説明

肌の欠陥部の特性評価を行う方法及び装置並びに化粧製品の老化防止効果を評価する方法

本発明は肌の欠点の特性評価を行う方法及び装置に関する。この装置は、a)肌の少なくとも1つの特定の区域(34、36、38、40)の少なくとも1つのデジタル画像(14)を形成するためのデジタルカメラ(12)であって、前記画像は多数の画素によって確定され、デジタル画像処理デバイスに送られる、デジタルカメラ(12)と、b)前記画像処理デバイスを用いて、R、G、Bと呼ばれる赤(60)、緑(70)、青(80)の3つの色平面にデジタル画像をデジタル的に分割する手段と、c)前記平面のうちの1つ(80)だけを抽出する手段と、d)前記平面から以下のパラメータの少なくとも1つを計算する手段であって、そのパラメータが、画像の平均グレーレベルと、前記画像の肌の欠点の表面積であって、この欠点のいくつかがしわ、小じわ、そばかす、くま、しみ、たるんだ区域と関係している表面積と、肌の均質性を表すパラメータとしての画像の画素アセンブリに対するグレーレベル分散とである計算する手段とを備える。本発明は化粧製品の老化防止効果を評価する方法に工業的に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[説明]
本発明は、肌の欠陥部の特性評価を行う方法及び装置並びに化粧製品の老化防止効果を評価する方法における適用性に関する。
【0002】
[従来技術]
文献の米国特許第6551982B1号明細書は、700から2500ナノメートルの範囲の波長を使用するNIRと呼ばれる近赤外の手順に基づいて人の相対的年齢を非侵襲的に評価する手順及びデバイスを開示している。
【0003】
さらに、文献の国際公開第00/67398A1号パンフレットは、肌の欠陥部を観察する目的で様々なデジタル画像の取得及び生成、並びに、その後、肌の欠陥部を含むサブ画像の検討を実施することによって肌を分析する画像化システム及び手順を開示している。
【0004】
[本発明の目的]
本発明は、技術的問題の解決を目的とし、実施することが比較的容易で、得られた結果に関して確実で信頼性がある、肌の欠陥部の特性評価を行う新規な方法及び新規な装置を提供することからなる。
【0005】
本発明は、さらに技術的問題の解決を目的とし、肌の欠陥部の特性評価を行う方法の実施又は装置の構築を行うことによって化粧製品の老化防止効果を評価する方法を提供することからなる。
【0006】
本発明は、これらの2つの技術的問題に対して満足な解決策を提供する。
【0007】
[本発明の詳細な説明]
第1の態様によれば、本発明は人の肌の欠陥部の特性評価を行う方法を提供し、その方法が、
a)少なくとも1つの特定された肌の区域の少なくとも1つのデジタル画像を取得するステップであって、前記画像がデジタルビデオカメラ又はデジタルフォト若しくは撮影カメラを用いて多数の画素によって確定され、デジタル画像処理デバイスに送られるステップと、
b)前記画像処理デバイスを用いてR、G、Bと呼ばれる赤、緑、青の3つの色平面にデジタル画像を分割するステップと、
c)これらの平面のうちの1つを抽出するステップと、
d)この平面に基づいて適切な計算手段によって以下のパラメータの少なくとも1つを計算するステップであって、そのパラメータが、
画像の平均グレーレベルと、
前記画像の肌の欠陥部の表面積であって、欠陥部のいくつかがしわ、小じわ、そばかす、くま、しみ、たるんだ区域などの老化と関係している表面積と、
肌の均質性を表すパラメータとしての、画像の画素の組に対するグレーレベルの分散とであるステップと
を含むことを特徴とする。
【0008】
この方法の特定の実施形態によれば、この方法は観察されるべき欠陥部を表す色平面を選択することを特徴とする。色平面を限定する「観察されるべき欠陥部を表す」という用語は、色平面が観察されるべき欠陥部の最良の表示を視覚的に得られるようにすることを意味する。選択された色平面において、画像の平均グレーレベル、いくつかが老化と関係している肌の欠陥部の表面積、及び分散の中から選ばれた少なくとも1つのパラメータの前述のパラメータ化が実行される。しわ、小じわ、及び色素性欠陥部又は欠陥部の観察の例として、通常、青色の平面が選択されるが、他の色平面を選択することもできる。
【0009】
本発明の方法の別の特定の実施形態によれば、少なくとも1つの肌の区域のデジタル画像の取得は白色光又は紫外光の照明の下で行われる。白色光と紫外光との間における照明の選択は観察されるべき欠陥部の性質によって決定される。特に、例えば、よく知られているウッドランプを利用して生成される紫外光を照明すると、色素性そばかす及び皮膚の光老化を良好に表示することができる。
【0010】
この方法の別の特定の実施形態によれば、この方法は、スプリアス要素を除去するために、グレーレベルの閾値化が実行され、すなわち、ある所定のグレーレベル閾値より下のグレーレベルが除去されることをさらに特徴とする。
【0011】
この方法のさらなる別の特定の実施形態によれば、この方法は、分析されるべき人の肌の限定された領域が選ばれ、肌の欠陥部の分析がこの領域の全体に企てられることを特徴とする。
【0012】
特定の異なる実施形態によれば、このプロセスは、肌の限定された領域が約1cmから10cmの表面積であることを特徴とする。
【0013】
本発明の方法の有利な特徴によれば、この方法は、ビデオカメラ又はスチールフォト若しくは撮影カメラによって得られた前記画像の引き伸ばしが行われ、それによりオペレータは肌の欠陥部をより良く観察することができ、スプリアス要素又は人工物の除去を可能にするグレーレベルの閾値化を評価することができることを特徴とする。
【0014】
本発明による方法の有利な実施形態によれば、この方法は、TRI−CCDタイプのデジタルカラービデオカメラ又はデジタルスチールフォト若しくは撮影カメラが使用されることを特徴とする。そのようなカラービデオカメラは特にSONY社から市販されており、例えばD70Sタイプのそのようなデジタルスチールフォト若しくは撮影カメラはNIKON社から市販されている。
【0015】
本発明の方法の特定の実施形態によれば、この方法は、同一人物の肌の少なくとも1つの画像又は複数の画像が、特に、いくつかの異なる区域に関して、デジタルデータを記録するデバイスに記録されることを特徴とする。
【0016】
特定の異なる実施形態によれば、前記画像取得区域は顔又は体の全体的な老化を表すいずれかの皮膚の区域に対応している。有利には、前記区域は、目の外側区域(目尻のしわ)、額の中央区域、頬の区域、及び鼻唇溝の区域からなる群から選択されることになる。
【0017】
第2の態様によれば、本発明は人の肌の欠陥部の特性評価を行うための装置を提供し、この装置が、
a)少なくとも1つの特定された肌の区域の少なくとも1つのデジタル画像の取得を可能にするデジタルビデオカメラ又はデジタルスチールフォト若しくは撮影カメラであって、前記画像が多数の画素によって確定され、デジタル画像処理デバイスに送られる、デジタルビデオカメラ又はデジタルスチールフォト若しくは撮影カメラと、
b)前記画像処理デバイスを用いてR、G、Bと呼ばれる赤、緑、青の3つの色平面にデジタル画像を分割する手段と、
c)これらの平面のうちの1つを抽出する手段と、
d)この平面に基づいて以下のパラメータの少なくとも1つを計算する手段であって、そのパラメータが、
画像の平均グレーレベルと、
前記画像の肌の欠陥部の表面積であって、欠陥部のいくつかがしわ、小じわ、そばかす、くま、しみ、たるんだ区域などの老化と関係している表面積と、
肌の均質性を表すパラメータとしての、画像の画素の組に対するグレーレベルの分散とである計算する手段と
を備えることを特徴とする。
【0018】
この装置の特定の実施形態によれば、この装置は、抽出手段が観察されるべき欠陥部を表す色平面の抽出を実行し、計算手段が画像の平均グレーレベル、いくつかが老化と関係している肌の欠陥部の表面積、及び分散の中から選ばれた少なくとも1つのパラメータについて前述の計算を実行することを特徴とする。
【0019】
本発明の装置の別の特定の実施形態によれば、この装置は白色光又は紫外光で照明する照明デバイスをさらに備え、そのような照明の下で少なくとも1つの肌の区域の少なくとも1つの画像の取得を可能にし、特に、紫外光で照明する照明デバイスはウッドランプによって構成されるか又はそれを備えることができる。
【0020】
この装置の別の特定の実施形態によれば、この装置は、スプリアス要素を除去するために、グレーレベルの閾値化の検討手段、すなわち、ある所定のグレーレベル閾値より下のグレーレベルの除去を可能にする手段を備えることをさらに特徴とする。
【0021】
この装置のさらなる別の特定の実施形態によれば、この装置は、分析されるべき人の肌の限定された領域について前記画像の取得が行われ、計算手段がこの領域の全体にわたって肌の欠陥部の分析を企てることを特徴とする。
【0022】
本発明の装置の有利な特徴によれば、この装置は、デジタルビデオカメラ又はデジタルスチール撮影若しくはフォトカメラによって得られた前記画像の引き伸ばし手段を備え、それによりオペレータは肌の欠陥部をより良く観察することができ、スプリアス要素又は人工物の除去を可能にするグレーレベルの閾値化を評価することができることを特徴とする。
【0023】
特定の異なる実施形態によれば、この装置は、前記ビデオカメラ又はスチールフォト若しくは撮影カメラによって取得された肌の領域の画像から、約1cmから10cmの面積を示す注目の区域を抽出する手段を備えることを特徴とする。
【0024】
本発明による装置の有利な実施形態によれば、この装置は、TRI−CCDタイプのデジタルカラービデオカメラ又はデジタルスチールフォト若しくは撮影カメラが備えられることを特徴とする。そのようなカラービデオカメラは特にSONY社から市販されており、例えばD70Sタイプのそのようなデジタルスチールフォト若しくは撮影カメラはNIKON社から市販されている。
【0025】
本発明による装置の特定の実施形態によれば、この装置は、同一人物の肌の少なくとも1つの画像又は複数の画像を、特に、いくつかの異なる区域に関して、デジタルデータを記録するデバイスに記録する手段を備えることを特徴とする。
【0026】
本発明による装置のさらなる特定の実施形態によれば、この装置は、スクリーン、キーボード、及びマウスを備え、
R、G、Bと呼ばれる赤、緑、青の3つの色平面にデジタル画像を分割する手段と、
これらの平面のうちの1つを抽出する手段であって、その1つの平面が観察されるべき欠陥部を最もよく表すものである抽出する手段と、
この平面に基づいて以下のパラメータの少なくとも1つを計算する手段であって、そのパラメータが、
画像の平均グレーレベルと、
前記画像の肌の欠陥部の表面積であって、欠陥部のいくつかがしわ、小じわ、そばかす、しみ、たるんだ区域などの老化と関係している表面積とである計算する手段と、
グレーレベルの閾値化の検討手段と、
前記画像の引き伸ばし手段と、
肌の少なくとも1つの画像又は複数の画像を記録する手段とを含む前述の手段の全体を統合するソフトウェアを備える、
モニタと結合されたコンピュータを具備することを特徴とする。
【0027】
肌の欠陥部の特性評価を行う方法及び装置についての本発明に関する有利な形態によれば、計算手段は考慮されている顔の様々な区域でそれぞれ得られた様々な画像に対して得られた各パラメータの平均を考慮に入れ、その結果、顔の各全体的平均パラメータが得られ、それは有利に記録され、異なる実施形態により使用されて、各人に対して肌の年齢の較正曲線を構成することができる。
【0028】
第3の態様によれば、本発明はさらに化粧製品の老化防止効果を評価する方法に関し、前に定義されたような又は以下の説明から導かれるような肌の欠陥部の特性評価を行う方法が代表的な群の人々のうちの各人に使用されることを特徴とし、各人に対して、
手当て前の肌の基準パラメータを決定するために、少なくとも1つの特定された肌の区域への前記化粧製品による手当て前に少なくとも1つの第1のデジタル画像を取得し、
化粧製品による前記手当てから所定の時間後に少なくとも1つの第2のデジタル画像を取得し、同じパラメータが前記第2の画像で決定され、
手当て前の肌の第1の画像のパラメータに対して手当て後に得られた同じ肌の区域の第2の画像のパラメータを比較し、
この群の人々の組に対して各パラメータの平均を決定し、
画像の平均グレーレベル、欠陥部の面積など、及び/又はグレーレベルの分散の中から選ばれた考慮している平均パラメータの少なくとも1つが第1の画像のパラメータの平均に対して著しく減少した場合、考慮している化粧製品の老化防止効果が明確に有効であるという結論に達する。
【0029】
この方法の有利な実施形態によれば、この方法は、著しい減少が5%以下の誤差の確率で得られることを特徴とする。
【0030】
この方法の別の有利な実施形態によれば、この方法は、この老化防止作用が所与の年齢カテゴリを代表する群の人々のパネルに対して実行され、その結果、考慮している化粧製品の老化防止有効性の重要な特性が決定されることを特徴とする。
【0031】
この方法のさらなる別の有利な実施形態によれば、この方法は、第1の画像及び第2の画像が、顔及び/又は体の肌の老化の様々な特徴的な区域の各々、特に、
目の外側区域(目尻のしわ)、
額の中央区域、
頬の区域、
ほうれい線溝の区域に対して記録されることを特徴とする。
【0032】
本発明による方法及び装置によって、前述の技術的問題が簡単で、確実で、信頼できる方法で解決される。
【0033】
本発明の他の目的、特徴、及び利点は、本発明の一般に好ましい実施形態を参照しながら与えられる以下の解説的説明に照らして明確に明らかになる。
【0034】
実施例1
図1に示された装置の説明
図1を参照して、全般的な参照番号10によって表される、本発明による機器の一般に好ましい実施形態が示される。人Pの位置決めの精度を保証するために、人Pは、例えばフランスのEOTECH社から商標名VISIOFACEで市販されている再位置決めテーブルに座ることになる。
【0035】
この装置10は人の肌の欠陥部の特性評価を実行するように設計され、それは以下のものを含むことを特徴とする。
【0036】
a)少なくとも1つの特定された肌の区域34、36、38、40の少なくとも1つのデジタル画像14の取得を可能にするデジタルビデオカメラ又はデジタルスチールフォト若しくは撮影カメラ12。前記画像は多数の画素によって確定され、デジタル画像処理デバイスに送られる。
【0037】
これらの画像取得に必要なため、特定された肌の区域は、観察されるべき欠陥部の性質に応じて白色光又は紫外光で照明する照明デバイス(ここには図示せず)によって照明される。
【0038】
本発明による装置の有利な実施形態によれば、TRI−CCDタイプのデジタルカラービデオカメラ12が備えられ、そのようなカラーカメラは特にSONY社から市販されており、又はD70Sタイプのデジタルスチールフォト若しくは撮影カメラはNIKON社から市販されている。
【0039】
特定の異なる実施形態によれば、前記ビデオカメラ12又はスチールフォト若しくは撮影カメラは1cmから10cmを有する肌の領域の画像を取得することを可能にする。
【0040】
さらに、当業者によく知られているように、そのようなデジタル画像処理デバイスは、例えば、VISILOG6.2画像解析ソフトウェアなどのソフトウェアの形態で市販されており、適切なリード線13によって前記カメラ12に接続されたコンピュータ50と統合することが可能である。前記コンピュータ50は、当然、スクリーン54付きのモニタ52、キーボード56、及びマウス58と結合される。
【0041】
b)デジタル画像処理デバイスは、R、G、Bと呼ばれる赤60、緑70、青80の3つの色平面にデジタル画像を分割する手段を備える。
【0042】
c)デジタル画像処理デバイスは、さらにこれらの平面のうちの1つ、ここで、好ましくは、青色に対応して青80と呼ばれる平面を抽出する手段を備える。
【0043】
d)この平面に基づいて以下のパラメータのうちの少なくとも1つを計算する手段。ここで計算する手段は前記ソフトウェア内に想定されている。そのパラメータは、
画像の平均グレーレベルと、
前記画像の肌の欠陥部の表面積であって、欠陥部のいくつかがしわ、小じわ、そばかす、くま、しみ、たるんだ区域などの老化と関係している表面積と、
肌の均質性を表すパラメータとしての、画像の画素の組に対するグレーレベルの分散とである。
【0044】
青の平面80は最も良好なコントラストを示し、肌の欠陥部の大部分をより良く観察できるようにするので、青の平面80がしばしば好ましいことに留意されたい。
【0045】
反射などの画像からのスプリアスノイズを除去するために、抽出された青の平面80に画像解析ソフトウェア内に想定された数学的フィルタを適用することが可能である。
【0046】
この装置のさらなる別の特定の実施形態によれば、この装置は、分析されるべき人Pの肌の限定された領域34、36、38、40について前記画像の取得が行われ、計算手段がこの領域の全体にわたって肌の欠陥部の分析を企てることを特徴とする。
【0047】
本発明の装置の有利な特徴によれば、この装置は引き伸ばし手段、例えば4倍の引き伸ばし手段を備え、カメラによって得られた前記画像の細部を拡大し前記ソフトウェアでさらに統合し、それによりオペレータは肌の欠陥部をより良く観察することができ、スプリアス要素又は人工物の除去を可能にするグレーレベルの閾値化を評価することができる。
【0048】
本発明による装置の別の有利な特徴によれば、この装置は、スプリアス要素を除去するためにグレーレベルの閾値化を行い、さらにソフトウェアで統合することの検討手段、すなわち、ある所定のグレーレベル閾値より下のグレーレベルを除去することを可能する手段を備え、それによりスプリアス要素を取り除いた画像80’を生成する。
【0049】
また、ソフトウェア内に想定された第2の数学的フィルタ処理が有利に想定され、それにより閾値化の前のステップの間に検知され、注目していない小さい区域が除去され、ここで、肌の欠陥部が非常に明確に明らかである画像80”が得られる。後者の画像80”で、画像解析のステップ及び計算のステップが実行されることが好ましい。
【0050】
したがって、本発明の枠組み内で、これらの画像解析は、額の中央区域36、目尻のしわの区域34、ほうれい線溝の区域38、及び頬の中央区域40の拡大写真、特に80、80’、又は好ましくは80”で実行される。
【0051】
本発明による装置の特定の実施形態によれば、この装置は、特にいくつかの異なる区域、ここでは4つの区域34、36、38、及び40に関して、同一人物の肌の少なくとも1つの画像又は複数の画像をソフトウェアで統合して、ソフトウェアで統合されたデジタルデータを記録するデバイスに記録する手段を備える。
【0052】
本発明による装置の別の特定の実施形態によれば、この装置は、考慮されている顔の4つの区域34、36、38、及び40でそれぞれ得られた4つの画像に対して得られた各パラメータの平均を計算手段が考慮に入れ、その結果、顔の各全体的平均パラメータが得られ、それは有利に記録され、異なる実施形態により使用されて、各人に対して肌の年齢の校正曲線を構成することができることを特徴とする。
【0053】
本発明による装置によって、実施例2で示されるように実際の年齢の較正曲線を設定することが可能であり、それにより、図3に示されるように人の見かけの年齢を決定することが可能になる。
【0054】
実施例2
画像の平均グレーレベル、肌の欠陥部の表面積、及び/又は画像の画素の組に対するグレーレベルの分散の中から選ばれた、肌の欠陥部の特性評価を行うための3つのパラメータのうちの1つと実際の年齢を対応させる較正曲線の設定
この目的のために、70人で構成された20歳から55歳の範囲の年齢カテゴリを統計的に表す女性のサンプルが選択される。
【0055】
各人に対して、目の外側区域(すなわち目尻のしわ)、額の中央区域、頬の区域、及びほうれい線溝の区域によって構成された各人の肌の4つの区域上で得られた画像の画素の組に対するグレーレベルの分散が、肌の欠陥部の特性評価を行う前記定義の方法を利用して決定される。
【0056】
各人に対してこれらの4つの区域に関して得られた平均分散が計算され、正規化曲線で図化され、横座標は4つの肌の区域に対するグレーレベルの分散の平均(M値)からなり、縦座標は23歳から55歳に及ぶ群の人々の実際の年齢からなるとして、女性の全体に対して平均分散に関して得られた実測値の全体を図化する。年齢=−33+16.9×ln(M)という式によって定義される、図2に示された曲線が得られる。この式でlnはネイピアの対数である。
【0057】
実施例3
化粧製品の有効性を評価する試験
本発明によるこの実施例の枠組み内で以下の組成の化粧製品の有効性が決定され、その組成は、重量パーセントで、
ゼニアオイの抽出物 3%(この製品では、ゼニアオイの抽出物はフランス、BrivesのSILAB社によって販売されている製品のvitactyl(登録商標)である)、
タチキジムシロの抽出物 0.5%、
ブナの芽の抽出物 2% (Gatuline(登録商標)RCの製品)、
Longosaの抽出物からの乾燥重量で0.5%を含むLongosaの抽出物の液性アルコール溶液 2%、
グルコン酸マグネシウム 0.05%、
水QSP中油の形態の乳化補形 100%
である。
【0058】
この試用を実行するために、パネルは、44歳と64歳との間の年齢カテゴリで平均54歳の30人の女性ボランティアで構成される。
【0059】
30人のこのグループの女性の各々に、この化粧製品の老化防止効果を評価する手順が実施され、すなわち、各人に対して、
a)特定された肌の少なくとも1つの区域、ここで、実際には、特定された肌の4つの区域、すなわち額の中央区域、頬の区域、目の外側区域(目尻のしわ)、及び鼻唇溝の区域に前記化粧製品の手当てをする前に少なくとも1つの第1のデジタル画像を取得する。
【0060】
その後、各人に対して測定されたデータの平均が、特に、画像の平均グレーレベル、いくつかがしわ、小じわ、色素性欠陥部、そばかすなどの老化と関係している前記第1の画像の肌の欠陥部の表面積、及び肌の均質性を表すパラメータとしての、画像の画素の組に対するグレーレベルの分散を含む各パラメータについて決定される。
【0061】
手当ての前に測定されたデータの平均が表Iに報告されている。
【0062】
化粧製品の適用が1日に2回、起床時の朝及び就寝時の夜に、4週間企てられる。
【0063】
その後、少なくとも1つの第2の画像が取得され、面積及び分散に関係する同じパラメータの同じ測定及び定量が実行され、面積及び分散がさらに表Iにラベル「1カ月」、すなわち手当ての開始後1カ月によって示されている。
【0064】
表に示されたパラメータのうちの1つとして画像の平均グレーレベルを選ぶことも全く可能であったことに留意されたい。
【0065】
使用された機器及びTRI−CCDカメラは、実施例1の機器の枠組み内で説明されたVisilogバージョン6.2ソフトウェアと組み合わせられる。
【0066】
表Iに基づいて、調査の条件下で、試験された化粧製品が肌の均質性を著しく改善していることが分かる。具体的には、顔の各区域で検出された対象物の面積が減少し、顔の4つの試験された区域に関する平均分散が著しく減少していることが見いだされる。
【0067】
【表1】

【0068】
52歳の実際の年齢の所与の女性について、図2で得られたもののタイプの曲線が図3に示される。
【0069】
第1の画像に基づいて、平均分散が考慮している前述の4つの肌の区域に対して測定され、彼女に肌の見かけの年齢が50歳であることを示すポイントAが得られた。
【0070】
この実施例で考慮している化粧製品で手当てした後、得られた分散は手当て後の見かけの年齢が47歳であるポイントBを与える。
【0071】
この曲線は、実際には、化粧製品の老化防止効果を測定する指標となり、美容師にとって「若さ指標」になり、その若さ指数は肌への製品の有効性について専門家の意見及び女性自身の意見で補うことができる。
【0072】
本発明は、説明した手段並びに種々の組合せの技術的等価物を構成する全ての手段も含む。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】人の肌の欠陥部の特性評価を行う、すなわち肌の欠陥部の特性評価を行う前述の方法を実施できるようにする装置を示す図である。
【図2】23歳と54歳との間の年齢の70人の女性の群のサンプルで得られた見かけの年齢の較正曲線を示す図である。
【図3】試験した化粧製品による手当て前(ポイントA)及び手当て後(ポイントB)の人の肌の見かけの年齢の曲線を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の肌の欠陥部の特性評価を行う方法であって、
a)少なくとも1つの特定の肌の区域(34、36、38、40)の少なくとも1つのデジタル画像(14)を取得するステップであって、前記画像がデジタルビデオカメラ又はデジタルスチールフォト若しくは撮影カメラ(12)を用いて多数の画素によって確定され、デジタル画像処理デバイスに送られるステップと、
b)このように記録されたデジタル画像を、前記画像処理デバイスを用いてR、G、Bと呼ばれる赤(60)、緑(70)、青(80)の3つの色平面に分割するステップと、
c)これらの平面のうちの1つ(80)を抽出するステップと、
d)この平面に基づいて適切な計算手段によって以下のパラメータの少なくとも1つを計算するステップであって、そのパラメータが、
画像の平均グレーレベルと、
前記画像の肌の欠陥部の表面積であって、欠陥部のいくつかがしわ、小じわ、そばかす、くま、しみ、たるんだ区域などの老化と関係している表面積と、
肌の均質性を表すパラメータとしての、画像の一組の画素に対するグレーレベルの分散と
であるステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
観察されるべき欠陥部を表す色平面を選択し、選択された色平面において、画像の平均グレーレベル、いくつかが老化と関係している肌の欠陥部の表面積、及び分散の中から選ばれた少なくとも1つのパラメータの前記パラメータ化を実行することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
しわ、小じわ、及び色素性欠陥部の観察のために、青色の平面を選択するステップを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの肌の区域の前記画像を取得するステップが白色光又は紫外光の照明の下で行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
スプリアス要素を除去するために、グレーレベルの閾値化を実行し、すなわち、ある所定のグレーレベル閾値より下のグレーレベルを除去することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
分析されるべき人の肌の限定された領域が選ばれ、肌の欠陥部の分析がこの領域の全体に企てられ、特に、前記パラメータの計算及び前記閾値化の実行が企てられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記限定された領域が約1cmから10cmの面積であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ビデオカメラ又はスチールフォト又は撮影カメラによって得られた前記画像の拡大を行い、オペレータが肌の欠陥部をより良く観察することができ、スプリアス要素又は人工物の除去を可能にするグレーレベルの閾値化を評価することができることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
TRI−CCDタイプのデジタルビデオカラーカメラ又はD70Sタイプのデジタルスチールフォト若しくは撮影カメラを使用することを特徴とする先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
同一人物の肌の少なくとも1つの画像又は複数の画像が、特に、いくつかの異なる区域に関して、デジタルデータを記録するデバイスに記録されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記画像取得区域が、顔又は体の全体的な老化を表すいずれかの皮膚の区域に対応し、有利には、前記区域が、目の外側区域(目尻のしわ)、額の中央区域、頬の区域、及び鼻唇溝の区域からなる群から選択されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
各人に対して肌年齢の較正曲線を構成するために、有利に記録され、異なる実施形態により使用され得る顔の各全体的平均パラメータを得るために、考慮されている顔の様々な区域でそれぞれ得られた様々な画像に対して得られた各パラメータの平均を計算手段が計算に入れることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
化粧製品の老化防止効果を評価する方法であって、肌の欠陥部の特性評価を行う方法が、請求項1〜12のいずれか一項に記載されたように、代表的なグループの人々の各人に対して使用され、各人に対して、
手当て前の肌の基準パラメータを決定するために、少なくとも1つの特定された肌の区域への前記化粧製品による手当て前に少なくとも1つの第1のデジタル画像を取得し、
化粧製品による前記手当てから所定の時間後に少なくとも1つの第2のデジタル画像を取得し、同じパラメータが前記第2の画像で決定され、
手当て前の肌の第1の画像のパラメータに対して手当て後に得られた同じ肌の区域の第2の画像の前記パラメータを比較し、
群の人々の組に対して各パラメータの平均を決定し、
画像の平均グレーレベル、欠陥部の表面積、及び/又はグレーレベルの分散の中から選ばれた考慮している平均パラメータの少なくとも1つが第1の画像のパラメータの平均に対して著しく減少した場合、考慮している化粧製品の老化防止効果が明確に有効であるという結論に達することを特徴とする方法。
【請求項14】
著しい減少が5%以下の誤差の確率で得られることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
考慮している化粧製品の老化防止有効性の重要な特性を決定するために、所与の年齢カテゴリを代表する群の人々のパネルに対してこの老化防止効果が実行されることを特徴とする請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
第1の画像及び第2の画像が、顔及び/又は体の肌の老化の様々な特徴的な区域の各々、特に、
目の外側区域(目尻のしわ)、
額の中央区域、
頬の区域、
鼻唇溝の区域
に対して記録されることを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
人の肌の欠陥部の特性評価を行う装置(10)であって、
a)少なくとも1つの特定された肌の区域(34、36、38、40)の少なくとも1つのデジタル画像(14)の取得を可能にするデジタルビデオカメラ(12)又はデジタルスチールフォト若しくは撮影カメラ(12)であって、前記画像が多数の画素によって確定され、デジタル画像処理デバイスに送られる、デジタルビデオカメラ(12)又はデジタルスチールフォト若しくは撮影カメラ(12)と、
b)前記画像処理デバイスを用いて、R、G、Bと呼ばれる赤(60)、緑(70)、青(80)の3つの色平面にデジタル画像を分割する手段と、
c)これらの平面のうちの1つ(80)を抽出する手段と、
d)この平面に基づいて以下のパラメータの少なくとも1つを計算する手段であって、そのパラメータが、
画像の平均グレーレベルと、
画像の肌の欠陥部の表面積であって、欠陥部のいくつかがしわ、小じわ、そばかす、くま、たるんだ区域などの老化と関係している表面積と、
肌の均質性を表すパラメータとしての、前記画像の画素の組に対する前記グレーレベルの分散とである計算する手段と
を備えることを特徴とする装置。
【請求項18】
抽出手段が観察されるべき欠陥部を表す色平面の抽出を実行し、計算手段が画像の平均グレーレベル、いくつかが老化と関係している肌の欠陥部の表面積、及び分散の中から選ばれた少なくとも1つのパラメータの前記計算を実行することを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
白色光又は紫外光で照明するための照明デバイスをさらに備え、そのような照明の下で少なくとも1つの肌の区域の少なくとも1つの画像の取得を可能にすることを特徴とする請求項17又は18に記載の装置。
【請求項20】
スプリアス要素を除去するために、グレーレベルの閾値化の検討手段、すなわち、ある所定のグレーレベル閾値より下のグレーレベルを除去することができるようにする手段を備えることを特徴とする請求項17〜19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
分析されるべき人の肌の限定された領域の前記デジタル画像から抽出する手段を備え、計算手段が肌の欠陥部の分析をこの限定された領域の全体で企て、特に、前記パラメータの計算及び前記閾値化の実行を企てることを特徴とする請求項17〜20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
肌の前記限定された領域が約1cmから10cmの面積であることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項23】
オペレータが肌の欠陥部をより良く観察し、スプリアス要素又は人工物の除去を可能にするグレーレベルの閾値化を評価できるようにする、カメラ(12)によって得られた前記画像の引き伸ばし手段を備えることを特徴とする請求項18〜22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
TRI−CCDタイプのデジタルカラービデオカメラ(12)又はD70Sタイプのデジタルスチールフォト若しくは撮影カメラが備えられることを特徴とする請求項17〜23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
同一人物の肌の少なくとも1つの画像又は複数の画像を、特に、いくつかの異なる区域に関して、デジタルデータを記録するデバイスに記録する手段を備えることを特徴とする請求項17〜24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記画像取得区域が、顔又は体の全体的な老化を表すいずれかの皮膚の区域に対応し、有利には、前記区域が、
目の外側区域(目尻のしわ)、
額の中央区域、
頬の区域、
鼻唇溝の区域
からなる群から選択されることを特徴とする請求項17〜25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
スクリーン(54)、キーボード(56)、及びマウス(58)を備え、
R、G、Bと呼ばれる赤(60)、緑(70)、青(80)の3つの色平面にデジタル画像を分割する手段と、
これらの平面のうちの1つ(80)、好ましくは、青色に対応して青と呼ばれる平面を抽出する手段と、
この平面に基づいて以下のパラメータの少なくとも1つを計算する手段であって、そのパラメータが、
画像の平均グレーレベルと、
前記画像の肌の欠陥部の表面区域であって、欠陥部のいくつかがしわ、小じわ、そばかす、くま、しみ、たるんだ区域などの老化と関係している表面区域と
である計算する手段と、
グレーレベルの閾値化の検討手段と、
前記画像の引き伸ばし手段と、
肌の少なくとも1つの画像又は複数の画像を記録する手段と
を含む手段の全体を統合するソフトウェアを備える、
モニタ(52)と結合されたコンピュータ(50)を具備することを特徴とする請求項17〜26のいずれか一項に記載の装置。
【請求項28】
各人に対して肌の年齢の較正曲線を構成するために、有利に記録され、異なる実施形態により使用され得る顔の各全体的平均パラメータを得るために、考慮されている顔の様々な区域でそれぞれ得られた様々な画像に対して得られた各パラメータの平均を計算手段が考慮に入れることを特徴とする請求項17〜27のいずれか一項に記載の装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−509708(P2009−509708A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−534056(P2008−534056)
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【国際出願番号】PCT/FR2006/050981
【国際公開番号】WO2007/042708
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(502189579)エルブイエムエイチ レシェルシェ (68)
【Fターム(参考)】