説明

発振回路及び発振器

【課題】定常時の負性抵抗と比較して起動時の負性抵抗が十分に大きな発振回路及び発振器を提供すること。
【解決手段】振動子を発振させる発振回路は、1つのトランジスタを有するインバータと、インバータと並列に接続された帰還抵抗と、インバータの入力側及び出力側のそれぞれに設けられた容量素子と、レベルが異なる2種類の電流のいずれかをインバータに供給する可変電流源と、発振回路の電源の起動から所定時間をカウントするタイマ回路と、可変電流源が供給し得る2種類の電流の内、タイマ回路によるカウント時間が所定時間を経過するまでの間はレベルが大きい方の電流を、所定時間を経過した後はレベルが小さい方の電流をインバータに供給するよう可変電流源を制御する電流制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動子を発振させる発振回路及び発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
図15は、水晶振動子を発振させる従来の発振回路を示す回路図である。図15に示す発振回路は、水晶振動子(X’TAL)が接続される端子XT,XTB間に、CMOSで構成されたインバータを備える。また、インバータの入力側及び出力側のそれぞれに負荷容量C110,C111が設けられ、インバータと並列に帰還抵抗R110が設けられている。当該発振回路では、電圧が印加されたインバータによって水晶振動子が発振し、出力端子XTBから一定周波数の信号を出力する。
【0003】
図16も、水晶振動子を発振させる従来の発振回路を示す回路図である。図16に示す発振回路は、水晶振動子(X’TAL)が接続される端子XT,XTB間に、ソースが接地されたMOSトランジスタM120によって構成されたインバータを備え、MOSトランジスタM120のドレインには定電流源から定電流I120が供給される。また、MOSトランジスタM120のゲート及びドレインのそれぞれに負荷容量C120,C121が設けられ、MOSトランジスタM120のゲート−ドレイン間には帰還抵抗R120が設けられている。当該発振回路では、一定電流I120が供給されたMOSトランジスタM120によって水晶振動子が発振し、出力端子XTBから一定周波数の信号を出力する。
【0004】
上記発振回路の等価回路を図17に示し、水晶振動子の等価回路を図18に示す。発振回路の等価回路は、図17に示すように、負性抵抗−RLと負荷容量CLの直列回路で示される。また、水晶振動子の等価回路は、図18に示すように、L1−C1−R1直列回路と水晶の誘電体としての静電容量C0との並列回路で示される。
【0005】
近年における電子機器の小型化に伴い、小型の発振器が望まれている。しかし、水晶振動子を含む発振器を小型化すると、図18に示した水晶振動子の等価直列容量C1が小さくなり、水晶振動子の起動時間が長くなる。
【0006】
以下、水晶振動子の等価直列容量C1が小さいと水晶振動子の起動特性が低下する理由について説明する。水晶振動子の共振回路の共振の鋭さを表す値として「Q値」が用いられる。水晶振動子や電気回路の場合、回路の安定性の点では、一般的にはQ値が大きい方が望ましい。しかし、Q値が大きいほど応答性は悪くなり、起動時間が長くなるという面もある。Q値は次式で表される。したがって、水晶振動子の等価直列容量C1が小さくなるとQ値が大きくなるため、水晶振動子の応答性が悪くなり起動時間が長くなる。
【0007】
Q=ω×L1/R1=1/(ω×C1×R1)
(但し、ω=√(1/(L1×C1))であり、L1、C1、R1はそれぞれ振動子の等価直列定数である。)
【0008】
そこで、水晶振動子の起動特性の低下を発振回路側で改善する方法が考えられる。例えば、図18に示した発振回路の負荷容量CLを小さくすることによって負性抵抗−RLを大きくすると、起動時間が短縮される。すなわち、起動特性の良い発振回路が得られる。このため、特許文献1に示される発振回路はMOS可変容量を備え、起動時と定常時とで当該MOS可変容量の容量値を変化させている。また、特許文献2に示される発振回路は、容量の異なる2つのキャパシタを備え、起動時と定常時とでスイッチを用いて容量を切り替えている。さらに、図15に示したMOSトランジスタについてサイズの異なるものを用意し、起動時にMOSトランジスタを切り換えて使用することにより負性抵抗−RLを大きくして、起動時間の短縮を図る方法も考えられる。
【0009】
【特許文献1】特開2006−129459号公報
【特許文献2】特開2005−94147号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記説明した負荷容量CLを調整する方法によれば、起動時間の短縮という効果はあるが、今日の高い起動特性に関する要望には十分に応えられてはいない。すなわち、負荷容量CLを調整する方法では、今日の起動時間短縮化の要望に十分には応えられていない。また、MOSトランジスタのサイズを調整する方法であっても、MOSトランジスタのサイズアップに伴う寄生容量の増大によって相互コンダクタンスが十分に上がらないため、起動特性の低下を改善する効果は小さい。なお、MOSトランジスタをサイズアップすると大きな発振電流を流すことができ、大きな発振電流は起動特性の向上には貢献するが、起動後も当該発振電流が流れ続けるため、消費電力の点からは好ましくない。したがって、良好な起動特性に加えて消費電力も小さな発振回路及び発振器が好ましい。
【0011】
本発明の目的は、定常時の負性抵抗と比較して起動時の負性抵抗が十分に大きな発振回路及び発振器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、振動子を発振させる発振回路であって、1つのトランジスタを有するインバータと、前記インバータと並列に接続された帰還抵抗と、前記インバータの入力側及び出力側のそれぞれに設けられた容量素子と、レベルが異なる2種類の電流のいずれかを前記インバータに供給する可変電流源と、前記発振回路の電源の起動から所定時間をカウントするタイマ回路と、前記可変電流源が供給し得る前記2種類の電流の内、前記タイマ回路によるカウント時間が前記所定時間を経過するまでの間はレベルが大きい方の電流を、前記所定時間を経過した後はレベルが小さい方の電流を前記インバータに供給するよう前記可変電流源を制御する電流制御部と、を備えた発振回路を提供する。
【0013】
上記発振回路では、前記可変電流源は、並列接続された2つの電流源を有し、前記電流制御部は、前記2つの電流源のいずれか一方と前記インバータとの間に設けられたスイッチと、前記タイマ回路によるカウント時間に応じて前記スイッチをオンオフ制御するスイッチ制御部と、を有し、前記スイッチ制御部は、前記タイマ回路によるカウント時間が前記所定時間を経過するまでの間は前記スイッチをオン状態とし、前記所定時間を経過した後は前記スイッチをオフ状態に切り替える。
【0014】
上記発振回路であって、前記可変電流源は、1つの電流源及び可変抵抗を有し、前記電流制御部は、前記可変抵抗の抵抗値を制御して、前記可変電流源が前記インバータに供給する電流のレベルを変える。
【0015】
本発明は、振動子を発振させる発振回路であって、インバータと、前記インバータと並列に接続された帰還抵抗と、前記インバータの入力側及び出力側のそれぞれに設けられた容量素子と、前記2つの容量素子間に当該容量素子と直列に設けられた可変容量素子と、前記発振回路の電源の起動から所定時間をカウントするタイマ回路と、前記タイマ回路によるカウント時間に応じて前記インバータの入出力間容量を制御する容量制御部と、を備えた発振回路を提供する。
【0016】
上記発振回路であって、前記容量制御部は、オン制御されることにより前記インバータの入出力を前記容量素子を介して接地するスイッチと、前記タイマ回路によるカウント時間に応じてスイッチ制御部と、を有し、前記スイッチ制御部は、前記タイマ回路によるカウント時間が前記所定時間を経過するまでの間は前記スイッチをオン状態とし、前記所定時間を経過した後は前記スイッチをオフ状態に切り替える。
【0017】
本発明は、振動子を発振させる発振回路であって、第1のMOSトランジスタを有する第1のインバータと、CMOSを構成する前記第1のMOSトランジスタ及び第2のMOSトランジスタを有する第2のインバータと、前記第1のインバータ及び前記第2のインバータと並列に接続された帰還抵抗と、前記第1のインバータ及び前記第2のインバータの入力側及び出力側のそれぞれに設けられた容量素子と、前記第1のインバータに電流を供給する電流源と、前記発振回路の電源の起動から所定時間をカウントするタイマ回路と、前記タイマ回路によるカウント時間が前記所定時間を経過するまでの間は前記第1のインバータを通電し、前記所定時間を経過した後は前記第2のインバータを通電するよう前記第1のインバータ及び前記第2のインバータを制御する電流制御部と、を備えた発振回路を提供する。
【0018】
上記発振回路であって、前記電流制御部は、電源から前記電流源を介した前記第1のインバータへの経路上に設けられた第1のスイッチと、前記電源から前記第2のインバータへの経路上に設けられた第2のスイッチと、前記タイマ回路によるカウント時間に応じて前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチをオンオフ制御するスイッチ制御部と、を有する。
【0019】
本発明は、振動子と、当該振動子を発振させる上記発振回路と、を備えた発振器を提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る発振回路及び発振器によれば、定常時の負性抵抗と比較して起動時の負性抵抗を十分に大きくできるため良好な起動特性を得ることができる。このように、発振器の小型化による起動特性の低下を発振回路側で防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
振動子を発振させる発振回路の負荷抵抗−RLは、以下に示す方法によって上げられる。
1.インバータの相互コンダクタンスgmを上げる。
2.入出力の容量結合を少なくする(容量による信号の戻りを少なくする)。
3.負荷容量を小さくする。
【0022】
上記1に関して、負性抵抗−RLは、回路構成やトランジスタの定数から決まる。例えば、図1に示す帰還抵抗を含まない発振回路の負性抵抗−RLは、「−RL=−gm/(ω2×C1×C2)」によって表される。当該式から分かるように、相互コンダクタンスgmを上げると負性抵抗が大きくなる。なお、相互コンダクタンスgmは、インバータとしてのトランジスタTRに流す電流(発振電流)Iから、以下の式で表わすことができる。したがって、トランジスタTRに流す電流Iを大きくすると相互コンダクタンスgmが大きくなり、負性抵抗が大きくなる。
【0023】
gm=1/re=I/Vt
(Vt=kT/q=26mV)
【0024】
図16に示した1つのトランジスタから構成されるインバータのゲインを上げるためには、当該トランジスタの相互コンダクタンスgmを上げる。相互コンダクタンスgmを上げるには、トランジスタに流す電流(発振電流)を大きくすれば良い。しかし、振動子が一度発振してしまえば、起動時ほどの大きな相互コンダクタンスは定常時には必要ない。すなわち、定常時の発振電流は、起動時ほど大きな電流である必要はない。
【0025】
また、図15に示したCMOSで構成されるインバータを備える発振回路に関しては、上述したように、CMOSトランジスタのサイズを大きくする。しかし、CMOSトランジスタのサイズを大きくすると寄生容量が大きくなるため、相互コンダクタンスgmが十分に上げることができない。したがって、CMOSで構成されるインバータを備える発振回路の起動特性を改善するためには、起動時にはCMOSで構成されるインバータを用い、定常時には1つのトランジスタから構成されるインバータを用いるようインバータを切り替える。
【0026】
次に、上記2に関して、インバータの入出力に接続された負荷容量は、発振回路の負性抵抗に影響する。図2(a)に示す負荷容量が接地されている回路と、図2(b)に示す負荷容量を介して入力端子XTと出力端子XTBが接続されている、すなわち容量結合されている回路とを比較すると、容量結合によって後者の回路(図2(b))では出力端子XTBから入力端子XTに信号が戻ってしまうため、負荷抵抗は低下してしまう。このため、起動時は負荷容量が接地された前者の回路(図2(a))、定常時は負荷容量が接地されていない後者の回路(図2(b))が望ましい。
【0027】
上記3は、背景技術で説明した方法である。
【0028】
このように、発振回路の負荷抵抗−RLを上げる方法には、負荷容量を小さくする方法の他に、インバータの相互コンダクタンスgmを上げる方法(上記1)や、入出力の容量結合を少なくする方法(上記2)がある。
【0029】
<インバータの相互コンダクタンスgmを上げる方法>
まず、上記1の方法を活用した、インバータの相互コンダクタンスgmを起動時に上げて、起動時の負性抵抗を定常時よりも大きくする発振回路の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0030】
(第1の実施形態)
図3は、水晶振動子を発振させる第1の実施形態の発振回路の概念を示す回路図である。図3に示すように、第1の実施形態の発振回路は、水晶振動子(X’TAL)が接続される端子XT,XTB間に、ソースが接地されたMOSトランジスタM200によって構成されたインバータを備え、MOSトランジスタM200のドレインには2つの定電流源の少なくとも1つから定電流が供給される。また、MOSトランジスタM200のゲート及びドレインのそれぞれに負荷容量C200,C201が設けられ、MOSトランジスタM200のゲート−ドレイン間には帰還抵抗R200が設けられている。当該発振回路では、電圧が印加されたインバータによって水晶振動子が発振し、端子XTBから一定周波数の信号を出力する。
【0031】
さらに、本実施形態の発振回路は、発振回路の電源Vccの起動から所定時間(例えば、500μ秒)をカウントするタイマ回路201と、電源Vccから2つの定電流源の1つを介したMOSトランジスタM200への経路上に設けられたスイッチSW200と、タイマ回路201によるカウント時間に応じてスイッチSW200をオンオフ制御するコントローラ203とを備える。本実施形態では、スイッチSW200のオンオフ制御によって、インバータに供給する電流のレベルを調整する。すなわち、発振回路の電源Vccの起動から所定時間が経過するまでの間(以下「起動時」という。)は、図3に示される2つの電流源から定電流I200と定電流I201を合わせた発振電流をインバータに供給し、発振回路の電源Vccの起動から所定時間が経過した後(以下「定常時」という。)は、定電流I200のみを発振電流をインバータに供給する。
【0032】
なお、タイマ回路201によってカウントされる前記所定時間は、タイマ回路201が有する抵抗及び容量から決定される時定数に応じて調整可能である。時定数を変更することによって、インバータに供給する発振電流を切り替えるタイミングを変えることができる。
【0033】
図4は、図3に示した発振回路の具体的な回路図である。図4に示すように、2つの定電流源は、1:2のカレントミラー回路によって実現することができる。MOSトランジスタM210,M211,M212から形成されたカレントミラー回路では、抵抗R210を介してドレインが接地されたMOSトランジスタM210のソース−ドレイン間に電流が流れると、カレントミラー回路によって、MOSトランジスタM211に電流I200が流れ、MOSトランジスタM212に電流I201が流れる。但し、MOSトランジスタM212のソースには、上記説明したタイマ回路201によってオンオフ制御されるスイッチSW200が接続されている。このため、MOSトランジスタM212には、スイッチSW200がオン状態のときのみ電流I201が流れる。
【0034】
カレントミラー回路によってMOSトランジスタM211を流れる電流I200及びMOSトランジスタM212を流れる電流I201は、インバータに供給される。したがって、起動時にはスイッチSW200をオン状態とすることによって電流I200+I201をインバータに供給し、発振回路の電源Vccの起動から所定時間が経過したときにスイッチSW200をオフ状態に切り替えることによって、定常時には電流I200のみをインバータに供給する。
【0035】
なお、電流I200,I201の大きさはMOSトランジスタM211,M212のサイズによって決定することができる。また、MOSトランジスタM211,M212と電源Vccとの間に抵抗を設け、各抵抗の値によって電流I200,I201の大きさを決定しても良い。
【0036】
上述したように、インバータに流す発振電流が大きければインバータの相互コンダクタンスgmが大きくなり、発振回路の負性抵抗が大きくなるため、本実施形態の発振回路による水晶振動子の起動時間は短くなる。したがって、良好な起動特性を有し、かつ小型の発振器を提供することができる。さらに、インバータに流す発振電流は起動時のみ大きく、定常時の発振電流は、水晶振動子の継続的な発振に必要な低レベルに抑えられるため、消費電力の低減を実現することができる。
【0037】
なお、本実施形態のMOSトランジスタM200,M210〜M212は、バイポーラトランジスタであっても良い。なお、バイポーラトランジスタは、同じ面積で考えると、MOSトランジスタよりも大きな電流を流すことができるため、MOSトランジスタM200をバイポーラトランジスタとすることによって大きな発振電流を流すことができる。
【0038】
本実施形態では、2つの定電流源を一組が設けられているが、複数組の定電流源を設け、発振周波数によって別の組の定電流源を用いても良い。例えば、4つの定電流源を設け、1つ目の定電流源は26MHzの定常発振に必要な電流を供給し、2つ目の定電流源は52MHzの定常発振に必要な電流を供給し、3つ目の定電流源は26MHzの起動時発振に必要な電流を供給し、4つ目の定電流源は52MHzの起動時発振に必要な電流を供給するよう設定する。この場合、26MHzで発振させる際には、2つ目及び4つ目の定電流源は動作させず、1つ目及び3つ目の定電流源を上記説明したように動作させる。
【0039】
(第2の実施形態)
図5は、水晶振動子を発振させる第2の実施形態の発振回路の概念を示す回路図である。図5に示すように、第2の実施形態の発振回路は、定電流源及びスイッチを除けば第1の実施形態の発振回路と略同様である。図5において、図3と共通する構成要素には同じ参照符号が付されている。
【0040】
第2の実施形態の発振回路は、可変電流源を備える。可変電流源が供給する電流の値は、タイマ回路201によるカウント時間に応じて制御される。その結果、可変電流源からインバータに供給される電流のレベルが調整される。
【0041】
図6は、図5に示した発振回路の具体的な回路図である。図6に示すように、電流源は1:1のカレントミラー回路によって実現することができる。MOSトランジスタM213,M214から形成されたカレントミラー回路では、MOSトランジスタM213のソース−ドレイン間に電流が流れると、カレントミラー回路によって、MOSトランジスタM214にも電流I202が流れる。但し、MOSトランジスタM213のソースは、並列接続された抵抗202,R203を介して接地されており、抵抗R203と直列にスイッチSW201が設けられている。
【0042】
スイッチSW201は、第1の実施形態と同様に、タイマ回路201によるカウント時間に応じてオンオフ制御される。スイッチSW201のオンオフ状態に応じて、MOSトランジスタM213のソース側の抵抗成分が変化する。すなわち、スイッチSW201がオフ状態のときのMOSトランジスタM213のソース側の抵抗成分は、抵抗R202のみである。一方、スイッチSW201がオン状態のときのMOSトランジスタM213のソース側の抵抗成分は、並列接続された抵抗R202,R203である。したがって、MOSトランジスタM213のソース側の抵抗成分は、スイッチSW201がオン状態のときに小さくなる。
【0043】
MOSトランジスタM213のソース−ドレイン間に流れる電流は、当該抵抗成分が小さいほど大きい。また、MOSトランジスタM214に流れるミラー電流I202は、MOSトランジスタM213に流れる電流に比例する。本実施形態でも、起動時にインバータに流す発振電流を定常時よりも大きくするため、発振回路の電源Vccが起動して所定時間が経過するまではスイッチSW201をオン状態とし、所定時間が経過した後はスイッチSW201をオフ状態に切り替える。
【0044】
このように、本実施形態においても、起動時にはインバータに供給される発振電流が大きいためインバータの相互コンダクタンスgmが大きくなり、発振回路の負性抵抗が大きくなるため、水晶振動子の起動時間は短くなる。したがって、良好な起動特性を有し、かつ小型の発振器を提供することができる。さらに、インバータに流す発振電流は起動時のみ大きく、定常時の発振電流は、水晶振動子の継続的な発振に必要な低レベルに抑えられるため、消費電力の低減を実現することができる。
【0045】
また、本実施形態の発振回路は、第1の実施形態の発振回路と比較して、発振特性を劣化させる要因の一つである寄生容量が小さいため、寄生容量による相互コンダクタンスの低下に伴う負性抵抗の低下が小さい。
【0046】
なお、本実施形態のMOSトランジスタM200,M213,M214は、バイポーラトランジスタであっても良い。なお、バイポーラトランジスタは、同じ面積で考えると、MOSトランジスタよりも大きな電流を流すことができるため、MOSトランジスタM200をバイポーラトランジスタとすることによって大きな発振電流を流すことができる。
【0047】
<入出力の容量結合を少なくする方法>
次に、上記2の方法を活用した、入出力の容量結合を起動時に少なくして、起動時の負性抵抗を定常時よりも大きくする発振回路の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0048】
(第3の実施形態)
図7は、水晶振動子を発振させる第3の実施形態の発振回路の概念を示す回路図である。図7に示すように、第3の実施形態の発振回路は、水晶振動子(X’TAL)が接続される端子XT,XTB間にインバータ700を備える。また、インバータ700の入力側及び出力側のそれぞれに負荷容量C700,C701が設けられ、インバータ700と並列に帰還抵抗R700が設けられている。当該発振回路では、電源電圧Vccが印加されたインバータ700によって水晶振動子が発振し、端子XTBから一定周波数の信号を出力する。
【0049】
また、本実施形態の発振回路は、負荷容量C700と直列に接続された可変容量VC700と、負荷容量C701と直列に接続された可変容量VC701とを備える。なお、負荷容量C700と可変容量VC700の間には制御電圧Aを印加可能な制御端子XCAが設けられ、負荷容量C701と可変容量VC701の間には制御電圧Bを印加可能な制御端子XCBが設けられている。可変容量VC700は制御電圧Aによってその容量が制御され、可変容量VC701は制御電圧Bによってその容量が制御される。これら可変容量VC700,VC701の容量の制御によって、出力端子XTBから出力される信号の周波数が変更される。
【0050】
しかし、例えば制御端子XCAと制御端子XCBを同じ制御電圧で発振回路を制御する場合、(制御端子XCAと制御端子XCBを接続して使用する場合)出力端子XTBは、負荷容量C701、制御端子XCBのバイアス抵抗R751、制御端子XCAのバイアス抵抗R750、負荷容量C700を介して、入力端子XTと容量結合されてしまい、出力端子XTBから出力される信号(特に、高周波信号)の一部が入力端子XTに戻ってしまうため、負荷抵抗が低下してしまう。このため、本実施形態では、図7に示すように、可変容量VC700と並列にスイッチSW700を設け、可変容量VC701と並列にスイッチSW701を設け、これらのスイッチSW700,SW701をオンオフ制御する。スイッチSW700,SW701がオン状態のとき、端子XT,XTBは負荷容量C700,C701を介して接地されるため、図2(a)に示した構成と等価な回路である。このとき、上記説明した出力端子XTBと入力端子XTの間の容量結合はないため、負荷抵抗の低下を防ぐことができる。
【0051】
本実施形態の発振回路は、発振回路の電源Vccの起動から所定時間(例えば、500μ秒)をカウントするタイマ回路701と、上記説明したスイッチSW700,SW701と、タイマ回路701によるカウント時間に応じてスイッチSW700,SW701をオンオフ制御するコントローラ703とを備える。コントローラ703は、発振回路の電源Vccの起動から所定時間が経過するまでの間(起動時)、スイッチSW700,SW701をオン状態とすることによって負荷抵抗の低下を防ぎ、発振回路の電源Vccの起動から所定時間が経過したときにスイッチをSW700,SW701をオフ状態に切り替える。
【0052】
(第4の実施形態)
図8は、水晶振動子を発振させる第4の実施形態の発振回路の概念を示す回路図である。図8に示すように、第4の実施形態の発振回路は、可変容量を除けば第3の実施形態の発振回路と略同様である。図8において、図7と共通する構成要素には同じ参照符号が付されている。
【0053】
第4の実施形態では、出力信号の周波数を制御するための可変容量VC800が負荷容量C700,C701の間に直列に設けられている。負荷容量C700と可変容量VC800の間には制御電圧Aを印加可能な制御端子XCAが設けられ、負荷容量C701と可変容量VC800の間には制御電圧Bを印加可能な制御端子XCBが設けられている。可変容量VC800は制御電圧A,Bによってその容量が制御される。可変容量VC800の容量の制御によって、出力端子XTBから出力される信号の周波数が変更される。
【0054】
しかし、出力端子XTBは、負荷容量C701、制御端子XCB、可変容量VC800、制御端子XCA、負荷容量C700を介して、入力端子XTと容量結合されてしまい、出力端子XTBから出力される信号(特に、高周波信号)の一部が入力端子XTに戻ってしまうため、負荷抵抗が低下してしまう。このため、本実施形態では、図8に示すように、負荷容量C700と可変容量VC800の中点、すなわち制御端子XCAにスイッチSW700を設け、負荷容量C701と可変容量VC800の中点、すなわち制御端子XCBにスイッチSW701を設け、これらのスイッチSW700,SW701をオンオフ制御する。スイッチSW700,SW701がオン状態のとき、端子XT,XTBは負荷容量C700,C701を介して接地されるため、図2(a)に示した構成と等価な回路である。このとき、上記説明した出力端子XTBと入力端子XTの間の容量結合はないため、負荷抵抗の低下を防ぐことができる。
【0055】
本実施形態の発振回路は、第3の実施形態と同様に、発振回路の電源Vccの起動から所定時間(例えば、500μ秒)をカウントするタイマ回路701と、上記説明したスイッチSW700,SW701と、タイマ回路701によるカウント時間に応じてスイッチSW700,SW701をオンオフ制御するコントローラ703とを備える。コントローラ703は、発振回路の電源Vccの起動から所定時間が経過するまでの間(起動時)、スイッチSW700,SW701をオン状態とすることによって負荷抵抗の低下を防ぎ、発振回路の電源Vccの起動から所定時間が経過したときにスイッチをSW700,SW701をオフ状態に切り替える。
【0056】
(第5の実施形態)
図9は、水晶振動子を発振させる第5の実施形態の発振回路の概念を示す回路図である。図9に示すように、第5の実施形態の発振回路は、水晶振動子(X’TAL)が接続される端子XT,XTB間にインバータ500を備える。また、インバータ500の入力側及び出力側のそれぞれに負荷容量C500,C501が設けられ、インバータ500と並列に帰還抵抗R500が設けられている。当該発振回路では、電源電圧Vccが印加されたインバータ500によって水晶振動子が発振し、端子XTBから一定周波数の信号を出力する。
【0057】
本実施形態では、負荷容量C500と負荷容量C501の間に、2つのMOSトランジスタM510,M511で構成されたバラクタ510が設けられている。バラクタ510の静電容量は、負荷容量C500とバラクタ510との間に設けられた制御端子XCA及び負荷容量C501とバラクタ510との間に設けられたXCBから印加される制御電圧によって変化する。また、バラクタ510のアノード側(MOSトランジスタM510,M511のバックゲート)はスイッチSW500を介して接地されている。
【0058】
本実施形態の発振回路は、発振回路の電源Vccの起動から所定時間(例えば、500μ秒)をカウントするタイマ回路501と、上記説明したスイッチSW500と、タイマ回路501によるカウント時間に応じてスイッチSW500をオンオフ制御するコントローラ503とを備える。コントローラ503は、発振回路の電源Vccの起動から所定時間が経過するまでの間(起動時)、スイッチSW500をオン状態とし、発振回路の電源Vccの起動から所定時間が経過したときにスイッチSW500をオフ状態に切り替える。
【0059】
図10は、スイッチSW500がオン状態のときの制御端子XCA,XCB間の等価回路である。また、図11は、スイッチSW500がオフ状態のときの制御端子XCA,XCB間の等価回路である。スイッチSW500を閉じると、図10に示すように、バラクタ510のアノードは接地され、バラクタ510の容量成分C510,C511の内、制御端子XCA,XCB間に対して並列な容量成分C511も接地される。これは、図2(a)に示した構成と等価であるため、出力端子XTBと入力端子XTの間の容量結合は小さい。したがって、このとき、負荷抵抗の低下を防ぐことができる。一方、スイッチSW500を開くと、図11に示すように、バラクタ510のアノードは開状態となり、バラクタ510の容量成分C511は容量成分C510と並列に接続される。これは、図2(b)に示した構成と等価である。
【0060】
<他の方法>
次に、上記1の方法(インバータの相互コンダクタンスgmを上げる方法)及び上記2の方法(入出力の容量結合を少なくする方法)以外の方法を活用した発振回路の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0061】
(第6の実施形態)
図12は、水晶振動子を発振させる第6の実施形態の発振回路を示す回路図である。図12に示すように、第6の実施形態の発振回路は、水晶振動子(X’TAL)が接続される端子XT,XTB間に、CMOSで構成されたインバータを備え、CMOSを構成するNチャネルMOSトランジスタM300とPチャネルMOSトランジスタM301の間には定電流源から定電流I300が供給される。なお、PチャネルMOSトランジスタM301単体でもインバータを構成することができる。インバータの入力側及び出力側のそれぞれに負荷容量C300,C301が設けられ、上記2つのインバータと並列に帰還抵抗R300が設けられている。当該発振回路では、電圧が印加されたインバータによって水晶振動子が発振し、出力端子XTBから一定周波数の信号を出力する。
【0062】
さらに、本実施形態の発振回路は、発振回路の電源Vccの起動から所定時間(例えば、500μ秒)をカウントするタイマ回路301と、電源VccからCMOSで構成されたインバータへの経路上に設けられたスイッチSW300と、電源Vccから定電流源を介したMOSトランジスタM301への経路上に設けられたスイッチSW301と、タイマ回路301によるカウント時間に応じてスイッチSW300,SW301をオンオフ制御するコントローラ303とを備える。スイッチSW300は、NチャネルMOSトランジスタM300のソース側に設けられ、スイッチSW301は、定電流源の上流側に設けられている。本実施形態では、スイッチSW300,SW301のオンオフ制御によって、CMOSで構成されたインバータ(以下「第1のインバータ」という。)及びPチャネルMOSトランジスタM301単体で構成されたインバータ(以下「第2のインバータ」という。)のいずれかが通電される。
【0063】
第2のインバータの相互コンダクタンスgm2は、定電流源から第2のインバータに供給される電流I300を調整することにより変更可能であるため、相互コンダクタンスgm2を大きくして負性抵抗を上げることができる。しかし、第2のインバータの使用には次のような課題がある。発振器は、インバータに入力される信号及びインバータから出力される信号の各振幅が大きいほど良好なノイズ特性を有する。しかし、第2のインバータの場合、入力側の端子、すなわちPチャネルMOSトランジスタM301のゲートが0.7V付近でクランプされやすいため、入出力信号の振幅が電源電圧の値までフルスイングできない。この現象は、第2のインバータがバイポーラトランジスタで構成された場合に特に現れる。一方、CMOSで構成された第1のインバータであれば、入出力信号の振幅が電源電圧の値までフルスイングするため、ノイズ特性が良好となる。
【0064】
したがって、本実施形態では、起動時に第2のインバータを通電し、定常時には第1のインバータを通電するようスイッチSW300,SW301をオンオフ制御する。なお、通電されないインバータに対応するスイッチは完全にオフ状態とされる。
【0065】
図13及び図14は、図12に示した発振回路の具体的な回路図である。第2の実施形態と同様に、電流源は1:1のカレントミラー回路によって実現することができる。また、スイッチSW301は、図13に示すように、カレントミラー回路を構成するMOSトランジスタM411側に設けても、図14に示すように、カレントミラー回路を構成するMOSトランジスタM410側に設けても良い。
【0066】
以上説明したように、本実施形態の発振回路によれば、起動時には、大きな負性抵抗が得られる第2のインバータを利用し、定常時には、入出力信号の振幅が制限されない第1のインバータを利用する。すなわち、本実施形態では、負性抵抗とノイズ特性の双方の点で状況に適したインバータが用いられる。
【0067】
上記実施形態では、水晶振動子を発振させる発振回路を例に説明したが、水晶振動子に限らず、セラミック振動子やMEMS技術を用いた振動子を発振させる発振回路にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明に係る発振回路は、良好な起動特性及び低消費電力の2つの利点を有する、振動子の発振回路等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】帰還抵抗を含まない発振回路を示す回路図
【図2】負荷容量が接地された発振回路(a)及び負荷容量が接地されていない発振回路(b)
【図3】水晶振動子を発振させる第1の実施形態の発振回路の概念を示す回路図
【図4】図3に示した発振回路の具体的な回路図
【図5】水晶振動子を発振させる第2の実施形態の発振回路の概念を示す回路図
【図6】図5に示した発振回路の具体的な回路図
【図7】水晶振動子を発振させる第3の実施形態の発振回路の概念を示す回路図
【図8】水晶振動子を発振させる第4の実施形態の発振回路の概念を示す回路図
【図9】水晶振動子を発振させる第5の実施形態の発振回路の概念を示す回路図
【図10】スイッチSW500がオン状態のときの制御端子XCA,XCB間の等価回路
【図11】スイッチSW500がオフ状態のときの制御端子XCA,XCB間の等価回路
【図12】水晶振動子を発振させる第6の実施形態の発振回路を示す回路図
【図13】図12に示した発振回路の具体的な回路図
【図14】図12に示した発振回路の具体的な回路図
【図15】水晶振動子を発振させる従来の発振回路を示す回路図
【図16】水晶振動子を発振させる従来の発振回路を示す回路図
【図17】発振回路の等価回路
【図18】水晶振動子の等価回路
【符号の説明】
【0070】
500,700 インバータ
201,301,501,701 タイマ回路
203,303,503,703 コントローラ
510 バラクタ
X’TAL 水晶振動子
XT 入力端子
XTB 出力端子
XCA,XCB 制御端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動子を発振させる発振回路であって、
1つのトランジスタを有するインバータと、
前記インバータと並列に接続された帰還抵抗と、
前記インバータの入力側及び出力側のそれぞれに設けられた容量素子と、
レベルが異なる2種類の電流のいずれかを前記インバータに供給する可変電流源と、
前記発振回路の電源の起動から所定時間をカウントするタイマ回路と、
前記可変電流源が供給し得る前記2種類の電流の内、前記タイマ回路によるカウント時間が前記所定時間を経過するまでの間はレベルが大きい方の電流を、前記所定時間を経過した後はレベルが小さい方の電流を前記インバータに供給するよう前記可変電流源を制御する電流制御部と、
を備えたことを特徴とする発振回路。
【請求項2】
請求項1に記載の発振回路であって、
前記可変電流源は、並列接続された2つの電流源を有し、
前記電流制御部は、前記2つの電流源のいずれか一方と前記インバータとの間に設けられたスイッチと、前記タイマ回路によるカウント時間に応じて前記スイッチをオンオフ制御するスイッチ制御部と、を有し、
前記スイッチ制御部は、前記タイマ回路によるカウント時間が前記所定時間を経過するまでの間は前記スイッチをオン状態とし、前記所定時間を経過した後は前記スイッチをオフ状態に切り替えることを特徴とする発振回路。
【請求項3】
請求項1に記載の発振回路であって、
前記可変電流源は、1つの電流源及び可変抵抗を有し、
前記電流制御部は、前記可変抵抗の抵抗値を制御して、前記可変電流源が前記インバータに供給する電流のレベルを変えることを特徴とする発振回路。
【請求項4】
振動子を発振させる発振回路であって、
インバータと、
前記インバータと並列に接続された帰還抵抗と、
前記インバータの入力側及び出力側のそれぞれに設けられた容量素子と、
前記2つの容量素子間に当該容量素子と直列に設けられた可変容量素子と、
前記発振回路の電源の起動から所定時間をカウントするタイマ回路と、
前記タイマ回路によるカウント時間に応じて前記インバータの入出力間容量を制御する容量制御部と、
を備えたことを特徴とする発振回路。
【請求項5】
請求項4に記載の発振回路であって、
前記容量制御部は、オン制御されることにより前記インバータの入出力を前記容量素子を介して接地するスイッチと、前記タイマ回路によるカウント時間に応じてスイッチ制御部と、を有し、
前記スイッチ制御部は、前記タイマ回路によるカウント時間が前記所定時間を経過するまでの間は前記スイッチをオン状態とし、前記所定時間を経過した後は前記スイッチをオフ状態に切り替えることを特徴とする発振回路。
【請求項6】
振動子を発振させる発振回路であって、
第1のMOSトランジスタを有する第1のインバータと、
CMOSを構成する前記第1のMOSトランジスタ及び第2のMOSトランジスタを有する第2のインバータと、
前記第1のインバータ及び前記第2のインバータと並列に接続された帰還抵抗と、
前記第1のインバータ及び前記第2のインバータの入力側及び出力側のそれぞれに設けられた容量素子と、
前記第1のインバータに電流を供給する電流源と、
前記発振回路の電源の起動から所定時間をカウントするタイマ回路と、
前記タイマ回路によるカウント時間が前記所定時間を経過するまでの間は前記第1のインバータを通電し、前記所定時間を経過した後は前記第2のインバータを通電するよう前記第1のインバータ及び前記第2のインバータを制御する電流制御部と、
を備えたことを特徴とする発振回路。
【請求項7】
請求項6に記載の発振回路であって、
前記電流制御部は、
電源から前記電流源を介した前記第1のインバータへの経路上に設けられた第1のスイッチと、
前記電源から前記第2のインバータへの経路上に設けられた第2のスイッチと、
前記タイマ回路によるカウント時間に応じて前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチをオンオフ制御するスイッチ制御部と、
を有することを特徴とする発振回路。
【請求項8】
振動子と、当該振動子を発振させる請求項1〜7のいずれか一項に記載の発振回路と、を備えたことを特徴とする発振器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−105611(P2009−105611A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−274958(P2007−274958)
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】