説明

直動装置

【課題】ボールねじ軸あるいはガイドレールなどの軌道部材上に形成された転動体軌道面の異常を検出することのできる直動装置を提供する。
【解決手段】ガイドレール11の転動体軌道面に光をあてて転動体軌道面からの反射光を検出する光学センサ21をスライダ12の端部に設け、光学センサ21の信号出力に基づいて転動体軌道面のフレーキング等を検知するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばボールねじ装置、直動案内装置などの直動装置に関し、特に、転動体軌道面の異常を検知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的な機械システム(例えばボールベアリングを含む回転用転がり軸受等)における動作状態の診断方法としては、振動で動作状態の診断を行う振動検出法、潤滑油の質で動作状態の診断を行う油評価法、潤滑油を介する部材間の電気抵抗で動作状態の診断を行う電気抵抗法、潤滑油を介する部材の温度で動作状態の診断を行う温度測定法などがある。
【0003】
これに対して、直動装置の異常を検出する方法としては、
(1)転動体が移動部材あるいは軌道部材と接触または衝突することによって弾性的に生じる波動をAE(Acoustic Emission)センサにて検出し、このAEセンサの信号出力に基づいて動作状態の内容を判定するようにした方法(特許文献1参照)、
(2)ボールねじナットやスライダなどの移動部材に設けた変位センサにより転動体軌道面の変位を測定して異常を検出するようにした方法(特許文献2参照)、
(3)転動体の循環によって生じる圧力に起因してエンドキャップに生じる変形を歪センサにて検出し、この歪センサの信号出力に基づいて異常を検出するようにした方法(特許文献3参照)などがある。
【特許文献1】特開2004−263775号公報
【特許文献2】特開2004−012209号公報
【特許文献3】特開2005−042785号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の方法では、軌道面と転動体との接触や衝突により発生した振動波をAEセンサにより検出して異常を判定する構成であるため、AEセンサから出力される信号レベルが小さく、ノイズの影響を受け易いという問題がある。
特許文献2記載の方法では、ボールねじ軸あるいはガイドレールなどの軌道部材に外部荷重が作用すると移動部材に取り付けられた変位センサに対して転動体軌道面が変位してしまい、軌道面の異常を検知することが難しいという問題がある。
【0005】
特許文献3記載の方法では、転動体の循環不良に起因するエンドキャップの変形を歪センサにより検出することが可能であるが、転動体の循環不良はスライダの内部に異物が混入することによっても発生し、異物の混入によって軌道面に噛み込み傷が発生する。しかし、これがすぐに使用不能になるとは限らず、多少の異物混入では継続して走行することが可能であり、検出精度が低いという問題があった。
【0006】
本発明は上述した問題点に着目してなされたものであり、その目的は、ボールねじ軸あるいはガイドレールなどの軌道部材上に形成された転動体軌道面の異常を検出することのできる直動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明のうち請求項1の発明に係る直動装置は、転動体軌道面を外面に有し且つ転動体循環路を有しない軌道部材と、該軌道部材の転動体軌道面と対向する転動体軌道面を有し且つ該転動体軌道面と前記軌道部材の転動体軌道面との間に形成された転動体転走路を転走する多数の転動体を無限循環させる転動体循環路を有する部材とを備えてなる直動装置において、前記転動体循環路を有する部材に、前記軌道部材の転動体軌道面の異常を検出するための光学センサを設けたことを特徴とする。
【0008】
本発明のうち請求項2の発明に係る直動装置は、請求項1記載の直動装置において、前記光学センサが光ファイバ方式であることを特徴とする。
本発明のうち請求項3の発明に係る直動装置は、請求項1または請求項2記載の直動装置において、前記光学センサが前記転動体循環路の外側であって前記転動体循環路を有する部材の端部に設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明のうち請求項4の発明に係る直動装置は、請求項1または請求項2記載の直動装置において、前記転動体循環路を有する部材が前記軌道部材の軸方向に並んで配置された第1の部材と第2の部材を含んで構成され、かつ前記光学センサが前記第1の部材と前記第2の部材との間に配置されていることを特徴とする。
本発明のうち請求項5の発明に係る直動装置は、請求項1または請求項2項記載の直動装置において、前記光学センサの両側にシール部材を設けたことを特徴とする。
【0010】
本発明のうち請求項6の発明に係る直動装置は、請求項1または請求項2記載の直動装置において、前記転動体循環路をそれぞれ有する二つの部材間に前記光学センサを設け、かつ該光学センサの両側にシール部材を配置したことを特徴とする。
なお、ここで言う「光学センサ」とは、測定点1点の明暗を検出するもの、あるいは転動体軌道面の一定範囲を複数の画素に分割し、個々の画素について明度、彩度を検出するもの(例えば、固体撮像素子など)を指している。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明に係る直動装置によれば、転動体軌道面にフレーキング(金属面が鱗状に剥離した現象)が発生したり或いは異物の噛みこみなどによって転動体軌道面の粗さが粗くなったりすると、光学センサの信号出力が通常よりも小さくなる。したがって、光学センサの信号出力を予め設定された閾値と比較することによって、フレーキングなどの異常が転動体軌道面に発生したか否かを容易に検知することができる。
【0012】
請求項2の発明に係る直動装置によれば、光ファイバ方式の光学センサを用いることで、光学センサを設置するスペースが非常に小さくなる。これにより、ボールねじ装置のナットや直動案内装置のスライダに光学センサを装着する場合に、光学センサを後から取り付けてもストロークに悪影響を与えることがない。
請求項3の発明に係る直動装置によれば、転動体循環路の外側に光学センサを配置したことで、光学センサの装着を容易に行うことができる。
【0013】
請求項4の発明に係る直動装置によれば、光学センサの配線処理を容易に行うことができる。一つの部材に光学センサを埋め込もうとすると、光ファイバ方式を利用する場合は外部から孔を明け、そこに差し込む構造となるため、配線がその外側を必ず回さなくてはならず、より小さい光学センサを用いても配線処理でスペースを殺してしまうのに対し、請求項4の発明に係る直動装置では、外部から孔を明けて光学センサを差し込む構造を採らなくて済むので、光学センサの配線処理を容易に行うことができる。
【0014】
請求項5及び請求項6の発明に係る直動装置によれば、光学センサの両側にシール部材を設けたことで、光学センサからの信号により転動体軌道面の異常を検知できるとともに、転動体軌道面に付着した異物の影響やグリースの変色による影響を光学センサの両側に設けたシール部材により低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図1〜図3を参照して本発明の第1の実施形態について説明する。
図1において符号10は本発明の第1の実施形態である直動装置であって、この直動装置10は、軌道部材としてのガイドレール11と、転動体循環路を有する部材としてのスライダ12とを備えている。
ガイドレール11の左側面と右側面には、それぞれ二条の転動体軌道面13(図2参照)がガイドレール11の長手方向に沿って形成されている。これらの転動体軌道面13はスライダ12の左内側面と右内側面に形成された転動体軌道面14(図2参照)と各々対向しており、レール側転動体軌道面13とスライダ側転動体軌道面14との間には、転動体である多数のボール15が組み込まれている。なお、転動体軌道面13,14は例えば研削加工、ラップ加工、切削加工などによってガイドレール11の左右側面とスライダ12の左右内側面に形成されている。
【0016】
スライダ12は転動体軌道面14を有するスライダ本体16と、このスライダ本体16の前側端面と後側端面に取り付けられたエンドキャップ17A,17Bとからなり、これらのエンドキャップ17A,17B内には、複数の転動体方向転換路18が転動体軌道面14に対応して形成されている。これらの転動体方向転換路18はスライダ本体16内に形成された転動体循環路(転動体戻し通路とも称す)19と連通しており、従って、スライダ12の相対的な直線運動に伴って転動体軌道面13,14上を転動したボール15は、例えばエンドキャップ17Aの転動体方向転換路18内で方向転換した後、スライダ本体16の転動体戻し有路19に導入されるようになっている。そして、転動体戻し有路19に導入されたボール15は、転動体戻し有路19内を転動した後、エンドキャップ17Bの転動体方向転換路18を通って循環運動するようになっている。
【0017】
エンドキャップ17A,17Bのうち一方のエンドキャップ(例えばエンドキャップ17A)には、ほぼコ字形をなすプレート状のセンサ保持部材20が取り付けられている。このセンサ保持部材20は内部が中空となっており、センサ保持部材20の内部には、ガイドレール11の転動体軌道面13に光を当てて転動体軌道面13からの反射光を検出する複数(本実施形態では四つ)の光学センサ21(図3参照)が設けられている。これらの光学センサ21は、スライダ本体16の転動体戻し通路19とエンドキャップ17A,17Bの転動体方向転換路18とで形成される転動体循環路の外側に設けられている。また、光学センサ21は反射形の光学センサであって、各光学センサ21から出力された信号は例えば転動体軌道面のフレーキングや異物の噛み込み疵などを検知する検知装置に供給されるようになっている。
【0018】
上述した本発明の第1の実施形態では、ガイドレール11の転動体軌道面13にフレーキングや異物の噛み込み疵などが発生すると、転動体軌道面13から光学センサ21に入射する反射光の光量が少なくなり、光学センサ21の信号出力レベルが転動体軌道面13にフレーキングや噛み込み疵が発生していない場合と比較して小さくなる。したがって、光学センサ21の信号出力を予め設定された閾値と比較することにより、転動体軌道面13にフレーキングや噛み込み疵が発生しているか否かを検知することができる。
【0019】
また、上述した本発明の第1の実施形態では、スライダ本体16の転動体戻し通路19とエンドキャップ17A,17Bの転動体方向転換路18とで形成される転動体循環路の外側に光学センサ21が設けられているため、転動体循環路の内側に光学センサを配置した場合と比較して、光学センサ21の装着が容易となる。
なお、フレーキングは、回転軸受では回転精度の低下や騒音発生など走行上問題となるが、ボールねじ装置や直動案内装置などの直動装置では、転動体が負荷部と無負荷部との間を繰り返し循環するため、転動体が負荷部から無負荷部に入る際、あるいは無負荷部から負荷部に入る際は、僅かな段差を通過しているのと同様な状態になる。従って、直動装置では、フレーキングが発生しても直ぐに走行上問題となることがなく、フレーキングを検知しても暫らくの装置の稼動が可能である。
【0020】
上述した第1の実施形態では転動体としてボールを用いた直動案内装置に本発明を適用した場合を例示したが、これに限定されるものではなく、たとえば転動体として円筒ころを用いた直動案内装置についても適用可能である。
図4は本発明の第2の実施形態である直動装置を示す図であり、この第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、ガイドレールの転動体軌道面に光を当てて転動体軌道面からの反射光を検出する光学センサ21を光ファイバ方式の光学センサとした点である。このような構成によると、光学センサ21を設置するスペースが非常に小さいスペースとなるので、光学センサ21を後から装着してもスライダのストロークに悪影響を与えることもない。
【0021】
図5は本発明の第3の実施形態である直動装置を示す図であり、この第3の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、光学センサ21を例えばエンドキャップ17Aと該エンドキャップ17Aの外側に配置された板状部材22との間に設けた点である。このように、光学センサ21を第1の部材としてのエンドキャップ17Aと第2の部材としての板状部材22との間に設けると、光学センサ21の収容部や固定部を射出成形で容易に製作することができ、コスト面でも非常に有利となる。また、外部に孔を明けて差し込む方式を採らなくてもよく、より小さい光学センサを用いて配線処理でスペースを殺してしまうことがないので、配線の処理を容易に行うことができる。
【0022】
上述した第3の実施形態では、エンドキャップ17Aと板状部材22との間に光学センサ21を配置した場合を例示したが、これに限定されるものではなく、例えばボールねじの場合には、ナットと光学センサを収容する部材との組合せ、単純に光学センサを収容する片側面が開放している部材との組合せ、シール部材とシール部材の間などに光学センサを配置してもよい。特に、光学センサをシール部材間に配置した場合は、軌道面に付着した異物の影響や潤滑剤の変色による影響などを除去できるため、軌道面の異常をより的確に検知することができる。また、光学センサをスポンジ状の部材間に配置すれば、光学センサへの圧力の低下や損傷を取付け時に与えることもなく、押え込むだけで光学センサの取付けが可能となる。
【0023】
次に、図6を参照して本発明の第4の実施形態について説明する。
図5において符号30は本発明の第4の実施形態である直動装置であって、この直動装置30は、軌道部材としてのボールねじ軸31と、転動体循環路を有する部材としてのボールねじナット32とを備えている。
ボールねじ軸31の外周面には、螺旋状のボール転動溝33が転動体軌道面として形成されている。これらのボール35はボールねじ軸31またはボールねじナット32が軸芯回りに回転するとボール転動溝33,34上を転動するようになっており、ボールねじナット32には、ボールこのボール転動溝33はボールねじナット32の内周面に形成された転動体軌道面としてのボール転動溝34と対向しており、これらボール転動溝33,34の間には、多数のボール35が転動体として組み込まれている。転動溝33,34上を転動したボール35を無限循環させるボール循環部材(図示せず)が組み付けられている。なお、ボール転動溝33,34は例えば転造加工によってボールねじ軸31の外周面とボールねじナット32の内周面に形成されている。
【0024】
ボールねじナット32の図中左側端面には、ボールねじ軸31のボール転動溝33に光を当ててボール転動溝33からの反射光を検出する光学センサ36が取り付けられている。この光学センサ36は前述したボール循環部材によって形成される転動体循環路の外側に設けられている。また、光学センサ36は反射形の光センサであって、この光学センサ36から出力された信号は例えばボール転動溝33のフレーキングや異物の噛み込み疵などを検知する検知装置に供給されるようになっている。
【0025】
上述した本発明の第4の実施形態では、ボールねじ軸31のボール転動溝33にフレーキングや異物の噛み込み疵などが発生すると、ボール転動溝33から光学センサ36に入射する反射光の光量が少なくなり、光学センサ36の信号出力レベルがボール転動溝33にフレーキングや噛み込み疵が発生していない場合と比較して小さくなる。したがって、光学センサ36の信号出力を予め設定された閾値と比較することで、ボール転動溝33にフレーキングや噛み込み疵が発生しているか否かを検知することができる。
また、上述した本発明の第4の実施形態では、光学センサ36をボールねじナット32の端部に設けたことで、転動体循環路の内側に光学センサを設けた場合のように、構造が複雑となるようなこともない。
【0026】
図7は本発明の第5の実施形態である直動装置を示す図であり、この第5の実施形態が第4の実施形態と異なる点は、光学センサ36の両側にシール部材37を設けた点である。このような構成によると、第4の実施形態と同様の作用効果が得られるのに加え、光学センサ36を保持する環状のセンサ保持部材38とボールねじ軸11との間に異物が入り込むことを防止できると共に、ボールねじ軸31とボールねじナット32との間に充填されたグリースが光学センサ側に漏れ出てグリースの変色によって光学センサ36の検出性能が低下することをシール部材37によって防止することができる。
【0027】
図8は本発明の第6の実施形態である直動装置を示す図であり、この第6の実施形態が第4の実施形態と異なる点は、転動体循環路を有する二つの部材(この場合はボールねじナット32Aとボールねじナット32Bを示している)の間に光学センサ36を設け、かつ光学センサ36の両側に、例えば特開2000−130544号公報、特開平10−252856号公報、特開2003−166532号公報、特開平10−184684号公報などに示されるシール部材38を設けた点である。
このような構成によると、ボールねじ軸31のボール転動溝33に発生したフレーキングや噛み込み疵などの異常を検知できると共に、ボールねじ軸31のボール転動溝33に付着した異物の影響やグリースの変色による影響をシール部材38によって低減することができる。
【0028】
図9は本発明の第7の実施形態を示す図、図10は本発明の第8の実施形態を示す図であり、第7及び第8の実施形態が図1に示した第1の実施形態と異なる点は、小型カメラなどの光学センサ40を二つのスライダ12の間に配置した点である。
図9に示す第7の実施形態における二つのスライダ12はシール41をそれぞれ有しており、光学センサ40は二つのスライダ12のシール41間に設けられている。また、光学センサ40は光学センサ40を案内レール11の長手方向に案内する案内部42を有し、この案内部42の両端面は二つのスライダ12のシール41に結合されている。したがって、使用時には、光学センサ40とスライダ12とを結合することが不要である。
【0029】
図10に示す第8の実施形態における光学センサ40は案内レール11の長手方向に案内する案内部42を有し、この案内部42の両端面には、シール41が装着されている。使用時は光学センサ40とスライダ12とを一体固定して使用されるが、固定方法は任意である。
直動案内装置は一般的に二本のレールと四台のスライダとの組合せで使用されることが多く、二つのスライダの間はスペースを大きく取れるので、第7及び第8の実施形態のように、小型カメラなどの光学センサ40を二つのスライダ12,12の間に配置し、光学センサ40から出力された画像信号を画像処理することによって転動体軌道面の異常を検知することができる。光学センサ40から出力される信号が画像信号である場合は、モニタテレビなどの画像表示装置に表示された画像を人間が目視することによって転動体軌道面の異常を検知でき、画像表示装置に表示された画像を定期的に監視することによって転動体軌道面の剥離だけでなく、摩耗による転動体軌道面の劣化なども早期に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施形態である直動装置の平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態である直動装置を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施形態である直動装置の側面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態である直動装置の断面図である。
【図7】本発明の第5の実施形態である直動装置の断面図である。
【図8】本発明の第6の実施形態である直動装置の断面図である。
【図9】本発明の第7の実施形態である直動装置を示す図である。
【図10】本発明の第8の実施形態である直動装置を示す図である。
【符号の説明】
【0031】
11 ガイドレール
12 スライダ
13,14 転動体軌道面
15 ボール(転動体)
16 スライダ本体
17A,17B エンドキャップ
18 転動体方向転換路
19 転動体戻し通路
21 光学センサ
22 板状部材
31 ボールねじ軸
32,32A,32B ボールねじナット
33,34 ボール転動溝(転動体軌道面)
35 ボール(転動体)
36 光学センサ
37 シール部材
40 光学センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転動体軌道面を外面に有し且つ転動体循環路を有しない軌道部材と、該軌道部材の転動体軌道面と対向する転動体軌道面を有し且つ該転動体軌道面と前記軌道部材の転動体軌道面との間に形成された転動体転走路を転走する多数の転動体を無限循環させるための転動体循環路を有する部材とを備えてなる直動装置において、前記転動体循環路を有する部材に、前記軌道部材の転動体軌道面の異常を検出するための光学センサを設けたことを特徴とする直動装置。
【請求項2】
請求項1記載の直動装置において、前記光学センサが光ファイバ方式であることを特徴とする直動装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の直動装置において、前記光学センサが前記転動体循環路の外側であって前記転動体循環路を有する部材の端部に設けられていることを特徴とする直動装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2記載の直動装置において、前記転動体循環路を有する部材が前記軌道部材の軸方向に並んで配置された第1の部材と第2の部材を含んで構成され、かつ前記光学センサが前記第1の部材と前記第2の部材との間に配置されていることを特徴とする直動装置。
【請求項5】
請求項1または請求項2項記載の直動装置において、前記光学センサの両側にシール部材を設けたことを特徴とする直動装置。
【請求項6】
請求項1または請求項2記載の直動装置において、前記転動体循環路をそれぞれ有する二つの部材間に前記光学センサを設け、かつ該光学センサの両側にシール部材を配置したことを特徴とする直動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−192333(P2007−192333A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−11766(P2006−11766)
【出願日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】