説明

硬化性の耐塩基性フルオロエラストマー

テトラフルオロエチレン共重合単位と、プロピレン共重合単位と、i)トリフルオロエチレン、ii)3,3,3−トリフルオロプロペン−1、iii)1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピレン、iv)1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロピレン、およびv)2,3,3,3−テトラフルオロプロペンからなる群から選択される第1硬化部位共重合単位と、i)臭素化硬化部位モノマーの共重合単位、ii)ヨウ化硬化部位モノマーの共重合単位、iii)塩素化硬化部位モノマーの共重合単位、iv)臭素化末端基、v)ヨウ化末端基およびvi)i)〜v)のいずれかの組み合わせからなる群から選択される第2硬化部位とを含有する、フルオロエラストマーの組成物は、ポリヒドロキシ硬化系で容易に硬化可能である。得られた硬化物品は、アルカリ性液体に対する優秀な耐性、優れた引張り特性および耐圧縮永久ひずみ性、および金属基材に対する優秀な付着性を有する。任意に、ポリヒドロキシ系と有機過酸化物系の両方によってフルオロエラストマーを二重硬化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリヒドロキシ硬化性フルオロエラストマー組成物に関し、そのフルオロエラストマーは、テトラフルオロエチレン、プロピレン、i)トリフルオロエチレン,ii)3,3,3−トリフルオロプロペン−1、iii)1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピレン、iv)1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロピレン、およびv)2,3,3,3−テトラフルオロプロペンからなる群から選択される第1硬化部位の共重合単位を含み、かつそのフルオロエラストマーは、i)臭素化硬化部位モノマーの共重合単位、ii)ヨウ化硬化部位モノマーの共重合単位、iii)塩素化硬化部位モノマーの共重合単位、iv)臭素化末端基、v)ヨウ化末端基およびvi)i)〜v)のいずれかの組み合わせからなる群から選択される第2硬化部位を含有する。
【背景技術】
【0002】
テトラフルオロエチレン(TFE)、プロピレン(P)、および任意にフッ化ビニリデン(VF2)のコポリマーから製造されるフルオロエラストマー(つまり、TFE/PジポリマーまたはVF2/TFE/Pターポリマー)は、アルカリ性液体および他の高pH化学物質に対する耐性が重要である用途において用いられることが多い。TFE/Pジポリマーは、アルカリ性液体に対する最良の耐性を有する。約10重量%を超えるフッ化ビニリデン単位を含有するターポリマーは一般に、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンおよびテトラフルオロエチレンのコポリマーから製造される従来のフルオロエラストマーよりも著しく優れたアルカリ性液耐性を持たない。
【0003】
引張り強さ、伸び、および圧縮永久ひずみなどの物理的性質を完全に発達させるために、エラストマーを硬化、つまり架橋しなければならない。フルオロエラストマーの場合には、これは一般に、未硬化ポリマー(つまり、フルオロエラストマーガム)を多官能性硬化剤と混合し、得られた混合物を圧力下で加熱し、それによって、硬化剤とポリマー主鎖または側鎖に沿った活性部位との化学反応を促進することによって達成される。これらの化学反応の結果として、生成された鎖間の結合が、立体網状構造を有する架橋ポリマー組成物の形成をもたらす。フルオロエラストマーに一般的に使用される硬化剤としては、ポリヒドロキシ化合物などの二官能性求核性反応物が挙げられる。その代わりとしては、多官能性イソシアヌレートなどの有機過酸化物および不飽和助剤を含有する過酸化物硬化系が用いられる。
【0004】
多くの場合には、これらのフルオロエラストマーを架橋するために使用する場合、ポリヒドロキシおよび過酸化物硬化プロセスまたは硬化剤配合物は満足の行くものではない。例えば、エラストマーVF2/TFE/Pターポリマーを過酸化物(米国特許第4,910,260号明細書)またはポリヒドロキシ(米国特許第4,882,390号明細書および米国特許第4,912,171号明細書)硬化系のいずれかで硬化させることは公知である。しかしながら、ポリヒドロキシ化合物を使用してかかる組成物を硬化する場合、硬化生成物は、望ましくない高い圧縮永久ひずみを示す。実際に、フッ化ビニリデンの共重合単位を約10重量%未満含有するかかるフルオロエラストマーは、ポリヒドロキシ硬化配合物との硬化反応をほとんど、ないし全く示さない。
【0005】
米国特許第4,910,260号明細書に開示される、TFE/P/臭素原子含有硬化部位モノマーのエラストマーターポリマーの過酸化物硬化は、最初に形成される硬化性組成物が非常にスコーチし易く、したがって多くの工業プロセスには不適切であろうことから望ましくない。
【0006】
米国特許第6,703,450B2号明細書に開示される、テトラフルオロエチレンと、プロピレンと、i)トリフルオロエチレン、ii)3,3,3−トリフルオロプロペン−1、iii)1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピレン、iv)1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロピレン、およびv)2,3,3,3−テトラフルオロプロペンからなる群から選択される硬化部位モノマーとのポリヒドロキシ硬化エラストマーターポリマーは、優れた硬化特性および引張り特性を有する。しかしながら、このエラストマーは、金属面にうまく付着しない。したがって、これらのポリマーは、自動車のシャフトシールなどの一部の用途で有用ではない場合がある。
【0007】
アルカリ性液体に耐性であり、ポリヒドロキシ硬化系と容易に架橋して、優れた引張り特性および耐圧縮永久ひずみ性を有する硬化物品を形成し、かつ金属面に付着することができる、改善されたフルオロエラストマーを有することが特に望まれるであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
i)トリフルオロエチレン、ii)3,3,3−トリフルオロプロペン−1、iii)1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピレン、iv)1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロピレン、およびv)2,3,3,3−テトラフルオロプロペンからなる群から選択される硬化部位モノマーの共重合単位の第1硬化部位と、i)臭素化硬化部位モノマーの共重合単位、ii)ヨウ化硬化部位モノマーの共重合単位、iii)塩素化硬化部位モノマーの共重合単位、iv)臭素化末端基、v)ヨウ化末端基およびvi)i)〜v)のいずれかの組み合わせからなる群から選択される第2硬化部位の両方を組み込むことによって、TFE/Pコポリマーの硬化特性、物理的性質および金属基材への付着性が向上することが意外にも見出された。
【0009】
したがって、本発明の一態様は、テトラフルオロエチレンの共重合単位35〜75モル%;プロピレンの共重合単位20〜60モル%;i)トリフルオロエチレン、ii)3,3,3−トリフルオロプロペン−1、iii)1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピレン、iv)1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロピレン、およびv)2,3,3,3−テトラフルオロプロペンからなる群から選択される第1硬化部位の共重合単位0.05〜12モル%;およびi)臭素化硬化部位モノマーの共重合単位、ii)ヨウ化硬化部位モノマーの共重合単位、iii)塩素化硬化部位モノマーの共重合単位、iv)臭素化末端基、v)ヨウ化末端基およびvi)i)〜v)のいずれかの組み合わせからなる群から選択される第2硬化部位0.05〜4モル%を含むフルオロエラストマーである。
【0010】
本発明の他の態様は、
A)テトラフルオロエチレンの共重合単位35〜75モル%;プロピレンの共重合単位20〜60モル%;i)トリフルオロエチレン、ii)3,3,3−トリフルオロプロペン−1、iii)1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピレン、iv)1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロピレン、およびv)2,3,3,3−テトラフルオロプロペンからなる群から選択される第1硬化部位の共重合単位0.05〜12モル%;およびi)臭素化硬化部位モノマーの共重合単位、ii)ヨウ化硬化部位モノマーの共重合単位、iii)塩素化硬化部位モノマーの共重合単位、iv)臭素化末端基、v)ヨウ化末端基およびvi)i)〜v)のいずれかの組み合わせからなる群から選択される第2硬化部位0.05〜4モル%;を含むフルオロエラストマーと、
B)フルオロエラストマー100部につきポリヒドロキシ硬化剤0.1〜20重量部と、
C)フルオロエラストマー100部につき酸受容体1〜30重量部と、
D)フルオロエラストマー100部につき加硫促進剤0.1〜20重量部と
を含む、硬化性フルオロエラストマーである。
【0011】
ポリヒドロキシ硬化剤および加硫促進剤は、個々の成分として、または硬化剤および促進剤の塩として存在することができる。
【0012】
本発明のフルオロエラストマーは、テトラフルオロエチレン(TFE)と、プロピレン(P)と、i)トリフルオロエチレン(TrFE)、ii)3、3,3−トリフルオロプロペン−1(TFP)、iii)1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピレン(1−HPFP)iv)1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロピレン(2−HPFP)、およびv)2,3,3,3−テトラフルオロプロペンからなる群から選択される第1硬化部位とのコポリマーを含み、かつそのコポリマーは、i)臭素化硬化部位モノマーの共重合単位、ii)ヨウ化硬化部位モノマーの共重合単位、iii)塩素化硬化部位モノマーの共重合単位、iv)臭素化末端基、v)ヨウ化末端基およびvi)i)〜v)のいずれかの組み合わせからなる群から選択される第2硬化部位も含有する。
【0013】
一般に、本発明のフルオロエラストマーは、フルオロエラストマーにおける共重合モノマーの総モル数に対して、テトラフルオロエチレンの共重合単位を35〜75(好ましくは39〜73、最も好ましくは50〜73)モル%含有する。TFEが少ないと重合が遅くなり、TFEが多いと、得られるポリマーがエラストマーではなくプラスチックとなる。
【0014】
本発明のフルオロエラストマーは一般に、フルオロエラストマーにおける共重合モノマーの総モル数に対して、プロピレンの共重合単位を20〜60(好ましくは24〜45、最も好ましくは30〜38)モル%含有する。プロピレンが少ないとポリマーがプラスチックになり、プロピレンが多いと重合が遅くなる。
【0015】
本発明のフルオロエラストマーはまた、硬化部位モノマーの共重合単位の形で、フルオロエラストマーにおける共重合モノマーの総モル数に対して、第1硬化部位を0.05〜12(好ましくは1〜8、最も好ましくは1.5〜5)モル%含有する。硬化部位モノマーは、i)トリフルオロエチレン、ii)3,3,3−トリフルオロプロペン−1、iii)1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピレン、iv)1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロピレン、およびv)2,3,3,3−テトラフルオロプロペンからなる群から選択される。3,3,3−トリフルオロプロペン−1のモノマーが特に好ましい。第1硬化部位は、ポリヒドロキシ硬化剤でのフルオロエラストマーの硬化を促進する。
【0016】
本発明のフルオロエラストマーは、フルオロエラストマーにおける共重合モノマーの総モル数に対して、第2硬化部位を合計0.05〜4(好ましくは0.25〜1.5)モル%含有する。第2硬化部位は、i)臭素化硬化部位モノマーの共重合単位、ii)ヨウ化硬化部位モノマーの共重合単位、iii)塩素化硬化部位モノマーの共重合単位、iv)臭素化末端基、v)ヨウ化末端基およびvi)i)〜v)のいずれかの組み合わせからなる群から選択される。
【0017】
第2硬化部位が存在することによって、ポリヒドロキシ硬化剤に加えて、有機過酸化物によって本発明のフルオロエラストマーを硬化することが可能となる。しかしながら意外なことに、本発明のフルオロエラストマーの金属基材への付着を改善するために、有機過酸化物の存在が必要とは限らない。
【0018】
「臭素化、ヨウ化および塩素化硬化部位モノマー」とは、少なくとも1つのC−Br、C−I、またはC−Cl結合をそれぞれ含有する共重合性ビニルオレフィンまたはビニルエーテルを意味する。
【0019】
臭素化硬化部位モノマーの具体的な例としては、限定されないが、ブロモトリフルオロエチレン;4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1(BTFB);および臭化ビニル,1−ブロモ−2,2−ジフルオロエチレンなどのモノマー;パーフルオロアリルブロミド;4−ブロモ−1,1,2−トリフルオロブテン−1;4−ブロモ−1,1,3,3,4,4,−ヘキサフルオロブテン;4−ブロモ−3−クロロ−1,1,3,4,4−ペンタフルオロブテン;6−ブロモ−5,5,6,6−テトラフルオロヘキセン;4−ブロモパーフルオロブテン−1;3,3−ジフルオロアリルブロミド;2−ブロモ−パーフルオロエチルパーフルオロビニルエーテルおよびCF2=CFOCF2CF2CF2OCF2CF2Br、CF2BrCF2O−CF=CF2などのCF2Br−Rf−O−CF=CF2(式中、Rfはパーフルオロアルキレン基である)の種類のフッ素化化合物、およびCH3OCF=CFBrまたはCF3CH2OCF=CFBrなどのROCF=CFBrまたはROCBr=CF2(式中、Rは低級アルキル基またはフルオロアルキル基である)の種類のフルオロビニルエーテルが挙げられる。好ましい臭素化硬化部位モノマーは、4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1(BTFB)である。
【0020】
適切なヨウ化硬化部位モノマーとしては、限定されないが、米国特許第5,674,959号明細書に開示される、CHR=CH−Z−CH2CHR−I(式中、Rは−Hまたは−CH3であり;Zは、任意に1つまたは複数のエーテル酸素を含有する直鎖状または分岐状C1−C18(パー)フルオロアルキレンラジカル、または米国特許第5,647,959号明細書に開示される(パー)フルオロポリオキシアルキレンラジカルである);米国特許第5,717,036号明細書に開示されるようなI(CH2CF2CF2nOCF=CF2およびICH2CF2O[CF(CF3)CF2O]nCF=CF2(式中、n=1〜3)等;ヨードエチレン、4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1(ITFB);3−クロロ−4−ヨード−3,4,4−トリフルオロブテン;2−ヨード−1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(ビニルオキシ)エタン;2−ヨード−1−(パーフルオロビニルオキシ)−1,1,−2,2−テトラフルオロエチレン;1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヨード−1−(パーフルオロビニルオキシ)プロパン;2−ヨードエチルビニルエーテル;3,3,4,5,5,5−ヘキサフルオロ−4−ヨードペンテン;および米国特許第4,694,045号明細書に開示されるヨードトリフルオロエチレン;ヨウ化アリルおよび2−ヨード−パーフルオロエチルパーフルオロビニルエーテルが挙げられる。
【0021】
適切な塩素化硬化部位モノマーとしては、上記に示す臭素化またはヨウ化硬化部位モノマーのいずれかの塩素化形が挙げられる。
【0022】
臭素化、ヨウ化または塩素化硬化部位モノマーに加えて、またはその代わりに、フルオロエラストマー製造中に、臭素またはヨウ素原子含有連鎖移動または分子量調整剤を使用した結果として、フルオロエラストマーポリマー鎖の一方または両方にヨウ化または臭素化末端基が任意に存在し得る。連鎖移動剤は一般に、式RXn(式中、RはC1−C3炭化水素、C1−C6フルオロ炭化水素、C1−C6クロロフルオロ炭化水素またはC2−C8パーフルオロカーボンであり、Xはヨウ素または臭素であり、かつn=1または2である)の連鎖移動剤である(米国特許第3,707,529号明細書および米国特許第4,243,770号明細書)。かかる連鎖移動剤としては、式CH22(式中、XはIまたはBrである);X(CF2nY(式中、XはIまたはBrであり、YはIまたはBrである(好ましくはXとYのどちらもIである)、nは3〜10の整数である)の連鎖移動剤が挙げられる。
【0023】
具体的な例としては、ヨウ化メチレン;1,3−ジヨードパーフルオロプロパン;1,4−ジヨードパーフルオロブタン;1,6−ジヨードパーフルオロヘキサン;1,8−ジヨードパーフルオロオクタン;1,10−ジヨードパーフルオロデカン;および1−ヨード−ノナフルオロブタンが挙げられる。式RBrnm(式中、Rは上記で定義されるとおりであり;nおよびmはそれぞれ、1または2である)の連鎖移動剤など、他の連鎖移動剤を使用してもよい。二ヨウ化パーフルオロアルカン連鎖移動剤およびその混合物が特に好ましい。
【0024】
特に好ましいフルオロエラストマーは、上記に指定の量でテトラフルオロエチレン、プロピレン、3,3,3−トリフルオロプロペン−1およびBTFBの共重合単位を含む。
【0025】
好ましくは、本発明で使用されるフルオロエラストマーは、フッ化ビニリデンの共重合単位を全く含有しない。しかしながら、フルオロエラストマーは任意に、フルオロエラストマーにおける共重合モノマーの総モル数に対して、フッ化ビニリデン(VF2)の共重合単位を25モル%まで含有することができる。フルオロエラストマーがフッ化ビニリデン単位を含有する場合には、そのレベルは、好ましくは2〜25(最も好ましくは10〜20)モル%である。一般に、フッ化ビニリデンのレベルが低くなると、フルオロエラストマーのアルカリ性液体に対する耐性(当該技術分野では「耐塩基性」とも呼ばれる)が高くなる。しかしながら、フッ化ビニリデン単位を含有しないTFEおよびPのコポリマーは一般に、油または燃料などの炭化水素液体に対する耐性が乏しい。フルオロエラストマーにVF2を添加すると、フッ素原子含有率が増加し、したがって炭化水素に対する耐性が向上するが、同時に極性液体に対するフルオロエラストマーの耐性が減少する。最終用途の適用環境に応じて、フルオロエラストマーの耐塩基性および炭化水素液体耐性は、フルオロエラストマーにおける共重合フッ化ビニリデンおよびテトラフルオロエチレンのレベルを調節することによってバランスをとることができる。
【0026】
本発明のフルオロエラストマーは一般に、ラジカル乳化重合または懸濁重合によって製造される。好ましくは、重合は、当該技術分野でよく知られているバッチ式またはセミバッチ式乳化プロセスで行われる。得られたフルオロエラストマーラテックスは通常、電解質を添加することによって凝固される。沈殿したポリマーを水で洗浄し、次いで、例えばエアオーブン内で乾燥させて、実質的に乾燥したフルオロエラストマーガムが製造される。
【0027】
セミバッチ式乳化重合プロセスにおいて、水溶液を含む反応器に、所望の組成のガス状モノマー混合物(最初のモノマー装入材料)を導入する。その水溶液は、ペルフルオロオクタン酸アンモニウムまたはパーフルオロヘキシルエチルスルホン酸などの界面活性剤を含有する。一般に、溶液のpHは、製造されるフルオロエラストマーの種類に応じて、1〜7(好ましくは3〜7)に制御される。さらに、最初の水溶液は、フルオロエラストマーラテックス粒子の形成を促進し、重合プロセスの速度を上げるために、予め製造されたフルオロエラストマーのシードポリマーなどの核剤を含有し得る。
【0028】
最初のモノマー装入材料は、ある量のTFE、P、第1硬化部位モノマーおよび任意にVF2などの1種または複数種の更なるモノマーを含有する。最初の装入材料に含有されるモノマー混合物の量は、反応器圧力が0.5〜10MPaとなるように設定される。
【0029】
モノマー混合物を水性媒体に分散させ、任意に、反応混合物を通常、機械攪拌によって攪拌しながら、この時点で連鎖移動剤も添加することができる。
【0030】
セミバッチ式反応混合物の温度を25℃〜130℃、好ましくは50℃〜100℃の範囲に維持する。開始剤が熱分解するか、または還元剤と反応し、形成したラジカルが分散モノマーと反応した時に重合が開始する。
【0031】
制御温度で一定の反応器圧力を維持するために、更なる量のガス状主要モノマーおよび第1硬化部位モノマー(増加供給)が、重合全体を通して制御速度で添加される。
【0032】
重合反応が開始した後に、臭素、ヨウ素または塩素原子含有硬化部位モノマーが一般に、反応器に導入される。その時、硬化部位モノマーは、消費されるガス状モノマーの総量に基づいて、制御速度で供給される。
【0033】
範囲2〜60時間の重合時間が一般に、このセミバッチ式重合プロセスに用いられる。
【0034】
本発明の硬化性組成物は、1)上記で定義されるフルオロエラストマー、2)ポリヒドロキシ硬化剤、3)酸受容体および4)加硫(または硬化)促進剤を含有する。本発明の硬化性組成物は任意に、有機過酸化物および多官能性硬化助剤も含有する。後者の組成物から得られる硬化物品は、ポリヒドロキシ硬化系および過酸化物硬化系の両方による架橋を含有し、当該技術分野で時としてデュアルキュア型エラストマーと呼ばれる。
【0035】
本発明の硬化性組成物は、フルオロエラストマー100部につきポリヒドロキシ架橋剤(またはその誘導体)を0.1〜20重量部(好ましくは1〜3重量部)含有する。一般的なポリヒドロキシ架橋剤としては、ジ−、トリ−、およびテトラヒドロキシベンゼン、ナフタレン、およびアントラセン、および次式:
【0036】
【化1】

【0037】
(式中、Aは、炭素原子1〜13個の二官能性脂肪族、脂環式、または芳香族ラジカル、またはチオ、オキシ、カルボニル、スルフィニル、またはスルホニルラジカルであり;Aは任意に、少なくとも1つの塩素またはフッ素原子で置換されていてもよく;xは0または1であり;nは1または2であり;かつポリヒドロキシ化合物のいずれかの芳香族環が任意に、少なくとも1つの塩素またはフッ素原子、アミノ基、−CHO基、またはカルボキシルまたはアシルラジカルで置換されていてもよい)のビスフェノールが挙げられる。好ましいポリヒドロキシ化合物としては、ヘキサフルオロイソプロピリデン−ビス(4−ヒドロキシ−ベンゼン)(つまり、ビスフェノールAFまたはBPAF);4,4’−イソプロピリデンジフェノール(つまり、ビスフェノールA);4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン;およびジアミノビスフェノールAFが挙げられる。上記に示されるビスフェノール式を参照して、Aがアルキレンである場合には、それは、例えばメチレン、エチレン、クロロエチレン、フルオロエチレン、ジフルオロエチレン、プロピリデン、イソプロピリデン、トリブチリデン、ヘプタクロロブチリデン、ヘプタ−フルオロブチリデン、ペンチリデン、ヘキシリデン、および1,1−シクロヘキシリデンであることができる。Aがシクロアルキレンラジカルである場合、それは、例えば1,4−シクロヘキシレン、2−クロロ−1,4−シクロヘキシレン、シクロペンチレン、または2−フルオロ−1,4−シクロヘキシレンであることができる。さらに、Aは、m−フェニレン、p−フェニレン、o−フェニレン、メチルフェニレン、ジメチルフェニレン、1,4−ナフチレン、3−フルオロ−1,4−ナフチレン、および2,6−ナフチレンなどのアリーレンラジカルであることができる。次式:
【0038】
【化2】

【0039】
(式中、Rは、Hまたは炭素原子1〜4個を有するアルキル基、または炭素原子6〜10個を含有するアリール基であり、R’は、炭素原子1〜4個を含有するアルキル基である)のポリヒドロキシフェノールもまた、有効な架橋剤として作用する。かかる化合物の例としては、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、5−メチル−レゾルシノール、2−メチルヒドロキノン、2,5−ジメチルヒドロキノン、2−t−ブチル−ヒドロキノン;および1,5−ジヒドロキシナフタレンおよび2,6−ジヒドロキシナフタレンなどの化合物が挙げられる。
【0040】
その他のポリヒドロキシ硬化剤としては、ビスフェノールアニオンのアルカリ金属塩、ビスフェノールアニオンの第4級アンモニウム塩、ビスフェノールアニオンの第3級スルホニウム塩およびビスフェノールアニオンの第4級ホスホニウム塩が挙げられる。例えば、ビスフェノールAおよびビスフェノールAFの塩。具体的な例としては、ビスフェノールAFの二ナトリウム塩、ビスフェノールAFの二カリウム塩、ビスフェノールAFの一ナトリウムおよび一カリウム塩、およびビスフェノールAFのベンジルトリフェニルホスホニウム塩が挙げられる。
【0041】
ビスフェノールアニオンの第4級アンモニウムおよびホスホニウム塩が、米国特許第4,957,975号明細書および米国特許第5,648,429号明細書に論述されている。式R1234+(式中、R1〜R4はC1−C8アルキル基であり、R1〜R4の少なくとも3つがC3またはC4アルキル基である)の第4級アンモニウムイオンとのビスフェノールAF塩(モル比1:1)が好ましい。これらの好ましい組成物の具体的な例としては、テトラプロピルアンモニウム−、メチルトリブチルアンモニウム−およびテトラブチルアンモニウムビスフェノールAFのモル比1:1の塩が挙げられる。かかる塩は様々な方法によって製造することができる。例えば、ビスフェノールAFのメタノール溶液を第4級アンモニウム塩のメタノール溶液と混合し、次いで、ナトリウムメトキシドでpHを上げて、有機ナトリウム塩を沈殿させる。濾過した後、メタノールの蒸発によって、テトラアルキルアンモニウム/BPAF塩を溶液から単離する。代替方法としては、第4級アンモニウム塩の溶液の代わりに、水酸化テトラアルキルアンモニウムのメタノール溶液を使用することができ、その結果、有機塩の沈殿および溶液を蒸発させる前のその除去の必要性が無くなる。
【0042】
さらに、モノエステルまたはジエステル、およびトリメチルシリルエーテルなどの誘導体化ポリヒドロキシ化合物が有用な架橋剤である。かかる組成物の例としては、限定されないが、レゾルシノールモノベンゾエート、ビスフェノールAFのジアセテート、スルホニルジフェノールのジアセテート、およびヒドロキノンのジアセテートが挙げられる。
【0043】
本発明の硬化性組成物は、フルオロエラストマー100部につき酸受容体1〜30重量部(好ましくは1〜7重量部)もまた含有する。酸受容体は一般に、Proton Sponge(登録商標)(Aldrichから入手可能)またはオキシランなどの強い有機塩基、または金属酸化物、金属水酸化物、もしくは後者の2種類以上の混合物などの無機塩基である。有用な酸受容体である金属酸化物または水酸化物としては、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化亜鉛および酸化カルシウムが挙げられる。水酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムが好ましい。
【0044】
本発明の硬化性組成物において使用することができる加硫促進剤としては、[(C652S+(C613)][Cl]-、および[(C6132S(C65)]+[CH3CO2-などの第3級スルホニウム塩および次式R5678+-(式中、Yは、リン、窒素、ヒ素、またはアンチモンであり;R5、R6、R7、およびR8は個々に、C1−C20アルキル、アリール、アラルキル、アルケニル、およびその塩素、フッ素、臭素、シアノ、−OR、および−COOR置換類自体であり、Rは、C1−C20アルキル、アリール、アラルキル、アルケニルであり、Xは、ハロゲン化物、水酸化物、硫酸塩、亜硫酸塩、炭酸塩、ペンタクロロチオフェノラート、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロシリケート、ヘキサフルオロホスフェート、ジメチルホスフェート、およびC1−C20アルキル、アリール、アラルキル、およびアルケニルカルボキシレートおよびジカルボキシレートである)の第4級アンモニウム、ホスホニウム、アルソニウム、およびスチボニウム塩が挙げられる。ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド、ベンジルトリフェニルホスホニウムブロミド、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化トリブチルアリルホスホニウム、トリブチル−2−メトキシプロピルホスホニウムクロリド、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、およびベンジルジフェニル(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロリドが特に好ましい。他の有用な促進剤としては、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド、メチルトリブチルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモニウムクロリド、ベンジルトリオクチルホスホニウムブロミド、ベンジルトリオクチルホスホニウムクロリド、メチルトリオクチルホスホニウムアセテート、テトラオクチルホスホニウムブロミド、メチルトリフェニルアルソニウムテトラフルオロボレート、テトラフェニルスチボニウムブロミド、4−クロロベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド、8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)−7−ウンデセノニウムクロリド、ジフェニルメチルトリフェニルホスホニウムクロリド、アリルトリフェニル−ホスホニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムブロミド、m−トリフルオロメチル−ベンジルトリオクチルホスホニウムクロリド、および米国特許第5,591,804号明細書;米国特許第4,912,171号明細書;米国特許第4,882,390号明細書;米国特許第4,259,463号明細書;米国特許第4,250,278号明細書;および米国特許第3,876,654号明細書に開示される他の第4級化合物が挙げられる。使用される促進剤の量は、フルオロエラストマー100重量部につき0.1〜20重量部である。好ましくは、フルオロエラストマー100部につき促進剤0.5〜3.0部が使用される。
【0045】
任意に、本発明の硬化性組成物は、有機過酸化物および多官能性(つまり、多価不飽和)助剤化合物の組み合わせの形で第2硬化剤を含有し得る。フルオロエラストマーに特に有効な硬化剤である有機過酸化物の例としては、50℃を超える温度で分解する、ジアルキルペルオキシドまたはビス(ジアルキルペルオキシド)が挙げられる。多くの場合には、ペルオキシ酸素に結合する第3級炭素原子を有するジ−t−ブチルペルオキシドを使用することが好ましい。中でも最も有用なのは、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3および2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル−パーオキシ)ヘキサンである。ジクミルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、t−ブチルパーベンゾエート、およびジ[1,3−ジメチル−3−(t−ブチル−パーオキシ)ブチル]カーボネートなどの化合物から、他の過酸化物を選択することができる。硬化系を提供するために、かかる過酸化物と協力する多官能性助剤としては、メタクリレート、アリル化合物、ジビニル化合物、およびポリブタジエンが挙げられる。助剤の具体的な例としては、以下の化合物:トリアリルシアヌレート;トリアリルイソシアヌレート;トリス(ジアリルアミン−s−トリアジン);亜リン酸トリアリル;ヘキサアリルホスホラミド、N,N−ジアリルアクリルアミド;N,N,N’N’−テトラアリルテレフタルアミド;N,N,N’,N’−テトラアリルマロンアミド;トリビニルイソシアヌレート;2,4,6−トリビニルメチルトリシロキサン;およびトリ(5−ノルボルネン−2−メチレン)シアヌレートのうちの1つまたは複数が挙げられる。過酸化物硬化系が本発明の化合物中に存在する場合、有機過酸化物は一般に、フルオロエラストマー100部につき0.2〜7重量部(好ましくは0.5〜3重量部)のレベルで存在し、助剤は、フルオロエラストマー100部につき0.1〜10(好ましくは0.5〜5)重量部のレベルで存在する。
【0046】
本発明の硬化性組成物は、エラストマーの配合および加工に一般に使用される他の添加剤を含有し得る。後者は、硬化剤を添加する前、添加と同時に、または添加後に、組成物に導入される。一般的な添加剤としては、充填剤、可塑剤、加工助剤、酸化防止剤、顔料等が挙げられる。添加されるかかる成分の量は、硬化組成物が適用される特定の最終用途に応じて異なる。カーボンブラック、粘土、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、およびフルオロポリマーなどの充填剤が一般に、フルオロエラストマー100部につき5〜100重量部の量で添加される。使用される可塑剤の量は一般に、フルオロエラストマー100部につき0.5〜5.0重量部である。一般的な可塑剤としては、ジオクチルフタレートおよびジブチルセバケートなどのエステルが挙げられる。加工助剤は一般に、フルオロエラストマー100部につき0.1〜2.0重量部の量で使用される。適切な加工助剤としては、組成物の加工において助けとなる、オクタデシルアミン、テトラメチレンスルホン、p−クロロフェニルスルホン、およびワックス、例えば、カルナウバろうが挙げられる。
【0047】
フルオロエラストマー、ポリヒドロキシ硬化剤、酸受容体、促進剤および他の成分は一般に、密閉式混合機またはラバーミルを使用することによって、本発明の硬化性組成物中に組み込まれる。次いで、得られた組成物を形作る(例えば、成形または押出し成形する)ことができる。硬化は一般に、約150〜200℃で1〜60分間行われる。適切な加熱および硬化手段を備えた従来のゴム硬化プレス、型、押出機等を使用することができる。さらに、最適な物理的性質および寸法安定性を得るために、オーブン等の中でさらに約1〜48時間、通常約180〜275℃にて一般に空気雰囲気下で成形または押出し成形物品を加熱する、後硬化作業を行うことが好ましい。
【0048】
本発明のポリマーおよび本発明の硬化性組成物から、非常に優れた耐塩基性、引張り特性、耐圧縮永久ひずみ性および金属面への付着性を有する硬化フルオロエラストマー物品が得られる。かかる物品は、ガスケット、シールおよび管材料としての、特に自動車のシャフトシールなどの自動車の最終用途における適用が見出される。
【0049】
本発明は、以下の実施形態によって説明され、別段の指定がない限りすべての部は重量による。
【実施例】
【0050】
試験法
実施例に記載の組成物の物理的性質を以下の試験手順に従って測定した。
引張り強さ(TB):ASTM D412
モジュラス(M100):ASTM D412
破断点伸び(EB):ASTM D412
圧縮永久ひずみ−B:ASTM D395
【0051】
ホットプルを用いて手で金属基材への付着性を測定した。この試験において、金属クーポン(2.54cm×5.72cm×2mm)をグリットブラストし、溶媒で拭き、次いでメタノール中のChemlok(登録商標)5150(Lord Corporationから市販)の50重量%溶液でコーティングした。クーポンを空気乾燥させた。フルオロエラストマー組成物の試料をクーポン上で圧縮成形した(177℃で10分間)。次いで、クーポンをプレスから取り出し、即座に万力に置き、クーポンがまだ熱い間に手で引っ張った。破断時点、ストック断裂(つまり、硬化フルオロエラストマー内での破断)または結合破断(フルオロエラストマーと金属面との境界面での破断)のいずれかを記録した。
【0052】
対照A
十分に攪拌された反応容器内で60℃にて行われるセミバッチ式乳化重合によって、フルオロエラストマー対照(ポリマーA)を製造した。33リットルの水平攪拌反応器に、脱イオン、脱酸素水23L、パーフルオロヘキシルエチルスルホン酸115gおよびイソプロパノール28.8gを装入した。反応器を60℃に加熱し、次いでTFE96.0重量%、TFP2.0重量%およびP2.0重量%の混合物で2.07MPaに加圧した。次いで、過硫酸アンモニウム10重量%を含有する開始剤水溶液のアリコート543mlを添加した。TFE76.0重量%、P20.0重量%、TFP4.0重量%の混合物を反応器に供給して、重合全体を通して2.07MPaの圧力を維持した。反応期間の最後にかけて、10ml/時で開始剤溶液を継続的に供給した。合計8000gのモノマー混合物を反応器に供給した後、モノマーの添加を中止し、反応器から残りのモノマーを除去した。合計の反応時間は22時間であった。硫酸アルミニウムカリウム溶液の添加によって、得られたフルオロエラストマーラテックスを凝固させ、次いで脱イオン水で洗浄した。ポリマークラムを60℃で2日間乾燥させた。TFE単位76重量%(59.4モル%)、P単位20重量%(37.3モル%)、およびTFP単位4重量%(3.3モル%)を含有する生成物は、ムーニー粘度、ML−10(121℃)55を有した。
【0053】
対照B
十分に攪拌された反応容器内で60℃にて行われるセミバッチ式乳化重合によって、フルオロエラストマー対照(ポリマーB)を製造した。33リットルの水平攪拌反応器に、脱イオン、脱酸素水22L、Zonyl(登録商標)1033D(DuPontから市販)300g、水酸化ナトリウム10.4gおよびイソプロパノール7gを装入した。反応器を60℃に加熱し、次いでテトラフルオロエチレン95.0重量%およびプロピレン(P)5.0重量%の混合物で2.07MPaに加圧した。次いで、10重量%過硫酸アンモニウム開始剤水溶液のアリコート540mlを添加した。TFE76.0重量%およびP24.4重量%の混合物を反応器に供給して、重合全体を通して2.07MPaの圧力を維持した。ガス状モノマー80gを反応器に供給した後、105.8mlが供給されるまで、ガス状モノマー3000gにつき42.2mlの割合で4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1(BTFB)の供給を開始した。反応期間の最後にかけて、5ml/時で更なる開始剤溶液を継続的に供給した。合計8000gのモノマー混合物を反応器に供給した後、モノマーの添加を中止し、反応器から残りのモノマーを除去した。合計の反応時間は24時間であった。硫酸アルミニウム溶液の添加によって、得られたフルオロエラストマーラテックスを凝固させ、濾過し、次いで脱イオン水で洗浄した。ポリマークラムを60℃で2日間乾燥させた。TFE単位74重量%(56.1モル%)、P単位23.9重量%(43.1モル%)、およびBTFP単位2.1重量%(0.77モル%)(モノマー供給材料の組成に対して)で構成される生成物は、示差走査熱量測定(加熱モード、10℃/分、転移の変曲点)によって決定されたガラス転移温度2.1℃を有する非晶質エラストマーであった。ムーニー粘度、ML−10(121℃)は73.1であった。
【0054】
実施例1
十分に攪拌された反応容器内で60℃にて行われるセミバッチ式乳化重合によって、本発明のフルオロエラストマー(ポリマー1)を製造した。33リットルの水平攪拌反応器に、脱イオン、脱酸素水22L、Zonyl(登録商標)1033D383g、水酸化ナトリウム10.4gおよびイソプロパノール21gを装入した。反応器を60℃に加熱し、次いでTFE96.0重量%、P2.0重量%、および3,3,3−トリフルオロプロペン−1(TFP)2.0重量%の混合物で2.07MPaに加圧した。次いで、10重量%過硫酸アンモニウム開始剤水溶液のアリコート540mlを添加した。TFE78.4重量%、P17.5重量%、およびTFP4.1重量%の混合物を反応器に供給して、重合全体を通して2.07MPaの圧力を維持した。ガス状モノマー80gを反応器に供給した後、88.0mlが反応器に供給されるまで、ガス状モノマー3000gにつき35.1mlの割合で4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1(BTFB)の供給を開始した。反応期間の最後にかけて、5ml/時で更なる開始剤溶液を継続的に供給した。合計8000gのモノマー混合物を反応器に供給した後、モノマーの添加を中止し、反応器から残りのモノマーを除去した。合計の反応時間は20時間であった。硫酸アルミニウム溶液の添加によって、得られたラテックスを凝固させ、次いで脱イオン水で洗浄した。ポリマークラムを60℃で2日間乾燥させた。TFE単位77重量%(62.6モル%)、P単位17.2重量%(33.23モル%)、BTFP単位1.8重量%(0.71モル%)およびTFP単位4重量%(3.5モル%)(モノマー供給材料の組成に対して)を含有する生成物は、示差走査熱量測定(加熱モード,10℃/分,転移の変曲点)によって決定されたガラス転移温度3.8℃を有する非晶質フルオロエラストマーであった。ムーニー粘度、ML−10(121℃)は51.1であった。
【0055】
実施例2
エラストマー業界で用いられる標準混合技術を用いて、従来の2本ロールラバーミルで本発明(ポリマー1)のフルオロエラストマーをポリヒドロキシ硬化剤および加硫促進剤(モル比1:1のメチルトリブチルアンモニウム/ビスフェノールAF)の塩および他の成分と混合することによって、本発明の硬化性組成物(試料1および2)を製造した。対照フルオロエラストマーポリマーA(BTFB硬化部位モノマー単位を含有しない)をポリマー1の代わりに使用したことを除いては、同じ手順で比較用硬化性組成物(試料AおよびB)を製造した。有機過酸化物硬化剤を対照ポリマーB(TFP硬化部位モノマー単位を含有しない)と混合することによって、他の比較用硬化性組成物(試料C)を製造した。その配合物を表Iに示す。
【0056】
177℃で10分間プレス加硫し、エアオーブン内で200℃にて16時間硬化することによって、Oリングを製造した。物理的性質、耐圧縮永久ひずみ性および付着性を試験法に従って測定した。その結果も表Iに示す。
【0057】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
テトラフルオロエチレンの共重合単位35〜75モル%と、
プロピレンの共重合単位20〜60モル%と、
第1硬化部位の共重合単位0.05〜12モル%であって、
i)トリフルオロエチレン、
ii)3,3,3−トリフルオロプロペン−1、
iii)1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピレン、
iv)1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロピレン、および
v)2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、
からなる群から選択される第1硬化部位の共重合単位と、
第2硬化部位0.05〜4モル%であって、
i)臭素化硬化部位モノマーの共重合単位、
ii)ヨウ化硬化部位モノマーの共重合単位、
iii)塩素化硬化部位モノマーの共重合単位、
iv)臭素化末端基、
v)ヨウ化末端基、および
vi)i)〜v)のいずれかの組み合わせ、
からなる群から選択される第2硬化部位と、
を含むことを特徴とするフルオロエラストマー。
【請求項2】
テトラフルオロエチレンの前記共重合単位が50〜73モル%の量で存在し、
プロピレンの前記共重合単位が30〜38モル%の量で存在し、
前記第1硬化部位の前記共重合単位が1.5〜5モル%の量で存在し、かつ前記第2硬化部位の前記共重合単位が0.25〜1.5モル%の量で存在する、
ことを特徴とする請求項1に記載のフルオロエラストマー。
【請求項3】
前記第2硬化部位が、
CF2=CFOCF2CF2CF2OCF2CF2Br、
1−ブロモ−2,2−ジフルオロエチレン、
ブロモ−トリフルオロエチレン、
4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1、
4−ブロモ−1,1,2−トリフルオロブテン−1、
2−ブロモパーフルオロ(エチルビニル)エーテル、および
3−ブロモパーフルオロ(プロピルビニル)エーテル、
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項2に記載のフルオロエラストマー。
【請求項4】
前記第2硬化部位が、
i)CHR=CH−Z−CH2CHR−I(式中、Rは−Hまたは−CH3であり;ZはC1−C18(パー)フルオロアルキレンラジカルである。)、
ii)I(CH2CF2CF2nOCF=CF2(式中、n=1〜3である)、
iii)ICH2CF2O[CF(CF3)CF2O]nCF=CF2(式中、n=1〜3である。)、
iii)ヨードエチレン、
iv)4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1、
v)3−クロロ−4−ヨード−3,4,4−トリフルオロブテン、
vi)2−ヨード−1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(ビニルオキシ)エタン、
vii)2−ヨード−1−(パーフルオロビニルオキシ)−1,1,−2,2−テトラフルオロエチレン、
viii)1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヨード−1−(パーフルオロビニルオキシ)プロパン、
ix)2−ヨードエチルビニルエーテル、
x)3,3,4,5,5,5−ヘキサフルオロ−4−ヨードペンテン、
xi)ヨードトリフルオロエチレン、
xii)ヨウ化アリル、および
xiii)2−ヨード−パーフルオロエチルパーフルオロビニルエーテル、
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項2に記載のフルオロエラストマー。
【請求項5】
前記第1硬化部が3,3,3−トリフルオロプロペン−1の共重合単位であり、かつ前記第2硬化部位が4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1の共重合単位であることを特徴とする、請求項2に記載のフルオロエラストマー。
【請求項6】
A)フルオロエラストマーであって、
テトラフルオロエチレンの共重合単位35〜75モル%と、
プロピレンの共重合単位20〜60モル%と、
第1硬化部位の共重合単位0.05〜12モル%であって、
i)トリフルオロエチレン、
ii)3,3,3−トリフルオロプロペン−1、
iii)1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピレン、
iv)1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロピレン、および
v)2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、
からなる群から選択される第1硬化部位の共重合単位と、
第2硬化部位0.05〜4モル%であって、
i)臭素化硬化部位モノマーの共重合単位、
ii)ヨウ化硬化部位モノマーの共重合単位、
iii)塩素化硬化部位モノマーの共重合単位、
iv)臭素化末端基、
v)ヨウ化末端基、および
vi)i)〜v)のいずれかの組み合わせ、
からなる群から選択される第2硬化部位と、
を含むフルオロエラストマーと、
B)フルオロエラストマー100重量部につきポリヒドロキシ硬化剤0.1〜20重量部と、
C)フルオロエラストマー100重量部につき酸受容体1〜30重量部と、
D)フルオロエラストマー100重量部につき加硫促進剤0.1〜20重量部と、
を含むことを特徴とする、硬化性フルオロエラストマー組成物。
【請求項7】
前記フルオロエラストマーが、
50〜73モル%の量のテトラフルオロエチレン共重合単位、
30〜38モル%の量のプロピレン共重合単位、
1.5〜5モル%の量の前記第1硬化部位共重合単位、
0.25〜1.5モル%の量の前記第2硬化部位、
を含むことを特徴とする、請求項6に記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
【請求項8】
前記第2硬化部位が、
CF2=CFOCF2CF2CF2OCF2CF2Br、
1−ブロモ−2,2−ジフルオロエチレン、
ブロモ−トリフルオロエチレン、
4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1、
4−ブロモ−1,1,2−トリフルオロブテン−1、
2−ブロモパーフルオロ(エチルビニル)エーテル、および
3−ブロモパーフルオロ(プロピルビニル)エーテル、
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項7に記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
【請求項9】
前記第2硬化部位が、
i)CHR=CH−Z−CH2CHR−I(式中、Rは−Hまたは−CH3であり、ZはC1−C18(パー)フルオロアルキレンラジカルである。)、
ii)I(CH2CF2CF2nOCF=CF2(式中、n=1〜3である)、
iii)ICH2CF2O[CF(CF3)CF2O]nCF=CF2(式中、n=1〜3である。)、
iii)ヨードエチレン、
iv)4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1、
v)3−クロロ−4−ヨード−3,4,4−トリフルオロブテン、
vi)2−ヨード−1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(ビニルオキシ)エタン、
vii)2−ヨード−1−(パーフルオロビニルオキシ)−1,1,−2,2−テトラフルオロエチレン、
viii)1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヨード−1−(パーフルオロビニルオキシ)プロパン、
ix)2−ヨードエチルビニルエーテル、
x)3,3,4,5,5,5−ヘキサフルオロ−4−ヨードペンテン、
xi)ヨードトリフルオロエチレン、
xii)ヨウ化アリル、および
xiii)2−ヨード−パーフルオロエチルパーフルオロビニルエーテル、
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項7に記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
【請求項10】
前記第1硬化部位が3,3,3−トリフルオロプロペン−1の共重合単位であり、かつ前記第2硬化部位が4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1の共重合単位であることを特徴とする、請求項7に記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
【請求項11】
E)フルオロエラストマー100重量部につき有機過酸化物0.2〜7重量部、およびF)フルオロエラストマー100重量部につき多官能性助剤0.1〜10重量部、
をさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
【請求項12】
前記ポリヒドロキシ硬化剤Bが、
i)ジヒドロキシ−、トリヒドロキシ−、およびテトラヒドロキシ−ベンゼン、−ナフタレン、および−アントラセン;
ii)次式のビスフェノール:
【化1】

(式中、Aは安定性の二価ラジカルであり、xは0または1であり、nは1または2である。)、
iii)前記ビスフェノールのジアルカリ塩、
iv)前記ビスフェノールの第4級アンモニウムおよびホスホニウム塩、
v)前記ビスフェノールの第3級スルホニウム塩、および
vi)フェノールのエステル、
からなる群から選択される硬化剤であることを特徴とする、請求項6に記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
【請求項13】
前記加硫促進剤Dが、第4級アンモニウム塩、第3級スルホニウム塩および第4級ホスホニウム塩からなる群から選択されることを特徴とする、請求項6に記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
【請求項14】
前記加硫促進剤Dが、
i)前記ポリヒドロキシ架橋剤(B)の第4級アンモニウム塩、
ii)前記ポリヒドロキシ架橋剤(B)の第4級ホスホニウム塩、および
iii)前記ポリヒドロキシ架橋剤の第3級スルホニウム塩、
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項13に記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
【請求項15】
A)フルオロエラストマーであって、
テトラフルオロエチレン共重合単位35〜75モル%と、
プロピレン共重合単位20〜60モル%、
第1硬化部位共重合単位0.05〜12モル%であって、
i)トリフルオロエチレン、
ii)3,3,3−トリフルオロプロペン−1、
iii)1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピレン、
iv)1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロピレン、および
v)2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、
からなる群から選択される第1硬化部位共重合単位と、
第2硬化部位0.05〜4モル%であって、
i)臭素化硬化部位モノマーの共重合単位、
ii)ヨウ化硬化部位モノマーの共重合単位、
iii)塩素化硬化部位モノマーの共重合単位、
iv)臭素化末端基、
v)ヨウ化末端基、および
vi)i)〜v)のいずれかの組み合わせ、
からなる群から選択される第2硬化部位と、
B)i)ビスフェノールの第4級アンモニウム塩、ii)ビスフェノールの第4級ホスホニウム塩、およびiii)ビスフェノールの第3級スルホニウム塩からなる群から選択される化合物と、
C)酸受容体と、
を含むことを特徴とする、硬化性フルオロエラストマー組成物。
【請求項16】
前記フルオロエラストマーが、
50〜73モル%の量のテトラフルオロエチレン共重合単位、
30〜38モル%の量のプロピレン共重合単位、
1.5〜5モル%の量の前記第1硬化部位共重合単位、
0.25〜1.5モル%の量の前記第2硬化部位、
を含むことを特徴とする、請求項15に記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
【請求項17】
前記第2硬化部位が、
CF2=CFOCF2CF2CF2OCF2CF2Br、
1−ブロモ−2,2−ジフルオロエチレン、
ブロモ−トリフルオロエチレン、
4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1、
4−ブロモ−1,1,2−トリフルオロブテン−1、
2−ブロモパーフルオロ(エチルビニル)エーテル、および
3−ブロモパーフルオロ(プロピルビニル)エーテル、
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項15に記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
【請求項18】
前記第2硬化部位が、
i)CHR=CH−Z−CH2CHR−I(式中、Rは−Hまたは−CH3であり;ZはC1−C18(パー)フルオロアルキレンラジカルである。)、
ii)I(CH2CF2CF2nOCF=CF2(式中、n=1〜3である)、
iii)ICH2CF2O[CF(CF3)CF2O]nCF=CF2(式中、n=1〜3である。)、
iii)ヨードエチレン、
iv)4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1、
v)3−クロロ−4−ヨード−3,4,4−トリフルオロブテン、
vi)2−ヨード−1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(ビニルオキシ)エタン、
vii)2−ヨード−1−(パーフルオロビニルオキシ)−1,1,−2,2−テトラフルオロエチレン、
viii)1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヨード−1−(パーフルオロビニルオキシ)プロパン、
ix)2−ヨードエチルビニルエーテル、
x)3,3,4,5,5,5−ヘキサフルオロ−4−ヨードペンテン、
xi)ヨードトリフルオロエチレン、
xii)ヨウ化アリル、および
xiii)2−ヨード−パーフルオロエチルパーフルオロビニルエーテル、
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項15に記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
【請求項19】
前記第1硬化部位が3,3,3−トリフルオロプロペン−1の共重合単位であり、かつ前記第2硬化部位が4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1の共重合単位であることを特徴とする、請求項15に記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。
【請求項20】
E)フルオロエラストマー100重量部につき有機過酸化物0.2〜7重量部、およびF)フルオロエラストマー100重量部につき多官能性助剤0.1〜10重量部、
をさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載の硬化性フルオロエラストマー組成物。

【公表番号】特表2010−519399(P2010−519399A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−551723(P2009−551723)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【国際出願番号】PCT/US2008/002631
【国際公開番号】WO2008/106189
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(597035953)デュポン パフォーマンス エラストマーズ エルエルシー (44)
【Fターム(参考)】