説明

硬化性組成物、フォトツールをコーティングする方法、及びコーティングされたフォトツール

以下の式によって表されるエポキシシランと、
【化1】


(式中、R〜Rは、C〜Cアルキル基を表し、Xは、少なくとも1つのオキシラン環を有する有機基を表す);
以下の式によって表されるフッ素化シランと、
【化2】


(式中、Rは、3〜5個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基を表し、Rは、H又はC〜Cアルキル基を表し、R〜RはC〜Cアルキル基を表す);
光酸と、を含む、硬化性組成物。フォトツールをコーティングすることによって、前記フォトツール上に保護コーティングを提供するための硬化性組成物の使用も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広くフォトツールの保護コーティングに関する。
【背景技術】
【0002】
プリント回路産業では、典型的に、高解像度の一連の点の線によって表される、電気回路に対応する画像を有する写真マスクは、フォトツールとして知られている。フォトツールは、典型的に、対象の設計図又はデータに基づいて露光装置(例えば、フォトプロッター)用のデータを準備するためにコンピュータ支援設計(CAD)システムを用いて製造される。次いで、このデータを用いてエマルション写真乾板上に設計されたパターン(例えば、回路パターン)を直接描画するが、乾板は、光学的に透明な基材(例えば、ガラス基材、ヒュームドシリカ又はポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、又はポリ(メチル)メタクリレート基材)上に感光性エマルション層のフィルム表面を形成することによって調製される。画像は、互いに近接して離間する多くの細い線及び接点からなることが多く、典型的に、透明な基材上に配置される画像層として存在するが、場合によっては前記基材内に配置される場合もある。プリント回路基板を製造するために使用される間、フォトツールは、プリント回路基板を製造するために用いられるフォトレジスト層上に表を下にして置かれ、密着印画は、フォトツールを通して高強度の光にフォトレジストを露光することによって行われる。この方法では、単一のフォトツールを用いて複数の密着印画を製造することができる。
【0003】
フォトツールが置かれるフォトレジストは、通常、銅シート上に積層されるので、フォトツールが、あるフォトレジストから次のフォトレジストへと移動するときに、銅シートの小さなバリ又は荒い縁部が引っ掻き傷をつける場合がある。また、フォトツールは、ほこり及び糸くずがないことを確認するために柔らかい布で拭かれることが多い。フォトツールの表面が拭かれるときに、汚れの小さな粒子が引っ掻き傷をつける場合がある。通常の使用中のフォトツールの表面上における一般的な損傷のために、フォトツールを顕微鏡で頻繁に検査して、線の連続性を確保しなければならない。フォトツールの大きさ及び複雑さによって、このような顕微鏡検査に2〜3時間かかる場合がある。
【0004】
典型的なフォトツールは引っ掻きに対して脆弱であるため、及びフォトツールの通常の使用中の摩耗が重大な問題であるため、保護フィルム及びオーバーコートを使用してフォトツールを保護することが多い。例えば、画像を保護するために、様々な種類の感圧性接着剤でコーティングされたポリエステルフィルムがフォトツールの画像層に積層されている。しかし、その厚さのために、積層フィルムが光学的ひずみを引き起こすので、解像度が落ちる場合がある。液体組成物でフォトツールの表面をコーティングすることによって、より薄い保護コーティングを得ることができる。塗布後、薄い液体コーティングを硬化させて所望の保護コーティングを得る。エポキシシラン及びアクリレートエステル(例えば、ポリウレタンアクリレート)は、耐摩耗性であるので、このようなコーティングにおいて有用である。多くの保護オーバーコートは、剥離性が限定的であるが、特に高粘度ソルダマスク等の比較的粘着性の物質が存在する場合、フォトレジストの表面に粘着する傾向がある場合がある。結果として、フォトレジストから取り外す間に損傷を受ける恐れがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの態様では、本開示は、
以下の式によって表されるエポキシシランと
【化1】


(式中、R、R及びRは、独立して、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し;Xは、少なくとも1つのオキシラン環を有する有機基を表す);
以下の式
によって表されるフッ素化シランと、
【化2】


(式中、
は、3〜5個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基を表し、
は、H、又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し;
、R及びRは、独立して、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し;
Zは、二価有機連結基を表す);
光酸と、を含む、硬化性組成物を提供する。
【0006】
別の態様では、本開示は、フォトツールをコーティングする方法であって、フォトツールの少なくとも一部上に硬化性組成物をコーティングする工程と、硬化性組成物を硬化させる工程と、を含み、硬化性組成物が、
以下の式によって表されるエポキシシランと、
【化3】


(式中、R、R、及びRは、独立して、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し;Xは、少なくとも1つのオキシラン環を有する有機基を表す);
以下の式によって表されるフッ素化シランと、
【化4】


(式中、
は、3〜5個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基を表し、
は、H又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し;
、R及びRは、独立して、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し;
Zは、二価有機連結基を表す);
光酸と、を含む、方法を提供する。
【0007】
更に別の態様では、本開示は、主表面の少なくとも一部上に配置された保護コーティングを有するフォトツールを含むコーティングされたフォトツールであって、この保護コーティングが、
以下の式によって表されるエポキシシランと
【化5】


(式中、R、R及びRは、独立して、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し;Xは、少なくとも1つのオキシラン環を有する有機基を表す);
以下の式によって表されるフッ素化シランと
【化6】


(式中、
は、3〜5個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基を表し、
は、H又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し;
、R及びRは、独立して、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し;
Zは、二価有機連結基を表す);
光酸と、を含む、硬化性組成物の反応産物を含むフォトツールを提供する。
【0008】
幾つかの実施形態では、エポキシシランは、
【化7】


(式中、R、R及びRは、独立して、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し、Qは、干渉基を含まない二価有機連結基を表す)からなる群から選択される式によって表される。幾つかの実施形態では、エポキシシランは、ベータ−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン及びガンマ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランからなる群から選択される。
【0009】
幾つかの実施形態では、Rはペルフルオロブチルである。幾つかの実施形態では、Rはメチルである。
【0010】
幾つかの実施形態では、光酸は、トリアリールスルホニウム塩及びジアリールヨードニウム塩からなる群から選択される。
【0011】
幾つかの実施形態では、硬化性組成物は、硬化性組成物の総重量に基づいて5重量%未満の揮発性有機溶媒を含有する。
【0012】
有利なことに、本開示に係る硬化性組成物を用いて、耐摩耗性及び耐汚性を付与し、一部のフォトレジスト等の粘着質物質に接着することによって耐剥離性になるフォトツール表面上(特に画像層上)に保護コーティングを提供することができる。
【0013】
本明細書で使用する場合、
用語「光酸」は、光(典型的に紫外線及び/又は可視光線)に曝露された場合、ルイス酸(例えば、エポキシ樹脂を硬化させるのに十分な強さ)を生成する化合物を指す。
用語「オキシラン環」は、慣用的であり、2つの四配位炭素原子と1つの酸素原子とを有する三員環を指す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示に係る硬化性組成物は、一般的に、1つ以上のエポキシシラン化合物、1つ以上のフッ素化シラン、及び1つ以上の光酸を含む。組成物は、溶媒を含んでもよいが、本開示は、一般的に、溶媒が実質的に存在しないときに最も有利に実施される。
【0015】
有用なエポキシシランは、以下の式によって表される。
【化8】


、R及びRは、独立して、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表す。例えば、R、R及びRは、独立して、メチル、エチル、プロピル、又はブチル基を表すことができ、
Xは、一価であり、少なくとも1つのオキシラン環を有する有機基を表す。
【0016】
幾つかの実施形態では、エポキシシランは、
【化9】


(式中、R、R及びRは、既に定義された通りであり、Qは、干渉基を含まない二価有機連結基を表す)からなる群から選択される式によって表される。Qの例としては、N、S、又はO原子、スルホニル基、ニトロ基、ハロゲン、カルボニル基、又はこれらの組み合わせによって少なくとも1つの炭素原子が置換されている又は置換されていない、直鎖、環状、及び/又は分枝アルキレン、アリーレン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。エポキシシラン化合物は、モノマー、オリゴマー、又は場合によってはポリマーでさえあってもよいが、但し、重合性エポキシ基及び重合性トリアルコキシシリル基を有する。
【0017】
典型的に、硬化性エポキシシラン化合物は、末端重合性エポキシ基及び末端重合性シラン基を有するエポキシ末端シラン化合物であり、これらの基の架橋は上記の通りである。
【0018】
有用なエポキシシランの例としては、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、
グリシドキシメチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルトリプロポキシシラン、
グリシドキシメチルトリブトキシシラン、ベータ−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、
ベータ−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、ベータ−グリシドキシエチルトリプロポキシシラン、
ベータ−グリシドキシエチルトリブトキシシラン、ベータ−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、
アルファ−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、アルファ−グリシドキシエチルトリプロポキシシラン、
アルファ−グリシドキシエチルトリブトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
ガンマ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、
ガンマ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、ベータ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
ベータ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、ベータ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、
ベータ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、アルファ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
アルファ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、アルファ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、
アルファ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、ガンマ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、
デルタ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、デルタ−グリシドキシブチルトリプロポキシシラン、
デルタ−グリシドキシブチルトリブトキシシラン、デルタ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、
ガンマ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、ガンマ−グリシドキシブチルトリプロポキシシラン、
ガンマ−プロポキシブチルトリブトキシシラン、デルタ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、
デルタ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、デルタ−グリシドキシブチルトリプロポキシシラン、
アルファ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、アルファ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、
アルファ−グリシドキシブチルトリプロポキシシラン、アルファ−グリシドキシブチルトリブトキシシラン、
(3,4−エポキシシクロへキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロへキシル)メチル−トリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロへキシル)メチルトリプロポキシシラン、(3,4−エポキシシクロへキシル)−メチルトリブトキシシラン、(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、
(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリプロポキシシラン、(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリブトキシシラン、(3,4−エポキシシクロへキシル)プロピルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロへキシル)プロピルトリエトキシシラン、
(3,4−エポキシシクロへキシル)プロピルトリプロポキシシラン、
(3,4−エポキシシクロへキシル)プロピルトリブトキシシラン、
(3,4−エポキシシクロへキシル)ブチル−トリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロへキシル)ブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロへキシル)−ブチルトリプロポキシシラン、及び(3,4−エポキシシクロへキシル)ブチルトリブトキシシランが挙げられる。
【0019】
本開示の実施において有用な更なるエポキシシランの例は、例えば、米国特許第4,049,861号(Nozari);同第4,100,134号(Robinsら);及び同第4,293,606号(Zollingerら)に記載されている。
【0020】
エポキシシランは、典型的に、硬化性組成物の総重量に基づいて、硬化性組成物の少なくとも50、60、70、80、又は90重量%含まれるが、他の量を用いてもよい。より典型的には、エポキシシランは、硬化性組成物の総重量に基づいて、硬化性組成物の約80重量%〜約98重量%含まれる。
【0021】
典型的に、エポキシシランは、カチオン性エポキシ重合に干渉する基(すなわち、干渉基)を実質的に含まないが、これは必須ではない。干渉基の例としては、当業者であれば理解する通り、1°、2°、及び/若しくは3°アミン、並びに/又はホスフィンを含有する基、並びにヒドロキシル基(Siに結合しているもの以外)等の塩基性基を含んでもよい。
【0022】
有用なフッ素化シランは、以下の式によって表される。
【化10】

【0023】
は、3〜5個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基を表す。例としては、ペルフルオロプロピル、ペルフルオロブチル、及びペルフルオロペンチルが挙げられる。
【0024】
は、H、又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表す。例としては、H、メチル、エチル、プロピル、及びブチルが挙げられる。
【0025】
、R、及びRは、独立して、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表す。例としては、メチル、エチル、プロピル、及びブチルが挙げられる。
【0026】
Zは、二価有機連結基を表す。Zの例としては、N、S、又はO原子、スルホニル基、ニトロ基、ハロゲン、カルボニル基、又はこれらの組み合わせによって少なくとも1つの炭素原子が置換されている又は置換されていない、直鎖、環状、及び/又は分枝アルキレン、アリーレン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0027】
フッ素化シランは、硬化性組成物の総重量に基づいて、硬化性組成物の50、40、30、20、10、5、2又は更には1重量%未満含まれてもよいが、他の量を用いてもよい。典型的には、エポキシシランは、硬化性組成物の総重量に基づいて、硬化性組成物の15重量%未満含まれる。
【0028】
光酸は、化学線(例えば、紫外線又は可視光線)に曝露されたときカチオン性反応開始剤を形成する。本開示で用いられる硬化性組成物は、硬化性組成物をカチオン重合するために光酸を含む。有用な光酸の例としては、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ベンジルスルホニウム塩、フェナシルスルホニウム塩、N−ベンジルピリジニウム塩、N−ベンジルピラジニウム塩、N−ベンジルアンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヒドラジニウム塩、及びホウ酸アンモニウム塩が挙げられる。トリアリールスルホニウム塩及びジアリールヨードニウム塩が特に有用である。無論、塩の陰対イオン(すなわち、アニオン)は、その性能に影響を与える。一般的に、アニオンは、エポキシド又はアルコキシシランのカチオン重合に実質的に干渉しないものであるべきである。例としては、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロホウ酸塩、トリ(フッ素化アリールスルホニル)メチド、及びヘキサフルオロアンチモン酸塩が挙げられる。
【0029】
したがって、代表的な有用な光酸としては、例えば、トリフェニルフェナシルホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩等のVa族元素のオニウム塩、例えば、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロホウ酸塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロリン酸塩、及びトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩等のVIa族元素のオニウム塩、並びにジフェニルヨードニウムクロリド及びジアリールヨードニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩等のヨードニウム塩等のVIIa族元素のオニウム塩が挙げられる。エポキシ化合物の重合における光酸としての芳香族オニウム塩及びその使用は、米国特許第4,058,401号(Crivello);同第4,069,055号(Crivello);同第4,101,513号(Foxら)、及び同第4,161,478号(Crivello)に詳細に記載されている。
【0030】
市販の光酸としては、例えば、Dow Chemical Co(Midland,MI)からCYRACURE UVI−6976(炭酸プロピレン中のトリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩の混合物)及びUVI−6992として入手可能なものが挙げられる。
【0031】
光酸は、典型的に、有効量(すなわち、化学線に曝露されたときに硬化性組成物を硬化させるのに有効な量)、本開示の組成物中に存在する。光酸の量は、典型的に、硬化性組成物の総重量に基づいて、1重量%〜5重量%の範囲であるが、他の量を用いてもよい。
【0032】
硬化性組成物は、1つ以上のポリエポキシド化合物を更に含んでもよい。ポリエポキシド化合物は、例えば、組成物の重合を加速することができる。また、ポリエポキシド化合物を用いて、硬化された組成物の柔軟性を調整したり、脆弱性を低下させたりすることができる。有用なポリエポキシドの例としては、米国特許第4,293,606号(Zollingerら)に開示されているもの等のジエポキシドが挙げられる。存在する場合、ポリエポキシドは、典型的に、例えば、3,4−エポキシシクロへキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の脂環式ジエポキシド化合物である。
【0033】
また、本開示に係る硬化性組成物は、例えば、1つ以上の硬化性モノ−及び/又はジ−シラン(例えば、硬度を調整するため)、チタン酸塩、及び/又はジルコン酸塩;界面活性剤;艶消剤;及び無機粒子等の他の任意成分を含んでもよい。例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、テトラメチルオルトチタン酸塩、テトラエチルオルトチタン酸塩、テトライソプロピルオルトチタン酸塩、テトラエチルジルコン酸塩、テトライソプロピルジルコン酸塩、及びテトラプロピルジルコン酸塩が挙げられる。
【0034】
しかし、幾つかの実施形態では、硬化性組成物は、例えば、ケトン類(例えば、アセトン又はメチルイソブチルケトン)、エステル類(例えば、酢酸エチル)、又はエーテル類(例えば、メチルt−ブチルエーテル又はテトラヒドロフラン)等の1つ以上の溶媒を含んでもよい。典型的に、本開示の硬化性組成物は、組成物の総重量に基づいて、10%未満、より典型的には5%未満の溶媒を含有する。望ましくは、本開示の硬化性組成物は、組成物の総重量に基づいて1%未満の溶媒を含有するか、又は溶媒を含まない。
【0035】
本開示に係る硬化性組成物は、例えば、噴霧、ディップコーティング、グラビアコーティング、ロールコーティング、ナイフコーティング、及びカーテンコーティング等の当該技術分野において既知であるコーティング技術を用いてフォトツールに容易に塗布することができる。典型的に、硬化性組成物は、約0.5マイクロメートル〜約40マイクロメートル、より典型的には2〜10マイクロメートルの厚さの硬化した厚さが得られる厚さで塗布されるが、他の厚さをまた用いてもよい。
【0036】
本開示に係る硬化性組成物は、例えば、任意で加熱と組み合わせて、可視光線及び/又は紫外線等の化学線に曝露することによって硬化され得る。曝露条件の選択は、十分に当業者の能力の範囲内にある。
【0037】
以降の非限定的な実施例によって本開示の目的及び利点を更に例示するが、これら実施例で引用される特定の材料及びそれらの量、並びに他の条件及び詳細は、本開示を不当に制限するものと解釈されるべきではない。
【実施例1】
【0038】
別途注記のない限り、実施例及び本明細書の残りの部分における全ての部、割合、及び比率等は、重量による。
【0039】
材料
全ての溶媒は商用源から入手される標準の試薬グレードであり、特記しない限り更に精製せずに使用した。
【0040】
A−186は、Momentive Advanced Materials(Albany,NY)から入手したベータ−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン)である。
【0041】
A−187は、Momentive Advanced Materialsから入手したガンマ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランである。
【0042】
PAG−1は、Dow Chemical Company(Midland,MI)からCYRACURE UVI−6974として入手可能な光酸、炭酸プロピレン中50%トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩溶液である。
【0043】
PAG−2は、米国特許第4,279,717号(Eckbergら)の実施例4に記載されているプロセスを本質的に用いて調製した光酸、(C1225Ph)(+)SbF(−)である。
【0044】
TEOSは、Sigma−Aldrich Corporation(St.Louis,MO)から入手可能なテトラエチルオルトケイ酸塩である。
【0045】
EP−1は、Dow Chemical CompanyからERL−4299として入手したビス−(3,4−エポキシシクロへキシルメチル)アジピン酸塩である。
【0046】
EP−2は、Dow Chemical CompanyからERL−4221として入手した、3,4−エポキシシクロへキシルメチル−3,4−エポキシシクロへキシルカルボキシレートである。
【0047】
ES−1は、重量比92:8のA−187とPAG−1とのブレンドである。
【0048】
ES−2は、重量比92:8のA−186とPAG−1とのブレンドである。
【0049】
ES−3は、重量比97:3のA−187とPAG−2とのブレンドである。
【0050】
FA−1は、CFCFCFCFS(=O)N(CH)CHCHCHSi(OCH33である。FA−1は、CFCFCFCFS(=O)N(CH3)CHCH=CHをC17S(=O)N(CH)CHCH=CH)の代わりに用いたことを除いて、米国特許第5,274,159号(Pelleriteら)の実施例6の手順によって本質的に調製した。
【0051】
試験方法
接触角試験
評価する硬化されたコーティングを、イソプロピルアルコール(IPA)中で手で撹拌することにより1分間すすぎ、水(HO)及びヘキサデカン(HD)接触角を測定する前にイソプロピルアルコールを蒸発させた。Aldrich Chemical Co.から受け取ったままの状態の試薬グレードのヘキサデカン及びMillipore Corp(Billerica,MA)製の濾過システムを通して濾過した脱イオン水を用いて、AST Products(Billerica,MA)製のビデオ接触角システム分析機(VCA−2500XE)で測定を行った。報告される値は、液滴の右側及び左側で測定された少なくとも3滴の測定値の平均である。液滴体積は、静的接触角測定については5マイクロリットル、前進及び後退接触角測定については1〜3マイクロリットルであった。
【0052】
撥マーカー試験
Sanford(Bellwood,IL)製の黒色のSharpieマーカーを用いて、評価する硬化されたコーティングの表面に線を引いた。外観及びSharpieマーカーの黒色インクをはじく能力についてサンプルを格付けした。「有り」の格付けは、マーカーインクがビーズ状になったことにより判定される、マーカーに対して少なくとも一部撥マーカー性が存在することを意味し、「無し」の格付けは、撥マーカー性がみられなかったことを意味する。
【0053】
溶媒耐性試験
選択された有機溶媒を1滴(直径〜1.25cm)を評価する硬化されたコーティング上に置いた。室温で溶媒を蒸発させ、サンプルの外観の変化を視覚的に格付けし、記録した。「C」の格付けは、透明な表面を意味する(すなわち、コーティングが変化しない)。
【0054】
スチールウール耐久性試験
評価する硬化されたコーティングのスチールウール耐磨耗性は、フィルムの表面全体にわたってゴムのガスケットによりスタイラスに固定されたスチールウールを振動させることが可能な機械装置を使用することにより架橋ウェブをコーティング方向に試験した。スタイラスは3.5回の拭き/秒の速度において幅10cmの掃引幅にわたって振動し、「拭き」は10cmの単一移動として定義される。スタイラスは、荷重200gの直径3.8mmの平坦な円筒形状を有していた。その装置にはプラットホームが備え付けられていて、その上におもりを載せて、フィルムの表面に対して垂直なスタイラスにより加えられる力を増やした。スチールウールは、Homax Products(Bellingham,WA)の一部門である、Rhodes−Americanから商品名「#0000−SUPER−FINE」として入手し、入手したままのものを使用した。各実施例につき1つの試料について試験したが、スタイラスに加えた重量(g)及び試験中に使用された50枚の拭き取り布の数を以下の表に報告する。試験後、引っ掻き傷の存在についてサンプルを検査し、上記の通り水及びヘキサデカン接触角を測定してコーティングの耐久性を判定した。
【0055】
クリーニングティッシュ耐久性試験
評価する硬化されたコーティングの耐久性は、Bausch & Lomb Inc.(Rochester,NY)製のウエットタイプのSight Saversレンズクリーニングティッシュを耐久性試験に用い、コーティングをスタイラスの代わりに手で拭き取ったことを除いて、スチールウール耐久性試験と同様に測定した。硬化されたフィルムの表面を適度な圧力を印加することにより手で20回拭き取った後、表面の外観を可視的に検査した。「C」の格付けは、コーティングが透明なままであり、損傷がみられなかったことを意味する。
【0056】
硬度試験
評価する硬化されたコーティングの硬度は、Paul N Gardner Co.,Inc,(Pompano Beach,FL)製のGardo/Wilff Wilborn鉛筆引っ掻き硬度試験機を用いて測定した。試験のために、様々な硬度(例えば、4H、5H、6H等)の鉛筆を用いてコーティングを引っ掻いた。コーティングが損傷を受けることなく残存することができる最高硬度をコーティングの硬度とした。
【0057】
実施例1〜9及び比較例A〜C
表1に報告する通りの所定の量(成分の次の括弧内に記載されている重量)で所望のエポキシシランと、短いフルオロケミカルのテイル付(tailed)添加剤と、をブレンドすることによって実施例1〜9を調製した。比較例A〜Cは、任意のフルオロケミカル添加剤を用いることなく、表1に記載されている様々なエポキシシランから調製した。実施例1〜9及び比較例A〜Cの全てのサンプルは、均質かつ透明な溶液であり、これは、エポキシシランとフルオロケミカル添加剤が相溶性であることを示す。次いで、得られた溶液を下塗りされたPET基材にRD Specialties(Webster,NY)製の6番巻き線ロッドでコーティングし、次いで、2分間空気中でAtlanta Light Bulbs,Inc.(Tucker,GA)から入手した2つのSylvania Germicidal G15T8(15W)電球下で硬化させた。撥マーカー性、水及びヘキサデカン接触角について実施例1〜9及び比較例A〜Cのコーティングを試験した。結果を以下の表1で報告する。
【0058】
【表1】

【0059】
(実施例10〜13)
表2に記載されている通りガラス又はポリカーボネート(PC)基材上でコーティングを調製したことを除いて、実施例1〜9と同様に実施例10〜13を調製した。水及びヘキサデカン接触角についてコーティングを試験した。結果を以下の表2に報告する。
【0060】
【表2】

【0061】
(実施例14〜16)
様々な硬化条件及びその後のガラス又はPET基材上におけるエージング時間を用いて、本開示に係る95部のES−1及び5部のFA−1を含有する組成物から調製したコーティングの硬度特性を評価するために実施例14〜16を作製した。実施例14及び16は、2分間、Atlanta Light Bulbs,Inc.(Tucker,GA)から入手したSylvania Germicidal G15T8(15W)電球にサンプルを曝露することによって硬化させた。実施例15は、1分間当たり3メートルの速度で移動するコンベアベルトライン上で100パーセントのランプ電力で窒素雰囲気下にて動作する、Gaithersburg,MD製のH−電球を備えるLight−Hammer 6紫外線処理機にコーティングを曝露することによって硬化させた。硬化されたサンプルを所望の時間エージングし、得られたコーティングの硬度を上記硬度測定試験方法を用いて測定した。基材、エージング時間、及び得られたコーティングの硬度を以下の表3に報告する。
【0062】
【表3】

【0063】
(実施例17〜22)
ガラス基材上で本開示に係る組成物から調製されたコーティングの硬度に対する架橋剤の添加の効果を示すために実施例17〜22を作製した。所定の量(成分の次の括弧内に記載されている重量)で所望のエポキシシラン、フルオロケミカル添加剤及び架橋剤を混合することによって幾つかの組成物を調製した。次いで、ガラス基材上に溶液をコーティングし、それを空気中で2分間Atlanta Light Bulbs,Inc.(Tucker,GA)から入手したSylvania Germicidal G15T8(15W)電球に曝露することによって硬化させた。硬化させたサンプルを所望の時間(室温(RT)で24時間又は100℃で10分間)エージングさせ、得られたコーティングの硬度を上記硬度測定試験方法を用いて測定した。表4は、用いられた架橋剤を含むコーティングの組成、コーティングの品質の定性的評価、及び硬化直後のコーティングの硬度、室温で24時間後の硬度、及び100℃で10分間後の硬度を報告する。
【0064】
【表4】

【0065】
上記実施例に記載されている通り調製した幾つかのコーティングのクリーニングティッシュ耐久性及び耐溶媒性を、上記それぞれの方法を用いて判定した。コーティングの耐溶媒性は、酢酸エチル(EtOAc、J.T.Baker(Philipsburg,NJ)から入手)、イソプロピルアルコール(IPA、VWR International(West Chester,PA)から入手)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF、Aldrich Chemical Company(Milwaukee,WI)から入手)アセトン、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)(全てEMD Chemicals,Inc.(Gibbstown,NJ)から入手)を含む様々な有機溶媒について測定した。表5(以下)は、上記実施例に従って作製された幾つかのコーティングのクリーニングティッシュ耐久性及び耐溶媒性について報告する。
【0066】
【表5】

【0067】
上記実施例に記載の通り調製された幾つかのコーティングのスチールウール耐久性を上記方法を用いて判定した。表6(以下)に試験結果を報告する。
【0068】
【表6】

【0069】
本明細書に引用した全ての特許及び刊行物は、その全文を参照することにより本明細書に組み込むこととする。本明細書に記載される全ての実施例は、特に指示しない限り非限定的であるとみなすべきでる。当業者は、本開示の様々な修正及び変更を、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく行うことができ、また、本開示は、上記で説明した例示的な実施形態に過度に限定して理解すべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式によって表されるエポキシシランと
【化1】


(式中、R、R及びRは、独立して、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し;Xは、少なくとも1つのオキシラン環を有する有機基を表す);
以下の式によって表されるフッ素化シランと、
【化2】


(式中、
は、3〜5個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基を表し、
は、H又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し;
、R及びRは、独立して、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し;
Zは、二価有機連結基を表す);
光酸と、を含む、硬化性組成物。
【請求項2】
前記エポキシシランが、
【化3】


(式中、R、R及びRは、独立して、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し、Qは、干渉基を含まない二価有機連結基を表す)からなる群から選択される式によって表される、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項3】
前記硬化性組成物が、硬化性組成物の総重量に基づいて5重量%未満の揮発性有機溶媒を含有する、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項4】
がペルフルオロブチルである、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項5】
がメチルである、請求項4に記載の硬化性組成物。
【請求項6】
前記エポキシシランが、ベータ−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン及びガンマ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランからなる群から選択される、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項7】
前記光酸が、トリアリールスルホニウム塩及びジアリールヨードニウム塩からなる群から選択される、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項8】
フォトツールをコーティングする方法であって、前記フォトツールの少なくとも一部上に硬化性組成物をコーティングする工程と、前記硬化性組成物を硬化させる工程とを含み、前記硬化性組成物が、
以下の式によって表されるエポキシシランと、
【化4】


(式中、R、R及びRは、独立して、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し;Xは、少なくとも1つのオキシラン環を有する有機基を表す);
以下の式によって表されるフッ素化シランと
【化5】


(式中、
は、3〜5個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基を表し、
は、H又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し;
、R及びRは、独立して、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し;
Zは、二価有機連結基を表す);
光酸と、を含む、方法。
【請求項9】
前記エポキシシランが、
【化6】


(式中、R、R及びRは、独立して、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し、Qは、干渉基を含まない二価有機連結基を表す)からなる群から選択される式によって表される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記硬化性組成物が、硬化性組成物の総重量に基づいて5重量%未満の揮発性有機溶媒を含有する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
がペルフルオロブチルである、請求項8に記載の硬化性組成物。
【請求項12】
がメチルである、請求項11に記載の硬化性組成物。
【請求項13】
前記エポキシシランが、ベータ−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン及びガンマ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記光酸が、トリアリールスルホニウム塩及びジアリールヨードニウム塩からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
主表面の少なくとも一部上に保護コーティングが配置されたフォトツールを含むコーティングされたフォトツールであって、前記保護コーティングが、
以下の式によって表されるエポキシシランと
【化7】


(式中、R、R及びRは、独立して、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し;Xは、少なくとも1つのオキシラン環を有する有機基を表す);
以下の式によって表されるフッ素化シランと、
【化8】


(式中、
は、3〜5個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基を表し、
は、H又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し;
、R及びRは、独立して、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し;
Zは、二価有機連結基を表す);
光酸と、を含む、硬化性組成物の反応産物を含む、コーティングされたフォトツール。
【請求項16】
前記エポキシシランが、
【化9】


(式中、R、R及びRは、独立して、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し、Qは、干渉基を含まない二価有機連結基を表す)からなる群から選択される式によって表される、請求項15に記載のコーティングされたフォトツール。
【請求項17】
前記硬化性組成物が、硬化性組成物の総重量に基づいて5重量%未満の揮発性有機溶媒を含有する、請求項16に記載のコーティングされたフォトツール。
【請求項18】
がペルフルオロブチルである、請求項16に記載の硬化性組成物。
【請求項19】
がメチルである、請求項18に記載の硬化性組成物。
【請求項20】
前記エポキシシランが、ベータ−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン及びガンマ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランからなる群から選択される、請求項15に記載のコーティングされたフォトツール。
【請求項21】
前記光酸が、トリアリールスルホニウム塩及びジアリールヨードニウム塩からなる群から選択される、請求項15に記載のコーティングされたフォトツール。

【公表番号】特表2012−533675(P2012−533675A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521657(P2012−521657)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/040349
【国際公開番号】WO2011/011167
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】