説明

直流モーター制御装置、電動日射遮蔽装置及び直流モーター制御方法

【課題】AC/DCコンバーターで直流モーターに直流電圧を供給し、そのAC/DCコンバーターの出力電圧に基づいて動作するDC/DCコンバーターでマイコンに直流電圧を供給する直流モーター制御装置において、消費電力を低減しながら、安定した直流電圧を生成し得る直流モーター制御装置を提供する。
【解決手段】待機モード時に、マイコン9から出力される電圧切替信号Xに基づいて、AC/DCコンバーター1からDC/DCコンバーター15に供給する第一の直流電圧Vdc2を低下させる電圧調整部3,4,8と、待機モード時に、マイコン9から出力される制御信号DV1に基づいて、第一の直流電圧Vdc2のモーター駆動回路7への供給を遮断するスイッチ12とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、直流モーターの動作をマイコン制御する直流モーター制御装置に関するものであり、特に直流モーターで遮蔽材の動作を制御する電動日射遮蔽装置における直流モーター制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電動横型ブラインドの一種類として、マイコンで制御される直流モーターの駆動力でスラットを昇降及び角度調節操作可能としたものがある。
このような電動横型ブラインドでは、電源回路から例えば26Vの直流電圧をステッピングモーターに電源として供給し、5Vの直流電圧をマイコンに電源電圧として供給する必要がある。
【0003】
異なる直流電源電圧を生成するための電源回路の一手法として、AC/DCコンバーターを使用したスイッチング電源に、2種類の交流電圧を出力可能とした高周波トランスを備え、その高周波トランスから出力される2種類の交流電圧をそれぞれ直流電圧に整流する整流回路を備えたものがある。
【0004】
このような電源回路では、2種類の交流電圧を出力する高周波トランスで電力消費が発生し、かつ各交流電圧を直流電圧に整流する整流回路で電力消費が発生するため、効率が悪い。
【0005】
そこで、高周波トランスから1種類の交流電圧を出力し、その交流電圧に基づいて一つの整流回路でモーターに供給する直流電圧を生成し、その直流電圧からDC/DCコンバーターでマイコン用の直流電圧を生成する電源回路が提案されている。
【0006】
特許文献1には、モーター駆動用トランスと制御用トランス及び各トランスから出力される交流電圧を整流する整流回路とをそれぞれ設け、モーターの停止時にはモーター駆動用トランスへの商用電源の供給を停止するようにした電動ブラインドが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−163577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のようにDC/DCコンバーターでマイコン用の直流電圧を生成する電源回路では、ステッピングモーター用に生成された26Vの直流電圧をDC/DCコンバーターで5Vに変換して供給するため、DC/DCコンバーターによる電力損失が大きくなる。一般に、DC/DCコンバーターでは入力電圧と出力電圧との差が大きくなるほど電力損失が大きくなるからである。
【0009】
また、電動横型ブラインドの操作時間すなわちステッピングモーターの動作時間は、ステッピングモーターの停止時間に比して僅かな時間であるにも関わらず、高周波トランスから出力される交流電圧が整流回路で常時直流電圧に整流されて出力される。従って、整流回路での電力損失も大きくなる。
【0010】
特許文献1に開示された電動ブラインドは、商用電源をモーター駆動用トランス及び制御用トランスと各整流回路で降圧して整流してモーター及びマイコンに供給する構成である。従って、モーター駆動用トランスと制御用トランスを別個に設ける必要があり、部品点数が増大するとともに、モーター作動時には各トランスで電力損失が発生する。
【0011】
この発明の目的は、AC/DCコンバーターで直流モーターに直流電圧を供給し、そのAC/DCコンバーターの出力電圧に基づいて動作するDC/DCコンバーターでマイコンに直流電圧を供給する直流モーター制御装置において、消費電力を低減しながら、安定した直流電圧を生成し得る直流モーター制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1では、交流電源の供給に基づいて直流電圧を生成するAC/DCコンバーターと、前記AC/DCコンバーターから出力される直流電圧の供給に基づいて直流モーターを駆動するモーター駆動回路と、前記モーター駆動回路を制御するマイコンと、前記AC/DCコンバーターから出力される第一の直流電圧に基づいて前記マイコンに供給する第二の直流電圧を生成するDC/DCコンバーターとを備えた直流モーター制御装置において、待機モード時に、前記マイコンから出力される電圧切替信号に基づいて、前記AC/DCコンバーターで生成する前記第一の直流電圧を低下させる電圧調整部と、待機モード時に、前記マイコンから出力される制御信号に基づいて、前記第一の直流電圧の前記モーター駆動回路への供給を遮断するスイッチとを備えた。
【0013】
請求項2では、前記AC/DCコンバーターは、交流電源を直流に整流する整流平滑回路と、前記整流平滑回路から出力される直流電圧をスイッチングして高周波トランスの一次側コイルに供給するスイッチング部と、前記高周波トランスの二次側コイルから出力されるスイッチング電圧を整流して前記出力する高周波整流回路とを備え、前記電圧調整部は、前記第一の直流電圧と、前記マイコンから出力される電圧切替信号とを比較する比較検出回路と、前記比較検出回路から出力される検出信号に基づいて、前記一次側コイルに供給するスイッチング電圧のデューティを制御して前記第一の直流電圧を制御する制御部を備えた。
【0014】
請求項3では、前記スイッチング部は、前記制御部から出力される制御信号に基づいてスイッチング動作するMOSトランジスタを前記高周波トランスの一次側コイルに介在させた。
【0015】
請求項4では、交流電源の供給に基づいて直流電圧を生成するAC/DCコンバーターと、前記AC/DCコンバーターから出力される直流電圧の供給に基づいて、直流モーターを駆動するモーター駆動回路と、前記モーター駆動回路を制御するマイコンと、前記AC/DCコンバーターから出力される第一の直流電圧に基づいて前記マイコンに供給する第二の直流電圧を生成するDC/DCコンバーターとを備え、前記直流モーターで日射遮蔽材を駆動する電動日射遮蔽装置において、待機モード時に、前記マイコンから出力される電圧切替信号に基づいて、前記AC/DCコンバーターで生成する前記第一の直流電圧を低下させる電圧調整部と、待機モード時に、前記マイコンから出力される制御信号に基づいて、前記第一の直流電圧の前記モーター駆動回路への供給を遮断するスイッチとを備えた。
【0016】
請求項5では、交流電源をAC/DCコンバーターで直流電圧に変換して直流モーターを駆動するモーター駆動回路に供給するとともに、DC/DCコンバーターを介して前記モーター駆動回路を制御するマイコンに供給し、待機モード時に、前記マイコンから出力される電圧切替信号に基づいて、前記AC/DCコンバーターで生成する直流電圧を低下させるとともに、前記モーター駆動回路への直流電圧の供給を遮断する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、AC/DCコンバーターで直流モーターに直流電圧を供給し、そのAC/DCコンバーターの出力電圧に基づいて動作するDC/DCコンバーターでマイコンに直流電圧を供給する直流モーター制御装置において、消費電力を低減しながら、安定した直流電圧を生成し得る直流モーター制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】一実施形態の直流モーター制御装置を示すブロック図である。
【図2】AC/DCコンバーターのスイッチング部及び高周波整流回路を示す回路図である。
【図3】DC/DCコンバーターを示す回路図である。
【図4】比較検出回路を示す回路図である。
【図5】直流モーター制御装置の動作を示すタイミング波形図である。
【図6】マイコンの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明を具体化した直流モーター制御装置の一実施形態を図面に従って説明する。図1は、電動横型ブラインドのスラット(日射遮蔽材)を角度調節するための直流モーターの動作を制御する直流モーター制御装置を示す。
【0020】
交流100Vの商用交流電源がAC/DCコンバーター1の整流平滑回路2に供給され、整流平滑回路2は入力された交流電圧Vacを直流電圧Vdc1に平滑してスイッチング部3に出力する。そして、スイッチング部3は制御部4から出力される制御信号CTに基づいて高周波トランス5の一次側コイルL1にスイッチング電圧を供給する。
【0021】
前記高周波トランス5の二次側コイルL2には、一次側コイルL1との巻数比に応じたスイッチング電圧が誘起され、そのスイッチング電圧は高周波整流回路6で直流電圧Vdc2に整流されて出力される。
【0022】
前記高周波整流回路6から出力される直流電圧Vdc2は比較検出回路8に入力され、その比較検出回路8にはマイコン9から電圧切替信号Xが入力される。そして、比較検出回路8は電圧切替信号Xに基づいて直流電圧Vdc2の電圧値を検出し、検出信号Yを制御部4に出力する。
【0023】
制御部4は、検出信号Yに基づいてスイッチング部3のスイッチング動作のデューティを制御する。
前記スイッチング部3の具体的構成を図2に示す。前記高周波トランス5の一次側コイルL1の中間点にはMOSトランジスタT1のドレイン・ソースが直列に介在されている。
【0024】
前記MOSトランジスタT1のソースはグランドGNDに接続され、前記整流平滑回路から直流電圧Vdc1が供給される一次側コイルL1の一方の端子とグランドGND間には容量C1が接続されている。
【0025】
また、一次側コイルL1の他方の端子はダイオードD1及び容量C2を介してグランドGNDに接続され、ダイオードD1と容量C2との接続点が前記制御部4に接続されている。
【0026】
前記MOSトランジスタT1のゲートには前記制御部4から制御信号CTが入力され、この制御信号は130kHzの矩形信号が入力されるとともに、その矩形信号のデューティが制御される。従って、MOSトランジスタT1は130kHzでスイッチング動作し、高周波トランス5の一次側コイルL1に130kHzのスイッチング電流が流れる。
【0027】
前記高周波整流回路6は、高周波トランス5の二次側コイルL2の両端子間に接続されるダイオードD2と容量C3とで構成される。そして、一次側コイルL1に流れるスイッチング電流に基づいて二次側コイルL2に誘起されるスイッチング電圧が高周波整流回路6で直流電圧Vdc2に整流され、その直流電圧Vdc2がダイオードD2のカソードから出力される。
【0028】
また、前記制御信号CTのデューティの制御により、MOSトランジスタT1のオン時間が長くなると前記直流電圧Vdc2が上昇し、MOSトランジスタT1のオン時間が短くなると前記直流電圧Vdc2が低下するようになっている。
【0029】
前記比較検出回路8の具体的構成を図4に示す。前記高周波整流回路6から出力される直流電圧Vdc2は比較検出回路8に電源電圧として入力され、高電位側電源として直流電圧Vdc2が供給され、低電位側電源としてグランドGNDが供給される。
【0030】
比較器10のマイナス側入力端子は、直流電圧Vdc2を抵抗R1,R2で分圧した電圧が入力されるとともに、抵抗R3とPNPトランジスタT2との直列回路が抵抗R1に並列に接続されている。
【0031】
前記PNPトランジスタT2のベースには、前記マイコン9から電圧切替信号Xが入力される。この電圧切替信号Xは、例えば10Vと3Vに切り替えられる。そして、電圧切替信号Xの切替えに基づいてPNPトランジスタT2のコレクタ電流が切り替えられ、この結果比較器10のマイナス側入力端子の入力電圧が変化する。
【0032】
比較器10のプラス側入力端子とグランドGNDとの間には、ツェナーダイオードZDが接続され、比較器10のプラス側入力端子と直流電圧Vdc2との間には抵抗R4が接続されている。そして、比較器10のプラス側入力端子にはツェナーダイオードZDで設定される定電圧が入力される。
【0033】
このような比較器10はプラス側入力端子の入力電圧がマイナス側入力端子の入力電圧より高くなると出力信号がHレベルとなり、プラス側入力端子の入力電圧がマイナス側入力端子の入力電圧より低くなると出力信号がLレベルとなる。
【0034】
前記比較器10の出力端子は、フォトカプラ11を構成するフォトダイオードD3のカソードに接続され、そのフォトダイオードD3のアノードには抵抗R5を介して直流電圧Vdc2が供給されている。
【0035】
フォトカプラ11を構成するフォトトランジスタT3は、そのコレクタ及びエミッタが前記制御部4に接続され、フォトダイオードD3のオン動作に基づいて導通状態となる。そして、比較器10の出力信号がLレベルとなると、フォトダイオードD3がオンされ、フォトトランジスタT3が導通状態となる。
【0036】
前記制御部4は、前記フォトトランジスタT3が導通状態となると、前記MOSトランジスタT1のオン時間を短縮するようにデューティを制御して、高周波整流回路6から出力される直流電圧Vdc2を低下させる。また、前記フォトトランジスタT3が不導通状態となると、前記MOSトランジスタT1のオン時間を伸長するようにデューティを制御して、高周波整流回路6から出力される直流電圧Vdc2を上昇させる。
【0037】
上記のような比較検出回路8、制御部4、スイッチング部3及び高周波整流回路6からなるフィードバックループでは、比較検出回路8に入力される電圧切替信号Xが3Vとなると、高周波整流回路6から出力される直流電圧Vdc2が26Vに収束するように動作する。
【0038】
また、比較検出回路8に入力される電圧切替信号Xが10Vとなると、高周波整流回路6から出力される直流電圧Vdc2が7Vに収束するように動作する。
図1に示すように、前記高周波整流回路6から出力される直流電圧Vdc2は、マイコン9から出力される制御信号DV1に基づいて開閉されるスイッチ12を介してモーター駆動回路7に電源電圧Vdc4として供給される。
【0039】
スイッチ12が閉路されていると、直流電圧Vdc2がモーター駆動回路7に電源電圧Vdc4として供給され、モーター駆動回路7はマイコン9から出力される制御信号DV2に基づいて直流モーター14を駆動する。また、スイッチ12が開路されていると、モーター駆動回路7に供給される電源電圧Vdc4は0Vとなる。
【0040】
前記高周波整流回路6から出力される直流電圧Vdc2は、DC/DCコンバーター15に供給される。DC/DCコンバーター15は、入力される26Vあるいは7Vの直流電圧Vdc2を5Vの直流電圧に変換してマイコン9に電源として供給する。
【0041】
DC/DCコンバーター15の原理を図3に示す。高周波整流回路6から供給される直流電圧Vdc2はMOSトランジスタT4のドレインに供給される。MOSトランジスタT4のソースはダイオードD4のカソードとチョークコイルLの一端に接続されている。
【0042】
また、ダイオードD4のアノードはグランドGNDに接続され、前記チョークコイルLの他端は容量C4を介してグランドGNDに接続されている。そして、チョークコイルLの他端からマイコン9に直流電圧Vdc3が電源として供給される。
【0043】
このように構成されたDC/DCコンバーター15では、DC/DCコンバーター15制御部(図示しない)からMOSトランジスタT4のゲートに入力される制御信号SWに基づいてスイッチング制御される。
【0044】
MOSトランジスタT4がオンされると、ドレイン電流I1がチョークコイルL及び容量C4に供給されて平滑される。また、MOSトランジスタT4がオフされると、チョークコイルLに発生する逆起電力により、チョークコイルLの他端から容量C4及びダイオードD4を介してチョークコイルLの一端に回生電流I2が流れる。
【0045】
このような動作により、直流電圧Vdc2の供給に基づいて直流電圧Vdc3を生成して出力する。そして、MOSトランジスタT4をスイッチング制御する制御信号SWのデューティは、直流電圧Vdc2が低くなるほどMOSトランジスタT4のオン時間が長くなるように制御され、直流電圧Vdc2の電圧レベルに関わらず、5Vの直流電圧Vdc3が生成されるようになっている。
【0046】
また、MOSトランジスタT4のドレイン・ソース間の電力損失は、ダイオードD4のアノード・カソード間の電力損失より小さいため、ダイオードD4のオン時間に比してMOSトランジスタT4のオン時間が長くなるほど、DC/DCコンバーター15の電力効率が高くなる。
【0047】
従って、供給される直流電圧Vdc2が26Vの場合より、直流電圧Vdc2が7VのときのほうがDC/DCコンバーター15の電力効率が高くなる。
前記マイコン9は、電動横型ブラインドの操作スイッチ(図示しない)から出力される操作信号CM1あるいは多数の電動横型ブラインドの動作を一括して制御する中央制御装置(図示しない)から出力される指令信号CM2に基づいて、あらかじめ設定されたプログラムに従って動作する。
【0048】
そして、通常モード時には、マイコン9は制御信号DV1によりスイッチ12を導通状態としてモーター駆動回路7に直流電圧Vdc2を供給し、制御信号DV2をモーター駆動回路7に出力してモーター14の動作を制御する。また、比較検出回路8には10Vの電圧切替信号Xを出力する。
【0049】
待機モード時には、マイコン9は制御信号DV1によりスイッチ12を開路してモーター駆動回路7への電源の供給を遮断し、制御信号DV2をモーター駆動回路7に出力してモーター駆動回路7の動作を停止させる。また、比較検出回路8には3Vの電圧切替信号Xを出力する。
【0050】
次に、上記のように構成された直流モーター制御装置の作用を図5及び図6に従って説明する。
AC/DCコンバーター1にAC100Vが供給されると、AC/DCコンバーター1から直流電圧Vdc2が出力されて、DC/DCコンバーター15から5Vの直流電圧Vdc3がマイコン9に電源として供給される。
【0051】
マイコン9は、電源の供給に基づいて電動横型ブラインドのスラットの位置情報等の初期化を行い(ステップ1)、待機モードに移行する(ステップ2)。待機モードでは、マイコン9は制御信号DV1をスイッチ12に出力してモーター駆動回路7への直流電圧Vdc2を遮断するため、モーター駆動回路7の電源電圧Vdc4は0Vとなる。また、マイコン9は、モーター駆動回路7に制御信号DV2を出力してモーター駆動回路7の動作を停止させる。
【0052】
さらに、マイコン9は比較検出回路8に10Vの電圧切替信号Xを出力する。すると、制御部4からスイッチング部3に出力される制御信号CTによりMOSトランジスタT1のオン時間が短くなって、高周波整流回路6から出力される直流電圧Vdc2が7Vとなる。
【0053】
DC/DCコンバーター15は、直流電圧Vdc2から5Vの直流電圧Vdc3を生成して、マイコン9に供給する。
次いで、マイコン9は操作スイッチからの操作信号CM1あるいは中央制御装置からの指令信号CM2の入力を待つ状態となる(ステップ3,4)。
【0054】
操作信号CM1と指令信号CM2のいずれかが入力されると、マイコン9は動作モードに移行する(ステップ5)。動作モードでは、マイコン9は比較検出回路8に3Vの電圧切替信号Xを出力する。すると、制御部4からスイッチング部3に出力される制御信号CTによりMOSトランジスタT1のオン時間が長くなって、高周波整流回路6から出力される直流電圧Vdc2が26Vとなる。
【0055】
DC/DCコンバーター15は、直流電圧Vdc2から5Vの直流電圧Vdc3を生成して、マイコン9に供給する。
また、マイコン9は制御信号DV1でスイッチ12を閉路して、26Vの直流電圧Vdc2をモーター駆動回路7へ電源電圧Vdc4として供給する。また、マイコン9は、モーター駆動回路7に制御信号DV2を出力して、モーター駆動回路7を操作信号CM1あるいは指令信号CM2に基づいて動作させる(ステップ6)。
【0056】
次いで、操作信号CM1及び指令信号CM2のいずれも一定時間以上入力されないと(ステップ7)、ステップ2に移行して待機モードなり、操作信号CM1及び指令信号CM2の入力を待つ状態となる。
【0057】
待機モードでは、上記のようにマイコン9は制御信号DV1をスイッチ12に出力してモーター駆動回路7への直流電圧Vdc2を遮断するため、モーター駆動回路7の電源電圧Vdc4は0Vとなる。また、マイコン9は、モーター駆動回路7に制御信号DV2を出力してモーター駆動回路7の動作を停止させる。
【0058】
さらに、マイコン9は比較検出回路8に10Vの電圧切替信号Xを出力する。すると、制御部4からスイッチング部3に出力される制御信号CTにより高周波整流回路6から出力される直流電圧Vdc2が7Vとなる。
【0059】
DC/DCコンバーター15は、直流電圧Vdc2から5Vの直流電圧Vdc3を生成して、マイコン9に供給する。
上記のように構成された直流モーター制御装置では、次に示す効果を得ることができる。
(1)動作モードではAC/DCコンバーター1から26Vの直流電圧Vdc2をモーター駆動回路7に供給して、モーター14を駆動することができるとともに、待機モードではAC/DCコンバーター1から7Vの直流電圧Vdc2を出力することができる。従って、待機モードにおいてAC/DCコンバーター1から26Vの直流電圧Vdc2を出力し続ける場合に比して、スイッチング部3、高周波トランス5及び高周波整流回路6での電力損失を削減することができる。
(2)動作モード及び待機モードで、AC/DCコンバーター1から出力される26V若しくは7Vの直流電圧Vdc2に基づいて、DC/DCコンバーター15により5Vの直流電圧Vdc3を生成してマイコン9に電源として供給することができる。従って、マイコン9を常時安定して動作させることができる。
(3)待機モードではAC/DCコンバーター1から7Vの直流電圧Vdc2を出力することができる。従って、待機モードでのDC/DCコンバーター15の効率を向上させて消費電力を低減することができる。
(4)待機モードではモーター駆動回路7への直流電圧Vdc2の供給を遮断することができる。従って、待機モードでのモーター駆動回路7での電力消費を確実に0とすることかできる。
(5)図5に示すように、この直流モーター制御装置及びモーター14の消費電力の総和Twは、モーター14が作動する動作モード時には40Wであり、モーター14が停止すると3W程度となる。そして、待機モード時にAC/DCコンバーター1から出力される直流電圧Vdc2を7Vに低下させ、かつモーター駆動回路7への直流電圧Vdc2の供給を遮断することにより、消費電力の総和Twを0.5W程度まで縮小することができる。
(6)待機モードとなる時間が動作モードとなる時間に比して充分に長い電動横型ブラインドでは、待機モード時の消費電力を低減することにより、総消費電力を大きく低減することができる。
【0060】
上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・電動横型ブラインド以外に、直流モーターを使用したロールブラインド、オーニング、シャッター、縦型ブラインド等の直流モーター制御装置として実施することもできる。
【符号の説明】
【0061】
1…AC/DCコンバーター、2…整流平滑回路、3…電圧調整部(スイッチング部)、4…電圧調整部(制御部)、5…高周波トランス、6…高周波整流回路、7…モーター駆動回路、8…電圧調整部(比較検出回路)、9…マイコン、12…スイッチ、14…直流モーター、15…DC/DCコンバーター、Vdc2…第一の直流電圧、Vdc3…第二の直流電圧、X…電圧切替信号、DV1…制御信号、Y…検出信号。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源の供給に基づいて直流電圧を生成するAC/DCコンバーターと、
前記AC/DCコンバーターから出力される直流電圧の供給に基づいて直流モーターを駆動するモーター駆動回路と、
前記モーター駆動回路を制御するマイコンと、
前記AC/DCコンバーターから出力される第一の直流電圧に基づいて前記マイコンに供給する第二の直流電圧を生成するDC/DCコンバーターと
を備えた直流モーター制御装置において、
待機モード時に、前記マイコンから出力される電圧切替信号に基づいて、前記AC/DCコンバーターで生成する前記第一の直流電圧を低下させる電圧調整部と、
待機モード時に、前記マイコンから出力される制御信号に基づいて、前記第一の直流電圧の前記モーター駆動回路への供給を遮断するスイッチと
を備えたことを特徴とする直流モーター制御装置。
【請求項2】
前記AC/DCコンバーターは、
交流電源を直流に整流する整流平滑回路と、
前記整流平滑回路から出力される直流電圧をスイッチングして高周波トランスの一次側コイルに供給するスイッチング部と、
前記高周波トランスの二次側コイルから出力されるスイッチング電圧を整流して出力する高周波整流回路と
を備え、
前記電圧調整部は、
前記第一の直流電圧と、前記マイコンから出力される電圧切替信号とを比較する比較検出回路と、
前記比較検出回路から出力される検出信号に基づいて、前記一次側コイルに供給するスイッチング電圧のデューティを制御して前記第一の直流電圧を制御する制御部と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の直流モーター制御装置。
【請求項3】
前記スイッチング部は、前記制御部から出力される制御信号に基づいてスイッチング動作するMOSトランジスタを前記高周波トランスの一次側コイルに介在させたことを特徴とする請求項2記載の直流モーター制御装置。
【請求項4】
交流電源の供給に基づいて直流電圧を生成するAC/DCコンバーターと、
前記AC/DCコンバーターから出力される直流電圧の供給に基づいて、直流モーターを駆動するモーター駆動回路と、
前記モーター駆動回路を制御するマイコンと、
前記AC/DCコンバーターから出力される第一の直流電圧に基づいて前記マイコンに供給する第二の直流電圧を生成するDC/DCコンバーターと
を備え、
前記直流モーターで日射遮蔽材を駆動する電動日射遮蔽装置において、
待機モード時に、前記マイコンから出力される電圧切替信号に基づいて、前記AC/DCコンバーターで生成する前記第一の直流電圧を低下させる電圧調整部と、
待機モード時に、前記マイコンから出力される制御信号に基づいて、前記第一の直流電圧の前記モーター駆動回路への供給を遮断するスイッチと
を備えたことを特徴とする電動日射遮蔽装置。
【請求項5】
交流電源をAC/DCコンバーターで直流電圧に変換して直流モーターを駆動するモーター駆動回路に供給するとともに、前記直流電圧をDC/DCコンバーターを介して前記モーター駆動回路を制御するマイコンに供給し、待機モード時に、前記マイコンから出力される電圧切替信号に基づいて、前記AC/DCコンバーターで生成する直流電圧を低下させるとともに、前記モーター駆動回路への直流電圧の供給を遮断することを特徴とする直流モーター制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−42619(P2013−42619A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178964(P2011−178964)
【出願日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(000250672)立川ブラインド工業株式会社 (224)
【出願人】(508207790)有限会社 和晃 (9)
【Fターム(参考)】