箱予備成形方法および箱予備成形装置
【課題】 三角形状の天面フラップを有する箱の予備成形を自動的に行えるようにし、かつ省スペース化を可能にする。
【解決手段】 箱シート材100を天面フラップの頂点を上にした状態で収容するマガジン120から箱シート材100を吸着保持部2により一枚ずつ取り出し、吸着保持部2を水平軸25回りに鉛直面内で旋回させることにより、折曲げ加工ステーションQに箱シート材100を移動させて、箱シート材100の第1、第2の天面フラップ対102a、102b;103a、103bを内側に折り曲げ、吸着保持部2を鉛直面内で旋回させることにより、箱シート材100の天面フラップの頂点を搬送方向に向けた状態で、マガジン120および折曲げ加工ステーションQの下方のバケットコンベア15の搬送面において、マガジン120および折曲げ加工ステーションQの間の中間位置に導入する。
【解決手段】 箱シート材100を天面フラップの頂点を上にした状態で収容するマガジン120から箱シート材100を吸着保持部2により一枚ずつ取り出し、吸着保持部2を水平軸25回りに鉛直面内で旋回させることにより、折曲げ加工ステーションQに箱シート材100を移動させて、箱シート材100の第1、第2の天面フラップ対102a、102b;103a、103bを内側に折り曲げ、吸着保持部2を鉛直面内で旋回させることにより、箱シート材100の天面フラップの頂点を搬送方向に向けた状態で、マガジン120および折曲げ加工ステーションQの下方のバケットコンベア15の搬送面において、マガジン120および折曲げ加工ステーションQの間の中間位置に導入する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三角形状の天面フラップを有する箱の予備成形(つまり天面フラップの仮折り)を自動的に行え、かつ省スペース化を可能にする箱予備成形方法および箱予備成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、商品を箱に包装する包装方法として、箱を展開状態にした箱シート材の上に商品を載せ、商品を箱シート材で包み込んでフラップを接合することにより商品を包装する「ラップラウンド方式」と、筒状に成形した箱を折り畳み状態にして収容したマガジンから箱を取り出す際に開函して筒状の箱体に成形し、箱体の中に商品を挿入してフラップを接合することにより商品を包装する「セットアップ方式」が用いられている(特開2001−199406号公報および特開2005−271970号公報参照)。
【0003】
上述した各方式に用いられる箱は、一般に、直方体形状を有しており、四角形状の底面および天面と、これらに連設された四角形状のフラップとから主として構成されている。このような直方体形状の箱は、展開状態にしたときに外周に多数の凹凸が生じるため、長尺のシートから多数枚の箱シート材を取り出す際には、長尺のシートに多数のスクラップ部分が生じてしまうことになって、歩留まりが悪い。
【0004】
そこで、長尺のシートから無駄なく箱シート材を取り出して歩留まりを向上させるために、図19に示すような三角形状の天面フラップを有する扁平な箱も考案されている。図20は、この箱を展開状態した箱シート材を示しており、箱シート材100は、四角形状の外周形状を有しており、その四隅に配置された三角形状の天面フラップ102a、102b、103a、103b(図19参照)と、各天面フラップが連設する四角形状の底面101とから構成されている。なお、図20中、一点鎖線は箱シート材100の折り目を示している。また、参照符号104は箱シート材100の内側フラップである。
【0005】
長尺のシートから展開状態の箱シート材100を多数枚取り出す際には、図21に示すように、展開状態の四角形状の箱シート材100の一辺を互いに隣接させた状態で一列に並べるようにすればよい。これにより、長尺のシートから無駄なく箱シート材を取り出すことができる。
【0006】
ところが、この場合には、箱シート材100の天面フラップ102a、102b、103a、103bが三角形状を有していることにより、四角形状の底面101が四角形状の外周形状に対して斜めに配置されており、また箱の厚みも薄いため、箱シート材100を用いて商品を包装する際に、従来のラップラウンド方式やセットアップ方式をそのまま適用するのは容易ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする課題は、三角形状の天面フラップを有する箱の予備成形(仮折り)を自動的に行えるようにし、かつ省スペース化を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、箱成形前に箱に折り目を付けるための箱予備成形方法である。当該箱は、四角形状の底面と、底面の各辺に連設された三角形状部をそれぞれ有する第1、第2の天面フラップ対とから構成されている。この箱予備成形方法は、以下の工程を備えている。すなわち
i)箱をシート状の展開状態にしかついずれかの天面フラップの三角形状部の頂点を上にした状態で収容するマガジンから箱シート材を、水平方向に延びる軸の回りに鉛直面内を旋回可能な吸着保持部を用いて箱シート材の底面を吸着保持することにより、一枚ずつ取り出す取出し工程。
ii) 前記取出し工程で取り出された箱シート材を、吸着保持部を旋回させることにより、マガジンと相対する位置に配置された折曲げ加工ステーションに移動させ、折曲げ加工ステーションにおいて、箱シート材の第1の天面フラップ対を内側に折り曲げるとともに、第2の天面フラップ対を内側に折り曲げる折曲げ工程。
iii)吸着保持部をさらに旋回させることにより、前記折曲げ工程で折り曲げられた箱シート材の天面フラップの三角形状部の頂点を搬送方向に向けた状態で、マガジンおよび折曲げ加工ステーションの下方に配置された搬送コンベアの搬送面上において、マガジンおよび折曲げ加工ステーションの間の中間位置に導入する導入工程。
【0009】
請求項1の発明によれば、いずれかの天面フラップの三角形状部の頂点を上にした状態で箱シート材がマガジンに収容されており、マガジンから取り出された箱シート材は、水平軸の回りに鉛直面内を旋回可能な吸着保持部により、折曲げ加工ステーションに移動して天面フラップ対の折曲げ加工が行われるとともに、折曲げ加工後、吸着保持部が水平軸の回りに鉛直面内を旋回して、搬送コンベア上に移動する。このようにして、三角形状の天面フラップを有する箱の予備成形(仮折り)を自動的に行える。
【0010】
しかも、この場合には、吸着保持部が鉛直面内を移動することにより、吸着保持部に保持された箱シート材のマガジンから折曲げ加工ステーションへの移動および搬送コンベアの搬送面上への移動が行われるとともに、搬送コンベアの搬送面上への導入が、マガジンおよび折曲げ加工ステーションの間の中間位置で行われるので、各ステーションを搬送コンベアに沿って直線状に配置する場合に比べて、装置全体の省スペース化が可能になる。
【0011】
さらに、この場合には、箱シート材が搬送コンベアの搬送面上に配置されたとき、箱シート材は、天面フラップの三角形状部の頂点を搬送方向に向けた状態で配向される。このとき、第1、第2の天面フラップ対のうち、一方の天面フラップ対の折り目が搬送コンベアの搬送方向に沿って配置され、他方の天面フラップ対の折り目が搬送コンベアの搬送方向と直交する向きに沿って配置されることになる。
【0012】
これにより、天面フラップをさらに仮折りする際や箱シート材を箱状に成形する際、また箱シート材の内側フラップを仮折りする際には、搬送コンベアの搬送方向に配設した固定ガイド等を用いて、天面フラップまたは内側フラップの折曲げを箱シート材の搬送中に容易に行えるようになる。
【0013】
請求項2の発明では、請求項1において、吸着保持部が、箱シート材を吸着保持する吸着パッドと、吸着パッドが取り付けられかつ箱シート材の底面に相当する大きさおよび形状を有する当接部とから構成されており、吸着パッドによる箱シート材の吸着保持時には、当接部が箱シート材の底面全体に当接している。
【0014】
請求項3の発明では、請求項2において、折曲げ加工ステーションにおける折曲げ加工の際には、折曲げ加工部と吸着保持部の当接部の側面との間で箱シート材の天面フラップ対を挟持することにより、天面フラップが内側に折り曲げられている。
【0015】
この場合には、吸着保持部の当接部が箱シート材の底面全体に当接していることにより、当接部の側面と折曲げ加工部との間で箱シート材の天面フラップ対を挟持することで、天面フラップを内側に折り曲げることができる。
【0016】
請求項4の発明では、請求項3において、折曲げ加工部が、折曲げ加工ステーションに固定された固定具を有しており、箱シート材が折曲げ加工ステーションに移動したとき、箱シート材の天面フラップ対が固定具に当接しつつ固定具と吸着保持部の当接部の側面との間で挟持されることにより、天面フラップ対の折曲げ加工が行われている。
【0017】
この場合には、天面フラップ対の折曲げ加工が固定具を用いて行われるので、装置の構造を簡略化できる。
【0018】
請求項5の発明では、請求項3において、折曲げ加工部が、折曲げ加工ステーションに配設された水平軸の回りを回動可能な可動具を有しており、箱シート材が折曲げ加工ステーションに移動したとき、可動具が水平軸の回りを回動することで、箱シート材の天面フラップ対が可動具により折り曲げられつつ可動具と吸着保持部の当接部の側面との間で挟持されることにより、天面フラップ対の折曲げ加工が行われている。
【0019】
この場合には、天面フラップ対の折曲げ加工が可動具を用いて行われるので、天面フラップの折曲げを確実に行うことができる。
【0020】
請求項6の発明では、請求項3において、折曲げ加工部が、折曲げ加工ステーションに固定された固定具と、折曲げ加工ステーションに配設された水平軸の回りを回動可能な可動具とを有しており、箱シート材が折曲げ加工ステーションに移動したとき、箱シート材の一方の天面フラップ対が固定具に当接しつつ固定具と吸着保持部の当接部の側面との間で挟持されることにより、一方の天面フラップ対の折曲げ加工が行われるとともに、可動具が水平軸の回りを回動することで、箱シート材の他方の天面フラップ対が可動具により折り曲げられつつ可動具と吸着保持部の当接部の側面との間で挟持されることにより、他方の天面フラップ対の折曲げ加工が行われている。
【0021】
この場合には、各天面フラップ対の折曲げ加工をすべて可動具を用いて行うのではなく、一方の天面フラップ対については、固定具を用いて折曲げ加工を行うので、装置全体の構造を複雑化することなく、簡略化できる。
【0022】
請求項7の発明では、請求項3において、天面フラップ対の折曲げ加工後には、天面フラップ対の三角形状部を係止することにより、天面フラップ対の折曲げ状態が維持されている。
【0023】
この場合には、折曲げ加工された天面フラップ対が元の状態に戻るのを防止できる。
【0024】
請求項8の発明では、請求項3において、天面フラップ対の折曲げ加工の際には、天面フラップ対がZ字状に折り曲げられている。
【0025】
この場合には、箱が或る程度の厚みを有する物を収容できるように箱にマチが或る場合に、このマチの部分を含んだ天面フラップ対の折曲げ加工を行うことができる。
【0026】
請求項9の発明では、請求項1において、折曲げ工程と導入工程の間には、天面フラップ対を再度内側に折り曲げる第2の折曲げ工程が設けられている。
【0027】
この場合には、第2の折曲げ工程により、天面フラップ対の仮折りをより確実に行えるようになる。
【0028】
請求項10の発明では、請求項1において、導入工程の後工程として、搬送コンベアの搬送面の上に導入された箱シート材の天面フラップ対を外側に折り曲げることにより、天面フラップ対に折りぐせを付ける第3の折曲げ工程が設けられている。
【0029】
この場合には、天面フラップ対が、内側に折り曲げられた後、外側に折り曲げられることによって、天面フラップ対に対して確実に折りぐせを付けることができる。
【0030】
請求項11の発明では、請求項1において、箱シート材が内側フラップを有しており、導入工程の後工程として、搬送コンベアの搬送面上に配置された箱シート材の内側フラップを内側に折り曲げる内側フラップ折曲げ工程が設けられている。
【0031】
この場合には、箱シート材が内側フラップを有している場合に、内側フラップの折曲げをも自動で行うことができる。
【0032】
請求項12の発明は、箱成形前に箱に折り目を付けるための箱予備成形装置である。当該箱は、四角形状の底面と、底面の各辺に連設された三角形状部をそれぞれ有する第1、第2の天面フラップ対とから構成されている。この予備成形装置は、箱をシート状の展開状態にしかついずれかの天面フラップの三角形状部の頂点を上にした状態で収容するマガジンと、水平方向に延びる軸の回りを旋回可能なアームの先端に設けられ、マガジンから箱シート材を一枚ずつ取り出す取出しステーション、取出しステーションに対向配置されかつ箱シート材の天面フラップ対を折り曲げる折曲げ加工ステーション、ならびに取出しステーションおよび折曲げ加工ステーションの下方においてこれらのステーションの中間位置に配置されかつ箱シート材を搬送コンベアに導入する導入ステーションの間を鉛直面内で移動可能に設けられるとともに、箱シート材の底面を吸着保持する吸着保持部と、折曲げ加工ステーションに設けられ、吸着保持部との間で第1、第2の天面フラップ対を挟持することにより、箱シート材の第1、第2の天面フラップ対を内側に折り曲げる折曲げ加工を行う折曲げ加工部とを備えている。
【0033】
請求項12の発明によれば、いずれかの天面フラップの三角形状部の頂点を上にした状態で箱シート材がマガジンに収容されており、マガジンから取り出された箱シート材は、水平軸の回りに鉛直面内を旋回可能な吸着保持部により、折曲げ加工ステーションに移動して天面フラップ対の折曲げ加工が行われるとともに、折曲げ加工後、吸着保持部が水平軸の回りに鉛直面内を旋回して、搬送コンベア上の導入ステーションに移動する。このようにして、三角形状の天面フラップを有する箱の予備成形(仮折り)を自動的に行える。
【0034】
しかも、この場合には、吸着保持部が鉛直面内を移動することにより、吸着保持部に保持された箱シート材が、取出しステーションから折曲げ加工ステーションおよび導入ステーションに移動するとともに、導入ステーションが、マガジンおよび折曲げ加工ステーションの間の中間位置に配置されるので、各ステーションを搬送コンベアに沿って直線状に配置する場合に比べて、装置全体の省スペース化が可能になる。
【0035】
さらに、この場合には、箱シート材が導入ステーションに移動したとき、箱シート材は、天面フラップの三角形状部の頂点を搬送コンベアの搬送方向に向けた状態で配向される。このとき、第1、第2の天面フラップ対のうち、一方の天面フラップ対の折り目が搬送コンベアの搬送方向に沿って配置され、他方の天面フラップ対の折り目が搬送コンベアの搬送方向と直交する向きに沿って配置されることになる。
【0036】
これにより、天面フラップをさらに仮折りする際や箱シート材を箱状に成形する際、また箱シート材の内側フラップを仮折りする際には、搬送コンベアの搬送方向に配設した固定ガイド等を用いて、天面フラップまたは内側フラップの折曲げを箱シート材の搬送中に容易に行えるようになる。
【0037】
請求項13の発明では、請求項12において、吸着保持部が、箱シート材を吸着保持する吸着パッドと、吸着パッドが取り付けられかつ箱シート材の底面に相当する大きさおよび形状を有する当接部とから構成されており、吸着パッドによる箱シート材の吸着保持時には、当接部が箱シート材の底面全体に当接しており、折曲げ加工ステーションにおける折曲げ加工の際には、折曲げ加工部と当接部の側面との間で箱シート材の天面フラップ対を挟持することにより、天面フラップ対が内側に折り曲げられている。
【0038】
この場合には、吸着保持部の当接部が箱シート材の底面全体に当接していることにより、当接部の側面と折曲げ加工部との間で箱シート材の天面フラップ対を挟持することで、天面フラップを内側に折り曲げることができる。
【0039】
請求項14の発明では、請求項12において、折曲げ加工部が、折曲げ加工ステーションに固定された固定具を有しており、箱シート材が折曲げ加工ステーションに移動したとき、箱シート材の天面フラップ対が固定具に当接しつつ固定具と吸着保持部の当接部の側面との間で挟持されることにより、天面フラップ対の折曲げ加工が行われている。
【0040】
この場合には、天面フラップ対の折曲げ加工が固定具を用いて行われるので、装置の構造を簡略化できる。
【0041】
請求項15の発明では、請求項12において、折曲げ加工部が、折曲げ加工ステーションに配設された水平軸の回りを回動可能な可動具を有しており、箱シート材が折曲げ加工ステーションに移動したとき、可動具が水平軸の回りを回動することで、箱シート材の天面フラップ対が可動具により折り曲げられつつ可動具と吸着保持部の当接部の側面との間で挟持されることにより、天面フラップ対の折曲げ加工が行われている。
【0042】
この場合には、天面フラップ対の折曲げ加工が可動具を用いて行われるので、天面フラップの折曲げを確実に行うことができる。
【0043】
請求項16の発明では、請求項12において、折曲げ加工部が、折曲げ加工ステーションに固定された固定具と、折曲げ加工ステーションに配設された水平軸の回りを回動可能な可動具とを有しており、箱シート材が折曲げ加工ステーションに移動したとき、箱シート材の一方の天面フラップ対が固定具に当接しつつ固定具と吸着保持部の当接部の側面との間で挟持されることにより、一方の天面フラップ対の折曲げ加工が行われるとともに、可動具が水平軸の回りを回動することで、箱シート材の他方の天面フラップ対が可動具により折り曲げられつつ可動具と吸着保持部の当接部の側面との間で挟持されることにより、他方の天面フラップ対の折曲げ加工が行われている。
【0044】
この場合には、各天面フラップ対の折曲げ加工をすべて可動具を用いて行うのではなく、一方の天面フラップ対については、固定具を用いて折曲げ加工を行うので、装置全体の構造を複雑化することなく、簡略化できる。
【0045】
請求項17の発明では、請求項12において、天面フラップ対の折曲げ加工後に天面フラップ対の三角形状部を係止する係止部がアームに設けられている。
【0046】
この場合には、天面フラップ対の折曲げ状態を維持でき、折曲げ加工された天面フラップ対が元の状態に戻るのを防止できる。
【0047】
請求項18の発明では、請求項12において、箱シート材の当接部の側面には、段差部が形成されており、天面フラップ対の折曲げ加工の際には、天面フラップ対が段差部と折曲げ加工部との間で挟持されることにより、天面フラップ対がZ字状に折り曲げられるようになっている。
【0048】
この場合には、箱シート材が或る程度の厚みを有する物を収容できるように、箱シート材にマチが或る場合に、箱シート材の当接部側面の段差部を利用して、マチの部分を含む天面フラップ対の折曲げを行うことができる。
【0049】
請求項19の発明では、請求項12において、折曲げ加工ステーションと導入ステーションとの間には、天面フラップ対を再度内側に折り曲げるための第2の折曲げ加工部が設けられている。
【0050】
この場合には、第2の折曲げ加工部により、天面フラップ対の仮折りをより確実に行えるようになる。
【0051】
請求項20の発明では、請求項19において、第2の折曲げ加工部は、水平方向に延びる回転軸の回りを旋回可能なレバーと、レバーの先端に設けられ、天面フラップ対に側方から当接する当接部とから構成されている。
【0052】
この場合には、第2の折曲げ加工部による天面フラップ対の仮折りが、レバー先端の第2の当接部の旋回運動により行われる。
【0053】
請求項21の発明では、請求項12において、導入ステーションには、搬送コンベアの搬送面の上に導入された箱シート材の天面フラップ対を外側に折り曲げることにより天面フラップ対に折りぐせを付けるための第3の折曲げ加工部が設けられている。
【0054】
この場合には、天面フラップ対が、内側に折り曲げられた後、外側に折り曲げられることによって、天面フラップ対に対して確実に折りぐせを付けることができる。
【0055】
請求項22の発明では、請求項21において、第3の折曲げ加工部は、水平方向に延びる回転軸の回りを旋回可能なレバーと、レバーの先端に設けられ、天面フラップ対に上方から当接する当接部とから構成されている。
【0056】
この場合には、第3の折曲げ加工部による天面フラップ対の仮折りが、レバー先端の当接部の旋回運動により行われる。
【0057】
請求項23の発明では、請求項12において、箱シート材が内側フラップを有しており、導入ステーションの搬送方向下流側には、搬送コンベアの搬送面上に配置された箱シート材の内側フラップを内側に折り曲げる内側フラップ折曲げ加工部が設けられている。
【0058】
この場合には、箱シート材が内側フラップを有している場合に、内側フラップの折曲げをも自動で行うことができる。
【0059】
請求項24の発明では、請求項23において、内側フラップ折曲げ加工部は、箱シート材の搬送中に、搬送方向前方に配置された第1の内側フラップ対に当接して第1の内側フラップ対を内側に折り曲げる固定部材と、箱シート材の搬送中に、搬送方向後方に配置された第2の内側フラップ対に当接して第2の内側フラップ対を内側に折り曲げる可動部材とから構成されている。
【0060】
この場合には、第1の内側フラップ対の折曲げ加工については、可動部材ではなく、固定部材を用いて行うので、装置全体の構造を簡略化できる。
【0061】
請求項25の発明では、請求項24において、可動部材が、鉛直方向に延びる回転軸の回りを回転可能に設けられ、その一部に形成された切欠きによる尖端部分を用いて第2の内側フラップ対の折曲げ加工を行う回転部材から構成されている。
【0062】
この場合には、可動部材が、切欠きを有する単なる回転部材から構成されるので、構造を簡略化できる。
【発明の効果】
【0063】
以上のように、本発明によれば、いずれかの天面フラップの三角形状部の頂点を上にした状態で箱シート材がマガジンに収容されており、マガジンから取り出された箱シート材は、水平軸の回りに鉛直面内を旋回可能な吸着保持部により、折曲げ加工ステーションに移動して天面フラップ対の折曲げ加工が行われるとともに、折曲げ加工後、吸着保持部が水平軸の回りに鉛直面内を旋回して、搬送コンベア上に移動する。このようにして、三角形状の天面フラップを有する箱の予備成形(仮折り)を自動的に行える。
【0064】
しかも、この場合には、吸着保持部が鉛直面内を移動することにより、吸着保持部に保持された箱シート材のマガジンから折曲げ加工ステーションへの移動および搬送コンベアの搬送面上への移動が行われるとともに、搬送コンベアの搬送面上への導入が、マガジンおよび折曲げ加工ステーションの間の中間位置で行われるので、各ステーションを搬送コンベアに沿って直線状に配置する場合に比べて、装置全体の省スペース化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施例による箱予備成形装置の概略構成を示す正面図である。
【図2】箱予備成形装置(図1)の側面断面図である。
【図3】箱予備成形装置(図1)における吸着保持部の駆動機構である遊星歯車機構の概略構成図である。
【図4】遊星歯車機構(図3)の駆動時において吸着保持部の当接部の軌跡を示す図である。
【図5】箱予備成形装置(図1)の各ステーションにおける箱シート材の仮折りの状態を説明するとともに、第2、第3の折曲げ加工部を示す図である。
【図6】箱予備成形装置(図1)においてアーム両端に吸着パッドおよび当接部を備えたツインヘッドの正面図である。
【図7】吸着保持部(図6)の吸着パッドに箱シート材の底面が吸着保持されたときの位置関係を示す図である。
【図8】箱予備成形装置(図1)における第1の折曲げ加工部を示す平面図である。
【図9】第1の折曲げ加工部のうちの可動具により箱シート材の天面フラップが仮折りされた状態を示す図である。
【図10】可動具(図9)の変形例を示す図である。
【図11】第3の折曲げ加工部(図5)による箱シート材の天面フラップの仮折りの動作を説明するための正面図である。
【図12】図11の平面図である。
【図13】箱シート材の内側フラップの仮折りを行う内側フラップ折曲げ加工部の平面図である。
【図14】内側フラップの折曲げ加工後において、天面フラップのさらなる折曲げ加工を行う固定ガイドの平面図である。
【図15】図14のXV-XV線断面図である。
【図16】図14のXVI-XVI線断面図である。
【図17】図14のXVII-XVII線断面図である。
【図18】図14のXVIII-XVIII線断面図である
【図19】箱の全体斜視図である。
【図20】箱シート材の展開図である。
【図21】前記箱シート材(図20)を長尺のシートから複数枚取り出す際のレイアウトを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施例による箱予備成形装置の概略構成を示す正面図であり、図2は、その側面断面図である。
【0067】
図1に示すように、箱予備成形装置1は、箱成形前に箱に折り目を付けるための装置であって、シート状の展開状態にされた箱シート材100(図20)を多数枚収容するマガジン120と、マガジン120から箱シート材100を一枚ずつ取り出し、取り出された箱シート材100を鉛直面内(同図紙面内)で移動させる吸着保持部2と、箱シート材100に対して折曲げ加工を行う第1ないし第3の折曲げ加工部3、4、5とを備えている。
【0068】
箱シート材100は、図20に示すように、四角形状の外周形状を有しており、その四隅に配置された三角形状の天面フラップ102a、102b、103a、103bと、各天面フラップが連設する四角形状の底面101とから構成されている(箱の立体形状は図19参照)。図20中、一点鎖線は箱シート材100の折り目を示しており、参照符号104は箱シート材100の内側フラップである。また、点A、B、C、Dは、三角形状の天面フラップ102a、102b、103a、103bのそれぞれの頂点を示している。なお、本実施例中では、説明の便宜上、天面フラップ102a、102bを第1の天面フラップ対と呼称し、天面フラップ103a、103bを第2の天面フラップ対と呼称することにする。
【0069】
マガジン120に収容された箱シート材100は、図1に示すように、天面フラップ102aの頂点Aを上にした状態(したがって、天面フラップ102bの頂点Bを下にした状態)で、かつ底面101の裏面(つまり内側面)を外側に向けた状態で、マガジン120内に配置されている。なお、他の天面フラップの頂点B、C、Dを上にした状態で配置するようにしてもよい。
【0070】
吸着保持部2は、図2に示すように、箱シート材100を吸着保持する吸着パッド2020’と、吸着パッド20、20’が取り付けられ、吸着パッド20、20’による吸着保持時に箱シート材100に当接する当接部21、21’とを有している。吸着パッド20、20’および当接部21、21’は、アーム22の両端にそれぞれ設けられている。すなわち、この例では、吸着保持部2がツインヘッド型のものを示している。なお、本発明は、吸着パッドおよび当接部がアーム22の一端側にのみ設けられたシングルヘッド型のものにも同様に適用できることはいうまでもない。
【0071】
吸着保持部2は、図6(正面図)に示すように、両端寄りの位置に一対のラッチ部(係止部)22A、22Bおよび22’A、22’Bをそれぞれ有している。これらのラッチ部22A、22Bおよび22’A、22’Bは、L字状に折り曲げられたプレート部材から構成されており、後述するように、箱シート材100の天面フラップが折り曲げられた後に、折り曲げられた天面フラップの頂点部分に係合することで、天面フラップの折曲げ状態を維持するためのものである。
【0072】
吸着保持部2の当接部21の内部には、吸引用の通路21aが形成されており、通路21aは吸着パッド20に連通するとともに、図示しない真空ポンプに接続されている(当接部21’についても同様)。吸着パッド20(吸着パッド20’についても同様)は、当接部21の当接面21aに形成された凹部21bに設けられており、当接面21a(当接面21’aについても同様)は、箱シート材100の底面101に相当する大きさおよび形状を有している(図7参照)。吸着パッド20、20’による吸着保持時には、当接部21、21’の当接面21a、21’a全体が箱シート材100の底面101全体に密着している。また、アーム22の中央には、貫通孔22aが形成されている。
【0073】
アーム22は、図2に示すように、その中央部の貫通孔22aを挿通して水平方向に延びる軸23の一端に固定されている。軸23は、ブラケット24に回転自在に支持されている。その一方、軸23から所定間隔を隔てて軸23と平行に軸25が配設されている。軸25の一端には、タイミングプーリ26が固定されており、タイミングプーリ26には、タイミングベルト27が巻き掛けられている。タイミングベルト27は、図示しないサーボモータに駆動連結されている。軸25は、ブラケット28に回転自在に支持されており、ブラケット28は、ベース29に固定されている。
【0074】
ブラケット28は、ディスク30を挿通してベース29側に延びており、ディスク30はブラケット28に回転自在に支持されている。軸23の他端は、ディスク30に回転自在に支持されている。また、ディスク30から前方(図2左方)に所定間隔を隔ててディスク31が配置されている。ブラケット24は、ディスク31に固定されている。軸25の他端は、ディスク31に固定されている。ディスク30、31は、前後方向に配設されたスペーサ部材32を介して相互に連結されている。
【0075】
ディスク30、31で囲繞された空間内には、アーム22を軸25の回りに旋回させるための駆動機構である遊星歯車機構が設けられている。この遊星歯車機構は、図3に示すように、ブラケット28に固定されたサンギア10と、軸23の他端に固定されたプラネタリギア11と、サンギア10およびプラネタリギア11と噛み合うアイドルギア12とから構成されている。アイドルギア12は、支軸12aに固定されている。
【0076】
この構成により、タイミングベルト27およびタイミングプーリ26を介して、図示しないサーボモータの回転力が軸25に伝達されると、軸25の一端に固定されたディスク31、30およびブラケット24が、軸25とともに回転を開始し、これにより、軸23が軸25の回りを旋回し始める。軸23の旋回方向は、図3中の矢印sで示されている。
【0077】
このとき、サンギア10がブラケット28に固定されていて静止しており、また、プラネタリギア11が軸23の他端に固定されているので、軸23が軸25の回りを旋回し始めると、アイドルギア12がサンギア10の外周に沿って転動を開始する。これにより、アイドルギア12が矢印u方向に回転し始める。すると、アイドルギア12と噛み合うプラネタリギア11が矢印t方向に回転し始める。これにより、軸23は、軸25の回りを旋回し始めると同時に、矢印t方向に回転を開始する。その結果、軸23の一端に固定されたアーム22が、軸25の回りを矢印s方向に旋回を開始すると同時に、軸23とともに矢印t方向に回転を開始する。
【0078】
このようにして、吸着保持部2の当接部21は、図4に示すように、マガジン120(図1)に最接近して、マガジン120から箱シート材100を取り出す取出しステーションPと、取出しステーションPに対向配置され、箱シート材100の天面フラップ対102a、102bおよび103a、103bを内側に折り曲げる折曲げ加工を行う折曲げ加工ステーションQと、取出しステーションPおよび折曲げ加工ステーションQの下方においてこれらのステーションの中間位置に配置され、箱シート材100を搬送コンベアに導入する導入ステーションRとの間を鉛直面内で移動可能に設けられている(当接部21’についても同様)。なお、図中、一点鎖線は当接部21の軌跡を示している(当接部21’についても同様)。また、矢印vは、当接部21の移動方向を示している。
【0079】
図5は、取出しステーションP、折曲げ加工ステーションQおよび導入ステーションRにおける箱シート材100の状態を示すとともに、第1ないし第3の折曲げ加工部3、4、5を併せて示したものである。
【0080】
図5に示すように、折曲げ加工ステーションQにおいては、第1の折曲げ加工部3により、箱シート材100の第1、第2の天面フラップ対102a、102bおよび103a、103bをそれぞれ内側に折り曲げる折曲げ加工(仮折り)が行われている。折曲げ加工ステーションQと導入ステーションRとの間においては、第2の折曲げ加工部4により、箱シート材100の第2の天面フラップ対103a、103bを再度内側に折り曲げる折曲げ加工(仮折り)が行われている。導入ステーションRにおいては、第3の折曲げ加工部5により、箱シート材100の第2の天面フラップ対103a、103bを外側に折り曲げることにより、第2の天面フラップ対103a、103bに対して折りぐせを付ける折曲げ加工(仮折り)が行われている。
【0081】
第1の折曲げ加工部3は、図1、図8および図9に示すように、水平方向(図1紙面垂直方向、図8左右方向)に所定間隔を隔てて配置され、折曲げ加工ステーションQに固定された一対の固定具33と、上下方向に所定間隔を隔てて配置された一対の可動具34とを有している。
【0082】
固定具33は、図8に示すように、プレート状部材の両端を屈曲させて略V字状に折り曲げることにより構成されており、弾性変形可能な略V字状の折曲げ部33aを有している。可動具34は、水平方向に延びる回転可能な支軸35にその一端側が固定されたプレート状部材から構成されている。支軸35は、図示しないサーボモータに駆動連結されており、可動具34は、支軸35とともに回動して、箱シート材100に対して折曲げ加工を行う折曲げ加工位置(図1一点鎖線位置、図9実線位置)と、折曲げ加工位置から退避した退避位置(図1実線位置、図9一点鎖線位置)とをとり得るようになっている。
【0083】
箱シート材100が折曲げ加工ステーションQに移動した際には、吸着保持部2の当接部21の当接面21a全体にその底面101が密着した箱シート材100の第2の天面フラップ対103a、103bが、それぞれ対応する固定具33の折曲げ部33aに当接する(図8参照)。このとき、折曲げ部33aが弾性を有しているため、第2の天面フラップ対103a、103bは、当接部21の一方の側面と固定具33の折曲げ部33aとの間で弾性的に挟持される。これにより、第2の天面フラップ対103a、103bを内側に折り曲げる折曲げ加工が行われる。
【0084】
また、箱シート材100が折曲げ加工ステーションQに移動した際には、可動具34が支軸35とともに回転して、折曲げ加工位置に移動する。これにより、箱シート材100の第1の天面フラップ対102a、102bが可動具34により内側に折り曲げられつつ、当接部21の他方の側面と可動具34との間で挟持される。これにより、第1の天面フラップ対102a、102bを内側に折り曲げる折曲げ加工が行われる。
【0085】
折曲げ加工された第1の天面フラップ対102a、102bは、その三角形状の頂点A、Bが吸着保持部2の対応するラッチ部22A、22Bにそれぞれ係止される(図9参照)。これにより、第1の天面フラップ対102a、102bの折曲げ状態が維持される。
【0086】
なお、ここでは、折曲げ加工位置に設けられた可動具34と相対する当接部21の他方の側面には、わずかな段差のある屈曲面が形成されており、可動具34により天面フラップが略L字状に折り曲げられた例を示しているが(図9参照)、この場合の段差はなくてもよく、当接部21の他方の側面は平坦面でもよい。
【0087】
これに対して、図10の変形例に示すように、当接部21の他方の側面に大きな段差部(V字状溝)を設けるようにしてもよく、この場合、天面フラップは、可動具34により略Z字状に折り曲げられる。これにより、本実施例のように、箱シート材100にマチがある場合に、このマチの部分を含んだ折曲げ加工を行うことができる。なお、この場合、吸着保持部2のラッチ部22A、22Bを省略した構成とすることも可能である。
【0088】
第2の折曲げ加工部4は、図1および図5に示すように、水平方向に延びる回転軸40の中心回りを旋回可能な左右一対のレバー41と、各レバー41の先端に設けられ、第2の天面フラップ対103a、103bに側方から当接する当接部42とから構成されている。当接部42は、例えば樹脂製部材である。なお、図1、図5においては、一方のレバー41のみが示されており、他方のレバーは各図紙面奥側に配置されている。
【0089】
第3の折曲げ加工部5は、図1、図5、図11および図12に示すように、水平方向に配設され、図示しないサーボモータに駆動連結された回転軸50と、回転軸50上に所定間隔を隔てて配置されるとともに、その長手方向中央部が回転軸50に取り付けられた左右一対のレバー51と、レバー51の一端側に取り付けられ、導入ステーションRにおいてバケットコンベア(搬送コンベア)15の搬送面上に導入された箱シート材100の第2の天面フラップ対103a、103bに上方から当接する当接部52とを有している。
【0090】
なお、ここでは、第2、第3の折曲げ加工部4、5が、いずれも鉛直面内で回転するレバー41、51を用いて折曲げ加工を行う例を示したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、天面フラップ対103a、103bの側方に往復動可能な部材を設け、各部材を互いに接近させたときに各部材を天面フラップ対103a、103bに当接させることで、天面フラップ対103a、103bの折曲げ加工を行うようにしてもよい。なお、この往復動する部材は、直線的に移動するものでも、また振り子のように円弧運動するものでもよい。
【0091】
次に、箱シート材100の内側フラップ104に対して折曲げ加工を行う内側フラップ折曲げ加工部について、図13を用いて説明する。
【0092】
この内側フラップ折曲げ加工部6は、導入ステーションRの搬送方向下流側に設けられており、図13に示すように、バケットコンベア15の左右両側に配置され、バケットコンベア15がその上を走行するフレーム16(図11)に固定された一対の固定部材60と、バケットコンベア15の左右両側に配置され、鉛直方向に延びる回転可能な回転軸61に取り付けられた一対の回転部材62とから構成されている。
【0093】
固定部材60は、箱シート材100において搬送方向(図13白抜き矢印方向)前側の内側フラップ対1041を内側に折り曲げるためのものである。回転部材62は、ここでは円板状部材が示されており、回転部材62の外周の一部には、切欠き62aが形成されている。回転部材62は、切欠き62aにより形成された先端部分62bを用いて、箱シート材100における搬送方向後側の内側フラップ対1042を内側に折り曲げるように設けられている。
【0094】
なお、円板状の回転部材のかわりに、棒状の回転部材を用いるようにしてもよく、あるいは、振り子のように円弧状の往復運動をする部材を用いるようにしてもよい。いずれの場合であっても、各部材の搬送方向の速度成分が、バケットコンベ15の搬送速度を上回っていればよい。
【0095】
なお、図13に示すように、箱シート材100の第1の天面フラップ対102a、102bは、導入ステーションRの搬送方向下流側において、図示しないガイド部材によりいずれも内方に傾斜した状態で保持されている。
【0096】
次に、内側フラップ折曲げ加工部のさらに搬送方向下流側において、バケットコンベア15に沿って配設された固定ガイドについて図14ないし図18を用いて説明する。
【0097】
図14ないし図18に示すように、バケットコンベア15の搬送方向(図14白抜き矢印方向)に沿って、固定ガイド70〜73が配設されている。導入ステーションRにおいて外側に折曲げ加工された第2の天面フラップ対103a、103bは、バケットコンベア15による搬送中に、固定ガイド70、71のガイド作用により、徐々に上側に持ち上げられようになっている(図15参照)。そして、バケットコンベア15によりさらに搬送されると、固定ガイド72、73の作用により、第2の天面フラップ対103a、103bは、箱シート材100のマチの折り目に沿って、下方に折り曲げられるようになっている(図16〜図18参照)。
【0098】
次に、上述のように構成される箱予備成形装置1による箱予備成形方法について説明する。
【0099】
図示しないサーボモータの駆動により、タイミングベルト27およびタイミングプーリ26を介して、軸25が回転を開始すると、軸25の一端に固定されたディスク31、30およびブラケット24が軸25とともに回転を開始し(図2参照)、これにより、軸23が軸25の回りを矢印s方向に旋回し始める(図3参照)。
【0100】
このとき、サンギア10がブラケット28に固定されていて静止しており、また、プラネタリギア11が軸23の他端に固定されているので、軸23が軸25の回りを旋回し始めると、アイドルギア12がサンギア10の外周に沿って転動を開始する。これにより、アイドルギア12が矢印u方向に回転し始める(図3参照)。すると、アイドルギア12と噛み合うプラネタリギア11が矢印t方向に回転し始める(図3参照)。これにより、軸23は、軸25の回りを旋回し始めると同時に、矢印t方向に回転を開始する。その結果、軸23の一端に固定されたアーム22が、鉛直面内で軸25の回りを矢印s方向に旋回を開始すると同時に、軸23とともに矢印t方向に回転を開始する(図3参照)。
【0101】
このようにして、吸着保持部2の当接部21が、マガジン120(図1)に最接近した取出しステーションPに移動する(図4、図5参照)。取出しステーションPでは、吸着保持部2の吸着パッド20により、マガジン120に収容された箱シート材100が吸着保持されるとともに、吸着保持部2の当接部21の当接面21aが箱シート材100の底面101の内面全体に当接する(図5、図7参照)。
【0102】
この状態から、軸25の回転により、軸23がさらに矢印s方向に旋回しつつ矢印t方向に回転すると、吸着保持部2の当接部21は、取出しステーションPから離れる側に向かって矢印v方向に一点鎖線に沿って移動を開始する(図4、図5参照)。これにより、マガジン120から箱シート材100が一枚取り出される。
【0103】
当接部21が折曲げ加工ステーションQに移動すると、箱シート材100の第2の天面フラップ対103a、103bが、当接部21の側面と固定具33の折曲げ部33aとの間で弾性的に挟持される(図8参照)。これにより、第2の天面フラップ対103a、103bを内側に折り曲げる折曲げ加工が行われる。その一方、このとき、箱シート材100の第1の天面フラップ対102a、102bは、可動具34により内側に折り曲げられつつ、当接部21の他方の側面と可動具34との間で挟持される。これにより、第1の天面フラップ対102a、102bを内側に折り曲げる折曲げ加工が行われる(図1、図5、図9参照)。
【0104】
折曲げ加工された第1の天面フラップ対102a、102bは、その三角形状の頂点A、Bが吸着保持部2の対応するラッチ部22A、22Bにそれぞれ係止される(図9参照)。これにより、第1の天面フラップ対102a、102bの折曲げ状態が維持される。なお、箱シート材100が折曲げ加工ステーションQに移動したとき、取出しステーションPにおいて上側に配置されていた天面フラップ102aは下側に配置され、また取出しステーションPにおいて下側に配置されていた天面フラップ102bは上側に配置されている。これにより、頂点A、Bの位置が逆になっている。
【0105】
軸25の回転により、軸23がさらに矢印s方向に旋回しつつ矢印t方向に回転すると、吸着保持部2の当接部21は、折曲げ加工ステーションQから離れる側に向かって矢印v方向に一点鎖線に沿って移動を開始する(図4、図5参照)。
【0106】
そして、折曲げ加工ステーションQと導入ステーションRとの中間位置において、箱シート材100は、第2の折曲げ加工部4による折曲げ加工を受ける。この場合には、第2の折曲げ加工部4の各レバー41が鉛直面内で旋回することにより、各レバー41先端の各当接部42が、箱シート材100の第2の天面フラップ対103a、103bにそれぞれ外側から当接して、第2の天面フラップ対103a、103bの外側面上を摺動することにより、第2の天面フラップ対103a、103bに対してさらなる折曲げ加工が行われる(図1、図5参照)。
【0107】
この状態から、軸25の回転により、軸23がさらに矢印s方向に旋回しつつ矢印t方向に回転すると、吸着保持部2の当接部21は、一点鎖線に沿って矢印v方向に移動して導入ステーションRに移動する(図1、図4、図5参照)。導入ステーションRでは、バケットコンベア15の搬送面上に箱シート材100が導入される。導入ステーションRは、取出しステーションPおよび折曲げ加工ステーションQの下方において、これらのステーションの中間位置に配置されている。
【0108】
導入ステーションRにおいては、第3の折曲げ加工部5による折曲げ加工が行われる。この場合には、第3の折曲げ加工部5の各レバー51が鉛直面内で旋回することにより、各レバー51先端の各当接部52が、箱シート材100の第2の天面フラップ対103a、103bにそれぞれ上側から当接して、第2の天面フラップ対103a、103bを外側に折り曲げることにより、第2の天面フラップ対103a、103bに折りぐせを付ける折曲げ加工が行われる(図1、図5、図11、図12参照)。
【0109】
なお、箱シート材100が導入ステーションRに移動したとき、天面フラップ102bは搬送方向前側に配置され、天面フラップ102aは搬送方向後側に配置されており、第1の天面フラップ対102a、102bの各頂点A、Bは、搬送方向に配向している。
【0110】
吸着保持部2の当接部21が導入ステーションRに移動した後、軸25の回転により、軸23がさらに矢印s方向に旋回しつつ矢印t方向に回転すると、当接部21は、一点鎖線に沿って矢印v方向に移動して取出しステーションPに移動する(図1、図4、図5参照)。以下、同様の動作を繰り返す。
【0111】
その一方、導入ステーションRに導入された箱シート材100は、バケットコンベア15による搬送中に、内側フラップ折曲げ加工部6による折曲げ加工を受ける(図13参照)。この場合には、まず、搬送方向前側の内側フラップ1041が、箱シート材100の搬送中に固定部材60に当接することで、内側に折り曲げられる。次に、搬送方向後側の内側フラップ1042は、箱シート材100の搬送中に回転部材62の尖端部62bが搬送方向下流側から当接することで、同様に内側に折り曲げられる。
【0112】
次に、箱シート材100がさらに搬送方向下流側に搬送されると、固定ガイド70〜73の作用により、箱シート材100の第2の天面フラップ対103a、103bが、マチを含んだ個所で折り曲げられる(図15〜図18参照)。
【0113】
このように本実施例では、いずれかの天面フラップの三角形状部の頂点を上にした状態で箱シート材100がマガジン120に収容されており、マガジン120から取り出された箱シート材100は、水平方向の軸25の回りに鉛直面内を旋回可能な吸着保持部2により、折曲げ加工ステーションQに移動して第1、第2の天面フラップ対102a、102b;103a、103bの折曲げ加工が行われるとともに、折曲げ加工後、吸着保持部2が軸25の回りに鉛直面内を旋回して、バケットコンベア15上の導入ステーションRに移動する。このようにして、三角形状の天面フラップを有する箱シート材100の予備成形(天面フラップの仮折り)を自動的に行える。
【0114】
しかも、この場合には、吸着保持部2が鉛直面内を移動することにより、吸着保持部2に保持された箱シート材100が、取出しステーションPから折曲げ加工ステーションQおよび導入ステーションRに移動するとともに、導入ステーションRが、マガジン120および折曲げ加工ステーションQの間の中間位置に配置されるので、装置全体の省スペース化が可能になる。
【0115】
さらに、この場合には、箱シート材100が導入ステーションPに移動したとき、箱シート材100は、天面フラップの三角形状部の頂点をバケットコンベア15の搬送方向に向けた状態で配向される。このとき、第1、第2の天面フラップ対102a、102b;103a、103bのうち、一方の天面フラップ対の折り目がバケットコンベア15の搬送方向に沿って配置され、他方の天面フラップ対の折り目がバケットコンベア15の搬送方向と直交する向きに沿って配置されることになる。
【0116】
これにより、天面フラップをさらに仮折りする際や箱シート材100を箱状に成形する際、また箱シート材100の内側フラップ104を仮折りする際には、バケットコンベア15の搬送方向に配設した固定ガイド等を用いて、天面フラップ102a、102b;103a、103bまたは内側フラップ104の折曲げを箱シート材100の搬送中に容易に行えるようになる。
【0117】
なお、前記実施例では、ツインヘッド型の吸着保持部2の一方の当接部21の動作についてのみ説明し、他方の当接部21’の動作については説明を省略したが、当接部21’の動作についても当接部21の動作と同様である。しかも、この場合には、双方の当接部21、21’が動作中に同様の一点鎖線の軌跡を描いており、例えば当接部21が取出しステーションPで箱シート材100の取出し処理を行っている際に、当接部21’の側では、第2の折曲げ加工部4による折曲げ加工が行われている(図4参照)。このように、ツインヘッド型の場合には、各処理を効率よく行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0118】
以上のように、本発明は、三角形状の天面フラップを有する箱の予備成形に有用であり、とくに省スペース化を要求されるものに適している。
【符号の説明】
【0119】
1: 箱予備成形装置
15: バケットコンベア(搬送コンベア)
2: 吸着保持部
20、20’: 吸着パッド
21、21’: 当接部
22: アーム
22A、22B: ラッチ部(係止部)
22’A、22’B: ラッチ部(係止部)
25: 軸
3: 第1の折曲げ加工部
33: 固定具
34: 可動具
35: 支軸(水平軸)
4: 第2の折曲げ加工部
40: 回転軸
41: レバー
42: 当接部
5: 第3の折曲げ加工部
50: 回転軸
51: レバー
52: 当接部
6: 内側フラップ折曲げ加工部
60: 固定部材
61: 回転軸
62: 回転部材
62a: 切欠き
62b: 尖端部分
100: 箱シート材
101: 底面
102a、102b: 第1の天面フラップ対
103a、103b: 第2の天面フラップ対
104: 内側フラップ
A、B、C、D: 頂点
120: マガジン
P: 取出しステーション
Q: 折曲げ加工ステーション
R: 導入ステーション
【先行技術文献】
【特許文献】
【0120】
【特許文献1】特開2001−199406号公報(段落[0001]参照)
【特許文献2】特開2005−271970号公報(段落[0001]参照)
【技術分野】
【0001】
本発明は、三角形状の天面フラップを有する箱の予備成形(つまり天面フラップの仮折り)を自動的に行え、かつ省スペース化を可能にする箱予備成形方法および箱予備成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、商品を箱に包装する包装方法として、箱を展開状態にした箱シート材の上に商品を載せ、商品を箱シート材で包み込んでフラップを接合することにより商品を包装する「ラップラウンド方式」と、筒状に成形した箱を折り畳み状態にして収容したマガジンから箱を取り出す際に開函して筒状の箱体に成形し、箱体の中に商品を挿入してフラップを接合することにより商品を包装する「セットアップ方式」が用いられている(特開2001−199406号公報および特開2005−271970号公報参照)。
【0003】
上述した各方式に用いられる箱は、一般に、直方体形状を有しており、四角形状の底面および天面と、これらに連設された四角形状のフラップとから主として構成されている。このような直方体形状の箱は、展開状態にしたときに外周に多数の凹凸が生じるため、長尺のシートから多数枚の箱シート材を取り出す際には、長尺のシートに多数のスクラップ部分が生じてしまうことになって、歩留まりが悪い。
【0004】
そこで、長尺のシートから無駄なく箱シート材を取り出して歩留まりを向上させるために、図19に示すような三角形状の天面フラップを有する扁平な箱も考案されている。図20は、この箱を展開状態した箱シート材を示しており、箱シート材100は、四角形状の外周形状を有しており、その四隅に配置された三角形状の天面フラップ102a、102b、103a、103b(図19参照)と、各天面フラップが連設する四角形状の底面101とから構成されている。なお、図20中、一点鎖線は箱シート材100の折り目を示している。また、参照符号104は箱シート材100の内側フラップである。
【0005】
長尺のシートから展開状態の箱シート材100を多数枚取り出す際には、図21に示すように、展開状態の四角形状の箱シート材100の一辺を互いに隣接させた状態で一列に並べるようにすればよい。これにより、長尺のシートから無駄なく箱シート材を取り出すことができる。
【0006】
ところが、この場合には、箱シート材100の天面フラップ102a、102b、103a、103bが三角形状を有していることにより、四角形状の底面101が四角形状の外周形状に対して斜めに配置されており、また箱の厚みも薄いため、箱シート材100を用いて商品を包装する際に、従来のラップラウンド方式やセットアップ方式をそのまま適用するのは容易ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする課題は、三角形状の天面フラップを有する箱の予備成形(仮折り)を自動的に行えるようにし、かつ省スペース化を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、箱成形前に箱に折り目を付けるための箱予備成形方法である。当該箱は、四角形状の底面と、底面の各辺に連設された三角形状部をそれぞれ有する第1、第2の天面フラップ対とから構成されている。この箱予備成形方法は、以下の工程を備えている。すなわち
i)箱をシート状の展開状態にしかついずれかの天面フラップの三角形状部の頂点を上にした状態で収容するマガジンから箱シート材を、水平方向に延びる軸の回りに鉛直面内を旋回可能な吸着保持部を用いて箱シート材の底面を吸着保持することにより、一枚ずつ取り出す取出し工程。
ii) 前記取出し工程で取り出された箱シート材を、吸着保持部を旋回させることにより、マガジンと相対する位置に配置された折曲げ加工ステーションに移動させ、折曲げ加工ステーションにおいて、箱シート材の第1の天面フラップ対を内側に折り曲げるとともに、第2の天面フラップ対を内側に折り曲げる折曲げ工程。
iii)吸着保持部をさらに旋回させることにより、前記折曲げ工程で折り曲げられた箱シート材の天面フラップの三角形状部の頂点を搬送方向に向けた状態で、マガジンおよび折曲げ加工ステーションの下方に配置された搬送コンベアの搬送面上において、マガジンおよび折曲げ加工ステーションの間の中間位置に導入する導入工程。
【0009】
請求項1の発明によれば、いずれかの天面フラップの三角形状部の頂点を上にした状態で箱シート材がマガジンに収容されており、マガジンから取り出された箱シート材は、水平軸の回りに鉛直面内を旋回可能な吸着保持部により、折曲げ加工ステーションに移動して天面フラップ対の折曲げ加工が行われるとともに、折曲げ加工後、吸着保持部が水平軸の回りに鉛直面内を旋回して、搬送コンベア上に移動する。このようにして、三角形状の天面フラップを有する箱の予備成形(仮折り)を自動的に行える。
【0010】
しかも、この場合には、吸着保持部が鉛直面内を移動することにより、吸着保持部に保持された箱シート材のマガジンから折曲げ加工ステーションへの移動および搬送コンベアの搬送面上への移動が行われるとともに、搬送コンベアの搬送面上への導入が、マガジンおよび折曲げ加工ステーションの間の中間位置で行われるので、各ステーションを搬送コンベアに沿って直線状に配置する場合に比べて、装置全体の省スペース化が可能になる。
【0011】
さらに、この場合には、箱シート材が搬送コンベアの搬送面上に配置されたとき、箱シート材は、天面フラップの三角形状部の頂点を搬送方向に向けた状態で配向される。このとき、第1、第2の天面フラップ対のうち、一方の天面フラップ対の折り目が搬送コンベアの搬送方向に沿って配置され、他方の天面フラップ対の折り目が搬送コンベアの搬送方向と直交する向きに沿って配置されることになる。
【0012】
これにより、天面フラップをさらに仮折りする際や箱シート材を箱状に成形する際、また箱シート材の内側フラップを仮折りする際には、搬送コンベアの搬送方向に配設した固定ガイド等を用いて、天面フラップまたは内側フラップの折曲げを箱シート材の搬送中に容易に行えるようになる。
【0013】
請求項2の発明では、請求項1において、吸着保持部が、箱シート材を吸着保持する吸着パッドと、吸着パッドが取り付けられかつ箱シート材の底面に相当する大きさおよび形状を有する当接部とから構成されており、吸着パッドによる箱シート材の吸着保持時には、当接部が箱シート材の底面全体に当接している。
【0014】
請求項3の発明では、請求項2において、折曲げ加工ステーションにおける折曲げ加工の際には、折曲げ加工部と吸着保持部の当接部の側面との間で箱シート材の天面フラップ対を挟持することにより、天面フラップが内側に折り曲げられている。
【0015】
この場合には、吸着保持部の当接部が箱シート材の底面全体に当接していることにより、当接部の側面と折曲げ加工部との間で箱シート材の天面フラップ対を挟持することで、天面フラップを内側に折り曲げることができる。
【0016】
請求項4の発明では、請求項3において、折曲げ加工部が、折曲げ加工ステーションに固定された固定具を有しており、箱シート材が折曲げ加工ステーションに移動したとき、箱シート材の天面フラップ対が固定具に当接しつつ固定具と吸着保持部の当接部の側面との間で挟持されることにより、天面フラップ対の折曲げ加工が行われている。
【0017】
この場合には、天面フラップ対の折曲げ加工が固定具を用いて行われるので、装置の構造を簡略化できる。
【0018】
請求項5の発明では、請求項3において、折曲げ加工部が、折曲げ加工ステーションに配設された水平軸の回りを回動可能な可動具を有しており、箱シート材が折曲げ加工ステーションに移動したとき、可動具が水平軸の回りを回動することで、箱シート材の天面フラップ対が可動具により折り曲げられつつ可動具と吸着保持部の当接部の側面との間で挟持されることにより、天面フラップ対の折曲げ加工が行われている。
【0019】
この場合には、天面フラップ対の折曲げ加工が可動具を用いて行われるので、天面フラップの折曲げを確実に行うことができる。
【0020】
請求項6の発明では、請求項3において、折曲げ加工部が、折曲げ加工ステーションに固定された固定具と、折曲げ加工ステーションに配設された水平軸の回りを回動可能な可動具とを有しており、箱シート材が折曲げ加工ステーションに移動したとき、箱シート材の一方の天面フラップ対が固定具に当接しつつ固定具と吸着保持部の当接部の側面との間で挟持されることにより、一方の天面フラップ対の折曲げ加工が行われるとともに、可動具が水平軸の回りを回動することで、箱シート材の他方の天面フラップ対が可動具により折り曲げられつつ可動具と吸着保持部の当接部の側面との間で挟持されることにより、他方の天面フラップ対の折曲げ加工が行われている。
【0021】
この場合には、各天面フラップ対の折曲げ加工をすべて可動具を用いて行うのではなく、一方の天面フラップ対については、固定具を用いて折曲げ加工を行うので、装置全体の構造を複雑化することなく、簡略化できる。
【0022】
請求項7の発明では、請求項3において、天面フラップ対の折曲げ加工後には、天面フラップ対の三角形状部を係止することにより、天面フラップ対の折曲げ状態が維持されている。
【0023】
この場合には、折曲げ加工された天面フラップ対が元の状態に戻るのを防止できる。
【0024】
請求項8の発明では、請求項3において、天面フラップ対の折曲げ加工の際には、天面フラップ対がZ字状に折り曲げられている。
【0025】
この場合には、箱が或る程度の厚みを有する物を収容できるように箱にマチが或る場合に、このマチの部分を含んだ天面フラップ対の折曲げ加工を行うことができる。
【0026】
請求項9の発明では、請求項1において、折曲げ工程と導入工程の間には、天面フラップ対を再度内側に折り曲げる第2の折曲げ工程が設けられている。
【0027】
この場合には、第2の折曲げ工程により、天面フラップ対の仮折りをより確実に行えるようになる。
【0028】
請求項10の発明では、請求項1において、導入工程の後工程として、搬送コンベアの搬送面の上に導入された箱シート材の天面フラップ対を外側に折り曲げることにより、天面フラップ対に折りぐせを付ける第3の折曲げ工程が設けられている。
【0029】
この場合には、天面フラップ対が、内側に折り曲げられた後、外側に折り曲げられることによって、天面フラップ対に対して確実に折りぐせを付けることができる。
【0030】
請求項11の発明では、請求項1において、箱シート材が内側フラップを有しており、導入工程の後工程として、搬送コンベアの搬送面上に配置された箱シート材の内側フラップを内側に折り曲げる内側フラップ折曲げ工程が設けられている。
【0031】
この場合には、箱シート材が内側フラップを有している場合に、内側フラップの折曲げをも自動で行うことができる。
【0032】
請求項12の発明は、箱成形前に箱に折り目を付けるための箱予備成形装置である。当該箱は、四角形状の底面と、底面の各辺に連設された三角形状部をそれぞれ有する第1、第2の天面フラップ対とから構成されている。この予備成形装置は、箱をシート状の展開状態にしかついずれかの天面フラップの三角形状部の頂点を上にした状態で収容するマガジンと、水平方向に延びる軸の回りを旋回可能なアームの先端に設けられ、マガジンから箱シート材を一枚ずつ取り出す取出しステーション、取出しステーションに対向配置されかつ箱シート材の天面フラップ対を折り曲げる折曲げ加工ステーション、ならびに取出しステーションおよび折曲げ加工ステーションの下方においてこれらのステーションの中間位置に配置されかつ箱シート材を搬送コンベアに導入する導入ステーションの間を鉛直面内で移動可能に設けられるとともに、箱シート材の底面を吸着保持する吸着保持部と、折曲げ加工ステーションに設けられ、吸着保持部との間で第1、第2の天面フラップ対を挟持することにより、箱シート材の第1、第2の天面フラップ対を内側に折り曲げる折曲げ加工を行う折曲げ加工部とを備えている。
【0033】
請求項12の発明によれば、いずれかの天面フラップの三角形状部の頂点を上にした状態で箱シート材がマガジンに収容されており、マガジンから取り出された箱シート材は、水平軸の回りに鉛直面内を旋回可能な吸着保持部により、折曲げ加工ステーションに移動して天面フラップ対の折曲げ加工が行われるとともに、折曲げ加工後、吸着保持部が水平軸の回りに鉛直面内を旋回して、搬送コンベア上の導入ステーションに移動する。このようにして、三角形状の天面フラップを有する箱の予備成形(仮折り)を自動的に行える。
【0034】
しかも、この場合には、吸着保持部が鉛直面内を移動することにより、吸着保持部に保持された箱シート材が、取出しステーションから折曲げ加工ステーションおよび導入ステーションに移動するとともに、導入ステーションが、マガジンおよび折曲げ加工ステーションの間の中間位置に配置されるので、各ステーションを搬送コンベアに沿って直線状に配置する場合に比べて、装置全体の省スペース化が可能になる。
【0035】
さらに、この場合には、箱シート材が導入ステーションに移動したとき、箱シート材は、天面フラップの三角形状部の頂点を搬送コンベアの搬送方向に向けた状態で配向される。このとき、第1、第2の天面フラップ対のうち、一方の天面フラップ対の折り目が搬送コンベアの搬送方向に沿って配置され、他方の天面フラップ対の折り目が搬送コンベアの搬送方向と直交する向きに沿って配置されることになる。
【0036】
これにより、天面フラップをさらに仮折りする際や箱シート材を箱状に成形する際、また箱シート材の内側フラップを仮折りする際には、搬送コンベアの搬送方向に配設した固定ガイド等を用いて、天面フラップまたは内側フラップの折曲げを箱シート材の搬送中に容易に行えるようになる。
【0037】
請求項13の発明では、請求項12において、吸着保持部が、箱シート材を吸着保持する吸着パッドと、吸着パッドが取り付けられかつ箱シート材の底面に相当する大きさおよび形状を有する当接部とから構成されており、吸着パッドによる箱シート材の吸着保持時には、当接部が箱シート材の底面全体に当接しており、折曲げ加工ステーションにおける折曲げ加工の際には、折曲げ加工部と当接部の側面との間で箱シート材の天面フラップ対を挟持することにより、天面フラップ対が内側に折り曲げられている。
【0038】
この場合には、吸着保持部の当接部が箱シート材の底面全体に当接していることにより、当接部の側面と折曲げ加工部との間で箱シート材の天面フラップ対を挟持することで、天面フラップを内側に折り曲げることができる。
【0039】
請求項14の発明では、請求項12において、折曲げ加工部が、折曲げ加工ステーションに固定された固定具を有しており、箱シート材が折曲げ加工ステーションに移動したとき、箱シート材の天面フラップ対が固定具に当接しつつ固定具と吸着保持部の当接部の側面との間で挟持されることにより、天面フラップ対の折曲げ加工が行われている。
【0040】
この場合には、天面フラップ対の折曲げ加工が固定具を用いて行われるので、装置の構造を簡略化できる。
【0041】
請求項15の発明では、請求項12において、折曲げ加工部が、折曲げ加工ステーションに配設された水平軸の回りを回動可能な可動具を有しており、箱シート材が折曲げ加工ステーションに移動したとき、可動具が水平軸の回りを回動することで、箱シート材の天面フラップ対が可動具により折り曲げられつつ可動具と吸着保持部の当接部の側面との間で挟持されることにより、天面フラップ対の折曲げ加工が行われている。
【0042】
この場合には、天面フラップ対の折曲げ加工が可動具を用いて行われるので、天面フラップの折曲げを確実に行うことができる。
【0043】
請求項16の発明では、請求項12において、折曲げ加工部が、折曲げ加工ステーションに固定された固定具と、折曲げ加工ステーションに配設された水平軸の回りを回動可能な可動具とを有しており、箱シート材が折曲げ加工ステーションに移動したとき、箱シート材の一方の天面フラップ対が固定具に当接しつつ固定具と吸着保持部の当接部の側面との間で挟持されることにより、一方の天面フラップ対の折曲げ加工が行われるとともに、可動具が水平軸の回りを回動することで、箱シート材の他方の天面フラップ対が可動具により折り曲げられつつ可動具と吸着保持部の当接部の側面との間で挟持されることにより、他方の天面フラップ対の折曲げ加工が行われている。
【0044】
この場合には、各天面フラップ対の折曲げ加工をすべて可動具を用いて行うのではなく、一方の天面フラップ対については、固定具を用いて折曲げ加工を行うので、装置全体の構造を複雑化することなく、簡略化できる。
【0045】
請求項17の発明では、請求項12において、天面フラップ対の折曲げ加工後に天面フラップ対の三角形状部を係止する係止部がアームに設けられている。
【0046】
この場合には、天面フラップ対の折曲げ状態を維持でき、折曲げ加工された天面フラップ対が元の状態に戻るのを防止できる。
【0047】
請求項18の発明では、請求項12において、箱シート材の当接部の側面には、段差部が形成されており、天面フラップ対の折曲げ加工の際には、天面フラップ対が段差部と折曲げ加工部との間で挟持されることにより、天面フラップ対がZ字状に折り曲げられるようになっている。
【0048】
この場合には、箱シート材が或る程度の厚みを有する物を収容できるように、箱シート材にマチが或る場合に、箱シート材の当接部側面の段差部を利用して、マチの部分を含む天面フラップ対の折曲げを行うことができる。
【0049】
請求項19の発明では、請求項12において、折曲げ加工ステーションと導入ステーションとの間には、天面フラップ対を再度内側に折り曲げるための第2の折曲げ加工部が設けられている。
【0050】
この場合には、第2の折曲げ加工部により、天面フラップ対の仮折りをより確実に行えるようになる。
【0051】
請求項20の発明では、請求項19において、第2の折曲げ加工部は、水平方向に延びる回転軸の回りを旋回可能なレバーと、レバーの先端に設けられ、天面フラップ対に側方から当接する当接部とから構成されている。
【0052】
この場合には、第2の折曲げ加工部による天面フラップ対の仮折りが、レバー先端の第2の当接部の旋回運動により行われる。
【0053】
請求項21の発明では、請求項12において、導入ステーションには、搬送コンベアの搬送面の上に導入された箱シート材の天面フラップ対を外側に折り曲げることにより天面フラップ対に折りぐせを付けるための第3の折曲げ加工部が設けられている。
【0054】
この場合には、天面フラップ対が、内側に折り曲げられた後、外側に折り曲げられることによって、天面フラップ対に対して確実に折りぐせを付けることができる。
【0055】
請求項22の発明では、請求項21において、第3の折曲げ加工部は、水平方向に延びる回転軸の回りを旋回可能なレバーと、レバーの先端に設けられ、天面フラップ対に上方から当接する当接部とから構成されている。
【0056】
この場合には、第3の折曲げ加工部による天面フラップ対の仮折りが、レバー先端の当接部の旋回運動により行われる。
【0057】
請求項23の発明では、請求項12において、箱シート材が内側フラップを有しており、導入ステーションの搬送方向下流側には、搬送コンベアの搬送面上に配置された箱シート材の内側フラップを内側に折り曲げる内側フラップ折曲げ加工部が設けられている。
【0058】
この場合には、箱シート材が内側フラップを有している場合に、内側フラップの折曲げをも自動で行うことができる。
【0059】
請求項24の発明では、請求項23において、内側フラップ折曲げ加工部は、箱シート材の搬送中に、搬送方向前方に配置された第1の内側フラップ対に当接して第1の内側フラップ対を内側に折り曲げる固定部材と、箱シート材の搬送中に、搬送方向後方に配置された第2の内側フラップ対に当接して第2の内側フラップ対を内側に折り曲げる可動部材とから構成されている。
【0060】
この場合には、第1の内側フラップ対の折曲げ加工については、可動部材ではなく、固定部材を用いて行うので、装置全体の構造を簡略化できる。
【0061】
請求項25の発明では、請求項24において、可動部材が、鉛直方向に延びる回転軸の回りを回転可能に設けられ、その一部に形成された切欠きによる尖端部分を用いて第2の内側フラップ対の折曲げ加工を行う回転部材から構成されている。
【0062】
この場合には、可動部材が、切欠きを有する単なる回転部材から構成されるので、構造を簡略化できる。
【発明の効果】
【0063】
以上のように、本発明によれば、いずれかの天面フラップの三角形状部の頂点を上にした状態で箱シート材がマガジンに収容されており、マガジンから取り出された箱シート材は、水平軸の回りに鉛直面内を旋回可能な吸着保持部により、折曲げ加工ステーションに移動して天面フラップ対の折曲げ加工が行われるとともに、折曲げ加工後、吸着保持部が水平軸の回りに鉛直面内を旋回して、搬送コンベア上に移動する。このようにして、三角形状の天面フラップを有する箱の予備成形(仮折り)を自動的に行える。
【0064】
しかも、この場合には、吸着保持部が鉛直面内を移動することにより、吸着保持部に保持された箱シート材のマガジンから折曲げ加工ステーションへの移動および搬送コンベアの搬送面上への移動が行われるとともに、搬送コンベアの搬送面上への導入が、マガジンおよび折曲げ加工ステーションの間の中間位置で行われるので、各ステーションを搬送コンベアに沿って直線状に配置する場合に比べて、装置全体の省スペース化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施例による箱予備成形装置の概略構成を示す正面図である。
【図2】箱予備成形装置(図1)の側面断面図である。
【図3】箱予備成形装置(図1)における吸着保持部の駆動機構である遊星歯車機構の概略構成図である。
【図4】遊星歯車機構(図3)の駆動時において吸着保持部の当接部の軌跡を示す図である。
【図5】箱予備成形装置(図1)の各ステーションにおける箱シート材の仮折りの状態を説明するとともに、第2、第3の折曲げ加工部を示す図である。
【図6】箱予備成形装置(図1)においてアーム両端に吸着パッドおよび当接部を備えたツインヘッドの正面図である。
【図7】吸着保持部(図6)の吸着パッドに箱シート材の底面が吸着保持されたときの位置関係を示す図である。
【図8】箱予備成形装置(図1)における第1の折曲げ加工部を示す平面図である。
【図9】第1の折曲げ加工部のうちの可動具により箱シート材の天面フラップが仮折りされた状態を示す図である。
【図10】可動具(図9)の変形例を示す図である。
【図11】第3の折曲げ加工部(図5)による箱シート材の天面フラップの仮折りの動作を説明するための正面図である。
【図12】図11の平面図である。
【図13】箱シート材の内側フラップの仮折りを行う内側フラップ折曲げ加工部の平面図である。
【図14】内側フラップの折曲げ加工後において、天面フラップのさらなる折曲げ加工を行う固定ガイドの平面図である。
【図15】図14のXV-XV線断面図である。
【図16】図14のXVI-XVI線断面図である。
【図17】図14のXVII-XVII線断面図である。
【図18】図14のXVIII-XVIII線断面図である
【図19】箱の全体斜視図である。
【図20】箱シート材の展開図である。
【図21】前記箱シート材(図20)を長尺のシートから複数枚取り出す際のレイアウトを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施例による箱予備成形装置の概略構成を示す正面図であり、図2は、その側面断面図である。
【0067】
図1に示すように、箱予備成形装置1は、箱成形前に箱に折り目を付けるための装置であって、シート状の展開状態にされた箱シート材100(図20)を多数枚収容するマガジン120と、マガジン120から箱シート材100を一枚ずつ取り出し、取り出された箱シート材100を鉛直面内(同図紙面内)で移動させる吸着保持部2と、箱シート材100に対して折曲げ加工を行う第1ないし第3の折曲げ加工部3、4、5とを備えている。
【0068】
箱シート材100は、図20に示すように、四角形状の外周形状を有しており、その四隅に配置された三角形状の天面フラップ102a、102b、103a、103bと、各天面フラップが連設する四角形状の底面101とから構成されている(箱の立体形状は図19参照)。図20中、一点鎖線は箱シート材100の折り目を示しており、参照符号104は箱シート材100の内側フラップである。また、点A、B、C、Dは、三角形状の天面フラップ102a、102b、103a、103bのそれぞれの頂点を示している。なお、本実施例中では、説明の便宜上、天面フラップ102a、102bを第1の天面フラップ対と呼称し、天面フラップ103a、103bを第2の天面フラップ対と呼称することにする。
【0069】
マガジン120に収容された箱シート材100は、図1に示すように、天面フラップ102aの頂点Aを上にした状態(したがって、天面フラップ102bの頂点Bを下にした状態)で、かつ底面101の裏面(つまり内側面)を外側に向けた状態で、マガジン120内に配置されている。なお、他の天面フラップの頂点B、C、Dを上にした状態で配置するようにしてもよい。
【0070】
吸着保持部2は、図2に示すように、箱シート材100を吸着保持する吸着パッド2020’と、吸着パッド20、20’が取り付けられ、吸着パッド20、20’による吸着保持時に箱シート材100に当接する当接部21、21’とを有している。吸着パッド20、20’および当接部21、21’は、アーム22の両端にそれぞれ設けられている。すなわち、この例では、吸着保持部2がツインヘッド型のものを示している。なお、本発明は、吸着パッドおよび当接部がアーム22の一端側にのみ設けられたシングルヘッド型のものにも同様に適用できることはいうまでもない。
【0071】
吸着保持部2は、図6(正面図)に示すように、両端寄りの位置に一対のラッチ部(係止部)22A、22Bおよび22’A、22’Bをそれぞれ有している。これらのラッチ部22A、22Bおよび22’A、22’Bは、L字状に折り曲げられたプレート部材から構成されており、後述するように、箱シート材100の天面フラップが折り曲げられた後に、折り曲げられた天面フラップの頂点部分に係合することで、天面フラップの折曲げ状態を維持するためのものである。
【0072】
吸着保持部2の当接部21の内部には、吸引用の通路21aが形成されており、通路21aは吸着パッド20に連通するとともに、図示しない真空ポンプに接続されている(当接部21’についても同様)。吸着パッド20(吸着パッド20’についても同様)は、当接部21の当接面21aに形成された凹部21bに設けられており、当接面21a(当接面21’aについても同様)は、箱シート材100の底面101に相当する大きさおよび形状を有している(図7参照)。吸着パッド20、20’による吸着保持時には、当接部21、21’の当接面21a、21’a全体が箱シート材100の底面101全体に密着している。また、アーム22の中央には、貫通孔22aが形成されている。
【0073】
アーム22は、図2に示すように、その中央部の貫通孔22aを挿通して水平方向に延びる軸23の一端に固定されている。軸23は、ブラケット24に回転自在に支持されている。その一方、軸23から所定間隔を隔てて軸23と平行に軸25が配設されている。軸25の一端には、タイミングプーリ26が固定されており、タイミングプーリ26には、タイミングベルト27が巻き掛けられている。タイミングベルト27は、図示しないサーボモータに駆動連結されている。軸25は、ブラケット28に回転自在に支持されており、ブラケット28は、ベース29に固定されている。
【0074】
ブラケット28は、ディスク30を挿通してベース29側に延びており、ディスク30はブラケット28に回転自在に支持されている。軸23の他端は、ディスク30に回転自在に支持されている。また、ディスク30から前方(図2左方)に所定間隔を隔ててディスク31が配置されている。ブラケット24は、ディスク31に固定されている。軸25の他端は、ディスク31に固定されている。ディスク30、31は、前後方向に配設されたスペーサ部材32を介して相互に連結されている。
【0075】
ディスク30、31で囲繞された空間内には、アーム22を軸25の回りに旋回させるための駆動機構である遊星歯車機構が設けられている。この遊星歯車機構は、図3に示すように、ブラケット28に固定されたサンギア10と、軸23の他端に固定されたプラネタリギア11と、サンギア10およびプラネタリギア11と噛み合うアイドルギア12とから構成されている。アイドルギア12は、支軸12aに固定されている。
【0076】
この構成により、タイミングベルト27およびタイミングプーリ26を介して、図示しないサーボモータの回転力が軸25に伝達されると、軸25の一端に固定されたディスク31、30およびブラケット24が、軸25とともに回転を開始し、これにより、軸23が軸25の回りを旋回し始める。軸23の旋回方向は、図3中の矢印sで示されている。
【0077】
このとき、サンギア10がブラケット28に固定されていて静止しており、また、プラネタリギア11が軸23の他端に固定されているので、軸23が軸25の回りを旋回し始めると、アイドルギア12がサンギア10の外周に沿って転動を開始する。これにより、アイドルギア12が矢印u方向に回転し始める。すると、アイドルギア12と噛み合うプラネタリギア11が矢印t方向に回転し始める。これにより、軸23は、軸25の回りを旋回し始めると同時に、矢印t方向に回転を開始する。その結果、軸23の一端に固定されたアーム22が、軸25の回りを矢印s方向に旋回を開始すると同時に、軸23とともに矢印t方向に回転を開始する。
【0078】
このようにして、吸着保持部2の当接部21は、図4に示すように、マガジン120(図1)に最接近して、マガジン120から箱シート材100を取り出す取出しステーションPと、取出しステーションPに対向配置され、箱シート材100の天面フラップ対102a、102bおよび103a、103bを内側に折り曲げる折曲げ加工を行う折曲げ加工ステーションQと、取出しステーションPおよび折曲げ加工ステーションQの下方においてこれらのステーションの中間位置に配置され、箱シート材100を搬送コンベアに導入する導入ステーションRとの間を鉛直面内で移動可能に設けられている(当接部21’についても同様)。なお、図中、一点鎖線は当接部21の軌跡を示している(当接部21’についても同様)。また、矢印vは、当接部21の移動方向を示している。
【0079】
図5は、取出しステーションP、折曲げ加工ステーションQおよび導入ステーションRにおける箱シート材100の状態を示すとともに、第1ないし第3の折曲げ加工部3、4、5を併せて示したものである。
【0080】
図5に示すように、折曲げ加工ステーションQにおいては、第1の折曲げ加工部3により、箱シート材100の第1、第2の天面フラップ対102a、102bおよび103a、103bをそれぞれ内側に折り曲げる折曲げ加工(仮折り)が行われている。折曲げ加工ステーションQと導入ステーションRとの間においては、第2の折曲げ加工部4により、箱シート材100の第2の天面フラップ対103a、103bを再度内側に折り曲げる折曲げ加工(仮折り)が行われている。導入ステーションRにおいては、第3の折曲げ加工部5により、箱シート材100の第2の天面フラップ対103a、103bを外側に折り曲げることにより、第2の天面フラップ対103a、103bに対して折りぐせを付ける折曲げ加工(仮折り)が行われている。
【0081】
第1の折曲げ加工部3は、図1、図8および図9に示すように、水平方向(図1紙面垂直方向、図8左右方向)に所定間隔を隔てて配置され、折曲げ加工ステーションQに固定された一対の固定具33と、上下方向に所定間隔を隔てて配置された一対の可動具34とを有している。
【0082】
固定具33は、図8に示すように、プレート状部材の両端を屈曲させて略V字状に折り曲げることにより構成されており、弾性変形可能な略V字状の折曲げ部33aを有している。可動具34は、水平方向に延びる回転可能な支軸35にその一端側が固定されたプレート状部材から構成されている。支軸35は、図示しないサーボモータに駆動連結されており、可動具34は、支軸35とともに回動して、箱シート材100に対して折曲げ加工を行う折曲げ加工位置(図1一点鎖線位置、図9実線位置)と、折曲げ加工位置から退避した退避位置(図1実線位置、図9一点鎖線位置)とをとり得るようになっている。
【0083】
箱シート材100が折曲げ加工ステーションQに移動した際には、吸着保持部2の当接部21の当接面21a全体にその底面101が密着した箱シート材100の第2の天面フラップ対103a、103bが、それぞれ対応する固定具33の折曲げ部33aに当接する(図8参照)。このとき、折曲げ部33aが弾性を有しているため、第2の天面フラップ対103a、103bは、当接部21の一方の側面と固定具33の折曲げ部33aとの間で弾性的に挟持される。これにより、第2の天面フラップ対103a、103bを内側に折り曲げる折曲げ加工が行われる。
【0084】
また、箱シート材100が折曲げ加工ステーションQに移動した際には、可動具34が支軸35とともに回転して、折曲げ加工位置に移動する。これにより、箱シート材100の第1の天面フラップ対102a、102bが可動具34により内側に折り曲げられつつ、当接部21の他方の側面と可動具34との間で挟持される。これにより、第1の天面フラップ対102a、102bを内側に折り曲げる折曲げ加工が行われる。
【0085】
折曲げ加工された第1の天面フラップ対102a、102bは、その三角形状の頂点A、Bが吸着保持部2の対応するラッチ部22A、22Bにそれぞれ係止される(図9参照)。これにより、第1の天面フラップ対102a、102bの折曲げ状態が維持される。
【0086】
なお、ここでは、折曲げ加工位置に設けられた可動具34と相対する当接部21の他方の側面には、わずかな段差のある屈曲面が形成されており、可動具34により天面フラップが略L字状に折り曲げられた例を示しているが(図9参照)、この場合の段差はなくてもよく、当接部21の他方の側面は平坦面でもよい。
【0087】
これに対して、図10の変形例に示すように、当接部21の他方の側面に大きな段差部(V字状溝)を設けるようにしてもよく、この場合、天面フラップは、可動具34により略Z字状に折り曲げられる。これにより、本実施例のように、箱シート材100にマチがある場合に、このマチの部分を含んだ折曲げ加工を行うことができる。なお、この場合、吸着保持部2のラッチ部22A、22Bを省略した構成とすることも可能である。
【0088】
第2の折曲げ加工部4は、図1および図5に示すように、水平方向に延びる回転軸40の中心回りを旋回可能な左右一対のレバー41と、各レバー41の先端に設けられ、第2の天面フラップ対103a、103bに側方から当接する当接部42とから構成されている。当接部42は、例えば樹脂製部材である。なお、図1、図5においては、一方のレバー41のみが示されており、他方のレバーは各図紙面奥側に配置されている。
【0089】
第3の折曲げ加工部5は、図1、図5、図11および図12に示すように、水平方向に配設され、図示しないサーボモータに駆動連結された回転軸50と、回転軸50上に所定間隔を隔てて配置されるとともに、その長手方向中央部が回転軸50に取り付けられた左右一対のレバー51と、レバー51の一端側に取り付けられ、導入ステーションRにおいてバケットコンベア(搬送コンベア)15の搬送面上に導入された箱シート材100の第2の天面フラップ対103a、103bに上方から当接する当接部52とを有している。
【0090】
なお、ここでは、第2、第3の折曲げ加工部4、5が、いずれも鉛直面内で回転するレバー41、51を用いて折曲げ加工を行う例を示したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、天面フラップ対103a、103bの側方に往復動可能な部材を設け、各部材を互いに接近させたときに各部材を天面フラップ対103a、103bに当接させることで、天面フラップ対103a、103bの折曲げ加工を行うようにしてもよい。なお、この往復動する部材は、直線的に移動するものでも、また振り子のように円弧運動するものでもよい。
【0091】
次に、箱シート材100の内側フラップ104に対して折曲げ加工を行う内側フラップ折曲げ加工部について、図13を用いて説明する。
【0092】
この内側フラップ折曲げ加工部6は、導入ステーションRの搬送方向下流側に設けられており、図13に示すように、バケットコンベア15の左右両側に配置され、バケットコンベア15がその上を走行するフレーム16(図11)に固定された一対の固定部材60と、バケットコンベア15の左右両側に配置され、鉛直方向に延びる回転可能な回転軸61に取り付けられた一対の回転部材62とから構成されている。
【0093】
固定部材60は、箱シート材100において搬送方向(図13白抜き矢印方向)前側の内側フラップ対1041を内側に折り曲げるためのものである。回転部材62は、ここでは円板状部材が示されており、回転部材62の外周の一部には、切欠き62aが形成されている。回転部材62は、切欠き62aにより形成された先端部分62bを用いて、箱シート材100における搬送方向後側の内側フラップ対1042を内側に折り曲げるように設けられている。
【0094】
なお、円板状の回転部材のかわりに、棒状の回転部材を用いるようにしてもよく、あるいは、振り子のように円弧状の往復運動をする部材を用いるようにしてもよい。いずれの場合であっても、各部材の搬送方向の速度成分が、バケットコンベ15の搬送速度を上回っていればよい。
【0095】
なお、図13に示すように、箱シート材100の第1の天面フラップ対102a、102bは、導入ステーションRの搬送方向下流側において、図示しないガイド部材によりいずれも内方に傾斜した状態で保持されている。
【0096】
次に、内側フラップ折曲げ加工部のさらに搬送方向下流側において、バケットコンベア15に沿って配設された固定ガイドについて図14ないし図18を用いて説明する。
【0097】
図14ないし図18に示すように、バケットコンベア15の搬送方向(図14白抜き矢印方向)に沿って、固定ガイド70〜73が配設されている。導入ステーションRにおいて外側に折曲げ加工された第2の天面フラップ対103a、103bは、バケットコンベア15による搬送中に、固定ガイド70、71のガイド作用により、徐々に上側に持ち上げられようになっている(図15参照)。そして、バケットコンベア15によりさらに搬送されると、固定ガイド72、73の作用により、第2の天面フラップ対103a、103bは、箱シート材100のマチの折り目に沿って、下方に折り曲げられるようになっている(図16〜図18参照)。
【0098】
次に、上述のように構成される箱予備成形装置1による箱予備成形方法について説明する。
【0099】
図示しないサーボモータの駆動により、タイミングベルト27およびタイミングプーリ26を介して、軸25が回転を開始すると、軸25の一端に固定されたディスク31、30およびブラケット24が軸25とともに回転を開始し(図2参照)、これにより、軸23が軸25の回りを矢印s方向に旋回し始める(図3参照)。
【0100】
このとき、サンギア10がブラケット28に固定されていて静止しており、また、プラネタリギア11が軸23の他端に固定されているので、軸23が軸25の回りを旋回し始めると、アイドルギア12がサンギア10の外周に沿って転動を開始する。これにより、アイドルギア12が矢印u方向に回転し始める(図3参照)。すると、アイドルギア12と噛み合うプラネタリギア11が矢印t方向に回転し始める(図3参照)。これにより、軸23は、軸25の回りを旋回し始めると同時に、矢印t方向に回転を開始する。その結果、軸23の一端に固定されたアーム22が、鉛直面内で軸25の回りを矢印s方向に旋回を開始すると同時に、軸23とともに矢印t方向に回転を開始する(図3参照)。
【0101】
このようにして、吸着保持部2の当接部21が、マガジン120(図1)に最接近した取出しステーションPに移動する(図4、図5参照)。取出しステーションPでは、吸着保持部2の吸着パッド20により、マガジン120に収容された箱シート材100が吸着保持されるとともに、吸着保持部2の当接部21の当接面21aが箱シート材100の底面101の内面全体に当接する(図5、図7参照)。
【0102】
この状態から、軸25の回転により、軸23がさらに矢印s方向に旋回しつつ矢印t方向に回転すると、吸着保持部2の当接部21は、取出しステーションPから離れる側に向かって矢印v方向に一点鎖線に沿って移動を開始する(図4、図5参照)。これにより、マガジン120から箱シート材100が一枚取り出される。
【0103】
当接部21が折曲げ加工ステーションQに移動すると、箱シート材100の第2の天面フラップ対103a、103bが、当接部21の側面と固定具33の折曲げ部33aとの間で弾性的に挟持される(図8参照)。これにより、第2の天面フラップ対103a、103bを内側に折り曲げる折曲げ加工が行われる。その一方、このとき、箱シート材100の第1の天面フラップ対102a、102bは、可動具34により内側に折り曲げられつつ、当接部21の他方の側面と可動具34との間で挟持される。これにより、第1の天面フラップ対102a、102bを内側に折り曲げる折曲げ加工が行われる(図1、図5、図9参照)。
【0104】
折曲げ加工された第1の天面フラップ対102a、102bは、その三角形状の頂点A、Bが吸着保持部2の対応するラッチ部22A、22Bにそれぞれ係止される(図9参照)。これにより、第1の天面フラップ対102a、102bの折曲げ状態が維持される。なお、箱シート材100が折曲げ加工ステーションQに移動したとき、取出しステーションPにおいて上側に配置されていた天面フラップ102aは下側に配置され、また取出しステーションPにおいて下側に配置されていた天面フラップ102bは上側に配置されている。これにより、頂点A、Bの位置が逆になっている。
【0105】
軸25の回転により、軸23がさらに矢印s方向に旋回しつつ矢印t方向に回転すると、吸着保持部2の当接部21は、折曲げ加工ステーションQから離れる側に向かって矢印v方向に一点鎖線に沿って移動を開始する(図4、図5参照)。
【0106】
そして、折曲げ加工ステーションQと導入ステーションRとの中間位置において、箱シート材100は、第2の折曲げ加工部4による折曲げ加工を受ける。この場合には、第2の折曲げ加工部4の各レバー41が鉛直面内で旋回することにより、各レバー41先端の各当接部42が、箱シート材100の第2の天面フラップ対103a、103bにそれぞれ外側から当接して、第2の天面フラップ対103a、103bの外側面上を摺動することにより、第2の天面フラップ対103a、103bに対してさらなる折曲げ加工が行われる(図1、図5参照)。
【0107】
この状態から、軸25の回転により、軸23がさらに矢印s方向に旋回しつつ矢印t方向に回転すると、吸着保持部2の当接部21は、一点鎖線に沿って矢印v方向に移動して導入ステーションRに移動する(図1、図4、図5参照)。導入ステーションRでは、バケットコンベア15の搬送面上に箱シート材100が導入される。導入ステーションRは、取出しステーションPおよび折曲げ加工ステーションQの下方において、これらのステーションの中間位置に配置されている。
【0108】
導入ステーションRにおいては、第3の折曲げ加工部5による折曲げ加工が行われる。この場合には、第3の折曲げ加工部5の各レバー51が鉛直面内で旋回することにより、各レバー51先端の各当接部52が、箱シート材100の第2の天面フラップ対103a、103bにそれぞれ上側から当接して、第2の天面フラップ対103a、103bを外側に折り曲げることにより、第2の天面フラップ対103a、103bに折りぐせを付ける折曲げ加工が行われる(図1、図5、図11、図12参照)。
【0109】
なお、箱シート材100が導入ステーションRに移動したとき、天面フラップ102bは搬送方向前側に配置され、天面フラップ102aは搬送方向後側に配置されており、第1の天面フラップ対102a、102bの各頂点A、Bは、搬送方向に配向している。
【0110】
吸着保持部2の当接部21が導入ステーションRに移動した後、軸25の回転により、軸23がさらに矢印s方向に旋回しつつ矢印t方向に回転すると、当接部21は、一点鎖線に沿って矢印v方向に移動して取出しステーションPに移動する(図1、図4、図5参照)。以下、同様の動作を繰り返す。
【0111】
その一方、導入ステーションRに導入された箱シート材100は、バケットコンベア15による搬送中に、内側フラップ折曲げ加工部6による折曲げ加工を受ける(図13参照)。この場合には、まず、搬送方向前側の内側フラップ1041が、箱シート材100の搬送中に固定部材60に当接することで、内側に折り曲げられる。次に、搬送方向後側の内側フラップ1042は、箱シート材100の搬送中に回転部材62の尖端部62bが搬送方向下流側から当接することで、同様に内側に折り曲げられる。
【0112】
次に、箱シート材100がさらに搬送方向下流側に搬送されると、固定ガイド70〜73の作用により、箱シート材100の第2の天面フラップ対103a、103bが、マチを含んだ個所で折り曲げられる(図15〜図18参照)。
【0113】
このように本実施例では、いずれかの天面フラップの三角形状部の頂点を上にした状態で箱シート材100がマガジン120に収容されており、マガジン120から取り出された箱シート材100は、水平方向の軸25の回りに鉛直面内を旋回可能な吸着保持部2により、折曲げ加工ステーションQに移動して第1、第2の天面フラップ対102a、102b;103a、103bの折曲げ加工が行われるとともに、折曲げ加工後、吸着保持部2が軸25の回りに鉛直面内を旋回して、バケットコンベア15上の導入ステーションRに移動する。このようにして、三角形状の天面フラップを有する箱シート材100の予備成形(天面フラップの仮折り)を自動的に行える。
【0114】
しかも、この場合には、吸着保持部2が鉛直面内を移動することにより、吸着保持部2に保持された箱シート材100が、取出しステーションPから折曲げ加工ステーションQおよび導入ステーションRに移動するとともに、導入ステーションRが、マガジン120および折曲げ加工ステーションQの間の中間位置に配置されるので、装置全体の省スペース化が可能になる。
【0115】
さらに、この場合には、箱シート材100が導入ステーションPに移動したとき、箱シート材100は、天面フラップの三角形状部の頂点をバケットコンベア15の搬送方向に向けた状態で配向される。このとき、第1、第2の天面フラップ対102a、102b;103a、103bのうち、一方の天面フラップ対の折り目がバケットコンベア15の搬送方向に沿って配置され、他方の天面フラップ対の折り目がバケットコンベア15の搬送方向と直交する向きに沿って配置されることになる。
【0116】
これにより、天面フラップをさらに仮折りする際や箱シート材100を箱状に成形する際、また箱シート材100の内側フラップ104を仮折りする際には、バケットコンベア15の搬送方向に配設した固定ガイド等を用いて、天面フラップ102a、102b;103a、103bまたは内側フラップ104の折曲げを箱シート材100の搬送中に容易に行えるようになる。
【0117】
なお、前記実施例では、ツインヘッド型の吸着保持部2の一方の当接部21の動作についてのみ説明し、他方の当接部21’の動作については説明を省略したが、当接部21’の動作についても当接部21の動作と同様である。しかも、この場合には、双方の当接部21、21’が動作中に同様の一点鎖線の軌跡を描いており、例えば当接部21が取出しステーションPで箱シート材100の取出し処理を行っている際に、当接部21’の側では、第2の折曲げ加工部4による折曲げ加工が行われている(図4参照)。このように、ツインヘッド型の場合には、各処理を効率よく行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0118】
以上のように、本発明は、三角形状の天面フラップを有する箱の予備成形に有用であり、とくに省スペース化を要求されるものに適している。
【符号の説明】
【0119】
1: 箱予備成形装置
15: バケットコンベア(搬送コンベア)
2: 吸着保持部
20、20’: 吸着パッド
21、21’: 当接部
22: アーム
22A、22B: ラッチ部(係止部)
22’A、22’B: ラッチ部(係止部)
25: 軸
3: 第1の折曲げ加工部
33: 固定具
34: 可動具
35: 支軸(水平軸)
4: 第2の折曲げ加工部
40: 回転軸
41: レバー
42: 当接部
5: 第3の折曲げ加工部
50: 回転軸
51: レバー
52: 当接部
6: 内側フラップ折曲げ加工部
60: 固定部材
61: 回転軸
62: 回転部材
62a: 切欠き
62b: 尖端部分
100: 箱シート材
101: 底面
102a、102b: 第1の天面フラップ対
103a、103b: 第2の天面フラップ対
104: 内側フラップ
A、B、C、D: 頂点
120: マガジン
P: 取出しステーション
Q: 折曲げ加工ステーション
R: 導入ステーション
【先行技術文献】
【特許文献】
【0120】
【特許文献1】特開2001−199406号公報(段落[0001]参照)
【特許文献2】特開2005−271970号公報(段落[0001]参照)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱成形前に箱に折り目を付けるための箱予備成形方法であって、
前記箱が、四角形状の底面と、前記底面の各辺に連設された三角形状部をそれぞれ有する第1、第2の天面フラップ対とから構成されており、
前記箱予備成形方法が、
前記箱をシート状の展開状態にしかついずれかの前記天面フラップの前記三角形状部の頂点を上にした状態で収容するマガジンから箱シート材を、水平方向に延びる軸の回りに鉛直面内を旋回可能な吸着保持部を用いて前記箱シート材の前記底面を吸着保持することにより、一枚ずつ取り出す取出し工程と、
前記取出し工程で取り出された前記箱シート材を、前記吸着保持部を旋回させることにより、前記マガジンと相対する位置に配置された折曲げ加工ステーションに移動させ、当該折曲げ加工ステーションにおいて、前記箱シート材の前記第1の天面フラップ対を内側に折り曲げるとともに、前記第2の天面フラップ対を内側に折り曲げる折曲げ工程と、
前記吸着保持部をさらに旋回させることにより、前記折曲げ工程で折り曲げられた前記箱シート材の前記天面フラップの前記三角形状部の前記頂点を搬送方向に向けた状態で、前記マガジンおよび前記折曲げ加工ステーションの下方に配置された搬送コンベアの搬送面上において、前記マガジンおよび前記折曲げ加工ステーションの間の中間位置に導入する導入工程と、
を備えた箱予備成形方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記吸着保持部が、前記箱シート材を吸着保持する吸着パッドと、前記吸着パッドが取り付けられかつ前記箱シート材の前記底面に相当する大きさおよび形状を有する当接部とから構成されており、前記吸着パッドによる前記箱シート材の吸着保持時には、前記当接部が前記箱シート材の前記底面全体に当接している、
ことを特徴とする箱予備成形方法。
【請求項3】
請求項2において、
前記折曲げ加工ステーションにおける折曲げ加工の際には、折曲げ加工部と前記吸着保持部の前記当接部の側面との間で前記箱シート材の前記天面フラップ対を挟持することにより、前記天面フラップが内側に折り曲げられている、
ことを特徴とする箱予備成形方法。
【請求項4】
請求項3において、
前記折曲げ加工部が、前記折曲げ加工ステーションに固定された固定具を有しており、前記箱シート材が前記折曲げ加工ステーションに移動したとき、前記箱シート材の前記天面フラップ対が前記固定具に当接しつつ前記固定具と前記吸着保持部の前記当接部の前記側面との間で挟持されることにより、前記天面フラップ対の折曲げ加工が行われている、
ことを特徴とする箱予備成形方法。
【請求項5】
請求項3において、
前記折曲げ加工部が、前記折曲げ加工ステーションに配設された水平軸の回りを回動可能な可動具を有しており、前記箱シート材が前記折曲げ加工ステーションに移動したとき、前記可動具が前記水平軸の回りを回動することで、前記箱シート材の前記天面フラップ対が前記可動具により折り曲げられつつ前記可動具と前記吸着保持部の前記当接部の前記側面との間で挟持されることにより、前記天面フラップ対の折曲げ加工が行われている、
ことを特徴とする箱予備成形方法。
【請求項6】
請求項3において、
前記折曲げ加工部が、前記折曲げ加工ステーションに固定された固定具と、前記折曲げ加工ステーションに配設された水平軸の回りを回動可能な可動具とを有しており、前記箱シート材が前記折曲げ加工ステーションに移動したとき、前記箱シート材の一方の前記天面フラップ対が前記固定具に当接しつつ前記固定具と前記吸着保持部の前記当接部の前記側面との間で挟持されることにより、一方の前記天面フラップ対の折曲げ加工が行われるとともに、前記可動具が前記水平軸の回りを回動することで、前記箱シート材の他方の前記天面フラップ対が前記可動具により折り曲げられつつ前記可動具と前記吸着保持部の前記当接部の前記側面との間で挟持されることにより、他方の前記天面フラップ対の折曲げ加工が行われている、
ことを特徴とする箱予備成形方法。
【請求項7】
請求項3において、
前記天面フラップ対の折曲げ加工後には、前記天面フラップ対の前記三角形状部を係止することにより、前記天面フラップ対の折曲げ状態が維持されている、
ことを特徴とする箱予備成形方法。
【請求項8】
請求項3において、
前記天面フラップ対の折曲げ加工の際には、前記天面フラップがZ字状に折り曲げられている、
ことを特徴とする箱予備成形方法。
【請求項9】
請求項1において、
前記折曲げ工程と前記導入工程の間には、前記天面フラップ対を再度内側に折り曲げる第2の折曲げ工程が設けられている、
ことを特徴とする箱予備成形方法。
【請求項10】
請求項1において、
前記導入工程の後工程として、前記搬送コンベアの前記搬送面の上に導入された前記箱シート材の前記天面フラップ対を外側に折り曲げることにより、前記天面フラップ対に折りぐせを付ける第3の折曲げ工程が設けられている、
ことを特徴とする箱予備成形方法。
【請求項11】
請求項1において、
前記箱シート材が内側フラップを有しており、前記導入工程の後工程として、前記搬送コンベアの前記搬送面上に配置された前記箱シート材の前記内側フラップを内側に折り曲げる内側フラップ折曲げ工程が設けられている、
ことを特徴とする箱予備成形方法。
【請求項12】
箱成形前に箱に折り目を付けるための箱予備成形装置であって、
前記箱が、四角形状の底面と、前記底面の各辺に連設された三角形状部をそれぞれ有する第1、第2の天面フラップ対とから構成されており、
前記箱予備成形装置が、
前記箱をシート状の展開状態にしかついずれかの前記天面フラップの前記三角形状部の頂点を上にした状態で収容するマガジンと、
水平方向に延びる軸の回りを鉛直面内で旋回可能なアームの先端に設けられ、マガジンから箱シート材を一枚ずつ取り出す取出しステーション、取出しステーションに対向配置されかつ箱シート材の前記天面フラップ対を折り曲げる折曲げ加工ステーション、ならびに前記取出しステーションおよび折曲げ加工ステーションの下方においてこれらのステーションの中間位置に配置されかつ前記箱シート材を搬送コンベアに導入する導入ステーションの間を移動可能に設けられるとともに、前記箱シート材の前記底面を吸着保持する吸着保持部と、
前記折曲げ加工ステーションに設けられ、前記吸着保持部との間で前記第1、第2の天面フラップ対を挟持することにより、前記箱シート材の前記第1、第2の天面フラップ対を内側に折り曲げる折曲げ加工を行う折曲げ加工部と、
を備えた箱予備成形装置。
【請求項13】
請求項12において、
前記吸着保持部が、前記箱シート材を吸着保持する吸着パッドと、前記吸着パッドが取り付けられかつ前記箱シート材の前記底面に相当する大きさおよび形状を有する当接部とから構成されており、前記吸着パッドによる前記箱シート材の吸着保持時には、前記当接部が前記箱シート材の前記底面全体に当接しており、前記折曲げ加工ステーションにおける折曲げ加工の際には、前記折曲げ加工部と前記当接部の側面との間で前記箱シート材の前記天面フラップ対を挟持することにより、前記天面フラップ対が内側に折り曲げられている、
ことを特徴とする箱予備成形装置。
【請求項14】
請求項12において、
前記折曲げ加工部が、前記折曲げ加工ステーションに固定された固定具を有しており、前記箱シート材が前記折曲げ加工ステーションに移動したとき、前記箱シート材の前記天面フラップ対が前記固定具に当接しつつ前記固定具と前記吸着保持部の前記当接部の側面との間で挟持されることにより、前記天面フラップ対の折曲げ加工が行われている、
ことを特徴とする箱予備成形装置。
【請求項15】
請求項12において、
前記折曲げ加工部が、前記折曲げ加工ステーションに配設された水平軸の回りを回動可能な可動具を有しており、前記箱シート材が前記折曲げ加工ステーションに移動したとき、前記可動具が前記水平軸の回りを回動することで、前記箱シート材の前記天面フラップ対が前記可動具により折り曲げられつつ前記可動具と前記吸着保持部の前記当接部の側面との間で挟持されることにより、前記天面フラップ対の折曲げ加工が行われている、
ことを特徴とする箱予備成形装置。
【請求項16】
請求項12において、
前記折曲げ加工部が、前記折曲げ加工ステーションに固定された固定具と、前記折曲げ加工ステーションに配設された水平軸の回りを回動可能な可動具とを有しており、前記箱シート材が前記折曲げ加工ステーションに移動したとき、前記箱シート材の一方の前記天面フラップ対が前記固定具に当接しつつ前記固定具と前記吸着保持部の前記当接部の側面との間で挟持されることにより、一方の前記天面フラップ対の折曲げ加工が行われるとともに、前記可動具が前記水平軸の回りを回動することで、前記箱シート材の他方の前記天面フラップ対が前記可動具により折り曲げられつつ前記可動具と前記吸着保持部の前記当接部の側面との間で挟持されることにより、他方の前記天面フラップ対の折曲げ加工が行われている、
ことを特徴とする箱予備成形装置。
【請求項17】
請求項12において、
前記天面フラップ対の折曲げ加工後に前記天面フラップ対の前記三角形状部を係止する係止部が前記アームに設けられている、
ことを特徴とする箱予備成形装置。
【請求項18】
請求項12において、
前記箱シート材の前記当接部の側面には、段差部が形成されており、前記天面フラップ対の折曲げ加工の際には、前記天面フラップ対が前記段差部と前記折曲げ加工部との間で挟持されることにより、前記天面フラップがZ字状に折り曲げられるようになっている、
ことを特徴とする箱予備成形装置。
【請求項19】
請求項12において、
前記折曲げ加工ステーションと前記導入ステーションの間には、前記天面フラップ対を再度内側に折り曲げるための第2の折曲げ加工部が設けられている、
ことを特徴とする箱予備成形装置。
【請求項20】
請求項19において、
前記第2の折曲げ加工部は、水平方向に延びる回転軸の回りを旋回可能なレバーと、前記レバーの先端に設けられ、前記天面フラップ対に側方から当接する当接部とから構成されている、
ことを特徴とする箱予備成形装置。
【請求項21】
請求項12において、
前記導入ステーションには、前記搬送コンベアの前記搬送面の上に導入された前記箱シート材の前記天面フラップ対を外側に折り曲げることにより前記天面フラップ対に折りぐせを付けるための第3の折曲げ加工部が設けられている、
ことを特徴とする箱予備成形装置。
【請求項22】
請求項21において、
前記第3の折曲げ加工部は、水平方向に延びる回転軸の回りを旋回可能なレバーと、前記レバーの先端に設けられ、前記天面フラップ対に上方から当接する当接部とから構成されている、
ことを特徴とする箱予備成形装置。
【請求項23】
請求項12において、
前記箱シート材が内側フラップを有しており、前記導入ステーションの搬送方向下流側には、前記搬送コンベアの前記搬送面上に配置された前記箱シート材の前記内側フラップを内側に折り曲げる内側フラップ折曲げ加工部がさらに設けられている、
ことを特徴とする箱予備成形装置。
【請求項24】
請求項23において、
前記内側フラップ折曲げ加工部は、前記箱シート材の搬送中に、搬送方向前方に配置された第1の内側フラップ対に当接して前記第1の内側フラップ対を内側に折り曲げる固定部材と、前記箱シート材の搬送中に、搬送方向後方に配置された第2の内側フラップ対に当接して前記第2の内側フラップ対を内側に折り曲げる可動部材とから構成されている、
ことを特徴とする箱予備成形装置。
【請求項25】
請求項24において、
前記可動部材が、鉛直方向に延びる回転軸の回りを回転可能に設けられ、その一部に形成された切欠きによる尖端部分を用いて第2の内側フラップ対の折曲げ加工を行う回転部材から構成されている、
ことを特徴とする箱予備成形装置。
【請求項1】
箱成形前に箱に折り目を付けるための箱予備成形方法であって、
前記箱が、四角形状の底面と、前記底面の各辺に連設された三角形状部をそれぞれ有する第1、第2の天面フラップ対とから構成されており、
前記箱予備成形方法が、
前記箱をシート状の展開状態にしかついずれかの前記天面フラップの前記三角形状部の頂点を上にした状態で収容するマガジンから箱シート材を、水平方向に延びる軸の回りに鉛直面内を旋回可能な吸着保持部を用いて前記箱シート材の前記底面を吸着保持することにより、一枚ずつ取り出す取出し工程と、
前記取出し工程で取り出された前記箱シート材を、前記吸着保持部を旋回させることにより、前記マガジンと相対する位置に配置された折曲げ加工ステーションに移動させ、当該折曲げ加工ステーションにおいて、前記箱シート材の前記第1の天面フラップ対を内側に折り曲げるとともに、前記第2の天面フラップ対を内側に折り曲げる折曲げ工程と、
前記吸着保持部をさらに旋回させることにより、前記折曲げ工程で折り曲げられた前記箱シート材の前記天面フラップの前記三角形状部の前記頂点を搬送方向に向けた状態で、前記マガジンおよび前記折曲げ加工ステーションの下方に配置された搬送コンベアの搬送面上において、前記マガジンおよび前記折曲げ加工ステーションの間の中間位置に導入する導入工程と、
を備えた箱予備成形方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記吸着保持部が、前記箱シート材を吸着保持する吸着パッドと、前記吸着パッドが取り付けられかつ前記箱シート材の前記底面に相当する大きさおよび形状を有する当接部とから構成されており、前記吸着パッドによる前記箱シート材の吸着保持時には、前記当接部が前記箱シート材の前記底面全体に当接している、
ことを特徴とする箱予備成形方法。
【請求項3】
請求項2において、
前記折曲げ加工ステーションにおける折曲げ加工の際には、折曲げ加工部と前記吸着保持部の前記当接部の側面との間で前記箱シート材の前記天面フラップ対を挟持することにより、前記天面フラップが内側に折り曲げられている、
ことを特徴とする箱予備成形方法。
【請求項4】
請求項3において、
前記折曲げ加工部が、前記折曲げ加工ステーションに固定された固定具を有しており、前記箱シート材が前記折曲げ加工ステーションに移動したとき、前記箱シート材の前記天面フラップ対が前記固定具に当接しつつ前記固定具と前記吸着保持部の前記当接部の前記側面との間で挟持されることにより、前記天面フラップ対の折曲げ加工が行われている、
ことを特徴とする箱予備成形方法。
【請求項5】
請求項3において、
前記折曲げ加工部が、前記折曲げ加工ステーションに配設された水平軸の回りを回動可能な可動具を有しており、前記箱シート材が前記折曲げ加工ステーションに移動したとき、前記可動具が前記水平軸の回りを回動することで、前記箱シート材の前記天面フラップ対が前記可動具により折り曲げられつつ前記可動具と前記吸着保持部の前記当接部の前記側面との間で挟持されることにより、前記天面フラップ対の折曲げ加工が行われている、
ことを特徴とする箱予備成形方法。
【請求項6】
請求項3において、
前記折曲げ加工部が、前記折曲げ加工ステーションに固定された固定具と、前記折曲げ加工ステーションに配設された水平軸の回りを回動可能な可動具とを有しており、前記箱シート材が前記折曲げ加工ステーションに移動したとき、前記箱シート材の一方の前記天面フラップ対が前記固定具に当接しつつ前記固定具と前記吸着保持部の前記当接部の前記側面との間で挟持されることにより、一方の前記天面フラップ対の折曲げ加工が行われるとともに、前記可動具が前記水平軸の回りを回動することで、前記箱シート材の他方の前記天面フラップ対が前記可動具により折り曲げられつつ前記可動具と前記吸着保持部の前記当接部の前記側面との間で挟持されることにより、他方の前記天面フラップ対の折曲げ加工が行われている、
ことを特徴とする箱予備成形方法。
【請求項7】
請求項3において、
前記天面フラップ対の折曲げ加工後には、前記天面フラップ対の前記三角形状部を係止することにより、前記天面フラップ対の折曲げ状態が維持されている、
ことを特徴とする箱予備成形方法。
【請求項8】
請求項3において、
前記天面フラップ対の折曲げ加工の際には、前記天面フラップがZ字状に折り曲げられている、
ことを特徴とする箱予備成形方法。
【請求項9】
請求項1において、
前記折曲げ工程と前記導入工程の間には、前記天面フラップ対を再度内側に折り曲げる第2の折曲げ工程が設けられている、
ことを特徴とする箱予備成形方法。
【請求項10】
請求項1において、
前記導入工程の後工程として、前記搬送コンベアの前記搬送面の上に導入された前記箱シート材の前記天面フラップ対を外側に折り曲げることにより、前記天面フラップ対に折りぐせを付ける第3の折曲げ工程が設けられている、
ことを特徴とする箱予備成形方法。
【請求項11】
請求項1において、
前記箱シート材が内側フラップを有しており、前記導入工程の後工程として、前記搬送コンベアの前記搬送面上に配置された前記箱シート材の前記内側フラップを内側に折り曲げる内側フラップ折曲げ工程が設けられている、
ことを特徴とする箱予備成形方法。
【請求項12】
箱成形前に箱に折り目を付けるための箱予備成形装置であって、
前記箱が、四角形状の底面と、前記底面の各辺に連設された三角形状部をそれぞれ有する第1、第2の天面フラップ対とから構成されており、
前記箱予備成形装置が、
前記箱をシート状の展開状態にしかついずれかの前記天面フラップの前記三角形状部の頂点を上にした状態で収容するマガジンと、
水平方向に延びる軸の回りを鉛直面内で旋回可能なアームの先端に設けられ、マガジンから箱シート材を一枚ずつ取り出す取出しステーション、取出しステーションに対向配置されかつ箱シート材の前記天面フラップ対を折り曲げる折曲げ加工ステーション、ならびに前記取出しステーションおよび折曲げ加工ステーションの下方においてこれらのステーションの中間位置に配置されかつ前記箱シート材を搬送コンベアに導入する導入ステーションの間を移動可能に設けられるとともに、前記箱シート材の前記底面を吸着保持する吸着保持部と、
前記折曲げ加工ステーションに設けられ、前記吸着保持部との間で前記第1、第2の天面フラップ対を挟持することにより、前記箱シート材の前記第1、第2の天面フラップ対を内側に折り曲げる折曲げ加工を行う折曲げ加工部と、
を備えた箱予備成形装置。
【請求項13】
請求項12において、
前記吸着保持部が、前記箱シート材を吸着保持する吸着パッドと、前記吸着パッドが取り付けられかつ前記箱シート材の前記底面に相当する大きさおよび形状を有する当接部とから構成されており、前記吸着パッドによる前記箱シート材の吸着保持時には、前記当接部が前記箱シート材の前記底面全体に当接しており、前記折曲げ加工ステーションにおける折曲げ加工の際には、前記折曲げ加工部と前記当接部の側面との間で前記箱シート材の前記天面フラップ対を挟持することにより、前記天面フラップ対が内側に折り曲げられている、
ことを特徴とする箱予備成形装置。
【請求項14】
請求項12において、
前記折曲げ加工部が、前記折曲げ加工ステーションに固定された固定具を有しており、前記箱シート材が前記折曲げ加工ステーションに移動したとき、前記箱シート材の前記天面フラップ対が前記固定具に当接しつつ前記固定具と前記吸着保持部の前記当接部の側面との間で挟持されることにより、前記天面フラップ対の折曲げ加工が行われている、
ことを特徴とする箱予備成形装置。
【請求項15】
請求項12において、
前記折曲げ加工部が、前記折曲げ加工ステーションに配設された水平軸の回りを回動可能な可動具を有しており、前記箱シート材が前記折曲げ加工ステーションに移動したとき、前記可動具が前記水平軸の回りを回動することで、前記箱シート材の前記天面フラップ対が前記可動具により折り曲げられつつ前記可動具と前記吸着保持部の前記当接部の側面との間で挟持されることにより、前記天面フラップ対の折曲げ加工が行われている、
ことを特徴とする箱予備成形装置。
【請求項16】
請求項12において、
前記折曲げ加工部が、前記折曲げ加工ステーションに固定された固定具と、前記折曲げ加工ステーションに配設された水平軸の回りを回動可能な可動具とを有しており、前記箱シート材が前記折曲げ加工ステーションに移動したとき、前記箱シート材の一方の前記天面フラップ対が前記固定具に当接しつつ前記固定具と前記吸着保持部の前記当接部の側面との間で挟持されることにより、一方の前記天面フラップ対の折曲げ加工が行われるとともに、前記可動具が前記水平軸の回りを回動することで、前記箱シート材の他方の前記天面フラップ対が前記可動具により折り曲げられつつ前記可動具と前記吸着保持部の前記当接部の側面との間で挟持されることにより、他方の前記天面フラップ対の折曲げ加工が行われている、
ことを特徴とする箱予備成形装置。
【請求項17】
請求項12において、
前記天面フラップ対の折曲げ加工後に前記天面フラップ対の前記三角形状部を係止する係止部が前記アームに設けられている、
ことを特徴とする箱予備成形装置。
【請求項18】
請求項12において、
前記箱シート材の前記当接部の側面には、段差部が形成されており、前記天面フラップ対の折曲げ加工の際には、前記天面フラップ対が前記段差部と前記折曲げ加工部との間で挟持されることにより、前記天面フラップがZ字状に折り曲げられるようになっている、
ことを特徴とする箱予備成形装置。
【請求項19】
請求項12において、
前記折曲げ加工ステーションと前記導入ステーションの間には、前記天面フラップ対を再度内側に折り曲げるための第2の折曲げ加工部が設けられている、
ことを特徴とする箱予備成形装置。
【請求項20】
請求項19において、
前記第2の折曲げ加工部は、水平方向に延びる回転軸の回りを旋回可能なレバーと、前記レバーの先端に設けられ、前記天面フラップ対に側方から当接する当接部とから構成されている、
ことを特徴とする箱予備成形装置。
【請求項21】
請求項12において、
前記導入ステーションには、前記搬送コンベアの前記搬送面の上に導入された前記箱シート材の前記天面フラップ対を外側に折り曲げることにより前記天面フラップ対に折りぐせを付けるための第3の折曲げ加工部が設けられている、
ことを特徴とする箱予備成形装置。
【請求項22】
請求項21において、
前記第3の折曲げ加工部は、水平方向に延びる回転軸の回りを旋回可能なレバーと、前記レバーの先端に設けられ、前記天面フラップ対に上方から当接する当接部とから構成されている、
ことを特徴とする箱予備成形装置。
【請求項23】
請求項12において、
前記箱シート材が内側フラップを有しており、前記導入ステーションの搬送方向下流側には、前記搬送コンベアの前記搬送面上に配置された前記箱シート材の前記内側フラップを内側に折り曲げる内側フラップ折曲げ加工部がさらに設けられている、
ことを特徴とする箱予備成形装置。
【請求項24】
請求項23において、
前記内側フラップ折曲げ加工部は、前記箱シート材の搬送中に、搬送方向前方に配置された第1の内側フラップ対に当接して前記第1の内側フラップ対を内側に折り曲げる固定部材と、前記箱シート材の搬送中に、搬送方向後方に配置された第2の内側フラップ対に当接して前記第2の内側フラップ対を内側に折り曲げる可動部材とから構成されている、
ことを特徴とする箱予備成形装置。
【請求項25】
請求項24において、
前記可動部材が、鉛直方向に延びる回転軸の回りを回転可能に設けられ、その一部に形成された切欠きによる尖端部分を用いて第2の内側フラップ対の折曲げ加工を行う回転部材から構成されている、
ことを特徴とする箱予備成形装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2012−91404(P2012−91404A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−240740(P2010−240740)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000141886)株式会社京都製作所 (83)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000141886)株式会社京都製作所 (83)
【Fターム(参考)】
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