説明

知能型伝動部品及び静音部品

【課題】知能型伝動部品及び静音部品を提供する。
【解決手段】知能型伝動部品であって、外形が長棒状で、且つ転動溝を設けた第一部品と、前記第一部品を収容するための収容スペースを設けた第二部品と、を含み、前記収容スペース内縁に前記転動溝と対応する転動スロットを設け、前記転動溝及び転動スロットは負荷経路を構成し、前記負荷経路には複数の転動部品及び静音部品を設け、前記静音部品は、前記転動部品の間に設置され、且つ前記静音部品の中には染料を含むカラーカプセルを被覆し、前記静音部品が外在要素によって損壊したとき、前記カラーカプセルの染料が前記伝動部品の上に流れ、ユーザーは早めに前記静音部品が損壊したことを知ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、知能型伝動部品に係り、特に、本発明の技術特徴を有するリニア・スライドレール、ボールスクリュウ、ベアリング、リニアベアリングを備えた伝動部品及び静音部品に関する。
【背景技術】
【0002】
アメリカ特許公報第6513978、7222553、6095009号、によれば、これらの特許には、各種間隔部品(静音部品)の外形及び転動部品との釣り合い上の制限条件などを開示してある。しかし、従来の技術において、間隔部品を付け加えるのは、転動部品を隔離して転動部品間のぶつかり合いによる騒音や磨耗が生じるのを減らすためであり、従って前記間隔部品は、運行中に必ず転動部品とぶつかり合い、長期間少しずつ積み重ねた結果、前記間隔部品は、転動部品とのぶつかり合いによって損傷を生じ、ひどいときは前記間隔部品が砕け、伝動部品がスムーズに運行できなくなり、転動部品も動かなくなり、相対的に伝動部品の寿命を大幅に縮める結果となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】アメリカ合衆国特許第6513978号公報
【特許文献2】アメリカ合衆国特許第7222553号公報
【特許文献3】アメリカ合衆国特許第6095009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、伝動部品のための静音部品を提供することにある。前記静音部品の内部には、染料を包み込んだカラーカプセルを設け、前記静音部品が損壊した場合、前記カラーカプセルが静音部品の損壊のために破裂することによって、染料を伝動部品の上に流し、ユーザーが早めに前記静音部品の損傷を発見できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述目的を達成するため、本発明は、伝動部品の静音部品であって、前記静音部品は、被覆部品とカラーカプセルによって構成される。前記被覆部品は、前記カラーカプセルを完全に被覆し、前記カラーカプセルの中には染料を含む。本発明に係る知能型伝動部品は、第一部品と、第二部品と、還流部品と、複数の転動部品と、複数の静音部品と、を含み、前記第一部品は、長棒状の構造を有し、その上には複数の転動溝が設けてあり、前記第二部品には、前記第一部品を収容するための収容スペースを設け、前記収容スペースには前記転動溝に対応する転動スロットを設け、前記転動溝と転動スロットとで負荷経路を構成し、前記還流部品は、前記第二部品の上に装着され、且つ還流通路が設けられ、前記還流通路は、前記負荷経路と繋がって循環経路を構成し、前記複数の転動部品は、前記循環経路の中に、前記第一部品及び第二部品間の伝動媒質として設けてあり、前記複数の静音部品は、前記転動部品の間に設けられ、被覆部品とカラーカプセルによって構成される。前記被覆部品は前記カラーカプセルを完全に被覆し、前記カラーカプセルに染料を含ませることによって、前記静音部品が損壊した場合、前記カラーカプセルが破裂し、前記第一部品又は第二部品の上に流れるようにしてある。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、静音部品の中のカラーカプセルによって、前記静音部品の状態を知ることができ、若し、前記静音部品が損壊していれば、直ちに伝動部品の運行を中止して、伝動部品の損害を減らすことができる。従来の技術に比べ、本発明では、受動を能動に変え、伝動部品の使用寿命を延長することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係る知能型伝動部品の斜視図
【図2】本発明に係る静音部品及びカラ−カプセルの分解図
【図3】本発明のもう一つの静音部品と第一部品及び転動部品との組合せ概略図
【図4】図3のX区域の拡大図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0009】
図1から図2までは、本発明に係る知能型伝動部品であり、第一部品1と、第二部品2と、還流部品3と、複数の転動部品4と、複数の静音部品5と、を含む。前記第一部品1は、長棒状の構造を有し、その上には複数の転動溝11が設けてある。前記第二部品2には、前記第一部品1を収容するための収容スペース21を設け、前記収容スペース21には前記転動溝11に対応する転動スロット211を設け、前記転動溝11と転動スロット211とで負荷経路を構成している。前記還流部品3は、前記第二部品2の上に装着され、且つ還流通路(図示せず)が設けられており、この還流通路は前記負荷経路と繋がって循環経路を構成している。前記複数の転動部品4は、前記循環経路の中に、前記第一部品1及び第二部品2間の伝動媒質として設けてある。前記複数の静音部品5は、前記転動部品4の間に設けられ、被覆部品51とカラーカプセル52によって構成される。前記被覆部品51は前記カラーカプセル52を完全に被覆し、前記カラーカプセル52に染料を含ませることによって、前記静音部品5が損壊した場合、前記カラーカプセル52が破裂し、前記第一部品1又は第二部品2の上に流れるようにして、ユーザーが目視によって前記静音部品5が損壊したことを発見し、伝導部品の運転を中止できるようにしてある。尚、本発明では、伝動部品の上にセンサー装置7(色彩に感応するセンサー装置)を取り付けて、前記センサー装置7が前記第一部品1又は第二部品2の上に色の変化が現れた場合、非常信号(例えばブザー又は点滅ランプ)を発してユーザーへ知らせ、直ちに伝動部品の運行を停止させることもできる。
【実施例2】
【0010】
本発明の別の実施例図3、図4では、主として前記静音部品5の両側に前記各静音部品5に連接する連接部62を設けて、静音部品5によって静音チェーン6を構成している。この方式では、静音部品5を前記負荷経路に装着する時間を短縮でき(静音部品を一々負荷経路に装着する必要がないため)、大幅に伝動部品の取り付け時間を短縮できる。又、前記連接部62にも、静音部品5と同じ機能を持ったカラーカプセルを被覆し、連接部62が断裂した場合、染料を前記第一部品1又は第二部品2の上に流れさせることによって、事前警告の効果を達成し、前記伝動部品全体の損壊程度を抑えることができる。
【0011】
以上を総合すると、本発明では、静音部品中のカラーカプセルによって、前記静音部品が損壊したかどうかを知ることができる。若し、前記静音部品が損壊しているなら、直ちに伝動部品の運転を停止し、伝動部品の損害を抑えることができ、従来の技術に比べ、本発明は受動を能動に変え、伝動部品の使用寿命を延長することができる。
【符号の説明】
【0012】
1 第一部品
11 転動溝
2 第二部品
21 収容スペース
211 転動スロット
3 還流部品
4 転動部品
5 静音部品
51 被覆部品
52 カラーカプセル
6 静音チェーン
62 連接部
7 センサー装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
知能型伝動部品用静音部品であって、前記静音部品は、被覆部品とカラーカプセルによって構成され、前記被覆部品は、前記カラーカプセルを完全に被覆し、前記カラーカプセルの中には染料が含有されていることを特徴とする、知能型伝動部品用静音部品。
【請求項2】
前記静音部品の両側には、前記各静音部品と連接する連接部を設けることによって、静音チェーンを構成し、且つ前記連接部の中にカラーカプセルが被覆されていることを特徴とする、請求項1に記載の知能型伝動部品用静音部品。
【請求項3】
第一部品と、第二部品と、還流部品と、複数の転動部品と、複数の静音部品と、を含む知能型伝動部品であって、
前記第一部品は、長棒状の構造を有するとともに、複数の転動溝を具備し、
前記第二部品には、前記第一部品を収容するための収容スペースを設け、前記収容スペースには、前記転動溝に対応する転動スロットを設け、前記転動溝と前記転動スロットは、負荷経路を構成し、
前記還流部品は、前記第二部品の上に装着され且つ還流通路を具備し、前記還流通路は前記負荷経路と連接して循環経路を構成し、
前記複数の転動部品は、前記第一部品及び第二部品間の伝動媒質として前記循環経路の中に設置され、
前記複数の静音部品は、前記転動部品の間に設けられるとともに、被覆部品及びカラーカプセルによって構成され、前記被覆部品は、前記カラーカプセルを完全に被覆し、前記カラーカプセルには、染料が含まれていることを特徴とする、知能型伝動部品。
【請求項4】
前記伝動部品の上には、センサー装置が設置され、前記センサー装置は前記染料を感知した場合、非常信号を発してユーザーに知らせることを特徴とする、請求項1に記載の知能型伝動部品用静音部品。
【請求項5】
前記非常信号は、ブザー又は点滅ランプであることを特徴とする、請求項1に記載の知能型伝動部品用静音部品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−185480(P2010−185480A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−28525(P2009−28525)
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【出願人】(395011229)上銀科技股▲分▼有限公司 (110)
【Fターム(参考)】