説明

経路探索装置、経路探索方法、経路探索プログラムおよびコンピュータに読み取り可能な記録媒体

【課題】複数の施設を検索する場合であっても、適切な組合せを決定すること。
【解決手段】入力部101は、検索対象となる複数の施設に関する検索対象情報の入力を受け付ける。抽出部102は、入力された検索対象情報に基づいて、地図上の任意の検索領域を示す地図情報の中から、複数の施設に関する地点情報を抽出する。算出部103は、抽出された地点情報を用いて、複数の施設のうち少なくとも2以上の施設からなる組合せにおける施設間距離を算出する。決定部104は、算出された施設間距離に基づいて、検索対象情報に応じた検索結果となる2以上の施設からなる組合せを決定する。そして、生成部105は、決定された組合せとなった2以上の施設に関する地点情報を用いて、検索結果情報を生成し、出力部106は、検索結果情報を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、施設を検索する検索装置、検索方法、検索プログラムおよびコンピュータに読み取り可能な記録媒体に関する。ただし、この発明の利用は、上述した検索装置、検索方法、検索プログラムおよびコンピュータに読み取り可能な記録媒体には限られない。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両を目的地点まで誘導するカーナビゲーション装置は、設定された目的地点までにおける最適な経路を探索し、探索した経路について、地図表示や音声案内などの手段によって運転者に案内をおこなうことにより車両を目的地点まで誘導する(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−309595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術では、複数の施設を経由する経路を設定する場合、1つずつ施設を検索する構成であった。具体的には、たとえば、レストランとガソリンスタンドを経由する経路を設定する場合、立ち寄る順序にしたがって、片方のレストランを検索して立ち寄り地点とした後、もう片方であるガソリンスタンドを検索してつぎの立ち寄り地点としていた。したがって、複数の施設を経由する経路を設定する場合は、地点の設定に手間がかかってしまい、操作が煩雑になってしまうという問題が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる経路探索装置は、検索対象となる複数の施設に関する検索対象情報の入力を受け付ける入力手段と、前記入力手段によって受け付けられた前記検索対象情報に対応する複数の施設のうち、同一の敷地内に存在する複数の施設に関する地点情報を用いて経路を探索する探索手段と、を備え、前記探索手段は、前記同一の敷地内に存在する複数の施設間の距離が所定値以下であった場合には、当該複数の施設の地点情報をまとめて一つの目的地点とする経路を探索し、前記同一の敷地内に存在する複数の施設間の距離が所定値を超えていた場合には、当該複数の施設のうちのいずれか一つの地点情報を目的地点とする経路を探索し、前記探索手段によって前記複数の施設の地点情報をまとめて一つの目的地点とする経路が探索された場合には、当該目的地点に到達した時点で当該複数の施設に関する情報の各々を通知する通知手段を備えることを特徴とする。
【0006】
また、請求項2の発明にかかる経路探索方法は、入力手段と、探索手段と、通知手段と、を備えた経路探索装置が用いる経路探索方法であって、前記入力手段が、検索対象となる複数の施設に関する検索対象情報の入力を受け付ける入力工程と、前記探索手段が、前記入力工程によって受け付けられた前記検索対象情報に対応する複数の施設のうち、同一の敷地内に存在する複数の施設に関する地点情報を用いて経路を探索する探索工程と、を含み、前記探索工程は、前記同一の敷地内に存在する複数の施設間の距離が所定値以下であった場合には、当該複数の施設の地点情報をまとめて一つの目的地点とする経路を探索し、前記同一の敷地内に存在する複数の施設間の距離が所定値を超えていた場合には、当該複数の施設のうちのいずれか一つの地点情報を目的地点とする経路を探索し、前記通知手段が、前記探索工程によって前記複数の施設の地点情報をまとめて一つの目的地点とする経路が探索された場合には、当該目的地点に到達した時点で当該複数の施設に関する情報の各々を通知する通知工程を含むことを特徴とする。
【0007】
また、請求項3の発明にかかる経路探索プログラムは、請求項2に記載の経路探索方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0008】
また、請求項4の発明にかかるコンピュータに読み取り可能な記録媒体は、請求項3に記載の経路探索プログラムを記録したことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施の形態にかかる検索装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態にかかる検索装置の処理の内容を示すフローチャートである。
【図3】本実施例1にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本実施例1にかかるナビゲーション装置における検索条件指定画面の一例を示す説明図である。
【図5】本実施例1にかかるナビゲーション装置における検索結果の表示画面の一例を示す説明図である。
【図6】本実施例1にかかる検索結果であるA書店およびB珈琲の組合せの一例を示す説明図(その1)である。
【図7】本実施例1にかかる検索結果であるA書店およびB珈琲の組合せの一例を示す説明図(その2)である。
【図8】本実施例1にかかる検索結果であるA書店およびB珈琲の組合せの一例を示す説明図(その3)である。
【図9】本実施例1にかかるナビゲーション装置の処理の内容を示すフローチャートである。
【図10】本実施例2にかかるナビゲーション装置におけるA書店の検索結果の表示画面の一例を示す説明図である。
【図11】本実施例2にかかるナビゲーション装置におけるB珈琲の検索結果の表示画面の一例を示す説明図である。
【図12】本実施例2にかかるナビゲーション装置におけるA書店およびB珈琲の組合せの検索結果の表示画面の一例を示す説明図である。
【図13】本実施例3にかかる同一敷地内にある店舗情報を示す敷地データの一例を示す説明図である。
【図14】本実施例3にかかるナビゲーション装置における検索結果の表示画面の一例を示す説明図である。
【図15】本実施例4にかかるナビゲーション装置における立ち寄り地点の選択の一例を示す説明図である。
【図16】本実施例4にかかるナビゲーション装置における目的地点の設定の一例を示す説明図である。
【図17】本実施例4にかかるナビゲーション装置における駐車場の位置を利用した目的地点の設定の一例を示す説明図(その1)である。
【図18】本実施例4にかかるナビゲーション装置における駐車場の位置を利用した目的地点の設定の一例を示す説明図(その2)である。
【図19】本実施例4にかかるナビゲーション装置において検索される店舗と、店舗の提携する駐車場データの一例を示す説明図である。
【図20】本実施例4にかかるナビゲーション装置の店舗案内の一例を示す説明図である。
【図21】本実施例4にかかるナビゲーション装置の処理の内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる検索装置、検索方法、検索プログラムおよびコンピュータに読み取り可能な記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態)
(検索装置の機能的構成)
図1を用いて、本実施の形態にかかる検索装置の機能的構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかる検索装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0012】
図1において、検索装置100は、入力部101と、抽出部102と、算出部103と、決定部104と、生成部105と、出力部106と、判定部107と、から構成されている。
【0013】
入力部101は、検索対象となる複数の施設に関する検索対象情報の入力を受け付ける。検索対象情報は、たとえば、利用者が図示しない操作部を操作することによって入力される構成でもよく、検索対象となる施設名称や、施設のジャンルなどを含む情報である。
【0014】
具体的には、たとえば、入力部101は、検索対象情報を示す複数の施設のジャンルの入力を受け付けてもよい。また、入力部101は、たとえば、検索対象情報を示す複数の施設の名称の入力を受け付けたりする。
【0015】
また、入力部101は、後述する判定部107による判定結果に基づいて、2以上の施設からなる組合せの指定に関する入力を受け付けることとしてもよい。
【0016】
抽出部102は、入力部101によって入力された検索対象情報に基づいて、地図上の任意の検索領域を示す地図情報の中から、複数の施設に関する地点情報を抽出する。地点情報は、たとえば、図示しない記録媒体などに記録されており、その地点に関する詳細情
報、すなわち、位置情報や施設の名称などの属性情報や施設の出入口情報や駐車場情報などを含む情報である。
【0017】
また、抽出部102は、複数の施設のうち、任意の施設に関する地点情報を抽出した後、任意の各施設から最寄りとなる任意の施設とは異なる他の施設に関する地点情報を抽出することとしてもよい。すなわち、複数の施設について、それぞれ地点情報が無数にあっても、任意の施設の地点情報の数量より、他の施設の地点情報の数量が多くなることがなくなり、抽出部102の処理負荷を低減させることができる。
【0018】
算出部103は、抽出部102によって抽出された地点情報を用いて、複数の施設のうち少なくとも2以上の施設からなる組合せにおける施設間距離を算出する。具体的には、たとえば、算出部103は、各施設の位置情報を用いて、2以上の施設間の距離を算出する。
【0019】
決定部104は、算出部103によって算出された施設間距離に基づいて、検索対象情報に応じた検索結果となる複数の施設からなる組合せを決定する。具体的には、たとえば、決定部104は、施設間距離が所定の距離以下となる複数の施設からなる組合せを決定することとしてもよい。
【0020】
また、決定部104は、後述する判定部107による判定結果に基づいて、2以上の施設からなる組合せを決定することとしてもよい。具体的には、たとえば、判定部107によって、2以上の施設が同一の敷地内にあると判定された組合せを検索対象情報に応じた検索結果として決定することとしてもよい。また、決定部104は、入力部101によって入力された2以上の施設からなる組合せの指定に応じて、2以上の施設の組合せを決定してもよい。
【0021】
生成部105は、決定部104によって決定された組合せとなった2以上の施設に関する地点情報を用いて、検索結果情報を生成する。検索結果情報は、たとえば、決定された組合せを構成する施設の情報を含むこととしてもよい。
【0022】
具体的には、たとえば、生成部105は、決定部104によって決定された組合せとなった2以上の施設に関する地点情報を用いて、複数の施設を経由する経路情報を生成してもよい。
【0023】
より具体的には、たとえば、生成部105は、2以上の施設に共通して使用可能な駐車場までの経路情報を生成することとしてもよい。また、生成部105は、2以上の施設それぞれから所定の距離以内に位置する駐車場がある場合、駐車場までの経路情報を生成することとしてもよい。
【0024】
出力部106は、生成部105によって生成された検索結果情報を出力する。具体的には、たとえば、出力部106は、検索結果を利用者に報知するため、図示しない表示部や音声出力部に検索結果情報を出力する。
【0025】
判定部107は、算出部103によって算出された施設間距離が所定の距離以下となった場合、2以上の施設に関する地点情報を参照して、2以上の施設が同一の敷地内にあるか否かを判定する。具体的には、たとえば、判定部107は、2以上の施設が同一の建物や、複合施設にあるか否かを判定することとしてもよい。
【0026】
また、判定部107は、2以上の施設を示す表示データの形状によって、2以上の施設が同一の敷地内にあるか否かを判定することとしてもよい。
【0027】
(検索装置の処理の内容)
つぎに、本実施の形態にかかる検索装置100の処理の内容について説明する。図2は、本実施の形態にかかる検索装置の処理の内容を示すフローチャートである。図2のフローチャートにおいて、まず、入力部101によって、検索対象となる複数の施設に関する検索対象情報の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS201)。
【0028】
ステップS201において、検索対象情報の入力を受け付けるのを待って、受け付けた場合(ステップS201:Yes)は、抽出部102によって、ステップS201において入力された検索対象情報に基づいて、地図上の任意の検索領域を示す地図情報の中から、複数の施設に関する地点情報を抽出する(ステップS202)。
【0029】
つぎに、算出部103によって、ステップS202において抽出された地点情報を用いて、複数の施設のうち2以上の施設からなる組合せにおける施設間距離を算出する(ステップS203)。
【0030】
そして、決定部104によって、ステップS203において算出された施設間距離に基づいて、検索対象情報に応じた検索結果となる2以上の施設からなる組合せを決定する(ステップS204)。また、図2のフローチャートでは説明を省略するが、組合せの決定は、たとえば、判定部107による判定結果に基づいて、2以上の施設からなる組合せを決定することとしてもよい。
【0031】
つぎに、生成部105によって、ステップS204において決定された組合せとなった2以上の施設に関する地点情報を用いて、検索結果情報を生成する(ステップS205)。検索結果情報は、たとえば、決定された組合せを構成する施設の情報を含み、2以上の施設を経由する経路情報でもよい。
【0032】
そして、出力部106によって、ステップS205において生成された検索結果情報を出力し(ステップS206)、一連の処理を終了する。検索結果情報は、たとえば、検索結果を利用者に報知するため、図示しない表示部や音声出力部に検索結果情報を出力する構成でもよい。
【0033】
なお、本発明の検索装置、検索方法、検索プログラムおよびコンピュータに読み取り可能な記録媒体は、図1に示した検索装置100によって、その機能を実現することとしたが、検索装置100に限ることはなく、図1に示す機能部を備える構成とすれば、複数の装置であってもよい。各機能部を異なる装置として接続する場合、装置間の接続は、たとえば、有線、無線を問わず、Bluetooth(登録商標)などによって通信をおこなって接続することとしてもよい。
【0034】
以上説明したように、本実施の形態にかかる検索装置、検索方法、検索プログラムおよびコンピュータに読み取り可能な記録媒体によれば、複数の施設を検索する場合であっても、適切な組合せを決定することができ、利用者は、施設の選択の最適化を図ることができる。
【実施例1】
【0035】
以下に、本発明の実施例1について説明する。本実施例1では、たとえば、車両(四輪車、二輪車を含む)などの移動体に搭載されるナビゲーション装置によって、本発明の検索装置を実施した場合の一例について説明する。
【0036】
(ナビゲーション装置のハードウェア構成)
つぎに、図3を用いて、本実施例1にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成について説明する。図3は、本実施例1にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0037】
図3において、ナビゲーション装置300は、車両などの移動体に搭載されており、CPU301と、ROM302と、RAM303と、磁気ディスクドライブ304と、磁気ディスク305と、光ディスクドライブ306と、光ディスク307と、音声I/F(インターフェース)308と、スピーカ309と、入力デバイス310と、映像I/F311と、ディスプレイ312と、通信I/F313と、GPSユニット314と、各種センサ315と、を備えている。また、各構成部301〜315はバス320によってそれぞれ接続されている。
【0038】
まず、CPU301は、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラム、現在地点算出プログラム、経路探索プログラム、経路誘導プログラム、音声生成プログラム、表示制御プログラムなどの各種プログラムを記録している。また、RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。
【0039】
現在地点算出プログラムは、たとえば、後述するGPSユニット314および各種センサ315の出力情報に基づいて、車両の現在地点(ナビゲーション装置300の現在地点)を算出させる。
【0040】
経路探索プログラムは、後述する磁気ディスク305に記録されている地図情報などを利用して、出発地点から目的地点までの最適な経路を探索させる。ここで、最適な経路とは、目的地点までの最短(あるいは最速)経路や利用者が指定した条件に最も合致する経路などである。
【0041】
具体的には、たとえば、経路探索プログラムは、利用者によって入力される目的地点、出発地点、経由地点などに関する検索条件に応じて各地点を検索することによって、最適な経路を探索させることとなる。処理の詳細は、図9および図21を用いて説明するが、より具体的には、たとえば、経路探索プログラムは、利用者が立ち寄りたい経由地点(あるいは、目的地点)に関する店舗やジャンルなどの検索条件の入力を受け付け、検索条件に応じた経由地点を検索させる。そして、検索結果に応じて経路探索の指示を利用者から受け付けることによって、最適な経路を探索させることとしてもよい。
【0042】
経路誘導プログラムは、経路探索プログラムを実行することによって探索された誘導経路情報、現在地点算出プログラムを実行することによって算出された車両の現在地点情報、後述する磁気ディスク305から読み出された地図情報に基づいて、リアルタイムな経路誘導情報の生成をおこなわせる。経路誘導プログラムを実行することによって生成された経路誘導情報は、CPU301を介して音声I/F308や映像I/F311へ出力される。
【0043】
音声生成プログラムは、パターンに対応したトーンと音声の情報を生成させる。すなわち、経路誘導プログラムを実行することによって生成された経路誘導情報に基づいて、案内ポイントに対応した仮想音源の設定と音声ガイダンス情報の生成をおこなわせる。生成された音声ガイダンス情報は、CPU301を介して音声I/F308へ出力される。
【0044】
表示制御プログラムは、映像I/F311によってディスプレイ312に表示する地図情報やコンテンツの表示形式を決定させ、決定された表示形式によって地図情報やコンテンツをディスプレイ312に表示させる。
【0045】
磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク305は、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク305としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0046】
磁気ディスク305に記録される情報の一例として、経路探索・経路誘導などに用いる地図情報が挙げられる。地図情報は、建物、河川、地表面などの地物(フィーチャ)をあらわす背景データと、道路の形状をあらわす道路形状データとを有しており、ディスプレイ312の表示画面において2次元または3次元に描画される。
【0047】
なお、本実施例1では地図情報を磁気ディスク305に記録するようにしたが、後述する光ディスク307に記録するようにしてもよい。また、地図情報は、ナビゲーション装置300のハードウェアと一体に設けられているものに限って記録されているものではなく、ナビゲーション装置300外部に設けられていてもよい。その場合、ナビゲーション装置300は、たとえば、通信I/F313を通じて、ネットワークを介して地図情報を取得する。取得された地図情報はRAM303などに記憶される。
【0048】
光ディスクドライブ306は、CPU301の制御にしたがって光ディスク307に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク307は、光ディスクドライブ306の制御にしたがってデータの読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク307は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。また、この着脱自在な記録媒体として、光ディスク307のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0049】
音声I/F308は、音声出力用のスピーカ309に接続され、スピーカ309からは音声が出力される。
【0050】
入力デバイス310は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。
【0051】
映像I/F311は、ディスプレイ312と接続される。映像I/F311は、具体的には、たとえば、ディスプレイ312全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ312を表示制御する制御ICなどによって構成される。
【0052】
ディスプレイ312には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。このディスプレイ312は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。また、ディスプレイ312は、車両に複数備えられていてもよく、たとえば、運転者に対するものと後部座席に着座する搭乗者に対するものなどである。
【0053】
通信I/F313は、無線を介してネットワークに接続され、ナビゲーション装置300とCPU301とのインターフェースとして機能する。通信I/F313は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU301とのインターフェースとしても機能する。
【0054】
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F313は、たとえば、地上波デジタル放送やアナログテレビ放送やFMラジオなどを受信可能なチューナー、VICS(Vehicle Information and
Communication System:登録商標)/ビーコンレシーバ、無線ナビゲーション装置、およびその他のナビゲーション装置によって構成され、VICSセンターから配信される渋滞や交通規制などの道路交通情報を取得する。なお、VICSは登録商標である。
【0055】
GPSユニット314は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在地点を示す情報を出力する。GPSユニット314の出力情報は、後述する各種センサ315の出力値とともに、CPU301による車両の現在地点の算出に際して利用される。現在地点を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図情報上の1点を特定する情報である。
【0056】
各種センサ315は、車速センサや加速度センサ、角速度センサなどを含み、車両の位置や挙動を判断することが可能な情報を出力する。各種センサ315の出力値は、CPU301による車両の現在地点の算出や、速度や方位の変化量の測定などに用いられる。
【0057】
なお、本実施例1では、車両に搭載されたナビゲーション装置300による例について説明するが、利用者の携帯端末や、PC(パーソナル・コンピュータ)によって本発明の検索装置を実施するようにしてもよい。
【0058】
なお、図1に示した検索装置100が備える入力部101、抽出部102、算出部103、決定部104、生成部105、出力部106、判定部107は図3に示したナビゲーション装置300におけるROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU301が所定のプログラムを実行し、ナビゲーション装置300における各部を制御することによってその機能を実現する。
【0059】
すなわち、本実施例1のナビゲーション装置300は、ナビゲーション装置300おける記録媒体としてのROM302に記録されている表示制御プログラムを実行することにより、図1に示した検索装置100が備える機能を、図2に示した手順で実行することができる。
【0060】
(検索条件指定の概要)
つぎに、図4を用いて、本実施例1にかかるナビゲーション装置300における検索条件指定の概要について説明する。図4は、本実施例1にかかるナビゲーション装置における検索条件指定画面の一例を示す説明図である。
【0061】
図4において、検索条件指定画面400は、検索店舗群401と、選択ボックス402と、OKボタン403と、から構成されており、たとえば、図3に示したディスプレイ312などによって利用者に対して表示される。
【0062】
検索店舗群401は、検索候補となる地点の店舗などを複数示している。具体的には、たとえば、利用者が検索したい店舗の名称が示されており、図4では、A書店、B珈琲、C電器、Dレコード、E靴店、Fシューズなどである。これらの店舗は、たとえば、チェーン店でもよく、地図上に複数存在する構成でもよい。
【0063】
選択ボックス402は、利用者から、検索店舗群401に示された各検索候補となる地点の店舗の選択を受け付ける。具体的には、たとえば、利用者がタッチパネルなどを操作することによって選択を受け付けることとしてもよく、図4では、A書店およびB珈琲が選択されている。また、図4の説明では、選択ボックス402によって2つの検索候補となる地点の店舗の選択を受け付ける構成としたが、1つでもいいし、3つ以上でもよい。
【0064】
OKボタン403は、利用者から、検索候補となる地点の店舗の選択の完了を受け付ける。すなわち、利用者は、検索店舗群401の中から選択ボックス402によって検索したい店舗名を選択し、OKボタン403を選択することで、ナビゲーション装置300によって検索したい店舗が検索されることとなる。
【0065】
なお、図4の説明では、検索条件として、利用者が検索店舗群401から検索候補となる地点の店舗を選択することとしたが、その他、検索候補となる地点のジャンルを選択したり、店舗およびジャンルを選択したりしてもよい。すなわち、検索候補のとなる地点のキーワードであれば何でもよく、様々な組合せを選択できる構成としてもよい。また、検索条件は、たとえば、入力デバイス310などを操作することによって、店舗の名称やジャンル名などを入力することとしてもよい。具体的には、たとえば、ジャンルの組合せを選択して検索する場合、公共駐車場および映画館の組合せを選択することで、公共駐車場が近くにある映画館を検索することができ、トイレおよび公園の組合せを選択することで、トイレが近くにある公園またはトイレのある公園を検索することが可能となる。
【0066】
(検索結果の概要)
つづいて、図5〜図8を用いて、本実施例1にかかるナビゲーション装置300における検索結果の概要について説明する。図5は、本実施例1にかかるナビゲーション装置における検索結果の表示画面の一例を示す説明図である。
【0067】
図5において、検索結果表示画面500には、地図上に、図4に示した検索条件に応じて検索されたA書店501と、B珈琲502と、A書店501およびB珈琲502間の店舗間距離503と、自車位置510と、が示されている。
【0068】
具体的には、たとえば、ナビゲーション装置300は、図4で利用者によって選択された検索したい店舗であるA書店501およびB珈琲502について、ナビゲーション装置300が搭載された車両の自車位置510から所定の範囲の地図上を検索する。そして、ナビゲーション装置300は、A書店501およびB珈琲502間の店舗間距離503を算出するとともに、検索結果を検索結果表示画面500として表示する構成である。なお、図5の説明では検索したい店舗の名称であるA書店501およびB珈琲502についての検索結果について説明するが、検索したい店舗の名称の代わりに検索したいジャンルを選択する場合、たとえば、「書店」および「喫茶店」などのジャンルを選択することにより、A書店501以外の書店やB珈琲以外の喫茶店もA書店501およびB珈琲502とあわせて検索および表示されることとなる。また、検索したいジャンルである「書店」および検索したい店舗の名称のB珈琲のように、ジャンルと店舗の名称との組合せによる選択をしてもよい。
【0069】
ここで、検索した店舗に利用者が立ち寄る(経由地点とする)場合、遠距離に存在するA書店501およびB珈琲502を選択して移動することは非効率的である。本実施例1では、ナビゲーション装置300は、店舗間距離503が所定値以下となるA書店501およびB珈琲502の組合せを検索結果として出力する構成である。
【0070】
なお、図示はしないが、検索条件によって3つの店舗を検索する場合は、たとえば、利用者によって選択された3つの検索したい店舗について、ナビゲーション装置300が搭載された車両の自車位置から所定の範囲の地図上を検索する。つぎに、ナビゲーション装置300は、3つの店舗における各店舗間距離を算出する。
【0071】
そして、3つの各店舗間の距離のうち2つ(または3つ)が、共に所定値以下となる組合せを検索結果として出力することとしてもよい。また、4つ以上の店舗でも同様にして、4つの各店舗間の距離のうち3つ(または4,5,6)が、共に所定値以下となる組合
せを検索結果として出力することとしてもよい。
【0072】
あるいは、3つの店舗を検索する場合は、たとえば、3つの店舗のうちいずれか1つの店舗を検索し、いずれか1つの店舗から所定値以下の距離にある、いずれか1つの店舗とは異なる他の店舗を検索する。そして、いずれか1つの店舗および他の店舗から所定値以下の距離にある、いずれか1つの店舗および他の店舗とは異なる別の店舗を検索することとしてもよい。
【0073】
このように、1つずつ店舗を検索することによって、検索数を低減させることで検索処理の効率化を実現でき、特に、最初に検索する店舗が少ない場合に効果が向上することとなる。また、店舗を1つずつ検索する代わりに、2つの店舗の組合せを検索して、当該組合せから所定値以下の距離にある店舗を検索する構成でもよい。
【0074】
図6は、本実施例1にかかる検索結果であるA書店およびB珈琲の組合せの一例を示す説明図(その1)である。図6において、検索結果表示画面600には、店舗間距離503が所定値以下となるA書店501およびB珈琲502の組合せが示されている。
【0075】
図7は、本実施例1にかかる検索結果であるA書店およびB珈琲の組合せの一例を示す説明図(その2)である。図7において、検索結果表示画面700は、図6に示した地図表示の代わりに、店舗間距離503が所定値以下となるA書店501およびB珈琲502の組合せと、現在地点からA書店501およびB珈琲502の組合せまでの方向(たとえば、図中では矢印)と、A書店501およびB珈琲502の組合せまでの距離と、が示されている。
【0076】
ここで、A書店501およびB珈琲502の組合せまでの距離は、たとえば、現在地点と、A書店501およびB珈琲502間を結ぶ直線における中間点と、の間の距離でもよい。あるいは、A書店501およびB珈琲502の組合せまでの距離を表示する代わりに、A書店501までの距離と、B珈琲502までの距離をあわせて表示することとしてもよい。
【0077】
図8は、本実施例1にかかる検索結果であるA書店およびB珈琲の組合せの一例を示す説明図(その3)である。図8において、検索結果表示画面800は、店舗間距離503が所定値以下となるA書店501およびB珈琲502の組合せのみならず、現在地点からA書店501までの距離と、A書店501に対して最寄りのB珈琲502までの距離と、をあわせて表示している。
【0078】
なお、図8の説明では、現在地点からA書店501までの距離を表示することとしているが、現在地点からの距離は、検索対象となったA書店501およびB珈琲502のうちいずれか一つであればよい。
【0079】
(ナビゲーション装置300の処理の内容)
つぎに、図9を用いて、本実施例1にかかるナビゲーション装置300の処理の内容について説明する。図9は、本実施例1にかかるナビゲーション装置の処理の内容を示すフローチャートである。図9のフローチャートにおいて、まず、入力デバイス310によって、検索条件の指定を受け付けたか否かを判断する(ステップS901)。検索条件の指定は、たとえば、利用者から入力を受け付けることとしてもよく、タッチパネル式のディスプレイ312の操作によって、利用者が検索したい店舗情報の入力を受け付ける構成でもよい。
【0080】
ステップS901において、検索条件の指定を受け付けるのを待って、受け付けた場合
(ステップS901:Yes)は、CPU301によって、地図情報の中からステップS901において指定された店舗を検索する(ステップS902)。
【0081】
そして、CPU301によって、ステップS902において検索された店舗における店舗間距離503を算出する(ステップS903)。具体的には、たとえば、店舗間距離503の算出は、ステップS902において算出された店舗の地点に関する詳細情報を用いて、異なる種類の店舗間距離503を算出することとしてもよい。より具体的には、たとえば、図4〜図8に示したA書店501と、B珈琲502との距離を算出することとしてもよい。
【0082】
つぎに、CPU301によって、ステップS903において算出された店舗間距離503と、所定の距離とを比較することによって、店舗間距離503が所定の距離以下となる組合せを特定する(ステップS904)。換言すれば、A書店501およびB珈琲502の組合せのうち、近接する組合せを特定することとなる。
【0083】
そして、ディスプレイ312によって、ステップS904において特定された組合せを用いて、ステップS901において指定された検索条件に応じた検索結果を表示して(ステップS905)、一連の処理を終了する。
【0084】
以上説明したように、本実施例1にかかるナビゲーション装置によれば、複数の店舗を検索しても、店舗間の距離の近い組合せを検索結果として出力できるため、利用者は、迷うことなく最適な組合せを選択することができる。
【実施例2】
【0085】
つぎに、本発明の実施例2について説明する。本実施例2では、前述の実施例1で説明したナビゲーション装置300による店舗の検索について、複数の店舗を同時に検索せずに、1つずつ検索する場合について説明する。なお、本実施例2にかかるナビゲーション装置300の機能的構成については図3、検索条件指定の概要については図4とそれぞれほぼ同様であるため説明を省略する。
【0086】
(検索結果の概要)
図10〜図12を用いて、本実施例2にかかるナビゲーション装置300における検索結果の概要について説明する。本実施例2にかかるナビゲーション装置300の検索は、実施例1における図4〜図8に示したA書店501とB珈琲502の検索について、A書店501を検索してからB珈琲502を検索して、所定の距離以下となる組合せを特定する場合について説明する。
【0087】
図10は、本実施例2にかかるナビゲーション装置におけるA書店の検索結果の表示画面の一例を示す説明図である。図10において、検索結果表示画面1000には、自車位置1010と、A書店1001(1001a,1001b,1001c,1001d)と、が示されている。
【0088】
すなわち、検索結果表示画面1000には、ナビゲーション装置300によって、自車位置1010周辺の地図上に存在するA書店1001(1001a,1001b,1001c,1001d)を検索した検索結果が示されている。
【0089】
図11は、本実施例2にかかるナビゲーション装置におけるB珈琲の検索結果の表示画面の一例を示す説明図である。図11において、検索結果表示画面1100には、自車位置1010と、A書店1001(1001a,1001b,1001c,1001d)と、A書店1001(1001a,1001b,1001c,1001d)から最寄りのB
珈琲1101(1101a,1101b,1101c,1101d)と、が示されている。
【0090】
すなわち、検索結果表示画面1100には、ナビゲーション装置300によって、A書店1001(1001a,1001b,1001c,1001d)の検索後、最寄りのB珈琲1101(1101a,1101b,1101c,1101d)をそれぞれ検索した検索結果が示されている。
【0091】
図12は、本実施例2にかかるナビゲーション装置におけるA書店およびB珈琲の組合せの検索結果の表示画面の一例を示す説明図である。図12において、検索結果表示画面1200には、自車位置1010と、A書店1001a,1001dと、B珈琲1101a,1101dと、が示されている。
【0092】
すなわち、検索結果表示画面1200には、ナビゲーション装置300によって、店舗間距離503が所定距離以下であるA書店1001aおよびB珈琲1101a、A書店1001dおよびB珈琲1101dの組合せがそれぞれ検索結果として示されている。
【0093】
なお、本実施例2にかかるナビゲーション装置300の処理の内容は、図9に示したフローチャートにおけるステップS902について、店舗を検索する際に、A書店1001を検索してから、検索されたA書店1001に最寄りのB珈琲1101を検索することとなる。また、A書店1001を検索してから、検索されたA書店1001に最寄りのB珈琲1101を検索する代わりに、B珈琲1101を検索してから、検索されたB珈琲1101に最寄りのA書店1001を検索することとしてもよい。
【0094】
このように、複数の種類の店舗であっても、1つの種類ごとに検索すれば、最初に検索する店舗以外の種類の店舗の検索数は、最初に検索した店舗の数より多くなることはない。すなわち、最初に検索する店舗が少ない場合に、より検索処理の負荷を低減させることができる。
【0095】
以上説明したように、本実施例2にかかるナビゲーション装置によれば、複数の種類の店舗を検索する場合であっても、異なる種類の店舗の組合せは、最初に検索した店舗数内に抑制することができ、検索処理の負荷の低減を図ることができる。
【実施例3】
【0096】
つぎに、本発明の実施例3について説明する。本実施例3では、前述の実施例1および実施例2で説明したナビゲーション装置300による店舗の検索について、同一の敷地内にある店舗の組合せを検索する場合について説明する。なお、本実施例3にかかるナビゲーション装置300の機能的構成については図3、検索条件指定の概要については図4とそれぞれほぼ同様であるため説明を省略する。
【0097】
(敷地データの概要)
まず、図13を用いて、本実施例3にかかる同一敷地内にある店舗情報を示す敷地データについて説明する。図13は、本実施例3にかかる同一敷地内にある店舗情報を示す敷地データの一例を示す説明図である。
【0098】
図13において、敷地データ1300は、複合施設ごとに、それぞれの複合施設が有する店舗情報を対応付けている。すなわち、ナビゲーション装置300は、敷地データ1300を参照することによって、図4に示した検索条件によって指定された店舗を有する複合施設を検索する構成でもよい。具体的には、たとえば、図13では、A書店およびB珈琲を含む複合施設は、WヒルズやYセンターとなる。
【0099】
また、敷地データ1300を参照する代わりに、検索した各店舗を示す地点情報から、各店舗の住所が同一である場合に同一の敷地内(建物内)にあることとしてもよい。あるいは、各店舗の地点情報から、共通の駐車場を有する店舗である場合に、同一の敷地内(建物内)であることとしてもよい。さらに、検索した各店舗を地図上に表示する建物データを参照することによって、同一の形状の建物データとなる店舗の組合せは、同一の敷地内(建物内)であることとしてもよい。
【0100】
また、検索された店舗の組合せが、同一の敷地内(建物内)にあるか否かの判断は、各店舗間の位置関係に基づいて判断することとしてもよい。
【0101】
図14は、本実施例3にかかるナビゲーション装置における検索結果の表示画面の一例を示す説明図である。図14において、検索結果表示画面1400には、自車位置1410と、店舗間距離1403(1403a,1403b)となるA書店1401(1401a,1401b)およびB珈琲1402(1402a,1402b)と、が示されている。
【0102】
A書店1401(1401a,1401b)およびB珈琲1402(1402a,1402b)における店舗間距離1403(1403a,1403b)は、所定の距離以下である。ここで、図14に示すように、A書店1401aおよびB珈琲1402aの間には道路が存在しており同一の敷地内(建物内)ではないこととし、A書店1401bおよびB珈琲1402bの間には道路が存在しておらず同一の敷地内(建物内)であることとしてもよい。このように、近接する店舗間に存在する道路の有無によって、同一の敷地内(建物内)か否かを判断してもよい。
【0103】
なお、本実施例3にかかるナビゲーション装置300の処理の内容は、図9に示したフローチャートにおけるステップS903およびステップS904について、店舗間距離1403を算出して所定の距離と比較した後、店舗間距離1403が所定の距離以下である店舗同士が同一の敷地内(建物内)か否かを判断することとすればよい。
【0104】
以上説明したように、本実施例3にかかるナビゲーション装置によれば、同一の敷地内(建物内)に存在する店舗の組合せを容易に特定できる。同一の敷地内(建物内)に存在する店舗の組合せを特定することで、利用者は、効率的に利用できる店舗の組合せを知ることができる。
【実施例4】
【0105】
つぎに、本発明の実施例4について説明する。本実施例4では、前述の実施例1〜実施例3で説明したナビゲーション装置300によって検索された店舗について、経路探索をおこなう場合について説明する。なお、本実施例4にかかるナビゲーション装置300の機能的構成については図3とほぼ同様であるため説明を省略する。
【0106】
具体的には、たとえば、ナビゲーション装置300は、利用者からの検索条件に応じてA書店およびB珈琲が検索された場合、片方を立ち寄り地点、残りの片方を目的地点に設定して経路を探索する。なお、本実施例4の説明では2つの店舗について、立ち寄り地点、目的地点として説明するが、3つ以上の店舗の場合であっても、複数の立ち寄り地点について、経由する順序などを設定して経路を探索することとしてもよい。
【0107】
ここで、A書店およびB珈琲の組合せが複数検索された場合、ナビゲーション装置300によって経路を探索する組合せを選択してもよい。ナビゲーション装置300による選択は、たとえば、車両の現在地点から最も近い場所に存在する店舗を有する組合せを選択
したり、現在地点から、A書店を経由してB珈琲に到達する場合と、B珈琲を経由してA書店に到達する場合と、の所要時間や距離を比較することによって、最適な経路を選択したりしてもよい。
【0108】
また、A書店およびB珈琲の組合せが複数検索された場合、利用者によって選択する構成でもよい。具体的には、たとえば、利用者は、図15に示すような選択画面を操作することによってA書店およびB珈琲の組合せを選択できる。
【0109】
図15は、本実施例4にかかるナビゲーション装置における立ち寄り地点の選択の一例を示す説明図である。図15において、選択画面1501は、ナビゲーション装置300による検索結果に示されるA書店およびB珈琲の組合せを選択する画面である。
【0110】
そして、選択画面1501によって、複数の組合せのうち、一の組合せが選択されると、先に立ち寄る店舗を選択する選択画面1502が表示される。ここで、図15では、B珈琲△△店を立ち寄り地点として経由して、A書店△△店を目的地点とする選択がされている。
【0111】
その後、目的地点設定画面1503には、立ち寄り地点1510と、目的地点1520と、が示されることとなる。
【0112】
また、本実施例4において、ナビゲーション装置300によって検索された店舗は、前述した実施例1〜実施例3に示すように、近接(あるいは同一敷地内)することとしてもよく、1つの目的地点とするか否かを、図16に示すように利用者に判断させることとしてもよい。
【0113】
図16は、本実施例4にかかるナビゲーション装置における目的地点の設定の一例を示す説明図である。図16において、選択画面1601は、図15に示した選択画面1501と同様な、ナビゲーション装置300による検索結果に示されるA書店およびB珈琲の組合せを選択する画面である。
【0114】
そして、選択画面1601によって、複数の組合せのうち、一の組合せが選択されると、目的地点を1つに設定するか否かを選択する選択画面1602が表示される。ここで、図16では、各店舗間の距離を示して、利用者が車両で移動するか否かを選択させることによって、目的地点設定画面1603あるいは目的地点設定画面1604が示されることとなる。
【0115】
具体的には、たとえば、A書店とB珈琲を車両で移動する場合は、目的地点1620を1つとせずに、片方を立ち寄り地点1610、残りの片方を目的地点1620に設定する構成でもよい。なお、立ち寄り地点1610と目的地点1620の選択は、図15と同様におこなってもよい。また、A書店とB珈琲を車両で移動しない場合は、目的地点1620を1つとする。
【0116】
なお、図16の説明では、目的地点1620を1つに設定するか否かを利用者に選択させることとしているが、選択画面1601によって選択された組合せの各店舗間の距離が所定値以下であった場合に、自動的に目的地点1620を1つとしてもよい。このようにすれば、選択画面1602を表示して、利用者の選択処理を受け付けなくても、迅速に目的地点設定画面1603あるいは目的地点設定画面1604を表示できる。
【0117】
また、図16に示すように、目的地点1620を1つに設定するか否かを利用者に選択させることによって、目的地点1620を1つに設定するかを判断する代わりに、図17
〜図19に示すように、選択画面1601によって選択された組合せの各店舗の有する駐車場あるいは各店舗の近隣の駐車場によって、判断することとしてもよい。
【0118】
図17は、本実施例4にかかるナビゲーション装置における駐車場の位置を利用した目的地点の設定の一例を示す説明図(その1)である。図17において、目的地点設定画面1700には、立ち寄り地点1710と、目的地点1720と、各店舗周辺の駐車場1701(1701a,1701b)と、が示されている。具体的には、たとえば、立ち寄り地点1710周辺の駐車場1701aと、目的地点1720周辺の駐車場1701bと、の間は、所定の距離以上の駐車場間距離1702があるため、目的地点1710を1つに設定していない。
【0119】
図18は、本実施例4にかかるナビゲーション装置における駐車場の位置を利用した目的地点の設定の一例を示す説明図(その2)である。図18において、目的地点設定画面1800には、目的地点1810と、各店舗周辺の駐車場1801と、が示されている。具体的には、たとえば、各店舗から所定距離1802,1803内に周辺の駐車場1801があるため、目的地点1810を1つに設定している。
【0120】
また、図17および図18に示すように、各店舗周辺の駐車場間距離や、駐車場との距離を利用する代わりに、各店舗を利用する際に駐車可能な駐車場データを用いることとしてもよい。
【0121】
図19は、本実施例4にかかるナビゲーション装置において検索される店舗と、店舗の提携する駐車場データの一例を示す説明図である。図19において、駐車場データ1900は、各駐車場ごとに、それぞれの駐車場が提携する店舗情報を対応付けている。すなわち、ナビゲーション装置300は、駐車場データを参照することによって、A書店およびB珈琲の提携している駐車場であるW駐車場と、Y駐車場と、を検索することができ、現在地点から所要時間や距離などを比較して最適な駐車場を目的地点としてもよい。
【0122】
また、複数の店舗を1つの目的地点とした場合、図20に示すように、ナビゲーション装置300は、目的地点到着時や目的地点到着の直前や経路案内開始時などに各店舗への案内をおこなうこととしてもよい。
【0123】
図20は、本実施例4にかかるナビゲーション装置の店舗案内の一例を示す説明図である。図20において、案内画面2000には、A書店およびB珈琲に共通の駐車場2010に到達した自車位置2001が示されており、それぞれの店舗までの距離が表示されている。利用者は、この距離を参照して、最初に利用する店舗を適切に選択することができる。
【0124】
案内画面2000を表示する代わりに、音声情報を出力することとしてもよい。具体的には、たとえば、「目的地点に到達しました。A書店○○店はここから10m西、B珈琲△△店はここから25m東です」という音声出力でもよい。また、1つの目的地とせずに、立ち寄り地点と目的地点を設定した場合でも、「A書店○○店に到着しました。つぎの目的地点B珈琲△△店は、ここから10m東です。」という音声出力をおこなってもよい。
【0125】
(ナビゲーション装置300の処理の内容)
つぎに、図21を用いて、本実施例4にかかるナビゲーション装置300の処理の内容について説明する。図21は、本実施例4にかかるナビゲーション装置の処理の内容を示すフローチャートである。図21のフローチャートにおいて、まず、入力デバイス310によって、経路探索の指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS2101)。経路
探索の指示は、たとえば、前述した実施例1における検索結果に応じて、利用者から入力を受け付けることとしてもよい。
【0126】
ステップS2101において、経路探索の指示を受け付けるのを待って、受け付けた場合(ステップS2101:Yes)は、CPU301によって、ステップS2101において指示された経路探索の目的地点が1つの目的地点となるか否かを判断する(ステップS2102)。具体的には、たとえば、1つの目的地点に関する判断は、ステップS2101においてA書店およびB珈琲への経路探索の指示を受け付けた場合、図16〜図19に示した方法によっておこなうこととしてもよい。
【0127】
ステップS2102において、1つの目的地点となる場合(ステップS2102:Yes)は、CPU301によって、目的地点までの経路を探索する(ステップS2104)。
【0128】
また、ステップS2102において、1つの目的地点とならない場合(ステップS2102:No)は、CPU301によって、立ち寄り地点を設定して(ステップS2103)、立ち寄り地点を経由して目的地点へ到達する経路を探索する(ステップS2104)。
【0129】
そして、ディスプレイ312やスピーカ309によって、探索結果を出力して(ステップS2105)、一連の処理を終了する。
【0130】
以上説明したように、本実施例4にかかるナビゲーション装置によれば、複数の店舗を検索した場合であっても、適切な組合せを選択して経路案内を行うことができ、利用者は、店舗の経由の最適化を図ることができる。
【0131】
なお、上述した実施例1〜4は、それぞれの機能を組み合わせて実施する構成でもよい。具体的には、たとえば、実施例1および実施例2を組み合わせることによって、検索する店舗の組合せ数を抑制しつつ、利用者は、最適な組合せを選択することができる。
【0132】
また、たとえば、実施例3および実施例4を組み合わせることによって、検索した店舗について同一の敷地内の組合せか、共通して利用可能な駐車場を有する組合せかを適切に選択することができる。
【0133】
以上説明したように、本発明によれば、複数の種類の施設を検索する場合であっても、適切な組合せを決定することができ、利用者は、施設の選択の最適化を図ることができる。
【0134】
また、複数の種類の店舗を検索しても、店舗間の距離の近い組合せを検索結果として出力できるため、利用者は、迷うことなく最適な組合せを選択することができる。
【0135】
また、複数の種類の店舗を検索する場合であっても、異なる種類の店舗の組合せは、最初に検索した店舗数内に抑制することができ、検索処理の負荷の低減を図ることができる。
【0136】
くわえて、同一の敷地内(建物内)に存在する店舗の組合せを容易に特定できる。同一の敷地内(建物内)に存在する店舗の組合せを特定することで、利用者は、効率的に利用できる店舗の組合せを知ることができる。
【0137】
さらに、複数の店舗を検索した場合であっても、適切な組合せを選択して経路案内を行
うことができ、利用者は、店舗の経由の最適化を図ることができる。
【0138】
なお、本実施の形態で説明した検索方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【符号の説明】
【0139】
100 検索装置
101 入力部
102 抽出部
103 算出部
104 決定部
105 生成部
106 出力部
107 判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索対象となる複数の施設に関する検索対象情報の入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段によって受け付けられた前記検索対象情報に対応する複数の施設のうち、同一の敷地内に存在する複数の施設に関する地点情報を用いて経路を探索する探索手段と、を備え、
前記探索手段は、
前記同一の敷地内に存在する複数の施設間の距離が所定値以下であった場合には、当該複数の施設の地点情報をまとめて一つの目的地点とする経路を探索し、
前記同一の敷地内に存在する複数の施設間の距離が所定値を超えていた場合には、当該複数の施設のうちのいずれか一つの地点情報を目的地点とする経路を探索し、
前記探索手段によって前記複数の施設の地点情報をまとめて一つの目的地点とする経路が探索された場合には、当該目的地点に到達した時点で当該複数の施設に関する情報の各々を通知する通知手段を備えることを特徴とする経路探索装置。
【請求項2】
入力手段と、探索手段と、通知手段と、を備えた経路探索装置が用いる経路探索方法であって、
前記入力手段が、検索対象となる複数の施設に関する検索対象情報の入力を受け付ける入力工程と、
前記探索手段が、前記入力工程によって受け付けられた前記検索対象情報に対応する複数の施設のうち、同一の敷地内に存在する複数の施設に関する地点情報を用いて経路を探索する探索工程と、を含み、
前記探索工程は、
前記同一の敷地内に存在する複数の施設間の距離が所定値以下であった場合には、当該複数の施設の地点情報をまとめて一つの目的地点とする経路を探索し、
前記同一の敷地内に存在する複数の施設間の距離が所定値を超えていた場合には、当該複数の施設のうちのいずれか一つの地点情報を目的地点とする経路を探索し、
前記通知手段が、前記探索工程によって前記複数の施設の地点情報をまとめて一つの目的地点とする経路が探索された場合には、当該目的地点に到達した時点で当該複数の施設に関する情報の各々を通知する通知工程を含むことを特徴とする経路探索方法。
【請求項3】
請求項2に記載の経路探索方法をコンピュータに実行させることを特徴とする経路探索プログラム。
【請求項4】
請求項3に記載の経路探索プログラムをコンピュータに読み取り可能な状態で記録したことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−37531(P2012−37531A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244003(P2011−244003)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【分割の表示】特願2008−551983(P2008−551983)の分割
【原出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】