説明

着脱体および画像形成装置

【課題】被伝達部材からの振動の伝播による悪影響を低減すること。
【解決手段】着脱体の本体(31)に設けられ、着脱体の本体(31)が画像形成装置の本体(U1)に装着された場合に、位置決め部(1)に位置決めされる被位置決め部(52)と、着脱体の本体(31)に設けられ、着脱体の本体(31)が装着された場合に伝達部材(2)と連結され駆動が伝達される被伝達部材(46)であって、被駆動部材(CL1)に駆動を伝達する被伝達部材(46)と、着脱体の本体(31)に設けられ、着脱体の本体(31)が装着された場合に、被接触部(7)に接触して電気的に接続される接触部(61)であって、被位置決め部(52)と被伝達部材(46)とを通過する直線の被位置決め部(52)側の延長線上に少なくとも一部が配置された接触部(61)と、を備えたことを特徴とする着脱体(CA)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着脱体および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機やプリンタ等の画像形成装置では、現像剤等の消耗品を新たに補給したり、使用に伴って経時的に損耗する部材の交換、修理を容易とするために交換可能なユニットが広く使用されている。このようなユニットに関する技術として、下記の特許文献1、2記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1としての特開2003−195726号公報には、感光体ドラム(7)と、感光体ドラム(7)の表面の潜像を現像する現像ロール(10)と、画像形成装置に関する情報を記憶する記憶手段(20)と、を有するプロセスカートリッジ(B)において、感光体ドラム(7)の同軸延長線上にボス(12c1)が配置されると共に、感光体ドラム(7)の軸方向から見た場合に、記憶手段(20)と現像ロール(10)や現像剤送り部材(10b)とを結ぶ直線上にボス(12c1)が配置されていないように記憶手段(20)が配置された構成が記載されている。
特許文献1に記載の技術では、プロセスカートリッジ(B)が装置本体(A)に装着される場合に、プロセスカートリッジ(B)のボス(12c1)がカートリッジ位置決め部(15b)に位置決めされ、記憶手段(20)の接点部(21a,21b)が装置本体(A)の電気接続手段(31)に接続される。
【0004】
特許文献2としての特開2005−196144号公報には、感光体ドラム(107)と、現像ローラ(110)と、帯電ローラ(108)に給電する入力電気接点部材(141)と、を有するプロセスカートリッジ(B)において、感光体ドラム(107)の一端側に位置決め用のカートリッジガイド(140L1)が配置され且つ他端側に駆動が伝達されるカップリング(107a)およびカートリッジガイド(140R1)が配置され、ドラム軸(139)に交差する面内において、ドラム軸(139)からずれた位置に位置決め用のカートリッジガイド(140R2,140L2)が配置された構成が記載されている。そして、特許文献2記載の構成では、入力電気接点部材(141)は、カップリング(107a)とは反対側である一端側のカートリッジガイド(140L1)とカートリッジガイド(140L2)とを結ぶ直線からずれた位置に配置されている。
特許文献2に記載の技術では、プロセスカートリッジ(B)が装置本体(A)に装着される場合に、プロセスカートリッジ(B)のカートリッジガイド(140R1,140L1,140R2,140L2)が、装置本体(A)の位置決め部(130L1a,130R1a,130L2a,130R2a)に位置決めされ、入力電気接点部材(141)が装置本体(A)に設けられた出力電気接点部材(144)に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−195726号公報(「0036」〜「0038」、「0042」〜「0050」、図1〜図5、図7〜図9)
【特許文献2】特開2005−196144号公報(「0029」〜「0033」、「0043」、「0044」、「0046」〜「0048」、図1〜図8、図10〜図12)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、被伝達部材からの振動の伝播による悪影響を低減することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の着脱体は、
画像形成装置の本体に対して着脱可能に支持される着脱体の本体と、
前記着脱体の本体に設けられ、前記着脱体の本体が前記画像形成装置の本体に装着された場合に、前記画像形成装置の本体に設けられた位置決め部に位置決めされる被位置決め部と、
前記着脱体の本体に設けられ、前記着脱体の本体が前記画像形成装置の本体に装着された場合に、前記画像形成装置の本体に設けられた伝達部材と連結されて駆動が伝達される被伝達部材であって、前記着脱体の本体に設けられた被駆動部材に駆動を伝達する被伝達部材と、
前記着脱体の本体に設けられ、前記着脱体の本体が前記画像形成装置の本体に装着された場合に、前記画像形成装置の本体に設けられた被接触部に接触して電気的に接続される接触部であって、前記被位置決め部と前記被伝達部材とを通過する直線の被位置決め部側の延長線上に少なくとも一部が配置された前記接触部と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の着脱体において、
前記着脱体に関する情報を記憶する記憶部材により構成された前記接触部と、
前記記憶部材に記憶された情報を読み出す読み出し部材により構成された前記被接触部であって、前記着脱体の本体が前記画像形成装置の本体に装着された場合に、前記接触部に接触されて前記記憶部材と前記読み出し部材とが電気的に接続される前記被接触部と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の着脱体において、
前記画像形成装置の本体に対して前記着脱体の本体が装着される装着方向に対して前記位置決め部よりも上流側に設けられた前記接触部、
を備え、
前記着脱体の本体が前記画像形成装置の本体に装着される場合に、前記被位置決め部が位置決めされた後に、前記被接触部に対して前記接触部が接触する
ことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の着脱体において、
表面に画像を保持する像保持体の表面を清掃する清掃部材であって、前記被伝達部材により駆動が伝達されて回転する前記清掃部材により構成された前記被駆動部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の着脱体において、
前記被伝達部材を挟んで前記被位置決め部の反対側に配置され且つ前記被伝達部材と前記被位置決め部とを通過する直線の延長線上に少なくとも一部が配置された第2の被位置決め部であって、前記着脱体の本体が前記画像形成装置の本体に装着された場合に、前記画像形成装置の本体に設けられた第2の位置決め部に位置決めされる前記第2の被位置決め部と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の着脱体において、
表面に画像を保持する像保持体に設けられた軸方向に延びる孔状の前記第2の被位置決め部と、
前記画像形成装置の本体に回転可能に支持された回転軸により構成された前記第2の位置決め部であって、前記着脱体の本体が前記画像形成装置の本体に装着された場合に、前記第2の被位置決め部に嵌まって前記着脱体の本体を位置決めする前記第2の位置決め部と、
前記回転軸に支持された第2の伝達部材であって、前記着脱体の本体が前記画像形成装置の本体に装着された場合に、前記着脱体の本体に設けられた前記像保持体に駆動を伝達させる第2の被伝達部材と連結して駆動を伝達する第2の伝達部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の着脱体において、
前記第2の被位置決め部の内周面に設けられた通電可能な被接地部材と、
接地された接地部材を外周面に有する第2の位置決め部であって、前記着脱体の本体が前記画像形成装置の本体に装着された場合に、前記被接地部材と電気的に接続されて前記被接地部材を接地する前記接地部材を有する前記第2の位置決め部と、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
前記技術的課題を解決するために、請求項8に記載の画像形成装置は、
表面に画像を保持する前記像保持体と、前記像保持体表面の潜像を可視像に現像する現像装置と、を有する請求項1ないし7のいずれかに記載の着脱体と、
前記現像装置で現像された可視像を媒体に転写する転写器と、
前記媒体に転写された可視像を定着させる定着器と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1および8に記載の発明によれば、被位置決め部と被伝達部材とを通過する直線の被位置決め部側の延長線上に少なくとも接触部の一部が配置されない場合に比べて、被伝達部材からの振動の伝播による悪影響を低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、被伝達部材の振動の伝播による記憶部材と読み出し部材との接触部分への悪影響を低減することができる。
請求項3に記載の発明によれば、被位置決め部が位置決めされた後に、被接触部に対して接触部が接触しない場合に比べて、接触部と被接触部とを位置ずれが少ない状態で接触させることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、清掃部材に駆動を伝達する被伝達部材からの振動の伝播による悪影響を低減することができる。
請求項5に記載の発明によれば、第2の位置決め部が配置されない場合に比べて、被伝達部材からの第2の位置決め部側への振動の伝播による悪影響を低減することができる。
請求項6に記載の発明によれば、第2の被伝達部材の振動を第2の位置決め部が規制でき、第2の被伝達部材の振動の伝播による悪影響を低減することができる。
請求項7に記載の発明によれば、第2の位置決め部が接地部材を有しない場合に比べて、第2の位置決め部が位置決めする接地部材と被接地部材とを確実に接触させて接地することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図2】図2は本発明の実施例1の着脱体の要部拡大説明図である。
【図3】図3は本発明の実施例1の着脱体を取り外した状態の画像形成装置の本体の要部説明図である。
【図4】図4は本発明の実施例1の着脱体の説明図であり、図4Aは着脱体を左斜め後ろ上方から見た説明図、図4Bは画像形成装置の本体に装着された状態の着脱体を後方から見た説明図である。
【図5】図5は本発明の実施例1の画像形成装置の本体と着脱体の説明図であり、図5Aは画像形成装置の本体に着脱体が装着された状態の要部説明図であり、図5Bは図5Aに示す状態から着脱体が前方に移動した状態の要部説明図である。
【図6】図6は本発明の記憶部材と第2の被位置決め部とが被伝達部材と被位置決め部とを結ぶ直線の延長線上に少なくとも一部が配置されていない着脱体の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0019】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1において、実施例1の画像形成装置Uは、複写機により構成されている。前記画像形成装置Uは、上端に透明な原稿読取面の一例としてのプラテンガラスPGを有する画像形成装置の本体の一例としての複写機本体U1と、前記複写機本体U1のプラテンガラスPG上に置かれた自動原稿搬送装置U2とを有している。前記自動原稿搬送装置U2は、原稿供給部の一例として、複写しようとする複数の原稿Giが積載される原稿給紙トレイTG1を有している。前記原稿給紙トレイTG1に積載された複数の原稿Giは順次プラテンガラスPG上の予め設定された原稿読取位置に搬送されて、原稿排出部の一例としての原稿排紙トレイTG2に排出される。前記自動原稿搬送装置U2の後端部は、左右方向に延びる図示しない開閉軸により、前記複写機本体U1に対して回動可能に支持されており、自動原稿搬送装置U2は原稿GiがプラテンガラスPG上に置かれる際に上方に回動される。
【0020】
前記複写機本体U1は、利用者が作動指令信号を入力操作する操作部の一例としてのユーザインタフェースUIを有している。
前記複写機本体U1上面のプラテンガラスPGの下方には、原稿読取装置の一例としてのスキャナ部U1aが配置されている。前記スキャナ部U1aは、露光系の検出部材の一例として、露光基準位置の一例としてのプラテンレジ位置に配置された露光系レジセンサSpと、露光光学系Aとを有している。前記露光光学系Aは、その移動および停止が露光系レジセンサSpの検出信号により制御され、常時は初期位置の一例としてのホーム位置に停止している。前記自動原稿搬送装置U2によりプラテンガラスPG上面の原稿読取位置を通過する原稿Giからの反射光、または、手動でプラテンガラスPG上に置かれた原稿Giからの反射光は、前記露光光学系Aを介して、撮像素子CCDでR:赤、G:緑、B:青の電気信号に変換されて、画像処理部GSに入力される。
【0021】
前記画像処理部GSは、撮像素子CCDから入力される前記RGBの電気信号をK:黒、Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアンの画像情報の一例としての画像データに変換して一時的に記憶し、前記画像データを予め設定された時期に潜像形成用の画像データとして潜像形成駆動回路の一例としてのレーザ駆動回路DLに出力する。前記レーザ駆動回路DLは、入力された画像データに応じて駆動信号を潜像形成装置ROSに出力する。
【0022】
図2は本発明の実施例1の着脱体の要部拡大説明図である。
図1、図2において、前記潜像形成装置ROSの下方には、着脱体の一例としてのプロセスカートリッジCAが着脱可能に装着されている。
プロセスカートリッジCAは、像保持体の一例としての感光体ドラムPR、帯電器CCおよび清掃器の一例であって、被駆動部材の一例としての感光体クリーナCL1を有する。
【0023】
実施例1の感光体クリーナCL1は、収容容器の一例であって、清掃容器の一例としてのクリーナ容器CL1aと、清掃部材の一例として、クリーナ容器CL1a内に収容され且つ感光体ドラムPRに対向、接触して回転するクリーナブラシCL1bとを有する。クリーナブラシCL1bは、清掃部材の軸部の一例として、前後方向に延びる導電性部材により構成されたクリーナの軸部CL1cと、清掃部材の毛部の一例として、クリーナの軸部CL1cの径方向外側に向けて延びる導電性部材により構成されたブラシ毛CL1dとを有する。
クリーナ容器CL1aの内部には、弾き部材の一例として、板状のスクレーパCL1eがクリーナブラシCL1bに先端が食い込んだ状態で支持されており、クリーナブラシCL1bのブラシ毛CL1dを弾いてクリーナブラシCL1bに吸着された現像剤をクリーナ容器CL1a内に移動させる。スクレーパCL1eの下方には、クリーナ容器CL1a内に収容された現像剤を搬送する搬送部材の一例としての搬送オーガCL1fが配置されている。
【0024】
図1において、感光体ドラムPRは、矢印Ya方向に回転しており、その表面は、除電器JRにより除電されて、帯電器CCにより一様に帯電された後、潜像書込位置Q1において前記潜像形成装置ROSの潜像書込光の一例としてのレーザビームLにより露光走査されて静電潜像が形成される。多色画像の一例としてのカラー画像が形成される場合は、感光体ドラムPR表面にK:黒、Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアンの4色の画像に対応した静電潜像が順次形成され、単色画像の一例としてのモノクロ画像が形成される場合は、感光体ドラムPR表面にK:黒の画像に対応した静電潜像のみが形成される。
【0025】
図1において、前記静電潜像が形成された感光体ドラムPR表面は回転移動して現像領域Q2、1次転写領域Q3を順次通過する。
前記感光体ドラムPRの右方には、回転式の現像装置の一例としてのロータリ式の現像装置Gが現像領域Q2で感光体ドラムPRに対向して配置されている。前記現像装置Gは、K:黒、Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアンの4色の現像器GK,GY,GM,GCを有しており、前記現像器GK,GY,GM,GCは、前記現像装置Gの現像回転軸Gaの回転に伴って前記現像領域Q2に順次回転移動する。前記現像器GK,GY,GM,GCは、前記現像領域Q2に現像剤を搬送する現像剤保持体の一例としての現像ロールGRを有しており、現像領域Q2を通過する感光体ドラムPR上の静電潜像を可視像の一例としてのトナー像Tnに現像する。前記各現像器GK,GY,GM,GCには現像剤収容容器の一例としてのトナーカートリッジTcから新規の現像剤が補給されるように構成されている。また、感光体ドラムPRの現像領域Q2の下流側には、現像剤漏出防止部材の一例として、現像領域Q2で現像ロールGRと感光体ドラムPRとの間で発生する雲状の浮遊トナー、いわゆる、クラウド状のトナーが複写機本体U1内部に漏出することを防止するシールロールSRが配置されている。
【0026】
図1において、前記感光体ドラムPRの下方には、中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、中間転写体の一例であって、第2の回転体の一例としての中間転写ベルトBを有する。前記中間転写ベルトBは1次転写領域Q3で感光体ドラムPRに対向して配置されている。前記中間転写ベルトBは、中間転写体の駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、中間転写体の張架部材の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止部材の一例としてのウォーキングロールRw、中間転写体の従動部材の一例としてのアイドラロールRfおよび2次転写対向部材の一例としてのバックアップロールT2aを含む中間転写体の支持部材の一例としてのベルト支持ロール(Rd,Rt,Rw,Rf,T2a)と、1次転写部材の一例としての1次転写ロールT1と、により回転移動可能に支持されている。
前記中間転写ベルトBと、ベルト駆動ロールRdと、テンションロールRtと、ウォーキングロールRwと、アイドラロールRfと、バックアップロールT2aと、1次転写ロールT1とにより、実施例1のベルトモジュールBMが構成されている。
【0027】
カラー画像が形成される場合、潜像書込位置Q1において第1色目の静電潜像が形成され、現像領域Q2において1色目のトナー像Tnが形成される。このトナー像Tnは、1次転写領域Q3を通過する際に、1次転写ロールT1によって中間転写ベルトB上に1次転写される。その後同様にして、第1色目のトナー像Tnが転写された中間転写ベルトB上に、第2色目、第3色目、第4色目のトナー像Tnが順次重ねて1次転写され、最終的にカラーの多重トナー像が中間転写ベルトB上に形成される。モノクロ画像が形成される場合にはK:黒の現像器GKのみを使用し、単色トナー像が中間転写ベルトB上に1次転写される。1次転写後、感光体ドラムPR表面は、除電器JRにより除電され、感光体クリーナCL1により清掃される。
【0028】
図1において、前記バックアップロールT2aの下方には、2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bが前記バックアップロールT2aに対して離隔した位置と接触した位置との間で移動可能に配置されている。前記バックアップロールT2aおよび2次転写ロールT2bの接触領域により2次転写領域Q4が形成されている。前記バックアップロールT2aには、現像装置Gで使用するトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が電源回路Eから供給され、前記電源回路Eは読み出し部材の一例であって制御部の一例としてのコントローラCにより制御される。前記バックアップロールT2aと前記2次転写ロールT2bとにより、転写器の一例として、実施例1の2次転写器T2が構成されている。
【0029】
媒体供給部の一例としての給紙トレイTR1,TR2に収容された媒体の一例としての記録シートSは、予め設定された時期に、媒体取出し部材の一例としてのピックアップロールRpにより取り出され、媒体捌き部材の一例としての捌きロールRsで1枚づつ分離されて、媒体供給路の一例としてのシート供給路SH1に搬送される。前記シート供給路SH1に供給された記録シートSは、媒体搬送部材の一例としての複数の搬送ロールRaにより、媒体搬送時期調節部材の一例としてのレジロールRrに搬送される。前記レジロールRrに搬送された記録シートSは、1次転写された多重トナー像または単色トナー像が2次転写領域Q4に移動するのに時期を合わせて、転写前の媒体案内部材の一例としての転写前シートガイドSG1から2次転写領域Q4に搬送される。前記2次転写領域Q4において前記2次転写器T2は、中間転写ベルトB上のトナー像を記録シートSに2次転写する。2次転写後の中間転写ベルトBは中間転写体の清掃器の一例としてのベルトクリーナCL2により清掃されて残留トナーが除去される。
【0030】
前記2次転写ロールT2bおよびベルトクリーナCL2は、中間転写ベルトBと離隔および接触自在に配設されており、カラー画像が形成される場合には最終色の未定着トナー像が中間転写ベルトBに1次転写されるまで、中間転写ベルトBから離隔している。
トナー像が2次転写された前記記録シートSは、転写後の媒体案内部材の一例としての転写後シートガイドSG2、媒体吸着搬送部材の一例としてのシート搬送ベルトBHにより定着領域Q5に搬送される。定着領域Q5は定着装置Fの加熱部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧部材の一例としての加圧ロールFpとが圧接する領域であり、定着領域Q5を通過する記録シートSは、定着装置Fにより加熱定着される。
【0031】
トナー像が定着された記録シートSは、媒体排出路の一例として、定着領域Q5の下流側のシート排出路SH2を搬送され、媒体排出部材の一例としてのシート排出ロールRhによって、媒体排出口の一例としてのシート排出口Rhaから外部に排出される。シート排出口Rhaから排出された記録シートSは、媒体排出部の一例としての排紙トレイTRh上に排出されて積載される。
シート排出路SH2には、シート排出ロールRhの上流側に、媒体反転路の一例としてのシート反転路SH3が接続されており、シート排出路SH2とシート反転路SH3の接続部には、搬送先切替部材の一例としての切替ゲートGT1が設けられている。前記切替ゲートGT1は、シート排出路SH2を搬送されてきた記録シートSを、前記シート排出ロールRh側、または、シート反転路SH3側のいずれかに選択的に切り替える。
【0032】
前記シート反転路SH3には、媒体循環路の一例としてのシート循環路SH4が接続されており、シート反転路SH3とシート循環路SH4の接続部には、第2の搬送先切替部材の一例としての切替ゲートGT2が設けられている。前記切替ゲートGT2は前記切替ゲートGT1からシート反転路SH3を搬送されてきた記録シートSをそのまま通過させるとともに、一旦通過してから逆送されて来た記録シートSを、シート循環路SH4側に向かわせる。シート循環路SH4に搬送された記録シートSは前記シート供給路SH1を通って前記2次転写領域Q4に再送される。前記符号SH1〜SH4で示された要素により、媒体搬送路の一例としてのシート搬送路SHが構成されている。また、前記符号Rp,Rs,Rr,Ra,SG1,SG2,BHで示された要素により、媒体搬送装置の一例としてのシート搬送装置SUが構成されている。
【0033】
(着脱体の説明)
図3は本発明の実施例1の着脱体を取り外した状態の画像形成装置の本体の要部説明図である。
図4は本発明の実施例1の着脱体の説明図であり、図4Aは着脱体を左斜め後ろ上方から見た説明図、図4Bは画像形成装置の本体に装着された状態の着脱体を後方から見た説明図である。
図5は本発明の実施例1の画像形成装置の本体と着脱体の説明図であり、図5Aは画像形成装置の本体に着脱体が装着された状態の要部説明図であり、図5Bは図5Aに示す状態から着脱体が前方に移動した状態の要部説明図である。
【0034】
図3、図5において、実施例1の前記複写機本体U1の内部には、前記潜像形成装置ROSの下方に、プロセスカートリッジCAが着脱される空間が設けられている。
プロセスカートリッジCAが着脱される空間の後端には、前記感光体ドラムPRに対応する位置に、回転軸の一例、第2の位置決め部の一例および接地部材の一例として、前方に突出する駆動軸1が配置されている。駆動軸1の先端部には、先端にいくに連れて径が細くなる円錘状の案内部1aが形成されている。駆動軸1の後部には、第2の伝達部材の一例として、駆動軸1の径方向に貫通し且つ両端が駆動軸1から突出した棒状のドラム係合部材1bが支持されている。また、駆動軸1には、駆動源の一例としての感光体用のモータM1から駆動が伝達される。また、駆動軸1は導電性部材の一例としての金属で形成されており、複写機本体U1に設けられた複写機の接地部の一例としての図示しないアースに電気的に接続されている。
【0035】
前記駆動軸1の右上方且つ感光体クリーナCL1に対応する位置には、伝達部材2が配置されている。伝達部材2は、前方に向けて突出する伝達軸3を有しており、伝達軸3の前端には、伝達部材の本体の一例として、駆動カップリング4が支持されている。また、伝達軸3は、清掃部材用の駆動源の一例としてのクリーナ用のモータM2から駆動が伝達される。
前記伝達部材2の右上方には、位置決め部の一例として、前方に向けて突出する位置決めピン6が配置されている。なお、図3において、実施例1の位置決めピン6は、前方から見た場合に、前記駆動軸1と前記伝達部材3とを結ぶ延長線上の位置に配置されている。
【0036】
前記位置決めピン6の右上方には、被接触部の一例としての本体側コネクタ7が設けられている。実施例1の本体側コネクタ7は、前方から見た場合に、前記駆動軸1、前記伝達部材2および前記位置決めピン6を結ぶ延長線上の位置に配置されている。本体側コネクタ7は、被接続用の端子の一例として、左方に突出するコネクタ端子8を有し、コネクタ端子8は、弾性変形可能な板バネ状の金属材料により構成されている。実施例1のコネクタ端子8の前端は、駆動軸1、伝達部材2および位置決めピン6の前端よりも後方に配置されている。すなわち、コネクタ端子8と比べて、駆動軸1、伝達部材2および位置決めピン6はプロセスカートリッジCAが着脱される空間に向けて突出している。
【0037】
本体側コネクタ7は、伝送線の一例としての図示しないハーネスを介して、複写機本体U1に内蔵されたコントローラCに電気的に接続されている。なお、実施例1の複写機本体U1のコントローラCは、小型の情報処理装置、いわゆるマイクロコンピュータにより構成されており、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O、必要な処理を実行するためのプログラム、および、データ等が記憶されたROM、必要なデータを一時的に記憶するためのRAMや、HDD、前記ROMや、前記HDDに記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU、ならびにクロック発振器等を有しており、前記ROMに記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0038】
図4Aにおいて、プロセスカートリッジCAは、着脱体本体の一例として、前後方向に延びるカートリッジ本体31を有する。
実施例1のカートリッジ本体31は、前記感光体ドラムPR、前記感光体クリーナCL1、前記帯電器CC、および前記除電器JRを有する。
図2、図4Aにおいて、カートリッジ本体31の前端には、前側覆部の一例としての前側カバー31aが支持されている。
【0039】
カートリッジ本体31の後端部には、後側支持部材の一例として、板状の後側カバー32が支持されている。
後側カバー32の右側の下部および左側の上端部には、螺子開口33,34が形成されており、螺子36,37により後側カバー32がカートリッジ本体31に固定されている。
螺子開口33の右方には、漏出防止部材用の開口の一例として、シールロール用の開口38が形成されている。シールロール用の開口38には、前記シールロールSRの後端部に支持された被駆動部材の一例としての被駆動カップリング39が収容されている。プロセスカートリッジCAが複写機本体U1に装着されると、被駆動カップリング39は、複写機本体U1に設けられた図示しない駆動部材の一例としての駆動カップリングと噛み合って駆動が伝達され、シールロールSRが回転する。
【0040】
図4において、螺子開口33の左上方には、第2の被位置決め部の一例として、駆動軸1に対応する位置に、前記駆動軸1が貫通可能な孔状の感光体用の被位置決め孔41が形成されている。
図4、図5において、被位置決め孔41の前方に被位置決め孔41と同軸上に配置された前記感光体ドラムPRは、像保持体の本体の一例であって被接地部材の一例として、前後方向に延びる円筒状のドラム本体PRaを有する。前記ドラム本体PRaには、第2の被位置決め部の一例として、内部を軸方向に貫通する軸挿入孔PRbが形成されている。軸挿入孔PRbは、駆動軸1の外径に対応する内径を有し、駆動軸1が案内部1aで案内され挿入された場合に、駆動軸1との嵌まり合いで位置決めされる。なお、実施例1のドラム本体PRaは、内周側に配置された導電性を有する円筒状の金属により構成された基材と、基材の外表面に1以上の層を有する感光体層とを有する従来公知の感光体ドラムにより構成されている。なお、実施例1のドラム本体PRaでは、基材が接地される被接地部材としての機能を有する。よって、ドラム本体PRaは、駆動軸1が挿入された場合に駆動軸1と接触して電気的に接続される。ドラム本体PRaの後端には、第2の被伝達部材の一例として、前記ドラム係合部材1bに対応し、ドラム本体PRaの回転中心から径方向に延びる溝状の感光体の被係合部PRcが形成されており、図5Aに示すようにドラム係合部材1bが感光体の被係合部PRcに嵌まると、駆動軸1から感光体ドラムPRに回転が伝達可能となる。
【0041】
感光体用の被位置決め孔41の左方には、感光体クリーナCL1に対応して、前記後カバー32を左端から左右方向の中央部まで切り欠いた形状の開口42が形成されている。開口42の右下部には、除電器の被給電部の一例としての除電器用のコネクタ43が配置されている。除電器用のコネクタ43は、図示しない除電器用の配線を介して、前記除電器JRと電気的に接続されている。プロセスカートリッジCAが複写機本体U1に装着されると、除電器の被給電コネクタ43は、複写機本体U1に設けられた図示しない給電用のコネクタと嵌まり合い、除電器JRと電気回路Eとが電気的に接続されて、除電器JRに給電が行われる。
【0042】
除電器の被給電コネクタ43の右上方には、清掃部材用の被給電部の一例としてのクリーナ用のコネクタ44が配置されている。クリーナ用のコネクタ44は、図示しない清掃部材用の配線を介して、クリーナの軸部CL1cと電気的に接続されている。プロセスカートリッジCAが複写機本体U1に装着されると、クリーナ用のコネクタ44は複写機本体U1に設けられた図示しない給電用のコネクタと嵌まり合い、クリーナの軸部CL1cを介して、クリーナブラシCL1bと電気回路Eとが電気的に接続され、トナーをクリーナブラシCL1bに電気的に吸着する電圧が印加される。
【0043】
クリーナ用の被給電コネクタ44の左上方には、前記クリーナの軸部CL1cが支持されており、クリーナの軸部CL1cの後端部には、被伝達部材の一例として、クリーナのカップリング46が支持されている。また、実施例1のクリーナのカップリング46は、前記駆動カップリング4に対応して配置されており、プロセスカートリッジCAが複写機本体U1に装着されると、駆動カップリング4と噛み合って駆動が伝達されて、感光体クリーナCL1に回転が伝達可能になる。
【0044】
クリーナのカップリング46の左下方には、搬送部の一例として、前記クリーナ容器CL1aから後方に延びる筒状の残留現像剤の搬送筒47が配置されている。残留現像剤の搬送筒47には、感光体クリーナCL1の排出オーガCL1fの後端部が収容されており、残留現像剤の搬送筒47の後端には図示しない排出口が形成されている。
排出オーガCL1fの前端には、図示しない歯車が支持されており、前記クリーナの軸部CL1cの前端に支持された図示しない歯車と噛み合って、駆動が伝達可能になっている。したがって、駆動カップリング4からクリーナブラシCL1bに駆動が伝達されて、排出オーガCL1fが回転すると、前記クリーナ容器CL1a内の現像剤が後方に搬送され、残留現像剤の搬送筒47の排出口から排出される。排出された現像剤は、前記複写機本体U1に設けられて、排出口に接続される図示しない回収容器に回収される。
【0045】
クリーナのカップリング46の左上方には、被位置決め部の一例として、前記位置決めピン6に対応して上下方向に延びる長孔状の被位置決め孔52が形成されている。実施例1の長孔状の被位置決め孔52は、短径の内径が位置決めピン6の外径に対応して形成されており、プロセスカートリッジCAが複写機本体U1に装着され、位置決めピン6が被位置決め孔52に嵌め込まれた場合に、位置決めピン6により被位置決め孔52の左右方向の位置が位置決めされる。
なお、図4Bにおいて、実施例1の感光体用の被位置決め孔41、クリーナのカップリング46および被位置決め孔52を後方から見ると、被位置決め孔52の外径の円と、クリーナのカップリング46の外径の円との2本の共通接線53,54の延長線に挟まれた領域56には、感光体用の被位置決め孔41の一部が含まれた状態で配置されている。
【0046】
被位置決め孔52の左上方の位置であって、後側カバー32左端の上端部の本体側コネクタ7に対応する位置には、接触部の一例として、記憶部材61、いわゆる、CRUM(CRUM:Customer Replaceable Unit Memory)が支持されている。なお、実施例1の記憶部材61には、感光体ドラムPRの累積回転回数や累積印刷枚数等の寿命に関する情報等が記憶されている。また、図4Bにおいて、実施例1の記憶部材61は、後方から見た場合に、前記2本の共通接線の延長線53,54に挟まれた領域56に一部が含まれる位置に配置されている。
【0047】
なお、実施例1の記憶部材61は、樹脂材料の一例としてのエポキシ樹脂により構成された基板61aを有し、基板61aには、従来公知の図示しない記憶素子および電気回路が配置されている。基板61aの左面には、記憶部材61は、接続用の端子の一例として、前記コネクタ端子8に対応する位置に前後方向に延びるCRUMのコネクタ61bが支持されており、CRUMのコネクタ61bは電気回路を介して記憶素子に電気的に接続されている。
前記CRUMのコネクタ61bは、導電性金属材料の一例としての金が基板61aに鍍金されて形成されている。すなわち、いわゆる、金メッキがされて構成されている。なお、実施例1では、基板61aおよびCRUMのコネクタ61bの材料とにエポキシ樹脂や金を例示したが、材料はこれに限定されず、設計や仕様等に応じて任意に変更可能である。
【0048】
プロセスカートリッジCAが複写機本体U1に装着されると、CRUMのコネクタ61bは本体側コネクタ7のコネクタ端子8を弾性変形させて付勢された状態で接続される。よって、記憶部材61とコントローラCとが電気的に接続されて、情報の送受信が可能になる。
また、実施例1のCRUMのコネクタ61bは、プロセスカートリッジCAが複写機本体U1に装着される際に、第2の被位置決め孔41および被位置決め孔52に対して、本体側コネクタ8よりも前方に突出した駆動軸1および位置決めピン6が嵌め込まれた後に、コネクタ端子8と接触するように構成されている。
すなわち、プロセスカートリッジCAの位置決めがされた後にCRUMのコネクタ61bと本体側コネクタ8とが接触するように駆動軸1、位置決めピン6、第2の被位置決め孔41および被位置決め孔52等の各部材が配置されている。
【0049】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の画像形成装置Uでは、プロセスカートリッジCAが装着された状態の複写機本体U1において、画像形成動作の一例としてのジョブが開始されると、図示しないモータが駆動して伝達部材2が回転駆動する。そして、伝達部材2の回転駆動が伝達すると、複写機本体U1側の駆動カップリング4からプロセスカートリッジCA側のクリーナのカップリング46に駆動が伝達されて、クリーナブラシCL1bと排出オーガCL1fとが回転駆動する。
【0050】
ここで、駆動カップリング4とクリーナのカップリング46には、製造誤差や装着時のズレ等が存在し、駆動カップリング4からクリーナのカップリング46に駆動が伝達される際に、回転に伴って、周期的な振動が発生する場合がある。
駆動カップリング4とクリーナのカップリング46との間で周期的な振動が発生すると、カートリッジ本体31に伝達されて、カートリッジ31本体が振動してしまう恐れがある。
【0051】
図6は記憶部材と第2の被位置決め部とが被伝達部材と被位置決め部とを結ぶ直線の延長線上に少なくとも一部が配置されていない着脱体の説明図である。
ここで、クリーナのカップリング46と記憶部材61との間に被位置決め孔52が配置されていない構成、すなわち、図6に示すように、クリーナのカップリング46と被位置決め孔52との2本の共通接線53,54の延長線に挟まれた領域56に記憶部材061が配置されていない場合を考える。図6に示す、クリーナのカップリング46で振動が発生すると、カートリッジ本体31を介して、記憶部材061に直接振動が伝達されてしまう。よって、記憶部材061の振動に伴って、記憶部材061と本体側コネクタ7とが擦れて、コネクタ端子8やCRUMのコネクタ61bが損耗してしまい、コネクタ端子8とCRUMのコネクタ61bとの間で接触不良が生じ、コントローラCと記憶部材061との間で導通不良や信号の送受信不良等が発生する恐れがある。
【0052】
これに対して、実施例1では、クリーナのカップリング46と記憶部材61との間に被位置決め孔52が配置されており、位置決めピン6により位置が決められ、固定されている被位置決め孔52において、クリーナのカップリング46からの振動が減衰され、クリーナのカップリング46と被位置決め孔52との延長線上に配置された記憶部材61に伝達される振動が低減される。
したがって、クリーナのカップリング46と被位置決め孔52との2本の共通接線53,54の延長線に挟まれた領域56に記憶部材061が配置されていない構成に比べて、コネクタ端子8やCRUMのコネクタ61bの損耗が低減されて、コネクタ端子8とCRUMのコネクタ61bとの間の接触不良が低減され、コントローラCと記憶部材61との間で導通不良や信号の送受信不良等の発生が低減される。
【0053】
特に、実施例1のように、プロセスカートリッジCAの着脱方向に対して側方に露出するCRUMのコネクタ61bと本体側コネクタ7とを電気的に接続させる構成では、一方が他方に嵌まって連結された状態で電気的に接続される連結構造、例えば、モジュラジャック等の構成と比べて、カートリッジ31本体が振動した場合に、コネクタ部分で影響を受け易くなっている。これに対応して、実施例1の構成では、コネクタに対する振動の影響が低減されており、コネクタが側方に露出している場合でも、振動の悪影響に伴う問題が発生し難くなっている。
【0054】
また、ここで、第2の被位置決め孔41と被位置決め孔52との間にクリーナのカップリング46が配置されていない構成、すなわち、図6に示すように、クリーナのカップリング46と被位置決め孔52との2本の共通接線53,54の延長線に挟まれた領域56に第2の被位置決め孔041が配置されていない場合を考える。
図6に示す、クリーナのカップリング46で振動が発生すると、クリーナのカップリング46と被位置決め孔52との関係では、被位置決め孔52の反対側には振動が減衰することなく伝わり、また、クリーナのカップリング46と第2の被位置決め孔041との関係では、第2の被位置決め孔041の反対側には振動が減衰することなく伝わる。よって、全体として、クリーナのカップリング46からの振動が、プロセスカートリッジCAに与える影響が大きくなりやすくなっている。
【0055】
これに対して、実施例1では、クリーナのカップリング46が領域56に配置されており、クリーナのカップリング46の両側で被位置決め孔41,52により固定された状態になっている。よって、全体として、クリーナのカップリング46からの振動が両側の被位置決め孔41,52で抑えられ、プロセスカートリッジCAに与える影響が図6に示す場合に比べて限定的になる。
【0056】
ここで、一般にクリーナブラシCL1bに比べて、大型で重量のある感光体ドラムPRを回転させるトルクは、クリーナのカップリング46に作用するトルクよりも大きく設定されており、感光体ドラムPRの回転に伴って振動が発生した場合、振動の影響が大きくなり易い。仮に、感光体ドラムPRの周囲近傍で第2の被位置決め部41が位置決めしていない構成では、プロセスカートリッジCAに対する感光体ドラムPRで発生した振動の悪影響が大きくなる恐れがある。
【0057】
これに対して、実施例1では、駆動軸1の外周を囲むように第2の被位置決め部41が位置決めしており、第2の被位置決め部41によりクリーナのカップリング46で発生する振動のプロセスカートリッジCAに対する影響が抑えられると共に、トルクの大きな感光体ドラムPRで発生する振動の影響が抑えられている。よって、感光体ドラムPRの周囲近傍で第2の被位置決め部41が位置決めをしない構成に比べて、感光体ドラムPRと現像装置Gとの間の振動により発生する縞模様の画像不良、いわゆるバンディングの発生が低減される。
【0058】
また、実施例1では、プロセスカートリッジCAが複写機本体U1に装着される際に、プロセスカートリッジCAの位置決めがされた後にCRUMのコネクタ61bと本体側コネクタ8とが接触するように駆動軸1、位置決めピン6、第2の被位置決め孔41および被位置決め孔52等の各部材が配置されている。したがって、プロセスカートリッジCAを装着させる際に、まず、第2の被位置決め孔41と被位置決め孔52とが駆動軸1と位置決めピン6とに途中まで嵌まって位置決めされた後に、CRUMのコネクタ61bと本体側コネクタ8とが接触する。よって、位置決めがされる前にCRUMのコネクタ61bと本体側コネクタ8とが接触する場合に比べて、CRUMのコネクタ61bと本体側コネクタ8とが接触する際に、CRUMのコネクタ61bと本体側コネクタ8との相対的な位置ずれが低減され、CRUMのコネクタ61bと本体側コネクタ8とが擦れてコネクタが削れることが低減される。
【0059】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H09)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としての画像形成装置Uを例示したが、これに限定されず、例えば、プリンタ、FAX、あるいはこれらの複数または全ての機能を有する複合機等により構成することも可能である。
(H02)前記実施例において、画像形成装置Uは、4色の現像剤が使用される構成を例示したが、これに限定されず、例えば、単色の画像形成装置や、5色以上または3色以下の多色の画像形成装置にも適用可能である。
【0060】
(H03)前記実施例において、1組の被位置決め孔52および位置決めピン6が配置された構成を例示したが、これに限定されず、被位置決め部および位置決め部の数は任意に変更可能であり、被位置決め部および位置決め部を2組以上配置する構成とすることも可能である。また、被位置決め部をピン状の突起部材とし、位置決め部を孔状の位置決め孔とする等、設計に応じて位置決め部および被位置決め部の形状を任意に変更可能である。
(H04)前記実施例において、被伝達部材の一例として、クリーナブラシCL1bを駆動させるクリーナのカップリング46を配置させた構成を例示したが、これに限定されず、例えば、クリーナのカップリング46に替えて、排出オーガCL1fを駆動させる被伝達部材としたり、また、その他の被駆動部材を駆動させる被伝達部材とすることも可能である。
【0061】
(H05)前記実施例において、駆動軸1の外周を囲むように感光体用の被位置決め孔41が位置決めする構成を例示したが、これに限定されない。例えば、駆動軸1からずれた位置に感光体用の被位置決め孔41を配置することも可能である。この場合、位置決めするための構成を、駆動軸1および感光体用の被位置決め孔41に替えて、1組以上のピン状の位置決め部および孔状の被位置決め部で位置決めする構成とすることも可能である。また、実施例1の駆動軸1および感光体用の被位置決め孔41の近傍に1組以上の位置決め部および被位置決め部を追加した構成とすることも可能である。また、駆動軸1の外周で位置決めする構成が望ましいが、駆動軸1の外周で位置決めせず、第2の位置決め部および第2の被位置決め部を省略する構成とすることも可能である。
【0062】
(H06)前記実施例において、後方から見た場合に、領域56における被位置決め孔52側の領域56aに一部が含まれた状態で記憶部材61が配置された構成を例示したが、これに限定されず、領域56に記憶部材61の一部が含まれる範囲内で被位置決め孔52および位置決めピン6や、記憶部材61、クリーナのカップリング46の位置を変更したり、後方から見た場合に、領域56aに全部が含まれた状態で記憶部材61が配置される構成も可能である。
【0063】
(H07)前記実施例において、着脱体に関する情報を記憶する記憶部材61および対応する本体側コネクタ7を例示したが、これに限定されない。例えば、記憶部材61および本体側コネクタ7に替えて、領域56aにクリーナを除電または給電するコネクタ44′を設け、コネクタ44′に接触可能なコネクタを複写機本体U1に設けることも可能である。あるいは、記憶部材61と、クリーナ用のコネクタ44′の両方を領域56aに配置したり、プロセスカートリッジCAの振動に伴って、擦れてしまい損耗する等の問題が生じる恐れがある導電性部材の一例としての金属で形成された接触部を配置する構成も可能である。
【0064】
(H08)前記実施例において、着脱体の一例として、感光体ドラムPR、帯電器CCおよび感光体クリーナCL1を有するプロセスカートリッジCAを例示したが、これに限定されない。例えば、帯電器CCが設けられていない構成や、感光体ドラムPR、帯電器CCおよび感光体クリーナCL1の他に現像装置等の部材が追加された構成も可能である。
【0065】
(H09)前記実施例において、着脱体の一例として、プロセスカートリッジCAを例示したが、これに限定されない。例えば、感光体ドラムに対向する無端状のベルトと、ベルトを回転させる駆動ロールと、ベルトの内部に配置されて感光体ドラムの表面の画像をベルト側に転写する転写部材とを有する着脱体の一例としてのベルトモジュールにおいて、被駆動部材の一例としての駆動ロールと、転写部材に転写電圧の供給を行う接触部の一例としての給電コネクタとを有する構成に適用することも可能である。また、現像器に補給される現像剤が収容される着脱体の一例としてのトナーカートリッジにおいて、被駆動部材の一例としてのトナーカートリッジ内の現像剤搬送部材と、トナーカートリッジ内の現像剤が空であるか否かを記憶する記憶部材や現像剤の濃度を検知する検知部材等に電気的に接続された接触部の一例としてのコネクタとを有する構成に適用することも可能である。さらに、画像が記録される媒体が収容される着脱体の一例としての給紙トレイにおいて、媒体を昇降させるための被駆動部材の一例としての昇降機構と、収容された媒体の大きさを検知するセンサに電気的に接続された接触部の一例としてのコネクタとを有する構成にも適用可能である。この他にも、ロールや搬送部材等の被駆動部材と、給電や信号等の送受信を行うための接触部とを有する着脱体に適用可能である。
【符号の説明】
【0066】
1…第2の位置決め部、回転軸、接地部材、1b…第2の伝達部材、2…伝達部材、6…位置決め部、7…被接触部、31…着脱体の本体、41,PRb…第2の被位置決め部、46…被伝達部材、52…被位置決め部、61…接触部、C…読み出し部材、CA…着脱体、CL1…被駆動部材、CL1b…清掃部材、F…定着器、G…現像装置、PR…像保持体、PRa…被接地部材、PRb…第2の被位置決め部、PRc…第2の被伝達部材、S…媒体、T2…転写器、U…画像形成装置、U1…画像形成装置の本体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の本体に対して着脱可能に支持される着脱体の本体と、
前記着脱体の本体に設けられ、前記着脱体の本体が前記画像形成装置の本体に装着された場合に、前記画像形成装置の本体に設けられた位置決め部に位置決めされる被位置決め部と、
前記着脱体の本体に設けられ、前記着脱体の本体が前記画像形成装置の本体に装着された場合に、前記画像形成装置の本体に設けられた伝達部材と連結されて駆動が伝達される被伝達部材であって、前記着脱体の本体に設けられた被駆動部材に駆動を伝達する被伝達部材と、
前記着脱体の本体に設けられ、前記着脱体の本体が前記画像形成装置の本体に装着された場合に、前記画像形成装置の本体に設けられた被接触部に接触して電気的に接続される接触部であって、前記被位置決め部と前記被伝達部材とを通過する直線の被位置決め部側の延長線上に少なくとも一部が配置された前記接触部と、
を備えたことを特徴とする着脱体。
【請求項2】
前記着脱体に関する情報を記憶する記憶部材により構成された前記接触部と、
前記記憶部材に記憶された情報を読み出す読み出し部材により構成された前記被接触部であって、前記着脱体の本体が前記画像形成装置の本体に装着された場合に、前記接触部に接触されて前記記憶部材と前記読み出し部材とが電気的に接続される前記被接触部と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の着脱体。
【請求項3】
前記画像形成装置の本体に対して前記着脱体の本体が装着される装着方向に対して前記位置決め部よりも上流側に設けられた前記接触部、
を備え、
前記着脱体の本体が前記画像形成装置の本体に装着される場合に、前記被位置決め部が位置決めされた後に、前記被接触部に対して前記接触部が接触することを特徴とする請求項1または2に記載の着脱体。
【請求項4】
表面に画像を保持する像保持体の表面を清掃する清掃部材であって、前記被伝達部材により駆動が伝達されて回転する前記清掃部材により構成された前記被駆動部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の着脱体。
【請求項5】
前記被伝達部材を挟んで前記被位置決め部の反対側に配置され且つ前記被伝達部材と前記被位置決め部とを通過する直線の延長線上に少なくとも一部が配置された第2の被位置決め部であって、前記着脱体の本体が前記画像形成装置の本体に装着された場合に、前記画像形成装置の本体に設けられた第2の位置決め部に位置決めされる前記第2の被位置決め部と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の着脱体。
【請求項6】
表面に画像を保持する像保持体に設けられた軸方向に延びる孔状の前記第2の被位置決め部と、
前記画像形成装置の本体に回転可能に支持された回転軸により構成された前記第2の位置決め部であって、前記着脱体の本体が前記画像形成装置の本体に装着された場合に、前記第2の被位置決め部に嵌まって前記着脱体の本体を位置決めする前記第2の位置決め部と、
前記回転軸に支持された第2の伝達部材であって、前記着脱体の本体が前記画像形成装置の本体に装着された場合に、前記着脱体の本体に設けられた前記像保持体に駆動を伝達させる第2の被伝達部材と連結して駆動を伝達する第2の伝達部材と、
を備えたことを特徴とする請求項5に記載の着脱体。
【請求項7】
前記第2の被位置決め部の内周面に設けられた通電可能な被接地部材と、
接地された接地部材を外周面に有する第2の位置決め部であって、前記着脱体の本体が前記画像形成装置の本体に装着された場合に、前記被接地部材と電気的に接続されて前記被接地部材を接地する前記接地部材を有する前記第2の位置決め部と、
を備えたことを特徴とする請求項6に記載の着脱体。
【請求項8】
表面に画像を保持する前記像保持体と、前記像保持体表面の潜像を可視像に現像する現像装置と、を有する請求項1ないし7のいずれかに記載の着脱体と、
前記現像装置で現像された可視像を媒体に転写する転写器と、
前記媒体に転写された可視像を定着させる定着器と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−47774(P2012−47774A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186770(P2010−186770)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】