知能型監視カメラ装置及びこれを採用した映像監視システム
映像内の動きを直接検出して集中監視カメラのパン/ティルト/ズームを制御することができ、広域監視映像と集中監視映像を共に遠隔地のコントロール装置へ伝送できる監視カメラ装置と、これを使用して具現される遠隔監視システムを提供する。監視カメラ装置は、遠隔コントロール装置40で表示する監視映像を獲得し、上記遠隔コントロール装置40の助けが無くても集中監視撮像ユニット20を制御するものであって、広角撮像部110と、制御及び信号処理部120と、信号送信部160、162とを備える。上記広角撮像部110は、監視対象地域に対する広角映像を獲得する。上記制御及び信号処理部120は、広角映像から移動物の位置を検出し、移動物の位置情報に相応した制御信号を発生して移動物を撮影するよう集中監視撮像ユニット20を制御し、上記集中監視撮像ユニットによって獲得した集中監視映像を受け入れる。上記信号送信部160、162は上記集中監視映像を含んだ上記監視映像を上記遠隔コントロール装置40へ送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ装置に関するもので、より詳しくは、閉回路テレビ(CCTV)方式の監視システムに使用するためのカメラ装置に関する。さらに、本発明はこのようなカメラ装置を採用した監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、CCTV監視システムは、監視対象地域を撮影するためのカメラと、上記カメラによって撮影された映像をモニターに表示して格納装置に格納する遠隔監視ユニットとを含む。カメラは、遠隔監視ユニットによってその動作が制御され、獲得した映像を、例えばNTSC、PAL、またはSECAM規格に適した複合映像信号の形態で同軸ケーブルを通して遠隔監視ユニットへ伝送したり、コンポーネント映像信号または圧縮した映像信号で伝送することとなる。
【0003】
様々な種類の監視カメラが使用されてはいるが、本出願が行われている時点で最も広く使われているカメラの一つは、焦点距離が一定に固定されている固定式カメラである。ところが、固定式カメラは視野角が狭く撮影可能範囲が運用者が最初に設定した監視方向により極めて狭い地域に限られるという問題がある。
【0004】
水平回転(すなわち、パンニング)及び垂直回転(すなわち、ティルティング)とズームイン/ズームアウトが可能なパンティルトズーム(Pan−Tilt−Zoom、以下'PTZ'と称す)カメラも広く使われている。PTZカメラは、水平回転と垂直回転及びズームイン/ズームアウトが遠隔制御できるため、遠隔監視ユニットの指示に従って監視領域を変更したり特定の対象のみ追跡しながら集中監視したりすることもできる。しかし、PTZカメラもまたレンズの画角に制限があるため、現在カメラの眺めている方向によって空間的に変わることはあるものの、撮影が不可能な死角領域が存在する。特に、レンズをズームインしパンニング及びティルティングメカニズムを駆動して特定の対象を追跡する場合には、被追跡客体の周りを除いた他の地域に対しては監視が不可能となり死角領域はさらに広くなる。
【0005】
監視範囲を広めるための方案として、例えば、魚眼レンズのような広角レンズを採用したパノラマカメラ(広角カメラまたは全方向カメラと称されることもある)を使用する方案も提示されてことがある。大韓民国特許第663483号(発明の名称:全方向カメラを用いた無人監視方法及び装置)と大韓民国公開特許第2009−15311号(発明の名称:映像監視システム)がその例である。ところが、魚眼レンズカメラは、撮影する映像が円形であって全体的に歪曲が激しいだけでなく、特に映像の縁では物の識別が困難である。さらに、曲線の(curvilinear)ある映像の属性により、移動物の追跡監視はさらに難しい。従って、魚眼レンズカメラは全体的な情況を調べるには有用であるものの、移動物の集中監視には適していない。
【0006】
これによって、最近は広域監視カメラと集中監視カメラを結合した監視システムが拡散する傾向にある。例えば、大韓民国公開特許第2005−0103597号(発明の名称:実時間パノラマビデオ映像を用いた監視システム及びそのシステムの制御方法)には、複数のコンポーネントカメラにより獲得したパノラマ映像から映像の特定の部分を選び、その選んだ部分をPTZカメラ3が撮影するよう制御するシステムが記載されている。このようなシステムによると、パノラマカメラによって全方向監視ができ、動きが感知するとPTZカメラによって移動物を追跡監視することが可能となる。
【0007】
パノラマカメラとPTZカメラを結合した既存の監視システムにおいて、PTZカメラの制御は、専ら遠隔監視ユニットから運用者の入力装置の操作によって、またはコンピュータプログラムの実行を通して行われる。PTZカメラの制御が運用者によって手動で行われる場合には、十分な人手が連続して投入される必要があるという短所がある。一方、PTZカメラの制御が動き検出ソフトウェア及び/またはハードウェアによって行われる場合には、遠隔監視ユニットでのデータ処理の負担が大きくなる。特に、複数のカメラを備えるシステムであるほど遠隔監視ユニットにおけるコンピューティングの負担がさらに加重する。
【0008】
さらに、アナログ方式の映像伝送の場合、それぞれのカメラによって獲得した映像信号は、個別の線路を通して遠隔監視ユニットへ伝送されるため、線路設置費用及びメンテナンス費用がカメラ数に応じて増加するという問題がある。このような場合、線路の帯域幅が十分に広い条件下でも、複数のカメラからの映像信号をカメラ台数より少ない数の線路を通して伝送するため、線路が終結する場所に別途のマルチプレクサ装備を設置し、遠隔監視ユニットにジマルチプレクサを備えなければならず、これによってシステムが複雑になる。このようなシステムが複雑になることを防ぐため、複数のカメラからの映像信号をイメージミキサーを通して一つの映像で伝送することもできるが、複数のカメラの映像を一つの画面に組み合せるため、それぞれのカメラの映像が縮小して映像の品質が劣り、使用者が必要とする映像のみを選んで全体画面などに拡大したときに選ばれた映像以外の映像は監視できなくなる。
【0009】
さらに、ネットワーク方式の映像伝送の場合、それぞれの映像がネットワークデータに変換されて遠隔監視ユニットへ伝送されるため、カメラ数が増えるほど通信帯域幅とこれら映像を処理するためのコンピューティングの負担が増加するようになる。
【0010】
一方、例えばPTZカメラのみを備えた監視システムを上記のようにパノラマカメラとPTZカメラを結合した監視システムに切り替えようとしたときには、既存装置の活用が容易ではないことがある。すなわち、システムの切り替え前後のカメラの仕様、例えば、既存のシステム構成がアナログ方式だったのに対して切り替え後にはネットワーク方式に変わることのように、構成が相違して相互運用可能性が低い場合には、PTZカメラを活用することができず新しく与えれられたカメラに合わせて取り替えなければならないことがある。さらに、既に記述したPTZカメラの制御またはネットワーク方式の映像伝送におけるコンピューティングの負担は、遠隔監視ユニットを構成する制御装置、例えばPC自体の取替えまで必要とすることもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、このような問題点を解決するためのもので、映像内の動きを直接検出して集中監視カメラのパン/ティルト/ズームを自主的に制御することができ、広域監視映像と集中監視映像を共に遠隔地のコントロール装置へ伝送できる監視カメラ装置を提供することをその技術的課題とする。
【0012】
また、本発明は、このようなカメラ装置を使用して構成されシステム構成が簡単な遠隔監視システムを提供することを他の技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記技術的課題を達成すべく、本発明の監視カメラ装置は、遠隔コントロール装置で表示する監視映像を獲得して上記遠隔コントロール装置の機能の助けがなくても集中監視撮像ユニットを制御するものであって、広角撮像部と、制御及び信号処理部と、信号送信部とを備える。上記広角撮像部は、監視対象地域に対する広角映像を獲得する。上記制御及び信号処理部は、広角映像から移動物の位置を検出し、移動物の位置情報に相応した制御信号を発生して移動物を撮影するよう集中監視撮像ユニットを制御し、上記集中監視撮像ユニットによって獲得した集中監視映像を受け入れる。上記信号送信部は、上記集中監視映像を含んだ上記監視映像を上記遠隔コントロール装置へ送信する。
【0014】
好ましい実施例において、制御及び信号処理部は、広角映像が分割された複数の映像セクターのうち上記移動物と関連したいずれかひとつの映像セクターの位置情報に応じて上記制御信号を出力する。
【0015】
一実施例において、上記制御及び信号処理部は、移動物の位置情報に応じて所定のプリセットコードを上記制御信号として集中監視撮像ユニットへ出力して、集中監視撮像ユニットが上記プリセットコードに応じて撮影方向を調整するようになる。しかし、変形実施例では、上記制御及び信号処理部が移動物の位置情報に応じて集中監視撮像ユニットに対するパンニング及びティルティング制御値を上記制御信号として集中監視撮像ユニットへ出力することができる。
【0016】
好ましい実施例において、制御及び信号処理部は以前撮像した広角映像と現在の広角映像を複数の映像セクター単位でそれぞれ比較し、各映像セクターにおいて 画素値変化量係数値が所定の基準値以上であると、上記映像セクターが移動物と関連しているものと決定する。この際、相互隣接した二つ以上の映像セクターにおいて上記画素値変化量係数値が上記基準値以上の場合には、画素値変化量係数値が最大値である映像セクターが上記移動物と関連したものと決定することができる。
【0017】
しかし、変形実施例では、制御及び信号処理部が以前撮像した広角映像と現在の広角映像を比較して移動物を検出し、移動物の特定の座標値が複数の映像セクターのうちどの映像セクターに属するかを判断して上記関連した映像セクターを決定することができる。さらに他の変形実施例では、制御及び信号処理部が広角映像から移動物を検出し、広角映像内での移動物の中心点の位置を極座標の形で決定し、極座標値に応じて制御信号を出力する。この際、移動物のサイズを決定して、上記サイズに応じたズーム倍率の制御値を制御信号に含ませることもできる。
【0018】
好ましい実施例において、監視カメラ装置は、広角映像からパノラマ映像を構成するパノラマ映像構成部と、上記パノラマ映像と上記集中監視映像を結合する映像組合部とをさらに備える。このような場合、上記信号送信部は、上記結合された映像を上記監視映像として遠隔コントロール装置へ送信するようになる。
【0019】
好ましい実施例において、上記映像組合部は、上記パノラマ映像と上記集中監視映像を一つの出力映像にフォーマットして、信号送信部を通して伝送する。しかし、上記映像組合部が上記パノラマ映像信号と上記集中監視映像信号を単純に多重化(Multiplexing)して信号送信部を通して伝送することもできる。
【0020】
上記信号送信部は、同軸ケーブルまたは、例えばLANやインターネットなどを通して出力映像を遠隔コントロール装置へ伝送することが好ましい。
【0021】
監視カメラ装置は、上記広角映像、上記集中監視映像、上記パノラマ映像、またはこれらの組合せを格納するための格納部をさらに備えることが好ましい。
【0022】
上記集中監視撮像ユニットは、上記監視カメラ装置の外部にある独立した装置であることができる。このような場合、上記監視カメラ装置は、集中監視撮像ユニットから集中監視映像を受け入れるための映像入力端子と、制御信号を集中監視撮像ユニットへ伝送するためのシリアル通信部とをさらに備えることが好ましい。上記シリアル通信部は、制御及び信号処理部が遠隔コントロール装置から装置制御信号を受信するにも使われることができる。
【0023】
上記制御及び信号処理部は、遠隔コントロール装置から集中監視撮像ユニットに対するパン/ティルト制御信号が受信された場合、移動物の位置情報に相応した上記制御信号より優先して集中監視撮像ユニットへ送信するようにする。
【0024】
集中監視撮像ユニットが外部の独立した装置の場合、監視カメラ装置は、上記映像入力端子を通して集中監視撮像ユニットからアナログ集中監視映像を受け入れ、デジタル集中監視映像を発生する信号変換部をさらに備えることが好ましく、これによって映像組合部は、デジタルパノラマ映像と上記デジタル集中監視映像を結合することが可能となる。
【0025】
一つの広域監視カメラ装置に対して集中監視撮像ユニットが複数接続することもできる。このような場合、制御及び信号処理部は、集中監視撮像ユニットへ伝送する上記制御信号には受信ユニット識別情報を含むことが好ましい。
【0026】
集中監視撮像ユニットが外部の独立した装置の場合には、広角撮像部の広角レンズの光軸が集中監視撮像ユニットのパンニング中心軸と一致するようカメラ装置を設けることが好ましい。
【0027】
一方、上記集中監視撮像ユニットは、上記監視カメラ装置に含まれた内部要素であることもできる。このような場合、広角撮像部は、監視カメラ装置の外周面において相互対称するよう複数設けられることが好ましい。制御及び信号処理部は、上記複数の広角撮像部によって獲得した複数の広角映像それぞれに対して動きを検出することが好ましい。そして、パノラマ映像構成部は、複数の広角映像それぞれから所定の領域を抽出し、抽出した領域を結合してパノラマ映像を構成することができる。
【0028】
他の一方で、上記他の技術的課題を達成すべく、本発明の遠隔監視システムは、少なくともひとつのスレーブカメラと、マスターカメラと、遠隔コントロール装置とを備える。上記スレーブカメラは、監視対象地域を選択的に集中撮影するためのもので、パン/ティルト/ズーム駆動が可能である。上記マスターカメラは、監視対象地域に対する広角映像を獲得し、広角映像から移動物の位置を検出し、上記移動物の位置に応じてスレーブカメラを駆動して上記移動物を撮影するよう制御し、スレーブカメラから集中監視映像を獲得して、上記広角映像と上記集中監視映像を基に出力映像を構成して遠隔コントロール装置へ伝送する。上記遠隔コントロール装置は、出力映像をモニターに表示し、マスターカメラを遠隔制御する。
【0029】
好ましい実施例において、上記マスターカメラは、広角映像が分割された複数の映像セクターのうち上記移動物と関連したいずれかひとつの映像セクターの位置情報による制御信号を供給して上記スレーブカメラを制御する。
【0030】
上記マスターカメラは、上記広角映像からパノラマ映像を構成するパノラマ映像構成部と、上記パノラマ映像と上記集中監視撮像ユニットから受信した上記集中監視映像を結合する映像組合部と、上記結合した映像を上記出力映像として上記遠隔コントロール装置へ送信する信号送信部とを備えることが好ましい。
【0031】
より一般的な側面において、本発明は、広角撮像部を備え遠隔コントロール装置で表示する監視映像を獲得し、上記遠隔コントロール装置の助けがなくても集中監視撮像ユニットを制御する監視カメラ装置において監視映像を獲得する方法を提供する。
【0032】
監視カメラ装置は、まず上記広角撮像部によって監視対象地域に対する広角映像を獲得する。そして、広角映像から移動物の位置を検出し、移動物の位置情報に相応した制御信号を発生する。監視カメラ装置は、上記制御信号を上記集中監視撮像ユニットに提供して、上記移動物を撮影するよう制御し、上記集中監視撮像ユニットによって獲得した集中監視映像を受け入れる。また、監視カメラ装置は、上記集中監視映像を含んだ上記監視映像を上記遠隔コントロール装置へ送信する。
【0033】
一実施例において、上記集中監視撮像ユニットは、上記監視カメラ装置の外部にある独立した装置である。しかし、変形実施例では、上記集中監視撮像ユニットが上記カメラ装置の内部に含まれる。
【0034】
一実施例において動きを検出するにおいては、まず広角映像を複数の映像セクターに分割する。そして以前撮像した広角映像と現在の広角映像を上記複数の映像セクター単位でそれぞれ比較する。各映像セクターにおいて画素値変化量が第1基準値より大きい画素数を計数し、係数値が第2基準値以上である映像セクターの位置情報を移動物の位置情報として決定するようになる。この際、相互隣接した二つ以上の映像セクターにおいて上記係数値が上記第2基準値以上の場合には、画素値変化量係数値が最大値を有する映像セクターの位置情報を移動物の位置情報として決定することができる。
【0035】
他の実施例において、動きを検出するにおいては、以前撮像した広角映像と現在の広角映像を複数の映像セクター単位でそれぞれ比較して上記移動物を検出した後、移動物の特定の座標値が属する映像セクターの位置情報を上記移動物の位置情報と決定する。
【0036】
他の実施例において、動きを検出するにおいては、広角映像内で上記移動物を検出した後、移動物の中心点の位置を極座標の形に決定し、極座標値に応じて集中監視撮像ユニットに対するパン/ティルト制御値を決定して制御信号として発生するようになる。この際、移動物のサイズを決定して、上記サイズに応じたズーム倍率制御値を上記制御信号としてさらに発生させることもできる。
【発明の効果】
【0037】
このように、本発明は360°反射鏡または魚眼レンズを用いて獲得した広角映像から全方位的に動きを検出し、動き検出を基に任意の位置に配置されたPTZカメラを制御して移動物を追跡し、広角映像とPTZカメラの集中監視映像がモニターに表示されるようにする。これによってPTZカメラの短所である死角領域発生の問題と全方位カメラの短所である遠距離物体の監視の際の画質低下の問題を相互補完することが可能となる。
【0038】
特に、本発明によると、PTZカメラの制御が広角カメラによって行われるため複数のカメラを運用する時に分析用映像データが遠隔監視/コントロール装置に集中するときよりデータ処理の負担が大きく軽減するという効果がある。
【0039】
マスターカメラで直接スレーブカメラのパン/ティルト/ズームを制御しながらアナログまたはデジタル信号にして集中管理映像信号を受け入れ、パノラマ映像と集中管理映像が結合した出力映像をアナログまたはデジタル信号として選択的に遠隔監視/コントロール装置へ伝送することができるため、既存のアナログ監視システムをアップグレードしようとするとき、既存のシステムをそのまま活用することができ、アップグレード費用が最少化できる。
【0040】
また、マスターカメラでスレーブカメラの映像だけでなく自分の映像まで監視センターとは別個に格納できるため、監視センターに異常が発生した際にも監視が中断することなく録画が可能である。
【0041】
遠隔監視/コントロール装置のタスクがカメラ装置に分散するため、遠隔監視/コントロール装置のデータ処理の負担が著しく減少し、小数の人手でも遠隔監視/コントロール装置を運用することができる。また、スレーブカメラの映像信号もマスターカメラを通して遠隔監視/コントロール装置へ伝送されるため、システム構成が簡単になるだけでなく、線路設置費用とメンテナンス費用が低減するという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0042】
以下、添付の図面を参照に本発明の好ましい実施例を説明する。便宜上、図面上の同一或いは対応する部材に対しては同一の参照番号を使用する。
【0043】
【図1】図1は本発明による映像監視システムの一実施例のブロック図である。
【図2】図2は図1に図示されたマスターカメラの一実施例の詳細ブロック図である。
【図3】図3は図1に図示されたスレーブカメラの一実施例の詳細ブロック図である。
【図4】図4は広角映像を直四角形のパノラマ映像に変換する方法の一例を示した図面である。
【図5】図5は出力映像の構成例を示した図面である。
【図6】図6は図1に図示されたマスターカメラの動作過程を示したフロー図である。
【図7】図7は動き検出及びスレーブモーター制御のために広角映像を複数のセクターに区分した状態を例示した図面である。
【図8】図8は移動物検出過程の一実施例を示した系統図である。
【図9】図9は移動物検出過程の他の実施例を示した系統図である。
【図10】図10は移動物検出過程のさらに他の実施例を示した系統図である。
【図11】図11は広角レンズが正射影屈折特性を有する場合においてティルティング角度値を決定する方法を説明するための図面である。
【図12】図12は広角レンズが等距離射影屈折特性を有する場合においてティルティング 角度値を決定する方法を説明するための図面である。
【図13】図13はパノラマ映像部分に移動物ポインターが与えられた出力映像の一例を示した図面である。
【図14】図14は各移動物に対する移動履歴情報を格納するためのトラッキングテーブルの一例を示した図面である。
【図15】図15は広角映像から新しい移動物が検出されたときスレーブカメラを制御する過程を説明するための図面である。
【図16】図16は広角映像に更なる移動物が検出されたときスレーブカメラを制御する過程を説明するための図面である。
【図17】図17は複数の移動物が同一映像セクター内に位置したときにスレーブカメラを制御する過程を説明するための図面である。
【図18】図18は同一映像セクター内にあった移動物が再び分離されたときスレーブカメラを制御する過程を説明するための図面である。
【図19】図19はパノラマ映像内に複数の移動物が存在するとき移動物に対して異なる種類のポインターが与えられた出力映像の一例を示した図面である。
【図20】図20は図2に図示されたマスターカメラの変形実施例のブロック図である。
【図21】図21は図2に図示されたマスターカメラの他の変形実施例のブロック図である。
【図22】図22は図2に図示されたマスターカメラのさらに他の変形実施例のブロック図である。
【図23】図23はマスターカメラ及びスレーブカメラの設置例を示した図面である。
【図24】図24はマスターカメラ及びスレーブカメラの設置例を示した図面である。
【図25】図25はマスターカメラ及びスレーブカメラの設置例を示した図面である。
【図26】図26はマスターカメラ及びスレーブカメラの設置例を示した図面である。
【図27】図27はマスターカメラ及びスレーブカメラの設置例を示した図面である。
【図28】図28はマスターカメラ及びスレーブカメラの設置例を示した図面である。
【図29】図29はマスターカメラ及びスレーブカメラの設置例を示した図面である。
【図30】図30はマスターカメラ及びスレーブカメラの設置例を示した図面である。
【図31】図31は本発明による映像監視システムの他の実施例のブロック図である。
【図32】図32は図31に図示されたカメラ装置の一実施例の詳細ブロック図である。
【図33】図33は図32に図示されたパノラマ映像構成部によるパノラマ映像構成方法を説明するための図面である。
【図34】図34は図32のカメラ装置の一実施例の斜視図である。
【図35】図35は図31に図示されたカメラ装置の他の実施例の詳細ブロック図である。
【図36】図36は図35に図示されたパノラマ映像構成部によるパノラマ映像構成方法を説明するための図面である。
【図37】図37は図35のカメラ装置の一実施例の側面図である。
【図38】図38は図35のカメラ装置の他の実施例の底面斜視図である。
【図39】図39は図35のカメラ装置のさらに他の実施例の底面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1は、本発明による映像監視システムの一実施例を示す。本実施例による映像監視システムは、マスターカメラ10と、スレーブカメラ20と、遠隔監視/コントロール装置40とを備える。
【0045】
マスターカメラ10は、本発明による知能型監視カメラ装置において、監視領域を全方位から撮影し、撮像した全方位映像から移動物を検出し、移動物検出の際に移動物が検出された領域を集中撮影するようスレーブカメラ20を制御する。また、マスターカメラ10は、スレーブカメラ20によって獲得した集中監視映像と全方位映像を組合して出力映像を生成し、これをアナログ映像信号またはデジタル映像信号として遠隔監視/コントロール装置40へ提供する。
【0046】
スレーブカメラ20は、マスターカメラ10からシリアル通信によって制御信号が供給され、マスターカメラ10の制御下で集中監視映像を獲得してマスターカメラ10へ出力する。一方、好ましい実施例において、スレーブカメラ20がマスターカメラ10に供給する集中監視映像信号は、NTSC規格に適した複合映像信号である。しかし、集中監視映像信号がこれに限られるのではなく、PAL、SECAM、または他の規格に適した信号であることもでき、デジタル信号であることもできる。
【0047】
一方、スレーブカメラ20は、水平回転及び垂直回転とズームイン/ズームアウトが可能な一つ以上のパンティルトズーム(Pan−Tilt−Zoom、以下'PTZ'と称す)カメラであることが好ましい。しかし、変形実施例では、スレーブカメラ20が複数の固定式カメラの組合せであることもできる。このような場合においても、各固定式カメラはズームイン/ズームアウトが可能であることが好ましい。
【0048】
遠隔監視/コントロール装置40は、マスターカメラ10と離隔された遠隔地に設けられ、データ処理部42、モニター44、及び入力部46を備える。データ処理部42は、マスターカメラ10から出力映像を受け入れモニター44に表示されるようにする。また、データ処理部42は、入力部46を通して入力される使用者の入力に応じてマスターカメラ10を制御したり、マスターカメラ10を経由してスレーブカメラ20を制御することができる。データ処理部42は、通常のPCによって具現することができ、表出映像の処理のためにマトリクス、画面分割器、映像分配増幅器などをさらに備えることができる。入力部46は、キーボード、マウス、ジョイスティック入力装置のいずれかひとつまたはこれらの結合であることができる。
【0049】
図1には簡単明瞭な図示のため遠隔監視/コントロール装置40に一台のマスターカメラ10が接続し、このマスターカメラ10に一台のスレーブカメラ20が接続されたものと表示されているが、映像監視システムはこれより多い数のカメラ10、20が含まれることができる。すなわち、遠隔監視/コントロール装置40には複数のマスターカメラ10が接続されることができ、各マスターカメラ10には複数のスレーブカメラ20が接続されることもできる。
【0050】
図2は、図1に図示されたマスターカメラ10の一実施例を詳細に示し、図3は、スレーブカメラ20の一実施例を詳細に示す。
【0051】
図2を参照すると、マスターカメラ10は広角撮像部110と制御/信号処理回路120を備える。また、マスターカメラ10は、スレーブカメラ20から映像信号を受け入れるための映像信号入力端子150と、スレーブカメラ20に制御信号を供給するための第1シリアルポート152と、遠隔監視/コントロール装置40からカメラ制御信号を受け入れるための第2シリアルポート160と、遠隔監視/コントロール装置40に映像信号を供給するための映像信号出力端子162を備える。
【0052】
広角撮像部110において、広角レンズ112は、180度魚眼レンズ、360度反射鏡、またはレンズやミラーなどの組合せで構成される光学的構造体であって、監視対象地域内で全方位的に(omnidirectionally)入射する光を集光してイメージセンサー114に結像するようにする。イメージセンサー114は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)または電荷結合素子(CCD)とアナログ−デジタル変換器を含み、広角レンズ112によって集光した光を電気信号に変換しデジタル化し、デジタル広角映像信号を出力する。広角撮像部110によって獲得した広角映像は円形または環形からなっている。
【0053】
制御/信号処理回路120において、移動検出部122は、広角撮像部110からの広角映像信号を受け入れ、広角映像をフレーム単位で比較しながら映像内に移動物が存在するかを決定する。ここで、比較されるフレームは繋がっているフレームであることもでき、複数のフレーム周期だけ時間的に分離されたフレームであることもできる。具体的な動き検出のアルゴリズムは後述する。
【0054】
パノラマ映像構成部124は、広角撮像部110からの広角映像を直四角形のパノラマ映像に変換する。図4は、広角映像を直四角形のパノラマ映像に変換する方法の一例を示す。図示された例において、パノラマ映像構成部124は、円形または環形の広角映像200を上側と下側の2つの領域に区分し、各領域を開いて空いている画素を補間によって満たすことによって直四角形の映像に変換する。この際、補間による演算の負担を減少するため、円形の広角映像から情報量の少ない中心部は変換に使用しないこともできる。
【0055】
以下の説明において、広角映像200の下側領域が直四角形に変換された映像212を'前方パノラマ映像'と称し、広角映像200の上側領域が直四角形に変換された映像214を'後方パノラマ映像'と称することとする。そして、前方パノラマ映像212と後方パノラマ映像214を左右に繋げた映像210を'パノラマ映像'と称する。図面において、点P1〜P4は広角映像200と前方パノラマ映像212及び後方パノラマ映像214の対応点を示すため表示したものである。前方パノラマ映像212及び後方パノラマ映像214の幅はスレーブカメラ20からの集中監視映像の幅と同一であることができる。しかし、変形された例では、パノラマ映像210の幅が集中監視映像の幅と同一であることもできる。
【0056】
再び図2を参照すると、第1信号変換部126は、映像信号入力端子150を通して受信する集中監視映像信号をデジタル映像信号に変換する。すなわち、第1信号変換部126は、複合映像信号の形態の集中監視映像信号を広角映像信号と同様にデジタルYCbCrまたはRGBコンポーネント映像信号に変換する。
【0057】
映像格納部128はハードディスクまたは半導体記憶装置(SSD:Solid State Drive)のような格納媒体を備え、デジタル集中監視映像信号と広角映像信号を格納する。映像格納部128は、オリジナルの映像信号の代わりに圧縮した映像信号を格納することもできる。このような実施例において、格納部128はオリジナルの映像信号を圧縮したり、圧縮した映像信号を復元するための圧縮/圧縮解除部をさらに備えるが、このような圧縮/圧縮解除部は、制御部130を具現するためのマイクロプロセッサー上で実行されるコンピュータプログラムによって具現されることができる。
【0058】
制御部130は、マスターカメラ10の全般的な動作を制御すると共に、スレーブカメラ20のパン−ティルト−ズーム動作を制御する。制御部130の基本的な制御動作はコンピュータプログラムによって行われるが、遠隔監視/コントロール装置40から受信するカメラ制御信号に応答して行われることもできる。特に、制御部130はカメラの制御信号に応じて映像組合部134を制御して出力映像の構成を可変させることができる。また、制御部130はカメラ制御信号が指示することに従って映像格納部128に格納された映像信号が読み出されて遠隔監視/コントロール装置40へ提供されるようにする。一方、カメラ制御信号にスレーブカメラ20に対する制御信号が含まれている場合、この制御信号をスレーブカメラ20へ中継伝送する。
【0059】
上記シリアル通信部132は、制御部130が第1シリアルポート152を通してスレーブカメラ20と通信できるようにし、第2シリアルポート160を通して遠隔監視/コントロール装置40と通信できるようにする。すなわち、制御部130は、シリアル通信部132を通してPTZ制御信号を含んだ制御信号をスレーブカメラ20へ送信して、スレーブカメラ20から状態情報を受け入れることができる。また、制御部130は、シリアル通信部132を通して遠隔監視/コントロール装置40からカメラ制御信号を受け入れ、マスターカメラ10及び/またはスレーブカメラ20の状態情報を遠隔監視/コントロール装置40へ送信することができる。シリアル通信部132とスレーブカメラ20または遠隔監視/コントロール装置40との接続は、RS232C、RS422またはRS485標準に従って行われることができる。
【0060】
映像組合部134は、広角映像200、前方パノラマ映像212、後方パノラマ映像214、パノラマ映像210、及び集中監視映像のいずれかひとつ以上を選んで出力映像を構成する。
【0061】
図5は、出力映像の構成例を示す。基本的な出力画面において、画面の下段にはパノラマ映像210が配置され、画面の上側及び中央領域にはスレーブカメラ20によって獲得した集中監視映像220が配置される(図5の左上の部分)。出力映像が遠隔監視/コントロール装置40へ伝送されモニター44に表示された状態で、運用者は入力部46を操作して出力映像の構成を変更することができる。例えば、運用者が出力映像から集中監視映像220部分を選択すると、遠隔監視/コントロール装置40は出力映像の構成の変更を要求する制御信号を送信するようになり、シリアル通信部132を通して制御信号を受信した制御部130は、映像組合部134に集中監視映像220のみ出力映像に含まれるようにする(図5の右上の部分)。
【0062】
同様に、運用者が出力映像からパノラマ映像210の部分を選択すると、映像組合部134は前方パノラマ映像212及び後方パノラマ映像214のみを結合して出力映像を構成する(図5の右下の部分)。このような状態で運用者が出力映像から任意の点を選択すると、映像組合部134は広角映像200のみを出力映像に配置する(図5の左下の部分)。最後に、運用者は特定のキー(例えば、ESCキー)を押して基本的な出力画面に戻ることができる。一方、移動物の検出イベントの発生に応じて出力映像が特定のシーケンスに従って自動的に切換えることも可能である。
【0063】
また図2を参照すると、第2信号変換部136は、映像組合部134によって構成された出力映像に対する複合映像信号を発生して、映像信号出力端子162を通して遠隔監視/コントロール装置40へ伝送する。これによって、遠隔監視/コントロール装置40のモニター44には映像組合部134によって構成された出力映像が表示されることができる。
【0064】
図2に図示されたマスターカメラ10において、広角撮像部110を除いたコンポーネントは全てハードウェア的に構成されることもできるが、その一部はソフトウェアによって構成されることもできる。また、広角撮像部110を含んだ全てのコンポーネントが一つのハウジング内に格納されることもできるが、本発明はこれに限定されず、コンポーネントが二つ以上のハウジング内に分割して設けられることもできる。このような場合でも、複数のハウジングに設けられるコンポーネントが別途の遠距離通信標準ないし通信プロトコールの助けが無くても信号送受信ができるほどハウジングが近い距離、または同一の地理的サイトに備えられることが好ましい。
【0065】
図3を参照すると、スレーブカメラ20は、フォーカシングレンズ170及びイメージセンサー172と、信号変換部176、パンニングモーター180、パンニングモータードライバー182、ティルティングモーター184、ティルティングモータードライバー186、ズームモーター188、ズームモータードライバー190、制御部192、及びシリアル通信部194を備える。また、スレーブカメラ20は、獲得した集中監視映像をマスターカメラ10へ送信するための映像信号出力端子196と、マスターカメラ10から制御信号を受け入れカメラ状態情報を送信するためのシリアルポート198とを備える。
【0066】
フォーカシングレンズ170は全方から入射する光を集光する。イメージセンサー172はCMOSまたはCCDとアナログ−デジタル変換器を含み、フォーカシングレンズ170によって集光した光を電気信号に変換しデジタル化して、デジタル集中監視映像信号を出力する。信号変換部176は、デジタル集中監視映像信号から集中監視映像に対する複合映像信号を生成し、映像信号出力端子196を通して出力する。
【0067】
パンニングモータードライバー182は、制御部192の制御下でパンニングモーター180を駆動して、フォーカシングレンズ170及びイメージセンサー172を含んだカメラ構造体を水平方向に回転させる。ティルティングモータードライバー186は、制御部192の制御下でティルティングモータードライバー186を駆動して、フォーカシングレンズ170及びイメージセンサー172を含んだカメラ構造体を上下方向に回転させる。ズームモータードライバー190は、制御部192の制御下でズームモーター188を駆動することにより、フォーカシングレンズ170の焦点距離を可変させズームイン/ズームアウト機能を具現できるようにする。
【0068】
一方、制御部192は、シリアル通信部194を通してマスターカメラ10から受信した制御信号に応じてパンニングモータードライバー182と、ティルティングモータードライバー186と、ズームモータードライバー190とを駆動する。マスターカメラ10からの制御信号が移動物検出を基盤に生成されたものである場合、スレーブカメラ20は移動物に対する追跡監視映像を獲得することができる。一方、制御信号がマスターカメラ10によって中継伝送された場合、制御部192は遠隔監視/コントロール装置40からのカメラ制御信号にモーター182、186、190を駆動することにより、運用者が関心を持つ地域を撮影するようになる。各モーター182、186、190はステッピングモーターによって具現されることが好ましい。一方、制御部192は、周期的または非周期的に各モーター182、186、190の位置を初期の位置にリセットすることにより、各モーター182、186、190の方向が正確に登録されるようにすることが好ましい。
【0069】
マスターカメラ10がスレーブカメラ20に提供するパンニング/ティルティング制御信号は、具体的なパンニング及びティルティング角度を示す値になることができる。しかし、変形実施例では、PTZ制御信号が予め設定されたコード(Preset Code)の形で提供されることもできる。このような実施例において、スレーブカメラ20の不揮発性メモリ(未図示)には各プリセットコードとパンニング及びティルティング値の対応関係を示すプリセットコードルックアップテーブル(LUT)が格納されているため、制御部192がこのLUTを参照にパンニングモータードライバー182とティルティングモータードライバー186を駆動することが好ましい。プリセットコードLUTの構成と活用については後にまた説明する。
【0070】
図6は、図1に図示されたマスターカメラ10の動作過程を示す。まず、マスターカメラ10は、撮像部110を通して広角映像を獲得する(第300段階)。移動検出部122は、広角映像をフレーム単位で比較しながら移動物が存在するかを判断し、移動物の存在領域を検出する(第302段階)。
【0071】
第302段階で移動物が存在するものと判断された場合、検出した移動物の存在領域に応じてスレーブカメラ20のパンニング及びティルティングを制御してスレーブカメラ20が移動物を追跡できるようする(第304段階)。
【0072】
第306段階において、マスターカメラ10は、映像信号入力端子150を通してスレーブカメラ20から集中監視映像信号を受け入れ、第1信号変換部126は、受信した信号からデジタル集中監視映像信号を復元する。第300段階ないし第306段階は繰り返して行われ、これによって移動物の継続的な追跡が行われる。この際、移動検出部122はデジタル集中監視映像信号を使用して移動物の正確な位置を再計算し、再計算の結果を基にスレーブカメラ20を精密に制御することもできる(第308段階)。
【0073】
一方、映像組合部134は、パノラマ映像210と集中監視映像信号を結合して出力映像を構成し(第310段階)、第2信号変換部136は、出力映像に対して複合映像信号を生成して遠隔監視/コントロール装置40へ伝送する(第312段階)。遠隔監視/コントロール装置40で運用者が入力部46を操作して制御命令を印加する場合、映像組合部134によって選ばれる映像が変わることもできるということは上に説明したとおりである。
【0074】
図7ないし図19を参照に、図6の動き検出過程(第302段階)及びスレーブカメラ20制御過程(第304段階)をより詳しく説明する。
【0075】
好ましい実施例において、移動検出部122は、広角映像200を複数のセクターないしブロックに仮想区分し、各セクター単位で画素値の変化量を計数することにより移動物が存在するか否かを判断する。図7は、広角映像200を複数のセクターに区分した状態を例示したのもである。図示された実施例において、広角映像200は同じサイズの直四角形のセクター202に区分されている。しかし、変形実施例では、各セクターのサイズ及び/または形態が映像内での位置に応じて差等化して区分されることもできる。例えば、広角映像200の中心点に近いセクターに比べて中心点から遠いセクターのサイズがより小さいようセクターが区分されることができる。また、各セクターが円弧状になるよう区分されることもできる。
【0076】
図8は、移動物検出過程の一実施例を示した系統図である。本実施例によると、マスターカメラ10の不揮発性メモリ(未図示)には、各セクターに対して予め与えられたセクターコードと、スレーブカメラ20のパンニング及びティルティング値の対応関係を示した制御値ルックアップテーブル(LUT)が格納されている。制御値LUT320は、各映像セクターに対してセクターコードとパンニング及びティルティング値を格納する。一方、マスターカメラ10に複数のスレーブカメラ20が連動する場合に備えて、該当映像セクターに該当する監視対象地域に対する集中監視を担当するスレーブカメラIDがさらに格納されることができる。一方、動作過程において、マスターカメラ10の、例えばSRAMやDRAMなどのような揮発性メモリには、各映像セクターに対して移動検出部122が計算する移動係数値を格納するための移動物テーブル322が格納、保持される。
【0077】
撮像部110によって広角映像200を獲得すると、移動検出部122は広角映像200をフレーム単位で比較する。ここで、比較されるフレームは連続しているフレームであることもでき、複数のフレームの周期だけ時間的に分離されたフレームであることもできる。具体的に、移動検出部122は、各映像セクターに対して現在のフレームと以前のフレームの画素値ないし輝度値を画素単位で比較し、映像セクター内で画素値の差が第1基準値より大きい画素の数を計数する。そして、係数値が第2基準値より大きい場合、該当映像セクターに移動物が存在するものと判断し、制御部130に動き検出信号を出力する。ここで、過ちを最小化するよう一定の回数以上係数値が第2基準値より大きい場合のみ移動物が存在するものと判断することもできる。図示された例では、二番目の映像セクター(セクターコード="01")において係数値が第2基準値の40より大きい67の係数値が計数されたのを例示した。
【0078】
制御部130は、動き検出信号を受信すると、まず移動物テーブル322を参照に移動物が存在する映像セクターを確認する。そして、制御部130は、移動物が存在するセクターに対して予め定められたパンニング及びティルティング値を制御値LUT320から読み出されてシリアル通信部132を通してスレーブカメラ20へ伝送することにより、スレーブカメラ20が該当映像セクターに該当する監視対象領域を集中監視するようにする。2つ以上の映像セクターから動きが検出された場合には、移動検出部122は移動係数値に従って優先順位を与え、制御部130はスレーブカメラ20に優先順位が最も高い映像セクターに対して集中監視するようにする。一方、遠隔監視/コントロール装置40からの制御信号に従って優先順位に関係無く特定の移動物に対する集中監視が行われることもある。
【0079】
図8の実施例において、制御値LUT320に格納されるパンニング及びティルティング値は、各スレーブカメラ20に対して実験的に決定されて格納されることができる。例えば、スレーブカメラ20を順次に駆動しながら広角映像200の各セクターの大体中心点に相当する地点に対するパンニング及びティルティング値を決定することができる。この際、設置者が番号や他の標識などを有した識別板を監視対象領域内に置いた状態で、各地点に対するスレーブカメラ20のパンニング及びティルティング値を決定することもできる。さらに、広角映像200または監視対象領域内でいくつかの地点に対してのみパンニング及びティルティング値を実験的に決定し、他の位置に対するパンニング及びティルティング値は比例配分法(Law of Proportional Part)に従って補間することもできる。一方、制御値LUT320にパンニング及びティルティング値の他にズーム倍率値も共に格納して、スレーブカメラ20の制御時にズーム倍率値も共に提供することもできる。他の一方で、制御値LUT320に格納されてスレーブカメラ20に提供されるパンニング、ティルティング、及びズーム倍率値は、スレーブカメラ20を中心にする球座標系での絶対値で表示されることもでき、特定の位置を基準にした相対値であることもできる。このような場合、具体的なパンニング、ティルティング、及びズーム倍率値は角度や焦点距離の代わりにモーター分解能を単位に定めることもできる。
【0080】
このように、図8の実施例によると、動き検出に応じて制御部130がパンニング及びティルティング値を 'GOTO'命令のように提供することにより、スレーブカメラ20の集中監視方向を決定することができる。そして、制御部130は遠隔監視/コントロール装置40からの制御信号に応じてこのような制御値をスレーブカメラ20に提供することもできる。
【0081】
図9は、移動物検出過程の他の実施例を示した系統図である。本実施例によると、マスターカメラ10の不揮発性メモリ(未図示)に格納されるカメラLUT320aには、スレーブカメラ20を駆動するための具体的なパラメータ値が格納されず、パラメータ値を略称するプリセットコードのみ格納される。そして、各プリセットコードに対する具体的なパンニング及びティルティング値は、スレーブカメラ20内に保持される制御値LUT320bに格納されている。上記プリセットコード値はセクターコード値と同一に定められることもできる。
【0082】
撮像部110によって広角映像200を獲得すると、移動検出部122は各映像セクターに対して広角映像200をフレーム単位で比較して移動係数値を計算する。移動検出部122は、係数値が第2基準値より大きい場合、該当映像セクターに移動物が存在するものと判断し、制御部130に動き検出信号を出力する。
【0083】
動き検出信号を受信すると、制御部130は、まず移動物テーブル322を参照に移動物が存在する映像セクターを確認する。そして、制御部130は移動物が存在するセクターにプリセットコード値をカメラLUT320aから読み出されてシリアル通信部132を通してスレーブカメラ20へ伝送する。スレーブカメラ20はその内蔵メモリに格納された制御値LUT320bからプリセットコード値に相応したパンニング及びティルティング値を読み出し、読み出された値でパンニングモーター180及びティルティングモーター184を駆動することにより、該当映像セクターに該当する監視対象領域を集中監視するようになる。
【0084】
このように図9の実施例によると、動き検出の時に制御部130がPTZ制御パラメータを略称するプリセットコード値のみをスレーブカメラ20へ送信し、スレーブカメラ20がプリセットコード値を解釈してパンニングモーター180及びティルティングモーター184を駆動するため、マスターカメラ10の立場では制御プロセスが簡単となり、マスターカメラ10とスレーブカメラ20との間のデータの送受信が円滑になるという長所がある。図9の実施例における他の特徴は図8の実施例と類似であるため、これに関する詳しい説明は省略する。
【0085】
このように、図8または図9に図示された実施例によると、パノラマ映像210生成以前のオリジナル映像の広角映像200から直接動きを検出するため動き検出の速度が速いという長所がある。さらに、広角映像200をセクター単位で区分して画素値のみで移動物が存在するか否かを判断するため、広角映像200を開くのに必要な複雑な座標値変換などのような計算が不要であり、動き検出速度の面でさらに利点がある。そして映像セクター単位で一律にスレーブカメラ20を制御するため初期の追跡に必要な時間も短縮できる。
【0086】
一方、好ましい実施例では、スレーブカメラ20によって獲得した集中監視映像220を使用して、例えばブロック整合アルゴリズムによって移動物の検出を検証することにより、過ちを防いで追跡性能をさらに高めることができる。さらに、移動検出部122は、集中監視映像220を使用して移動物を検出する過程で各移動物の輪郭を検出し、移動物のサイズ情報を制御部130に提供することができる。このような場合、制御部130は移動物のサイズ情報を基に集中監視映像220に対するズーム倍率値を決定し、スレーブカメラ20を制御することもできる。
【0087】
しかし、本発明は必ずしも映像セクターを単位で動き検出やスレーブカメラ20の制御を行うものに限られるのではない。すなわち、移動検出部122は広角映像200の全体を使用して移動物を検出することができ、移動物の位置を画素単位で決定した後に移動物の座標に応じてスレーブカメラ20を制御することもできる。図10はこのような変形実施例を示す。
【0088】
図10の実施例において、撮像部110によって広角映像200が獲得すると、移動検出部122は広角映像200をフレーム単位で比較して移動物を検出する。一実施例において、動き検出は、既に説明したように各画素に対して移動係数値を計算し、係数値が基準値より大きい画素を隣接した画素同士でグループ化することによって行われることができる。移動検出部122は、各移動物を構成する画素の座標に対して平均値または中間値を計算することにより、客体の中心点座標を2次元の極座標(r、θ)の形に決定する。ここで、rは客体中心点の映像中心点からの距離を示し、θは一定の基準線からの方位角を示す。さらに、移動検出部122は各移動物の上下及び左右方向のサイズを決定する。移動検出部122は各移動物に対してID与え、中心点座標(r、θ)と、サイズに関するデータを移動物テーブル322aに格納する。
【0089】
制御部130は、各移動物に対して、中心点座標(r、θ)からスレーブカメラ20のパンニング及びティルティング値を決定する。制御部130は、各移動物に対して、映像のサイズと距離座標r値を用いてズーム倍率値を決定する。制御部130は、決定されたパンニング及びティルティング値とズーム倍率値をシリアル通信部132を通してスレーブカメラ20へ伝送することにより、スレーブカメラ20が該当映像セクターに該当する監視対象領域を集中監視するようにする。2つ以上の映像セクターから動きが検出した場合には、移動検出部122は移動係数値に応じて優先順位を与え、制御部130はスレーブカメラ20に優先順位が最も高い映像セクターに対して集中監視するようにする。一方、遠隔監視/コントロール装置40からの制御信号に従って優先順位に関係無く特定の移動物に対する集中監視が行われることもある。
【0090】
図10の実施例において、スレーブカメラ20の基準点とほぼ同じ場合に、客体の中心点座標(r、θ)からパンニング及びティルティング値を決定する方法は次のとおりである。
【0091】
まず、パンニング角度の測定基準が広角映像200内での方位角座標(θ)の測定基準と同一であるとすると、パンニング角度は客体中心点の方位角座標(θ)値と同じく決定される。パンニング角度の測定基準面が広角映像200内での方位角座標測定基準面と相違する場合にも、パンニング角度値は中心点座標(r、θ)の方位角座標(θ)値から1次式によって容易に決定されることができる。
【0092】
一方、ティルティング角度値は、客体中心点の距離座標(r)値から求めることができる。一般に、魚眼レンズの屈折特性や360°反射鏡の反射特性は、入射光が特定の数学モデルで表示できるプロファイル特性を有する。例えば、図11のように魚眼レンズ112が正射影屈折特性を有する場合には、入射光の結像点の映像中心からの距離は次の数式1によって表示される。
【0093】
【数1】
【0094】
ここで、xは入射角の大きさ、fは焦点距離であって、広角映像内では映像の半径を示し、yは結像点の映像中心点からの距離を示す。
【0095】
従って、半径がRの映像において、映像中心からの距離がrの客体中心点に対して入射角xは、次の数式2によって求めることができる。
【0096】
【数2】
【0097】
ティルティング角度の特定の基準面を水平面としたとき、スレーブカメラ20を駆動するティルティング角度値は大きさが(90°−x)であり、符号は負の値を有し、次の数式3のように表される。
【0098】
【数3】
【0099】
一方、魚眼レンズ112が図12のように等距離射影屈折特性を有する場合には、入射光の結像点の映像中心からの距離は次の数式4によって表示される。
【0100】
【数4】
【0101】
従って、半径がRの映像において、映像中心からの距離がrの客体中心点に対して入射角xは次の数式5によって求めることができる。
【0102】
【数5】
【0103】
ティルティング角度の測定基準面を水平面としたとき、スレーブカメラ20を駆動するティルティング角度値はその大きさが(90°−x)であり、符号は負の値を有して、次の数式6のように表される。
【0104】
【数6】
【0105】
広角レンズないし魚眼レンズ112が他の屈折特性を有する場合にも、ティルティング角度値は上記と類似に決定されることができる。
【0106】
上記のようなパンニング及びティルティング値の決定方法は、スレーブカメラ20の設置基準の位置が広角レンズ112の中心点とほぼ同じ場合に適用できるもので、スレーブカメラ20とマスターカメラ10が隣接して設置された場合に有用に活用できる。一方、スレーブカメラ20がマスターカメラ10から離隔して設置された場合には、図8の実施例と同様に、広角映像200または監視対象領域内でいくつかの地点に対してパンニング及びティルティング値を実験的に決定してメモリに格納しておき、他の位置に対するパンニング及びティルティング値は格納された値を参照に比例配分法(Law of Proportional Part)に従って補間して使用することができる。このような実施例に対しては本発明が属する技術分野の当業者が本明細書を基に容易に具現できるため、これに関する具体的な説明は省略する。
【0107】
図8ないし図10の実施例において、広角映像200内で移動物を検出し、これを活用してスレーブカメラ20をPTZ動作を制御する場合には、図5に例示された出力映像内でパノラマ映像210部分には、スレーブカメラ20が追跡中の移動物の位置を示すポインターがさらに表されることが好ましい。図13は、このような出力映像の一例を示す。制御部130は動きが検出された映像セクターのうち、相互隣接したセクターに対して大体の中間点を算出することによって移動物の位置を決定する。制御部130はこの位置情報をパノラマ映像構成部124または映像組合部134に提供して、パノラマ映像構成部124または映像組合部134がパノラマ映像210内に、例えば赤色の四角形のポインター211を与えるようにすることができる。ポインター211のサイズは移動物のサイズに関係無く一定であることが好ましい。このようなポインター211は、運用者がパノラマ映像210と集中監視映像220を比較しながら現在状況をより正確に認識するのに役立つ。
【0108】
図14ないし図19を参照に、移動物の発生と消滅による追跡監視動作の変化を説明する。上記に述べたように、マスターカメラ10は、新たな移動物が検出する度に移動物に対する情報を移動物テーブル322または322aに格納し、PTZ制御値を決定してスレーブカメラ20へ送信する。ここで、各移動物に対しては固有の客体IDと共に追跡優先順位が与えられる。追跡優先順位は、異なる移動物の発生と消滅、そして移動物の移動によって変わる。一実施例において、移動物が広角映像200の中心に近いほど客体に高い優先順位が与えられる。また、広角映像200内での移動物の移動速度が速いほど高い優先順位が与えられることもできる。ここで、広角映像200の非線形性により、客体と映像200の中心との距離と客体の移動速度は一般に高い相関関係を示すが、両方が一致しない場合には、両基準のうちいずれかひとつに高い加重値を与えて優先順位を決定することができる。一方、変形実施例では新規検出客体に対して高い優先順位を与えることもできる。
【0109】
移動物に対する優先順位は、遠隔監視/コントロール装置40の運用者によって変わることもできる。特に、運用者が選ぶトラッキング対象客体に対しては最優先順位が与えられることができる。すなわち、運用者が入力部46を通していずれかひとつの移動物を選択すると、選択された客体の情報を含む制御信号がマスターカメラ10へ送信され、制御部130は該当客体に対して最優先順位を与えてスレーブカメラ20が追跡するようにする。
【0110】
マスターカメラ10の制御部130は、上記移動物テーブル322または322aの他に、トラッキングテーブル330を揮発性メモリに生成して維持しながら、現在活性化している各移動物に対する移動履歴情報を格納する。図14はトラッキングテーブル330の一例を示す。図示された例において、トラッキングテーブル330は、各移動物が現在まで移動してきた映像セクターの番号を順次に格納する。変形実施例では、スレーブカメラ20駆動のためのプリセットコード値または客体中心点の座標値の変動履歴が映像セクター番号の代わりに格納されることもできる。
【0111】
図15を参照すると、移動検出部122は、新たな移動物(図面上の 'A')が感知すると、移動物テーブル322または322aとトラッキングテーブル330に客体情報と映像セクター情報を格納する。この際、隣接した複数のセクターから動きが検出する場合には、移動係数値が最も大きい区域に移動物が存在するものと判断する。制御部130は、移動物が存在する映像セクターに、マッピングされたパラメータに応じてスレーブカメラ20へPTZ制御信号を送信し、シリアル通信部132を通して遠隔監視/コントロール装置40へ警報信号を送信する。
【0112】
時間が経つにつれ移動物が移動して映像セクターに対する移動係数値が変わると、移動検出部122は移動係数値が最も大きいセクターに客体が移動したものと判断し、新しい映像セクターに対する情報を移動物テーブル322または322aとトラッキングテーブル330に格納する。そして、制御部130は更新した映像セクター情報に相応したパラメータに従ってスレーブカメラ20にPTZ制御信号を送信する。一方、移動物が広角映像200の境を外れたり映像から消えて動きが完全に無くなると、客体に対する情報を移動物テーブル322または322aとトラッキングテーブル330から削除する。
【0113】
図16を参照すると、既存の移動物(図面上の 'A')に隣接しない映像セクターに他の移動物(図面上の 'B')が検出すると、移動検出部122は新しい移動物('B')に対する客体情報と映像セクター情報を移動物テーブル322または322aとトラッキングテーブル330に格納する。この際、制御部130は、シリアル通信部132を通して遠隔監視/コントロール装置40に新たな移動物の登場を知らせる警報信号を送信することができる。一方、制御部130は、二つの移動物('A'、'B')に対して上記に説明した基準に従って優先順位を決定する。制御部130は、優先順位の高い客体が存在する映像セクターにマッピングされたパラメータに応じてスレーブカメラ20にPTZ制御信号を送信して、スレーブカメラ20が優先順位の高い移動物に対する集中監視映像を獲得するようにする。
【0114】
図17を参照すると、複数の移動物('A'、'B')が同一の映像セクター内に位置することができる。このような場合、移動検出部122は両移動物('A'、'B')に対して共通の映像セクター情報を移動物テーブル322または322aとトラッキングテーブル330に格納する。そして、制御部130は、上記共通の映像セクターにマッピングされたパラメータに応じてスレーブカメラ20へPTZ制御信号を送信して、スレーブカメラ20が両客体 ('A'、'B')をいずれも含む集中監視映像を獲得するようにする。
【0115】
図18のように、両移動物('A'、'B')が両方とも或いはいずれか一つが移動して相互異なる映像セクターに位置すると、制御部130は両移動物('A'、'B')に対して上記に説明した基準に従って再び優先順位を決定する。制御部130は、優先順位の高い客体が存在する映像セクターにマッピングされたパラメータに応じてスレーブカメラ20にPTZ制御信号を送信して、スレーブカメラ20が優先順位の高い移動物に対する集中監視映像を獲得するようにする。
【0116】
図15ないし図18のように、広角映像200内に複数の移動物が存在する場合には、出力映像に含まれたパノラマ映像210にも複数の移動物が表示される。そして、集中監視映像220には一部の移動物が表示される。このような場合、パノラマ映像構成部124または映像組合部134は、集中監視映像が獲得している最優先順位の移動物に対しては、他の移動物と形の異なるポインター211で表示することができる。図19はこのような出力映像の一例を示す。例えば、最優先順位の移動物に対してはパノラマ映像210内に赤色のポインター211aが表されることができ、他の移動物に対しては緑色のポインター211bが表示されることができる。このように色で区別する他にも、最優先順位の移動物に対してはポインター211aが点滅することもでき、ポインター211aの輪郭を異なるようにして差別化することもできる。一方、このように複数の移動物が存在する場合には、画面の一側に客体ID(MDE_003、MDE_008、MDE_xxx)を並べることにより、運用者が客体をさらに正確に見分けるようにすることが好ましい。
【0117】
図20は、図2に図示されたマスターカメラの変形実施例を示す。本実施例によるマスターカメラ10aには複数のスレーブカメラがつながっていることができ、これによってマスターカメラ10aは、複数のスレーブカメラを制御し、これらそれぞれから集中監視映像信号を受け入れることができる。
【0118】
本実施例によると、マスターカメラ10aは、複数の映像信号入力端子150a、150bを備える。映像信号入力端子150aには同軸ケーブルを通して第1スレーブカメラ20aが連結され、映像信号入力端子150bには同軸ケーブルを通して第2スレーブカメラ20bが連結される。マスターカメラ10aの第1シリアルポート152にはスレーブカメラ20a、20bのシリアル通信部が共通して連結されている。マスターカメラ10aのシリアル通信部132は、制御信号を送信するとき時分割多重化によって送信したり、またはスレーブカメラのIDまたはアドレスを明示して送信することにより、各スレーブカメラ20a、20bに制御信号を選択的へ送信することができる。
【0119】
第1信号変換部126は、映像信号入力端子150aを通して受信する第1スレーブカメラ20aからの第1集中監視映像信号をデジタル映像信号に変換する。また、第1信号変換部126は、映像信号入力端子150bを通して受信される第2スレーブカメラ20bからの第2集中監視映像信号をデジタル映像信号に変換する。映像格納部128は、デジタル集中監視映像信号と広角映像信号を格納する。
【0120】
マスターカメラ10aは、広角映像200内にある移動物を検出し、検出された移動物の位置に応じてスレーブカメラ20a、20bのいずれか一つが移動物が存在する監視対象領域を集中監視するよう制御する。上記のように、スレーブカメラ20a、20bのいずれか一つを容易に選択できるよう制御部130によって保たれる制御値LUT320またはカメラLUT320aには動きが検出され得る各広角映像セクターに対して適したカメラIDがマッピングされている。
【0121】
映像組合部134は、制御部130の制御下で、広角映像200、パノラマ映像210、前方パノラマ映像212、後方パノラマ映像214、第1及び第2集中監視映像のうち一つ以上を選択して出力映像を構成する。出力映像に集中監視映像が含まれる場合には、第1及び第2集中監視映像のうち制御部130がパンニング及びティルティング制御を行っているスレーブカメラからの映像のみ含まれることが好ましい。
【0122】
図21は、図2に図示されたマスターカメラの他の変形実施例を示す。図2に図示されたマスターカメラ10は、シリアル通信部132を通したシリアル通信によって遠隔監視/コントロール装置40からカメラ制御信号を受け入れ、マスターカメラ10及び/またはスレーブカメラ20の状態情報を遠隔監視/コントロール装置40へ送信し、映像組合部134によって構成された出力映像を複合映像信号の形態で同軸ケーブルを通して遠隔監視/コントロール装置40へ伝送する反面、本実施例によるマスターカメラ10bは、ネットワークプロトコールで遠隔監視/コントロール装置40との通信を行う。
【0123】
マスターカメラ10bは、例えばイーサネット(登録商標)インターフェースカードのようなネットワークアダプタ138を備え、上記ネットワークアダプタ138はLANケーブルを通して遠隔監視/コントロール装置40に接続される。ネットワークアダプタ138は、TCP/IPプロトコールに応じて遠隔監視/コントロール装置40からカメラ制御信号を受け入れ、マスターカメラ10b及び/またはスレーブカメラ20の状態情報を遠隔監視/コントロール装置40へ送信することができる。また、ネットワークアダプタ138は、映像組合部134によって構成された出力映像をデジタル信号の形態で遠隔監視/コントロール装置40へ伝送する。
【0124】
本実施例によると、マスターカメラ10bが遠隔監視/コントロール装置40から遠距離に設置されている場合にも、遠隔監視/コントロール装置40がインターネットのようなネットワークを通してマスターカメラ10bを容易に制御することができ、マスターカメラ10b及びスレーブカメラ20からの映像信号を受信して監視対象地域を容易に監視することができる。また、遠隔監視/コントロール装置40に複数のマスターカメラ10bが接続することができ、これに必要な配線を最少化することができる。
【0125】
一方、スレーブカメラ20がマスターカメラ10bに集中監視映像をデジタル信号の形で提供することもできる。このような場合には、図21において第1信号変換部126が省略でき、マスターカメラ10bがフルデジタル方式で動作することが可能となる。
【0126】
図22は、図2に図示されたマスターカメラのさらに他の変形実施例を示す。本実施例において、映像組合部134は、アナログ信号状態で映像を組合せて出力映像を生成する。
【0127】
広角撮像部110は、デジタル広角映像信号と共にアナログ広角映像信号を出力する。イメージセンサー112がデジタル広角映像信号のみ出力できる場合には、広角撮像部110または制御/信号処理回路120にA/D変換器をさらに備えることができる。
【0128】
第1信号変換部126は、映像信号入力端子150を通して受信する集中監視映像信号をデジタル映像信号に変換する。映像格納部128は、デジタル集中監視映像信号と広角映像信号を格納する。第2信号変換部140は、パノラマ映像構成部124からのデジタルパノラマ映像信号をアナログ信号に変換する。
【0129】
映像組合部134は、広角映像200、パノラマ映像210、前方パノラマ映像212、後方パノラマ映像214、及び集中監視映像のうち一つ以上を選択し、アナログ信号の状態で映像を組合せることによって出力映像を構成する。映像組合部134は、出力映像を複合映像信号の形態で映像信号出力端子162を通して遠隔監視/コントロール装置40へ伝送する。
【0130】
上述のように、図2に図示されたカメラ装置とその変形実施例は、集中監視カメラ20の出力信号フォーマットや遠隔監視/コントロール装置40の映像信号入力の要求に応じて多様な方式で映像信号を処理することができ、シリアル通信またはネットワーク通信を通して遠隔監視/コントロール装置40に連動できるため、既存の装備を取替えることなく多様な監視システムに非常に容易に採択できる。マスターカメラ10によって完全にフォーマットされた形で出力映像が遠隔監視/コントロール装置40に提供できるため、遠隔監視/コントロール装置40での高速信号処理のためのコンピューティングの負担が軽減し、伝送チャネルの帯域幅による制限が大きく減り、複数の集中監視カメラ20を遠隔監視/コントロール装置40に連動させるのに必要な配線量を最少化することができる。
【0131】
図23は、マスターカメラ10及びスレーブカメラ20の設置例を示す。本例において、支柱400の上側外周面には"U"字状のサポート部材402が取り付けられている。"U"字状のサポート部材402は、第1横バー404と、第1横バー404の外側端部から上方に折り曲げられて繋がっている垂直バー406と、垂直バー406の上端から内側に折り曲げられて繋がっている第2横バー408とを備える。第1横バー404は、支柱400の上側外周面に溶接するか、Uバンドブラケットを使用して支柱400外周面に取り付けられることができる。
【0132】
PTZカメラのスレーブカメラ20は、支柱400の上端に設けられる。全方位カメラのマスターカメラ10は、"U"字状のサポート部材402の第2横バー408の内側端部の底面に設けられる。この際、マスターカメラ10がスレーブカメラ20の直上方に設置してマスターカメラ10の光軸とスレーブカメラ20のパンニング中心軸が一致することが好ましい。
【0133】
このような実施例によると、マスターカメラ10の光軸とスレーブカメラ20のパンニング中心軸が一致するため、動き検出及び追跡監視の過程で広角映像200内での移動物の中心点の方位角座標(θ)値を直ちにPTZカメラのパンニング角度値と決定してスレーブカメラ20を制御することができる。
【0134】
"U"字状のサポート部材402の垂直バー406の長さを調整することにより、マスターカメラ10の設置高さを調節することができるため、動き検出及び追跡地域の範囲を使用者の必要に応じて調節できるという利点がある。
【0135】
"U"字状のサポート部材402とスレーブカメラ20によってマスターカメラ10に監視死角領域が発生するが、図23の設置例は、一部死角領域が許される監視箇所や背後面が遮蔽された監視箇所、回転角が制限されたパンニング/ティルティング駆動部が適用されたカメラが使用される応用分野などで有用に活用できる。
【0136】
図24は、マスターカメラ10及びスレーブカメラ20の異なる設置例を示す。本例において、支柱410の上側外周面には"L"字状のサポート部材412が取り付けられている。"L"字状のサポート部材412は、横バーと、横バーの外側端部から下方に折り曲げられて繋がっている垂直バーとを備える。横バー414は支柱410の上側外周面に溶接するか、Uバンドブラケットを使用して支柱410の外周面に取り付けることができる。
【0137】
マスターカメラ10は"L"字状のサポート部材412の垂直バーの下端に設けられ、スレーブカメラ20は支柱400の上端に設けられる。
【0138】
本実施例によると、マスターカメラ10の撮像部110に、魚眼レンズ使用の時より歪曲の少ない映像が獲得できる360°反射鏡を適用することが容易である。また、マスターカメラ10の設置高さを調節して監視対象地域の範囲を使用者の必要に応じて調節できるという利点がある。
【0139】
"L"字状のサポート部材412とマスターカメラ10によってスレーブカメラ20に監視死角領域が発生し、マスターカメラ10にも"L"字状のサポート部材412による監視死角領域が発生はするものの、一部死角領域が許される監視箇所、背後面が遮蔽された監視箇所、マスターカメラ10の位置が低くても運営に差し支えない監視箇所などで有用に活用することができる。
【0140】
図25は、マスターカメラ10及びスレーブカメラ20のさらに他の設置例を示す。支柱420の上側外周面には横バー422が取り付けられている。マスターカメラ10は、横バー422の外側端部の下側にブラケット(未図示)を使用して設けられ、スレーブカメラ20は、マスターカメラ10の直上方にあるよう横バー422の外側端部の上部にブラケット(未図示)を使用して設けられる。支柱420から横バー422が設けられる高さは、監視対象地域の範囲を考えて使用者が任意で選択することができる。
【0141】
マスターカメラ10の光軸とスレーブカメラ20のパンニング中心軸が一致するため、動き検出及び追跡監視の過程で広角映像200内での移動物の中心点の方位角座標(θ)値を直ちにPTZカメラのパンニング角度値と決定してスレーブカメラ20を制御することができる。このような設置例は各カメラの死角領域が最少化できるという利点がある。
【0142】
図26は、マスターカメラ10及びスレーブカメラ20のさらに他の設置例を示す。支柱430の上側には、透明な強化ガラスまたは強化樹脂などの材質の壁面からなるカメラ設置室432が備えられている。マスターカメラ10は、カメラ設置室432の天井に下方を向くよう設けられる。スレーブカメラ20は、マスターカメラ10の直上方にあるよう支柱430の上端部に設けられる。支柱430の高さとカメラ設置室432の位置は、監視対象地域の範囲と死角領域の範囲を考えて選択することができる。
【0143】
本例においても、マスターカメラ10の光軸とスレーブカメラ20のパンニングの中心軸が一致するため、動き検出及び追跡監視の過程で広角映像200内での移動物の中心点の方位角座標(θ)値を直ちにPTZカメラのパンニング角度値と決定してスレーブカメラ20を制御することができる。
【0144】
本設置例によると、カメラ設置室432の下方の支柱部位によるマスターカメラ10に監視死角領域、カメラ設置室432の外壁の光透過率による画質低下現象の発生可能性、スレーブカメラ20の重さ制限などの更なる考慮要素が存在することがある。しかし、本設置例は、会議テーブルでのテレビ会議中継用や設置位置が低くても良い監視箇所、遠距離動き感知及び追跡必要局所などで有用に活用することができる。
【0145】
図27は、マスターカメラ10及びスレーブカメラ20のさらに他の設置例を示す。支柱440の上側外周面には"L"字状の第1サポート部材442が取り付けられ、第1サポート部材442の取り付け部の下側に支柱440の外周面には第2サポート部材444が取り付けられている。第1及び第2サポート部材442、444は支柱440の外周面に溶接するか、Uバンドブラケットを使用して取り付けることができる。
【0146】
スレーブカメラ20は第1サポート部材442の垂直バーの下端に設けられ、マスターカメラ10は第2サポート部材444の垂直バーの下端に設けられる。マスターカメラ10の高さは、監視対象地域の範囲と死角領域の範囲を考えて選択することができる。
【0147】
本例においても、マスターカメラ10の光軸とスレーブカメラ20のパンニング中心軸が一致するため、動き検出及び追跡監視の過程で広角映像200内での移動物の中心点の方位角座標(θ)値を直ちにPTZカメラのパンニング角度値と決定してスレーブカメラ20を制御することができる。また、マスターカメラ10の撮像部110に魚眼レンズ使用の時より歪曲の少ない映像が獲得できる360°反射鏡を適用することが容易であるという利点がある。
【0148】
このような設置例は、一部の死角領域が許される監視箇所、背後面が遮蔽された監視箇所、マスターカメラ10の位置が低くても運営に差し支えない監視箇所などに適している。
【0149】
図28は、マスターカメラ10及びスレーブカメラ20のさらに他の設置例を示す。支柱450の上側外周面には"L"字状の第1サポート部材452が取り付けられ、第1サポート部材452の取り付け部の下側の支柱450の外周面には第2サポート部材454が取り付けられている。第1及び第2サポート部材452、454は支柱450の外周面に溶接するか、Uバンドブラケットを使用して取り付けることができる。
【0150】
マスターカメラ10は第1サポート部材452の垂直バーの下端に設けられ、スレーブカメラ20は第2サポート部材454の垂直バーの下端に設けられる。マスターカメラ10の高さは、監視対象地域の範囲と死角領域の範囲を考えて選択することができる。
【0151】
本例においても、マスターカメラ10の光軸とスレーブカメラ20のパンニング中心軸が一致するため、動き検出及び追跡監視の過程で広角映像200内での移動物の中心点の方位角座標(θ)値を直ちにPTZカメラのパンニング角度値と決定してスレーブカメラ20を制御することができる。
【0152】
このような設置例は、一部の死角領域が許される監視箇所、背後面が遮蔽された監視箇所、回転角が制限されたパンニング/ティルティング駆動部が適用されたカメラが使用される応用分野などで有用に活用できる。
【0153】
図29は、マスターカメラ10及びスレーブカメラ20のさらに他の設置例を示す。支柱460の上側外周面には横バー462が取り付けられている。マスターカメラ10は横バー462の一地点の底面に設けられる。マスターカメラ10が設置された地点から内側方向または外側方向に、横バー462の底面には一つ以上のスレーブカメラ20a、20bが設けられる。監視対象地域の状況に合わせてスレーブカメラ20a、20bはいずれか一つのみ設けられることもでき、いずれも設けられることもできる。
【0154】
このようにマスターカメラ10とスレーブカメラ20a、20bが平行に設けられる場合、カメラ同士の干渉による監視死角領域が発生し得るが、横バー462が十分に高い場合、このような干渉は無視できる。従って、本設置例は高所監視箇所において特に有用に活用することができる。
【0155】
図30は、マスターカメラ10及びスレーブカメラ20のさらに他の設置例を示す。本設置例は室内監視箇所に適したものであって、マスターカメラ10及びスレーブカメラ20は建物の室内の天井470に並んで設けられる。マスターカメラ10及びスレーブカメラ20の相互の干渉による監視死角領域が発生し得るが、カメラ10、20より低い領域に対する監視が注目的の室内でこのような干渉は無視できる。
【0156】
図31は、本発明による映像監視システムの他の実施例を示す。本実施例による映像監視システムは、多機能カメラ装置500と遠隔監視/コントロール装置40を備える。
【0157】
カメラ装置500は、全方位カメラとPTZカメラを一体化したもので、広角撮像部510、PTZ撮像部520、及び制御/駆動部530を含む。広角撮像部510は監視領域を全方位で撮影し、制御/駆動部530は全方位映像から移動物を検出し、移動物検出のときに移動物が検出された領域を集中して撮影するようPTZ撮像部520を制御する。また、制御/駆動部530は、PTZ撮像部520によって獲得した集中監視映像と全方位映像を組合せて出力映像を生成し、これをアナログ映像信号またはデジタル映像信号として遠隔監視/コントロール装置40へ提供する。
【0158】
遠隔監視/コントロール装置40は、カメラ装置500と離隔した遠隔地に設置され、データ処理部42、モニター44、及び入力部46を備える。データ処理部42はカメラ装置500から出力映像を受け入れモニター44に表されるようにする。また、データ処理部42は、入力部46を通して入力される使用者の入力に従ってカメラ装置500を制御する。データ処理部42は通常のPCによって具現でき、表出映像の処理のためマトリクス、画面分割器、映像分配増幅器などをさらに備えることができる。入力部46はキーボード、マウス、ジョイスティックの入力装置のうちいずれか一つまたはこれらの結合となることができる。
【0159】
図31には簡単明瞭な図示のため遠隔監視/コントロール装置40に一台のカメラ装置500のみ接続されたものと表されているが、複数のカメラ装置500が遠隔監視/コントロール装置40に接続することもできる。
【0160】
図32は、カメラ装置500の一実施例の詳細ブロック図である。広角撮像部510は、電気/光学的に魚眼レンズ512と第1イメージセンサー514を備える。魚眼レンズ512は、視野角が全方位的に(omnidirectionally)150度以上であり、視野角内の空間から入射する光を集光して第1イメージセンサー514に結像するようにする。第1イメージセンサー514は、CMODまたはCCD素子とA/D変換器を含み、魚眼レンズ512によって集光した光を電気的な映像信号に変換してデジタル化し、デジタル広角映像信号を出力する。魚眼レンズ512を通して獲得した広角映像は円形になっている。
【0161】
PTZ撮像部520は、フォーカシングレンズ522と第2イメージセンサー524を備える。フォーカシングレンズ522は全方から入射する光を集光し、第2イメージセンサー524はフォーカシングレンズ522によって集光した光を電気的な映像信号に変換しデジタル化して、デジタル集中監視映像信号を出力する。
【0162】
制御/駆動部において、移動検出部122は、広角撮像部510からの広角映像信号を受け入れ、広角映像をフレーム単位で比較しながら映像内に移動物が存在するかを決定する。ここで、比較されるフレームは繋がっているフレームであることもでき、複数のフレーム周期だけ時間的に分離されたフレームであることもできる。
【0163】
パノラマ映像構成部124は、広角撮像部510からの広角映像を直四角形のパノラマ映像に変換する。図33は、パノラマ映像構成部124によるパノラマ映像構成方法を示す。上記のように、魚眼レンズ512を備える広角撮像部510によって撮影された広角映像600は円形になっている。一実施例において、パノラマ映像構成部124は、円形の広角映像600のうち長方形の一部のみ選択し、選択した映像領域610に対する映像信号をパノラマ映像信号として出力する。パノラマ映像610として取られる領域は固定されていることもでき、動き検出に応じて可変することもできる。また、遠隔監視/コントロール装置40で運用者が入力部46を通して対角線の位置にある二つの点(P1及びP4、またはP2及びP3)を指定して領域を選択することもできる。この場合、領域選択部102は制御部130を通して二つの点(P1及びP4、またはP2及びP3)の座標を示す領域設定信号を受け入れ、これに応答して広角映像600からパノラマ映像610を抽出するようになる。
【0164】
また図32を参照すると、映像格納部128は、ハードディスクまたは半導体記憶装置(SSD)のような格納媒体を備え、デジタル集中監視映像信号と広角映像信号を格納する。映像格納部128は、オリジナルの映像信号の代わりに圧縮した映像信号を格納することもできる。このような実施例において、映像格納部128は、オリジナルの映像信号を圧縮したり圧縮した映像信号を復元するための圧縮/圧縮解除部をさらに備えるが、このような圧縮/圧縮解除部は、制御部130を具現するためのマイクロプロセッサー上で行われるコンピュータプログラムによって具現できる。
【0165】
制御部130は、カメラ装置500の全般的な動作を制御する。特に、制御部130は、移動検出部122によって検出された移動物に応じてPTZ撮像部520に対するパン−ティルト−ズーム動作を制御する。また、制御部130は、カメラ制御信号に応じて映像組合部134を制御して出力映像の構成を可変させることができる。さらに、制御部130は、カメラ制御信号が指示することに従って映像格納部128に格納された映像信号が読み出されて遠隔監視/コントロール装置40に提供するようにする。制御部130の基本的な制御動作はコンピュータプログラムによって行われるが、遠隔監視/コントロール装置40から受信するカメラ制御信号に応答して行われることもある。
【0166】
上記シリアル通信部132は、制御部130がシリアルポート160を通して遠隔監視/コントロール装置40と通信できるようにする。すなわち、制御部130は、シリアル通信部132を通して遠隔監視/コントロール装置40からカメラ制御信号を受け入れ、カメラ装置500の状態情報を遠隔監視/コントロール装置40へ送信することができる。シリアル通信部132と遠隔監視/コントロール装置40との接続は、RS232C、RS422またはRS485の標準に従って行われることができる。
【0167】
映像組合部134は、広角映像600、パノラマ映像610、集中監視映像のうち一つ以上を選択して出力映像を構成する。本実施例において出力映像は、図5に図示されたものと類似であるため、これに関する具体的な説明は省略する。信号変換部136は映像組合部134によって構成された出力映像に対する複合映像信号を発生して、映像信号出力端子162を通して遠隔監視/コントロール装置40へ伝送する。これによって、遠隔監視/コントロール装置40のモニター44には映像組合部134によって構成された出力映像が表されることができる。
【0168】
一方、パンニングモータードライバー182は、制御部130の制御下でパンニングモーター180を駆動して、フォーカシングレンズ522及びイメージセンサー524を含んだPTZ撮像部520を機構的に水平方向に回転させる。ティルティングモータードライバー186は、制御部130の制御下でティルティングモーター184を駆動して、PTZ撮像部520を上下方向に回転させる。ズームモータードライバー190は制御部130の制御下でズームモーター188を駆動することにより、フォーカシングレンズ522の焦点距離を可変させ、ズームイン/ズームアウト機能を具現できるようにする。モータードライバー182、186、190が移動物検出の結果を基に駆動される場合、PTZ撮像部520は移動物に対する追跡監視映像を獲得することが可能となる。
【0169】
図34は、図32のカメラ装置500の一実施例の斜視図である。好ましい実施例によるカメラ装置500は、金属または合成樹脂の材質からなり、大体鐘状になっているハウジング540と、上記ハウジング540の底面にはPTZ撮像部520を収納し保護するためのドーム544を備える。ハウジング540の外周面の下側には支持突出部542を介して広角撮像部510の魚眼レンズ512が外部へ露出して設置されている。ハウジング540の上部面にはカメラ装置500を壁面に取り付けるためのブラケット550が備えられることができる。
【0170】
支持突出部542は、魚眼レンズ512の光軸がカメラ装置500の外側の下方を向くようハウジング540の外周面の下側に設けられる。支持突出部542は、広角撮像部510の撮影方向を決定し、広角撮像部510を構造的に支持して、広角撮像部510がカメラ装置500の直ぐ下の地点を含んだ周辺映像を撮像できるようにする。
【0171】
ブラケット550は、金属材質からなり、上下方向に繋がってその下段がハウジング540の上部面に結合できる垂直部と、上記垂直部の上段から後方に折り曲げられて水平方向に繋がっている垂直部と、上記垂直部の後段に備えられている付着板とで構成される。付着板には複数の溝が形成され、ボルト552によって支柱や壁面に取り付けることが可能となっている。
【0172】
図32及び図34に図示されたカメラ装置500の異なる特徴は、図2に図示されたマスターカメラ10の特徴と類似するため、これに関する詳しい説明は省略する。
【0173】
図35は図31に図示されたカメラ装置500の他の実施例を示す。本実施例によると、カメラ装置500は2つの広角撮像部510a、510bを備える。後術するように、上記広角撮像部510a、510bは水平的に対称するように配置され互いに反対方向を向いており、それぞれ全方位的映像を獲得する。各広角撮像部510a、510bの構成は、図32に図示された広角撮像部510と類似である。一方、図35のPTZ撮像部520は、図32に図示されたものと構成と機能が同一である。
【0174】
移動検出部122は、広角撮像部510a、510bからの広角映像信号を受け入れ、各広角映像に対して別途に映像内に移動物が存在するかを決定する。
【0175】
パノラマ映像構成部124は、広角撮像部510a、510bからの広角映像を直四角形のパノラマ映像に変換する。図36を参照すると、広角撮像部510a、510bによってそれぞれ撮影された広角映像600a、600bは円形になっている。パノラマ映像構成部124は円形の広角映像600a、600bのうちそれぞれ長方形の一部612a、612bのみを選択し、これを連結して結合する。
【0176】
本実施例に関連して、以下の説明では広角映像600aから直四角形の形態で抽出した映像612aを'前方パノラマ映像'と称し、広角映像600bから直四角形の形態で抽出した映像612bを'後方パノラマ映像'と称する。そして、前方パノラマ映像612aと後方パノラマ映像612bを左右に連結させた映像610を'パノラマ映像'と称する。図面において、点P1〜P8は、広角映像600a、600bと前方パノラマ映像612a及び後方パノラマ映像612bの対応点を示すため表示したものである。前方パノラマ映像612a及び後方パノラマ映像612bの幅は、PTZ撮像部520からの集中監視映像の幅と同一であることができる。しかし、変形された例では、パノラマ映像610の幅が集中監視映像の幅と同一であることもできる。
【0177】
また図35を参照すると、映像格納部128はデジタル集中監視映像信号と広角映像信号を格納する。映像格納部128は、オリジナルの映像信号の代わりに圧縮した映像信号を格納することもできる。このような実施例において、映像格納部128は、オリジナルの映像信号を圧縮したり圧縮した映像信号を復元するための圧縮/圧縮解除部をさらに備えるが、このような圧縮/圧縮解除部は、制御部130を具現するためのマイクロプロセッサー上で行われるコンピュータプログラムによって具現されることができる。
【0178】
制御部130は、カメラ装置500の全般的な動作を制御する。特に、制御部130は、移動検出部122によって検出された移動物に応じてPTZ撮像部520に対するパン−ティルト−ズーム動作を制御する。また、制御部130は、カメラ制御信号に応じて映像組合部134を制御して出力映像の構成を可変させることができる。さらに、制御部130は、カメラ制御信号が指示することに従って映像格納部128に格納された映像信号が読み出されて遠隔監視/コントロール装置40へ提供するようにする。制御部130の基本的な制御動作はコンピュータプログラムによって行われるが、遠隔監視/コントロール装置40から受信するカメラ制御信号に応答して行われることもある。
【0179】
映像組合部134は、広角映像600a、600b、前方パノラマ映像612a、後方パノラマ映像612b、パノラマ映像610、及び集中監視映像のうち一つ以上を選択して出力映像を構成する。信号変換部136は、映像組合部134によって構成された出力映像に対する複合映像信号を発生して、映像信号出力端子162を通して遠隔監視/コントロール装置40へ伝送する。これによって、遠隔監視/コントロール装置40のモニター44には映像組合部134によって構成された出力映像が表されることができる。
【0180】
図37は、図35のカメラ装置500の一実施例の側面図である。本実施例によるカメラ装置500は、金属または合成樹脂の材質からなり、大体鐘のような形を有するハウジング540と、上記ハウジング540の底面にはPTZ撮像部520を収納して保護するためのドーム544を備える。ハウジング540の外周面の下側には二つの支持突出部542a、542bが水平的に対称するよう備えられている。支持突出部542aには第1広角撮像部510aの魚眼レンズ512aが外部に露出して設置されており、支持突出部542bには第2広角撮像部510bの魚眼レンズ512bが外部に露出して設置されている。ハウジング540の上部面にはカメラ装置500を壁面に取り付けるためのブラケット554が備えられることができる。
【0181】
支持突出部542a、542bは、魚眼レンズ512a、512bの光軸がカメラ装置500の外側の下方を向くようハウジング540の外周面の下側に設けられる。支持突出部542a、542bは、広角撮像部510a、510bの撮影方向を決定し、広角撮像部510a、510bを構造的に支持して、広角撮像部510a、510bがカメラ装置500の直ぐ下の地点を含んだ周辺映像を撮像できるようにする。
【0182】
図38は、図35のカメラ装置500の他の実施例を示す。本実施例によるカメラ装置500は、上部フレーム550と、水平回転フレーム560と、PTZカメラユニット570とを備える。
【0183】
上部フレーム550は、大体球形または多角形の断面の柱状になっており、その外周面の下側には二つの支持突出部552a、552bが水平的に対称するよう備えられている。上部フレーム550の側面の上段には貫通孔が形成された複数の支持/締結突起554a〜554cが形成されており、上部フレーム550が上方の設置面に安定して支持されるようにすると共に、ボルトによって設置面に固定させることを可能にする。
【0184】
支持突出部552aには第1広角撮像部510aの魚眼レンズ512aが外部に露出して設置されており、支持突出部552bには第2広角撮像部510bの魚眼レンズ512bが外部に露出して設置されている。支持突出部552a、552bにおいて魚眼レンズ512a、512bが設置された面は、広角撮像部510a、510bがPTZカメラユニット570によって遮られない範囲内でカメラ装置500の下方まで撮影できるよう傾斜している。
【0185】
水平回転フレーム560は、上部フレーム550の底面で上記上部フレーム550に対してパンニング、すなわち、水平回転できるよう設けられる。上部フレーム550が上部フレーム550の底面で水平回転できるよう、上部フレーム550または上部フレーム550内にはパンニングモーターが設けられ、パンニングモーターにはパンニングシャフト(未図示)が動力的に接続され、上部フレーム550と上部フレーム550はパンニングシャフトを介して接続される。
【0186】
PTZカメラユニット570は、水平回転フレーム560の下方でティルティング、すなわち垂直回転できるよう設けられる。本実施例において、水平回転フレーム560内にはティルティングモーターが設けられ、ティルティングモーターには水平回転フレーム560を横方向に横切って繋がっているティルティングシャフト(未図示)が接続される。ティルティングシャフトの両端部にはブラケット562が回動することが可能であるよう接続され、PTZカメラユニット570はブラケット562の下部に固定して設けられる。パンニングモーターとパンニングシャフトの具体的な構成及び接続関係と、ティルティングモーター及びティルティングシャフトの具体的な構成及び接続関係は、本発明が属する技術分野の当業者には周知のもので、当業者が様々な方式でこれを容易に具現できるため、これに関する詳しい説明は省略する。
【0187】
PTZカメラユニット570の正面には、光を透過しながらレンズを保護することができるよう透明窓572が備えられている。一方、水平回転フレーム560の両側には夜間に前方に照明を照射することができるようLEDライト562a、562bが設置されている。
【0188】
図39は、図35のカメラ装置500のさらに他の実施例を示す。本実施例によるカメラ装置500は、上部フレーム550と、水平回転フレーム560と、PTZカメラユニット580と、LEDライト590とを備える。
【0189】
上部フレーム550は、大体円形または多角形の断面の柱状になっており、その外周面の下側には二つの支持突出部552a、552bが水平的に対称して備えられている。上部フレーム550の側面の上段には貫通孔が形成された複数の支持/締結突起554a〜554cが形成されており、上部フレーム550が上方の設置面に安定して支持されるようにすると共に、ボルトによって設置面に固定できるようにする。
【0190】
支持突出部552aには第1広角撮像部510aの魚眼レンズ512aが外部に露出して設置されて、支持突出部552bには第2広角撮像部510bの魚眼レンズ512bが外部に露出して設置されている。支持突出部552a、552bにおいて魚眼レンズ512a、512bが設けられた面は、広角撮像部510a、510bがPTZカメラユニット580によって遮られない範囲内でカメラ装置500の下方まで撮影できるように傾斜している。
【0191】
水平回転フレーム560は、上部フレーム550の底面で上記上部フレーム550に対してパンニング、すなわち、水平回転できるよう設けられる。上部フレーム550が上部フレーム550の底面で水平回転できるよう、上部フレーム550または上部フレーム550内にはパンニングモーターが設けられ、パンニングモーターにはパンニングシャフト(未図示)が動力的に接続され、上部フレーム550と上部フレーム550はパンニングシャフトを介して接続される。
【0192】
PTZカメラユニット580は、水平回転フレーム560の側方向においてティルティングできるよう設けられる。本実施例において、水平回転フレーム560内にはティルティングモーターが設けられ、ティルティングモーターには水平回転フレーム560を横方向に横切って繋がっているティルティングシャフト(未図示)が接続される。ティルティングシャフトの一端部にはPTZカメラユニット580が設けられ、他端部にはLEDライト590が設けられる。これによって、ティルティングモーター及びティルティングシャフトが回転する場合、PTZカメラユニット580とLEDライト590がこれに相応して垂直回転するようになる。さらに、PTZカメラユニット580とLEDライト590がある程度左右のバランスをとっているため荷重のアンバランスによる装置の破損を防ぐことができる。一方、PTZカメラユニット580の正面には光を透過しながらレンズを保護することができるよう透明窓582が備えられている。
【0193】
図35ないし図39に図示されたカメラ装置500の他の特徴は、図32に図示された装置の特徴と類似するためこれに関する詳しい説明は省略する。
【0194】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はその技術的思想や必須的な特徴を変更することなく、様々な方式で変形することができ他の具体的な形態で実施することができる。
【0195】
例えば、以上では映像組合部134が広角映像200、前方パノラマ映像212、後方パノラマ映像214、パノラマ映像210、及び集中監視映像信号220のうち一つ以上を組合せて出力映像を構成するものと説明したが、カメラ装置がこれら映像信号を組合せる代わりにマルチプレクサによって単純に多重化して遠隔監視/コントロール装置40へ伝送して、遠隔監視/コントロール装置40が出力映像を構成するようすることもできる。
【0196】
一つのマスターカメラ10に複数の集中監視カメラが接続できる場合には、集中監視カメラの全部または一部がPTZカメラではなく固定式カメラであることもできる。このような場合、マスターカメラ10は、複数の集中監視カメラのうち移動物が存在する領域を撮影するカメラからの映像のみを選択して集中監視映像として使用することもできる。このような実施例においても、各集中監視カメラはズーム機能を備えることが好ましい。
【0197】
以上の説明ではマスターカメラ10が広角映像から移動物を検出し、検出した移動物の位置に応じてスレーブカメラ20を制御したが、変形実施例では移動物検出が遠隔監視/コントロール装置40によって行われることもある。このような実施例において、マスターカメラ10は遠隔監視/コントロール装置40から移動物の位置情報またはPTZ制御情報を受け入れ、これによってスレーブカメラ20を制御することができる。(Claimできない場合削除)
【0198】
一方、映像格納部128は、原本の広角映像の代わりにパノラマ映像を格納することもできる。
【0199】
他の一方で、以上ではマスターカメラ10またはカメラ装置500が集中監視映像または集中監視映像が含まれた出力映像を遠隔監視/コントロール装置40へ伝送するものと記述した。しかし、変形実施例では、マスターカメラ10またはカメラ装置500が集中監視カメラに対する制御機能を行いながら集中監視映像は集中監視カメラが直接遠隔監視/コントロール装置40へ伝送するようにすることもできる。
【0200】
以上では様々な実施例を例示したが、本質的に不可能なものではない限り各例示的実施例において説明した特徴は他の実施例にも適用できる。また、各例示的実施例において説明した特徴が一つの実施例で結合されることもできる。例えば、以上ではマスターカメラ10またはカメラ装置500がシリアル通信またはTCP/IPの基盤ネットワークを通して遠隔監視/コントロール装置40へ出力映像を伝送する実施例について説明したが、本発明の他の実施例ではマスターカメラ10またはカメラ装置500がシリアル通信及びTCP/IP基盤ネットワークを通してマスターカメラ10と通信する機能を全て備えることもできる。一方、マスターカメラ10またはカメラ装置500がアナログ映像信号ではなくデジタル映像データの形で遠隔監視/コントロール装置40に出力映像信号を伝送することもできる。他の一方で、マスターカメラ10はスレーブカメラ20からアナログ信号ではなくデジタル信号の形態で集中監視映像を受信することもできる。
【0201】
従って、以上で述べた実施例は全ての面での例示であり、これにより限定されるものではない。本発明の範囲は上記の詳細な説明よりは添付の特許請求範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその等価の概念から導かれる全ての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと理解すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0202】
本発明は、全方位監視と集中監視を必要とする全ての応用分野において利用できる。特に、複数のカメラが必要な応用分野において遠隔監視/コントロール装置の負担を減らしながら効率的に監視対象地域を監視することができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ装置に関するもので、より詳しくは、閉回路テレビ(CCTV)方式の監視システムに使用するためのカメラ装置に関する。さらに、本発明はこのようなカメラ装置を採用した監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、CCTV監視システムは、監視対象地域を撮影するためのカメラと、上記カメラによって撮影された映像をモニターに表示して格納装置に格納する遠隔監視ユニットとを含む。カメラは、遠隔監視ユニットによってその動作が制御され、獲得した映像を、例えばNTSC、PAL、またはSECAM規格に適した複合映像信号の形態で同軸ケーブルを通して遠隔監視ユニットへ伝送したり、コンポーネント映像信号または圧縮した映像信号で伝送することとなる。
【0003】
様々な種類の監視カメラが使用されてはいるが、本出願が行われている時点で最も広く使われているカメラの一つは、焦点距離が一定に固定されている固定式カメラである。ところが、固定式カメラは視野角が狭く撮影可能範囲が運用者が最初に設定した監視方向により極めて狭い地域に限られるという問題がある。
【0004】
水平回転(すなわち、パンニング)及び垂直回転(すなわち、ティルティング)とズームイン/ズームアウトが可能なパンティルトズーム(Pan−Tilt−Zoom、以下'PTZ'と称す)カメラも広く使われている。PTZカメラは、水平回転と垂直回転及びズームイン/ズームアウトが遠隔制御できるため、遠隔監視ユニットの指示に従って監視領域を変更したり特定の対象のみ追跡しながら集中監視したりすることもできる。しかし、PTZカメラもまたレンズの画角に制限があるため、現在カメラの眺めている方向によって空間的に変わることはあるものの、撮影が不可能な死角領域が存在する。特に、レンズをズームインしパンニング及びティルティングメカニズムを駆動して特定の対象を追跡する場合には、被追跡客体の周りを除いた他の地域に対しては監視が不可能となり死角領域はさらに広くなる。
【0005】
監視範囲を広めるための方案として、例えば、魚眼レンズのような広角レンズを採用したパノラマカメラ(広角カメラまたは全方向カメラと称されることもある)を使用する方案も提示されてことがある。大韓民国特許第663483号(発明の名称:全方向カメラを用いた無人監視方法及び装置)と大韓民国公開特許第2009−15311号(発明の名称:映像監視システム)がその例である。ところが、魚眼レンズカメラは、撮影する映像が円形であって全体的に歪曲が激しいだけでなく、特に映像の縁では物の識別が困難である。さらに、曲線の(curvilinear)ある映像の属性により、移動物の追跡監視はさらに難しい。従って、魚眼レンズカメラは全体的な情況を調べるには有用であるものの、移動物の集中監視には適していない。
【0006】
これによって、最近は広域監視カメラと集中監視カメラを結合した監視システムが拡散する傾向にある。例えば、大韓民国公開特許第2005−0103597号(発明の名称:実時間パノラマビデオ映像を用いた監視システム及びそのシステムの制御方法)には、複数のコンポーネントカメラにより獲得したパノラマ映像から映像の特定の部分を選び、その選んだ部分をPTZカメラ3が撮影するよう制御するシステムが記載されている。このようなシステムによると、パノラマカメラによって全方向監視ができ、動きが感知するとPTZカメラによって移動物を追跡監視することが可能となる。
【0007】
パノラマカメラとPTZカメラを結合した既存の監視システムにおいて、PTZカメラの制御は、専ら遠隔監視ユニットから運用者の入力装置の操作によって、またはコンピュータプログラムの実行を通して行われる。PTZカメラの制御が運用者によって手動で行われる場合には、十分な人手が連続して投入される必要があるという短所がある。一方、PTZカメラの制御が動き検出ソフトウェア及び/またはハードウェアによって行われる場合には、遠隔監視ユニットでのデータ処理の負担が大きくなる。特に、複数のカメラを備えるシステムであるほど遠隔監視ユニットにおけるコンピューティングの負担がさらに加重する。
【0008】
さらに、アナログ方式の映像伝送の場合、それぞれのカメラによって獲得した映像信号は、個別の線路を通して遠隔監視ユニットへ伝送されるため、線路設置費用及びメンテナンス費用がカメラ数に応じて増加するという問題がある。このような場合、線路の帯域幅が十分に広い条件下でも、複数のカメラからの映像信号をカメラ台数より少ない数の線路を通して伝送するため、線路が終結する場所に別途のマルチプレクサ装備を設置し、遠隔監視ユニットにジマルチプレクサを備えなければならず、これによってシステムが複雑になる。このようなシステムが複雑になることを防ぐため、複数のカメラからの映像信号をイメージミキサーを通して一つの映像で伝送することもできるが、複数のカメラの映像を一つの画面に組み合せるため、それぞれのカメラの映像が縮小して映像の品質が劣り、使用者が必要とする映像のみを選んで全体画面などに拡大したときに選ばれた映像以外の映像は監視できなくなる。
【0009】
さらに、ネットワーク方式の映像伝送の場合、それぞれの映像がネットワークデータに変換されて遠隔監視ユニットへ伝送されるため、カメラ数が増えるほど通信帯域幅とこれら映像を処理するためのコンピューティングの負担が増加するようになる。
【0010】
一方、例えばPTZカメラのみを備えた監視システムを上記のようにパノラマカメラとPTZカメラを結合した監視システムに切り替えようとしたときには、既存装置の活用が容易ではないことがある。すなわち、システムの切り替え前後のカメラの仕様、例えば、既存のシステム構成がアナログ方式だったのに対して切り替え後にはネットワーク方式に変わることのように、構成が相違して相互運用可能性が低い場合には、PTZカメラを活用することができず新しく与えれられたカメラに合わせて取り替えなければならないことがある。さらに、既に記述したPTZカメラの制御またはネットワーク方式の映像伝送におけるコンピューティングの負担は、遠隔監視ユニットを構成する制御装置、例えばPC自体の取替えまで必要とすることもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、このような問題点を解決するためのもので、映像内の動きを直接検出して集中監視カメラのパン/ティルト/ズームを自主的に制御することができ、広域監視映像と集中監視映像を共に遠隔地のコントロール装置へ伝送できる監視カメラ装置を提供することをその技術的課題とする。
【0012】
また、本発明は、このようなカメラ装置を使用して構成されシステム構成が簡単な遠隔監視システムを提供することを他の技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記技術的課題を達成すべく、本発明の監視カメラ装置は、遠隔コントロール装置で表示する監視映像を獲得して上記遠隔コントロール装置の機能の助けがなくても集中監視撮像ユニットを制御するものであって、広角撮像部と、制御及び信号処理部と、信号送信部とを備える。上記広角撮像部は、監視対象地域に対する広角映像を獲得する。上記制御及び信号処理部は、広角映像から移動物の位置を検出し、移動物の位置情報に相応した制御信号を発生して移動物を撮影するよう集中監視撮像ユニットを制御し、上記集中監視撮像ユニットによって獲得した集中監視映像を受け入れる。上記信号送信部は、上記集中監視映像を含んだ上記監視映像を上記遠隔コントロール装置へ送信する。
【0014】
好ましい実施例において、制御及び信号処理部は、広角映像が分割された複数の映像セクターのうち上記移動物と関連したいずれかひとつの映像セクターの位置情報に応じて上記制御信号を出力する。
【0015】
一実施例において、上記制御及び信号処理部は、移動物の位置情報に応じて所定のプリセットコードを上記制御信号として集中監視撮像ユニットへ出力して、集中監視撮像ユニットが上記プリセットコードに応じて撮影方向を調整するようになる。しかし、変形実施例では、上記制御及び信号処理部が移動物の位置情報に応じて集中監視撮像ユニットに対するパンニング及びティルティング制御値を上記制御信号として集中監視撮像ユニットへ出力することができる。
【0016】
好ましい実施例において、制御及び信号処理部は以前撮像した広角映像と現在の広角映像を複数の映像セクター単位でそれぞれ比較し、各映像セクターにおいて 画素値変化量係数値が所定の基準値以上であると、上記映像セクターが移動物と関連しているものと決定する。この際、相互隣接した二つ以上の映像セクターにおいて上記画素値変化量係数値が上記基準値以上の場合には、画素値変化量係数値が最大値である映像セクターが上記移動物と関連したものと決定することができる。
【0017】
しかし、変形実施例では、制御及び信号処理部が以前撮像した広角映像と現在の広角映像を比較して移動物を検出し、移動物の特定の座標値が複数の映像セクターのうちどの映像セクターに属するかを判断して上記関連した映像セクターを決定することができる。さらに他の変形実施例では、制御及び信号処理部が広角映像から移動物を検出し、広角映像内での移動物の中心点の位置を極座標の形で決定し、極座標値に応じて制御信号を出力する。この際、移動物のサイズを決定して、上記サイズに応じたズーム倍率の制御値を制御信号に含ませることもできる。
【0018】
好ましい実施例において、監視カメラ装置は、広角映像からパノラマ映像を構成するパノラマ映像構成部と、上記パノラマ映像と上記集中監視映像を結合する映像組合部とをさらに備える。このような場合、上記信号送信部は、上記結合された映像を上記監視映像として遠隔コントロール装置へ送信するようになる。
【0019】
好ましい実施例において、上記映像組合部は、上記パノラマ映像と上記集中監視映像を一つの出力映像にフォーマットして、信号送信部を通して伝送する。しかし、上記映像組合部が上記パノラマ映像信号と上記集中監視映像信号を単純に多重化(Multiplexing)して信号送信部を通して伝送することもできる。
【0020】
上記信号送信部は、同軸ケーブルまたは、例えばLANやインターネットなどを通して出力映像を遠隔コントロール装置へ伝送することが好ましい。
【0021】
監視カメラ装置は、上記広角映像、上記集中監視映像、上記パノラマ映像、またはこれらの組合せを格納するための格納部をさらに備えることが好ましい。
【0022】
上記集中監視撮像ユニットは、上記監視カメラ装置の外部にある独立した装置であることができる。このような場合、上記監視カメラ装置は、集中監視撮像ユニットから集中監視映像を受け入れるための映像入力端子と、制御信号を集中監視撮像ユニットへ伝送するためのシリアル通信部とをさらに備えることが好ましい。上記シリアル通信部は、制御及び信号処理部が遠隔コントロール装置から装置制御信号を受信するにも使われることができる。
【0023】
上記制御及び信号処理部は、遠隔コントロール装置から集中監視撮像ユニットに対するパン/ティルト制御信号が受信された場合、移動物の位置情報に相応した上記制御信号より優先して集中監視撮像ユニットへ送信するようにする。
【0024】
集中監視撮像ユニットが外部の独立した装置の場合、監視カメラ装置は、上記映像入力端子を通して集中監視撮像ユニットからアナログ集中監視映像を受け入れ、デジタル集中監視映像を発生する信号変換部をさらに備えることが好ましく、これによって映像組合部は、デジタルパノラマ映像と上記デジタル集中監視映像を結合することが可能となる。
【0025】
一つの広域監視カメラ装置に対して集中監視撮像ユニットが複数接続することもできる。このような場合、制御及び信号処理部は、集中監視撮像ユニットへ伝送する上記制御信号には受信ユニット識別情報を含むことが好ましい。
【0026】
集中監視撮像ユニットが外部の独立した装置の場合には、広角撮像部の広角レンズの光軸が集中監視撮像ユニットのパンニング中心軸と一致するようカメラ装置を設けることが好ましい。
【0027】
一方、上記集中監視撮像ユニットは、上記監視カメラ装置に含まれた内部要素であることもできる。このような場合、広角撮像部は、監視カメラ装置の外周面において相互対称するよう複数設けられることが好ましい。制御及び信号処理部は、上記複数の広角撮像部によって獲得した複数の広角映像それぞれに対して動きを検出することが好ましい。そして、パノラマ映像構成部は、複数の広角映像それぞれから所定の領域を抽出し、抽出した領域を結合してパノラマ映像を構成することができる。
【0028】
他の一方で、上記他の技術的課題を達成すべく、本発明の遠隔監視システムは、少なくともひとつのスレーブカメラと、マスターカメラと、遠隔コントロール装置とを備える。上記スレーブカメラは、監視対象地域を選択的に集中撮影するためのもので、パン/ティルト/ズーム駆動が可能である。上記マスターカメラは、監視対象地域に対する広角映像を獲得し、広角映像から移動物の位置を検出し、上記移動物の位置に応じてスレーブカメラを駆動して上記移動物を撮影するよう制御し、スレーブカメラから集中監視映像を獲得して、上記広角映像と上記集中監視映像を基に出力映像を構成して遠隔コントロール装置へ伝送する。上記遠隔コントロール装置は、出力映像をモニターに表示し、マスターカメラを遠隔制御する。
【0029】
好ましい実施例において、上記マスターカメラは、広角映像が分割された複数の映像セクターのうち上記移動物と関連したいずれかひとつの映像セクターの位置情報による制御信号を供給して上記スレーブカメラを制御する。
【0030】
上記マスターカメラは、上記広角映像からパノラマ映像を構成するパノラマ映像構成部と、上記パノラマ映像と上記集中監視撮像ユニットから受信した上記集中監視映像を結合する映像組合部と、上記結合した映像を上記出力映像として上記遠隔コントロール装置へ送信する信号送信部とを備えることが好ましい。
【0031】
より一般的な側面において、本発明は、広角撮像部を備え遠隔コントロール装置で表示する監視映像を獲得し、上記遠隔コントロール装置の助けがなくても集中監視撮像ユニットを制御する監視カメラ装置において監視映像を獲得する方法を提供する。
【0032】
監視カメラ装置は、まず上記広角撮像部によって監視対象地域に対する広角映像を獲得する。そして、広角映像から移動物の位置を検出し、移動物の位置情報に相応した制御信号を発生する。監視カメラ装置は、上記制御信号を上記集中監視撮像ユニットに提供して、上記移動物を撮影するよう制御し、上記集中監視撮像ユニットによって獲得した集中監視映像を受け入れる。また、監視カメラ装置は、上記集中監視映像を含んだ上記監視映像を上記遠隔コントロール装置へ送信する。
【0033】
一実施例において、上記集中監視撮像ユニットは、上記監視カメラ装置の外部にある独立した装置である。しかし、変形実施例では、上記集中監視撮像ユニットが上記カメラ装置の内部に含まれる。
【0034】
一実施例において動きを検出するにおいては、まず広角映像を複数の映像セクターに分割する。そして以前撮像した広角映像と現在の広角映像を上記複数の映像セクター単位でそれぞれ比較する。各映像セクターにおいて画素値変化量が第1基準値より大きい画素数を計数し、係数値が第2基準値以上である映像セクターの位置情報を移動物の位置情報として決定するようになる。この際、相互隣接した二つ以上の映像セクターにおいて上記係数値が上記第2基準値以上の場合には、画素値変化量係数値が最大値を有する映像セクターの位置情報を移動物の位置情報として決定することができる。
【0035】
他の実施例において、動きを検出するにおいては、以前撮像した広角映像と現在の広角映像を複数の映像セクター単位でそれぞれ比較して上記移動物を検出した後、移動物の特定の座標値が属する映像セクターの位置情報を上記移動物の位置情報と決定する。
【0036】
他の実施例において、動きを検出するにおいては、広角映像内で上記移動物を検出した後、移動物の中心点の位置を極座標の形に決定し、極座標値に応じて集中監視撮像ユニットに対するパン/ティルト制御値を決定して制御信号として発生するようになる。この際、移動物のサイズを決定して、上記サイズに応じたズーム倍率制御値を上記制御信号としてさらに発生させることもできる。
【発明の効果】
【0037】
このように、本発明は360°反射鏡または魚眼レンズを用いて獲得した広角映像から全方位的に動きを検出し、動き検出を基に任意の位置に配置されたPTZカメラを制御して移動物を追跡し、広角映像とPTZカメラの集中監視映像がモニターに表示されるようにする。これによってPTZカメラの短所である死角領域発生の問題と全方位カメラの短所である遠距離物体の監視の際の画質低下の問題を相互補完することが可能となる。
【0038】
特に、本発明によると、PTZカメラの制御が広角カメラによって行われるため複数のカメラを運用する時に分析用映像データが遠隔監視/コントロール装置に集中するときよりデータ処理の負担が大きく軽減するという効果がある。
【0039】
マスターカメラで直接スレーブカメラのパン/ティルト/ズームを制御しながらアナログまたはデジタル信号にして集中管理映像信号を受け入れ、パノラマ映像と集中管理映像が結合した出力映像をアナログまたはデジタル信号として選択的に遠隔監視/コントロール装置へ伝送することができるため、既存のアナログ監視システムをアップグレードしようとするとき、既存のシステムをそのまま活用することができ、アップグレード費用が最少化できる。
【0040】
また、マスターカメラでスレーブカメラの映像だけでなく自分の映像まで監視センターとは別個に格納できるため、監視センターに異常が発生した際にも監視が中断することなく録画が可能である。
【0041】
遠隔監視/コントロール装置のタスクがカメラ装置に分散するため、遠隔監視/コントロール装置のデータ処理の負担が著しく減少し、小数の人手でも遠隔監視/コントロール装置を運用することができる。また、スレーブカメラの映像信号もマスターカメラを通して遠隔監視/コントロール装置へ伝送されるため、システム構成が簡単になるだけでなく、線路設置費用とメンテナンス費用が低減するという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0042】
以下、添付の図面を参照に本発明の好ましい実施例を説明する。便宜上、図面上の同一或いは対応する部材に対しては同一の参照番号を使用する。
【0043】
【図1】図1は本発明による映像監視システムの一実施例のブロック図である。
【図2】図2は図1に図示されたマスターカメラの一実施例の詳細ブロック図である。
【図3】図3は図1に図示されたスレーブカメラの一実施例の詳細ブロック図である。
【図4】図4は広角映像を直四角形のパノラマ映像に変換する方法の一例を示した図面である。
【図5】図5は出力映像の構成例を示した図面である。
【図6】図6は図1に図示されたマスターカメラの動作過程を示したフロー図である。
【図7】図7は動き検出及びスレーブモーター制御のために広角映像を複数のセクターに区分した状態を例示した図面である。
【図8】図8は移動物検出過程の一実施例を示した系統図である。
【図9】図9は移動物検出過程の他の実施例を示した系統図である。
【図10】図10は移動物検出過程のさらに他の実施例を示した系統図である。
【図11】図11は広角レンズが正射影屈折特性を有する場合においてティルティング角度値を決定する方法を説明するための図面である。
【図12】図12は広角レンズが等距離射影屈折特性を有する場合においてティルティング 角度値を決定する方法を説明するための図面である。
【図13】図13はパノラマ映像部分に移動物ポインターが与えられた出力映像の一例を示した図面である。
【図14】図14は各移動物に対する移動履歴情報を格納するためのトラッキングテーブルの一例を示した図面である。
【図15】図15は広角映像から新しい移動物が検出されたときスレーブカメラを制御する過程を説明するための図面である。
【図16】図16は広角映像に更なる移動物が検出されたときスレーブカメラを制御する過程を説明するための図面である。
【図17】図17は複数の移動物が同一映像セクター内に位置したときにスレーブカメラを制御する過程を説明するための図面である。
【図18】図18は同一映像セクター内にあった移動物が再び分離されたときスレーブカメラを制御する過程を説明するための図面である。
【図19】図19はパノラマ映像内に複数の移動物が存在するとき移動物に対して異なる種類のポインターが与えられた出力映像の一例を示した図面である。
【図20】図20は図2に図示されたマスターカメラの変形実施例のブロック図である。
【図21】図21は図2に図示されたマスターカメラの他の変形実施例のブロック図である。
【図22】図22は図2に図示されたマスターカメラのさらに他の変形実施例のブロック図である。
【図23】図23はマスターカメラ及びスレーブカメラの設置例を示した図面である。
【図24】図24はマスターカメラ及びスレーブカメラの設置例を示した図面である。
【図25】図25はマスターカメラ及びスレーブカメラの設置例を示した図面である。
【図26】図26はマスターカメラ及びスレーブカメラの設置例を示した図面である。
【図27】図27はマスターカメラ及びスレーブカメラの設置例を示した図面である。
【図28】図28はマスターカメラ及びスレーブカメラの設置例を示した図面である。
【図29】図29はマスターカメラ及びスレーブカメラの設置例を示した図面である。
【図30】図30はマスターカメラ及びスレーブカメラの設置例を示した図面である。
【図31】図31は本発明による映像監視システムの他の実施例のブロック図である。
【図32】図32は図31に図示されたカメラ装置の一実施例の詳細ブロック図である。
【図33】図33は図32に図示されたパノラマ映像構成部によるパノラマ映像構成方法を説明するための図面である。
【図34】図34は図32のカメラ装置の一実施例の斜視図である。
【図35】図35は図31に図示されたカメラ装置の他の実施例の詳細ブロック図である。
【図36】図36は図35に図示されたパノラマ映像構成部によるパノラマ映像構成方法を説明するための図面である。
【図37】図37は図35のカメラ装置の一実施例の側面図である。
【図38】図38は図35のカメラ装置の他の実施例の底面斜視図である。
【図39】図39は図35のカメラ装置のさらに他の実施例の底面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1は、本発明による映像監視システムの一実施例を示す。本実施例による映像監視システムは、マスターカメラ10と、スレーブカメラ20と、遠隔監視/コントロール装置40とを備える。
【0045】
マスターカメラ10は、本発明による知能型監視カメラ装置において、監視領域を全方位から撮影し、撮像した全方位映像から移動物を検出し、移動物検出の際に移動物が検出された領域を集中撮影するようスレーブカメラ20を制御する。また、マスターカメラ10は、スレーブカメラ20によって獲得した集中監視映像と全方位映像を組合して出力映像を生成し、これをアナログ映像信号またはデジタル映像信号として遠隔監視/コントロール装置40へ提供する。
【0046】
スレーブカメラ20は、マスターカメラ10からシリアル通信によって制御信号が供給され、マスターカメラ10の制御下で集中監視映像を獲得してマスターカメラ10へ出力する。一方、好ましい実施例において、スレーブカメラ20がマスターカメラ10に供給する集中監視映像信号は、NTSC規格に適した複合映像信号である。しかし、集中監視映像信号がこれに限られるのではなく、PAL、SECAM、または他の規格に適した信号であることもでき、デジタル信号であることもできる。
【0047】
一方、スレーブカメラ20は、水平回転及び垂直回転とズームイン/ズームアウトが可能な一つ以上のパンティルトズーム(Pan−Tilt−Zoom、以下'PTZ'と称す)カメラであることが好ましい。しかし、変形実施例では、スレーブカメラ20が複数の固定式カメラの組合せであることもできる。このような場合においても、各固定式カメラはズームイン/ズームアウトが可能であることが好ましい。
【0048】
遠隔監視/コントロール装置40は、マスターカメラ10と離隔された遠隔地に設けられ、データ処理部42、モニター44、及び入力部46を備える。データ処理部42は、マスターカメラ10から出力映像を受け入れモニター44に表示されるようにする。また、データ処理部42は、入力部46を通して入力される使用者の入力に応じてマスターカメラ10を制御したり、マスターカメラ10を経由してスレーブカメラ20を制御することができる。データ処理部42は、通常のPCによって具現することができ、表出映像の処理のためにマトリクス、画面分割器、映像分配増幅器などをさらに備えることができる。入力部46は、キーボード、マウス、ジョイスティック入力装置のいずれかひとつまたはこれらの結合であることができる。
【0049】
図1には簡単明瞭な図示のため遠隔監視/コントロール装置40に一台のマスターカメラ10が接続し、このマスターカメラ10に一台のスレーブカメラ20が接続されたものと表示されているが、映像監視システムはこれより多い数のカメラ10、20が含まれることができる。すなわち、遠隔監視/コントロール装置40には複数のマスターカメラ10が接続されることができ、各マスターカメラ10には複数のスレーブカメラ20が接続されることもできる。
【0050】
図2は、図1に図示されたマスターカメラ10の一実施例を詳細に示し、図3は、スレーブカメラ20の一実施例を詳細に示す。
【0051】
図2を参照すると、マスターカメラ10は広角撮像部110と制御/信号処理回路120を備える。また、マスターカメラ10は、スレーブカメラ20から映像信号を受け入れるための映像信号入力端子150と、スレーブカメラ20に制御信号を供給するための第1シリアルポート152と、遠隔監視/コントロール装置40からカメラ制御信号を受け入れるための第2シリアルポート160と、遠隔監視/コントロール装置40に映像信号を供給するための映像信号出力端子162を備える。
【0052】
広角撮像部110において、広角レンズ112は、180度魚眼レンズ、360度反射鏡、またはレンズやミラーなどの組合せで構成される光学的構造体であって、監視対象地域内で全方位的に(omnidirectionally)入射する光を集光してイメージセンサー114に結像するようにする。イメージセンサー114は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)または電荷結合素子(CCD)とアナログ−デジタル変換器を含み、広角レンズ112によって集光した光を電気信号に変換しデジタル化し、デジタル広角映像信号を出力する。広角撮像部110によって獲得した広角映像は円形または環形からなっている。
【0053】
制御/信号処理回路120において、移動検出部122は、広角撮像部110からの広角映像信号を受け入れ、広角映像をフレーム単位で比較しながら映像内に移動物が存在するかを決定する。ここで、比較されるフレームは繋がっているフレームであることもでき、複数のフレーム周期だけ時間的に分離されたフレームであることもできる。具体的な動き検出のアルゴリズムは後述する。
【0054】
パノラマ映像構成部124は、広角撮像部110からの広角映像を直四角形のパノラマ映像に変換する。図4は、広角映像を直四角形のパノラマ映像に変換する方法の一例を示す。図示された例において、パノラマ映像構成部124は、円形または環形の広角映像200を上側と下側の2つの領域に区分し、各領域を開いて空いている画素を補間によって満たすことによって直四角形の映像に変換する。この際、補間による演算の負担を減少するため、円形の広角映像から情報量の少ない中心部は変換に使用しないこともできる。
【0055】
以下の説明において、広角映像200の下側領域が直四角形に変換された映像212を'前方パノラマ映像'と称し、広角映像200の上側領域が直四角形に変換された映像214を'後方パノラマ映像'と称することとする。そして、前方パノラマ映像212と後方パノラマ映像214を左右に繋げた映像210を'パノラマ映像'と称する。図面において、点P1〜P4は広角映像200と前方パノラマ映像212及び後方パノラマ映像214の対応点を示すため表示したものである。前方パノラマ映像212及び後方パノラマ映像214の幅はスレーブカメラ20からの集中監視映像の幅と同一であることができる。しかし、変形された例では、パノラマ映像210の幅が集中監視映像の幅と同一であることもできる。
【0056】
再び図2を参照すると、第1信号変換部126は、映像信号入力端子150を通して受信する集中監視映像信号をデジタル映像信号に変換する。すなわち、第1信号変換部126は、複合映像信号の形態の集中監視映像信号を広角映像信号と同様にデジタルYCbCrまたはRGBコンポーネント映像信号に変換する。
【0057】
映像格納部128はハードディスクまたは半導体記憶装置(SSD:Solid State Drive)のような格納媒体を備え、デジタル集中監視映像信号と広角映像信号を格納する。映像格納部128は、オリジナルの映像信号の代わりに圧縮した映像信号を格納することもできる。このような実施例において、格納部128はオリジナルの映像信号を圧縮したり、圧縮した映像信号を復元するための圧縮/圧縮解除部をさらに備えるが、このような圧縮/圧縮解除部は、制御部130を具現するためのマイクロプロセッサー上で実行されるコンピュータプログラムによって具現されることができる。
【0058】
制御部130は、マスターカメラ10の全般的な動作を制御すると共に、スレーブカメラ20のパン−ティルト−ズーム動作を制御する。制御部130の基本的な制御動作はコンピュータプログラムによって行われるが、遠隔監視/コントロール装置40から受信するカメラ制御信号に応答して行われることもできる。特に、制御部130はカメラの制御信号に応じて映像組合部134を制御して出力映像の構成を可変させることができる。また、制御部130はカメラ制御信号が指示することに従って映像格納部128に格納された映像信号が読み出されて遠隔監視/コントロール装置40へ提供されるようにする。一方、カメラ制御信号にスレーブカメラ20に対する制御信号が含まれている場合、この制御信号をスレーブカメラ20へ中継伝送する。
【0059】
上記シリアル通信部132は、制御部130が第1シリアルポート152を通してスレーブカメラ20と通信できるようにし、第2シリアルポート160を通して遠隔監視/コントロール装置40と通信できるようにする。すなわち、制御部130は、シリアル通信部132を通してPTZ制御信号を含んだ制御信号をスレーブカメラ20へ送信して、スレーブカメラ20から状態情報を受け入れることができる。また、制御部130は、シリアル通信部132を通して遠隔監視/コントロール装置40からカメラ制御信号を受け入れ、マスターカメラ10及び/またはスレーブカメラ20の状態情報を遠隔監視/コントロール装置40へ送信することができる。シリアル通信部132とスレーブカメラ20または遠隔監視/コントロール装置40との接続は、RS232C、RS422またはRS485標準に従って行われることができる。
【0060】
映像組合部134は、広角映像200、前方パノラマ映像212、後方パノラマ映像214、パノラマ映像210、及び集中監視映像のいずれかひとつ以上を選んで出力映像を構成する。
【0061】
図5は、出力映像の構成例を示す。基本的な出力画面において、画面の下段にはパノラマ映像210が配置され、画面の上側及び中央領域にはスレーブカメラ20によって獲得した集中監視映像220が配置される(図5の左上の部分)。出力映像が遠隔監視/コントロール装置40へ伝送されモニター44に表示された状態で、運用者は入力部46を操作して出力映像の構成を変更することができる。例えば、運用者が出力映像から集中監視映像220部分を選択すると、遠隔監視/コントロール装置40は出力映像の構成の変更を要求する制御信号を送信するようになり、シリアル通信部132を通して制御信号を受信した制御部130は、映像組合部134に集中監視映像220のみ出力映像に含まれるようにする(図5の右上の部分)。
【0062】
同様に、運用者が出力映像からパノラマ映像210の部分を選択すると、映像組合部134は前方パノラマ映像212及び後方パノラマ映像214のみを結合して出力映像を構成する(図5の右下の部分)。このような状態で運用者が出力映像から任意の点を選択すると、映像組合部134は広角映像200のみを出力映像に配置する(図5の左下の部分)。最後に、運用者は特定のキー(例えば、ESCキー)を押して基本的な出力画面に戻ることができる。一方、移動物の検出イベントの発生に応じて出力映像が特定のシーケンスに従って自動的に切換えることも可能である。
【0063】
また図2を参照すると、第2信号変換部136は、映像組合部134によって構成された出力映像に対する複合映像信号を発生して、映像信号出力端子162を通して遠隔監視/コントロール装置40へ伝送する。これによって、遠隔監視/コントロール装置40のモニター44には映像組合部134によって構成された出力映像が表示されることができる。
【0064】
図2に図示されたマスターカメラ10において、広角撮像部110を除いたコンポーネントは全てハードウェア的に構成されることもできるが、その一部はソフトウェアによって構成されることもできる。また、広角撮像部110を含んだ全てのコンポーネントが一つのハウジング内に格納されることもできるが、本発明はこれに限定されず、コンポーネントが二つ以上のハウジング内に分割して設けられることもできる。このような場合でも、複数のハウジングに設けられるコンポーネントが別途の遠距離通信標準ないし通信プロトコールの助けが無くても信号送受信ができるほどハウジングが近い距離、または同一の地理的サイトに備えられることが好ましい。
【0065】
図3を参照すると、スレーブカメラ20は、フォーカシングレンズ170及びイメージセンサー172と、信号変換部176、パンニングモーター180、パンニングモータードライバー182、ティルティングモーター184、ティルティングモータードライバー186、ズームモーター188、ズームモータードライバー190、制御部192、及びシリアル通信部194を備える。また、スレーブカメラ20は、獲得した集中監視映像をマスターカメラ10へ送信するための映像信号出力端子196と、マスターカメラ10から制御信号を受け入れカメラ状態情報を送信するためのシリアルポート198とを備える。
【0066】
フォーカシングレンズ170は全方から入射する光を集光する。イメージセンサー172はCMOSまたはCCDとアナログ−デジタル変換器を含み、フォーカシングレンズ170によって集光した光を電気信号に変換しデジタル化して、デジタル集中監視映像信号を出力する。信号変換部176は、デジタル集中監視映像信号から集中監視映像に対する複合映像信号を生成し、映像信号出力端子196を通して出力する。
【0067】
パンニングモータードライバー182は、制御部192の制御下でパンニングモーター180を駆動して、フォーカシングレンズ170及びイメージセンサー172を含んだカメラ構造体を水平方向に回転させる。ティルティングモータードライバー186は、制御部192の制御下でティルティングモータードライバー186を駆動して、フォーカシングレンズ170及びイメージセンサー172を含んだカメラ構造体を上下方向に回転させる。ズームモータードライバー190は、制御部192の制御下でズームモーター188を駆動することにより、フォーカシングレンズ170の焦点距離を可変させズームイン/ズームアウト機能を具現できるようにする。
【0068】
一方、制御部192は、シリアル通信部194を通してマスターカメラ10から受信した制御信号に応じてパンニングモータードライバー182と、ティルティングモータードライバー186と、ズームモータードライバー190とを駆動する。マスターカメラ10からの制御信号が移動物検出を基盤に生成されたものである場合、スレーブカメラ20は移動物に対する追跡監視映像を獲得することができる。一方、制御信号がマスターカメラ10によって中継伝送された場合、制御部192は遠隔監視/コントロール装置40からのカメラ制御信号にモーター182、186、190を駆動することにより、運用者が関心を持つ地域を撮影するようになる。各モーター182、186、190はステッピングモーターによって具現されることが好ましい。一方、制御部192は、周期的または非周期的に各モーター182、186、190の位置を初期の位置にリセットすることにより、各モーター182、186、190の方向が正確に登録されるようにすることが好ましい。
【0069】
マスターカメラ10がスレーブカメラ20に提供するパンニング/ティルティング制御信号は、具体的なパンニング及びティルティング角度を示す値になることができる。しかし、変形実施例では、PTZ制御信号が予め設定されたコード(Preset Code)の形で提供されることもできる。このような実施例において、スレーブカメラ20の不揮発性メモリ(未図示)には各プリセットコードとパンニング及びティルティング値の対応関係を示すプリセットコードルックアップテーブル(LUT)が格納されているため、制御部192がこのLUTを参照にパンニングモータードライバー182とティルティングモータードライバー186を駆動することが好ましい。プリセットコードLUTの構成と活用については後にまた説明する。
【0070】
図6は、図1に図示されたマスターカメラ10の動作過程を示す。まず、マスターカメラ10は、撮像部110を通して広角映像を獲得する(第300段階)。移動検出部122は、広角映像をフレーム単位で比較しながら移動物が存在するかを判断し、移動物の存在領域を検出する(第302段階)。
【0071】
第302段階で移動物が存在するものと判断された場合、検出した移動物の存在領域に応じてスレーブカメラ20のパンニング及びティルティングを制御してスレーブカメラ20が移動物を追跡できるようする(第304段階)。
【0072】
第306段階において、マスターカメラ10は、映像信号入力端子150を通してスレーブカメラ20から集中監視映像信号を受け入れ、第1信号変換部126は、受信した信号からデジタル集中監視映像信号を復元する。第300段階ないし第306段階は繰り返して行われ、これによって移動物の継続的な追跡が行われる。この際、移動検出部122はデジタル集中監視映像信号を使用して移動物の正確な位置を再計算し、再計算の結果を基にスレーブカメラ20を精密に制御することもできる(第308段階)。
【0073】
一方、映像組合部134は、パノラマ映像210と集中監視映像信号を結合して出力映像を構成し(第310段階)、第2信号変換部136は、出力映像に対して複合映像信号を生成して遠隔監視/コントロール装置40へ伝送する(第312段階)。遠隔監視/コントロール装置40で運用者が入力部46を操作して制御命令を印加する場合、映像組合部134によって選ばれる映像が変わることもできるということは上に説明したとおりである。
【0074】
図7ないし図19を参照に、図6の動き検出過程(第302段階)及びスレーブカメラ20制御過程(第304段階)をより詳しく説明する。
【0075】
好ましい実施例において、移動検出部122は、広角映像200を複数のセクターないしブロックに仮想区分し、各セクター単位で画素値の変化量を計数することにより移動物が存在するか否かを判断する。図7は、広角映像200を複数のセクターに区分した状態を例示したのもである。図示された実施例において、広角映像200は同じサイズの直四角形のセクター202に区分されている。しかし、変形実施例では、各セクターのサイズ及び/または形態が映像内での位置に応じて差等化して区分されることもできる。例えば、広角映像200の中心点に近いセクターに比べて中心点から遠いセクターのサイズがより小さいようセクターが区分されることができる。また、各セクターが円弧状になるよう区分されることもできる。
【0076】
図8は、移動物検出過程の一実施例を示した系統図である。本実施例によると、マスターカメラ10の不揮発性メモリ(未図示)には、各セクターに対して予め与えられたセクターコードと、スレーブカメラ20のパンニング及びティルティング値の対応関係を示した制御値ルックアップテーブル(LUT)が格納されている。制御値LUT320は、各映像セクターに対してセクターコードとパンニング及びティルティング値を格納する。一方、マスターカメラ10に複数のスレーブカメラ20が連動する場合に備えて、該当映像セクターに該当する監視対象地域に対する集中監視を担当するスレーブカメラIDがさらに格納されることができる。一方、動作過程において、マスターカメラ10の、例えばSRAMやDRAMなどのような揮発性メモリには、各映像セクターに対して移動検出部122が計算する移動係数値を格納するための移動物テーブル322が格納、保持される。
【0077】
撮像部110によって広角映像200を獲得すると、移動検出部122は広角映像200をフレーム単位で比較する。ここで、比較されるフレームは連続しているフレームであることもでき、複数のフレームの周期だけ時間的に分離されたフレームであることもできる。具体的に、移動検出部122は、各映像セクターに対して現在のフレームと以前のフレームの画素値ないし輝度値を画素単位で比較し、映像セクター内で画素値の差が第1基準値より大きい画素の数を計数する。そして、係数値が第2基準値より大きい場合、該当映像セクターに移動物が存在するものと判断し、制御部130に動き検出信号を出力する。ここで、過ちを最小化するよう一定の回数以上係数値が第2基準値より大きい場合のみ移動物が存在するものと判断することもできる。図示された例では、二番目の映像セクター(セクターコード="01")において係数値が第2基準値の40より大きい67の係数値が計数されたのを例示した。
【0078】
制御部130は、動き検出信号を受信すると、まず移動物テーブル322を参照に移動物が存在する映像セクターを確認する。そして、制御部130は、移動物が存在するセクターに対して予め定められたパンニング及びティルティング値を制御値LUT320から読み出されてシリアル通信部132を通してスレーブカメラ20へ伝送することにより、スレーブカメラ20が該当映像セクターに該当する監視対象領域を集中監視するようにする。2つ以上の映像セクターから動きが検出された場合には、移動検出部122は移動係数値に従って優先順位を与え、制御部130はスレーブカメラ20に優先順位が最も高い映像セクターに対して集中監視するようにする。一方、遠隔監視/コントロール装置40からの制御信号に従って優先順位に関係無く特定の移動物に対する集中監視が行われることもある。
【0079】
図8の実施例において、制御値LUT320に格納されるパンニング及びティルティング値は、各スレーブカメラ20に対して実験的に決定されて格納されることができる。例えば、スレーブカメラ20を順次に駆動しながら広角映像200の各セクターの大体中心点に相当する地点に対するパンニング及びティルティング値を決定することができる。この際、設置者が番号や他の標識などを有した識別板を監視対象領域内に置いた状態で、各地点に対するスレーブカメラ20のパンニング及びティルティング値を決定することもできる。さらに、広角映像200または監視対象領域内でいくつかの地点に対してのみパンニング及びティルティング値を実験的に決定し、他の位置に対するパンニング及びティルティング値は比例配分法(Law of Proportional Part)に従って補間することもできる。一方、制御値LUT320にパンニング及びティルティング値の他にズーム倍率値も共に格納して、スレーブカメラ20の制御時にズーム倍率値も共に提供することもできる。他の一方で、制御値LUT320に格納されてスレーブカメラ20に提供されるパンニング、ティルティング、及びズーム倍率値は、スレーブカメラ20を中心にする球座標系での絶対値で表示されることもでき、特定の位置を基準にした相対値であることもできる。このような場合、具体的なパンニング、ティルティング、及びズーム倍率値は角度や焦点距離の代わりにモーター分解能を単位に定めることもできる。
【0080】
このように、図8の実施例によると、動き検出に応じて制御部130がパンニング及びティルティング値を 'GOTO'命令のように提供することにより、スレーブカメラ20の集中監視方向を決定することができる。そして、制御部130は遠隔監視/コントロール装置40からの制御信号に応じてこのような制御値をスレーブカメラ20に提供することもできる。
【0081】
図9は、移動物検出過程の他の実施例を示した系統図である。本実施例によると、マスターカメラ10の不揮発性メモリ(未図示)に格納されるカメラLUT320aには、スレーブカメラ20を駆動するための具体的なパラメータ値が格納されず、パラメータ値を略称するプリセットコードのみ格納される。そして、各プリセットコードに対する具体的なパンニング及びティルティング値は、スレーブカメラ20内に保持される制御値LUT320bに格納されている。上記プリセットコード値はセクターコード値と同一に定められることもできる。
【0082】
撮像部110によって広角映像200を獲得すると、移動検出部122は各映像セクターに対して広角映像200をフレーム単位で比較して移動係数値を計算する。移動検出部122は、係数値が第2基準値より大きい場合、該当映像セクターに移動物が存在するものと判断し、制御部130に動き検出信号を出力する。
【0083】
動き検出信号を受信すると、制御部130は、まず移動物テーブル322を参照に移動物が存在する映像セクターを確認する。そして、制御部130は移動物が存在するセクターにプリセットコード値をカメラLUT320aから読み出されてシリアル通信部132を通してスレーブカメラ20へ伝送する。スレーブカメラ20はその内蔵メモリに格納された制御値LUT320bからプリセットコード値に相応したパンニング及びティルティング値を読み出し、読み出された値でパンニングモーター180及びティルティングモーター184を駆動することにより、該当映像セクターに該当する監視対象領域を集中監視するようになる。
【0084】
このように図9の実施例によると、動き検出の時に制御部130がPTZ制御パラメータを略称するプリセットコード値のみをスレーブカメラ20へ送信し、スレーブカメラ20がプリセットコード値を解釈してパンニングモーター180及びティルティングモーター184を駆動するため、マスターカメラ10の立場では制御プロセスが簡単となり、マスターカメラ10とスレーブカメラ20との間のデータの送受信が円滑になるという長所がある。図9の実施例における他の特徴は図8の実施例と類似であるため、これに関する詳しい説明は省略する。
【0085】
このように、図8または図9に図示された実施例によると、パノラマ映像210生成以前のオリジナル映像の広角映像200から直接動きを検出するため動き検出の速度が速いという長所がある。さらに、広角映像200をセクター単位で区分して画素値のみで移動物が存在するか否かを判断するため、広角映像200を開くのに必要な複雑な座標値変換などのような計算が不要であり、動き検出速度の面でさらに利点がある。そして映像セクター単位で一律にスレーブカメラ20を制御するため初期の追跡に必要な時間も短縮できる。
【0086】
一方、好ましい実施例では、スレーブカメラ20によって獲得した集中監視映像220を使用して、例えばブロック整合アルゴリズムによって移動物の検出を検証することにより、過ちを防いで追跡性能をさらに高めることができる。さらに、移動検出部122は、集中監視映像220を使用して移動物を検出する過程で各移動物の輪郭を検出し、移動物のサイズ情報を制御部130に提供することができる。このような場合、制御部130は移動物のサイズ情報を基に集中監視映像220に対するズーム倍率値を決定し、スレーブカメラ20を制御することもできる。
【0087】
しかし、本発明は必ずしも映像セクターを単位で動き検出やスレーブカメラ20の制御を行うものに限られるのではない。すなわち、移動検出部122は広角映像200の全体を使用して移動物を検出することができ、移動物の位置を画素単位で決定した後に移動物の座標に応じてスレーブカメラ20を制御することもできる。図10はこのような変形実施例を示す。
【0088】
図10の実施例において、撮像部110によって広角映像200が獲得すると、移動検出部122は広角映像200をフレーム単位で比較して移動物を検出する。一実施例において、動き検出は、既に説明したように各画素に対して移動係数値を計算し、係数値が基準値より大きい画素を隣接した画素同士でグループ化することによって行われることができる。移動検出部122は、各移動物を構成する画素の座標に対して平均値または中間値を計算することにより、客体の中心点座標を2次元の極座標(r、θ)の形に決定する。ここで、rは客体中心点の映像中心点からの距離を示し、θは一定の基準線からの方位角を示す。さらに、移動検出部122は各移動物の上下及び左右方向のサイズを決定する。移動検出部122は各移動物に対してID与え、中心点座標(r、θ)と、サイズに関するデータを移動物テーブル322aに格納する。
【0089】
制御部130は、各移動物に対して、中心点座標(r、θ)からスレーブカメラ20のパンニング及びティルティング値を決定する。制御部130は、各移動物に対して、映像のサイズと距離座標r値を用いてズーム倍率値を決定する。制御部130は、決定されたパンニング及びティルティング値とズーム倍率値をシリアル通信部132を通してスレーブカメラ20へ伝送することにより、スレーブカメラ20が該当映像セクターに該当する監視対象領域を集中監視するようにする。2つ以上の映像セクターから動きが検出した場合には、移動検出部122は移動係数値に応じて優先順位を与え、制御部130はスレーブカメラ20に優先順位が最も高い映像セクターに対して集中監視するようにする。一方、遠隔監視/コントロール装置40からの制御信号に従って優先順位に関係無く特定の移動物に対する集中監視が行われることもある。
【0090】
図10の実施例において、スレーブカメラ20の基準点とほぼ同じ場合に、客体の中心点座標(r、θ)からパンニング及びティルティング値を決定する方法は次のとおりである。
【0091】
まず、パンニング角度の測定基準が広角映像200内での方位角座標(θ)の測定基準と同一であるとすると、パンニング角度は客体中心点の方位角座標(θ)値と同じく決定される。パンニング角度の測定基準面が広角映像200内での方位角座標測定基準面と相違する場合にも、パンニング角度値は中心点座標(r、θ)の方位角座標(θ)値から1次式によって容易に決定されることができる。
【0092】
一方、ティルティング角度値は、客体中心点の距離座標(r)値から求めることができる。一般に、魚眼レンズの屈折特性や360°反射鏡の反射特性は、入射光が特定の数学モデルで表示できるプロファイル特性を有する。例えば、図11のように魚眼レンズ112が正射影屈折特性を有する場合には、入射光の結像点の映像中心からの距離は次の数式1によって表示される。
【0093】
【数1】
【0094】
ここで、xは入射角の大きさ、fは焦点距離であって、広角映像内では映像の半径を示し、yは結像点の映像中心点からの距離を示す。
【0095】
従って、半径がRの映像において、映像中心からの距離がrの客体中心点に対して入射角xは、次の数式2によって求めることができる。
【0096】
【数2】
【0097】
ティルティング角度の特定の基準面を水平面としたとき、スレーブカメラ20を駆動するティルティング角度値は大きさが(90°−x)であり、符号は負の値を有し、次の数式3のように表される。
【0098】
【数3】
【0099】
一方、魚眼レンズ112が図12のように等距離射影屈折特性を有する場合には、入射光の結像点の映像中心からの距離は次の数式4によって表示される。
【0100】
【数4】
【0101】
従って、半径がRの映像において、映像中心からの距離がrの客体中心点に対して入射角xは次の数式5によって求めることができる。
【0102】
【数5】
【0103】
ティルティング角度の測定基準面を水平面としたとき、スレーブカメラ20を駆動するティルティング角度値はその大きさが(90°−x)であり、符号は負の値を有して、次の数式6のように表される。
【0104】
【数6】
【0105】
広角レンズないし魚眼レンズ112が他の屈折特性を有する場合にも、ティルティング角度値は上記と類似に決定されることができる。
【0106】
上記のようなパンニング及びティルティング値の決定方法は、スレーブカメラ20の設置基準の位置が広角レンズ112の中心点とほぼ同じ場合に適用できるもので、スレーブカメラ20とマスターカメラ10が隣接して設置された場合に有用に活用できる。一方、スレーブカメラ20がマスターカメラ10から離隔して設置された場合には、図8の実施例と同様に、広角映像200または監視対象領域内でいくつかの地点に対してパンニング及びティルティング値を実験的に決定してメモリに格納しておき、他の位置に対するパンニング及びティルティング値は格納された値を参照に比例配分法(Law of Proportional Part)に従って補間して使用することができる。このような実施例に対しては本発明が属する技術分野の当業者が本明細書を基に容易に具現できるため、これに関する具体的な説明は省略する。
【0107】
図8ないし図10の実施例において、広角映像200内で移動物を検出し、これを活用してスレーブカメラ20をPTZ動作を制御する場合には、図5に例示された出力映像内でパノラマ映像210部分には、スレーブカメラ20が追跡中の移動物の位置を示すポインターがさらに表されることが好ましい。図13は、このような出力映像の一例を示す。制御部130は動きが検出された映像セクターのうち、相互隣接したセクターに対して大体の中間点を算出することによって移動物の位置を決定する。制御部130はこの位置情報をパノラマ映像構成部124または映像組合部134に提供して、パノラマ映像構成部124または映像組合部134がパノラマ映像210内に、例えば赤色の四角形のポインター211を与えるようにすることができる。ポインター211のサイズは移動物のサイズに関係無く一定であることが好ましい。このようなポインター211は、運用者がパノラマ映像210と集中監視映像220を比較しながら現在状況をより正確に認識するのに役立つ。
【0108】
図14ないし図19を参照に、移動物の発生と消滅による追跡監視動作の変化を説明する。上記に述べたように、マスターカメラ10は、新たな移動物が検出する度に移動物に対する情報を移動物テーブル322または322aに格納し、PTZ制御値を決定してスレーブカメラ20へ送信する。ここで、各移動物に対しては固有の客体IDと共に追跡優先順位が与えられる。追跡優先順位は、異なる移動物の発生と消滅、そして移動物の移動によって変わる。一実施例において、移動物が広角映像200の中心に近いほど客体に高い優先順位が与えられる。また、広角映像200内での移動物の移動速度が速いほど高い優先順位が与えられることもできる。ここで、広角映像200の非線形性により、客体と映像200の中心との距離と客体の移動速度は一般に高い相関関係を示すが、両方が一致しない場合には、両基準のうちいずれかひとつに高い加重値を与えて優先順位を決定することができる。一方、変形実施例では新規検出客体に対して高い優先順位を与えることもできる。
【0109】
移動物に対する優先順位は、遠隔監視/コントロール装置40の運用者によって変わることもできる。特に、運用者が選ぶトラッキング対象客体に対しては最優先順位が与えられることができる。すなわち、運用者が入力部46を通していずれかひとつの移動物を選択すると、選択された客体の情報を含む制御信号がマスターカメラ10へ送信され、制御部130は該当客体に対して最優先順位を与えてスレーブカメラ20が追跡するようにする。
【0110】
マスターカメラ10の制御部130は、上記移動物テーブル322または322aの他に、トラッキングテーブル330を揮発性メモリに生成して維持しながら、現在活性化している各移動物に対する移動履歴情報を格納する。図14はトラッキングテーブル330の一例を示す。図示された例において、トラッキングテーブル330は、各移動物が現在まで移動してきた映像セクターの番号を順次に格納する。変形実施例では、スレーブカメラ20駆動のためのプリセットコード値または客体中心点の座標値の変動履歴が映像セクター番号の代わりに格納されることもできる。
【0111】
図15を参照すると、移動検出部122は、新たな移動物(図面上の 'A')が感知すると、移動物テーブル322または322aとトラッキングテーブル330に客体情報と映像セクター情報を格納する。この際、隣接した複数のセクターから動きが検出する場合には、移動係数値が最も大きい区域に移動物が存在するものと判断する。制御部130は、移動物が存在する映像セクターに、マッピングされたパラメータに応じてスレーブカメラ20へPTZ制御信号を送信し、シリアル通信部132を通して遠隔監視/コントロール装置40へ警報信号を送信する。
【0112】
時間が経つにつれ移動物が移動して映像セクターに対する移動係数値が変わると、移動検出部122は移動係数値が最も大きいセクターに客体が移動したものと判断し、新しい映像セクターに対する情報を移動物テーブル322または322aとトラッキングテーブル330に格納する。そして、制御部130は更新した映像セクター情報に相応したパラメータに従ってスレーブカメラ20にPTZ制御信号を送信する。一方、移動物が広角映像200の境を外れたり映像から消えて動きが完全に無くなると、客体に対する情報を移動物テーブル322または322aとトラッキングテーブル330から削除する。
【0113】
図16を参照すると、既存の移動物(図面上の 'A')に隣接しない映像セクターに他の移動物(図面上の 'B')が検出すると、移動検出部122は新しい移動物('B')に対する客体情報と映像セクター情報を移動物テーブル322または322aとトラッキングテーブル330に格納する。この際、制御部130は、シリアル通信部132を通して遠隔監視/コントロール装置40に新たな移動物の登場を知らせる警報信号を送信することができる。一方、制御部130は、二つの移動物('A'、'B')に対して上記に説明した基準に従って優先順位を決定する。制御部130は、優先順位の高い客体が存在する映像セクターにマッピングされたパラメータに応じてスレーブカメラ20にPTZ制御信号を送信して、スレーブカメラ20が優先順位の高い移動物に対する集中監視映像を獲得するようにする。
【0114】
図17を参照すると、複数の移動物('A'、'B')が同一の映像セクター内に位置することができる。このような場合、移動検出部122は両移動物('A'、'B')に対して共通の映像セクター情報を移動物テーブル322または322aとトラッキングテーブル330に格納する。そして、制御部130は、上記共通の映像セクターにマッピングされたパラメータに応じてスレーブカメラ20へPTZ制御信号を送信して、スレーブカメラ20が両客体 ('A'、'B')をいずれも含む集中監視映像を獲得するようにする。
【0115】
図18のように、両移動物('A'、'B')が両方とも或いはいずれか一つが移動して相互異なる映像セクターに位置すると、制御部130は両移動物('A'、'B')に対して上記に説明した基準に従って再び優先順位を決定する。制御部130は、優先順位の高い客体が存在する映像セクターにマッピングされたパラメータに応じてスレーブカメラ20にPTZ制御信号を送信して、スレーブカメラ20が優先順位の高い移動物に対する集中監視映像を獲得するようにする。
【0116】
図15ないし図18のように、広角映像200内に複数の移動物が存在する場合には、出力映像に含まれたパノラマ映像210にも複数の移動物が表示される。そして、集中監視映像220には一部の移動物が表示される。このような場合、パノラマ映像構成部124または映像組合部134は、集中監視映像が獲得している最優先順位の移動物に対しては、他の移動物と形の異なるポインター211で表示することができる。図19はこのような出力映像の一例を示す。例えば、最優先順位の移動物に対してはパノラマ映像210内に赤色のポインター211aが表されることができ、他の移動物に対しては緑色のポインター211bが表示されることができる。このように色で区別する他にも、最優先順位の移動物に対してはポインター211aが点滅することもでき、ポインター211aの輪郭を異なるようにして差別化することもできる。一方、このように複数の移動物が存在する場合には、画面の一側に客体ID(MDE_003、MDE_008、MDE_xxx)を並べることにより、運用者が客体をさらに正確に見分けるようにすることが好ましい。
【0117】
図20は、図2に図示されたマスターカメラの変形実施例を示す。本実施例によるマスターカメラ10aには複数のスレーブカメラがつながっていることができ、これによってマスターカメラ10aは、複数のスレーブカメラを制御し、これらそれぞれから集中監視映像信号を受け入れることができる。
【0118】
本実施例によると、マスターカメラ10aは、複数の映像信号入力端子150a、150bを備える。映像信号入力端子150aには同軸ケーブルを通して第1スレーブカメラ20aが連結され、映像信号入力端子150bには同軸ケーブルを通して第2スレーブカメラ20bが連結される。マスターカメラ10aの第1シリアルポート152にはスレーブカメラ20a、20bのシリアル通信部が共通して連結されている。マスターカメラ10aのシリアル通信部132は、制御信号を送信するとき時分割多重化によって送信したり、またはスレーブカメラのIDまたはアドレスを明示して送信することにより、各スレーブカメラ20a、20bに制御信号を選択的へ送信することができる。
【0119】
第1信号変換部126は、映像信号入力端子150aを通して受信する第1スレーブカメラ20aからの第1集中監視映像信号をデジタル映像信号に変換する。また、第1信号変換部126は、映像信号入力端子150bを通して受信される第2スレーブカメラ20bからの第2集中監視映像信号をデジタル映像信号に変換する。映像格納部128は、デジタル集中監視映像信号と広角映像信号を格納する。
【0120】
マスターカメラ10aは、広角映像200内にある移動物を検出し、検出された移動物の位置に応じてスレーブカメラ20a、20bのいずれか一つが移動物が存在する監視対象領域を集中監視するよう制御する。上記のように、スレーブカメラ20a、20bのいずれか一つを容易に選択できるよう制御部130によって保たれる制御値LUT320またはカメラLUT320aには動きが検出され得る各広角映像セクターに対して適したカメラIDがマッピングされている。
【0121】
映像組合部134は、制御部130の制御下で、広角映像200、パノラマ映像210、前方パノラマ映像212、後方パノラマ映像214、第1及び第2集中監視映像のうち一つ以上を選択して出力映像を構成する。出力映像に集中監視映像が含まれる場合には、第1及び第2集中監視映像のうち制御部130がパンニング及びティルティング制御を行っているスレーブカメラからの映像のみ含まれることが好ましい。
【0122】
図21は、図2に図示されたマスターカメラの他の変形実施例を示す。図2に図示されたマスターカメラ10は、シリアル通信部132を通したシリアル通信によって遠隔監視/コントロール装置40からカメラ制御信号を受け入れ、マスターカメラ10及び/またはスレーブカメラ20の状態情報を遠隔監視/コントロール装置40へ送信し、映像組合部134によって構成された出力映像を複合映像信号の形態で同軸ケーブルを通して遠隔監視/コントロール装置40へ伝送する反面、本実施例によるマスターカメラ10bは、ネットワークプロトコールで遠隔監視/コントロール装置40との通信を行う。
【0123】
マスターカメラ10bは、例えばイーサネット(登録商標)インターフェースカードのようなネットワークアダプタ138を備え、上記ネットワークアダプタ138はLANケーブルを通して遠隔監視/コントロール装置40に接続される。ネットワークアダプタ138は、TCP/IPプロトコールに応じて遠隔監視/コントロール装置40からカメラ制御信号を受け入れ、マスターカメラ10b及び/またはスレーブカメラ20の状態情報を遠隔監視/コントロール装置40へ送信することができる。また、ネットワークアダプタ138は、映像組合部134によって構成された出力映像をデジタル信号の形態で遠隔監視/コントロール装置40へ伝送する。
【0124】
本実施例によると、マスターカメラ10bが遠隔監視/コントロール装置40から遠距離に設置されている場合にも、遠隔監視/コントロール装置40がインターネットのようなネットワークを通してマスターカメラ10bを容易に制御することができ、マスターカメラ10b及びスレーブカメラ20からの映像信号を受信して監視対象地域を容易に監視することができる。また、遠隔監視/コントロール装置40に複数のマスターカメラ10bが接続することができ、これに必要な配線を最少化することができる。
【0125】
一方、スレーブカメラ20がマスターカメラ10bに集中監視映像をデジタル信号の形で提供することもできる。このような場合には、図21において第1信号変換部126が省略でき、マスターカメラ10bがフルデジタル方式で動作することが可能となる。
【0126】
図22は、図2に図示されたマスターカメラのさらに他の変形実施例を示す。本実施例において、映像組合部134は、アナログ信号状態で映像を組合せて出力映像を生成する。
【0127】
広角撮像部110は、デジタル広角映像信号と共にアナログ広角映像信号を出力する。イメージセンサー112がデジタル広角映像信号のみ出力できる場合には、広角撮像部110または制御/信号処理回路120にA/D変換器をさらに備えることができる。
【0128】
第1信号変換部126は、映像信号入力端子150を通して受信する集中監視映像信号をデジタル映像信号に変換する。映像格納部128は、デジタル集中監視映像信号と広角映像信号を格納する。第2信号変換部140は、パノラマ映像構成部124からのデジタルパノラマ映像信号をアナログ信号に変換する。
【0129】
映像組合部134は、広角映像200、パノラマ映像210、前方パノラマ映像212、後方パノラマ映像214、及び集中監視映像のうち一つ以上を選択し、アナログ信号の状態で映像を組合せることによって出力映像を構成する。映像組合部134は、出力映像を複合映像信号の形態で映像信号出力端子162を通して遠隔監視/コントロール装置40へ伝送する。
【0130】
上述のように、図2に図示されたカメラ装置とその変形実施例は、集中監視カメラ20の出力信号フォーマットや遠隔監視/コントロール装置40の映像信号入力の要求に応じて多様な方式で映像信号を処理することができ、シリアル通信またはネットワーク通信を通して遠隔監視/コントロール装置40に連動できるため、既存の装備を取替えることなく多様な監視システムに非常に容易に採択できる。マスターカメラ10によって完全にフォーマットされた形で出力映像が遠隔監視/コントロール装置40に提供できるため、遠隔監視/コントロール装置40での高速信号処理のためのコンピューティングの負担が軽減し、伝送チャネルの帯域幅による制限が大きく減り、複数の集中監視カメラ20を遠隔監視/コントロール装置40に連動させるのに必要な配線量を最少化することができる。
【0131】
図23は、マスターカメラ10及びスレーブカメラ20の設置例を示す。本例において、支柱400の上側外周面には"U"字状のサポート部材402が取り付けられている。"U"字状のサポート部材402は、第1横バー404と、第1横バー404の外側端部から上方に折り曲げられて繋がっている垂直バー406と、垂直バー406の上端から内側に折り曲げられて繋がっている第2横バー408とを備える。第1横バー404は、支柱400の上側外周面に溶接するか、Uバンドブラケットを使用して支柱400外周面に取り付けられることができる。
【0132】
PTZカメラのスレーブカメラ20は、支柱400の上端に設けられる。全方位カメラのマスターカメラ10は、"U"字状のサポート部材402の第2横バー408の内側端部の底面に設けられる。この際、マスターカメラ10がスレーブカメラ20の直上方に設置してマスターカメラ10の光軸とスレーブカメラ20のパンニング中心軸が一致することが好ましい。
【0133】
このような実施例によると、マスターカメラ10の光軸とスレーブカメラ20のパンニング中心軸が一致するため、動き検出及び追跡監視の過程で広角映像200内での移動物の中心点の方位角座標(θ)値を直ちにPTZカメラのパンニング角度値と決定してスレーブカメラ20を制御することができる。
【0134】
"U"字状のサポート部材402の垂直バー406の長さを調整することにより、マスターカメラ10の設置高さを調節することができるため、動き検出及び追跡地域の範囲を使用者の必要に応じて調節できるという利点がある。
【0135】
"U"字状のサポート部材402とスレーブカメラ20によってマスターカメラ10に監視死角領域が発生するが、図23の設置例は、一部死角領域が許される監視箇所や背後面が遮蔽された監視箇所、回転角が制限されたパンニング/ティルティング駆動部が適用されたカメラが使用される応用分野などで有用に活用できる。
【0136】
図24は、マスターカメラ10及びスレーブカメラ20の異なる設置例を示す。本例において、支柱410の上側外周面には"L"字状のサポート部材412が取り付けられている。"L"字状のサポート部材412は、横バーと、横バーの外側端部から下方に折り曲げられて繋がっている垂直バーとを備える。横バー414は支柱410の上側外周面に溶接するか、Uバンドブラケットを使用して支柱410の外周面に取り付けることができる。
【0137】
マスターカメラ10は"L"字状のサポート部材412の垂直バーの下端に設けられ、スレーブカメラ20は支柱400の上端に設けられる。
【0138】
本実施例によると、マスターカメラ10の撮像部110に、魚眼レンズ使用の時より歪曲の少ない映像が獲得できる360°反射鏡を適用することが容易である。また、マスターカメラ10の設置高さを調節して監視対象地域の範囲を使用者の必要に応じて調節できるという利点がある。
【0139】
"L"字状のサポート部材412とマスターカメラ10によってスレーブカメラ20に監視死角領域が発生し、マスターカメラ10にも"L"字状のサポート部材412による監視死角領域が発生はするものの、一部死角領域が許される監視箇所、背後面が遮蔽された監視箇所、マスターカメラ10の位置が低くても運営に差し支えない監視箇所などで有用に活用することができる。
【0140】
図25は、マスターカメラ10及びスレーブカメラ20のさらに他の設置例を示す。支柱420の上側外周面には横バー422が取り付けられている。マスターカメラ10は、横バー422の外側端部の下側にブラケット(未図示)を使用して設けられ、スレーブカメラ20は、マスターカメラ10の直上方にあるよう横バー422の外側端部の上部にブラケット(未図示)を使用して設けられる。支柱420から横バー422が設けられる高さは、監視対象地域の範囲を考えて使用者が任意で選択することができる。
【0141】
マスターカメラ10の光軸とスレーブカメラ20のパンニング中心軸が一致するため、動き検出及び追跡監視の過程で広角映像200内での移動物の中心点の方位角座標(θ)値を直ちにPTZカメラのパンニング角度値と決定してスレーブカメラ20を制御することができる。このような設置例は各カメラの死角領域が最少化できるという利点がある。
【0142】
図26は、マスターカメラ10及びスレーブカメラ20のさらに他の設置例を示す。支柱430の上側には、透明な強化ガラスまたは強化樹脂などの材質の壁面からなるカメラ設置室432が備えられている。マスターカメラ10は、カメラ設置室432の天井に下方を向くよう設けられる。スレーブカメラ20は、マスターカメラ10の直上方にあるよう支柱430の上端部に設けられる。支柱430の高さとカメラ設置室432の位置は、監視対象地域の範囲と死角領域の範囲を考えて選択することができる。
【0143】
本例においても、マスターカメラ10の光軸とスレーブカメラ20のパンニングの中心軸が一致するため、動き検出及び追跡監視の過程で広角映像200内での移動物の中心点の方位角座標(θ)値を直ちにPTZカメラのパンニング角度値と決定してスレーブカメラ20を制御することができる。
【0144】
本設置例によると、カメラ設置室432の下方の支柱部位によるマスターカメラ10に監視死角領域、カメラ設置室432の外壁の光透過率による画質低下現象の発生可能性、スレーブカメラ20の重さ制限などの更なる考慮要素が存在することがある。しかし、本設置例は、会議テーブルでのテレビ会議中継用や設置位置が低くても良い監視箇所、遠距離動き感知及び追跡必要局所などで有用に活用することができる。
【0145】
図27は、マスターカメラ10及びスレーブカメラ20のさらに他の設置例を示す。支柱440の上側外周面には"L"字状の第1サポート部材442が取り付けられ、第1サポート部材442の取り付け部の下側に支柱440の外周面には第2サポート部材444が取り付けられている。第1及び第2サポート部材442、444は支柱440の外周面に溶接するか、Uバンドブラケットを使用して取り付けることができる。
【0146】
スレーブカメラ20は第1サポート部材442の垂直バーの下端に設けられ、マスターカメラ10は第2サポート部材444の垂直バーの下端に設けられる。マスターカメラ10の高さは、監視対象地域の範囲と死角領域の範囲を考えて選択することができる。
【0147】
本例においても、マスターカメラ10の光軸とスレーブカメラ20のパンニング中心軸が一致するため、動き検出及び追跡監視の過程で広角映像200内での移動物の中心点の方位角座標(θ)値を直ちにPTZカメラのパンニング角度値と決定してスレーブカメラ20を制御することができる。また、マスターカメラ10の撮像部110に魚眼レンズ使用の時より歪曲の少ない映像が獲得できる360°反射鏡を適用することが容易であるという利点がある。
【0148】
このような設置例は、一部の死角領域が許される監視箇所、背後面が遮蔽された監視箇所、マスターカメラ10の位置が低くても運営に差し支えない監視箇所などに適している。
【0149】
図28は、マスターカメラ10及びスレーブカメラ20のさらに他の設置例を示す。支柱450の上側外周面には"L"字状の第1サポート部材452が取り付けられ、第1サポート部材452の取り付け部の下側の支柱450の外周面には第2サポート部材454が取り付けられている。第1及び第2サポート部材452、454は支柱450の外周面に溶接するか、Uバンドブラケットを使用して取り付けることができる。
【0150】
マスターカメラ10は第1サポート部材452の垂直バーの下端に設けられ、スレーブカメラ20は第2サポート部材454の垂直バーの下端に設けられる。マスターカメラ10の高さは、監視対象地域の範囲と死角領域の範囲を考えて選択することができる。
【0151】
本例においても、マスターカメラ10の光軸とスレーブカメラ20のパンニング中心軸が一致するため、動き検出及び追跡監視の過程で広角映像200内での移動物の中心点の方位角座標(θ)値を直ちにPTZカメラのパンニング角度値と決定してスレーブカメラ20を制御することができる。
【0152】
このような設置例は、一部の死角領域が許される監視箇所、背後面が遮蔽された監視箇所、回転角が制限されたパンニング/ティルティング駆動部が適用されたカメラが使用される応用分野などで有用に活用できる。
【0153】
図29は、マスターカメラ10及びスレーブカメラ20のさらに他の設置例を示す。支柱460の上側外周面には横バー462が取り付けられている。マスターカメラ10は横バー462の一地点の底面に設けられる。マスターカメラ10が設置された地点から内側方向または外側方向に、横バー462の底面には一つ以上のスレーブカメラ20a、20bが設けられる。監視対象地域の状況に合わせてスレーブカメラ20a、20bはいずれか一つのみ設けられることもでき、いずれも設けられることもできる。
【0154】
このようにマスターカメラ10とスレーブカメラ20a、20bが平行に設けられる場合、カメラ同士の干渉による監視死角領域が発生し得るが、横バー462が十分に高い場合、このような干渉は無視できる。従って、本設置例は高所監視箇所において特に有用に活用することができる。
【0155】
図30は、マスターカメラ10及びスレーブカメラ20のさらに他の設置例を示す。本設置例は室内監視箇所に適したものであって、マスターカメラ10及びスレーブカメラ20は建物の室内の天井470に並んで設けられる。マスターカメラ10及びスレーブカメラ20の相互の干渉による監視死角領域が発生し得るが、カメラ10、20より低い領域に対する監視が注目的の室内でこのような干渉は無視できる。
【0156】
図31は、本発明による映像監視システムの他の実施例を示す。本実施例による映像監視システムは、多機能カメラ装置500と遠隔監視/コントロール装置40を備える。
【0157】
カメラ装置500は、全方位カメラとPTZカメラを一体化したもので、広角撮像部510、PTZ撮像部520、及び制御/駆動部530を含む。広角撮像部510は監視領域を全方位で撮影し、制御/駆動部530は全方位映像から移動物を検出し、移動物検出のときに移動物が検出された領域を集中して撮影するようPTZ撮像部520を制御する。また、制御/駆動部530は、PTZ撮像部520によって獲得した集中監視映像と全方位映像を組合せて出力映像を生成し、これをアナログ映像信号またはデジタル映像信号として遠隔監視/コントロール装置40へ提供する。
【0158】
遠隔監視/コントロール装置40は、カメラ装置500と離隔した遠隔地に設置され、データ処理部42、モニター44、及び入力部46を備える。データ処理部42はカメラ装置500から出力映像を受け入れモニター44に表されるようにする。また、データ処理部42は、入力部46を通して入力される使用者の入力に従ってカメラ装置500を制御する。データ処理部42は通常のPCによって具現でき、表出映像の処理のためマトリクス、画面分割器、映像分配増幅器などをさらに備えることができる。入力部46はキーボード、マウス、ジョイスティックの入力装置のうちいずれか一つまたはこれらの結合となることができる。
【0159】
図31には簡単明瞭な図示のため遠隔監視/コントロール装置40に一台のカメラ装置500のみ接続されたものと表されているが、複数のカメラ装置500が遠隔監視/コントロール装置40に接続することもできる。
【0160】
図32は、カメラ装置500の一実施例の詳細ブロック図である。広角撮像部510は、電気/光学的に魚眼レンズ512と第1イメージセンサー514を備える。魚眼レンズ512は、視野角が全方位的に(omnidirectionally)150度以上であり、視野角内の空間から入射する光を集光して第1イメージセンサー514に結像するようにする。第1イメージセンサー514は、CMODまたはCCD素子とA/D変換器を含み、魚眼レンズ512によって集光した光を電気的な映像信号に変換してデジタル化し、デジタル広角映像信号を出力する。魚眼レンズ512を通して獲得した広角映像は円形になっている。
【0161】
PTZ撮像部520は、フォーカシングレンズ522と第2イメージセンサー524を備える。フォーカシングレンズ522は全方から入射する光を集光し、第2イメージセンサー524はフォーカシングレンズ522によって集光した光を電気的な映像信号に変換しデジタル化して、デジタル集中監視映像信号を出力する。
【0162】
制御/駆動部において、移動検出部122は、広角撮像部510からの広角映像信号を受け入れ、広角映像をフレーム単位で比較しながら映像内に移動物が存在するかを決定する。ここで、比較されるフレームは繋がっているフレームであることもでき、複数のフレーム周期だけ時間的に分離されたフレームであることもできる。
【0163】
パノラマ映像構成部124は、広角撮像部510からの広角映像を直四角形のパノラマ映像に変換する。図33は、パノラマ映像構成部124によるパノラマ映像構成方法を示す。上記のように、魚眼レンズ512を備える広角撮像部510によって撮影された広角映像600は円形になっている。一実施例において、パノラマ映像構成部124は、円形の広角映像600のうち長方形の一部のみ選択し、選択した映像領域610に対する映像信号をパノラマ映像信号として出力する。パノラマ映像610として取られる領域は固定されていることもでき、動き検出に応じて可変することもできる。また、遠隔監視/コントロール装置40で運用者が入力部46を通して対角線の位置にある二つの点(P1及びP4、またはP2及びP3)を指定して領域を選択することもできる。この場合、領域選択部102は制御部130を通して二つの点(P1及びP4、またはP2及びP3)の座標を示す領域設定信号を受け入れ、これに応答して広角映像600からパノラマ映像610を抽出するようになる。
【0164】
また図32を参照すると、映像格納部128は、ハードディスクまたは半導体記憶装置(SSD)のような格納媒体を備え、デジタル集中監視映像信号と広角映像信号を格納する。映像格納部128は、オリジナルの映像信号の代わりに圧縮した映像信号を格納することもできる。このような実施例において、映像格納部128は、オリジナルの映像信号を圧縮したり圧縮した映像信号を復元するための圧縮/圧縮解除部をさらに備えるが、このような圧縮/圧縮解除部は、制御部130を具現するためのマイクロプロセッサー上で行われるコンピュータプログラムによって具現できる。
【0165】
制御部130は、カメラ装置500の全般的な動作を制御する。特に、制御部130は、移動検出部122によって検出された移動物に応じてPTZ撮像部520に対するパン−ティルト−ズーム動作を制御する。また、制御部130は、カメラ制御信号に応じて映像組合部134を制御して出力映像の構成を可変させることができる。さらに、制御部130は、カメラ制御信号が指示することに従って映像格納部128に格納された映像信号が読み出されて遠隔監視/コントロール装置40に提供するようにする。制御部130の基本的な制御動作はコンピュータプログラムによって行われるが、遠隔監視/コントロール装置40から受信するカメラ制御信号に応答して行われることもある。
【0166】
上記シリアル通信部132は、制御部130がシリアルポート160を通して遠隔監視/コントロール装置40と通信できるようにする。すなわち、制御部130は、シリアル通信部132を通して遠隔監視/コントロール装置40からカメラ制御信号を受け入れ、カメラ装置500の状態情報を遠隔監視/コントロール装置40へ送信することができる。シリアル通信部132と遠隔監視/コントロール装置40との接続は、RS232C、RS422またはRS485の標準に従って行われることができる。
【0167】
映像組合部134は、広角映像600、パノラマ映像610、集中監視映像のうち一つ以上を選択して出力映像を構成する。本実施例において出力映像は、図5に図示されたものと類似であるため、これに関する具体的な説明は省略する。信号変換部136は映像組合部134によって構成された出力映像に対する複合映像信号を発生して、映像信号出力端子162を通して遠隔監視/コントロール装置40へ伝送する。これによって、遠隔監視/コントロール装置40のモニター44には映像組合部134によって構成された出力映像が表されることができる。
【0168】
一方、パンニングモータードライバー182は、制御部130の制御下でパンニングモーター180を駆動して、フォーカシングレンズ522及びイメージセンサー524を含んだPTZ撮像部520を機構的に水平方向に回転させる。ティルティングモータードライバー186は、制御部130の制御下でティルティングモーター184を駆動して、PTZ撮像部520を上下方向に回転させる。ズームモータードライバー190は制御部130の制御下でズームモーター188を駆動することにより、フォーカシングレンズ522の焦点距離を可変させ、ズームイン/ズームアウト機能を具現できるようにする。モータードライバー182、186、190が移動物検出の結果を基に駆動される場合、PTZ撮像部520は移動物に対する追跡監視映像を獲得することが可能となる。
【0169】
図34は、図32のカメラ装置500の一実施例の斜視図である。好ましい実施例によるカメラ装置500は、金属または合成樹脂の材質からなり、大体鐘状になっているハウジング540と、上記ハウジング540の底面にはPTZ撮像部520を収納し保護するためのドーム544を備える。ハウジング540の外周面の下側には支持突出部542を介して広角撮像部510の魚眼レンズ512が外部へ露出して設置されている。ハウジング540の上部面にはカメラ装置500を壁面に取り付けるためのブラケット550が備えられることができる。
【0170】
支持突出部542は、魚眼レンズ512の光軸がカメラ装置500の外側の下方を向くようハウジング540の外周面の下側に設けられる。支持突出部542は、広角撮像部510の撮影方向を決定し、広角撮像部510を構造的に支持して、広角撮像部510がカメラ装置500の直ぐ下の地点を含んだ周辺映像を撮像できるようにする。
【0171】
ブラケット550は、金属材質からなり、上下方向に繋がってその下段がハウジング540の上部面に結合できる垂直部と、上記垂直部の上段から後方に折り曲げられて水平方向に繋がっている垂直部と、上記垂直部の後段に備えられている付着板とで構成される。付着板には複数の溝が形成され、ボルト552によって支柱や壁面に取り付けることが可能となっている。
【0172】
図32及び図34に図示されたカメラ装置500の異なる特徴は、図2に図示されたマスターカメラ10の特徴と類似するため、これに関する詳しい説明は省略する。
【0173】
図35は図31に図示されたカメラ装置500の他の実施例を示す。本実施例によると、カメラ装置500は2つの広角撮像部510a、510bを備える。後術するように、上記広角撮像部510a、510bは水平的に対称するように配置され互いに反対方向を向いており、それぞれ全方位的映像を獲得する。各広角撮像部510a、510bの構成は、図32に図示された広角撮像部510と類似である。一方、図35のPTZ撮像部520は、図32に図示されたものと構成と機能が同一である。
【0174】
移動検出部122は、広角撮像部510a、510bからの広角映像信号を受け入れ、各広角映像に対して別途に映像内に移動物が存在するかを決定する。
【0175】
パノラマ映像構成部124は、広角撮像部510a、510bからの広角映像を直四角形のパノラマ映像に変換する。図36を参照すると、広角撮像部510a、510bによってそれぞれ撮影された広角映像600a、600bは円形になっている。パノラマ映像構成部124は円形の広角映像600a、600bのうちそれぞれ長方形の一部612a、612bのみを選択し、これを連結して結合する。
【0176】
本実施例に関連して、以下の説明では広角映像600aから直四角形の形態で抽出した映像612aを'前方パノラマ映像'と称し、広角映像600bから直四角形の形態で抽出した映像612bを'後方パノラマ映像'と称する。そして、前方パノラマ映像612aと後方パノラマ映像612bを左右に連結させた映像610を'パノラマ映像'と称する。図面において、点P1〜P8は、広角映像600a、600bと前方パノラマ映像612a及び後方パノラマ映像612bの対応点を示すため表示したものである。前方パノラマ映像612a及び後方パノラマ映像612bの幅は、PTZ撮像部520からの集中監視映像の幅と同一であることができる。しかし、変形された例では、パノラマ映像610の幅が集中監視映像の幅と同一であることもできる。
【0177】
また図35を参照すると、映像格納部128はデジタル集中監視映像信号と広角映像信号を格納する。映像格納部128は、オリジナルの映像信号の代わりに圧縮した映像信号を格納することもできる。このような実施例において、映像格納部128は、オリジナルの映像信号を圧縮したり圧縮した映像信号を復元するための圧縮/圧縮解除部をさらに備えるが、このような圧縮/圧縮解除部は、制御部130を具現するためのマイクロプロセッサー上で行われるコンピュータプログラムによって具現されることができる。
【0178】
制御部130は、カメラ装置500の全般的な動作を制御する。特に、制御部130は、移動検出部122によって検出された移動物に応じてPTZ撮像部520に対するパン−ティルト−ズーム動作を制御する。また、制御部130は、カメラ制御信号に応じて映像組合部134を制御して出力映像の構成を可変させることができる。さらに、制御部130は、カメラ制御信号が指示することに従って映像格納部128に格納された映像信号が読み出されて遠隔監視/コントロール装置40へ提供するようにする。制御部130の基本的な制御動作はコンピュータプログラムによって行われるが、遠隔監視/コントロール装置40から受信するカメラ制御信号に応答して行われることもある。
【0179】
映像組合部134は、広角映像600a、600b、前方パノラマ映像612a、後方パノラマ映像612b、パノラマ映像610、及び集中監視映像のうち一つ以上を選択して出力映像を構成する。信号変換部136は、映像組合部134によって構成された出力映像に対する複合映像信号を発生して、映像信号出力端子162を通して遠隔監視/コントロール装置40へ伝送する。これによって、遠隔監視/コントロール装置40のモニター44には映像組合部134によって構成された出力映像が表されることができる。
【0180】
図37は、図35のカメラ装置500の一実施例の側面図である。本実施例によるカメラ装置500は、金属または合成樹脂の材質からなり、大体鐘のような形を有するハウジング540と、上記ハウジング540の底面にはPTZ撮像部520を収納して保護するためのドーム544を備える。ハウジング540の外周面の下側には二つの支持突出部542a、542bが水平的に対称するよう備えられている。支持突出部542aには第1広角撮像部510aの魚眼レンズ512aが外部に露出して設置されており、支持突出部542bには第2広角撮像部510bの魚眼レンズ512bが外部に露出して設置されている。ハウジング540の上部面にはカメラ装置500を壁面に取り付けるためのブラケット554が備えられることができる。
【0181】
支持突出部542a、542bは、魚眼レンズ512a、512bの光軸がカメラ装置500の外側の下方を向くようハウジング540の外周面の下側に設けられる。支持突出部542a、542bは、広角撮像部510a、510bの撮影方向を決定し、広角撮像部510a、510bを構造的に支持して、広角撮像部510a、510bがカメラ装置500の直ぐ下の地点を含んだ周辺映像を撮像できるようにする。
【0182】
図38は、図35のカメラ装置500の他の実施例を示す。本実施例によるカメラ装置500は、上部フレーム550と、水平回転フレーム560と、PTZカメラユニット570とを備える。
【0183】
上部フレーム550は、大体球形または多角形の断面の柱状になっており、その外周面の下側には二つの支持突出部552a、552bが水平的に対称するよう備えられている。上部フレーム550の側面の上段には貫通孔が形成された複数の支持/締結突起554a〜554cが形成されており、上部フレーム550が上方の設置面に安定して支持されるようにすると共に、ボルトによって設置面に固定させることを可能にする。
【0184】
支持突出部552aには第1広角撮像部510aの魚眼レンズ512aが外部に露出して設置されており、支持突出部552bには第2広角撮像部510bの魚眼レンズ512bが外部に露出して設置されている。支持突出部552a、552bにおいて魚眼レンズ512a、512bが設置された面は、広角撮像部510a、510bがPTZカメラユニット570によって遮られない範囲内でカメラ装置500の下方まで撮影できるよう傾斜している。
【0185】
水平回転フレーム560は、上部フレーム550の底面で上記上部フレーム550に対してパンニング、すなわち、水平回転できるよう設けられる。上部フレーム550が上部フレーム550の底面で水平回転できるよう、上部フレーム550または上部フレーム550内にはパンニングモーターが設けられ、パンニングモーターにはパンニングシャフト(未図示)が動力的に接続され、上部フレーム550と上部フレーム550はパンニングシャフトを介して接続される。
【0186】
PTZカメラユニット570は、水平回転フレーム560の下方でティルティング、すなわち垂直回転できるよう設けられる。本実施例において、水平回転フレーム560内にはティルティングモーターが設けられ、ティルティングモーターには水平回転フレーム560を横方向に横切って繋がっているティルティングシャフト(未図示)が接続される。ティルティングシャフトの両端部にはブラケット562が回動することが可能であるよう接続され、PTZカメラユニット570はブラケット562の下部に固定して設けられる。パンニングモーターとパンニングシャフトの具体的な構成及び接続関係と、ティルティングモーター及びティルティングシャフトの具体的な構成及び接続関係は、本発明が属する技術分野の当業者には周知のもので、当業者が様々な方式でこれを容易に具現できるため、これに関する詳しい説明は省略する。
【0187】
PTZカメラユニット570の正面には、光を透過しながらレンズを保護することができるよう透明窓572が備えられている。一方、水平回転フレーム560の両側には夜間に前方に照明を照射することができるようLEDライト562a、562bが設置されている。
【0188】
図39は、図35のカメラ装置500のさらに他の実施例を示す。本実施例によるカメラ装置500は、上部フレーム550と、水平回転フレーム560と、PTZカメラユニット580と、LEDライト590とを備える。
【0189】
上部フレーム550は、大体円形または多角形の断面の柱状になっており、その外周面の下側には二つの支持突出部552a、552bが水平的に対称して備えられている。上部フレーム550の側面の上段には貫通孔が形成された複数の支持/締結突起554a〜554cが形成されており、上部フレーム550が上方の設置面に安定して支持されるようにすると共に、ボルトによって設置面に固定できるようにする。
【0190】
支持突出部552aには第1広角撮像部510aの魚眼レンズ512aが外部に露出して設置されて、支持突出部552bには第2広角撮像部510bの魚眼レンズ512bが外部に露出して設置されている。支持突出部552a、552bにおいて魚眼レンズ512a、512bが設けられた面は、広角撮像部510a、510bがPTZカメラユニット580によって遮られない範囲内でカメラ装置500の下方まで撮影できるように傾斜している。
【0191】
水平回転フレーム560は、上部フレーム550の底面で上記上部フレーム550に対してパンニング、すなわち、水平回転できるよう設けられる。上部フレーム550が上部フレーム550の底面で水平回転できるよう、上部フレーム550または上部フレーム550内にはパンニングモーターが設けられ、パンニングモーターにはパンニングシャフト(未図示)が動力的に接続され、上部フレーム550と上部フレーム550はパンニングシャフトを介して接続される。
【0192】
PTZカメラユニット580は、水平回転フレーム560の側方向においてティルティングできるよう設けられる。本実施例において、水平回転フレーム560内にはティルティングモーターが設けられ、ティルティングモーターには水平回転フレーム560を横方向に横切って繋がっているティルティングシャフト(未図示)が接続される。ティルティングシャフトの一端部にはPTZカメラユニット580が設けられ、他端部にはLEDライト590が設けられる。これによって、ティルティングモーター及びティルティングシャフトが回転する場合、PTZカメラユニット580とLEDライト590がこれに相応して垂直回転するようになる。さらに、PTZカメラユニット580とLEDライト590がある程度左右のバランスをとっているため荷重のアンバランスによる装置の破損を防ぐことができる。一方、PTZカメラユニット580の正面には光を透過しながらレンズを保護することができるよう透明窓582が備えられている。
【0193】
図35ないし図39に図示されたカメラ装置500の他の特徴は、図32に図示された装置の特徴と類似するためこれに関する詳しい説明は省略する。
【0194】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はその技術的思想や必須的な特徴を変更することなく、様々な方式で変形することができ他の具体的な形態で実施することができる。
【0195】
例えば、以上では映像組合部134が広角映像200、前方パノラマ映像212、後方パノラマ映像214、パノラマ映像210、及び集中監視映像信号220のうち一つ以上を組合せて出力映像を構成するものと説明したが、カメラ装置がこれら映像信号を組合せる代わりにマルチプレクサによって単純に多重化して遠隔監視/コントロール装置40へ伝送して、遠隔監視/コントロール装置40が出力映像を構成するようすることもできる。
【0196】
一つのマスターカメラ10に複数の集中監視カメラが接続できる場合には、集中監視カメラの全部または一部がPTZカメラではなく固定式カメラであることもできる。このような場合、マスターカメラ10は、複数の集中監視カメラのうち移動物が存在する領域を撮影するカメラからの映像のみを選択して集中監視映像として使用することもできる。このような実施例においても、各集中監視カメラはズーム機能を備えることが好ましい。
【0197】
以上の説明ではマスターカメラ10が広角映像から移動物を検出し、検出した移動物の位置に応じてスレーブカメラ20を制御したが、変形実施例では移動物検出が遠隔監視/コントロール装置40によって行われることもある。このような実施例において、マスターカメラ10は遠隔監視/コントロール装置40から移動物の位置情報またはPTZ制御情報を受け入れ、これによってスレーブカメラ20を制御することができる。(Claimできない場合削除)
【0198】
一方、映像格納部128は、原本の広角映像の代わりにパノラマ映像を格納することもできる。
【0199】
他の一方で、以上ではマスターカメラ10またはカメラ装置500が集中監視映像または集中監視映像が含まれた出力映像を遠隔監視/コントロール装置40へ伝送するものと記述した。しかし、変形実施例では、マスターカメラ10またはカメラ装置500が集中監視カメラに対する制御機能を行いながら集中監視映像は集中監視カメラが直接遠隔監視/コントロール装置40へ伝送するようにすることもできる。
【0200】
以上では様々な実施例を例示したが、本質的に不可能なものではない限り各例示的実施例において説明した特徴は他の実施例にも適用できる。また、各例示的実施例において説明した特徴が一つの実施例で結合されることもできる。例えば、以上ではマスターカメラ10またはカメラ装置500がシリアル通信またはTCP/IPの基盤ネットワークを通して遠隔監視/コントロール装置40へ出力映像を伝送する実施例について説明したが、本発明の他の実施例ではマスターカメラ10またはカメラ装置500がシリアル通信及びTCP/IP基盤ネットワークを通してマスターカメラ10と通信する機能を全て備えることもできる。一方、マスターカメラ10またはカメラ装置500がアナログ映像信号ではなくデジタル映像データの形で遠隔監視/コントロール装置40に出力映像信号を伝送することもできる。他の一方で、マスターカメラ10はスレーブカメラ20からアナログ信号ではなくデジタル信号の形態で集中監視映像を受信することもできる。
【0201】
従って、以上で述べた実施例は全ての面での例示であり、これにより限定されるものではない。本発明の範囲は上記の詳細な説明よりは添付の特許請求範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその等価の概念から導かれる全ての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと理解すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0202】
本発明は、全方位監視と集中監視を必要とする全ての応用分野において利用できる。特に、複数のカメラが必要な応用分野において遠隔監視/コントロール装置の負担を減らしながら効率的に監視対象地域を監視することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔コントロール装置で表示する監視映像を獲得し、前記遠隔コントロール装置の助けがなくても集中監視撮像ユニットを制御する監視カメラ装置において、
監視対象地域に対する広角映像を獲得するための広角撮像部と、前記広角映像から移動物の位置を検出し、前記移動物の位置情報に相応した制御信号を発生して前記移動物を撮影するよう前記集中監視撮像ユニットを制御し、前記集中監視撮像ユニットによって獲得される集中監視映像を受け入れ、前記集中監視映像を含んだ前記監視映像を前記遠隔コントロール装置へ送信する制御及び信号処理部と、
を備え、
前記制御及び信号処理部が前記広角撮像部と同一の地理的サイトに設置される監視カメラ装置。
【請求項2】
前記制御及び信号処理部が前記広角映像が分割された複数の映像セクターのうち前記移動物と関連したいずれかひとつの映像セクターの位置情報に応じて前記制御信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の監視カメラ装置。
【請求項3】
前記制御及び信号処理部が前記移動物の前記位置情報に応じて所定のプリセットコードを前記制御信号として前記集中監視撮像ユニットへ出力して、前記集中監視撮像ユニットが前記プリセットコードに応じて撮影方向を調整するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の監視カメラ装置。
【請求項4】
前記制御及び信号処理部が前記移動物の前記位置情報に応じて前記集中監視撮像ユニットに対するパンニング及びティルティング制御値を前記制御信号として前記集中監視撮像ユニットへ出力することを特徴とする請求項2に記載の監視カメラ装置。
【請求項5】
前記制御及び信号処理部が以前撮像した広角映像と現在の広角映像を前記複数の映像セクター単位でそれぞれ比較し、各映像セクターにおいて画素値変化量係数値が所定の基準値以上であると、前記映像セクターが前記移動物と関連したものと決定することを特徴とする請求項2に記載の監視カメラ装置。
【請求項6】
前記制御及び信号処理部が相互隣接した二つ以上の映像セクターにおいて、前記画素値変化量係数値が前記基準値以上の場合、前記画素値変化量係数値が最大値を有する映像セクターが前記移動物と関連したものと決定することを特徴とする請求項5に記載の監視カメラ装置。
【請求項7】
前記制御及び信号処理部が以前撮像した広角映像と現在の広角映像を比較して前記移動物を検出し、前記移動物の特定の座標値が前記複数の映像セクターのうちどの映像セクターに属するかを判断して前記関連した映像セクターを決定することを特徴とする請求項2に記載の監視カメラ装置。
【請求項8】
前記制御及び信号処理部が前記広角映像から前記移動物を検出し、前記広角映像内での前記移動物の中心点の位置を極座標の形で決定し、前記極座標値に応じて前記制御信号を出力することを特徴とする請求項2に記載の監視カメラ装置。
【請求項9】
前記制御及び信号処理部が前記移動物のサイズ決定し、前記サイズに相応したズーム倍率制御値を前記制御信号に含ませることを特徴とする請求項8に記載の監視カメラ装置。
【請求項10】
前記広角映像からパノラマ映像を構成するパノラマ映像構成部と、前記パノラマ映像と前記集中監視撮像ユニットから受信する前記集中監視映像を結合する映像組合部と、をさらに備え、前記信号送信部が前記結合された映像を前記監視映像として前記遠隔コントロール装置へ送信することを特徴とする請求項1に記載の監視カメラ装置。
【請求項11】
前記映像組合部が前記パノラマ映像と前記集中監視映像を前記遠隔コントロール装置の表示部に表示できる一つの出力映像にフォーマットすることを特徴とする請求項10に記載の監視カメラ装置。
【請求項12】
前記信号送信部が前記出力映像に対するデジタル映像信号をアナログ出力映像信号に変換する信号変換部と、前記アナログ出力映像信号を前記遠隔コントロール装置へ送信するための映像出力端子と、前記遠隔コントロール装置から装置制御信号を受信するためのシリアル通信部と、を備えることを特徴とする請求項10に記載の監視カメラ装置。
【請求項13】
前記映像組合部が前記パノラマ映像信号と前記集中監視映像信号を多重化(Multiplexing)し、常に信号送信部が多重化映像信号を前記遠隔コントロール装置へ送信することを特徴とする請求項10に記載の監視カメラ装置。
【請求項14】
前記信号送信部が前記出力映像をネットワークを通して前記遠隔コントロール装置へ送信するためのネットワークアダプタを備えることを特徴とする請求項10に記載の監視カメラ装置。
【請求項15】
前記広角映像、前記集中監視映像、前記パノラマ映像、及びこれらの組合せのうちいずれかひとつを格納するための格納部をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の監視カメラ装置。
【請求項16】
前記集中監視撮像ユニットが前記監視カメラ装置の外部にある独立した装置であり、前記監視カメラ装置が前記集中監視撮像ユニットから前記集中監視映像を受け入れるための映像入力端子と、前記制御信号を前記集中監視撮像ユニットへ伝送するためのシリアル通信部と、をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の監視カメラ装置。
【請求項17】
前記シリアル通信部が前記制御及び信号処理部が前記遠隔コントロール装置から装置制御信号を受信するのに使われることができることを特徴とする請求項16に記載の監視カメラ装置。
【請求項18】
前記制御及び信号処理部は、前記遠隔コントロール装置から前記集中監視撮像ユニットに対するパン/ティルト制御信号が受信する場合、前記移動物の位置情報に相応した制御信号より優先して前記集中監視撮像ユニットへ送信することを特徴とする請求項16に記載の監視カメラ装置。
【請求項19】
前記映像入力端子を通して前記集中監視撮像ユニットからアナログ集中監視映像を受け入れ、デジタル集中監視映像を発生する信号変換部をさらに備え、前記映像組合部がデジタルパノラマ映像と前記デジタル集中監視映像を結合することを特徴とする請求項16に記載の監視カメラ装置。
【請求項20】
前記監視カメラ装置に対して前記集中監視撮像ユニットが複数接続されることを特徴とする請求項16に記載の監視カメラ装置。
【請求項21】
前記制御及び信号処理部が前記集中監視撮像ユニットへ伝送する前記制御信号が受信ユニット識別情報を含むことを特徴とする請求項20に記載の監視カメラ装置。
【請求項22】
前記広角撮像部の広角レンズの光軸が前記集中監視撮像ユニットのパンニングの中心軸と一致するよう設けられることを特徴とする請求項16に記載の監視カメラ装置。
【請求項23】
前記集中監視撮像ユニットが前記監視カメラ装置に含まれることを特徴とする請求項10に記載の監視カメラ装置。
【請求項24】
前記監視カメラ装置の外周面において、前記広角撮像部が互いに対称するよう複数設置されていることを特徴とする請求項23に記載の監視カメラ装置。
【請求項25】
前記制御及び信号処理部が前記複数の広角撮像部によって獲得した複数の広角映像それぞれに対して移動物を検出することを特徴とする請求項24に記載の監視カメラ装置。
【請求項26】
パノラマ映像構成部が前記複数の広角映像それぞれから所定の領域を抽出し、抽出した領域を結合して前記パノラマ映像を構成することを特徴とする請求項24に記載の監視カメラ装置。
【請求項27】
監視対象地域を選択的に集中撮影するためのものであって、パン/ティルト/ズーム駆動が可能な少なくともひとつのスレーブカメラと、
前記監視対象地域に対する広角映像を獲得するための広角撮像部と、前記広角映像から移動物の位置を検出し、前記移動物の位置に応じて前記スレーブカメラを駆動して前記移動物を撮影するよう制御し、前記スレーブカメラから集中監視映像を獲得して、前記広角映像と前記集中監視映像を基に出力映像を構成し、前記広角撮像部と同一の地理的サイトに設置される制御及び信号処理部を備えるマスターカメラと、
前記出力映像をモニターに表示し、前記マスターカメラを遠隔制御する遠隔コントロール装置と、
を備える遠隔監視システム。
【請求項28】
前記マスターカメラが、前記広角映像が分割された複数の映像セクターのうち前記移動物と関連したいずれかひとつの映像セクターの位置情報による制御信号を供給して前記スレーブカメラを制御することを特徴とする請求項27に記載の遠隔監視システム。
【請求項29】
前記マスターカメラが、前記広角映像からパノラマ映像を構成するパノラマ映像構成部と、前記パノラマ映像と前記集中監視撮像ユニットから受信した前記集中監視映像を結合する映像組合部と、前記結合された映像を前記出力映像として前記遠隔コントロール装置へ送信する信号送信部と、を備えることを特徴とする請求項27に記載の遠隔監視システム。
【請求項30】
同一の地理的サイトに設置される広角撮像部と制御及び信号処理部を備え、遠隔コントロール装置で表示する監視映像を獲得し前記遠隔コントロール装置の助けが無くても集中監視撮像ユニットを制御する監視カメラ装置において、
前記広角撮像部によって監視対象地域に対する広角映像を獲得する段階と、
前記制御及び信号処理部により前記広角映像から移動物の位置を検出し、前記移動物の位置情報に相応した制御信号を前記集中監視撮像ユニットに提供して、前記移動物を撮影するよう制御する段階と、
前記制御及び信号処理部が前記集中監視撮像ユニットによって獲得される前記監視映像を受け入れる段階と、
前記制御及び信号処理部が前記集中監視映像を含んだ前記監視映像を前記遠隔コントロール装置へ送信する段階と、
を備える監視映像獲得方法。
【請求項31】
前記集中監視撮像ユニットが前記監視カメラ装置の外部にある独立した装置であることを特徴とする請求項30に記載の監視映像獲得方法。
【請求項32】
前記集中監視撮像ユニットが前記カメラ装置の内部に含まれたものであることを特徴とする請求項30に記載の監視映像獲得方法。
【請求項33】
前記動き検出段階が前記広角映像を複数の映像セクターに分割する段階と、以前 撮像した広角映像と現在の広角映像を前記複数の映像セクター単位でそれぞれ比較する段階と、各映像セクターで画素値変化量が第1基準値より大きい画素数を計数する段階と、前記係数値が第2基準値以上である映像セクターの位置情報を前記移動物の位置情報と決定する段階と、を備えることを特徴とする請求項30に記載の監視映像獲得方法。
【請求項34】
前記決定段階において相互隣接した二つ以上の映像セクターで前記係数値が前記第2基準値以上の場合、前記画素値変化量係数値が最大値を有する映像セクターの位置情報を前記移動物の位置情報と決定することを特徴とする請求項33に記載の監視映像獲得方法。
【請求項35】
前記動き検出段階が前記広角映像を複数の映像セクターに分割する段階と、以前 撮像した広角映像と現在の広角映像を前記複数の映像セクター単位でそれぞれ比較して前記移動物を検出する段階と、前記移動物の特定の座標値が属する映像セクターの位置情報を前記移動物の位置情報と決定する段階と、を備えることを特徴とする請求項30に記載の監視映像獲得方法。
【請求項36】
前記動き検出段階が前記広角映像内で前記移動物を検出する段階と、前記移動物の中心点の位置を極座標の形で決定する段階と、前記極座標値に応じて前記集中監視撮像ユニットに対するパン/ティルト制御値を決定して前記制御信号として発生する段階と、を備えることを特徴とする請求項30に記載の監視映像獲得方法。
【請求項37】
前記移動物のサイズを決定する段階と、前記サイズに相応したズーム倍率制御値を前記制御信号としてさらに発生させる段階と、をさらに含むことを特徴とする請求項34に記載の監視映像獲得方法。
【請求項1】
遠隔コントロール装置で表示する監視映像を獲得し、前記遠隔コントロール装置の助けがなくても集中監視撮像ユニットを制御する監視カメラ装置において、
監視対象地域に対する広角映像を獲得するための広角撮像部と、前記広角映像から移動物の位置を検出し、前記移動物の位置情報に相応した制御信号を発生して前記移動物を撮影するよう前記集中監視撮像ユニットを制御し、前記集中監視撮像ユニットによって獲得される集中監視映像を受け入れ、前記集中監視映像を含んだ前記監視映像を前記遠隔コントロール装置へ送信する制御及び信号処理部と、
を備え、
前記制御及び信号処理部が前記広角撮像部と同一の地理的サイトに設置される監視カメラ装置。
【請求項2】
前記制御及び信号処理部が前記広角映像が分割された複数の映像セクターのうち前記移動物と関連したいずれかひとつの映像セクターの位置情報に応じて前記制御信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の監視カメラ装置。
【請求項3】
前記制御及び信号処理部が前記移動物の前記位置情報に応じて所定のプリセットコードを前記制御信号として前記集中監視撮像ユニットへ出力して、前記集中監視撮像ユニットが前記プリセットコードに応じて撮影方向を調整するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の監視カメラ装置。
【請求項4】
前記制御及び信号処理部が前記移動物の前記位置情報に応じて前記集中監視撮像ユニットに対するパンニング及びティルティング制御値を前記制御信号として前記集中監視撮像ユニットへ出力することを特徴とする請求項2に記載の監視カメラ装置。
【請求項5】
前記制御及び信号処理部が以前撮像した広角映像と現在の広角映像を前記複数の映像セクター単位でそれぞれ比較し、各映像セクターにおいて画素値変化量係数値が所定の基準値以上であると、前記映像セクターが前記移動物と関連したものと決定することを特徴とする請求項2に記載の監視カメラ装置。
【請求項6】
前記制御及び信号処理部が相互隣接した二つ以上の映像セクターにおいて、前記画素値変化量係数値が前記基準値以上の場合、前記画素値変化量係数値が最大値を有する映像セクターが前記移動物と関連したものと決定することを特徴とする請求項5に記載の監視カメラ装置。
【請求項7】
前記制御及び信号処理部が以前撮像した広角映像と現在の広角映像を比較して前記移動物を検出し、前記移動物の特定の座標値が前記複数の映像セクターのうちどの映像セクターに属するかを判断して前記関連した映像セクターを決定することを特徴とする請求項2に記載の監視カメラ装置。
【請求項8】
前記制御及び信号処理部が前記広角映像から前記移動物を検出し、前記広角映像内での前記移動物の中心点の位置を極座標の形で決定し、前記極座標値に応じて前記制御信号を出力することを特徴とする請求項2に記載の監視カメラ装置。
【請求項9】
前記制御及び信号処理部が前記移動物のサイズ決定し、前記サイズに相応したズーム倍率制御値を前記制御信号に含ませることを特徴とする請求項8に記載の監視カメラ装置。
【請求項10】
前記広角映像からパノラマ映像を構成するパノラマ映像構成部と、前記パノラマ映像と前記集中監視撮像ユニットから受信する前記集中監視映像を結合する映像組合部と、をさらに備え、前記信号送信部が前記結合された映像を前記監視映像として前記遠隔コントロール装置へ送信することを特徴とする請求項1に記載の監視カメラ装置。
【請求項11】
前記映像組合部が前記パノラマ映像と前記集中監視映像を前記遠隔コントロール装置の表示部に表示できる一つの出力映像にフォーマットすることを特徴とする請求項10に記載の監視カメラ装置。
【請求項12】
前記信号送信部が前記出力映像に対するデジタル映像信号をアナログ出力映像信号に変換する信号変換部と、前記アナログ出力映像信号を前記遠隔コントロール装置へ送信するための映像出力端子と、前記遠隔コントロール装置から装置制御信号を受信するためのシリアル通信部と、を備えることを特徴とする請求項10に記載の監視カメラ装置。
【請求項13】
前記映像組合部が前記パノラマ映像信号と前記集中監視映像信号を多重化(Multiplexing)し、常に信号送信部が多重化映像信号を前記遠隔コントロール装置へ送信することを特徴とする請求項10に記載の監視カメラ装置。
【請求項14】
前記信号送信部が前記出力映像をネットワークを通して前記遠隔コントロール装置へ送信するためのネットワークアダプタを備えることを特徴とする請求項10に記載の監視カメラ装置。
【請求項15】
前記広角映像、前記集中監視映像、前記パノラマ映像、及びこれらの組合せのうちいずれかひとつを格納するための格納部をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の監視カメラ装置。
【請求項16】
前記集中監視撮像ユニットが前記監視カメラ装置の外部にある独立した装置であり、前記監視カメラ装置が前記集中監視撮像ユニットから前記集中監視映像を受け入れるための映像入力端子と、前記制御信号を前記集中監視撮像ユニットへ伝送するためのシリアル通信部と、をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の監視カメラ装置。
【請求項17】
前記シリアル通信部が前記制御及び信号処理部が前記遠隔コントロール装置から装置制御信号を受信するのに使われることができることを特徴とする請求項16に記載の監視カメラ装置。
【請求項18】
前記制御及び信号処理部は、前記遠隔コントロール装置から前記集中監視撮像ユニットに対するパン/ティルト制御信号が受信する場合、前記移動物の位置情報に相応した制御信号より優先して前記集中監視撮像ユニットへ送信することを特徴とする請求項16に記載の監視カメラ装置。
【請求項19】
前記映像入力端子を通して前記集中監視撮像ユニットからアナログ集中監視映像を受け入れ、デジタル集中監視映像を発生する信号変換部をさらに備え、前記映像組合部がデジタルパノラマ映像と前記デジタル集中監視映像を結合することを特徴とする請求項16に記載の監視カメラ装置。
【請求項20】
前記監視カメラ装置に対して前記集中監視撮像ユニットが複数接続されることを特徴とする請求項16に記載の監視カメラ装置。
【請求項21】
前記制御及び信号処理部が前記集中監視撮像ユニットへ伝送する前記制御信号が受信ユニット識別情報を含むことを特徴とする請求項20に記載の監視カメラ装置。
【請求項22】
前記広角撮像部の広角レンズの光軸が前記集中監視撮像ユニットのパンニングの中心軸と一致するよう設けられることを特徴とする請求項16に記載の監視カメラ装置。
【請求項23】
前記集中監視撮像ユニットが前記監視カメラ装置に含まれることを特徴とする請求項10に記載の監視カメラ装置。
【請求項24】
前記監視カメラ装置の外周面において、前記広角撮像部が互いに対称するよう複数設置されていることを特徴とする請求項23に記載の監視カメラ装置。
【請求項25】
前記制御及び信号処理部が前記複数の広角撮像部によって獲得した複数の広角映像それぞれに対して移動物を検出することを特徴とする請求項24に記載の監視カメラ装置。
【請求項26】
パノラマ映像構成部が前記複数の広角映像それぞれから所定の領域を抽出し、抽出した領域を結合して前記パノラマ映像を構成することを特徴とする請求項24に記載の監視カメラ装置。
【請求項27】
監視対象地域を選択的に集中撮影するためのものであって、パン/ティルト/ズーム駆動が可能な少なくともひとつのスレーブカメラと、
前記監視対象地域に対する広角映像を獲得するための広角撮像部と、前記広角映像から移動物の位置を検出し、前記移動物の位置に応じて前記スレーブカメラを駆動して前記移動物を撮影するよう制御し、前記スレーブカメラから集中監視映像を獲得して、前記広角映像と前記集中監視映像を基に出力映像を構成し、前記広角撮像部と同一の地理的サイトに設置される制御及び信号処理部を備えるマスターカメラと、
前記出力映像をモニターに表示し、前記マスターカメラを遠隔制御する遠隔コントロール装置と、
を備える遠隔監視システム。
【請求項28】
前記マスターカメラが、前記広角映像が分割された複数の映像セクターのうち前記移動物と関連したいずれかひとつの映像セクターの位置情報による制御信号を供給して前記スレーブカメラを制御することを特徴とする請求項27に記載の遠隔監視システム。
【請求項29】
前記マスターカメラが、前記広角映像からパノラマ映像を構成するパノラマ映像構成部と、前記パノラマ映像と前記集中監視撮像ユニットから受信した前記集中監視映像を結合する映像組合部と、前記結合された映像を前記出力映像として前記遠隔コントロール装置へ送信する信号送信部と、を備えることを特徴とする請求項27に記載の遠隔監視システム。
【請求項30】
同一の地理的サイトに設置される広角撮像部と制御及び信号処理部を備え、遠隔コントロール装置で表示する監視映像を獲得し前記遠隔コントロール装置の助けが無くても集中監視撮像ユニットを制御する監視カメラ装置において、
前記広角撮像部によって監視対象地域に対する広角映像を獲得する段階と、
前記制御及び信号処理部により前記広角映像から移動物の位置を検出し、前記移動物の位置情報に相応した制御信号を前記集中監視撮像ユニットに提供して、前記移動物を撮影するよう制御する段階と、
前記制御及び信号処理部が前記集中監視撮像ユニットによって獲得される前記監視映像を受け入れる段階と、
前記制御及び信号処理部が前記集中監視映像を含んだ前記監視映像を前記遠隔コントロール装置へ送信する段階と、
を備える監視映像獲得方法。
【請求項31】
前記集中監視撮像ユニットが前記監視カメラ装置の外部にある独立した装置であることを特徴とする請求項30に記載の監視映像獲得方法。
【請求項32】
前記集中監視撮像ユニットが前記カメラ装置の内部に含まれたものであることを特徴とする請求項30に記載の監視映像獲得方法。
【請求項33】
前記動き検出段階が前記広角映像を複数の映像セクターに分割する段階と、以前 撮像した広角映像と現在の広角映像を前記複数の映像セクター単位でそれぞれ比較する段階と、各映像セクターで画素値変化量が第1基準値より大きい画素数を計数する段階と、前記係数値が第2基準値以上である映像セクターの位置情報を前記移動物の位置情報と決定する段階と、を備えることを特徴とする請求項30に記載の監視映像獲得方法。
【請求項34】
前記決定段階において相互隣接した二つ以上の映像セクターで前記係数値が前記第2基準値以上の場合、前記画素値変化量係数値が最大値を有する映像セクターの位置情報を前記移動物の位置情報と決定することを特徴とする請求項33に記載の監視映像獲得方法。
【請求項35】
前記動き検出段階が前記広角映像を複数の映像セクターに分割する段階と、以前 撮像した広角映像と現在の広角映像を前記複数の映像セクター単位でそれぞれ比較して前記移動物を検出する段階と、前記移動物の特定の座標値が属する映像セクターの位置情報を前記移動物の位置情報と決定する段階と、を備えることを特徴とする請求項30に記載の監視映像獲得方法。
【請求項36】
前記動き検出段階が前記広角映像内で前記移動物を検出する段階と、前記移動物の中心点の位置を極座標の形で決定する段階と、前記極座標値に応じて前記集中監視撮像ユニットに対するパン/ティルト制御値を決定して前記制御信号として発生する段階と、を備えることを特徴とする請求項30に記載の監視映像獲得方法。
【請求項37】
前記移動物のサイズを決定する段階と、前記サイズに相応したズーム倍率制御値を前記制御信号としてさらに発生させる段階と、をさらに含むことを特徴とする請求項34に記載の監視映像獲得方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【公表番号】特表2012−520650(P2012−520650A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500730(P2012−500730)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【国際出願番号】PCT/KR2010/003310
【国際公開番号】WO2010/137860
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(511225550)ヨングク エレクトロニクス シーオー., エルティーディー (1)
【氏名又は名称原語表記】YOUNGKOOK ELECTRONICS, CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1432−10 Seocho−dong, Seocho−gu Seoul 137−070(KR)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【国際出願番号】PCT/KR2010/003310
【国際公開番号】WO2010/137860
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(511225550)ヨングク エレクトロニクス シーオー., エルティーディー (1)
【氏名又は名称原語表記】YOUNGKOOK ELECTRONICS, CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1432−10 Seocho−dong, Seocho−gu Seoul 137−070(KR)
【Fターム(参考)】
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