説明

移送経路上を移送流の形態で搬送される印刷製品を方向転換するための方法

【課題】第1の移送装置のクランプに吊り下げられた印刷製品を転向後に別の移送装置のクランプに引渡し可能にする方法及び装置を提供する。
【解決手段】移動経路2上を移送流の形態で搬送される印刷製品3を方向転換するための方法において、印刷製品3が、第1の移送装置5の移送終了部の前で、それぞれ、印刷製品3が把持される周縁領域の側から移送流18の形態の印刷製品3の前面及び後面に挿入される引渡し装置12によって把持され、移送経路2の円弧状に形成された方向転換区間11上で転向され、次いで、把持されていた周縁領域6とは反対側の印刷製品3の周縁領域76をもって、ほぼ同方向に駆動される別の移送装置15の閉鎖可能なクランプ14に引き渡され、これにより、印刷製品3が、別の移送装置15に吊り下げられた状態で把持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷製品が、回動する第1の移送装置のクランプに周縁領域を把持され、吊り下げられた状態で搬送され、移送方向に対して横に延在する軸を中心として印刷製品を方向転換する方向転換区間を通過した後、反対側の周縁領域を同期駆動される別の移送装置のクランプによって把持され、吊り下げられた状態で更に搬送される、移動経路上を移送流の形態で搬送される印刷製品を方向転換するための方法に関する。
【0002】
更に、本発明は、移送方向に間隔を置いて相前後してガイドホイールに案内された牽引手段に固定されたクランプを備える、同期駆動される後続の別の移送装置のクランプに印刷製品を引き渡すための第1の移送装置から成り、第1の移送装置と別の移送装置を移送に関して有効に結合する方向転換区間を有し、この方向転換区間上で、印刷製品が、引渡し装置によって把持された後に、この引渡し装置によって方向転換され、反対側の自由な周縁領域をもって別の移送装置のクランプに導入される、回動する第1の移送装置のクランプに周縁領域を把持され、吊り下げられた状態で移送経路上を移送流の形態で搬送される印刷製品を方向転換するための装置に関する。
【背景技術】
【0003】
特許文献1によれば、周縁部で吊り下げられた状態で供給される印刷製品が、反対側の自由な周縁部で安定化及び方向転換されて別の移送装置のクランプに引き渡される、平坦な対象、特に印刷製品、の安定化と位置決めをするための方法及び装置が公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1 547 950号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、第1の移送装置のクランプに吊り下げられた印刷製品を転向後に別の移送装置のクランプに引渡し可能にする方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この課題は、方法においては、印刷製品が、第1の移送装置の移送終了部の前で、それぞれ、印刷製品が把持される周縁領域の側から移送流の形態の印刷製品の前面及び後面に挿入される引渡し装置によって把持され、移送経路の円弧状に形成された方向転換区間上で転向され、次いで、把持されていた周縁領域とは反対側の印刷製品の周縁領域をもって、ほぼ同方向に駆動される別の移送装置の閉鎖可能なクランプに引き渡され、これにより、印刷製品が、別の移送装置に吊り下げられた状態で把持されていることによって解決される。
【0007】
冒頭で述べた方式の装置は、引渡し装置が、第1の移送装置の移送領域終了部と別の移送装置の間の円弧状に形成された方向転換区間上に、規則的な間隔で回動する制御式の引渡しトングを備え、これら引渡しトングが、第1の移送装置のクランプに周縁領域をもって印刷製品が吊り下げられるように把持される側から、移送流の形態の印刷製品の前面及び後面に挿入され、摩擦あるいは力により印刷製品を把持し、印刷製品を方向転換するための方向転換区間上で、移送方向に対して横に延在する軸を中心として印刷製品を方向転換し、方向転換後、反対側の周縁領域を吊り下げるように把持するための、位置をずらして配設された別の移送装置のクランプに引き渡すことによって、際立っている。
【0008】
引き続き、本発明による方法と本発明による装置を、説明で詳細には言及されてない全ての詳細に関して参照すべき図面と従来技術に関連させた実施例に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明による装置の側面図を示す。
【図2】印刷製品の方向転換領域内の図1の装置の横断面図を示す。
【図3】引渡し装置と協働する第1の移送装置を示す。
【図4】引渡し装置とこれに付設された制御装置を示す。
【図5】引渡し装置の部分横断面図を示す。
【図6】別の移送装置と協働する引渡し装置を示す。
【図7】供給装置のクランプのための開放メカニズムを非作動状態にするための切換え装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1〜3は、移送経路2上を移送流の形態で搬送される印刷製品3を方向転換するための装置1を示す。印刷製品は、回動する第1の移送装置5のクランプ4に印刷製品3の周縁領域6で吊り下げられるように把持されて搬送される。第1の移送装置5は、牽引手段10によって構成された作業区間7と空送り区間8を備える搬送機であり、これら区間は、ガイドホイール9(図2参照)によって分離され、作業区間7は、空送り区間8の下に延在する。第1の移送装置の作業区間7は、ガイドホイール9の下部掛かり部分にまで延在し、搬送される印刷製品3を制御装置21の位置調整可能な制御カム28によって開放されるクランプ4から解放した後に終了する(図1参照)。この場合、ガイドホイール9の周囲に対する半径方向の間隔の増加と共に方向転換区間11が始まり、この方向転換区間上で、印刷製品3が、引渡し装置12において下部と上部を入れ替えるように方向転換され、以前把持されていた周縁領域6とは反対側の周縁部76を、別の移送装置15の開放したクランプ14に供給され、この別の移送装置は、引渡し装置12の周軌道16の上部掛かり部分に対してほぼ接線方向に延在し、その回転方向Dとほぼ同方向で、ガイドホイール9に対する印刷製品3の供給方向Fとはほぼ反対方向か、第1の移送装置5の空送り区間8の移送方向Fとほぼ同方向に延在する。
【0011】
移送経路2上のガイドホイール9に達する直前で、供給される印刷製品流の両側に、即ち印刷製品3の前面と後面に、引渡し装置12を構成する、図3では円形軌道16上を規則的な間隔で回動する引渡しトング17が挿入される。このため、操作可能なそれぞれ2つのトング部分19,20から構成される引渡しトング17が開放位置に変位されるので、第1のトング部分19は、移送方向Fで印刷製品3の前を移動し、第2のトング部分は、この印刷製品3の後を移動する。即ち、第1の移送装置5で搬送される各印刷製品3に、移送方向に対して横から見て左側と右側のそれぞれ1つの引渡しトング17が対応し、この引渡しトングは、別の移送装置15のクランプ14に引き渡すための引渡しトング17によって把持収容する際に第1の移送装置5のクランプ4が解放される前の印刷製品3に対応する。印刷製品3の移送経路2上で、第1の移送装置5の移送領域終了部から別の移送装置15への引渡し箇所まで、引渡し装置12が方向転換区間11を構成し、この方向転換区間上で、印刷製品3は、第1の移送装置5での吊下げ位置から、引渡しトング17によって力により把持され、そこから方向転換をされつつクランプ14に引き渡される。移送流18に引渡しトング17を組み入れている間に、引渡しトング17は、移送経路2に配設された制御装置ユニット23によって開放位置から(徐々に)閉鎖位置に変位され、第1の移送装置5のクランプ4は、引渡しトング17の閉鎖時に開放される(図1参照)。このため、第1の移送装置5のクランプ4を開放するために設定された制御装置21と、引渡しトング17を開閉するために引渡し装置12に付設された第2と第3の制御装置22,32とから構成された制御装置ユニット23が使用可能である。引渡しトング17の閉鎖運動は、先ず、第3の制御装置32に沿って行なわれ、次いで位置調整可能な第2の制御装置22に沿って行なわれる。別の移送経路2と方向転換区間11上で、引渡しトング17内に存在する印刷製品3は、制御装置33によって更に方向転換され、引渡しトング17に対応する別の移送装置15のクランプ14に向かって案内される。第1の移送装置5のクランプ4とこれに対応する引渡しトングの協働時に生じた印刷製品3の突出部分26は、別の移送装置15のクランプ14に引き渡す時に掴み代として役立つか、方向転換後にクランプ14によって印刷製品3を把持する反対側の周縁部に相当する。移送経路2に沿って配設されたあるいは方向転換区間11の開始部に配設された制御装置21は、引渡しトング17に印刷製品3を引き渡した時に第1の移送装置5のクランプ4を開放するために設けられている。この制御装置21は、第1の制御カム28を備え、この第1の制御カムに沿って、第1の移送装置5のクランプ4の制御レバー29が通過する。クランプ4の開放は、方向転換区間11上での引渡しトング17の閉鎖と共に行なわれる。別の移送装置15のクランプ14に印刷製品3を引き渡すための閉鎖した引渡しトング17の方向調整は、制御軌道30によって行なわれる(図1及び2参照)。
【0012】
異なった大きさのサイズの印刷製品を運ぶことができるように、制御装置21,22は、位置調整可能に形成されており、引渡しトング17の円形軌道16は、第1の移送装置5のガイドホイール9に対して位置をずらして配設されている。制御装置21,22は、印刷製品のサイズが小さい場合には、移送流18への引渡しトング17の組入れ直後に第1の移送装置5のクランプから引渡し装置12の引渡しトング17への印刷製品3の引渡しが行なわれるように、位置調整される。印刷製品のサイズが大きい場合には、制御装置21,22は、クランプ4を遅く開放し、引渡しトング17を遅く閉鎖するように、位置調整される。従って、クランプ4から引渡しトング17への印刷製品3の引渡しは、方向転換区間11の下流方向にずれる。従って、クランプ14に更に引き渡すために望ましい突出部分26を異なったサイズの印刷製品3に方向転換区間11で備えさせることが、簡単に達成できる。
【0013】
次いで、図面に基づいて、各図から認めることのできない装置1の機能方式と、その特徴と、その構成を説明する。
【0014】
図1は、シーケンシャルな表現で、第1の移送装置5、例えば搬送機、によって吊り下げられた状態で供給される、上部周縁領域6を閉鎖されたクランプ4によって把持された印刷製品3の搬送を示す。水平回転軸31のガイド領域又は搬送機5の移送終了部で、印刷製品3は、制御装置21に沿った制御レバー29によるクランプ4の開放後、引渡し装置12に引き渡され、この引渡し装置が、引渡しトング17によって引き継いだ印刷製品3を別の移送装置15に搬送する。引渡し装置12による印刷製品3の引継ぎ後、クランプ4は、印刷製品3の移送経路2と制御装置21から、図示してない装入ステーションの方向に離れる。この工程では、印刷製品3は、吊下げ位置から、引渡し装置12を介して方向転換され、クランプ4に把持された周縁領域6とは反対側の周縁領域76を、別の移送装置15のクランプ14に導入される。この経路上で、閉鎖された引渡しトング17は、回転するハブ52のホルダ51において、引継ぎ位置から、別の移送装置15のクランプ14への装入のために使用される引渡し位置に旋回される(図1,3,4,6参照)。
【0015】
引渡し装置12に印刷製品3を引き渡すためのクランプ4の開放は、図7に抜粋して図示したように、制御装置21の切換え装置54の空気圧又は電気により作動可能な操作機構53による制御装置21の旋回離脱によって防止することができる。印刷製品3がクランプ4に残っている場合には、印刷製品は、第1の移送装置5によって更に搬送される。この目的のため、ロータ66は、軸方向外方に位置調整することができるので、引渡しトング17は、もはや移送流18に入らない。
【0016】
既に述べた図1〜6に示した引渡し装置12は、回動軸55において回転するロータ66を構成する2つのハブ52の周囲に、開閉可能な引渡しトング17を備え、この引渡しトングは、印刷製品3を、第1の移送装置5の引渡し領域で力により把持し、別の移送装置15の引渡し位置に旋回する。引渡しトング17は、本質的に、レバー状に形成された2つのトング部分19,20から、即ち前を移動するトング部分19と後を移動するトング部分20から成り、これらトング部分は、ハブ52に固定されたホルダ51において、水平旋回軸56を中心として運動可能である。回動する引渡しトング17を制御するために、そのトング部分19,20は、角度を付けたレバーアームを有する2重レバーとして形成されている。この場合、前を移動するトング部分19は、回同軸55に対して外方に突出するレバーアーム57と、旋回軸56においてこのレバーアームと固定結合された、自由端に、後を移動する自由回転する2つのローラ58を備えるガイドアーム59とから成り、このガイドアームは、引渡しトング17の開閉をするためのレバーアーム57の姿勢を決定する。引渡しトング17の閉鎖は、トング部分19,20を結合する引張バネ60によって得られる。前を移動するトング部分19の開放位置は、引渡しトング17の開放領域にわたって延在する開放した制御軌道61によって形成された固定の制御装置32によって生じる。引渡しトング17の開放は、印刷製品3が別の移送装置15のクランプ14によって把持された瞬間に行なわれ、印刷製品3が第1の移送装置5のクランプ4にから引き継がれる箇所まで行なわれる(図1,3,4,6参照)。
【0017】
後を移動するトング部分20は、トング部分19のように角度を付けたレバーアーム62,63を有する2重レバーとして形成され、これらレバーアームの一方のレバーアーム62は、外方に突出し、鋭角に配設された他方のレバーアーム63との結合領域で旋回軸56に枢着されている。回動方向Eとは反対方向に延在するトング部分20のガイドアーム64は、自由端に、係合可能に形成された制御軌道30内を移動するローラ65を備える。この関係を、図1〜4は、第1の移送装置5による供給から別の移送装置15への引渡しまでの印刷製品3の移送経路2上の引渡しトング17のシーケンシャルな表現によって示す。引渡しトング17の閉鎖の維持は、引張バネ60によって得られ、これに対して、引渡しトング17の開放は、制御装置22及び32によって行なわれる。
【0018】
図5には、引渡しトング17の個々の部品が、隣接する2つのハブ52と、このハブの周囲に規則的な間隔で固定されたホルダ51とから構成された引渡し装置12のロータ66への配設に関して示されている。トング部分19,20は、それぞれ補強を意図して、有効な安定化のために役立つ2倍の数の個々の部品によって構成されている。個々の部品は、スペーサ67によって横方向に互いに間隔を置いており、トング部分19,20の自由端のスペーサ67は、軸68,69によって延長されており、この軸に、把持体70が、自由回転可能に固定されている。把持体70は、シリンダ状のスリーブとして形成されており、摩擦に有利な表面を備え、その間に、移動方向の両面で印刷製品3を挟むことができる。
【0019】
図6は、印刷製品3が引渡しトング17の把持体70間に挟まれた引渡し装置12を示す。特に、図6は、どのように、印刷製品が、引渡しトング17により把持された後に下部と上部を入れ替えるように方向転換され、別の移送装置15のクランプ14に導入されるかを示す。図6は、引渡し装置12の立体図と、両側から印刷製品3を固定する引渡しトング17の2重構成を示すが、引渡しトングの把持体70は、向かい合うように反体方向に向けられているので、把持体は、後を移動するトング部分20に固定された支持要素71によって支援された印刷製品3の安定を生じさせる。
【0020】
図5及び6は、ロータ66のハブ52を片側に固定し、制御装置ユニット23の後面に固定されたモータ73によって駆動結合された歯車72を示す。
【0021】
更に、図4は、移送経路2に沿って制御軌道61を変化させるための位置調整可能な制御装置22が制御装置32と有効結合されていることによって、第1の移送装置5から印刷製品3を引き継ぐ際に引渡しトング17の閉鎖運動の位置調整の可能性を示す。制御装置22は、印刷製品3を引き継ぐ際に引渡しトング17を閉鎖するために形成された制御カム24を備える。制御装置22は、制御装置32に配設された切換え装置77と結合されている。電気又は空気圧により作動可能な操作機構78は、制御装置22を所望の姿勢に移動させるので、引渡しトング17の閉鎖は、クランプ4の開放と同調されている。
【符号の説明】
【0022】
2 移送経路
3 印刷製品
4 クランプ
5 第1の移送装置
6 周縁領域
7 作業区間
8 空送り区間
9 ガイドホイール
10 牽引手段
11 方向転換区間
12 引渡し装置
14 クランプ
15 別の移送装置
16 円形軌道
17 引渡しトング
18 移送流
19 第1のトング部分
20 第2のトング部分
21 制御装置
22 第2の制御装置
23 制御装置ユニット
24 制御カム
26 突出部分
28 第1の制御カム
29 制御レバー
30 制御軌道
31 回転軸
32 第3の制御装置
33 制御装置
51 ホルダ
52 ハブ
53 操作機構
54 切換え装置
55 回動軸
56 旋回軸
57 レバーアーム
58 ローラ
59 ガイドアーム
60 引張バネ
61 制御軌道
62 レバーアーム
63 レバーアーム
64 ガイドアーム
65 ローラ
66 ロータ
67 スペーサ
68 軸
69 軸
70 把持体
71 支持要素
72 歯車
73 モータ
76 周縁部
77 切換え装置
78 操作機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷製品(3)が、回動する第1の移送装置(5)のクランプ(4)に周縁領域(6)を把持され、吊り下げられた状態で搬送され、移送方向に対して横に延在する軸を中心として印刷製品(3)を方向転換する方向転換区間(11)を通過した後、反対側の周縁領域(76)を同期駆動される別の移送装置(15)のクランプ(14)によって把持され、吊り下げられた状態で更に搬送される、移動経路(2)上を移送流の形態で搬送される印刷製品(3)を方向転換するための方法において、
印刷製品(3)が、第1の移送装置(5)の移送終了部の前で、それぞれ、印刷製品(3)が把持される周縁領域の側から移送流(18)の形態の印刷製品(3)の前面及び後面に挿入される引渡し装置(12)によって把持され、移送経路(2)の円弧状に形成された方向転換区間(11)上で転向され、次いで、把持されていた周縁領域(6)とは反対側の印刷製品(3)の周縁領域(76)をもって、ほぼ同方向に駆動される別の移送装置(15)の閉鎖可能なクランプ(14)に引き渡され、これにより、印刷製品(3)が、別の移送装置(15)に吊り下げられた状態で把持されていることを特徴とする方法。
【請求項2】
印刷製品(3)のクランプ(14)への導入が、方向転換区間(11)の終了部の前で行なわれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
引渡し装置(12)が、無端の回動軌道あるいは円形軌道上で連続的に回動し、規則的な間隔で、摩擦あるいは力を加える引渡しトング(17)を備え、この引渡しトングが、少なくとも方向転換区間(11)上で印刷製品(3)に沿って閉鎖位置に制御可能なトング部分(19,20)を備え、これらトング部分が、印刷製品(3)を力により把持するために閉鎖位置に変位可能であり、方向転換区間(11)の終了領域で引渡しトング(17)の開放位置に変位可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも方向転換区間(11)上で、各印刷製品(3)に引渡し装置(12)の引渡しトング(17)が対応することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
引渡し装置(12)の引渡しトング(17)が、移送流内に導入される側から、印刷製品(3)の移送流外に導出されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
引渡しトング(17)が、方向転換区間(11)上で印刷製品(3)を把持するために開放位置から閉鎖位置に変位され、第1の移送装置(5)のクランプ(4)が直接開放されるか、印刷製品(3)が第1の移送装置から取り外されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
引渡しトング(17)からの印刷製品(3)の取外しが、グリッパ(4)の開放ポイントと引渡しトング(17)の閉鎖ポイントに依存して行なわれることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
印刷製品(3)の移送経路(2)上で、引渡しトング(17)が、方向転換区間(11)の下部掛かり領域で閉鎖され、上部掛かり領域で開放されることを特徴とする請求項2〜7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
印刷製品が、方向転換区間(11)上で、引渡しトング(17)によって引き取り、別の移送装置(15)のクランプ(14)に引き渡すために、方向調整に関して姿勢変更可能に制御されることを特徴とする請求項2〜8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
第1の移送装置(5)の移送終了部が、クランプ(4)を備える牽引手段(10)のガイドホイール(9)によって構成される、請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法において、
湾曲した方向転換区間(11)が、外側に変位し、ガイドホイール(9)に向かって延在することを特徴とする方法。
【請求項11】
移送方向(F)に間隔を置いて相前後してガイドホイール(9)に案内された牽引手段(10)に固定されたクランプ(4)を備える、同期駆動される後続の別の移送装置(15)のクランプ(14)に印刷製品(3)を引き渡すための第1の移送装置(5)から成り、第1の移送装置(5)と別の移送装置(15)を移送に関して有効に結合する方向転換区間(11)を有し、この方向転換区間上で、印刷製品(3)が、引渡し装置(12)によって把持された後に、この引渡し装置によって方向転換され、反対側の自由な周縁領域(76)をもって別の移送装置(15)のクランプ(14)に導入される、回動する第1の移送装置(5)のクランプ(4)に周縁領域(6)を把持され、吊り下げられた状態で移送経路(2)上を移送流の形態で搬送される印刷製品(3)を方向転換するための装置において、
引渡し装置(12)が、第1の移送装置(5)の移送領域終了部と別の移送装置(15)の間の円弧状に形成された方向転換区間(11)上に、規則的な間隔で回動する制御式の引渡しトング(17)を備え、これら引渡しトングが、第1の移送装置(5)のクランプ(4)に周縁領域(6)をもって印刷製品(3)が吊り下げられるように把持される側から、移送流(18)の形態の印刷製品(3)の前面及び後面に挿入され、摩擦あるいは力により印刷製品(3)を把持し、印刷製品(3)を方向転換するための方向転換区間(11)上で、移送方向に対して横に延在する軸を中心として印刷製品(3)を方向転換し、方向転換後、反対側の周縁領域(76)を吊り下げるように把持するための、位置をずらして配設された別の移送装置(15)のクランプ(14)に引き渡すことを特徴とする装置。
【請求項12】
第1の移送装置(5)のクランプ(4)側の引渡しトング(17)が、無端の回動軌道上を回動している間に、開放位置から、続く方向転換区間(11)上で、印刷製品(3)を摩擦及び力により把持する閉鎖位置に制御可能なトング部分(19,20)を備え、これらトング部分が、第1の移送装置(5)のクランプ(4)が開放する際あるいは開放した後に印刷製品(3)を把持し、これにより、トング部分が、方向転換区間(11)の上で方向転換区間に対してほぼ接線方向に延在する別の移送装置(15)のクランプ(14)に引渡し可能であることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
印刷製品(3)のそれぞれ前側及び後側で移送流に挿入される引渡しトング(17)のトング部分(19,20)に、引渡しトング(17)あるいはそのトング部分(19,20)の閉鎖及び開放をし、かつ方向転換区間(11)上で印刷製品(3)の方向調整をし、かつ第1の移送装置(5)のクランプ(4)と別の移送装置(15)のクランプ(14)の開放及び閉鎖をするための制御装置ユニットが付設されていることを特徴とする請求項11又は12に記載の装置。
【請求項14】
制御装置ユニットが、第1の移送装置(5)のクランプ(4)の開放をするために設けられた第1の制御装置(21)と、引渡し装置(12)の引渡しトング(17)の開放及び閉鎖をするために設けられた別の制御装置(22,32)とを備えることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
制御装置(21,22,32)が、制御カム又は制御軌道(28,24,30)によって形成されており、これら制御カム又は制御軌道と、一方では第1の移送装置(5)のクランプ(4)が結合可能であり、他方では引渡し装置(12)の引渡しトング(17)が結合可能であることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
制御装置(21,22)が、位置調整可能に形成されていることを特徴とする請求項14又は15に記載の装置
【請求項17】
引渡し装置(12)あるいは引渡しトング(17)の回動軌道が、第1の移送装置(5)のガイドホイール(9)の軸(31)に対して位置をずらして配設されていることを特徴とする請求項12〜16のいずれか1つに記載の装置。
【請求項18】
作業区間(7)として使用される第1の移送装置(5)の下側の区間が、別の移送装置(15)の移送方向(G)に対して逆方向に駆動されていることを特徴とする請求項11〜17のいずれか1つに記載の装置。
【請求項19】
別の移送装置(15)に対する引渡しトング(17)の接近領域に、別の移送装置のクランプ(14)に作用する閉鎖装置(79)が配設されていることを特徴とする請求項11〜18のいずれか1つに記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−254475(P2010−254475A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−95588(P2010−95588)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(502200092)ミュラー・マルティニ・ホルディング・アクチエンゲゼルシヤフト (51)
【Fターム(参考)】