説明

立体映像撮影用光学装置および立体映像撮影装置

【課題】 複数の立体映像撮影専用レンズや各レンズ専用アダプタを要することなく、一般撮影用のレンズマウント規格を持つ交換レンズ群を使用して立体映像を撮影することが可能な光学装置(レンズアダプタ)を提供する。
【解決手段】 それぞれ撮像装置に直接接続して被写体像を撮影することが可能なレンズ装置2台と、撮像装置1台を使用して、視差を有する2つの被写体像を撮影する立体映像撮影装置に使用される光学装置は、第1のレンズ装置を着脱自在に取付ける第1のレンズ取付手段、第2のレンズ装置を着脱自在に取り付ける第2のレンズ取付手段、撮像部を有する撮像装置を着脱自在に取り付けるカメラ取付手段、第1及び第2のレンズ装置及び撮像装置と接続された状態において、第1及び第2のレンズ装置からの光束を時分割に交互に切り替えて撮像装置に導く切替手段を有し、第1及び第2のレンズ装置それぞれによる被写体の中間像を内部に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラやビデオカメラ、放送用カメラなどを用いた立体映像撮影装置に使用される光学装置に関し、特に交換レンズを撮像装置に直接接続して被写体像を撮影することが可能な、該交換レンズ2つと該撮像装置1つを使用して、2つの視差を有する左右の被写体像を撮影する立体映像撮影装置に使用される光学装置及びそれを有する立体映像撮影装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、視差のついた左右の被写体像を撮影し、立体的な映像として鑑賞するための映像を撮影する装置について種々の提案が成されている。
特許文献1では、1つの撮影用レンズの物体側に取り付けて、視差のついた左右の被写体像を撮影するアダプタに関する提案が開示されている。また、特許文献2では、視差のついた被写体像を撮影するための立体撮影専用レンズに関する提案が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−36229号公報
【特許文献2】特開2000−152282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
撮影の意図に合った画作りをするためには、異なる仕様の撮影レンズが複数種類必要であるが、上述の特許文献1および2に開示された従来技術では、立体撮影専用レンズを複数用意するか、各レンズ専用のアダプタが必要になってしまうという問題があった。また上記アダプタにおいて、特にワイド系の撮影レンズに対しては、撮影に必要とされる画角を包括するために、撮影用レンズの物体側に設けられたミラーを極端に大型化しなければならないという問題があった。
本発明の目的は、複数の立体撮影専用レンズや各レンズ専用アダプタを用意する手間を省き、一般撮影用のレンズマウント規格を持つ交換レンズ群が使用可能な、小型かつ簡易な構成の立体撮影用のレンズアダプタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、それぞれ撮像装置に直接接続して被写体像を撮影することが可能なレンズ装置2台と、該撮像装置1台を使用して、視差を有する2つの被写体像を撮影する立体映像撮影装置に使用される光学装置は、第1のレンズ装置を着脱自在に取り付ける第1のレンズ取り付け手段と、第2のレンズ装置を着脱自在に取り付ける第2のレンズ取り付け手段と、撮像部を有する撮像装置を着脱自在に取り付けるカメラ取り付け手段と、前記第1のレンズ装置、前記第2のレンズ装置及び前記撮像装置と接続された状態において、該第1のレンズ装置及び該第2のレンズ装置からの光束を時分割に交互に切り替えて前記撮像装置に導く切り替え手段と、を有し、該第1のレンズ装置及び該第2のレンズ装置それぞれによる被写体の中間像を内部に形成する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の目的は、複数の立体撮影専用レンズや各レンズ専用アダプタを用意する手間を省き、同一のレンズマウント規格を持つ交換レンズ群に対して共通化が可能な、小型かつ簡易な構成の立体映像撮影用の光学装置を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明における立体映像撮影装置の構成を示す概略図。
【図2】実施例1におけるレンズ系の広角端でフォーカス無限遠時の光路図。
【図3】(A)実施例1におけるレンズ系の広角端でフォーカス3m時の収差図、(B)実施例1におけるレンズ系の望遠端でフォーカス3m時の収差図。
【図4】実施例2におけるレンズ系の広角端でフォーカス無限遠時の光路図。
【図5】実施例2におけるレンズ系の広角端でフォーカス3m時の収差図。
【図6】実施例3におけるレンズ系の広角端でフォーカス無限遠時の光路図。
【図7】実施例3におけるレンズ系の広角端でフォーカス3m時の収差図。
【図8】実施例4におけるレンズ系の広角端でフォーカス無限遠時の光路図。
【図9】実施例4におけるレンズ系の広角端でフォーカス3m時の収差図。
【図10】(A)射出瞳位置を遠方に取るためのレンズ構成の模式図、(B)単純なレンズ構成における射出瞳位置の模式図。
【図11】(A)バックフォーカスを比較的長く確保するためのレンズ構成の模式図、(B)単純なレンズ構成において確保されるバックフォーカスを示した模式図。
【図12】液晶シャッターおよび偏光ビームスプリッターの概略図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に関わる立体映像撮影装置の概略図である。
【実施例1】
【0009】
以下、図1を参照して、本発明の第1の実施例による、立体映像撮影装置の概略構成について説明する。
【0010】
視差を有する2つの被写体像を撮影する本発明の立体映像撮影装置は、交換レンズであるレンズ装置を撮像装置に直接接続して被写体像を撮影することが可能な、レンズ装置2台と撮像装置1台と、交換レンズと撮像装置の間に介在する光学装置(レンズアダプタ)を含んで構成される。101は視差を有する被写体像を撮影するための左右2つの交換レンズ(第1のレンズ装置、第2のレンズ装置)、102は左右の映像を結合する光学装置であるレンズアダプタ、103はレンズ交換式の撮像カメラである。104は交換レンズを着脱自在に取り付ける手段としての取り付け部材(第1のレンズ取り付け手段、第2のレンズ取り付け手段)であり、レンズアダプタ102の一部を構成している。105は光軸を偏向させる反射部材(第1の反射部材)で、全反射ミラーやプリズム等により構成される。106はレンズ群(第1のレンズ群)、107は左右の映像を時分割により交互に切り替えて透過させる手段としての切り替え部材であり、液晶シャッター、メカニカルシャッター等が考えられる。108は光軸を偏向し、左右の被写体像の光軸を偏向させて、偏向後の光軸を一致させる反射部材(第2の反射部材)であり、偏光ビームスプリッタープリズムやハーフミラープリズム等により構成される。109はレンズ群(第2のレンズ群)、110はカメラを着脱自在に取り付ける手段としての取り付け部材(カメラ取り付け手段)であり、レンズアダプタ102の一部を構成している。111は撮像部であり、単板式もしくは色分解光学系を含めた複数板式等の撮像系から構成され、撮像素子としてCCD、CMOS、撮像管等が考えられる。
【0011】
実際の撮影時には、切り替え部材107を駆動して左右の被写体像の光束を時分割で交互に透過させ、それぞれの光束を独立に撮像素子111へと導く必要がある。撮像装置であるカメラの撮像素子は、左右の交換レンズからの被写体像を時分割で交互に受光する。レンズアダプタ102は、切り替え部材107の切替えタイミングを出力し、撮影された映像を表示装置に表示する際、あるいは、該映像を記憶装置に記憶して保存する際に、出力された切替えタイミングは、撮影された映像が左右いずれかの交換レンズからの被写体像であるかを識別するために使用される。
【0012】
以下、切り替え部材が液晶シャッターである場合の具体的な構成と動作手順とを説明する。この場合、透過した光束の偏光状態が互いに直交するように駆動制御を行うのが好ましい。以下説明のため、右側透過光束をs偏光、左側透過光束をp偏光であるとする。
【0013】
図12は、切り替え部材107としての液晶シャッターと、反射部材108としての偏光ビームスプリッターを表した概略図である。107Rは右側光束をs偏光として透過または遮断する液晶シャッター、107Lは左側光束をp偏光として透過または遮断する液晶シャッターで、108が偏光ビームスプリッタープリズムである。偏光ビームスプリッタープリズム108において、Rsはs偏光のみを反射し、Rpはp偏光のみを反射する。即ち、液晶シャッター107Rを透過したs偏光の右側光束(実線矢印)がRsでのみ反射され、液晶シャッター107Lを透過したp偏光の左側光束(点線矢印)がRpでのみ反射される。このとき、偶数(奇数)フレームでは右側の光束を透過させると同時に左側の光束を遮断し、奇数(偶数)フレームでは左側の光束を透過させると同時に右側の光束を遮断する、という動作を行うのが好ましい。以上のような構成により、左右の被写体像を交互に撮像素子111へ導くことができる。
【0014】
以上説明した様に、レンズアダプタを交換レンズと撮像カメラとの間に配置する構成にすれば、同一のレンズマウントを持つ様々な仕様の交換レンズ群に対し、共用が可能なレンズアダプタを提供できる。これにより、従来技術のように複数の立体撮影専用レンズや各レンズ専用アダプタを用意する手間が省ける。
【0015】
以下、図2を参照して、本発明の第1の実施例による、レンズアダプタ102の詳細な構成について説明する。
【0016】
201は交換レンズ、202は光軸を偏向させるための左右2系統の第1反射部材、G1は正の屈折力を有する左右2系統の第1レンズ群、203は左右の被写体像を時分割により交互に切り替えて透過させる手段としての左右2系統のシャッターである。ただし、シャッター203は第1反射部材202および第1レンズ群G1の前後または群内のいずれに配置されていても良い。204は光軸を偏向し、左右の被写体像の光軸を一致させるための第2反射部材、G2は正の屈折力を有する左右のレンズ系で共通となる第2レンズ群、205は色分解光学系、206は撮像面である。
【0017】
さらに、第1レンズ群G1は物体側から順にレンズ群G11(G11群とも記す)とレンズ群G12(G12群とも記す)とから構成されている。レンズ群G11は1枚の正レンズと1枚の負レンズとを有する接合レンズで、G12は正の屈折力を有するレンズ群である。同様に、第2レンズ群G2は物体側から順にレンズ群G21(G21群とも記す)とレンズ群G22(G22群とも記す)とから構成されている。レンズ群G21は単レンズで、G22は正の屈折力を有するレンズ群である。
【0018】
図2に点線で示されている交換レンズの一次結像面が、第1反射部材202の表面や第1レンズ群G1の内部に位置する場合、結像した被写体光が反射面の埃やガラス内部の欠陥に当たって2次光源となり、撮像面上に不要光が写りこんでしまう可能性がある。故に、上記一次結像面は、第1反射部材202と第1レンズ群G1との間など、空気間隔中に位置させるのが好ましい。
【0019】
また、交換レンズの一次結像面をレンズアダプタ内部に含み(被写体の中間像がレンズアダプタ102の内部に形成され)、撮像素子上では二次結像の状態であるため、通常撮影時に対して被写体像が上下左右反転している。そのため、本発明のレンズアダプタには、レンズアダプタが取り付けられた旨の信号をカメラに送信する送信手段と、カメラ側には上記信号の受信手段と、表示装置へ送出する映像の上下左右が通常と同じになるような反転機能を備えている事が好ましい。
【0020】
CCDなど固体撮像素子の光量低下や色分解光学系におけるホワイトシェーディングを低減するため、交換レンズは射出瞳位置を撮像面111から遠くに取り、像側テレセントリックな光学系とすることが好ましい。そのような場合、本発明のレンズアダプタを介した光学系全体としても、交換レンズと同様に射出瞳位置を撮像面から遠くに取るための構成であることが好ましい。
【0021】
一眼レフカメラや色分解光学系を含むカメラなどの撮像装置においては、交換レンズには比較的長いバックフォーカスが必要とされる。そのような場合、本発明のレンズアダプタも同様に比較的長いバックフォーカスを持っていることが好ましい。
【0022】
立体映像撮影時には、被写体距離に応じて左右の交換レンズ間の輻輳角を変更する輻輳角変更機構を有することが望ましい。輻輳角変更機構として、例えば、輻輳角を変更するために、左右の交換レンズ201の光軸角度を互いに逆方向に同量だけ変化させるよう、レンズアダプタに左右の交換レンズ201を取り付けている角度を互いに逆方向に変更し、該角度の変更に合わせて反射部材105の角度を変更する機構を有するようにしても良い。
【0023】
または、交換レンズ201の互いの設置角度が変更可能となるようにレンズアダプタを構成することなく、第1レンズ群G1の少なくとも一枚のレンズを、光軸と垂直な面内で光軸方向に対して互いに逆方向に同量だけ駆動させる構成としてもよい。つまり、左右の交換レンズ201(第1のレンズ装置、第2のレンズ装置)の光軸を含む平面において、左右の交換レンズ201の光軸を互いに逆方向に傾けるように、左右の交換レンズ201の第1レンズ群G1それぞれの少なくとも1枚のレンズを互いに光軸方向に対して逆方向に同量だけ移動させる構成としてもよい。ここで、光軸とは、絞りの中心を通り撮像素子の中心に入射する光線の光路、言い換えると撮像素子の中心に入射する光束の主光線の光路を意味することとする。
この構成においては、左右の交換レンズ201による被写体像の像面上の結像位置は、左右の交換レンズ201の光軸を結ぶ方向において互いに逆方向に移動するので、撮像された映像をそれぞれ立体映像として左目用及び右目用として表示する際には、輻輳角を変更して撮影した状態を擬似的に実現することができる。尚、ここで、第1レンズ群G1の少なくとも1枚のレンズを、光軸と垂直な面内で光軸方向に対して互いに逆方向に駆動させるとは、たとえば、光軸に沿って物体側から像側に向けて前記第1レンズ群G1の少なくとも一枚のレンズを見たとき、該レンズの移動方向が、左右の交換レンズ201に対応する該一枚のレンズは、左右の交換レンズの光軸を結ぶ方向において互いに互いに逆向きに移動することである。また、図1に示されたレンズアダプタにおいては、左右の交換レンズに対応する第1のレンズ群106中の一枚のレンズは、ともにカメラ側(図中右側)、または、ともに物体側(図中左側)に移動することを指す。
【0024】
上記の様に構成されるレンズアダプタは、以下に示す条件式(1)で規定される数値範囲を満足する。
0.90<f1/f2<1.30 ・・・(1)
f1は第1レンズ群G1の焦点距離、f2は第2レンズ群G2の焦点距離であり、条件式(1)は各群焦点距離の比についての数値範囲を規定している。
【0025】
f2に対してf1が小さすぎて条件式(1)の下限を満たさない場合は、良好な光学性能を保ちながら射出瞳位置を撮像面から遠くに維持することが困難となるのに加え、第2レンズ群の径が大きくなってコンパクト化が困難となる。逆に、f2に対してf1が大きすぎて条件式(1)の上限を満たさない場合は、良好な光学性能を保ちながら比較的長いバックフォーカスを確保することが困難となる。
【0026】
ここで更に、
0.98<f1/f2<1.22 ・・・(1a)
を満足すると尚好ましい。
【0027】
上記のレンズアダプタは、以下に示す条件式(2)で規定される数値範囲を満足する。
−0.20<1/SF11<0.40 ・・・(2)
上記条件式(2)におけるSF11は、G11群のシェイプファクターSFを表す。あるレンズ群のシェイプファクターSFは、該レンズ群の最も物体側の光学面の曲率半径R1、該レンズ群の最も像側の光学面の曲率半径R2に対して、
SF=(R2+R1)/(R2−R1)
で定義される。
【0028】
交換レンズとレンズアダプタを含めた全系の射出瞳位置を撮像面から遠方に位置させるためには、G1を介した射出瞳位置をG2の前側主点位置からG2の焦点距離f2だけ物体側に離れた位置(空気換算。以降、前側焦点位置とする。)の近傍に取る必要がある。
【0029】
一方、図2からも明らかなように、左右の交換レンズの物理的干渉を避けるため、第1反射部材202と第2反射部材204との間隔は、レンズ幅よりも広く設定することが最低限要求される。従って、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔も広くなる。
この場合、G1を介した射出瞳位置をG2の前側焦点位置近傍へ持っていくためには、G1全体としてレトロフォーカスタイプのレンズ構成とするのが好ましい。
【0030】
以下、図10を参照して、上記理由の詳細な説明を行う。
図10(B)は、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が上記の様に広い場合において、本実施例とは異なり、G1が単純な正の屈折力を持つだけのレンズアダプタを構成した場合を簡易的に表した模式図である。
【0031】
401に示した直線は近軸軸外光線である。光線401は交換レンズ402の近軸像面403上で像側テレセントリックであるため、レンズアダプタ光学系の第1レンズ群G1へは平行に入射し、G1により屈折され、更に後方の第2レンズ群G2で屈折され、撮像面407へ到達する。
しかし、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間隔が広く、第1レンズ群G1を介した射出瞳位置405はG2の前側焦点位置406よりも物体側の405に位置してしまうため、全系の射出瞳位置404は図の様に撮像面近傍に位置してしまう。
【0032】
一方、図10(A)は第1の実施例におけるレンズ配置を簡易的に表した模式図である。図10(B)と異なるのは、第1レンズ群G1の内部構成が、物体側から順に負の屈折力を持つG1aと、正の屈折力を持つG1bから成り、第1レンズ群G1全体でレトロフォーカスタイプのレンズ構成を成している点である。
このような構成とする事で、第1レンズ群G1の後側主点位置304は像側に押し出され、第1レンズ群G1を介した射出瞳位置305をG2の前側焦点位置306の位置へ持っていくことができるため、図の様に全系の射出瞳位置を撮像面から十分遠方へ位置させることができる。
【0033】
第1の実施例では上記要件を最も効果的に達成するため、レンズ群G11の最も物体側に負の屈折力の面を、最も像側に正の屈折力の面を配置している。上記の様にレンズ群構成がレトロフォーカスタイプである時、シェイプファクターの逆数は、小さい値を取る傾向がある。そのため、本発明では、条件式(2)に示されるシェイプファクターの逆数1/SF11の好ましい数値範囲を規定している。
【0034】
条件式(2)の下限を満たさない場合は、良好な光学性能を保ちながら射出瞳位置を撮像面から遠くに維持する事が困難となる。また、第1レンズ群G1を介した射出瞳位置を上記の適切な位置に保てず、より物体側に位置するため、第2レンズ群の径が大きくなってコンパクト化が困難となる。一方、条件式(2)の上限を満たさない場合は、良好な光学性能を保ちながら射出瞳位置を撮像面から遠くに維持する事が困難となる。また、第1レンズ群G1の射出瞳位置を上記の適切な位置に保てず、より像側に位置するため、第2レンズ群が後方に位置せざるを得ず、全長が長くなりコンパクト化が困難となる。
ここで更に、
−0.14<1/SF11<0.33 ・・・(2a)
を満足すると尚好ましい。
【0035】
本実施例においては、G11群は、物体側から順に、レンズ群G11は1枚の正レンズと1枚の負レンズとを有する接合レンズで構成されるレンズを例示したが、本発明はこれに限定されることはない。物体側から順に、単レンズ、または、少なくとも1枚の正レンズと少なくとも1枚の負レンズとを有する接合レンズから成るG11群であって、条件式(2)又は(2a)を満たすように構成することで、本発明の効果を享受することができる。
【0036】
上記のレンズアダプタは、以下に示す条件式(3)で規定される数値範囲を満足する。
0.00<1/SF21<0.40 ・・・(3)
上記条件式(3)におけるSF21は、G21群のシェイプファクターを表している。
レンズアダプタのバックフォーカスを比較的長く確保するためには、第2レンズ群G2全体としてレトロフォーカスタイプのレンズ構成とするのが好ましい。
【0037】
以下、図11を参照して、上記理由の詳細な説明を行う。
図11(B)は、正の屈折力を持つ第2レンズ群G2が単純に正の屈折力を持つだけの構成である場合を簡易的に表した模式図である。601に示した直線は近軸軸上光線である。602は交換レンズとG1群までのレンズ群で、603は撮像面である。またバックフォーカスはbfとして示している。
【0038】
一方、図11(A)は、第1の実施例におけるレンズ配置を簡易的に表した模式図である。501に示した直線は近軸軸上光線、502は交換レンズとG1までのレンズ群を表し、503はG2の後側主点位置で、504は撮像面である。
【0039】
更に、全体として正の屈折力を持つ第2レンズ群G2の内部構成は、物体側から順に負の屈折力を持つG2a、正の屈折力を持つG2bから成り、第2レンズ群G2全体でレトロフォーカスタイプのレンズ構成を成している。このような構成とする事で、G2の後側主点位置503を像側に押し出し、図11(A)の構成と比べてバックフォーカスbfを比較的長く確保することができることが分かる。
【0040】
第1の実施例では上記要件を最も効果的に達成するため、レンズ群G21の最も物体側に負の屈折力の面を、最も像側に正の屈折力の面を配置している。本発明では、条件式(2)で述べた全く同一の理由で、条件式(3)に示されるシェイプファクターの逆数1/SF21の好ましい数値範囲を規定している。
【0041】
条件式(3)の下限を満たさない場合は、良好な光学性能を保ちながら必要なバックフォーカスを確保することが困難となる。条件式(3)の上限を満たさない場合は、第2レンズ群の径が大きくなりコンパクト化が困難となる。
ここで更に、
0.05<1/SF21<0.34 ・・・(3a)
を満足すると尚好ましい。
【0042】
本実施例においては、G21群を単レンズで構成した例を示したが、本発明はこれに限定されることはない。G21群を、物体側から順に、単レンズ、または、少なくとも1枚の正レンズと少なくとも1枚の負レンズとを有する接合レンズで構成し、条件式(3)または(3a)を満たすように構成することによっても本発明の効果を得ることができる。 上記の様な装置構成と条件式を満足することにより、本発明における第1の実施例は、同一のレンズマウントを持つ様々な仕様の交換レンズ群に対し共用が可能な、小型かつ簡易な構成の立体撮影用のレンズアダプタを提供することが可能となる。
【0043】
図2は、本発明の第1の実施例であるレンズ系についての広角端で無限遠物体に合焦しているときの光路図である。また、第1の実施例に対応する光学数値データを数値実施例1に示す。数値実施例の数値データにおいて、面番号は物体側から第i番目の光学面、rは第i番目の光学面の曲率半径、dは第i番目と第i+1番目の光学面の間隔、ndは第i番目と第i+1番目の光学面の間の媒体の屈折率、νdは第i番目と第i+1番目の光学面の間の媒体のアッベ数、有効径は、第i番目と第i+1番目の間の光学要素の有効径を表す。以下の数値実施例2乃至4についても同様である。図3(A)は、第1の実施例の広角端における被写体距離3mの物体に合焦しているときの縦収差図である。図3(B)は、第1の実施例の望遠端における被写体距離3mの物体に合焦しているときの縦収差図である。球面収差は0.4mm、非点収差は0.4mm、歪曲は5%、倍率色収差は、0.05mmのスケールで描かれている。尚、以下に説明する各実施例でも、収差図のスケールは同一としてある。
【0044】
第1の実施例に対応する数値実施例1は、各群焦点距離や曲率半径の値を条件式(1)〜(3)に代入すると表1の第1の実施例の欄に記述されている値となり、全ての条件式を満足している。また、更に好ましい数値範囲の条件式(1a)(2a)および(3a)についても共に満足している。これにより、第1の実施例は、良好な光学性能を保ちながら、射出瞳位置を撮像面から遠くに位置させ、比較的長いバックフォーカスを確保した、コンパクトなレンズアダプタを実現している。尚、ここで言うバックフォーカスは、数値実施例1の59面〜61面までの面間隔と、BFの値を足したものと定義し、以下に説明する各実施例でも同一の定義とする。
【0045】
また、立体映像撮影装置においては、左右のレンズの光軸間距離Dを変えることで視聴時の立体感を変化させることができる。人間の両眼視差(光軸間距離)が約65mmであるが、それより大きければ視聴時の立体感は実際よりも誇張されて感じられ、その逆では立体感は実際より小さく感じられる。第1の実施例では光軸間距離が人間の両眼視差に比べて大きく、D=120mmとなっている。
【実施例2】
【0046】
以下、本発明の第2の実施例について説明する。
第2の実施例は第1の実施例と比較して左右の交換レンズの光軸間距離D=200mmと大きくなっており、人間の感覚に比べ更に立体感を誇張するような構成となっている。その他の、交換レンズ以下、装置の構成は第1の実施例と全く同一である。
【0047】
以下、本発明の第2の実施例について説明する。
第2の実施例は第1の実施例と比較して左右の交換レンズの光軸間距離D=200mmと大きくなっており、人間の感覚に比べ更に立体感を誇張するような構成となっている。その他の、交換レンズ以下、装置の構成は第1の実施例と全く同一である。
【0048】
図4は、本発明の第2の実施例(数値実施例2)であるレンズ系についての広角端で無限遠物体に合焦しているときの光路図である。図5は、第2の実施例の広角端における被写体距離3mの物体に合焦しているときの縦収差図である。尚、交換レンズが第1の実施例と全く同じであるため、望遠端における収差図は割愛してある。
【0049】
第2の実施例に対応する数値実施例2は、各群焦点距離や曲率半径の値を条件式(1)〜(3)に代入すると表1の第2の実施例の欄に記述されている値となり、全ての条件式を満足している。また、更に好ましい数値範囲の条件式(1a)(2a)および(3a)についても共に満足している。これにより、第2の実施例は、良好な光学性能を保ちながら、射出瞳位置を撮像面から遠くに位置させ、比較的長いバックフォーカスを確保した、コンパクトなレンズアダプタを実現している。
【実施例3】
【0050】
以下、本発明の第3の実施例について説明する。
第3の実施例は第1の実施例と比較して左右の交換レンズの光軸間距離D=100mmと小さくなっており、より人間の感覚に近い立体感を感じられるような構成となっている。その他の交換レンズ以下、装置の構成は第1の実施例と全く同一である。
【0051】
以下、本発明の第3の実施例について説明する。
第3の実施例は第1の実施例と比較して左右の交換レンズの光軸間距離D=100mmと小さくなっており、より人間の感覚に近い立体感を感じられるような構成となっている。その他の交換レンズ以下、装置の構成は第1の実施例と全く同一である。
【0052】
図6は、本発明の第3の実施例(数値実施例3)であるレンズ系についての広角端で無限遠物体に合焦しているときの光路図である。図7は、第3の実施例の広角端における被写体距離3mの物体に合焦しているときの縦収差図である。尚、交換レンズが第1の実施例と全く同じであるため、望遠端における収差図は割愛してある。
【0053】
第3の実施例に対応する数値実施例3は、各群焦点距離や曲率半径の値を条件式(1)〜(3)に代入すると表1の第3の実施例の欄に記述されている値となり、全ての条件式を満足している。また、更に好ましい数値範囲の条件式(1a)(2a)および(3a)についても共に満足している。これにより、第3の実施例は、良好な光学性能を保ちながら、射出瞳位置を撮像面から遠くに位置させ、比較的長いバックフォーカスを確保した、コンパクトなレンズアダプタを実現している。
【実施例4】
【0054】
以下、本発明の第4の実施例について説明する。
第4の実施例のレンズ構成について説明する。第1レンズ群G1と第レンズ群G2の構成と、レンズ群G11、G12、G21、G22の並び順については第1の実施例と同一である。第1の実施例と異なる点はレンズ群G11とG21の内部構成であり、G11は単レンズで、G21は1枚の正レンズと1枚の負レンズとを有する接合レンズで構成される。その他、交換レンズ以下、基本的な装置の構成は第1の実施例と同一である。
【0055】
図8は、本発明の第4の実施例(数値実施例4)であるレンズ系についての広角端で無限遠物体に合焦しているときの光路図である。図9は、第4の実施例の広角端における被写体距離3mの物体に合焦しているときの縦収差図である。尚、交換レンズが第1の実施例と全く同じであるため、望遠端における収差図は割愛してある。
【0056】
第4の実施例に対応する数値実施例4は、各群焦点距離や曲率半径の値を条件式(1)〜(3)に代入すると表1の第4の実施例の欄に記述されている値となり、全ての条件式を満足している。また、更に好ましい数値範囲の条件式(1a)(2a)および(3a)についても共に満足している。これにより、第4の実施例は、良好な光学性能を保ちながら、射出瞳位置を撮像面から遠くに位置させ、比較的長いバックフォーカスを確保した、コンパクトなレンズアダプタを実現している。
また、第4の実施例は第1の実施例と左右の交換レンズの光軸間距離が等しく、D=120mmである。
【0057】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0058】
(数値実施例1)
面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 -255.551 2.50 1.74000 31.7 83.33
2 116.017 3.32 78.30
3 159.478 10.66 1.43875 95.0 78.08
4 -169.489 5.96 77.73
5 131.149 2.20 1.61340 44.3 76.16
6 75.618 0.02 74.19
7 75.377 12.37 1.43875 95.0 74.20
8 -525.485 0.15 73.91
9 93.787 10.38 1.60300 65.5 70.69
10 -299.831 0.15 69.92
11 54.733 5.40 1.72916 54.7 60.92
12 92.732 (可変) 59.93
13 48.885 0.90 1.88300 40.8 24.44
14 17.522 4.68 20.70
15 -53.332 0.80 1.81600 46.6 20.29
16 25.118 4.28 18.84
17 28.654 4.15 1.81786 23.7 18.52
18 -53.487 0.59 17.87
19 -34.766 0.80 1.77250 49.6 17.65
20 88.499 (可変) 17.02
21 -27.616 0.90 1.77250 49.6 17.80
22 43.086 2.42 1.84666 23.9 19.30
23 -481.564 (可変) 19.78
24(絞り) ∞ 1.10 24.33
25 231.826 3.56 1.51742 52.4 25.37
26 -46.618 0.20 25.94
27 168.010 3.04 1.51742 52.4 26.79
28 -81.919 0.20 27.01
29 69.136 6.07 1.51742 52.4 27.20
30 -30.903 1.30 1.81600 46.6 27.06
31 -320.915 32.00 27.41
32 49.972 6.30 1.48749 70.2 30.35
33 -48.901 0.20 30.11
34 -289.282 1.40 1.83400 37.2 28.81
35 28.438 6.00 1.50137 56.4 27.42
36 782.437 0.20 27.20
37 68.152 6.91 1.48749 70.2 27.39
38 -25.893 1.40 1.83400 37.2 27.32
39 -65.266 0.20 28.08
40 40.256 4.43 1.51112 60.5 28.10
41 -609.030 29.82 29.29
42 ∞ 14.43 30.00
43 -14.264 21.17 1.49700 81.5 11.54
44 -11.145 1.00 1.83400 37.2 19.81
45 -15.515 0.38 22.08
46 36.963 4.61 1.67003 47.2 23.48
47 -99.872 1.00 23.18
48 ∞ 1.00 1.51633 64.1 24.00
49 ∞ 16.42 24.00
50 ∞ 15.42 26.00
51 -11.766 14.63 1.56732 42.8 14.27
52 -17.168 0.38 21.50
53 -60.733 1.00 1.80100 35.0 21.50
54 24.057 8.21 1.48749 70.2 22.25
55 -35.286 0.64 23.78
56 38.982 6.99 1.49700 81.5 25.33
57 -95.088 0.50 25.45
58 28.623 5.39 1.49700 81.5 25.90
59 420.078 5.00 25.24
60 ∞ 33.00 1.60859 46.4 40.00
61 ∞ 13.20 1.51680 64.2 40.00
62 ∞ 40.00
像面 ∞

各種データ
ズーム比 15.00

焦点距離 -8.50 -127.50
Fナンバー 1.70 2.10
画角 32.91 2.47
像高 5.50 5.50
レンズ全長 397.72 397.72
BF 4.93 4.93

d12 0.80 44.35
d20 44.49 6.23
d23 6.20 0.90
d62 4.93 4.93

入射瞳位置 53.37 464.49
射出瞳位置 -184.46 -184.46
前側主点位置 44.49 251.16
後側主点位置 13.43 132.43

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 64.00 53.11 32.49 -0.47
2 13 -14.40 16.20 2.84 -9.68
3 21 -41.00 3.32 -0.17 -1.99
4 24 -32.20 268.68 -39.03 -0.43
【0059】
(数値実施例2)
面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 -255.551 2.50 1.74000 31.7 83.33
2 116.017 3.32 78.30
3 159.478 10.66 1.43875 95.0 78.08
4 -169.489 5.96 77.73
5 131.149 2.20 1.61340 44.3 76.16
6 75.618 0.02 74.19
7 75.377 12.37 1.43875 95.0 74.20
8 -525.485 0.15 73.91
9 93.787 10.38 1.60300 65.5 70.69
10 -299.831 0.15 69.92
11 54.733 5.40 1.72916 54.7 60.92
12 92.732 (可変) 59.93
13 48.885 0.90 1.88300 40.8 24.44
14 17.522 4.68 20.70
15 -53.332 0.80 1.81600 46.6 20.29
16 25.118 4.28 18.84
17 28.654 4.15 1.81786 23.7 18.52
18 -53.487 0.59 17.87
19 -34.766 0.80 1.77250 49.6 17.65
20 88.499 (可変) 17.02
21 -27.616 0.90 1.77250 49.6 17.80
22 43.086 2.42 1.84666 23.9 19.30
23 -481.564 (可変) 19.78
24(絞り) ∞ 1.10 24.33
25 231.826 3.56 1.51742 52.4 25.37
26 -46.618 0.20 25.94
27 168.010 3.04 1.51742 52.4 26.79
28 -81.919 0.20 27.01
29 69.136 6.07 1.51742 52.4 27.20
30 -30.903 1.30 1.81600 46.6 27.06
31 -320.915 32.00 27.41
32 49.972 6.30 1.48749 70.2 30.35
33 -48.901 0.20 30.11
34 -289.282 1.40 1.83400 37.2 28.81
35 28.438 6.00 1.50137 56.4 27.42
36 782.437 0.20 27.20
37 68.152 6.91 1.48749 70.2 27.39
38 -25.893 1.40 1.83400 37.2 27.32
39 -65.266 0.20 28.08
40 40.256 4.43 1.51112 60.5 28.10
41 -609.030 29.82 29.28
42 ∞ 15.38 30.00
43 -12.023 33.58 1.49700 81.5 11.77
44 -14.331 1.00 1.80100 35.0 26.73
45 -21.712 0.38 30.69
46 64.235 6.26 1.67003 47.2 34.60
47 -80.635 1.00 34.64
48 ∞ 1.00 1.51633 64.1 35.00
49 ∞ 41.40 35.00
50 ∞ 30.46 35.00
51 -15.936 6.22 1.56732 42.8 21.34
52 -18.740 0.38 24.77
53 -173.883 1.00 1.80100 35.0 24.92
54 32.773 7.97 1.49700 81.5 25.24
55 -51.196 0.64 26.28
56 69.334 6.07 1.49700 81.5 26.86
57 -119.395 0.50 26.75
58 29.138 6.81 1.49700 81.5 26.07
59 319.216 5.00 24.38
60 ∞ 33.00 1.60859 46.4 40.00
61 ∞ 13.20 1.51680 64.2 40.00
62 ∞ 40.00
像面 ∞

各種データ
ズーム比 15.00

焦点距離 -8.50 -17.00 -34.00 -68.00 -127.50
Fナンバー 1.70 1.70 1.70 1.70 2.10
画角 32.91 17.93 9.19 4.62 2.47
像高 5.50 5.50 5.50 5.50 5.50
レンズ全長 446.42 446.42 446.42 446.42 446.42
BF 6.73 6.73 6.73 6.73 6.73

d12 0.80 19.24 31.64 39.85 44.35
d20 44.49 23.25 9.39 3.47 6.23
d23 6.20 8.99 10.45 8.17 0.90
d62 6.73 6.73 6.73 6.73 6.73

入射瞳位置 53.37 101.62 178.60 301.93 464.49
射出瞳位置 -134.74 -134.74 -134.74 -134.74 -134.74
前側主点位置 44.36 82.57 136.43 201.24 222.08
後側主点位置 15.23 23.73 40.73 74.73 134.23

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 64.00 53.11 32.49 -0.47
2 13 -14.40 16.20 2.84 -9.68
3 21 -41.00 3.32 -0.17 -1.99
4 24 -30.17 315.58 -38.74 1.70
【0060】
(数値実施例3)
面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 -255.551 2.50 1.74000 31.7 83.33
2 116.017 3.32 78.30
3 159.478 10.66 1.43875 95.0 78.08
4 -169.489 5.96 77.73
5 131.149 2.20 1.61340 44.3 76.16
6 75.618 0.02 74.19
7 75.377 12.37 1.43875 95.0 74.20
8 -525.485 0.15 73.91
9 93.787 10.38 1.60300 65.5 70.69
10 -299.831 0.15 69.92
11 54.733 5.40 1.72916 54.7 60.92
12 92.732 (可変) 59.93
13 48.885 0.90 1.88300 40.8 24.44
14 17.522 4.68 20.70
15 -53.332 0.80 1.81600 46.6 20.29
16 25.118 4.28 18.84
17 28.654 4.15 1.81786 23.7 18.52
18 -53.487 0.59 17.87
19 -34.766 0.80 1.77250 49.6 17.65
20 88.499 (可変) 17.02
21 -27.616 0.90 1.77250 49.6 17.80
22 43.086 2.42 1.84666 23.9 19.30
23 -481.564 (可変) 19.78
24(絞り) ∞ 1.10 24.33
25 231.826 3.56 1.51742 52.4 25.37
26 -46.618 0.20 25.94
27 168.010 3.04 1.51742 52.4 26.79
28 -81.919 0.20 27.01
29 69.136 6.07 1.51742 52.4 27.20
30 -30.903 1.30 1.81600 46.6 27.06
31 -320.915 32.00 27.41
32 49.972 6.30 1.48749 70.2 30.35
33 -48.901 0.20 30.11
34 -289.282 1.40 1.83400 37.2 28.81
35 28.438 6.00 1.50137 56.4 27.42
36 782.437 0.20 27.20
37 68.152 6.91 1.48749 70.2 27.39
38 -25.893 1.40 1.83400 37.2 27.32
39 -65.266 0.20 28.08
40 40.256 4.43 1.51112 60.5 28.10
41 -609.030 29.82 29.29
42 ∞ 13.91 16.03
43 -16.207 18.71 1.49700 81.5 11.43
44 -9.559 1.00 1.80100 35.0 17.79
45 -13.224 0.38 20.10
46 21.526 4.03 1.67003 47.2 20.67
47 89.773 1.00 19.92
48 ∞ 1.00 1.51633 64.1 20.00
49 ∞ 9.98 20.00
50 ∞ 15.30 14.43
51 -9.245 19.37 1.56732 42.8 12.20
52 -17.633 0.38 23.01
53 -70.168 1.00 1.80100 35.0 23.27
54 27.819 8.71 1.49700 81.5 24.46
55 -34.941 0.64 26.74
56 45.283 6.37 1.49700 81.5 30.62
57 -118.908 0.50 31.03
58 28.588 8.39 1.49700 81.5 31.65
59 247.237 5.00 30.18
60 ∞ 33.00 1.60859 46.4 40.00
61 ∞ 13.20 1.51680 64.2 40.00
62 ∞ 40.00
像面 ∞

各種データ
ズーム比 15.00

焦点距離 -8.50 -17.00 -34.00 -68.00 -127.50
Fナンバー 1.70 1.70 1.70 1.70 2.10
画角 32.91 17.93 9.19 4.62 2.47
像高 5.50 5.50 5.50 5.50 5.50
レンズ全長 396.70 396.70 396.70 396.70 396.70
BF 6.41 6.41 6.41 6.41 6.41

d12 0.80 19.24 31.64 39.85 44.35
d20 44.49 23.25 9.39 3.47 6.23
d23 6.20 8.99 10.45 8.17 0.90
d62 6.41 6.41 6.41 6.41 6.41

入射瞳位置 53.37 101.62 178.60 301.93 464.49
射出瞳位置 545.25 545.25 545.25 545.25 545.25
前側主点位置 45.01 85.15 146.75 242.51 367.16
後側主点位置 14.91 23.41 40.41 74.41 133.91

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 64.00 53.11 32.49 -0.47
2 13 -14.40 16.20 2.84 -9.68
3 21 -41.00 3.32 -0.17 -1.99
4 24 -43.99 266.17 -40.71 -0.91
【0061】
(数値実施例4)
面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 -255.551 2.50 1.74000 31.7 83.33
2 116.017 3.32 78.30
3 159.478 10.66 1.43875 95.0 78.08
4 -169.489 5.96 77.73
5 131.149 2.20 1.61340 44.3 76.16
6 75.618 0.02 74.19
7 75.377 12.37 1.43875 95.0 74.20
8 -525.485 0.15 73.91
9 93.787 10.38 1.60300 65.5 70.69
10 -299.831 0.15 69.92
11 54.733 5.40 1.72916 54.7 60.92
12 92.732 (可変) 59.93
13 48.885 0.90 1.88300 40.8 24.44
14 17.522 4.68 20.70
15 -53.332 0.80 1.81600 46.6 20.29
16 25.118 4.28 18.84
17 28.654 4.15 1.81786 23.7 18.52
18 -53.487 0.59 17.87
19 -34.766 0.80 1.77250 49.6 17.65
20 88.499 (可変) 17.02
21 -27.616 0.90 1.77250 49.6 17.80
22 43.086 2.42 1.84666 23.9 19.30
23 -481.564 (可変) 19.78
24(絞り) ∞ 1.10 24.33
25 231.826 3.56 1.51742 52.4 25.37
26 -46.618 0.20 25.94
27 168.010 3.04 1.51742 52.4 26.79
28 -81.919 0.20 27.01
29 69.136 6.07 1.51742 52.4 27.20
30 -30.903 1.30 1.81600 46.6 27.06
31 -320.915 32.00 27.41
32 49.972 6.30 1.48749 70.2 30.35
33 -48.901 0.20 30.11
34 -289.282 1.40 1.83400 37.2 28.81
35 28.438 6.00 1.50137 56.4 27.42
36 782.437 0.20 27.20
37 68.152 6.91 1.48749 70.2 27.39
38 -25.893 1.40 1.83400 37.2 27.32
39 -65.266 0.20 28.08
40 40.256 4.43 1.51112 60.5 28.10
41 -609.030 29.82 29.29
42 ∞ 13.08 30.00
43 -21.218 22.05 1.49700 81.5 11.22
44 -21.700 0.38 19.44
45 84.055 4.74 1.69680 55.5 19.82
46 -76.739 1.00 19.72
47 ∞ 1.00 1.51633 64.1 20.00
48 ∞ 17.72 20.00
49 ∞ 16.85 15.23
50 -13.781 9.70 1.54814 45.8 17.75
51 -13.443 1.00 1.71736 29.5 22.39
52 -16.951 0.38 24.06
53 -368.923 1.00 1.80100 35.0 24.82
54 28.478 7.55 1.48749 70.2 25.29
55 -48.480 0.64 26.30
56 42.309 5.77 1.49700 81.5 27.60
57 -102.371 0.50 27.46
58 32.789 6.49 1.49700 81.5 26.54
59 276.703 5.00 24.82
60 ∞ 33.00 1.60859 46.4 40.00
61 ∞ 13.20 1.51680 64.2 40.00
62 ∞ 40.00
像面 ∞

各種データ
ズーム比 15.00

焦点距離 -8.50 -17.00 -34.00 -68.00 -127.50
Fナンバー 1.70 1.70 1.70 1.70 2.10
画角 32.91 17.93 9.19 4.62 2.47
像高 5.50 5.50 5.50 5.50 5.50
レンズ全長 396.77 396.77 396.77 396.77 396.77
BF 7.28 7.28 7.28 7.28 7.28

d12 0.80 19.24 31.64 39.85 44.35
d20 44.49 23.25 9.39 3.47 6.23
d23 6.20 8.99 10.45 8.17 0.90
d62 7.28 7.28 7.28 7.28 7.28

入射瞳位置 53.37 101.62 178.60 301.93 464.49
射出瞳位置 -71.94 -71.94 -71.94 -71.94 -71.94
前側主点位置 43.96 80.97 130.01 175.56 131.78
後側主点位置 15.78 24.28 41.28 75.28 134.78

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 64.00 53.11 32.49 -0.47
2 13 -14.40 16.20 2.84 -9.68
3 21 -41.00 3.32 -0.17 -1.99
4 24 -25.24 265.38 -38.04 3.08
【0062】
【表1】

【符号の説明】
【0063】
101 交換レンズ
102 レンズアダプタ
103 カメラ
104 交換レンズ取り付け手段
105 反射部材
106 レンズ群
107 映像切り替え手段
108 反射部材
109 レンズ群
110 カメラ取り付け手段
111 撮像部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ撮像装置に直接接続して被写体像を撮影することが可能なレンズ装置2台と、該撮像装置1台を使用して、視差を有する2つの被写体像を撮影する立体映像撮影装置に使用される光学装置は、
第1のレンズ装置を着脱自在に取り付ける第1のレンズ取り付け手段と、
第2のレンズ装置を着脱自在に取り付ける第2のレンズ取り付け手段と、
撮像部を有する撮像装置を着脱自在に取り付けるカメラ取り付け手段と、
前記第1のレンズ装置、前記第2のレンズ装置及び前記撮像装置と接続された状態において、該第1のレンズ装置及び該第2のレンズ装置からの光束を時分割に交互に切り替えて前記撮像装置に導く切り替え手段と、
を有し、
該第1のレンズ装置及び該第2のレンズ装置それぞれによる被写体の中間像を内部に形成する、
ことを特徴とする光学装置。
【請求項2】
前記第1のレンズ装置及び前記第2のレンズ装置による被写体像の前記一次結像面は、前記第1反射部材と前記第1レンズ群の間に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】
物体側から順に、前記第1のレンズ装置及び前記第2のレンズ装置からの光束それぞれに対し、第1の反射部材と、正の屈折力を有する第1のレンズ群と、を有し、
該第1のレンズ装置及び該第2のレンズ装置からの光束を偏向し、偏向後の光軸を一致させる第2の反射部材と、
正の屈折力を有する第2のレンズ群と、
を有し、
前記第1のレンズ群は、物体側から順に、単レンズまたは少なくとも1枚の正レンズと少なくとも1枚の負レンズとを有する接合レンズから成るG11群と、正の屈折力を有するG12群と、を有し、
前記第2のレンズ群は、物体側から順に、単レンズまたは少なくとも1枚の正レンズと少なくとも1枚の負レンズとを有する接合レンズから成るG21群と、正の屈折力を有するG22群と、を有し、
前記第1レンズ群の焦点距離をf1、前記第2レンズ群の焦点距離をf2、G11群及びG21群のシェイプファクターをそれぞれSF11及びSF21、レンズ群のシェイプファクターは、該レンズ群の最も物体側の光学面の曲率半径R1、該レンズ群の最も像側の光学面の曲率半径R2によって、(R2+R1)/(R2−R1)、で定義されるとき、
0.90<f1/f2<1.30
−0.20<1/SF11<0.40
0.00<1/SF21<0.40
の少なくとも1つを満足する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の光学装置。
【請求項4】
前記切り替え手段は、該第2の反射部材より物体側に配置されることを特徴とする請求項3に記載の光学装置。
【請求項5】
前記2つの交換レンズ間の輻輳角を変更する輻輳角変更機構を有し、該輻輳角変更機構は、前記第1のレンズ群の少なくとも1枚のレンズを光軸と垂直な面内で移動させる駆動手段と、前記第1のレンズ装置の光軸と前記第2のレンズ装置の光軸とを含む平面において、前記第1のレンズ装置の光軸と前記第2のレンズ装置の光軸とを互いに逆方向に傾けるように、該第1のレンズ装置及び該第2のレンズ装置の該第1のレンズ群のそれぞれを互いに光軸方向に対して逆方向に同量だけ移動させるよう該駆動手段を制御する制御手段と、を有する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光学装置。
【請求項6】
前記切り替え手段の切り替えタイミングを出力する手段を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光学装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光学装置を備えたことを特徴とする立体映像撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−109009(P2013−109009A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251462(P2011−251462)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】