説明

盗品判定システムおよびナビゲーション装置

【課題】盗難されたナビゲーション装置を容易に探索可能で、また、盗難ナビゲーション装置を他の車両で利用しようとしても正常な動作が不能な盗品判定システムを提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置20の機種を示す機種情報およびナビゲーション装置20を特定可能なシリアル番号情報を取得部11により取得し、盗難ナビゲーション装置の機種を示す盗難機種情報および当該盗難ナビゲーション装置を特定可能な盗難シリアル番号情報を外部の盗難情報サービスセンタ100から車載ETC装置30を介して受信部12により受信して、取得部12により取得した情報と受信部12により受信した盗難情報とを照合部13にて照合し、照合結果が一致する場合、盗品を検出した旨を示す盗品情報をあらかじめ定めた通報先に車載ETC装置30を介して通報部14により通報し、動作制御部15によりナビゲーション装置20を動作が不能な状態に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、盗品判定システムおよびナビゲーション装置に関する。特に、車両に搭載されたカーナビゲーション装置が盗難された場合に好適に適用可能である。車両用のETCシステム(Electronic Toll Collection System:道路通行料金収受システム)やラジオやテレビの放送波等を利用して、盗難されたナビゲーション装置の機種を示す盗難機種情報および盗難された当該ナビゲーション装置をユニークに特定する固有の番号である盗難シリアル番号情報を取得することにより、利用しようとしているナビゲーション装置が盗難されたナビゲーション装置に該当することを検知した場合、車両に搭載された通報手段を用いてその旨をあらかじめ定めた通報先に通報したり、盗品に該当するナビゲーション装置の動作を不可能に設定したりする。かくのごとく、盗品が使用できなくなることにより、盗難防止にも役立つことになる。
【背景技術】
【0002】
近年、利用者を目的地まで誘導するカーナビゲーション装置が普及し、多くの車両に搭載されるようになってきているが、価格が高額に上るものであるが故に、盗難されることがしばしば発生している。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1の特開2004−136737号公報「車載電子機器の盗難検出装置」においては、車載電子機器例えばカーナビゲーション装置との接続用ケーブルが切断されて車両から取外された状態が発生していることを、信号線上の信号の電圧レベルを監視し、あらかじめ設定した時間以上に亘って電圧レベルが異常であるか否かをチェックすることによって検知し、而して、カーナビゲーション装置の盗難を即時に検出する仕組みを提案している。
【特許文献1】特開2004−136737号公報(第4−6頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ナビゲーション装置の盗難を完全に防止することは困難である。つまり、前記特許文献1のような仕組みを用いたとしても、ナビゲーション装置を取外す際に、信号線上の信号の電圧レベルを所定の電圧レベルを維持する状態にあらかじめプルアップさせたり、あるいは、電圧レベルの監視機構を無力化させたりする恐れがある。
【0005】
さらに、盗難されたカーナビゲーション装置が転売されるケースもあり、盗品とは知らずに、盗難カーナビゲーション装置を購入してしまう場合も多々発生している。他の車両に取り付けられてしまった場合、通常、車両から取り外さなければ、当該カーナビゲーション装置をユニークに特定する固有の番号であるシリアル番号を確認することができず、盗難カーナビゲーション装置を見つけ出すことが、非常に困難であった。したがって、カーナビゲーション装置の盗難が、後を絶たない状況である。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ナビゲーション装置が盗難されたとしても、盗難された当該ナビゲーション装置を容易に探し出すことが可能であり、また、盗難された当該ナビゲーション装置を他の車両で利用しようとしても、正常な動作を不能にすることを可能とし、而して、盗難の抑止効果を期待することができる盗品判定システムおよびナビゲーション装置を提供することを、その目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決するため、本発明による盗品判定システムおよびナビゲーション装置は、次のような特徴的な構成を採用している。
【0008】
(1)利用者を目的地まで誘導するナビゲーション装置が盗品であるか否かを判定する盗品判定システムであって、当該ナビゲーション装置の機種を示す機種情報および当該ナビゲーション装置をユニークに特定する固有の番号であるシリアル番号情報を取得する取得手段と、盗難された盗難ナビゲーション装置の機種を示す盗難機種情報および当該盗難ナビゲーション装置をユニークに特定する固有の番号である盗難シリアル番号情報を外部から受信する受信手段と、前記取得手段により取得された前記機種情報および前記シリアル番号情報と前記受信手段によって受信された1ないし複数の前記盗難機種情報および前記盗難シリアル番号情報とを照合する照合手段とを備え、前記照合手段の照合結果として、前記機種情報および前記シリアル番号情報が前記盗難機種情報および前記盗難シリアル番号情報のいずれかと一致する場合、盗品を検出した旨を示す盗品情報をあらかじめ定めた通報先に通報する通報手段を備えている盗品判定システム。
(2)利用者を目的地まで誘導するナビゲーション装置が盗品であるか否かを判定する盗品判定システムであって、当該ナビゲーション装置の機種を示す機種情報および当該ナビゲーション装置をユニークに特定する固有の番号であるシリアル番号情報を取得する取得手段と、盗難された盗難ナビゲーション装置の機種を示す盗難機種情報および当該盗難ナビゲーション装置をユニークに特定する固有の番号である盗難シリアル番号情報を外部から受信する受信手段と、前記取得手段により取得された前記機種情報および前記シリアル番号情報と前記受信手段によって受信された1ないし複数の前記盗難機種情報および前記盗難シリアル番号情報とを照合する照合手段とを備え、前記照合手段の照合結果として、前記機種情報および前記シリアル番号情報が前記盗難機種情報および前記盗難シリアル番号情報のいずれかと一致する場合、前記ナビゲーション装置を、盗品を検出した旨を示す盗品情報を表示器に表示する動作以外の動作が不能な状態に設定する動作制御手段を備えている盗品判定システム。
(3)利用者を目的地まで誘導するナビゲーション装置が盗品であるか否かを判定する盗品判定システムであって、当該ナビゲーション装置の機種を示す機種情報および当該ナビゲーション装置をユニークに特定する固有の番号であるシリアル番号情報を取得する取得手段と、盗難された盗難ナビゲーション装置の機種を示す盗難機種情報および当該盗難ナビゲーション装置をユニークに特定する固有の番号である盗難シリアル番号情報を外部から受信する受信手段と、前記取得手段により取得された前記機種情報および前記シリアル番号情報と前記受信手段によって受信された1ないし複数の前記盗難機種情報および前記盗難シリアル番号情報とを照合する照合手段とを備え、前記照合手段の照合結果として、前記機種情報および前記シリアル番号情報が前記盗難機種情報および前記盗難シリアル番号情報のいずれかと一致する場合、盗品を検出した旨を示す盗品情報をあらかじめ定めた通報先に通報する通報手段と、前記照合手段の照合結果が一致する場合、前記ナビゲーション装置を動作が不能な状態に設定する動作制御手段とを備えている盗品判定システム。
(4)装着されたETC(Electronic Toll Collection System)カードに基づいて道路通行料金を自動収受する車載ETC装置と接続する接続手段を備え、前記車載ETC装置がETCゲートに設置されているETC装置と道路通行料金の収受に関する通信を実施した際に、前記受信手段は、前記接続手段により接続された前記車載ETC装置を介して前記ETC装置側から前記盗難機種情報および前記盗難シリアル番号情報を受信する上記(1)ないし(3)のいずれかの盗品判定システム。
(5)装着されたETC(Electronic Toll Collection System)カードに基づいて道路通行料金を自動収受する車載ETC装置と接続する接続手段を備え、前記車載ETC装置がETCゲートに設置されているETC装置と道路通行料金の収受に関する通信を実施した際に、前記通報手段は、前記接続手段により接続された前記車載ETC装置を介して前記ETC装置側にあらかじめ定めた通報先を付した前記盗品情報を通報する上記(1)または(3)の盗品判定システム。
(6)前記接続手段により接続された前記車載ETC装置側に、前記取得手段、前記受信手段、前記照合手段、前記通報手段、前記動作制御手段の各手段のうち、いずれか1ないし複数の手段が内蔵されている上記(4)または(5)の盗品判定システム。
(7)放送電波を受信する放送受信機と接続する接続手段を備え、前記受信手段は、前記接続手段により接続された前記放送受信機を介して前記放送電波に含まれて放送されてくる前記盗難機種情報および前記盗難シリアル番号情報を受信する上記(1)ないし(3)のいずれかの盗品判定システム。
(8)前記接続手段により接続された前記放送受信機側に、前記取得手段、前記受信手段、前記照合手段、前記動作制御手段の各手段のうち、いずれか1ないし複数の手段が内蔵されている上記(8)の盗品判定システム。
(9)他の車両との間の車車間通信を行ったり、あるいは、道路上または道路の路側に設置された通信機との間の路車間通信を行う通信手段と接続する接続手段を備え、前記受信手段は、前記接続手段により接続された前記通信手段を介して前記盗難機種情報および前記盗難シリアル番号情報を受信する上記(1)ないし(3)のいずれかの盗品判定システム。
(10)他の車両との間の車車間通信を行ったり、あるいは、道路上または道路の路側に設置された通信機との間の路車間通信を行う通信手段と接続する接続手段を備え、前記通報手段は、前記接続手段により接続された前記通信手段を介してあらかじめ定めた通報先を付した前記盗品情報を通報する上記(1)または(3)の盗品判定システム。
(11)前記ナビゲーション装置自身に、前記取得手段、前記受信手段、前記照合手段、前記通報手段、前記動作制御手段の各手段のうち、いずれか1ないし複数の手段が内蔵されている上記(1)ないし(10)のいずれかの盗品判定システム。
(12)利用者を目的地まで誘導するナビゲーション装置において、装着されたETC(Electronic
Toll Collection System)カードに基づいて道路通行料金を自動収受する車載ETC装置と接続する接続手段と、前記ETCカードのカード番号を登録カード番号として1ないし複数あらかじめ登録するカード番号登録手段と、前記車載ETC装置にETCカードが装着された際に、前記車載ETC装置から前記接続手段を介して装着された前記ETCカードのカード番号を受け取り、前記カード番号登録手段に登録されている前記登録カード番号と照合するカード番号照合手段とを備え、前記カード番号照合手段の照合結果として、装着された前記ETCカードのカード番号が前記登録カード番号のいずれとも一致しない場合、当該ナビゲーション装置を、盗品を検出した旨を示す盗品情報を表示器に表示する動作以外の動作が不能な状態に設定する動作制御手段を備えているナビゲーション装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明の盗品判定システムおよびナビゲーション装置によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0010】
ナビゲーション装置が盗難にあったとしても、車載ETC装置を用いてあるいは放送受信機を用いて、盗難されたナビゲーション装置の機種名を示す盗難機種情報および盗難ナビゲーション装置をユニークに特定することが可能な固有の盗難シリアル番号情報を外部から受信し、搭載しているナビゲーション装置の機種情報およびそのシリアル番号情報と照合することにより、搭載している当該ナビゲーション装置が盗品であるか否かを確認することができ、盗品であった場合は、あらかじめ登録しておいた、警察等の通報先へ盗品の旨を通報したり、盗難情報サービスセンタヘ盗品の旨を連絡したり、あるいは、盗品ナビゲーション装置のナビゲーションサービス用の動作を不能な状態に設定したりすることによって、盗品ナビゲーション装置をより確実に発見することができる可能性が高くなり、結果的には、盗難の抑制に繋がることになる。
【0011】
また、車載ETC装置に装着されたETCカードが、登録カード番号として当該車両のナビゲーション装置にあらかじめ登録されていたETCカードの番号と異なる場合、当該ナビゲーション装置が盗品であるものと判定して、当該ナビゲーション装置のナビゲーションサービス用の動作を不能な状態に設定するとともに、あらかじめ登録しておいた通報先へ盗品情報を通報することを促すメッセージを表示器に表示することによって、盗品ナビゲーション装置をより確実に発見することができる可能性が高くなり、結果的には、盗難の抑制に繋がることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明による盗品判定システムおよびナビゲーション装置の好適な実施例について添付図を参照して説明する。
【0013】
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、次のような構成を採用している。
【0014】
(1)利用しているナビゲーション装置が盗品であるか否かを判定する盗品判定システムであって、当該ナビゲーション装置の機種を示す機種情報および当該ナビゲーション装置をユニークに特定する固有の番号であるシリアル番号情報を取得する取得手段と、盗難された盗難ナビゲーション装置の機種を示す盗難機種情報および当該盗難ナビゲーション装置をユニークに特定する固有の番号である盗難シリアル番号情報を外部から例えば盗難情報サービスセンタ等から無線ネットワークや放送電波等を介して受信する受信手段と、前記取得手段により取得された前記機種情報および前記シリアル番号情報と前記受信手段によって受信された1ないし複数の前記盗難機種情報および前記盗難シリアル番号情報とを照合する照合手段と、前記照合手段の照合結果として、前記機種情報および前記シリアル番号情報が前記盗難機種情報および前記盗難シリアル番号情報のいずれかと一致する場合、盗品を検出した旨を示す盗品情報をあらかじめ定めた通報先例えば警察や盗難情報サービスセンタに通報する通報手段と、を備え、盗品と判定されたナビゲーション装置を搭載している車両を容易に特定することを可能とする。
【0015】
(2)さらには、前記照合手段の照合結果が一致する場合、該当するナビゲーション装置を動作不能の状態に設定する動作制御手段を前記通報手段の代わりにあるいは前記通報手段の他に備え、盗品と判定されたナビゲーション装置を例えば故障モードに設定して動作しないようにし、ナビゲーション装置としてのサービス機能を一切実施しないように制御する。
【0016】
(3)ここで、例えば、前記受信手段として、装着されたETCカードに基づいて道路通行料金を自動収受する車載ETC装置と接続して、ETCゲートに設置されているETC装置との間で道路通行料金を収受する無線通信を実施した際に、ETC装置と接続された盗難情報サービスセンタから盗難機種情報および盗難シリアル番号情報を、ETC装置および車載ETC装置を介して入手するようにしても良い。
【0017】
さらに、前記照合手段による照合結果により、搭載しているナビゲーション装置が盗品に該当すると判定された場合、前記通報手段として、前記車載ETC装置を用いて、前記車載ETC装置を介して前記ETC装置側にあらかじめ定めた通報先(例えば警察や盗難情報サービスセンタの宛先)を付した前記盗品情報を通報するようにしても良い。かかる場合は、前記盗品情報としてさらに前記車載ETC装置の登録情報(例えば搭載車種・個人情報等)を含んで送信するようにしても良い。前記盗難情報を受信した前記ETC装置は、指定された前記通報先に対して前記盗品情報を転送することにより、前記通報先において、盗難されたナビゲーション装置の所在場所を容易に特定することができる。なお、搭載しているナビゲーション装置が盗品に該当すると判定された場合、前記動作制御手段を作動させて、ナビゲーション装置としての動作を一切不能にするようにしても良い。
【0018】
(4)また、前記受信手段として、放送電波例えば地上デジタル放送のデータ放送を受信する放送受信機と接続し、放送電波に含まれて放送されてくる前記盗難機種情報および前記盗難シリアル番号情報を入手するようにしても良い。
【0019】
ここで、前記照合手段による照合結果により、搭載しているナビゲーション装置が盗品に該当すると判定された場合、前記動作制御手段を作動させて、あらかじめ登録している通報先例えば警察や盗難情報サービスセンタの電話番号、URL等を当該ナビゲーション装置の表示器に表示するのみで、ナビゲーション装置としてのそれ以外の動作を一切実施しない状態に強制的に設定するようにしても良い。この結果、ナビゲーション装置の表示器に表示された通報先に対して、利用者は盗品と判定されたナビゲーション装置に関する問合せを行うことになる。
【0020】
(5)あるいは、路車間通信や車車間通信等の何らかの通信手段が搭載されている場合は、前記通報手段として、該通信手段を利用して、あらかじめ定めた通報先に対して前記盗品情報を自動的に送信するようにしても良い。かかる場合には、前記照合手段による照合結果により、搭載しているナビゲーション装置が盗品に該当すると判定された場合、自車の車種情報・位置情報を、前記盗難情報に含めて、あらかじめ定めた通報先に対して、該通信手段を用いて常に通報し続けるようにすれば、盗品が搭載された車両の車種と現在位置とを容易に特定することが可能になる。さらに、路車間通信や車車間通信等を行う該通信手段を、前記受信手段として利用して、前記盗難機種情報および前記盗難シリアル番号情報を入手するようにしても良い。
【0021】
(6)なお、前記取得手段、前記受信手段、前記照合手段、前記通報手段、前記動作制御手段の各手段のうち、いずれか1ないし複数の手段を、ナビゲーション装置自身に内蔵させるようにしても良いし、あるいは、前記車載ETC装置または放送受信機に内蔵させるようにしても良い。
【0022】
(7)また、装着されたETCカードに基づいて道路通行料金を自動収受する車載ETC装置と接続する接続手段と、前記ETCカードのカード番号を登録カード番号として1ないし複数あらかじめ登録するカード番号登録手段と、前記車載ETC装置にETCカードが装着された際に、前記車載ETC装置から前記接続手段を介して装着された前記ETCカードのカード番号を受け取り、前記カード番号登録手段に登録されている前記登録カード番号と照合するカード番号照合手段とを備え、前記カード番号照合手段の照合結果として、装着された前記ETCカードのカード番号が前記登録カード番号のいずれとも一致しない場合、当該ナビゲーション装置の正当な利用者が所持しているETCカードとは異なるETCカードが挿入されたものとみなして、当該ナビゲーション装置を動作不能な状態に設定する動作制御手段を備え、盗品と判定されたナビゲーション装置を例えば故障モードに設定して動作しないようにし、ナビゲーション装置としてのサービスを一切実施しないように制御するようにしても良い。
【0023】
以上のごときいずれかの構成を採用することにより、ナビゲーション装置が盗難されたとしても、盗難されたナビゲーション装置を容易に見つけ出すことは可能になるため、あるいは、盗難されたナビゲーション装置の動作が不能な状態に強制的に設定されてしまうため、ナビゲーション装置の盗難行為そのものの抑制に繋げることができる。
【0024】
(第1の実施例)
図1は、本発明による盗品判定システムの第1の実施例の概要を示す概念図であり、ナビゲーション装置に関する盗難機種情報及び盗難シリアル番号情報を受信する受信手段および盗品を搭載していると判定した際の盗品情報を通報する通報手段として車載ETC(Electronic Toll Collection System)装置を用いた場合の構成例を示している。
【0025】
図1の盗品判定システムに示すように、車両200側には、ナビゲーション装置20が盗品か否かを判定する盗品判定装置10、利用者を目的地まで誘導するナビゲーション装置20、道路通行料金の自動的な収受を行うための車載ETC装置30およびETCアンテナ30aが搭載されており、道路通行料金徴収ゲートであるETCゲート40には、車載ETC装置30に装着されているETCカードに基づいて通行料金を収受するETC装置41と通行料金の収受状況に応じて車両200の通行用ゲートを開閉するゲート開閉装置42とが配置されている。さらに、ETC装置41は、収受した通行料金を集中的に管理する中央情報処理装置43に接続されている。また、中央情報処理装置43は、盗難されたナビゲーション装置の機種を示す盗難機種情報および当該ナビゲーション装置をユニークに特定する固有の番号である盗難シリアル番号情報を管理している盗難情報サービスセンタ100と接続されている。
【0026】
図1の盗品判定システムにおいて、車両200がETCゲート40を通過する際に、盗品判定装置10は、ナビゲーション装置に関する盗難機種情報および盗難シリアル番号情報を、車載ETC装置30、ETC装置41、中央情報処理装置43を介して、盗難情報サービスセンタ100から取得する。なお、図1においては、盗品判定装置10をナビゲーション装置20や車載ETC装置30とは別個に配置しているが、該盗品判定装置10を構成する一部の構成要素(機能)を、ナビゲーション装置20や車載ETC装置30に内蔵させるようにしても良いし、さらには、該盗品判定装置10そのもの(つまり盗品判定装置10のすべての構成要素(機能))をナビゲーション装置20あるいは車載ETC装置30に内蔵させるようにしても良い。
【0027】
図2は、図1の盗品判定システムにおける盗品判定装置10の内部構成の詳細を示すシステム構成図である。図3の盗品判定システム10Aに示すように、盗品判定装置10は、搭載されているナビゲーション装置20の機種を示す機種情報および当該ナビゲーション装置20をユニークに特定する固有の番号であるシリアル番号情報を取得する取得部11、盗難された盗難ナビゲーション装置の機種を示す盗難機種情報および当該盗難ナビゲーション装置をユニークに特定する固有の番号である盗難シリアル番号情報を車載ETC装置30を介して外部から受信する受信部12、取得部11により取得されたナビゲーション装置20の機種情報およびシリアル番号情報と受信部12によって受信された1ないし複数の盗難機種情報および盗難シリアル番号情報とを照合する照合部13、照合部13の照合結果として、ナビゲーション装置20の機種情報およびシリアル番号情報が盗難機種情報および盗難シリアル番号情報のいずれかと一致する場合、盗品を検出した旨を示す盗品情報をあらかじめ定めた通報先に通報する通報部14を少なくとも備えている。さらには、場合によっては、照合部13の照合結果が一致する場合、ナビゲーション装置20を動作不能な状態に設定する動作制御部15をさらに備えるようにしても良い。
【0028】
(第1の実施例の動作の説明)
次に、図2に示す盗品判定システム10Aの動作の一例を図4のフローチャートを用いて説明する。ここに、図3は、図2に示す盗品判定システム10Aの動作の一例を示すフローチヤートであり、道路通行料金の自動収受を行うETCシステムを利用して、ナビゲーション装置の盗品の有無を判定する場合の動作の一例を示している。
【0029】
図3のフローチャートにおいて、まず、ETCカード31を装着した車載ETC装置30が搭載されている車両200が道路通行料金徴収ゲートであるETCゲート40を通過しようとする際、ETCアンテナ30aを介してETC装置41との通信が開始される(ステップS1のYes)。通信が開始されると、ETC装置41は、車載ETC装置30に装着されているETCカードの情報を読み取って道路通行料金を自動収受するための通信を車載ETC装置30との間で行う(ステップS2)。
【0030】
道路通行料金の自動収受処理が終了すると、例えば、盗品判定装置10から車載ETC装置30を介して盗難ナビゲーション装置に関する情報の受信要求をETC装置41に対して送信することにより、ETC装置41は、中央情報処理装置43を介して盗難情報サービスセンタ100にアクセスし、盗難ナビゲーション装置に関する情報として盗難情報サービスセンタ100に登録されている、1ないし複数の盗難機種情報および盗難シリアル番号情報を取得する。
【0031】
盗難機種情報および盗難シリアル番号情報を取得したETC装置41は、要求元の車両200に盗難機種情報および盗難シリアル番号情報を送り返す。ETC装置41からの盗難機種情報および盗難シリアル番号情報を受け取った車載ETC装置30は、盗品判定装置10の受信部12に転送する(ステップS3)。
【0032】
また、盗品判定装置10の取得部11は、搭載されているナビゲーション装置20から当該ナビゲーション装置20の機種情報およびシリアル番号情報を取得し、照合部13において、受信部12にて受信された盗難機種情報および盗難シリアル番号情報と照合する(ステップS4)。
【0033】
照合部13の照合結果として、搭載されているナビゲーション装置20の機種情報およびシリアル番号情報が、受信部12にて受信された1ないし複数の盗難機種情報および盗難シリアル番号情報のうちのいずれかと一致している場合(ステップS4のYes)、当該ナビゲーション装置20は盗品であるものと判定して、通報部14を駆動する。
【0034】
通報部14は、ナビゲーション装置20が盗品であること、該ナビゲーション装置20の機種情報およびシリアル番号情報、該ナビゲーション装置20が搭載されている車両200の車種情報や車載ETC装置30の登録情報である個人情報、さらには、あらかじめ定めた通報先例えば盗難情報サービスセンタ100を宛先として含む盗品情報を生成して、車載ETC装置30からETC装置41に対して送信する。
【0035】
車載ETC装置30から該盗品情報を受信したETC装置41は、中央情報処理装置43を経由して、宛先として指定されている通報先例えば盗難情報サービスセンタ100に対して、受信した盗品情報を転送する(ステップS5)。
【0036】
盗品情報を受信した盗難情報サービスセンタ100は、盗品情報に含まれているナビゲーション装置20の機種情報およびシリアル番号情報のみならず、車両200の車種情報や車載ETC装置30の登録情報である個人情報を、ナビゲーション装置盗品情報として警察へ通報する(ステップS6)。盗品の所在場所を特定した通報を受け取った警察は、盗品のナビゲーション装置20の回収が容易に可能となる。以上の各ステップを実施した後、車載ETC装置30とETC装置41との間の通信を終了する(ステップS7)。
【0037】
なお、図3のフローチャートにおいては、通報先として盗難情報サービスセンタ100を指定する場合について説明したが、本実施例のようにETCシステムを利用する場合、通報先を、例えば、道路通行料金の管理を行っている中央情報処理装置43に常に固定し、中央情報処理装置43から警察へ直接通報するようにしても良い。また、盗難情報つまり盗難情報サービスセンタの盗難機種情報および盗難シリアル番号情報を受信するための通信手段についても、盗品情報を通報するための通報手段と同一のETCシステムを用いたが、ETCシステムに特定するものではなく、盗難情報を受信する通信手段を、該通報手段とは異なる他の通信手段例えば放送受信機や路車間通信や車車間通信等を用いてもかまわない。あるいは、盗難情報つまり盗難情報サービスセンタの盗難機種情報および盗難シリアル番号情報を受信するための通信手段をETCシステムとして用いる場合、盗品情報を通報するための通報手段を他の通信手段例えば路車間通信や車車間通信等を用いてもかまわない。
【0038】
また、図3のフローチャートには示していないが、照合部13の照合結果として、搭載されているナビゲーション装置20の機種情報およびシリアル番号情報が、受信部12にて受信された1ないし複数の盗難機種情報および盗難シリアル番号情報のうちのいずれかと一致している場合、通報部14を駆動して、盗品情報を通報するとともに、動作制御部15を駆動して、ナビゲーション装置20の動作を一切不能とする状態に強制的に設定するようにしても良い。
【0039】
(第2の実施例)
図4は、本発明による盗品判定システムの第2の実施例の概要を示す概念図であり、ナビゲーション装置に関する盗難機種情報及び盗難シリアル番号情報を受信する受信手段として放送電波例えばデジタルテレビ放送電波を受信する放送受信機を用いた場合の構成例を示している。
【0040】
図4の盗品判定システムに示すように、車両200側には、ナビゲーション装置20が盗品か否かを判定する盗品判定装置10、利用者を目的地まで誘導するナビゲーション装置20、放送電波例えばデジタルテレビ放送電波を受信する放送受信機50およびテレビアンテナ50aが搭載されており、放送局62からデジタルテレビ放送送信所61を介して放送されてくるデジタルテレビ放送電波を受信することが可能になっている。ここで、放送局62は、盗難されたナビゲーション装置の機種を示す盗難機種情報および当該ナビゲーション装置をユニークに特定する固有の番号である盗難シリアル番号情報を管理している盗難情報サービスセンタ100と接続されており、盗難情報サービスセンタ100から取得した盗難機種情報および盗難シリアル番号情報を、放送信号の一部として例えばデジタルテレビ信号のデータ放送信号として放送電波に含ませて放送することができる。
【0041】
図4の盗品判定システムにおいては、盗品判定装置10は、ナビゲーション装置に関する盗難機種情報および盗難シリアル番号情報を、放送電波を受信する放送受信機50を介して取得する。なお、図4においては、盗品判定装置10をナビゲーション装置20や放送受信機50とは別個に配置しているが、該盗品判定装置10を構成する一部の構成要素(機能)を、ナビゲーション装置20や放送受信機50に内蔵させるようにしても良いし、さらには、該盗品判定装置10そのもの(つまり盗品判定装置10のすべての構成要素(機能))をナビゲーション装置20あるいは放送受信機50に内蔵させるようにしても良い。
【0042】
図5は、図4の盗品判定システムにおける盗品判定装置10の内部構成の詳細を示すシステム構成図である。
【0043】
図5の盗品判定システム10Bに示すように、盗品判定装置10は、搭載されているナビゲーション装置20の機種を示す機種情報および当該ナビゲーション装置20をユニークに特定する固有の番号であるシリアル番号情報を取得する取得部11、盗難された盗難ナビゲーション装置の機種を示す盗難機種情報および当該盗難ナビゲーション装置をユニークに特定する固有の番号である盗難シリアル番号情報を放送電波例えばデジタルテレビ放送電波を受信する放送受信機50を介して外部から受信する受信部12、取得部11により取得されたナビゲーション装置20の機種情報およびシリアル番号情報と受信部12によって受信された1ないし複数の盗難機種情報および盗難シリアル番号情報とを照合する照合部13、照合部13の照合結果として、ナビゲーション装置20の機種情報およびシリアル番号情報が盗難機種情報および盗難シリアル番号情報のいずれかと一致する場合、ナビゲーション装置20を、例えば盗品である旨を表示器に表示する動作を除いてナビゲーション装置20としての動作が一切不能な状態に設定する動作制御部15を少なくとも備えている。さらには、場合によっては、照合部13の照合結果が一致する場合、盗品を検出した旨を示す盗品情報をあらかじめ定めた通報先に通報する通報部14をさらに備えるようにしても良い。
【0044】
(第2の実施例の動作の説明)
次に、図5に示す盗品判定システム10Bの動作の一例を図6のフローチャートを用いて説明する。ここに、図6は、図5に示す盗品判定システム10Bの動作の一例を示すフローチヤートであり、放送電波を受信する放送受信機例えばデジタルテレビ放送の放送電波を受信するデジタルテレビ放送受信機を利用して、ナビゲーション装置の盗品の有無を判定する場合の動作の一例を示している。
【0045】
図6のフローチャートにおいて、まず、デジタルテレビ放送の放送電波を受信する放送受信機50が、放送局62がデジタルテレビ放送送信所61を介して放送しているデジタルテレビ放送電波中に含まれているデータ放送信号を受信すると(ステップS11のYes)、該データ放送信号をデコードして当該データ放送信号に含まれている1ないし複数の盗難機種情報および盗難シリアル番号情報を抽出する。抽出された1ないし複数の盗難機種情報および盗難シリアル番号情報は、盗品判定装置10の受信部12に転送される(ステップS12)。ここで、放送局62は、あらかじめ定めた周期で、盗難機種情報および盗難シリアル番号情報を管理している盗難情報サービスセンタ100から定期的に盗難機種情報および盗難シリアル番号情報を取得して、データ放送として放送するようにしている。
【0046】
また、盗品判定装置10の取得部11は、搭載されているナビゲーション装置20から当該ナビゲーション装置20の機種情報およびシリアル番号情報を取得し、照合部13において、受信部12にて受信された盗難機種情報および盗難シリアル番号情報と照合する(ステップS13)。
【0047】
照合部13の照合結果として、搭載されているナビゲーション装置20の機種情報およびシリアル番号情報が、受信部12にて受信された1ないし複数の盗難機種情報および盗難シリアル番号情報のうちのいずれかと一致している場合(ステップS13のYes)、当該ナビゲーション装置20は盗品であるものと判定して、動作制御部15を駆動する。
【0048】
動作制御部15は、ナビゲーション装置20のナビゲーション用のサービスとしての動作を一切不能にする状態に強制的に設定し、さらに、当該ナビゲーション装置20が盗品である旨を示す盗品情報をあらかじめ定めた通報先例えば盗難情報サービスセンタ100に通報するように促すメッセージと、該通報先の連絡先情報(電話番号やURL等)とを表示器に表示させる(ステップS14)。
【0049】
表示器に表示された盗品情報を見た当該車両200の利用者は、表示されている通報先の連絡先へ該盗品情報を通報する。盗品情報の通報を受け取った通報先例えば盗難情報サービスセンタ100は、該盗品情報に含まれているナビゲーション装置20の機種情報およびシリアル番号情報やさらにはナビゲーション装置20が搭載されている車両200の車種情報を、ナビゲーション装置盗品情報として警察へ通報する。盗品の所在場所を特定した通報を受け取った警察は、盗品のナビゲーション装置20の回収が容易に可能となる。
【0050】
なお、図6のフローチャートにおいては、盗品情報を表示器に表示して、当該車両200の利用者が通報先例えば盗難情報サービスセンタ100へ通報する場合について説明したが、かかる場合のみに限るものではない。例えば、当該車両200に路車間通信や車車間通信等の他の通信手段やあるいは第1の実施例のようなETCシステムのような他の通信手段を搭載している場合、当該車両200に搭載されている他の通信手段を、盗品情報の通報手段として利用するようにしても良い。かかる場合は、当該車両200の利用者を介することなく、自動的に、あるいは、当該車両200の利用者からの指示に基づいて、当該他の通信手段を用いて盗品情報をあらかじめ定めた通報先に送信することができる。
【0051】
また、ここでは、盗難情報つまり盗難機種情報および盗難シリアル番号情報の取得手段としてデジタルテレビ放送のデータ放送信号を用いたが、デジタルテレビ放送に特定するものではなく、他の放送電波を用いてもかまわない。また、図4、図5の構成例においては、デジタルテレビ放送の放送受信機50は、盗品判定装置10と外部接続する形態となっているが、前述したように、盗品判定装置10と一体構造になっていても良いし、あるいは、ナビゲーション装置20に、盗品判定装置10とともに内蔵されていてもかまわない。
【0052】
(第3の実施例)
図7は、本発明によるナビゲーション装置の前述した実施例とは異なる内部構成の一例を示す構成図であり、当該ナビゲーション装置に車載ETC装置30を接続し、当該ナビゲーション装置自身によって、車載ETC装置30に装着されるETCカード31からの情報に基づいて、当該ナビゲーション装置に関する盗難の有無を判定する場合の構成例を示している。
【0053】
図7のナビゲーション装置20Aに示すように、ナビゲーション装置20Aは、道路通行料金を自動収受する車載ETC装置30と接続する接続部24を備えるとともに、ナビゲーション用および盗品判定用の情報を処理する情報処理装置21、各種情報を画面表示する表示器22の他に、接続した車載ETC装置30に装着されるETCカードのカード番号を登録カード番号23aとして1ないし複数あらかじめ記憶する不揮発性内蔵メモリ23を少なくとも備えている。なお、不揮発性内蔵メモリ23は、例えば、ROMやフラッシュメモリやHDDなど、電源がOFFの状態でも記憶情報が消滅しない不揮発性のものであれば、如何なる属性のメモリであっても良く、また、当該不揮発性内蔵メモリ23は、ナビゲーション用の地図情報やプログラムなどを格納しているメモリと同一のものであっても良い。
【0054】
ここで、情報処理装置21には、前記登録カード番号を不揮発性内蔵メモリ23に登録する処理を行うカード番号登録部21a、車載ETC装置30にETCカード31が装着された際に、接続部24を介して、装着されたETCカード31のカード番号を車載ETC装置30から受け取り、カード番号登録部21aにより不揮発性内蔵メモリ23に登録されている登録カード番号23aと照合するカード番号照合部21b、および、カード番号照合部21bの照合結果として、車載ETC装置30に装着されたETCカード31のカード番号が、登録カード番号23aのいずれとも一致しない場合、当該ナビゲーション装置20A自身を、例えば盗品である旨を表示器22に表示する動作を除いて当該ナビゲーション装置20Aとしてのナビゲーションサービス用の動作が不能な状態に設定する動作制御部21cを少なくとも備えている。
【0055】
また、ナビゲーション装置20Aに接続する車載ETC装置30は、第1の実施例の場合と同様の構成であり、ETCゲートのETC装置と無線通信を行うETCアンテナ30aを備え、道路通行料金の収受用の情報を格納しているETCカード31が装着される構成とされている。
【0056】
(第3の実施例の動作の説明)
次に、図7に示すナビゲーション装置20Aの動作の一例を図8のフローチャートを用いて説明する。ここに、図8は、図7に示すナビゲーション装置20Aの動作の一例を示すフローチヤートであり、道路通行料金の自動収受を行うETCシステムを利用して、ナビゲーション装置20A自身の盗品の有無を判定する場合の動作の一例を示している。
【0057】
図8のフローチャートにおいて、まず、ナビゲーション装置20Aと接続されている車載ETC装置30にETCカード31が装着されたか否かを、接続部24を介して情報処理装置21が確認し(ステップS21)、ETCカード31が装着されたことを確認した場合(ステップS21のYes)、装着されたETCカード31のカード番号と同一の番号が、カード番号登録部21aにより不揮発性内蔵メモリ23にあらかじめ登録している登録カード番号23aの中に存在しているか否かを照合する動作をカード番号照合部21bにより行う(ステップS22)。
【0058】
装着されたETCカード31のカード番号が1ないし複数の登録カード番号23aのいずれとも一致していなかった場合(ステップS22のNo)、ナビゲーション装置20A自身が盗難されて、異なる利用者が所有する別の車両に搭載されたものであるものとみなして、動作制御部21cを駆動する。
【0059】
動作制御部21cは、当該ナビゲーション装置20Aのナビゲーション用のサービスとしての動作を一切不能な状態に強制的に設定し、さらに、当該ナビゲーション装置20A自身が盗品である旨を示す盗品情報をあらかじめ定めた通報先例えば盗難情報サービスセンタ100に通報するように促すメッセージと、該通報先の連絡先情報(電話番号やURL等)とを表示器22に表示させる(ステップS23)。
【0060】
表示器22に表示された盗品情報を見た当該車両の利用者は、表示されている通報先の連絡先へ該盗品情報を通報する。盗品情報の通報を受け取った通報先例えば盗難情報サービスセンタ100は、該盗品情報に含まれているナビゲーション装置20Aの機種情報およびシリアル番号情報やさらにはナビゲーション装置20Aが搭載されている車両の車種情報を、ナビゲーション装置盗品情報として警察へ通報する。盗品の所在場所を特定した通報を受け取った警察は、盗品のナビゲーション装置20Aの回収が容易に可能となる。
【0061】
なお、図8のフローチャートにおいては、ナビゲーション装置20A自身が盗品であることを示す盗品情報を表示器22に表示して、当該ナビゲーション装置20Aを搭載している車両の利用者が通報先例えば盗難情報サービスセンタ100へ通報する場合について説明したが、かかる場合のみに限るものではない。例えば、当該車両に路車間通信や車車間通信等の他の通信手段を搭載している場合、当該車両に搭載されている他の通信手段を、あるいは、車載ETC装置30のような他の通信手段を、盗品情報の通報手段として利用するようにしても良い。かかる場合は、当該車両の利用者を介することなく、自動的に、あるいは、当該車両の利用者からの指示に基づいて、当該他の通信手段を用いて盗品情報をあらかじめ定めた通報先に送信することができる。
【0062】
また、ここでは、ナビゲーション装置20Aの盗品の有無を判定するための各手段を、ナビゲーション装置20A自身に内蔵する場合について説明したが、該ナビゲーション装置20Aと接続されている車載ETC装置30側に内蔵させるようにしても良い。また、場合によっては、ナビゲーション装置20Aと車載ETC装置30とが一体構造になっていても良い。
【0063】
(各実施例における効果の説明)
以上詳細に説明したように、本発明の第1、第2の実施例における盗品判定システム10A,10Bによれば、次のような効果を奏することができる。
【0064】
つまり、ナビゲーション装置20が盗難にあったとしても、車載ETC装置30を用いてあるいは放送受信機50を用いて、盗難されたナビゲーション装置の機種名を示す盗難機種情報および盗難ナビゲーション装置をユニークに特定することが可能な固有の盗難シリアル番号情報を外部の盗難情報サービスセンタ100から受信し、接続されたナビゲーション装置20の機種情報およびそのシリアル番号情報と照合することにより、接続された当該ナビゲーション装置20が盗品であるか否かを確認することができ、盗品であった場合は、あらかじめ登録しておいた、警察等の通報先へ盗品の旨を通報したり、盗難情報サービスセンタ100へ盗品の旨を連絡したり、あるいは、盗品のナビゲーション装置20のナビゲーションサービス用の動作を不能な状態に設定したりすることによって、盗品ナビゲーション装置20をより確実に発見することができる可能性が高くなり、結果的には、盗難の抑制に繋がることになる。
【0065】
また、第3の実施例において説明したナビゲーション装置20Aによれば、車載ETC装置30に装着されたETCカード31が、登録カード番号23aとしてあらかじめ登録されていたETCカードの番号と異なる場合、当該車両に搭載されて、車載ETC装置30と接続されたナビゲーション装置20Aが盗品であるものと判定して、当該ナビゲーション装置20Aのナビゲーションサービス用の動作を一切不能な状態に設定するとともに、あらかじめ登録しておいた通報先へ盗品情報を通報することを促すメッセージを表示器22に表示することによって、盗品ナビゲーション装置をより確実に発見することができる可能性が高くなり、結果的には、盗難の抑制に繋がることになる。
【0066】
以上、本発明の好適実施例の構成を説明した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明による盗品判定システムの第1の実施例の概要を示す概念図である。
【図2】図1の盗品判定システムにおける盗品判定装置の内部構成の詳細を示すシステム構成図である。
【図3】図2に示す盗品判定システムの動作の一例を示すフローチヤートである。
【図4】本発明による盗品判定システムの第2の実施例の概要を示す概念図である。
【図5】図4の盗品判定システムにおける盗品判定装置の内部構成の詳細を示すシステム構成図である。
【図6】図5に示す盗品判定システム10Bの動作の一例を示すフローチヤートである。
【図7】本発明によるナビゲーション装置の前述した実施例とは異なる内部構成の一例を示す構成図である。
【図8】図7に示すナビゲーション装置の動作の一例を示すフローチヤートである。
【符号の説明】
【0068】
10 盗品判定装置
10A 盗品判定システム
10B 盗品判定システム
11 取得部
12 受信部
13 照合部
14 通報部
15 動作制御部
20 ナビゲーション装置
20A ナビゲーション装置
21 情報処理装置
21a カード番号登録部
21b カード番号照合部
21c 動作制御部
22 表示器
23 不揮発性内蔵メモリ
23a 登録カード番号
24 接続部
30 車載ETC装置
30a ETCアンテナ
31 ETCカード
40 ETCゲート(道路通行料金徴収ゲート)
41 ETC装置
42 ゲート開閉装置
43 中央情報処理装置
50 放送受信機
50a テレビアンテナ
61 デジタルテレビ放送送信所
62 放送局
100 盗難情報サービスセンタ
200 車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者を目的地まで誘導するナビゲーション装置が盗品であるか否かを判定する盗品判定システムであって、当該ナビゲーション装置の機種を示す機種情報および当該ナビゲーション装置をユニークに特定する固有の番号であるシリアル番号情報を取得する取得手段と、盗難された盗難ナビゲーション装置の機種を示す盗難機種情報および当該盗難ナビゲーション装置をユニークに特定する固有の番号である盗難シリアル番号情報を外部から受信する受信手段と、前記取得手段により取得された前記機種情報および前記シリアル番号情報と前記受信手段によって受信された1ないし複数の前記盗難機種情報および前記盗難シリアル番号情報とを照合する照合手段とを備え、前記照合手段の照合結果として、前記機種情報および前記シリアル番号情報が前記盗難機種情報および前記盗難シリアル番号情報のいずれかと一致する場合、盗品を検出した旨を示す盗品情報をあらかじめ定めた通報先に通報する通報手段を備えていることを特徴とする盗品判定システム。
【請求項2】
利用者を目的地まで誘導するナビゲーション装置が盗品であるか否かを判定する盗品判定システムであって、当該ナビゲーション装置の機種を示す機種情報および当該ナビゲーション装置をユニークに特定する固有の番号であるシリアル番号情報を取得する取得手段と、盗難された盗難ナビゲーション装置の機種を示す盗難機種情報および当該盗難ナビゲーション装置をユニークに特定する固有の番号である盗難シリアル番号情報を外部から受信する受信手段と、前記取得手段により取得された前記機種情報および前記シリアル番号情報と前記受信手段によって受信された1ないし複数の前記盗難機種情報および前記盗難シリアル番号情報とを照合する照合手段とを備え、前記照合手段の照合結果として、前記機種情報および前記シリアル番号情報が前記盗難機種情報および前記盗難シリアル番号情報のいずれかと一致する場合、前記ナビゲーション装置を、盗品を検出した旨を示す盗品情報を表示器に表示する動作以外の動作が不能な状態に設定する動作制御手段を備えていることを特徴とする盗品判定システム。
【請求項3】
利用者を目的地まで誘導するナビゲーション装置が盗品であるか否かを判定する盗品判定システムであって、当該ナビゲーション装置の機種を示す機種情報および当該ナビゲーション装置をユニークに特定する固有の番号であるシリアル番号情報を取得する取得手段と、盗難された盗難ナビゲーション装置の機種を示す盗難機種情報および当該盗難ナビゲーション装置をユニークに特定する固有の番号である盗難シリアル番号情報を外部から受信する受信手段と、前記取得手段により取得された前記機種情報および前記シリアル番号情報と前記受信手段によって受信された1ないし複数の前記盗難機種情報および前記盗難シリアル番号情報とを照合する照合手段とを備え、前記照合手段の照合結果として、前記機種情報および前記シリアル番号情報が前記盗難機種情報および前記盗難シリアル番号情報のいずれかと一致する場合、盗品を検出した旨を示す盗品情報をあらかじめ定めた通報先に通報する通報手段と、前記照合手段の照合結果が一致する場合、前記ナビゲーション装置を動作が不能な状態に設定する動作制御手段とを備えていることを特徴とする盗品判定システム。
【請求項4】
装着されたETC(Electronic Toll Collection System)カードに基づいて道路通行料金を自動収受する車載ETC装置と接続する接続手段を備え、前記車載ETC装置がETCゲートに設置されているETC装置と道路通行料金の収受に関する通信を実施した際に、前記受信手段は、前記接続手段により接続された前記車載ETC装置を介して前記ETC装置側から前記盗難機種情報および前記盗難シリアル番号情報を受信することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の盗品判定システム。
【請求項5】
装着されたETC(Electronic Toll Collection System)カードに基づいて道路通行料金を自動収受する車載ETC装置と接続する接続手段を備え、前記車載ETC装置がETCゲートに設置されているETC装置と道路通行料金の収受に関する通信を実施した際に、前記通報手段は、前記接続手段により接続された前記車載ETC装置を介して前記ETC装置側にあらかじめ定めた通報先を付した前記盗品情報を通報することを特徴とする請求項1または3に記載の盗品判定システム。
【請求項6】
前記接続手段により接続された前記車載ETC装置側に、前記取得手段、前記受信手段、前記照合手段、前記通報手段、前記動作制御手段の各手段のうち、いずれか1ないし複数の手段が内蔵されていることを特徴とする請求項4または5に記載の盗品判定システム。
【請求項7】
放送電波を受信する放送受信機と接続する接続手段を備え、前記受信手段は、前記接続手段により接続された前記放送受信機を介して前記放送電波に含まれて放送されてくる前記盗難機種情報および前記盗難シリアル番号情報を受信することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の盗品判定システム。
【請求項8】
前記接続手段により接続された前記放送受信機側に、前記取得手段、前記受信手段、前記照合手段、前記動作制御手段の各手段のうち、いずれか1ないし複数の手段が内蔵されていることを特徴とする請求項8に記載の盗品判定システム。
【請求項9】
他の車両との間の車車間通信を行ったり、あるいは、道路上または道路の路側に設置された通信機との間の路車間通信を行う通信手段と接続する接続手段を備え、前記受信手段は、前記接続手段により接続された前記通信手段を介して前記盗難機種情報および前記盗難シリアル番号情報を受信することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の盗品判定システム。
【請求項10】
他の車両との間の車車間通信を行ったり、あるいは、道路上または道路の路側に設置された通信機との間の路車間通信を行う通信手段と接続する接続手段を備え、前記通報手段は、前記接続手段により接続された前記通信手段を介してあらかじめ定めた通報先を付した前記盗品情報を通報することを特徴とする請求項1または3に記載の盗品判定システム。
【請求項11】
前記ナビゲーション装置自身に、前記取得手段、前記受信手段、前記照合手段、前記通報手段、前記動作制御手段の各手段のうち、いずれか1ないし複数の手段が内蔵されていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の盗品判定システム。
【請求項12】
利用者を目的地まで誘導するナビゲーション装置において、装着されたETC(Electronic Toll Collection System)カードに基づいて道路通行料金を自動収受する車載ETC装置と接続する接続手段と、前記ETCカードのカード番号を登録カード番号として1ないし複数あらかじめ登録するカード番号登録手段と、前記車載ETC装置にETCカードが装着された際に、前記車載ETC装置から前記接続手段を介して装着された前記ETCカードのカード番号を受け取り、前記カード番号登録手段に登録されている前記登録カード番号と照合するカード番号照合手段とを備え、前記カード番号照合手段の照合結果として、装着された前記ETCカードのカード番号が前記登録カード番号のいずれとも一致しない場合、当該ナビゲーション装置を、盗品を検出した旨を示す盗品情報を表示器に表示する動作以外の動作が不能な状態に設定する動作制御手段を備えていることを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−117830(P2010−117830A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−289700(P2008−289700)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】