説明

筒状包装体及びその包装方法と包装装置

【課題】 ソーセージ等の筒状包装体であって、包装後の金属探知器の使用が可能で、リサイクル性の良い合成樹脂からなる封止材を使用し、封止部においてフィルムに薄肉部や微細な穴のない包装体を提供する。
【解決手段】 側端部を融着して筒状としたフィルム5内に被包装物7を充填した筒状体を、所定の間隔で外部より絞り、被包装物7を押しのけた領域のフィルムを集束板11a、11bにて集束し、2本一組の合成樹脂線材14aと14b、及び16aと16bとで挟んでその両端部に超音波を印加し、フィルム5と線材14a、14b、16a、16bが融着しないように、線材同士のみを融着させて封止すると同時に、合成樹脂線材14aと14bで封止した箇所と、16aと16bで封止した箇所との間で、集束したフィルム31に超音波を印加して溶断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状或いは練り状食品、特に、ソーセージ等の包装後に加熱処理を施す食品の包装に適した筒状包装体、及び、その包装方法と該方法を実施する包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
漬け物やチーズ、ソーセージといった液状或いは練り状食品など、流動性を有する物品の包装形態として、長尺の合成樹脂フィルムの側端部同士を重ねて融着した筒状フィルム内に上記物品或いはその原料を充填し、該フィルムの両端部を封止してなる筒状包装体が広く用いられている。図14に筒状包装体の模式図を示す。図中、111は合成樹脂フィルム、112はフィルム側端部を融着してなる融着部、113は封止材である。
【0003】
この様な筒状包装体の包装作業は、通常、筒状フィルムの形成から封止まで連続工程で行われる。具体的には、帯状の合成樹脂フィルムを繰り出しながら側端部同士を融着させて筒状フィルムを形成し、該筒状フィルム内に被包装物を連続的に充填して筒状体を形成し、所定の間隔で外部より該筒状体を絞って内部の被包装物を押しのけ、押しのけた部分のフィルムを集束させて封止材により封止し、フィルムを切断する。
【0004】
従来、筒状包装体の封止材としては、結紮工程において、カシメ易く、塑性変形して戻らないことから、気密性保持の目的でアルミニウム線材が用いられていた。
【0005】
しかしながら、金属線材を用いた場合、包装後に金属製夾雑物が混入しているかどうかを金属探知器により検知することができない。また、包装体の密封性を保つため、アルミニウム線材はフィルムに強固に取り付けられるため、包装体を開封後にフィルムからアルミニウム線材を取り外すことが容易ではなく、フィルムやアルミニウム線材をリサイクルする上で好ましくない。さらに、結紮工程では、潤滑と冷却のために、アルミニウム線材には薄く油が塗布されており、該油の付着が食品衛生上好ましくなく、洗浄工程も必要となっている。さらに、従来のアルミニウム線材を用いた場合の、気密度(エア耐圧)の基準は0.15MPaであり、この基準を維持・管理するのは容易ではなかった。
【0006】
上記のような理由から、アルミニウム線材に代わる封止材が求められていた。
【0007】
特許文献1には、筒状体を所定の間隔で外部より絞って形成したケーシングフィルムの集束部に補強フィルムを配して超音波融着させた封止部を備えた包装体が開示されている。
【0008】
【特許文献1】特開昭63−272637号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、フィルムの集束部において超音波を印加して補強フィルムとケーシングフィルムとを融着させた場合、包装体のケーシングフィルムが溶融し、内部応力によってケーシングフィルムの厚みが薄くなったり、微細な穴が生じてしまい、以後の搬送等において包装体が破裂するなどの問題を生じやすい。特に、包装後に加熱する物品の場合には、加熱槽の中で破裂するという問題を生じてしまう。破裂した包装体の内容物は全て損失となり、また、破裂して他の包装体を汚染した場合には、汚染された包装体の洗浄操作が必要になるため、包装体の破裂は製造コストの削減を阻む一因となっている。
【0010】
本発明の課題は、このような問題に鑑み、金属線材を用いることのない包装体において、破裂等の不良品の発生を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第一は、被包装物を充填した筒状フィルムの両端部を合成樹脂線材により封止してなる筒状包装体の包装方法であって、
帯状の合成樹脂フィルムを連続して繰り出しながら、該フィルムの側端部同士を重ねて融着して筒状フィルムを連続的に形成し、該筒状フィルム内に被包装物を連続的に充填して筒状体を形成し、該筒状体を所定の間隔で連続的に外部より絞って内部の被包装物を押しのけ、被包装物が押しのけられた領域のフィルムを集束してフィルム集束部を形成し、該フィルム集束部を合成樹脂線材で挟み、線材とフィルムとを融着させることなく、該線材の端部同士のみを融着させて封止し、該線材が包装体の両端部に位置するようにフィルムを切断することを特徴とする筒状包装体の包装方法である。
【0012】
本発明の第二は、長尺の合成樹脂フィルムの側端部同士を重ねて融着した筒状フィルム内に被包装物が充填され、該フィルムの両端部に、合成樹脂線材の端部同士が融着し、該線材とフィルムとが融着していない封止部を有することを特徴とする筒状包装体である。
【0013】
本発明の第三は、被包装物を充填した筒状フィルムの両端部を合成樹脂線材により封止してなる筒状包装体の包装装置であって、
帯状の合成樹脂フィルムを連続して繰り出す手段と、
該フィルムの側端部同士を重ねて融着して筒状フィルムを連続的に形成する手段と、
該筒状フィルム内に被包装物を連続的に充填して筒状体を形成する手段と、
該筒状体を所定の間隔で連続的に外部より絞って内部の被包装物を押しのける手段と、
被包装物が押しのけられた領域のフィルムを集束してフィルム集束部を形成する手段と、
該フィルム集束部を合成樹脂線材で挟んで、該線材とフィルムとを融着させることなく、該線材の端部同士のみを融着させて封止する手段と、
該合成樹脂線材が包装体の両端部に位置するようにフィルムを切断する手段と、
を少なくとも備えたことを特徴とする筒状包装体の包装装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明においては、下記の効果が得られる。
【0015】
封止材として合成樹脂線材を用いるため、封止工程が簡易で、筒状包装体の両端部の封止に好ましく用いられ、また、射出成形品に比較して単価が大幅に低減される。また、金属が用いられないため、包装後の金属探知器による金属製夾雑物の検知が可能であり、食品衛生上も好ましい。特に、合成樹脂線材と合成樹脂フィルムとに同じ素材を用いた場合には、分別せずにリサイクルに供することができる。
【0016】
封止材が線材であるため、一度に多数個分を供給することができ、線材の供給のために頻繁に包装装置を停止する必要が無く、包装効率が高い。
【0017】
本発明においては、フィルム集束部において、合成樹脂線材の端部同士が融着により強固に一体化しており、同時に、該線材とフィルムとが融着していないため、封止部のフィルムに薄肉部分や微小な穴がなく、よって、ソーセージのように、包装後に加熱処理により内圧が高くなるような場合にも十分に密封性を維持することができる。特に、封止に超音波融着を用いた場合には、短時間で局所的に融着させることができ、包装効率が高い。
【0018】
また、本発明において、合成樹脂フィルムの切断手段として超音波印加による溶断を用いた場合、溶断部であるフィルム末端部が互いに融着するため、合成樹脂線材による封止と相俟って高い密封性が得られる。
【0019】
さらに、合成樹脂線材の融着とフィルムの溶断を超音波印加によって行うことにより、両方の操作を備えた超音波印加手段を用いることができ、両作業を同時に且つ簡易に実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に本発明の筒状包装体、包装方法、包装装置について図面を用いて詳細に説明する。
【0021】
本発明の筒状包装体は、先に図14に示した形態と基本的には同じである。即ち、長尺の合成樹脂フィルム111の側端部同士を重ねて融着した筒状フィルム内に被包装物を充填し、該フィルムの両端部を封止材113により封止した形態であり、本発明は、封止材113として合成樹脂線材を用い、合成樹脂フィルム111を集束したフィルム集束部において、該線材113とフィルム111とを融着させることなく、該線材113の端部同士のみを融着させて封止したことに特徴を有する。
【0022】
図1に、本発明の包装方法を実施する包装装置の好ましい形態の一例の概略図を示す。本実施形態は、合成樹脂線材の融着手段として超音波融着を、フィルムの切断手段として超音波印加による溶断を用い、さらに、合成樹脂線材を融着するための超音波印加と、フィルムを溶断するための超音波印加を一組のホーンとアンビルにより実施する形態である。
【0023】
図1中、1はフィードポンプ、2は充填ノズル、3は製筒装置、4はロール、5は合成樹脂フィルム、6は電極、7は被包装物、8は移送ローラー、9は絞りローラー、10は封止・切断手段、11a、11b、12a、12bは集束板、13はホーン、15はアンビル、14a、14b、16a、16bは合成樹脂線材、17は溶断用突起、18は超音波装置である。
【0024】
図1の装置において、充填ノズル2はフィードポンプ1に連結されており、充填ノズル2の中間部に製筒装置3が設けられ、ロール4から繰り出された帯状の合成樹脂フィルム5はこの製筒装置3を通過するときに筒状に丸められる。そして、筒状に丸められて重ねられたフィルム5の側端部同士を電極6により融着し、筒状フィルムを形成する。一方、充填ノズル2から該筒状フィルムに被包装物7を充填し、筒状体を形成する。筒状体は移送ローラー8によって挟持されて紙面下方に移送され、次いで、絞りローラー9が筒状体を所定の間隔で外部より絞って内部の被包装物7を押しのけ、押しのけられた領域のフィルムを、封止手段10において集束してフィルム集束部を形成し、該フィルム集束部においてフィルム5に超音波を印加して溶断すると同時に溶断部を融着一体化し、さらに、溶断部の前後において、フィルム集束部を合成樹脂線材によって封止し、合成樹脂線材により両端を封止した包装体が得られる。上記一連の工程は全て連続的に行われる。
【0025】
図2に、図1の封止・切断手段10の拡大斜視図を示す。尚、図2において、ホーン13が付設されている超音波装置18を便宜上省略する。
【0026】
図2において、集束板11a、11b、12a、12bは、被包装物7を押しのけた領域のフィルムを集束する手段であって、本例では図2に示すように、入口が最も広く、奥になるほど狭い開口部を有し、11aと11b、12aと12bとがそれぞれ開口部を対向させて、上下方向でずれて平行に配置している。従って、フィルムを両側から挟むように互いにフィルムに向かって前進させることにより、図3に示すように、フィルムを絞ってフィルム集束部19を形成することができる。尚、集束手段は、図2に示す形態に限定されるものではなく、同様の作用を有するものであれば、どのような手段であってもかまわない。
【0027】
このように、集束したフィルム集束部19に超音波を印加し、溶断すると同時に溶断部のフィルムを融着一体化し、同時に、該溶断部の前後においてフィルム集束部19を2本一組の直線状の合成樹脂線材14aと14b、及び、16aと16bで挟み込み、端部同士を融着させる。本発明においては、この時、フィルム集束部19と合成樹脂線材14a,14b,16a,16bとが融着しないようにする必要がある。
【0028】
図1に示すように、本例の装置は、超音波印加手段として、ホーン13が付設された超音波装置18と、該ホーン13に対向するアンビル15を備えている。また、アンビル15のホーン13との対向面には、フィルム集束部19の進行方向中央部において、フィルム集束部19の進行方向に直交する直線状の溶断用突起17を備えている。また、アンビル15内には、突起17による溶断時の衝撃を吸収するための吸収装置と溶断力を調整するための調節装置が設けられている(いずれも不図示)。溶断時には、ホーン13とアンビル15間に超音波を印加しつつ、突起17をホーン13の対向面に接触させることにより、フィルム集束部19を溶断し、同時に、溶断部のフィルムを融着一体化する。
【0029】
上記突起17及び吸収装置、調節装置はホーン13側に設けてもかまわない。また、突起17の形状は、特に限定されないが、図1、図2に示すように断面が円形のものが好ましく用いられ、その直径は1.0〜4mm程度が好ましい。
【0030】
また、上記溶断・融着と同時に、突起17の前後において、ホーン13により線材14aと16aを、アンビル15により線材14bと16bとを供給し、線材14aと14b、16aと16bとでそれぞれフィルム31を挟み込み、封止する。図2に示すように、本例では、線材14a、14b、16a、16bを保持しやすいように、ホーン13及びアンビル15は、線材14a、14b、16a、16bに接触する面が上下方向で湾曲している。また、線材両端部において十分に圧力がかかるように、線材14a、14b、16a、16bに平行な方向の中央部が外側に湾曲している。
【0031】
上記実施形態においては、合成樹脂線材14a、14b、16a、16bを超音波融着させて封止する形態を示したが、本発明においては、例えば加熱融着、高周波融着といった超音波融着以外の融着手段を用いることも可能である。
【0032】
さらに、上記実施形態においては、フィルムの切断手段として超音波印加による溶断を用いたが、本発明においては、例えば加熱溶断や、切断刃を用いた物理的な切断手段も用いることができる。
【0033】
図4に、図1〜図3の包装装置により包装された、本発明の包装体の一例を示す。尚、図4(b)は(a)のA−A’断面図である。図中、21は包装体の胴部、23はフィルム融着部、32は線材融着部であり、図1〜図3と同じ部材には同じ符号を付した(図5〜図13も同様)。
【0034】
本発明の包装体の特徴は、封止部において包装体を封止している合成樹脂線14a、14b、16a、16bが互いに端部同士で融着され、且つ、該封止部においてフィルム集束部19と合成樹脂線材14a、14b、16a、16bとが互いに融着していないことにある。よって、フィルム集束部19には、フィルムの薄肉部や微細な穴などの包装体の破裂の原因となる問題は生じておらず、包装体に内圧がかかり、フィルムに応力がかかった場合でも、該圧力は封止部にかかり、フィルム融着部23には該応力がかからない構成となっている。
【0035】
尚、包装体の末端部は、単に切断した状態でも構わないが、図4に示すように溶断によりフィルム融着部23を形成することが望ましい。
【0036】
本発明において用いられる合成樹脂線材14a、14b、16a、16bは、融着による封止が可能な素材であれば用いることができるが、好ましくは、超音波適性の高い熱可塑性樹脂と、それよりも軟化温度の低い熱可塑性樹脂との混合物或いは共重合物が挙げられる。具体的には、ナイロン、ポリエチレン(PE)、特に高密度ポリエチレン(HDPE)、塩化ビニリデン(VDC)と塩化ビニル(VC)との共重合体(VDC・VC共重合体)やVDCとメチルアクリレート(MA)との共重合体(VDC・MA共重合体)、ブタジエンを加えたハイインパクトポリスチレン(HIPS)が挙げられ、VDC・VC共重合体における好ましい質量組成比は、VDC/VC=70/30〜98/2であり、VDC・MA共重合体における好ましい質量組成比は、85/15〜98/2である。
【0037】
上記超音波適性としては、結晶性よりも非晶性である(溶けやすい)、純度が高い、ヤング率が高い、軟化温度が低い、といった要因が挙げられる。ポリ塩化ビニリデン(PVDC)はヤング率が高いなど超音波適性に優れているものの、結晶性であるため、やや溶けにくい。一方、ポリ塩化ビニル(PVC)は、非晶性で溶けやすく、軟化温度も低い。そのため、VDC・VC共重合体では、VDCが発熱してVCが溶けるという望ましい状態が形成されることになる。また、HIPSについては、ポリスチレン(PS)単独でも上記超音波適性に優れているが、軟化温度の低いブタジエンを加えることでさらに融着効果が高まる。
【0038】
本発明において用いられる合成樹脂フィルム5は、融着が可能で、包装後に良好な密封性を有するものであれば特に素材は限定されないが、具体的には、上記した合成樹脂線材14a、14b、16a、16bに用いられるものと同様のVDC・VC共重合体やVDC・MA共重合体やHIPS、また、PVDC、PVC、ナイロン(Ny)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が用いられ、単層フィルムでも、複層フィルムであっても良い。
【0039】
尚、合成樹脂フィルム5と合成樹脂線材14a、14b、16a、16bに同じ素材を用いた場合には、リサイクルする際に分別する必要が無く、好ましい。
【0040】
本発明において、合成樹脂線材14a、14b、16a、16bの断面形状は特に限定されるものではないが、常に同じ封止強度を得る上では円形が好ましい。また、通常の食品の包装体において、直径は1〜5mm程度が好ましく、長さについては6〜24mm程度が好ましい。また、溶断・封止に用いられる超音波の周波数は、15〜40kHz程度であり、印加時間や振幅、印加時に線材同士を接触させる圧力等については、用いる線材の素材や直径、必要とされる封止強度に応じて適宜選択すればよい。
【0041】
本発明において、包装体に内圧や外圧が加わった場合に、封止部で該圧力に耐えて包装体の密封性を維持するためには、合成樹脂線材14a、14b、16a、16bが十分な剛性を有していることが好ましい。該線材に必要な剛性は、該線材の直径や長さ、包装体の外周長(胴部21の周長)の大きさにより、適宜選択される。また、該線材の端部同士を融着させる際の残留応力でフィルムを抑え、該線材にかかる応力によって該線材の剛性を確保することも考えられる。しかしながら、該線材が高価格であったり、直径が大きい、見栄えが悪いなどの理由から剛性の小さい線材を選択せざるを得ない場合には、該線材を短くすることで剛性を上げる方法が考えられる。その場合、フィルム集束部19と線材14a、14b、16a、16bの融着部32とが接近し、融着部32近傍のフィルムが溶融し、薄肉部や微細な穴が形成されてしまう場合がある。このような問題を含め、本発明において、封止部においてフィルム集束部19と合成樹脂線材14a、14b、16a、16bとを融着させずに該線材の端部同士のみを融着させて封止するより好ましい手段について、先に説明した、上記線材を端部において超音波融着すると同時に、フィルムを超音波溶断して、フィルム融着部23を有する包装体を包装する場合を例に挙げて説明する。
【0042】
第1の実施形態は、合成樹脂フィルム5の融点或いは軟化温度が合成樹脂線材14a、14b、16a、16bの融点或いは軟化温度よりも高い材質を選択することにより、該線材同士が融着しても、フィルム集束部19が溶融しないようにすればよい。当該温度差は大きい方が良く、具体的には10℃以上、好ましくは20℃以上、望ましくは30℃以上である。しかしながら、温度差が40℃以上の場合、フィルムの融点或いは軟化温度が高くなりすぎ、線材の融着と同時にフィルム融着部23を形成しようとすると、フィルムが溶融せずに、フィルム融着部23を形成できない、或いは、上記線材が溶融流動して薄くなり、封止材としての機能を果たさなくなってしまう恐れがある。
【0043】
また、融点や軟化温度だけでなく、封止・切断工程におけるフィルムと線材14a、14b、16a、16bのそれぞれの融着前の温度から融着するまでのそれぞれの温度までに与えられるトータルなエネルギーがフィルムを基準として該線材の方が10%以上低いことが好ましい。さらには、20%以上低いことがより好ましい。但し、20%を超えて低い場合には、フィルム同士が融着しにくくなり、フィルム融着部23を形成しにくくなる、或いは、線材が溶融流動して薄くなり易く、封止材としての機能を果たしにくくなる恐れがある。
【0044】
上記のように、線材14a、14b、16a、16bを端部同士で融着させて線材融着部32を形成すると同時に、フィルムを溶断してフィルム融着部23を形成する工程において、融点や軟化温度、エネルギーの差を利用して、封止部において線材のみを融着させることができる。
【0045】
第2の実施形態は、図5に断面図を示すように、2本の合成樹脂線材で封止する際に、少なくとも一方の線材16a’を、予めフィルム集束部19に対して凹んだ形状に成形し、他方の線材16bと融着させる方法である。当該方法を実施する場合、成形した線材16a’を包装装置に供給するとコスト上昇を招くため、包装装置内に成形機能を持たせることが好ましい。具体的な手段を図6に示す。図中、40は合成樹脂線材、51は線材送り込み装置、53a,53bはスイング式凸型金型であり、(c−2)は(c−1)のA−A’断面図、(d−2)は(d−1)のB−B’断面図である。
【0046】
図5において、長尺の合成樹脂線材40を送り込み装置51により繰り出しながら〔図6(a)〕、凹型の金型を兼ねたホーン13において所定の長さの線材16aを切り出し〔図6(b)〕、スイング式の凸型金型53a,53bを押し当てて超音波やヒーターなどの熱源を利用し、フィルム集束部19に対して凹んだ形状に成形する〔図6(c−1),(c−2)〕。成形された凹型の線材16a’,14a’に対して、図6(b)と同様の操作でアンビル15によって所定の長さに切り出した線材14b,16bを供給し、フィルム集束部19を挟んで、線材16a’と16b、14a’と14bの端部同士を融着させる〔図6(d−1)、(d−2)〕。尚、この時、ホーン13の前進を妨げないように、スイング式の凸型金型53a,53bは回転移動している。
【0047】
第3の実施形態を、図7に示す。本実施形態では、フィルムの溶断部をホーン13及びアンビル15によって押しつぶし、溶融樹脂を流動させてフィルム融着部23に膨らみを持たせることによって、フィルム集束部19の幅(X)よりも当該幅方向における融着部23の最大寸法(Y)が大きくなるように形成する方法である。尚、フィルム集束部19の幅(X)は、2本の合成樹脂線材14a,14bの最大間隙に相当する。このような融着部23を持たせることにより、剛性の小さい線材14a,14b,16a,16bを用いた場合でも、該線材がより大きく変形しない限り、融着部23には包装体の内圧がかかることがない。
【0048】
また、図8(a)に示すように、フィルム集束部19をねじることで封止部におけるフィルム集束部19を融着部32から離すことができる。この場合も、フィルム集束部19を挟持する2本の合成樹脂線材31a、31bの最大間隙に相当するフィルム集束部19の幅(X)よりも、当該幅方向におけるフィルム融着部23の最大寸法(Y)が大きくなる。このようなフィルム集束部19に対してねじれた融着部23を形成するためのホーン及びアンビルの構成例を図9に示す。本実施形態のホーン13,アンビル15は、合成樹脂線材を受けるための線材受け部71a,71b,81a,81bと、フィルムを溶断するための突起72,82を備えている。このような構成のホーン13とアンビル15とでフィルム集束部19を封止すると同時に溶断すると、溶断用突起72,82が線材受け部71a,71b,81a,81bに対してねじれた方向でフィルム集束部19を挟持して溶断するため、フィルム集束部19がねじれ、線材融着部32からフィルム集束部19を引き離す作用を呈する。
【0049】
尚、図8(a)において、フィルム集束部19に対してフィルム融着部23がねじれる程度としては、融着部23の長さ方向とフィルム集束部19の長さ方向とがなす角度(φ)が15〜85°、より好ましくは20〜40°の範囲にあることが好ましい。
【0050】
図8(b)と同様に、Y>Xとなる好ましい形態として、フィルム融着部23がV字形(b)、W字形(c)、U字形(d)になるように溶断する方法や、融着部23の平面形状が円形或いは楕円形(e)或いは六角形(d)などの多角形になるように融着部23を形成する方法が挙げられる。
【0051】
第4の実施形態を図10に示す。図中、91は第2融着部であり、(b)は(a)のA−A’断面図である。本形態では、合成樹脂線材14a,14b,16a,16bで封止した封止部よりも末端部側にさらなる合成樹脂線材をフィルム集束部19に融着させた第2融着部91を形成した形態である。このように合成樹脂線材14a,14b,16a,16bよりも末端側でフィルム集束部と新たな合成樹脂線材を融着させると、封止部における合成樹脂線材14a,14b,16a,16bの抜け防止に有効である。また、第2融着部91は線材融着部32に融着していても良い。
【0052】
第5の実施形態について図11を用いて説明する。尚、図11(d)は(c)のA−A’断面図である。本発明において、短い合成樹脂線材14a,14b,16a,16bで封止しようとした場合、図11(a)に示すように、線材融着部32の溶融樹脂92が流動して内側にはみ出してフィルム集束部19に接触し、フィルム集束部19を溶融させてしまう場合がある。これを防止する好ましい手段として、図11(b)、(c)に示すように、合成樹脂線材16aと16b(及び14aと14b)の少なくとも一方(図11では両方)のフィルム集束部19に対向する面に、凹凸を設ける方法が挙げられる。このような凹凸を有する合成樹脂線材を用いると、線材融着部32において、凹凸の凹部に溶融樹脂が保持されて、フィルム集束部19側に流動しにくくなる。凹凸の形状、方向としては特に限定されないが、図11(b)のように、上記線材の幅方向に平行な凹凸や、図11(c)、(d)のように該線材の長さ方向に平行な凹凸以外にも、該線材の長さ方向に対して傾斜方向の凹凸、平行な凹凸が交差する形状、エンボス状であっても良い。また、このような凹凸は、予め線材に付与して包装装置に供給した場合には、該凹凸をフィルム集束部19に面して配置させることが難しいため、封止工程直前に包装装置内において上記線材に金型等を用いて凹凸を成形付与することが望ましい。
【0053】
第6の実施形態を図12に示す。図中、93は保護フィルムであり、当該形態においては、合成樹脂線材14a,14b,16a,16b及び合成樹脂フィルム5と融着しない素材で形成された保護フィルム93をフィルム集束部19と上記線材との間に介在させることで、該線材とフィルム集束部19との融着を妨げている。このような保護フィルム93の素材としては、合成樹脂フィルム5が融着しなければどのような材料のフィルムでも良いが、融点が合成樹脂線材や合成樹脂フィルムよりも高いナイロンなどが好ましく用いられる。
【0054】
第7の実施形態は、図1において、封止部においてフィルム集束部19と合成樹脂線材14a,14b,16a,16bとが融着しないように、フィルム集束部19を該線材で挟持する前にフィルム集束部19と該線材の間に水、或いは界面活性剤などの液体を付与する方法である。当該液体の付与はノズルによる噴射や刷毛等を用いた塗布などで実施することができ、フィルム集束部19の表面、或いは、線材のフィルム集束部19側の表面のいずれか、或いは両方に付与すればよい。
【0055】
第8の形態は、図1において、包装体の合成樹脂線材14a,14b,16a,16bに熱収縮性を持たせておくことにより、包装後の加熱工程において熱収縮を利用して該線材の剛性を高める方法である。具体的には、冷間延伸配向させた線材を用い、比較的長い線材を用いて封止を行う。このような包装体をボイル工程やレトルト工程などの加熱工程に供した場合、包装体全体で80〜120℃程度まで加温されるが、線材の熱容量よりも包装体の内容物の熱容量の方が大きいため、線材の熱収縮が先に進行して短くなり、剛性が向上する。その結果、包装体の内容物の膨張による応力が封止部にかかっても、既に剛性が向上した線材が該応力に耐えて包装体の密封性が維持される。本形態に用いうる合成樹脂線材の素材としては、PVDCやPVC、HDPEが好ましく用いられる。
【0056】
尚、合成樹脂線材14a,14b,16a,16bの熱収縮は、加熱工程に先立って実施させても良い。また、熱収縮性が高すぎる場合には、加熱工程で破断してしまうため、加熱工程の温度や時間等を考慮して熱収縮性を調整する必要がある。
【0057】
また、上記した実施形態においては、封止部1箇所につき2本の合成樹脂線材14aと14b、或いは、16aと16bを用い、その間にフィルム集束部19を挟持して封止する形態を示したが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、図13に示すように、1本の合成樹脂線材101をフィルム集束部19を囲んでO字形に曲げて端部同士を融着させる(102は融着部)ことにより、封止する形態も含むものである。
【0058】
尚、上記にしめした本発明の各実施形態は、本発明の効果を損ねない範囲で2以上を組み合わせて実施しても構わない。
【実施例】
【0059】
(実施例)
塩化ビニリデン樹脂製の合成樹脂フィルムと合成樹脂線材を用いて、内容物として魚肉を充填し、胴部の直径が10mm、30mm、60mmで長さが230mmの3種類の包装体を包装した。合成樹脂線材の直径は2.2mm、長さは上記各胴径に応じて9mm、12mm、16mmであり、図3に示すように、一方の線材を封止直前に成形して凹部を持たせ、さらに、線材の端部の融着面には図11(b)に示す三角形の凹凸(深さが0.5mmでピッチが0.4mm)を設けた。封止・切断工程には、図9に示した構成で、図8(a)におけるφが30°となるように溶断用突起を設けたホーンとアンビルを用い、上記の包装体を各直径につき10000本ずつ包装した。
【0060】
得られた包装体を、レトルト工程として120℃の蒸気雰囲気中に1時間おいて加熱した。その後、包装体の密封性を導電テスターを用いて測定した。測定方法は、テスターのプラス側を包装体の中央に差し込み、5%塩水中に上記テスターのマイナス側と該包装体の両端の封止部を浸し、導通を測定した。その結果、導通は認められず、包装体が完全に密封されていることがわかった。
【0061】
(比較例1)
合成樹脂線材の代わりに同じ材質の補強フィルムを用い、補強フィルム自体をフィルム集束部に超音波融着させた以外は実施例と同様にして各直径につき10000本の包装体を包装した。得られた包装体について実施例と同様の導通を測定したところ、10mm径の包装体は5%、30mm径の包装体は85%、60mm径の包装体は95%が導通を示し、封止部において微細な穴が空いていることがわかった。
【0062】
(比較例2)
封止部において合成樹脂線材がフィルム集束部のフィルムに融着するように条件を調整した以外は実施例と同様にして各直径につき10000本の包装体を包装した。得られた包装体について実施例と同様の導通を測定したところ、10mm径の包装体は3%、30mm径の包装体は80%、60mm径の包装体は90%が導通を示し、封止部において微細な穴が空いていることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の包装装置の一例の概略図である。
【図2】図1の包装装置の封止・切断手段の拡大斜視図である。
【図3】図1の包装装置の集束手段によりフィルムを集束した状態を示す平面図である。
【図4】本発明の包装体の一構成例を示す模式図である。
【図5】本発明の第2の実施形態を示す模式図である。
【図6】図5の実施形態に適用される装置の模式図である。
【図7】本発明の第3の実施形態を示す模式図である。
【図8】本発明の第3の実施形態を示す模式図である。
【図9】図8の実施形態を実施するためのホーン及びアンビルの構成例を示す模式図である。
【図10】本発明の第4の実施形態を示す模式図である。
【図11】本発明の第5の実施形態を示す模式図である。
【図12】本発明の第6の実施形態を示す模式図である。
【図13】本発明の包装体の他の構成例を示す模式図である。
【図14】本発明の包装体の基本構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0064】
1 フィードポンプ
2 充填ノズル
3 製筒装置
4 ロール
5 合成樹脂フィルム
6 電極
7 被包装物
8 移送ローラー
9 絞りローラー
10 封止・切断手段
11a,11b,12a,12b 集束板
13 ホーン
15 アンビル
14a,14a’,14b,16a,16a’,16b 合成樹脂線材
17 溶断用突起
18 超音波装置
19 フィルム集束部
21 胴部
23 フィルム融着部
40 合成樹脂線材
32 線材融着部
51 線材送り込み装置
53a,53b スイング式凸型金型
71a,71b,81a,81b 線材受け部
72,82 溶断用突起
91 第2融着部
92 溶融樹脂
93 保護フィルム
101 合成樹脂線材
102 線材融着部
111 合成樹脂フィルム
112 融着部
113 封止材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物を充填した筒状フィルムの両端部を合成樹脂線材により封止してなる筒状包装体の包装方法であって、
帯状の合成樹脂フィルムを連続して繰り出しながら、該フィルムの側端部同士を重ねて融着して筒状フィルムを連続的に形成し、該筒状フィルム内に被包装物を連続的に充填して筒状体を形成し、該筒状体を所定の間隔で連続的に外部より絞って内部の被包装物を押しのけ、被包装物が押しのけられた領域のフィルムを集束してフィルム集束部を形成し、該フィルム集束部を合成樹脂線材で挟み、線材とフィルムとを融着させることなく、該線材の端部同士のみを融着させて封止し、該線材が包装体の両端部に位置するようにフィルムを切断することを特徴とする筒状包装体の包装方法。
【請求項2】
合成樹脂線材の端部同士を超音波融着させて封止する請求項1に記載の筒状包装体の包装方法。
【請求項3】
上記フィルムの切断が溶断であり、該溶断によりフィルム末端部を融着一体化したフィルム融着部を形成する請求項1または2に記載の筒状包装体の包装方法。
【請求項4】
フィルム集束部の幅(X)に対して、該幅方向におけるフィルム融着部の最大寸法(Y)がY>Xとなるようにフィルム融着部を形成する請求項3に記載の筒状包装体の包装方法。
【請求項5】
フィルム集束部の長さ方向に対して、フィルム融着部の長さ方向が15〜85°の角度を持ってねじれるようにフィルム融着部を形成する請求項4に記載の筒状包装体の包装方法。
【請求項6】
溶断が超音波印加による請求項3〜5のいずれかに記載の筒状包装体の包装方法。
【請求項7】
融点或いは軟化温度が、合成樹脂線材の融点或いは軟化温度よりも5℃以上高い合成樹脂フィルムを用いる請求項1〜6のいずれかに記載の筒状包装体の包装方法。
【請求項8】
フィルム集束部を、平行に配置した2本の直線状の合成樹脂線材間の中央部に挟み込み、該線材の両端部同士を融着させる請求項1〜6のいずれかに記載の筒状包装体の包装方法。
【請求項9】
フィルム集束部を、直線状の合成樹脂線材と、該フィルム集束部に対して凹部を形成した合成樹脂線材との間に挟み込み、該線材の両端部同士を融着させる請求項1〜7のいずれかに記載の筒状包装体の包装方法。
【請求項10】
合成樹脂線材のフィルム集束部に面する表面の少なくとも一方に凹凸を形成する請求項1〜9のいずれかに記載の筒状包装体の包装方法。
【請求項11】
合成樹脂線材と合成樹脂フィルムとの間に、これらと融着しない保護フィルムを介在させる請求項1〜9のいずれかに記載の筒状包装体の包装方法。
【請求項12】
合成樹脂線材により封止された封止部よりも切断部側に、さらに合成樹脂線材を合成樹脂フィルムに融着させる請求項1〜11のいずれかに記載の筒状包装体の包装方法。
【請求項13】
合成樹脂線材とフィルムとの間に水または界面活性剤を付与する請求項1〜12のいずれかに記載の筒状包装体の包装方法。
【請求項14】
熱収縮性を有する合成樹脂線材を用い、封止後に熱収縮性が残存するように封止する請求項1〜13のいずれかに記載の筒状包装体の包装方法。
【請求項15】
1本の合成樹脂線材によりフィルム集束部をO字形に囲み、該線材の端部同士を融着させる請求項1〜7、10〜14のいずれかに記載の筒状包装体の包装方法。
【請求項16】
長尺の合成樹脂フィルムの側端部同士を重ねて融着した筒状フィルム内に被包装物が充填され、該フィルムの両端部に、合成樹脂線材の端部同士が融着し、該線材とフィルムとが融着していない封止部を有することを特徴とする筒状包装体。
【請求項17】
合成樹脂フィルムの末端部にフィルム同士が融着一体化したフィルム融着部を有する請求項16に記載の筒状包装体。
【請求項18】
フィルム集束部の幅(X)に対して、該幅方向におけるフィルム融着部の最大寸法(Y)がY>Xの関係にある請求項17に記載の筒状包装体。
【請求項19】
フィルム集束部の長さ方向に対して、フィルム融着部の長さ方向が15〜85°の角度を持ってねじれている請求項18に記載の筒状包装体。
【請求項20】
合成樹脂フィルムの融点或いは軟化温度が、合成樹脂線材の融点或いは軟化温度よりも5℃以上高い請求項16〜19のいずれかに記載の筒状包装体。
【請求項21】
封止部において、フィルム集束部が、平行に配置した2本の直線状の合成樹脂線材間の中央部に挟み込まれ、該線材の端部同士が融着した線材融着部を有する請求項16〜20のいずれかに記載の筒状包装体。
【請求項22】
封止部において、フィルム集束部が、直線状の合成樹脂線材と、該フィルム集束部に対して凹部を形成した合成樹脂線材との間に挟み込まれ、該線材の両端部同士が融着した線材融着部を有する請求項16〜20のいずれかに記載の筒状包装体。
【請求項23】
合成樹脂線材のフィルム集束部に面する表面の少なくとも一方に凹凸を有する請求項16〜22のいずれかに記載の筒状包装体。
【請求項24】
合成樹脂線材と合成樹脂フィルムとの間に、これらと融着しない保護フィルムが介在する請求項16〜23のいずれかに記載の筒状包装体。
【請求項25】
上記封止部よりも切断部側に、さらに合成樹脂線材を合成樹脂フィルムに融着させた第2融着部を有する請求項16〜24のいずれかに記載の筒状包装体。
【請求項26】
封止部の合成樹脂線材が熱収縮性を有する請求項16〜25のいずれかに記載の筒状包装体。
【請求項27】
封止部において、1本の合成樹脂線材がフィルム集束部をO字形に囲み、該線材の端部同士を融着した線材融着部を有する請求項16〜20、23〜26のいずれかに記載の筒状包装体。
【請求項28】
被包装物を充填した筒状フィルムの両端部を合成樹脂線材により封止してなる筒状包装体の包装装置であって、
帯状の合成樹脂フィルムを連続して繰り出す手段と、
該フィルムの側端部同士を重ねて融着して筒状フィルムを連続的に形成する手段と、
該筒状フィルム内に被包装物を連続的に充填して筒状体を形成する手段と、
該筒状体を所定の間隔で連続的に外部より絞って内部の被包装物を押しのける手段と、
被包装物が押しのけられた領域のフィルムを集束してフィルム集束部を形成する手段と、
該フィルム集束部を合成樹脂線材で挟んで、該線材とフィルムとを融着させることなく、該線材の端部同士のみを融着させて封止する封止手段と、
該合成樹脂線材が包装体の両端部に位置するようにフィルムを切断する切断手段と、
を少なくとも備えたことを特徴とする筒状包装体の包装装置。
【請求項29】
上記封止手段が、超音波印加手段である請求項28に記載の筒状包装体の包装装置。
【請求項30】
上記切断する手段が溶断手段であり、該溶断によりフィルム末端部を融着一体化したフィルム融着部を形成する請求項28または29に記載の筒状包装体の包装装置。
【請求項31】
上記溶断手段が超音波印加手段である請求項30に記載の筒状包装体の包装装置。
【請求項32】
上記封止手段が、直線状の2本の合成樹脂線材を、集束したフィルムを中央部に挟み込むように平行に供給する手段と、該線材の両端部同士を接触させて融着させる手段とを有する請求項28〜31のいずれかに記載の筒状包装体の包装装置。
【請求項33】
上記封止手段が、直線状の合成樹脂線材と、フィルム集束部に対して凹部を有する合成樹脂線材とを、該フィルム集束部を挟み込むように供給する手段と、該線材の両端部同士を接触させて融着させる手段とを有する請求項28〜31のいずれかに記載の筒状包装体の包装装置。
【請求項34】
直線状の合成樹脂線材を、フィルム集束部に対して凹部を有するように成形して上記封止する手段に供給する手段を備えた請求項33に記載の筒状包装体の包装装置。
【請求項35】
上記超音波印加手段が、超音波装置に付設されたホーンと該ホーンに対向するアンビルとを有し、ホーン或いはアンビルのいずれか一方の対向面にフィルムの進行方向に直交する直線状の突起を有し、該突起を他方の対向面に接触させてフィルムを溶断すると同時に溶断部のフィルムを融着一体化する請求項32〜34のいずれかに記載の筒状包装体の包装装置。
【請求項36】
上記直線状の突起の長さ方向が、ホーン及びアンビルの対向面に対して、15〜85°の角度を持ってねじれている請求項35に記載の筒状包装体の包装装置。
【請求項37】
合成樹脂線材のフィルム集束部に面する表面の少なくとも一方に凹凸を形成して上記封止手段に供給する手段を備えた請求項28〜36のいずれかに記載の筒状包装体の包装装置。
【請求項38】
上記封止手段と切断手段との間に、さらなる合成樹脂線材をフィルムに融着させる手段を有する請求項28〜37のいずれかに記載の筒状包装体の包装装置。
【請求項39】
合成樹脂線材とフィルムとの間に水または界面活性剤を付与する手段を有する請求項28〜38のいずれかに記載の筒状包装体の包装装置。
【請求項40】
上記封止手段が、1本の合成樹脂線材でフィルム集束部をO字形に囲み、該線材の端部同士を融着させる手段である請求項28〜31、37〜39のいずれかに記載の筒状包装体の包装方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2006−69619(P2006−69619A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−255181(P2004−255181)
【出願日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(303046266)旭化成ライフ&リビング株式会社 (64)
【Fターム(参考)】