説明

簡易組立ブラシシール

バックプレート(38)と、サイドプレート(36)と、剛毛体リング(40)とを有し、脱着可能なファスナ(42)の使用を介して全体的に一体に固定されるブラシシール(44)が開示される。バックプレート(38)には円周リップ(70)を設けることができ、それによって、バックプレート(38)をサイドプレート(36)に押圧するためにファスナ(42)の頭部(78)を当てて使用することができる面を提供し、その結果、バックプレートとサイドプレートとの間に剛毛体リング(40)が捕捉される。それによって、ブラシシールは、溶接を必要とする場合には製造することができないような、異種の種々の材料からの製造を行うことができる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般にシールに関し、より詳細にはブラシシールに関する。
【背景技術】
【0002】
シールは、所与の隙間を通って流体が流れるのを防止したいときに用いられる一般的な機械的装置である。ブラシシールと呼ばれるシールの一形式は、シールすべき領域を横切って所定位置に保持された複数の剛毛体を利用する。ブラシシールの長所は、シールされるべき領域を形成する面自体が動くとき、動いてシールを維持し続けるブラシシール固有の能力である。
【0003】
ブラシシールが一般的に使用される環境の1つは、航空機に推力を与えるために、航空機または他の移動体に補助動力を与えるために、または陸上発電施設内に使用するタイプのガスタービンエンジン内である。ガスタービンエンジン内に用いられるブラシシールは、エンジンの主流路から作動媒体空気が漏れ出すのを防止するために使用される。そのような漏洩を最低限に抑えることが重要なのは、いかなる漏洩もエンジンの効率を低下させ、それによってエンジンの燃料消費を増加させ、エンジンの運用コストを上昇させるからである。さらに、エンジンの主流路から漏れ出した加圧空気または燃焼ガスは、高温であり、そのような温度に対して許容度が限られているエンジン構成部品に接触することがあり得る。たとえば、ブラシシールは、ディフューザ、エンジンケーシング、またはステータなどの静止部品とタービンブレード、シャフト、またはロータなどの回転部品との間に形成される隙間に使用することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように効果的であるが、時間経過に従ってブラシシールを交換する必要がある。たとえば、そのような交換は、所与の作動時間数の後に行うよう計画され得る。しかし、従来製造されているブラシシールは、必然的に取り外しを困難にする溶接された組立体である。さらに、ブラシ組立体を形成している構成部品が一体に溶接されているので、その組立体を構成する個々の構成部品を交換するのは不可能である。その結果、組立体全体を、資材の点だけではなく、労力およびエンジンの不稼働時間の点でもかなりの費用を掛けて交換する必要がある。
【0005】
最近、組立体を一体に保持するためにクリップまたはファスナを使用してブラシシールを製造することが知られてきた。これら2つは効果的であるが、比較的厳しい公差の下での機械加工を追加する必要があり、したがって製造費が高くなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、サイドプレート、バックプレート、剛毛体リング、および複数のファスナを備えることができるブラシシールが開示される。バックプレートは円周リップを有し得、剛毛体リングがサイドプレートとバックプレートとの間に配置され得る。複数のファスナによってバックプレートをサイドプレートに固定することができ、各ファスナは、バックプレートの外周部のみに係合する頭部を有し、バックプレートおよび剛毛体リングをサイドプレートに押圧する。
【0007】
本開示の別の態様によれば、剛毛体リングをサイドプレートに隣接して配置するステップと、バックプレートを剛毛体リング上に重ね合わせるステップと、バックプレートの外周部のみに係合するファスナを用いてバックプレートをサイドプレートに固定するステップとを含むことができるブラシシールを形成する方法が開示されている。
【0008】
本開示の別の態様によれば、サイドプレートと、バックプレートと、サイドプレートとバックプレートとの間に固定された剛毛体リングと、剛毛体リング、ならびにサイドプレートおよびバックプレートの一方を貫通することなく、サイドプレート、バックプレート、および剛毛体リングを一体に着脱可能に固定する手段とを備えることができるモジュール式ブラシシールが開示されている。
【0009】
本開示の別の態様によれば、圧縮機部、燃焼器部、タービン部、シャフト組立体、エンジンケーシング、およびブラシシールを備えることができるガスタービンエンジンが開示されている。ブラシシールは、サイドプレートと、外周部を持つバックプレートと、サイドプレートとバックプレートとの間に配置された剛毛体リングと、バックプレートをサイドプレートに固定する複数のファスナとを有する。各ファスナは、バックプレートの外周部のみに係合し、バックプレートおよび剛毛体リングをサイドプレートに押圧する頭部を有する。
【0010】
本開示のこれらおよびその他の態様および特徴は、以下の詳細な説明を添付図面と併せて読むことにより、より明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本開示は、様々な変更および別の構造を包含し得るが、そのいくつかの例示的実施形態が添付図面に示され、以下に詳細に記述される。ただし、本開示を、開示された特定の形態に限定するものではなく、逆に、添付の特許請求の範囲によって定義された開示の精神および範囲に従って、全ての変更形態、代替構造、および同等物を包含するものであることが理解されるべきである。
【0012】
ここで図面を参照し、特に図1および2を参照すると、本開示の教示に従って構成されたブラシシールが、全体を参照番号20によって示されている。ブラシシール20はガスタービンエンジン22内に使用することができるが、ブラシシールはまた、無数の異なる環境に用いることができ、ガスタービンエンジン22は、主として例示および状況設定の目的で図示され、以下に記述されるものと理解されるべきである。
【0013】
当業者には容易に理解されるように、ガスタービンエンジン22は、エンジンケーシング23、圧縮機部24、燃焼器チャンバ26、およびタービン部28を備える。簡潔に概観すると、圧縮機部24は、大気を吸い込み、燃焼器チャンバ26に導くためにその空気を加圧する。燃焼器チャンバ26内で、燃料が噴射、着火され、生成された熱および燃焼ガスはタービン部28に導入される。タービン部28および圧縮機部24は共通のシャフト組立体30に取り付けられているので、タービン部28が回転することにより、圧縮機部24も回転させられ、それによってエンジンの作動サイクルを継続させる。
【0014】
ガスタービンエンジン22が作動する前提は、流体を効果的に圧縮しその流体をタービン部へ放出することである。したがって、いかなる流体の漏洩も、必然的にエンジンの効率に支障をきたす。したがって、最大限に可能な限りその漏洩を最低限に抑えるためにガスタービンエンジン内の多数の箇所をシールしなければならない。そのようなシーリングが望ましい領域の一例が、図2に示すように、ガスタービンエンジン22内で、圧縮機部24のロータ32とそれを取り囲むステータ34との間に示されている。やはり、これは単に例示の目的のために提示されたものであり、ブラシシール20は、それに限定はされないが、エンジン22の2つの静止部品間などガスタービンエンジン22内の異なる無数の箇所、ならびにガスタービンエンジン22以外の多数の用途に使用することができることが理解されるべきである。
【0015】
図2〜6を参照すると、ブラシシール20は、サイドプレート36、バックプレート38、および、それらの間に配置された剛毛体リング40を備え得る。以下により詳しく述べるように、複数のファスナ42が、3つの構成部品、すなわちサイドプレート36、バックプレート38、および剛毛体リング40を一体に固定するのに使用されていることに留意されたい。形成されたブラシシール組立体44は、次いでステータ34、またはその他のあらゆるシールすべき構造体に装着される。図示されている実施形態では、スプリットリング46が、ブラシシール組立体44をステータ34の円周壁48に固締するのに使用されているが、L字形リング、ねじ式ファスナ、リベット、クランピング組立体などを含む様々な無数の他の形状の機械的ファスナも、それらに限定はされないが、採用することができることが理解されるべきである。
【0016】
サイドプレート36について詳細に言及すると、実質的に、外周50、内周52、第1の側面54、第2の側面56を有する環形状であることが図2〜6それぞれに示されている。第1の側面54は実質的に平面であるが、第2の側面56は、厚さが減少したスキャロップ部58を有し、これによってピンチ点60が形成されている。スキャロップ部58は、剛毛体リング40がある程度動くことができて作動し易くなる空隙61を形成し、他方、ピンチ点60は、3つの主要構成部品36、38、40間に強固な結合を確保する。スキャロップ部58は、ピンチ点60で剛毛体が僅かに広がることを可能にしながら、空気摩擦の影響から剛毛体リング40を護る空気摩擦カバーとして機能する。
【0017】
剛毛体リング40に関し、溶接されて外周部64を形成する複数の剛毛体62を有することが図7に最もよく示されている。より詳細には、剛毛体62は、通常、剛毛体の個別の束66の形に形成され、次いでそれらの間を溶接することにより外周部64を形成するようにそれぞれが一体に溶接される。したがって、剛毛体62は、通常、それらに限定はされないが、ステンレス鋼またはコバルト合金などの金属から製造される。シールすべき領域の大きさによって、寸法が異なる外周部64、あるいは、同じ寸法の外側リング64で寸法の異なる剛毛体62を採用することができることが理解されるべきである。別の実施形態では、束66が溶接される独立した別個の外輪を用いてもよい。
【0018】
再び図2〜6を参照すると、バックプレート38は、実質的に円環状の形をなし、周縁つまり円周に沿ったリップ70が半径方向外向きに延在する主環部68を有している。図2に最もよく示されるように、円周リップ70および主環部68は、実質的に段付の構造を形成し、それによって内側凹部72および外側凹部74を形成する。その重要性は、より詳細に本明細書に記述される。剛毛体リング40上への正のねじ締結力を確保し、それによりシールピンチ点60を維持して緩みを防止するように、剛毛体リング40の幅を凹部72の幅より大きくすべきである。
【0019】
製造性の点からは、ブラシシール組立体44は、サイドプレート36を準備し、サイドプレート36の上に剛毛体リング40を配置し、剛毛体リング40の上にバックプレート38を、剛毛体リング40が内側凹部72内に収まるように置き、サイドプレート36、バックプレート38、剛毛体リング40を複数のファスナ42を用いて一体に固定することによって組み立てることができる。より詳細には、図5に最もよく示されるように、複数のファスナ42のそれぞれは、軸76ならびに頭部78を有することができる。それには限定されないが、キャップスクリューを含む無数の様々なタイプのファスナを使用することができる。このようなファスナによって、頭部78および軸76は、内側肩部80を形成し、この内側肩部80がバックプレート38の円周リップ70に係合してブラシシール組立体44を一体に固定するのに用いることができることに留意すべきである。より詳細には、サイドプレート36には複数の開口82が設けられているので、ブラシシール組立体44を組み立てたいとき、上記のように各構成部品が積み重ねられた後、頭部78の肩部80が円周リップ70を押圧するまでファスナ42を開口82に単にねじ込めばよく、それによってバックプレート38をサイドプレート36に向かって締め上げ、その結果それらの間の剛毛体リング40を締め上げることになる。必要により、ファスナ42は、バックプレート38にタック溶接してもよい。ファスナの頭でないほうの端をサイドプレート36と面一になるように機械仕上げする必要がある場合もある。それにより、使用される保持装置との干渉が避けられる。
【0020】
外側凹部74の重要性の1つは、空間を節約する目的で、その中にファスナ42の頭部78を手軽に配置することができることである。言い換えれば、バックプレート38の主環部68は、第1の幅84を有し、円周リップ70は第2の幅86を有し、ファスナ頭部78は第3の幅88を有することに留意されたい。第2の幅86と第3の幅88との和は、第1の幅84より実質的に小さく、それによって、ファスナ頭部78がブラシシール組立体44中に完全に凹まして収められ、したがって、特別な、より費用が掛かる座ぐりなどを用いることなしに全体の幅を実質的に減らしたブラシシール組立体44を実現する。
【0021】
このような構造は、従来のブラシシールを凌ぐ多数の利点を提供する。たとえば、取り外し可能なファスナ42の使用を介して全体的に一体に固定されるブラシシール組立体44を提供することにより、溶接が不必要なことによって製造時間が大幅に削減される。さらに、たとえば定期整備間隔で、または所与の作動時間数後に、剛毛体リング40を交換したいとき、ファスナ42は簡単に取り外すことができ、それによって交換用のリング40を挿入するために剛毛体リング40を取り外すことができる。
【0022】
さらに別の利点は、組立体構造のモジュール性である。前述のように、個々の構成部品が固定的に取り付けられるのではなく、ねじ式ファスナ42を使用して取り外し可能に取り付けられているので、溶接などによって取り付けることができない異種材質同士の構成部品であっても、前述の構造により、その使用が可能となる。また、組立体44全体がねじ式ファスナを使用して一体に固定されているので、プラスチックのサイドプレート36、バックプレート38、または剛毛体リング40を用いることができる。これは、溶接が必要である場合には、可能性のない選択肢である。その結果、非融和性金属同士、プラスチックと金属の組合せ、そして中でも、高温カーボンベース材料を使用することができる。
【0023】
同様に、組立体44全体を分解することができるので、材質または直径が異なる剛毛体リング40、ならびに直径および他の寸法が異なるサイドプレート76およびバックプレート38と容易に交換することができる。このような特徴は、装置、エンジン、またはブラシシールの開発試験中に特に有利であり得る。
【0024】
前述の構造によって提供されるさらに別の利点が、ファスナ42の使用ならびに円周リップ70の使用に起因して生じ得る。バックプレート38内に開口を設ける必要があり、バックプレートの開口がサイドプレートの開口82と確実に位置が合うように厳しい許容誤差を満足する必要がある構造に対して、本発明の構造では、バックプレート38は、いかなる回転位置にでもサイドプレート36上に単に重ねればよく、次いで、ファスナ42を使用して、素早く、繰り返しが効くやり方で組立体を一体に固定することができる。より詳細には、上記のように、頭部78および肩部80は、バックプレート38をサイドプレート36に向かって締め上げ、それによってそれらの間に剛毛体リング40を捕捉することにより、組立体を一体に固定する。そのような構造は、この種のシールに関する製造および労務費を大幅に削減する。
【0025】
上記により、本開示は、現在市場に提供されている公知のブラシシールに対して著しく有利なブラシシールを提供することが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本開示の教示に従って構成されたブラシシール組立体が組み込まれているガスタービンエンジンの断面図である。
【図2】本開示の教示に従って構成されたブラシシール組立体の断面図である。
【図3】図2のブラシシールの斜視図である。
【図4】図3のブラシシールの前面の切欠図である。
【図5】図4の線5−5に沿った図4のブラシシールの拡大断面図である。
【図6】図3のブラシシールの後視切欠図である。
【図7】本開示の教示に従って構成された剛毛体リングの平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイドプレート(36)と、バックプレート(38)と、前記サイドプレートと前記バックプレートの間に配置された剛毛体リング(40)とを有するブラシシール(20)であって、
前記バックプレートを前記サイドプレートに固定する複数のファスナ(42)をさらに備え、各ファスナが頭部(78)を有し、前記頭部が、前記バックプレートの外周端に位置する半径方向リップ(70)のみと係合し、前記バックプレートおよび剛毛体リングを前記サイドプレートに押圧することを特徴とする、ブラシシール(20)。
【請求項2】
前記サイドプレート(36)が円環形状であり、前記複数のファスナ(42)を受け入れるようになされた複数の開口(82)を有する、請求項1に記載のブラシシール。
【請求項3】
前記バックプレート(38)が、前記剛毛体リング(40)を受け入れる凹部(72)を有する、請求項1に記載のブラシシール。
【請求項4】
前記サイドプレート(36)が、ピンチ点(60)を形成する凹部(61)を有する、請求項1に記載のブラシシール。
【請求項5】
前記複数のファスナ(42)がねじ式である、請求項1に記載のブラシシール。
【請求項6】
前記複数のファスナ(42)がキャップスクリューである、請求項1に記載のブラシシール。
【請求項7】
前記サイドプレート(36)、バックプレート(38)、および剛毛体リング(40)の少なくとも1つが、他の2つのサイドプレート、バックプレート、または剛毛体リングを製作した材料とは異なる材料で製作されている、請求項1に記載のブラシシール。
【請求項8】
前記サイドプレート(36)、バックプレート(38)、および剛毛体リング(40)の少なくとも1つが金属製であり、前記サイドプレート、バックプレート、および剛毛体リングの少なくとも1つがプラスチック製である、請求項7に記載のブラシシール。
【請求項9】
剛毛体リング(40)をサイドプレート(36)に隣接して配置するステップと、バックプレート(38)を剛毛体リング(40)上に重ね合わせるステップとを含むブラシシール(20)を形成する方法であって、
前記バックプレートの外周端に位置する半径方向リップ(70)のみと係合するファスナ(42)を用いて、前記バックプレートを前記サイドプレートに固定するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
ねじ式ファスナ(42)を用いて、前記バックプレート(38)を前記サイドプレート(36)に固定する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
各ねじ式ファスナ(42)が頭部(78)を有し、各頭部が前記バックプレート(38)を前記サイドプレート(36)に締め付ける、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記バックプレート(38)の半径方向リップ(70)は減少した厚さを有し、前記ファスナの頭部(78)は、この厚さが減少したリップと係合する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記バックプレート(38)が、前記剛毛体リング(40)を受け入れるようになされた凹部(72)を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記ブラシシール(20)をガスタービンエンジン(22)に取り付けるステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記ファスナの頭部(78)を、前記バックプレート(38)およびサイドプレート(36)の一方にタック溶接するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記ファスナ(42)を取り外すことにより前記ブラシシール(20)を分解するステップと、前記バックプレート(38)、サイドプレート(36)、および剛毛体リング(40)の少なくとも1つを交換するステップと、前記ブラシシールを再組立てするステップとをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記バックプレート(38)、サイドプレート(36)、および剛毛体リング(40)の少なくとも1つがプラスチックである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
サイドプレート(36)と、バックプレート(38)と、前記サイドプレートと前記バックプレートとの間に固定された剛毛体リング(40)と、を有するモジュール式ブラシシール(20)であって、
前記剛毛体リング、ならびに前記サイドプレートおよびバックプレートの一方を貫通することなく、前記サイドプレート、バックプレート、および剛毛体リングを一体に着脱可能に固定する手段をさらに備え、前記着脱可能に固定する手段は前記バックプレートの外周端に位置する半径方向リップ(70)のみと係合することを特徴とする、モジュール式ブラシシール(20)。
【請求項19】
前記着脱可能に固定する手段が複数のねじ式ファスナ(42)を有し、前記複数のファスナがそれぞれ頭部を有する、請求項18に記載のモジュール式ブラシシール。
【請求項20】
各頭部が内側肩部(80)を有し、各肩部が、前記バックプレート(38)の外周端に位置する半径方向リップ(70)のみと係合する、請求項19に記載のモジュール式ブラシシール。
【請求項21】
前記バックプレート(38)の外周端に位置する半径方向リップ(70)が、第1の厚さ(84)を有し、前記バックプレート(38)の隣接する環部(68)が、第2の厚さ(86)を有し、前記第1の厚さとファスナ頭部の厚さ(88)との和が前記第2の厚さより小さい、請求項20に記載のモジュール式ブラシシール。
【請求項22】
前記バックプレート(38)が凹部(72)を有し、前記剛毛体リング(40)が前記凹部内に配置される、請求項18に記載のモジュール式ブラシシール。
【請求項23】
前記サイドプレート(36)、バックプレート(38)、および剛毛体リング(40)が、異なる材料で製作されている、請求項18に記載のモジュール式ブラシシール。
【請求項24】
前記サイドプレート(36)、バックプレート(38)、および剛毛体リング(40)の少なくとも1つが金属製であり、前記サイドプレート、バックプレート、および剛毛体リングの少なくとも1つがプラスチック製である、請求項23に記載のモジュール式ブラシシール。
【請求項25】
圧縮機部(24)と、燃焼器部(26)と、タービン部(28)と、前記圧縮機部と前記タービン部とを連結するシャフト組立体(30)と、圧縮機部、燃焼器部、タービン部、およびシャフトを囲むエンジンケーシング(23)と、を有するガスタービンエンジン(22)であって、
前記圧縮機部、燃焼器部、およびタービン部の1つと、前記シャフトおよびエンジンケーシングの1つとの間に配置されたブラシシール(20)をさらに備え、前記ブラシシールが、サイドプレート(36)と、外周端位置に半径方向リップ(70)を持つバックプレート(38)と、前記サイドプレートと前記バックプレートとの間に配置された剛毛体リング(40)と、前記バックプレートを前記サイドプレートに固定する複数のファスナ(42)とを有し、各ファスナが、前記バックプレートの外周端に位置する半径方向リップのみに係合して前記バックプレートおよび剛毛体リングを前記サイドプレートに押圧する頭部(78)を有することを特徴とする、ガスタービンエンジン(22)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−518038(P2007−518038A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549242(P2006−549242)
【出願日】平成16年10月27日(2004.10.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/035650
【国際公開番号】WO2005/071292
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(590005449)ユナイテッド テクノロジーズ コーポレイション (581)
【氏名又は名称原語表記】UNITED TECHNOLOGIES CORPORATION
【Fターム(参考)】