説明

監視促進システムおよび監視促進方法

【課題】モニターに表示する監視映像を自動的に切り換えつつ、オペレータによるモニターの注視を促すことにより、監視映像の見逃しを回避して、的確な監視作業を実現するとともに迅速な対処を可能にすること。
【解決手段】複数の監視カメラ11〜16の撮影映像を予め設定されている切換タイミングで順次にモニター23に出力表示する監視システム10に適用して、該モニターの映像を注視することを促して該監視対象の監視を促進する音響告知装置25であって、モニターに表示出力する監視カメラ毎の映像信号を検出するとともに、同期タイマー26が監視カメラの撮影する監視対象の切換タイミングを繰り返し計時して、これらの検出信号およびタイマー信号を受け取ったときに注視タイミングとしてチャイムを鳴動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視促進システムおよび監視促進方法に関し、詳しくは、複数箇所の監視対象を撮影した映像を順次に切り換えてモニターに表示出力する場合に、その監視映像の見逃しをなくすものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、監視対象を撮影する監視カメラを設置してその監視カメラの撮影する映像をモニターに表示出力することにより、その監視対象の状態などを監視することが行なわれている。
【0003】
この種の監視システムとしては、複数箇所を監視対象としている場合があり、このような場合には、その監視箇所毎の監視映像を表示領域を分割したモニター画面に同時に表示出力することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−309368号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の監視システムにあっては、複数箇所の監視映像が同時にモニターに表示出力されるため、異常が発生している監視映像がモニターの一部に表示されていたとしても、その異常発生箇所を見逃してしまう場合がある。この問題を解消するためには、複数箇所の監視カメラが撮影する監視対象の映像を順次に切り換えてモニターに表示出力する方式を採用することが考えられる。
【0005】
しかるに、このような方式を採用する監視システムにあっては、モニターに表示出力する映像は自動的に切り換わるため、オペレータが目を離しているタイミングに異常発生箇所の監視映像が表示出力される場合がある。このような場合には、その異常発生箇所に気が付くことができずに、次回の表示出力で気が付いたとしても対処が遅くなってしまう、という課題がある。
【0006】
そこで、本発明は、モニターに表示出力する監視対象の映像を自動的に切り換えつつ、オペレータによるモニターの注視を促すことにより、常にモニターに注視する必要をなくすとともに、監視対象の映像の見逃しを回避して、的確な監視作業を実現するのと同時に迅速な対処を可能にする監視促進システムおよび監視促進方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する監視促進システムの第1の発明は、複数個所に設置されている監視カメラの撮影する監視対象の映像を予め設定されている切換タイミングで順次にモニターに出力表示する監視制御を、予め設定されている監視タイミングで繰り返し実行する監視システムに適用して、該モニターの映像を注視することを促して該監視対象の監視を促進する監視促進システムであって、モニターに表示出力する監視カメラ毎の表示タイミングに略同期する信号を出力する同期タイマーと、該同期タイマーからのタイマー信号を受け取ってオペレータに該モニターの注視を促す注視タイミングを報知する報知手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0008】
この発明では、監視カメラ毎に撮影される監視対象の映像がモニターに順次に表示出力される表示・切換タイミングが計時されて、そのタイミングに略同期するタイマー信号に基づいてそのモニターを注視すべき注視タイミングであることがオペレータに報知される。したがって、モニターに自動的に切り換えられつつ表示出力される監視対象の映像を、その表示・切換に合わせてモニターを注視して確認することができ、常にモニターを注視することなく、監視対象の映像を見逃さずに監視することができる。
【0009】
上記課題を解決する監視促進システムの第2の発明は、複数個所に設置されている監視カメラの撮影する監視対象の映像を予め設定されている切換タイミングで順次にモニターに出力表示する監視制御を、予め設定されている監視タイミングで繰り返し実行する監視システムに適用して、該モニターの映像を注視することを促して該監視対象の監視を促進する監視促進システムであって、モニターに表示出力する監視カメラ毎の映像信号を検出して信号を出力する信号検出手段と、該信号検出手段からの検出信号を受け取ってオペレータにモニターの注視を促す注視タイミングを報知する報知手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0010】
この発明では、監視カメラ毎に撮影される監視対象の映像がモニターに順次に表示出力される表示・切換タイミングが監視カメラの映像信号自体により検出されて、そのタイミングに一致する検出信号に基づいてそのモニターを注視すべき注視タイミングであることがオペレータに報知される。したがって、モニターに自動的に切り換えられつつ表示出力される監視対象の映像を、その表示・切換に合わせてモニターを注視して確認することができ、常にモニターを注視することなく、監視対象の映像を見逃さずに監視することができる。
【0011】
上記課題を解決する監視促進システムの第3の発明は、複数個所に設置されている監視カメラの撮影する監視対象の映像を予め設定されている切換タイミングで順次にモニターに出力表示する監視制御を、予め設定されている監視タイミングで繰り返し実行する監視システムに適用して、該モニターの映像を注視することを促して該監視対象の監視を促進する監視促進システムであって、モニターに表示出力する監視カメラ毎の映像信号を検出して信号を出力する信号検出手段と、監視カメラの撮影する監視対象の切換タイミングに略同期する信号を出力する同期タイマーと、これらの検出信号およびタイマー信号を受け取ってオペレータにモニターの注視を促す注視タイミングを報知する報知手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0012】
この発明では、監視カメラ毎に撮影される監視対象がその監視カメラの回動などにより切り換えられてモニターに順次に表示出力される場合でも、その監視カメラによる撮影映像の表示開始タイミングが監視カメラ毎の映像信号自体により検出されるとともに、同一の監視カメラにより撮影される監視対象の切換タイミングが計時されて、これらの表示・切換タイミングに略同期する検出信号とタイマー信号に基づいてそのモニターを注視すべき注視タイミングであることがオペレータに報知される。したがって、監視対象を撮影する監視カメラを切り換えつつその監視対象の映像をモニター内で相対移動させるように表示出力させる場合でも、そのモニター内の監視対象の映像をその表示・切換に合わせてモニターを注視して確認することができ、常にモニターを注視することなく、監視対象の映像を見逃さずに監視することができる。
【0013】
上記課題を解決する監視促進システムの第4の発明は、上記第1から第3のいずれかの発明の特定事項に加え、前記報知手段は、注視タイミングを音声出力または表示出力により報知することを特徴とするものである。
【0014】
この発明では、監視カメラ毎による監視対象の撮影映像がモニターに順次に表示出力されるタイミングに音声出力または表示出力されて、そのモニターを注視すべき注視タイミングであることがオペレータに報知される。したがって、モニターの設置環境に応じた報知を行うことができ、例えば、監視室ではチャイムなどの音声出力により、また、現場などでは作業中の別モニターにメッセージなどを表示出力することによりオペレータに報知することができる。
【0015】
上記課題を解決する監視促進方法の第1の発明は、複数個所に設置されている監視カメラの撮影する監視対象の映像を予め設定されている切換タイミングで順次にモニターに出力表示する監視制御を、予め設定されている監視タイミングで繰り返し実行する監視方法に適用して、該モニターの映像を注視することを促して該監視対象の監視を促進する監視促進方法であって、監視開始タイミング毎にオペレータにモニターの注視を促す音声出力または表示出力を行なうとともに、該監視開始タイミング後の監視切換タイミング毎にもモニターの注視を促す音声出力または表示出力を行なうことを特徴としている。
【0016】
この発明では、監視対象を撮影した監視カメラ毎の映像をモニターに表示出力する監視開始タイミングと共にそのモニターに表示出力する監視対象の映像を順次に切り換える監視切換タイミングに、そのモニターを注視すべき注視タイミングであることがオペレータに報知される。したがって、モニターに自動的に切り換えられつつ表示出力される監視対象の映像を、その表示開始および切換に合わせてモニターを注視して確認することができ、常にモニターを注視することなく、監視対象の映像を見逃さずに監視することができる。
【発明の効果】
【0017】
このように本発明によれば、監視カメラ毎に監視対象を撮影してモニターに表示出力する監視対象を順次に切り換える場合に、そのモニターを注視すべき注視タイミングであることをオペレータに報知するので、そのモニターに表示出力する監視対象の映像の切換に合わせて注視を繰り返すことができ、常にモニターを注視することなく、監視対象の映像を見逃さずに監視することができる。したがって、負担のない的確な監視作業を実現することができ、監視対象に異常が発生したときでも迅速に対処することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図3は本発明に係る監視促進方法を実施する監視促進システムの第1実施形態を適用した監視システムの一例を示す図である。
【0019】
図1において、監視システム10は、複数個所に設置されている監視カメラ11〜16を操作パネル22から設定された各種条件に従って制御盤21が駆動制御することにより監視対象の撮影映像をモニター23に順次に表示出力して各所の監視を行うように構築されており、この監視システム10には、モニター23を注視する監視作業を確実に行い得るように、監視促進システムが組み込まれている。
【0020】
この監視システム10は、例えば、図2に示すように、火力発電所におけるボイラー100の前面側(F)と背面側(R)の各フロア101〜103毎に設置されているバーナー111a〜116dの周囲を撮影可能に監視カメラ11〜16が設置されており、制御盤21のCPUが予め格納されている制御プログラムに従って定期的に監視動作を開始した後に、モニター23に表示出力する監視カメラ11〜16の撮影映像を順次に切り換えるとともに、その監視カメラ11〜16を回動させて撮影方向を変位させることにより、カメラ数よりも多い監視対象のボイラー100のバーナー111a〜116d周りの撮影映像を順次に切り換えてモニター23に表示出力するように設計されている。
【0021】
具体的には、監視システム10の制御盤21は、ボイラー100のバーナー111a〜116d周りの監視動作を、内蔵する起動タイマー21aからの起動タイマー信号に従って1時間毎に開始するようになっており、この監視動作をボイラー100の前面側の第1フロア101から始めて、その背面側の第3フロア106で終了するように設計されている。
【0022】
この制御盤21は、監視動作の開始後には、前面側の第1フロア101の監視カメラ11による撮影映像をモニター23に表示出力するとともに、その撮影方向がボイラー100のバーナー111a〜111d周りに1分毎に向くように監視カメラ11を回動させるようになっており、同様の監視動作を前面側の第2フロア102の監視カメラ12、第3フロア103の監視カメラ13と継続した後に、続けて、背面側の第1フロア104の監視カメラ14、第2フロア105の監視カメラ15、第3フロア106の監視カメラ16へと順次に切り換えて繰り返す。すなわち、各監視カメラ11〜16は、4分毎に切り換えられつつ回動することによりバーナー111a〜116d周りを1分毎に順次に撮影して、その撮影映像(監視映像)がモニター23に順次に表示出力される。
【0023】
そして、この監視システム10は、音響告知装置25を接続することにより監視促進システムが組み込まれており、この音響告知装置25は、制御盤21から監視カメラ11〜16のそれぞれに延長接続されているラインから、その監視カメラ11〜16が撮影してモニター23に表示出力させる映像信号(制御信号でもよい)を検出可能に接続されている。
【0024】
この音響告知装置25は、リセット後の予め設定されている時間の経過毎に規定回数の同期タイマー信号を出力する同期タイマー26を内蔵しており、制御盤21により切り換えられる監視カメラ11〜16毎の信号ラインから映像信号を検出する度にチャイムを鳴動させるように設計されているとともに、また、その監視カメラ11〜16の切換の間に同期タイマー26から同期タイマー信号を受け取る度にもチャイムを鳴動させるように設計されている。
【0025】
例えば、音響告知装置25は、制御盤21と監視カメラ11〜16との間の信号ラインから映像信号を検出する度に同期タイマー26をリセットするとともに、各監視カメラ11〜16の回動により撮影するバーナー111a〜116d周りの切換に同期する1分が経過する度に3回の同期タイマー信号を出力するように同期タイマー26が設定されており、監視カメラ11〜16の切換と共に撮影するバーナー111a〜116d周りの切換に合わせてチャイムを鳴動させる。すなわち、音響告知装置25は、信号検出手段と共に同期タイマーを備えて、オペレータにモニター23の注視を促す注視タイミングをチャイムにより報知する報知手段を構成している。
【0026】
これにより、この監視システム10は、図3に示すように、制御盤21が内蔵する起動タイマー21aからの1時間毎の起動タイマー信号に従ってモニター23や各監視カメラ11〜16の電源をオンするとともに、前面側の第1フロア101の監視カメラ11による撮影映像をモニター23に表示出力させるのと同時に、音響告知装置25が同期タイマー26をリセットするとともにチャイムを鳴動させて、この後には、その同期タイマー26が1分を計時する毎にチャイムを鳴動させる。
【0027】
この結果、オペレータは、チャイムの鳴動によりボイラー100の監視作業の開始を認識してモニター23の注視が促されることにより、まずは、前面側の第1フロア101の監視カメラ11が撮影するバーナー111a周りの監視映像をモニター23で注視・確認することができ、そのモニター23から目を離していても、次のチャイムの鳴動により同一の監視カメラ11が次に撮影するバーナー111b周りの監視映像をモニター23で注視・確認することができ、以降同様に、チャイムの鳴動毎にモニター23を注視して同一の監視カメラ11が撮影するバーナー111c、111d周りの監視映像を順次に確認することができる。
【0028】
この後に、監視システム10は、制御盤21が前面側の第2フロア102の監視カメラ12による撮影映像に切り換えてモニター23に表示出力させるのと同時に、音響告知装置25が同期タイマー26をリセットするとともにチャイムを鳴動させて、この後にも、その同期タイマー26が1分を計時する毎にチャイムを鳴動させる。
【0029】
この結果、オペレータは、監視カメラが切り換えられた後にも、同様に、そのモニター23から目を放していても、チャイムの鳴動により次の前面側の第2フロア102の監視カメラ12が撮影するバーナー112a周りの監視映像をモニター23で注視・確認することができ、チャイムの鳴動毎にモニター23を注視して同一の監視カメラ12が撮影するバーナー112b〜112d周りの監視映像を順次に確認することができる。
【0030】
続けて、監視システム10は、制御盤21が前面側の第3フロア103の監視カメラ13や背面側の第1〜第3フロア104〜106の監視カメラ14〜16による撮影映像をモニター23に順次に切換表示させるとともに、音響告知装置25が同期タイマー26をその切換表示と同時にリセットしてチャイムを鳴動させ、また、1分を計時する毎にもチャイムを鳴動させる。
【0031】
この結果、オペレータは、同様に、チャイムの鳴動毎に前面側の第3フロア103の監視カメラ13や背面側の第1〜第3フロア104〜106の監視カメラ14〜16が順次に撮影するバーナー113a〜116d周りの監視映像をモニター23で順次に注視・確認することができる。
【0032】
ここで、音響告知装置25は、最終の背面側の第3フロア106の監視カメラ16に切り換えられた後には、同期タイマー26がリセットされることはなく、3回の同期タイマー信号も出力済みであるので、監視動作が終了した後にチャイムが繰り返し鳴動されて耳障りになってしまうことはない。
【0033】
このように本実施形態においては、監視システム10に追加された音響告知装置25(監視促進システム)が監視促進方法を実行することにより、監視カメラ11〜16が撮影方向を回動させて撮影するボイラー100のバーナー111a〜116d周りの監視映像をモニター23に順次に切り換えて表示出力させる場合でも、監視カメラ11〜16の切換のタイミングと共に監視対象(バーナー111a〜111d周りなど)の切換のタイミングに同期させてチャイムを鳴動させることができ、モニター23を注視するタイミングをオペレータに報知することができる。したがって、オペレータは、常に緊張感を持ってモニター23を注視することを強制されることなく、チャイムの鳴動に従うだけで監視対象のバーナー111a〜116d周りの全てを確認することができ、機器の異常、微粉炭などの漏れ、部品の脱落などによる火炎等の噴出、あるいは、バーナー自体の抜き差し動作などをバーナー111a〜116d周りの監視映像から見逃すことなく、また、負担なく確認することができる。この結果、ボイラー100のバーナー111a〜116d周りに異常が発生した場合には、迅速に発見して適切に処理することができる。
【0034】
次に、図4および図5は本発明に係る監視促進方法を実施する監視促進システムの第2実施形態を適用した監視システムの一例を示す図である。ここで、本実施形態では、監視システムが上述実施形態の場合と略同様に構成されているので、図2を流用すると共に、同様の構成には同一に符号を付して特徴部分を説明する(以降で説明する他の実施形態においても同様)。
【0035】
図4において、監視システム10は、制御盤21などとは別個に音響告知装置35が設置されて監視促進システムが追加されており、音響告知装置35は、監視動作の開始から終了を計時する監視タイマー37と、撮影する監視対象の切換に同期する同期タイマー38と、を備えて、これらのタイマー信号の出力に合わせてチャイムを鳴動させるように設計されている。すなわち、この音響告知装置35は、同期タイマー38に監視タイマー37を合わせることにより、オペレータにモニター23の注視を促す注視タイミングをチャイムにより報知する報知手段を構成している。
【0036】
具体的には、この音響告知装置35の監視タイマー37は、電源投入時と共に予め設定されている時間が経過する度にタイマー信号を出力するように設計されており、例えば、制御盤21の内蔵起動タイマー21aから出力される1時間毎の起動タイマー信号に同期するように電源投入時と共にその投入後の1時間毎に監視開始タイマー信号を出力するとともに、その起動タイマー信号の出力から監視カメラ16の撮影するバーナー116da周りの最終の監視映像をモニター23に表示出力するのと同時に監視終了タイマー信号を出力するように設定されている。
【0037】
また、この音響告知装置35の同期タイマー38は、監視タイマー37の監視開始タイマー信号を受け取ってから監視終了タイマー信号を受け取るまでの間に、予め設定されている時間の経過毎に同期タイマー信号を出力するように設計されており、例えば、各監視カメラ11〜16が撮影するバーナー111a〜116d周りの撮影映像の切換に同期する1分が経過する度に同期タイマー信号を出力するように設定されている。
【0038】
すなわち、監視システム10は、上述実施形態と同様に、制御盤21が内蔵する起動タイマー21aからの1時間毎の起動タイマー信号に従ってモニター23や各監視カメラ11〜16の電源をオンするとともに、前面側の第1〜第3フロア101〜103の監視カメラ11〜13や背面側の第1〜第3フロア104〜106の監視カメラ14〜16による撮影映像をモニター23に順次に切換表示させる。
【0039】
これと並行して、音響告知装置35は、図5に示すように、監視システム10のモニター23や各監視カメラ11〜16の電源オン(制御盤21の起動タイマー21aからの起動タイマー信号)に略同期して、監視タイマー37が監視開始タイマー信号を出力するとともに、この後には、その監視開始タイマー信号を受け取った同期タイマー38が1分を計時する毎に同期タイマー信号を出力することにより、これらのタイマー信号を受け取る度にチャイムを鳴動させる。
【0040】
この結果、オペレータは、チャイムの鳴動によりボイラー100の監視作業の開始を認識してモニター23の注視が促されることにより、前面側の第1フロア101の監視カメラ11が撮影するバーナー111a周りの監視映像をモニター23で注視・確認することができ、この後にも、1分毎に切り換えられてモニター23に順次に表示出力される、監視カメラ11〜16の撮影するバーナー111b〜116d周りの監視映像をそのモニター23から目を離していても、同期するように鳴動するチャイムに従って注視・確認することができる。
【0041】
そして、最終の背面側の第3フロア106の監視カメラ16によるバーナー116dの撮影映像がモニター23に切換表示されるのと合わせて、音響告知装置35は、同期タイマー38が同期タイマー信号を出力するとともに、監視タイマー37が監視終了タイマー信号を出力することにより、チャイムを鳴動させるのと同時に、その監視終了タイマー信号を受け取った同期タイマー38が同期タイマー信号の出力を終了する。
【0042】
これにより、音響告知装置35は、最終の背面側の第3フロア106の監視カメラ16に切り換えられた後には、同期タイマー38が同期タイマー信号を出力することはなく、監視動作が終了した後にチャイムが繰り返し鳴動されて耳障りになってしまうことはない。
【0043】
このように本実施形態においては、監視システム10に追加された音響告知装置35(監視促進システム)が監視促進方法を実行することにより、上述実施形態と同様に、監視カメラ11〜16による監視対象(バーナー111a〜111d周りなど)の撮影映像の切換タイミングに同期させてチャイムを鳴動させることができ、モニター23を注視するタイミングをオペレータに報知することができる。したがって、ボイラー100のバーナー111a〜116d周りに異常が発生した場合には、見逃すことなく、迅速に発見して適切に処理することができる。
【0044】
次に、図6および図7は本発明に係る監視促進方法を実施する監視促進システムの第3実施形態を適用した監視システムの一例を示す図である。
【0045】
図6において、監視システム10は、制御盤21がモニター23の電源をオン/オフする信号を検出可能に音響告知装置45が接続されて監視促進システムが追加されており、音響告知装置45は、モニター23のオン/オフ信号により監視動作の開始と終了を検知するとともに、その監視動作中に撮影する監視対象の切換に同期する同期タイマー信号を出力する同期タイマー49を備えて、これらのオン/オフ信号と同期タイマー信号の出力に合わせてチャイムを鳴動させるように設計されている。すなわち、この音響告知装置45は、同期タイマーを備えて、オペレータにモニター23の注視を促す注視タイミングをチャイムにより報知する報知手段を構成している。
【0046】
具体的には、この音響告知装置45の同期タイマー49は、モニター23のオン信号を受け取ってからそのオフ信号を受け取るまでの間に、予め設定されている時間の経過毎に同期タイマー信号を出力するように設計されており、例えば、各監視カメラ11〜16が撮影するバーナー111a〜116d周りの撮影映像の切換に同期する1分が経過する度に同期タイマー信号を出力するように設定されている。なお、ここでは、音響告知装置45は、モニター23のオフ信号と共に同期タイマー49から同期タイマー信号も同時に受け取ることになるので、監視動作終了時にもチャイムが鳴動する。
【0047】
すなわち、監視システム10は、上述実施形態と同様に、制御盤21が内蔵する起動タイマー21aからの1時間毎の起動タイマー信号に従ってモニター23や各監視カメラ11〜16の電源をオンするとともに、前面側の第1〜第3フロア101〜103の監視カメラ11〜13や背面側の第1〜第3フロア104〜106の監視カメラ14〜16による撮影映像をモニター23に順次に切換表示させる。
【0048】
これと並行して、音響告知装置45は、図7に示すように、監視システム10のモニター23や各監視カメラ11〜16の電源オン(制御盤21の起動タイマー21aからの起動タイマー信号)に同期して、そのモニター23のオン信号を受け取るとともに、この後には、そのオン信号を受け取った同期タイマー49が1分を計時する毎に同期タイマー信号を出力することにより、これらのオン信号と同期タイマー信号を受け取る度にチャイムを鳴動させる。
【0049】
この結果、オペレータは、チャイムの鳴動によりボイラー100の監視作業の開始を認識してモニター23の注視が促されることにより、前面側の第1フロア101の監視カメラ11が撮影するバーナー111a周りの監視映像をモニター23で注視・確認することができ、この後にも、1分毎に切り換えられてモニター23に順次に表示出力される、監視カメラ11〜16の撮影するバーナー111b〜116d周りの監視映像をそのモニター23から目を離していても、同期するように鳴動するチャイムに従って注視・確認することができる。
【0050】
そして、最終の背面側の第3フロア106の監視カメラ16によるバーナー116dの撮影映像がモニター23に切換表示された後に、この監視動作が終了してモニター23の電源がオフされるのと合わせて、音響告知装置45は、そのオフ信号と共に同期タイマー49から同期タイマー信号を受け取ることによりチャイムを鳴動させるのと同時に、そのオフ信号を受け取った同期タイマー49が同期タイマー信号の出力を終了する。
【0051】
これにより、音響告知装置45は、監視動作が終了した後には、同期タイマー49が同期タイマー信号を出力することはなく、監視動作が終了した後にチャイムが繰り返し鳴動されて耳障りになってしまうことはない。
【0052】
このように本実施形態においては、監視システム10に追加された音響告知装置45(監視促進システム)が監視促進方法を実行することにより、上述実施形態と同様に、監視カメラ11〜16による監視対象(バーナー111a〜111d周りなど)の撮影映像の切換タイミングに同期させてチャイムを鳴動させることができ、モニター23を注視するタイミングをオペレータに報知することができる。したがって、ボイラー100のバーナー111a〜116d周りに異常が発生した場合には、見逃すことなく、迅速に発見して適切に処理することができる。
【0053】
ここで、上述実施形態では、チャイムによりモニター23を注視すべきタイミングを報知する場合を説明するが、これに限るものではないことは言うまでもなく、例えば、予め準備されている音声メッセージを音声出力してもよく、また、オペレータの操作するワークステーションのディスプレーなどに予め準備されている画像を作業エリアの脇で点滅させたり、テキストデータのメッセージを表示出力させるようにしても良い。
【0054】
また、上述実施形態では、監視動作中に一定間隔で連続的に監視映像が切り換えられる場合を一例に説明するが、これに限るものではなく、例えば、不連続の間隔で切り換えられる場合にも複数のタイマーを組み合わせるなどして適用することができ、また、撮影方向を回動させることなく固定映像を切り換えて監視する場合には、タイマーを用いることなく、監視映像の切換(映像信号など)を検出してチャイムを鳴動させればよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明に係る監視促進方法を実施する監視促進システムの第1実施形態を適用した監視システムの一例を示す図であり、その概略全体構成を示すブロック図である。
【図2】その監視システムの設置場所の一例を示す図であり、(a)はその一部を示す平面図、(b)はその一部を示す立面図である。
【図3】その監視映像の切換タイミングとチャイムの鳴動タイミングとを示すタイミングチャートである。
【図4】本発明に係る監視促進方法を実施する監視促進システムの第2実施形態を適用した監視システムの一例を示す図であり、その概略全体構成を示すブロック図である。
【図5】その監視映像の切換タイミングとチャイムの鳴動タイミングとを示すタイミングチャートである。
【図6】本発明に係る監視促進方法を実施する監視促進システムの第3実施形態を適用した監視システムの一例を示す図であり、その概略全体構成を示すブロック図である。
【図7】その監視映像の切換タイミングとチャイムの鳴動タイミングとを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0057】
10……監視システム 11〜16……監視カメラ 21……制御盤 21a……起動タイマー 22……操作パネル 23……モニター 25、35、45……音響告知装置 26、38、49……同期タイマー 37……監視タイマー 100……ボイラー 101〜103……前面側フロア 104〜106……背面側フロア 111a〜116d……バーナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個所に設置されている監視カメラの撮影する監視対象の映像を予め設定されている切換タイミングで順次にモニターに出力表示する監視制御を、予め設定されている監視タイミングで繰り返し実行する監視システムに適用して、該モニターの映像を注視することを促して該監視対象の監視を促進する監視促進システムであって、
モニターに表示出力する監視カメラ毎の表示タイミングに略同期する信号を出力する同期タイマーと、該同期タイマーからのタイマー信号を受け取ってオペレータに該モニターの注視を促す注視タイミングを報知する報知手段と、を備えることを特徴とする監視促進システム。
【請求項2】
複数個所に設置されている監視カメラの撮影する監視対象の映像を予め設定されている切換タイミングで順次にモニターに出力表示する監視制御を、予め設定されている監視タイミングで繰り返し実行する監視システムに適用して、該モニターの映像を注視することを促して該監視対象の監視を促進する監視促進システムであって、
モニターに表示出力する監視カメラ毎の映像信号を検出して信号を出力する信号検出手段と、該信号検出手段からの検出信号を受け取ってオペレータにモニターの注視を促す注視タイミングを報知する報知手段と、を備えることを特徴とする監視促進システム。
【請求項3】
複数個所に設置されている監視カメラの撮影する監視対象の映像を予め設定されている切換タイミングで順次にモニターに出力表示する監視制御を、予め設定されている監視タイミングで繰り返し実行する監視システムに適用して、該モニターの映像を注視することを促して該監視対象の監視を促進する監視促進システムであって、
モニターに表示出力する監視カメラ毎の映像信号を検出して信号を出力する信号検出手段と、監視カメラの撮影する監視対象の切換タイミングに略同期する信号を出力する同期タイマーと、これらの検出信号およびタイマー信号を受け取ってオペレータにモニターの注視を促す注視タイミングを報知する報知手段と、を備えることを特徴とする監視促進システム。
【請求項4】
各フロアでカメラが回転して順次に(映像信号は同じ)撮影に対応
前記報知手段は、注視タイミングを音声出力または表示出力により報知することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の監視促進システム。
【請求項5】
複数個所に設置されている監視カメラの撮影する監視対象の映像を予め設定されている切換タイミングで順次にモニターに出力表示する監視制御を、予め設定されている監視タイミングで繰り返し実行する監視方法に適用して、該モニターの映像を注視することを促して該監視対象の監視を促進する監視促進方法であって、
監視開始タイミング毎にオペレータにモニターの注視を促す音声出力または表示出力を行なうとともに、該監視開始タイミング後の監視切換タイミング毎にもモニターの注視を促す音声出力または表示出力を行なうことを特徴とする監視促進方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−98780(P2008−98780A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−275638(P2006−275638)
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】