説明

粒子状物質処理装置

【課題】内燃機関の排気通路に設けられ印加電圧を変更可能な電極を有し、印加電圧により該電極と該排気通路との間に電流を流すことで、排気中の粒子状物質を凝集させる粒子状物質処理装置において、電極における水の付着を正確に検出する。
【解決手段】粒子状物質処理装置において、印加電圧によって電極を流れる電流を検出する検出装置と、内燃機関が停止状態にあるときに電極に電圧印加されたときの停止時電流を、検出装置を介して検出する第一検出手段と、内燃機関の始動時に電極に電圧印加されたときの始動時電流を、検出装置を介して検出する第二検出手段と、第二検出手段によって検出された始動時電流の、第一検出手段によって検出された停止時電流に対する超過程度に基づいて、電極における水付着を判断する判断手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気通路に電極を有し、その電極への電圧印加によって排気中の粒子状物質を凝集させる粒子状物質処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の排気通路に放電電極を設け、該放電電極からコロナ放電を発生させることにより粒子状物質(以下、PMともいう。)を帯電させてPMを凝集させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。PMを凝集させることにより、結果的には、単位体積当たりに含まれるPMの粒子数を減少させることができる。また、凝集の結果としてのPMは、その粒子径が大きくなるため、例えば、放電電極の下流側にフィルタを設けた場合には、該フィルタにてPMを捕集しやすくなる。
【0003】
また、内燃機関における燃焼制御の観点から、排気中に含まれるPM量を測定する技術として、特許文献2に開示の技術がある。当該技術では、排気管に設けられたセンサ電極部に対して、所定の測定電圧と測定周期の交流信号を印加することで検出される静電容量の変化に基づいて、排気中のPM量の測定が行われる。また、このセンサ電極が故障しているか、又は単に凝縮水が付着しているかを判断するために、内燃機関の始動からの所定に判定期間における静電容量の変化が利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−194116号公報
【特許文献2】特開2010−275917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
内燃機関の排気通路に電極を設け、該電極に電圧印加をすることで排気通路を流れる排気中のPMを帯電させて、PMを凝集させることで、排気に含まれる単位体積当たりのPM数を低減させることが可能となる。これは、PMの粒子数に起因する環境への負荷軽減に大きく寄与するものである。ここで、内燃機関が稼働している間は、通常は外気よりも高温の排気がその排気通路を流れているが、内燃機関が停止すると排気通路内での排気の流れが停止し徐々に外気に排気通路内の温度が奪われていくため、排気通路に設置された電極の周辺で、凝縮水が生成される場合がある。
【0006】
電極周辺に凝縮水が生成されてしまうと、電極と排気通路との間の空間の抵抗が低下するため、当該空間での電子の放出が好適に行われず、排気中のPMの帯電が困難となり、また、抵抗低下に伴い過電流が流れるため電極を含む電気系統が故障するおそれがある。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、内燃機関の排気通路に設けられ印加電圧を変更可能な電極を有し、印加電圧により該電極と該排気通路との間に電流を流すことで、排気中の粒子状物質を凝集させる粒子状物質処理装置において、電極における水の付着を正確に検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明においては、上記課題を解決するために、内燃機関の停止時と始動時のそれぞれにおける、電圧印加により電極を流れる電流値を比較することで、電極における水の付着を検出する構成とした。凝縮水が生成されるのは、比較的高温の排気の流れが停止し、そ
の流れが再開するまでの期間であることを考慮して、本発明は為されたものである。
【0009】
詳細には、本発明は、内燃機関の排気通路に設けられ印加電圧を変更可能な電極を有し、印加電圧により該電極と該排気通路との間に電流を流すことで、排気中の粒子状物質を凝集させる粒子状物質処理装置であって、印加電圧によって前記電極を流れる電流を検出する検出装置と、前記内燃機関が停止状態にあるときに前記電極に電圧印加されたときの停止時電流を、前記検出装置を介して検出する第一検出手段と、前記内燃機関の始動時に前記電極に電圧印加されたときの始動時電流を、前記検出装置を介して検出する第二検出手段と、前記第二検出手段によって検出された前記始動時電流の、前記第一検出手段によって検出された前記停止時電流に対する超過程度に基づいて、前記電極における水付着を判断する判断手段と、を備える。
【0010】
排気通路に設けられた電極への電圧印加が制御されることで、電極と排気通路との間の空間、すなわち排気が流れる空間(以下、「帯電空間」という。)に電流が流れ、以て排気中のPMが帯電されることになる。その結果、PM同士が静電気力によって凝集したり、また、帯電したPMが排気通路側へ誘引され、そこでPM同士が凝集したりする結果、排気中のPMの粒子径が大きくなるとともに、そこに含まれる単位体積当たりの粒子数を低減することが可能となる。
【0011】
このような排気中のPM粒子数低減を効果的に行うためには、電極への電圧印加による帯電空間での電流が適切に流れることが必要であるが、電極周辺に水が付着することによって、帯電空間における抵抗が低下し、排気中のPMの帯電を好適に行うことが困難となる場合がある。また、付着水の存在により、電極と排気通路とが疑似的に短絡した状態となり得、その結果、過電流が発生し、電極を含む電気系統に悪影響を及ぼす可能性がある。特に、稼働していた内燃機関が停止し、その後再び稼働しようとするとき、排気通路内の温度変化に起因して、電極の周辺で凝縮水が生成される場合があり、この凝縮水により上記のような問題が顕著となり得る。
【0012】
そこで、本発明に係る粒子状物質処理装置では、第一検出手段によって停止時電流が検出され、且つ第二検出手段によって始動時電流が検出されるとともに、該始動時電流が該停止時電流を超過している場合に、その超過の程度に基づいて電極での水の付着の有無が判断手段によって判断される。すなわち、始動時電流と停止時電流との差分に基づいて、電極での水付着の有無が判断される。一般に、内燃機関が稼働している状態から停止状態へ遷移した場合、排気通路内の温度は低下していく環境に置かれる。そして、内燃機関が再び始動する時点では、その置かれてきた環境を反映して排気通路内で凝縮水が生成されることになる。したがって、始動時電流と停止時電流との差分は、電極周りの凝縮水の生成状態の推移を反映するものである。たとえば、内燃機関が停止してから、始動するまでの間に電極周りに凝縮水が生成されると、始動時電流と停止時電流との差分が大きくなると考えられる。一般に、電極周りに水が付着すると、水によりその周辺空間の抵抗が低下するため、上記のように凝縮水が生成されると始動時電流が停止時電流よりも大きくなると考えられる。したがって、本発明に係る粒子状物質処理装置においては、判断手段が、始動時電流の停止時電流に対する超過程度に基づいて、電極における水付着を判断することができる。
【0013】
また、上記の粒子状物質処理装置において、前記判断手段は、前記第二検出手段によって検出された前記始動時電流が、前記第一検出手段によって検出された前記停止時電流に対して所定電流差より大きい場合に、前記電極に水が付着していると判断してもよい。すなわち、水付着による帯電空間の抵抗低下に起因する電流増加量が、所定電流差として定義される。なお、この所定電流差は、電極が置かれる環境、外気温度や電極の使用期間等によって電圧印加時に流れる電流が変動することを踏まえて変動させてもよい。たとえば
、電極の状態が、付着水以外の要因で電流が流れやすくなっている場合には、所定電流差をより大きく設定することで、不用意な水付着の判断を回避することができる。また、停止時電流の検出時の印加電圧と、始動時電流の検出時印加電圧とが異なる場合には、その電圧差を考慮して、所定電流差が決定されてもよい。
【0014】
ここで、上述までの粒子状物質処理装置において、前記第一検出手段は、前記内燃機関の停止直後において、前記電極に電圧印加されたときの停止時電流を、前記検出装置を介して検出してもよい。内燃機関の停止直後に停止時電流を検出しておくことで、凝縮水の生成時点を、停止時電流の検出時と始動時電流の検出時との間により確実に含めることができるため、電極への水付着を適切に判断することが可能となる。
【0015】
ここで、上述までの粒子状物質処理装置において、判断手段によって電極に水が付着していると判断された場合、電極への電圧印加による不具合を回避する必要がある。すなわち、帯電空間の抵抗が低下した状態で電極への電圧印加を継続すると、過電流等による電力消費、電気系統への不具合が懸念されることから、電極に水が付着していると判断された場合には、以下に示す電極への印加電圧の調整が行われるのが好ましい。
【0016】
そこで、第一には、本発明に係る粒子状物質において、前記判断手段によって前記電極に水が付着していると判断されると、前記電極への印加電圧を、該電極に水が付着していると判断されない場合の所定印加電圧よりも低く調整する印加電圧調整手段を、更に備えるのが好ましい。このように印加電圧調整手段が、電極への印加電圧を水が付着していない状態よりも低くすることで、過電流の発生を抑制し、また過電流のピーク値を抑えることができる。なお、電極での付着水が自然な蒸発により消滅すれば過電流による不具合のおそれは低減されることから、その場合には、印加電圧調整手段は、再び電極への印加電圧を低下させる前の状態に戻せばよい。
【0017】
次に、本発明に係る粒子状物質において、前記判断手段によって前記電極に水が付着していると判断されると、前記電極への印加電圧の上限が、前記内燃機関の始動時における前記電極と前記排気通路との間の空間の抵抗値に基づいて決定される絶縁破壊回避電圧に設定されてもよい。すなわち、水付着により低下した電極と排気通路との間の空間(上記帯電空間に相当)に応じて、過電流が生じない、もしくは電気系統に不具合を起こさない程度のピーク電流値とする程度に、電極への印加電圧の上限を絶縁破壊回避電圧に設定するものである。この絶縁破壊回避電圧は、帯電空間での抵抗の推移に応じて変動してもよく、また、電極周辺の付着水が蒸発するまで一定の電圧値に固定されてもよい。なお、電極での付着水が自然な蒸発により消滅すれば過電流による不具合のおそれは低減されることから、その場合には、絶縁破壊回避電圧による電極への印加電圧の制限は解除してもよい。
【0018】
次に、本発明に係る粒子状物質において、前記判断手段によって前記電極に水が付着していると判断されると、前記電極への電圧印加を禁止する禁止手段を、更に備えてもよい。このようにすることで、確実に過電流による不具合の発生は抑制される。
【0019】
また、本発明に係る粒子状物質において、前記判断手段によって前記電極に水が付着していると判断されると、前記電極と前記排気通路との間に電流が流れない状態としつつ、該電極を通電加熱する加熱手段を、更に備えてもよい。このような構成を採用することで、電極およびその周囲を効果的に加熱することが可能となる。この加熱により、電極に付着していた水を蒸発させることができ、速やかに帯電空間の抵抗を正常な状態、すなわち電極に電圧を印加した際に排気中のPMを帯電させることが可能となる状態とすることができる。
【0020】
なお、加熱手段による通電時間は、電極に付着した水の量に基づいて変動してもよい。また、通電による消費電力等に応じて、通電時間を適宜調整してもよい。これらにより、加熱手段の通電加熱による消費電力を低く抑えることが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、内燃機関の排気通路に設けられ印加電圧を変更可能な電極を有し、印加電圧により該電極と該排気通路との間に電流を流すことで、排気中の粒子状物質を凝集させる粒子状物質処理装置において、電極における水の付着を正確に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例に係る粒子状物質処理装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1に示す粒子状物質処理装置で実行される、排気中のPM粒子数を低減する処理に関するフローチャートである。
【図3】機関回転数と機関負荷とから、PM粒子数を算出するためのマップの一例を示した図である。
【図4】内燃機関からの排気流量とPM粒子数とから、印加電圧を算出するためのマップの一例を示した図である。
【図5】図1に示す粒子状物質処理装置で実行される、電極への水の付着を確認するための処理に関する第一のフローチャートである。
【図6】図1に示す粒子状物質処理装置で実行される、電極への水の付着を確認するための処理に関する第二のフローチャートである。
【図7】本発明の実施例に係る粒子状物質処理装置の概略構成を示す第二の図である。
【図8】本発明の実施例に係る粒子状物質処理装置の概略構成を示す第三の図である。
【図9】図8に示す粒子状物質処理装置で実行される、電極への水の付着を確認するための処理に関するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る粒子状物質処理装置の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0024】
図1は、本発明の実施例に係る粒子状物質処理装置1の概略構成を示す図である。粒子状物質処理装置1は、例えばガソリン機関の排気通路2に設けられ、また、ディーゼル機関の排気通路に設けることもできる。いずれの内燃機関の排気通路に設けられる場合であれ、電極5への電圧印加により排気中のPMを帯電させ、PM同士の凝集を促進させることで、排気中のPM粒子の粒径増大、それに伴う粒子数の低減を図ることができる。以下に、粒子状物質処理装置1の詳細を説明する。
【0025】
粒子状物質処理装置1は、両端が排気通路2に接続されているハウジング3を備えて構成される。ハウジング3の材料には、ステンレス鋼材を用いている。ハウジング3は、排気通路2よりも直径の大きな中空の円柱形に形成されている。ハウジング3の両端は、端部に近くなるほど断面積が小さくなるテーパ状に形成されている。なお、図1においては、排気が排気通路2を矢印の方向に流れて、ハウジング3内に流入する。このため、ハウジング3は排気通路2の一部としてもよい。なお、本実施例においてはハウジング3の内部の空間が、上記の帯電空間となる。
【0026】
ここで、排気通路2とハウジング3とは、絶縁部4を介して接続されている。絶縁部4
は、電気の絶縁体からなる。絶縁部4は、排気通路2の端部に形成されるフランジ21と、ハウジング3の端部に形成されるフランジ31と、に挟まれる。排気通路2とハウジング3とは、たとえばボルト及びナットにより締結される。そして、これらボルト及びナットを介して電気が流れないように、これらボルト及びナットにも絶縁処理を施しておく。このようにして、排気通路2とハウジング3との間には電気的絶縁状態が形成されている。
【0027】
ハウジング3には、電極5が取り付けられている。電極5は、ハウジング3の側面を貫通しており、該ハウジング3の側面から該ハウジング3の中心軸方向へ延びて該中心軸近傍において排気の流れの上流側へ折れ曲がり、該中心軸と平行に排気の流れの上流側へ向かって伸びている。このため、電極5の端部はハウジング3の中心軸近傍に位置する。また、電極5とハウジング3とが直接接触して電気が流れないように、電極5には電気的絶縁体からなる碍子部51が設けられている。この碍子部51は、電極5とハウジング3との間に位置しており、電気を絶縁すると共に、電極5をハウジング3に固定するための機能を有する。このように碍子部51を介して電極5がハウジング3に取り付けられることで、該電極5がハウジング3内の帯電空間内に位置することになる。
【0028】
そして、電極5は電源側電線52を介して電源6に接続されている。電源6は、電極5へ通電すると共に、印加電圧を変更することができる。この電源6は、電線を介して制御装置7及びバッテリ8に接続されている。制御装置7は、電源6が電極5に印加する電圧を制御する。
【0029】
また、ハウジング3には接地側電線53が接続されており、該ハウジング3は接地側電線53を介して接地されている。接地側電線53には、該接地側電線53を通る電流を検出する検出装置9が設けられている。検出装置9は、例えば、接地側電線53の途中に設けられる抵抗の両端の電位差を測定することで電流を検出する。この検出装置9は、電線を介して制御装置7に接続されている。このような構成により、検出装置9により検出される電流が制御装置7に入力される。
【0030】
なお、制御装置7には、アクセル開度センサ71、クランクポジションセンサ72、温度センサ73、エアフローメータ74が接続されている。アクセル開度センサ71は、粒子状物質処理装置1が接続された内燃機関を搭載する車両の運転者がアクセルペダルを踏み込んだ量に応じた電気信号を出力し、その機関負荷を検出する。クランクポジションセンサ72は、当該内燃機関の機関回転数を検出する。温度センサ73は、当該内燃機関の冷却水の温度または潤滑油の温度を検出することで内燃機関の温度を検出する。エアフローメータ74は、当該内燃機関の吸入空気量を検出する。
【0031】
このように構成された粒子状物質処理装置1では、電源6から電極5へ負の直流高電圧を印加することで、該電極5から電子が放出され、電極5とハウジング3との間の帯電空間を通して電流が流れる。すなわち、ハウジング3よりも電極5のほうの電位を低くすることで、電極5から電子を放出させている。そして、この電子により排気中のPMを負に帯電させることができる。負に帯電したPMは、クーロン力とガス流によって移動する。そして、PMがハウジング3へ到達すると、PMを負に帯電させた電子は該ハウジング3を通り、設置側電線53を介して外部へと流れ出る。この結果、ハウジング3へ電子を放出したPM同士は、互いに凝集して粒子径が大きくなる。また、PMが凝集することで、排気中の単位体積当たりのPMの粒子数は低減する。このように、電極5へ電圧を印加することで、PMの粒子径を大きくし且つ排気中の単位体積当たりのPMの粒子数を低減させることができる。
【0032】
なお、本実施例では、電極5を排気の流れの上流側に向けて折り曲げているが、これに
代えて、下流側に向けて折り曲げてもよい。ここで、本実施例のように、電極5を排気の流れの上流側に向けて折り曲げると、碍子部51にPMが付着し難い。すなわち、碍子部51よりも上流側においてPMを帯電されることができるため、該PMがハウジング3の内周面に向かう。このため、碍子部51に衝突するPMが減少するので、該碍子部51にPMが付着し難くなる。しかし、電極5を排気の流れの上流側へ向けて折り曲げると、排気の流れから力を受けて電極5が変形し易い。このため、電極5が短い場合に適している。一方、電極5を排気の流れの下流側に向けて折り曲げると、碍子部51にPMが付着し易いが、排気の流れから力を受けても電極5が変形し難い。このため、耐久性及び信頼性が高く、電極5を長くすることができる。
【0033】
図2は、本実施例に係る印加電圧の制御フローを示したフローチャートである。本ルーチンは、内燃機関の稼働に併せて、制御装置7により所定の時間毎に繰り返し実行される。この制御装置7は、実質的にはCPU、メモリ、ハードディスク等を含むコンピュータに相当し、そこで制御プログラムが実行されることで図2に示すフローチャートに係る処理や後述する図5、図6、図9に示すフローチャートに係る処理、その他の処理等が実行される。
【0034】
まず、S101からS103の処理において、排気中に含まれるPM粒子数(個/cm)が算出される。PM粒子数は、一立方センチメートルあたりのPM粒子の数である。このPM粒子数は、内燃機関から排出されるPM粒子数であり、ハウジング3に流入する前のPM粒子数である。PM粒子数は、機関回転数、機関負荷、及び内燃機関の温度(たとえば、潤滑油の温度または冷却水の温度)と相関関係にあるため、これらの値に基づいて算出する。
【0035】
このため、S101では、機関回転数及び機関負荷が取得される。機関回転数は、クランクポジションセンサ72により検出され、機関負荷は、アクセル開度センサ71により検出される。また、S102では、内燃機関の温度が取得される。内燃機関の温度は温度センサ73により検出される。
【0036】
S103では、PM粒子数が算出される。ここで、図3は、機関回転数と機関負荷とから、PM粒子数を算出するためのマップの一例を示した図である。この関係は、内燃機関の温度に応じて制御装置7が複数記憶している(図3に示すのは、内燃機関の温度が20℃の場合のマップである。)。そして、S102で検出された内燃機関の温度に応じたマップを用いて機関回転数及び機関負荷からPM粒子数が求められる。このマップは、予め実験等により準備されている。なお、このようなマップを用いてPM粒子数を検出してもよいが、PM粒子数を検出するセンサをハウジング3よりも上流側の排気通路2に取り付けて、該センサによりPM粒子数を直接検出してもよい。
【0037】
次に、S104では、S103で算出されるPM粒子数に基づいて電極5への印加電圧が算出される。この印加電圧は、内燃機関が始動し排気通路2内を排気が流れ始めたときに電極5へ最初に印加する電圧である。そして、S104で算出される印加電圧を初期値として、過電流が発生しない範囲で印加電圧が最も大きくなるようにフィードバック制御を行う(S105の処理)。具体的には、検出装置9によって検出される電流値が所定の閾値を超えないように、電極5への印加電圧がフィードバック制御される。ここで、印加電圧の初期値は図4に示すマップに基づいて設定される。
【0038】
図4は、内燃機関からの排気流量(g/sec)とPM粒子数(×10個/cm)とから、印加電圧(V)を算出するためのマップの一例を示した図である。このマップは、予め実験等により準備される。内燃機関からの排気流量は、内燃機関の吸入空気量と相関関係にあるため、エアフローメータ74により検出される吸入空気量に基づいて求める
ことができる。
【0039】
ここで、排気通路2を流れる排気流量が少ないほど、PMの慣性力が小さくなるため、相対的に静電作用の影響が大きくなる。このため、帯電したPM同士が凝集しやすくなる。したがって、排気流量が少ないほど、より小さな印加電圧でPM同士が凝集する。この点を踏まえて、図4に示すマップでは、排気流量が少ないほど印加電圧が小さくされている。一方で、PM粒子数が多いほど、PM粒子間の距離が短くなるために、相対的に静電作用の影響が大きくなる。このためPM粒子数が多いほど、より小さな印加電圧でPMが凝集する。この点を踏まえて、図4に示すマップでは、PM粒子数が多いほど印加電圧は小さくされている。なお、印加電圧の初期値としては、たとえば、PM粒子数の低減率が所定値(たとえば40%)となるような電圧値としてもよく、また、印加電圧の初期値を予め定めておいた規定値としてもよい。この規定値は、過電流が発生しないように余裕を持たせた値とすることができる。
【0040】
このように、図2に示すように電極5への印加電圧をフィードバック制御することで、過電流が発生しない範囲で印加電圧を可及的に高くすることができる。これにより、PMの凝集をより促進させることができるため、PM粒子数をより減少させることができる。
【0041】
ここで、内燃機関が稼働している間は、比較的高温の排気が排気通路2内を流れているが、その内燃機関が停止すると排気通路2内に排気の一部が残留した状態で、徐々にその熱が周囲に奪われていき、排気通路2内の温度が低下していく。その過程において、排気に晒されるようにハウジング3に配置されている電極5においては、排気中に含まれていた水分が凝縮し、電極5の周囲に凝縮水が生成される場合がある。そして、この凝縮水が存在することによるハウジング3内の帯電空間の電気的抵抗が低下し、電極5からハウジング3に対して過電流が流れてしまうおそれがある。この過電流は、電力の無駄な消費につながるばかりでなく、電源を含む電極5に関する電気系統に不具合を及ぼすおそれがあるため、極力回避するのが好ましい。そこで、以降においては、電極5の凝縮水の付着を適切に確認し得る水付着確認処理について、図5に基づいて詳細に説明する。この水付着確認処理は、上述したように制御装置7によって実行される。
【0042】
先ず、S201では、内燃機関においてイグニッションがオフされたか否か、すなわち内燃機関が稼働状態から停止状態に遷移したか否かが判定される。当該判定で肯定判定されればS202へ進み、否定判定されれば本水付着確認処理を終了する。S202では、内燃機関が停止している状態において電極5に電圧印加したときの、電極5とハウジング3間を流れる電流である停止時電流Iigoffを検出するために、所定の電圧である停止時電圧を電極5に印加する。本来、内燃機関1が停止している状態では排気は排出されないため、電極5に電圧印加する必要はないが、上記停止時電流Iigoffを検出するために停止時電圧の印加を行うものである。そして、S203において、この停止時電圧の印加により流れる停止時電流Iigoffが、検出装置9を介して検出される。S203の処理が終了すると、S204へ進む。
【0043】
次にS204では、内燃機関においてイグニッションがオンされたか否か、すなわち内燃機関が停止状態から稼働状態へ始動したか否かが判定される。当該判定で肯定判定されればS205へ進み、否定判定されれば再びS204の判定が行われる。S205では、内燃機関が始動する状態において電極5に電圧印加したときの、電極5とハウジング3間を流れる電流である始動時電流Iigonを検出するために、所定の電圧である始動時電圧を電極5に印加する。この時点における電圧印加は、排気中のPM粒子数を低減することを主たる目的とするものではなく、上記始動時電流Iigonを検出するために停止時電圧の印加を行うものである。したがって、このとき電極5に印加される始動時電圧は、上述した図4に示すマップによって算出される印加電圧ではなく、後述するS207での
比較処理を良好に行うために、S202で印加した停止時電圧と同じ印加電圧であるのが好ましい。そして、S206において、この始動時電圧の印加により流れる始動時電流Iigonが、検出装置9を介して検出される。S206の処理が終了すると、S207へ進む。
【0044】
S207では、S203で検出された停止時電流IigoffとS206で検出された始動時電流Iigonとの比較処理が行われる。具体的には、停止時電流Iigoffと始動時電流Iigonとの差分(以下、単に「電流差」という。)が所定の電流差(本発明に係る所定電流差に相当)αより大きいか否かが判断される。内燃機関の停止により電極5の周辺で凝縮水が生成されると、内燃機関が再び始動するときには、電極5とハウジング3との間の空間(帯電空間)の抵抗が低下するため、仮に凝縮水が電極5に付着していれば、停止時電圧と始動時電圧が同じであれば、上記電流差が正の値となり、凝縮水の付着による抵抗低下の程度が大きくなるほど、その電流差の値は増加する。したがって、電極5の正常な動作が確保される程度、すなわち不具合を及ぼし得る過電流が発生しない程度の電流差を上記電流差αとすればよい。また、S203およびS206における検出装置9の検出誤差を考慮して、上記電流差αの値を決定してもよい。
【0045】
ここで、上記電流差αは、粒子状物質処理装置1の置かれた環境、特に電極5の周囲の環境に応じて適宜調整してもよい。上記の実施例では、停止時電圧と始動時電圧とを同じとなるように設定したが、必要に応じて、停止時電圧と始動時電圧とを異ならしめてもよい。例えば、凝縮水が電極5の周囲に生成されるのが確実である状況下においては、始動時電圧を停止時電圧と同じように高く設定してしまうと、いたずらに過電流が流れ、電気系統に不具合を及ぼす可能性が高くなる。そこで、そのような場合には、始動時電圧を停止時電圧より低く設定しても構わない。この場合は、低く設定された停止時電圧を考慮して、上記電流差αが設定される。また、仮に停止時電圧と始動時電圧とが同じであっても、周囲温度が異なる場合には、流れる電流値が変化することを踏まえて、S203とS206の検出時の外気温度差を考慮して、上記電流差αを補正してもよい。
【0046】
S207で肯定判定されるとS208へ進み、否定判定されると本付着確認処理を終了する。S208では、S207での肯定判定を踏まえて、電極5に水が付着していると判断され、その結果、電極5への電圧印加が禁止される。すなわち、内燃機関が始動しているにもかかわらず、電極5への電圧印加が禁止されるため、その禁止状態が続く限りにおいては、図2に示す排気中のPM粒子数の低減処理は行われない。ただし、内燃機関から比較的高温の排気が排気通路2へ排出されることから、電極5における水は蒸発が期待され、その付着水が蒸発すれば、改めて図2に示す排気中のPM粒子数の低減処理が実行される。S208の処理の後、本水付着確認処理は終了する。
【0047】
このように、本水付着確認処理においては、内燃機関でのイグニッションをオフした時点と、イグニッションをオンした時点とで検出される電流の差分である電流差を踏まえて、電極5への水の付着が確認される。電極5とハウジング3との間の帯電空間の抵抗の低下は、凝縮水の付着以外でも、例えば排気中のPMが電極5の周辺に付着していくことでも生じ得る。電極5へのPMの付着は、内燃機関の稼働累積時間に伴い、次第に増加していくのが一般であるため、電極5への影響は長期間で捉える必要がある。一方で、凝縮水の場合は、内燃機関が停止し再び始動するまでの間において電極5の周囲の排気温度が変化することによって生じることから、内燃機関でのイグニッションのオフとオンのそれぞれの時点で、電極5に与える影響が異なると考えられ、上記のように内燃機関でのイグニッションをオフした時点と、イグニッションをオンした時点とで検出される電流の差分を考慮すれば、確実に凝縮水の付着による抵抗低下を確認することができる。すなわち、本水付着確認処理によれば、電極5への凝縮水の付着と、電極5へのPMの付着とを区別して確認することが可能となる。
【0048】
そして、水付着を正確に確認することが可能であることから、S208で電極5への電圧印加が禁止されたとしても、機関始動後所定時間経過すれば付着した水は蒸発すると考えられるため、電極5への電圧印加を再開することができる。なお、S202およびS203の処理は内燃機関が停止状態となった直後に行われるのが好ましいが、停止状態へ遷移した後に一定の時間が経過した時点に行われても構わない。
【実施例2】
【0049】
図6に、図1に示した粒子状物質処理装置1において実行される水付着確認処理の第二の実施例に係るフローチャートを示す。なお、図6に示す水付着確認処理に含まれる各処理のうち図5に示す水付着確認処理に含まれる処理と同一の処理については、同一の参照番号を付すことで、その詳細な説明は割愛する。そこで、図6に示す水付着確認処理においては、S207の判定において肯定判定されるとS301へ進み、否定判定されると本水付着確認処理を終了する。
【0050】
ここで、S301では、S207での肯定判定を踏まえて、電極5に水が付着していると判断され、その結果、電極5へ印加される電圧が制限される。具体的には、電極5とハウジング3との間の帯電空間の抵抗値に基づいて決定される絶縁破壊回避電圧を上限として、電極5への印加電圧が制限される。ここで、帯電空間の抵抗値は、電極5に電圧印加されたときの検出装置9による検出電流値から算出され、この抵抗値が低いほど、絶縁破壊回避電圧は低くなるように調整され、且つ当該抵抗値が所定の閾値以下となる場合には、絶縁破壊回避電圧をゼロに設定し、実質的に電極5への電圧印加が禁止される。
【0051】
電極5への水の付着が確認された場合でも、このように印加電圧を制限することで、すなわち水が付着していない状態と比べて印加電圧を低くなるように調整することで、十分ではないにしても排気中のPM粒子数の低減処理を実行することができ、少なからずとも排気による環境負荷を軽減することができる。なお、内燃機関からは比較的高温の排気が排気通路2へ排出されることから、電極5における水はいずれ蒸発が期待され、その付着水が蒸発すれば、電極5への印加電圧を元の状態、すなわち高い印加電圧に戻すことができる。
【実施例3】
【0052】
図7に、本発明に係る粒子状物質処理装置の別の実施例に関する概略構成を示す。図7に示す粒子状物質処理装置100と図1に示す粒子状物質処理装置1と異なる点について説明する。図7に示す粒子状物質処理装置100では、電源6と、電極5と、の間の電源側電線52に、該電源側電線52を通る電流を検出する検出装置9が設けられている。このように、検出装置9を電源側電線52に設けることにより、図1に示される絶縁部4は必要ない。すなわち、ハウジング3から排気通路2側へ電気が流れたとしても、検出装置9によれば電極5を通る電流を検出することができる。しかし、一般に、電源側電線52のほうが接地側電線53よりも、径が太く且つ長さが長くなるため、電気的な容量が大きくなる。したがって、図7に示す粒子状物質処理装置100については、コロナ放電などの強い放電が発生したとしても、図1に示す粒子状物質処理装置1と比べてパルス電流を検出し難くなる。
【0053】
そこで、たとえば、図2に示す印加電圧のフィードバック制御を行う際に、パルス電流等の高周波成分を有する電流を検出し、それをフィードバック制御に反映させる必要がある場合には、図1に示す粒子状物質処理装置1が有用であり、そのような必要がない場合には、図7に示す形態の粒子状物質処理装置100も採用し得る。
【実施例4】
【0054】
図8に、本発明に係る粒子状物質処理装置の別の実施例に関する概略構成を示す。図8に示す粒子状物質処理装置110と図1に示す粒子状物質処理装置1と異なる点について説明する。図8に示す粒子状物質処理装置110では、電極5および電源6を含むように短絡回路61が形成される。この短絡回路61は、途中にスイッチ63を介して、電極5、短絡用抵抗62、電源6を含み、スイッチ63は、制御装置7からの指示により開閉する。スイッチ63が開状態となっている場合は短絡回路61が遮断されていることから、電源6による印加電圧は電極5に印加され、図2に示す排気中のPM粒子数の低減処理に供される。一方で、スイッチ63が閉状態となっている場合では、短絡回路61により電源6からの供給電圧は、電極5、短絡用抵抗62に印加され、該回路内を電流が流れる。その結果、電極5において発熱が生じ、仮に電極5の周辺に水が付着している場合にはその付着水を効果的に蒸発させることが可能となるように構成されている。
【0055】
このように構成される粒子状物質処理装置110において実行される水付着確認処理について、図9に基づいて説明する。なお、図9に示す水付着確認処理に含まれる各処理のうち図5に示す水付着確認処理に含まれる処理と同一の処理については、同一の参照番号を付すことで、その詳細な説明は割愛する。なお、図9に示す水付着確認処理においては、S201の処理が行われる時点においては、スイッチ63は開状態となっている。そして、S207の判定において肯定判定されるとS401へ進み、否定判定されると本水付着確認処理を終了する。
【0056】
ここで、S401では、S207での肯定判定を踏まえて、電極5に水が付着していると判断され、その結果、短絡回路61において回路切替が行われ、すなわちスイッチ63が開状態から閉状態へと切り替えられる。これにより、電源6からの供給電圧により、短絡回路61内を電流が流れ、その結果、電極5において発熱が生じ始める。S401の処理が終了すると、S402へ進む。S402では、S401での通電開始により電極5での付着水の蒸発が完了したか否かが判定される。具体的には、当初電極5に付着していた水の量は、例えば始動時電流Iigonに基づいて推定され、また、スイッチ63の閉状態への移行による通電時間に基づいて電極5での蒸発量が推定される。したがって、この通電時間に応じて、付着水の蒸発完了を判定することが可能である。そして、S402で肯定判定されるとS403へ進み、否定判定されると再びS402の処理が行われる。
【0057】
S403では、S402の判定により電極5の付着水が蒸発完了したことを踏まえて、短絡回路61において回路切替が行われ、すなわちスイッチ63が閉状態から開状態へと切り替えられる。これにより、電源6からの供給電圧が電極5に印加され、排気中のPM粒子数の低減処理に供されることになる。S403の終了後、本水付着確認処理を終了する。
【0058】
このように電極5に付着した水を積極的に蒸発させる構成を有することで、粒子状物質処理装置110は、仮に凝縮水が電極5に付着したとしても、速やかに正常な状態に復帰することが可能であり、以て、水付着により電極5が使用できない期間を短縮し、排気による環境負荷を軽減させることができる。
【符号の説明】
【0059】
1・・・・粒子状物質処理装置
2・・・・排気通路
3・・・・ハウジング
4・・・・絶縁部
5・・・・電極
6・・・・電源
7・・・・制御装置
8・・・・バッテリ
9・・・・検出装置
61・・・・短絡回路
62・・・・短絡用抵抗
63・・・・スイッチ
100・・・・粒子状物質処理装置
110・・・・粒子状物質処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排気通路に設けられ印加電圧を変更可能な電極を有し、印加電圧により該電極と該排気通路との間に電流を流すことで、排気中の粒子状物質を凝集させる粒子状物質処理装置であって、
印加電圧によって前記電極を流れる電流を検出する検出装置と、
前記内燃機関が停止状態にあるときに前記電極に電圧印加されたときの停止時電流を、前記検出装置を介して検出する第一検出手段と、
前記内燃機関の始動時に前記電極に電圧印加されたときの始動時電流を、前記検出装置を介して検出する第二検出手段と、
前記第二検出手段によって検出された前記始動時電流の、前記第一検出手段によって検出された前記停止時電流に対する超過程度に基づいて、前記電極における水付着を判断する判断手段と、
を備える粒子状物質処理装置。
【請求項2】
前記判断手段は、前記第二検出手段によって検出された前記始動時電流が、前記第一検出手段によって検出された前記停止時電流に対して所定電流差より大きい場合に、前記電極に水が付着していると判断する、
請求項1に記載の粒子状物質処理装置。
【請求項3】
前記第一検出手段は、前記内燃機関の停止直後において、前記電極に電圧印加されたときの停止時電流を、前記検出装置を介して検出する、
請求項1又は請求項2に記載の粒子状物質処理装置。
【請求項4】
前記判断手段によって前記電極に水が付着していると判断されると、前記電極への印加電圧を、該電極に水が付着していると判断されない場合の所定印加電圧よりも低く調整する印加電圧調整手段を、更に備える、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の粒子状物質処理装置。
【請求項5】
前記判断手段によって前記電極に水が付着していると判断されると、前記電極への印加電圧の上限が、前記内燃機関の始動時における前記電極と前記排気通路との間の空間の抵抗値に基づいて決定される絶縁破壊回避電圧に設定される、
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の粒子状物質処理装置。
【請求項6】
前記判断手段によって前記電極に水が付着していると判断されると、前記電極への電圧印加を禁止する禁止手段を、更に備える、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の粒子状物質処理装置。
【請求項7】
前記判断手段によって前記電極に水が付着していると判断されると、前記電極と前記排気通路との間に電流が流れない状態としつつ、該電極を通電加熱する加熱手段を、更に備える、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の粒子状物質処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−193698(P2012−193698A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−59359(P2011−59359)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】