説明

白血球への効率的輸送

本発明は、対象物質(積荷分子)を白血球に輸送するための特定の輸送体−積荷コンジュゲート分子の使用に関する。前記輸送体−積荷コンジュゲート分子は、白血球が関与する疾患及び/又は障害の治療、予防、減衰、及び/又は回復のために用いることができる。また、本発明は、前記輸送体−積荷コンジュゲート分子の製造、対象物質(積荷分子)を白血球に輸送する方法、及び前記輸送体−積荷コンジュゲート分子又はその断片を含む白血球に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
白血球が関与する疾患及び障害の少なくともいずれかの治療、予防、減衰、及び回復の少なくともいずれかを行うための輸送体−積荷コンジュゲート分子の使用であって、前記輸送体−積荷コンジュゲート分子が、
a)成分(A)として、HIV TAT残基49〜57(配列番号2)で表されるアミノ酸配列又はその変異体を含む(ポリ)ペプチドと、
b)成分(B)として、(薬学的に活性の)積荷分子と、
c)1以上の任意成分と、
を含み、
前記配列番号2で表されるアミノ酸配列の変異体が、
i)配列番号235に係る少なくとも1つのアミノ酸配列又はその逆配列を含む(ポリ)ペプチド、及び
ii)配列番号2〜116のいずれか1つに係る少なくとも1つのアミノ酸配列又はその逆配列を含む(ポリ)ペプチド、
からなる群より選択されることを特徴とする使用。
【請求項2】
白血球が関与する疾患及び障害の少なくともいずれかが、欠損性アポトーシスにより引き起こされる疾患を含む癌若しくは腫瘍疾患、炎症性疾患、細菌及びウイルス(感染性)疾患を含む感染性疾患、JNKシグナル伝達に強く関連する疾患、自己免疫障害、自己免疫疾患、心臓血管疾患、神経疾患、神経変性疾患、肝臓疾患、脊椎疾患、子宮疾患、大鬱病性障害、非慢性炎症性消化器疾患、慢性炎症性消化器疾患、糖尿病、脱毛、聴力損失、又は内耳疾患から選択される請求項1に記載の使用。
【請求項3】
白血球が関与する疾患及び障害の少なくともいずれかが、ウイルス感染症、特に白血球のウイルス感染症から選択される請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
白血球が関与する疾患及び障害の少なくともいずれかが、HIV、エプスタイン−バーウイルス、モルビリウイルス(麻疹)、パラミクソウイルス、ルビウイルス、ヘルペスウイルス6型、ヘルペスウイルス、デングウイルス、単純ヘルペスウイルス1型、単純ヘルペスウイルス2型、パルボウイルス、RSウイルス、痘瘡ウイルス、水痘ウイルス、フラビウイルス、ヒトTリンパ球向性ウイルス1型、ヒトTリンパ球向性ウイルス2型、ヒトTリンパ球向性ウイルス3型、ヒトTリンパ球向性ウイルス4型、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、ラッサウイルス、A型インフルエンザウイルス(亜型H1N1及びH3N2を含む)、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルスのうちの1つから選択される剤により引き起こされる感染性疾患である請求項1から3のいずれかに記載の使用。
【請求項5】
白血球が関与する疾患及び障害の少なくともいずれかが、好中球増加症、好中球減少症、白血球減少症、好塩基球減少症、好塩基球増加症、好酸球減少症、好酸球増加症、突発性好酸球増多症候群、リンパ球性白血球増加症、リンパ球増加症、リンパ球減少症、単球増加症、単球減少症、メイ−ヘグリン異常、ペルゲル−フエット異常、アルダー−ライリー異常、チェディアック−東症候群、ヨブ症候群(高IgE症候群)、怠けもの白血球症候群、先天性補体第3成分欠損症、慢性肉芽腫症、白血球グルコース6−リン酸デヒドロゲナーゼ欠損症、良性ミエロペルオキシダーゼ欠損症、重症複合型免疫欠損症、ディ・ジョージ症候群、ネゼロフ症候群、乳児伴性無ガンマグロブリン血症、分類不能型低ガンマグロブリン血症、ムコ多糖体症、リポドーズ(lipodoses)、ゴーシェ病、ニーマン−ピック病、ファブリー病、ファーバー病、ガングリオシドーシス、テイ−サックス病、ザントホフ病、クラッベ病、異染色性白質萎縮症、ウォルマン病、白血病、急性リンパ性白血病(L1、L2、L3)、慢性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、未分化AML(M0)、骨髄芽球性白血病(M1)、骨髄芽球性白血病(M2)、前骨髄球性白血病(M3)、骨髄単球性白血病(M4)、単球性白血病(M5)、赤白血病(M6)、巨核芽球性白血病(M7)、慢性骨髄球性白血病から選択される請求項1から4のいずれかに記載の使用。
【請求項6】
輸送体−積荷コンジュゲート分子の(体重1kg当たりの)用量が、10mmol/kg以下、好ましくは1mmol/kg以下、より好ましくは100μmol/kg以下、更により好ましくは10μmol/kg、更により好ましくは1μmol/kg以下、更により好ましくは100nmol/kg以下、最も好ましくは50nmol/kg以下の範囲である請求項1から5のいずれかに記載の使用。
【請求項7】
輸送体−積荷コンジュゲート分子の(体重1kg当たりの)用量が、約1pmol/kg〜約1mmol/kg、約10pmol/kg〜約0.1mmol/kg、約10pmol/kg〜約0.01mmol/kg、約50pmol/kg〜約1μmol/kg、約100pmol/kg〜約500nmol/kg、約200pmol/kg〜約300nmol/kg、約300pmol/kg〜約100nmol/kg、約500pmol/kg〜約50nmol/kg、約750pmol/kg〜約30nmol/kg、約250pmol/kg〜約5nmol/kg、約1nmol/kg〜約10nmol/kgの範囲、又は前記値のうちの任意の2つの組み合わせである請求項1から6のいずれかに記載の使用。
【請求項8】
対象物質(積荷分子)を白血球に輸送するための輸送体−積荷コンジュゲート分子の使用であって、前記輸送体−積荷コンジュゲート分子が、
a)成分(A)として、HIV TAT残基49〜57(配列番号2)で表されるアミノ酸配列又はその変異体を含む(ポリ)ペプチドと、
b)成分(B)として、積荷分子と、
c)1以上の任意成分と、
を含み、
前記配列番号2で表されるアミノ酸配列の変異体が、
i)配列番号235に係る少なくとも1つのアミノ酸配列又はその逆配列を含む(ポリ)ペプチド、及び
ii)配列番号2〜116のいずれか1つに係る少なくとも1つのアミノ酸配列又はその逆配列を含む(ポリ)ペプチド、
からなる群より選択されることを特徴とする使用。
【請求項9】
対象物質(積荷分子)を白血球に輸送するための輸送体−積荷コンジュゲート分子を製造するための、HIV TAT残基49〜57(配列番号2)で表されるアミノ酸配列を含む(ポリ)ペプチド、又はその変異体の使用であって、前記配列番号2で表されるアミノ酸配列の変異体が、
i)配列番号235に係る少なくとも1つのアミノ酸配列又はその逆配列を含む(ポリ)ペプチド、及び
ii)配列番号2〜116のいずれか1つに係る少なくとも1つのアミノ酸配列又はその逆配列を含む(ポリ)ペプチド、
からなる群より選択されることを特徴とする使用。
【請求項10】
輸送体−積荷コンジュゲート分子の2以上の成分が互いに共有結合しており、特に成分(A)と(B)とが互いに共有結合している請求項1から9のいずれかに記載の使用。
【請求項11】
積荷分子(成分(B))が、
a)治療活性タンパク質及び治療活性(ポリ)ペプチドの少なくともいずれかを含むタンパク質又は(ポリ)ペプチド、
b)タンパク質キナーゼであるc−Junアミノ末端キナーゼ又は因子の阻害剤を含むタンパク質キナーゼ阻害剤、
c)抗原、
d)抗体、
e)アポトーシス因子、
f)ペプチドプロテアーゼ阻害剤を含む病状に関与しているプロテアーゼ、
g)BH3−ドメイン、
h)BH3−onlyタンパク質、
i)DNA、
j)siRNA、アンチセンスRNA、マイクロRNAを含むRNA、
k)細胞毒性剤、
l)小有機化合物、
m)小分子医薬、
n)金粒子、
o)蛍光色素、
p)抗生物質、
q)静ウイルス剤
の少なくともいずれかから選択される請求項1から10のいずれかに記載の使用。
【請求項12】
配列番号2で表されるアミノ酸配列の変異体が、配列番号2〜116、235、又はそれぞれの逆配列の化学誘導体の群より選択される(化学)誘導体である請求項1から11のいずれかに記載の使用。
【請求項13】
任意の1以上の更なる成分が、輸送体−積荷コンジュゲート分子を特定の細胞内標的局在位置又は特定の細胞型に導くシグナル配列又は局在配列から選択される請求項1から12のいずれかに記載の使用。
【請求項14】
輸送体−積荷コンジュゲート分子の成分のうちの1つ、2つ、それ以上及び全ての少なくともいずれかが、タンパク質又は(ポリ)ペプチド配列であり、L−アミノ酸、D−アミノ酸、又はL−アミノ酸とD−アミノ酸との混合物からなる請求項1から13のいずれかに記載の使用。
【請求項15】
変異体が、(ポリ)ペプチドの配列に対して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、又は99%の配列同一性を有する(ポリ)ペプチド配列を含む又は前記(ポリ)ペプチド配列からなる請求項1から14のいずれかに記載の使用。
【請求項16】
積荷が、配列番号117〜200、又はこれらの断片若しくは変異体から選択されるc−Junアミノ末端キナーゼの阻害剤である請求項1から15のいずれかに記載の使用。
【請求項17】
白血球への輸送が、エキソビボで生じる請求項1から16のいずれかに記載の使用。
【請求項18】
白血球が、一次細胞である請求項1から17のいずれかに記載の使用。
【請求項19】
白血球が、不死化細胞である請求項1から18のいずれかに記載の使用。
【請求項20】
白血球が、トランスジェニック細胞である請求項1から19のいずれかに記載の使用。
【請求項21】
白血球が、顆粒球、リンパ球、単球、マクロファージ、樹状細胞、マイクログリア細胞、及び肥満細胞の少なくともいずれかから選択される請求項1から20のいずれかに記載の使用。
【請求項22】
顆粒球が、好中球、好酸球、及び好塩基球からなる群より選択される請求項21に記載の使用。
【請求項23】
リンパ球が、NK細胞、ヘルパーT細胞、細胞毒性T細胞、γδT細胞、及びB細胞から選択される請求項21に記載の使用。
【請求項24】
対象物質(積荷分子)を白血球に輸送する方法であって、
i)輸送体−積荷コンジュゲート分子と、白血球と、を接触させる工程を含み、前記輸送体−積荷コンジュゲート分子が、
a)成分(A)として、HIV TAT残基49〜57(配列番号2)で表されるアミノ酸配列、その(化学)誘導体、又はその変異体を含む(ポリ)ペプチドと、
b)成分(B)として、積荷分子と、
c)1以上の任意成分と、
を含み、
前記配列番号2で表されるアミノ酸配列の変異体が、
i’)配列番号235に係る少なくとも1つのアミノ酸配列、その(化学)誘導体、又はその逆配列を含む(ポリ)ペプチド、及び
ii’)配列番号2〜116のいずれか1つに係る少なくとも1つのアミノ酸配列、その(化学)誘導体、又はその逆配列を含む(ポリ)ペプチド
からなる群より選択されることを特徴とする方法。
【請求項25】
輸送体−積荷コンジュゲート分子又はその断片を含む単離白血球であって、前記輸送体−積荷コンジュゲート分子が、
a)成分(A)として、HIV TAT残基49〜57(配列番号2)で表されるアミノ酸配列、その(化学)誘導体、又はその変異体を含む(ポリ)ペプチドと、
b)成分(B)として、積荷分子と、
c)1以上の任意成分と、
を含み、
前記配列番号2で表されるアミノ酸配列の変異体が、
i)配列番号235に係る少なくとも1つのアミノ酸配列、その(化学)誘導体、又はその逆配列を含む(ポリ)ペプチド、及び
ii)配列番号2〜116のいずれか1つに係る少なくとも1つのアミノ酸配列、その(化学)誘導体、又はその逆配列を含む(ポリ)ペプチド
からなる群より選択されることを特徴とする単離白血球。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図21D】
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【図21E】
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【図21F】
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【図21G】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23A】
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【図23B】
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【公表番号】特表2012−513427(P2012−513427A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542715(P2011−542715)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【国際出願番号】PCT/EP2009/009228
【国際公開番号】WO2010/072405
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(507045085)ザイジェン エス.アー. (17)
【Fターム(参考)】