説明

皮膚を処置するための方法および組成物

少なくとも1つのケラチノサイトのCLOCK遺伝子またはPER1遺伝子のアクチベーターと、少なくとも1つのDNA修復酵素とを含むスキンケア組成物;少なくとも1つのケラチノサイトのCLOCK遺伝子またはPER1遺伝子のアクチベーターと、少なくとも1つのDNA修復酵素とを含む組成物を適用することにより、環境的攻撃に起因するヒトケラチノサイトの損傷を抑制する方法;ヒトケラチノサイトにおけるDNA損傷を修復する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚を修復し、美化し、調子を整え、また改善するため皮膚に適用する組成物の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
UV光、汚染、たばこの煙およびストレスが皮膚に極めて有害であり得ることはよく知られている。顔の皮膚は、ケラチノサイトで構成されている。このような環境的攻撃への曝露は、細胞DNAに損傷を与える。例えば、一回の日焼けは、影響を受けた細胞において、何十万ものDNA変異原性塩基修飾(例えばT-T(チアミン-チアミン)ダイマー;8-オキソ-7,8-ジヒドロ-2'-デオキシグアノシン(8-オキソ-DG);06MeG(06-メチルグアニン);および6-4PP(6-4光分解生成物))をもたらすと推定されている。幸いなことに、健康なケラチノサイトは、これらの損傷を修復するための自然の内部機構を有する。しかし、DNA損傷の修復には時間がかかる。例えば、UVB曝露によって形成されたTTダイマーおよび6-4PP損傷の修復は、それぞれ48時間および8時間もかかる可能性がある。UVAもしくはUVB曝露、オゾン、または喫煙および汚染に起因する8-オキソ-DGおよび06MeG損傷の修復は、2時間もかかる可能性がある。DNA損傷が細胞分裂の前に修復されない場合、その結果は、アポトーシスまたは細胞死である。
【0003】
身体の自然の概日リズムは、環境的攻撃への曝露中(通常は日中)、細胞中の特定の遺伝子が活性化されて、細胞を損傷から保護するタンパク質を生成するように同調している。そして、休息期間中(通常は夜)は、通常の概日リズムに伴って遺伝子の活性化は低下する。
【0004】
最近、自然な身体の概日リズムと関連する遺伝子が同定され、このような遺伝子として、いずれも概日リズムを調節するタンパク質をコードするCLOCK(Circadian Locomotor Output Cycles Kaput)遺伝子およびPER1(Period Homolog 1)遺伝子が挙げられる。CLOCK遺伝子およびPER1遺伝子は、ケラチノサイト中にも存在し、細胞の生存能および修復を促進する対応するタンパク質の合成を促進する。しかし通常の概日リズムでは、これらの遺伝子は、日中最も活性化される。対応するタンパク質レベルが日中増加するにつれてフィードバック阻害が起こり、夜が近づくにつれてこれらの遺伝子は「オフにされる」。
【0005】
夜の休息前に皮膚に適用する化粧品はよく知られている。このような製品の多くは、細胞修復過程を促進するために役立つ成分を含む。例えばこれらの製品は、自然な細胞のDNA修復の効果を改善するためのDNA修復酵素、ケラチノサイトの水和作用を維持するための保湿成分、皮膚障壁機能を改善するための保湿成分などを含み得る。これらの成分は、夜の休息中にケラチノサイトが修復する能力を改善するが、常に改善の余地がある。
【0006】
ケラチノサイト中に存在するCLOCK遺伝子およびPER1遺伝子の活性化が、細胞生存能、細胞寿命、環境的攻撃に起因する細胞損傷の抑制、およびDNA損傷の修復の改善を促進するタンパク質の合成をもたらすことが見出された。CLOCK遺伝子およびPER1遺伝子の活性化によって生成されるタンパク質は、皮膚が最も環境的攻撃を受ける通常の概日リズム周期中(すなわち日中)に最も頻繁に産生される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、少なくとも1つのケラチノサイトのCLOCK遺伝子またはPER1遺伝子のアクチベーターと、少なくとも1つのDNA修復酵素とを含む組成物を適用することにより、環境的攻撃に起因するヒトケラチノサイトの損傷を抑制する方法を提供することである。
【0008】
本発明のさらなる目的は、少なくとも1つのケラチノサイトのCLOCK遺伝子またはPER1遺伝子のアクチベーターを、単独で、または少なくとも1つのDNA修復酵素と組み合わせて含む組成物を皮膚に適用することを含んでなる、皮膚を修復する方法を提供することである。
【0009】
本発明のさらなる目的は、少なくとも1つのケラチノサイトのCLOCK遺伝子またはPER1遺伝子のアクチベーターを、単独で、または少なくとも1つのDNA修復酵素と組み合わせて含む、皮膚を処置するための組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の要約
本発明は、少なくとも1つのケラチノサイトのCLOCK遺伝子またはPER1遺伝子のアクチベーターと、少なくとも1つのDNA修復酵素とを含むスキンケア組成物を対象とする。
【0011】
本発明はさらに、少なくとも1つのケラチノサイトのCLOCK遺伝子またはPER1遺伝子のアクチベーターと、少なくとも1つのDNA修復酵素とを含む組成物を適用することにより、環境的攻撃に起因するヒトケラチノサイトの損傷を抑制する方法を対象とする。
【0012】
本発明はさらに、少なくとも1つのCLOCK遺伝子またはPER1遺伝子のアクチベーターと、少なくとも1つのDNA修復酵素とを含む組成物をヒトケラチノサイトに適用することにより、かかるヒトケラチノサイトにおけるDNA損傷を修復する方法を対象とする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、Chronolux(登録商標)が、ケラチノサイトのCLOCK遺伝子を活性化させ、それによりUV誘導性ストレスからケラチノサイトを保護する能力を示す。
【図2】図2は、ケラチノサイトを本発明の組成物で処理した後、UV光に曝露した場合に、ケラチノサイトの生存および生存能が改善されることを示す。
【図3】図3は、DNA修復酵素を単独で含む組成物と比較した、少なくとも1つのCLOCK遺伝子またはPER1遺伝子のアクチベーターと少なくとも1つのDNA修復酵素との組み合わせを含む組成物の、ケラチノサイト生存の改善を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
I. 定義
本明細書中に記載されるパーセントは全て、他に示されない限り、重量パーセントである。
【0015】
「CLOCK遺伝子のアクチベーター」とは、ケラチノサイト中に存在する1つ以上のCLOCK遺伝子を活性化させて、DNA損傷を修復し、環境的攻撃によって引き起こされる細胞の損傷を抑制し、あるいはケラチノサイトの生存能、強度、および/または寿命を改善するタンパク質を生成する成分を意味する。用語「CLOCK遺伝子」には、例えばBMAL1、MOP3等の当該遺伝子の様々なコンポーネントが包含される。
【0016】
用語「DNA修復酵素」とは、DNA塩基変異原性損傷を修復することができる酵素を意味する。このような酵素は、これらが修復するDNA損傷の種類によって分類されることが多く、例えばBER(塩基除去修復)酵素、ヌクレオチド除去修復(NER)酵素;ミスマッチ修復(MMR)酵素;DNAヘリカーゼ;DNAポリメラーゼなどがある。例えば、8-オキソ-7,8-ジヒドロ-2'-デオキシグアノシンなどの変異は、OGG1(8-オキソグアニングリコシラーゼ)によって修復することが可能であり;TTダイマーはヌクレオチド除去修復(NER)フォトリアーゼによって修復することが可能であり;6-4光分解生成物はNERによって修復することが可能であり;また06-メチルグアニンは、06-アルキルグアニントランスフェラーゼ(AGT)によって修復することができる。
【0017】
「PER1遺伝子のアクチベーター」とは、ケラチノサイト中に見られる1つ以上のPER1遺伝子を活性化して、DNA損傷を修復し、環境的攻撃によって引き起こされる細胞の損傷を抑制し、あるいはケラチノサイトの生存能、強度、および/または寿命を改善するタンパク質を生成する成分を意味する。
【0018】
「修復する」とは、皮膚に関して、ケラチノサイトの生存能、強度、および寿命が一般的に改善されることを意味する。この修復は、とりわけ、損傷したケラチノサイトDNAの修復、細胞の水和作用、保湿、UV光、たばこの煙または他の環境的攻撃に起因するケラチノサイト損傷の抑制によって起こり得る。
【0019】
II. CLOCK、PER1、アクチベーター
本発明の組成物は、少なくとも1つのCLOCKまたはPER1ケラチノサイト遺伝子のアクチベーターを含有する。推奨範囲は、約0.000001〜約40%、好ましくは約0.000005〜35%、より好ましくは約0.00001〜25%である。好適なCLOCKまたはPER1のアクチベーターは、植物抽出物、ポリペプチド、ペプチド、アミノ酸などの形態で存在し得る。
【0020】
特に好ましいCLOCKおよび/またはPER1遺伝子のアクチベーターは、式(I):
【化1】

【0021】
(式中、(AA)n-X1-S-T-P-X2-(AA)pは(配列番号1)であり、
X1は、トレオニン、セリンを表し、またはゼロと等しく、
X2は、イソロイシン、ロイシン、プロリン、バリン、アラニン、グリシンを表し、またはゼロと等しく、
AAは、任意のアミノ酸またはその誘導体を表し、且つnおよびpは0〜4の整数であり、
R1は、遊離の、またはアセチル基、ベンゾイル基、トシル基、もしくはベンジルオキシカルボニル基のいずれかから選択され得る保護基によって置換されている、N末端アミノ酸の第1級アミン基を表し、
R2は、C1〜C20アルキル鎖またはNH2、NHY、もしくはNYY基(ここで、YはC1〜C4アルキル鎖を表す)のいずれかから選択され得る保護基によって置換されている、C末端アミノ酸のカルボキシル基のヒドロキシル基を表す)
で表されるペプチドを含み、
この場合、一般式(I)の配列は、約3〜13個のアミノ酸残基を含み、
該一般式(I)の配列は、アミノ酸X1およびX2の、他の化学的に等価なアミノ酸との置換を含む可能性があり、
ここで、上記のアミノ酸は以下のとおりである:
アラニン(A)
アルギニン(R)
アスパラギン(N)
アスパラギン酸(D)
システイン(C)
グルタミン酸(E)
グルタミン(Q)
グリシン(G)
ヒスチジン(H)
イソロイシン(I)
ロイシン(L)
リシン(K)
メチオニン(M)
フェニルアラニン(F)
プロリン(P)
セリン(S)
トレオニン(T)
トリプトファン(W)
チロシン(Y)
バリン(V)。
【0022】
より好ましいのは、以下のような上記式のペプチドである:
【化2】

【0023】
より好ましいのは、S-T-P-NH2ペプチド、配列番号4、またはこれらの混合物である。
【0024】
最も好ましいのは、INCI名「トリペプチド-32」を有する、ISP-Vinscienceにより、商標Chronolux(登録商標)で製造されるペプチドである。
【0025】
III. DNA修復酵素
本発明の方法において使用される組成物は、少なくとも1つのDNA修復酵素も含む。推奨範囲は、1つ以上のDNA修復酵素が約0.00001〜約35%、好ましくは約0.00005〜約30%、より好ましくは約0.0001〜約25%である。
【0026】
米国特許第5,077,211号;第5,190,762号;第5,272,079号;および第5,296,231号(これらは全てそのまま参照により本明細書に組み込まれる)に開示されるDNA修復酵素は、本発明の組成物および方法において使用するのに適している。このようなDNA修復酵素の1つの例は、AGI/Dermaticsから商品名Roxisomes(登録商標)で購入することが可能であり、INCI名「アラビドプシス・サリアナ(Arabidopsis Thaliana)抽出物」を有する。この酵素は、単独で、またはレシチンおよび水との混合物として存在し得る。このDNA修復酵素は、8-オキソ-ジグアニン塩基変異損傷を修復するのに有効であることが知られている。
【0027】
使用し得る別の種類のDNA修復酵素は、06-メチルグアニン塩基変異損傷を修復するのに有効であることが知られているDNA修復酵素である。これは、AGI/Dermaticsから商品名Adasomes(登録商標)で販売されており、INCI名「ラクトバチルス(Lactobacillus)発酵物」を有し、単独で、またはレシチンおよび水と混合して本発明の組成物に添加することができる。
【0028】
使用し得る別の種類のDNA修復酵素は、TTダイマーを修復するのに有効であることが知られているDNA修復酵素である。この酵素は、生物由来物質または植物由来物質の混合物中に存在する。このような成分の例は、AGI/Dermaticsから商品名Ultrasomes(登録商標)またはPhotosomes(登録商標)で販売されている。Ultrasomes(登録商標)は、ミクロコッカス(Micrococcus)溶解物(ミクロコッカス(Micrococcus)の多様な種の制御溶解の最終生成物)、レシチンおよび水の混合物を含む。Photosomes(登録商標)は、プランクトン抽出物(1種以上の以下の生物:海洋プランクトン、緑色微細藻類、珪藻類、青緑色窒素固定海藻を含む海洋バイオマスの抽出物)、水、およびレシチンの混合物を含む。
【0029】
別の種類のDNA修復酵素は、ビフィダ(Bifida)溶解物またはビフィダ(Bifida)発酵溶解物(後者は、ビフィド(Bifido)細菌が培養され、不活性化され、次いで分解された場合に上記の代謝産物および細胞質画分を含有するビフィド(Bifido)細菌に由来する溶解物である)などの多様な不活性化細菌溶解物の1つの成分であり得る。この物質は、INCI名「ビフィダ(Bifida)発酵溶解物」を有する。
【0030】
他の好適なDNA修復酵素としては、バクテリオファージT4のdenV遺伝子によって生成され得るエンドヌクレアーゼVが挙げられる。また、T4エンドヌクレアーゼ;O6-メチルグアニン-DNAメチルトランスフェラーゼ;ウラシル-およびヒポキサンチン-DNAグリコシラーゼなどの光回復酵素;脱ピリミジン/脱プリンエンドヌクレアーゼ;DNAエキソヌクレアーゼ、損傷塩基グリコシラーゼ(例えば、3-メチルアデニン-DNAグリコシラーゼ);単独のまたは複合体(例えば、大腸菌(E. coli)uvrA/uvrB/uvrCエンドヌクレアーゼ複合体)のコルエンドヌクレアーゼ;多機能DNA修復酵素であるAPEXヌクレアーゼ、「APE」と呼ばれることも多い;ジヒドロ葉酸レダクターゼ;ターミナルトランスフェラーゼ;トポイソメラーゼ;O6ベンジルグアニン;DNAグリコシラーゼも好適である。
【0031】
他の種類の好適なDNA修復酵素は、促進される修復の種類によって分類することが可能であり、BER(塩基除去修復)酵素すなわちBER因子酵素(例えばウラシル-DNAグリコシラーゼ(UNG));一本鎖選択的単機能ウラシルDNAグリコシラーゼ(SMUG1);3,N(4)-エテノシトシングリコシラーゼ(MBD4);チミンDNAグリコシラーゼ(TDG);A/G-特異的アデニンDNAグリコシラーゼ(MUTYH);8-オキソグアニンDNAグリコシラーゼ(OGG1);エンドヌクレアーゼIII様(NTHL1);3-メチルアデニンDNAグリコシダーゼ(MPG);DNAグリコシラーゼ/APリアーゼ(NEIL1または2);APエンドヌクレアーゼ(APEX1および2)、DNAリガーゼ(LIG3)、リガーゼ副因子(XRCC1);DNA 5'-キナーゼ/3'-ホスファターゼ(PNKP);ADP-リボシルトランスフェラーゼ(PARP1または2)が挙げられる。
【0032】
別のカテゴリーのDNA修復酵素としては、O6-MeGアルキルトランスフェラーゼ(MGMT);1-meAジオキシゲナーゼ(ALKBH2またはALKBH3)などの、損傷を直接逆転させると考えられているDNA修復酵素が挙げられる。
【0033】
DNA/タンパク質架橋を修復することができるさらに別のカテゴリーの酵素としては、Tyr-DNAホスホジエステラーゼ(TDP1)が挙げられる。
【0034】
また、MMR(ミスマッチ除去修復)DNA修復酵素(例えばMutSタンパク質ホモログ(MSH2));ミスマッチ修復タンパク質(MSH3);mutSホモログ4(MSH4);MutSホモログ5(MSH5);またはG/Tミスマッチ-結合タンパク質(MSH6);DNAミスマッチ修復タンパク質(PMS1、PMS2、MLH1、MLH3);減数分裂後分離増加型(Postmeiotic segregation increased)2様タンパク質(PMS2L3);または減数分裂後分離増加型(Postmeiotic segregation increased)2様4偽遺伝子(PMS2L4)も好適である。
【0035】
また、ヌクレオチド除去修復(NER)酵素として知られているDNA修復酵素も適しており、例えば色素性乾皮症群C-相補タンパク質(XPC);RAD23(酵母(サッカロマイセス・セレビシエ(S. cerevisiae))ホモログ(RAD23B);カルトラクチンアイソフォーム(CETN2);RFAタンパク質1、2、または3(RPA1、2、または3);3'〜5'DNAヘリカーゼ(ERCC3);5'〜3'DNAヘリカーゼ(ERCC2);塩基性転写因子(GTF2H1、GTF2H2、GTF2H3、GTF2H4、GTF2H5);CDK活性化キナーゼ(CDK7、CCNH);サイクリンG1-相互作用タンパク質(MNAT1);DNA除去修復タンパク質ERCC-5l;除去修復交差補完群1(ERCC1);DNAリガーゼ1(LIG1);ATP依存性ヘリカーゼ(ERCC6);などが挙げられる。
【0036】
相同組換えを促進するカテゴリーのDNA修復酵素も適している場合があり、例えば、限定するものではないが、DNA修復タンパク質RAD51ホモログ(RAD51、RAD51L1、RAD51B等);DNA修復タンパク質XRCC2;DNA修復タンパク質XRCC3;DNA修復タンパク質RAD52;ATPase(RAD50);3'エキソヌクレアーゼ(MRE11A);などが挙げられる。
【0037】
またDNAポリメラーゼであるDNA修復酵素も適しており、例えば、DNAポリメラーゼベータサブユニット(POLB);DNAポリメラーゼガンマ(POLG);DNAポリメラーゼサブユニットデルタ(POLD1);DNAポリメラーゼIIサブユニットA(POLE);DNAポリメラーゼデルタ補助タンパク質(PCNA);DNAポリメラーゼゼータ(POLZ);MAD2ホモログ((REV7);DNAポリメラーゼイータ(POLH):DNAポリメラーゼカッパ(POLK)などが挙げられる。
【0038】
「エディティングヌクレアーゼおよびプロセシングヌクレアーゼ」と呼ばれることも多い様々な種類のDNA修復酵素としては、3'-ヌクレアーゼ;3'-エキソヌクレアーゼ;5'-エキソヌクレアーゼ;エンドヌクレアーゼなどが挙げられる。
【0039】
DNA修復酵素の他の例としては、例えば、ATP DNAヘリカーゼなどのDNAヘリカーゼが挙げられる。
【0040】
DNA修復酵素は、植物抽出物、細菌溶解物、生物由来物質などの成分として存在し得る。例えば、植物抽出物はDNA修復酵素を含み得る。
【0041】
本発明の組成物は、1つ以上のDNA修復酵素を含み得る。好ましくは、本組成物は、化粧品上または製薬上許容される製品を与える他の成分を含む。
【0042】
IV. 他の成分
本発明の組成物は、エマルション、水溶液もしくは分散液、ゲル、または無水組成物の形態であり得る。エマルションの形態の場合、本組成物は油中水型または水中油型エマルションであってよい。エマルションの形態の場合、本組成物は、約1〜99%、好ましくは約5〜90%、より好ましくは約10〜85%の水と、約1〜99%、好ましくは約5〜90%、より好ましくは約5〜75%の油を含み得る。水性懸濁液または分散液の場合、本組成物は、一般に、約1〜99.9%、好ましくは約5〜95%、より好ましくは約10〜90%の水と、活性成分または他の製剤成分である残りの成分とを含み得る。
【0043】
A. 保湿剤
本組成物は、1種以上の保湿剤を含み得る。本組成物に含まれる場合、これらの保湿剤は、約0.1〜75%、好ましくは約0.5〜70%、より好ましくは約0.5〜40%の範囲であり得る。好適な保湿剤の例として、グリコール、糖などが挙げられる。好適なグリコールはモノマー型またはポリマー型であり、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール(例えば、4〜10個のエチレンオキシドの繰り返し単位を有するポリエチレングリコールであるPEG4-10)、ならびにC1-6アルキレングリコール(例えばプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール)などが挙げられる。適切な糖(その一部は多価アルコールでもある)も好適な保湿剤である。このような糖の例として、グルコース、フルクトース、蜂蜜、水素化蜂蜜、イノシトール、マルトース、マンニトール、マルチトール、ソルビトール、スクロース、キシリトール、キシロースなどが挙げられる。また、尿素も好適である。好ましくは、本発明の組成物において用いられる保湿剤は、C1-6、好ましくはC2-4アルキレングリコールであり、最も具体的にはブチレングリコールである。
【0044】
B. 日焼け止め剤
本発明の組成物に1種以上の日焼け止め剤を含めることが望ましい場合もある。かかる日焼け止め剤としては、化学的UVAもしくは化学的UVB日焼け止め剤または微粒子形態の物理的日焼け止め剤が挙げられる。美白活性成分を含有する本組成物への日焼け止め剤の包含は、日中、皮膚にさらなる保護を与え、また皮膚に対する美白活性成分の効果を促進する。本組成物に含まれる場合、これらの日焼け止め剤は、約0.1〜50%、好ましくは約0.5〜40%、より好ましくは約1〜35%の範囲であり得る。
【0045】
1. UVA化学的日焼け止め剤
必要に応じて、本組成物は1種以上のUVA日焼け止め剤を含み得る。「UVA日焼け止め剤」という用語は、約320〜400nmの波長範囲のUV線を遮断する化合物を意味する。好ましいUVA日焼け止め剤は、一般式
【化3】

【0046】
[式中、R1はH、ORおよびNRRであり、ここで各Rは独立に、H、C1-20直鎖または分岐鎖アルキルであり、R2はHまたはOHであり、R3はH、C1-20直鎖または分岐鎖アルキルである]
を有するジベンゾイルメタン化合物である。
【0047】
R1がORであり、ここでRがC1-20直鎖または分岐鎖アルキル、好ましくはメチルであり、R2がHであり;またR3がC1-20直鎖または分岐鎖アルキル、より好ましくはブチルである場合が好ましい。
【0048】
この一般式で表される好適なUVA日焼け止め化合物の例としては、4-メチルジベンゾイルメタン、2-メチルジベンゾイルメタン、4-イソプロピルジベンゾイルメタン、4-tert-ブチルジベンゾイルメタン、2,4-ジメチルジベンゾイルメタン、2,5-ジメチルジベンゾイルメタン、4,4'-ジイソプロピルベンゾイルメタン、4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン、4,4'-ジイソプロピルベンゾイルメタン、2-メチル-5-イソプロピル-4'-メトキシジベンゾイルメタン、2-メチル-5-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタンなどが挙げられる。アボベンゾンとも呼ばれる4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタンが特に好ましい。アボベンゾンはGivaudan-Roureから商標Parsol(登録商標)1789として、また、Merck & Co.から商品名Eusolex(登録商標)9020として市販されている。
【0049】
他の種類のUVA日焼け止め剤としては、式:
【化4】

【0050】
を有するテレフタリリデンジカンフルスルホン酸である、商品名Mexoryl(登録商標)として販売されている日焼け止め剤のエカムスルなどのジカンフルスルホン酸誘導体が挙げられる。
【0051】
本組成物は、本組成物の約0.001〜20重量%、好ましくは0.005〜5重量%、より好ましくは約0.005〜3重量%のUVA日焼け止め剤を含み得る。本発明の好ましい実施形態において、UVA日焼け止め剤はアボベンゾンであり、全組成物の約3重量%以下で存在する。
【0052】
2. UVB化学的日焼け止め剤
「UVB日焼け止め剤」という用語は、約290〜320nmの波長範囲のUV線を遮断する化合物を意味する。米国特許第3,215,724号(参照によりそのまま本明細書に組み入れられる)に示されるα-シアノ-β,β-ジフェニルアクリル酸エステルなどの様々なUVB化学的日焼け止め剤が存在する。α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリル酸エステルの1つの特定の例が、2-エチルヘキシル2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレートであるオクトクリレンである。特定の場合、本組成物は全組成物の約10重量%以下のオクトクリレンを含み得る。好適な量は約0.001〜10重量%である。オクトクリレンはBASFから商品名Uvinul(登録商標)N-539として購入することができる。
【0053】
他の好適な日焼け止め剤としては、米国特許第3,781,417号(参照によりそのまま本明細書に組み入れられる)に示されるベンジリデンカンフル誘導体が挙げられる。かかるベンジリデンカンフル誘導体は、一般式:
【化5】

【0054】
[式中、Rはp-トリルまたはスチリル、好ましくはスチリルである]
を有する。Merckにより商品名Eusolex 6300として販売されている脂溶性UVB日焼け止め化合物である4-メチルベンジリデンカンフルが特に好ましい。
【0055】
一般式:
【化6】

【0056】
[式中、RおよびR1は、それぞれ独立にC1-20直鎖または分岐鎖アルキルである]
を有するケイ皮酸エステル誘導体も好適である。Rがメチルであり、R1が分岐鎖C1-10、好ましくはC8アルキルである場合が好ましい。好ましい化合物は、オクトキシネートとも呼ばれるメトキシケイ皮酸エチルヘキシルまたはメトキシケイ皮酸オクチルである。この化合物はGivaudan Corporationから商品名Parsol(登録商標)MCXとして、またはBASFから商品名Uvinul(登録商標)MC80として購入することができる。
【0057】
かかるメトキシケイ皮酸エステルのモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン誘導体(メトキシケイ皮酸ジエタノールアミンなど)も好適である。上記の化合物の芳香族エーテル誘導体であるシノキサートも許容される。本組成物に含まれる場合、組成物中に見られるシノキサートは全組成物の約3重量%以下でなければならない。
【0058】
UVB日焼け止め剤として、一般式:
【化7】

【0059】
[式中、R〜R9は、それぞれ独立にH、OH、NaO3S、SO3H、SO3Na、Cl、R''、OR''であり、ここでR''はC1-20直鎖または分岐鎖アルキルである]
を有する様々なベンゾフェノン誘導体も好適である。かかる化合物の例としては、ベンゾフェノン1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11および12が挙げられる。ベンゾフェノン誘導体がベンゾフェノン3(オキシベンゾンとも呼ばれる)、ベンゾフェノン4(スリソベンゾンとも呼ばれる)、ベンゾフェノン5(スリソベンゾンナトリウム)などである場合が特に好ましい。最も好ましいのはベンゾフェノン3である。
【0060】
一般式:
【化8】

【0061】
[式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に、H、OH、NH2またはC1-20直鎖もしくは分岐鎖アルキルである]
を有する特定のサリチル酸メンチル誘導体も好適である。R1、R2およびR3がメチルであり、R4がヒドロキシルまたはNH2である場合(この化合物はサリチル酸ホモメンチル(ホモサレートとしても知られる)またはアントラニル酸メンチルという名称を有する)が特に好ましい。ホモサレートはMerckから商標名Eusolex(登録商標)HMSとして市販され、アントラニル酸メンチルはHaarmann & Reimerから商標名Heliopan(登録商標)として市販されている。本組成物に含まれる場合、組成物中に見られるホモサレートは全組成物の約15重量%以下でなければならない。
【0062】
様々なアミノ安息香酸誘導体は好適なUVB吸収剤であり、一般式:
【化9】

【0063】
[式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、H、1つ以上のヒドロキシ基で置換されていてよいC1-20直鎖または分岐鎖アルキルである]
を有するものが挙げられる。R1がHまたはC1-8直鎖もしくは分岐鎖アルキルであり、R2およびR3がHまたはC1-8直鎖もしくは分岐鎖アルキルである場合が特に好ましい。PABA、エチルヘキシルジメチルPABA(パディメートO)、エチルジヒドロキシプロピルPABAなどが特に好ましい。本組成物に含まれる場合、組成物中に見られるパディメートOは全組成物の約8重量%以下でなければならない。
【0064】
サリチル酸エステル誘導体も許容されるUVB吸収剤である。かかる化合物はRが直鎖または分岐鎖アルキルである一般式を有し、例えば、モノ−、ジ−またはトリエタノールアミンから形成される上記化合物の誘導体が挙げられる。サリチル酸オクチル、サリチル酸TEA、サリチル酸DEAおよびそれらの混合物が特に好ましい。
【0065】
一般に、本組成物中に含まれるUVB化学的日焼け止め剤の量は、全組成物の約0.001〜45重量%、好ましくは0.005〜40重量%、より好ましくは約0.01〜35重量%であってよい。
【0066】
必要に応じて、本発明の組成物は、約1〜50、好ましくは約2〜45、最も好ましくは約5〜30の特定のSPF(日光防止指数)値を有するように製剤化することができる。SPF値の算出は、当技術分野において周知である。
【0067】
C. 界面活性剤
本組成物は、特にエマルション形態である場合、1種以上の界面活性剤を含めることが望ましい場合がある。このような界面活性剤は、本組成物が溶液、懸濁液、または無水である場合にも使用することが可能であり、極性を有する成分(例えば色素)を分散させるのに役立つ。かかる界面活性剤は、シリコーン系であっても、または有機系であってもよい。この界面活性剤は、油中水型形態または水中油型形態の安定なエマルションの形成にも役立つ。本組成物に含まれる場合、この界面活性剤は、全組成物の約0.001〜30重量%、好ましくは約0.005〜25重量%、より好ましくは約0.1〜20重量%であり得る。
【0068】
1. 有機非イオン性界面活性剤
本組成物は1種以上の非イオン性有機界面活性剤を含み得る。好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコールとアルキレンオキシド(通常はエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド)との反応により形成されるアルコキシル化アルコールまたはエーテルが挙げられる。好適なアルコールとしては、一価、二価、または多価の短鎖(C1-6)アルコール;芳香族または脂肪族の飽和または不飽和脂肪(C12-40)アルコール、コレステロールなどが挙げられる。
【0069】
1つの実施形態において、上記のアルコールはコレステロールであり、または6〜40、好ましくは約10〜30、より好ましくは約12〜22個の炭素原子を有し得る芳香族または脂肪族の飽和または不飽和脂肪アルコールである。例としては、オレイルアルコール、セテアリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどが挙げられる。このような成分の例としては、オレス2-100;ステアレス2-100;ベヘネス5-30;セテアレス2-100;セテス2-100;コレス2-100(この場合、数値範囲はエチレンオキシドの繰り返し単位の数を意味し、例えばセテス2-100は、エチレンオキシドの繰り返し単位の数が2〜100であるセテスを意味する)などが挙げられる。また、アルコキシル化アルコールの誘導体(例えばアルコキシル化アルコールのリン酸エステル)も適している。
【0070】
一部の好ましい有機非イオン性界面活性剤としては、オレス-3、オレス-5、オレス-3ホスフェート、コレス-24;セテス-24などが挙げられる。
【0071】
また、一価、二価、または多価の短鎖アルコールで形成されるアルコキシル化アルコール、例えば、約1〜6個の炭素原子を有するアルコキシル化アルコールも好適である。例としては、グルコース、グリセリン、またはそのアルキル化誘導体が挙げられる。例としては、グリセレス2-100;グルセス2-100;メチルグルセス2-100などが挙げられる。より好ましいのは、メチルグルセス-20;グリセレス-26などである。
【0072】
他の種類のアルコキシル化アルコールは好適な界面活性剤であり、例えば、様々な数の繰り返しEO基を有するエチレンオキシドポリマー(一般にPEG12〜200と呼ばれる)が挙げられる。より好ましいのはPEG-75であり、これはDow Chemicalから、商品名Carbowax PEG-3350で購入することができる。
【0073】
他の好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコキシル化ソルビタンおよびアルコキシル化ソルビタン誘導体が挙げられる。例えば、ソルビタンのアルコキシル化、特にエトキシル化により、ポリアルコキシル化ソルビタン誘導体が得られる。ポリアルコキシル化ソルビタンのエステル化では、ポリソルベートなどのソルビタンエステルが得られる。例えば、ポリアルコキシル化ソルビタンを、C6-30、好ましくはC12-22脂肪酸でエステル化することができる。このような成分の例としては、ポリソルベート20-85、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、パルミチン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタンおよびステアリン酸ソルビタンなどが挙げられる。
【0074】
2. シリコーンまたはシラン界面活性剤
また、様々な種類のシリコーン系またはシラン系の界面活性剤も好適である。例としては、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基で置換されているオルガノシロキサン、例えばポリエチレングリコールで置換されているジメチコンであるPEGジメチコン(INCI名「PEG-1ジメチコン」;「PEG-4ジメチコン」;「PEG-8ジメチコン」;「PEG-12ジメチコン」;「PEG-20ジメチコン」を有するもの)などが挙げられる。
【0075】
また、エトキシ基またはプロポキシ基、あるいはその両方で置換されているシラン、例えば様々な種類のPEGメチルエーテルシラン(例えばビス-PEG-18メチルエーテルジメチルシラン)なども好適である。
【0076】
シリコーン系界面活性剤の他の例としては、一般名ジメチコンコポリオール;セチルジメチコンコポリオールを有するものなどが挙げられる。
【0077】
D. 植物抽出物
本組成物に、1種以上の付加的な植物抽出物を組み込むことが望ましい場合がある。本組成物に含まれる場合、推奨範囲は約0.0001〜20%、好ましくは約0.0005〜15%、より好ましくは約0.001〜10%である。好適な植物抽出物としては、植物(草本、根、花、果実、種子)からの抽出物(例えば花、果実、野菜など)が挙げられ、酵母発酵抽出物、パディナ・パボニカ(Padina Pavonica)抽出物、サーマス・サーモフィルス(Thermus Thermophilis)発酵抽出物、カメリナ・サティバ(Camelina Sativa)種子油、ボスウェリア・セラータ(Boswellia Serrata)抽出物、オリーブ抽出物、フサアカシア(Acacia Dealbata)抽出物、アーケル・サッカリナム(Acer saccharinum)(サトウカエデ)、アシドフォルス(Acidopholus)、ショウブ属(Acorus)、トチノキ属(Aesculus)、アガリクス(Agaricus)、リューゼツラン(Agave)、アグリモニア(Agrimonia)、藻類、アロエ、柑橘類、アブラナ属(Brassica)、シナモン、オレンジ、リンゴ、ブルーベリー、クランベリー、モモ、セイヨウナシ、レモン、ライム、エンドウマメ、海草、カフェイン、緑茶、カモミール、柳の樹皮、クワの実、ケシ、およびCTFA Cosmetic Ingredient Handbook, 第8版、第2巻の1646頁〜1660頁に記載されているものも包含する。さらなる具体例としては、限定するものではないが、カンゾウ(Glycyrrhiza Glabra)、ブラックウィロー(Salix Nigra)、マクロシクスティス・ピリフェラ(Macrocycstis Pyrifera)、リンゴ(Pyrus Malus)、ユキノシタ(Saxifraga Sarmentosa)、ブドウ(Vitis Vinifera)、クロミクワ(Morus Nigra)、コガネバナ(Scutellaria Baicalensis)、ローマカミツレ(Anthemis Nobilis)、クラリセージ(Salvia Sclarea)、ローズマリー(Rosmarinus Officianalis)、レモン(Citrus Medica Limonum)、オタネニンジン(Panax Ginseng)、メナモミ(Siegesbeckia Orientalis)、ウメ(Fructus Mume)、褐藻アスコフィルム・ノドスム(Ascophyllum Nodosum)、ダイズ抽出物、テンサイ(Beta Vulgaris)、復活草(Haberlea Rhodopensis)、イタドリ(Polygonum Cuspidatum)、オレンジ(Citrus Aurantium Dulcis)、ブドウ(Vitis Vinifera)、イワヒバ(Selaginella Tamariscina)、ホップ(Humulus Lupulus)、タンジェリン(Citrus Reticulata)皮、ザクロ(Punica Granatum)、カギケノリ(Asparagopsis)、ウコン(Curcuma Longa)、ミツガシワ(Menyanthes Trifoliata)、ヒマワリ(Helianthus Annuus)、オオムギ(Hordeum Vulgare)、キュウリ(Cucumis Sativus)、オークモス(Evernia Prunastri)、ツリーモス(Evernia Furfuracea)、コーラ(Kola Acuminata)、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0078】
E. 生物由来物質
また、細胞、発酵物などに由来する様々な種類の生物由来物質も好適である。本組成物に含まれる場合、このような物質は、約0.001〜30%、好ましくは約0.005〜25%、より好ましくは約0.01〜20%の範囲であり得る。例としては、細胞RNAもしくはDNA、または生菌微生物の断片が挙げられる。特に好ましいのはRNA断片である。
【0079】
F. 水相構造化剤
本組成物が、水溶液、分散液またはエマルションの形態である場合、水に加えて、水相は、1種以上の水相構造化剤(すなわち、本組成物の水相の粘性または厚さを高める剤)を含み得る。これは特に、本組成物がセラムまたはゲルの形態である場合に望ましい。本組成物に含まれる場合、水相構造化剤の好適な範囲は、全組成物の約0.01〜30重量%、好ましくは約0.1〜20重量%、より好ましくは約0.5〜15重量%である。このような剤の例としては、様々なアクリレート系増粘剤、天然ガムまたは合成ガム、多糖などが挙げられ、例えば、限定するものではないが、以下に記載のものなどがある。
【0080】
1. 多糖
多糖は好適な水相増粘剤であり得る。このような多糖の例としては、自然由来の物質、例えば寒天、アガロース、アルカリゲネス産生多糖体、アルギン、アルギン酸、アカシアガム、アミロペクチン、キチン、デキストラン、カッシアガム、セルロースガム、ゼラチン、ジェランガム、ヒアルロン酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ペクチン、菌核ガム、キサンタンガム、ペクチン、トレハロース、ゼラチンなどが挙げられる。
【0081】
2. アクリレートポリマー
様々な種類の合成ポリマー増粘剤も好適である。その一種として、モノマーAおよびBからなるアクリルポリマー増粘剤が挙げられ、この場合、Aがアクリル酸、メタクリル酸、およびそれらの混合物からなる群から選択され、Bがアクリル酸C1-22アルキル、メタクリル酸C1-22アルキル、およびそれらの混合物からなる群から選択されるものが好適である。1つの実施形態において、Aのモノマーは1つ以上のアクリル酸またはメタクリル酸を含み、Bのモノマーは、アクリル酸C1-10アルキル、最も好ましくはアクリル酸C1-4アルキル、メタクリル酸C1-10アルキル、最も好ましくはメタクリル酸C1-4アルキル、およびそれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、Bのモノマーは、1つ以上のアクリル酸またはメタクリル酸メチルまたはエチルである。アクリルコポリマーは、ポリマーの約10〜60重量%、好ましくは20〜50重量%、より好ましくは25〜45重量%の固形分と、残りの水とを有する水溶液として供給することができる。アクリルコポリマーの組成物は、約0.1〜99部のAのモノマーと、約0.1〜99部のBのモノマーを含み得る。アクリルポリマー溶液としては、Seppic, Inc.により商品名Capigelとして販売されているものが挙げられる。
【0082】
A、BおよびCモノマーのコポリマーであるアクリルポリマー増粘剤であって、AおよびBが上記に定義されるとおりであり、Cが一般式
【化10】

【0083】
[式中、Zは-(CH2)mであり、mは1〜10、nは2〜3、oは2〜200であり、RはC10-30直鎖または分岐鎖のアルキルである]
を有するものも好適である。上記の二級増粘剤の例は、AおよびBが上記に定義されるとおりであり、CがCOであり、n、oおよびRが上記に定義されるとおりであるコポリマーである。かかる二級増粘剤の例としては、Rohm & Haasにより商品名Acrysol ICS-1として販売されているアクリル酸/メタクリル酸ステアレス-20コポリマーが挙げられる。
【0084】
1つ以上の親水性単位と、脂肪鎖を含有する1つ以上のアリルエーテル単位とを含むアクリレート系アニオン性両親媒性ポリマーも好適である。親水性単位が、エチレン性不飽和アニオン性モノマー、より具体的にはアクリル酸、メタクリル酸またはそれらの混合物などのビニルカルボン酸を含み、脂肪鎖を含有するアリルエーテル単位が、式
【化11】

【0085】
[式中、R'はHまたはCH3を表し、Bはエチレンオキシ基を表し、nは0または1〜100の整数であり、Rは、8〜30個の炭素原子、好ましくは10〜24個、さらにより具体的には12〜18個の炭素原子を含むアルキル、アリールアルキル、アリール、アルキルアリールおよびシクロアルキル基から選択される炭化水素基を表す]
で表されるモノマーに相当するものが好ましい。この場合、より好ましいのは、R'がHを表し、nが10に等しく、Rがステアリル(C18)基を表すものである。この種類のアニオン性両親媒性ポリマーは、米国特許第4,677,152号および同第4,702,844号において記載され、また調製されており、両文献はいずれも参照によりそのまま本明細書に組込まれる。これらのアニオン性両親媒性ポリマーの中には、20〜60重量%のアクリル酸および/またはメタクリル酸、5〜60重量%のメタクリル酸低級アルキル、2〜50重量%の上記の脂肪鎖を含有するアリルエーテル、および0〜1重量%の架橋剤(周知の共重合可能なポリエチレン系不飽和モノマー(例えばフタル酸ジアリル、(メタ)アクリル酸アリル、ジビニルベンゼン、ジメタクリル酸(ポリ)エチレングリコールおよびメチレンビスアクリルアミド)で形成されるポリマーがある。かかるポリマーの1つの市販例は、メタクリル酸、アクリル酸エチル、ステアリルアルコールのポリエチレングリコール(10EO単位を有する)エーテル(すなわちステアレス-10)の架橋ターポリマー、特にAllied Colloids社からSALCARE SC80およびSALCARE SC90という名称で販売されているものであり、これらは、メタクリル酸、アクリル酸エチルおよびステアレス-10アリルエーテル(40/50/10)の架橋ターポリマーを30%含有する水性エマルションである。
【0086】
ポリアクリレート-3(メタクリル酸、メタクリル酸メチル、イソプロピルイソシアン酸メチルスチレンおよびベヘン酸PEG-40モノマーのコポリマー);ポリアクリレート-10(アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム、アクリル酸ナトリウム、アクリルアミドおよびビニルピロリドンモノマーのコポリマー);またはポリアクリレート-11(アクリロイルジメチルアクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ブチルおよびアクリルアミドモノマーのコポリマー)などのアクリレートコポリマーも好適である。
【0087】
1つ以上のアクリル基が置換長鎖アルキル(例えば6〜40個、10〜30個など)基を有し得る架橋アクリレート系ポリマー、例えばアクリレート/アクリル酸C10-30アルキルクロスポリマー(アクリル酸C10-30アルキルと、アクリル酸、メタクリル酸、またはスクロースのアリルエーテルもしくはペンタエリスリトールのアリルエーテルで架橋したそれらの単純エステルの1つの1つ以上のモノマーとのコポリマー)も好適である。かかるポリマーは、CarbopolまたはPemulenという商品名で一般に販売されており、カルボマーというCTFA名を有する。
【0088】
Clariantから商標Aristoflexで販売されているアクリレート系ポリマー増粘剤、例えばAristoflex AVC(アクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム/VPコポリマー);Aristoflex AVL(カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、トリラウレス-4およびセスキイソステアリン酸ポリグリセリル-2を含有する混合物中に分散させたAVC中に見出されるポリマーと同じポリマー);またはAristoflex HMB(アクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム/メタクリル酸べへネス-25クロスポリマー)なども好適である。
【0089】
3. 高分子量PEGまたはポリグリセリン
水相増粘剤として、重合度が1,000〜200,000である様々なポリエチレングリコール(PEG)誘導体も好適である。かかる成分は、記号「PEG」に続く1000単位の重合度によって示され、例えばPEG-45Mは45,000個のエチレンオキシドの繰り返し単位を有するPEGを意味する。好適なPEG誘導体の例としては、PEG2M、5M、7M、9M、14M、20M、23M、25M、45M、65M、90M、115M、160M、180Mなどが挙げられる。
【0090】
繰返し部分の数が15〜200個、好ましくは約20〜100個であるグリセリンの繰返し部分であるポリグリセリンも好適である。好適なポリグリセリンの例としては、CFTA名ポリグリセリン-20、ポリグリセリン-40を有するものなどが挙げられる。
【0091】
G. 油
本発明の組成物がエマルション形態である場合、この組成物は油相を含む。油性成分は、皮膚の保湿および保護特性のために望ましい。好適な油としては、シリコーン、エステル、植物油、合成油、限定するものではないが、本明細書中に示される油などが挙げられる。この油は、揮発性であっても不揮発性であってもよく、好ましくは室温で注流可能な液体の形態である。「揮発性」という用語は、この油が、測定可能な蒸気圧、または20℃で少なくとも水銀約2mmの蒸気圧を有することを意味する。「不揮発性」という用語は、この油の蒸気圧が20℃において水銀約2mm未満であることを意味する。
【0092】
1. 揮発性油
好適な揮発性油は、一般に、25℃で約0.5〜5センチストークの粘度を有し、直鎖シリコーン、環状シリコーン、パラフィン系炭化水素またはそれらの混合物を含む。
【0093】
(a). 揮発性シリコーン
環状シリコーンは、本組成物において使用し得る揮発性シリコーンの一種である。かかるシリコーンは、一般式:
【化12】

【0094】
[式中、n=3〜6、好ましくは4、5、または6]
を有する。
【0095】
直鎖揮発性シリコーン、例えば、一般式:
【化13】

【0096】
[式中、n=0、1、2、3、4、または5、好ましくは0、1、2、3、または4]
を有する直鎖揮発性シリコーンも好適である。
【0097】
環状および直鎖揮発性シリコーンは、Dow Corning CorporationおよびGeneral Electricなどの様々な商業的供給源から入手可能である。Dow Corningの直鎖揮発性シリコーンは、商品名Dow Corning 244、245、344および200 fluidとして販売されている。これらの流体は、ヘキサメチルジシロキサン(粘度0.65センチストーク(略称cst))、オクタメチルトリシロキサン(1.0cst)、デカメチルテトラシロキサン(1.5cst)、ドデカメチルペンタシロキサン(2cst) (粘度は全て25℃で測定)およびそれらの混合物などを含む。
【0098】
好適な分岐状揮発性シリコーンとしては、一般式:
【化14】

【0099】
を有する分岐状揮発性シリコーンであるメチルトリメチコンなどのアルキルトリメチコンが挙げられる。メチルトリメチコンは、Shin-Etsu Siliconesから商品名TMF-1.5(25℃で1.5センチストークの粘度を有する)で購入することができる。
【0100】
(b). 揮発性パラフィン系炭化水素
揮発性油として、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個の炭素原子、より好ましくは8〜16個の炭素原子を有する様々な直鎖または分岐鎖パラフィン系炭化水素も好適である。好適な炭化水素としては、米国特許第3,439,088号および同第3,818,105号に開示されるペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、トリデカンおよびC8-20イソパラフィンが挙げられ、これらの文献はいずれも参照により本明細書に組み入れるものとする。好ましい揮発性パラフィン系炭化水素は、70〜225、好ましくは160〜190の分子量および30〜320℃、好ましくは60〜260℃の沸点、25℃で約10cst未満の粘度を有する。かかるパラフィン系炭化水素は、EXXONから商標ISOPARSで、およびPermethyl Corporationから入手可能である。好適なC12イソパラフィンは、Permethyl Corporationにより商品名Permethyl 99Aとして製造されている。イソヘキサデカン(商品名Permethyl Rを有する)などの市販の様々なC16イソパラフィンも好適である。
【0101】
2.不揮発性油
様々な不揮発性油も、本発明の組成物に使用するのに好適である。不揮発性油は一般に25℃で約5〜10センチストークを超える粘度を有し、粘度範囲は25℃で約1,000,000センチポアズまで様々であり得る。不揮発性油の例としては、限定するものではないが、以下のものが挙げられる。
【0102】
(a).エステル
好適なエステルはモノ−、ジ−、およびトリエステルである。本組成物はこの群またはそれらの混合物から選択される1以上のエステルを含み得る。
【0103】
(i)モノエステル
モノエステルは、式R-COOH(式中、Rは2〜45個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の飽和または不飽和アルキル、またはフェニルである)を有するモノカルボン酸と、式R-OH(式中、Rは2〜30個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の飽和または不飽和アルキル、またはフェニルである)を有するアルコールとの反応により形成されるエステルと定義される。このアルコールと酸はいずれも1つ以上のヒドロキシル基で置換されていてよい。この酸またはアルコールのいずれか一方または双方は「脂肪」酸またはアルコールであってよく、直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和型の約6〜30個の炭素原子、より好ましくは12、14、16、18または22個の炭素原子を有していてよい。本発明の組成物で使用し得るモノエステル油の例としては、ラウリン酸ヘキシル、イソステアリン酸ブチル、イソステアリン酸ヘキサデシル、パルミチン酸セチル、ネオペンタン酸イソステアリル、ヘプタン酸ステアリル、イソノナン酸イソステアリル、乳酸ステアリル、オクタン酸ステアリル、ステアリン酸ステアリル、イソノナン酸イソノニルなどが挙げられる。
【0104】
(ii).ジエステル
好適なジエステルは、ジカルボン酸と脂肪族もしくは芳香族アルコールとの、または少なくとも2個の置換ヒドロキシル基を有する脂肪族もしくは芳香族アルコールとモノカルボン酸との反応生成物である。ジカルボン酸は2〜30個の炭素原子を含んでよく、直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和型であり得る。ジカルボン酸は1以上のヒドロキシル基で置換されていてもよい。脂肪族または芳香族アルコールもまた2〜30個の炭素原子を含んでよく、直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和型であり得る。好ましくは、酸またはアルコールの1つ以上が脂肪酸または脂肪アルコールであり、すなわち、12〜22個の炭素原子を含む。またジカルボン酸はαヒドロキシ酸であってもよい。エステルはダイマーまたはトリマー型であり得る。本発明の組成物で使用可能なジエステル油の例としては、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、セバシン酸ジブチル、ジリノール酸ジセテアリルダイマー、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジイソセチル、アジピン酸ジイソノニル、ジリノール酸ジイソステアリルダイマー、フマル酸ジイソステアリル、リンゴ酸ジイソステアリルおよびリンゴ酸ジオクチルなどが挙げられる。
【0105】
(iii).トリエステル
好適なトリエステルは、トリカルボン酸と脂肪族もしくは芳香族アルコールとの反応生成物、あるいはまた、3つ以上の置換ヒドロキシル基を有する脂肪族もしくは芳香族アルコールとモノカルボン酸との反応生成物を含む。上記のモノおよびジエステルの場合と同様に、この酸およびアルコールは2〜30個の炭素原子を含み、飽和または不飽和型、直鎖または分枝鎖であってよく、1つ以上のヒドロキシル基で置換されていてよい。好ましくは、酸またはアルコールの1つ以上が12〜22個の炭素原子を含む脂肪酸または脂肪アルコールである。トリエステルの例としては、アラキドン酸、クエン酸またはベヘン酸のエステル、例えば、トリアラキジン、クエン酸トリブチル、クエン酸トリイソステアリル、クエン酸トリC12-13アルキル、トリカプリリン、クエン酸トリカプリリル、ベヘン酸トリデシル、クエン酸トリオクチルドデシル、ベヘン酸トリデシル;またはココア酸トリデシル、イソノナン酸トリデシルなどが挙げられる。
【0106】
本組成物で使用するのに好適なエステルは、C.T.F.A. Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook, 第11版, 2006の「エステル」の分類にさらに記載されており、この教科書は参照によりそのまま本明細書に組み入れられる。
【0107】
(b).炭化水素油
本組成物に1種以上の不揮発性炭化水素油を組み込むことが望ましい場合がある。好適な不揮発性炭化水素油としては、パラフィン系炭化水素およびオレフィン、好ましくは、約20個を超える炭素原子を有するものが挙げられる。このような炭化水素油の例としては、C24-28オレフィン、C30-45オレフィン、C20-40イソパラフィン、水素化ポリイソブテン、ポリイソブテン、ポリデセン、水素化ポリデセン、鉱物油、ペンタヒドロスクアレン、スクアレン、スクアランおよびそれらの混合物が挙げられる。1つの好ましい実施形態では、このような炭化水素は約300〜1000ダルトンの分子量を有する。
【0108】
(c). 脂肪酸のグリセリルエステル
脂肪酸の合成または天然グリセリルエステル、またはトリグリセリドも本組成物に用いるのに好適である。植物源と動物源のいずれも使用することができる。このような油の例としては、ヒマシ油、ラノリン油、C10-18トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/トリグリセリド、スィートアーモンド油、杏仁油、ゴマ油、ナガミノアマナズナ(camelina sativa)油、タマヌ種子油(tamanu seed oil)、ココナツ油、トウモロコシ油、綿実油、亜麻仁油、インクオイル、オリーブ油、ヤシ油、イリッペバター、ナタネ油、ダイズ油、ブドウ種子油、ヒマワリ種子油、クルミ油などが挙げられる。
【0109】
また、合成または半合成グリセリルエステル、例えば、改質された天然油脂である脂肪酸モノ−、ジ−およびトリグリセリド、例えば、グリセリンなどのポリオールのモノ−、ジ−またはトリエステルも好適である。1例としては、脂肪(C12-22)カルボン酸を1以上の繰り返しグリセリル基と反応させる。ステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、イソステアリン酸ポリグリセリル-3、イソステアリン酸ポリグリセリル-4、リシノール酸ポリグリセリル-6、ジオレイン酸グリセリル、ジイソテアリン酸グリセリル、テトライソステアリン酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、ジステアリン酸ジグリセリル、リノール酸グリセリル、ミリスチン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、PEGヒマシ油、PEGオレイン酸グリセリル、PEGステアリン酸グリセリルおよびPEG牛脂脂肪酸グリセリルなど。
【0110】
(d).不揮発性シリコーン
不揮発性シリコーン油もまた、水溶性および不水溶性のいずれも、本組成物に用いるのに好適である。このようなシリコーンは好ましくは、25℃で約5〜800,000cst、好ましくは20〜200,000cstの粘度を有する。好適な不水溶性シリコーンとしては、アモジメチコンなどのアミン官能性シリコーンが挙げられる。
【0111】
例えば、かかる不揮発性シリコーンは以下の一般式:
【化15】

【0112】
[式中、RおよびR'は、それぞれ独立にC1-30直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和アルキル、フェニルまたはアリール、トリアルキルシロキシであり、xおよびyは、それぞれ独立に1〜1,000,000であり(ただし、xまたはyのいずれか少なくとも1つが存在する)、Aはアルキルシロキシエンドキャップ単位である]
を有し得る。Aがメチルシロキシエンドキャップ単位、特にトリメチルシロキシであり、RおよびR'が、それぞれ独立にC1-30直鎖もしくは分枝鎖アルキル、フェニルまたはトリメチルシロキシ、より好ましくはC1-22アルキル、フェニルまたはトリメチルシロキシ、最も好ましくはメチル、フェニルまたはトリメチルシロキシであり、結果として得られるシリコーンがジメチコン、フェニルジメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルトリメチコンまたはトリメチルシロキシフェニルジメチコンである場合が好ましい。他の例としては、セチルジメチコンなどのアルキルジメチコンが挙げられ、この場合、少なくとも1つのRは脂肪アルキル(C12、C14、C16、C18、C20またはC22)であり、他のRはメチルであり、Aはトリメチルシロキシエンドキャップ単位である(ただし、このようなアルキルジメチコンは室温で注流可能な液体である)。フェニルトリメチコンはDow Corning Corporationから商品名556 Fluidとして購入することができる。トリメチルシロキシフェニルジメチコンはWacker-Chemieから商品名PDM-1000として購入することができる。セチルジメチコンは液体シリコーンワックスとも呼ばれ、Dow CorningからFluid 2502として、またはDeGussa Care & Surface Specialtiesから商品名Abil Wax 9801または9814として購入することができる。
【0113】
H.ビタミンおよび抗酸化剤
本組成物に1種以上のビタミンまたは抗酸化剤を組み込むことが望ましい場合がある。本組成物に含まれる場合、推奨範囲は約0.001〜20%、好ましくは約0.005〜15%、より好ましくは約0.010〜10%である。好ましくは、このようなビタミン、ビタミン誘導体および/または抗酸化剤は、一重項酸素の形態のフリーラジカルを捕捉することができる。このようなビタミンとしては、トコフェロールもしくはその誘導体(例えば酢酸トコフェロール、フェルラ酸トコフェロール);アスコルビン酸もしくはその誘導体(例えばパルミチン酸アスコルビル、リン酸マグネシウムアスコルビル);ビタミンAもしくはその誘導体(例えばパルミチン酸レチニル);またはビタミンD、K、B、もしくはそれらの誘導体を挙げることができる。
【0114】
I. 好ましい組成物
好ましい組成物は、水溶液またはエマルションの形態であり、少なくとも1種の非イオン性有機界面活性剤、少なくとも1種の化学的日焼け止め剤、少なくとも1つのCLOCK遺伝子またはPER1遺伝子のアクチベーター、少なくとも1つのDNA修復酵素、少なくとも1種の付加的な植物抽出物、および少なくとも1種の油を含む。
【0115】
本組成物において、非イオン性有機界面活性剤がアルコキシル化アルコールであり、化学的日焼け止め剤がUVB日焼け止め剤であり、CLOCKまたはPER1ケラチノサイト遺伝子アクチベーターがトリペプチド-32であり、DNA修復酵素がアラビドプシス・サリアナ(Arabidopsis Thaliana)抽出物、ミクロコッカス(Micrococcus)溶解物、ビフィダ(Bifida)発酵溶解物、ラクトバチルス(Lactobacillus)発酵物、およびプランクトン抽出物の混合物であり、少なくとも1種の油が有機エステルまたは炭化水素である場合がより好ましい。
【0116】
V. 方法
また本発明は、少なくとも1つのケラチノサイトのCLOCK遺伝子またはPER1遺伝子のアクチベーターと、少なくとも1つのDNA修復酵素とを含む組成物を適用することにより、環境的攻撃に反応して起こるヒトケラチノサイト(好ましくは顔のケラチノサイト)の損傷を抑制する方法;および本発明の組成物を適用することにより、このような攻撃に起因するヒトケラチノサイトのDNA損傷を修復する方法も対象とする。抑制および/または修復されるケラチノサイト損傷としては、UV光、たばこの煙、環境汚染または環境毒、ストレスなどに起因する損傷が挙げられる。本発明の組成物を適用すると、上記の条件のいずれかに起因するケラチノサイト中の損傷したDNAが修復され、またさらにケラチノサイトの生存能および寿命が改善される。
【0117】
本発明の方法において、本組成物は、1日1回以上皮膚に適用することができる。例えば、本組成物は、朝の日常活動を始める前および/または夜の休息前に皮膚に適用し得る。本組成物は、レジメン(すなわち、皮膚をクレンジングし、化粧水で処理し、その後本発明の組成物を適用する)の一部として適用することができる。本組成物は、洗顔料、化粧水、および本発明の組成物を含むキットの一部であってよい。
【0118】
好ましくは、本組成物は、休息前に顔および/または首ならびに襟ぐりに適用され、DNA損傷したケラチノサイトを修復し、皮膚の全般的改善をもたらす。休息前に適用される場合、本組成物中のCLOCK遺伝子およびPER1遺伝子アクチベーターは、通常の概日リズム周期ではケラチノサイト遺伝子の活性が低いかまたは活動していない時間に、該遺伝子を活性化する。そして、この時間のCLOCK遺伝子およびPER1遺伝子のこのような活性化は、DNA損傷したケラチノサイトの修復の改善を促す。これが結果として、細胞の生存能および寿命を促進する。こうしてヒトケラチノサイトの最大限の修復が達成される。夜の休息前に顔の皮膚を処置するために使用される組成物においてCLOCK遺伝子およびPER1遺伝子のアクチベーターとDNA修復酵素とを組み合わせると、DNA損傷に起因するケラチノサイトの修復が最大限に高められ、また細胞の生存能、寿命、および健康も促進される。
【0119】
本発明は、説明の目的のためにのみ示される以下の実施例に関連してさらに説明される。
【実施例】
【0120】
実施例1
皮膚処置組成物を以下のとおりに調製した:
【表1】

【0121】

【0122】
成分を組み合わせ、十分に混合して液体を形成することにより、本組成物を調製した。本組成物は、茶色のガラス瓶に保存した。
【0123】
実施例2
ケラチノサイトをChronolux(登録商標)に曝露し、その後該細胞をUV光に曝露することにより、ヒトケラチノサイト中のCLOCK遺伝子およびPER1遺伝子を活性化させ、遺伝子活性化が、UV光に曝露されたケラチノサイトに与える影響を確認した。
【0124】
正常なヒトケラチノサイトを、ヒトケラチノサイト成長サプリメント(S001-5)(Invitrogen - Gibco Cell Culture, Portland, Oregon)を含有するEpilife(登録商標)培地中で培養した。この細胞を、96ウェルプレート(Costar(登録商標))中に培養し、Epilife(登録商標)培地に希釈した0mg/ml、0.01mg/ml、0.1mg/mlおよび1mg/mlのChronolux(登録商標)粉末で前処理し、37℃にて、5% CO2中で一晩インキュベートした。24時間後、培地を吸引し、上記のケラチノサイトをダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で1回洗浄した。各ウェルに100μlのPBSを加え、細胞を疑似太陽光(Solar Simulated)UV照射への80分間の曝露に供した。照射後、PBSを除去し、ケラチノサイトを前と同じ希釈のChronolux(登録商標)で再度後処理し、37℃にて、5% CO2中で一晩インキュベートした。
【0125】
翌日、MTS試薬(CellTiter96, Promega)(1ウェル当たり100μl)を利用して、生存能について細胞をアッセイした。吸光度読み取りは、SpectraMax190分光光度計(Molecular Devices)上で490nmにて行い、その後37℃にて、5% CO2中で約2時間インキュベートした。
【0126】
結果は図1に示され、細胞をかかるUV曝露前に様々な用量のChronolux(登録商標)で処理した場合、細胞生存がUV曝露後に顕著に増加したことを示す。このように、ヒトケラチノサイトをUV曝露前にトリペプチド-32に曝露すると、UV光に曝露したときの細胞生存が著しく改善する。
【0127】
実施例3
前の実験と同じ濃度のヒトケラチノサイトを、様々な希釈度のChronolux(登録商標)で処理し、UV光に曝露して、Chronolux(登録商標)がケラチノサイトにおけるUV損傷の抑制に与える影響を確認した。
【0128】
正常なヒトケラチノサイト(HEKn)を、ヒトケラチノサイト成長サプリメントを含むEpilife(登録商標)培地中で培養した。この細胞を、96ウェルプレート中で、約70%のコンフルエンスで継代培養し、37℃で一晩インキュベートさせた。
【0129】
ケラチノサイトを、Chronolux(登録商標)の1mg/ml溶液(1mg/ml水溶液)を用いて、また1mg/mlのChronolux(登録商標)、10%ビフィダス(Bifidus)発酵溶解物、1% Adasomes(登録商標)(98.26%の水、0.5%のレシチン、0.5%のラクトバチルス(Lactobacillus)発酵物、0.375%のフェノキシエタノール、0.04%のソルビン酸、および0.325%のカプリリルグリコールの混合物)ならびに1% Roxisomes(登録商標)(98%の水、0.5%のレシチン、および0.1%のフェノキシエタノールの混合物)を水溶液中に含む混合物を用いて前処理した。この混合物は、希釈せずに、また1:2、1:4、および1:8の希釈度で試験した。
【0130】
処理したケラチノサイトを、37℃にて、5% CO2中で一晩インキュベートした。24時間後、細胞を吸引し、ケラチノサイトをPBS中で1回洗浄し、その後100μlのPBSを各ウェルに加えた。この細胞にUVBを150 mJ/cm2で照射した。照射後、PBSを除去し、ケラチノサイトを前に示したとおりに再度前処理し、37℃にて、5% CO2中で一晩インキュベートした。
【0131】
翌日、MTS試薬(CellTiter96, Promega)を利用して、生存能について細胞をアッセイした。吸光度読み取りは、SpectraMax190分光光度計(Molecular Devices)上で490nmにて行い、その後37℃にて、5% CO2中で約2時間インキュベートした。
【0132】
結果は図2に示され、トリペプチド-32、ビフィダス発酵溶解物、Adasomes(登録商標)およびRoxisomes(登録商標)の混合物が、UVBストレスからの保護(例えば細胞生存能および寿命)の用量依存性増加をもたらしたことを示す。希釈されていない混合物は、150 mJ/cm2のUVB照射において、Chronolux(登録商標)単独と比較して、細胞生存能の86%の増加をもたらした。ヒトケラチノサイトを上記の混合物で処理した場合、この混合物が、UVBストレスからの保護を顕著に増加させる相乗効果をもたらしたと結論付けることができる。
【0133】
実施例4
ヒトケラチノサイトを、本発明の組成物(Chronolux(登録商標)0.1%、ビフィダス発酵溶解物12.4%、Adasomes(登録商標)0.05%、Roxisomes(登録商標)0.05%;「新たなANR」と称する)に、またビフィダス発酵溶解物(21.4%;「前のANR」と称する)のみを含有する組成物に曝露し、その後UVB光を照射して、本組成物が、UVB光に起因するケラチノサイトのDNA損傷をどれだけ効果的に抑制したかを決定した。
【0134】
正常なヒトケラチノサイト(HEKn)を、ヒトケラチノサイト成長サプリメントを含むEpilife(登録商標)培地中で培養した。この細胞を、96ウェルプレート(Costar)中で、約70%のコンフルエンスで継代培養し、37℃で一晩インキュベートさせた。
【0135】
ケラチノサイトを、Epilife(登録商標)培地に希釈した、ビフィダス発酵溶解物(12.4%水溶液)単独(前のANR)を用いて、またビフィダス発酵溶解物(12.4%)、Chronolux(登録商標)(1mg/ml)、Adasomes(登録商標)(0.05%)およびRoxisomes(登録商標)(0.05%)の混合物を用いて前処理した。
【0136】
処理したケラチノサイトを、37℃にて、5% CO2中でインキュベートした。24時間後、細胞を吸引し、ケラチノサイトをダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で1回洗浄した後、100μlのPBSを各ウェルに加えた。この細胞を150mJ/cm2 UVBおよび200mJ/cm2のUVBのUVB照射に供した。照射後、PBSを除去した。上記の前処理を繰り返し、ケラチノサイトを37℃にて、5% CO2中で約30時間インキュベートした。
【0137】
翌日、MTS試薬(CellTiter96, Promega)を利用して、生存能について細胞をアッセイした。吸光度読み取りは、SpectraMax190分光光度計(Molecular Devices)上で490nmにて行い、その後37℃、5% CO2にて約2時間インキュベートした。
【0138】
結果は図3に示され、新たなANR複合物で処理した細胞において、前のANRと比較すると、150mJ/cm2 UVBおよび200mJ/cm2 UVBのいずれにおいても、約15%の細胞生存の増加が観察されたことを示す。新たなANR複合物は、前の型と比較した場合、UVBストレスからの著しくより大きな保護をもたらしたと結論付けることができる。ビフィダス抽出物へのChronolux(登録商標)、Adasomes(登録商標)、およびRoxisomes(登録商標)の添加は、前のANR複合物に見出されるビフィダス単独を超える、細胞生存の顕著な増加をもたらした。
【0139】
本発明は、好ましい実施形態に関連して記載されているが、本発明の範囲を示される特定の形態に限定することを意図するものではなく、逆に、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲に含め得るような代替、改変、および均等物を包含することを意図するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのケラチノサイトのCLOCK遺伝子またはPER1遺伝子のアクチベーターと、少なくとも1つのDNA修復酵素とを含むスキンケア組成物。
【請求項2】
ケラチノサイトのCLOCK遺伝子またはPER1遺伝子のアクチベーターが、約3〜13個のアミノ酸残基を有し且つ式(I)
【化1】

(式中:
X1は、トレオニン、セリンを表し、またはゼロと等しく、
X2は、イソロイシン、ロイシン、プロリン、バリン、アラニン、グリシンを表し、またはゼロと等しく、
AAは、任意のアミノ酸またはその誘導体を表し、且つnおよびpは0〜4の整数であり、
R1は、遊離の、またはアセチル基、ベンゾイル基、トシル基、もしくはベンジルオキシカルボニル基のいずれかから選択され得る保護基によって置換されている、N末端アミノ酸の第1級アミン基を表し、
R2は、C1〜C20アルキル鎖またはNH2、NHY、もしくはNYY基(ここで、YはC1〜C4アルキル鎖を表す)のいずれかから選択され得る保護基によって置換されていてよいC末端アミノ酸のカルボキシル基のヒドロキシル基を表す)
で表されるペプチドを含み、
この場合、該式(I)の配列は、アミノ酸X1およびX2の、他の化学的に等価なアミノ酸との置換を含み得る、
請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
CLOCK遺伝子またはPER1遺伝子のアクチベーターが、以下:
【化2】

からなる群およびそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
CLOCK遺伝子またはPER1遺伝子のアクチベーターが、以下:
【化3】

およびそれらの混合物から選択される、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
CLOCK遺伝子またはPER1遺伝子のアクチベーターが、トリペプチド-32を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
CLOCK遺伝子またはPER1遺伝子のアクチベーターがトリペプチド-32を含み、DNA修復酵素が、以下:
塩基除去修復(BER)酵素、
ヌクレオチド除去修復(NER)酵素、
DNAポリメラーゼ、
DNAヘリカーゼ、
ミスマッチ修復(MMR)酵素、
およびそれらの混合物
からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
CLOCK遺伝子またはPER1遺伝子のアクチベーターがトリペプチド-32を含み、DNA修復酵素が、以下:
単独のまたはレシチンおよび水と混合したアラビドプシス・サリアナ(Arabidopsis Thaliana)抽出物、
ラクトバチルス(Lactobacillus)発酵物、
ミクロコッカス(Micrococcus)溶解物、
プランクトン抽出物、
ビフィダ(Bifida)発酵溶解物、および
それらの混合物
からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
少なくとも1種の付加的な植物抽出物をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
ケラチノサイト中の一重項酸素を不活性化し得る少なくとも1種のフリーラジカル捕捉剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
多糖、アクリルポリマー、またはそれらの混合物を含む少なくとも1種の水相構造化剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
少なくとも1種のビタミンまたはビタミン誘導体をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
アルコキシル化アルコールである少なくとも1種の非イオン性有機界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
パラベンを含まない、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
溶液、分散液、懸濁液またはエマルションの形態である、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
C2-4アルキレングリコールまたはグリセリンである少なくとも1種の保湿剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
少なくとも1つのケラチノサイトのCLOCK遺伝子またはPER1遺伝子のアクチベーターと少なくとも1つのDNA修復酵素とを含む組成物を適用することにより、環境的攻撃に起因するヒトケラチノサイトの損傷を抑制する方法。
【請求項17】
組成物を夜の休息前に適用する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
組成物を、クレンジング、トーニング、および組成物の適用からなるレジメンの一部として適用する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つのCLOCK遺伝子またはPER1遺伝子のアクチベーターと少なくとも1つのDNA修復酵素とを含む組成物をヒトケラチノサイトに適用することにより、かかるヒトケラチノサイトにおけるDNA損傷を修復する方法。
【請求項20】
組成物を、夜、休息前に適用する。請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−517440(P2012−517440A)
【公表日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549304(P2011−549304)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/023435
【国際公開番号】WO2010/091327
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(598100128)イーエルシー マネージメント エルエルシー (112)
【Fターム(参考)】