説明

直動式及び回転式電磁アクチュエータを用いた車両用アクティブサスペンション

本発明は、車両用懸架装置12,14,48,110,120,130を提供する。具体的には、1つ以上の実施形態において、組合せアクチュエータを具備したアクチュエータシステム16からなる装置が提供される。ここで、組合せアクチュエータは、直動式電磁アクチュエータ54と、回転式電磁アクチュエータ56とからなる。アクチュエータシステム16は、車両のばね上部10,92とばね下部52,94との間に動力を発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、車両用の懸架装置(サスペンション)に関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブサスペンションシステムでは、車両部分(すなわち、「ばね上部(sprung mass)」)と車輪アセンブリ部分(すなわち、「ばね下部(unsprung mass)」)との間に、コントロールされた力が誘起される。米国特許第6945541号(特許文献1)では、電磁モータを用いたアクティブサスペンションシステムが提案されている。上記文献は、引用によって本願明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6945541号明細書
【特許文献2】米国特許第4981309号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1790505号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
車両用懸架装置が提供される。より詳細には、1つ以上の実施態様において、直動式電磁アクチュエータと回転式電磁アクチュエータとからなる複数の組合せアクチュエータを具備したアクチュエータシステムからなる装置が提供される。アクチュエータシステムは、車両のばね上部とばね下部との間に動力を提供する。
【0005】
ある態様では、回転式電磁アクチュエータは、位置決めソースとして構成される。また、ある態様では、組合せアクチュエータの相対出力効率の関数である位置決め命令が回転式アクチュエータに与えられる。別の態様では、低域通過フィルタ処理後の車両懸架装置行程量の関数である位置決め命令が回転式アクチュエータに与えられる。
【0006】
ある態様では、本装置は、アクチュエータシステムに動力命令を与える動力配分システムをさらに具備する。一態様において、アクチュエータシステムは、第1セットの運転条件下で車両を運転している場合、第1パラメータセットに基づいて、複数の組合せアクチュエータに動力命令を配分し、第2セットの運転条件下で車両を運転している場合、第2パラメータセットに基づいて、複数の組合せアクチュエータに動力命令を配分する。
【0007】
ある態様では、アクチュエータシステムは、周波数に応じて、複数の組合せアクチュエータに複数の動力命令を振り分ける。ある態様では、アクチュエータシステムは、回転式アクチュエータに低域周波数動力命令を与え、直動式アクチュエータに高域周波数動力命令を与える。複数の組合せアクチュエータのうちの少なくとも2つに与えられる動力命令の周波数範囲は、部分的な周波数重複を有してよい。
【0008】
また、アクチュエータシステムは、交差周波数より下の周波数成分を用いて、第1アクチュエータに動力命令を与え、交差周波数より上の周波数成分を用いて、第2アクチュエータに動力命令を与える。この交差周波数は、車両の運転条件に基づいて変化してよい。ある態様では、交差周波数は、1Hzから2Hzまでの範囲にある。
【0009】
ある態様では、本装置は、システムの物理的構成要素に関連したパラメータに基づいて、複数の組合せアクチュエータに動力命令を配分するように構成される。別の態様では、本装置は、車両の操作に関連したパラメータに基づいて、複数のアクチュエータに動力命令を配分するように構成される。一態様において、第1アクチュエータは、回転式アクチュエータであり、第2アクチュエータは、直動式アクチュエータである。
【0010】
ある態様では、アクチュエータシステムは、空気圧式アクチュエータをさらに具備する。ある態様では、回転式アクチュエータは、ばねを介して動作する。いくつかの態様において、ばねは、ねじりばねであってよく、又は、ばねは、2つの区画に区分されており、回転式アクチュエータが、第1区画と第2区画との間の共有点に連結されている。ある態様では、複数の組合せアクチュエータのうちの少なくとも1つは、複数のばね下部に連結されている。一態様において、少なくとも1つのアクチュエータが回転式アクチュエータである。
【0011】
別の態様では、車両の物理的構成要素に関連した静的パラメータと、車両の運転に関連した動的パラメータとのうちのどちらか一方又は両方に基づき、第1及び第2電磁アクチュエータによって車両のばね上部とばね下部との間に提供される動力の配分を行う方法が提供される。この方法において、第1電磁アクチュエータは、直動式アクチュエータであってよく、第2電磁アクチュエータは、回転式アクチュエータであってよい。
【0012】
その他の特徴及び利点は、明細書及び特許請求の範囲の記載から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】サスペンションシステムを備えた例示的な車両の斜視図である。
【図2】例示的なサスペンションシステムの概略図である。
【図3】例示的なサスペンションシステムの4分の1車両図である。
【図4】位置決めソースとして機能するように構成された回転式アクチュエータを示す構成図である。
【図5】例示的なサスペンションシステムの概略図である。
【図6】例示的なサスペンションシステムの概略図である。
【図7】例示的なサスペンションシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
各図において、同一の参照符号は、同一の要素を指す。
【0015】
まず、図1を参照すると、乗用車のサスペンションは、2つの独立した前輪サスペンションアセンブリ12と、2つの独立した後輪サスペンションアセンブリ14とからなる。各サスペンションアセンブリは、アクティブサスペンションユニット16と、車両10の車体に連結された対応する車輪アセンブリとからなる。この図示されたシステムにおいて、サスペンション中のアクティブサスペンションユニット16は、その機能が油圧ダンパの機能と大きく異なるにもかかわらず、通常は、従来のサスペンション中の油圧ダンパ(例えば、ショックアブソーバ又はストラット)と同じ位置に配置される。
【0016】
図示された実施形態では、アクティブサスペンションユニット16には、制御システム17が接続される。制御システム17は、アクティブサスペンションユニット16の動作を制御する回路である。ある実施形態では、回路は、車両内のどこか別の場所(例えば、車両前部、アクティブサスペンションユニット16自体、又はその他の場所)に配置される。例えば、各アクティブサスペンションユニット16は、ユニット16内に位置したユニット自身の回路を具備する。
【0017】
フロントサスペンションは、マクファーソンストラット型構造のアクティブサスペンションユニット16を使用するように構成されていてよい。フロントサスペンション12の他の構成要素は、下方コントロールアーム18と、調整可能タイロッド24と、トーションバースプリング26とである。下方コントロールアーム18は、前輪アセンブリに下方ボールジョイント20で枢動連結されるとともに、懸架された車体10に下方アームブッシング22a,22bで枢動連結される。調整可能タイロッド24は、前輪アセンブリのステアリングナックルに枢動連結されるとともに、連結されたステアリングリンケージ(図示せず)に枢動連結される。トーションバースプリング26は、懸架された車体10に下方コントロールアームによって連結される。典型的に、アクチュエータ16のトップキャップは、ブッシング(図示せず)を介して車両のばね上部に枢動連結される。図1では、各車輪アセンブリに対して、上記のすべての構成要素が可視化及び図示されているわけではないということに留意されたい。アクティブサスペンションユニット16は、米国特許第4981309号(特許文献2)、米国特許第6945541号(特許文献1)、及び2007年5月30日に公開された欧州特許出願公開第1790505号(特許文献3)に開示されたような、さまざまな構造で車両に連結されてよい。上記米国特許及び特許出願公開のすべての内容物は、引用によって、それらの内容すべてが記載されているかのように本願明細書に組み込まれる。
【0018】
リアサスペンション14の構成要素は、下方コントロールアーム28と、上方コントロールアーム34と、調整可能タイリンク40と、トーションバースプリング26とである。下方コントロールアーム28は、後輪アセンブリに下方ボールジョイント30で枢動連結されるとともに、懸架された車体10に下方アームブッシング32a,32bで枢動連結される。上方コントロールアーム34は、後輪アセンブリに上方ボールジョイント36で枢動連結されるとともに、懸架された車体10に上方アームブッシング38a,38bで枢動連結される。調整可能タイリンク40は、スタティックリアタイアングルを設定するために、後輪アセンブリ及び懸架された車体10に枢動連結される。一般に、コントロールアームブッシングの延長軸は、車体10の前後中心線に平行である。また、スプリング26は、巻ばね(コイルスプリング)、空気ばね(エアスプリング)、板ばね(リーフスプリング)、又はその他の既知のタイプのばね部材であってよいということに留意されたい。
【0019】
また、車両は、さまざまな観点から車両状態を検出するために、一つ以上のセンサ42を具備してよい。ホイールアセンブリ(ばね下部)の動き及び/又は位置、車体(ばね上部)の動き及び/又は位置などの車両の状態が検出される。車両状態は、加速度計、位置センサ、速度センサ、又はその他のタイプの動きセンサを用いて検出されてよい。さらに、車両のその他の状態又はその周囲環境が検出されてもよい。例えば、路面の垂直方向プロファイルが、レーザ、超音波、レーダ、又はその他の既知の検出方法を用いて検出され、外部環境温度が検出され、かつ、アクチュエータ16の温度及び該アクチュエータ16に電力を供給する電力用電子機器(すなわち、図2の電力増幅器66及び任意の関連する電力供給構成要素)の温度など、さまざまなサスペンション構成要素の温度が検出される。検出した情報は、制御システム17で利用可能となる。センサ42は、車体10、車輪アセンブリ、サスペンションユニット16、電力増幅器66、又は制御システム17のうちの1つ以上に取り付けられてよい。
【0020】
図2は、例示的なサスペンションシステム48から選択された構成要素の概略図である。サスペンションシステム48は、フロントコーナーサスペンションアセンブリ(例えば、図1のアセンブリ12)又はリアコーナーサスペンションアセンブリ(例えば、図1のアセンブリ14)を表す。サスペンションシステム48は、アクティブサスペンションユニット16と、制御システム17と、車輪アセンブリ52とからなる。簡略化のために、揺振軸型のサスペンション連結装置の概略図だけが示される。選択された構成要素は、マクファーソンストラット、ダブルAアーム、又は同様のマルチ−リンク独立サスペンションなどの明示していない他のタイプのサスペンション連結装置に用いることもできる。
【0021】
ある実施形態では、アクティブサスペンションユニット16は、2つ以上の動力及び/又は位置ソースを具備する。ソースは、直動式電磁アクチュエータ(すなわち、アクチュエータ54)と、回転式電磁アクチュエータ(すなわち、アクチュエータ56)とであってよい。ある実施形態では、油圧式及び空気圧式アクチュエータなどの他のタイプのアクチュエータが、直動式及び回転式電磁アクチュエータのうちの1つ又はその両方と、組み合わされて又は置き換えられて使用される。アクチュエータ54及びアクチュエータ56は、(図示したように)互いに本質的に並列に配置されるか、又は直列で運用される。ある実施形態では、空気圧式又はエアバッグアクチュエータが、直動式電磁アクチュエータ、回転式電磁アクチュエータ、又は、直動式及び回転式電磁アクチュエータ両方の組合せと、組み合わせて使用される。例えば、空気圧式アクチュエータは、車両総重量の大きな変化を相殺するために使用され、一方、直動式及び/又は回転式アクチュエータは、車両運転時の車体の垂直移動、加速などをコントロールするための動的な力を提供するために使用される。
【0022】
図2に示されたように、アクティブサスペンションユニット16は、2つのサスペンションアクチュエータ54,56からなる。直動式電磁アクチュエータ54及び回転式電磁アクチュエータ56は、ばね上部(車体10の4分の1まで)とばね下部(車輪アセンブリ52)との間に能動的にコントロールされた力を提供する。直動式電磁アクチュエータ54は、米国特許第4981309号(特許文献1)に開示されたものなど、任意の適切な形状の直動式電磁モータであってよい。回転式電磁アクチュエータは、Aerotech社(Aerotech, headquartered at Pittsburgh, PA)のAEROTECH S−130−60など、任意の適切な形状の回転式電磁アクチュエータであってよい。また、サスペンションシステム48は、アクチュエータ56とばね下部52との間に位置したばね素子62と、ばね上部10とばね下部52との間に位置したばね素子64とを具備する。タイヤの弾力を表すタイヤばね(図示せず)は、ばね下部52と路面との間に位置する。
【0023】
図2に概略的に示されたように、2つのアクチュエータ54,56の上端は、車体10に連結される。2つのアクチュエータの下端は、車輪アセンブリ52(すなわち、ばね下部)に直接に連結されるか、又は(以下に記載されるように)ばねなどの1つ以上の他の構成要素に連結される。また、アクチュエータは、連結ロッド又はコントロールアームを介して、車輪アセンブリ又はその他の構成要素に連結されてよい。例えば、図2に示された構成では、回転式アクチュエータ56は、ばね素子62を介して連結されて動作し、動力を提供する。具体的には、回転式アクチュエータ56は、回転により、ばね素子62の行程量(displacement)を調整することによって、車両のばね上部10とばね下部52との間の動力を調整する。ばね素子62は、回転式アクチュエータ56及び車輪アセンブリ52に連結される。ばね素子62は、回転継手を介して動作するように取り付けられたコイルスプリング又はトーションバースプリングであってよい。また、好ましくは、速度変換ギアボックス56aが、回転式アクチュエータ56と共に使用されてよい。ばね62がコイル型のばねである場合、回転運動を線運動に変換するために、機構56bが使用される。機構56bは、送りねじ(リードスクリュ)、ボールねじ(ボールスクリュ)、ラック&ピ二オン、又はその他のレバー機構装置であってよい。
【0024】
また、ある構成では、アクティブサスペンションシステム48は、ばね素子64を具備する。ばね素子64は、例えば、トーションバースプリング、コイルスプリング、又はエアスプリングである。通常、ばね素子64は、(図示のように)ばね素子62と並列に配置されるか、又は、図7を参照して以下でより詳細に説明するように、ばね素子62と直列に配置される。ばね素子64が、2つのアクチュエータ54,56と共に用いられてよい。例えば、制御システム17は、2つのアクチュエータ54,56の両方に指令を発し、ばね素子64を補完する力を提供する。
【0025】
2つのアクチュエータ54,56は、バッテリー、直流発電機若しくは交流発電機、コンデンサバンク、昇圧用電力変換器、又はその他の既知の電力供給デバイス及びそれらの組合せなどの電力源から電力を受け取ってよい。ある実施形態では、電力源は、制御システム17内に位置する。ある実施形態では、電力源は、車両内の他の場所に別々に配置される。ある実施形態では、電力源の要素は、車両のいたるところに分散配置される。例えば、電力源の一部分は、サスペンションアクチュエータと一緒に配置され、一方、他の部分は、車両エンジン又は制御システム17と一緒に配置される。制御システム17は、車両のばね上部とばね下部との間に動力を生成するように、2つのアクチュエータ54,56のそれぞれにどのように電力を供給するかを制御する。例えば、一構成では、制御システム17は、2つのアクチュエータ54,56を駆動する1つ以上の増幅器66に信号を送信する。ある実施形態では、各アクチュエータは、それら自身の増幅器によって駆動される。
【0026】
運転中、制御システム17は、センサ42からデータを収集するとともに、検出した車両状態に基づいて、一定のシステム性能を発揮するために必要な所望の力を決定する。次いで、制御システム17は、2つのアクチュエータ54,56に適切に指令を発し、車両のばね上部(例えば、車体10)と車両のばね下部(例えば、車輪アセンブリ52)との間に能動的に制御された力を提供する。この力は、以下でより詳細に説明するように、1つ以上のシステムパラメータに基づいて決定され、2つのアクチュエータ54、56に配分される。
【0027】
2つのアクチュエータ54,56が協力してばね上部とばね下部との間に動力を提供するように動作する場合、それらのうちの1つ又は両方に、1つのアクチュエータが用いられる場合よりも、より小型、より安価、及び/又は、より効率の良い電磁アクチュエータを使用可能となる。また、これらのより小型のアクチュエータは、1つのアクチュエータの場合よりも少ない総エネルギーで使用でき、及び/又は、1つのアクチュエータの場合よりも発熱量を少なくできる。また、システム重量を軽減できる。例えば、1つ目のアクチュエータは、時間変化が緩やかな強い力を効率的に提供するように最適化され、2つ目のアクチュエータは、時間変化がより速い弱い力を効率的に提供するように最適化される。
【0028】
制御部17は、複数のアクチュエータにどのように動力を配分するかを決定するための動力配分システム17aを具備してよい。まず、制御部17は、いくつかの所望の手法で車体の動きをコントロールするために、ばね上部とばね下部との間にどの程度の総動力が必要とされるかを決定する。制御部17は、任意の適切な制御法を用いて、この所望の総動力を算出できる。次いで、動力配分システム17aは、総動力のどの程度の部分が各アクチュエータによって提供されるかを決定する。動力配分システム17aが複数のアクチュエータに動力を配分する方法は多数存在する。これらの方法のうちのいくつかは、物理的なシステム及び構成要素の能力のパラメータによって定まる。一般に、物理的なシステム及び構成要素の能力は、時間に対して静的である。例えば、1つ目のアクチュエータは、制限された(すなわち、低域の)処理域でのみ強い力を出力でき、一方、2つ目のアクチュエータは、より広い処理域で弱い力を出力できる。各構成要素の能力を考慮した配分システムは、各デバイスに論理的手法で別個の動力命令を送信することによって、必要な力を振り分ける。ある実施形態では、動力配分システム17aは、低い頻度で動力を提供するように第1アクチュエータに指令を発するとともに、高い頻度で動力を提供するように第2アクチュエータに指令を発する。
【0029】
あるいは、又は、さらに、配分システム17aは、動力をどのように配分するかを決定するために、何らかの手法で車両の運転に関する動的なシステムパラメータを考慮してよい。例えば、制御部からの低い頻度の動力要求に対して、第1アクチュエータだけが、動力を出力するための命令を受信する。しかしながら、ある時点で、センサは、第1アクチュエータが出力可能な最大の動力を出力していることを判断できる。さらなる動力が必要とされる場合、次いで、配分システムは、第2アクチュエータから動力が出力されることを要求する。ある実施形態では、第1アクチュエータが最大動作温度に達したこと、又は、それを越えたことを、温度センサが判断する。この場合、動力配分システム17aは、温度情報を用いて、第1アクチュエータへの動力命令を変更し、デバイス温度を所望の範囲内に維持できる。同時に、動力配分システムは、第2アクチュエータへの動力命令を変更して、より多くの動力を出力するように指令を発し、第1アクチュエータの出力減少を補う。
【0030】
また、その他の動的なパラメータが動力配分システム17aによって考慮されてもよい。例えば、路面状態、アクティブサスペンションシステム中のさまざまな構成要素(すなわち、電力増幅器、電力源、制御部、又はすでに説明したアクチュエータなど)の温度、周囲温度(利用可能な出力は、動作が行われる外部環境温度に応じて減少する)、ステアリング角センサ入力、車輪アセンブリの動き、車体の動き、車両速度、及び、アクティブサスペンションシステムのために電力源で利用可能なエネルギーなどである。また、動力配分システム17aは、各アクチュエータを駆動する電気的な増幅器で利用可能な瞬時出力、アクチュエータの増幅器に電力を供給する電力源で利用可能なエネルギー格納部、アクチュエータの瞬時最大出力又は連続最大出力、又は、2つのアクチュエータの瞬間速度などのパラメータを、単独又は組み合わせて考慮してよい。
【0031】
動力配分システム17aは、ある運転条件でパラメータ一式を使用するとともに、運転条件が変化した場合には、別のパラメータ一式に自動的に切り換えるように構成される。例えば、動力配分システムは、通常の運転条件では、第1アクチュエータに低域周波数動力命令を送信し、第2アクチュエータに高域周波数動力命令を送信する。配分システムによって使用される交差周波数(ここで、交差周波数は、第1アクチュエータに主に送信される動力命令の周波数よりも低く、第2アクチュエータに主に送信される動力命令の周波数よりも高い周波数である)は、車両の運転条件に応じて変化してよい。例えば、交差周波数は、アクチュエータ温度に応じて変化してよい。交差周波数は、両方のアクチュエータの動作温度が設定した最大温度未満に維持されるように変更される。アクチュエータ温度を設定した最大温度未満に維持するためには交差周波数が十分でない場合、アクチュエータに要求される総動力が減らされる。別の例では、交差周波数は、ステアリングホイール入力に応じて変化する。例えば、ステアリング入力が検出され、かつ路面が比較的平坦である場合、交差周波数は、ステアリング入力が存在しなくなるまで、瞬間的に増大する。長時間のステアリング入力は、曲がり続けている動作を表す。そのような状況下では、配分システムは、車体の傾き(ロール)に耐える持続した動力を最適に提供できるように、アクチュエータに動力を配分する。
【0032】
ある構成では、回転式アクチュエータ56が、直動式アクチュエータ54と組み合わされる。回転式アクチュエータは、特に、ギアボックス56a及び/又はボールスクリュ型機構56bなどのトルク増幅機構を介して作動する場合に、持続した半静的な力を出力するために適切となる。そのようなシステムでは、動力配分システム17aは、周波数に応じて2つのアクチュエータ間に瞬時に要求される総動力を振り分ける。ここで、低域周波数動力命令が、回転式アクチュエータ56に送信され、高域周波数動力命令が、直動式アクチュエータ54に送信される。これは、制御システム17によって提供された総動力命令を低域通過フィルタリングし、アクチュエータ56に低域通過総動力命令を提供することと、同様に、制御システム17によって提供された総動力命令を高域通過フィルタリングし、アクチュエータ54に高域通過総動力命令を提供することとによって成される。ある実施形態では、フィルタの通過帯域は、ある程度の重複部分を有しており、それによって、両アクチュエータは、フィルタ対の交差周波数を中心とする周波数範囲にわたって動力を生成する。ある実施形態では、重複量は、最小化される。大部分の車両に対して、交差周波数は、1〜3Hzの範囲となる。しかしながら、実施形態は、この範囲内だけの交差周波数を使用するようには限定されない。ある実施形態は、1〜3Hzの範囲よりも低い周波数又は高い周波数として、交差周波数を用いる。1〜3Hzよりも低い周波数を用いて回転式アクチュエータ56によって所望の力が生成される場合、組合せシステムは、説明したように、直動式アクチュエータと回転式アクチュエータとの組み合わせの代わりに1つの直動式アクチュエータを使用するシステムよりも、著しく低い平均及び瞬時電力しか消費しない。
【0033】
ある実施形態では、交差周波数は、先に記載した通り、ステアリングホイール入力に応じて変化してよい。(例えば、ステアリングホイール入力の使用によって)長時間の旋回が検出された場合、回転式アクチュエータがロールに耐えるために必要な継続したより多くの力を提供できるように、交差周波数が増大する。
【0034】
ある構成では、動力配分システム17aによる動力配分に使用されるフィルタの通過帯域は、いくらかの重複部分を有しており、直動式アクチュエータ54及び回転式アクチュエータ56の両方は、範囲が重複した動力命令を受信してよい。ある構成では、動力配分システム17aによって使用されるフィルタの通過帯域は、わずかな又は最低限の重複部分しか有さない。この場合、アクチュエータ54又はアクチュエータ56のどちらも、特定の周波数範囲内の動力命令しか受信せず、故に、ばね素子64だけが動力を提供する。例えば、ある実施形態では、低域通過フィルタのカットオフ周波数は、高域通過フィルタのカットオフ周波数と同一又はそれより高くなる。ある実施形態では、低域通過フィルタのカットオフ周波数は、高域通過フィルタのカットオフ周波数よりも低くなる。ある実施形態では、低域及び高域通過フィルタのカットオフ周波数は、どちらも約1〜2Hzである。
【0035】
ある実施形態では、第3アクチュエータ(例えば、空気圧式アクチュエータ)が、回転式アクチュエータ56及び直動式アクチュエータ54と組み合わせて用いられる。動力配分システム17aは、追加的なフィルタを用いて、さまざまなアクチュエータに動力命令をさらに振り分ける。例えば、総動力命令は、低域通過フィルタリングがなされて、空気圧式アクチュエータに供給される。このフィルタのカットオフ周波数は、約0.3Hz未満あたりとなる。さらに、動力配分システム17aは、空気圧式アクチュエータに対し、低域通過フィルタと同様のカットオフ周波数を有した高域通過フィルタ用い、第1アクチュエータ(例えば、回転式アクチュエータ56)に現在提供されている総動力命令に対し、高域通過フィルタ及び低域通過フィルタの両方を用いる(すなわち、帯域通過フィルタを形成する)。
【0036】
ある構成では、動力配分システム17aは、周波数以外の又は周波数に加えて、1つ以上の他のパラメータに基づいて、2つのアクチュエータ54,56に動力命令を配分してもよい。用いられる他のパラメータは、これらに限定されないが、以下の複数のパラメータのうちの1つを含む。すなわち、車両重量、コーナリング時間、ブレーキング時間、旋回動作、及びあらゆるシステム構成要素の加熱のうちの1つを含む。
【0037】
ある構成では、制御システム17及び動力配分システム17aは、2つのアクチュエータ54及び56を冗長(又は故障耐性)モードで動作させるように構成される。冗長モードは、トリガイベントに自動的に応答して開始される。トリガイベントは、システム構成要素(例えば、増幅器、制御基板、電力源など)の故障状態の検出であるか、アクチュエータがある位置で固まったことの検出であるか、構成要素の過熱状態の検出であるか、車両センサの故障の検出であるか、又は、あらゆる手段による、システムの異常動作の原因となるおそれのあるその他のシステム状態の検出である。冗長動作モードでは、制御システム17は、2つのアクチュエータ54,56のうちの1つを選択して、全周波数及び/又は全状態にわたって、ばね上部とばね下部との間のすべての能動的な力を主に提供する。ある実施形態では、アクチュエータ54又はアクチュエータ56のうちの1つが予備として備えられ、選択されたアクチュエータが正しく動作できない場合に使用される。ある実施形態では、アクチュエータ54及びアクチュエータ56のうちの1つ又はその両方が、アクチュエータのモータ線を短絡させることによってパッシブ型ダンパとして動作する。例えば、1つ目のアクチュエータの入力端子を短絡することによって、そのアクチュエータはパッシブ型ダンパとして動作し、一方、2つ目のアクチュエータは、車体コントロール機能を提供する。冗長モードで動作する場合のシステムの正確な構成は、何の故障が検出されたかに厳密に依存する。例えば、1つの増幅器が故障し、かつこの故障が検出された場合、この増幅器に接続されたアクチュエータの入力端子が短絡されて、ダンパ機能を提供し、同時に、2つ目のアクチュエータが、車体コントロールを提供するように動作する。その他の構成は、検出された故障の詳細な性質に依存することが望ましい。
【0038】
図3は、例示的なサスペンションシステムの4分の1車両図90を示す。図示の通り、図90は、ばね上部を表す部分92と、ばね下部を表す部分94とを含む。ばね上部92とばね下部94との間には、直動式アクチュエータ54によって生成される力(参照符号として力Fが付される)を表す部分98と、回転式アクチュエータ56によって生成される力(参照符号として力Fが付される)を表す部分96とがある。また、図90は、ばね定数KSを有したばね素子62と、ばね定数KPを有したばね素子64とを含む。また、図90は、ばね上部92とばね下部94との間の移動量P(サスペンション行程量とも称される)を表す部分100(参照符号PSusPos)と、ばね素子62の移動量(参照符号Pspr)を表す部分102と、回転式アクチュエータ56による移動を表す部分104(参照符号PSA)とを含む。
【0039】
差し当たり、PSusPosが一定であり、かつロータリモータの直動−回転変換機構56bが中央にあり、ばね62が平衡位置にあると仮定すると、ロータリモータがトルクを発生させた場合、その行程量が変化し、ばね62は圧縮される。PSusPosは固定なので、以下のようになる。
SusPos=PSA+PSPR (1)
KS=−K*PSPR (2)
【0040】
(t)は、制御システム17によって決定され、F(t)(ここで、F(t)は、ばね上部とばね下部との間に必要な総動力として定義され、また、和F+Fに等しい)を決定する。動力配分システム17aは、回転式アクチュエータ56と直動式アクチュエータ54とにF(t)をそれぞれ振り分ける。先に、動力配分システム17aが周波数に応じて動力を配分することを説明した。ここで、低域周波数動力命令は、回転式アクチュエータ56に送信され、高域周波数動力命令は、直動式アクチュエータ54に送信される。この場合、以下のようになる。
(t)=LPF(F(t)) (3)
【0041】
別の実施形態では、動力配分システム17aは、動力を配分するために、さまざまなアクチュエータの出力効率測定値を使用する。ある実施形態では、配分関数又は相対出力効率が、周波数に応じた動力の配分と組み合わせて使用される。しかしながら、ある実施形態では、動力配分は、アクチュエータ単体の相対出力効率に従ってなすことができる。相対出力効率に従って動力を配分することは、以下の式を用いて実行できる。
/(B+B) (4)
ここで、Bは、回転式アクチュエータ56の出力効率であり、Bは、直動式アクチュエータ54の出力効率である。出力効率は、出力の二乗を入力で割った比率として定義される。そして、ロータリモータ動力命令(この命令は、アクチュエータの周波数と出力効率との両方を考慮している)を以下の式で表せる。
(t)=LPF(F(t))*[B/(B+B)] (5)
同様の表現が、直動式アクチュエータ54に加わる力について行える。
(t)=HPF(F(f))+[B/(B+B)] (6)
【0042】
ある実施形態では、回転式アクチュエータを動力ソースとしてではなく、位置決めソースとして好適に使用できる。これは、適切な位置センサ(図3のセンサ93)を用いることによって、容易に実行でき、回転式アクチュエータの周りをサーボループで囲み、位置を決める。(ロータリモータに対し、位置は、モータの回転を検出することによって、又は、ロータリモータによって駆動される直動式変換器56bへ加わる回転の変位を検出することによって、検知される。)図4の構成図がさらに詳細に示している。図示の通り、回転式アクチュエータ56及び位置センサ93に接続された制御部106によって、回転式アクチュエータ56が、基準位置命令として変位命令PSA_Commandを用いて、位置ソースとして機能できる。回転式アクチュエータ56が位置ソースとして動作する場合、有効出力は、ばねKの力に等しい。
(t)=FKS=−K*PSPR (7)
さらに、PSPRは、式(1)を用いて、以下のように書き直せる。
(t)=−K*(PSusPos−PSA) (8)
位置ソースとして回転式アクチュエータを動作させることを望む実施形態では、回転式アクチュエータの位置を指示するための式(5)から得た式は、以下のように表せる。
SA_Command=[[LPF(F)/K]*[B/(B+B)]]+PSusPos (9)
【0043】
さらなる機能強化によって、回転式アクチュエータの位置決め命令が、時間に対する低域通過サスペンション変位を追跡可能とする。これは、以下の式(10)に示される。これは、回転式アクチュエータが追従可能な位置決め命令を提供し、2つのアクチュエータの力が互いに相殺するように働いて浪費されることを減らす助けとなる。故に、両アクチュエータ(直動式及び回転式)の総電力消費を節約する。
SA_Command=[LPF(F)/K]*[B/(B+B)]+LPF(PSusPos(t)) (10)
【0044】
(式5及び式6で具体化される)例示的な計算において、直動式アクチュエータ54及び回転式アクチュエータ56の両方は、同一の周波数範囲(重複範囲の大部分は、低域通過フィルタのカットオフ周波数より低い全周波数である)で動力を提供するように求められる。この周波数範囲では、2つのアクチュエータが相対して命令を受ける可能性がある。この可能性を回避又は軽減するために、第2命令(低域周波数位置基準入力)が、低域通過フィルタ処理後のサスペンション行程量(PSusPos)に従う回転式アクチュエータ56に指令を発するために使用される。その結果、回転式アクチュエータ56がF=PSA_Command(t)×Kの有効力を供給し、かつ直動式アクチュエータ54が、F(t)=F(t)−PSA_Command(t)×Kの力を供給する。ここで、PSA_Commandは、式(10)に示された通りである。
【0045】
図5ないし図7は、いくつかの変形サスペンション構造を示している。例えば、図5は、ばね素子62がトーションバー112であるサスペンションシステム110を示す。この構成では、回転式アクチュエータ56は、トーションバー112を捻る。トーションバースプリング112は、図示の通り、サスペンションリンクに直接に連結されてよく、又は、図7に示されたような追加のテンション圧縮リンクと共に、レバーアームを用いて車輪アセンブリに連結されていてもよい。また、好ましくは、速度変換ギアボックス56aが、回転式アクチュエータ56と共に使用される。トーションバー112は、車両内の任意の適切な位置(例えば、図示の通り長手方向、側方など)に配置される。
【0046】
図6のサスペンションシステム120によって図示された構成では、ばね素子62は、共通点122で接続された、第1部分62aと第2部分62bとに区分される。回転式アクチュエータ56は、点122に取り付けられる。この構成では、回転式アクチュエータ56は、点122を介して第1部分62a及び/又は第2部分62bに力を加えることによって、ばね上部とばね下部との間の動力を増大又は減少させる。また、好ましくは、速度変換ギアボックス56aが、回転式アクチュエータ56と共に使用される。第1部分62a及び第2部分62bのばね定数は、同一か又は異なっていてよい。この構成では、(図2及び図6に示されたような)追加の並列ばね素子64が、ばね62の第1及び第2部分に統合されている。ばね素子62は、コイルスプリング又はトーションバースプリングであってよい。コイルスプリングに対しては、回転動作を線動作に変換するための機構56bが、回転式アクチュエータ56を点122に連結するために使用される。トーションバースプリングに対しては、回転式アクチュエータ56は、ギアボックス56aを介して、又は、ギアボックス56a無しで、点122に直接に接続される。
【0047】
図7は、回転式アクチュエータ56がスタビライザバーの2箇所132a,132b間に連結されたサスペンションシステム130を示す。この構造では、回転式アクチュエータ56は、車両のばね上部とばね下部との間に正味トルクを生成するために、バーの各部の間に回転変位を提供する。また、サスペンションシステム130は、1つの回転式アクチュエータ56が複数の車輪52(すなわち、複数のばね下部)に連結されてよいことを示す。例えば、両前輪又は両後輪52の間に接続された(例えば、図示したように、一組の車輪の間に設けられた)1つの回転式アクチュエータ56は、車体のロール動作に抵抗するトルクを提供する。ある構成では、1つの回転式アクチュエータ56が、車体の揺れに抵抗するトルクを提供するように、前輪と後輪との間に連結される。ある構成では、1つの回転式アクチュエータ56が、四輪すべてに連結されて、水平動、上下動、又はロールをコントロールするように構成される。その他の適切な置き換えが行われてもよい。
【0048】
その他の実施形態もまた、添付の特許請求の範囲内にある。
【符号の説明】
【0049】
17 制御システム
17a 動力配分システム
42 センサ
48 サスペンションシステム
52 車輪アセンブリ(ばね下部)
54 直動式電磁アクチュエータ
56 回転式電磁アクチュエータ
56a 速度変換ギアボックス
56b 回転−線運動変換機構
62,64 ばね素子
66 電力増幅器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の組合せアクチュエータからなるアクチュエータシステムを具備し、
組合せアクチュエータは、直動式電磁アクチュエータと回転式電磁アクチュエータとからなり、
アクチュエータシステムは、車両のばね上部とばね下部との間に動力を提供することを特徴とする装置。
【請求項2】
回転式電磁アクチュエータが、位置決めソースとして構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
回転式アクチュエータに与えられる位置決め命令が、組合せアクチュエータの相対出力効率の関数であることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
回転式アクチュエータに与えられる位置決め命令が、低域通過フィルタ処理後の車両懸架装置行程量の関数であることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項5】
アクチュエータシステムに動力命令を与える動力配分システムをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
アクチュエータシステムは、
第1セットの運転条件下で車両を運転している場合、第1パラメータセットに基づいて、複数の組合せアクチュエータに動力命令を配分し、
第2セットの運転条件下で車両を運転している場合、第2パラメータセットに基づいて、複数の組合せアクチュエータに動力命令を配分することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
アクチュエータシステムが、周波数に応じて、複数の組合せアクチュエータに複数の動力命令を振り分けることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
アクチュエータシステムが、回転式アクチュエータに低域周波数動力命令を与え、直動式アクチュエータに高域周波数動力命令を与えることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
複数の組合せアクチュエータのうちの少なくとも2つに与えられる動力命令の周波数範囲が、部分的な周波数重複を有することを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項10】
アクチュエータシステムは、
交差周波数より下の周波数成分を用いて、第1アクチュエータに動力命令を与え、
交差周波数より上の周波数成分を用いて、第2アクチュエータに動力命令を与えることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項11】
車両の運転条件に基づいて、交差周波数を変更する機能を有することを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
交差周波数が、1Hzから2Hzまでの範囲にあることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項13】
第1アクチュエータが回転式アクチュエータであり、
第2アクチュエータが直動式アクチュエータであることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項14】
システムの物理的構成要素に関連したパラメータに基づいて、複数の組合せアクチュエータに動力命令を配分するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項15】
車両の操作に関連したパラメータに基づいて、複数のアクチュエータに動力命令を振り分けるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項16】
アクチュエータシステムが、空気圧式アクチュエータをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項17】
回転式アクチュエータが、ばねを介して動作することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項18】
ばねがねじりばねであることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
ばねが2つの区画に区分されており、回転式アクチュエータが第1区画と第2区画との間の共有点に連結されていることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項20】
複数の組合せアクチュエータのうちの少なくとも1つが、複数のばね下部に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項21】
少なくとも1つのアクチュエータが回転式アクチュエータであることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
車両の物理的構成要素に関連した静的パラメータと、車両の運転に関連した動的パラメータとのうちのどちらか一方又は両方に基づき、第1及び第2電磁アクチュエータによって車両のばね上部とばね下部との間に提供される動力の配分を行うことを特徴とする方法。
【請求項23】
第1電磁アクチュエータが直動式アクチュエータであり、
第2電磁アクチュエータが回転式アクチュエータであることを特徴とする請求項22に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−502867(P2011−502867A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533197(P2010−533197)
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/082434
【国際公開番号】WO2009/064640
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(591009509)ボーズ・コーポレーション (121)
【氏名又は名称原語表記】BOSE CORPORATION
【Fターム(参考)】