説明

美白用皮膚外用剤、美白剤、美白方法および美白用皮膚外用剤の製造方法

【課題】 メラニン生成抑制作用を有しており、日焼け後の色素沈着・しみ・そばかす・肝斑等の淡色化、美白に優れた効果を有すると共に、安全性にも優れた美白用皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】 イラクサ科(Urticaceae)植物のPilea cavaleriei 、ドクダミ科(Saururaceae)植物のSaururus chinensis 、ガガイモ科(Asclepiadaceae)植物のStreptocaulon griffithii 、ミカン科(Rutaceae)植物のToddalia asiatica 、及びマメ科(Leguminosae)植物のTadehagi triquetrum から選ばれる1種又は2種以上の植物の抽出物を0.001〜20.0質量%配合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規な美白剤およびそれを配合した美白用皮膚外用剤に関し、特にメラニンの生成を抑制し、しみ・そばかす等の色素沈着の予防および改善に有効な美白用皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚のしみ・そばかすなどの色素沈着は、ホルモンの異常や紫外線、皮膚局所の炎症が原因となってメラニンが過剰に形成され、これが皮膚内に沈着するものと考えられている。皮膚の色素沈着の原因となるこのメラニンは、表皮基底層にある色素細胞(メラノサイト)内のメラノソームと呼ばれる小器官において生成され、生成したメラニンは、周囲角化細胞(ケラチノサイト)に取り込まれる。このメラノサイト内におけるメラニンは、チロシンが酵素チロシナーゼの作用によりドーパキノンを経て酵素的または非酵素的な酸化反応により黒色のメラニンへと変化して生成される。したがって、第一段階の反応であるチロシナーゼの活性を抑制することが、メラニンの生成を抑制するうえで重要である。
【0003】
上記のような色素異常の予防・改善を目的として美白作用を有する物質、すなわち、メラニン生成を抑制する物質が主に用いられており、例えば、ビタミンCを大量に経口投与する方法、グルタチオン等を注射する方法、あるいは、コウジ酸、ビタミンC及びその誘導体、システイン等を軟膏、クリーム、ローション等の形態で局所に塗布する方法などが知られている。
【0004】
しかしながら、チロシナーゼの活性を抑制する化合物はハイドロキノンを除いてはその効果の発現がきわめて緩慢であるため、皮膚色素沈着の改善効果が十分でない。一方、ハイドロキノンは効果が認められるが、感作性があるため一般の使用が制限されている。そこでその安全性を向上させるため、高級脂肪酸のモノエステルやアルキルモノエーテルなどにする試み(特許文献1参照)がなされている。
【0005】
【特許文献1】特開昭58−154507号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような高級脂肪酸のモノエステル類は体内の加水分解酵素によって分解されるため必ずしも安全であるとはいい難く、またエーテル類も安全性の面で充分に満足するものが得られていない。
【0007】
そこで、本発明者らは種々の植物抽出物についてメラニン生成抑制効果を調べた結果、これまでにかかる効果を有することが知られていなかった特定の植物抽出物について、メラニン生成抑制作用およびチロシナーゼ阻害作用を有していることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、イラクサ科 (Urticaceae) 植物の Pilea cavaleriei 、ドクダミ科 (Saururaceae) 植物の Saururus chinensis 、ガガイモ科 (Asclepiadaceae) 植物の Streptocaulon griffithii、ミカン科 (Rutaceae) 植物のToddalia asiatica、及びマメ科 (Leguminosae) 植物の Tadehagi triquetrum からなる群より選択される1種又は2種以上の植物の抽出物を0.001〜20.0質量%配合することを特徴とする美白用皮膚外用剤である。
【0009】
また本発明は、イラクサ科 (Urticaceae) 植物の Pilea cavaleriei 、ドクダミ科 (Saururaceae) 植物の Saururus chinensis 、ガガイモ科 (Asclepiadaceae) 植物の Streptocaulon griffithii、ミカン科 (Rutaceae) 植物のToddalia asiatica、及びマメ科 (Leguminosae) 植物の Tadehagi triquetrum からなる群より選択される1種又は2種以上の植物の抽出物からなることを特徴とする美白剤である。
【0010】
さらに本発明によれば、前記美白剤を用いて肌の美白を行うことを特徴とする美白方法が提供される。
【0011】
また前記美白用皮膚外用剤の製造方法は、前記美白剤を水相または油相に添加して美白用皮膚外用剤を製造することを特徴とする。
【0012】
本発明で用いられるPilea cavaleriei は、中国では民間薬として肺結核、肺熱性咳、腎臓炎の水腫、外傷性腫れと痛み、火傷、湯傷、瘡、小さいできもの等に用いられる事が知られている。
Saururus chinensis はハンゲショウと呼ばれ、利尿剤に用いられる事が知られている。
Streptocaulon griffithii は風邪の発熱、コレラ、急性胃腸炎、赤痢、心胃気邪の痛み等に用いられる事が知られている。
Toddalia asiatica はサルカケミカンと呼ばれ、風邪、吐血、咳、胃痛、リウマチ性の痺れと痛み等に用いられる事が知られている。
Tadehagi triquetrum はタデハギと呼ばれ、風邪の発熱、肝炎、腎臓炎、小児消化不良、妊娠、嘔吐、湿熱性下痢、皮膚潰瘍、せつ等に用いられる事が知られている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の美白用皮膚外用剤は、メラニン生成抑制作用を有しており、日焼け後の色素沈着・しみ・そばかす・肝斑等の淡色化、美白に優れた効果を有すると共に、安全性にも優れたものである。
本発明の美白剤によれば、該美白剤を用いることにより、メラニン生成抑制作用を有しており、日焼け後の色素沈着・しみ・そばかす・肝斑等の淡色化、美白に優れた効果を有すると共に、安全性にも優れた美白用皮膚外用剤を提供することができる。
また本発明によれば、日焼け後の色素沈着・しみ・そばかす・肝斑等の淡色化、美白に優れた効果を有すると共に、安全性にも優れた美白方法が提供される。
さらに、本発明による美白用皮膚外用剤の製造方法によれば、メラニン生成抑制作用を有しており、日焼け後の色素沈着・しみ・そばかす・肝斑等の淡色化、美白に優れた効果を有すると共に、安全性にも優れた美白用皮膚外用剤を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の構成について詳述する。
本発明の美白剤に用いられるPilea cavaleriei 、Saururus chinensis 、Streptocaulon griffithii 、Toddalia asiatica 、およびTadehagi triquetrum は、特に中国、日本、東南アジアなどに生育する植物である。
【0015】
本発明に用いられる植物抽出物は、上記植物の葉、地下茎を含む茎、根、果実、植物全草等を抽出溶媒と共に浸漬または加熱還流した後、濾過し、濃縮して得られる。本発明に用いられる抽出溶媒は、通常抽出に用いられる溶媒であれば何でもよく、特にメタノール、エタノール等のアルコール類、含水アルコール類、アセトン、酢酸エチルエステル等の有機溶媒を単独あるいは組み合わせて用いることができる。本発明の美白剤は上記植物抽出物からなるものであるが、上記植物を単独で用いた植物抽出物であっても、あるいは混合して用いた植物抽出物であっても良い。
【0016】
本発明の美白用皮膚外用剤における上記植物抽出物の配合量は外用剤全量中、乾燥物として0.001〜20.0質量%、好ましくは0.01〜10.0質量%である。0.001質量%未満であると本発明でいう効果が乏しくなる傾向にあり、20.0質量%を超えると製剤化が難しいので好ましくない。また、10.0質量%を超えて配合してもさほど大きな効果の向上はみられない。
【0017】
本発明の美白用皮膚外用剤には、上記必須成分以外に、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる成分、例えば、その他の美白剤、保湿剤、酸化防止剤、油性成分、紫外線吸収剤、界面活性剤、増粘剤、アルコール類、粉末成分、色材、水性成分、水、各種皮膚栄養剤等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0018】
その他、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸等の金属封鎖剤、カフェイン、タンニン、ベラパミル、トラネキサム酸およびその誘導体、甘草抽出物、グラブリジン、火棘の果実の熱水抽出物、各種生薬、酢酸トコフェロール、グリチルリチン酸およびその誘導体またはその塩等の薬剤、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸、ルシノール、エラグ酸、カモミラ等の他の美白剤、グルコース、フルクトース、マンノース、ショ糖、トレハロース等の糖類なども適宜配合することができる。
【0019】
本発明の美白用皮膚外用剤とは、例えば軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、浴用剤等、従来皮膚外用剤に用いるものであればいずれでもよく、剤型は特に問わない。
【実施例】
【0020】
次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれにより限定されるものではない。配合量は質量%である。実施例に先立ち、本発明の植物抽出物のメラニン生成抑制効果および美白効果に関する試験方法とその結果について説明する。
【0021】
試験方法およびその結果
1.試料の調製
(1)Pilea cavaleriei 抽出液
Pilea cavaleriei の全草60gを、室温で1週間メタノールに浸漬し、抽出液をろ過、溶媒を留去し、メタノール抽出物1.6gを得た。この抽出物をDMSOに1質量%溶かし、この溶液を希釈して濃度を調整し、これを用いて以下の実験を行った。
(2)Saururus chinensis 抽出液
Saururus chinensis の根および地下茎部分31gを、室温で1週間メタノールに浸漬し、抽出液をろ過、溶媒を留去し、メタノール抽出物1.6gを得た。この抽出物をDMSOに1質量%溶かし、この溶液を希釈して濃度を調整し、これを用いて以下の実験を行った。
(3)Streptocaulon griffithii 抽出液
Streptocaulon griffithii の根部分30gを、室温で1週間メタノールに浸漬し、抽出液をろ過、溶媒を留去し、メタノール抽出物1.4gを得た。この抽出物をDMSOに1質量%溶かし、この溶液を希釈して濃度を調整し、これを用いて以下の実験を行った。
(4)Toddalia asiatica 抽出液
Toddalia asiatica の根部分33gを、室温で1週間メタノールに浸漬し、抽出液をろ過、溶媒を留去し、メタノール抽出物2.9gを得た。この抽出物をDMSOに1質量%溶かし、この溶液を希釈して濃度を調整し、これを用いて以下の実験を行った。
(5)Tadehagi triquetrum 抽出液
Tadehagi triquetrum の全草30gを、室温で1週間メタノールに浸漬し、抽出液をろ過、溶媒を留去し、メタノール抽出物3.0gを得た。この抽出物をDMSOに1質量%溶かし、この溶液を希釈して濃度を調整し、これを用いて以下の実験を行った。
【0022】
2.細胞培養法
マウスB16メラノーマ培養細胞を使用した。10%FBSおよびテオフィリン(0.09mg/ml)を含むイーグルMEM培地中でCO2インキュベーター(95%空気,5%二酸化炭素)内、37℃の条件下で培養した。培養24時間後に試料溶液を終濃度(抽出乾燥物換算濃度)で2×10-3〜10-5重量%になるように添加し、さらに3日間培養を続け、以下の方法でメラニン生成量の視感判定を測定した。
【0023】
3.メラニン量の視感測定
プレートの蓋上に拡散板を置き、倒立顕微鏡で細胞数と細胞内のメラニン量を観察し、Pilea cavaleriei 、Saururus chinensis 、Streptocaulon griffithii 、Toddalia asiatica 、Tadehagi triquetrum の抽出物を添加していない試料(基準)の場合と比較した。その結果を表1に表示した。また、参考例として、すでにメラニン生成抑制作用のあることが知られているアルブチンについても上記と同様の試験を行った。その結果を併せて表1に示す。細胞増殖については、試験したすべての試料において「抑制なし」の結果であった。
【0024】
<判定基準>
○:白(メラニン量)
△:やや白(メラニン量)
×:基準(メラニン量)
【0025】
【表1】

【0026】
表1の結果より、Pilea cavaleriei 、Saururus chinensis 、Streptocaulon griffithii 、Toddalia asiatica 、Tadehagi triquetrum の抽出物は、細胞増殖に影響を与えることなくメラニンの生成を抑制することがわかり、アルブチンと同様に優れた美白作用をもつことがわかった。
【0027】
4.美白効果試験
(4−1)美白剤配合皮膚外用剤の調製
美白剤を各試料として、下記の処方に調製した。調製方法は常法に従いアルコール相および水相を調製して行った。
(アルコール相)
99%エタノール 70.0 質量%
「表2」記載の美白剤 「表2」記載の量
(水相)
グリセリン 5.0
イオン交換水 残余
【0028】
(4−2)試験方法
紫外線を曝露したパネル(n=5)の皮膚を対象として、紫外線を曝露した日の14日後より、各処方液を1日1回ずつ8週間塗布した。塗布終了後、紫外線照射によって誘導される色素沈着に対して抑制効果があるかどうかを試験終了時に4段階の評価基準で調べた。結果を表2に示す。
(評価基準)
4:著効
3:有効
2:やや有効
1:効果なし
【0029】
【表2】

【0030】
表2より明らかなように、紫外線を曝露したパネルに対するPilea cavaleriei 、Saururus chinensis 、Streptocaulon griffithii 、Toddalia asiatica 、Tadehagi triquetrum を添加した処方液はメラニン色素の沈着を防ぎ、色黒を予防・改善することが認められた。
【0031】
以下に、本発明の美白剤を配合した皮膚外用剤の実施例を挙げる。配合した美白剤は上記で調製したものを用いた。配合量は質量%を表す。実施例1〜10で得られた皮膚外用剤はいずれも美白効果試験において効果が認められた。
【0032】
実施例1 クリーム
(処方)
ステアリン酸 5.0 質量%
ステアリルアルコール 4.0
イソプロピルミリステート 18.0
グリセリンモノステアリン酸エステル 3.0
プロピレングリコール 10.0
Pilea cavalerieiエタノール抽出物 0.01
苛性カリ 0.2
亜硫酸水素ナトリウム 0.01
防腐剤 適量
香料 適量
イオン交換水 残余
(製法)
イオン交換水にプロピレングリコールとPilea cavaleriei エタノール抽出物と苛性カリを加え溶解し、加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を徐々に加え、全部加え終わってからしばらくその温度に保ち反応を起こさせる。その後、ホモミキサーで均一に乳化し、よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0033】
実施例2 クリーム
(処方)
ステアリン酸 2.0 質量%
ステアリルアルコール 7.0
水添ラノリン 2.0
スクワラン 5.0
2−オクチルドデシルアルコール 6.0
ポリオキシエチレン(25モル)
セチルアルコールエーテル 3.0
グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0
プロピレングリコール 5.0
Saururus chinensis ヘキサン抽出物 0.05
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
エチルパラベン 0.3
香料 適量
イオン交換水 残余
(製法)
イオン交換水にプロピレングリコールを加え、加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0034】
実施例3 クリーム
(処方)
固形パラフィン 5.0 質量%
ミツロウ 10.0
ワセリン 15.0
流動パラフィン 41.0
グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0
ポリオキシエチレン(20モル)
ソルビタンモノラウリン酸エステル 2.0
石けん粉末 0.1
硼砂 0.2
Streptocaulon griffithii アセトン抽出物 0.05
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
エチルパラベン 0.3
香料 適量
イオン交換水 残余
(製法)
イオン交換水に石けん粉末と硼砂を加え、加熱溶解して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相をかきまぜながら徐々に加え反応を行う。反応終了後、ホモミキサーで均一に乳化し、乳化後よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0035】
実施例4 乳液
(処方)
ステアリン酸 2.5 質量%
セチルアルコール 1.5
ワセリン 5.0
流動パラフィン 10.0
ポリオキシエチレン(10モル)モノオレイン酸エステル 2.0
ポリエチレングリコール1500 3.0
トリエタノールアミン 1.0
カルボキシビニルポリマー 0.05
(商品名:カーボポール941,B.F.Goodrich Chemical company)
Toddalia asiatica 酢酸エチルエステル抽出物 0.01
亜硫酸水素ナトリウム 0.01
エチルパラベン 0.3
香料 適量
イオン交換水 残余
(製法)
少量のイオン交換水にカルボキシビニルポリマーを溶解する(A相)。残りのイオン交換水にポリエチレングリコール1500とトリエタノールアミンを加え、加熱溶解して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を加え予備乳化を行い、A相を加えホモミキサーで均一乳化し、乳化後よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0036】
実施例5 乳液
(処方)
マイクロクリスタリンワックス 1.0 質量%
密ロウ 2.0
ラノリン 20.0
流動パラフィン 10.0
スクワラン 5.0
ソルビタンセスキオレイン酸エステル 4.0
ポリオキシエチレン(20モル)
ソルビタンモノオレイン酸エステル 1.0
プロピレングリコール 7.0
Tadehagi triquetrum 水抽出物 10.0
亜硫酸水素ナトリウム 0.01
エチルパラベン 0.3
香料 適量
イオン交換水 残余
(製法)
イオン交換水にプロピレングリコールを加え、加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し、加熱融解して70℃に保つ(油相)。油相をかきまぜながらこれに水相を徐々に加え、ホモミキサーで均一に乳化する。乳化後よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0037】
実施例6 ゼリー
(処方)
95%エチルアルコール 10.0 質量%
ジプロピレングリコール 15.0
ポリオキシエチレン(50モル)
オレイルアルコールエーテル 2.0
カルボキシビニルポリマー 1.0
(商品名:カーボポール940,B.F.Goodrich Chemical company)
苛性ソーダ 0.15
L−アルギニン 0.1
Pilea cavaleriei50%エタノール水溶液抽出物 7.0
2-ヒドロキシ-4-
メトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム 0.05
エチレンジアミンテトラアセテート・3ナトリウム・2水 0.05
メチルパラベン 0.2
香料 適量
イオン交換水 残余
(製法)
イオン交換水にカーボポール940を均一に溶解し、一方、95%エタノールにPilea cavaleriei 50%エタノール水溶液抽出物、ポリオキシエチレン(50モル)オレイルアルコールエーテルを溶解し、水相に添加する。次いで、その他の成分を加えたのち苛性ソーダ、L−アルギニンで中和させ増粘する。
【0038】
実施例7 美容液
(処方)
(A相)
エチルアルコール(95%) 10.0 質量%
ポリオキシエチレン(20モル)
オクチルドデカノール 1.0
パントテニールエチルエーテル 0.1
Saururus chinensis エタノール抽出物 1.5
メチルパラベン 0.15
(B相)
水酸化カリウム 0.1
(C相)
グリセリン 5.0
ジプロピレングリコール 10.0
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
カルボキシビニルポリマー 0.2
(商品名:カーボポール940,B.F.Goodrich Chemical company)
精製水 残余
(製法)
A相、C相をそれぞれ均一に溶解し、C相にA相を加えて可溶化する。次いでB相を加えたのち充填を行う。
【0039】
実施例8 パック
(処方)
(A相)
ジプロピレングリコール 5.0 質量%
ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 5.0
(B相)
Streptocaulon griffithii エタノール抽出物 0.01
オリーブ油 5.0
酢酸トコフェロール 0.2
エチルパラベン 0.2
香料 0.2
(C相)
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
ポリビニルアルコール 13.0
(ケン化度90、重合度2,000)
エタノール 7.0
精製水 残余
(製法)
A相、B相、C相をそれぞれ均一に溶解し、A相にB相を加えて可溶化する。次いでこれをC相に加えたのち充填を行う。
【0040】
実施例9 固形ファンデーション
(処方)
タルク 43.1 質量%
カオリン 15.0
セリサイト 10.0
亜鉛華 7.0
二酸化チタン 3.8
黄色酸化鉄 2.9
黒色酸化鉄 0.2
スクワラン 8.0
イソステアリン酸 4.0
モノオレイン酸POEソルビタン 3.0
オクタン酸イソセチル 2.0
Toddalia asiatica エタノール抽出物 1.0
防腐剤 適量
香料 適量
(製法)
タルク〜黒色酸化鉄の粉末成分をブレンダーで十分混合し、これにスクワラン〜オクタン酸イソセチルの油性成分、Toddalia asiatica エタノール抽出物、防腐剤、香料を加え良く混練した後、容器に充填、成型する。
【0041】
実施例10 乳化型ファンデーション(クリームタイプ)
(処方)
(粉体部)
二酸化チタン 10.3 質量%
セリサイト 5.4
カオリン 3.0
黄色酸化鉄 0.8
ベンガラ 0.3
黒色酸化鉄 0.2
(油相)
デカメチルシクロペンタシロキサン 11.5
流動パラフィン 4.5
ポリオキシエチレン変性ジメチルポリシロキサン 4.0
(水相)
精製水 50.0
1,3−ブチレングルコール 4.5
Tadehagi triquetrum エタノール抽出物 1.5
ソルビタンセスキオレイン酸エステル 3.0
防腐剤 適量
香料 適量
(製法)
水相を加熱攪拌後、十分に混合粉砕した粉体部を添加してホモミキサー処理する。更に加熱混合した油相を加えてホモミキサー処理した後、攪拌しながら香料を添加して室温まで冷却する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イラクサ科 (Urticaceae) 植物の Pilea cavaleriei 、ドクダミ科 (Saururaceae) 植物の Saururus chinensis 、ガガイモ科 (Asclepiadaceae) 植物の Streptocaulon griffithii、ミカン科 (Rutaceae) 植物のToddalia asiatica、及びマメ科 (Leguminosae) 植物の Tadehagi triquetrum からなる群より選択される1種又は2種以上の植物の抽出物を0.001〜20.0質量%配合することを特徴とする美白用皮膚外用剤。
【請求項2】
イラクサ科 (Urticaceae) 植物の Pilea cavaleriei 、ドクダミ科 (Saururaceae) 植物の Saururus chinensis 、ガガイモ科 (Asclepiadaceae) 植物の Streptocaulon griffithii、ミカン科 (Rutaceae) 植物のToddalia asiatica、及びマメ科 (Leguminosae) 植物の Tadehagi triquetrum からなる群より選択される1種又は2種以上の植物の抽出物からなることを特徴とする美白剤。
【請求項3】
請求項2に記載の美白剤を用いて肌の美白を行うことを特徴とする美白方法。
【請求項4】
請求項2に記載の美白剤を水相または油相に添加して美白用皮膚外用剤を製造することを特徴とする美白用皮膚外用剤の製造方法。



【公開番号】特開2006−169188(P2006−169188A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−366067(P2004−366067)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】