説明

締結構造

【課題】プロテクタとブラケットを締結する、薄型化可能な締結構造を提供する。
【解決手段】
締結構造1は、配線10を保護するプロテクタ2と、ブラケット3とを締結している。ブラケット3には板状片部32が形成されている。プロテクタ2は、板状片部32を載置する載置台4と、板状片部32を板厚方向に保持する保持爪42と、載置台4の先端に回動自在に設けられた蓋部40とを備える。蓋部40は、載置台4に板状片部32を載置可能となる開位置と、載置台4に載置した板状片部32を固定する閉位置との間で回動自在に構成されている。蓋部40は切欠部43と係合部44を有する。切欠部43により、閉位置において蓋部40と保持爪42との干渉が防止される。また、閉位置において、載置台4に設けられた被係合部45に係合部44が係合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線を保護するプロテクタとブラケットとの締結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車等に用いる電気配線を保護するためのプロテクタが知られている(下記特許文献1参照)。プロテクタの一使用例を図9の断面図に示す。同図に示すごとく、プロテクタ91は管状になっており、内部を通る配線92を外壁911で保護している。
配線92は、プロテクタ91の端部910から外部へ延出している。この端部910に金属製のブラケット93が締結されている。ブラケット93は貫通孔930を有する。この貫通孔930にゴム製のグロメット94を内嵌し、保持している。配線92は、グロメット94の中心に設けられた孔940を通っている。
【0003】
プロテクタ91とブラケット93は、ボルト等(図示しない)によってパネル95に固定されている。パネル95は、配線92が通る挿通孔950を有する。グロメット94は挿通孔950に嵌合しており、配線92を保護するとともに、挿通孔950の周囲をシール部941でシールしている。
上記構造を採用することにより、配線92をプロテクタ91とともにパネル95に固定でき、かつ挿通孔950の内周面に配線92が接触して傷つくことをグロメット94によって防止できる。
【0004】
一方、プロテクタ91の端部910からクランプ部900が突出している。また、ブラケット93には貫通穴901が形成されている。貫通穴901にクランプ部900を嵌合することにより、ブラケット93とプロテクタ91とを締結している。すなわち、クランプ部900に形成された折返部902によって、ブラケット93がプロテクタ91から外れることを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−135449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来における、プロテクタ91とブラケット93の締結構造90は、プロテクタ91の端部910からクランプ部900が突出しているため、突出方向の長さLが長くなるという問題があった。そのため、パネル95と端部910との間隔を充分にとる必要があった。そのため、狭い場所に締結構造90を配置することが困難になるという問題があった。
【0007】
例えば、プロテクタ91,ブラケット93,グロメット94をパネル95に取り付けた状態で、これらプロテクタ91,ブラケット93,グロメット94をヒートインシュレータ96で覆うことがある。このヒートインシュレータ96により、エンジン等の熱からプロテクタ91やグロメット94等を保護する。この場合、他の部品との関係で、パネル95とヒートインシュレータ96の隙間Dを狭くする必要が生じる場合がある。この場合には、締結構造90を配置するだけの充分な隙間Dを確保できないことがある。そのため、薄型化でき、狭い隙間に配置できる締結構造が望まれていた。
【0008】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、プロテクタとブラケットを締結する、薄型化可能な締結構造を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、配線を保護するプロテクタと、該プロテクタの端部から延出した上記配線が通る貫通孔を有するブラケットとを、上記プロテクタの端部において締結する締結構造であって、
上記ブラケットの外縁部に、上記貫通孔の軸線方向に直交する方向へ突出する板状片部が形成されており、
上記プロテクタは、
上記板状片部を載置する載置台と、
該載置台の両側の側部に一対に設けられ、該載置台に載置した上記板状片部を板厚方向に保持する保持爪と、
上記載置台の先端にヒンジ部を介して回動自在に設けられた蓋部とを備え、
該蓋部は、上記載置台に上記板状片部を載置可能となる開位置と、該載置台に載置した上記板状片部を覆ってこれを該載置台に固定する閉位置との間で回動自在に構成されるとともに、上記閉位置において上記保持爪との干渉を防止するための切欠部を有し、上記閉位置において、上記載置台に設けられた被係合部に係合する係合部を有することを特徴とする締結構造にある(請求項1)。
【発明の効果】
【0010】
本発明の作用効果について説明する。本発明では、ブラケットに板状片部を設け、該板状片部を載置する載置台をプロテクタに設けた。また、載置台に、板状片部を板厚方向に保持する保持爪を形成した。そして、載置台に板状片部を載置した後に、蓋部を上記閉位置まで回動することにより、載置台と蓋部とで板状片部を挟持して固定するよう構成した。また、蓋部に、保持爪との干渉を防止する切欠部を設けた。
このようにすると、蓋部と載置台とで板状片部を挟んで固定するため、固定用のクランプ部等を載置台に突出形成する必要がなく、締結構造を薄型化することができる。すなわち、蓋部は薄く形成することが可能であるため、上記構造を採用することにより、板状片部を固定した状態において、該板状片部の板厚方向における、締結構造の全体の厚さを薄くすることができる。
また、本発明では蓋部に上記切欠部を形成したため、閉位置まで蓋部を回動した場合に、蓋部と保持爪とが重なり合わない。そのため、締結構造を薄型化しやすい。
【0011】
なお、本発明では、保持爪を使って板状片部を載置台に保持し、さらに蓋部を使って固定するため、板状片部を二重に固定でき、固定強度を向上させることができる。
【0012】
以上のごとく、本発明によると、プロテクタとブラケットを締結する、薄型化可能な締結構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1における、プロテクタとブラケットとグロメットとを分解した状態の側面図。
【図2】実施例1における、プロテクタとブラケットとグロメットとを組み合わせた状態の側面図であって、図6のB矢視図。
【図3】実施例1における、蓋部を開位置にした載置台の斜視図。
【図4】図3に続く図であって、載置台に板状片部を載置した状態における斜視図。
【図5】図4に続く図であって、蓋部を閉位置にして板状片部を固定した状態における斜視図。
【図6】パネルを取り除いた図2のA矢視図。
【図7】図6のC−C断面図。
【図8】図6のD−D断面図を、パネルおよびヒートインシュレータと共に記したもの。
【図9】従来例における、プロテクタとブラケットの締結構造を、配線、グロメット、パネル、ヒートインシュレータと共に記した断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記板状片部は、板厚方向に貫通した貫通穴部を有し、該載置台は、上記板状片部の載置面から突出する突部を有し、上記貫通穴部を上記突部に係合させることにより、上記載置台における上記板状片部の位置合わせができるよう構成されていることが好ましい(請求項2)。
このようにすると、板状片部の貫通穴部を、載置面に形成した突部に係合するだけで、板状片部の位置合わせを容易に行うことができる。そのため、プロテクタとブラケットとを締結する際の作業性を向上させることができる。
【0015】
また、上記保持爪は、上記載置台の側部から上記板状片部の側端面に対峙するよう載置面の法線方向へ突出する第1部分と、該第1部分の先端から上記載置台の内側に向けて突出する第2部分とを有し、上記載置台と上記第2部分との間で上記板状片部を挟持して保持するよう構成されていることが好ましい(請求項3)。
このようにすると、載置台と上記第2部分との間で板状片部を板厚方向に挟持しているため、板状片部をしっかりと保持することができる。これにより、板状片部と載置台との締結強度を高めることが可能になる。また、一対の第1部分によって板状片部を幅方向に挟んでいるため、該幅方向への板状片部の位置ずれを規制することもできる。
【0016】
また、上記ブラケットと上記プロテクタとはパネルに固定されており、該パネルは上記配線の外径よりも大きな内径を有する挿通孔を備え、該挿通孔に上記配線が挿通されており、上記配線の外周面と上記挿通孔の内周面との間には、これらの間を塞ぐとともに該挿通孔の周縁部をシールするグロメットが配設されており、上記ブラケットは、上記パネルに固定された状態において上記グロメットを上記パネルに向けて押圧していることが好ましい(請求項4)。
このような構造にすると、締結構造がパネルの近傍に位置することになる。この場合、締結構造を薄型化することにより、締結構造とパネルとの干渉を防止しやすくなる。そのため、本発明の締結構造を採用するメリットが大きい。
【0017】
また、上記パネルに取り付けたプロテクタと、ブラケットと、グロメットとをヒートインシュレータで覆い、他の部品から発生する熱からプロテクタと、ブラケットと、グロメットとを上記ヒートインシュレータによって保護しており、パネルとヒートインシュレータの隙間に上記載置台および上記板状片部が位置している場合には、本発明の締結構造の適用が非常に有効である。
すなわち、上述のようにヒートインシュレータを配置する場合には、パネルとヒートインシュレータの隙間を狭くする必要が生じることがある。このように隙間が狭くなった場合でも、本発明に係る締結構造であれば薄型化できるので、配置することが可能である。
【実施例】
【0018】
(実施例1)
本発明の実施例にかかる締結構造につき、図1〜図8を用いて説明する。
図1、図2に示すごとく、本例の締結構造1は、プロテクタ2とブラケット3とを、プロテクタ2の端部20において締結している。プロテクタ2は、配線10を保護している。また、ブラケット3は貫通孔31を有し、プロテクタ2の端部20から延出した配線10が貫通孔31を通っている。
図6に示すごとく、貫通穴31は略円形である。この貫通穴31に、ゴム製のグロメット6が内嵌している。上記配線10は、グロメット6の中を通っている。
【0019】
また、図1に示すごとく、ブラケット3の外縁部に、貫通孔31の軸線方向に直交する方向へ突出する板状片部32が形成されている。
図4に示すごとく、プロテクタ2は、載置台4と、保持爪42と、蓋部40とを備える。載置台4に、ブラケット3の板状片部32が載置されている。保持爪42は、載置台4の両側の側部に一対に設けられ、載置台4に載置した板状片部32を板厚方向に保持している。
【0020】
蓋部40は、載置台4の先端にヒンジ部41を介して回動自在に設けられている。すなわち、蓋部40は、載置台4に板状片部32を載置可能となる開位置(図3、図4参照)と、載置台4に載置した板状片部32を覆ってこれを載置台4に固定する閉位置(図5参照)との間で回動自在に構成されている。
図5に示すごとく、蓋部40は、閉位置において保持爪42との干渉を防止するための切欠部43を有する。また、蓋部40は、閉位置において、載置台4に設けられた被係合部45に係合する係合部44を有する。
以下、詳説する。
【0021】
図3に示すごとく、載置台4は、板状片部32の載置面47から突出する突部46を有する。また、図4に示すごとく、板状片部32は、板厚方向に貫通した貫通穴部33を有する。貫通穴部33を突部46に係合させることにより、載置台4における板状片部32の位置合わせができるよう構成されている。
【0022】
図7に示すごとく、保持爪42は、載置台4の側部から板状片部32の側端面320に対峙するよう載置面47の法線方向へ突出する第1部分42aと、該第1部分42aの先端から載置台4の内側に向けて突出する第2部分42bとを有する。そして、載置台4と第2部分42bとの間で板状片部32を挟持して保持している。
【0023】
一方、図3に示すごとく、本例における被係合部45は、載置台4の両側面に一対に形成した突部である。被係合部45の側面450はテーパ状になっている。
また、蓋部40の両側部には、係止爪48が一対に形成されている。上述した係合部44は、係止爪48に貫通形成した孔である。
蓋部40を閉じると、係止爪48の先端が被係合部45の側面450に当接する。その後、係止爪48は弾性変形しながら被係合部45を乗り越え、載置台4を両側から挟みこむ(図5参照)。そして、被係合部45が係合部44に係合する。これにより、蓋部40が載置台4に固定される。
【0024】
また、図5に示すごとく、蓋部40を閉位置まで回動した状態で、蓋部40の表面400と、保持爪42の表面420とは略面一になっている。
【0025】
また、本例では、プロテクタ2と、載置台4と、蓋部40と、ヒンジ部41は合成樹脂により一体成形されている。ヒンジ部41は、合成樹脂により形成されたインテグラルヒンジである。
【0026】
一方、図2に示すごとく、パネル5は配線10の外径よりも大きな内径を有する挿通孔50を備える。この挿通孔50に配線10が挿通されている。また、配線10の外周面と挿通孔50の内周面との間には、これらの間を塞ぐとともに挿通孔50の周縁部をシールするグロメット6が配設されている。ブラケット3は、パネル5に固定された状態においてグロメット6をパネル5に向けて押圧している。
【0027】
ブラケット3とプロテクタ2は、2個のボルト挿入孔13を備える(図6参照)。図2に示すごとく、パネル5の挿通孔50にグロメット6を嵌合した後、パネル5に形成したボルト締結用孔(図示しない)にボルト11を差し込み、このボルト11をさらにボルト挿入孔13に挿入して、ナット12を螺合する。これにより、ブラケット3とプロテクタ2をパネル5に固定している。
【0028】
また、図8に示すごとく、本例では、プロテクタ2とブラケット3の締結構造を2箇所備える。一方は、上述した締結構造1(第1締結構造)であり、他方は、貫通孔31の中心軸を挟んで第1締結構造の反対側に設けられた第2締結構造7である。第2締結構造7は、以下に説明する構造を有する。図8に示すごとく、ブラケット3の外縁部から、パネル5の配置側とは反対側へ第2板状片部34が延びている。また、プロテクタ2には、第2板状片部34を差し込む差込孔22が形成されている。第2板状片部34には係合孔35が貫通形成されている。第2板状片部34を差込孔22に差し込むと、差込孔22の内側に形成した係合用突部21が係合孔35に係合する。これにより、プロテクタ2とブラケット3とを締結している。
【0029】
また、本例において、配線10は電気自動車やハイブリッド車等の車両に用いられており、バッテリーとモータ(図示しない)とを接続している。また、本例では、パネル5に取り付けたプロテクタ2、ブラケット3、グロメット6をヒートインシュレータ14で覆っている。このヒートインシュレータ14によって、エンジンの熱からプロテクタ2やグロメット6等を保護している。本例では図8に示すごとく、締結構造1の付近における、パネル5とヒートインシュレータ14の隙間d1は狭くなっている。
これに対して、第2締結構造7の付近における、パネル5とヒートインシュレータ14の隙間d2は広くなっている。本例では、隙間d2は充分広く、第2締結構造7を薄型化する必要がないため、上記構造を採用している。隙間d2が狭くなる場合は、第2締結構造7として、締結構造1(第1締結構造)と同様の構成を採用してもよい。
【0030】
本例の作用効果について説明する。本例では、図4に示すごとく、ブラケット3に板状片部32を設け、該板状片部32を載置する載置台4をプロテクタ2に設けた。また、載置台4に、板状片部32を板厚方向に保持する保持爪42を形成した。そして、載置台4に板状片部32を載置した後に、図5に示すごとく、蓋部40を閉位置まで回動することにより、載置台4と蓋部40とで板状片部32を挟持して固定するよう構成した。また、蓋部40に、保持爪42との干渉を防止する切欠部43を設けた。
このようにすると、蓋部40と載置台4とで板状片部32を挟んで固定するため、固定用のクランプ部等を載置台4に突出形成する必要がなく(図9参照)、締結構造1を薄型化することができる。すなわち、蓋部40は薄く形成することが可能であるため、上記構造を採用することにより、板状片部32を固定した状態において、板状片部32の板厚方向における、締結構造1の全体の厚さを薄くすることができる。
また、本例では蓋部40に切欠部43を形成したため、閉位置まで蓋部40を回動した場合に、蓋部40と保持爪42とが重なり合わない。そのため、締結構造1を薄型化しやすい。
【0031】
なお、本例では、保持爪42を使って板状片部32を載置台4に保持し、さらに蓋部40を使って固定するため、板状片部32を二重に固定でき、固定強度を向上させることができる。
【0032】
また、本例では、図4に示すごとく、板状片部32は貫通穴部33を有し、載置台4は突部46を有する。そして、貫通穴部33を突部46に係合させることにより、板状片部32の位置合わせができるよう構成されている。
このようにすると、板状片部32の貫通穴部33を突部46に係合するだけで、板状片部32の位置合わせを容易に行うことができる。そのため、プロテクタ2とブラケット3とを締結する際の作業性を向上させることができる。
【0033】
また、図7に示すごとく、本例における保持爪42は、第1部分42aと第2部分42bを有する。そして、載置台4と第2部分42bとの間で板状片部32を挟持して保持している。
このようにすると、載置台4と第2部分42bとの間で板状片部32を板厚方向に挟持しているため、板状片部32をしっかりと保持することができる。これにより、板状片部32と載置台4との締結強度を高めることが可能になる。また、一対の第1部分42aによって板状片部32を幅方向に挟んでいるため、該幅方向への板状片部32の位置ずれを規制することもできる。
【0034】
また、図2に示すごとく、パネル5の挿通孔50にグロメット6が嵌合している。ブラケット3とプロテクタ2は、パネル5に固定されている。ブラケット3は、パネル5に固定された状態で、グロメット6をパネル5に向けて押圧している。
このような構造にすると、締結構造1がパネル5の近傍に位置することになる。この場合、締結構造1を薄型化することにより、締結構造1とパネル5との干渉を防止しやすくなる。そのため、本例の締結構造1を採用するメリットが大きい。
【0035】
また、本例では図8に示すごとく、パネル5に取り付けたプロテクタ2と、ブラケット3と、グロメット6とをヒートインシュレータ14で覆っている。このヒートインシュレータ14により、車両のエンジンから発生する熱からプロテクタ2と、ブラケット3と、グロメット6を保護している。そして、パネル5とヒートインシュレータ14の隙間d1に載置台4および板状片部32が配置されている。
この場合には、本例の効果を顕著に発揮することができる。すなわち、ヒートインシュレータ14を配置する場合には、パネル5とヒートインシュレータ14の隙間d1を狭くする必要が生じることがある。このように隙間d1が狭くなった場合でも、本例に係る締結構造1であれば薄型化できるので、配置することが可能である。
【0036】
また、本例では、プロテクタ2と、載置台4と、蓋部40と、ヒンジ部41は合成樹脂により一体成形されている。ヒンジ部41は、合成樹脂により形成されたインテグラルヒンジである。
このようにすると、プロテクタ2と、載置台4と、蓋部40と、ヒンジ部41を一体化できるので、部品点数を減らすことができる。
【0037】
以上のごとく、本例によると、プロテクタ2とブラケット3を締結する、薄型化可能な締結構造1を提供することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 締結構造
10 配線
2 プロテクタ
3 ブラケット
32 板状片部
4 載置台
40 蓋部
41 ヒンジ部
42 保持爪
43 切欠部
44 係合部
45 被係合部
5 パネル
6 グロメット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線を保護するプロテクタと、該プロテクタの端部から延出した上記配線が通る貫通孔を有するブラケットとを、上記プロテクタの端部において締結する締結構造であって、
上記ブラケットの外縁部に、上記貫通孔の軸線方向に直交する方向へ突出する板状片部が形成されており、
上記プロテクタは、
上記板状片部を載置する載置台と、
該載置台の両側の側部に一対に設けられ、該載置台に載置した上記板状片部を板厚方向に保持する保持爪と、
上記載置台の先端にヒンジ部を介して回動自在に設けられた蓋部とを備え、
該蓋部は、上記載置台に上記板状片部を載置可能となる開位置と、該載置台に載置した上記板状片部を覆ってこれを該載置台に固定する閉位置との間で回動自在に構成されるとともに、上記閉位置において上記保持爪との干渉を防止するための切欠部を有し、上記閉位置において、上記載置台に設けられた被係合部に係合する係合部を有することを特徴とする締結構造。
【請求項2】
請求項2において、上記板状片部は、板厚方向に貫通した貫通穴部を有し、該載置台は、上記板状片部の載置面から突出する突部を有し、上記貫通穴部を上記突部に係合させることにより、上記載置台における上記板状片部の位置合わせができるよう構成されていることを特徴とする締結構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、上記保持爪は、上記載置台の側部から上記板状片部の側端面に対峙するよう載置面の法線方向へ突出する第1部分と、該第1部分の先端から上記載置台の内側に向けて突出する第2部分とを有し、上記載置台と上記第2部分との間で上記板状片部を挟持して保持するよう構成されていることを特徴とする締結構造。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項において、上記ブラケットと上記プロテクタとはパネルに固定されており、該パネルは上記配線の外径よりも大きな内径を有する挿通孔を備え、該挿通孔に上記配線が挿通されており、上記配線の外周面と上記挿通孔の内周面との間には、これらの間を塞ぐとともに該挿通孔の周縁部をシールするグロメットが配設されており、上記ブラケットは、上記パネルに固定された状態において上記グロメットを上記パネルに向けて押圧していることを特徴とする締結構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−205762(P2011−205762A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69581(P2010−69581)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】