説明

聴覚的な表示のための装置及び方法

複数のスピーカー(220)が、該スピーカー(220)をさまざまに駆動することによって異なる空間的位置を聴覚によって示すことができるように空間的に異なる位置に配置されている再現空間(210)において、物体(200)の位置を聴覚的に表示するための装置(100)が、信号関連付け手段(110)と、スピーカー駆動手段(120)とを備えている。信号関連付け手段(110)は物体(200)に聴覚信号を関連付けるように構成されている。スピーカー駆動手段(120)は複数のスピーカー(220)のための1又は2以上のスピーカー信号(LS)を生成するように構成されており、物体(200)の位置を表示するための1又は2以上のスピーカー信号(LS)は、信号関連付け手段(110)によって物体(200)へと関連付けられた聴覚信号にもとづく。1又は2以上のスピーカー信号(LS)を再生したときに再現空間(210)内に物体(200)の位置が聴覚的に表示されるように1又は2以上のスピーカー信号(LS)を生成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再現空間に物体の位置を聴覚的に表示するための装置及び方法に関する。特に、実施の形態は、船舶に搭載されて使用される聴覚的な表示を含む。
【背景技術】
【0002】
中型及び大型の船舶の艦橋又は機械操作センターにおいて、一方では船舶の技術的設備を監視し、他方では水上及び水中の環境(特に、障害物)についての情報を提供する多数の視覚的表示(例えば、センサーなどの)が頻繁に見かけられる。通常は、数名の者が、船舶を制御するために艦橋又は操作センターに存在している。情報をもたらすセンサーの数が増すにつれて、例えば警報と情報を区別しなければならないような、区別可能な信号を生成することがますます重要になってきている。視覚的表示の他に、聴覚による情報提示が特に望ましい。まれにしか生じない通知はスピーチ出力によって支援することが可能であるが、例えばレーダー装置又はソナーによってもたらされるような頻繁に生じる通知をアナウンスによって伝えることは、はるかに複雑である。自動車分野からの従来技術として、種々の周波数のビープ音を再生する間隔センサーが考えられる。好ましい例としては、距離が減少するように障害物に近付くときに周波数を変化させることができる。しかしながら、これは、船舶においては、可動の障害物が存在して、任意の方向に移動する可能性があるため、充分な情報をもたらさない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この従来技術から出発して、本発明は物体の位置を聴覚的に表示する装置及び方法を提供するという目的にもとづく。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、請求項1又は18に記載の装置、及び請求項20に記載の方法によって達成される。
【0005】
本発明の中心にある考え方は、複数のスピーカーをさまざまに駆動することによって異なる位置を聴覚によって示すことができるように、それらのスピーカーを空間的に異なるように再現空間に配置することにある。特に、信号関連付け手段が聴覚信号を物体へと関連付けるように構成され、スピーカー駆動手段が複数のスピーカーのための1又は2以上のスピーカー信号を生成するように構成される。1又は2以上のスピーカー信号は、物体の位置を表示するようなスピーカー信号であり、信号関連付け手段によって物体へと関連付けられた聴覚信号に基づいている。1又は2以上のスピーカー信号は、その1又は2以上のスピーカー信号を再生したときに再現空間内に物体の位置が聴覚的に表示されるように決められる。
【0006】
本発明の実施の形態は、さらに、インテリジェントな聴覚的表示を使用して、どのようにしてセンサー信号をより容易に表現することができ、したがってどのようにして安全を向上させることができ、諸経費を減らすことができるのかに関する。本発明の別の考え方は、上記の情報のかなりの部分が多数の報告装置における位置の表示であるという事実にもとづく。例えば、レーダー、ソナー、海図又は天気図を報告装置として使用することができ、その場合の位置の表示は、好ましい例としては、方向又は物体までの距離に関する。その方向又は距離を報告又は表示するように、例えば、この情報を可能な限り正確に自然にエンコードする音場がいくつかのスピーカーによって生成される。
【0007】
これまでに使用されているレーダー及びソナーの視覚的表示と協働する場合、環境を聴覚によって示すときに、最も重要な物体又は重要な物体だけを補うことが現実的である。それらは、例えば、接近する物体又は針路が船舶の針路と交差する物体で、衝突の危険につながると考えられる物体である。
【0008】
娯楽の分野及び仮想現実の分野における空間オーディオ信号のための再現システムに基づき、小さな空間においても、物体の位置(距離及び方向)を再現空間の外側でも正確に聞き取ることができるように壁を仮想的に消失させることができる。
【0009】
基本的に、スピーカーを駆動する2つのやり方が存在する。
【0010】
(i)波面合成(WFS):
このシステムにおいては、複数のスピーカーが、好ましい例として、一定の距離に位置しており、それらのスピーカーのための個々の信号が公知のWFSアルゴリズムに従って計算される。ここでは、物体はレーダー信号からの対応する方向及び距離の音響物体として再現される。物体が仮想の音源として現れ、聴取者が位置を認識することができる。艦橋のすべての者が、好ましい例としては、同じ位置に物体を知覚することができる。単一の物体だけでなく、いくつかの物体を同時に聴覚的に表示することも可能であり、その場合には、別の聴覚信号(又は、例えば、等しい聴覚信号であってもよい。)を各々の物体に関連付けることができる。
【0011】
(ii)時間及び振幅パンニング(TAP):
この方法においては、個々のスピーカーについての聴覚信号の振幅及び位相が、その聴覚信号が特定の方向から到来して特定の距離にあるように聞こえるように変化させられる。このシステムによれば、スピーカー間に、より大きな距離及び/又は異なる距離を許すことも可能である。この方法は、WSFと比べて必要とされるスピーカーが少ない点で有利であるが、音源の音響位置の知覚の正確さが劣る点で不利である。さらには、知覚される音源の位置が聴取者の位置に多少は依存する可能性がある。
【0012】
レーダー信号を聴覚的に示すために、レーダー信号が最初に聴覚的に処理される。ここで、その処理は、一方では船舶及び航空機などの可動の物体を認識することを含み、例えば海岸線、ブイ又は島などの静止の物体をさらに認識することを含む。トランスポンダーを含み、テキスト(テキストメッセージ又は一般的にはデータ)によって特定される物体においては、トランスポンダーのテキスト信号を聞き取ることができるように、そのオーディオ信号を、テキスト−トゥ−スピーチ識別によって1つのオーディオ信号へ随意に変換することができる。そのような物体は、例えば、特定のブイ又はビーコンであり、その特定可能情報が、好ましい例としては、テキストとしてレーダー上に現れる。
【0013】
物体を、それらの危険度に応じて分類することも可能である。好ましい例としては、接近(前方から、又は後方からより高速で)する物体、又は船舶の移動の経路を横切る物体を、船舶に対して平行に通過する物体又は船舶から離れるように移動する物体よりも危険であると分類することができる。遠方にある物体は、通常は、近くの物体又は大きな相対速度で近付きつつある物体よりも危険が少ないと考えられる。危険に応じて、異なる識別の音色を物体と組み合わせることができ、そのような識別の音色は、好ましい例としては、ピッチ又はインパルスの連続の周波数において相違させ、危険の高まりにつれて増加させることができる。したがって、より高い音色が危険度のより高いことを示すことができ、又は音量の増加が危険度の高まりを意味することができる。同様に、速いビートのクロックインパルスが、遅いクロックインパルスと比べて、危険度の高まり又は危険度がより高いことを示すことができる(好ましい例として、識別の音色が周期的なクロックインパルスとして表わされる場合。)。
【0014】
次いで、このやり方で生成される物体のオーディオ信号が、好ましい例としては、遠方の物体の音量が自動的に小さくなる上述のWFS又はTAPによって再現される。
【0015】
さらなる実施の形態においては、特に例えば航路などの環境において、操船者又は聴取者を過剰な情報によって緊張させることがないように、危険でない物体が完全に消し去られる(再現されない)。
【0016】
さらに、再現の位置が、いくつかの実施の形態においては、実際の距離と同じ距離に現れることができる。すなわち、レーダーが物体が1キロメートルの距離にあると示すときに、聴覚による物体も、1キロメートルの距離に知覚可能である(1:1の写像)。あるいは、例えば1:100の写像が実行され、1キロメートルの距離にある物体が、約10メートルの距離にある聴覚信号(仮想の音源)によって聴覚的に知覚可能又は再現されるように、再現の位置が相応に拡大縮小される。前者(1:1の写像)は、例えば、WFSにおいていかなる視差も存在せず、物体の距離が、もはや湾曲した波形によってエンコードされず、音量によってのみエンコードされる点で好都合である。しかしながら、大きな距離にある物体は、音の速度の結果として、きわめて遅くでなければ聞き取ることができず、さらには、1:1の表現においては、大きな距離にある物体を距離に関して区別することが困難である。
【0017】
いくつかの実施の形態は、物体を、可能な限り最良のやり方で位置特定できるように、オーディオ信号を使用してエンコーディングすることを目的とする。これを達成するために、オーディオ信号は、例えば正弦曲線の音色は知覚が困難であるため、充分に広帯域でなければならない。したがって、正弦曲線の音色でなく、狭帯域の雑音又はスピーチが、物体を特定するために使用されるべきである。例えば航路などの密な環境において多数の物体を再現でき、さらには聴覚的に知覚もできるようにするために、連続的な信号(例えば、連続的な音色など)の代わりにパルス状の信号が発せられる。ここで、自動車の駐車センサーと同様に、危険度の高まりにつれてパルスの周波数を高めることができる。常用を可能にするために、危険度が充分に低い限りは、オーディオ信号は心地良い音を発するべきである。危険度のしきい値(これを上回る場合、深刻な危険が存在し、これを下回る場合、危険が皆無又はほとんど存在しない。)を、好ましい例としては、状況に応じて可変に設定することができる。危険度のしきい値は、ユーザーにより調節可能とすることもできる。例えば、船舶のサイズ及び速度、又は他の物体の速度も、その役割を果たす。しきい値は、好ましい例としては、あらかじめ計算される衝突までの時間と船舶の停止時間との比から決めてもよい。
【0018】
オーディオ信号の心地良い音は、好ましい例としては、非特定の物体(例えば、危険を呈していない物体)については狭帯域の雑音の低い中心周波数を使用することによって、又は低いパルス周波数(まれな表示)を使用することによって達成することができる。あるいは、高い周波数が低い周波数よりもエネルギーが少ない狭帯域の雑音のスペクトル的な着色を使用することもできる(ピンク雑音からの帯域通過を使用した切除)。これは、特定された物体について、例えば最初の接触から数分の間隔でのみ新たな信号を送信するなど、まれな報告によって達成される。
【0019】
報告信号を、随意により、正確に位置特定することができかつ周囲の雑音から区別されるように選択することができる。さらには、システムが長旅においても常に受け入れられるように、報告信号が心地良い音を有することが好都合である。空間分解能を含む聴覚的な表示の特筆すべき利点は、視覚的な表示と対照的に、自然の環境と同時に人員に利用できる点にある。自然の環境として、典型的には、視覚による航海又は船舶及びブイを聞くことが挙げられる。これは、いわゆる拡張現実の生成を可能にする。
【0020】
いくつかの実施の形態は、特に聴覚的な表示と視覚的な表示との間の重要な相乗効果をもたらすため、好都合である。聴覚的な表示は、常に報告及び知覚されるため、危険度に応じた優先順位付けを行うことができる一方で、視覚的な表示は、艦橋にいる者の注意を必要とする。例えば、操船者は、レーダー画面を眺めるとき、レーダー画面上の物体だけを見つめるが、同時に窓の外を眺めることがなく、したがって付近の環境において何が生じているかについての情報の一部を失う。聴覚的な表示によれば、レーダーからの情報及び窓の外を見つめることによる情報を同時に使用することができる。特に、自動識別でない物体において、熟練の評価者は、レーダー画像から物体を(例えば、船舶、島、又は画像の干渉であると)分類することができる。したがって、聴覚による知覚(物体が存在すること。)とレーダー画面を見つめることとの協働は、操船のための重要な相乗効果である。遠い距離にある自動識別の物体においては、その識別をレーダー画面を見つめることによっていつでも読み取ることができる。
【0021】
本発明の実施の形態を、添付の図面を参照して以下で詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態による聴覚的な表示のための装置の概略図を示している。
【図2】物体の位置を割り出すためのセンサーを備えている本発明のシステムの図を示している。
【図3A】危険度の高まりを聴覚によって知覚するための位置依存の信号の図を示している。
【図3B】危険度の高まりを聴覚によって知覚するための位置依存の信号の図を示している。
【図4】2つの別々の物体の聴覚的な表示について、複数のスピーカーを備えている実施の形態を示している。
【図5】WFSモジュールを備える再現空間の概略図を示している。
【図6】波面合成モジュール及び再現空間内のスピーカーアレイを備えている波面合成システムの基本的なブロック図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の説明に関して、同じ機能要素又は同じ効果を有する機能要素が異なる実施の形態においても同じ参照番号を備えており、したがって、下記に示される種々の実施の形態におけるこれらの構成要素の説明が相互に入れ換え可能であることを忘れてはならない。
【0024】
図1は、入力部105を備えている聴覚的な表示のための装置100の概略図を示しており、入力部105によって物体の位置情報を装置100へ入力することができる。さらに、装置100は、複数のスピーカー信号LS(典型的には、第1のスピーカー信号LS1、第2のスピーカー信号LS2、第3のスピーカー信号LS3、・・・、第nのスピーカー信号LSn)のための出力部を備えている。位置情報の入力部105は、それぞれの位置を含む物体を信号関連付け手段110へ知らせるように構成されている。信号関連付け手段110は、聴覚信号を物体と関連付けるように構成されており、信号関連付け手段110は、随意により信号データベース140へアクセスして、種々の信号を(好ましい例としては、各信号の危険度を使用して)種々の物体と関連付ける。関連付けされるそれぞれの信号を、好ましい例としては、物体が動いているか又は静止しているか、動いているならばどのような速度で動いているか、に応じて決めることができる。
【0025】
さらに、装置100はスピーカー駆動手段120を備えており、スピーカー駆動手段120は、信号関連付け手段110から物体の位置及び聴覚信号を受信し、それらから複数のスピーカーのための1又は2以上のスピーカー信号LSを生成して、スピーカー信号LS1、・・・、LSnのための出力部を介して出力する。スピーカー駆動手段120は、物体と関連付けられた聴覚信号に基づいて1又は2以上のスピーカー信号LSを生成するように構成されている。スピーカー信号LSの生成は、この1又は2以上のスピーカー信号LSの再生時に、物体の位置が再現空間内に聴覚的に表示されるように行われる。聴取者(又は、ユーザー)が、物体の位置(例えば、距離及び方向)を、仮想の音源の位置として知覚する。
【0026】
すでに述べたように、一実施の形態は、物体の位置を決めるレーダーの情報の再現に関する。レーダーに加え、あるいはレーダーに代えて、ソナーなどの他のソース又は他のセンサーからの情報も同様に処理することができる。この実施の形態は、さらに詳しくは好ましい例として後述されるが、好ましい例としては、スピーカーを船舶の艦橋のすべての壁の窓の下方に配置することができる(さらには、窓の上方にも配置することができる。)。好ましい例としては、これらのスピーカーのすべてが、自身の増幅器、又はA/D(アナログ−デジタル)トランスデューサーもしくは変換器を備えることができ、さらには、これらのスピーカーを個別に駆動することができる。艦橋にいる者をスピーカーによって可能な限り完全に囲むことができると特に好都合である。その場合、民間の航海においては、平面的な囲み(円)が有用であり、又は目標とされ、軍事用においては、三次元の囲み(半球)も有用であり、又は目標とされる。ここで、囲みは完全である必要はなく、例えばドアによって生じうる囲みのより小さいすき間も可能であると考えられる。
【0027】
図2は、3つのスピーカー220a、22b及び220cと、レーダー230とを備えている再現空間210の概略図を示している。レーダー230は入力部105へ接続され、再現空間210の周囲の物体の位置情報をもたらす。好ましい例としては、レーダー230は、物体200の位置を聴覚的に表示するための装置100に伝えるように構成されている。さらに、3つのスピーカー220a、220b、220cが聴覚的な表示のための装置100のスピーカー信号LSの出力部へ接続されている。具体的には、第1のスピーカー220aが第1のスピーカー信号LS1の出力部へ接続され、第2のスピーカー220bが第2のスピーカー信号LS2の出力部へ接続され、第3のスピーカー220cが第3のスピーカー信号LS3の出力部へ接続されている。
【0028】
聴覚的な表示のための装置100は、レーダー230から受信される物体200の位置情報を評価し、それから第1、第2及び第3のスピーカー220a、220b、220cのための3つのスピーカー信号LS1、LS2、LS3を生成する。スピーカー信号LS1、LS2、LS3の生成は、再現空間210内での好ましい例としての位置Pに位置する聴取者が物体200の位置を聞き取ることができるような方法で行われる。最初に、装置100は、物体200の位置に基づいて物体200についての聴覚信号を生成する。位置は距離d及び方向によって決定され、方向は好ましい例としては角度αを使用して示すことができる。次いで、装置100は、第1から第3のスピーカー220a〜220cのためのスピーカー信号LSを計算する。これは、好ましい例としては、位置Pの聴取者がその聴取者の位置に応じて物体200を知覚するように、信号レベルを上げ下げすること及び信号を遅延させることを含むことができる。これを、図2に示した実施の形態においては、好ましい例としては、第3のスピーカー220cが最も強い信号をもたらし、一方、第1のスピーカー220aが弱い信号しかもたらさず、第2のスピーカー220bがいかなる信号ももたらさないように行うことができる。
【0029】
さらに、図2に示したレーダー230を、好ましい例としては、水中の地形を走査して浅瀬の存在の可能性を知らせるソナーに組み合わせることができ、その場合にはそのような浅瀬も聴覚的に表現することができる。すでに述べたように、区別の目的のために、異なる物体(水上、水中又は地上の物体)に対して異なる聴覚信号を組み合わせることができる。
【0030】
図3A及び3Bは、物体の距離及び物体の距離に関係する危険度に依存した聴覚信号の考えられる変形例を示している。
【0031】
図3Aは、信号の周波数fが物体200の距離dに依存することを示している。物体が充分な距離にある限り、危険はまったく存在せず、あるいはわずかにしか存在しない。しかしながら、物体が過度に近付き、典型的には限界距離dcを下回ると、操船者のさらなる注意を必要とする高い危険が存在する。この危険のない状況から危険な状況への移行が、好ましい例としては、聴覚信号の変化にて知らされる。好ましい例としては、距離が限界距離dcよりも大きい場合、信号の周波数fは基本周波数f0に近くてよく、あるいは基本周波数f0をわずかに上回るだけでよく、この方法で定められる周波数範囲が操船者によって危険でないと知覚される。しかしながら、物体の距離が限界距離dcを下回るほどに減少する場合には、聴覚信号の周波数fを、操船者に危険の高まりを知らせるように強く、急激に高めることができる。
【0032】
周波数の増加は、操船者が連続的に高まる危険度を知覚できるように、限界距離において急激に変化させないで物体の距離の減少につれて単調に増加させてもよい。
【0033】
このように、聴覚信号もしくは聴覚信号の周波数fが、一方では、オーディオ周波数を含むことができ、又は例えば聴覚信号が特定のクロックを特定の周波数(クロックの反復速度)にて示す場合にはクロック周波数を含むこともできる。クロック信号においても、クロック周波数を、危険度の高まりを操船者が聴覚によって知覚できるように、距離の減少につれて増加させることができる。
【0034】
図3Bは、信号レベルSが時間tの関数として表わされる実施の形態を示している。この実施の形態においては、接近する物体を知らせるべくクロック周波数が増加するように、隣接する2つのクロックの間の間隔が時間の経過につれて減少している。同時に、クロックの間隔の減少を、信号パルスの音量の増加及び/又は信号パルスの周波数の変化と組み合わせることができる。信号の変化は、好ましい例としては、やはり危険度の高まりが信号パルスの周波数レベル又はオーディオ周波数において知覚可能になるように、中心周波数をより高い周波数に向かってずらすことを含むことができる。同時に、図3Bに示されるように、信号の振幅又は音量も、危険度の高まりにつれて増加させることができる。
【0035】
一般に、危険のない状態においては、操船者が聴覚信号によって邪魔されることがないように、聴覚信号がほとんど知覚できないことが好都合である。
【0036】
図4は、複数のスピーカー220が、第1のスピーカー220a、・・・、第4のスピーカー220d、・・・、第9のスピーカー220i、・・・、第12のスピーカー220lを含んでいる実施の形態を示している。物体200の位置又は物体200の方向がただ1つのスピーカーを作動させるだけで知覚可能になるように、スピーカー220が聴取者の位置Pの周囲に配置されている。この実施の形態においては、作動しているスピーカーの位置がこのときの物体200の方向に対応する。これは、位置Pが再現空間210において固定される場合に特に好都合である。
【0037】
好ましい例としては、図4に示されるように、2つの物体、すなわち聴取点Pから距離d1にある第1の物体200a及び距離d2にある第2の物体200bを、第1の音信号S1を生成する第4のスピーカー220d及び第2の音信号S2を生成する第9のスピーカー220iによって知覚することができる。これにより、位置Pの聴取者が、第1の物体200a及び第2の物体をそれらの位置に対応して知覚する。好ましい例としては、それぞれの物体と位置Pとの間の接続線に対して最も小さい距離を有するスピーカーが作動するスピーカーとして選択される。これが、第1の物体200aについては第4のスピーカー220dであると考えられ、第2の物体200bについては第9のスピーカー220iであると考えられる。残りのすべてのスピーカーは、それぞれの接続線からさらに遠く(垂直な距離として測定される。)、この実施の形態においては、好ましい例としては、作動させなくてよい(音信号を発しない。)。
【0038】
あるいは、間を第1の物体200aと位置Pとの間の接続線が通過している隣り同士のそれぞれのスピーカーを作動させることも可能である。さらには、さらなる隣接のスピーカーも作動させることが可能である。これは、好ましい例としては、さらなる実施の形態において、第4のスピーカー220dだけでなく、同時に第3のスピーカー220c及び/又は第2のスピーカー220b、及び/又は第5のスピーカー220eを作動させてもよいことを意味する。しかしながら、複数の物体200のうちの1つの位置を示すために同時に複数のスピーカーが作動する場合には、それぞれの位置の物体200が位置Pの聴取者にとって聴覚によって知覚可能になるように、振幅/位相が選択される。ここで、聴覚によって知覚可能とは、物体200が仮想の音源として知覚され、距離を、音の大きさの他に、クロック周波数又はオーディオ周波数の相違によっても知らせることができる(図3A、Bに好ましい例として示したとおり)ことを意味する。
【0039】
図5は、聴覚的な表示のための装置100が第1のスピーカーアレイ221a、第2のスピーカーアレイ221b及び第3のスピーカーアレイ221cを駆動する波面合成(wave field synthesis)システムにスピーカーが配置されている実施の形態を示している。好ましい例としては、3つのスピーカーアレイ221a、221b、221cの各々は、好ましい例として互いに所定の空間距離にある複数のスピーカーを含んでいる。好ましい例としては、再現空間210の横壁に配置される3つのアレイが、物体200を再現空間210内に仮想の音源として生成するであろう波面を合成するように、装置100はそれぞれのアレイ内のすべてのスピーカを別個独立に駆動できるように構成されている。次に、装置100を、それぞれの物体の位置を装置100へ伝えるレーダー又はソナー230へ接続することができる。物体そのものは音源である必要はなく、むしろ音信号が物体に特別に関連付けられる。この点に関して、実施の形態による聴覚的な表示は、従来からのオーディオ再現システムとは相違する。
【0040】
WFSシステムの設定は、通常はきわめて複雑であり、波面合成に基づいている。波面合成は、複雑なオーディオ場面を空間的に再現するためにデルフト工科大学(Technical University of Delft)によって開発されたオーディオ再現法である。大部分の既存のオーディオ再現の方法と対照的に、空間的に正しい再現が小さな領域に限定されず、広い再現領域の全体へと広がる。WFSは、確立された数学−物理学的原理、すなわちホイヘンスの原理とキルヒホフ−ヘルムホルツの積分に基づいている。
【0041】
典型的には、WFS再現システムは、多数のスピーカー(いわゆる、二次音源)を備えている。スピーカー信号は、遅延及び強弱の調節が行われた入力信号から形成される。典型的には、WFS場面においては、典型的に多数のオーディオオブジェクト(一次音源)が使用されるため、スピーカー信号を生成するためにきわめて多数のそのような演算が必要である。このことが波面合成には大きな演算能力を必要としている。
【0042】
上述の利点の他に、WFSは移動している音源を写実的に写像する方法を提供する。この特徴は、多数のWFSシステムにおいて利用され、例えば映画、仮想現実の用途、又は実演における使用に関して大いに重要である。
【0043】
しかしながら、移動している音源の再現は、静止の音源の場合には生じないいくつかの特徴的な誤差を引き起こす。WFS再現システムの信号処理は、再現の品質に大きな影響を有する。
【0044】
1つの主要な目標は、移動している音源をWFSによって再現するための信号処理アルゴリズムの開発である。したがって、アルゴリズムがリアルタイムであることが重要な必須条件である。アルゴリズムを評価するための最も重要な基準は、実際に知覚されるときのオーディオ品質である。
【0045】
すでに述べたように、WFSは、演算リソースに関してきわめて複雑なオーディオ再現のための方法である。これは、とりわけ、WFSの機構においてスピーカーの数が多いことに起因し、多くの場合にWFS場面において使用される仮想の音源の数が多いことに起因する。この理由で、開発されるアルゴリズムについて、効率性が最大限に重要である。
【0046】
波面合成システムは、従来からのマルチスピーカーシステムと比べて、正確な配置を可能にする点、及び正確な配置はまた、再現空間210内の種々の位置において決定できる点で有利である。
【0047】
図6は、波面合成システムの基本的な構成を示しており、再現空間210に対して配置されたスピーカーアレイ221を示している。特に、360°のアレイである図6に示したスピーカーアレイは、4つのアレイ辺221a、221b、221c及び221dを含んでいる。例えば、再現空間210が船舶の艦橋である場合、前/後又は右/左に関する約束事について、船舶の前方(pre-alignment)が、再現空間210の部分アレイ221cが配置されている側と同じ側にあると仮定する。この場合、ここでは再現空間210内のいわゆる最適点Pに位置するユーザーが、典型的には前方を見ていると考えられる。したがって、部分アレイ221aはユーザーの背後にあると考えられ、部分アレイ221dは観察者の左方であると考えられ、部分アレイ221dはユーザーの右方にあると考えられる。
【0048】
すべてのスピーカーアレイ221が種々の個別のいくつかのスピーカー708を含んでおり、これらのスピーカ708の各々が、波面合成モジュール710によってデータバス712(図6では、概略的にしか示されていない)を介してもたらされるそれぞれのスピーカー信号LSによって駆動される。波面合成モジュール710は、例えば再現空間210に対するスピーカー708の種類及び位置についての情報、すなわちスピーカ情報(LS info)を使用し、おそらくは他のデータも使用して、公知の波面合成アルゴリズムに従って、さらなる位置情報が関連付けられる仮想の音源(=物体)についてのオーディオデータからそれぞれ導出される個々のスピーカー708のためのスピーカー信号LSを計算するように構成されている。位置情報は、好ましい例としては、物体の位置を割り出すためのセンサー(例えば、レーダー)によって生成され、入力部105を介して波面合成モジュールへもたらされる。さらに、波面合成モジュールは、例えば再現空間210の空間音響の情報などを含む他の入力も受信することができる。
【0049】
スピーカーを駆動するためにWFS又はTAPさえも利用する実施の形態においては、いくつかの物体100が聴覚によって異なる位置に知覚されるように、信号関連付け手段110は聴覚信号をいくつかの物体200へ関連付けるように構成され、スピーカー駆動手段120はいくつかの物体200の各々のためのコンポーネント信号を生成し、コンポーネント信号をまとめてスピーカー信号LSを形成するように構成される。ここで、すでに説明したように、種々の物体が、聴取者にとって仮想のソース(音源)となり、又は仮想のソースとして知覚されるように、現れ得る。
【0050】
実施の形態を、好ましい例としては、以下のように補うことができ、又は変更することができる。さらなる実施の形態においては、船舶における境界条件も考慮に入れることができる。境界条件は、好ましい例としては、報告の周波数、スピーカーの可能な位置、必要な音圧レベル、干渉音(例えば、エンジンなどからの干渉音)の特徴、及び聴覚的な表示のための駆動信号の仕様に対する要件を含む。
【0051】
これにより、データベースを使用して、船舶における典型的な空間音を考慮に入れて最適な報告信号を生成することができる。
【0052】
実施の形態においては、音響駆動が、例えばステレオエンコーディング又は上述の波面合成などの技法を含んでいる。したがって、さまざまな技術が、船舶における試験設備(又は、艦橋及び/又は操作センターの一対一のモデル)を使用して採用される。好ましい例としては、心理音響的な実験が対応する情報をもたらすことができる。
【0053】
実施の形態が使用する報告信号は、船舶の環境において可能な限り最良なやり方で位置決めでき、それでいて同時に最も心地良い音になる。研究室内の試験設備、艦橋及び/もしくは操作センター又は車輛内の一対一モデル、並びに心理音響的な実験がここでは有用である。
【0054】
さらなる実施の形態は、センサー並びに好ましい例としてレーダー、ソナー及び海図から得られる情報の聴覚的な表示への接続をさらに提供する。接続の重要な部分は、聴覚的な表示によって典型的に示されるべき関連の物体を選択することである。
【0055】
要約すると、実施の形態は、好ましい例としては、以下の態様を含む。
(a)船舶における聴覚的な表示の使用。
(b)レーダー、ソナー及び海図の聴覚的な表示への接続。
(c)天気図の聴覚的な表示への接続。
(d)無線ブイを船舶のための聴覚的な表示へ接続すること。
(e)特に船舶及び物体(船舶、水中の障害物など)の位置、並びに相対又は絶対の速度に関する重要度に応じた物体の選択。
(f)心地良く聞こえる報告信号の選択。
【0056】
最後に、上述のシステムは、自動車においても適用可能であり、すなわち、さらなる実施の形態は車両における運転補助の対応するシステムも含む。好ましい例としては、側方から接近する車両(例えば、車線変更時)を聴覚によって知らせることができる。
【0057】
状況に応じて、本発明の仕組みをソフトウェアにて実現することも可能であることを、指摘しておく。その実現は、電子的に読み取ることが可能であって、該当の方法を実行できるようにプログラマブルなコンピューターシステムと協働できる制御信号を有しているデジタル記憶媒体(特に、ディスク又はCD)において可能である。したがって、本発明は、一般的には、コンピューター上で実行されたときに本発明の方法を実行するためのプログラムコードを機械で読み取ることができる担体上に保存してなるコンピュータープログラム製品にも存在する。換言すると、本発明は、コンピューター上で実行されたときに本方法を実行するためのプログラムコードを有しているコンピュータープログラムとしても実現可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスピーカー(220)が、該スピーカー(220)をさまざまに駆動することによって異なる空間的位置を聴覚によって示すことができるように空間的に異なる位置に配置されている再現空間(210)において、物体(200)の位置を聴覚的に表示するための装置(100)であって、
聴覚信号を物体(200)へ関連付けるように構成された信号関連付け手段(110)と、
前記複数のスピーカー(220)のための1又は2以上のスピーカー信号(LS)を生成するように構成されたスピーカー駆動手段(120)と、
を備えており、
物体(200)の位置を表示するための前記1又は2以上のスピーカー信号(LS)は、前記信号関連付け手段(110)によって物体(200)へ関連付けられた聴覚信号に基づいており、かつ、前記1又は2以上のスピーカー信号(LS)を再生したときに前記再現空間(210)内に物体(200)の位置が聴覚的に表示されるように前記1又は2以上のスピーカー信号(LS)を生成することができる装置(100)。
【請求項2】
前記信号関連付け手段(110)への信号データベース(140)をさらに備えており、かつ、前記信号データベース(140)は、種々の物体(200)のための種々の聴覚信号を提供するように構成されている請求項1に記載の装置(100)。
【請求項3】
前記関連付けられる聴覚信号は、物体(200)が可動であるか、静止しているかに依存する請求項2に記載の装置(100)。
【請求項4】
前記信号データベース(140)内の聴覚信号は危険度に対応して分類されており、前記信号関連付け手段(110)は物体(200)の危険度に対応して異なる分類からの聴覚信号を種々の物体(200)へ関連付けるように構成されている請求項2又は3に記載の装置(100)。
【請求項5】
より高い危険度の聴覚信号がより高いオーディオ周波数又はより高いクロック周波数を有している請求項4に記載の装置(100)。
【請求項6】
高い危険度の聴覚信号がより短い距離にある物体(200)へ関連付けられ、より低い危険度の聴覚信号がより長い距離にある物体(200)へ関連付けられる請求項4又は5に記載の装置(100)。
【請求項7】
物体(200)が前記再現空間(200)に対する相対速度を有しており、前記関連付けられる聴覚信号が該相対速度に依存する請求項1から6のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項8】
前記スピーカー駆動手段(120)は、前記複数のスピーカー(220)のためのいくつかのスピーカー信号(LS)を生成するように構成されており、前記複数のスピーカー(220)は、1平面内で前記再現空間(210)内の位置を少なくとも部分的に囲んでいる請求項1から7のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項9】
前記信号関連付け手段(110)は、物体(200)の位置を割り出すためのセンサー(230)へ接続することができる入力部(105)をさらに備えており、該センサー(230)は物体(200)の位置を前記信号関連付け手段(110)へ伝えるように構成されている請求項1から8のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項10】
前記センサー(230)はレーダー又はソナーを含んでいる請求項9に記載の装置(100)。
【請求項11】
物体(200)がテキスト通知によって特定され、前記センサー(230)は該テキスト通知を前記入力部(105)へ渡すように構成されており、当該装置(100)は、該テキスト通知をオーディオ信号へ変換して前記スピーカー駆動手段(120)へ渡すように構成されたテキスト−トゥースピーチモジュールをさらに備えている請求項9又は10に記載の装置(100)。
【請求項12】
前記スピーカー駆動手段(120)は、前記再現空間(210)において物体(200)の方向に位置する可能性のある唯一のスピーカー(220d)のための唯一のスピーカー信号(LS)を生成するように構成されている請求項1から11のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項13】
前記唯一のスピーカー信号(LS)は、物体(200)の位置が変化したときに他の唯一のスピーカー(220)を駆動する請求項9に記載の装置(100)。
【請求項14】
いくつかの物体(200)を聴覚によって異なる位置に知覚できるように、前記信号関連付け手段(110)はいくつかの物体(200)へ聴覚信号を関連付けるように構成されており、前記スピーカー駆動手段(120)は前記いくつかの物体(200)の各々についてのコンポーネント信号を生成し、それらのコンポーネント信号をまとめてスピーカー信号(LS)を形成するように構成されている請求項1から13のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項15】
物体(200)の距離を所定の縮尺にて知覚できるように、前記スピーカー駆動手段(120)は物体(200)の距離(d)をオーディオ周波数又はクロック周波数によってエンコードするように構成されている請求項1から14のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項16】
聴覚信号を聴覚によって明確に知覚できるように、前記信号関連付け手段(110)は所定の最小帯域幅の範囲内の聴覚信号を物体(200)へ関連付けるように構成されている請求項1から15のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項17】
前記スピーカー駆動手段(120)は波面合成システムを備えており、該波面合成システムは仮想の音源としての物体(200)に組み合わせられた聴覚信号を再現するように構成されている請求項1から16のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項18】
環境を走査するための装置であって、
該環境内の物体(200)の位置を割り出すためのセンサー(230)と、
前記センサー(230)に接続され、前記センサー(230)から物体(200)の位置を受信する請求項1から16のいずれか一項に記載の聴覚的表示のための装置(100)と、
を備えている装置。
【請求項19】
前記センサー(230)がレーダー又はソナーを含んでいる請求項18に記載の装置。
【請求項20】
複数のスピーカー(220)が、該スピーカー(220)をさまざまに駆動することによって異なる位置を聴覚によって示すことができるように空間的に異なる位置に配置されている再現空間(210)において、物体(200)の位置を聴覚的に表示するための方法であって、
聴覚信号を物体(200)へ関連付けるステップと、
前記複数のスピーカー(220)のための1又は2以上のスピーカー信号(LS)を生成するステップと、
を含んでおり、
物体(200)の位置を表示するための前記1又は2以上のスピーカー信号(LS)は、信号関連付け手段(110)によって物体(200)へ関連付けられた聴覚信号に基づいて生成され、かつ、前記1又は2以上のスピーカー信号(LS)を再生したときに前記再現空間(210)内に物体(200)の位置が聴覚的に表示されるように前記1又は2以上のスピーカー信号(LS)を生成することができる方法。
【請求項21】
コンピューター上で実行されたときに請求項20に記載の方法を実行するためのプログラムコードを含んでいるコンピュータープログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−516830(P2011−516830A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−500111(P2011−500111)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【国際出願番号】PCT/EP2009/001963
【国際公開番号】WO2009/115299
【国際公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(500341779)フラウンホーファー−ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン (75)
【Fターム(参考)】