびそのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、CTやMRI等の撮影モダリティの高速化やマルチスライス対応といった高性能化に伴い、1つの撮影シリーズで被写体の複数の部位の撮影を行い、数百から数千の断層画像を取得することが可能になってきている。これにより、被写体は部位毎に何度も撮影を受ける必要がなくなり、患者の負担は軽減されてきた。
【0003】
このような多数の断層画像からなる複数のシリーズの中から診断するシリーズを選択させる際には、表示スペースなどの理由から1シリーズの断層画像を重ねて1シリーズの断層画像の先頭に位置する断層画像のサムネイル画像のみを表示している(例えば、特許文献1)。
【0004】
さらに、表示した複数のサムネイル画像の中から診断対象となるシリーズを選択して読影を行う。読影を行う際には、1シリーズには複数枚の断層画像が含まれているので、選択したシリーズに含まれる全部の断層画像を確認するために、サムネイル画像上でマウスのホイール操作等を行うことにより1枚ずつ順番に表示させている。
【特許文献1】特開2004−73680号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
診断対象のシリーズの断層画像の診断を行う際、診断対象の画像を該画像と同じ被写体を撮影した過去の画像とを比較読影することがある。比較読影をするには診断対象シリーズの画像と同じ部位が撮影されているシリーズ(比較対象シリーズ)を探さなければならないが、画面上には1シリーズの断層画像の最初の断層画像しか表示されないため、医師は断層画像を順に切り替えながら1枚ずつ表示して撮影部位を確認する作業がしばしば発生し非常に手間である。例えば、診断対象シリーズの画像の撮影部位が「胸部〜腹部」であるとき比較対象シリーズの画像にも同じ部位が撮影されていなければならないが、サムネイル画像で表示されている先頭の断層画像が頭部の場合には、撮影部位が「頭部〜頚部」であるか「頭部〜骨盤」であるかの判断がつかないため、断層画像を順に切り替えて表示させて確認しなければならなかった。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、多数の断層画像からなる複数の三次元画像データのうち比較対象部位が撮影されている三次元画像データを自動的に選択表示することができる画像表示装置およびそのプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の画像表示装置は、被写体を撮影した複数枚の断層画像で構成された三次元画像データを表示する画像表示装置であって、前記三次元画像データを複数記憶する三次元画像記憶手段と、各三次元画像データを構成する断層画像それぞれについて、いずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識する部位認識手段と、前記複数の三次元画像データの中から1つを基準三次元画像データとして選択する選択手段と、該選択手段により選択された基準三次元画像データの各断層画像に撮影されている部位を前記部位認識手段を用いて認識した結果と、前記三次元画像データの中の他の三次元画像データの各断層画像に撮影されている部位を前記部位認識手段を用いて認識した結果とを比較して、前記基準三次元画像データの断層画像の部位中の少なくとも1つの部位の断層画像を含む三次元画像データを前記他の三次元画像データの中から検索する検索手段と、該検索手段により検索された三次元画像データを表示する表示手段とを備えることを特徴とするものである。
【0008】
本発明のプログラムは、コンピュータを、被写体を撮影した複数枚の断層画像で構成された三次元画像データの各断層画像それぞれについて、いずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識する部位認識手段と、複数の三次元画像データの中から1つを基準三次元画像データとして選択する選択手段と、該選択手段により選択された基準三次元画像データの各断層画像に撮影されている部位を前記部位認識手段を用いて認識した結果と、前記複数の三次元画像データの中の他の三次元画像データの各断層画像に撮影されている部位を前記部位認識手段を用いて認識した結果とを比較して、前記基準三次元画像データの断層画像の部位中の少なくとも1つの部位の断層画像を含む三次元画像データを前記他の三次元画像データの中から検索する検索手段と、該検索手段により検索された三次元画像データを表示する表示手段として機能させることを特徴とするものである。
【0009】
「被写体」の具体例としては、人体が挙げられるが、他の動物等であってもよい。
【0010】
「部位」とは、被写体が人体の場合、人体の体部を識別するものであり、具体例としては、頭部、頸部、胸部、腹部、骨盤部、脚部の他、前記各部のうち隣接する2つの部位の両方を含む部位、例えば頭頸部や胸腹部等が挙げられる。
【0011】
本発明の他の画像表示装置は、被写体を撮影した複数枚の断層画像で構成された三次元画像データを表示する画像表示装置であって、前記三次元画像データを複数記憶する三次元画像記憶手段と、各三次元画像データを構成する断層画像それぞれについていずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識する部位認識処理を施して得られた各断層画像の部位情報を、各断層画像それぞれに対応付けて記憶する部位情報記憶手段と、部位または部位の範囲を入力する入力手段と、該入力手段から入力された部位または部位の範囲の少なくとも一部が撮影された断層画像を含む三次元画像データを、前記部位情報記憶手段に記憶されている三次元画像データの各断層画像に対応付けられている部位情報に基づいて検索する検索手段と、該検索手段により検索された三次元画像データを表示する表示手段とを備えることを特徴とするものである。
【0012】
本発明の他のプログラムは、コンピュータを、部位または部位の範囲を入力する入力手段と、該入力手段から入力された部位または部位の範囲の少なくとも一部が撮影された断層画像を含む三次元画像データを、複数の三次元画像データの各断層画像に対応付けられている、該断層画像それぞれについていずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識する部位認識処理を施して得られた各断層画像の部位情報に基づいて検索する検索手段と、該検索手段により検索された三次元画像データを表示する表示手段として機能させるものである。
【0013】
本発明のさらに他の画像表示装置は、被写体を撮影した複数枚の断層画像で構成された三次元画像データを表示する画像表示装置であって、前記三次元画像データを複数記憶する三次元画像記憶手段と、各三次元画像データを構成する断層画像それぞれについて、いずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識する部位認識手段と、該部位認識手段により得られた各断層画像の部位情報を、各断層画像それぞれに対応させて記憶する部位情報記憶手段と、部位または部位の範囲を入力する入力手段と、該入力手段から入力された部位または部位の範囲の少なくとも一部が撮影された断層画像を含む三次元画像データを、前記複数の三次元画像データの各断層画像に対応付けられている部位情報に基づいて検索する検索手段と、該検索手段により検索された三次元画像データを表示する表示手段とを備えることを特徴とするものである。
【0014】
本発明のさらに他のプログラムは、コンピュータを、被写体を撮影した複数枚の断層画像で構成された三次元画像データの各断層画像それぞれについて、いずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識する部位認識手段と、部位または部位の範囲を入力する入力手段と、該入力手段から入力された部位または部位の範囲の少なくとも一部が撮影された断層画像を含む三次元画像データを、複数の三次元画像データの各断層画像に対応付けられている、該断層画像それぞれについて前記部位認識手段により得られた各断層画像の部位情報に基づいて検索する検索手段と、該検索手段により検索された三次元画像データを表示する表示手段として機能させることを特徴とするものである。
【0015】
また、前記他の画像表示装置が、前記複数の三次元画像データの中から基準三次元画像データを1つ選択する選択手段をさらに備えるように構成した場合には、前記入力手段が、前記選択手段により選択された基準三次元画像データを構成する各断層画像の部位情報に基づいて、前記表示する部位または部位の範囲を入力するものであってもよい。
【0016】
また、前記部位情報は、前記各断層画像が被写体の頭部、頚部、胸部、胸腹部、腹部、骨盤部および脚部のうちいずれの部位を撮影した画像であるかを表すものであってもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、三次元画像データを構成する断層画像それぞれについて、いずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識して、基準となる三次元画像データに撮影されている部位または部位の範囲の少なくとも一部が撮影された断層画像を含む三次元画像データを検索することにより、三次元画像データの断層画像を全て表示して確認することなく、比較対象となる三次元画像データを探し出すことができる。
【0018】
あるいは、診断対象となる部位や部位の範囲を入力して、入力された部位や部位の範囲が撮影された三次元画像データを部位認識した結果を用いて検索することにより、三次元画像データの断層画像を全て表示して確認することなく、対象となる三次元画像データを探し出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ、本発明の第1の実施の形態について説明する。
【0020】
図1に、第1の実施の形態となる医療情報システム1の概略構成を示す。図に示すように、このシステムは、医用画像の撮影装置(モダリティ)2、読影ワークステーション3、画像管理サーバ4が、ネットワーク5を介して互いに通信可能な状態で接続されて構成されている。読影ワークステーション3や画像管理サーバ4は、CD−ROM等の記録媒体からインストールされたプログラムによって制御される。また、プログラムは、インターネット等のネットワーク経由で接続されたサーバからダウンロードされた後にインストールされたものであってもよい。
【0021】
モダリティ2には、被写体の検査対象部位を撮影することにより、その部位を表した複数枚の断層画像を生成し、その断層画像にDICOM規格で規定された付帯情報をする機能を備えている。付帯情報は、そのモダリティ等のメーカー独自の規格のものであってもよい。モダリティ2の具体例としては、CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、PET(Positron Emission Tomography)などが挙げられる。
【0022】
読影ワークステーション3は、画像診断医が画像の読影や読影レポートの作成に利用する装置であり、処理装置と1台または2台の高精細ディスプレイとキーボード・マウスなどの入力機器により構成される。この装置では、画像管理サーバ4に対する画像の閲覧要求や、画像管理サーバ4から受信した画像に対する各種画像処理、画像の表示、画像中の病変らしき部分の自動検出・強調表示、読影レポートの作成の支援、読影レポートサーバ(図示なし)に対する読影レポートの登録要求や閲覧要求、読影レポートサーバから受信した読影レポートの表示等が行われる。また、この読影ワークステーション3には断層画像の表示・選択を行うためのプログラムがインストールされている(後に詳述)。
【0023】
画像管理サーバ4は、汎用の比較的処理能力の高いコンピュータにデータベース管理システム(DataBase Management System: DBMS)の機能を提供するソフトウェアプログラムが組み込まれたものであり、大容量ストレージを備えている。
【0024】
画像管理サーバ4は、モダリティ2からの1回の検査で撮影された複数の断層画像を1シリーズとして三次元画像データの登録を受け付けると、その三次元画像データをDICOMなどのフォーマットで登録する。DICOMの付帯情報には、例えば、個々の画像を識別するための画像ID、被写体を識別するための患者ID、検査を識別するための検査ID、画像データごとに割り振られるユニークなID(UID)、その画像データが生成された検査日、検査時刻、その画像データを取得するための検査で使用されたモダリティ2の種類、患者氏名、年齢、性別などの患者情報、検査部位(撮影部位)、撮影情報(撮影プロトコル、撮影シーケンス、撮像手法、撮影条件、造影剤の使用、三次元画像データの断層画像の間隔など)、1回の検査で複数の画像を取得したときのシリーズ番号あるいは採取番号などの情報が含まれる。
【0025】
また、画像管理サーバ4は、読影ワークステーション3からの閲覧要求をネットワーク5経由で受信すると、登録されている三次元画像データを検索して、検索された三次元画像データを要求元の読影ワークステーション3に送信する。
【0026】
読影ワークステーション3は、画像診断医等のユーザによって読影対象画像の閲覧を要求する操作が行われると、画像管理サーバ4に対して閲覧要求を送信し、読影に必要な三次元画像データを取得する。そして、その三次元画像データを表示画面上に表示する。
【0027】
また、読影ワークステーション3には、画像表示用のプログラムがインストールされて本願発明の画像表示装置として機能し、図2に示すように、三次元画像データを記憶する三次元画像記憶手段30と、三次元画像データより基準三次元画像データを選択する選択手段31と、三次元画像データを構成する断層画像それぞれの部位を認識する部位認識手段32と、基準三次元画像データと同じ部位を含む三次元画像データを検索する検索手段33と、検索された三次元画像データを表示する表示手段34を備える。
【0028】
三次元画像記憶手段30は、ハードディスクなどの記憶装置であり、画像管理サーバ4から取得した三次元画像データを記憶する。例えば、観察対象となる特定の患者の患者IDを画像管理サーバ4に送信して、その被写体を撮影した三次元画像データを全て取得して三次元画像記憶手段30に記憶する。
【0029】
選択手段31は、三次元画像記憶手段30に記憶されている三次元画像データの中から、基準三次元画像データをユーザに選択させるインターフェースとして機能する。各三次元画像データは複数の断層画像で構成されるが、図3に示すように、断層画像のうち先頭の断層画像のサムネイル画像tを三次元画像データを代表する画像として並べて表示し、表示されている複数のサムネイル画像tの中からキーボード・マウスなどの入力機器を用いてユーザに選択させ、選択された三次元画像データを基準三次元画像データとする(図3では、実線で囲んだサムネイル画像が選択された状態を表している)。あるいは、診断対象とする基準三次元画像データは、三次元画像データの付帯情報に記録されている検査IDを指定することにより、指定された検査IDの三次元画像データが基準三次元画像データとして選択されるようにしてもよい。
【0030】
部位認識手段32は、三次元画像データを構成する複数枚の断層画像それぞれに対して部位認識処理を行い、各断層画像に撮影されている部位を認識する。この部位認識処理では、各断層画像に撮影された画像の各部位らしさのスコアを学習器などを用いて算出した後に、さらに、断層画像の部位を、人体の体部の上から下に向かって並べた並び順(例えば、頭部、頭頸部、頸部、胸部、胸腹部、腹部、骨盤部、脚部の順)が保たれるように決定する。
【0031】
具体的には、まず、各部位(頭部、頭頸部、頸部、胸部、胸腹部、腹部、骨盤部、脚部など)をクラスとして定義し、断層画像から抽出された人体領域の数、人体領域中の空気領域や骨領域の人体領域に対する割合、その人体領域の円形度等の特徴量を用いて各クラス毎に学習して、各部位らしさのスコアを算出する学習器を生成しておく。この学習器を用いて、各断層画像ごとに各クラスのスコアを計算する。スコアだけ見ると、胸部のスコアが一番高い断層画像の間に腹部のスコアが一番高い断層画像が挟まれている場合がある。しかし、断層画像は胸部〜胸腹部〜腹部の断層画像へと人体の部位の並びにしたがって連続的に変わっていくので、胸部のスコアが高い断層画像の間に腹部のスコアが高い断層画像が存在していても、その断層画像は実際には腹部ではなく胸部の断層画像である可能性が高い。そこで、断層画像毎の各クラスのスコアの値と部位の連続性に基づき、動的計画法(DPマッチング;Dynamic Programming)用いて各断層画像の部位を決定する(詳細は、本出願人が出願の特開2008−6188などを参照)。
【0032】
検索手段33は、基準三次元画像データの断層画像に撮影されている部位や部位の範囲が重なる部位が撮影された断層画像を含む三次元画像データを、基準三次元画像データに部位認識処理を施してして得られた結果と三次元画像記憶手段30に記憶されている三次元画像データに部位認識処理を施して得られた結果とを比較して検索する。
【0033】
該当する三次元画像データの検索は、具体的には、断層画像の部位の一致度を利用する。例えば、図4に示すように三次元画像データ1を基準三次元画像データとする。三次元画像データ1と三次元画像データ2の断層画像の部位を比較した際に、三次元画像データ2の部位に三次元画像データ1の部位が含まれる場合、もしくは、図5に示すように同一である場合は、比較診断対象部位が含まれていると判断して三次元画像データ2を取り出す。また、図6に示すように、完全に一致する部位がなければ、比較診断する対象部位が含まれていないと判断する。図7のように、三次元画像データ1とわずかに一致する部位が三次元画像データ2に存在するケースでは、三次元画像データ1の部位の数の半分以上が含まれていれば、比較対象の画像と判断するようにすればよい。
【0034】
このような判断に加えて、断層画像のスライス間隔をさらに利用して、基準三次元画像データと同一の部位の体軸方向の長さ(距離)を基準にして、比較対象の画像であるか否かを判断してもよい。すなわち、図7では、CHESTのみ一致し、基準三次元画像データの部位数(HEAD,HEAD_NECK,NECK,CHEST)のうちの1個しか写っていないので、比較診断する対象部位が含まれていないと判断してもよいが、CHESTの断層画像の枚数×スライス間隔を計算し、基準三次元画像データの体軸方向の長さが何割一致しているかを計算し、一致する長さの割合が大きければ対象部位を含んでいると判断する。あるいは、一致する部位の断層画像の数や距離情報を表示するようにして、ユーザに判断してもらうようにしてもよい。
【0035】
さらに、上記のようにどの程度撮影されている部位が重なるかに加えて、部位の境界からの距離も考慮して判断するようにしてもよい。例えば、同じ部位を撮影しようとしても、わずかに撮影範囲がずれることがある。例えば、胸部を撮影しようとした場合に、ある画像ではNECKが完全に写らない三次元画像データとなり、ある画像ではNECKがわずかにうつっている三次元画像データとなるケースがある。このようなケースでは、部位認識結果は、断層画像がCHESTから始まるか、NECKから始まるかというように異なった結果となる(図8参照)。そのため、断層画像のスライス間隔を考慮して、部位の境界からの距離が標準的な部位の長さに対してあまりにも小さい場合は、撮影誤差と判断して撮影部位範囲をNECKからではなく、CHESTからと修正した後、上記ように、部位の一致度を利用して識別をしてもよい。例えば、人体のNECKの長さは2mmであるとは考えられないので、撮影誤差と判断する。閾値は、人体の部位の標準長に基づき決定すればよい。
【0036】
さらに、断層画像のスライスの位置合わせを行って判断するようにしてもよい。まず、部位の境界が一致するように、断層画像のスライスの位置合わせを行った(あるいは、あるスライスでの部位の比率を利用した位置合わせ)後に、一致するスライスの体軸方向の距離(長さ)を計算して、比較対象画像であるかを判断する。例えば、2つの三次元画像データ(三次元画像データ1:断層画像の6枚、三次元画像データ2:断層画像の8枚)の部位認識結果が下表1であったとする。部位の境界で位置合わせを行ったとすると、三次元画像データ1のスライス4と、三次元画像データ2のスライス2が一致する。この対応関係を基準に考えると、三次元画像データ1のスライス番号1、2は、三次元画像データ2と対応するスライス番号が無い。そして、三次元画像データ1のスライス番号3〜6が、三次元画像データ2のスライス番号1〜4に対応することになる。したがって、4枚の断層画像のみ対応する断層画像があることになるので、スライス間隔との積を求めれば、撮影部位が一致する体軸方向の長さが求まり、この体軸方向にある程度の長さがあれば、比較診断対象の画像であると判断する。例えば、あらかじめ10cm一致すれば比較診断対象と判断するなど決めておけばよい。また、撮影部位が一致する体軸方向の長さを表示するようにし、ユーザに判断してもらうようにしても良い(位置合わせ手法の詳細については、本願出願人が出願の特開2008−6188などを参照)。
【表1】
【0037】
表示手段34は、検索手段33により検索された三次元画像データが確認できるように表示する。例えば、検索された三次元画像データのみの一覧を表示してもよいし、三次元画像記憶手段30に記憶されている三次元画像データの一覧から、該当する三次元画像データのがわかるようにマークをつけて表示してもよい。例えば、図3に示すように、各三次元画像データを代表するサムネイル画像(断層画像の先頭のサムネイル画像)の一覧を表示しておき、検索された三次元画像データに該当するサムネイル画像の枠の色(図3では、破線で囲んで表している)のみを変えたり、該当する三次元画像データのみが選択できるようにアクティブ表示にするなど、検索された三次元画像データであることがわかるように表示されればよい。
【0038】
さらに、図9に示すように、基準三次元画像データと検索された三次元画像データの撮影部位範囲をシェーマ図とともに示すようにしてもよい。あるいは、図10に示すように、基準三次元画像データと検索された三次元画像データの撮影部位範囲をコロナル画像(あるいはサジタル画像)とともに示すようにしてもよい。
【0039】
次に、図11のフローチャートに従って、本発明の画像表示処理の流れについて説明する。
【0040】
まず、読影を行う医師が読影ワークステーション3から診断対象となる被写体の患者IDを入力して、診断対象となる三次元画像データの取得要求を画像管理サーバ4に送信する。画像管理サーバ4は、取得要求と共に送られてきた患者IDと一致する三次元画像データを全て検索して、読影ワークステーション3へ送信する。読影ワークステーション3では受信した三次元画像データを三次元画像記憶手段30に一旦記憶する(S100)。
【0041】
選択手段31は、三次元画像記憶手段30に記憶された三次元画像データのサムネイル画像の一覧を表示画面上に表示する(S101)。ユーザはその一覧の中から、診断する三次元画像データを基準三次元画像データとして選択する。選択された基準三次元画像データのサムネイル画像を赤枠(図3では、実線で表している)で囲んで表示する(S102)。
【0042】
診断を行う場合には、過去に撮影された同じ部位と比較して診断を行うが、サムネイル画像は先頭の三次元画像データの断層画像が1枚のみが表示されるので、この状態ではどの三次元画像データに基準三次元画像データと比較する部位が撮影されているかわからない。
【0043】
そこで、検索手段33で、基準三次元画像データの各断層画像に撮影されている部位を部位認識手段32を用いて認識した結果と、三次元画像記憶手段30に記憶されている三次元画像データ(基準三次元画像として選択された画像を除く)の各断層画像に撮影されている部位を部位認識手段を32用いて認識した結果とを比較して、同じ部位が撮影されている三次元画像データを検索する(S103)。
【0044】
検索手段33により同じ部位が撮影されていると判定されて検索された三次元画像データのサムネイル画像が、表示手段34により青枠(図3では、破線で表している)で囲まれて表示される。さらに、必要に応じて、検索された三次元画像データと基準三次元画像データの撮影部位範囲とが比較できるように、図9のシェーマ図や、図10の撮影部位範囲を示すコロナル画像(あるいはサジタル画像)を別ウィンドウで表示する(S104)。
【0045】
ユーザは、検索された三次元画像データの中から基準三次元画像データと比較する三次元画像データを選択して、選択した三次元画像データの断層画像を表示装置上に表示して基準三次元画像データの断層画像と比較読影を行う(S105)。
【0046】
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態の医療情報システム1の概略構成は前述の第1の実施の形態と同じである。本実施の形態が第1の実施の形態と異なる構成を備えるのは、読影ワークステーション(画像表示装置)である。本実施の形態の構成のうち前述の実施の形態と略同じ構成のものには同一の符号を付して詳細な説明は省略し、異なる構成についてのみ詳細な説明をする。
【0047】
読影ワークステーション3は、図12に示すように、三次元画像データを記憶する三次元画像記憶手段30と、三次元画像データより基準三次元画像データを選択する選択手段31と、三次元画像データを構成する断層画像それぞれの部位を認識する部位認識手段32と、三次元画像データを構成する断層画像それぞれの部位情報を記憶する部位情報記憶手段35と、部位または部位の範囲を入力する入力手段36と、三次元画像データを検索する検索手段33aと、検索された三次元画像データを表示する表示手段34を備える。
【0048】
部位情報記憶手段35は、三次元画像データの各断層画像がいずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識する部位認識処理を施して得られた各断層画像の部位情報(例えば、部位名のテキストまたは各部位を識別するコード)を、各断層画像それぞれに対応付けて記憶する。この部位情報記憶手段35は、三次元画像記憶手段30と同じ記憶装置であっても異なる記憶装置あってもよい。また、部位情報は断層画像の付帯情報として各断層画像に直接付帯されていてもよいし、部位情報と断層画像とを別のデータとして部位情報と断層画像とが関連付けられるようにリンクされていてもよい。
【0049】
入力手段36は、検索する三次元画像データを構成する断層画像に撮影されている部位または部位の範囲を入力する。具体的には、選択手段31で選択された基準三次元画像データの各断層画像に対応付けられている部位情報を、部位や部位の範囲として入力してもよい。あるいは、部位または部位範囲入力用の入力画面を用意しておき、入力画面からユーザが部位名や部位の範囲を入力してもよい。
【0050】
検索手段33aは、入力手段36より入力された部位や部位の範囲の断層画像を含む三次元画像データを検索する。入力手段36から基準三次元画像データの部位情報が入力された場合には、部位情報記憶手段35に記憶されている基準三次元画像データ以外の三次元画像データの各断面画像の部位情報を参照して検索するが、具体的には前述の第1の実施の形態で説明した検索手段33と同様に基準三次元画像データと他の三次元画像データに撮影されている部位の比較を行って判断する。
【0051】
部位名や部位の範囲のみが入力された場合には、部位情報記憶手段35に記憶されている三次元画像データの各断面の部位情報から、ユーザが入力した部位名や部位の範囲の断層画像が含まれているかを判断して該当する三次元画像データを検索する。
【0052】
次に、図13のフローチャートに従って、第2の実施の形態の画像表示処理の流れについて説明する。
【0053】
まず、読影を行う医師が読影ワークステーション3から診断対象となる被写体の患者IDを入力して、診断対象となる三次元画像データの取得要求を画像管理サーバ4に送信する。画像管理サーバ4は、取得要求と共に送られてきた患者IDと一致する三次元画像データを全て検索して、読影ワークステーション3へ送信する。読影ワークステーション3は受信した三次元画像データを三次元画像記憶手段30に一旦記憶する(S110)。
【0054】
ここで、三次元画像記憶手段30に記憶されている三次元画像データに対して部位認識手段32を用いて部位認識処理を先に施して、その結果得られた部位情報を部位情報記憶手段35に記憶する(S111)。
【0055】
選択手段31で三次元画像記憶手段30に記憶された三次元画像データのサムネイル画像の一覧を表示画面上に表示し(S112)、ユーザはその一覧の中から、診断する三次元画像データを基準三次元画像データとして選択する。選択された基準三次元画像データのサムネイル画像を赤枠(図3では実線で表している)で囲んで表示する(S113)。
【0056】
基準三次元画像データの各断層画像の部位情報を入力手段36に受け渡す(S114)。検索手段33aは、入力手段36から入力された基準三次元画像データの部位情報と、部位情報記憶手段35に記憶されている他の三次元画像データの部位情報とを比較して、該当する三次元画像データを検索する(S115)。表示手段34で、検索手段33aにより検索された三次元画像データのサムネイル画像を青枠(図3では破線で表している)で囲んで表示する(S116)。
【0057】
ユーザは、検索された三次元画像データの中から基準三次元画像データと比較する三次元画像データを選択して、選択した三次元画像データの断層画像を表示装置上に表示して基準三次元画像データの断層画像と比較読影を行う(S117)。
【0058】
あるいは、図14のフローチャートのように、ユーザが入力した部位や部位の範囲を含む三次元画像データを検索するようにしてもよい。
【0059】
前述の処理の流れと同様に、画像管理サーバ4から送られてきた三次元画像データは、読影ワークステーション3へ送信され、読影ワークステーション3の三次元画像記憶手段30に一旦記憶する(S120)。三次元画像記憶手段30にされている三次元画像データに対して、部位認識手段32を用いて部位認識処理を先に施して、その結果得られた部位情報を部位情報記憶手段35に記憶する(S121)。
【0060】
ユーザは、入力手段36で、入力画面から部位名や部位の範囲を入力する(S122)。検索手段33aでは、部位情報記憶手段35に記憶されている三次元画像データの各断層画像の部位情報から、ユーザが入力した部位名や部位の範囲が含まれているかを判断して、該当する三次元画像データを検索する(S123)。表示手段34で、検索手段33aにより検索された三次元画像データのサムネイル画像を表示する(S124)。
【0061】
さらに、ユーザは、検索された三次元画像データの中から基準三次元画像データと比較する三次元画像データを選択して、選択した三次元画像データの断層画像を表示装置上に表示して基準三次元画像データの断層画像と比較読影を行う(S125)。
【0062】
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態の医療情報システム1の概略構成は前述の第1、第2の実施の形態と略同じであるが、画像管理サーバに部位認識機能を提供するソフトウェアプログラムが組み込まれている場合について説明する。本実施の形態の構成のうち前述の実施の形態と略同じ構成のものには同一の符号を付して詳細な説明は省略し、異なる構成についてのみ詳細な説明をする。
【0063】
本実施の形態の画像管理サーバ4は、図15に示すように、三次元画像データを記憶する三次元画像記憶手段30と、三次元画像データを構成する断層画像それぞれの部位を認識する部位認識手段32と、三次元画像データを構成する断層画像それぞれの部位情報を記憶する部位情報記憶手段35と、三次元画像データを検索する検索手段33bとを備える。
【0064】
一方、読影ワークステーション3は、図16に示すように、三次元画像データより基準三次元画像データを選択する選択手段31bと、部位または部位の範囲を入力する入力手段36bと、検索された三次元画像データを表示する表示手段34bとを備える。
【0065】
選択手段31bは、画像管理サーバ4の画像記憶手段30に記憶されている三次元画像データの中からユーザに基準三次元画像データを選択させる。具体的には、例えば画像管理サーバ4から画像記憶手段30に記憶されている三次元画像データの先頭の断層画像のサムネイル画像を受信して一覧表示し、サムネイル画像の中からキーボード・マウスなどの入力機器を用いてユーザに選択させ、選択された三次元画像データを基準三次元画像データとする。
【0066】
入力手段36bは、基準三次元画像データの部位情報を画像管理サーバ4から受け取って、部位や部位の範囲を表す情報として、画像管理サーバ4の検索手段33bに受け渡す。あるいは、入力画面からユーザが部位名や部位の範囲を入力したデータを、画像管理サーバ4の検索手段33bに受け渡す。
【0067】
画像管理サーバ4の検索手段33bは、読影ワークステーション3の入力手段36bから受け渡された部位情報や入力手段36bからユーザが入力した部位のデータに基づいて、部位情報記憶手段35に記憶されている部位情報を参照して該当する三次元画像データを検索し、検索した結果を読影ワークステーション3に送信する。
【0068】
読影ワークステーション3の表示手段34bは、画像管理サーバ4から受信した検索結果にしたがって該当する三次元画像データが確認できるように表示を行う。例えば、三次元画像データのサムネイル画像の一覧から該当する三次元画像データのみの枠の色を変えて表示する。
【0069】
次に、図17のフローチャートに従って、第3の実施の形態の画像表示処理の流れについて説明する。
【0070】
画像管理サーバ4では、予め、三次元画像記憶手段30に記憶されている三次元画像データに対して部位認識手段32を用いて部位認識処理を施して、その結果を部位情報記憶手段35に記憶しておく(S140)。
【0071】
まず、読影を行う医師が読影ワークステーション3から診断対象となる被写体の患者IDを入力して、診断対象となる三次元画像データの取得要求を画像管理サーバ4に送信する(S130)。画像管理サーバ4は、取得要求と共に送られてきた患者IDと一致する三次元画像データを全て検索して、サムネイル画像を読影ワークステーション3へ送信する(S141)。
【0072】
読影ワークステーション3では、選択手段31bで受信した三次元画像データのサムネイル画像を一覧表示する(S131)。ユーザはその一覧の中から、診断する三次元画像データを基準三次元画像データとして選択する(S132)。選択された基準三次元画像データの断層画像の部位情報を画像管理サーバ4に要求する。画像管理サーバ4から基準三次元画像データの断層画像の部位情報が読影ワークステーション3に送信され(S142)、その部位情報を入力手段36bに受け渡す。
【0073】
読影ワークステーション3から画像管理サーバ4へ基準三次元画像データの断層画像の部位情報が送信され(S133)、画像管理サーバ4の検索手段33bは、送信された基準三次元画像データの断層画像の部位情報と部位情報記憶手段35に記憶されている他の三次元画像データの部位情報とを比較して、該当する三次元画像データを検索する(S143)。
【0074】
画像管理サーバ4から読影ワークステーション3に検索された三次元画像データのデータが送信され、読影ワークステーション3の表示手段34bで、検索手段33bにより検索された三次元画像データのサムネイル画像を青枠で囲んで表示する(S134)。
【0075】
ユーザが、検索された三次元画像データの中から基準三次元画像データと比較する三次元画像データを選択すると、読影ワークステーション3から選択された三次元画像データの断層画像の送信要求が画像管理サーバ4に送信され(S135)、画像管理サーバ4から断層画像が読影ワークステーション3に送信される(S144)。読影ワークステーション3の表示装置上に受信した断層画像を表示して基準三次元画像データの断層画像と比較読影を行う(S136)。
【0076】
本実施の形態では、基準三次元画像データの断層画像の部位情報に基づいて、該当する三次元画像データの検索を行う場合について説明したが、読影ワークステーション3でユーザが入力した部位や部位の範囲のデータを画像管理サーバ4に送信して、検索手段33bで部位や部位の範囲のデータに基づいて該当する三次元画像データを検索するようにしてもよい。
【0077】
上述の各実施の形態では、同じ被写体の三次元画像データの比較を行う場合について説明したが、他の被写体の三次元画像データを比較するものであってもよい。
【0078】
以上、詳細に説明したように、複数の断層画像から構成される三次元画像データから所望の部位を撮影した三次元画像データを容易に検索することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本実施の形態の医療情報システム1の概略構成
【図2】第1の実施の形態の読影ワークステーション(画像表示装置)の構成図
【図3】三次元画像データの一覧表示の一例
【図4】2つの三次元画像データ間の部位の重なりを説明するための図(その1)
【図5】2つの三次元画像データ間の部位の重なりを説明するための図(その2)
【図6】2つの三次元画像データ間の部位の重なりを説明するための図(その3)
【図7】2つの三次元画像データ間の部位の重なりを説明するための図(その4)
【図8】2つの三次元画像データ間の部位の重なりを説明するための図(その5)
【図9】三次元画像データの撮影部位範囲を表すシェーマ図の例
【図10】三次元画像データの撮影部位範囲を表すコロナル画像(あるいはサジタル画像)の例
【図11】第1の実施の形態の処理の流れを表すフローチャート
【図12】第2の実施の形態の読影ワークステーション(画像表示装置)の構成図
【図13】第2の実施の形態の処理の流れを表すフローチャート(その1)
【図14】第2の実施の形態の処理の流れを表すフローチャート(その2)
【図15】第3の実施の形態の画像管理サーバの構成図
【図16】第3の実施の形態の読影ワークステーションの構成図
【図17】第3の実施の形態の処理の流れを表すフローチャート
【符号の説明】
【0080】
1 医療情報システム
2 撮影装置
3 読影ワークステーション
4 画像管理サーバ
5 ネットワーク
30 三次元画像記憶手段
31,31b 選択手段
32 部位認識手段
33,33a,33b 検索手段
34,34b 表示手段
35 部位情報記憶手段
36,36b 入力手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影した複数枚の断層画像で構成された三次元画像データを表示する画像表示装置において、
前記三次元画像データを複数記憶する三次元画像記憶手段と、
各三次元画像データを構成する断層画像それぞれについて、いずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識する部位認識手段と、
前記複数の三次元画像データの中から1つを基準三次元画像データとして選択する選択手段と、
該選択手段により選択された基準三次元画像データの各断層画像に撮影されている部位を前記部位認識手段を用いて認識した結果と、前記複数の三次元画像データの中の他の三次元画像データの各断層画像に撮影されている部位を前記部位認識手段を用いて認識した結果とを比較して、前記基準三次元画像データの断層画像の部位中の少なくとも1つの部位の断層画像を含む三次元画像データを前記他の三次元画像データの中から検索する検索手段と、
該検索手段により検索された三次元画像データを表示する表示手段とを備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
被写体を撮影した複数枚の断層画像で構成された三次元画像データを表示する画像表示装置において、
前記三次元画像データを複数記憶する三次元画像記憶手段と、
各三次元画像データを構成する断層画像それぞれについていずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識する部位認識処理を施して得られた各断層画像の部位情報を、各断層画像それぞれに対応付けて記憶する部位情報記憶手段と、
部位または部位の範囲を入力する入力手段と、
該入力手段から入力された部位または部位の範囲の少なくとも一部が撮影された断層画像を含む三次元画像データを、前記部位情報記憶手段に記憶されている三次元画像データの各断層画像に対応付けられている部位情報に基づいて検索する検索手段と、
該検索手段により検索された三次元画像データを表示する表示手段とを備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項3】
被写体を撮影した複数枚の断層画像で構成された三次元画像データを表示する画像表示装置において、
前記三次元画像データを複数記憶する三次元画像記憶手段と、
各三次元画像データを構成する断層画像それぞれについて、いずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識する部位認識手段と、
該部位認識手段により得られた各断層画像の部位情報を、各断層画像それぞれに対応させて記憶する部位情報記憶手段と、
部位または部位の範囲を入力する入力手段と、
該入力手段から入力された部位または部位の範囲の少なくとも一部が撮影された断層画像を含む三次元画像データを、前記複数の三次元画像データの各断層画像に対応付けられている部位情報に基づいて検索する検索手段と、
該検索手段により検索された三次元画像データを表示する表示手段とを備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項4】
前記複数の三次元画像データの中から基準三次元画像データを1つ選択する選択手段をさらに備え、
前記入力手段が、前記選択手段により選択された基準三次元画像データを構成する各断層画像の部位情報に基づいて、前記表示する部位または部位の範囲を入力するものであることを特徴とする請求項2または3記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記部位情報は、前記各断層画像が被写体の頭部、頚部、胸部、胸腹部、腹部、骨盤部および脚部のうちいずれの部位を撮影した画像であるかを表すものであることを特徴とする請求項1から4いずれか記載の画像表示装置。
【請求項6】
コンピュータを、
被写体を撮影した複数枚の断層画像で構成された三次元画像データの各断層画像それぞれについて、いずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識する部位認識手段と、
複数の三次元画像データの中から1つを基準三次元画像データとして選択する選択手段と、
該選択手段により選択された基準三次元画像データの各断層画像に撮影されている部位を前記部位認識手段を用いて認識した結果と、前記複数の三次元画像データの中の他の三次元画像データの各断層画像に撮影されている部位を前記部位認識手段を用いて認識した結果とを比較して、前記基準三次元画像データの断層画像の部位中の少なくとも1つの部位の断層画像を含む三次元画像データを前記他の三次元画像データの中から検索する検索手段と、
該検索手段により検索された三次元画像データを表示する表示手段として機能させるプログラム。
【請求項7】
コンピュータを、
部位または部位の範囲を入力する入力手段と、
該入力手段から入力された部位または部位の範囲の少なくとも一部が撮影された断層画像を含む三次元画像データを、複数の三次元画像データの各断層画像に対応付けられている、該断層画像それぞれについていずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識する部位認識処理を施して得られた各断層画像の部位情報に基づいて検索する検索手段と、
該検索手段により検索された三次元画像データを表示する表示手段として機能させるプログラム。
【請求項8】
コンピュータを、
被写体を撮影した複数枚の断層画像で構成された三次元画像データの各断層画像それぞれについて、いずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識する部位認識手段と、
部位または部位の範囲を入力する入力手段と、
該入力手段から入力された部位または部位の範囲の少なくとも一部が撮影された断層画像を含む三次元画像データを、複数の三次元画像データの各断層画像に対応付けられている、該断層画像それぞれについて前記部位認識手段により得られた各断層画像の部位情報に基づいて検索する検索手段と、
該検索手段により検索された三次元画像データを表示する表示手段として機能させるプログラム。
【請求項1】
被写体を撮影した複数枚の断層画像で構成された三次元画像データを表示する画像表示装置において、
前記三次元画像データを複数記憶する三次元画像記憶手段と、
各三次元画像データを構成する断層画像それぞれについて、いずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識する部位認識手段と、
前記複数の三次元画像データの中から1つを基準三次元画像データとして選択する選択手段と、
該選択手段により選択された基準三次元画像データの各断層画像に撮影されている部位を前記部位認識手段を用いて認識した結果と、前記複数の三次元画像データの中の他の三次元画像データの各断層画像に撮影されている部位を前記部位認識手段を用いて認識した結果とを比較して、前記基準三次元画像データの断層画像の部位中の少なくとも1つの部位の断層画像を含む三次元画像データを前記他の三次元画像データの中から検索する検索手段と、
該検索手段により検索された三次元画像データを表示する表示手段とを備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
被写体を撮影した複数枚の断層画像で構成された三次元画像データを表示する画像表示装置において、
前記三次元画像データを複数記憶する三次元画像記憶手段と、
各三次元画像データを構成する断層画像それぞれについていずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識する部位認識処理を施して得られた各断層画像の部位情報を、各断層画像それぞれに対応付けて記憶する部位情報記憶手段と、
部位または部位の範囲を入力する入力手段と、
該入力手段から入力された部位または部位の範囲の少なくとも一部が撮影された断層画像を含む三次元画像データを、前記部位情報記憶手段に記憶されている三次元画像データの各断層画像に対応付けられている部位情報に基づいて検索する検索手段と、
該検索手段により検索された三次元画像データを表示する表示手段とを備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項3】
被写体を撮影した複数枚の断層画像で構成された三次元画像データを表示する画像表示装置において、
前記三次元画像データを複数記憶する三次元画像記憶手段と、
各三次元画像データを構成する断層画像それぞれについて、いずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識する部位認識手段と、
該部位認識手段により得られた各断層画像の部位情報を、各断層画像それぞれに対応させて記憶する部位情報記憶手段と、
部位または部位の範囲を入力する入力手段と、
該入力手段から入力された部位または部位の範囲の少なくとも一部が撮影された断層画像を含む三次元画像データを、前記複数の三次元画像データの各断層画像に対応付けられている部位情報に基づいて検索する検索手段と、
該検索手段により検索された三次元画像データを表示する表示手段とを備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項4】
前記複数の三次元画像データの中から基準三次元画像データを1つ選択する選択手段をさらに備え、
前記入力手段が、前記選択手段により選択された基準三次元画像データを構成する各断層画像の部位情報に基づいて、前記表示する部位または部位の範囲を入力するものであることを特徴とする請求項2または3記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記部位情報は、前記各断層画像が被写体の頭部、頚部、胸部、胸腹部、腹部、骨盤部および脚部のうちいずれの部位を撮影した画像であるかを表すものであることを特徴とする請求項1から4いずれか記載の画像表示装置。
【請求項6】
コンピュータを、
被写体を撮影した複数枚の断層画像で構成された三次元画像データの各断層画像それぞれについて、いずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識する部位認識手段と、
複数の三次元画像データの中から1つを基準三次元画像データとして選択する選択手段と、
該選択手段により選択された基準三次元画像データの各断層画像に撮影されている部位を前記部位認識手段を用いて認識した結果と、前記複数の三次元画像データの中の他の三次元画像データの各断層画像に撮影されている部位を前記部位認識手段を用いて認識した結果とを比較して、前記基準三次元画像データの断層画像の部位中の少なくとも1つの部位の断層画像を含む三次元画像データを前記他の三次元画像データの中から検索する検索手段と、
該検索手段により検索された三次元画像データを表示する表示手段として機能させるプログラム。
【請求項7】
コンピュータを、
部位または部位の範囲を入力する入力手段と、
該入力手段から入力された部位または部位の範囲の少なくとも一部が撮影された断層画像を含む三次元画像データを、複数の三次元画像データの各断層画像に対応付けられている、該断層画像それぞれについていずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識する部位認識処理を施して得られた各断層画像の部位情報に基づいて検索する検索手段と、
該検索手段により検索された三次元画像データを表示する表示手段として機能させるプログラム。
【請求項8】
コンピュータを、
被写体を撮影した複数枚の断層画像で構成された三次元画像データの各断層画像それぞれについて、いずれの部位を撮影した断層画像であるかを認識する部位認識手段と、
部位または部位の範囲を入力する入力手段と、
該入力手段から入力された部位または部位の範囲の少なくとも一部が撮影された断層画像を含む三次元画像データを、複数の三次元画像データの各断層画像に対応付けられている、該断層画像それぞれについて前記部位認識手段により得られた各断層画像の部位情報に基づいて検索する検索手段と、
該検索手段により検索された三次元画像データを表示する表示手段として機能させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図10】
【公開番号】特開2009−232981(P2009−232981A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−80876(P2008−80876)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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