説明

移動通信ネットワークおよび移動通信ネットワークにおけるデータ配信方法

【課題】移動通信ネットワークにおいてコネクションレス型転送を実現し、データ配信の際に呼制御信号を飛ばす必要性をなくすこと等である。
【解決手段】ルーティングノード(例えばゲートノード、中継ノード)およびエッジノードを備えた移動通信ネットワークの各ノード、移動機等にIPアドレスを割り振る。ルーティングノードにおいて、移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信し、該データのルーティングをルーティング情報に基づき行う。エッジノードにおいて、ルーティングノードがルーティングを行ったデータを受信し、該データに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機にデータを送信する。また、同じグループのユーザに対して同じデータを配信する場合や、ハンドオーバ等の制御を行う場合にもIPアドレスを利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信ネットワークおよび移動通信ネットワークにおけるデータ配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動通信ネットワークにおいて、サーバからデータを配信(送信)したり、移動機間でデータを送受信する際には、移動機のIDから移動機の位置を検索し、呼制御信号をネットワークの各ノード間で転送し、その後にデータを配信する、いわゆるコネクション型転送を行っていた。
【0003】
また、同一のエッジノード(例えば、基地局)が監視するエリアに同一のグループに属する複数のユーザ(移動機)が存在する場合でも、ユーザごとに呼制御信号を飛ばして位置を特定し、ユーザごとにデータを配信していた。
【0004】
さらに、通常の固定網においてインターネット等に見られるように、データの転送時に呼制御信号を飛ばさないような、いわゆるコネクションレス網は存在するが、配信先が常に移動するような場合の制御(例えば、ハンドオーバ制御)は実現されていない。
【0005】
しかし、従来のデータ配信方法では、配信するデータが少量であっても、ノード間に必ず呼制御信号を飛ばす必要があるため、ノードの処理能力低下につながったり、複雑なソフトウェアを開発する必要性を生じさせ、システムコストがかかってしまうという問題があった。
【0006】
また、同じグループのユーザに対して同じデータを配信する際にも、ユーザごとに配信を行うため、ネットワークに輻輳が生じたり、データ配信サーバの負荷が増大するという問題もあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の目的は、移動通信ネットワークの各ノード、位置情報サーバ、データ配信サーバ、および移動機等にIP(Internet Protocol)アドレスを割り振り、コネクションレス網、コネクションレス型転送を実現し、IPアドレスを用いてデータの配信を行い、データ配信において呼制御信号を飛ばす必要性をなくすことである。
【0008】
また、同じグループのユーザに対して同じデータを配信する際に、ネットワークの輻輳を防止し、データ配信サーバの負荷を軽減することも本発明の目的である。
【0009】
さらに、かかるコネクションレス網において、IPアドレスを用いてハンドオーバ等の制御を実現することも本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の第1の側面において、本発明に係る移動通信ネットワークは、移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信し、該データのルーティングをルーティング情報に基づき行うルーティングノードと、前記ルーティングノードがルーティングを行ったデータを受信し、該データに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機に前記データを送信するエッジノードとを備える。
【0011】
ここで、前記移動通信ネットワークは、移動機のIPアドレスに対する、該移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスの情報を管理する位置情報サーバをさらに備え、前記ルーティングノードにはゲートノードが含まれ、前記ゲートノードは、前記位置情報サーバにアクセスして、受信したデータに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスを取得し、該エッジノードのIPアドレスを前記受信したデータに付加し、前記ルーティング情報には、エッジノードのIPアドレスに対する送信ルートの情報が含まれ、前記ルーティングノードは、受信したデータに付加されたエッジノードのIPアドレスおよび前記ルーティング情報に基づき前記受信したデータのルーティングを行うものとすることができる。
【0012】
ここで、前記データに付加する移動機のIPアドレスとして、移動機のグループのIPアドレスを付加することができ、前記位置情報サーバは、前記移動機のグループのIPアドレスに対する、該グループに属する移動機のIPアドレスの情報を管理し、前記ゲートノードは、受信したデータに移動機のグループのIPアドレスが付加されている場合には、前記位置情報サーバにアクセスして、前記付加された移動機のグループのIPアドレスに対応する移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスを取得し、該エッジノードの分だけ前記受信したデータを複製し、各データに各エッジノードのIPアドレス、および該エッジノードの監視エリアに在圏する移動機のIPアドレスを付加してルーティングを行うものとすることができる。
【0013】
ここで、移動機が旧エッジノードの監視エリアから新エッジノードの監視エリアに移動した場合には、前記移動した移動機は、自己のIPアドレスおよび前記新エッジノードのIPアドレスを前記位置情報サーバに通知し、前記位置情報サーバは、前記移動した移動機のIPアドレスに対する、該移動した移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスの情報を更新するものとすることができる。
【0014】
ここで、移動機が旧エッジノードの監視エリアから新エッジノードの監視エリアに移動した場合には、前記移動した移動機は、自己のIPアドレスおよび前記新エッジノードのIPアドレスを前記旧エッジノードに送信し、前記旧エッジノードは、その後、前記移動した移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信した場合には、該データに前記新エッジノードのIPアドレスを付加して前記新エッジノードに送信するものとすることができる。
【0015】
ここで、前記ルーティング情報には、移動機のIPアドレスに対する送信ルートの情報が含まれ、前記ルーティングノードは、受信したデータに付加された移動機のIPアドレスおよび前記ルーティング情報に基づき前記受信したデータのルーティングを行うものとすることができる。
【0016】
ここで、前記データに付加する移動機のIPアドレスとして、移動機のグループのIPアドレスを付加することができ、前記ルーティングノードは、前記移動機のグループのIPアドレスに対する、該グループに属する移動機のIPアドレスの情報であるグループ情報を有し、受信したデータに移動機のグループのIPアドレスが付加されている場合には、前記グループ情報および前記ルーティング情報に基づき、前記付加された移動機のグループのIPアドレスに対応する移動機のIPアドレスに対応する送信ルートの分だけ前記受信したデータを複製してルーティングを行うものとすることができる。
【0017】
ここで、前記データに付加する移動機のIPアドレスとして、複数の移動機のIPアドレスを付加することができ、前記ルーティングノードは、受信したデータに複数の移動機のIPアドレスが付加されている場合には、前記ルーティング情報に基づき、前記付加された複数の移動機のIPアドレスに対応する送信ルートの分だけ前記受信したデータを複製し、各データに各送信ルートに対応する移動機のIPアドレスを付加してルーティングを行うものとすることができる。
【0018】
ここで、移動機が旧エッジノードの監視エリアから新エッジノードの監視エリアに移動した場合には、前記移動した移動機は、自己のIPアドレスを前記新エッジノードに送信し、前記新エッジノードの上位のルーティングノードから、前記旧エッジノードへの送信ルートと前記新エッジノードへの送信ルートとの分岐点となるルーティングノードまでの各ノードは、前記移動した移動機に関して自己のルーティング情報を更新するものとすることができる。
【0019】
ここで、前記ルーティング情報には、エッジノードのIPアドレスに対する送信ルートの情報が含まれ、前記ルーティングノードは、受信したデータに付加されたエッジノードのIPアドレスおよび前記ルーティング情報に基づき前記受信したデータのルーティングを行い、移動機が旧エッジノードの監視エリアから新エッジノードの監視エリアに移動した場合には、前記移動した移動機は、自己のIPアドレスおよび前記新エッジノードのIPアドレスを前記旧エッジノードに送信し、前記旧エッジノードは、その後、前記移動した移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信した場合には、該データに前記新エッジノードのIPアドレスを付加して前記新エッジノードに送信するものとすることができる。
【0020】
ここで、前記移動通信ネットワークは、データを配信するデータ配信サーバをさらに備え、前記データ配信サーバは、前記移動機からの要求に応じて、前記移動機にデータを配信するものとすることができる。
【0021】
ここで、前記移動通信ネットワークは、移動機のIPアドレスに対する、該移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスの情報を管理する位置情報サーバをさらに備え、前記エッジノードは、自己が監視するエリアに在圏する移動機が送信した、移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信し、前記位置情報サーバにアクセスして、受信したデータに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスを取得し、該エッジノードのIPアドレスを前記受信したデータに付加し、該データを前記ルーティングノードに送信し、前記ルーティング情報には、エッジノードのIPアドレスに対する送信ルートの情報が含まれ、前記ルーティングノードは、受信したデータに付加されたエッジノードのIPアドレスおよび前記ルーティング情報に基づき前記受信したデータのルーティングを行うものとすることができる。
【0022】
ここで、前記エッジノードは、前記受信したデータに付加された移動機のIPアドレスに対する、該移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスの情報を生成し、管理するものとすることができる。
【0023】
ここで、他の移動機と通信中の移動機が旧エッジノードの監視エリアから新エッジノードの監視エリアに移動した場合には、前記移動した移動機は、自己のIPアドレスおよび前記新エッジノードのIPアドレスを、通信相手の移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードに送信し、該エッジノードは、前記移動した移動機のIPアドレスに対する、該移動した移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスの情報を更新するものとすることができる。
【0024】
ここで、移動機が旧エッジノードの監視エリアから新エッジノードの監視エリアに移動した場合には、前記移動した移動機は、自己のIPアドレスおよび前記新エッジノードのIPアドレスを前記旧エッジノードに送信し、前記旧エッジノードは、その後、前記移動した移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信した場合には、該データに前記新エッジノードのIPアドレスを付加して前記新エッジノードに送信するものとすることができる。
【0025】
ここで、移動機が旧エッジノードの監視エリアから新エッジノードの監視エリアに移動した場合には、前記移動した移動機は、自己のIPアドレスおよび前記新エッジノードのIPアドレスを前記位置情報サーバに通知し、該位置情報サーバは、前記移動した移動機のIPアドレスに対する、該移動した移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスの情報を更新するものとすることができる。
【0026】
ここで、前記エッジノードは、自己が監視するエリアに在圏する移動機が送信した、移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信し、該データを前記ルーティングノードに送信し、前記ルーティング情報には、移動機のIPアドレスに対する送信ルートの情報が含まれ、前記ルーティングノードは、受信したデータに付加された移動機のIPアドレスおよび前記ルーティング情報に基づき前記受信したデータのルーティングを行うものとすることができる。
【0027】
ここで、移動機が旧エッジノードの監視エリアから新エッジノードの監視エリアに移動した場合には、前記移動した移動機は、自己のIPアドレスを前記新エッジノードに送信し、前記新エッジノードの上位のルーティングノードから、前記旧エッジノードへの送信ルートと前記新エッジノードへの送信ルートとの分岐点となるルーティングノードまで、および該分岐点となるルーティングノードから前記旧エッジノードの上位のルーティングノードまでの各ノードは、前記移動した移動機に関して自己のルーティング情報を更新するものとすることができる。
【0028】
ここで、前記ルーティング情報には、エッジノードのIPアドレスに対する送信ルートの情報が含まれ、前記ルーティングノードは、受信したデータに付加されたエッジノードのIPアドレスおよび前記ルーティング情報に基づき前記受信したデータのルーティングを行い、移動機が旧エッジノードの監視エリアから新エッジノードの監視エリアに移動した場合には、前記移動した移動機は、自己のIPアドレスおよび前記新エッジノードのIPアドレスを前記旧エッジノードに送信し、前記旧エッジノードは、その後、前記移動した移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信した場合には、該データに前記新エッジノードのIPアドレスを付加して前記新エッジノードに送信するものとすることができる。
【0029】
本発明の第2の側面において、本発明に係る移動通信ネットワークにおけるデータ配信方法は、ルーティングノードおよびエッジノードを備えた移動通信ネットワークにおけるデータ配信方法であって、前記ルーティングノードにおいて、移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信し、該データのルーティングをルーティング情報に基づき行うステップと、前記エッジノードにおいて、前記ルーティングノードがルーティングを行ったデータを受信し、該データに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機に前記データを送信するステップとを備える。
【0030】
以上の構成によれば、コネクションレス網、コネクションレス型転送を実現し、移動通信ネットワークにおけるデータ配信の際に、呼制御信号を飛ばす必要性をなくすことができる。
【0031】
また、同じグループのユーザに対して同じデータを配信する際に、ネットワークの輻輳を防止し、データ配信サーバの負荷を軽減することもできる。
【0032】
さらに、かかるコネクションレス網において、ハンドオーバ等の制御を実現することもできる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、コネクションレス網、コネクションレス型転送を実現し、移動通信ネットワークにおけるデータ配信の際に、呼制御信号を飛ばす必要性をなくすことができる。
【0034】
また、同じグループのユーザに対して同じデータを配信する際に、ネットワークの輻輳を防止し、データ配信サーバの負荷を軽減することもできる。
【0035】
さらに、かかるコネクションレス網において、ハンドオーバ等の制御を実現することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳しく説明する。
【0037】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る移動通信ネットワークの例を示す図である。
【0038】
本実施形態に係る移動通信ネットワークは、データ配信サーバ101、ゲートノード102、中継ノード103、104、エッジノード105〜108、および位置情報サーバ100を備える。
【0039】
データ配信サーバ101、ゲートノード102、中継ノード103、104、およびエッジノード105〜108はIPアドレス(本実施形態ではそれぞれ#1、#2、#3、#4、#5〜#8)を有し、移動機109もIPアドレス(本実施形態では#9)を有する。
【0040】
ゲートノード102および中継ノード103、104は、データのルーティングをルーティング情報に基づき行うルーティングノードである。
【0041】
図2は、本発明の第1実施形態に係る移動通信ネットワークにおけるデータの配信方法例を示すフローチャートである。
【0042】
データ配信サーバ101は、データ(IPパケット)を配信したい移動機のIPアドレスを管理しており、データに移動機のIPアドレスを付加してゲートノード102に送信する(ステップS101)。
【0043】
ゲートノード102は、受信したデータに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスを取得するため、位置情報サーバ100にアクセスする(S102)。
【0044】
位置情報サーバ100は、移動機のIPアドレスに対する、該移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスの情報を管理する。位置情報サーバ100としては、例えばホームロケーションレジスタ(HLR)、ビジティングロケーションレジスタ(VLR)が考えられる。
【0045】
ゲートノード102は、位置情報サーバ100にアクセスしてエッジノードのIPアドレスを取得した後、該エッジノードのIPアドレスを受信したデータに付加して(S103)、すなわちエッジノード宛てのIPパケットに受信した移動機宛てのIPパケットをカプセリングして、中継ノードに送信する(S104)。
【0046】
なお、図1の例とは異なり、中継ノードを介さずに、ゲートノードとエッジノードとを直接接続したネットワーク構成とすることもできる。その場合、ゲートノードはデータを直接エッジノードに送信することになる。
【0047】
図3は、移動通信ネットワークにおいて送受信されるIPパケット(データ)のフォーマット例を示す図である。図3に示すIPパケットは、エッジノードのIPアドレスを付加されたユーザ情報に関するIPパケットである。図3のフォーマットにおいて、UD(User Data)は配信すべきデータ本体を示し、UIP(User IP)は移動機のIPアドレスを示し、DGA(Destination Gatewaynode Address)はエッジノードのIPアドレスを示す。UI(User Information)はこのIPパケットがユーザ情報であることを示す識別子であり、制御情報に関するIPパケットと区別するために付加される。制御情報に関するIPパケットの場合には、IPパケットに制御情報であることを示す識別子が付加される。上述のように、UIPはデータ配信サーバ101において付加され、DGAはゲートノード102において付加される。
【0048】
本実施形態において、ゲートノード102は、位置情報サーバにアクセスして取得した移動機のIPアドレスとエッジノードのIPアドレスとの対応関係を記憶しておき、次回からはその記憶しておいた対応関係を利用するようにして、位置情報サーバ100にアクセスしないようにしている。ただし、対応関係を記憶しておかず、データを受信する度に位置情報サーバ100にアクセスして対応関係を取得するようにすることもできる。
【0049】
ゲートノード102は、ルーティング情報(ルーティングテーブル)を有しており、ルーティング情報には、エッジノードのIPアドレスに対する送信ルートの情報が含まれている。図1の例において、ゲートノード102は、IPアドレス#5を有するエッジノード105に向かう方路はIPアドレス#3を有する中継ノード103であるというルーティング情報を有している。したがって、エッジノードのIPアドレス#5が付加されたデータを受信したゲートノード102は、該データを中継ノード103に送信する。
【0050】
中継ノード103、104は、受信したデータに付加されたエッジノードのIPアドレスに基づき該データを他の中継ノードまたはエッジノード(図1に示すネットワーク構成ではエッジノード)に送信する(S104)。中継ノード103、104も、ルーティング情報を有しており、ルーティング情報には、エッジノードのIPアドレスに対する送信ルートの情報が含まれている。図1の例において、中継ノード103は、IPアドレス#5を有するエッジノード105に向かう方路はIPアドレス#5を有するエッジノード105である(この場合は次の送信先が目的地のノードそのもの)というルーティング情報を有している。
【0051】
データがエッジノード105〜108に到達すると(S105)、エッジノード105〜108は、受信したデータに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機に該データを送信する、すなわちカプセリングされた移動機宛てのIPパケットを取り出し、移動機に送信する(S106)。図1の例において、エッジノード105は、移動機109のIPアドレス#9が付加されたデータを受信すると、該データを移動機109に送信する。
【0052】
移動機109は、エッジノードから送信されてきた自分宛てのデータを受信する(S107)。
【0053】
以上のような構成、手順により、コネクションレス網、コネクションレス型転送が実現され、データ配信の際に、呼制御信号を飛ばす必要性をなくすことができる。
【0054】
データに付加する移動機のIPアドレス(データを配信したい移動機のIPアドレス)として、移動機のグループのIPアドレスを付加できるようにすることができる。その場合、例えば位置情報サーバ100に、移動機のグループのIPアドレスに対する、該グループに属する移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスの情報(グループ情報)を管理させる。
【0055】
ゲートノード102は、受信したデータに移動機のグループのIPアドレスが付加されている場合には、位置情報サーバ100にアクセスして、そのIPアドレスに対応する移動機、すなわちそのグループに属する移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスを取得する。グループに属する移動機が複数のエッジノードの監視エリアに分散している場合には、複数のエッジノードのIPアドレスが取得される。ゲートノード102は、取得したエッジノード(のIPアドレス)の分だけ受信したデータを複製する。各データには各エッジノードのIPアドレス、およびそのエッジノードの監視エリアに在圏する移動機のIPアドレスを付加する。そして、データをエッジノードに向けて送信する。
【0056】
データはエッジノードにおいて移動機分だけ複製され、各移動機に送信される。また、同じグループに属する移動機のみに特定のグループIDを持たせ、エッジノードは、送信するデータにそのグループIDを付加して一斉同報するようにしてもよい。こうすれば、そのグループIDを持っている(そのグループに属する)移動機のみがそのデータを取得することができる。
【0057】
なお、移動機によるグループへの参加は固定的なものとしてもよいし、一時的なものを認めてもよい。位置情報サーバ100にもIPアドレスを持たせ、移動機のユーザが位置情報サーバ100にそのIPアドレスを用いてアクセスし、グループに登録できるようにしてもよい。
【0058】
このように、移動機のグループのIPアドレスを付加できるようにすることにより、移動機ごとにデータを配信する必要がなくなり、データ配信サーバの負荷が軽減される。また、エッジノード単位でデータを送信することにより、ネットワークの輻輳を防止することもできる。
【0059】
データ配信サーバ101は、移動機109からの要求に応じて、移動機109にデータを配信するようにすることができる。例えば、移動機109は、配信を要求するデータの内容および自己のIPアドレスを含むデータに、データ配信サーバ101のIPアドレスを付加してデータ配信サーバ101に送信する。これを受け取ったデータ配信サーバ101は、配信を要求されたデータに移動機109のIPアドレスを付加して移動機109に送信する。
【0060】
図4は、本発明の第1実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第1のハンドオーバ制御例を説明するための図であり、図5は、本発明の第1実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第1のハンドオーバ制御例を示すフローチャートである。ハンドオーバ制御を、移動機109がエッジノード105の監視エリアからエッジノード106の監視エリアに移動した場合を例として説明する。
【0061】
エッジノード105〜108は自己の監視エリアに対し、自己のIPアドレスを報知しており、移動機109はエッジノードが報知したIPアドレスを受信し、記憶する。
【0062】
移動機109は、報知されているIPアドレスが現在記憶しているIPアドレスと異なった場合には、在圏するエリアが変わったものと判断し、自己のIPアドレスおよび新エッジノードのIPアドレスをゲートノード102を介して位置情報サーバ100に通知する(S201)。図4の例では、移動機109は、自己のIPアドレスおよびエッジノード106のIPアドレスを、例えばエッジノード106、中継ノード103およびゲートノード102を介して位置情報サーバ100に通知する。
【0063】
ゲートノード102は、受信した移動機のIPアドレスに関し、すでに位置情報サーバ100にアクセスして該移動機が在圏するエッジノードのIPアドレスとの対応関係を例えばテーブルとしてもっている場合には、該移動機のIPアドレスと受信した新エッジノードのIPアドレスとが対応するようにそのテーブルを更新する(S202)。位置情報サーバ100も、両IPアドレスが対応するように自己の情報を更新する(この更新はゲートノード102がテーブルをもっているか否かによらず行う)(S203)。
【0064】
図4の例では、移動機109が在圏するエッジノードのIPアドレスが#5から#6に更新される。ゲートノード102が移動機のIPアドレスとエッジノードのIPアドレスとの関係を記憶している場合には、その関係の更新も行う。更新後、移動機109のIPアドレス#9が付加されたデータは、ゲートノード102において、エッジノードのIPアドレス#6が付加されて送信される。
【0065】
このようにして、コネクションレス網において、ハンドオーバ制御を実現することができる。
【0066】
図6は、本発明の第1実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第2のハンドオーバ制御例を説明するための図であり、図7は、本発明の第1実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第2のハンドオーバ制御例を示すフローチャートである。ハンドオーバ制御を、移動機109がエッジノード105の監視エリアからエッジノード106の監視エリアに移動した場合を例として説明する。
【0067】
エッジノード105〜108は自己の監視エリアに対し、自己のIPアドレスを報知しており、移動機109はエッジノードが報知したIPアドレスを受信し、記憶する。
【0068】
移動機109は、報知されているIPアドレスが現在記憶しているIPアドレスと異なった場合には、在圏するエリアが変わったものと判断し、自己のIPアドレスおよび新エッジノードのIPアドレスを旧エッジノードに送信する(S301)。図6の例では、移動機109は、自己のIPアドレス#9およびエッジノード106のIPアドレス#6をエッジノード105に送信する。エッジノード105への送信は、例えばエッジノード106および中継ノード103を介して行う。
【0069】
旧エッジノードは、例えば移動機のIPアドレスと新エッジノード(転送先エッジノード)のIPアドレスとの対応関係を表す転送テーブルを作成し(S302)、その後、その移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信したときは、そのデータに新エッジノードのIPアドレスを付加して新エッジノードに送信(転送)する。図6の例では、エッジノード105が移動機109のIPアドレス#9が付加されたデータを受信すると、そのデータをエッジノード106のIPアドレス#6を付加してエッジノード106に送信する。
【0070】
このようにして、コネクションレス網において、ハンドオーバ制御を実現することができる。この第2のハンドオーバ制御例を用いれば、第1のハンドオーバ制御例を用いる場合に比べてデータ(パケット)損失を少なくすることができる。
【0071】
ただし、この第2のハンドオーバ制御例では、移動機がはじめに在圏していたエッジノードを起点に中継されるため、伝送遅延や輻輳(例えば図6のエッジノード105および中継ノード103間での輻輳)が生ずるおそれがある。そのため、何らかの契機で第1のハンドオーバ制御例のように位置情報サーバ100を更新することが考えられる。
【0072】
更新の契機としては、通信が終了したこと、データがなくなってある時間が経過したこと等が考えられる。また、旧エッジノードが新エッジノードに転送し始めてから一定時間経過した後に更新してもよい。さらに、あるエッジノードのトラヒックがしきい値を超えた場合に、そのエッジノードが転送を行う移動機のIPアドレスに関し、更新を行うようにしてもよい。
【0073】
位置情報サーバ100の更新は、旧エッジノードがゲートノード102に移動機のIPアドレスおよび新エッジノードのIPアドレスを送信することにより行う。旧エッジノードはそれらのIPアドレスを送信した後、自己の転送テーブル等を解放するが、データ(パケット)損失防止のため、位置情報サーバ100の更新が行われたことの通知をゲートノード102から受けた後で解放することが好ましい。
【0074】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態においては、ルーティングを移動機のIPアドレスにより行う。
【0075】
図8は、本発明の第2実施形態に係る移動通信ネットワークの例を示す図である。以下、本発明の第1実施形態に係る移動通信ネットワークとの差異を中心に説明する。
【0076】
本実施形態に係る移動通信ネットワークは、データ配信サーバ201、ゲートノード202、中継ノード203、204、およびエッジノード205〜208を備えるが、位置情報サーバは備えない。
【0077】
データ配信サーバ201、ゲートノード202、中継ノード203、204、およびエッジノード205〜208はIPアドレス(本実施形態ではそれぞれ#1、#2、#3、#4、#5〜#8)を有し、移動機209もIPアドレス(本実施形態では#9)を有する。
【0078】
ゲートノード202および中継ノード203、204は、データのルーティングをルーティング情報に基づき行うルーティングノードである。
【0079】
図9は、本発明の第2実施形態に係る移動通信ネットワークにおけるデータの配信方法例を示すフローチャートである。
【0080】
データ配信サーバ201がデータ(IPパケット)を配信したい移動機のIPアドレスを管理しており、データに移動機のIPアドレスを付加してゲートノード202に送信することは、本発明の第1実施形態の場合と同様である(S401)。
【0081】
ゲートノード202は、受信したデータに付加された移動機のIPアドレスに基づき該データのルーティングを行う(S402)。ゲートノード202は、ルーティング情報を有しており、ルーティング情報には、移動機のIPアドレスに対する送信ルートの情報が含まれている。ゲートノード202は、すべての移動機(のIPアドレス)について、送信ルートの情報を有する。
【0082】
図8の例において、ゲートノード202は、IPアドレス#9を有する移動機209が在圏するエリアを監視するエッジノードに向かう方路はIPアドレス#3を有する中継ノード203であるというルーティング情報を有している。したがって、移動機のIPアドレス#9が付加されたデータを受信したゲートノード202は、該データを中継ノード203に送信する。
【0083】
本実施形態においては移動機のIPアドレスによりルーティングを行っており、エッジノードのIPアドレスによりルーティングを行う本発明の第1実施形態とは異なる。したがって、位置情報サーバは必要ない。
【0084】
中継ノード203、204も、受信したデータに付加された移動機のIPアドレスに基づき該データを他の中継ノードまたはエッジノードに送信する(S402)。中継ノード203、204も、ルーティング情報を有しており、ルーティング情報には、移動機のIPアドレスに対する送信ルートの情報が含まれている。中継ノード203、204は、自配下のエッジノードの監視エリアに在圏する移動機(のIPアドレス)について、送信ルートの情報を有する。
【0085】
図8の例において、中継ノード203は、IPアドレス#9を有する移動機209が在圏するエリアを監視するエッジノードに向かう方路はIPアドレス#5を有するエッジノード205であるというルーティング情報を有している。
【0086】
データがエッジノード205〜208に到達すると(S403)、エッジノード205〜208が受信したデータに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機に該データを送信すること(S404)、および移動機209がエッジノードから送信されてきた自分宛てのデータを受信すること(S405)は、本発明の第1実施形態の場合と同様である。
【0087】
以上のような構成、手順により、コネクションレス網、コネクションレス型転送が実現され、データ配信の際に、呼制御信号を飛ばす必要性をなくすことができる。
【0088】
本実施形態では、本発明の第1実施形態の場合と比べて、ネットワーク全体で必要となるルーティング情報の量が多くなるが、集中管理(位置情報サーバ)が不要になる。
【0089】
データに付加する移動機のIPアドレスとして、移動機のグループのIPアドレスを付加できるようにすることができる。
【0090】
その場合、例えばゲートノード202および中継ノード203、204に、移動機のグループのIPアドレスに対する、該グループに属する移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスの情報(グループ情報)をもたせる。
【0091】
ゲートノード202および中継ノード203、204は、受信したデータに移動機のグループのIPアドレスが付加されている場合には、まずグループ情報に基づきそのIPアドレスに対応する移動機のIPアドレスを取得する。次にルーティング情報に基づきそれらの移動機のIPアドレスに対応する送信ルートを取得する。ゲートノード202および中継ノード203、204は、取得した送信ルートの分だけ受信したデータを複製する。そして、データを移動機に向けて送信する。データには移動機のグループのIPアドレスが付加されているので、次の中継ノードにおいても同様の処理が行われる。データはエッジノードにおいて移動機分だけ複製され、各移動機に送信される。
【0092】
グループ情報は、例えばデータとともにゲートノード202に送信するか、またはゲートノード202にあらかじめもたせた上で、ゲートノード202が一斉同報して各中継ノード203、204に知らせるようにすることができる。各ゲートノード202および中継ノード203、204は、グループのIPアドレスが付加されたデータのルーティングを行う際にグループ情報を有すればよい。したがって、例えばゲートノード202がグループのIPアドレスが付加されたデータのルーティングを行う度にグループ情報を中継ノード203、204に一斉同報するようにし、各中継ノード203、204がそのデータのルーティングをした後にグループ情報を消去するようにすることもできる。
【0093】
このように、移動機のグループのIPアドレスを付加できるようにすることにより、移動機ごとにデータを配信する必要がなくなり、データ配信サーバの負荷が軽減される。また、データは必要な場合にのみ複製され、送信されるので、ネットワークの輻輳を防止することもできる。
【0094】
また、データに付加する移動機のIPアドレスとして、複数の移動機のIPアドレスを付加できるようにすることができる。
【0095】
ゲートノード202および中継ノード203、204は、受信したデータに複数の移動機のIPアドレスが付加されている場合には、ルーティング情報に基づきそれらの移動機のIPアドレスに対応する送信ルートを取得する。ゲートノード202および中継ノード203、204は、取得した送信ルートの分だけ受信したデータを複製する。各データには各送信ルートに対応する移動機のIPアドレスを付加する。そして、データを移動機に向けて送信する。データはエッジノードにおいて移動機分だけ複製され、各移動機に送信される。
【0096】
図8において、例えばエッジノード205〜207の各監視エリアに移動機が1つずつ在圏する場合を考える。これら3つの移動機のIPアドレスが付加されたデータがゲートノード202に送られてきた場合、データはゲートノード202で2つ分だけ複製されて、中継ノード203および204に送られ、中継ノード203で2つ分だけ複製されて、エッジノード205および206に送られ、中継ノード204で1つ分だけ複製されて(これは複製を行わないことに等しい)、エッジノード207に送られる。
【0097】
このように、複数の移動機のIPアドレスを付加できるようにすることにより、移動機ごとにデータを配信する必要がなくなり、データ配信サーバの負荷が軽減される。また、データは必要な場合にのみ複製され、送信されるので、ネットワークの輻輳を防止することもできる。
【0098】
なお、本発明の第1実施形態と同様に、データ配信サーバ201は、移動機209からの要求に応じて、移動機209にデータを配信するようにすることができる。
【0099】
図10は、本発明の第2実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第1のハンドオーバ制御例を説明するための図であり、図11は、本発明の第2実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第1のハンドオーバ制御例を示すフローチャートである。ハンドオーバ制御を、移動機209がエッジノード205の監視エリアからエッジノード206の監視エリアに移動した場合を例として説明する。
【0100】
エッジノード205〜208は自己の監視エリアに対し、自己のIPアドレスを報知しており、移動機209はエッジノードが報知したIPアドレスを受信し、記憶する。
【0101】
移動機209は、報知されているIPアドレスが現在記憶しているIPアドレスと異なった場合には、在圏するエリアが変わったものと判断し、自己のIPアドレスを新エッジノードに送信する(S501)。図10の例では、移動機209は、自己のIPアドレスをエッジノード206に送信する。
【0102】
新エッジノードは、上位のルーティングノード(中継ノードまたはゲートノード)に移動した移動機のIPアドレスを送信する(S502)。あるノードの上位のノードとは、そのノードにデータを送信するノードのことである。移動機のIPアドレスを受信したルーティングノードは、その移動機(のIPアドレス)に関して自己のルーティング情報を更新する(その移動機について情報がない場合は新規に作成する)(S503)。そして、さらに上位のルーティングノードに移動機のIPアドレスを送信する。この処理を、旧エッジノードへの送信ルートと新エッジノードへの送信ルートとの分岐点となるルーティングノードまで繰り返す(S504、S505)。
【0103】
図10の例では、新エッジノードの上位のルーティングノードは中継ノード203であり、旧エッジノード(エッジノード205)への送信ルートと新エッジノード(エッジノード206)への送信ルートとの分岐点となるルーティングノードも中継ノード203である。したがって、中継ノード203において、移動機209(のIPアドレス)に関してルーティング情報が更新され、方路がエッジノード205(IPアドレス#5)からエッジノード206(IPアドレス#6)に変更される。
【0104】
ここで、移動機209がエッジノード206の監視エリアからエッジノード207の監視エリアに移動した場合を例として考えると、新エッジノードの上位のルーティングノードは中継ノード204であり、旧エッジノード(エッジノード206)への送信ルートと新エッジノード(エッジノード207)への送信ルートとの分岐点となるルーティングノードはゲートノード202である。したがって、中継ノード204およびゲートノード202において、移動機209(のIPアドレス)に関してルーティング情報が更新される。
【0105】
旧エッジノードへの送信ルートと新エッジノードへの送信ルートとの分岐点となるルーティングノードを判別できるようにするためには、例えば、最上位ノード(図10の例では、ゲートノード202)から、移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードまでの送信ルート中のルーティングノード以外のルーティングノードでは、常に上位のルーティングノードにルーティングするようにする方法が考えられる。新エッジノードの上位のルーティングノードから上位に向かって順にルーティング情報を調べていき、下位のルーティングノードにルーティングするルーティング情報があれば、そのルーティングノードが分岐点となるルーティングノードであることがわかる。
【0106】
同様に、最上位ノードから、移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードまでの送信ルート中のルーティングノード以外のルーティングノードでは、その移動機のルーティング情報を持たないようにする方法が考えられる。新エッジノードの上位のルーティングノードから上位に向かって順にルーティング情報を調べていき、移動した移動機に関するルーティング情報があれば、そのルーティングノードが分岐点となるルーティングノードであることがわかる。
【0107】
以上のような方法を用いる場合には、新エッジノードの上位のルーティングノードから分岐点となるルーティングノードまでのルーティング情報を更新した後に、分岐点となるルーティングノードの下位のルーティングノードから旧エッジノードの上位のルーティングノードまでにおいて、移動した移動機に関するルーティング情報を更新する(上位ノードに送信するようにするか、またはルーティング情報を削除する)。このルーティング情報を更新する信号は、分岐点となるルーティングノードが作成して通知してもよいし、新エッジノードが作成して通知してもよい。
【0108】
なお、新エッジノードから最上位ノードまで辿っていき、移動した移動機宛のデータが最上位ノードから新エッジノードに送信されるように、各ルーティングノードにおいて、移動した移動機のルーティング情報を必要に応じて更新する方法も考えられる。
【0109】
以上のルーティング情報の更新方法は、移動機の電源を入れた場合等にも用いることができる。
【0110】
このようにして、コネクションレス網において、ハンドオーバ制御を実現することができる。
【0111】
図12は、本発明の第2実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第2のハンドオーバ制御例を説明するための図であり、図13は、本発明の第2実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第2のハンドオーバ制御例を示すフローチャートである。ハンドオーバ制御を、移動機209がエッジノード205の監視エリアからエッジノード206の監視エリアに移動した場合を例として説明する。
【0112】
エッジノード205〜208は自己の監視エリアに対し、自己のIPアドレスを報知しており、移動機209はエッジノードが報知したIPアドレスを受信し、記憶する。
【0113】
移動機209は、報知されているIPアドレスが現在記憶しているIPアドレスと異なった場合には、在圏するエリアが変わったものと判断し、自己のIPアドレスおよび新エッジノードのIPアドレスを旧エッジノードに送信する(S601)。図12の例では、移動機209は、自己のIPアドレス#9およびエッジノード206のIPアドレス#6をエッジノード205に送信する。エッジノード205への送信は、例えば図12に示すように、各ルーティングノードのルーティング情報に、エッジノードのIPアドレスに対する送信ルートの情報を含ませることにより実現することができる。
【0114】
旧エッジノードは、例えば移動機のIPアドレスと新エッジノード(転送先エッジノード)のIPアドレスとの対応関係を表す転送テーブルを作成し(S602)、その後、その移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信したときは、そのデータに新エッジノードのIPアドレスを付加して新エッジノードに送信(転送)する。図12の例では、エッジノード205が移動機209のIPアドレス#9が付加されたデータを受信すると、そのデータをエッジノード206のIPアドレス#6を付加してエッジノード206に送信する。新エッジノード206への送信は、上述のように例えば、各ルーティングノードのルーティング情報に、エッジノードのIPアドレスに対する送信ルートの情報を含ませることにより実現することができる。
【0115】
このようにして、コネクションレス網において、ハンドオーバ制御を実現することができる。この第2のハンドオーバ制御例を用いれば、第1のハンドオーバ制御例を用いる場合に比べてデータ(パケット)損失を少なくすることができる。
【0116】
ただし、この第2のハンドオーバ制御例では、移動機がはじめに在圏していたエッジノードを起点に中継されるため、伝送遅延や輻輳(例えば図12のエッジノード105および中継ノード103間での輻輳)が生ずるおそれがある。そのため、何らかの契機で第1のハンドオーバ制御例のように中継ノードのルーティング情報を更新することが考えられる。
【0117】
更新の契機については、本発明の第1実施形態の場合と同様である。
【0118】
ルーティング情報の更新は、例えば第1のハンドオーバ制御例のように、新エッジノードの上位のルーティングノードから分岐点となるノードへ向けて行う。旧エッジノードの更新テーブル等の解放は、データ(パケット)損失防止のため、分岐点となるノードのルーティング情報を更新した後で行うことが好ましい。
【0119】
以上のように本発明の第2実施形態においては位置情報サーバは不要である。すなわち、ユーザの位置を登録しておくHLR、VLR等の位置情報サーバをネットワークに備えておかなくても、移動通信におけるデータ配信、ハンドオーバ制御等を行うことができる。
【0120】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態においては、移動機間のデータの送受信を実現する。ルーティングは、第1実施形態と同様に、エッジノードのIPアドレスにより行う。
【0121】
図14は、本発明の第3実施形態に係る移動通信ネットワークの例を示す図である。
【0122】
本実施形態に係る移動通信ネットワークは、ゲートノード302、中継ノード303、304、エッジノード305〜308、および位置情報サーバ300を備える。各ノードおよびサーバの機能は、第1実施形態における対応する各ノードおよびサーバの機能と同様である。
【0123】
ゲートノード302、中継ノード303、304、およびエッジノード305〜308はIPアドレス(本実施形態ではそれぞれ#2、#3、#4、#5〜#8)を有し、移動機309、310もIPアドレス(本実施形態ではそれぞれ#9、#10)を有する。
【0124】
ゲートノード302および中継ノード303、304は、データのルーティングをルーティング情報に基づき行うルーティングノードである。
【0125】
図15は、本発明の第3実施形態に係る移動通信ネットワークにおける移動機間のデータ送受信方法例の一部を示すフローチャートである。
【0126】
移動機(例えば、移動機309)が、データ(IPパケット)に、通信相手の移動機(例えば、移動機310)のIPアドレス(この場合は#10)を付加して、エッジノード(この場合はエッジノード305)に送信したとする(ステップS701)。
【0127】
エッジノードは、受信したデータに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスを取得するため、位置情報サーバ300にアクセスする(S702)。本実施形態において、エッジノードは、取得した対応関係の情報(テーブル)を生成し、管理する。これにより、次からは位置情報サーバ300にアクセスする必要がなくなる。ただし、パケットを受信する度に位置情報サーバ300にアクセスするようにしてもよい(この場合、テーブルは不要である)。また、周期的に位置情報サーバ300にアクセスしてテーブルを更新するようにしてもよい(この場合、パケットごとにアクセスする場合より位置情報サーバ300の負担は軽くなる)。
【0128】
エッジノードは、位置情報サーバ300にアクセスしてエッジノードのIPアドレスを取得した後、該エッジノードのIPアドレスを受信したデータに付加して(S703)、すなわちエッジノード宛てのIPパケットに受信した移動機宛てのIPパケットをカプセリングして、ルーティングノードに送信する(S704)。
【0129】
図14の例では、各エッジノードは、1つの中継ノードとしか接続されていないので、その中継ノードにデータを送信することになる。ただし、エッジノードを複数の中継ノードに接続して、エッジノードがデータの宛先エッジノードのIPアドレスに基づいてルーティングを行うようにしてもよい。
【0130】
データの以降のルーティングは、第1実施形態と同様である。例えば、移動機309から移動機310に向けて送信されたデータは、エッジノード305、中継ノード303およびエッジノード306を介して、移動機310に到達する。移動機310から移動機309へデータを送信する場合も同様である。
【0131】
図16は、本発明の第3実施形態に係る移動通信ネットワークにおけるエッジノードが生成し、管理するテーブルの例を示す図である。エッジノード305は、移動機309から移動機310宛のデータを受信し、移動機310のエッジノードがエッジノード306であることを知ると、図16に示すテーブルを生成し、管理する。エッジノード306は、移動機310から移動機309宛のデータを受信し、移動機309のエッジノードがエッジノード305であることを知ると、図16に示すテーブルを生成し、管理する。
【0132】
図17は、本発明の第3実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第1のハンドオーバ制御例を説明するための図であり、図18は、本発明の第3実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第1のハンドオーバ制御例を示すフローチャートである。ハンドオーバ制御を、移動機310がエッジノード306の監視エリアからエッジノード307の監視エリアに移動した場合を例として説明する。
【0133】
移動機310は、報知されているIPアドレスが現在記憶しているIPアドレスと異なった場合には、在圏するエリアが変わったものと判断し、自己のIPアドレスおよび新エッジノードのIPアドレスを、通信相手の移動機(移動機309)が在圏するエリアを監視するエッジノード(相手方エッジノード、この場合はエッジノード305)に送信する(S801)。
【0134】
相手方エッジノードへ新たに対応する2つのIPアドレス(移動機310のIPアドレスおよびエッジノード307のIPアドレス)を送信する方法としては、いくつかの方法が考えられる。例えば、移動した移動機310が、通信相手の移動機309のIPアドレスを新エッジノードであるエッジノード307に通知し、エッジノード307が位置情報サーバ300にアクセスして、移動機309のエッジノード(エッジノード305)を知り、エッジノード305に新たに対応する2つのIPアドレスを送信する方法がある。
【0135】
また、例えば、移動した移動機310が、旧エッジノードがエッジノード306であることを、新エッジノードであるエッジノード307に通知し、エッジノード307がエッジノード306に新たに対応する2つのIPアドレスを送信し、エッジノード306がエッジノード305に新たに対応する2つのIPアドレスを送信する(エッジノード306は、自己のテーブルにより、移動機310が移動機309と通信しており、その移動機309のエッジノードがエッジノード305であることを知っている)方法もある。この方法を用いた場合、エッジノード306は、不要になった移動機310に関するテーブルを削除することができる。
【0136】
また、例えば、上記2つの方法において、エッジノード307またはエッジノード306が位置情報サーバ300に移動機310に関する情報を更新するように通知し(新たに対応する2つのIPアドレスを通知し)、位置情報サーバ300がエッジノード305に移動機310に関する情報(テーブル)を更新するように通知する(新たに対応する2つのIPアドレスを通知する)方法もある。
【0137】
エッジノード305は、受信した新たに対応する2つのIPアドレスに基づき自己のテーブルを更新する。すなわち、移動機310のIPアドレスとエッジノード307のIPアドレスとが対応するように自己のテーブルを更新する(S802)。
【0138】
図17の例では、エッジノード305のテーブルにおいて、移動機310が在圏するエッジノードのIPアドレスが#6から#7に更新される。更新後、移動機310のIPアドレス#10が付加されたデータは、エッジノード305において、エッジノード307のIPアドレス#7が付加されて送信される。
【0139】
図19は、本発明の第3実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第2のハンドオーバ制御例を説明するための図であり、図20は、本発明の第3実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第2のハンドオーバ制御例を示すフローチャートである。ハンドオーバ制御を、移動機310がエッジノード306の監視エリアからエッジノード307の監視エリアに移動した場合を例として説明する。
【0140】
移動機310は、報知されているIPアドレスが現在記憶しているIPアドレスと異なった場合には、在圏するエリアが変わったものと判断し、自己のIPアドレスおよび新エッジノードのIPアドレスを旧エッジノードに送信する(S901)。図19の例では、移動機310は、自己のIPアドレス#10およびエッジノード307のIPアドレス#7をエッジノード306に送信する。エッジノード306への送信は、例えばエッジノード307、中継ノード304、ゲートノード302および中継ノード303を介して行う。
【0141】
旧エッジノードは、例えば移動機のIPアドレスと新エッジノード(転送先エッジノード)のIPアドレスとの対応関係を表す転送テーブルを作成し(S902)、その後、その移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信したときは、そのデータに新エッジノードのIPアドレスを付加して新エッジノードに送信(転送)する。図19の例では、エッジノード306が移動機310のIPアドレス#10が付加されたデータを受信すると、そのデータをエッジノード307のIPアドレス#7を付加してエッジノード307に送信する。
【0142】
この第2のハンドオーバ制御例を用いれば、第1のハンドオーバ制御例を用いる場合に比べてデータ(パケット)損失を少なくすることができる。
【0143】
ただし、この第2のハンドオーバ制御例では、移動機がはじめに在圏していたエッジノードを起点に中継されるため、伝送遅延や輻輳が生ずるおそれがある。そのため、何らかの契機で第1のハンドオーバ制御例のように、相手方エッジノードのテーブルを更新することが考えられる。
【0144】
更新の契機については、本発明の第1実施形態の場合と同様である。
【0145】
相手方エッジノードのテーブルの更新は、旧エッジノードが相手方エッジノードに移動機のIPアドレスおよび新エッジノードのIPアドレスを送信することにより行う。旧エッジノードはそれらのIPアドレスを送信した後、自己の転送テーブル等を解放するが、データ(パケット)損失防止のため、相手方エッジノードのテーブルの更新が行われたことの通知を相手方エッジノードから受けた後で解放することが好ましい。
【0146】
なお、エッジノードがパケットを受信する度に位置情報サーバ300にアクセスする方式を採用する場合、エッジノードにテーブルは不要であり、したがって、ハンドオーバ時に、相手方エッジノードのテーブルを更新する必要はない。この場合、例えば、移動した移動機が位置情報サーバ300に自己のIPアドレスおよび新エッジノードのIPアドレスを通知し、位置情報サーバ300がそれらのIPアドレスに基づき自己の情報を更新するようにすればよい。
【0147】
エッジノードが周期的に位置情報サーバ300にアクセスしてテーブルを更新する方式を採用する場合に、ハンドオーバがあったときは、上述のような方法で相手方エッジノードのテーブルを更新してもよいし、更新を行わないようにしてもよい。ただし、更新を行わない場合には、ハンドオーバから次の周期的更新までの間、パケットロスが発生することになる。
【0148】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態においても、移動機間のデータの送受信を実現する。ルーティングは、第2実施形態と同様に、移動機のIPアドレスにより行う。
【0149】
図21は、本発明の第4実施形態に係る移動通信ネットワークの例を示す図である。
【0150】
本実施形態に係る移動通信ネットワークは、ゲートノード402、中継ノード403、404、およびエッジノード405〜408を備えるが、位置情報サーバは備えない。各ノードの機能は、第2実施形態における対応する各ノードの機能と同様である。
【0151】
ゲートノード402、中継ノード403、404、およびエッジノード405〜408はIPアドレス(本実施形態ではそれぞれ#2、#3、#4、#5〜#8)を有し、移動機409、410もIPアドレス(本実施形態ではそれぞれ#9、#10)を有する。
【0152】
ゲートノード402および中継ノード403、404は、データのルーティングをルーティング情報に基づき行うルーティングノードである。
【0153】
図22は、本発明の第4実施形態に係る移動通信ネットワークにおける移動機間のデータ送受信方法例の一部を示すフローチャートである。
【0154】
移動機(例えば、移動機409)が、データ(IPパケット)に、通信相手の移動機(例えば、移動機410)のIPアドレス(この場合は#10)を付加して、エッジノード(この場合はエッジノード405)に送信したとする(ステップS1001)。
【0155】
すると、エッジノードは、受信したデータをルーティングノードに送信する(S1002)。図21の例でも、第3実施形態と同様に、各エッジノードは、1つの中継ノードとしか接続されていないので、その中継ノードにデータを送信することになる。
【0156】
データの以降のルーティングは、第2実施形態と同様である。例えば、移動機309から移動機310に向けて送信されたデータは、エッジノード305、中継ノード303およびエッジノード306を介して、移動機310に到達する。移動機310から移動機309へデータを送信する場合も同様である。
【0157】
図23は、本発明の第4実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第1のハンドオーバ制御例を説明するための図であり、図24Aおよび図24Bは、本発明の第4実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第1のハンドオーバ制御例を示すフローチャートである。ハンドオーバ制御を、移動機410がエッジノード406の監視エリアからエッジノード407の監視エリアに移動した場合を例として説明する。
【0158】
移動機410は、報知されているIPアドレスが現在記憶しているIPアドレスと異なった場合には、在圏するエリアが変わったものと判断し、自己のIPアドレスを新エッジノードに送信する(S1101)。図23の例では、移動機410は、自己のIPアドレスをエッジノード407に送信する。
【0159】
新エッジノードは、上位のルーティングノード(中継ノードまたはゲートノード)に移動した移動機のIPアドレスを送信する(S1102)。移動機のIPアドレスを受信したルーティングノードは、その移動機(のIPアドレス)に関して自己のルーティング情報を更新する(その移動機について情報がない場合は新規に作成する)(S1103)。そして、さらに上位のルーティングノードに移動機のIPアドレスを送信する。この処理を、旧エッジノードへの送信ルートと新エッジノードへの送信ルートとの分岐点となるルーティングノードまで繰り返す(S1104、S1105)。
【0160】
図23の例では、新エッジノードの上位のルーティングノードは中継ノード404であり、旧エッジノード(エッジノード406)への送信ルートと新エッジノード(エッジノード407)への送信ルートとの分岐点となるルーティングノードはゲートノード402である。したがって、中継ノード404およびゲートノード402において、移動機410(のIPアドレス)に関してルーティング情報が更新される。
【0161】
分岐点となるルーティングノードに到達するとステップS1106に進む。ステップS1106では、現ノードが旧エッジノードの上位のルーティングノードか否かを判断し、そうであれば処理は終了となる。そうでなければ、移動機のIPアドレスを、旧エッジノードに向かう下位のルーティングノードに送信する(S1107)。下位のルーティングノードは、送信されてきた移動機のIPアドレスに関し、自己のルーティング情報を更新する(S1108)。すなわち、その移動機宛のデータが送られてきた場合には、上位のルーティングノードに送信するように自己のルーティング情報を更新する。ただし、ステップS1108で、その移動機のルーティング情報を削除するようにすることもできる。この場合、各ルーティングノードは、受信したデータに付加された移動機(のIPアドレス)に関するルーティング情報がない場合には、上位のルーティングノードに送信するようにすればよい。ステップS1108の後、再びステップS1106に進む。
【0162】
図25は、本発明の第4実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第2のハンドオーバ制御例を説明するための図であり、図26は、本発明の第4実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第2のハンドオーバ制御例を示すフローチャートである。ハンドオーバ制御を、移動機410がエッジノード406の監視エリアからエッジノード407の監視エリアに移動した場合を例として説明する。
【0163】
移動機410は、報知されているIPアドレスが現在記憶しているIPアドレスと異なった場合には、在圏するエリアが変わったものと判断し、自己のIPアドレスおよび新エッジノードのIPアドレスを旧エッジノードに送信する(S1201)。図25の例では、移動機410は、自己のIPアドレス#10およびエッジノード407のIPアドレス#7をエッジノード406に送信する。エッジノード406への送信は、例えば図25に示すように、各ルーティングノードのルーティング情報に、エッジノードのIPアドレスに対する送信ルートの情報を含ませることにより実現することができる。
【0164】
旧エッジノードは、例えば移動機のIPアドレスと新エッジノード(転送先エッジノード)のIPアドレスとの対応関係を表す転送テーブルを作成し(S1202)、その後、その移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信したときは、そのデータに新エッジノードのIPアドレスを付加して新エッジノードに送信(転送)する。図25の例では、エッジノード406が移動機410のIPアドレス#10が付加されたデータを受信すると、そのデータをエッジノード407のIPアドレス#7を付加してエッジノード407に送信する。新エッジノード407への送信は、上述のように例えば、各ルーティングノードのルーティング情報に、エッジノードのIPアドレスに対する送信ルートの情報を含ませることにより実現することができる。
【0165】
ただし、この第2のハンドオーバ制御例では、移動機がはじめに在圏していたエッジノードを起点に中継されるため、伝送遅延や輻輳が生ずるおそれがある。そのため、何らかの契機で第1のハンドオーバ制御例のようにルーティングノードのルーティング情報を更新することが考えられる。
【0166】
更新の契機については、本発明の第1実施形態の場合と同様である。
【0167】
ルーティング情報の更新は、例えば第1のハンドオーバ制御例のように、新エッジノードの上位のルーティングノードから分岐点となるノードを経由して旧エッジノードの上位のルーティングノードへ向けて行う。旧エッジノードの更新テーブル等の解放は、データ(パケット)損失防止のため、旧エッジノードの上位のルーティングノードのルーティング情報を更新した後で行うことが好ましい。
【0168】
(その他)
以上の各実施形態で説明した機能を併せ持つ(例えば、第1実施形態と第3実施形態の機能を併せ持つ)移動通信ネットワークおよびデータ配信方法を実現することもできる。
【0169】
以上の説明では、エッジノードのIPアドレスによりルーティングを行う方法(第1実施形態および第3実施形態)と移動機のIPアドレスによりルーティングを行う方法(第2実施形態および第4実施形態)とを分けて説明したが、両方法が混在したルーティング方法も考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】本発明の第1実施形態に係る移動通信ネットワークの例を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る移動通信ネットワークにおけるデータの配信方法例を示すフローチャートである。
【図3】移動通信ネットワークにおいて送受信されるIPパケット(データ)のフォーマット例を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第1のハンドオーバ制御例を説明するための図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第1のハンドオーバ制御例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第2のハンドオーバ制御例を説明するための図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第2のハンドオーバ制御例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2実施形態に係る移動通信ネットワークの例を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る移動通信ネットワークにおけるデータの配信方法例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第1のハンドオーバ制御例を説明するための図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第1のハンドオーバ制御例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第2のハンドオーバ制御例を説明するための図である。
【図13】本発明の第2実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第2のハンドオーバ制御例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第3実施形態に係る移動通信ネットワークの例を示す図である。
【図15】本発明の第3実施形態に係る移動通信ネットワークにおける移動機間のデータ送受信方法例を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第3実施形態に係る移動通信ネットワークにおけるエッジノードが生成し、管理するテーブルの例を示す図である。
【図17】本発明の第3実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第1のハンドオーバ制御例を説明するための図である。
【図18】本発明の第3実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第1のハンドオーバ制御例を示すフローチャートである。
【図19】本発明の第3実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第2のハンドオーバ制御例を説明するための図である。
【図20】本発明の第3実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第2のハンドオーバ制御例を示すフローチャートである。
【図21】本発明の第4実施形態に係る移動通信ネットワークの例を示す図である。
【図22】本発明の第4実施形態に係る移動通信ネットワークにおける移動機間のデータ送受信方法例を示すフローチャートである。
【図23】本発明の第4実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第1のハンドオーバ制御例を説明するための図である。
【図24】図24Aと図24Bとの関係を示す図である。
【図24A】本発明の第4実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第1のハンドオーバ制御例を示すフローチャートである。
【図24B】本発明の第4実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第1のハンドオーバ制御例を示すフローチャートである。
【図25】本発明の第4実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第2のハンドオーバ制御例を説明するための図である。
【図26】本発明の第4実施形態に係る移動通信ネットワークにおける第2のハンドオーバ制御例を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信ネットワークであって、
移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信し、該データのルーティングをルーティング情報に基づき行うルーティングノードと、
前記ルーティングノードがルーティングを行ったデータを受信し、該データに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機に前記データを送信するエッジノードと、
移動機のIPアドレスに対する、該移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスの情報を管理する位置情報サーバとを備え、
前記ルーティングノードには、前記位置情報サーバとは別個に設けられたゲートノードが含まれ、
前記ゲートノードは、前記位置情報サーバにアクセスして、受信したデータに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスを取得し、該エッジノードのIPアドレスを前記受信したデータに付加し、
前記ルーティング情報には、エッジノードのIPアドレスに対する送信ルートの情報が含まれ、
前記ルーティングノードは、受信したデータに付加されたエッジノードのIPアドレスおよび前記ルーティング情報に基づき前記受信したデータのルーティングを行うことを特徴とする移動通信ネットワーク。
【請求項2】
移動通信ネットワークであって、
移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信し、該データのルーティングをルーティング情報に基づき行うルーティングノードと、
前記ルーティングノードがルーティングを行ったデータを受信し、該データに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機に前記データを送信するエッジノードと、
移動機のIPアドレスに対する、該移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスの情報を管理する位置情報サーバとを備え、
前記ルーティングノードにはゲートノードが含まれ、
前記ゲートノードは、前記位置情報サーバにアクセスして、受信したデータに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスを取得し、該エッジノードのIPアドレスを前記受信したデータに付加し、
前記ルーティング情報には、エッジノードのIPアドレスに対する送信ルートの情報が含まれ、
前記ルーティングノードは、受信したデータに付加されたエッジノードのIPアドレスおよび前記ルーティング情報に基づき前記受信したデータのルーティングを行い、
前記位置情報サーバは、ホームロケーションレジスタまたはビジティングロケーションレジスタであることを特徴とする移動通信ネットワーク。
【請求項3】
移動通信ネットワークであって、
移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信し、該データのルーティングをルーティング情報に基づき行うルーティングノードと、
前記ルーティングノードがルーティングを行ったデータを受信し、該データに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機に前記データを送信するエッジノードと、
移動機のIPアドレスに対する、該移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスの情報を管理する位置情報サーバとを備え、
前記ルーティングノードにはゲートノードが含まれ、
前記ゲートノードは、前記位置情報サーバにアクセスして、受信したデータに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスを取得し、該エッジノードのIPアドレスを前記受信したデータに付加し、
前記ルーティング情報には、エッジノードのIPアドレスに対する送信ルートの情報が含まれ、
前記ルーティングノードは、受信したデータに付加されたエッジノードのIPアドレスおよび前記ルーティング情報に基づき前記受信したデータのルーティングを行い、
前記データに付加する移動機のIPアドレスは、移動機のグループのIPアドレスとすることができ、
前記位置情報サーバは、前記移動機のグループのIPアドレスに対する、該グループに属する移動機のIPアドレスの情報を管理し、
前記ゲートノードは、受信したデータに移動機のグループのIPアドレスが付加されている場合には、前記位置情報サーバにアクセスして、前記付加された移動機のグループのIPアドレスに対応する移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスを取得し、該エッジノードの分だけ前記受信したデータを複製し、各データに各エッジノードのIPアドレス、および該エッジノードの監視エリアに在圏する移動機のIPアドレスを付加してルーティングを行うことを特徴とする移動通信ネットワーク。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の移動通信ネットワークにおいて、移動機が旧エッジノードの監視エリアから新エッジノードの監視エリアに移動した場合には、前記移動した移動機は、自己のIPアドレスおよび前記新エッジノードのIPアドレスを前記位置情報サーバに通知し、前記位置情報サーバは、前記移動した移動機のIPアドレスに対する、該移動した移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスの情報を更新することを特徴とする移動通信ネットワーク。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれかに記載の移動通信ネットワークにおいて、移動機が旧エッジノードの監視エリアから新エッジノードの監視エリアに移動した場合には、前記移動した移動機は、自己のIPアドレスおよび前記新エッジノードのIPアドレスを前記旧エッジノードに送信し、前記旧エッジノードは、その後、前記移動した移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信した場合には、該データに前記新エッジノードのIPアドレスを付加して前記新エッジノードに送信することを特徴とする移動通信ネットワーク。
【請求項6】
移動通信ネットワークであって、
移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信し、該データのルーティングをルーティング情報に基づき行うルーティングノードと、
前記ルーティングノードがルーティングを行ったデータを受信し、該データに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機に前記データを送信するエッジノードと、
移動機のIPアドレスに対する、該移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスの情報を管理する位置情報サーバとを備え、
前記エッジノードは、自己が監視するエリアに在圏する移動機が送信した、移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信し、前記位置情報サーバにアクセスして、受信したデータに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスを取得し、該エッジノードのIPアドレスを前記受信したデータに付加し、該データを前記ルーティングノードに送信し、
前記ルーティング情報には、エッジノードのIPアドレスに対する送信ルートの情報が含まれ、
前記ルーティングノードは、受信したデータに付加されたエッジノードのIPアドレスおよび前記ルーティング情報に基づき前記受信したデータのルーティングを行うことを特徴とする移動通信ネットワーク。
【請求項7】
請求項6に記載の移動通信ネットワークにおいて、前記エッジノードは、前記受信したデータに付加された移動機のIPアドレスに対する、該移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスの情報を生成し、管理することを特徴とする移動通信ネットワーク。
【請求項8】
請求項7に記載の移動通信ネットワークにおいて、他の移動機と通信中の移動機が旧エッジノードの監視エリアから新エッジノードの監視エリアに移動した場合には、前記移動した移動機は、自己のIPアドレスおよび前記新エッジノードのIPアドレスを、通信相手の移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードに送信し、該エッジノードは、前記移動した移動機のIPアドレスに対する、該移動した移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスの情報を更新することを特徴とする移動通信ネットワーク。
【請求項9】
請求項7に記載の移動通信ネットワークにおいて、移動機が旧エッジノードの監視エリアから新エッジノードの監視エリアに移動した場合には、前記移動した移動機は、自己のIPアドレスおよび前記新エッジノードのIPアドレスを前記旧エッジノードに送信し、前記旧エッジノードは、その後、前記移動した移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信した場合には、該データに前記新エッジノードのIPアドレスを付加して前記新エッジノードに送信することを特徴とする移動通信ネットワーク。
【請求項10】
請求項6に記載の移動通信ネットワークにおいて、移動機が旧エッジノードの監視エリアから新エッジノードの監視エリアに移動した場合には、前記移動した移動機は、自己のIPアドレスおよび前記新エッジノードのIPアドレスを前記位置情報サーバに通知し、該位置情報サーバは、前記移動した移動機のIPアドレスに対する、該移動した移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスの情報を更新することを特徴とする移動通信ネットワーク。
【請求項11】
移動通信ネットワークであって、
移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信し、該データのルーティングをルーティング情報に基づき行うルーティングノードと、
前記ルーティングノードがルーティングを行ったデータを受信し、該データに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機に前記データを送信するエッジノードとを備え、
前記ルーティング情報には、移動機のIPアドレスに対する送信ルートの情報が含まれ、
前記ルーティングノードは、受信したデータに付加された移動機のIPアドレスおよび前記ルーティング情報に基づき前記受信したデータのルーティングを行うことを特徴とする移動通信ネットワーク。
【請求項12】
移動通信ネットワークであって、
移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信し、該データのルーティングをルーティング情報に基づき行うルーティングノードと、
前記ルーティングノードがルーティングを行ったデータを受信し、該データに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機に前記データを送信するエッジノードとを備え、
前記エッジノードは、自己が監視するエリアに在圏する移動機が送信した、移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信し、該データを前記ルーティングノードに送信し、
前記ルーティング情報には、移動機のIPアドレスに対する送信ルートの情報が含まれ、
前記ルーティングノードは、受信したデータに付加された移動機のIPアドレスおよび前記ルーティング情報に基づき前記受信したデータのルーティングを行うことを特徴とする移動通信ネットワーク。
【請求項13】
ルーティングノードおよびエッジノードを備えた移動通信ネットワークにおけるデータ配信方法であって、
前記ルーティングノードにおいて、移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信し、該データのルーティングをルーティング情報に基づき行うステップと、
前記エッジノードにおいて、前記ルーティングノードがルーティングを行ったデータを受信し、該データに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機に前記データを送信するステップとを備え、
前記移動通信ネットワークは、移動機のIPアドレスに対する、該移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスの情報を管理する位置情報サーバをさらに備え、
前記ルーティングノードには、前記位置情報サーバとは別個に設けられたゲートノードが含まれ、
前記ゲートノードは、前記位置情報サーバにアクセスして、受信したデータに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスを取得し、該エッジノードのIPアドレスを前記受信したデータに付加し、
前記ルーティング情報には、エッジノードのIPアドレスに対する送信ルートの情報が含まれ、
前記ルーティングノードは、受信したデータに付加されたエッジノードのIPアドレスおよび前記ルーティング情報に基づき前記受信したデータのルーティングを行うことを特徴とするデータ配信方法。
【請求項14】
ルーティングノードおよびエッジノードを備えた移動通信ネットワークにおけるデータ配信方法であって、
前記ルーティングノードにおいて、移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信し、該データのルーティングをルーティング情報に基づき行うステップと、
前記エッジノードにおいて、前記ルーティングノードがルーティングを行ったデータを受信し、該データに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機に前記データを送信するステップとを備え、
前記移動通信ネットワークは、移動機のIPアドレスに対する、該移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスの情報を管理する位置情報サーバをさらに備え、
前記ルーティングノードにはゲートノードが含まれ、
前記ゲートノードは、前記位置情報サーバにアクセスして、受信したデータに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスを取得し、該エッジノードのIPアドレスを前記受信したデータに付加し、
前記ルーティング情報には、エッジノードのIPアドレスに対する送信ルートの情報が含まれ、
前記ルーティングノードは、受信したデータに付加されたエッジノードのIPアドレスおよび前記ルーティング情報に基づき前記受信したデータのルーティングを行い、
前記位置情報サーバは、ホームロケーションレジスタまたはビジティングロケーションレジスタであることを特徴とするデータ配信方法。
【請求項15】
ルーティングノードおよびエッジノードを備えた移動通信ネットワークにおけるデータ配信方法であって、
前記ルーティングノードにおいて、移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信し、該データのルーティングをルーティング情報に基づき行うステップと、
前記エッジノードにおいて、前記ルーティングノードがルーティングを行ったデータを受信し、該データに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機に前記データを送信するステップとを備え、
前記移動通信ネットワークは、移動機のIPアドレスに対する、該移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスの情報を管理する位置情報サーバをさらに備え、
前記ルーティングノードにはゲートノードが含まれ、
前記ゲートノードは、前記位置情報サーバにアクセスして、受信したデータに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスを取得し、該エッジノードのIPアドレスを前記受信したデータに付加し、
前記ルーティング情報には、エッジノードのIPアドレスに対する送信ルートの情報が含まれ、
前記ルーティングノードは、受信したデータに付加されたエッジノードのIPアドレスおよび前記ルーティング情報に基づき前記受信したデータのルーティングを行い、
前記データに付加する移動機のIPアドレスは、移動機のグループのIPアドレスとすることができ、
前記位置情報サーバは、前記移動機のグループのIPアドレスに対する、該グループに属する移動機のIPアドレスの情報を管理し、
前記ゲートノードは、受信したデータに移動機のグループのIPアドレスが付加されている場合には、前記位置情報サーバにアクセスして、前記付加された移動機のグループのIPアドレスに対応する移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスを取得し、該エッジノードの分だけ前記受信したデータを複製し、各データに各エッジノードのIPアドレス、および該エッジノードの監視エリアに在圏する移動機のIPアドレスを付加してルーティングを行うことを特徴とするデータ配信方法。
【請求項16】
ルーティングノードおよびエッジノードを備えた移動通信ネットワークにおけるデータ配信方法であって、
前記ルーティングノードにおいて、移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信し、該データのルーティングをルーティング情報に基づき行うステップと、
前記エッジノードにおいて、前記ルーティングノードがルーティングを行ったデータを受信し、該データに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機に前記データを送信するステップとを備え、
前記移動通信ネットワークは、移動機のIPアドレスに対する、該移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスの情報を管理する位置情報サーバをさらに備え、
前記エッジノードは、自己が監視するエリアに在圏する移動機が送信した、移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信し、前記位置情報サーバにアクセスして、受信したデータに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機が在圏するエリアを監視するエッジノードのIPアドレスを取得し、該エッジノードのIPアドレスを前記受信したデータに付加し、該データを前記ルーティングノードに送信し、
前記ルーティング情報には、エッジノードのIPアドレスに対する送信ルートの情報が含まれ、
前記ルーティングノードは、受信したデータに付加されたエッジノードのIPアドレスおよび前記ルーティング情報に基づき前記受信したデータのルーティングを行うことを特徴とするデータ配信方法。
【請求項17】
ルーティングノードおよびエッジノードを備えた移動通信ネットワークにおけるデータ配信方法であって、
前記ルーティングノードにおいて、移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信し、該データのルーティングをルーティング情報に基づき行うステップと、
前記エッジノードにおいて、前記ルーティングノードがルーティングを行ったデータを受信し、該データに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機に前記データを送信するステップとを備え、
前記ルーティング情報には、移動機のIPアドレスに対する送信ルートの情報が含まれ、
前記ルーティングノードは、受信したデータに付加された移動機のIPアドレスおよび前記ルーティング情報に基づき前記受信したデータのルーティングを行うことを特徴とするデータ配信方法。
【請求項18】
ルーティングノードおよびエッジノードを備えた移動通信ネットワークにおけるデータ配信方法であって、
前記ルーティングノードにおいて、移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信し、該データのルーティングをルーティング情報に基づき行うステップと、
前記エッジノードにおいて、前記ルーティングノードがルーティングを行ったデータを受信し、該データに付加された移動機のIPアドレスに対応する移動機に前記データを送信するステップとを備え、
前記エッジノードは、自己が監視するエリアに在圏する移動機が送信した、移動機のIPアドレスが付加されたデータを受信し、該データを前記ルーティングノードに送信し、
前記ルーティング情報には、移動機のIPアドレスに対する送信ルートの情報が含まれ、
前記ルーティングノードは、受信したデータに付加された移動機のIPアドレスおよび前記ルーティング情報に基づき前記受信したデータのルーティングを行うことを特徴とするデータ配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2006−238494(P2006−238494A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−144514(P2006−144514)
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【分割の表示】特願2001−502389(P2001−502389)の分割
【原出願日】平成12年6月2日(2000.6.2)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】