説明

置換ピラゾール

【課題】中枢神経系の種々の疾患の予防および/または処置に有用な5HTレセプターのリガンドとして適する化合物の提供。
【解決手段】式(I)


(式中、Xは、CHまたはNを示し、Rは、H、A等を示し、Rは、(CH2)nHet、(CH2)nAr等を示し、R、Rは、H、(CH2)nCOOR等を示し、およびRは、HまたはAを示し、Aは、1〜10個のC原子を有する直鎖状もしくは分枝状アルキルまたはシクロアルキル等を示す。)で表される化合物並びにこれらの塩および溶媒和物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式I
【化1】

式中、
Xは、CHまたはNを示し、
は、H、A、Hal、(CHHet、(CHAr、3〜7個のC原子を有するシクロアルキル、CF、NO、CN、C(NH)NOHまたはOCFを示し、
は、(CHHet、(CHAr、3〜7個のC原子を有するシクロアルキルまたはCFを示し、
【0002】
、Rは、Hまたは有機基、特に
【化2】

を示し、ここで、各々の場合において、基RまたはRの1つは、Hの意味を有し、
【0003】
は、HまたはAを示し、
Aは、1〜10個のC原子を有する直鎖状もしくは分枝状アルキルまたはシクロアルキル、2〜10個のC原子を有するアルケニル、2〜10個のC原子を有するアルコキシアルキルまたは4〜7個のC原子を有するシクロアルキルを示し、この各々は、非置換であるか、またはHalもしくはCNにより置換されており、
Hetは、ヘテロ原子を含む有機基、特に1〜15個のC原子を有し、非置換であるか、またはAおよび/またはHalにより単置換もしくは多置換されている、飽和、不飽和または芳香族単環式または二環式複素環式基、あるいは1個または2個のヘテロ原子を含む、1〜15個のC原子を有する直鎖状基を示し、
【0004】
Arは、芳香族有機基、特に非置換であるか、またはAおよび/またはHal、OR、OOCR、COOR、CON(R、CN、NO、NH、NHCOR、CFあるいはSOCHにより単置換もしくは多置換されているフェニル基を示し、
nは、0、1、2、3、4または5を示し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示す、
【0005】
で表される化合物並びにこれらの塩および溶媒和物、鏡像体およびラセミ体、特にこれらの生理学的に耐容される塩および溶媒和物の、式Iで表される化合物の5HTレセプターへの結合により影響され得る疾患の処置および予防のための使用に関する。本発明は、医薬の製造のために用いることができる化合物を見出す目的を有していた。式Iで表される化合物並びにこれらの塩および溶媒和物は、極めて有用な薬理学的特性を有し、良好に耐容されることが見出された。本発明は、特に、本出願において概説した式Iで表される化合物の特性および有効な使用を有する、例中に述べた化合物に関する。同様の化合物は、例えば、DE 2201889、DE 2258033またはDE 2906252に開示されている。
【0006】
特に、本発明の式Iで表される化合物は、5HTレセプター、特に5HT2Aおよび/または5HT2Cレセプターのリガンドとして好適であり、中枢神経系の種々の疾患、例えば統合失調症、抑うつ症、認知症、パーキンソン病、アルツハイマー病、レーヴィ体認知症、ハンティントン病、トゥーレット症候群、不安、学習および記憶機能障害、神経変性疾患および他の認知機能障害並びにニコチン依存症および疼痛の予防および処置のために、ヒト医学および獣医学において用いることができる。
【0007】
式Iで表される化合物および/またはこれらの生理学的に許容し得る塩もしくは溶媒和物は、特に好ましくは、精神病、神経性障害、筋萎縮性側索硬化症、摂食障害、例えば過食症、拒食症、月経前症候群の予防および/または処置のための、および/または強迫性障害(OCD)に正に影響するための医薬の製造のために用いられる。
【0008】
式Iで表される化合物並びにこれらの生理学的に許容し得る塩および溶媒和物は、これらが中枢神経系に対して作用を有するため、良好に耐容される一方、有用な薬理学的特性を有することが見出された。当該化合物は、5−HT2Aレセプターに対する強力な親和性を有し、これらはさらに、5−HT2Aレセプター−アンタゴニスト特性を示す。
【0009】
従って、特に好ましいのは、式Iで表される化合物および/またはこれらの生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、5−HTレセプター−アンタゴニスト作用を有する医薬の製造のための使用である。
【0010】
5−HT2Aレセプターに対する親和性のインビトロ検出のために、例えば以下の試験(例A1)を用いることができる。5−HT2Aレセプターを、[H]ケタンセリン(レセプターに対するこの親和性について知られている物質)およびまた試験化合物の両方に曝露する。[H]ケタンセリンのレセプターに対する親和性の低下は、試験物質の5−HT2Aレセプターに対する親和性の指標である。この検出を、J.E. Leysen et al., Molecular Pharmacology, 1982, 21: 301-314による記載と同様にして、または例えばEP 0320983にも記載されているように行う。
【0011】
本発明の化合物の5−HT2Aレセプターアンタゴニストとしての効能を、W. Feniuk et al., Mechanisms of 5-hydroxytryptamine-induced vasoconstriction, The Peripheral Actions of 5-Hydroxytryptamine, Fozard JR編、Oxford University Press, New York, 1989, p.110中と同様にして、インビトロで測定することができる。従って、5−ヒドロキシトリプタミンにより生じたラット尾動脈の収縮性は、5−HT2Aレセプターにより媒介される。試験系のために、腹側ラット尾動脈から調製した血管環に、酸素飽和溶液を含む器官槽中での灌流を施す。増大する濃度の5−ヒドロキシトリプタミンを溶液中に導入することにより、累積的濃度の5−HTに対する応答が得られる。次に、試験化合物を、好適な濃度で器官槽に加え、5−HTについての第2の濃度曲線を測定する。5−HT誘発濃度曲線の一層高い5−HT濃度への変化における試験化合物の強度は、インビトロでの5−HT2Aレセプター−アンタゴニスト特性の基準である。
【0012】
5−HT2A−アンタゴニスト特性を、M.D.Serdar et al., Psychopharmacology, 1996, 128: 198-205と同様にして、インビボで決定することができる。
【0013】
従って、式Iで表される化合物は、獣医学およびヒト医学の両方において、中枢神経系の機能障害および炎症の処置に適する。これらを、脳梗塞現象(脳卒中)の結果、例えば発作および脳虚血を予防し、これに対処するために、並びに神経遮断薬の錐体外路運動副作用およびパーキンソン病を処置するために、アルツハイマー病の急性および対症療法のために、並びに筋萎縮性側索硬化症の処置のために、用いることができる。これらは、同様に、脳および脊髄外傷の処置のための治療薬として適する。しかし、特に、これらは、抗不安薬、抑うつ薬、抗精神病薬、神経遮断薬、抗高血圧薬のための、および/または強迫性障害(OCD;例えばWO 9524194)、不安状態および不安状態に関連する生理学的変化、例えば頻脈、振戦または発汗(例えばEP 319962)、不安発作、精神病、統合失調症、食欲不振症、妄想性強迫神経症、広場恐怖症、片頭痛、アルツハイマー病、睡眠無呼吸を含む睡眠障害、遅発性運動障害、学習障害、年齢依存性記憶障害、摂食障害、例えば過食症、例えばアルコール、オピエート、ニコチン、覚醒剤、例えばコカインまたはアンフェタミンの薬物誤用(例えばUS 6004980)、性的機能不全、すべてのタイプの疼痛の症状および線維筋痛症(例えばWO 9946245)に正に影響するための医薬活性成分として適する。
【0014】
式Iで表される化合物は、神経遮断薬療法における錐体外路副作用(EPS)の処置に適する。EPSは、パーキンソン様症候群、静坐不能およびジストニア反応(例えばEP 337136)より特徴づけられる。これらは、さらに、拒食症、アンギナ、レイノー病、冠血管痙攣の処置に、片頭痛(例えばEP 208235)、疼痛および神経痛(例えばEP 320983)の予防において、自閉症形質を伴うレット症候群、アスパージャー症候群、自閉症および自閉症障害の処置に、集中力欠乏状態、発育障害、精神的発育不全を伴う機能亢進状態および常同行動状態(例えばWO 9524194)において適する。
【0015】
これらは、さらに、内分泌疾患、例えば高プロラクチン血症の処置に、さらに血管痙攣、血栓症疾患(例えばWO 9946245)、高血圧症および胃腸疾患において適する。
これらは、さらに、WO 99/11641の2頁24〜30行に記載されているように、循環器疾患および錐体外路症候の処置に適する。
【0016】
本発明の化合物は、さらに、眼内圧を低下させるのに、および緑内障を処置するのに適する。これらはまた、動物へのエルゴバリンの投与の際の中毒現象の予防および処置に適する。
この化合物は、さらに、心血管系の疾患の処置に適する(WO 99/11641、3頁14〜15行)。本発明の化合物はまた、他の活性成分と共に、統合失調症の処置に用いることができる。好適な他の活性成分は、WO 99/11641の13頁20〜26行に述べられている化合物である。
【0017】
同様に5−HTアンタゴニスト作用を示す他の化合物は、例えば、EP 0320983に記載されている。
WO 99/11641には、5−HTアンタゴニスト特性を有するフェニルインドール誘導体が記載されている。
【0018】
しかし、前述の文献のいずれにも、式Iで表される化合物の、5HTレセプターのリガンドとしての本発明の使用が記載されていない。
式Iで表される化合物を、ヒト医学および獣医学における医薬活性成分として用いることができる。これらを、さらに、他の医薬活性成分の製造のための中間体として用いることができる。
【0019】
従って、本発明は、式Iで表される化合物のヒト医学および獣医学における使用に関する。
本発明は、さらに、式Iで表される新規な化合物に関する。
【0020】
式Iで表される化合物は、好ましくは、先ず式II
【化3】

式中、
およびXは、上記で示した意味を有する、
で表される化合物もしくはこの酸付加塩を、式III
【化4】

式中、
AおよびRは、上記で示した意味を有する、
で表される化合物と反応させて、式IA
【化5】

で表される化合物を得るか、または式II
【化6】

式中、
およびXは、上記で示した意味を有する、
で表される化合物もしくはこの酸付加塩を、式IV
【化7】

式中、
AおよびRは、上記で示した意味を有する、
で表される化合物と反応させて、式IB
【化8】

で表される化合物を得、次に式IAおよびIBで表される化合物を、式Iで表される他の化合物に、慣用の方法により変換することにより、製造される。
【0021】
特に、式IAおよびIBで表される化合物を、還元剤、例えば水素化リチウムアルミニウムを用いることにより、式ICおよびID
【化9】

で表される対応するアルコールに変換することができ、これを、例えば、MnOを用いて、化合物IEおよびIF
【化10】

に酸化することができる。
【0022】
式IEおよびIFで表される化合物を、これら自体、既知の方法により、対応する求核試薬、例えば窒素塩基、特にヒドロキシルアミン、O−メチルヒドロキシルアミン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、N−メチルピペラジン、4−メチルピペラジン−1−イルアミン、ピロリジン、ピラゾリジンまたはイミダゾリジンを用いて、随意に還元剤、例えばトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムの存在下でアミノ化するか、または対応するイミンに変換することができる。さらに、式IEおよびIFで表される化合物を、メトキシメチルトリフェニルホスホニウム塩とのウィッチヒ反応により、対応するエノールエーテルに変換することができ、これを、同族体化されたアルデヒド類IGおよびIH
【化11】

に、酸で処理することにより変換することができる。式IGおよびIHで表される化合物を、式Iで表される他の化合物に、式IEおよびIFで表される化合物と同様にして変換することができる。
【0023】
式Iで表される化合物の溶媒和物は、これらの相互の引力のために形成される、式Iで表される化合物上への不活性溶媒分子のアダクション(adduction)を意味するものと解釈される。溶媒和物は、例えば、一水和物もしくは二水和物またはアルコラートである。
本明細書中、基X、A、Ar、Het、n、R、R、R、RおよびRは、他に明確に述べない限り、式Iについて示した意味を有する。
Xは、好ましくは、CHを意味する。
【0024】
は、好ましくは、A、Hal、(CHHetまたは(CHAr、特にA、(CHHetまたは(CHArを意味する。Rは、極めて特に好ましくは、フェニル、2−、3−もしくは4−シアノフェニル、2−、3−もしくは4−フルオロフェニル、2−、3−もしくは4−メチル、エチル、n−プロピルもしくはn−ブチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−、3,5−もしくは3,6−ジフルオロ、ジクロロもしくはジシアノフェニル、3,4,5−トリフルオロフェニル、3,4,5−トリメトキシもしくはトリエトキシフェニル、チオフェン−2−イルもしくはチオフェン−3−イルまたは1−、2−もしくは3−ピロリルを示す。
【0025】
は、好ましくは、(CHHet、(CHNHA、(CHNHCHHetまたは(CHAr、特に(CHHet、(CHNHA、(CHNHCHHetを示す。Rは、極めて特に好ましくは、フェニル、2−、3−または4−シアノフェニル、2−、3−または4−フルオロフェニル、2−、3−または4−メチル、エチル、n−プロピルまたはn−ブチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−ジフルオロまたはジシアノフェニル、チオフェン−2−イルまたはチオフェン−3−イル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−または5−オキサゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、2−または4−ピリダジル、2−、4−または5−ピリミジル、2−または3−ピラジニル、2−または3−フリルを示す。
【0026】
がHを示す場合には、Rは、好ましくは、(CHCO、(CH−Het、(CHNHA、(CHNHCH−Het、(CHCO−Het、CHO、CHOR、(CHN(RまたはCH=N−OAの意味を有するが、特に(CHCO、(CHCO−Het、CHO、CH=N−OAまたは(CH−Hetの意味を有する。RがHを示す場合には、Rは、好ましくは、(CHCO、(CHCO−Het、CHO、CHOR、(CH−Het、(CHN(RまたはCH=N−OA、(CHN(R)Het、(CHN(R)CHCHOR、(CHN(R)CHHet、(CHN(R)CHCHHet、(CHN(R)CHCHN(R、CH=CHCHNRHet、CH=CHCHN(R、CH=CHCHOR、CH=CHCHHetまたは(CHN(R)Arの意味を有するが、特に(CHHet、(CHN(R、(CHN(R)Het、(CHN(R)CHCHOR、(CHN(R)CHHet、(CHN(R)CHCHHet、(CHN(R)CHCHN(R、CH=CHCHNRHet、CH=CHCHN(R、CH=CHCHOR、CH=CHCHHet、(CHN(R)Arの意味を有する。基Rの他の好ましい意味は、例から生じる。Rは、特に好ましくは、Hを示す。
【0027】
は、好ましくは、Aの意味を有する。
Aは、好ましくは、アルキルを示し、好ましくは非分枝状であり、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のC原子、好ましくは1、2、3、4、5または6個のC原子を有し、好ましくは、メチル、エチル、n−またはプロピル、さらに好ましくはイソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチルを示すが、またn−ペンチル、ネオペンチル、イソペンチルまたはn−ヘキシルを示す。特に好ましいのは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルまたはn−デシルである。
【0028】
Aは、さらに好ましくは、(CHOCHまたは(CH基の意味を有し、ここで、mは、2、3、4、5または6を示すが、特に2を示す。
Aがアルケニルを示す場合には、これは、好ましくは、アリル、2−もしくは3−ブテニル、イソブテニル、sec−ブテニル、さらに好ましくは4−ペンテニル、イソペンテニルまたは5−ヘキセニルを意味する。
【0029】
Hetは、好ましくは、非置換であるか、またはAにより置換されている芳香族および特に飽和複素環式基である。Hetは、好ましくは、1−ピペリジル、1−ピペラジル、1−(4−メチル)ピペラジル、4−メチルピペラジン−1−イルアミン、4−モルホリニル、1−ピロリジニル、1−ピラゾリジニル、1−(2−メチル)ピラゾリジニル、1−イミダゾリジニルまたは1−(3−メチル)イミダゾリジニル、チオフェン−2−イルまたはチオフェン−3−イル、非置換であるか、または1つもしくは2つ以上のCN基により置換されていてもよい2−、3−または4−ピリジル、2−、4−または5−オキサゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、2−または4−ピリダジル、2−、4−または5−ピリミジル、2−または3−ピラジニルを示す。Hetは、さらに好ましくは、以下の表からの基を示す:
【0030】
【化12】

【0031】
【化13】

【0032】
【化14】

【0033】
【化15】

【0034】
【化16】

【0035】
【化17】

【0036】
【化18】

【0037】
Hetは、特に好ましくは、以下の基の1つを示す:
【化19】

【0038】
Arは、好ましくは、非置換であるか、またはHal、OH、CN、NO、NH、NHCOCH、COOCH、CONHまたはCFにより置換されているフェニル基を示す。Arは、好ましくは、4−または3−位において置換されている。
nは、好ましくは、0、1または2、特に0または1を示す。
【0039】
シクロアルキルは、好ましくは、3〜7個のC原子を有し、好ましくは、シクロプロピルおよびシクロブチル、さらに好ましくはシクロペンチルまたはシクロヘキシル、さらにまたシクロヘプチル、特に好ましくはシクロペンチルを意味する。
Halは、好ましくは、F、ClまたはBrを示すが、またIを示す。
【0040】
式Iで表される化合物が、1つまたは2つ以上のキラルなC原子を有する場合には、本発明は、鏡像体、ジアステレオマーおよびこれらの混合物に関する。
本発明を通して、1回よりも多く出現するすべての基は、同一であるかまたは異なっていてもよく、即ち互いに独立している。
【0041】
従って、本発明は、特に、少なくとも1つの前述の基が、前に示した好ましい意味の1つを有する、式Iで表される化合物に関する。いくつかの好ましい群の化合物を、以下の従属式I1〜I9により表すことができ、これは、式Iに適合し、ここで、一層詳細に表していない基は、式Iについて示した意味を有するが、ここで、
【0042】
I1において、Rは、(CHHetまたは(CHArを示し;
I2において、Rは、(CHHetまたは(CHArを示し、
は、(CHArを示し;
I3において、Rは、(CHArを示し、
は、(CHArを示し;
【0043】
I4において、Rは、(CHHetまたは(CHArを示し、
は、(CHArを示し、
は、Hを示し、
は、(CH−Het、(CHNHA、(CHNHCH−Het、(CHCO、(CHCO−Het、CHO、CHOR、(CH−Het、(CHN(RまたはCH=N−OAを示し;
【0044】
I5において、Rは、(CHHetまたは(CHArを示し、
は、(CHArを示し、
は、Hを示し、
は、(CH−Het、(CHNHA、(CHNHCH−Het、(CHCO、(CHCO−Het、CHO、CHOR、(CH−Het、(CHN(RまたはCH=N−OAを示し、
は、H、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルまたはn−デシルを示し;
【0045】
I6において、Rは、(CHHetまたは(CHArを示し、
は、(CHArを示し、
は、Hを示し、
は、(CH−Het、(CHNHA、(CHNHCH−Het、(CHCO、(CHCO−Het、CHO、CHOR、(CH−Het、(CHN(RまたはCH=N−OAを示し、
は、H、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルまたはn−デシルを示し、
nは、0、1または2を示し;
【0046】
I7において、Rは、(CHHetまたは(CHArを示し、
は、(CHArを示し、
は、Hを示し、
は、(CHCO、(CHCO−Het、CHO、CHOR、(CH−Het、(CHN(RまたはCH=N−OAを示し;
【0047】
I8において、Rは、(CHHetまたは(CHArを示し、
は、(CHArを示し、
は、Hを示し、
は、(CHCO、(CHCO−Het、CHO、CHOR、(CH−Het、(CHN(RまたはCH=N−OAを示し、
は、H、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルまたはn−デシルを示し;
【0048】
I9において、Rは、(CHHetまたは(CHArを示し、
は、(CHArを示し、
は、Hを示し、
は、(CHCO、(CHCO−Het、CHO、CHOR、(CH−Het、(CHN(RまたはCH=N−OAを示し、
は、H、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルまたはn−デシルを示し、
nは、0、1または2を示す。
【0049】
極めて特に好ましいのは、式a〜oで表される化合物である:
[1−ビフェニル−4−イル−5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−(4−メチルピペラジン−1−イル)アミン (a)
4−{2−[1−ビフェニル−4−イル−5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]エチル}モルホリン (b)
4−{3−[1−ビフェニル−4−イル−5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]アリル}モルホリン (c)
1−[1−ビフェニル−4−イル−5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]ピロリジン−3−オール (d)
1−[1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)−5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−4−メチルピペラジン (e)
1−[5−(2−フルオロフェニル)−1−(4−チオフェン−3−イルフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−4−メチルピペラジン (f)
1−[5−フラン−2−イル−1−(4−チオフェン−3−イルフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−4−メチルピペラジン (g)
−[1−ビフェニル−4−イル−5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]エタン−1,2−ジアミン (h)
【0050】
2−{[1−ビフェニル−4−イル−5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]アミノ}エタノール (i)
[1−ビフェニル−4−イル−5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−(2−メトキシエチル)アミン (j)
2−{[1−ビフェニル−4−イル−5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]メチルアミノ}エタノール (k)
1−[1−ビフェニル−4−イル−5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−4−メチル−[1,4]ジアゼパム (l)
1−[1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−4−メチルピペラジン (m)
1−[5−(2−フルオロフェニル)−1−(4−ピロール−1−イルフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−4−メチルピペラジン (n)
[1−ビフェニル−4−イル−5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−メチル−(1−メチルピロリジン−3−イル)アミン (o)
【0051】
式Iで表される化合物およびまたこれらの製造のための出発物質は、さらに、文献(例えばHouben-Weyl, Methoden der organischen Chemie [有機化学の方法]、Georg-Thieme-Verlag, Stuttgartなどの標準的学術書)に記載されているような自体公知の方法により、正確には、周知の、前述の反応に適する反応条件の下で、製造される。また、ここで、自体公知であり、ここでは一層詳細には述べない変法を用いることができる。
【0052】
式IIIで表される化合物は、好ましくは、式V
【化20】

式中、Aは、上記で示した意味を有する、
で表される化合物を、式VI
【化21】

式中、RおよびAは、上記で示した意味を有する、
で表される化合物と、このような反応のために知られている条件の下で反応させることにより、得られる。
【0053】
出発物質は、所望により、また、これらを反応混合物から単離せず、代わりにこれらを直ちにさらに式Iで表される化合物に変換することにより、インサイチュ(in situ)で生成することができる。
他方、反応を段階的に行うことが可能である。
【0054】
式II、IIIおよびIVで表される出発物質は、一般的に知られている。これらが知られていない場合には、これらを、自体公知の方法により製造することができる。
特に、式IIで表される化合物の、式IIIで表される化合物および式IVで表される化合物との反応を、好ましくは不活性溶媒の存在下または不存在下で、約−20〜約150℃、好ましくは20〜100℃の温度において行う。
【0055】
好適な不活性溶媒の例は、炭化水素類、例えばヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンもしくはキシレン;塩素化炭化水素類、例えばトリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロメタン、クロロホルムもしくはジクロロメタン;アルコール類、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールもしくはtert−ブタノール;エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)もしくはジオキサン;グリコールエーテル類、例えばエチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム);ケトン類、例えばアセトンもしくはブタノン;アミド類、例えばアセトアミド、ジメチルアセトアミドもしくはジメチルホルムアミド(DMF);ニトリル類、例えばアセトニトリル;スルホキシド類、例えばジメチルスルホキシド(DMSO);ニトロ化合物、例えばニトロメタンもしくはニトロベンゼン;エステル類、例えば酢酸エチル、または前述の溶媒の混合物である。
【0056】
反応に必要なpHを、カルボニル化合物のアミノ化合物との同様の反応について選択されたpH値に従って設定することができる。pHは、好ましくは、式IIで表される化合物の特定の酸付加塩、好ましくはハロゲン化水素付加塩を用いることにより、予め特定されている。即ち、反応混合物への塩基または酸の追加の添加はない。好ましい酸付加塩は、塩酸塩または臭化水素酸塩である。
【0057】
式Iで表される塩基を、酸を用いて関連する酸付加塩に、例えば等量の塩基および酸の不活性溶媒、例えばエタノール中での反応、続いて蒸発により変換することができる。この反応に適する酸は、特に、生理学的に許容し得る塩を生成する酸である。従って、無機酸類、例えば硫酸、硝酸、ハロゲン化水素酸類、例えば塩酸または臭化水素酸、リン酸類、例えばオルトリン酸、スルファミン酸、さらに有機酸類、特に脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族または複素環式一塩基または多塩基カルボン酸類、スルホン酸類または硫酸類、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、ピバリン酸、ジエチル酢酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、メタンまたはエタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンモノおよびジスルホン酸類、ラウリル硫酸を用いることができる。生理学的に許容し得ない酸との塩、例えばピクリン酸塩類を、式Iで表される化合物の単離および/または精製のために用いることができる。
【0058】
他方、所望により、式Iで表される遊離塩基を、これらの塩から、塩基(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム)を用いて遊離させることができる。
【0059】
本発明は、好ましくは、式Iで表される化合物および/またはこれらの生理学的に許容し得る塩および/または溶媒和物の、式Iで表される化合物の5HTレセプターへの結合により影響され得る疾患の処置または予防のための医薬組成物の、特に非化学的方法による製造のための使用に関する。この場合において、これらを、少なくとも1種の固体、液体および/または半液体賦形剤または補助剤と共に、および、所望により1種または2種以上の他の活性成分と組み合わせて、好適な投薬形態に変換することができる。
【0060】
本発明は、さらに、式Iで表される少なくとも1種の化合物および/またはこの生理学的に許容し得る塩および/または溶媒和物の1種を含む、式Iで表される化合物の5HTレセプターへの結合により影響される疾患の処置または予防のための医薬組成物に関する。
【0061】
これらの組成物を、ヒト医学または獣医学における医薬として用いることができる。好適な賦形剤は、腸内(例えば経口)、非経口または局所的投与に適し、新規な化合物と反応しない有機または無機物質、例えば水、植物油、ベンジルアルコール類、アルキレングリコール類、ポリエチレングリコール類、三酢酸グリセロール、ゼラチン、炭水化物類、例えばラクトースまたはデンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ワセリンである。経口投与に好適なのは、特に、錠剤、ピル、被覆錠剤、カプセル、散剤、顆粒、シロップ、ジュースまたはドロップであり、直腸内投与に好適なのは、座剤であり、非経口投与に好適なのは、溶液、好ましくは油を基剤とする、または水性の溶液、さらに懸濁液、エマルジョンまたは移植片であり、局所的適用に好適なのは、軟膏、クリームまたは散剤である。新規な化合物はまた、凍結乾燥することができ、得られた凍結乾燥物を、例えば注入製剤の製造のために用いる。示した組成物を、滅菌することができ、および/または補助剤、例えば潤滑剤、保存剤、安定剤および/または湿潤剤、乳化剤、浸透圧を改変するための塩、緩衝物質、染料、調味剤および/または1種もしくは2種以上の他の活性成分、例えば1種または2種以上のビタミンを含むことができる。
【0062】
一般的に、本発明の物質を、好ましくは、ここでは投与量単位あたり1〜500mg、特に5〜100mgの用量で投与する。毎日の用量は、好ましくは、約0.02〜10mg/体重1kgである。しかし、各々の患者への特定の用量は、極めて広い範囲の因子、例えば用いる特定の化合物の効能、年齢、体重、健康の一般的状態、性別、食物、投与の時間および方法、排出速度、薬学的組み合わせおよび療法を適用する特定の疾患の重篤度に依存する。経口投与が好ましい。
【0063】
式Iで表される好ましい化合物は、5HT2Aレセプターに対するナノモル親和性、ある場合において5HT2Cレセプターに対する低い親和性を有する。
【0064】
本明細書中、すべての温度を、℃で示す。以下の例において、「慣用の精製操作(work-up)」は、以下のことを意味する:所要に応じて水を加え、混合物を、酢酸エチルまたはジクロロメタンで抽出し、相を分離し、有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、生成物を、シリカゲル上でのクロマトグラフィーにより、および/または結晶化により精製する。
【0065】
例1
【化22】

6.218gのおよび1.360gのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を200mlのエチレングリコールジメチルエーテルに溶解した溶液を、温和に加温し、5.26gのおよび13.107gのフッ化セシウムを加えた後に、還流下で6時間加熱する。反応混合物の慣用の精製操作により、が得られる。
【0066】
例2
【化23】

3.02gのを、大気圧において、160mlのメタノール中の1.50gのラネーニッケルの存在下で水素添加する。慣用の精製操作により、が得られる。
【0067】
例3
【化24】

2.34gのを、23.3mlの水に加え、43.1mlの32%水性塩酸を、−5℃〜0℃において撹拌しながら、15分にわたり滴加する。その後、0.949gの亜硝酸ナトリウムを11.4mlの水に溶解した溶液を、20分にわたり滴加し、さらに30分間撹拌する。得られた混合物を、−5℃〜0℃において、15.58gの塩化スズ(II)二水和物および35.3mlの濃塩酸の溶液に、20分にわたり滴加する。溶媒を除去し、残留物に、慣用の精製操作を施し、が得られる。
【0068】
例4
【化25】

41.00mlのおよび61.97mlのを820mlのテトラヒドロフランに溶解した溶液を、80時間撹拌し、その後蒸留し、(0.4mbarにおいて沸点161℃)が得られる。
【0069】
例5
【化26】

3.95gの、3.30gのおよび170mlのエタノールを混ぜ合わせ、還流下で5時間加熱する。反応混合物の慣用の精製操作により、が得られる。
【0070】
例6
【化27】

2.090gのを25mlのTHFに溶解した溶液を、撹拌し、氷冷しながら、窒素雰囲気下で、1.139gの水素化リチウムアルミニウムを25mlのテトラヒドロフランに懸濁させた懸濁液に滴加する。1時間撹拌した後に、さらに0.500gの水素化リチウムアルミニウムを加える。さらに2時間撹拌した後に、飽和塩化ナトリウム溶液を、氷冷しながら滴加し、混合物に、慣用の精製操作を施し、10が得られる。
【0071】
例7
【化28】

1.480gの10、2.897gの酸化マンガン(IV)、9.00mlのテトラヒドロフランおよび3.0mlのジクロロメタンを混ぜ合わせ、3日間撹拌する。濾過後、溶媒を除去し、残留物に、慣用の精製操作を施し、11が得られる。
【0072】
例8
【化29】

0.017mlの酢酸を、0.103gの11および0.040mlの12を2.00mlのジクロロエタンおよび1.00mlのテトラヒドロフランに溶解した溶液に加え、混合物を、3時間撹拌する。0.120gのトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを加えた後に、混合物を一晩撹拌し、その後飽和炭酸水素ナトリウムを加え、混合物に、慣用の精製操作を施し、13が得られる。
【0073】
例9
【化30】

1.00mlの2Mの炭酸ナトリウム溶液を、91.30mgの14、46.00mgの15および6.500mgのビスジクロロパラジウム(II)を3.00mlのジメトキシエタンに溶解した溶液に滴加する。混合物を、還流下で一晩加熱する。冷却後、5mlの水を、バッチに加え、これに慣用の精製操作を施し、16が得られる。
【0074】
例10
【化31】

0.258gのカリウムtert−ブトキシドを5mlのTHFに溶解した溶液を、最高7℃で、撹拌し、氷冷しながら、0.685gの17および0.789gの18を10mlのTHFに溶解した溶液に滴加する。反応混合物を、2日間撹拌し、その後これに慣用の精製操作を施し、19が得られる。
【0075】
例11
【化32】

50.00mgの20、3.00mlの16%水性硫酸および3.00mlのトルエンの混合物を、還流下で2時間加熱する。その後、この混合物を、室温で3日間撹拌させておく。慣用の精製操作により、21が得られる。
【0076】
例12
【化33】

0.010mlの酢酸を、61.000mgの21および22.35mgのモルホリンを3.000mlのジクロロエタンおよび1.5mlのテトラヒドロフランに溶解した溶液に加える。混合物を、3時間撹拌し、その後68.668mgのトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを加える。2日間撹拌した後に、混合物に、慣用の精製操作を施し、22の遊離塩基が得られる。この塩基を1当量の0.1MのHCl/2−プロパノール溶液と反応させた後に、塩酸塩22が、メチルtert−ブチルエーテルを加えることにより沈殿し、濾過により単離することが可能になる。
【0077】
例13
【化34】

0.033mlの酢酸を、200.00mgの17および74.66mgのo−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩23を8.50mlのジクロロエタンおよび4.5mlのテトラヒドロフランに溶解した溶液に加え、混合物を、3時間撹拌する。この混合物を、3時間撹拌し、その後130.287mgのトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを加える。5時間撹拌した後に、混合物に、慣用の精製操作を施し、24が得られる。
【0078】
例14
【化35】

0.026mlの酢酸を、3.00mlのジクロロエタンおよび1.50mlのテトラヒドロフランの混合物中の0.160gの17および0.087mlの25に加え、混合物を、3時間撹拌する。
0.188gの26を加えた後に、撹拌を一晩継続し、混合物に、慣用の精製操作を施し、27の遊離塩基である28が得られる。HClを2−プロパノールに溶解した0.1M溶液1当量との反応により、塩酸塩27を得ることが可能になる。
【0079】
例15
【化36】

80.00mgの28を、大気圧において、10mlのエタノール中の0.70gのラネーニッケルの存在下で水素添加する。慣用の精製操作および塩酸の添加により、29が得られる。
【0080】
例16
【化37】

1.20gの、2.70gの30、6.0mlの塩酸および40.0mlのジメチルアセトアミドを混ぜ合わせ、一晩撹拌する。40mlの水を加えた後、混合物を、さらに4時間撹拌し、これに慣用の精製操作を施し、31が得られる。
【0081】
例17
【化38】

4.00mlの水性2M炭酸ナトリウム溶液および150.00mgのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を、1.00gの31および630.0mgのを15.0mlのエチレングリコールジメチルエーテルに溶解した溶液に加える。混合物を、還流下で3時間加熱する。冷却後、混合物に、慣用の精製操作を施し、32が得られる。
【0082】
例18
【化39】

3.6gの32を30mlのテトラヒドロフランに溶解した溶液を、450.00mgの水素化リチウムアルミニウムを20mlのテトラヒドロフランに懸濁させた懸濁液に、窒素雰囲気中で滴加する。この混合物を、2時間撹拌する。50mlの水およびテトラヒドロフランの混合物(1:1 v/v)を、氷冷しながらゆっくりと滴加し、得られた沈殿物を、吸引しながら濾別し、濾液に、慣用の精製操作を施し、33が得られる。
【0083】
例19
【化40】

1.600gの33、4.00gの酸化マンガン(IV)および50.00mlのジクロロメタンを混ぜ合わせ、室温で4時間撹拌する。さらに2gの酸化マンガン(IV)を加えた後に、混合物を、2日間撹拌し、その後これに慣用の精製操作を施し、34が得られる。
【0084】
例20
【化41】

0.10mlの酢酸を、430.00mgの34および0.210mlの35を10.0mlのジクロロエタンおよび5.0mlのテトラヒドロフランに溶解した溶液に加える。反応混合物を、3時間撹拌する。その後、0.50gのトリアセト水素化ホウ素ナトリウムを加え、混合物を、2時間撹拌し、次にこれに慣用の精製操作を施し、36の遊離塩基が得られ、これから、36が、エーテル性HClを加えることにより、結晶形態(融点:277℃)で得られる。
【0085】
以下の化合物が、対応する前駆体を用いて、本発明による使用について同様に得られる:
例21〜240:
【表1】

【0086】
【表2】

【0087】
【表3】

【0088】
【表4】

【0089】
【表5】

【0090】
【表6】

【0091】
【表7】

【0092】
【表8】

【0093】
【表9】

【0094】
【表10】

【0095】
【表11】

【0096】
【表12】

【0097】
【表13】

【0098】
【表14】

【0099】
【表15】

【0100】
【表16】

【0101】
【表17】

【0102】
【表18】

【0103】
【表19】

【0104】
【表20】

【0105】
【表21】

【0106】
【表22】

【0107】
例340〜389
【化42】

【0108】
【化43】

【0109】
【化44】

【0110】
【化45】

【0111】
例390〜439:
【化46】

【0112】
【化47】

【0113】
【化48】

【0114】
【化49】

【0115】
例440〜489:
【化50】

【0116】
【化51】

【0117】
【化52】

【0118】
【化53】

【0119】
【化54】

【0120】
例490〜539:
【化55】

【0121】
【化56】

【0122】
【化57】

【0123】
【化58】

【0124】
例540〜589:
【化59】

【0125】
【化60】

【0126】
【化61】

【0127】
【化62】

【0128】
例590〜639:
【化63】

【0129】
【化64】

【0130】
【化65】

【0131】
【化66】

【0132】
【化67】

【0133】
例640〜689:
【化68】

【0134】
【化69】

【0135】
【化70】

【0136】
【化71】

【0137】
例690〜739:
【化72】

【0138】
【化73】

【0139】
【化74】

【0140】
【化75】

【0141】
例740〜789:
【化76】

【0142】
【化77】

【0143】
【化78】

【0144】
【化79】

【0145】
【化80】

【0146】
例790〜839:
【化81】

【0147】
【化82】

【0148】
【化83】

【0149】
【化84】

【0150】
例840〜889:
【化85】

【0151】
【化86】

【0152】
【化87】

【0153】
【化88】

【0154】
例890〜1059:
【表23】

【0155】
【表24】

【0156】
【表25】

【0157】
【表26】

【0158】
【表27】

【0159】
【表28】

【0160】
【表29】

【0161】
【表30】

【0162】
【表31】

【0163】
【表32】

【化89】

【0164】
【表33】

【0165】
【表34】

【0166】
【表35】

【0167】
【表36】

【化90】

【0168】
【表37】

【0169】
【表38】

【0170】
【表39】

【0171】
【表40】

【0172】
【表41】

【0173】
【表42】

【0174】
以下の例は、医薬組成物に関する:
例A:注射バイアル
100gの式Iで表される活性成分および5gのリン酸水素二ナトリウムを3lの2回蒸留水に溶解した溶液を、2N塩酸を用いてpH6.5に調整し、滅菌濾過し、注射バイアル中に移送し、滅菌条件下で凍結乾燥し、滅菌条件下で密封する。各々の注射バイアルは、5mgの活性成分を含む。
【0175】
例B:座剤
20gの式Iで表される活性成分の混合物を、100gの大豆レシチンおよび1400gのココアバターと共に溶融し、型中に注入し、放冷する。各々の座剤は、20mgの活性成分を含む。
【0176】
例C:溶液
1gの式Iで表される活性成分、9.38gのNaHPO・2HO、28.48gのNaHPO・12HOおよび0.1gの塩化ベンザルコニウムから、940mlの2回蒸留水中に溶液を調製する。pHを、6.8に調整し、溶液を1lにし、放射線により滅菌する。この溶液を、点眼剤の形態で用いることができる。
【0177】
例D:軟膏
500mgの式Iで表される活性成分を、99.5gのワセリンと、無菌条件下で混合する。
【0178】
例E:錠剤
1kgの式Iで表される活性成分、4kgのラクトース、1.2kgのジャガイモデンプン、0.2kgのタルクおよび0.1kgのステアリン酸マグネシウムの混合物を、慣用の方法で圧縮して、錠剤を得、各々の錠剤が10mgの活性成分を含むようにする。
【0179】
例F:被覆錠剤
例Eと同様にして、錠剤を圧縮し、次に、慣用の方法で、スクロース、ジャガイモデンプン、タルク、トラガカントおよび染料の被膜で被覆する。
【0180】
例G:カプセル
2kgの式Iで表される活性成分を、慣用の方法で、硬質ゼラチンカプセル中に導入して、各々のカプセルが、20mgの活性成分を含むようにする。
【0181】
例H:アンプル
1kgの式Iで表される活性成分を60lの2回蒸留水に溶解した溶液を、滅菌濾過し、アンプル中に移送し、滅菌条件下で凍結乾燥し、滅菌条件下で密封する。各々のアンプルは、10mgの活性成分を含む。
【0182】
例I:吸入スプレー
14gの式Iで表される活性成分を、10lの等張性NaCl溶液に溶解し、この溶液を、ポンプ機構を有する商業的に入手し得るスプレー容器中に移送する。溶液を、口または鼻中にスプレーすることができる。1回のスプレー噴射(約0.1ml)は、約0.14mgの用量に相当する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

式中、
Xは、CHまたはNを示し、
は、H、A、Hal、(CHHet、(CHAr、3〜7個のC原子を有するシクロアルキル、CF、NO、CN、C(NH)NOHまたはOCFを示し、
は、(CHHet、(CHAr、3〜7個のC原子を有するシクロアルキルまたはCFを示し、
、Rは、
【化2】

を示し、ここで、各々の場合において、基RまたはRの1つは、Hの意味を有し、
は、HまたはAを示し、
Aは、1〜10個のC原子を有する直鎖状もしくは分枝状アルキルまたはシクロアルキル、2〜10個のC原子を有するアルケニル、2〜10個のC原子を有するアルコキシアルキルまたは4〜7個のC原子を有するシクロアルキルを示し、この各々は、非置換であるか、またはHalもしくはCNにより置換されており、
Hetは、好ましくは、1〜15個のC原子を有し、非置換であるか、またはAおよび/またはHalにより単置換もしくは多置換されている、飽和、不飽和または芳香族単環式または二環式複素環式基、あるいは1個または2個のヘテロ原子を含む、1〜15個のC原子を有する直鎖状基を示し、
Arは、非置換であるか、またはAおよび/またはHal、OR、OOCR、COOR、CON(R、CN、NO、NH、NHCOR、CFあるいはSOCHにより単置換もしくは多置換されているフェニル基を示し、
nは、0、1、2、3、4または5を示し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示す、
で表される化合物並びにこれらの塩および溶媒和物、鏡像体およびラセミ体の、式Iで表される化合物の5HTレセプターへの結合により影響され得る疾患の処置および予防のための医薬の製造のための使用。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物および/またはこれらの生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、5−HTレセプター−アンタゴニスト作用を有する医薬の製造のための使用。
【請求項3】
請求項1または2に記載の化合物および/またはこれらの生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、5−HT2Aレセプター−アンタゴニスト作用を有する医薬の製造のための使用。
【請求項4】
請求項1、2または3に記載の式Iで表される化合物および/またはこれらの生理学的に許容し得る塩または溶媒和物の、精神病、神経性障害、筋萎縮性側索硬化症、摂食障害、例えば過食症、拒食症、月経前症候群の予防および/または処置のための、および/または強迫性障害(OCD)に正に影響するための医薬の製造のための使用。
【請求項5】
が、フェニル、2−、3−もしくは4−シアノフェニル、2−、3−もしくは4−フルオロフェニル、2−、3−もしくは4−メチル、エチル、n−プロピルもしくはn−ブチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−、3,5−もしくは3,6−ジフルオロ、ジクロロもしくはジシアノフェニル、3,4,5−トリフルオロフェニル、3,4,5−トリメトキシもしくはトリエトキシフェニル、チオフェン−2−イルもしくはチオフェン−3−イルまたは1−、2−もしくは3−ピロリルを示す、請求項1〜4のいずれかに記載の式Iで表される化合物の使用。
【請求項6】
が、
【化3】

を示す、請求項1〜5のいずれかに記載の式Iで表される化合物の使用。
【請求項7】
が、Hを示す、請求項1〜6のいずれかに記載の式Iで表される化合物の使用。
【請求項8】
が、フェニル、2−、3−または4−シアノフェニル、2−、3−または4−フルオロフェニル、2−、3−または4−メチル、エチル、n−プロピルまたはn−ブチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−ジフルオロまたはジシアノフェニル、チオフェン−2−イルまたはチオフェン−3−イル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−または5−オキサゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、2−または4−ピリダジル、2−、4−または5−ピリミジル、2−または3−ピラジニル、2−または3−フリルを示す、請求項1〜7のいずれかに記載の式Iで表される化合物の使用。
【請求項9】
Xが、CHの意味を有する、請求項1〜8のいずれかに記載の式Iで表される化合物の使用。
【請求項10】
請求項1に記載の式(a)〜(o):
[1−ビフェニル−4−イル−5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−(4−メチルピペラジン−1−イル)アミン (a)
4−{2−[1−ビフェニル−4−イル−5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]エチル}モルホリン (b)
4−{3−[1−ビフェニル−4−イル−5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]アリル}モルホリン (c)
1−[1−ビフェニル−4−イル−5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]ピロリジン−3−オール (d)
1−[1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)−5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−4−メチルピペラジン (e)
1−[5−(2−フルオロフェニル)−1−(4−チオフェン−3−イルフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−4−メチルピペラジン (f)
1−[5−フラン−2−イル−1−(4−チオフェン−3−イルフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−4−メチルピペラジン (g)
−[1−ビフェニル−4−イル−5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]エタン−1,2−ジアミン (h)
2−{[1−ビフェニル−4−イル−5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]アミノ}エタノール (i)
[1−ビフェニル−4−イル−5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−(2−メトキシエチル)アミン (j)
2−{[1−ビフェニル−4−イル−5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]メチルアミノ}エタノール (k)
1−[1−ビフェニル−4−イル−5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−4−メチル−[1,4]ジアゼパム (l)
1−[1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−4−メチルピペラジン (m)
1−[5−(2−フルオロフェニル)−1−(4−ピロール−1−イルフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−4−メチルピペラジン (n)
[1−ビフェニル−4−イル−5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−メチル−(1−メチルピロリジン−3−イル)アミン (o)
で表される化合物並びにこれらの塩および溶媒和物の使用。

【公開番号】特開2011−148803(P2011−148803A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37046(P2011−37046)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【分割の表示】特願2006−504584(P2006−504584)の分割
【原出願日】平成16年3月8日(2004.3.8)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】