説明

経路検索システム、経路検索用情報処理装置及び経路検索方法

【課題】
公共交通手段の経路検索において混雑に関する情報を併せて提供することができ、公共交通手段の経路検索における複数の検索結果の中からユーザがより的確に経路を選択することが可能となる経路検索システムを提供する。
【解決手段】
経路検索システムは、経路検索サーバ20と、イベント検索サーバ30とを具備する。経路検索サーバ20は、情報端末10からの経路検索を要求する経路検索要求情報に基づいて、公共交通手段を用いた経路を検索する。イベント検索サーバ30は、検索された経路の周辺で行われるイベントに関するイベント情報を検索する。経路検索サーバ20は、検索された経路と、検索されたイベント情報とを情報端末(10)へ出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路検索システム、経路検索用情報処理装置及び経路検索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
出発地から目的地までの交通手段に関する情報を提供する経路検索サービスが知られている。例えば、目的地までの交通手段をユーザーが携帯電話で検索する場合、経路検索サービスは、最短経路、乗り換えが少ない経路、利用料金が少ない経路などの複数の経路を検索する。それら複数の経路を示す検索結果は、所要時間、費用、乗り換え/乗り継ぎのような情報に限られている。ユーザはそれらの検索結果の中から一つの経路を選択する。
【0003】
一方、交通手段の混雑具合は、その周辺で行われているイベント、例えばコンサートや野球により変化する。このようなイベントに関する情報は、参加者や関心のあるユーザしか知らないことが多い。そのため、選択した経路を利用したとき、集客イベントに伴う混雑に巻き込まれてしまう可能性がある。更に、イベントの内容によっては、自分と趣味・趣向が異なる多数の利用者と乗り合わせる可能性も有り、精神的な苦痛を受ける場合も考えられる。経路検索のとき、イベントに関する情報のような一時的な混雑情報を得ることが可能な技術が望まれる。
【0004】
特開2003−57057号公報に駐車場情報検索方法、駐車場情報検索システム及びプログラムが開示されている。この駐車場情報検索方法は、記憶段階と、入力段階と、検索段階と、経路検索段階と、所要時間演算段階と、出力段階とを備えたことを特徴とする。記憶段階は、駐車場の駐車場情報を記憶手段に記憶する。入力段階は、移動体通信機器の現在地の現在位置情報と、第1目的地の第1目的地情報及び第2目的地の第2目的地情報とを入力する。検索段階は、前記第1目的地の周辺にある駐車場の駐車場情報を前記記憶手段より検索する。経路検索段階は、前記現在地から前記駐車場までの第1経路に関する第1経路情報と、前記駐車場と前記第1目的地との間の往復の第2経路に関する第2経路情報と、前記駐車場から前記第2目的地までの第3経路に関する第3経路情報とによって構成される経路情報を検索する。所要時間演算段階は、前記第1経路と前記第2経路と前記第3経路との移動に要する所要時間に関する所要時間情報を演算する。出力段階は、前記経路検索段階において検索された全ての前記経路情報から、前記所要時間情報の所要時間が所定条件を満たしている同経路情報を選択し、その選択された前記経路情報に対応する前記駐車場の駐車場情報を前記移動体通信機器の出力部に出力する。
【0005】
【特許文献1】特開2003−57057号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、公共交通手段の経路検索においてユーザがより的確に経路を選択することが可能な経路検索システム、経路検索用情報処理装置及び経路検索方法を提供することにある。
【0007】
また、本発明の他の目的は、公共交通手段の経路検索において混雑に関する情報を併せて提供可能な経路検索システム、経路検索用情報処理装置及び経路検索方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に、発明を実施するための最良の形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の経路検索システムは、経路検索サーバ(20)と、イベント検索サーバ(30)とを具備する。経路検索サーバ(20)は、情報端末(10)からの経路検索を要求する経路検索要求情報に基づいて、公共交通手段を用いた経路を検索する。イベント検索サーバ(30)は、検索された経路の周辺で行われるイベントに関するイベント情報を検索する。経路検索サーバ(20)は、検索された経路に関する経路情報と、検索されたイベント情報とを情報端末(10)へ出力する。
ここで、イベント情報は、イベントの開催日、場所、時間、名称及び内容、参加人数のようなイベントそのものの内容に関する情報、参加者の駅利用率、乗客の参加者比率、混雑度のようなイベントに伴う公共交通手段に関する情報に例示される。
本発明により、時間や乗換回数、運賃の情報だけでなく、イベントに伴い想定される混雑情報も経路の候補と共に表示される。したがって、ユーザは、混雑情報をも考慮して経路を選択することができる。それにより、ユーザは、精神的な苦痛を受けることなく、快適に移動することができる。
【0010】
上記の経路検索システムにおいて、イベント検索サーバ(30)は、公共交通手段とイベント情報とを関連付けて格納するイベント情報データベース(35)を備えていても良い。
【0011】
上記の経路検索システムにおいて、イベント情報は、イベントへの予想参加人数、イベントの開催時間、イベントに関連した公共交通手段への予想利用人数、及びイベントに伴う公共交通手段の予想混雑率の少なくとも一つを含んでいても良い。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の経路検索用情報処理装置は、経路検索部(21)と、イベント検索部(31)とを具備する。経路検索部(21)は、情報端末(10)からの経路検索を要求する経路検索要求情報に基づいて、公共交通手段を用いた経路を検索する。イベント検索部(31)は、検索された経路の周辺で行われるイベントに関するイベント情報を検索する。経路検索部(21)は、検索された経路に関する経路情報と、検索されたイベント情報とを情報端末(10)へ出力する。
【0013】
上記の経路検索用情報処理装置において、公共交通手段とイベント情報とを関連付けて格納するイベント情報データベース(35)を更に備えていても良い。
【0014】
上記の経路検索用情報処理装置において、イベント情報は、イベントへの予想参加人数、イベントの開催時間、イベントに関連した公共交通手段への予想利用人数、及びイベントに伴う公共交通手段の予想混雑率の少なくとも一つを含んでいても良い。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の経路検索方法は、(a)情報端末(10)からの経路検索を要求する経路検索要求情報に基づいて、公共交通手段を用いた経路を検索するステップと、(b)検索された経路の周辺で行われるイベントに関するイベント情報を検索するステップと、(c)検索された経路に関する経路情報と、検索されたイベント情報とを情報端末(10)へ出力するステップとを具備する。
【0016】
上記の経路検索方法において、(b)ステップは、(b1)公共交通手段とイベント情報とを関連付けて格納するイベント情報データベース(35)を参照して、イベント情報を検索するステップを備えていても良い。
【0017】
上記の経路検索方法において、(b)ステップは、(b2)経路情報を情報端末(10)へ出力するステップと、(b3)情報端末(10)からの経路情報に対応するイベント情報を要求するイベント情報要求情報に基づいて、イベント情報を検索するステップとを備えていても良い。
【0018】
上記の経路検索方法において、イベント情報は、イベントへの予想参加人数、イベントの開催時間、イベントに関連した公共交通手段への予想利用人数、及びイベントに伴う公共交通手段の予想混雑率の少なくとも一つを含んでいても良い。
【0019】
上記課題を解決するために、本発明のプログラムは、(a)情報端末(10)からの経路検索を要求する経路検索要求情報に基づいて、公共交通手段を用いた経路を検索するステップと、(b)検索された経路の周辺で行われるイベントに関するイベント情報を検索するステップと、(c)検索された経路に関する経路情報と、検索されたイベント情報とを情報端末(10)へ出力するステップとを具備する経路検索方法をコンピュータに実行させる。
【0020】
上記のプログラムにおいて、(b)ステップは、(b1)公共交通手段とイベント情報とを関連付けて格納するイベント情報データベース(35)を参照して、イベント情報を検索するステップを備えていても良い。
【0021】
上記のプログラムにおいて、(b)ステップは、(b2)経路情報を情報端末(10)へ出力するステップと、(b3)情報端末(10)からの経路情報に対応するイベント情報を要求するイベント情報要求情報に基づいて、イベント情報を検索するステップとを備えていても良い。
【0022】
上記のプログラムにおいて、イベント情報は、イベントへの予想参加人数、イベントの開催時間、イベントに関連した公共交通手段への予想利用人数、及びイベントに伴う公共交通手段の予想混雑率の少なくとも一つを含んでいても良い。
【発明の効果】
【0023】
本発明により、公共交通手段の経路検索において混雑に関する情報を併せて提供することができる。そして、公共交通手段の経路検索における複数の検索結果の中からユーザがより的確に経路を選択することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の経路検索システム、経路検索用情報処理装置及び経路検索方法の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
【0025】
まず、本発明の経路検索システム(経路探索用情報処理装置)の実施の形態の構成について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の経路検索システムの実施の形態の構成を示すブロック図である。経路検索システム1は、経路検索サーバ20とイベント検索サーバ30とを具備する。経路検索サーバ20とイベント検索サーバ30と携帯通信端末10とは、通信ネットワーク40を介して双方向通信可能に接続されている。
【0026】
携帯通信端末10は、携帯型の情報処理装置であり、携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)、通信機能を有するPDA(Personal Digital Assistant)、通信機能を有するノートPC(Personal Computer)に例示される。携帯通信端末10は、プログラムとしての経路要求部11と表示部12とを備える。経路要求部11は、経路探索サーバ20へ経路検索を要求する経路検索要求情報を出力する。そして、経路探索サーバ20から経路検索結果を示す経路検索結果情報を受信する。表示部12は、経路検索結果情報を表示装置に表示する。通信ネットワークは、双方向通信可能な通信網であり、インターネットのような公共通信網に例示される。
【0027】
経路検索サーバ20は、ワークステーションやPCに例示される情報処理装置である。経路検索サーバ20は、プログラムとしての経路検索部21と、プログラム及びデータとしての経路データベース(DB)25を備える。
【0028】
経路DB25は、経路検索に必要な公共交通手段に関する情報を格納している。公共交通手段は、公営、私営の鉄道やバスに例示される。公共交通手段に関する情報は、書籍の時刻表に記載されている情報に例示される。
【0029】
経路検索部21は、携帯通信端末10からの経路検索要求情報に基づいて、経路DB25を参照して、公共交通手段を用いた少なくとも一つの経路を検索し、経路情報を生成する。経路情報は、検索された経路毎の出発駅、経由駅、到着駅、路線名、時間、運賃、乗換回数、などの情報に例示される。経路検索部21及び経路DB25を用いた経路検索は、従来知られた手法を使用できる。ただし、経路情報は、経路中の全ての駅(停留所を含む、以下同じ)を検索、抽出しておく。そして、経路検索部21は、検索された経路周辺で行われるイベント情報を要求するための経路イベント情報送信要求情報をイベント検索サーバ30へ出力する。経路イベント情報送信要求情報は、その経路情報又はその内の必要な情報を含む。更に、イベント検索サーバ30から検索されたイベント情報を取得し、経路情報とイベント情報とを含む経路検索結果情報を生成し、携帯通信端末10へ出力する。
【0030】
イベント検索サーバ30は、ワークステーションやPCに例示される情報処理装置である。イベント検索サーバ30は、プログラムとしてのイベント検索部31と、プログラム及びデータとしてのイベント情報データベース(DB)35を備える。イベント情報DB35は、公共交通手段とイベント情報とを関連付けて格納している。イベント情報は、イベントの名称、イベントの行われる場所、関連する駅、公共交通手段で予想される混雑度、などの情報に例示される。イベント検索部31は、経路情報に基づいて、イベント情報DB35を参照して、検索された経路の周辺で行われるイベントに関するイベント情報を検索する。イベント検索部31及びイベント情報DB35を用いたイベント情報検索は、経路情報に含まれる経路中の全ての駅と、イベント情報DB35の情報に含まれるイベントに関連付けられた駅とを比較することで、関連するイベント情報を検索する。そして、イベント検索部31は、検索されたイベント情報を経路検索サーバ20へ出力する。
【0031】
なお、経路検索サーバ20とイベント検索サーバ30とは、同一のサーバであっても良い。
【0032】
図2は、イベント情報DB35を示す表である。イベント情報DB35は、公共交通手段とイベント情報とを関連付けて格納している。公共交通手段は、イベントの開催される鉄道の路線やバスの路線などを示す路線35−2、及び、イベントの開催される場所の最寄り駅を示す駅35−3に例示される。イベント情報は、イベントの開催される日付35−1、イベントの名称及び内容を示すイベント35−4、イベントの開催される場所35−5、イベントの開催される時間35−6、イベントに参加することが予想される参加人数(観客数)35−7、イベント予想参加者の内の駅を利用することが予想される割合としての駅利用率35−8、公共交通手段の乗客に占めるイベント参加者の予想される割合としての参加者比率(又は予想利用人数)35−9、公共交通手段の乗客の予測される混雑度35−10などに例示される。混雑度35−10はイベントの有る無しに関わらず含まれていても良い。
【0033】
なお、イベント情報DB35に載せるイベントとしては、公共交通手段の混雑具合に影響を与えるような参加人数の多いイベントとすることが好ましい。例えば、混雑率が20%以上増加するイベントである。そうすることで、イベント情報DB35の容量を抑えることができるほか、イベント情報の検索時間の短縮や、携帯通信端末10の表示装置に一度に表示するイベント情報を少なくすることができる。
【0034】
図3は、経路探索結果情報50を示す表である。経路探索結果情報50は、経路情報とイベント情報とを含む。経路情報は、経路50−1、出発駅50−2、経由駅50−3、到着駅50−4、所要時間50−5、運賃50−6、乗換回数50−7に例示される。この場合、経路情報は、抽出された経路中の全ての駅のうち、出発駅、経由駅、到着駅のみを含んでいる。イベント情報は、イベント内容情報50−8、場所情報50−9、混雑度情報50−10に例示される。ここで、イベント内容情報50−8は、イベント35−4を含み、時間35−6及び参加人数35−7を含んでいても良い。場所情報50−9は、場所35−5及び駅35−3に例示される。混雑度情報50−10は、混雑度35−10及び参加者比率35−9を含み、駅利用率35−8を含んでいても良い。
【0035】
次に、本発明の経路検索システムの実施の形態の動作(経路探索方法の実施の形態)について、添付図面を参照して説明する。図5は、本発明の経路検索システムの実施の形態の動作をフローチャートである。
【0036】
ユーザは、目的地までの経路検索をすべく、携帯通信端末10へ経路検索サーバ20(例示:インターネット上の経路検索サイト)へのアクセス要求を入力する。経路要求部11(例示:Webブラウザ)は、アクセス要求を取得する(ステップS1)。次に、経路要求部11は、アクセス要求の入力に基づいて、経路検索サーバ20へアクセスする(ステップS2)。経路検索サーバ20の経路検索部21は、経路探索用の入力画面としての入力画面情報を送信する(ステップS3)。ユーザは、表示部12により表示装置に表示された入力画面に、出発駅、到着駅、利用時間(出発駅での乗車時間、或いは到着駅への到着希望時間)等の入力を行う。経路要求部11は、入力された情報を含む経路検索要求情報を生成する(ステップS4)。そして、経路検索サーバ20へ出力する(ステップS5)。
【0037】
経路検索サーバ20の経路検索部21は、経路検索要求情報に基づいて、経路DB25を参照して、公共交通手段を用いた少なくとも一つの経路を検索し、経路情報を生成する(ステップS6)。そして、検索された各経路の周辺で現在又は所定の時間内(例示:12時間以内)に行われるイベント情報を要求する経路イベント情報送信要求情報を生成する(ステップS7)。経路イベント情報送信要求情報は、経路の途中の全ての駅の情報を含む。経路検索部21は、経路イベント情報送信要求情報をイベント検索サーバ30へ出力する(ステップS8)。
【0038】
イベント検索サーバ30のイベント検索部31は、経路情報に基づいて、イベント情報DB35を参照して、検索された経路の周辺のエリアで行われるコンサートや野球のようなイベントに関するイベント情報を検索し、抽出する(ステップS9)。そして、検索され、抽出されたイベント情報を経路検索サーバ20へ出力する(ステップS10)。
【0039】
経路検索部21は、取得したイベント情報と経路情報とを含む経路検索結果情報を生成する(ステップS11)。そして、携帯通信端末10へ経路検索結果情報を送信する(ステップS12)。携帯通信端末10の経路要求部11は表示部12により、経路検索結果情報を表示する(ステップS13)。
【0040】
以上のようにして経路探索が実行される。
【0041】
上記経路検索方法において、経路探索サーバ20は、携帯通信端末10からの経路探索要求に対して、経路情報とイベント情報とを一度に携帯通信端末10へ送信している。しかし、まず、経路情報のみを携帯通信端末10へ送信し、携帯通信端末10がその中から選択した経路についてのみ改めてイベント情報を検索し、携帯通信端末10へ送信するようにすることも可能である。その場合、イベント情報の検索にかかる時間を短縮することができる。
【0042】
図4は、携帯通信端末10の表示装置に表示された経路検索結果情報を示す概略図である。表示装置には、表示画面には、検索結果として、経路情報である「経路1(A駅→B駅)、時間:30分、運賃:500円、乗換:0回」が表示されている。更に、イベント情報である「イベント:XXグランプリ(格闘系)、場所:YYホール(E駅)、混雑度:150%(格闘技ファン比率90%)」が表示されている。
【0043】
「経路1(A駅→B駅)」は、出発駅50−2及び到着駅50−4に対応している。「時間:30分」は、所要時間50−5に対応している。「運賃:500円」は、運賃50−6に対応している。「乗換:0回」は、乗換回数50−7に対応している。「イベント:XXグランプリ(格闘系)」は、イベント内容情報50−8に対応している。「場所:YYホール(E駅)」は、場所情報50−9に対応している。「混雑度:150%(格闘技ファン比率90%)」は、混雑度情報50−10に対応している。
【0044】
他の経路情報として「経路2(A駅→C駅→B駅)、時間:35分、運賃:600円、乗換:1回」が表示されている。更に、イベント情報である「イベント:イベントによる影響なし、混雑度:100%」が表示されている。「C駅」は経由駅50−3に対応している。
【0045】
携帯通信端末10のユーザは、例えば、図4のような経路検索結果情報の表示を見て、時間を優先させたい場合には経路1を選択し、混雑を避けたい場合には経路2を選択することができる。すなわち、時間や乗換回数、運賃の情報だけでなく、想定される混雑情報も経路の候補と共に表示される。したがって、ユーザは、混雑情報をも考慮して経路を選択することができる。それにより、ユーザは、精神的な苦痛を受けることなく、快適に移動することができる。すなわち、公共交通手段の経路検索においてユーザがより的確に経路を選択することが可能となる。
【0046】
本発明の経路検索システムによれば、携帯通信端末10のユーザは、所要時間、運賃、乗換回数のみならず、想定される混雑も含めた総合的な情報を得ることで、最善の経路を選択することができる。とくに、混雑を嫌う乗客は別経路を優先する、時間帯をずらすなどして混雑を避けることができ、利用度の高いシステムであるといえる。
【0047】
また、検索サイト会社(経路検索サーバ20の設置者)は、携帯通信端末10のユーザに対してより親切な情報提供をすることで、ユーザの定着化、潜在的なユーザの獲得が見込める。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明の経路検索システムの実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、イベント情報DBを示す表である。
【図3】図3は、経路探索結果情報を示す表である。
【図4】図4は、携帯通信端末の表示装置に表示された経路検索結果情報を示す概略図である。
【図5】図5は、本発明の経路検索システムの実施の形態の動作をフローチャートである。
【符号の説明】
【0049】
1 経路検索システム
10 携帯通信端末
11 経路要求部
12 表示部
20 経路検索サーバ
21 経路検索部
25 経路データベース(DB)
30 イベント検索サーバ
31 イベント検索部
35 イベント情報データベース(DB)
35−1 日付
35−2 路線
35−3 駅
35−4 イベント
35−5 場所
35−6 時間
35−7 参加人数
35−8 駅利用率
35−9 参加者比率
35−10 混雑度
40 通信ネットワーク
50 経路探索結果情報
50−1 経路
50−2 出発駅
50−3 経由駅
50−4 到着駅
50−5 所要時間
50−6 運賃
50−7 乗換回数
50−8 イベント内容情報
50−9 場所情報
50−10 混雑度情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報端末からの経路検索を要求する経路検索要求情報に基づいて、公共交通手段を用いた経路を検索する経路検索サーバと、
前記検索された経路の周辺で行われるイベントに関するイベント情報を検索するイベント検索サーバと
を具備し、
前記経路検索サーバは、前記検索された経路に関する経路情報と、前記検索されたイベント情報とを前記情報端末へ出力する
経路検索システム。
【請求項2】
請求項1に記載の経路検索システムにおいて、
前記イベント検索サーバは、前記公共交通手段と前記イベント情報とを関連付けて格納するイベント情報データベースを備える
経路検索システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の経路検索システムにおいて、
前記イベント情報は、前記イベントへの予想参加人数、前記イベントの開催時間、前記イベントに関連した前記公共交通手段への予想利用人数、及び前記イベントに伴う前記公共交通手段の予想混雑率の少なくとも一つを含む
経路検索システム。
【請求項4】
情報端末からの経路検索を要求する経路検索要求情報に基づいて、公共交通手段を用いた経路を検索する経路検索部と、
前記検索された経路の周辺で行われるイベントに関するイベント情報を検索するイベント検索部と
を具備し、
前記経路検索部は、前記検索された経路に関する経路情報と、前記検索されたイベント情報とを前記情報端末へ出力する
経路検索用情報処理装置。
【請求項5】
請求項3に記載の経路検索用情報処理装置において、
前記公共交通手段と前記イベント情報とを関連付けて格納するイベント情報データベースを更に備える
経路検索用情報処理装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の経路検索用情報処理装置において、
前記イベント情報は、前記イベントへの予想参加人数、前記イベントの開催時間、前記イベントに関連した前記公共交通手段への予想利用人数、及び前記イベントに伴う前記公共交通手段の予想混雑率の少なくとも一つを含む
経路検索用情報処理装置。
【請求項7】
(a)情報端末からの経路検索を要求する経路検索要求情報に基づいて、公共交通手段を用いた経路を検索するステップと、
(b)前記検索された経路の周辺で行われるイベントに関するイベント情報を検索するステップと、
(c)前記検索された経路に関する経路情報と、前記検索されたイベント情報とを前記情報端末へ出力するステップと
を具備する
経路検索方法。
【請求項8】
請求項7又は8に記載の経路検索方法において、
前記(b)ステップは、
(b1)前記公共交通手段と前記イベント情報とを関連付けて格納するイベント情報データベースを参照して、前記イベント情報を検索するステップを備える
経路検索方法。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の経路検索方法において、
前記(b)ステップは、
(b2)前記経路情報を前記情報端末へ出力するステップと、
(b3)前記情報端末からの前記経路情報に対応する前記イベント情報を要求するイベント情報要求情報に基づいて、前記イベント情報を検索するステップと
を備える
経路検索方法。
【請求項10】
請求項7乃至9のいずれか一項に記載の経路検索方法において、
前記イベント情報は、前記イベントへの予想参加人数、前記イベントの開催時間、前記イベントに関連した前記公共交通手段への予想利用人数、及び前記イベントに伴う前記公共交通手段の予想混雑率の少なくとも一つを含む
経路検索方法。
【請求項11】
(a)情報端末からの経路検索を要求する経路検索要求情報に基づいて、公共交通手段を用いた経路を検索するステップと、
(b)前記検索された経路の周辺で行われるイベントに関するイベント情報を検索するステップと、
(c)前記検索された経路に関する経路情報と、前記検索されたイベント情報とを前記情報端末へ出力するステップと
を具備する
経路検索方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のプログラムにおいて、
前記(b)ステップは、
(b1)前記公共交通手段と前記イベント情報とを関連付けて格納するイベント情報データベースを参照して、前記イベント情報を検索するステップを備える
プログラム。
【請求項13】
請求項11又は12に記載のプログラムにおいて、
前記(b)ステップは、
(b2)前記経路情報を前記情報端末へ出力するステップと、
(b3)前記情報端末からの前記経路情報に対応する前記イベント情報を要求するイベント情報要求情報に基づいて、前記イベント情報を検索するステップと
を備える
プログラム。
【請求項14】
請求項11乃至13のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記イベント情報は、前記イベントへの予想参加人数、前記イベントの開催時間、前記イベントに関連した前記公共交通手段への予想利用人数、及び前記イベントに伴う前記公共交通手段の予想混雑率の少なくとも一つを含む
プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−277109(P2006−277109A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−92660(P2005−92660)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】