説明

組電池

【課題】バスバの固定作業時における電池モジュール同士の短絡の発生を防止し、バスバの固定作業性の向上を図り得る組電池を提供する。
【解決手段】組電池は、出力端子を備える電池モジュールを複数配列してなる電池モジュール群と、出力端子に固定され電池モジュール同士を電気的に接続するための複数の導電性のバスバ40と、バスバを保持する絶縁性材から形成された板状のバスバ保持プレート20と、を有する。組電池はさらに、バスバ保持プレートの両面のうち電池モジュール群とは反対側のバスバ保持面20aにバスバごとに配置され、対応するバスバを被覆状態と露出状態とに変更可能な絶縁性のカバー部材30を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気的に接続された複数の単電池を備える電池モジュールを複数配列して電池モジュール群を構成し、さらに、電池モジュール同士を電気的に直列および/または並列に接続することによって、高出力および高容量の組電池とすることが一般的に行われている。電池モジュール同士は、導電性のバスバを出力端子に固定することによって、電気的に接続される。
【0003】
このような組電池においては、バスバと出力端子との固定作業性を向上させるために、複数のバスバを保持した絶縁性のバスバ保持プレートが備えられている。バスバ保持プレートは絶縁性樹脂材料などから形成されている。組電池を組み立てるときには、電池モジュール群を収納するケースにバスバ保持プレートを取り付けることによって各バスバを各電池モジュールに対して位置決めし、その後に、バスバと出力端子とをボルトなどを用いて締結している(特許文献1を参照)。
【0004】
すべてのバスバを出力端子に締結した後に、バスバ保持プレートの両面のうち電池モジュール群とは反対側のバスバ保持面に、そのバスバ保持面全体を覆う絶縁性カバーが取り付けられる。バスバが組電池の外部の部材などに接触し、電池モジュール同士の短絡が発生することを防止するためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−223095号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
組電池を組み立てた後における電池モジュール同士の短絡の発生は、確かに、絶縁性カバーによって防止することはできる。
【0007】
しかしながら、バスバの締結作業時には、出力端子への締結が完了したバスバが露出したままの状態となる。このため、締結工具が複数のバスバに接触し、電池モジュール同士の短絡が発生する虞がある。
【0008】
したがって、作業者は、締結工具の取り扱いや、作業姿勢などに十分注意しながら、バスバの締結作業を行わなければならず、作業性が悪いという問題が有る。
【0009】
そこで、本発明の目的は、バスバの固定作業時における電池モジュール同士の短絡の発生を防止し、バスバの固定作業性の向上、ひいては組電池の組み立て作業性の向上を図り得る組電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、出力端子を備える電池モジュールを複数配列してなる電池モジュール群と、
前記出力端子に固定され前記電池モジュール同士を電気的に接続するための複数の導電性のバスバと、
前記バスバを保持する絶縁性材から形成された板状のバスバ保持プレートと、
前記バスバ保持プレートの両面のうち前記電池モジュール群とは反対側のバスバ保持面に前記バスバごとに配置され、対応する前記バスバを被覆状態と露出状態とに変更可能な絶縁性のカバー部材と、を有してなる組電池である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の組電池によれば、バスバ保持プレートのバスバ保持面にバスバごとに配置され、対応するバスバを被覆状態と露出状態とに変更可能な絶縁性のカバー部材を有しているので、バスバのそれぞれを別個に被覆状態と露出状態とに変更することができ、バスバの固定作業時における電池モジュール同士の短絡の発生を防止し、バスバの固定作業性の向上、ひいては組電池の組み立て作業性の向上を図ることができる。また、組電池を組み立てた後においては、カバー部材によってバスバを被覆状態にして、電池モジュール同士の短絡の発生や、強電部への接触などを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1(A)は、本発明の第1の実施形態に係る組電池の一例を前面側から見て示す斜視図、図1(B)は、同組電池を背面側から見て示す斜視図である。
【図2】図1(A)の2−2線に沿う断面図である。
【図3】バスバ保持プレートが組みつけられた電池モジュール群を、バスバ保持プレートに配置したカバー部材によってバスバを被覆状態に変更した状態で示す斜視図である。
【図4】組電池を組み立てる際の単位ユニットである電池モジュールの一例を示す斜視図である。
【図5】図4に示される電池モジュールを上下反転し、さらに分解して示す斜視図である。
【図6】薄型電池の一例を示す斜視図である。
【図7】第1の実施形態のバスバ保持プレートおよびカバー部材を示す斜視図である。
【図8】図8(A)は、図7の要部を示す斜視図、図8(B)は、バスバ保持プレートに保持したバスバを電池モジュールの出力端子に締結した状態を示す斜視図である。
【図9】第2の実施形態のバスバ保持プレートおよびカバー部材を示す斜視図である。
【図10】第3の実施形態のバスバ保持プレートおよびカバー部材を示す斜視図である。
【図11】図11(A)(B)は、第4の実施形態における保持部材を示す平面図である。
【図12】図12(A)(B)は、第5の実施形態における保持部材を示す平面図および正面図である。
【図13】図13(A)(B)は、第6の実施形態の組電池の要部を示す斜視図および側面図である。
【図14】図14(A)(B)は、第7の実施形態の組電池の要部を示す斜視図および側面図である。
【図15】第8の実施形態の組電池の要部を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1(A)は、本発明の第1の実施形態に係る組電池10の一例を前面側から見て示す斜視図、図1(B)は、同組電池10を背面側から見て示す斜視図、図2は、図1(A)の2−2線に沿う断面図である。図3は、バスバ保持プレート20が組みつけられた電池モジュール群50aを、バスバ保持プレート20に配置したカバー部材30によってバスバ40を被覆状態に変更した状態で示す斜視図、図4は、組電池10を組み立てる際の単位ユニットである電池モジュール50の一例を示す斜視図、図5は、図4に示される電池モジュール50を上下反転し、さらに分解して示す斜視図、図6は、薄型電池100の一例を示す斜視図である。図7は、第1の実施形態のバスバ保持プレート20およびカバー部材30を示す斜視図、図8(A)は、図7の要部を示す斜視図、図8(B)は、バスバ
保持プレート20に保持したバスバ40を電池モジュール50の出力端子140、150に締結した状態を示す斜視図である。なお、図2において左側に位置する面を各部材における前面、右側に位置する面を各部材における背面とする。
【0015】
図1〜図3を参照して、組電池10は、概説すれば、出力端子140、150を備える電池モジュール50を複数配列してなる電池モジュール群50aと、出力端子140、150に固定され電池モジュール50同士を電気的に接続するための複数の導電性のバスバ40と、バスバ40を保持する絶縁性材から形成された板状のバスバ保持プレート20と、バスバ保持プレート20の両面のうち電池モジュール群50aとは反対側のバスバ40を保持するバスバ保持面20aにバスバ40ごとに配置され、対応するバスバ40を被覆状態と露出状態とに変更可能な絶縁性のカバー部材30と、を有している。出力端子140、150にバスバ40を固定するための形態は種々選択できるが、本実施形態では、ボルトによる締結によって、出力端子140、150にバスバ40を固定している。電池モジュール群50aは、冷却風が流れる冷却風流路51を隔てて、電池モジュール50が複数配列されている。バスバ保持プレート20は、冷却風流路51の位置に対応して形成された貫通孔21を備えている。貫通孔21は、冷却風流路51の開口形状に合致する長孔形状を有している。以下、詳述する。
【0016】
組電池10は、自動車や電車などの車両に搭載される車載電池であり、組電池用ケース11内に、複数個の電池モジュール50が空間を隔てて積層されている。組電池用ケース11は、アッパープレート12と、ロアプレート13とを有し、アッパープレート12の前面に冷却風を導入するための入口ダクト14が接続され、アッパープレート12の背面に冷却風を導出するための出口ダクト15が接続されている。入口ダクト14は、図示しない送風装置に接続されている。送風装置から供給された冷却風は、入口ダクト14を通って組電池用ケース11内に導かれる。
【0017】
電池モジュール50を任意の個数直並列に接続することによって、所望の電流、電圧、容量に対応できる組電池10となる。図示する電池モジュール群50aは、10個の電池モジュール50が配列されている。10個の電池モジュール50は、上下方向に2段、左右方向に5列に配列されている。電池モジュール50の正負の出力端子140、150は、すべて同じ面(前面)に設けられている。左端列上側の電池モジュール50の例えば正極側の出力端子140が、組電池10の正極側の出力端子とされ、左端列下側の電池モジュール50の例えば負極側の出力端子150が、組電池10の負極側の出力端子とされる。図2および図3中の符号16は、バッテリーコントローラを示している。
【0018】
電池モジュール50は空冷式であり、電池モジュール50同士の間の空間は、電池モジュール50のそれぞれを冷却するための冷却風が流下する冷却風流路51として利用される(図2を参照)。冷却風は、冷却風流路51内を、電池モジュール50の正負の出力端子140、150が設けられた前面側から背面側へと流れる。冷却風を流して各電池モジュール50を冷却することにより、電池温度を下げ、充電効率などの特性が低下することを抑制する。電池モジュール50同士の間の空間のクリアランスつまり冷却風流路51の高さは、積層時に電池モジュール50同士の間に配置されるカラー(図示せず)によって規定されている。電池モジュール50間のクリアランスは、車両に搭載する際のレイアウトや、冷却風流路51として機能させるために必要な寸法などを考慮して定められるが、数mm程度である。
【0019】
上位の電池モジュール50と拘束板75との間の空間および下位の電池モジュール50とロアプレート13との間の空間も、冷却風流路51a、51bとして使用されている。これらの冷却風流路51a、51bの位置に対応する貫通孔21は存在しないが、上部冷却風流路51aには、バスバ保持プレート20とアッパープレート12との間の隙間を臨ませ、下部冷却風流路51bには、バスバ保持プレート20とロアプレート13との間の隙間を臨ませてある。
【0020】
図4および図5を参照して、電池モジュール50は、複数枚(図示例では8枚)の薄型電池100を含むセルユニット60がモジュールケース70内に収納されている。電池モジュール50は、電気的に接続された複数の単電池を備える点において組電池の一種であるが、本明細書においては、「組電池」を組み立てる際の単位ユニットであって、複数の単電池をケース内に収納してなるユニットを「電池モジュール」と称することとする。
【0021】
前記モジュールケース70は、開口部71aが形成された箱形状をなすロアケース71と、開口部71aを閉じる蓋体をなすアッパーケース72と、を含んでいる。アッパーケース72の縁部72aは、カシメ加工によって、ロアケース71の周壁71bの縁部71cに巻き締められている(図4の部分拡大図参照)。ロアケース71およびアッパーケース72は、比較的薄肉の鋼板またはアルミ板から形成され、プレス加工によって所定形状が付与されている。
【0022】
前記セルユニット60は、8枚の薄型電池100を厚み方向に積層するとともに電気的に直列に接続してなる電池群80と、薄型電池100のタブ(電極)を挟持するための板状のスペーサ110と、正負の出力端子140、150と、を含んでいる。セルユニット60の前面および背面には、絶縁カバー91、92が着脱自在に取り付けられている。
【0023】
絶縁カバー91、92は、電池群80の前面側および背面側を覆うために用いられる。絶縁カバー91、92の中央位置には、図示しない電圧検出線コネクタを差し込む差込口91aが形成されている。電圧の検出は、電池モジュール50の充放電管理のために行われる。
【0024】
正負の出力端子140、150は、ロアケース71の周壁71bの一部に形成した切り欠き部71d、71eを通してモジュールケース70から外部に導出される。絶縁カバー91、92の差込口91aも、周壁71bの一部に形成した切り欠き部71fを通してモジュールケース70の外部に露出される。出力端子140、150の前面には、後述するボルト43(図8参照)がねじ込まれるねじ孔141、151が形成されている。
【0025】
モジュールケース70の隅部の4箇所に通しボルト74(図3参照)を挿通するために、ロアケース71およびアッパーケース72の隅部の4箇所にボルト孔73が形成され、各スペーサ110の2箇所にボルト孔111が形成されている。図5の符号93は、スペーサ110のボルト孔111に挿入されるスリーブを示し、符号94は、セルユニット60とアッパーケース72との間に設けられる緩衝材を示している。
【0026】
図6を参照して、薄型電池100は、例えば、扁平なリチウムイオン二次電池であり、正極板、負極板およびセパレータを順に積層した積層型の発電要素(図示せず)がラミネートフィルムなどの外装材100aによって封止されている。電池100は、発電要素に一端が電気的に接続されるとともに板状をなす正極タブ100pおよび負極タブ100nが外装材100aから外部に導出されている。タブ100p、100nは、薄型電池100の長手方向の両側に延びている。積層型の発電要素を備える薄型電池100にあっては、電極板間の距離を均一に保って電池性能の維持を図るために、発電要素に圧力を掛けて押さえる必要がある。このため、各薄型電池100は、発電要素が押さえつけられるようにモジュールケース70に収納されている。
【0027】
図7および図8を参照して、バスバ保持プレート20は、外形略板状のプレート部材であり、複数個のバスバ40のそれぞれを保持する装着部位22が形成されている。装着部位22には、表面から裏面まで貫通する開口部23が形成されている。この開口部23に、隣り合う電池モジュール50の出力端子140、150が臨んでいる。また、バスバ保持プレート20には、組電池10の正負の出力端子を臨ませる開口部23aも形成されている。さらに、バスバ保持プレート20の前面には、バスバ40の外周縁の一部に係合してバスバ40を保持する保持爪24が突出して設けられている。バスバ保持プレート20には、図示しない電圧検出線コネクタが挿通される窓部27が形成されている。窓部27を通して、電圧検出線コネクタが電池モジュール50の差込口91aに差し込まれる。バスバ保持プレート20の下端部は、ロアプレート13の上端面に形成した受け部13aに嵌まり込む(図2を参照)。これにより、バスバ保持プレート20の取り付け位置を定めて、保持されている複数個のバスバ40の位置が一括して定められる。バスバ保持プレート20は、絶縁性材、例えば、絶縁性樹脂材から形成されている。絶縁性樹脂材は、特に限定されないが、例えば、PP(ポリプロピレン)を挙げることができる。
【0028】
バスバ40は、出力端子140、150に締結(固定)される一対の締結部44(固定部に相当する)と、保持爪24に係合する係合凹部45と、を含んでいる。図示するバスバ40は、扁平な矩形形状を有している。締結部44は、長手方向の両端位置に設けられ、ボルト孔41が形成されている。係合凹部45は、バスバ40の長手方向の中央位置に設けられている。係合凹部45を保持爪24に嵌め込むことによって、バスバ40が装着部位22に保持される。開口部23および保持爪24は、電気的に接続する出力端子140、150同士に合致した向きおよび位置に形成されている。したがって、係合凹部45を保持爪24に嵌め込むことによって、各バスバ40を、接続する出力端子140、150に合致した位置に簡単に配置することができる。図示例では、横向きに8個のバスバ40が配置され、縦向きに1個のバスバ40が配置される。このように接続方向が異なっていても、保持爪24によってバスバ40を保持する方向が規制されているため、誤接続を根本的になくすことができる。
【0029】
バスバ40は、ボルト孔41に挿通したボルト43を、出力端子140、150のねじ孔141、151に締結することによって、当該出力端子140、150に対して固定される。保持爪24は、バスバ保持機能だけでなく、ボルト43を締結する作業中の回り止め機能をも兼ね備えている。バスバ40を出力端子140、150に対して固定する結果、バスバ保持プレート20が電池モジュール群50aに対して固定される。
【0030】
バスバ保持プレート20の両面のうち電池モジュール群50aとは反対側のバスバ保持面20aつまり前面に、バスバ40が外部に露出している。バスバ保持プレート20上において露出したバスバ40同士に導電性の異物が接触すると、電池モジュール50同士の短絡が発生する。このような電池モジュール50同士の短絡の発生を防止するために、バスバ40を絶縁性カバーによって覆う必要がある。
【0031】
ここで、バスバ保持プレート20のバスバ保持面20a全体を1つの絶縁性カバーによって覆った場合には、組電池10を組み立てた後における電池モジュール50同士の短絡の発生は、確かに、防止することはできる。しかしながら、バスバ40の締結作業時には、出力端子140、150への締結が完了したバスバ40が露出したままの状態であるため、締結工具が複数のバスバ40に接触し、電池モジュール50同士の短絡が発生する虞が依然として残る。
【0032】
そこで、第1の実施形態の組電池10にあっては、バスバ保持プレート20のバスバ保持面20aにバスバ40ごとに絶縁性のカバー部材30を配置し、対応するバスバ40を被覆状態と露出状態とに変更可能としている。
【0033】
このカバー部材30は、対応するバスバ40を出力端子140、150に締結するときには、対応するバスバ40を露出状態とし、対応するバスバ40以外の他のバスバ40を出力端子140、150に締結するときには、対応するバスバ40を被覆状態とする。
【0034】
図7および図8(A)を参照して、第1の実施形態のカバー部材30は、バスバ保持プレート20のバスバ保持面20aに対して着脱自在に取り付けられ、バスバ保持面20aに取り付けることにより対応するバスバ40を被覆状態とし、バスバ保持面20aから取り外すことにより対応するバスバ40を露出状態としている。図8(A)において、図中上側では、カバー部材30を取り付け、上側のバスバ40(図には現れない)を被覆状態としている。一方、図中下側では、カバー部材30を取り外し、下側のバスバ40を露出状態としている。
【0035】
カバー部材30は、バスバ40を被覆するための収納部31と、バスバ保持面20aに着脱自在に取り付けられる取り付け部32と、を有している。収納部31は、バスバ40を締結したボルト43の頭部も収納する。取り付け部32は、カバー部材30の長手方向の略中央部に配置され装着部位22に係止する爪部32aと、バスバ保持面20aに形成
した凹部25に嵌まり込む凸部32bと、保持爪24の前面に形成したピン部24aが嵌まり込むピン受け部32cと、を含んでいる。爪部32aを装着部位22に係止し、カバー部材30の凸部32bをバスバ保持面20aの凹部25に嵌め込み、保持爪24のピン部24aをピン受け部32cに嵌め込むことによって、カバー部材30がバスバ保持面20aに取り付けられる。
【0036】
図示例では、凹部25を矩形に、凸部32bを円形に形成してある。凹部25と凸部32bとの接触が点接触となるため、凹部25および凸部32bの形状を同じにした場合の面接触に比較して、寸法誤差などを吸収し易い。このため、バスバ保持面20aに対するカバー部材30の取り付けおよび取り外しを、簡単に行うことができる。ピン受け部32cの形状とピン部24aの形状についても同様である。
【0037】
カバー部材30は、冷却風の取り込みが阻害されないように、バスバ保持面20aに取り付けたときに貫通孔21を塞ぐことがない大きさ、形状に設定されている。カバー部材30は、例えば、絶縁性樹脂材から形成されている。絶縁性樹脂材は、特に限定されないが、例えば、PP(ポリプロピレン)を挙げることができる。取り付け部32は、図示した嵌め合い方式のほか、着脱自在な接着剤や粘着剤を用いる方式でもよい。バスバ40の締結後においては、カバー部材30をバスバ保持プレート20に熱溶着によって固定することもできる。
【0038】
次に、本実施形態における組電池10の組み立て手順について説明する。
【0039】
ロアプレート13上に配列された複数個の電池モジュール50を、ロアプレート13および拘束板75との間で挟持、固定し、電池モジュール群50aとする。電池モジュール50を積層するときには、電池モジュール50同士の間にカラーを配置し、冷却風流路51の高さを規定する。
【0040】
バスバ保持プレート20のバスバ保持面20aにバスバ40を保持する。このとき、係合凹部45を保持爪24に嵌め込むことによって、各バスバ40は、接続する出力端子140、150に合致した位置に配置される。爪部32aを装着部位22に係止し、カバー部材30の凸部32bをバスバ保持面20aの凹部25に嵌め込み、ピン受け部32cに保持爪24のピン部24aを嵌め込み、カバー部材30をバスバ保持面20aに取り付ける。カバー部材30をバスバ保持面20aに取り付けることにより、対応するバスバ40を被覆状態とする。カバー部材30をバスバ40ごとに取り付け、すべてのバスバ40を被覆状態とする。
【0041】
バスバ保持プレート20を電池モジュール群50aの前面に配置する。このとき、バスバ保持プレート20の下端部をロアプレート13の受け部13aに嵌め込み、ロアプレート13に対するバスバ保持プレート20の位置を規制する。バスバ保持プレート20を位置決めすることによって、複数個のバスバ40の位置決めが同時になされる。また、バスバ40のボルト孔41の中心と出力端子140、150のねじ孔141、151の中心とが一致する。
【0042】
次いで、バスバ40を出力端子140、150に締結する作業を行う。締結作業を開始するときには、カバー部材30を1つだけバスバ保持面20aから取り外して、締結の対象となっているバスバ40のみを被覆状態から露出状態に変更する。他のカバー部材30はバスバ保持面20aに取り付けたままであり、他の残りのバスバ40を被覆状態にしておく。
【0043】
この状態で、露出状態としたバスバ40のボルト孔41にボルト43を挿通する。このボルト43を、装着部位22の開口部23を経て、出力端子140、150のねじ孔141、151に締結する(図8(B)参照)。バスバ40のボルト孔41の中心と出力端子140、150のねじ孔141、151の中心とが一致しているので、ボルト43の締結作業を容易に行うことができる。バスバ40を出力端子140、150に対して固定する結果、バスバ保持プレート20が電池モジュール群50aに対して固定される。
【0044】
締結作業を行っていたバスバ40以外の他のバスバ40を出力端子140、150に締結するときには、まず、取り外していたカバー部材30を元の位置に再度取り付け、締結作業を行っていたバスバ40を露出状態から被覆状態に変更する。
【0045】
その後、次のカバー部材30を1つだけバスバ保持面20aから取り外して、締結の対象となっているバスバ40のみを被覆状態から露出状態に変更し、上述した締結作業を行う。締結作業が終われば、取り外していたカバー部材30を元の位置に再度取り付け、締結作業を行っていたバスバ40を露出状態から被覆状態に変更する。
【0046】
締結対象の1つのバスバ40のみを露出状態とした状態で出力端子140、150への締結作業を行うことから、出力端子140、150への締結が完了したバスバ40は被覆状態にある。このため、締結工具が複数のバスバ40に接触することによる電池モジュール50同士の短絡の発生を根本的になくすことができる。したがって、作業者は、締結工具の取り扱いや、作業姿勢などに関して過度の注意を払う必要がなく、バスバ40の締結時の作業性が良好となる。このように、バスバ40の締結作業時における電池モジュール50同士の短絡の発生を防止でき、バスバ40の締結作業性の向上、ひいては組電池10の組み立て作業性の向上を図ることができる。
【0047】
最後のバスバ40の締結作業が終われば、取り外していたカバー部材30を元の位置に再度取り付け、締結作業を行っていた最後のバスバ40を露出状態から被覆状態に変更する。これにより、すべてのバスバ40についての締結作業が完了する。すべてのバスバ40は被覆状態にあるので、組電池10を組み立てた後において、電池モジュール50同士の短絡の発生や、強電部への接触などが防止される。
【0048】
以上説明したように、第1の実施形態の組電池10によれば、バスバ保持プレート20のバスバ保持面20aにバスバ40ごとに配置され、対応するバスバ40を被覆状態と露出状態とに変更可能な絶縁性のカバー部材30を有しているので、バスバ40のそれぞれを別個に被覆状態と露出状態とに変更することができ、バスバ40の締結作業時における電池モジュール50同士の短絡の発生を防止し、バスバ40の締結作業性の向上、ひいては組電池10の組み立て作業性の向上を図ることができる。また、組電池10を組み立てた後においては、カバー部材30によってバスバ40を被覆状態にして、電池モジュール50同士の短絡の発生や、強電部への接触などを防止することができる。
【0049】
カバー部材30は、対応するバスバ40を出力端子140、150に締結するときには、対応するバスバ40を露出状態とし、対応するバスバ40以外の他のバスバ40を出力端子140、150に締結するときには、対応するバスバ40を被覆状態としているので、締結対象の1つのバスバ40のみを露出状態とした状態でバスバ40の締結作業を行うことになる。このため、バスバ40の締結作業時における電池モジュール50同士の短絡の発生を根本的になくすことができる。したがって、バスバ40の締結作業性のさらなる向上、ひいては組電池10の組み立て作業性のさらなる向上を図ることができる。
【0050】
カバー部材30は、バスバ保持プレート20のバスバ保持面20aに対して着脱自在に取り付けられ、バスバ保持面20aに取り付けることにより対応するバスバ40を被覆状態とし、バスバ保持面20aから取り外すことにより対応するバスバ40を露出状態とするので、対応するバスバ40の被覆状態と露出状態との変更を簡単に行うことができる。
【0051】
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態のバスバ保持プレート20およびカバー部材30を示す斜視図である。なお、第1の実施形態と共通する部材には同一の符号を付し、その説明は一部省略する。
【0052】
第2の実施形態は、バスバ保持プレート20とカバー部材30とを一体部品とした点で、これらを別体部品とした第1の実施形態と相違している。
【0053】
第2の実施形態の組電池10も、第1の実施形態の組電池10と同様に、バスバ保持プレート20のバスバ保持面20aにバスバ40ごとに絶縁性のカバー部材30を配置し、対応するバスバ40を被覆状態と露出状態とに変更可能としている。また、カバー部材30は、対応するバスバ40を出力端子140、150に締結するときには、対応するバスバ40を露出状態とし、対応するバスバ40以外の他のバスバ40を出力端子140、150に締結するときには、対応するバスバ40を被覆状態としている。
【0054】
図9を参照して、第2の実施形態のカバー部材30は、バスバ保持プレート20のバスバ保持面20aに対してヒンジ部33を介して回動自在に接続され、バスバ保持面20aに向かう方向に回動することにより対応するバスバ40を被覆状態とし、バスバ保持面20aから離反する方向に回動することにより対応するバスバ40を露出状態としている。図中上側では、カバー部材30をバスバ保持面20aに向かう方向に回動し、上側のバスバ40(図には現れない)を被覆状態としている。一方、図中下側では、カバー部材30をバスバ保持面20aから離反する方向に回動し、下側のバスバ40を露出状態としている。
【0055】
上側のカバー部材30は、ヒンジ部33がバスバ保持プレート20の上端縁に配置され、このヒンジ部33を中心に図中上方に向けて開かれる。一方、下側のカバー部材30は、ヒンジ部33がバスバ保持プレート20の下端縁に配置され、このヒンジ部33を中心に図中下方に向けて開かれる。つまり、上側のカバー部材30は上開きとされ、下側のカバー部材30は下開きとされている。カバー部材30の凸部32bをバスバ保持面20aの凹部25に嵌め込み、保持爪24のピン部24aをピン受け部32cに嵌め込むことによって、カバー部材30がバスバ保持面20aに止め付けられる。
【0056】
バスバ保持プレート20およびカバー部材30は、これらを別個に製造してカバー部材30のヒンジ部33をバスバ保持プレート20に接合しても良いが、これらを一体成形しておき、ヒンジ部33の部分で折り返す構造とするのが好ましい。部品点数の削減や、接合作業の省略を図ることができるからである。
【0057】
第2の実施形態のカバー部材30によっても、第1の実施形態と同様に、バスバ40の締結作業時における電池モジュール50同士の短絡の発生を防止し、バスバ40の締結作業性の向上、ひいては組電池10の組み立て作業性の向上を図ることができる。
【0058】
カバー部材30は、バスバ保持プレート20のバスバ保持面20aに対してヒンジ部33を介して回動自在に接続されており、対応するバスバ40の被覆状態と露出状態との変更を簡単に行うことができる。バスバ保持プレート20とカバー部材30とをヒンジ部33を介して一体部品としてあるので、カバー部材30の開閉を行い易く、カバー部材30を閉める際の位置決めも容易であり、カバー部材30を紛失する虞もない。
【0059】
(第3の実施形態)
図10は、第3の実施形態のバスバ保持プレート20およびカバー部材30を示す斜視図である。なお、第1、第2の実施形態と共通する部材には同一の符号を付し、その説明は一部省略する。
【0060】
第3の実施形態は、バスバ40の表面の一部を露出状態に変更可能である点で、バスバ40の表面の全体を露出状態に変更する第1と第2の実施形態と相違している。
【0061】
第3の実施形態の組電池10も、第1と第2の実施形態の組電池10と同様に、バスバ保持プレート20のバスバ保持面20aにバスバ40ごとに絶縁性のカバー部材30を配置し、対応するバスバ40を被覆状態と露出状態とに変更可能としている。また、カバー部材30は、対応するバスバ40を出力端子140、150に締結するときには、対応するバスバ40を露出状態とし、対応するバスバ40以外の他のバスバ40を出力端子140、150に締結するときには、対応するバスバ40を被覆状態としている。
【0062】
図10を参照して、バスバ40のそれぞれは、前述したように、出力端子140、150に締結される一対の締結部44と、保持爪24に係合する係合凹部45と、を含んでいる。一対の締結部44は長手方向の両端に設けられ、係合凹部45は長手方向の中央位置に設けられている。第3の実施形態のカバー部材30は、対応するバスバ40における一対の締結部44のそれぞれを個別に被覆状態と露出状態とに変更可能である。
【0063】
カバー部材30は、バスバ保持プレート20のバスバ保持面20aに対して取り付けられる基部34と、基部34に対して回動可能に接続され一対の締結部44のそれぞれを個別に覆う一対の被覆部35と、を有している。基部34は、一対の締結部44の間の中央部で、バスバ40の長手方向に対して直交する方向(図中上下方向)に沿って配置されている。基部34は、接着、嵌め合い、熱溶着などにより、バスバ保持面20aに取り付けられる。図示例では、爪部32aを装着部位22に係止し、保持爪24のピン部24aをピン受け部32cに嵌め込むことによって、基部34がバスバ保持面20aに取り付けられる。基部34は、一対の締結部44以外の部位で、カバー部材30をバスバ保持面20aに取り付ける機能を有していれば足り、締結部44以外であれば、図示した中央部に限られず、いずれの場所でも良い。被覆部35は、収納部31と同様に、バスバ40を締結したボルト43の頭部も被覆する。図中上側では、カバー部材30の一対の被覆部35をバスバ保持面20aに向かう方向に回動し、上側のバスバ40(図には現れない)を被覆状態としている。一方、図中下側では、カバー部材30の一対の被覆部35をバスバ保持面20aから離反する方向に回動し、下側のバスバ40における一対の締結部44のそれぞれを露出状態としている。
【0064】
図示例のバスバ40は、係合凹部45を中心に係合凹部45の両側に一対の締結部44のそれぞれが配列されている。バスバ40のこのような配列に合致させて、カバー部材30は、基部34を中心に基部34の両側に一対の被覆部35のそれぞれが配列されている。一対の被覆部35は、基部34を中心にして翼のように回動する。被覆部35に設けられた凸部32bをバスバ保持面20aの凹部25に嵌め込むことによって、被覆部35がバスバ保持面20aに止め付けられる。
【0065】
カバー部材30は、対応するバスバ40の露出状態を保持する保持部材をさらに有していることが好ましい。バスバ40の締結作業と干渉しない位置にカバー部材30を保持し、対応するバスバ40の露出状態を保持することにより、バスバ40を覆わないようにカバー部材30を押さえておく必要がなくなり、バスバ40の締結時の作業性がより良好となるからである。
【0066】
第3の実施形態のカバー部材30は、対応するバスバ40における一対の締結部44の両者の露出状態を保持する保持部材36をさらに有している。保持部材36は、一方の被覆部35(図中右側)に前面側に向けて突出するように形成した第1突出片36aと、他方の被覆部35(図中左側)に前面側に向けて突出するように形成した対をなす第2突出片36bと、を含んでいる。第1突出片36aおよび第2突出片36bは、カバー部材30の長手方向に沿って伸びている。対をなす第2突出片36b同士の間には凹状溝36cが形成される。凹状溝36cの幅寸法は、第1突出片36aの幅寸法にほぼ等しく、第1突出片36aが嵌まり込む寸法に定められている。
【0067】
第3の実施形態のカバー部材30によっても、第1と第2の実施形態と同様に、バスバ40の締結作業時における電池モジュール50同士の短絡の発生を防止し、バスバ40の締結作業性の向上、ひいては組電池10の組み立て作業性の向上を図ることができる。
【0068】
カバー部材30の基部34によって、バスバ40の係合凹部45を被覆したまま、一対の被覆部35のそれぞれによって、対応するバスバ40における一対の締結部44のそれぞれを個別に被覆状態と露出状態とに簡単に変更できる。基部34をバスバ保持面20aに取り付けたままで一対の被覆部35のみを開閉するので、バスバ保持プレート20とカバー部材30とを一体部品として扱うことができ、被覆部35の開閉を行い易く、被覆部35を閉める際の位置決めも容易であり、カバー部材30を紛失する虞もない。
【0069】
第2の実施形態のカバー部材30はバスバ保持プレート20の上下に開くのに対して、第3の実施形態のカバー部材30は一対の被覆部35がバスバ保持プレート20の前面側に2つに折れるように開いている。このため、第3の実施形態のカバー部材30によれば、組電池の構造がバスバ保持プレート20の上下にカバー部材30を退避させるスペースを確保できない構造の場合であっても、バスバ40を締結するのに必要な開口面積を締結部44の前面側に確保して、バスバ40の締結作業を行うことができる。
【0070】
さらに、バスバ40の締結作業時には、第1突出片36aが第2突出片36b間の凹状溝36cに嵌まり込むことにより、開かれた一対の被覆部35が相互に連結され、バスバ40における一対の締結部44の両者の露出状態が保持されている。したがって、開いたカバー部材30を保持しながら締結作業を行う必要がなく、バスバ40の締結時の作業性がより良好となる。
【0071】
なお、バスバ40における一対の締結部44のそれぞれを個別に被覆状態と露出状態とに変更する構成は、第3の実施形態のような回動タイプの構成に限定されるものではない。例えば、第1の実施形態のような着脱タイプによっても、一対の締結部44のそれぞれを個別に被覆状態と露出状態とに変更することができる。
【0072】
(第4、第5の実施形態)
図11(A)(B)は、第4の実施形態における保持部材36を示す平面図、図12(A)(B)は、第5の実施形態における保持部材36を示す平面図および正面図である。なお、第1〜第3の実施形態と共通する部材には同一の符号を付し、その説明は一部省略する。
【0073】
保持部材36の構造は、バスバ40の締結中はカバー部材30を開いてバスバ40の露出状態を保持し、バスバ40の締結後はカバー部材30を容易に閉じ得る限りにおいて、適宜変更できる。第4、第5の実施形態は、保持部材36の構成を改変した点で、第3の実施形態と相違している。
【0074】
図11(A)(B)を参照して、第4の実施形態の保持部材36は、一方の被覆部35(図中左側)に前面側に向けて突出するように形成した第1突出片36aと、他方の被覆部35(図中右側)に前面側に向けて突出するように形成した対をなす第2突出片36bと、を含んでいる。第2突出片36bは、カバー部材30の長手方向に対して直交する方向(図11(A)の紙面に直交する方向)に沿って伸びている。対をなす第2突出片36b同士の間には凹状溝36cが形成される。凹状溝36cの幅寸法は、第1突出片36aの幅寸法にほぼ等しく、第1突出片36aが嵌まり込む寸法に定められている。さらに、第1突出片36aには、凹状溝36cに設けた係止爪37bに係止する係止凸部37aを形成してある。このような保持部材36によっても、バスバ40の締結作業時には、第1突出片36aが第2突出片36b間の凹状溝36cに嵌まり込み、係止爪37bが係止凸部37aに係止することにより、開かれた一対の被覆部35が相互に連結され、バスバ40における一対の締結部44の両者の露出状態が保持される(図11(B))。
【0075】
図12(A)(B)を参照して、第5の実施形態の保持部材36は、一方の被覆部35(図中左側)に前面側に向けて突出するように形成した対をなす第1突出片38aと、他方の被覆部35(図中右側)に前面側に向けて突出するように形成した対をなす第2突出片38bと、を含んでいる。第1突出片38aおよび第2突出片38bは、カバー部材30の長手方向に沿って伸びている。一対の被覆部35を開いたときには、第1突出片38aと第2突出片38bとが重なり合うように設けられている。さらに、第1突出片38aには、重なり合う第2突出片38bに設けた係止爪39bに係止する係止凹部39aを形成してある。係止凹部39aと係止爪39bとによりスナップフィットが形成される。このような保持部材36によっても、バスバ40の締結作業時には、係止爪39bが係止凹部39aに係止することにより、開かれた一対の被覆部35が相互に連結され、バスバ40における一対の締結部44の両者の露出状態が保持される(図12(B))。
【0076】
(第6の実施形態)
図13(A)(B)は、第6の実施形態の組電池10の要部を示す斜視図および側面図である。なお、第1〜第5の実施形態と共通する部材には同一の符号を付し、その説明は一部省略する。
【0077】
カバー部材30は、対応するバスバ40以外の他のバスバ40を締結しているときには、対応するバスバ40を被覆状態としている。しかしながら、何らかの原因によりカバー部材30が開いてしまい、締結対象のバスバ40以外のバスバ40が露出状態に変更される事態が起こり得る。特に、隣り合うバスバ40が露出状態あり、かつ、隣り合うバスバ40の電位が異なるときには、バスバ40の締結作業時に電池モジュール50同士の短絡が発生し易くなる。このため、隣り合うカバー部材30は、共働して、隣り合うバスバ40同士の短絡に対して障壁となる障壁部を形成することが好ましい。隣り合う電池モジュール50同士の短絡の発生を未然に防止するためである。
【0078】
そこで、第6の実施形態にあっては、隣り合うカバー部材30は、共働して、隣り合うバスバ40同士の短絡に対して障壁となる障壁部160を形成している。この点で、第6の実施形態は、第1〜第5の実施形態と相違している。隣り合うカバー部材30によって形成された障壁部160が、隣り合うバスバ40同士の短絡に対する障壁として存在することにより、隣り合う電池モジュール50同士の短絡の発生を未然に防止することができる。
【0079】
障壁部160は、隣り合うカバー部材30が、隣り合うバスバ40をともに露出状態に変更できない構造を有することによって形成されている。隣り合うバスバ40がともに露出状態に変更できないので、隣り合う電池モジュール50同士の短絡の発生を未然に防止することができる。
【0080】
隣り合うカバー部材30のそれぞれは、第2の実施形態のカバー部材30と同様に、バスバ保持プレート20のバスバ保持面20aに対してヒンジ部33を介して回動自在に接続され、バスバ保持面20aに向かう方向に回動することにより対応するバスバ40を被覆状態とし、バスバ保持面20aから離反する方向に回動することにより対応するバスバ40を露出状態としている。隣り合うカバー部材30のうちの少なくとも一方のカバー部材30におけるヒンジ部33が、隣り合うバスバ40の間に配置されている。
【0081】
隣り合うカバー部材30および隣り合うバスバ40は、上下に隣り合って配置されている。上下に隣り合うカバー部材30のうちの少なくとも一方のカバー部材30におけるヒンジ部33が、対応するバスバ40よりも上方の位置に配置されている。図示例では、上側のカバー部材30におけるヒンジ部33を、上側のバスバ40よりも上方の位置に配置し、下側のカバー部材30におけるヒンジ部33を、下側のバスバ40よりも上方の位置に配置してある。このような配置により、隣り合うカバー部材30のうちの一方のカバー部材30すなわち下側のカバー部材30におけるヒンジ部33が、上下に隣り合うバスバ40の間に配置されることになる。
【0082】
下側のカバー部材30におけるヒンジ部33のみが、隣り合うバスバ40の間に配置されているので、上側のカバー部材30および下側のカバー部材30は、構造的には、両方とも開くことができる(図13(A)参照)。しかしながら、図13(B)に示すように、締結工具161などが上下のカバー部材30に接触すると、下側のカバー部材30が閉じられ、下側のバスバ40を被覆状態とする。したがって、隣り合うバスバ40同士を短絡する虞のある部材(例えば、締結工具161など)との関連において、上下に隣り合うカバー部材30は、上下に隣り合うバスバ40をともに露出状態に変更できない構造を有している。かかる構造によって、上下に隣り合うカバー部材30は、共働して、上下に隣り合うバスバ40同士の短絡に対して障壁となる障壁部160を形成している。隣り合う
カバー部材30によって形成された障壁部160が、隣り合うバスバ40同士の短絡に対する障壁として存在するので、隣り合う電池モジュール50同士の短絡の発生を未然に防止することができる。
【0083】
なお、上側のカバー部材30におけるヒンジ部33を、上側のバスバ40よりも下方の位置に配置し、下側のカバー部材30におけるヒンジ部33も、下側のバスバ40よりも下方の位置に配置しても、隣り合うカバー部材30のうちの一方のカバー部材30におけるヒンジ部33が、隣り合うバスバ40の間に配置されることになる。この場合にも、図示した第6の実施形態と同様に、隣り合うバスバ40同士を短絡する虞のある部材(例えば、締結工具161など)との関連において、上下に隣り合うカバー部材30は、上下に隣り合うバスバ40をともに露出状態に変更できない構造を有している。
【0084】
前述したように、第6の実施形態においては、下側のカバー部材30は、そのヒンジ部33が下側のバスバ40よりも上方の位置に配置され、上開きになるように構成されている(図13(A)を参照)。このヒンジ部33は、カバー部材30をバスバ保持面20aに止め付けておくためのロック部材162(凸部32bと凹部25、ピン受け部32cとピン部24aが相当する)が外れても、カバー部材30を上方に開いてしまう弾性力を有しておらず、カバー部材30がその自重によってバスバ保持面20aに向かう方向に回動することを許容するように形成されている。
【0085】
上側のバスバ40を締結している際に、下側のカバー部材30のロック部材162を外してしまっても、下側のカバー部材30は、その自重によってバスバ保持面20aに向かう方向に回動し、下側のバスバ40の被覆状態を維持できる。したがって、上下に隣り合うカバー部材30は、上下に隣り合うバスバ40をともに露出状態に変更できない構造を有している。かかる構造によって、上下に隣り合うカバー部材30は、共働して、上下に隣り合うバスバ40同士の短絡に対して障壁となる障壁部160を形成することになり、上下に隣り合う電池モジュール50同士の短絡の発生を未然に防止することができる。
【0086】
カバー部材30の自重を利用して、上下に隣り合うカバー部材30が、上下に隣り合うバスバ40をともに露出状態に変更できない構造とするためには、上下に隣り合うカバー部材30のうちの少なくとも一方のカバー部材30におけるヒンジ部33が、対応するバスバ40よりも上方の位置に配置されていれば足りる。したがって、第6の実施形態のように、上下のカバー部材30をともに上開きになるように構成するほか、上側のカバー部材30を上開きにし、下側のカバー部材30を下開きにする構成、上側のカバー部材30を下開きにし、下側のカバー部材30を上開きにする構成でもよい。上開きにしたカバー部材30は、その自重によってバスバ保持面20aに向かう方向に回動し、対応するバスバ40の被覆状態を維持できる。
【0087】
(第7の実施形態)
図14(A)(B)は、第7の実施形態の組電池10の要部を示す斜視図および側面図である。なお、第1〜第6の実施形態と共通する部材には同一の符号を付し、その説明は一部省略する。
【0088】
ヒンジ部33を介してバスバ保持面20aに対して回動自在に接続されるタイプのカバー部材30の場合において、隣り合うカバー部材30が、隣り合うバスバ40をともに露出状態に変更できない構造を有するためには、隣り合うカバー部材30のうちの少なくとも一方のカバー部材30におけるヒンジ部33が、隣り合うバスバ40の間に配置されていれば足りる。
【0089】
第7の実施形態は、隣り合うカバー部材30のそれぞれのヒンジ部33が隣り合うバスバ40の間に配置されている点において、一方のカバー部材30のヒンジ部33のみを隣り合うバスバ40の間に配置した第6の実施形態と相違している。さらに、第7の実施形態は、少なくとも互いに隣り合うカバー部材30のうち、一方のカバー部材30が対応するバスバ40を露出状態としているときに、他方のカバー部材30を対応するバスバを被覆状態とするように規制する規制手段170を有している。
【0090】
第7の実施形態では、上側のカバー部材30におけるヒンジ部33を、上側のバスバ40よりも下方の位置に配置し、下側のカバー部材30におけるヒンジ部33を、下側のバスバ40よりも上方の位置に配置してある。このような配置により、隣り合うカバー部材30のそれぞれのヒンジ部33が、両者とも、上下に隣り合うバスバ40の間に配置されることになる。
【0091】
図14(B)に示すように、上側のカバー部材30が開かれ、上側のバスバ40を露出状態としている状態において、下側のカバー部材30を開こうとしても、カバー部材30の収納部31同士が干渉し合う結果、下側のカバー部材30を開くことができない。図示例とは逆に、下側のカバー部材30が開かれ、下側のバスバ40を露出状態としている状態において、上側のカバー部材30を開こうとしても、カバー部材30の収納部31同士が干渉し合う結果、上側のカバー部材30を開くことができない。したがって、上下に隣り合うカバー部材30は、上下に隣り合うバスバ40をともに露出状態に変更できない構造を有している。すなわち、隣り合うカバー部材30のうちの一方が開いている場合には、この開いている一方のカバー部材30(図14(B)においては上側のカバー部材30)が、他方のカバー部材30(図14(B)においては下側のカバー部材30)を閉じた状態に規制する規制手段170として機能する。かかる構造によって、第6の実施形態と同様に、隣り合う電池モジュール50同士の短絡の発生を未然に防止することができる。
【0092】
(第8の実施形態)
図15は、第8の実施形態の組電池10の要部を示す側面図である。なお、第1〜第7の実施形態と共通する部材には同一の符号を付し、その説明は一部省略する。
【0093】
第8の実施形態は、第7の実施形態と同様に、ヒンジ部33を介してバスバ保持面20aに対して回動自在に接続されるタイプのカバー部材30を有している。隣り合うカバー部材30および隣り合うバスバ40は、上下に隣り合って配置され、上下に隣り合うカバー部材30のそれぞれのヒンジ部33が、上下に隣り合うバスバ40の間に配置されている。
【0094】
第8の実施形態にあっては、上下に隣り合うカバー部材30は、対応するバスバ40を露出状態とした上下いずれか一方のカバー部材30を、対応するバスバ40を被覆状態とした他方のカバー部材30と接続する接続部材165を有している。さらに、上側のカバー部材30をバスバ保持面20aに止め付けておくためのロック部材162と、を有している。
【0095】
接続部材165は、上下のカバー部材30のそれぞれの収納部31に設けられた接続片165a、165bを含み、接続片165a、165b同士は相互に嵌り合う形状を有している。図15には、下側のカバー部材30が開かれて下側のバスバ40を露出状態とし
、上側のカバー部材30が閉じられて上側のバスバ40を被覆状態とした状態が示されている。下側のカバー部材30は、上開きの動作に伴って、その接続片165bが上側のカバー部材30の接続片165aに嵌まり込み、開いた状態に保持されている。
【0096】
ロック部材162は、バスバ保持面20aに形成した凹部25に嵌まり込む凸部32bを含んでいる。カバー部材30の凸部32bをバスバ保持面20aの凹部25に嵌め込むことによって、カバー部材30がバスバ保持面20aに止め付けられる。
【0097】
そして、ロック部材162は、上側のカバー部材30をバスバ保持面20aに止め付けているときには、接続部材165を介して接続された上下のカバー部材30を、それらの自重に抗して回動させないように形成されている。
【0098】
また、ヒンジ部33は、上側のカバー部材30をバスバ保持面20aに止め付けていないときには、接続部材165を介して接続された上下のカバー部材30が、それらの自重によって下側のカバー部材30がバスバ保持面20aに向かう方向に回動することを許容するように形成されている。上側のヒンジ部33は、上側のカバー部材30が単独の場合には、上側のカバー部材30がその自重によって回動することがないように設定するのが好ましい。上側のカバー部材30は下開きであるので、自重によって回動しなければ、被覆状態を維持できるからである。下側のヒンジ部33は、下側のカバー部材30がその自重によってバスバ保持面20aに向かう方向に回動することを許容するように形成するのが好ましい。下側のカバー部材30は上開きであるので、自重によって回動することを許容することにより、被覆状態を維持できるからである。
【0099】
ロック部材162およびヒンジ部33を上記のように構成することにより、接続部材165を介して上下のカバー部材30が接続されているときには、上下のカバー部材30は、次のような挙動を示す。図15に示すように、下側のカバー部材30は、下側のバスバ40を露出状態とし、上側のカバー部材30は、上側のバスバ40を被覆状態としている。下側のカバー部材30は開かれ、接続部材165を介して上側のカバー部材30に接続されている。
【0100】
上側のカバー部材30をロック部材162によってバスバ保持面20aに止め付けているときには、上下のカバー部材30は、それらの自重に抗して回動することはなく、下側のカバー部材30は開いた状態に保持される。この状態で、下側のバスバ40の締結作業を行う。このときの接続部材165は、下側のバスバ40の露出状態を保持する保持部材36としても機能する。
【0101】
下側のバスバ40を締結している際に、上側のカバー部材30のロック部材162を誤って外してしまったような場合には、上下のカバー部材30は、それらの自重によって、下側のカバー部材30がバスバ保持面20aに向かう方向に回動し、下側のカバー部材30が下側のバスバ40を被覆状態とする。このように、上側のカバー部材30を閉めていないと、下側のカバー部材30の開いた状態を保持できない。
【0102】
図示例とは逆に、上側のカバー部材30を開き、接続部材165を介して、下側のカバー部材30に接続する場合もある。下側のカバー部材30のロック部材162を外しても、上下のカバー部材30は、それらの自重によって、下側のカバー部材30がバスバ保持面20aに向かう方向に回動し、下側のバスバ40の被覆状態を維持している。したがって、上下に隣り合うカバー部材30は、上下に隣り合うバスバ40をともに露出状態に変更できない構造を有している。かかる構造によって、第6の実施形態と同様に、隣り合う電池モジュール50同士の短絡の発生を未然に防止することができる。
【0103】
本発明は、上述した実施態様に限定されるものではなく、本発明の技術的概念から逸脱することなく、種々様々な変更あるいは修正を実施することができるものである。
【0104】
例えば、電池モジュール50を2段5列に配列した電池モジュール群50aを図示したが、配列形態はこれに限定されるものではない。また、カバー部材30およびバスバ40が上下に隣り合う場合を図示したが、隣り合う位置関係はこの場合に限定されるものではない。本発明は、カバー部材30およびバスバ40が水平方向に隣り合うように電池モジュール50を積層した組電池10にも適用することができる。
【符号の説明】
【0105】
10 組電池、
20 バスバ保持プレート、
20a バスバ保持面、
21 貫通孔、
22 装着部位、
23 開口部、
24 保持爪、
24a ピン部、
25 凹部、
30 カバー部材、
31 収納部、
32 取り付け部、
32a 爪部、
32b 凸部、
32c ピン受け部、
33 ヒンジ部、
34 基部、
35 被覆部、
36 保持部材、
36a 第1突出片、
36b 第2突出片、
36c 凹状溝、
38a 第1突出片、
38b 第2突出片、
40 バスバ、
41 ボルト孔、
43 ボルト、
44 締結部(固定部)、
45 係合凹部、
50 電池モジュール、
50a 電池モジュール群、
51 冷却風流路、
100 薄型電池、
140、150 出力端子、
160 障壁部、
162 ロック部材、
165 接続部材、
165a、165b 接続片、
170 規制手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力端子を備える電池モジュールを複数配列してなる電池モジュール群と、
前記出力端子に固定され前記電池モジュール同士を電気的に接続するための複数の導電性のバスバと、
前記バスバを保持する絶縁性材から形成された板状のバスバ保持プレートと、
前記バスバ保持プレートの両面のうち前記電池モジュール群とは反対側のバスバ保持面に前記バスバごとに配置され、対応する前記バスバを被覆状態と露出状態とに変更可能な絶縁性のカバー部材と、を有してなる組電池。
【請求項2】
前記カバー部材は、対応する前記バスバを前記出力端子に固定するときには、対応する前記バスバを露出状態とし、対応する前記バスバ以外の他の前記バスバを前記出力端子に固定するときには、対応する前記バスバを被覆状態としていることを特徴とする請求項1
に記載の組電池。
【請求項3】
前記カバー部材は、前記バスバ保持プレートの前記バスバ保持面に対して着脱自在に取り付けられ、前記バスバ保持面に取り付けることにより対応する前記バスバを被覆状態とし、前記バスバ保持面から取り外すことにより対応する前記バスバを露出状態とすることを特徴とする請求項1に記載の組電池。
【請求項4】
前記カバー部材は、前記バスバ保持プレートの前記バスバ保持面に対してヒンジ部を介して回動自在に接続され、前記バスバ保持面に向かう方向に回動することにより対応する前記バスバを被覆状態とし、前記バスバ保持面から離反する方向に回動することにより対応する前記バスバを露出状態とすることを特徴とする請求項1に記載の組電池。
【請求項5】
少なくとも互いに隣り合う前記カバー部材のうち、一方のカバー部材が対応する前記バスバを露出状態としているときに、他方のカバー部材を対応するバスバを被覆状態とするように規制する規制手段を有することを特徴とする請求項1または請求項4に記載の組電
池。
【請求項6】
前記バスバのそれぞれは、前記出力端子に固定される一対の固定部を含み、
前記カバー部材は、対応する前記バスバにおける前記一対の固定部のそれぞれを個別に被覆状態と露出状態とに変更可能であることを特徴とする請求項1に記載の組電池。
【請求項7】
前記カバー部材は、前記バスバ保持プレートの前記バスバ保持面に対して取り付けられる基部と、前記基部に対して回動可能に接続され前記一対の固定部のそれぞれを個別に覆う一対の被覆部と、を有していることを特徴とする請求項6に記載の組電池。
【請求項8】
前記カバー部材は、前記基部を中心に前記基部の両側に前記一対の被覆部のそれぞれが配列されていることを特徴とする請求項7に記載の組電池。
【請求項9】
前記カバー部材は、対応する前記バスバの露出状態を保持する保持部材をさらに有していることを特徴とする請求項1に記載の組電池。
【請求項10】
前記カバー部材は、対応する前記バスバにおける前記一対の固定部の両者の露出状態を保持する保持部材をさらに有していることを特徴とする請求項6に記載の組電池。
【請求項11】
隣り合う前記カバー部材は、共働して、隣り合う前記バスバ同士の短絡に対して障壁となる障壁部を形成することを特徴とする請求項1に記載の組電池。
【請求項12】
隣り合う前記カバー部材が、隣り合う前記バスバをともに露出状態に変更できない構造を有することによって、前記障壁部が形成されていることを特徴とする請求項11に記載の組電池。
【請求項13】
前記カバー部材は、前記バスバ保持プレートの前記バスバ保持面に対してヒンジ部を介して回動自在に接続され、前記バスバ保持面に向かう方向に回動することにより対応する前記バスバを被覆状態とし、前記バスバ保持面から離反する方向に回動することにより対応する前記バスバを露出状態とし、
隣り合う前記カバー部材のうちの少なくとも一方の前記カバー部材における前記ヒンジ部が、隣り合う前記バスバの間に配置されていることを特徴とする請求項12に記載の組電池。
【請求項14】
前記カバー部材は、前記バスバ保持プレートの前記バスバ保持面に対してヒンジ部を介して回動自在に接続され、前記バスバ保持面に向かう方向に回動することにより対応する前記バスバを被覆状態とし、前記バスバ保持面から離反する方向に回動することにより対応する前記バスバを露出状態とし、
隣り合う前記カバー部材および隣り合う前記バスバは、上下に隣り合って配置され、
上下に隣り合う前記カバー部材のうちの少なくとも一方の前記カバー部材における前記ヒンジ部は、対応する前記バスバよりも上方の位置に配置され、前記カバー部材がその自重によってバスバ保持面に向かう方向に回動することを許容することを特徴とする請求項
12に記載の組電池。
【請求項15】
前記カバー部材は、前記バスバ保持プレートの前記バスバ保持面に対してヒンジ部を介して回動自在に接続され、前記バスバ保持面に向かう方向に回動することにより対応する前記バスバを被覆状態とし、前記バスバ保持面から離反する方向に回動することにより対応する前記バスバを露出状態とし、
隣り合う前記カバー部材および隣り合う前記バスバは、上下に隣り合って配置され、
上下に隣り合う前記カバー部材のそれぞれの前記ヒンジ部が、上下に隣り合う前記バスバの間に配置され、
上下に隣り合う前記カバー部材はさらに、
対応するバスバを露出状態とした上下いずれか一方のカバー部材を、対応するバスバを被覆状態とした他方のカバー部材と接続する接続部材と、
上側の前記カバー部材を前記バスバ保持面に止め付けておくためのロック部材と、を有し
前記ロック部材は、上側の前記カバー部材を前記バスバ保持面に止め付けているときには、前記接続部材を介して接続された上下の前記カバー部材を、それらの自重に抗して回動させず、
前記ヒンジ部は、上側の前記カバー部材を前記バスバ保持面に止め付けていないときには、前記接続部材を介して接続された上下の前記カバー部材が、それらの自重によって下側の前記カバー部材がバスバ保持面に向かう方向に回動することを許容することを特徴とする請求項12に記載の組電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−124177(P2012−124177A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−36526(P2012−36526)
【出願日】平成24年2月22日(2012.2.22)
【分割の表示】特願2006−351180(P2006−351180)の分割
【原出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】