説明

結晶製造装置

【課題】高性能の発光ダイオードやLD等の光デバイスや電子デバイスを作製するための実用的な大きさのIII族窒化物結晶を成長させることの可能な結晶製造装置を提供する。
【解決手段】原料104を含む反応容器101と、原料104と反応して結晶を形成させる気体を反応容器101に供給する供給管108と、反応容器101の周囲に設けられた加熱用ヒーター110、111と、加熱用ヒーター110、111および反応容器101を覆う外側容器112とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IIII族窒化物結晶を製造する結晶製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、紫〜青〜緑色光源として用いられているInGaAlN系(III族窒化物)デバイスは、そのほとんどがサファイアあるいはSiC基板上にMOCVD法(有機金属化学気相成長法)やMBE法(分子線結晶成長法)等を用いた結晶成長により作製されている。サファイアやSiCを基板として用いる場合には、III族窒化物との熱膨張係数差や格子定数差が大きいことに起因する結晶欠陥が多くなる。このために、デバイス特性が悪く、例えば発光デバイスの寿命を長くすることが困難であったり、動作電力が大きくなったりするという問題がある。
【0003】
また、電子デバイスに応用した場合には、高濃度の結晶欠陥がリーク電流の経路となり、特性の悪化を招く。更に、二次元電子ガスを用いた電界効果トランジスタの場合には、次のような問題点もある。すなわち、トランジスタ構造内に欠陥が生じると格子緩和がなされる。GaN系ではピエゾ電界効果により、二次元電子ガスの閉じ込め効果が促進されるが、欠陥による格子緩和が生じると、この閉じ込め効果が低減する。この結果、二次元電子移動度が低減し、トランジスタ特性が悪化する。
【0004】
さらに、サファイア基板の場合には絶縁性であるために、従来の発光デバイスのように基板側からの電極取り出しが不可能であり、結晶成長した窒化物半導体表面側からの電極取り出しが必要となる。その結果、デバイス面積が大きくなり、高コストにつながるという問題がある。また、サファイア基板上に作製したIII族窒化物半導体デバイスは劈開によるチップ分離が困難であり、レーザダイオード(LD)で必要とされる共振器端面を劈開で得ることが容易ではない。このため、現在はドライエッチングによる共振器端面形成や、あるいはサファイア基板を100μm以下の厚さまで研磨した後に、劈開に近い形での共振器端面形成を行なっている。この場合にも、従来のLDのような共振器端面とチップ分離を単一工程で、容易に行なうことが不可能であり、工程の複雑化ひいてはコスト高につながる。
【0005】
この問題を解決するために、サファイア基板上にIII族窒化物半導体膜を選択横方向成長やその他の工程を行なうことで、結晶欠陥を低減させることが提案されている。
【0006】
例えば非特許文献1である「Japanese Journal of Applied Physics Vol.36 (1997) Part 2, No.12A, L1568-1571」(以下、第1の従来技術と称す)には、図9に示すようなレーザダイオード(LD)が示されている。図9のレーザダイオードは、MOVPE(有機金属気相成長)装置にてサファイア基板1上にGaN低温バッファ層2とGaN層3を順次成長した後に、選択成長用のSiO2マスク4を形成する。このSiO2マスク4は、別のCVD(化学気相堆積)装置にてSiO2膜を堆積した後に、フォトリソグラフィー,エッチング工程を経て形成される。次に、このSiO2マスク4上に再度、MOVPE装置にて20μmの厚さのGaN膜3を成長することで、横方向にGaNが選択成長し、選択横方向成長を行なわない場合に比較して結晶欠陥を低減させている。さらに、その上層に形成されている変調ドープ歪み超格子層(MD−SLS)5を導入することで、活性層6へ結晶欠陥が延びることを防いでいる。この結果、選択横方向成長および変調ドープ歪み超格子層を用いない場合に比較して、デバイス寿命を長くすることが可能となる。
【0007】
この第1の従来技術の場合には、サファイア基板上にGaN膜を選択横方向成長しない場合に比べて、結晶欠陥を低減させることが可能となるが、サファイア基板を用いることによる、絶縁性と劈開に関する前述の問題は依然として残っている。さらには、SiO2マスク形成工程を挟んで、MOVPE装置による結晶成長が2回必要となり、工程が複雑化するという問題が新たに生じる。
【0008】
また、別の方法として、例えば非特許文献2である「Applied Physics Letters, Vol.73,No.6, P832-834 (1998)」(以下、第2の従来技術と称す)には、GaN厚膜基板を応用することが提案されている。この第2の従来技術では、前述の第1の従来技術の20μmの選択横方向成長後に、H−VPE(ハイドライド気相成長)装置にて200μmのGaN厚膜を成長し、その後に、この厚膜成長したGaN膜を150μmの厚さになるように、サファイア基板側から研磨することにより、GaN基板を作製する。このGaN基板上にMOVPE装置を用いて、LDデバイスとして必要な結晶成長を順次行ない、LDデバイスを作製する。この結果、結晶欠陥の問題に加えて、サファイア基板を用いることによる絶縁性と劈開に関する前述の問題点を解決することが可能となる。
【0009】
しかしながら、第2の従来技術は、第1の従来技術よりもさらに工程が複雑になっており、より一層のコスト高となる。また、第2の従来技術の方法で200μmものGaN厚膜を成長させる場合には、基板であるサファイアとの格子定数差および熱膨張係数差に伴う応力が大きくなり、クラックが生じるという問題が新たに発生する。このため、大面積化が困難となり、一層のコスト上昇につながる。
【0010】
一方、非特許文献3である「Journal of Crystal Growth, Vol.189/190, p.153-158 (1998)」(以下、第3の従来技術と称す)には、GaNのバルク結晶を成長させ、それをホモエピタキシャル基板として用いることが提案されている。この技術は、1400〜1700℃の高温、および数10kbarもの超高圧の窒素圧力中で、液体GaからGaNを結晶成長させる手法となっている。この場合には、このバルク成長したGaN基板を用いて、デバイスに必要なIII族窒化物半導体膜を成長することが可能となる。従って、第1および第2の従来技術のように工程を複雑化させることなく、GaN基板を提供できる。
【0011】
しかしながら、第3の従来技術では、高温,高圧中での結晶成長が必要となり、それに耐えうる反応容器が極めて高価になるという問題がある。加えて、このような成長方法をもってしても、得られる結晶の大きさは高々1cm程度であり、デバイスを実用化するには小さ過ぎるという問題がある。
【0012】
この高温,高圧中でのGaN結晶成長の問題点を解決する手法として、非特許文献4である「Chemistry of Materials Vol.9 (1997) p.413-416」(以下、第4の従来技術と称す)には、Naをフラックスとして用いたGaN結晶成長方法が提案されている。この方法は、フラックスとしてのアジ化ナトリウム(NaN3)と金属Gaとを原料として、ステンレス製の反応容器(容器内寸法;内径=7.5mm、長さ=100mm)に窒素雰囲気で封入し、その反応容器を600〜800℃の温度で24〜100時間保持することにより、GaN結晶を成長させるものである。この第4の従来技術の場合には、600〜800℃程度の比較的低温での結晶成長が可能であり、容器内圧力も高々100kg/cm2程度と第3の従来技術に比較して圧力を低くできる点が特徴である。しかし、この方法の問題点としては、得られる結晶の大きさが1mmに満たない程度に小さい点である。この程度の大きさではデバイスを実用化するには第3の従来技術の場合と同様に小さすぎる。
【非特許文献1】Japanese Journal of Applied Physics Vol.36 (1997) Part 2, No.12A, L1568-1571
【非特許文献2】Applied Physics Letters, Vol.73,No.6, P832-834 (1998)
【非特許文献3】Journal of Crystal Growth, Vol.189/190, p.153-158 (1998)
【非特許文献4】Chemistry of Materials Vol.9 (1997) p.413-416
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、第1や第2の従来技術の問題点である工程を複雑化させることなく、第3の従来技術の問題点である高価な反応容器を用いることなく、かつ第3や第4の従来技術の問題点である結晶の大きさが小さくなることなく、高性能の発光ダイオードやLD等の光デバイスや電子デバイスを作製するための実用的な大きさのIII族窒化物結晶を成長させることが可能な結晶製造装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の結晶製造装置は、原料を含む反応容器と、前記原料と反応して結晶を形成させる気体を前記反応容器に供給する供給管と、前記反応容器の周囲に設けられた加熱用ヒーターと、前記加熱用ヒーターおよび前記反応容器を覆う外側容器とを備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記外側容器と前記反応容器との間の領域の圧力と、前記反応容器内の圧力との圧力差を減少させる圧力制御装置をさらに備えるように構成できる。
【0016】
また、本発明は、前記外側容器と前記反応容器との間の領域に、前記加熱用ヒーターを覆う断熱材をさらに備えるように構成できる。
【0017】
また、本発明は、前記外側容器と前記反応容器との間の領域にガスを供給するガス供給管をさらに備えるように構成できる。
【0018】
そして、前記原料と反応して結晶を形成させる気体は、前記外側容器と前記反応容器との間の領域に供給されるガスと同じガスで構成でき、さらに、前記原料と反応して結晶を形成させる気体は、窒素ガスを用いることができる。
【0019】
また、本発明は、前記反応容器の内部に配置され、前記原料を保持する成長容器をさらに備えるように構成できる。
【0020】
また、前記原料に接する領域は、前記原料に溶出しない材質で構成することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、III族窒化物の結晶成長が開始した後に、追加原料を供給するので、III族窒化物の結晶を用いたデバイスを作製することのできる程度の実用的な大きさまで、大きく成長させることが可能となる。しかも、実用的な大きさのIII族窒化物結晶(基板)を、第1や第2の従来技術のような複雑な工程を経ることなく、かつ第3の従来技術の問題点である高価な反応容器を用いることなく、作製することが可能となる。また、第1や第2の従来技術のような異種基板を用いた厚膜結晶成長ではないので、作製されたIII族窒化物結晶に含まれる結晶欠陥を大幅に低減することが可能となる。
【0022】
特に、本発明は、III族窒化物結晶が成長するために必要な窒素圧力と大気圧との差圧が生じる領域と、III族窒化物が成長するために必要な温度になる領域とが分離されているので、温度制御と圧力制御とを確実に行なうことができ、また、反応容器のコストを抑えることが可能となる。すなわち、III族窒化物が結晶成長する温度になる反応容器の領域には、その反応容器の内側および外側から任意の圧力をかけることが可能であり、そのため反応容器の材質がステンレス等の一般的な材質でも、肉厚を薄くすることが可能となり、低コストで結晶成長装置を実現することが可能となる。
【0023】
また、外側容器と反応容器の間に窒素を導入することにより、反応容器の結晶成長温度になる領域やヒーターの酸化を防止することが可能となり、結晶成長装置の長寿命化が可能となる。その結果、より一層の低コスト化が実現できる。
【0024】
また、原料と接する領域が原料およびそれらの生成物に溶出,混入しない材料で覆われているので、最終的に得られるIII族窒化物結晶への不純物の混入を抑制することが可能となり、高純度なIII族窒化物結晶を提供することが可能となる。
【0025】
また、本発明の製造装置を用いてIII族窒化物結晶を結晶成長することで、半導体デバイスを作製することが可能な程度の大きく、かつ結晶品質の高いIII族窒化物結晶を低コストで提供することが可能となる。
【0026】
また、本発明の製造装置を用いて製造したIII族窒化物結晶を用いて半導体デバイスを作製することで、高性能なデバイスを低コストで実現できる。すなわち、このIII族窒化物結晶は、前述のように、結晶欠陥が少ない高品質な結晶であり、このIII族窒化物を用いて、デバイスを作製し、あるいは、III族窒化物の薄膜結晶成長用の基板として用いて、薄膜成長からデバイス作製を行なうことで、高性能なデバイスを実現できる。
【0027】
また、本発明の製造装置を用いて製造したIII族窒化物結晶を用いて光デバイスを作製することで、高性能な光デバイスを低コストで実現できる。ここで言う高性能とは、例えば半導体レーザや発光ダイオードの場合には従来実現できていない高出力かつ長寿命なものであり、受光デバイスとしては、低雑音、長寿命なものである。
【0028】
また、本発明の製造装置を用いて製造したIII族窒化物結晶を用いて電子デバイスを作製することで、高性能な電子デバイスを低コストで実現できる。ここで言う高性能とは、例えば低雑音、高速動作、高温動作可能なものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る結晶成長装置の構成例を示す図(断面図)である。図1を参照すると、この結晶成長装置は、ステンレス製の閉じた形状の反応容器101内に、結晶成長を行なうための成長容器102が設けられている。
【0030】
また、反応容器101の内部空間107に窒素(N)ガスを充満させ、かつ反応容器101内の窒素(N)圧力を制御することが可能となるように、窒素供給管108が反応容器101を貫通して装着されている。窒素供給管108の一端は反応容器101の内部にあり、他端は反応容器101の外部で圧力制御装置109に接続されている。
【0031】
また、成長容器102から空間的に離れた上方には、III族金属(例えば、Ga(ガリウム))を供給するための金属供給管103が設けられている。
【0032】
金属供給管103および窒素供給管108が反応容器101と接している箇所は、溶接,メタルシール等で外部と空間的に遮断されている。なお、成長容器102,金属供給管103および窒素供給管108の材質はステンレスである。
【0033】
成長容器102内には、III族窒化物結晶の結晶成長開始時に、少なくとも、フラックス(例えば、金属NaあるいはNaを含む化合物(アジ化ナトリウムなど))とIII族金属(例えば、Ga(ガリウム))とが収容されている。また、金属供給管103の内部には、III族金属(例えば、Ga(ガリウム))104を貯えることのできる空間があり、その最下端には穴105が開けられており、また、金属供給管103の穴105とは反対の側の上端は、反応容器101の外部に位置し、所定のガス(例えば、窒素ガスあるいは不活性ガス)により圧力をかけることのできる加圧装置106が装着されている。すなわち、金属供給管103,穴105および成長容器102は、金属供給管103の上端の加圧装置106によって高圧ガス(例えば、窒素ガスあるいは不活性ガス)で圧力を制御することにより、最下端の穴105からIII族金属(例えば、Ga(ガリウム))104を成長容器102に滴下することが可能となる位置関係にある。
【0034】
また、図1の結晶成長装置には、反応容器101内にある成長容器102の温度と、金属供給管103のIII族金属(例えば、Ga(ガリウム))104が貯えられている領域の温度とを、任意の温度に制御することが可能となるように、加熱手段(110,111)が設けられている。ここで、加熱手段(110,111)は、反応容器101の外部の下部に位置している下部ヒーター110と、反応容器101側壁の外部に位置している側部ヒーター111とからなっている。これらのヒーター110,111は、温度制御機構(図示せず)により、反応容器101内にある成長容器102の温度と、金属供給管103のIII族金属(例えば、Ga(ガリウム))104が貯えられている領域の温度とを任意の温度に制御することが可能となっている。
【0035】
図1の結晶成長装置は、少なくともフラックス(例えば、金属NaあるいはNaを含む化合物)とIII族金属(例えば、Ga(ガリウム))と窒素あるいは窒素を含む化合物とを用いてIII族窒化物結晶を結晶成長させるものであって、温度と圧力とが制御される反応容器101内で、III族窒化物結晶(例えばGaN結晶)の結晶成長がなされる領域(102)と、III族金属(例えば、Ga(ガリウム))と窒素(N)あるいは窒素(N)を含む化合物とが供給される領域(103,108)とが分離されている。そして、この反応容器101には、少なくとも結晶成長がなされる領域(102)を含んだ領域を任意の温度に制御できるような機構(110,111)が具備されている。さらに、反応容器101内を任意の窒素圧力に制御できる機構(108,109)も具備されている。
【0036】
図2は本発明に係る結晶成長装置の他の構成例を示す図(断面図)である。なお、図2において、図1と同様の箇所には同じ符号を付している。
【0037】
図2の結晶成長装置も、基本的には、図1の結晶成長装置と同様のものとなっている。すなわち、図2を参照すると、この結晶成長装置も、図1の結晶成長装置と同様に、ステンレス製の閉じた形状の反応容器101内に、結晶成長を行なうための成長容器102が設けられている。
【0038】
また、反応容器101の内部空間107に窒素(N)ガスを充満させ、かつ反応容器101内の窒素(N)圧力を制御することが可能となるように、窒素供給管108が反応容器101を貫通して装着されている。窒素供給管108の一端は反応容器101の内部にあり、他端は反応容器101の外部で圧力制御装置109に接続されている。
【0039】
また、成長容器102から空間的に離れた上方には、III族金属(例えば、Ga(ガリウム))を供給するための金属供給管103が設けられている。
【0040】
金属供給管103および窒素供給管108が反応容器101と接している箇所は、溶接,メタルシール等で外部と空間的に遮断されている。なお、成長容器102,金属供給管103および窒素供給管108の材質はステンレスである。
【0041】
成長容器102内には、III族窒化物結晶の結晶成長開始時に、少なくとも、フラックス(例えば、金属NaあるいはNaを含む化合物(アジ化ナトリウムなど))とIII族金属(例えば、Ga(ガリウム))とが収容されている。また、金属供給管103の内部には、III族金属(例えば、Ga(ガリウム))104を貯えることのできる空間があり、その最下端には穴105が開けられており、また、金属供給管103の穴105とは反対の側の上端は、反応容器101の外部に位置し、所定のガス(例えば、窒素ガスあるいは不活性ガス)により圧力をかけることのできる加圧装置106が装着されている。すなわち、金属供給管103,穴105および成長容器102は、金属供給管103の上端の加圧装置106によって高圧ガス(例えば、窒素ガスあるいは不活性ガス)で圧力を制御することにより、最下端の穴105からIII族金属(例えば、Ga(ガリウム))104を成長容器102に滴下することが可能となる位置関係にある。
【0042】
また、図2の結晶成長装置においても、反応容器101内にある成長容器102の温度と、金属供給管103のIII族金属(例えば、Ga(ガリウム))104が貯えられている領域の温度とを任意の温度に制御することが可能となるように、加熱手段(110,111)が設けられている。ここで、加熱手段(110,111)は、反応容器101の外部の下部に位置している下部ヒーター110と、反応容器101側壁の外部に位置している側部ヒーター111とからなっている。これらのヒーター110,111は、温度制御機構(図示せず)により、反応容器101内にある成長容器102の温度と、金属供給管103のIII族金属(例えば、Ga(ガリウム))104が貯えられている領域の温度とを任意の温度に制御することが可能となっている。
【0043】
このように、図2の結晶成長装置も、図1の結晶成長装置と同様に、少なくともフラックス(例えば、金属NaあるいはNaを含む化合物)とIII族金属(例えば、Ga(ガリウム))と窒素あるいは窒素を含む化合物とを用いてIII族窒化物結晶を結晶成長させるものであって、温度と圧力とが制御される反応容器101内で、III族窒化物結晶(例えばGaN結晶)の結晶成長がなされる領域(102)と、III族金属(例えば、Ga(ガリウム))と窒素(N)あるいは窒素(N)を含む化合物とが供給される領域(103,108)とが分離されている。そして、この反応容器101には、少なくとも結晶成長がなされる領域(102)を含んだ領域を任意の温度に制御できるような機構(110,111)が具備されている。さらに、反応容器101内を任意の窒素圧力に制御できる機構(108,109)も具備されている。
【0044】
ところで、図2の結晶成長装置では、反応容器101および下部ヒーター110,側部ヒーター111を覆うように外側容器112がさらに設けられ、外側容器112と下部ヒーター110,側部ヒーター111との間には断熱材115が設けられている。
【0045】
また、金属供給管103および窒素供給管108は、ともに、外側容器112を貫通して反応容器101内に至っている。
【0046】
さらに、図2の結晶成長装置では、ヒーター110,111および断熱材115を含む外側容器112と反応容器101との間の領域に、任意のガス圧(例えば、窒素圧力)をかけることが可能となるように、第2のガス供給管(例えば、窒素供給管)113および圧力制御装置114が設置されている。すなわち、第2のガス供給管113は外側容器112の外部より、外側容器112と反応容器101との間に貫通するように設置されている。
【0047】
図2の構成の結晶成長装置では、反応容器101の外側に外側容器112が設けられ、外側容器112には、反応容器101内の窒素圧力との差圧を減少させるのに必要な圧力のガス(例えば窒素)が導入されるので、反応容器101の内側と外側の圧力差を、III族窒化物結晶が成長するために必要な窒素圧力と大気圧との差圧よりも著しく小さくすることが可能となる。これにより、反応容器101には、耐圧性が要求されず、反応容器101は耐熱性だけを具備していれば良い。一方、外側容器112については、外側容器112と下部ヒーター110,側部ヒーター111との間には断熱材115が設けられていることにより、耐熱性は差程要求されず、III族窒化物結晶が成長するために必要な窒素圧力と同程度の圧力と大気圧との差圧に耐えうる耐圧性だけを具備していれば良い。換言すれば、図1の装置構成では、反応容器101は、耐熱性と耐圧性との両方を具備する必要があるが、図2の装置構成では、耐熱性と耐圧性を反応容器101と外側容器112とに分散させることができる。
【0048】
このように、図2の結晶成長装置においては、III族窒化物結晶が成長するために必要な窒素圧力と大気圧との差圧が生じる領域(外側容器112)と、III族窒化物が成長するために必要な温度になる領域(反応容器101)とが分離されていることによって、温度制御と圧力制御とを確実に行なうことができる。
【0049】
すなわち、図2の構成の結晶成長装置では、外側容器112と下部ヒーター110,側部ヒーター111との間には断熱材115が設けられていることにより、下部ヒーター110,側部ヒーター111による温度制御をより確実に行なうことができる。また、図2の構成の結晶成長装置では、ヒーター110,111および断熱材115を含む外側容器112と反応容器101との間の領域に、任意のガス圧力(例えば、窒素ガス圧力)をかけることが可能となるように、第2のガス供給管(窒素供給管)113および圧力制御装置114が設置されていることにより、反応容器101内部の窒素圧力制御をより確実に行なうことができる。
【0050】
また、図2の結晶成長装置においては、III族窒化物結晶が成長するために必要な窒素圧力と大気圧との差圧が生じる領域(外側容器112)と、III族窒化物が成長するために必要な温度になる領域(反応容器101)とが分離されていることによって、反応容器のコストを抑えることが可能となる。すなわち、III族窒化物が結晶成長する温度になる反応容器の領域には、その反応容器の内側および外側から任意の圧力をかけることが可能であり、そのため反応容器の材質がステンレス等の一般的な材質でも、肉厚を薄くすることが可能となり、低コストで結晶成長装置を実現することが可能となる。
【0051】
次に、図1あるいは図2の結晶成長装置を用いてIII族窒化物結晶を結晶成長させる仕方について説明する。III族窒化物結晶 (例えばGaN結晶)を結晶成長させるための原料は、少なくとも、フラックス(例えば金属NaあるいはNaを含む化合物),III族金属(例えば、金属ガリウム),窒素あるいは窒素を含む化合物である。
【0052】
図1あるいは図2の結晶成長装置では、反応容器101内に成長容器102が設置されており、当初、成長容器102内には、図3に示すように、一部の原料として、フラックス(例えば、アジ化ナトリウムと金属ナトリウム)120とIII族金属(例えば金属ガリウム)121とが入っている。この状態で、窒素供給管108から窒素または窒素を含む化合物を反応容器101内に導入し、反応容器101内を所定の窒素圧力にする。そして、加熱手段(110,111)によって反応容器101の温度をIII族窒化物の結晶が成長する温度まで上げることで、図4に示すように、成長容器102内においてIII族窒化物結晶(例えばGaN)116の成長を開始させる。
【0053】
この際、反応容器101内の窒素量は、III族窒化物結晶116の成長が進行するとともに減少し、反応容器101内の窒素圧力は減少するので、この反応容器101内の窒素圧力の減少を防止し、反応容器101内の窒素圧力が常にほぼ一定のものとなるよう、結晶成長中、圧力制御装置109によって窒素供給管108から窒素または窒素を含む化合物を反応容器101内に導入する。すなわち、窒素供給管108から窒素あるいは窒素を含む化合物との追加原料を任意量で追加することにより、また、反応容器101内の窒素圧力を制御する。これにより、反応容器101内の窒素圧力を常にほぼ一定のものに保持し、持続的にIII族窒化物結晶116の成長を続けさせることが可能となる。また、反応容器101内に、金属供給管103からIII族金属(例えば金属ガリウム)を任意量で追加補給する。これによって、III族窒化物結晶(例えばGaN結晶)を大きく成長させることができる。
【0054】
図5はGa/(Na+Ga)に対するGaN組成すなわちGa/Nの関係を、反応容器101内の窒素圧力aをパラメータにして示した図である。図5から、良質でかつ大きなGaN結晶を得るためには、Ga/Nが常に“1”となるように、Ga量と反応容器101内の窒素圧力とが持続的に制御される必要がある。すなわち、本発明では、III族金属と窒素または窒素を含む化合物との比率を一定に制御して、III族窒化物結晶を結晶成長させる。
【0055】
より具体的に、例えば図2の結晶成長装置を用いてIII族窒化物結晶を結晶成長させる仕方について説明する。反応容器101内に設置されている成長容器102内には、当初、一部の原料として、フラックス(例えばアジ化ナトリウムや金属ナトリウム)およびIII族金属(金属ガリウム)が入れられている。また、III族金属を供給するための金属供給管103の内部には、III族金属(金属ガリウム)104が入れられており、この金属供給管103の上端の加圧装置106により、金属供給管103内が加圧されて金属ガリウム104が供給可能となっている。また、反応容器101の内部には、窒素供給管108および圧力制御装置109を通して、窒素が加圧されて供給可能となっている。図2の結晶成長装置では、さらに、外側容器112と反応容器101との間の領域は、第2のガス供給管(例えば窒素供給管)113および圧力制御装置114によって加圧される。この際、反応容器101内と、外側容器112と反応容器101との間の領域と、加圧装置106による金属供給管103内との3つの領域のガス圧力は概ね同じ圧力となるように制御されている。
【0056】
この状態で、下部ヒーター110および側部ヒーター111により、反応容器101内の温度をIII族窒化物であるGaNが結晶成長を開始する温度まで昇温する。このときも、上述した3つの領域のガス圧力は概ね同じ圧力となるように制御されている。このGaNの結晶成長が開始するまでは、金属供給管103の穴105から金属ガリウム104が滴下しないように、金属供給管103上部からのガス圧力が制御されている。
【0057】
次に、GaN結晶116の成長が開始した後には、金属供給管103の穴105から金属ガリウム104が滴下するように、金属供給管103上部からのガス圧力が制御され、また、窒素供給管108を通して圧力制御装置109により反応容器101内に加わる窒素圧力が制御される。このことにより原料であるGa(ガリウム)と窒素(N)とが断続的に供給され、成長容器102においてGaN結晶116の成長が継続する。この間、ヒーター110および側部ヒーター111により成長容器102内の温度は制御される。
【0058】
このように、本発明では、反応容器101内に、少なくともIII族金属とフラックスとが収容されており、III族窒化物結晶を結晶成長させるために反応容器101の外部から反応容器101内に窒素または窒素を含む化合物を導入するようになっている。反応容器101の外部から反応容器101内に窒素または窒素を含む化合物を導入することにより、III族窒化物結晶の成長が進行し、反応容器101内の窒素量が減少しても、反応容器101内の窒素量を常に一定のものに制御することが可能となる。なお、反応容器101の外部から反応容器101内に窒素または窒素を含む化合物を導入する手段は、図1,図2の例では、窒素供給管108および圧力制御装置109である。
【0059】
また、本発明では、反応容器101内に、少なくともIII族金属とフラックスとが収容されており、反応容器101内に窒素または窒素を含む化合物を導入してIII族窒化物結晶を結晶成長させるようになっており、この際、III族窒化物結晶の大きさを大きくするために、III族窒化物結晶の結晶成長時に、さらに、III族金属を追加補給するようになっている。III族窒化物結晶の結晶成長時に、さらに、III族金属を追加補給することにより、III族窒化物結晶の大きさを大きくすることが可能となる。なお、III族金属を追加補給する手段は、図1,図2の例では、金属供給管103および加圧装置106である。
【0060】
そして、本発明では、III族金属と窒素または窒素を含む化合物との比率を一定に制御して、III族窒化物結晶を結晶成長させるようになっている。
【0061】
また、図6は本発明に係る結晶成長装置の他の構成例を示す図(断面図)である。なお、図6の例では、基本的な構成として、図2の結晶成長装置の構成を用いる場合が示されている。但し、基本的な構成として、図1の結晶成長装置の構成を用いることももちろん可能である。
【0062】
図6の結晶成長装置では、成長容器102の材質はニオブであり、また、ステンレスからなる金属供給管103の金属ガリウム104が接する領域の内壁には、ニッケル膜117が被覆されている。
【0063】
図1あるいは図2の結晶成長装置では、成長容器102の材質はステンレスであり、また、ステンレスの材質の金属供給管103の内壁に直接金属ガリウムが接するので、成長容器102,金属供給管103の材質であるステンレス中に含まれるクロムが温度上昇とともに、原料やそれら生成物に溶出,混入するが、図3の結晶成長装置では、成長容器102の材質をニオブとし、また、金属供給管103の内壁にはニッケル膜117が被膜されており、ニオブ,ニッケルは温度が上昇しても、原料やそれら生成物には溶出,混入しない。
【0064】
このように、図6の結晶成長装置によってIII族窒化物結晶を成長させる場合には、結晶成長装置に使用されている材質からの不純物の混入を防ぐことで、高純度なIII族窒化物結晶を成長させることが可能となる。
【0065】
なお、上述の例では、成長容器102にニオブを用い、金属供給管103にニッケル膜117を被膜したが、成長容器102の材質,金属供給膜103の被膜材料は、ニオブやニッケルに限定されず、原料と接する領域が原料およびそれらの生成物に溶出,混入しない材料であれば良い。
【0066】
換言すれば、原料と接する領域が原料およびそれらの生成物に溶出,混入しない材料で覆われていれば良い。すなわち、図1あるいは図2の結晶成長装置において、原料と接する領域は、結晶成長がなされる領域と原料が供給される領域とであり、いずれの領域もその領域を形成する材料として、原料およびそれらの生成物に溶出,混入しない材質で覆われていれば良い。
【0067】
そして、本発明では、上述した結晶成長方法、結晶成長装置により結晶成長させたIII族窒化物結晶を用いて、III族窒化物半導体デバイスを作製することができる。
【0068】
図7は本発明に係る半導体デバイスの構成例を示す図である。なお、図7の例では、半導体デバイスは半導体レーザとして構成されている。図7を参照すると、この半導体デバイスは、上述したような仕方で結晶成長させたIII族窒化物結晶を用いたn型GaN基板701上に、n型AlGaNクラッド層702,n型GaNガイド層703,InGaN MQW(多重量子井戸)活性層704,p型GaNガイド層705,p型AlGaNクラッド層706,p型GaNコンタクト層707が順次結晶成長されている。この結晶成長方法としては、MOVPE(有機金属気相成長)法やMBE(分子線エピタキシー)法等の薄膜結晶成長方法を用いることができる。
【0069】
次いで、GaN,AlGaN,InGaNの積層膜701〜707の上部にリッジ構造を形成し、SiO2絶縁膜708をコンタクト領域のみ穴開けした状態で形成し、上部および下部に、各々、p側オーミック電極Au/Ni709およびn側オーミック電極Al/Ti710を形成して、図7の半導体レーザが構成される。
【0070】
この半導体レーザのp側オーミック電極Au/Ni709およびn側オーミック電極Al/Ti710から電流を注入することで、この半導体レーザは発振し、図7の矢印Aの方向にレーザ光を出射させることができる。
【0071】
この半導体レーザは、本発明のIII族窒化物結晶(GaN結晶)を基板701として用いているため、半導体レーザデバイス中の欠陥が少なく、大出力動作かつ長寿命のものとなっている。また、GaN基板701はn型であることから、基板701に直接電極710を形成することができ、図9に示した従来技術のようにp側とn側の2つの電極を表面からのみ取り出す必要がなく、低コスト化を図ることが可能となる。更に、光出射端面を劈開で形成することが可能となり、チップの分離と併せて、低コストで高品質なデバイスを実現することができる。
【0072】
また、図8は本発明に係る半導体デバイスの他の構成例を示す図である。なお、図8の例では、半導体デバイスは二次元電子ガスを有する電界効果トランジスタとして構成されている。図8を参照すると、この半導体デバイスは、上述したような仕方で結晶成長させたIII族窒化物結晶を用いたGaN基板801上に、AlN絶縁層802,GaNバッファ層803,AlGaN下部障壁層804,GaNチャネル層805,AlGaN障壁層806,n−GaNコンタクト層807が順次結晶成長されている。この結晶成長方法としては、MOVPE(有機金属気相成長)法やMBE(分子線エピタキシー)法等の薄膜結晶成長方法を用いることができる。
【0073】
次いで、素子分離を施す。この素子分離では、図8には示していないが、少なくともGaNチャネル層805を全てエッチングしており、AlGaN下部障壁層804まで分離されている。ゲート電極808はAlGaN上部障壁層806と接しており、Au/Niの積層構造により、ショットキー接合となっている。ソース電極808とドレイン電極809はn−GaNコンタクト層807と接しており、Al/Tiの積層構造により、オーミック接合となっている。
【0074】
このようなデバイス構造で、ゲート電極808にゲート電圧を印加することで、GaNチャネル層805に二次元電子ガスが発生する。この状態で、ソース電極809とドレイン電極810との間にソースドレイン電圧を印加することで、電界効果トランジスタ特性が得られる。
【0075】
図8の構成例では、GaNチャネル層805を上部,下部のAlGaN障壁層806,804で挟んだダブルヘテロ構造を有しているが、上部のAlGaN障壁層806のみのシングルヘテロ構造でも適応可能である。また、チャネル層805としてはGaN層を用いているが、障壁層よりバンドギャップの小さいものであれば、例えばInGaN、AlInGaN等でも適応可能である。また、コンタクト層807としてn−GaN層を用いているが、AlGaN障壁層806をn−AlGaNとしてコンタクト層を兼用しても良い。
【0076】
さらに、本発明は、図8の二次元電子ガスを有する電界効果トランジスタのみならず、ジャンクション型電界効果トランジスタやヘテロバイボーラトランジスタにも適応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明に係る結晶成長装置の構成例を示す図である。
【図2】本発明に係る結晶成長装置の他の構成例を示す図である。
【図3】本発明の結晶成長方法を説明するための図である。
【図4】本発明の結晶成長方法を説明するための図である。
【図5】Ga/(Na+Ga)に対するGaN組成すなわちGa/Nの関係を、反応容器内の窒素圧力aをパラメータにして示した図である。
【図6】本発明に係る結晶成長装置の他の構成例を示す図である。
【図7】本発明に係る半導体デバイス(光デバイス)の構成例を示す図である。
【図8】本発明に係る半導体デバイス(電子デバイス)の構成例を示す図である。
【図9】従来技術に示されているレーザダイオードを示す図である。
【符号の説明】
【0078】
101 反応容器
102 成長容器
103 金属供給管
104 III族金属
105 穴
106 加圧装置
107 反応容器の内部空間
108 窒素供給管
109 圧力制御装置
110 下部ヒーター
111 側部ヒーター
112 外側容器
113 第2の窒素供給管
114 圧力制御装置
115 断熱材
116 III族窒化物結晶
117 ニッケル膜
120 フラックス
121 III族金属
701 n型GaN基板
702 n型AlGaNクラッド層
703 n型GaNガイド層
704 InGaN MQW(多重量子井戸)活性層
705 p型GaNガイド層
706 p型AlGaNクラッド層
707 p型GaNコンタクト層
708 SiO絶縁膜
709 p側オーミック電極
710 n側オーミック電極
801 GaN基板上
802 AlN絶縁層
803 GaNバッファ層
804 AlGaN下部障壁層
805 GaNチャネル層
806 AlGaN障壁層
807 n−GaNコンタクト層
808 ゲート電極
808 ソース電極
809 ドレイン電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料を含む反応容器と、前記原料と反応して結晶を形成させる気体を前記反応容器に供給する供給管と、前記反応容器の周囲に設けられた加熱用ヒーターと、前記加熱用ヒーターおよび前記反応容器を覆う外側容器とを備える結晶製造装置。
【請求項2】
前記外側容器と前記反応容器との間の領域の圧力と、前記反応容器内の圧力との圧力差を減少させる圧力制御装置をさらに備える、請求項1に記載の結晶製造装置。
【請求項3】
前記外側容器と前記反応容器との間の領域に、前記加熱用ヒーターを覆う断熱材をさらに備える、請求項1に記載の結晶製造装置。
【請求項4】
前記外側容器と前記反応容器との間の領域にガスを供給するガス供給管をさらに備える、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の結晶製造装置。
【請求項5】
前記原料と反応して結晶を形成させる気体は、前記外側容器と前記反応容器との間の領域に供給されるガスと同じガスからなる、請求項4に記載の結晶製造装置。
【請求項6】
前記原料と反応して結晶を形成させる気体は、窒素ガスである、請求項5に記載の結晶製造装置。
【請求項7】
前記反応容器の内部に配置され、前記原料を保持する成長容器をさらに備える、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の結晶製造装置。
【請求項8】
前記原料に接する領域は、前記原料に溶出しない材質からなる、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の結晶製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−1593(P2008−1593A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−208069(P2007−208069)
【出願日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【分割の表示】特願2000−175577(P2000−175577)の分割
【原出願日】平成12年6月7日(2000.6.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】