説明

粒子およびインクおよびそれらを用いるフィルム

粒子および粒子フィルムを提供する。特定の実施例において、プリント配線板などの装置用に粒子を工業規模で合成するために、単相プロセスから生成された粒子を用いてもよい。粒子、特に銀粒子は、単相溶液中で金属または金属塩をキャッピング剤と混合するステップと、単相溶液に還元剤を添加して、キャッピングされたナノ粒子を生成するステップとを備えるプロセスによって生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本明細書に開示される特定の実施例は概して、粒子、フィルムおよびインクの調製に用いられる方法に関する。より特定的には、特定の実施例は、銀粒子、銀粒子フィルムおよび銀粒子インクの調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
高導電性の銀薄膜の作製は、用途の範囲が非常に広いために、非常に重要な技術的プロセスである。銀フィルムは現在、電子工学分野における導線、宝飾品およびファッション業界における化粧塗膜、空気および水の濾過における抗菌剤、医療装置における防腐試薬、電池電極、電気めっきの前の金属化層、および多くの他の用途として用いられている。銀薄膜は、多くの技術によって異なる基板上に堆積させることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
第1の局面に従って、粒子の生成方法を提供する。特定の実施例において、この方法は、単相溶液中で金属または金属塩をキャッピング剤と混合するステップを備える。実施例によっては、この方法はさらに、単相溶液に還元剤を添加するステップを備えていてもよい。他の実施例において、この方法はさらに、キャッピングされた金属粒子を単相溶液から分離させるステップを備えていてもよい。特定の実施例において、金属粒子はナノ粒子であってもよい。
【0004】
別の局面に従って、プリント配線板の製造方法を開示する。特定の実施例において、この方法は、キャッピングされた金属粒子をあるプロセスから生成するステップを備え、このプロセスは、単相溶液中で金属または金属塩をキャッピング剤と混合するステップと、単相溶液に還元剤を添加するステップとを備える。実施例によっては、この方法はさらに、キャッピングされたナノ粒子をキャリア中に分散させるステップを含んでいてもよい。他の実施例において、この方法はさらに、分散したキャッピングされたナノ粒子を基板上に配置するステップを含んでいてもよい。特定の実施例において、この方法はさらに、基板を加熱するステップを含んでいてもよい。特定の実施例において、金属粒子はナノ粒子であってもよい。
【0005】
さらなる局面に従って、組成物を提供する。特定の実施例において、この組成物は、キャリアとキャッピングされた粒子とを備え、キャッピングされた粒子は、少なくとも約32×104S/cmの導電率を与えるように選択される。実施例によっては、キャッピングされた粒子は、単相溶液中で金属または金属塩をキャッピング剤と混合するステップと、単相溶液に還元剤を添加するステップとを備えるプロセスによって生成される。特定の実施例において、インクを提供するためにこの組成物を用いてもよい。
【0006】
別の局面に従って、キャッピングされた粒子から作られ、かつ、導電率が少なくとも約32×104S/cmである銀フィルムを開示する。特定の実施例において、このフィルムはナノ粒子を用いて製造されてもよい。
【発明の効果】
【0007】
この開示の利点を考慮すると、当業者は、粒子、インク、フィルム、およびそれらの製
造方法が、先行技術を用いることでは達成できない重要な利点をもたらすことを認識する。本明細書に開示される技術の他の特徴、局面および有利な点について以下で詳細に説明する。
【0008】
添付の図面を参照して、以下で特定の実施例について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】特定の実施例に従う、基板上へのコーティングまたはフィルムの配置を示す一実施の形態の概略図である。
【図2】特定の実施例に従うプリント配線板の上面図である。
【図3】特定の実施例に従う、ヘキサデシルアミンによってキャッピングされた銀粒子の吸収スペクトルである。
【図4】特定の実施例に従う、ドデシルアミンによってキャッピングされた銀粒子の吸収スペクトルである。
【図5】特定の実施例に従うさまざまな材料の熱重量分析の結果を示すグラフである。
【図6A】特定の実施例に従う、さまざまなインクを用いて製造されたフィルムの画像を示す。
【図6B】特定の実施例に従う、さまざまなインクを用いて製造されたフィルムの画像を示す。
【図6C】特定の実施例に従う、さまざまなインクを用いて製造されたフィルムの画像を示す。
【0010】
この開示の利点を考慮すると、図1〜図6Cに示される例示的な装置、コーティングおよびフィルムが必ずしも一定の比例に応じていないことは、当業者にとって明らかである。コーティング、フィルムなどの厚みなどの特定の寸法は、説明を明確にするために、および以下に記載される例示的な実施例をユーザフレンドリな説明にするために、他の寸法に対して拡大されている可能性がある。
【発明を実施するための形態】
【0011】
詳細な説明
この開示の利点を考慮すると、当業者は、本明細書において提供される粒子、フィルム、インクおよび方法が、このような粒子、フィルムおよび方法を利用する材料ならびに装置の調製の点で大幅な発展を示すことを認識する。粒子、フィルムおよびインクを備える装置は、たとえば低コストで、均一性が高い状態で、および選択されたまたは所望の特性を有する状態で、製造されることができる。単相反応を用いて粒子を生成することにより、導電性材料を用いるさまざまな装置が低コストで、工業的に製造される。
【0012】
「ナノ粒子」という用語は、本明細書において用いられるときには、粒径が少なくとも約5ナノメートル〜約500ナノメートル、より特定的には少なくとも約5ナノメートル〜約100ナノメートル、たとえば約5ナノメートル〜約50ナノメートルである粒子を指す。
【0013】
金属からなる既存のフィルムにはいくつかの欠点がある。特に、現在入手可能な銀粒子の薄膜形成能力はいくぶん劣っている。通常、このようなフィルムは、導電性があまり高くなく、基板への接着性が劣っており、機械的整合性が劣っている。このような欠点の理由は、銀粒子の表面特性にある。粒子を調製する際に用いられる加熱または融解プロセスは、粒子の表面状態または表面活性に依存する。このような活性は、銀粒子の生成方法、ならびに保管期間中の表面の酸化および再構築にも影響され得る。加熱中に粒子の表面活性が十分でない場合、粒子は、完全に合体することはないが、非常に細いブリッジによっ
て接点でのみ互いに接続されることになる。この結果、銀薄膜の導電率が低下し、銀薄膜の機械的整合性が劣ることになる。本明細書に開示される少なくとも特定の実施の形態において、本明細書に開示される方法は、望ましい特性、たとえば導電率が高く、基板への接着性が優れており、平滑な外観を有する銀フィルムを提供する。
【0014】
銀粒子は、周知の材料であり、異なる商業的供給源から入手可能である。通常、粒子の大きさは5〜70nmの範囲である。普通の銀粉末と比較した粒子の公知の有利な点は、溶融温度よりもはるかに低い温度で固体構造で加熱または焼結できることである。銀粒子は、たとえば200℃の温度で加熱されることができる。加熱プロセスは、銀が粒子から粒子へと移動して粒子間に接続ブリッジを形成する拡散プロセスである。現在入手可能な銀粒子の加熱によって形成される構造は、導電性があるが、その導電率は依然として銀塊の導電率よりもはるかに低い。報告される導電率は、銀塊の場合の62×104S/cmと比較して、1〜2×104S/cmの範囲内である。導電率が銀塊の導電率にはるかに近い銀フィルムが依然として必要である。
【0015】
特定の実施例に従って、粒子の生成方法を開示する。特定の実施例において、この方法は、単相溶液中で少なくとも1つの金属または金属塩とキャッピング剤とを混合するステップを備える。特定の実施例において、金属または金属塩は、金、銀、銅、ニッケル、白金、パラジウム、鉄、およびそれらの合金からなるたとえば遷移金属もしくは遷移金属塩を含む導電性金属または導電性金属塩から選択されてもよい。金属または金属塩の厳密な形態は、選択される溶媒系に応じて異なり得る。溶媒の蒸発を招き得る過度の加熱を行なうことなく、選択された溶媒系に金属塩が溶解することが望ましい。金属塩の例示的な陰イオンは、硝酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、チオシアン酸塩、塩素酸塩、亜硝酸塩、および酢酸塩を含む。さらなる陰イオンは、開示される特定の例示的な金属塩に関連して以下で開示される。
【0016】
特定の実施例において、単相溶液を用いて粒子を生成することにより、ポリオールプロセスで粒子を生成するために一般的に用いられる相間移動試薬(特定の実施の形態では依然として相間移動試薬を用い得るのだが)を省略することが可能である。単相状態で反応を行なうことにより、粒子をより生成しやすくなり、粒子の生成コストが低下する。さらに、粒子の大規模な工業的合成が単相反応を用いて達成され得る。この開示の利点を考慮すると、粒子および粒子の生成方法のさらなる利点は当業者によって容易に選択される。
【0017】
特定の実施例に従って、粒子を提供するために銀塩を用いてもよい。銀塩が用いられる場合、銀塩は、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、チオシアン酸銀、硫酸銀、クロム酸銀、リン酸銀、シュウ酸銀、炭酸銀、亜硫酸銀、水酸化銀、硝酸銀、塩素酸銀、酢酸銀、亜硝酸銀、アセチルアセトナート銀、乳酸銀、フッ化銀(II)、フッ化水素銀(I)、過マンガン酸銀(I)、メタバナジン酸銀、トリフルオロ酢酸銀、ジシアノ銀酸カリウム、安息香酸銀、ヒ酸銀、臭素酸銀、シクロヘキサン酪酸銀、フルオロ硫酸銀、ヘキサフルオロアンチモン酸銀(V)、ヘキサフルオロヒ酸銀(V)、ヘキサフルオロリン酸銀、フッ化銀(I)、酸化銀(I)、過レニウム酸銀(I)、セレン化銀(I)、テルル化銀(I)、ヨウ素酸銀、オルトリン酸銀、硫化銀、およびタングステン酸銀のうちの1つ以上であってもよい。この開示の利点を考慮すると、さらなる好適な銀塩は当業者によって容易に選択される。
【0018】
特定の実施例に従って、粒子を提供するために金塩を用いてもよい。金塩が用いられる場合、金塩は、塩化金(III)水和物、テトラクロロ金酸(III)水素水和物、クロロ(硫化ジメチル)金(I)、塩化金(I)、金コロイド、シアン化金(I)、ヨウ化金(I)、硫化金(I)、臭化金(III)水和物、塩化金(III)、塩化金(III)三水和物、水酸化金(III)、酸化金(III)水和物、硫化金(III)、ジシアノ
金酸(I)カリウム、塩化金(III)カリウム、およびテトラクロロ金酸(III)ナトリウム無水物のうちの1つ以上であってもよい。この開示の利点を考慮すると、さらなる好適な金塩は当業者によって容易に選択される。
【0019】
特定の実施例に従って、粒子を生成するために銅塩を用いてもよい。銅塩が用いられる場合、第一銅の形態(銅(I))または第二銅の形態(銅(II))のいずれかが用いられてもよい。例示的な銅塩は、塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、臭化銅(II)、ヨウ化銅(I)、ヨウ化銅(II)、ヨウ化第二水銀銅、テトラヨード第二水銀(II)銅(I)、チオシアン酸第一銅、硫酸銅(II)、アセチルアセトナート銅(II)、テトラクロロ銅酸(II)アンモニウム二水和物、酸化アルミニウム銅、銅クロマイト、エチレンジアミン四酢酸ジアンモニウム銅塩溶液、エチレンジアミン四酢酸銅(II)ジナトリウム塩、酢酸銅(I)、シアン化銅(I)、酸化銅(I)、セレン化銅(I)、硫化銅(I)、テルル化銅(I)、チオフェノレート銅(I)、酢酸銅(II)、酢酸銅(II)水和物、酢酸銅(II)一水和物、炭酸銅(II)、水酸化銅(II)、モリブデン酸銅(II)、ニオブ酸銅(II)、硝酸銅(II)、セレン化銅(II)、セレン化銅(II)無水物、硫酸銅(II)、硫化銅(II)、テルル化銅(II)、硫酸トリス(エチレンジアミン)銅(II)、およびそれらの組合わせを含むが、それらに限定されない。この開示の利点を考慮すると、さらなる好適な銅塩は当業者によって容易に選択される。
【0020】
特定の実施例に従って、アルミニウム塩を用いてもよい。アルミニウム塩が用いられる場合、アルミニウム塩は、たとえば、酢酸アルミニウム、第一リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミニウムエトキシド、硫酸アルミニウムカリウム、ケイ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、ヒ化アルミニウム、臭化アルミニウム、塩化アルミニウム、塩化アルミニウム水和物、フッ化アルミニウム、フッ化アルミニウム水和物、フッ化アルミニウム三水和物、水酸化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、硫化アルミニウム、硝酸アルミニウム、チオシアン酸アルミニウム、塩素酸アルミニウム、および亜硝酸アルミニウムのうちの1つ以上であってもよい。この開示の利点を考慮すると、さらなる好適なアルミニウム塩は当業者によって容易に選択される。
【0021】
特定の実施例に従って、白金塩を用いてもよい。白金塩が用いられる場合、白金塩は、たとえば、アセチルアセトナート白金(II)、塩化白金(IV)、酸化白金(IV)、臭化白金(II)、塩化白金(II)、シアン化白金(II)、ヘキサフルオロアセチルアセトナート白金(II)、ヨウ化白金(II)、硫化白金(IV)、および硝酸白金のうちの1つ以上であってもよい。この開示の利点を考慮すると、さらなる好適な白金塩は当業者によって容易に選択される。
【0022】
特定の実施例に従って、パラジウム塩を用いてもよい。パラジウム塩が用いられる場合、パラジウム塩は、たとえば、アセチルアセトナートパラジウム(II)、トリフルオロ酢酸パラジウム(II)、水酸化パラジウム、酢酸パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、シアン化パラジウム(II)、ヘキサフルオロアセチルアセトナートパラジウム(II)、ヨウ化パラジウム(II)、硝酸パラジウム(II)無水物、硝酸パラジウム(II)水和物、酸化パラジウム(II)、プロピオン酸パラジウム(II)、硫酸パラジウム(II)、硫化パラジウム(II)、およびアルミナ上のパラジウムのうちの1つ以上であってもよい。この開示の利点を考慮すると、さらなる好適なパラジウム塩は当業者によって容易に選択される。
【0023】
特定の実施例に従って、コバルト塩を用いてもよい。コバルト塩が用いられる場合、コバルト塩は、たとえば、硫酸コバルト(II)アンモニウム六水和物、塩化コバルト、酢酸コバルト(II)、酢酸コバルト(II)四水和物、アセチルアセトナートコバルト(
II)、アセチルアセトナートコバルト(II)水和物、臭化コバルト(II)、塩化コバルト(II)、塩化コバルト(II)六水和物、塩化コバルト(II)水和物、シアン化コバルト(II)無水物、ヨウ化コバルト(II)、チオシアン酸コバルト(II)、硝酸コバルト(II)六水和物、およびアセチルアセトナートコバルト(III)のうちの1つ以上であってもよい。この開示の利点を考慮すると、さらなる好適なコバルト塩は当業者によって容易に選択される。
【0024】
特定の実施例に従って、クロム塩を用いてもよい。クロム塩が用いられる場合、クロム塩は、たとえば、アセチルアセトナートクロム(III)、酢酸クロム(II)、塩化クロム(II)、フッ化クロム(II)、セレン化クロム(II)、酢酸クロム(III)水酸化物、臭化クロム(III)六水和物、塩化クロム(III)、塩化クロム(III)六水和物、塩化クロム(III)水和物、フッ化クロム(III)、硫酸クロム(III)水和物、テルル化クロム(III)、ケイ化クロム、および硝酸クロムのうちの1つ以上であってもよい。この開示の利点を考慮すると、さらなる好適なクロム塩は当業者によって容易に選択される。
【0025】
特定の実施例に従って、インジウム塩を用いてもよい。インジウム塩が用いられる場合、インジウム塩は、たとえば、アセチルアセトナートインジウム(III)、アンチモン化インジウム、臭化インジウム(I)、塩化インジウム(I)、ヨウ化インジウム(I)、塩化インジウム(II)、酢酸インジウム(III)、酢酸インジウム(III)水和物、臭化インジウム(III)、塩化インジウム(III)、塩化インジウム(III)水和物、塩化インジウム(III)四水和物、フッ化インジウム(III)、フッ化インジウム(III)三水和物、水酸化インジウム(III)、ヨウ化インジウム(III)、硝酸インジウム(III)水和物、硝酸インジウム(III)水和物、硝酸インジウム(III)五水和物、窒化インジウム(III)、酸化インジウム(III)、過塩素酸インジウム(III)水和物、セレン化インジウム(III)、硫酸インジウム(III)、硫酸インジウム(III)水和物、およびテルル化インジウム(III)のうちの1つ以上であってもよい。この開示の利点を考慮すると、さらなる好適なインジウム塩は当業者によって容易に選択される。
【0026】
特定の実施例に従って、ニッケル塩を用いてもよい。ニッケル塩が用いられる場合、ニッケル塩は、たとえば、アセチルアセトナートニッケル(II)、酢酸ニッケル(II)四水和物、炭酸ニッケル(II)水酸化物四水和物、オクタン酸ニッケル(II)水和物、硫化ニッケル、炭酸ニッケル、臭化ニッケル(II)、臭化ニッケル(II)水和物、臭化ニッケル(II)三水和物、塩基性炭酸ニッケル(II)水和物、塩化ニッケル(II)、塩化ニッケル(II)六水和物、塩化ニッケル(II)水和物、シクロヘキサン酪酸ニッケル(II)、フッ化ニッケル(II)、フッ化ニッケル(II)四水和物、ヘキサフルオロアセチルアセトナートニッケル(II)水和物、水酸化ニッケル(II)、ヨウ化ニッケル(II)、モリブデン酸ニッケル(II)、硝酸ニッケル(II)六水和物、シュウ酸ニッケル(II)無水物、酸化ニッケル(II)、過塩素酸ニッケル(II)六水和物、過酸化ニッケル(II)水和物、リン化ニッケル(II)、ステアリン酸ニッケル(II)、硫酸ニッケル(II)六水和物、およびシリカ上のニッケルのうちの1つ以上であってもよい。この開示の利点を考慮すると、さらなる好適なニッケル塩は当業者によって容易に選択される。
【0027】
特定の実施例に従って、イリジウム塩を用いてもよい。イリジウム塩が用いられる場合、イリジウム塩は、たとえば、アセチルアセトナートイリジウム(III)、臭化イリジウム(III)水和物、塩化イリジウム(III)、塩化イリジウム(III)水和物、塩化イリジウム(III)塩酸塩水和物、塩化イリジウム(IV)水和物、酸化イリジウム(IV)、酸化イリジウム(IV)水和物、および硝酸イリジウムのうちの1つ以上で
あってもよい。この開示の利点を考慮すると、さらなる好適なイリジウム塩は当業者によって容易に選択される。
【0028】
特定の実施例に従って、ロジウム塩を用いてもよい。ロジウム塩が用いられる場合、ロジウム塩は、たとえば、アセチルアセトナートロジウム(III)、酢酸ロジウム(II)二量体、酢酸ロジウム(II)二量体無水物、ヘプタフルオロ酪酸ロジウム(II)、ヘキサン酸ロジウム(II)、オクタン酸ロジウム(II)二量体、トリフルオロ酢酸ロジウム(II)二量体、トリメチル酢酸ロジウム(II)二量体、臭化ロジウム(III)水和物、塩化ロジウム(III)、塩化ロジウム(III)水和物、ヨウ化ロジウム(III)水和物、硝酸ロジウム(III)水和物、酸化ロジウム(III)、酸化ロジウム(III)水和物、リン酸ロジウム(III)溶液、ヘキサクロロロジウム酸ナトリウム(III)十二水和物、硫酸ロジウム(III)溶液、酸化ロジウム(IV)、活性アルミナ上のロジウム、活性炭上のロジウム、塩化トリス(エチレンジアミン)ロジウム(III)、および硝酸トリス(エチレンジアミン)ロジウム(III)のうちの1つ以上であってもよい。この開示の利点を考慮すると、さらなる好適なロジウム塩は当業者によって容易に選択される。
【0029】
特定の実施例に従って、オスミウム塩を用いてもよい。オスミウム塩が用いられる場合、オスミウム塩は、たとえば、塩化オスミウム(III)水和物、四塩化オスミウム、四酸化オスミウム、三塩化オスミウム、およびテトラ−オスミウム−硝酸塩のうちの1つ以上であってもよい。この開示の利点を考慮すると、さらなる好適なオスミウム塩は当業者によって容易に選択される。
【0030】
特定の実施例に従って、鉄塩を用いてもよい。鉄塩が用いられる場合、鉄塩は、たとえば、アセチルアセトナート鉄(III)、アセチルアセトナート鉄(II)、アスコルビン酸鉄、硫酸鉄(II)アンモニウム六水和物、三塩基性クエン酸鉄(III)一水和物、グルコン酸鉄(II)無水物、ピロリン酸鉄(III)、フタロシアニン鉄(II)、フタロシアニン塩化鉄(III)、クエン酸鉄(III)アンモニウム、硫酸鉄(II)アンモニウム、硫酸鉄(III)アンモニウム、硫酸鉄(III)アンモニウム十二水和物、塩化鉄(III)、臭化鉄(III)、塩化鉄(III)六水和物、クエン酸鉄、フッ化鉄(III)、硝酸鉄(III)九水和物、酸化鉄(III)、リン酸鉄(III)、硫酸鉄(III)水和物、臭化鉄(II)、塩化鉄(II)、リン酸鉄(III)水和物、リン酸鉄(III)四水和物、塩化鉄(II)水和物、塩化鉄(II)四水和物、エチレンジアンモニウム硫酸鉄(II)四水和物、フッ化鉄(II)、グルコン酸鉄(II)水和物、ヨウ化鉄(II)、乳酸鉄(II)水和物、シュウ酸鉄(II)無水物、硫酸第一鉄七水和物、硫化鉄(II)、酢酸鉄(II)、フッ化鉄(II)四水和物、ヨウ化鉄(II)四水和物、モリブデン酸鉄(II)、酸化鉄(II)、過塩素酸鉄(II)水和物、チタン酸鉄(II)、およびフェロシアン化鉄(III)のうちの1つ以上であってもよい。この開示の利点を考慮すると、さらなる好適な鉄塩は当業者によって容易に選択される。
【0031】
特定の実施例に従って、ルテニウム塩を用いてもよい。ルテニウム塩が用いられる場合、ルテニウム塩は、たとえば、アセチルアセトナートルテニウム(III)、酸化ルテニウム(IV)、ヘキサクロロルテニウム酸(IV)アンモニウム、塩化ルテニウム(III)、活性炭上のルテニウム、アルミナ上のルテニウム、炭素上のルテニウム、臭化ルテニウム(III)、塩化ルテニウム(III)水和物、塩化ルテニウム(III)三水和物、ヨウ化ルテニウム(III)、塩化ニトロシルルテニウム(III)水和物、硝酸ニトロシルルテニウム(III)溶液、および酸化ルテニウム(IV)水和物のうちの1つ以上であってもよい。この開示の利点を考慮すると、さらなる好適なルテニウム塩は当業者によって容易に選択される。
【0032】
特定の実施例に従って、本明細書に開示される粒子およびフィルムを提供するために用いられる金属は、錯体を形成しなくてもよく、または1つ以上のリガンドと錯体を形成してもよい。たとえば、金属は、EDTA、エチレンジアミン、シュウ酸塩、2,2’−ビピリジン、シクロペンタジエン、ジエチレントリアミン、2,4,6,−トリメチルフェニル、1,10−フェナントロリン、トリエチレンテトラミン、または他のリガンドと錯体を形成してもよい。
【0033】
特定の実施例において、透明であるが必ずしも無色ではない溶液を提供するために、金属または金属塩を溶媒または溶媒系に溶解させてもよい。たとえば、金属または金属塩が溶液の状態になったときに溶液全体が透明であるように、好適な量の金属または金属塩が溶媒に添加されてもよい。溶液全体は有色である場合もあれば、無色である場合もある。好適な溶媒は、エチレングリコール、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、ペンタノール、イソペンタノール、ヘキサノール、および約1個〜約10個の炭素原子を有する脂肪族アルコールを含むが、それらに限定されない。さらなる好適な溶媒は、ベンゼン、トルエン、ブチレン、ポリイソブチレン、エクソン(Exxon)から市販されているアイソパー(Isopar)(登録商標)溶媒、および2〜6個の炭素原子を含む脂肪族側鎖を有する芳香族化合物を含むが、それらに限定されない。好適な溶媒系は、本明細書に記載される例示的な溶媒と他の液体との混合物を含み、他の液体は、このような例示的な溶媒と可溶性であるか、混和性であるか、または部分的に混和性である。特定の実施例において、溶媒の組合せは単相を提供する。溶媒の混合物を用いるときに単相を達成するために、溶媒を混合すると単相が生じるように各溶媒の量を調整してもよい。混合時に2つ以上の相が存在する場合には、単相が観察されるまで1つ以上の溶媒の相対量を変更、たとえば増加または減少させることができる。
【0034】
特定の実施例に従って、この方法はさらに、溶媒または溶媒系に溶解した金属塩にキャッピング剤を添加するステップを含んでいてもよい。キャッピング剤は、粒子を分離させて粒子の成長の大きさを制限するのに有効であり得る。特定の実施例において、キャッピング剤は、高分子量キャッピング剤であり、たとえば分子量が少なくとも約100g/molである。例示的なキャッピング剤は、12個以上の炭素原子を有する有機アミンを含むが、それに限定されない。特定の実施例において、有機アミンは少なくとも16個の炭素原子を有し、たとえばヘキサデシルアミンである。アミンの有機質部分は飽和している場合もあれば飽和していない場合もあり、たとえばチオール、カルボン酸、ポリマー、およびアミドなどの他の官能基を任意に含んでいてもよい。本明細書に開示される方法での使用に好適な例示的なキャッピング剤の別の群は、12個以上の炭素原子を有するチオールである。特定の実施例において、チオールは少なくとも6個の炭素原子を有する。チオールの有機質部分は飽和している場合もあれば飽和していない場合もあり、たとえばピロールなどの他の官能基を任意に含んでいてもよい。使用に好適なキャッピング剤の別の群は、たとえばトリアゾロピリジン、テルピリジンなどのピリジンベースのキャッピング剤である。この開示の利点を考慮すると、さらなる好適なキャッピング剤は当業者によって容易に選択される。
【0035】
キャッピング剤が用いられる特定の実施例において、金属溶液に添加する前に、キャッピング剤を好適な溶媒に溶解させてもよい。たとえば、キャッピング剤を溶媒に溶解させてもよく、溶液は金属溶液と混合され得る。他の実施例において、キャッピング剤は、事前に溶媒に溶解させることなく、固体または液体として金属溶液に直接添加されてもよい。キャッピング剤は、たとえば漸進的なステップにおいて添加されてもよく、または単一のステップにおいて添加されてもよい。
【0036】
特定の実施例に従って、金属溶液に添加されるキャッピング剤の量は、結果として生じ
るキャッピングされた粒子の所望の特性に応じて異なり得る。実施例によっては、好適な量のキャッピング剤が添加されて、キャッピングされた粒子中に少なくとも約2重量%のキャッピング剤を提供する。この開示の利点を考慮すると、当業者は、粒子の所望の特性に応じて多かれ少なかれキャッピング剤を用いることが望ましいであろうということを認識する。たとえば、基板、たとえばプリント配線板上に配置される粒子の導電率を増大させるために、導電率が最適化されるまたは導電率が所望の範囲内に収まるまでキャッピング剤の量を調整することが望ましいであろう。この開示の利点を考慮すると、好適な量のキャッピング剤を選択することは、当業者の能力の範囲内である。
【0037】
特定の実施例において、キャッピング剤(またはキャッピング剤溶液)と金属塩溶液とが混合されるとき、単相が生じるまたは残っている。代替的な実施の形態では、キャッピング剤またはキャッピング剤溶液が添加される前には金属塩溶液は単相であり得て、キャッピング剤またはキャッピング剤溶液を添加するときに単相が残る。この開示の利点を考慮すると、金属溶液とキャッピング剤とを混合して単相を提供するさらなる実施の形態は、当業者によって容易に選択される。
【0038】
特定の実施例において、攪拌、音波処理、かき混ぜ、振動、振り混ぜなどの従来の技術を用いてキャッピング剤と金属溶液とを混合してもよい。実施例によっては、金属溶液を攪拌しながらキャッピング剤が金属溶液に添加される。特定の実施例において、キャッピング剤と金属溶液との混合物は、透明なおよび/または無色の単相溶液が生じるまで攪拌されてもよい。
【0039】
特定の実施例に従って、この方法はさらに、金属−キャッピング剤溶液に還元剤を添加するステップを含んでいてもよい。好適な還元剤は、溶液に溶解した金属イオンを、選択された状況下で溶液中から沈殿することになる金属粒子に変換できる薬剤を含む。例示的な還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、シアノボロ水素化ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、ジエチルジヒドリドアルミン酸ナトリウム、tri−またはtert−ブトキソヒドリドアルミン酸ナトリウム、ビス(2−メトキシエトキソ)ジヒドリドアルミン酸ナトリウム、水素化リチウム、水素化カルシウム、水素化チタン、水素化ジルコニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL−H)、ジメチル硫化ボラン、第一鉄イオン、ホルムアルデヒド、ギ酸、ヒドラジン、水素ガス、イソプロパノール、フェニルシラン、ポリメチルヒドロシロキサン、フェリシアン化カリウム、シラン、ハイドロサルファイトナトリウム、ナトリウムアマルガム、ナトリウム(固体)、カリウム(固体)、亜ジチオン酸ナトリウム、第一スズイオン、亜硫酸化合物、水素化スズ、トリフェニルホスフィン、および亜鉛水銀アマルガムを含むが、それらに限定されない。金属−キャッピング剤溶液に添加される還元剤の厳密な量は異なり得るが、典型的には、還元剤は余分に加えられ、その結果、溶解した金属は実質的にすべて、帯電した状態から帯電していない状態に変換される。たとえば、Ag+1はAg0に変換される。
【0040】
実施例によっては、金属−キャッピング剤溶液に添加する前に還元剤を溶媒に溶解させるが、他の実施例では、事前の溶解なしに還元剤を金属−キャッピング剤溶液に添加する。還元剤を溶解させるために溶媒が用いられる場合、還元剤によって溶媒が変更または変化させられないように溶媒は好ましくは非反応性である。還元剤とともに用いられる例示的な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、エタノール、トルエン、ヘプタン、オクタン、および6個以上の炭素原子を有する溶媒を含むが、それらに限定されない。この開示の利点を考慮すると、当業者は、還元剤を溶解させるための好適な溶媒を選択することが可能である。
【0041】
特定の実施例に従って、還元剤およびキャッピング剤−金属溶液は、還元剤の金属との
反応を可能にするのに十分な時間混合または攪拌されてもよい。実施例によっては、攪拌は室温で行なわれてもよいが、他の実施例では、攪拌または混合は、還元プロセスを速めるために、高温で、たとえば約30℃〜約70℃で行なわれる。高温が用いられる場合、溶媒または溶媒系の沸点を下回る温度を保って溶媒蒸発の可能性を低減することが望ましいが、実施例によっては、溶媒の総体積を低減することが望ましいであろう。
【0042】
特定の実施例に従って、この方法はさらに、キャッピングされた金属粒子を単相溶液から分離させるステップを含んでいてもよい。分離は、キャッピングされた金属粒子がたとえば抽出物に溶けない別の液体の傾瀉、遠心分離、濾過、スクリーニングまたは添加によってたとえば行なわれてもよい。たとえば、メタノール、アセトン、水または極性液体などの液体が、金属塩、キャッピング剤および還元剤を有機溶媒または有機溶媒系に添加することから得られた有機溶液に添加されてもよい。特定の実施例において、キャッピングされた金属粒子を除去するために、抽出液の複数の別個の添加物が溶液に添加されてもよい。たとえば、金属粒子のうちのいくつかを除去するために第1の量の抽出液が添加されてもよい。この第1の量の抽出液は次いで有機溶液から除去、傾瀉、または別の方法で選別されてもよく、さらなる量の抽出液が有機溶液に添加されてもよい。金属粒子を分離させるために用いられる抽出液の厳密な量は、キャッピングされた金属粒子を生成するために用いられる溶媒の体積に応じて異なり得る。実施例によっては、約2〜4倍以上の溶媒を用いて、キャッピングされた金属粒子を抽出する。たとえば、金属粒子が約5リットルの溶媒中で生成される場合には、約20リットル以上の抽出液が用いられてもよい。この開示の利点を考慮すると、好適な溶媒および好適な溶媒の量を選択することは、当業者の能力の範囲内である。
【0043】
特定の実施例に従って、キャッピングされた粒子は、傾瀉、遠心分離、濾過などの従来技術を用いて抽出液から選別されてもよい。実施例によっては、キャッピングされた粒子を残して抽出液を蒸発させてもよい。キャッピングされた粒子は、抽出液から選別する前、抽出液から選別している間、または抽出液から選別した後、洗浄されるか、大きさを決められるか、加熱されるか、または別の方法で処理されてもよい。特定の実施の形態では、より詳細に本明細書に記載されるように、インクを提供するために、任意に1つ以上の溶媒とともに抽出液がキャリア流体として用いられてもよい。
【0044】
特定の実施例に従って、いずれの残余の液体も除去するために、キャッピングされた粒子を乾燥させてもよい。たとえば、キャッピングされた粒子は、いずれの残余の抽出液および/または溶媒も別の方法で除去するために、オーブンで乾燥させてもよく、真空を用いて乾燥させてもよく、または凍結乾燥に晒されてもよい。乾燥したキャッピングされた粒子は、湿気の侵入を防ぐために、任意に密閉された容器に室温で保管されてもよい。
【0045】
特定の実施例に従って、キャッピングされた粒子は、使用前にキャッピング剤を除去するために処理されてもよい。典型的にはキャッピング剤は反応後に粒子の表面上に残るが、キャッピング剤の存在は望ましくない場合がある。たとえば、起こり得る有機汚染のレベルが最低である粒子を用いることが望ましい場合、キャッピングされた粒子からキャッピング剤を除去することは有利であろう。特定の実施の形態において、キャッピング剤のレベルが約2重量%未満に低減される、より特定的には約1重量%未満に低減されるまで、キャッピングされた粒子は処理されてもよく、たとえばキャッピング剤は0.5重量%または0.1重量%未満存在する。
【0046】
特定の実施例に従って、インクを製造するために金属粒子を用いてもよい。実施例によっては、選択された量の粒子をキャリア中に分散させて、インクを提供する。選択される粒子の厳密な量は異なり得て、典型的には(キャッピングされているまたはキャッピングされていない)好適な量の粒子を用いて、粒子を約10〜90重量%、より特定的には粒
子を約20〜80重量%、たとえば粒子を約20〜25重量%含む分散を提供する。キャッピングされた粒子が用いられる実施の形態では、用いられるキャッピングされた粒子の量は、キャッピング剤によって加えられる追加の重量の説明がつくように変更されてもよい。他の実施例において、十分な量の粒子を用いて、分散に所望の粘性を与える。たとえば、分散の粘性は、インクが用いられる方法または装置に応じて異なり得る。インクがスピンコーティングの用途で用いられるように意図される実施例では、十分な量の粒子は、約0.25センチポイズ〜約2センチポイズ、より特定的には約0.5センチポイズ〜約1.5センチポイズ、たとえば約1センチポイズのインク粘性を与えるように選択されてもよい。インクがインクジェット印刷の用途で用いられるように意図される実施例では、十分な量の粒子は、約5センチポイズ〜約20センチポイズ、より特定的には約7センチポイズ〜約15センチポイズ、たとえば約8〜10または8〜9センチポイズのインク粘性を与えるように選択されてもよい。
【0047】
特定の実施例に従って、インクのキャリアは、選択された態様、たとえばスピンコーティング、インクジェット印刷、ペースト印刷などで、粒子を効果的に分散させることができる任意の媒体または流体、たとえば液体または気体であってもよい。特定の実施例において、キャリアは、粒子のコーティングまたはフィルムを残すように蒸発または除去されることができる揮発性の有機媒体であってもよい。例示的な揮発性の有機媒体は、トルエン、ヘキサン、ならびに約4個〜約10個の炭素原子を含む飽和および不飽和炭化水素を含むが、それらに限定されない。この開示の利点を考慮すると、さらなる好適なキャリアは当業者によって容易に選択される。
【0048】
特定の実施例に従って、インクは基板上に配置されてもよい。例示的な基板は、紙、ガラス、シリコーンウェーハ、およびポリマーフィルムを含むが、それらに限定されない。特定の実施例において、インクはフィルムを製造するために好適な態様で基板上に配置されてもよい。たとえばおよび図1を参照して、キャリアが除去された後にフィルム110が残るように基板100の実質的に平面的な表面上にインクが配置されてもよい。フィルム110の厳密な厚みは、選択されるフィルムの用途に応じて異なり得る。フィルムが光反射板として用いられる実施の形態では、フィルムの厚みはたとえば約0.2ミクロン〜約1ミクロンまで幅があってもよい。フィルムが電流導体として用いられる実施の形態では、フィルムの厚みはたとえば約0.2ミクロン〜約20ミクロンまで幅があってもよい。この開示の利点を考慮すると、使用目的ごとのさらなるフィルムの厚みは、当業者によって容易に選択される。
【0049】
特定の実施例に従って、インクは使用前に処理されてもよい。特定の実施の形態において、インクは使用前に染料、他のインクまたは他の材料と混合されてもよい。他の実施の形態において、インクは使用前に加熱、スクリーニング、濾過などが行なわれてもよい。特定の実施例において、粒子は、インクを提供するために、キャリアに配置される前に加熱、スクリーニング、濾過などが行なわれてもよい。本明細書に開示されるキャッピングされた粒子を利用する特定の実施の形態では、加熱によって粒子が合体することが可能であり、たとえば回路、プリント配線板などにおいて用いられ得る高導電性薄膜を形成することが可能である。たとえばおよび図2を参照して、基板200は、電気回路の一部として機能するように作用し得る、たとえば相互接続部として機能し得るフィルムパターン210を含む。フィルムパターンは、多くの異なる方法を用いて作成されることができる。一実施の形態において、フィルムは実質的に基板200の表面全体にわたって配置されてもよく、パターンは所望のパターンを提供するためにエッチングされるかまたは別の方法で作成されることができる。別の実施の形態では、マスクの除去時に所望のフィルムパターンが残るように、フィルムの配置の前に基板上にマスクを配置することができる。この開示の利点を考慮すると、基板上にインクを配置して所望のパターンを作成するためのさらなる実施の形態は、当業者によって容易に選択される。粒子フィルムおよびパターンの
例示的な用途は、プリント電気回路、無線自動識別(radio frequency identification)(RFID)アンテナ、太陽電池ワイヤ、電池電極、ならびに反射面および鏡を含むが、それらに限定されない。
【0050】
粒子分散またはインクが加熱を受ける実施の形態では、加熱は典型的には、ホットプレート、オーブン(高温対流オーブン、リフローオーブン、IRオーブンなど)、レーザ加熱、または粒子分散もしくはインクの温度を上げることができる他の方法および装置を用いて行なわれる。特定の実施例において、粒子分散またはインクは、少なくとも約250℃で10〜60秒間、たとえば250℃で30秒間加熱されてもよい。他の実施例では、粒子分散またはインクが第1の温度で選択された時間加熱され、続いて第2の温度で選択された時間加熱されるように逐次的な加熱が行なわれてもよい。たとえば、粒子分散またはインクは、約110〜130℃で10〜30秒間、たとえば120℃で20秒間加熱され、続いて250〜300℃で10〜60秒間、たとえば280℃で20秒間第2の加熱ステップを受けてもよい。加熱に続いて、粒子およびインクは他の処理ステップを受けてもよい。
【0051】
特定の実施例に従って、多くの方法および装置を用いてフィルムが配置されてもよい。たとえば、インクを基板上に配置するために、スピンコーティング、インクジェット印刷、ペースト印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、ワイヤバーコーティング、ブレードコーティング、ローラコーティング、ディップコーティング、または他のコーティングもしくは印刷方法を用いてもよい。インクの配置に続いて、インク−基板アセンブリは、インク−基板アセンブリからいずれのインクキャリアも除去するために、加熱、真空または他の処理ステップを受けてもよい。
【0052】
特定の実施例に従って、本明細書に開示される粒子およびインクは、導電性接着剤タイプの用途において用いられてもよい。たとえば、導電性粒子を含む接着剤を提供するために、粒子は1つ以上の接着剤と混合されてもよい。特定の実施の形態において、キャッピングされた粒子はポリマー接着剤内に分散させられてもよく、たとえば加熱によって接着剤が硬化すると、キャリアまたは特定の場合にはキャッパント(cappant)は粒子から除去されてもよく、接着剤マトリックス状に分散した金属粒子を提供する。本明細書に開示される粒子とともに用いられる好適な接着剤は、たとえば熱可塑性および熱硬化性の接着剤を含む。この開示の利点を考慮すると、本明細書に開示される粒子とともに用いられる具体的な接着剤は、当業者によって容易に選択される。
【0053】
特定の実施例に従って、合金を提供するために、本明細書に開示される粒子およびインクを用いてもよい。特定の実施例において、キャッピングされた粒子の金属がシェルの役割を果たし、別の金属または金属合金がコアの役割を果たすであろうコア−シェル構造を提供するために、本明細書に開示されるキャッピングされた粒子を用いてもよい。たとえば、コアとしてスズ−銅の合金を用いてもよく、シェルとして(キャッピングされているまたはキャッピングされていない)銀粒子を用いてもよく、ある種のSAC合金、たとえばナノSAC合金を提供する。合金を製造するために用いられる厳密なプロセスは異なり得て、特定の実施例では、合金は、他の金属のイオン、たとえばSn2+、Cu2+などをキャッピングされていない銀粒子の分散に溶解させることによって生成されてもよい。混合物は、選択された特性を有する合金を生成するために還元または他のステップを受けてもよい。
【0054】
本明細書に開示される新規の技術をさらに示すために、特定の具体的な実施例について以下で説明する。
【実施例】
【0055】
実施例1
108グラムの硝酸銀を200ミリメートル(mL)のエチレングリコールに添加して3.2モル/リットルの硝酸銀濃縮物を提供することによって一群の銀粒子を調製した。単相混合物を得るために、1500mLのエタノールに全200mLの溶液を添加し、そこに2750mLのトルエンを添加した(エタノール:トルエンが1:1.83の混合物を提供した)。
【0056】
第1の反応では、単相混合物に318.7グラムのヘキサデシルアミンを添加し、攪拌後に単相が残った。この透明な溶液に、水素化ホウ素ナトリウムのN,N−ジメチルホルムアミド溶液を250mL(11.349グラムの水素化ホウ素ナトリウムを250mLのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させた)還元剤として滴下するように添加して、体積が約4.7リットルの暗黄褐色溶液を形成した。反応混合物は約22℃で30分間攪拌され、20Lのメタノールまたは20Lのアセトンを添加することによって、キャッピングされた銀粒子を抽出した。キャッピングされた粒子は、分液漏斗によって除去された後、ルスレロバテル(Rousselet Robatel)(登録商標)RC20遠心分離機を用いて500rpmで30分間遠心分離された。キャッピングされた粒子を真空中で乾燥させて、約18%のヘキサデシルアミンを有するナノ結晶のキャッピングされた銀粒子の自由流動粉末を得た。
【0057】
第2の反応では、24グラムのドデシルアミンを単相混合物に添加し、攪拌後に単相が残った。この透明な溶液に、水素化ホウ素ナトリウムのN,N−ジメチルホルムアミド溶液を250mL(11.349グラムの水素化ホウ素ナトリウムを250mLのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させた)還元剤として滴下するように添加し、体積が約4.7リットルの暗黄褐色溶液を形成した。反応混合物は約22℃で30分間攪拌され、20Lのメタノールまたは20Lのアセトンを添加することによって、キャッピングされた銀粒子を抽出した。キャッピングされた粒子は、分液漏斗によって除去された後、ルスレロバテル(登録商標)RC20遠心分離機において500rpmで30分間遠心分離された。キャッピングされた粒子を真空中で乾燥させて、約8%のドデシルアミンを有するナノ結晶のキャッピングされた銀粒子の自由流動粉末を得た。
【0058】
メタノールによって抽出された、ヘキサデシルアミンによってキャッピングされた銀粒子(図3)およびメタノールによって抽出された、ドデシルアミンによってキャッピングされた銀粒子(図4)に関して、UV吸収スペクトルを取得した。キャッピングされた粒子試料の各々はトルエン中に分散させられ、ヒューレットパッカード(Hewlett-Packard)(登録商標)紫外線可視分光光度計(モデル番号:HP8452A)および1cmの路長の使い捨てキュベットを用いて409〜416nmの透明な吸収が観察された。409〜416nmの吸収の吸光度は、ナノ結晶の銀に特有のものである。
【0059】
実施例2
金属粒子が対象とする用途に応じて、異なる装填割合を用いてもよい。以下の装填割合を用いて粒子を生成した。括弧内は、単相溶液から金属粒子を抽出するために用いられた液体である。
【0060】
【表1】

【0061】
実施例3
実施例1に記載される手順を用いて、ヘキサデシルアミンの装填割合を変化させて、キャッピングされた粒子を生成した。18重量%のヘキサデシルアミンまたは8重量%のヘキサデシルアミンを有する粒子を生成した。シグマ−アルドリッチ(Sigma-Aldrich)から市販されている市販粉末(大きさが70nm)および工業用品供給業者(ニューヨーク州バッファローのナノダイナミックス・インコーポレイテッド(Nanodynamics, Inc.))から入手可能な40nmの粉末(タイプ3)を2つの粒子試料とともにテストした。
【0062】
図5は、3つの材料を用いて製造された3つの異なる薄膜の熱−重量分析を示す。タイプ1の材料は18%のHDAでコーティングされ、タイプ2は8%のHDAでコーティングされ、タイプ3は2%の有機コーティングを有する市販の粉末であった。選択された材料のうちの1つをトルエン(約6重量%溶液)中で混合または分散させることによって3つの異なる銀インクを作った。類似の条件でインクをスピンコーティングすることによってガラスの上に薄膜を作った。次いで、湿ったフィルムを有するガラス基板を200℃で100秒間加熱した。加熱時に、HDAおよび溶媒は分解および蒸発して、銀粒子の表面を提供した。このような粒子は容易におよび完全に合体し、HDAコーティングを18%有する銀粒子からなるインクが、銀白色の、光沢のある薄膜を生成した。HDAコーティングを8%しか持たない銀ナノ粉末からなるインク、および市販のナノ粉末からなるインクは両方とも、暗い灰色がかったゆるいフィルムを生成した。
【0063】
従来の4点プローブメータ(ルーカス研究所(Lucas Labs)モデルPro4)によってフィルムの導電率を測定した。18%のHDAでコーティングされたナノ粉末からなるフィルムは、導電率が30〜40×104S/cmの範囲内である高導電性フィルムを生成し、この導電率は銀塊の導電率(〜62×104S/cm)よりもわずかに低いだけであった。このフィルムはまた、ガラス基板への接着性が非常に優れており、接着特性を評価するために通常用いられるテープおよび引っ掻きテスト(2002年8月10日付のASTM D3359−02)に容易に合格した。
【0064】
実施例4
インクを提供するために、上の実施例1に従って調製された金属粒子をトルエン中に分散させてもよい。1つの例では、20重量%の粒子および粘性が約1センチポイズの溶液を提供するために金属粒子をトルエン中に分散させてもよい。インクは、たとえばスピンコーティングを用いて基板に塗布されてもよく、またはスピンコーティングの用途において用いられてもよい。粒子は、銀もしくは金粒子、または本明細書に開示される他の例示的な金属であってもよい。
【0065】
実施例5
インクを提供するために、上の実施例1に従って調製された金属粒子をアイソパー(登録商標)G溶媒中に分散させてもよい。1つの例では、20重量%の粒子および粘性が約
1センチポイズの溶液を提供するために金属粒子をアイソパー(登録商標)G溶媒中に分散させてもよい。インクは、たとえばスピンコーティングを用いて基板に塗布されてもよく、またはスピンコーティングの用途において用いられてもよい。粒子は、銀もしくは金粒子、または本明細書に開示される他の例示的な金属であってもよい。
【0066】
実施例6
インクを提供するために、上の実施例1に従って調製された金属粒子を有機溶媒混合物中に分散させてもよい。1つの例では、20重量%の粒子および粘性が約8〜9センチポイズの溶液を提供するために金属粒子をトルエン/アイソパー(登録商標)L溶媒/アイソパー(登録商標)V溶媒(1:2:8)中に分散させてもよい。インクは、たとえばインクジェット印刷装置および方法を用いて基板に塗布されてもよく、またはインクジェットの用途において用いられてもよい。粒子は、銀もしくは金粒子、または本明細書に開示される他の例示的な金属であってもよい。
【0067】
実施例7
インクを提供するために、上の実施例1に従って調製された金属粒子を有機溶媒混合物中に分散させてもよい。1つの例では、20重量%の粒子および粘性が約8〜9センチポイズの溶液を提供するために金属粒子をトルエン/アイソパー(登録商標)V溶媒(1:2)および3重量%のポリイソブチレン(PIB)中に分散させてもよい。インクは、たとえばインクジェット印刷装置および方法を用いて基板に塗布されてもよく、またはインクジェットの用途において用いられてもよい。粒子は、銀もしくは金粒子、または本明細書に開示される他の例示的な金属であってもよい。
【0068】
実施例8
インクを提供するために、上の実施例1に従って調製された金属粒子を有機溶媒混合物中に分散させてもよい。1つの例では、80重量%の粒子を提供するために金属粒子をトルエン/アイソパー(登録商標)V溶媒(1:1)中に分散させてもよい。インクは、たとえばペースト印刷方法を用いて基板に塗布されてもよく、またはペースト印刷の用途において用いられてもよい。粒子は、銀もしくは金粒子、または本明細書に開示される他の例示的な金属であってもよい。
【0069】
実施例9
キャッピングされた銀粒子をトルエン中に置くことによっていくつかのインクを調製した。インクにおいて用いられるキャッピングされた銀粒子の各々は、特に断りのない限り、実施例1の手順を用いて調製され、一度メタノール中で抽出された。さまざまなインクを以下の表に示す。インクBにおける銀粒子はメタノール中で二度洗浄され、インクCにおける銀粒子はアセトンを用いて抽出された。インクFおよびGは市販の銀ナノ粒子から作られた。特に、インクFおよびGは、重量割合が1:5で銀粉末をトルエン中に分散させることによって作られた。フィルムを作る前に60分間インクを音波処理した。インクFはアルドリッチ粉末(カタログ番号57683−2)から作られ、インクGはナノダイナミックス製品名NDSilver(ロット番号31−0048)を用いて作られた。
【0070】
【表2】

【0071】
スピンコーティングプロセスにおいて各インクを用いて、フィルムを形成した。各フィルムを形成するために、各インクをホットプレート上で250℃で30秒間加熱した。加熱後、ケマット・テクノロジー(Chemat Technology)(カリフォルニア州ノースリッジ)から市販されているKW−4Aスピンコーターを用いて、各インクをガラス基板上にスピンコーティングした。コーティング手順は、600rpmで9秒間のコーティングに続いて、1000rpmで30秒間のコーティングを含んでいた。結果として生じる各フィルムの特性を以下に示す。2002年8月10日付のASTM D3359−02に従うテープテストによって接着性をテストした。4点プローブ(ルーカス研究所)を用いて各フィルムの抵抗率を測定した。図6A〜図6Cに示される画像は、日立S−2500走査型電子顕微鏡を用いて取得された。
【0072】
【表3】

【0073】
冠詞「a」、「an」、「the」および「said」は、本明細書に開示される実施例の要素を紹介するときには、1つ以上の要素があることを意味するように意図されている。「備える(comprising)」、「含む(including)」および「有する(having)」という用語は、範囲を設定しないように意図されており、挙げられる要素以外のさらなる要素があり得ることを意味するように意図されている。この開示の利点を考慮すると、当業者は、実施例のさまざまな構成要素が他の実施例におけるさまざまな構成要素と交換または置換さ
れ得ることを認識する。引用により本明細書に援用される特許、特許出願または公報のいずれもの用語の意味が、この開示において用いられている用語の意味と対立する場合には、この開示における用語の意味が支配的であるように意図される。
【0074】
特定の局面、実施例および実施の形態について上述してきたが、この開示の利点を考慮すると、当業者は、開示される例示的な局面、実施例および実施の形態の追加、置換、修正および変更が可能であることを認識する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単相溶液中で粒子を生成する方法であって、
単相溶液中で金属または金属塩をキャッピング剤と混合するステップと、
前記単相溶液に還元剤を添加するステップと、
キャッピングされた金属粒子を前記単相溶液から分離させるステップとを備える、方法。
【請求項2】
キャッピングされていない粒子を提供するために、前記キャッピングされた金属粒子から前記キャッピング剤を除去するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記キャッピングされていない粒子を溶媒中に分散させるステップをさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
分散したキャッピングされていない粒子をさらなる金属と混合して、合金を提供するステップをさらに備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記さらなる金属は、銀、金、パラジウム、白金、銅、およびスズからなる群から選択される1つ以上の金属である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
分散したキャッピングされていない粒子を基板上に配置するステップをさらに備える、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記配置するステップは、スピンコーティング、インクジェット印刷、ペースト印刷、またはそれらの組合せを備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記キャッピング剤を除去するステップは、前記キャッピングされた粒子を溶媒中に分散させて、分散したキャッピングされた粒子を加熱するステップを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記金属粒子はナノ粒子である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記キャッピング剤を少なくとも約18重量%になるように構成するステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ヘキサデシルアミンであるように前記キャッピング剤を選択するステップをさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
プリント配線板を製造する方法であって、
キャッピングされた金属粒子をあるプロセスから生成するステップを備え、前記プロセスは、
単相溶液中で金属または金属塩をキャッピング剤と混合するステップと、
前記単相溶液に還元剤を添加して、キャッピングされたナノ粒子を生成するステップとを備え、前記方法はさらに、
前記キャッピングされたナノ粒子をキャリア中に分散させるステップと、
分散したキャッピングされたナノ粒子を基板上に配置するステップと、
前記基板を加熱するステップとを備える、方法。
【請求項13】
前記分散したキャッピングされた粒子を選択されたパターンで基板上に配置して、前記プリント配線板を提供するステップをさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記分散したキャッピングされた粒子を前記基板上に配置する前に前記基板をマスキングするステップをさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
キャリアとキャッピングされた金属粒子とを備える組成物であって、前記キャッピングされた金属粒子は、前記組成物を用いて製造されるフィルムに少なくとも約30×104S/cmの導電率を与えるように選択される、組成物。
【請求項16】
前記キャッピングされた粒子は、銀、金、銅、ニッケル、白金、パラジウム、および鉄からなる群から選択される1つ以上の要素である、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記キャリアは、トルエン、4個〜10個の炭素原子を有する飽和炭化水素、および4個〜10個の炭素原子を有する不飽和炭化水素からなる群から選択される1つ以上の溶媒である、請求項15に記載の組成物。
【請求項18】
キャッピングされた金属粒子から作られ、かつ、導電率が少なくとも約30×104S/cmである、フィルム。
【請求項19】
前記キャッピングされた金属粒子は、キャッピングされた銀ナノ粒子である、請求項18に記載のフィルム。
【請求項20】
前記キャッピングされた金属粒子は、金、銅、ニッケル、白金、パラジウム、および鉄からなる群から選択される1つ以上の金属を備える、請求項18に記載のフィルム。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−545657(P2009−545657A)
【公表日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−523067(P2009−523067)
【出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【国際出願番号】PCT/US2007/075174
【国際公開番号】WO2008/017062
【国際公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(598085065)フライズ・メタルズ・インコーポレイテッド (14)
【氏名又は名称原語表記】FRY’S METALS, INC
【Fターム(参考)】