説明

研削方法および研削盤

【課題】研削抵抗増加により低い研削能率で研削するツルーイング後研削を短縮する研削方法および研削盤。
【解決手段】複数の砥石車71、72を用いて、複数の被研削部を研削する研削方法および研削盤において、
ツルーイング後研削工程を、複数の砥石車の一部を用いて前記複数の被研削個所の一部を研削する工程を前記複数の砥石車の全てが使用されるように複数回組み合せて実行し、その研削能率を複数の被研削部を同時に研削した場合より大きくして研削する。研削能率を大きくすることでボンド除去効率を高くし、より少ない工作物研削本数で所定の砥粒突出し量を達成し、定常研削に移行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研削盤の研削作動の制御に関するものであり、詳しくは複数の砥石車を用いて、複数の被研削部を研削する研削方法および研削盤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンジンのカムシャフトのように類似形状の被研削部を複数備えた工作物を研削する研削盤においては、研削能率を向上させる目的で、複数の砥石車を同時に複数の被研削部に作用させて研削することが実施されている。
また、研削加工においては研削による砥石車の消耗による形状誤差を補正するために、砥石車のツルーイングが必要である。図6の図Iに示すように、ツルーイング直後は砥石車の研削作用面の砥粒の突き出しが小さい。図7に示すように研削による切屑が砥石車のボンドを削り取るため研削量が増加するに連れ砥粒の突き出しが大きくなり、定常研削状態では図6の図IIに示すように切屑のボンド層への接触が少ない砥粒突き出し量となる。このため、ツルーイング直後は工作物とボンドの隙間が小さく切屑がスムースに排出されないため研削抵抗が大きく、研削量が増加するに連れ研削抵抗が低下する。この研削抵抗の変動により、研削動力と工作物加工本数の関係は図8に示すように変動する。図8ではツルーイング直後の研削動力を100%とした比率で示している。ツルーイング直後の研削では、砥石車のボンドと工作物の隙間が小さいためボンド除去が急速に進み、これに伴い研削動力も急速に低下する。この研削動力は研削能率が大きいと図8のIに示すように急激に低下し、研削能率が小さいと図8のIIに示すように緩やかに低下する。これは、研削能率が大きいと砥石に加わる力が大きくなり、切屑の大きさも大きくなるためボンド除去効率が高くなるため同一研削量でも砥粒突出し量が大きくなるからである。ある程度研削量が増加してボンドと工作物の隙間が大きくなると、切屑がボンドを除去する度合いが低下するため、研削動力の低下も緩やかとなり安定した定常研削状態になる。この安定した時期の定常研削動力を研削盤の砥石軸許容動力に近くなるように加工条件を設定することで、研削盤の砥石軸駆動モータの出力を過剰に大型化することなくエネルギを有効に活用することが賞用されている。この場合、ツルーイング直後に定常研削状態と同一研削能率で研削すると、研削動力が砥石軸駆動モータの許容動力を超え研削不可能となる。これを防止するため、図9のIに示すようなツルーイング直後は研削能率を低下させ工作物加工本数に応じ研削能率を段階的に上げる研削方法や、図9のIIに示すような1本の工作物研削中に連続的に研削能率を上げて研削する従来技術1(例えば、特許文献1参照)がある。また、ツルーイング直後は砥石車の回転速度を低下させて研削することで砥石のボンド除去効率を高くし、少ない工作物研削本数で研削抵抗を低減させ研削時間の増大を短縮する従来技術2(例えば、特許文献2参照)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−246629号公報
【特許文献2】特開昭62−176761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術1では、研削抵抗が許容値を越えることは無いので研削焼けや研削盤の過負荷による停止は防止できるが、研削能率の低下に伴い研削時間が増加する。
従来技術2ではボンド除去効率の向上効果はあるが、以下の問題がある。通常、ツルーイング装置を工作物と同一方向に設置し、研削時と同一の砥石車回転速度で砥石車のツルーイングを実施することにより、アンバランスのある砥石車でも遠心力による研削作用面の研削点での振れを無くしている。この振れ量は回転速度が変われば変動するので、砥石車の回転速度を通常研削時より低下させて研削する場合、研削点での砥石車の研削作用面の振れが発生する恐れがある。振れの発生した研削作用面を用いて研削すると被研削部にはビビリが発生し精度不良となる。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、精度不良を発生しないでツルーイング直後のボンド除去効率の低下を防止することで、少ない工作物研削本数で定常研削状態に到達する研削方法および研削盤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の特徴は、砥石車のツルーイング後の最初の研削を含む所定の回数実行されるツルーイング後研削工程における研削能率を、前記ツルーイング後研削工程が実行された後に実行される研削抵抗が安定した状態の定常研削工程の研削能率より大きくして研削することである。
【0007】
請求項2に係る発明の特徴は、同一の駆動装置で回転駆動される複数の砥石車を用いて一群の複数の被研削部を研削する円筒研削盤において、
前記複数の砥石車のツルーイング後の最初の研削を含む所定の回数実行されるツルーイング後研削工程を、前記複数の砥石車の一部を用いて前記一群の複数の被研削個所の一部を前記複数の砥石車の全てが使用されるように複数回組み合せて研削することで構成し、
前記ツルーイング後研削工程の研削能率を、前記砥石車のツルーイング後の最初の研削を前記複数の砥石車を同時に全て用いて一群の複数の被研削部を研削するとき可能な最大研削能率より大きくして研削し、
ツルーイング後研削工程が実行された後に実行される研削抵抗が安定した状態の定常研削工程を、前記複数の砥石車の全てを用いて前記一群の複数の被研削個所を同時に研削するようにしたことである。
【0008】
請求項3に係る発明の特徴は、請求項2に係る発明において、前記複数の砥石車が2枚であり、
前記一群の複数の被研削個所が2箇所であり、
前記ツルーイング後研削工程は、前記砥石車の一方を用いて前記被研削部の一方を研削する第1工程と、前記砥石車の他方を用いて前記被研削部の他方を研削する第2工程とで構成されることである。
【0009】
請求項4に係る発明の特徴は、砥石車のツルーイング後の最初の研削を含む所定の回数実行されるツルーイング後研削工程を、砥石車の幅方向の一部を用いて被研削個所の幅方向の一部を研削することを前記砥石車の研削作用面の全幅が使用されるように複数回組み合せて構成し、
前記ツルーイング後研削工程の研削能率を、前記砥石車のツルーイング後の最初の研削を前記砥石車の研削作用面の全幅を同時に用いて研削するとき可能な最大研削能率より大きくして研削し、
ツルーイング後研削工程が実行された後に実行される研削抵抗が安定した状態の定常研削工程を、前記砥石車の研削作用面の全幅を用いて研削するようにしたことである。
【0010】
請求項5に係る発明の特徴は、円筒状の工作物を支持して回転駆動させる工作物支持手段と、
複数の砥石車を支持し同一の駆動装置で回転駆動させる砥石車支持手段と、
前記砥石車で前記工作物を研削するべく、前記工作物支持手段と前記砥石車支持手段とを相対移動させる駆動手段と、
前記複数の砥石車のツルーイング後の最初の研削を含む所定の回数実行されるツルーイング後研削工程を、前記複数の砥石車の一部を用いて前記一群の複数の被研削個所の一部を前記複数の砥石車の全てが使用されるように複数回組み合せて研削することで構成し、 前記ツルーイング後研削工程の研削能率を、前記砥石車のツルーイング後の最初の研削を前記複数の砥石車を同時に全て用いて一群の複数の被研削部を研削するとき可能な最大研削能率より大きくして研削し、ツルーイング後研削工程が実行された後に実行される研削抵抗が安定した状態の定常研削工程を、前記複数の砥石車の全てを用いて前記一群の複数の被研削個所を同時に研削するように、前記駆動手段を制御する制御手段と、
を備えたことである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、ツルーイング後研削工程においてボンド除去効率が定常研削状態の研削時より大きくなるため、定常研削状態の研削能率で研削するよりも少ない工作物研削本数で最適な砥粒突き出し状態にでき、この間の加工時間も短縮できる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、ツルーイング後研削工程において、砥石車全てを同時に使用した研削より大きな研削能率で研削できるため、ボンド除去効率が高くなり砥粒の突き出しが速くなる。そのため、研削時間の長いツルーイング後研削工程を、砥石車全てを同時に使用した研削より少ない工作物研削本数で終了でき、合計研削時間を短縮できる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、カムシャフトのような工作物の研削において、少ない工作物研削本数で定常研削状態に移行でき合計研削時間を短縮できる。
【0014】
請求項4に係る発明によれば、幅の広い工作物のツルーイング後研削工程において、砥石車全幅を同時に使用した研削より大きな研削能率で研削できるため、ボンド除去効率が高くなり砥粒の突き出しが速くなる。そのため、研削時間の長いツルーイング後研削工程を、砥石車全幅を同時に使用した研削より少ない工作物研削本数で終了でき、合計研削時間を短縮できる。
【0015】
請求項5に係る発明によれば、ツルーイング直後の研削抵抗の大きな研削において、砥石車駆動モータの許容動力以内で砥石車全てを同時に使用した研削より大きな研削能率で研削でき、少ない工作物研削本数で定常研削状態に移行できる研削方法を容易に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態の研削盤の全体構成を示す概略図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】本実施形態の定常研削状態を示す概念図である。
【図4】本実施形態のツルーイング後研削状態を示す概念図である。
【図5】ツルーイング後研削時の研削時間の変化を示すグラフである。
【図6】砥石作用面のツルーイング直後と研削後の砥粒突き出し状態の差を示す概念図である。
【図7】研削におけるドレス作用を示す概念図である。
【図8】研削動力の変化を示すグラフである。
【図9】従来技術のツルーイング後研削時の研削能率の変化を示すグラフである
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態をカムシャフトを回転駆動させながら2箇所の被研削部を2枚の砥石車で同時に研削するカムジャーナル研削盤の実施事例に基づき、図1〜図5を参照しつつ説明する。
図1に示すように、研削盤1は、ベッド2を備え、ベッド2上にX軸方向に往復可能な砥石台3と、X軸に直交するZ軸方向に往復可能なテーブル4を備えている。砥石台3は砥石軸8を回転自在に支持し、砥石軸8を回転させる砥石軸回転モータ(図示省略する)を備えており、砥石車71と砥石車72は砥石軸8に着脱自在に装着されて回転駆動される。砥石車71と砥石車72の間隔は工作物Wの2箇所の被加工部の間隔と同じであり、2箇所の被加工部を同時に研削できるように配置されている。テーブル4上には、工作物Wの一端を把持して回転自在に支持し主軸モータ(図示省略する)により回転駆動される主軸5と、工作物Wの他端を回転自在に支持する心押し台6を備えており、工作物Wは主軸5と心押し台6により支持されて、研削加工時に回転駆動される。 ツルーイングモータ11により回転駆動されるツルーイングロール9を回転自在に支持したツルーイング装置10が、主軸5に付設されている。
【0018】
この研削盤1は、所定のプログラムを実行することで自動化された研削加工やツルーイングを実行する制御装置30を備えている。制御装置30の機能的構成として、砥石台3の送りを制御するX軸制御手段31、テーブル4の送りを制御するZ軸制御手段32、ツルーイング装置10を制御するツルーイング制御手段33、砥石軸8の回転を制御する砥石軸制御手段34などを具備している。
【0019】
本研削盤の研削加工は以下のように行われる。
ツルーイング装置10のツルーイングロール9により砥石車71、72をツルーイングした後、工作物Wを所定の本数ツルーイング後研削工程により研削する。その後所定の本数の工作物Wを定常研削工程で研削した後、最初のツルーイングに戻り、このサイクルを繰り返す。
ツルーイング後研削工程は以下のように実施する。定常研削において図3に示すように、砥石車71で被研削部W1を研削し砥石車72で被研削部W2を研削し、この2箇所を同時に研削する。この場合、ツルーイング後研削工程では図4のI図に示すように被加工部W1を砥石車72で研削する第1工程と、図4のII図に示すように被加工部W2を砥石車71で研削する第2工程に分割して研削する。このときの研削能率は研削焼けが発生しないでかつ砥石軸の許容動力を越えない最大能率を設定する。
【0020】
従来技術と本発明技術の研削方法を、砥石軸の許容研削動力が8kwで定常研削時の被加工部1箇所当りの研削動力が4kw、ツルーイング直後は砥石車の切れ味が悪く同一研削能率では研削抵抗が3倍になり、ツルーイング後研削を2ステップに分けて実施する事例で、以下に比較して示す。
従来技術では、2箇所の被研削部を同時に研削するため第1ステップでは研削能率を定常研削の能率の1/3に設定する必要があり、研削時間は定常研削の3倍となる。この研削条件で4本の工作物を研削すると、砥粒突き出しが大きくなり定常研削状態の2倍まで研削抵抗が低下するとする。第2ステップでは研削能率を定常研削の能率の1/2に設定でき、研削時間は定常研削の2倍となる。この研削条件で4本の工作物を研削すると、定常研削状態と同じまで研削定抵抗が低下するとする。研削時間と工作物加工本数の関係を図5のIに示す。
次に、本発明のツルーイング後研削工程を適用すると、第1ステップでは研削能率を第1工程、第2工程共に定常研削の2/3に設定すると研削動力は8kwとなり許容値以下となる。第1工程と第2工程の合計研削時間は定常研削の3倍で、2箇所を同時に研削した場合と同等となる。しかし、従来技術の2倍の研削能率で研削可能となりボンド除去効率が概略2倍高くなるので、2箇所を同時に研削した場合の1/2の2本の加工でツルーイング後研削工程の第1ステップを終了できる。第2ステップでは研削能率を定常研削の能率と同じに設定でき、研削時間は定常研削の2倍となる。しかし、従来技術の2倍の研削能率で研削可能となりボンド除去効率が概略2倍速くなるので、2箇所を同時に研削した場合の1/2の2本の加工でツルーイング後研削工程の第2ステップを終了できる。研削時間と工作物加工本数の関係を図5のIIに示す。
以上のように、本発明によれば研削時間が定常研削より長くかかるツルーイング後研削工程で研削する工作物本数を1/2にできるので、ツルーイング後研削工程の合計時間を1/2に短くできる。
【0021】
上記の例では、砥石車と被研削部が複数の場合について説明したが、砥石車が1枚で被加工部が1箇所の場合にも以下に示す方法で適用できる。ツルーイング後研削工程を、砥石車の幅方向の一部を用いて被研削個所の幅方向の一部を研削することを砥石車の研削作用面の全幅が使用されるように複数回組み合せて構成し、定常研削工程を、前記砥石車の研削作用面の全幅を用いて研削する。
これにより、幅の広い工作物のツルーイング後研削工程において、砥石車全幅を同時に使用した研削より大きな研削能率で研削できるため、ボンド除去効率が高くなり砥粒の突き出しが速くなる。そのため、研削時間の長いツルーイング後研削工程を、砥石車全幅を同時に使用した研削より少ない工作物研削本数で終了でき、合計研削時間を短縮できる。
【0022】
<本実施形態の変形態様>
砥石軸動力に余裕がある場合は定常研削時の能率よりツルーイング後研削工程の能率を大きくするとより効果的である。上記の例で、許容軸動力が16kwであればツルーイング後研削工程の第1ステップの研削能率を定常研削時の4/3倍に、第2ステップの研削能率を定常研削時の2倍に設定できる。ボンド除去効率が概略4倍になるので、ツルーイング後研削で研削する工作物本数を1/4にでき、ツルーイング後研削工程の合計の研削時間を1/4に短くできる。このとき、能率が大きすぎて加工部に研削焼けが発生する場合は、仕上げ研削工程の能率を定常研削工程の能率と同等まで低下させて、焼け部分を除去する。
砥粒の突出し量が定常研削に適した量になった後に研削能率の低い定常研削工程を実施する。これは、ツルーイング後研削工程の研削能率ではボンド除去効率が高すぎて砥石寿命が短くなるためである。定常研削の研削能率は砥石寿命と研削時間のバランスが良い値を設定する。
この、定常研削工程の能率よりツルーイング後研削工程の能率を大きくする研削方法は、砥石研削作用幅が定常研削工程とツルーイング後研削工程で同一の場合にも適用できる。
【符号の説明】
【0023】
W:工作物 3:砥石台 4:テーブル 5:主軸 6:心押し台 71、72:砥石車 9:ツルーイングロール 10:ツルーイング装置 11:ツルーイングモータ 30:制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
砥石車のツルーイング後の最初の研削を含む所定の回数実行されるツルーイング後研削工程における研削能率を、前記ツルーイング後研削工程が実行された後に実行される研削抵抗が安定した状態の定常研削工程の研削能率より大きくして研削する研削方法。
【請求項2】
同一の駆動装置で回転駆動される複数の砥石車を用いて一群の複数の被研削部を研削する円筒研削盤において、
前記複数の砥石車のツルーイング後の最初の研削を含む所定の回数実行されるツルーイング後研削工程を、前記複数の砥石車の一部を用いて前記一群の複数の被研削個所の一部を前記複数の砥石車の全てが使用されるように複数回組み合せて研削することで構成し、
前記ツルーイング後研削工程の研削能率を、前記砥石車のツルーイング後の最初の研削を前記複数の砥石車を同時に全て用いて一群の複数の被研削部を研削するとき可能な最大研削能率より大きくして研削し、
ツルーイング後研削工程が実行された後に実行される研削抵抗が安定した状態の定常研削工程を、前記複数の砥石車の全てを用いて前記一群の複数の被研削個所を同時に研削するようにした研削方法。
【請求項3】
前記複数の砥石車が2枚であり、
前記一群の複数の被研削個所が2箇所であり、
前記ツルーイング後研削工程は、前記砥石車の一方を用いて前記被研削部の一方を研削する第1工程と、前記砥石車の他方を用いて前記被研削部の他方を研削する第2工程とで構成される
請求項2に記載の研削方法。
【請求項4】
砥石車のツルーイング後の最初の研削を含む所定の回数実行されるツルーイング後研削工程を、砥石車の幅方向の一部を用いて被研削個所の幅方向の一部を研削することを前記砥石車の研削作用面の全幅が使用されるように複数回組み合せて構成し、
前記ツルーイング後研削工程の研削能率を、前記砥石車のツルーイング後の最初の研削を前記砥石車の研削作用面の全幅を同時に用いて研削するとき可能な最大研削能率より大きくして研削し、
ツルーイング後研削工程が実行された後に実行される研削抵抗が安定した状態の定常研削工程を、前記砥石車の研削作用面の全幅を用いて研削するようにした研削方法。
【請求項5】
円筒状の工作物を支持して回転駆動させる工作物支持手段と、
複数の砥石車を支持し同一の駆動装置で回転駆動させる砥石車支持手段と、
前記砥石車で前記工作物を研削するべく、前記工作物支持手段と前記砥石車支持手段とを相対移動させる駆動手段と、
前記複数の砥石車のツルーイング後の最初の研削を含む所定の回数実行されるツルーイング後研削工程を、前記複数の砥石車の一部を用いて前記一群の複数の被研削個所の一部を前記複数の砥石車の全てが使用されるように複数回組み合せて研削することで構成し、 前記ツルーイング後研削工程の研削能率を、前記砥石車のツルーイング後の最初の研削を前記複数の砥石車を同時に全て用いて一群の複数の被研削部を研削するとき可能な最大研削能率より大きくして研削し、ツルーイング後研削工程が実行された後に実行される研削抵抗が安定した状態の定常研削工程を、前記複数の砥石車の全てを用いて前記一群の複数の被研削個所を同時に研削するように、前記駆動手段を制御する制御手段と、
を備えた研削盤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−173216(P2011−173216A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−39471(P2010−39471)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】