説明

自動で繊維をレイアップするシステムおよび方法

装置は、樹脂を含浸させた繊維を基板に貼り付けるために、材料の層と、第1の縁部とを有する表面を含む。この表面は、基板を基準として、かつ、基板に沿うように移動する。材料の層は、樹脂と共に使用するのに適合したものである。第1の縁部は、繊維に対する装置の移動を基準として表面の前部に配設される。第1の縁部は、当該第1の縁部の中央部が当該第1の縁部の1対の側方部の相対的に前方に存在する状態で湾曲する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
この発明は一般に、複合品を製作する装置、システム、および方法に関する。より特定的に、この発明は、自動で繊維をレイアップする装置およびシステム、ならびに使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
複合構造は一般に、多数の層またはプライから構築される。次いで、これらのプライは一般に、互いに僅かに重複するか、または互いに当接する一連のコースで構成される。これらのコースは、ガラス、アラミド、炭素繊維、その他さまざまな繊維等のさまざまな材料を含み得る。加えて、これらの繊維は、単一方向に配向され得るか、または、繊維に編込まれ得る。さらに、コース材料は、樹脂に予め含浸させることができ、ロールから吐出されることが多い。コース材料は一般に、ロールの形態において、プラスチック、紙等の分離膜または裏当て膜を含む。この裏当て膜は一般に、樹脂で被覆されたか、または樹脂を予め含浸させたコース材料(プレプレグ材)が、自らに付着することを防止する。
【0003】
コースは一般に、コース材料の「自然経路」に沿って型または工具の上に敷設される。「自然経路」という用語は、コース材料を工具の表面上に転がして広げたときに当該コース材料が辿る経路を指す。自然経路からの逸脱は一般に、コース材料の幅にわたり力を加えることにより生じる。加えた力が材料の可撓限度を上回ると、コース材料に皺またはブリッジが生じる。加えて、コースの幅が広くなるほど、コース材料は皺を生じやすくなる。しかしながら一般に、レイアップ速度を高めるためには、相対的に幅の広いコース材料の使用が有利である。繊維のコース材料から、起伏を有する複合構造を構築する従来の方法は、繊維を手動で敷設するために熟練技術者を使用する。これらの技術者は、繊維の縁部および角部を引張って、繊維の織目を変形するか、または格子形成(trellis)を行なう。この態様で、繊維は起伏に沿うようになる。
【0004】
以前に貼り付けたコースに隣接してコースを敷設する際に、起伏を横切るコースの自然経路は、コースの逸脱または集中を生じ得る。空隙または過剰な重複を防ぐために、コースの側端部またはプロファイルがトリミングされて、適切な関係を維持する。トリミングまたはプロファイリングの従来の方法も一般に、熟練した技術者を使用してこれらの作業を実行する。その結果、繊維のコース材料による、起伏を有する表面のハンドレイアップは、費用および時間のかかるものとなる。
【0005】
したがって、ここに記載された欠点を少なくとも或る程度克服することのできる、複合品を生成するためのシステムを提供することが望ましい。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
上述の必要性は、広範囲にわたり、この発明により満たされる。この発明では、いくつかの実施例において、繊維のプライ材料から複合品を生成するための自動積層システム、およびこのようなシステムを使用する方法が提供される。
【0007】
この発明の一実施例は、樹脂を含浸させた繊維を基板に貼り付けるための装置に関する。この装置は、材料の層と第1の縁部とを有する表面を含む。当該表面は、基板を基準と
して、かつ、基板に沿うように移動する。当該材料の層は、樹脂と共に使用するのに適合したものである。第1の縁部は、繊維に対する装置の移動を基準として表面の前部に配設される。第1の縁部は、当該第1の縁部の中央部が当該第1の縁部の1対の側方部よりも相対的に前方に存在する状態で湾曲する。
【0008】
この発明の別の実施例は、樹脂を含浸させた繊維を基板に貼り付けるための装置に関する。この装置は、供給リール、切断システム、および押圧シューを含む。供給リールは、樹脂を含浸させた繊維を供給する。切断システムは、樹脂を含浸させた繊維を切断する。押圧シューは、樹脂を含浸させた繊維を基板上に押圧する。押圧シューは、層と第1の縁部とを有する表面を含む。この表面は、基板を基準として、かつ、基板に沿うように移動する。当該材料の層は、樹脂と共に使用するのに適合したものである。第1の縁部は、繊維に対する押圧シューの移動を基準として表面の前部に配設される。第1の縁部は、当該第1の縁部の中央部が当該第1の縁部の1対の側方部よりも相対的に前方に存在する状態で湾曲する。
【0009】
この発明のさらに別の実施例は、レイアップ型の上に配置される、樹脂を含浸させた繊維から、複合品を製作するためのシステムに関する。このシステムは、エンドエフェクタを含む繊維積層機械を含む。繊維積層機械は、レイアップ型を横切る自然経路に沿ってエンドエフェクタを移動させる。エンドエフェクタは、供給リールおよび押圧シューを含む。供給リールは、樹脂を含浸させた繊維の供給を維持する。樹脂を含浸させた繊維は、或る送り速度で供給リールから引出される。押圧シューは、樹脂を含浸させた繊維をレイアップ型の上に押圧する。押圧シューは、材料の層と第1の縁部とを有する表面を含む。この表面は、レイアップ型を基準として、かつ、レイアップ型に沿うように移動する。当該材料の層は、樹脂と共に使用するのに適合したものである。第1の縁部は、樹脂を含浸させた繊維に対する押圧シューの移動を基準として表面の前部に配設される。第1の縁部は、当該第1の縁部の中央部が当該第1の縁部の1対の側方部よりも相対的に前方に存在する状態で湾曲する。
【0010】
この発明のさらに別の実施例は、レイアップ型の上に配置される材料から複合品を製作するための機器に関する。この機器は、レイアップ型の上において材料を配置するための第1の場所を決定するための手段と、レイアップ型の上において材料の配置を中止するための第2の場所を決定するための手段と、第1の場所においてレイアップ型に実質的に沿う第1の縁部が第1の場所においてレイアップ型と異なることに応答して、第1の縁部を生成するために材料を切断するための手段とを含む。加えてこの機器は、第1の場所においてレイアップ型に第1の縁部を接着するための手段と、第1の場所と第2の場所との間でレイアップ型の自然経路に沿って材料を貼り付けるための手段とを含む。材料は、材料を基準とした湾曲表面の移動により、材料のほぼ長手方向中心線から外方向に付勢される。この機器はさらに、第2の場所に接近したことに応答して、第2の場所においてレイアップ型に実質的に沿う第2の縁部を生成するために材料を切断するための手段を含む。
【0011】
この発明のさらに別の実施例は、レイアップ型の上に配置される材料から複合品を製作するための方法に関する。この方法では、レイアップ型の上において材料を配置するための第1の場所が決定され、レイアップ型の上において材料の配置を中止するための第2の場所が決定され、材料は、第1の場所においてレイアップ型に実質的に沿う第1の縁部が第1の場所においてレイアップ型と異なることに応答して、第1の縁部を生成するために切断される。加えて、第1の縁部は第1の場所においてレイアップ型に接着され、材料は、第1の場所と第2の場所との間でレイアップ型の自然経路に沿って貼り付けられる。材料は、材料を基準とした湾曲表面の移動により、材料のほぼ長手方向中心線から外方向に付勢される。材料は、第2の場所に接近したことに応答して、第2の場所においてレイアップ型に実質的に沿う第2の縁部が生成されるように切断される。
【0012】
この発明のさらに別の実施例は、レイアップ型の上に配置される材料から複合品を製作する方法を実行するための命令の組を含むコンピュータソフトウェアが組込まれた、コンピュータ読取可能な媒体に関する。この方法では、レイアップ型の上において材料を配置するための第1の場所が決定され、レイアップ型の上において材料の配置を中止するための第2の場所が決定され、材料は、第1の場所においてレイアップ型に実質的に沿う第1の縁部が第1の場所においてレイアップ型と異なることに応答して、第1の縁部が生成されるように切断される。加えて、第1の縁部は、第1の場所においてレイアップ型に接着され、材料は、第1の場所と第2の場所との間でレイアップ型の自然経路に沿って貼り付けられる。材料は、材料を基準とした湾曲表面の移動により、材料のほぼ長手方向中心線から外方向に付勢され、材料は、第2の場所に接近したことに応答して、第2の場所においてレイアップ型に実質的に沿う第2の縁部が生成されるように切断される。
【0013】
このようにして、この発明の或る実施例の概略を大まかに述べ、この明細書におけるこの発明の詳細な説明がより良く理解され得るようにし、当該技術への本発明の寄与がより良く認識され得るようにした。当然ながら、以下に説明し、かつ、前掲の請求項の主題をなすこの発明には、さらに別の実施例が存在する。
【0014】
この局面では、この発明の少なくとも1つの実施例を詳細に説明する前に、この発明が、その適用において、以下の説明に明示されるか、または図面に例示される構成要素の配置および構成の詳細に限定されないことを理解されたい。この発明は、記載される実施例以外の実施例が可能であり、さまざまな方法での実現および実施が可能である。また、この明細書およびアブストラクトで使用される文体および用語が、説明を目的としたものであって限定と捉えられるべきではないことも理解されたい。
【0015】
このようにして、この発明のいくつかの目的を実施するための他の構造、方法、およびシステムの設計の根拠として、この開示が基づく概念が容易に使用され得ることを当業者は理解するであろう。したがって、この発明の精神および範囲から逸脱しない限り、クレームがこのような等価の構成を含むものと考えることが重要である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
詳細な説明
この発明は、いくつかの実施例において、プライを配置して複合品を生成するためのシステムと、このシステムを使用する方法とを提供する。一実施例において、この発明は、数値制御(NC)自動繊維積層機械(AFLM)を提供する。この積層装置は、エンドエフェクタを位置決めするための位置決め装置を含む。位置決め装置は、ガントリ、ロボットアーマチャ、車輪自動車、または軌道車等の任意の適切な装置等を含む。エンドエフェクタは一般に、位置決め装置により位置決めされるのに適した任意の装置を含む。たとえば、エンドエフェクタは、フライス削り、吐出、および/または仕上げ用のヘッドまたはモジュールを含む。特定の一例において、エンドエフェクタは、レイアップの金型または工具上にプライか、または、樹脂を含浸させた繊維を配置するための吐出ヘッドを含む。一般にプライ材料は、僅かに接着しやすく、十分な量の圧縮力に応答して、工具の表面または以前に貼り付けられたプライに付着する。この力を加えるために、エンドエフェクタは押圧シューモジュールを含む。加えて、エンドエフェクタは、プライ材料の切断をサポートする回転アンビルを有する切断アセンブリを含む。
【0017】
以下に、図面を参照してこの発明を説明する。図面では、同じ参照番号が全体にわたって同じ部分を指す。図1は、この発明の一実施例と共に使用するのに適した自動繊維積層機械(AFLM)10の斜視図である。図1に示すように、AFLM10は、レイアップの金型または工具16を基準としたエンドエフェクタ14の移動を制御するための位置決
め装置12を含む。さまざまな形態において、位置決め装置12は、工具16を基準としたエンドエフェクタ14の移動を制御するための任意の適切なシステムを含む。適切なシステムの例には、図1に示すアーマチャ型の装置、ガントリ型の装置等が含まれる。この発明の一実施例において位置決め装置12は、12軸運動(位置決め装置の7軸およびエンドエフェクタ14の5軸)を制御するように構成される。しかしながら、固有の軸数が特定の操作条件に依存し得ること、したがって、制御される軸数がこの発明にとって重要ではないことを理解されたい。
【0018】
図2および3は、エンドエフェクタ14の斜視図である。図2に示すように、予め含浸させた繊維材料(「プレプレグ材」)18が、供給ロール20上に格納される。プレプレグ材18が供給ロール20から吐出されるのに伴って分離膜または裏当て膜22が剥がされて、裏当て巻取ロール24上に重なる。プレプレグ材18は、真空切断ドラム26またはアンビルに運ばれて、その周囲に部分的に巻付けられる。この切断ドラム26は、バックアップ面を切断するナイフとして使用するのに適した材料の多孔性の管28を含む。適切な材料の例には、超高分子量(「UHMW」)ポリエチレン、Delrin(登録商標)、ナイロン、アセタール等が含まれる。真空チャンバ30がドラム26内に配設され、多孔性の管28から空気を取込むように構成される。この態様で、プレプレグ材18は、切断ドラム26に向けて引出され、管28の外側に沿って本質的に定位置に保持される。一実施例では、プレプレグ材18により覆われる場所において切断ドラム26から空気が取込まれ、この空気は、プレプレグ材18により覆われていない場所において本質的に封止される。この態様で、真空圧が無駄にならない。特定の一例において、真空チャンバ30は、切断ドラム26の円周の約半分に向けて真空を方向付ける封止材Sを含む。
【0019】
エンドエフェクタ14はさらに、プレプレグ材18を切断するために1つ以上の切断アセンブリ32を含む。たとえば、エンドエフェクタ14は、ドラム26上に保持されたプレプレグ材18を切断するように構成された1対の切断アセンブリ32を含む。一般に、切断アセンブリ32は、前縁および後縁の切断等の端部切断、および/または、側端部のプロファイルを生成するための切断を実施する。切断アセンブリ32は、プレプレグ材18を分断または切断するように作動可能な任意の適切な装置を含む。適切な装置には、超音波ナイフ、鋸、レーザ等が含まれる。切断アセンブリ32はさらに、制御装置からの信号に従って実施するように構成される。この点に関し、プレプレグ材18に端部のプロファイルおよび斜めの切断を生じるために、切断ドラム26の移動は、切断アセンブリ32の移動と一致するように制御される。一実施例によると、切断ドラム26の移動を利用して、AFLM10のさまざまな他の構成要素の移動を整合する。たとえば、エンドエフェクタ14経由でプレプレグ材18を前進させるように切断ドラム26が制御されることに応答して、供給ロール20は、プレプレグ材18を吐出するように制御され、位置決め装置12は、工具16に沿ってエンドエフェクタ14を前進させるように制御される。
【0020】
一実施例に従い、かつ図2および図3に示すように、切断アセンブリ32は、切断ドラム26に沿ってそれぞれの位置からオフセットされる。この態様で、切断アセンブリ32の各々は、1つ以上の他の切断アセンブリ32の動作を妨げることなく、プレプレグ材18の全幅にわたる切断、またはその任意の一部の切断を行なうように構成される。1つの切断アセンブリ32がプレプレグ材18のプロファイルを切断する間に、別の切断アセンブリ32が端部切断を実施し得る点が、切断アセンブリ32におけるオフセットの利点である。
【0021】
エンドエフェクタ14はさらに、押圧シュー34および押圧シューモジュール36を含む。各布設行程の最初に、押圧シューモジュール36は、プレプレグ材18をドラム26から移送して当該材料を工具16上に貼り付けるように構成される。たとえば、プレプレグ材18の前縁がドラム26に沿った適切な位置に接近するのに応答して、プレプレグ材
18は、押圧シュー34に取外し可能に固定される。図3に示すように、押圧シューモジュール36は、図2に示す「移送」位置から図3に示す「布設」位置への押圧シュー34の移動を制御するように構成される。押圧シュー34をこの態様で移動させるのに伴い、プレプレグ材18がエンドエフェクタ14経由でさらに送られて処理され、十分な弛みを設けて押圧シュー34の手前でプレプレグ材18の「ループ」を形成する。
【0022】
加えて、切断アセンブリ32により切断された縁部のプロファイルの向こうの余分なプレプレグ材18は、巻取ロール38上に重ねられる。一実施例では、プレプレグ材18の各側端部の或る部分が切断されないままであり得る。この態様で、プレプレグ材18の収集を容易にする、プレプレグ材18の連続したストリップが生成される。
【0023】
一実施例において、押圧シューモジュール36は、複数のリンク機構40を含む。これらのリンク機構40は、図3に示す点線で表示される経路42に沿った押圧シュー34の移動を容易にするように構成される。押圧シューモジュール36の移動と共に、AFLM10のさまざまな他の構成要素が移送中に同期される。すなわち、真空切断ドラム26によるプレプレグ材18の吐出と、切断アセンブリ32による縁部のプロファイリングとは、押圧シュー34に対するプレプレグ材18の位置的な整合性を維持する態様で制御される。すなわち、引張り力が増大しない移送中に十分なプレプレグ材18が吐出され、プレプレグ材18を押圧シュー34上で摺動させる。この態様で、切断された縁部は工具16上に正確に配置され得る。押圧シュー34が本質的に一点で接する態様でドラム26から最初に離れる点が、この実施例の利点である。すなわち、プレプレグ材18には、最初に、相対的に小さなトルクしかかからない。真空切断ドラム26と押圧シュー34との間に十分な弛みが生じると、押圧シューモジュール36は、図3に示すように、押圧シュー34および取り付けられたプレプレグ材18を布設位置に配向するように制御される。他の実施例によると、押圧シューモジュール36は、他の適切な装置を利用して同様の態様で移動するように制御される。たとえば、押圧シューモジュール36は、経路42に沿った軌道または他のこのような通路を辿るように構成される。別の例では、数値制御アーマチャが、経路42に沿って押圧シューモジュール36を制御するように構成される。
【0024】
図4は、図1に示す一実施例に従った押圧シュー34および押圧シューモジュール36の斜視図である。図4に示すように、押圧シュー34は、接触面44、適合材料46、および真空ポート48を含む。接触面44は、樹脂を含浸させたプレプレグ材18と共に使用するのに適した可撓性材料を含む。適切な材料の例には、ポリエチレンポリマー、UHMWポリエチレン、Delrin(登録商標)、ナイロン、アセタール等が含まれる。加えて、接触面44は、湾曲する前縁50を含む。プレプレグ材18が工具16に貼り付けられるのに伴い、湾曲する前縁50がプレプレグ材18の外方向への拡張を容易にする点が、この発明の実施例の利点である。この外方向への拡張は、湾曲した工具16にプレプレグ材18が貼り付けられる際に「皺」を生じる傾向を低減する。説明すると、繊維がドーム等の両凸面上を覆う際に、余分な繊維が縁部に沿って積み重なる。この余分な繊維を処理しない場合に皺が生じる。繊維の縁部に沿ってまたは繊維の角部において、繊維が配置されている方向に沿って繊維を引張るか、または伸張させることにより、余分な繊維が移動する。この「伸張」により、長手方向および横方向の糸(縦糸および横糸)間の角度が領域によっては90度から外れる場合があるが、各糸の長さは本質的に一定のままである。縦糸と横糸との繊維間におけるこの角度変化を「格子形成」と称する。
【0025】
適合材料46は、接触面44に対する支持を提供し、かつ、工具16の起伏に対する接触面44の適合を容易にするフォーム、または他のこのような可圧縮および弾性の材料を含む。より具体的に、適合材料46は、接触面44に沿うか、接触面44に垂直であるか、および/または、接触面44に対して傾斜角をなす、正負の半径の起伏(positive and negative radius contours)への適合を容易にする。適合材料46が対応することのでき
る曲率の量は、さまざまな因子、たとえば、適合材料46の長さ、幅、厚さ、可圧縮性、および弾性に依存する。
【0026】
一実施例において、真空ポート48は、接触面44の後縁52に近接して配設される。真空ポート48は、たとえば真空ポンプ、真空生成ベンチュリ等の真空源と流体連通する。たとえば図4に示すように、各真空ポート48は、それぞれの真空ホース54に接続され、この真空ホース54は次いで、真空マニホルド56に接続される。真空マニホルド56は、圧縮空気を供給する圧力ホース60を介して動力供給される真空生成ベンチュリ58に流体連通する。真空ホース54の曲率半径を小さくすることによって真空ホース54が「捩れる」傾向を減少させるために、真空ホース54は、図4に示すように真空ポート48に経路指定される。相対的に遠位の真空ポート48に比べ、より中央に位置付けられた真空ポート48に真空を供給する真空ホース54を、真空源に相対的に近い(近位の)真空マニホルドに経路指定することにより、接触面44上で相対的に中央に存在する真空ポート48の真空力が強まる点が、このような経路指定方式の利点である。
【0027】
さまざまな他の実施例において、真空ポート48は、接触面44の中間部および/または湾曲した前縁部50の付近に配設される。加えて、真空ポート48は、図4において、前縁52に沿って実質的に均等に間隔をあけて配置されかつサイズが実質的に均一であるものとして示されているが、他の実施例において、間隔および/またはポートの直径は不均一である。たとえば、接触面44の中央付近における真空保持の見込みを高めるために、真空ポート48は、接触面44の中央に向けてより高密度に配設される。さらに、真空ポート48は穴である必要ななく、むしろ、多孔性または透過性材料を含む。
【0028】
押圧シューモジュール36は、真空マニホルド56および真空生成ベンチュリ58に加え、ばね62、アクチュエータ64、および取付フランジ66を含む。ばね62またはプラテンは、接触面44を支持し、工具16の起伏に沿うように構成される。この点に関し、適合材料46は、工具における相対的に小さな起伏への適合を容易にし、ばね62は、工具における相対的に大きな起伏への適合を容易にする。これらの相対的に大きな起伏を容易にするために、ばね62は、金属、プラスチック、複合材料等の弾性材料のシートを含む。特定の一例において、ばね62は、図4に示すように、両端部で支持されて屈曲するように構成されるガラス繊維のシートを含む。ばね62の長さ全体にわたって実質的に均一量である下方向への圧力を生じるために、ばね62の断面は、当該長さにわたって変化する。ばね62が対応することのできる曲率の量は、さまざまな因子、たとえば、ばね62の長さ、幅、厚さ、および弾性に依存する。たとえば、一実施例において、ばね62は、約20インチ以上の正の半径を有する起伏への適合を容易にするように構成される。
【0029】
アクチュエータ64は、制御信号に応答してリンク機構40にトルクを与える。この態様で、押圧シューモジュール36は、移送位置と布設位置との間で移動する。取付フランジ66は、押圧シューモジュール36をエンドエフェクタ14に取付けるための締結点を提供する。加えて、押圧シューモジュール36は、真空生成ベンチュリ58の各々がその内部で生じる雑音を減じるための排気マフラー68をそれぞれ任意に含む。
【0030】
図5は、図1に示す一実施例に従ったエンドエフェクタ14の斜視図である。図5に示すように、エンドエフェクタ14は、当該エンドエフェクタ14のさまざまな構成要素の取付けおよび支持を行なうための筐体またはフレーム70を含む。フレーム70は、エンドエフェクタ14を位置決め装置12に固定するための組付けプレート72を含む。加えて、図5には、供給ロール20、裏当て巻取ロール24、真空切断ドラム26、および巻取ロール38の回転運動をそれぞれ制御するように構成される複数のアクチュエータ74〜80が示される。さらに図5には、ハブ82、真空ホース84、および真空生成装置86、たとえば真空ポンプ、タービン、および/またはベンチュリ/マフラーが示される。
【0031】
図6は、AFLM10と共に使用するのに適したシステム90のブロック図である。図6に示すように、システム90はコントローラ92を含む。コントローラ92は、コンピュータ読取可能なコードを実行するように作動可能である。この点に関し、システム90は、コンピュータ読取可能な命令またはコードの組94を含む。コード94に従い、コントロール92はファイル96にアクセスするように構成される。このファイル96は、以下のもの、すなわち、複合品のコンピュータ読取可能なモデル、レイアップ型または工具16の表面のコンピュータ読取可能な表現、工具16の縁部のコンピュータ読取可能な表現、複合品の厚さ、複合品および工具16の少なくとも1つに基づいたソースコード、当該ソースコードに基づいた移動命令の組、複合品のレイアップ中に収集されたデータ、タイムスタンプ情報、位置情報、識別番号等の1つ以上を含む。コントローラ92はさらに、ネットワーク98を介して通信するように構成される。ネットワーク98は、さらなるデータ格納および/または処理の機能を提供するように、任意に含まれる。この点に関し、ネットワークは、データベース100およびサーバ102を含む。データベース100は、コード94および/またはファイル96のコピーを格納するように構成される。サーバ102は、コード94および/またはファイル96の生成、格納、および任意の適切な処理を実施するように構成される。この態様で、サーバ102等のコンピュータ援用設計(CAD)機械で生成された複合品は、たとえば、AFLM10に転送され得る。加えて、サーバ102は、ネットワーク98を介して、コード94および/またはファイル94についての更新を転送するように作動可能である。加えて、システム90は、メモリ104を任意に含む。メモリ104が存在する場合、当該メモリ104は、コード94および/またはファイル96のコピーを格納するように構成される。
【0032】
図6には、位置決め装置コントローラ106も示される。位置決め装置コントローラ106は、AFLM10のさまざまなアクチュエータおよび/またはサーボモータの要件に依存して、システム90内に任意に含まれる。すなわち、AFLM10の特定の構成に依存して、複数のアクチュエータおよび/またはサーボモータが、AFLM10のさまざまな構成要素の回転、位置、速度、方向等を調整する。より具体的に、位置決め装置のこれらのアクチュエータおよび/またはサーボモータは、エンドエフェクタ14および/またはAFLM10のさまざまな軸を調整するように少なくとも構成される。位置決め装置コントローラ106のパラメータが存在する場合、当該パラメータは、さまざまなアクチュエータ、サーボ、および/またはコントローラ92の仕様に基づく。位置決め装置コントローラ106が存在する場合、当該位置決め装置コントローラ106は、これらのアクチュエータおよび/またはサーボモータのいくつかまたはすべてを制御するように構成される。加えて、これらのアクチュエータおよび/またはサーボモータは、コントローラ92により直接調整されるように任意に作動可能であり、したがってシステム90は、位置決め装置コントローラ106を含まないことが考えられる。
【0033】
加えて、コントローラ92は、任意の適切なアクチュエータおよび/またはサーボモータ、たとえばアクチュエータ64および74〜80、ならびに切断アセンブリ32を調整し、それによりAFLM10のさまざまな構成要素を制御するように構成される。この態様で、コントローラ92は、エンドエフェクタ14を介してプレプレグ材18の移動を制御するように構成される。この点に関し、アクチュエータ74〜80は、プレプレグ材18および分離膜の位置、速度、方向、引張り等を調整するように構成される。さらに、コントローラ92は、アクチュエータ64を調整し、それにより押圧シューモジュール36を制御するように構成される。
【0034】
システム90はさらに、AFLM10のさまざまな作動状態を検知するように構成される複数のセンサを含む。より具体的に、システム90は、AFLM10の任意の適切な属性を検知するためのセンサを任意に含む。適切な属性の例には、プレプレグ材18の温度
、分離膜22がプレプレグ材18から分離される場所(解放地点)の温度、送り速度および送り方向、材料の配置、裏当ての保全性、プレプレグ材18の供給、供給ロール20と真空切断ドラム26との間のプレプレグ材18の引張り、真空切断ドラム26と巻取ロール38との間のプレプレグ材18の引張り等のいくつかまたはすべてが含まれる。
【0035】
工具16に粘着性付与剤を塗布するために、システム90は、粘着性付与剤アプリケータ108を任意に含む。この粘着性付与剤は、最初のプライが工具16に付着することを容易にする。より具体的に、粘着性付与剤の樹脂は、接着剤系の流動学的性質を変更する。これらの粘着性付与剤は、接着剤内の基本ポリマー/エラストマーと結合して、接着性または固着能を高める。一般に、この特性は、表面上への湿潤を増大させること、および、改良された特定の接着により得られる。より具体的には、粘着性付与剤および基本樹脂の結合を調整することにより、接着剤の粘弾性挙動が変わる。加えて、使用される特定の粘着性付与剤は一般に、基本樹脂との適合性または親和性に依存する。たとえば、ビスマレイミド(BMI)の樹脂ベースと共に使用するのに適した粘着性付与剤には、WA、タコマ(Tacoma)のトーレ・コンポジット(アメリカ)(Toray Composites (America))により製造されたToray E−09、IL、シカゴ(Chicago)のボーイング社(The Boeing Company)により製造されたMSR 355−HSC等が含まれ得る。この発明は、BMI樹脂およびそれに対して融和性を有する粘着性付与剤の使用に限定されず、むしろ、任意の適切な樹脂およびベース/粘着性付与剤の樹脂系が、この発明の実施例の範囲内に入る。しかしながら、粘着性付与剤は、接触面44を汚す傾向を有し得る。プレプレグ材18の幅が切断アセンブリ32により調整されるのに伴い、粘着性付与剤を塗布する幅も調整される。この点に関し、粘着性付与剤のアプリケータ108は、制御可能な態様で粘着性付与剤を塗布する。一実施例において、粘着性付与剤のアプリケータ108は、隣接する領域に実質的に重複することなく、プレプレグ材18が配置されるべき領域において工具16に粘着性付与剤を塗布するように、コントローラ92により調整される。たとえば、粘着性付与剤のアプリケータ108は、本質的にプレプレグ材18の幅に及ぶ、個々に制御可能な噴射ノズルの配列を含む。別の例において、粘着性付与剤のアプリケータ108は、前後に撫でるように動くことによりプレプレグ材18の幅またはその一部に及ぶように制御可能な噴射ノズルを含む。
【0036】
粘着性付与剤を蒸発(「フラッシュオフ」)させて、工具16、プレプレグ材18、および/または分離膜22を調整するために、システム90はヒータ110を任意に含む。ヒータ110は、たとえば、電気加熱素子および送風機、赤外線装置、誘導ヒータ等の任意の適切な加熱装置を含む。特定の一例において、ヒータ110は、加熱素子と、加熱された空気の流れを適宜方向付けるように構成される送風機とを含む。たとえば、加熱された空気の流れは、粘着性付与剤のアプリケータ108の後方および押圧シューモジュール36の前方に方向付けられ得る。加えてヒータ110は、ニブヒータ(nib heater)、シュートヒータ(shute heater)、および解放地点送風機を任意に含む。これらの装置が存在する場合、これらの装置はコントローラ92により調整される。ニブヒータは、コントローラ92により生成された制御信号に応答して、工具16、プレプレグ材18、および/または分離膜22に対し、制御された量の熱を加える。同様に、シュートヒータは、コントローラ92により生成された制御信号に応答して、プレプレグ材18および/または分離膜22に対し、制御された量の熱を加える。加えて、解放地点送風機は、コントローラ92により生成される制御信号に応答して、空気流を解放地点に方向付ける。
【0037】
図7は、システム90と共に使用するのに適したコントローラ92のためのシステムアーキテクチャである。図7に示すように、コントローラ92はプロセッサ116を含む。このプロセッサ116は、電源118、メモリ120、クロック122、アナログ−デジタルコンバータ(A/D)124、および入力/出力(I/O)ポート126に作動可能に接続される。I/Oポート126は、適切に取付けられた任意の電子装置から信号を受
取って、これらの信号をA/D124および/またはプロセッサ116に転送するように構成される。これらの信号がアナログフォーマットである場合、当該信号は、A/D124を介して送られ得る。この点に関し、A/D124は、アナログフォーマットの信号を受取って、これらの信号を対応するデジタルフォーマットの信号に変換するように構成される。反対に、A/D124は、プロセッサ116からデジタルフォーマットの信号を受取って、これらの信号をアナログフォーマットに変換して、アナログ信号をI/Oポート126に転送するように構成される。この態様で、アナログ信号を受取るように構成された電子装置は、プロセッサ116と相互通信することができる。
【0038】
プロセッサ116は、A/D124および/またはI/Oポート126との間で信号を送受信するように構成される。プロセッサ116はさらに、クロック122から時間信号を受取るように構成される。加えて、プロセッサ116は、メモリ120に電子データを格納し、メモリ120から電子データを検索するように構成される。さらに、プロセッサ116は、位置決め装置コントローラ106を調整するように作動可能な信号を決定して、それにより、特定の力をかけるか、および/または、特定の度数まで回転するようにAFLM10のさまざまなアクチュエータおよび/またはサーボモータを制御するように構成される。たとえば、時計回りの方向にアクチュエータ78を回転させることに関連する信号が、I/Oポート126を介してプロセッサ116によりアクチュエータ78に転送され、それによりプレプレグ材18を前進させるように制御することができる。
【0039】
この発明の一実施例に従い、プロセッサ116は、コード94を実行するように構成される。AFLM10のさまざまな構成要素からの命令および信号のこの組に基づき、プロセッサ116は、移動命令の組を決定し、ヒータ110、粘着性付与剤のアプリケータ108、切断アセンブリ32等を調整するように構成される。
【0040】
図8は、プライを配置して複合構造または製品を生産する方法130に含まれるステップを示す。方法130の開始前に複合製品が設計され、この設計に基づき、この複合製品の属性を指定する一連のコンピュータ読取可能な命令が生成される。これらの命令を使用して、AFLM10の作動を制御する。加えて、複合製品の設計に基づき、工具16等の型が設計および構築される。さらに、この明細書に図示および記載するように、供給ロール20がエンドエフェクタ14に装着され、プレプレグ材18がエンドエフェクタ14の間を縫うようにして進む。
【0041】
ステップ132において、方法130は、この明細書で上に記載したAFLM10のさまざまな構成要素に電源を投入してコンピュータ読取可能な命令を実行することにより、開始される。
【0042】
ステップ134において、プレプレグ材は、供給ロール20、裏当て巻取ロール24、真空切断ドラム26、および/または巻取ロール38の動作により調整される。たとえば、プレプレグ材18の端部が工具16の縁部と異なっていることに応答して、真空切断ドラム26は、回転し、それによってプレプレグ材18が切断アセンブリ32により切断される位置に来るまでプレプレグ材18を前進または後退させるように制御される。一実施例では、プレプレグ材18が一方または両方の縁部(プロファイル)に沿って本質的に常に切断されること、および、ステップ134が前縁を切断するためにプレプレグ材18を位置決めするように任意で実行されることに注目されたい。レイアップ手順の全体にわたり、縁部の材料の実質的に連続した帯が維持されてプレプレグ材18の処理を補助することが、この実施例の利点である。
【0043】
ステップ136では、コースの冒頭においてプレプレグ材18についての適切な前縁および/またはプロファイルを切断するために、ファイル96からの命令が使用される。こ
の命令に応答して、切断アセンブリ32は前縁および/またはプロファイルを切断する。加えて、真空切断ドラム26の回転と共に、プロファイルの切断および斜め方向の切断が実施される。この点に関し、切断動作および送り/移動の動作は一般に、同時に実施される。切断に続き、プレプレグ材18は或る位置まで前進させられ、そこでプレプレグ材18は押圧シューモジュール36により真空切断ドラム26から取外される。すなわち、前縁が切断されると、真空切断ドラム26上でのプレプレグ材の位置が認識される。前縁の位置が押圧シューモジュール36を基準として適切に位置付けられるまで、真空切断ドラム26を前進させる。プレプレグ材18をさらに前進させ、かつ、押圧シューモジュール36が布設位置に移動するように制御されるのに伴い、プレプレグ材18が真空切断ドラム26から優先的に引出されて、真空ポート48からの真空の作用を介して接触面44に取付けられた状態を維持する。加えて、プレプレグ材18を前進させている間に、ファイル96に基づいた縁部のプロファイルの切断が、切断アセンブリ32によりプレプレグ材18に実施される。
【0044】
粘着性付与剤が工具16に塗布されるべき場合、粘着性付与剤のアプリケータ108が塗布を行なうように制御され、ヒータ110は、粘着性付与剤内の溶剤の少なくとも一部をフラッシュオフするように任意に制御される。この明細書に記載するように、粘着性付与剤は、ファイル96内の命令に従い、制御された態様で塗布される。この態様で、押圧シューモジュール36の性能に悪影響を及ぼし得る過剰な粘着性付与剤の塗布が本質的になくなる。
【0045】
ステップ138において、プレプレグ材18は基板に「接着」される。基板は、工具16および/またはプレプレグ材18のこれまでに貼り付けられたコースを少なくとも含む。たとえば、押圧シューモジュール36は、布設位置まで移動するように制御され、さらに、位置決め装置12の動作を介して工具16を基準に位置決めされる。押圧シューモジュール36に下向きの力が加えられ、付着を生じる十分な力でプレプレグ材18を工具16に押圧する。加えて、工具16の場所が、一連のコンピュータ読取可能な命令および/または以前に位置決めされたプレプレグ材18の場所に基づいて決定される。
【0046】
ステップ140では、プレプレグ材18が工具16を横切る経路に沿って吐出される。プレプレグ材18の変形(皺等)を最小にするため、この経路は一般に、工具16のあらゆる起伏に基づいて「自然経路」に一致するように計算される。エンドエフェクタ14が工具16を横切る経路に沿って制御されるのに伴い、供給ロール20、裏当て巻取ロール24、真空切断ドラム26、および巻取ロール38の動作を介してプレプレグ材18を前進させ、プレプレグ材18の端部のプロファイルが切断アセンブリ32の動作を介して切断される。プレプレグ材18が工具16に吐出されるか、または貼り付けられるのに伴い、接触面44の湾曲した前縁がプレプレグ材18のほぼ長手方向中心線から外方向にプレプレグ材18を付勢する。この外側への付勢により、格子形成が「生じる」か、または、工具16における起伏上のプレプレグ材18の縦糸と横糸との間の角度を変更し、それによってプレプレグ材18における皺またはブリッジを減少させる点が、一実施例の利点である。
【0047】
ステップ142では、工具16上のプレプレグ材18の配置が評価される。たとえば、オペレータまたはセンサは、プレプレグ材18と、以前に位置決めされたプレプレグ材18との相対位置を検知して、これらのプライ間の距離が予め定められた許容差内に入るかどうかを判断する。これらのプライ間の距離が予め定められた許容差内に入らない場合、ステップ144でエラーが生じ得る。これらのプライ間の距離が予め定められた許容差内にある場合、ステップ148において経路の端部まで到達したかどうかが判断される。プレプレグ材18の配置に加え、皺、ブリッジ、異物、ゴミ等がオペレータおよび/またはセンサにより任意に検知される。何らかのこのような異常が検知された場合、エラーが生
じる。
【0048】
ステップ148では、コースの端部に到達したかどうかが判断される。より具体的には、切断アセンブリ32に接近しているプレプレグ材18に端部の切断を行うべきかどうかが判断される。一連のコンピュータ読取可能な命令に基づき、プレプレグ材18がコースの端部まで前進していないことが判断されると、追加のプレプレグ材18がステップ140において吐出される。プレプレグ材18がコースの端部まで前進したと判断された場合、プレプレグ材18はステップ150において端部切断される。
【0049】
ステップ150において、プレプレグ材18の端部は、ファイル96内に含まれる一連のコンピュータ読取可能な命令、これまでに位置決めされたプレプレグ材18の配向、および/または、これまでに位置決めされたプレプレグ材18の場所に基づき、切断される。加えて、プレプレグ材18が接触面44に付着する傾向を減じるために、押圧シューモジュール36は、プレプレグ材18の端部が工具16に貼り付けられるのに伴い、工具16を基準とした前方への移動を維持するように制御される。すなわち、位置決め装置12は、経路の端部において停止するのではなく、エンドエフェクタ14を経路の端部の向こうに前進させるように制御し、押圧シューモジュール36は、プレプレグ材18の端部の向こうに前進させられるのに伴って工具16の表面から持ち上がるように任意に制御される。
【0050】
一実施例では、後縁の切断およびエンドエフェクタ14の前方への移動を維持するために、エンドエフェクタ14は、十分に余分なプレプレグ材18を前進させてエンドエフェクタ14を停止させずに切断を完了するように制御される。90°の「突合せ切断(butt
cuts)」以外の後縁の切断については、余分なプレプレグ材18がほとんどまたは全く必要とされないことが考えられる。なぜなら、プレプレグ材18が移動している間に、切断アセンブリ32が十分な高速度で切断を実施し得るためである。約90°での切断は一般に、真空切断ドラム26が本質的に静止している間に実施される。しかしながら、真空切断ドラム26と押圧シューモジュール36との間で余分なプレプレグ材18を生じることにより、エンドエフェクタ14が前進し続ける間に切断が完了するまで、真空切断ドラム26は静止した態様で保持され得る。この点に関し、引張りを低減する通常の過程として、真空切断ドラム26と押圧シューモジュール36との間でプレプレグ材18の何らかの量の弛みまたは緩衝域が一般に維持され、それによってプレプレグ材18の格子形成を容易にする。加えて、この明細書に記載する切断動作をさらに容易にするために、エンドエフェクタ14に第3の切断アセンブリ32が含まれてよい。
【0051】
ステップ152では、複合製品上のプレプレグ材18の配置が完了したかどうかが判断される。たとえば、ファイル96内のすべてのコンピュータ読取可能な命令が完了した場合、複合製品に対するプライの配置が完了したものと判断され得、AFLM10は、別の一連のコンピュータ読取可能な命令が開始されるまでアイドル状態となり得る。複合製品に対するプレプレグ材18の配置が完了していないと判断された場合、さらに別のプレプレグ材18の配置がステップ134において進行し得る。
【0052】
方法130の後に、複合製品は任意の適切な態様で硬化され得る。航空宇宙産業では、プライ材料を予め含浸させるために、熱硬化性樹脂が一般に使用される。これらの熱硬化性樹脂は一般に、予め定められた時間量にわたって高温で保持されることにより硬化する。時間および温度は、使用される樹脂、複合製品のサイズおよび厚さ等に依存して選択され得る。この発明の少なくともいくつかの実施例の利点は、接触面44の拡張および平滑化の機能により、相対的に幅の広いプレプレグ材18の使用が可能になる点である。特に、起伏を有する複合製品を生成する際の、より幅の広いプレプレグ材18の使用が改善される。公知のプライ配置システムにおいて、プライの在庫品は、幅が広いほど起伏に貼り
付けられると皺を生じやすい。
【0053】
エンドエフェクタ14の一例が位置決め装置12により制御されることを示してきたが、他の制御システムの使用が可能であることが認識されるであろう。この点に関し、任意の適切なエンドエフェクタの移動をサポートおよび制御するガントリシステムまたは他のこのような既知の位置決め装置が、押圧シューモジュール36を組込んだエンドエフェクタ14と共に使用するのに適している。また、航空産業では複合製品にプライを配置するのにAFLM10が有用であるが、これを、複合製品を構築する他の産業で使用することもできる。これらの産業には、以下のものに限定されないが、自動車、船舶、宇宙船、建造物、および消費者製品が含まれる。
【0054】
この発明の多くの特徴および利点がこの詳細な明細書から明らかになる。したがって、前掲の請求項により、この発明の真の精神および範囲内に存在するこの発明のこのような全特徴および利点を包含することが意図される。さらに、当業者が多数の変更および変形を容易に思い付くため、この発明を例示および記載した厳密な構成および作動に限定することは望ましくなく、したがって、この発明の範囲内に入るすべての適切な変更および等価物を採用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】この発明の一実施例に従った自動繊維積層機械の斜視図である。
【図2】図1に示すこの発明の実施例と共に使用するのに適したエンドエフェクタの簡略図である。
【図3】図1に示すこの発明の実施例と共に使用するのに適したエンドエフェクタの簡略図である。
【図4】図1に示すこの発明の実施例に従った押圧シューモジュールの斜視図である。
【図5】図3に示すこの発明の実施例と共に使用するのに適したエンドエフェクタの斜視図である。
【図6】この発明の一実施例に従った複合品に積層するためのシステムのブロック図である。
【図7】図1に従ったシステムと共に使用するのに適したコントローラのためのシステムアーキテクチャである。
【図8】この発明の一実施例に従った複合品を製作する方法についてのフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂を含浸させた繊維を基板に貼り付けるための装置であって、
前記基板を基準として、かつ、前記基板に沿うように移動するための表面を備え、前記表面は、
前記樹脂と共に使用するのに適合した材料の層と、
前記繊維に対する前記装置の移動を基準として前記表面の前部に配設される第1の縁部とを含み、前記第1の縁部は、前記第1の縁部の中央部が前記第1の縁部の1対の側方部の相対的に前方に存在する状態で湾曲する、装置。
【請求項2】
前記繊維を切断するための切断アセンブリをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記切断アセンブリは、端部切断およびプロファイル切断を実施するように構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記繊維の切断中に前記繊維を支持するための真空切断ドラムをさらに備え、前記真空切断ドラムは、
多孔性のシリンダと、
前記多孔性のシリンダから空気を取込むための真空チャンバと、
前記真空チャンバを真空源に接続するための金具と、
前記金具と前記多孔性のシリンダとの間で実質的に気体透過性の界面を生じるための封止材とを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記繊維に対する前記装置の移動を基準として前記表面の後部に配設される第2の縁部と、
前記第1の縁部と前記第2の縁部との間に配設される真空ポートとをさらに備え、前記真空ポートは、前記真空切断ドラムから前記繊維を取外すための真空力を有する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
樹脂を含浸させた繊維を基板に貼り付けるための装置であって、
前記繊維を供給するための供給リールと、
繊維を切断するための切断システムと、
前記繊維を前記基板上に押圧するための押圧シューモジュールとを備え、前記押圧シューモジュールは、
前記基板を基準として、かつ、前記基板に沿うように移動するための表面を含み、前記表面は、
前記樹脂と共に使用するのに適合した材料の層と、
前記繊維に対する前記押圧シューモジュールの移動を基準として前記表面の前部に配設される第1の縁部とを含み、前記第1の縁部は、前記第1の縁部の中央部が前記第1の縁部の1対の側方部の相対的に前方に存在する状態で湾曲する、装置。
【請求項7】
前記切断システムは、
前記繊維の前縁、後縁、およびプロファイルを切断するための切断アセンブリと、
前記繊維の切断中に前記繊維を支持するための真空切断ドラムとを含み、前記真空切断ドラムは、
多孔性のシリンダと、
前記多孔性のシリンダから空気を取込むための真空チャンバと、
前記真空チャンバを真空源に接続するための金具と、
前記金具と前記多孔性のシリンダとの間で実質的に気体透過性の界面を生じるための封止材とを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記押圧シューモジュールはさらに、
移送位置から布設位置への前記押圧シューモジュールの移動を容易にするためのリンク機構を含み、前記移送位置は、前記切断システムから前記繊維を取外すことを容易にし、前記布設位置は、前記繊維を前記基板に貼り付けることを容易にし、前記押圧シューモジュールはさらに、
前記リンク機構にトルクを加えるためのアクチュエータを含み、前記加えられたトルクは、前記押圧シューモジュールを付勢して移動させる、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
レイアップ型の上に配置される、樹脂を含浸させた繊維から、複合品を製作するためのシステムであって、
前記レイアップ型を横切る自然経路に沿ってエンドエフェクタを移動させるための位置決め装置を備え、前記エンドエフェクタは、
前記繊維の供給を維持するための供給リールを含み、前記繊維は或る送り速度で前記供給リールから引出され、前記エンドエフェクタはさらに、
前記繊維を前記レイアップ型の上に押圧するための押圧シューモジュールを含み、前記押圧シューモジュールは、
前記レイアップ型を基準として、かつ、前記レイアップ型に沿うように移動するための表面を含み、前記表面は、
前記樹脂と共に使用するのに適合した材料の層と、
前記繊維に対する前記押圧シューモジュールの移動を基準として前記表面の前部に配設される第1の縁部とを含み、前記第1の縁部は、前記第1の縁部の中央部が前記第1の縁部の1対の側方部の相対的に前方に存在する状態で湾曲する、システム。
【請求項10】
前記繊維を切断するための切断アセンブリをさらに備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
真空を生成するための真空源をさらに備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記繊維の切断中に前記繊維を支持するための真空切断ドラムをさらに備え、前記真空切断ドラムは、
多孔性のシリンダと、
前記多孔性のシリンダから空気を取込むための真空チャンバと、
前記真空チャンバを前記真空源に接続するための金具と、
前記金具と前記多孔性のシリンダとの間で実質的に気体透過性の界面を生じるための封止材とを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記繊維に対する前記装置の移動を基準として前記表面の後部に配設される第2の縁部と、
前記第1の縁部と前記第2の縁部との間に配設される真空ポートとをさらに備え、前記真空ポートは、前記真空源に接続され、前記真空切断ドラムから前記繊維を取外すための真空力を有する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記繊維のプロファイル切断中に前記繊維から切断される余分な繊維を重ねるための巻取ロールをさらに備え、余分な繊維の帯は、前記繊維の取扱いを容易にするように生成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
レイアップ型の上に配置される材料から複合品を製作するための機器であって、
前記レイアップ型の上において前記材料を配置するための第1の場所を決定するための手段と、
前記レイアップ型の上において前記材料の配置を中止するための第2の場所を決定するための手段と、
前記第1の場所において前記レイアップ型に実質的に沿う第1の縁部が前記第1の場所において前記レイアップ型と異なることに応答して、前記第1の縁部を生成するために前記材料を切断するための手段と、
前記第1の場所において前記レイアップ型に前記第1の縁部を接着するための手段と、
前記第1の場所と前記第2の場所との間で前記レイアップ型の自然経路に沿って前記材料を貼り付けるための手段とを備え、前記材料は、前記材料を基準とした湾曲表面の移動により、前記材料のほぼ長手方向中心線から外方向に付勢され、前記機器はさらに、
前記第2の場所に接近したことに応答して、前記第2の場所において前記レイアップ型に実質的に沿う第2の縁部を生成するために前記材料を切断するための手段とを備える、機器。
【請求項16】
前記レイアップ型の上に前記材料が配置されることにより規定される領域の外部に粘着性付与剤を実質的に塗布することなく、前記領域において前記レイアップ型に前記粘着性付与剤を塗布するための手段をさらに備える、請求項15に記載の機器。
【請求項17】
前記材料の切断に備え、真空切断ドラムと押圧シューモジュールとの間で前記材料の余剰分を前進させるための手段をさらに備え、前記切断は、前記材料が前記レイアップ型の上に貼り付けられている間に実施される、請求項16に記載の機器。
【請求項18】
前記材料の移動を基準とした前記切断の角度に応答して、前進させるべき前記余分な材料の量を決定するための手段をさらに備える、請求項17に記載の機器。
【請求項19】
前記第1の場所および前記第2の場所を決定するための前記手段はさらに、
前記複合品についてのパラメータの組を決定するための手段を含み、前記パラメータの組は、
前記複合品のコンピュータ読取可能なモデルを生成するための手段と、
前記レイアップ型の表面を規定するための手段と、
複数のレイアップ型の縁部を規定するための手段と、
複合品の厚さを規定するための手段とを含み、前記第1の場所および前記第2の場所を決定するための前記手段はさらに、
前記パラメータの組に応答してソースコードを生成するための手段と、
前記ソースコードに応答して移動命令の組を生成するための手段とを含む、請求項15に記載の機器。
【請求項20】
前記第1の縁部および前記第2の縁部を生成するために前記材料を切断するための前記手段はさらに、
前記移動命令の組にアクセスするための手段と、
前記移動命令に応答して前記材料を調整するための手段と、
前記移動命令に応答して切断アセンブリを調整するための手段とを含む、請求項19に記載の機器。
【請求項21】
前記自然経路に沿って前記材料を貼り付けるための前記手段はさらに、
前記移動命令の組にアクセスするための手段と、
前記移動命令の組に応答して積層装置内の複数のアクチュエータを調整するための手段とを含む、請求項19に記載の機器。
【請求項22】
前記材料を切断するための前記手段はさらに、
プロファイルを切断するための手段を含む、請求項19に記載の機器。
【請求項23】
レイアップ型の上に配置される材料から複合品を製作する方法であって、
前記レイアップ型の上において前記材料を配置するための第1の場所を決定するステップと、
前記レイアップ型の上において前記材料の配置を中止するための第2の場所を決定するステップと、
前記第1の場所において前記レイアップ型に実質的に沿う第1の縁部が前記第1の場所において前記レイアップ型と異なることに応答して、前記第1の縁部を生成するために前記材料を切断するステップと、
前記第1の場所において前記レイアップ型に前記第1の縁部を接着するステップと、
前記第1の場所と前記第2の場所との間で前記レイアップ型の自然経路に沿って前記材料を貼り付けるステップとを含み、前記材料は、前記材料を基準とした湾曲表面の移動により前記材料のほぼ長手方向中心線から外方向に付勢され、前記方法はさらに、
前記第2の場所に接近したことに応答して、前記第2の場所において前記レイアップ型に実質的に沿う第2の縁部を生成するために前記材料を切断するステップを含む、方法。
【請求項24】
前記レイアップ型の上に前記材料が配置されることにより規定される領域の外部に粘着性付与剤を実質的に塗布することなく、前記領域において前記レイアップ型に前記粘着性付与剤を塗布するステップをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記材料の切断に備え、真空切断ドラムと押圧シューモジュールとの間で前記材料の余剰分を前進させるステップをさらに含み、前記切断は、前記材料が前記レイアップ型の上に貼り付けられている間に実施される、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記切断の角度に応答して、前進させるべき前記余分な材料の量を決定するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の場所および前記第2の場所を決定するステップはさらに、
前記複合品についてのパラメータの組を決定するステップを含み、前記パラメータの組は、
前記複合品のコンピュータ読取可能なモデルを生成することと、
前記レイアップ型の表面を規定することと、
複数のレイアップ型の縁部を規定することと、
複合品の厚さを規定することとを含み、前記第1の場所および前記第2の場所を決定するステップはさらに、
前記パラメータの組に応答してソースコードを生成するステップと、
前記ソースコードに応答して移動命令の組を生成するステップとを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の縁部および前記第2の縁部を生成するために前記材料を切断するステップはさらに、
前記移動命令の組にアクセスするステップと、
前記移動命令に応答して前記材料を調整するステップと、
前記移動命令に応答して切断アセンブリを調整するステップとを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記自然経路に沿って前記材料を貼り付けるステップはさらに、
前記移動命令の組にアクセスするステップと、
前記移動命令の組に応答して積層装置内の複数のアクチュエータを調整するステップとを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記材料を切断するステップはさらに、
プロファイルを切断するステップを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
レイアップ型の上に配置される材料から複合品を製作する方法を実行するための命令の組を含むコンピュータソフトウェアが組込まれたコンピュータ読取可能な媒体であって、前記方法は、
前記レイアップ型の上において前記材料を配置するための第1の場所を決定するステップと、
前記レイアップ型の上において前記材料の配置を中止するための第2の場所を決定するステップと、
前記第1の場所において前記レイアップ型に実質的に沿う第1の縁部が前記第1の場所において前記レイアップ型と異なることに応答して、前記第1の縁部を生成するために前記材料を切断するステップと、
前記第1の場所において前記レイアップ型に前記第1の縁部を接着するステップと、
前記第1の場所と前記第2の場所との間で前記レイアップ型の自然経路に沿って前記材料を貼り付けるステップとを含み、前記材料は、前記材料を基準とした湾曲表面の移動により、前記材料のほぼ長手方向中心線から外方向に付勢され、前記方法はさらに、
前記第2の場所に接近したことに応答して、前記第2の場所において前記レイアップ型に実質的に沿う第2の縁部を生成するために前記材料を切断するステップを含む、コンピュータ読取可能な媒体。
【請求項32】
前記レイアップ型の上に前記材料が配置されることにより規定される領域の外部に粘着性付与剤を実質的に塗布することなく、前記領域において前記レイアップ型に前記粘着性付与剤を塗布するステップをさらに含む、請求項31に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
【請求項33】
前記材料の切断に備え、真空切断ドラムと押圧シューモジュールとの間で前記材料の余剰分を前進させるステップをさらに含み、前記切断は、前記材料が前記レイアップ型の上に貼り付けられている間に実施される、請求項31に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
【請求項34】
前記切断の角度に応答して、前進させるべき前記余分な材料の量を決定するステップをさらに含む、請求項33に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
【請求項35】
前記第1の場所および前記第2の場所を決定するステップはさらに、
前記複合品についてのパラメータの組を決定するステップを含み、前記パラメータの組は、
前記複合品のコンピュータ読取可能なモデルを生成することと、
前記レイアップ型の表面を規定することと、
複数のレイアップ型の縁部を規定することと、
複合品の厚さを規定することとを含み、前記第1の場所および前記第2の場所を決定するステップはさらに、
前記パラメータの組に応答してソースコードを生成するステップと、
前記ソースコードに応答して移動命令の組を生成するステップとを含む、請求項31に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
【請求項36】
前記第1の縁部および前記第2の縁部を生成するために前記材料を切断するステップはさらに、
前記移動命令の組にアクセスするステップと、
前記移動命令に応答して前記材料を調整するステップと、
前記移動命令に応答して切断アセンブリを調整するステップとを含む、請求項35に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
【請求項37】
前記自然経路に沿って前記材料を貼り付けるステップはさらに、
前記移動命令の組にアクセスするステップと、
前記移動命令の組に応答して積層装置内の複数のアクチュエータを調整するステップとを含む、請求項35に記載のコンピュータ読取可能な媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−517810(P2008−517810A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−538942(P2007−538942)
【出願日】平成17年10月3日(2005.10.3)
【国際出願番号】PCT/US2005/035563
【国際公開番号】WO2006/049782
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】