説明

自動分析装置

【課題】分析データの悪化を未然に防ぐことができる自動分析装置を提供する。
【解決手段】各試料を分注するサンプル分注プローブ16と、サンプル分注プローブ16を移動可能に保持するサンプル分注アーム10と、サンプル分注アーム10の軌道に沿って基準位置から基準距離Ds移動した位置に配置され、サンプル分注プローブ16を検出するための分析ユニット検出器16bと、サンプル分注アーム10の移動距離を検出する移動距離検出部31と、サンプル分注プローブ16の状態を判定する判定部32とを備え、移動距離検出部31は基準位置から分析ユニット検出器16bによるサンプル分注プローブ16の検出位置まで移動した移動距離を検出し、判定部32は移動距離検出部31により検出された移動距離と基準距離Dsの距離差に基づいてサンプル分注プローブ16の状態を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体に含まれている成分を分析する自動分析装置に係り、特に、ヒトから採取した血清等の試料を分注して、その試料に含まれる成分を分析する自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置は生化学検査項目や免疫検査項目等を対象とし、被検試料と検査項目に該当する試薬の混合液の反応によって生ずる色調や濁りの変化を、分光光度計や比濁計等の測光ユニットで光学的に測定することにより、被検試料中の様々な検査項目成分の濃度や酵素の活性等で表される分析データを生成する。また、生化学検査項目の内、ナトリウムイオン、カリウムイオン、塩素イオンなどの電解質の項目では、各電解質に選択的に応答するイオン選択性電極と一定の電位を発生する参照電極を有する電解質ユニットで測定することにより、被検試料中における濃度で表される分析データを生成する。
【0003】
この自動分析装置では、サンプル分注プローブで試料容器内の被検試料を反応容器に分注し、また試薬分注プローブで試薬容器内の試薬を反応容器に分注する。次いで分注された反応容器内の被検試料と試薬の混合液を撹拌子で撹拌した後、反応容器内に光を照射して測光ユニットで測定する。また、反応容器から混合液を吸引プローブにより吸引して電解質ユニットで測定する。
【0004】
そして、被検試料を分注する場合、アームを回動してそのアームに保持されたサンプル分注プローブを試料容器の上方の停止位置まで水平方向に移動し、そのアームを下降させることにより、サンプル分注プローブを試料容器内に進入させて被検試料の吸引を行う。このとき、例えば試料容器がセットされていない等により、サンプル分注プローブの下端が障害物に衝突して破損するのを防ぐことができる自動分析装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
ところで、試料容器内に進入させるサンプル分注プローブ、試薬容器内に進入させる試薬分注プローブ、反応容器内に進入させる撹拌子や吸引プローブの各分析ユニットは、細長く形成されている。このため、各分析ユニットを保持するアームを回動して各分析ユニットが例えば反応容器の上方の停止位置まで水平方向に移動するとき、移動方向に障害物があると各分析ユニットが曲がってしまう恐れがある。
【特許文献1】特開2000−55925
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の方法では、下方向以外の障害物を検出できないので、曲がりを見落としてそのまま使用すると、各分析ユニットの例えば反応容器位置への停止位置がずれて、被検試料や試薬の分注精度の低下や混合液の撹拌力の低下等、各分析ユニットの機能が低下して分析データが悪化する恐れがある。特に、最近の微量の試料及び試薬での測定が可能なように小型化された反応容器、試料容器、及び試薬容器は開口部が狭くなっているため、少し曲がった場合でも、分析データへの影響が大きい。そして、測定した後に出力される分析データの異常により気付いた場合、修理して再度測定する必要があるため、被検試料、試薬、及び検査時間の浪費が問題となる。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、分析データの悪化を未然に防ぐことができる自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の自動分析装置は、被検試料と試薬を反応容器に分注してその混合液を測定する自動分析装置において、前記被検試料或いは前記試薬を分注する分注プローブ、又は前記混合液を撹拌する撹拌子、又は前記混合液を測定するために吸引する吸引プローブのいずれかの分析ユニットと、前記分析ユニットを移動可能に保持するアームと、前記アームの軌道に沿って基準位置から基準距離移動した位置に配置され、前記分析ユニットを検出するための分析ユニット検出手段と、前記基準位置から前記分析ユニット検出手段による前記分析ユニットの検出位置まで移動した前記アームの移動距離を検出する移動距離検出手段と、前記移動距離検出手段により検出された移動距離と前記基準距離の差である距離差に基づいて、前記分析ユニットの状態を判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、分析ユニットを検出するための検出手段を設け、この検出手段からの信号に基づいて、分析ユニットを移動可能に保持するアームの移動距離を検出することにより、分析ユニットの状態を判定することができる。これにより、分析データの悪化を未然に防ぎ、被検試料、試薬、及び検査時間の浪費を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明による自動分析装置の実施例を、図1乃至図9を参照して説明する。
【実施例】
【0011】
図1は、本発明の実施例に係る自動分析装置の構成を示したブロック図である。この自動分析装置100は、各検査項目の標準試料や被検試料の各試料と各検査項目に該当する試薬を分注してその混合液の測定により標準データや被検データを生成する分析部25と、分析部25における各試料と試薬の分注や測定に関る各ユニットの制御を行う分析制御部27と、分析部25のユニットの内の分注や混合液の撹拌等に関る各分析ユニットを管理する分析ユニット管理部30とを備えている。
【0012】
また、分析部25で生成された標準データや被検データを処理して各検査項目の検量データや分析データの生成を行うデータ処理部40と、データ処理部40で生成された検量データや分析データを出力する出力部50と、各種コマンド信号の入力操作等を行う操作部60と、分析制御部27、分析ユニット管理部30、データ処理部40、及び出力部50を統括して制御するシステム制御部70とを備えている。
【0013】
図2は、分析部25の構成を示した斜視図である。この分析部25は、標準試料や被検試料の各試料を収容する試料容器17と、この試料容器17を回動可能に保持するディスクサンプラ5と、各試料に含まれる検査項目の成分に反応する1試薬系及び2試薬系の第1試薬や1試薬系の各試料を希釈するための第1試薬を収容する試薬容器6と、この試薬容器6を回動可能に保持する試薬ラック1aを有する試薬庫1と、2試薬系の第1試薬と対をなす第2試薬を収容する試薬容器7と、この試薬容器7を回動可能に保持する試薬ラック2aを有する試薬庫2と、円周上に配置された複数の反応容器3を回転可能に保持する反応ディスク4とを備えている。
【0014】
また、試料容器17内の各試料を吸引して反応容器3内へ吐出する分注を行うサンプル分注プローブ16と、サンプル分注プローブ16を回動及び上下移動可能に保持するサンプル分注アーム10と、各試料の分注終了毎にサンプル分注プローブ16を洗浄する洗浄槽16aと、サンプル分注プローブ16を検出するための分析ユニット検出器16bとを備えている。
【0015】
また、試薬庫1に収納された試薬容器6内の第1試薬を吸引して各試料が分注された反応容器3内に吐出する分注を行う第1試薬分注プローブ14と、第1試薬分注プローブ14を回動及び上下移動可能に保持する第1試薬分注アーム8と、第1試薬の分注終了毎に第1試薬分注プローブ14を洗浄する洗浄槽14aと、第1試薬分注プローブ14を検出するための分析ユニット検出器14bとを備えている。
【0016】
また、反応容器3内に分注された各試料及び第1試薬からなる第1混合液を撹拌する第1撹拌子18と、第1撹拌子18を回動及び上下移動可能に保持する第1撹拌アーム20と、第1混合液の撹拌終了毎に第1撹拌子18を洗浄する洗浄槽18aと、第1撹拌子18を検出するための分析ユニット検出器18bとを備えている。
【0017】
また、試薬庫2に収納された試薬容器7内の第2試薬を吸引して各試料及び第1試薬が分注された反応容器3内に吐出する分注を行う第2試薬分注プローブ15と、第2試薬分注プローブ15を回動及び上下移動可能に保持する第2試薬分注アーム9と、第2試薬の分注終了毎に第2試薬分注プローブ15を洗浄する洗浄槽15aと、第2試薬分注プローブ15を検出するための分析ユニット検出器15bとを備えている。
【0018】
また、反応容器3内に分注された各試料、第1試薬、及び第2試薬からなる第2混合液を撹拌する第2撹拌子19と、第2撹拌子19を回動及び上下移動可能に保持する第2撹拌アーム21と、第2混合液の撹拌終了毎に第2撹拌子19を洗浄する洗浄槽19aと、第2撹拌子19を検出するための分析ユニット検出器19bとを備えている。
【0019】
また、校正液を収容した校正液ポット22aと、反応容器3内の第1混合液及び校正液ポット22a内の校正液を吸引する吸引プローブ22と、吸引プローブ22により吸引された第1混合液及び校正液に含まれる例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、及び塩素イオンの各電解質を測定する電解質ユニット23と、吸引プローブ22及び電解質ユニット23を回動及び上下移動可能に保持する吸引アーム24と、吸引プローブ22を検出するための分析ユニット検出器22bとを備えている。
【0020】
また、反応容器3内の第1混合液や第2混合液を光学的に測定する測光ユニット13と、吸引プローブ22により吸引された後の反応容器3や測光13ユニットにより測定された後の反応容器3を再び測定に使用するための洗浄及び乾燥を行う洗浄ユニット12とを備えている。
【0021】
そして、電解質ユニット23は、第1試薬により希釈された標準試料や被検試料を含む第1混合液と校正液中の各電解質成分を、この電解質に選択的に応答するイオン選択性電極と一定の電位を発生する参照電極の間の起電力を測定することにより標準データや被検データを生成し、生成した標準データや被検データをデータ処理部40に出力する。また、測光ユニット13は、回転移動する反応容器3内の標準試料や被検試料を含む第1混合液や第2混合液に光を照射し、その混合液内を透過した各検査項目の波長光の検出信号に基づき吸光度で表される標準データや被検データを生成する。そして生成した標準データや被検データをデータ処理部40に出力する。
【0022】
分析制御部27は、分析部25の各ユニットを駆動する機構部28、及び機構部28を制御する制御部29を備えている。機構部28は、分析部25のディスクサンプラ5、試薬庫1の試薬ラック1a、及び試薬庫2の試薬ラック2aを夫々回動する機構、並びに反応ディスク4を回転する機構を備えている。また、サンプル分注アーム10、第1試薬分注アーム8、第1撹拌アーム20、第2試薬分注アーム9、第2撹拌アーム21、及び吸引アーム24を夫々回動及び上下移動する機構等を備えている。
【0023】
図1の分析ユニット管理部30は、図2に示した分析部25のサンプル分注アーム10、第1試薬分注アーム8、第1撹拌アーム20、第2試薬分注アーム9、第2撹拌アーム21、及び吸引アーム24の各アームの移動距離を検出する移動距離検出部31を備えている。
【0024】
また、移動距離検出部31により検出された移動距離に基づいて分析部25の直線状の細長い形状をなすサンプル分注プローブ16、第1試薬分注プローブ14、第1撹拌子18、第2試薬分注プローブ15、第2撹拌子19、及び吸引プローブ22の各分析ユニットの状態を判定する判定部32を備えている。更に、判定部32の判定結果から各分析ユニットの停止位置の補正が可能な状態である場合にその停止位置を補正した補正停止位置を求める補正部33を備えている。
【0025】
データ処理部40は、分析部25の電解質ユニット23や測光ユニット13から出力された標準データや被検データを処理して各検査項目の検量データや分析データの生成を行う演算部41と、演算部41で生成された標準データや分析データを保存するデータ記憶部42とを備えている。
【0026】
演算部41は、電解質ユニット23や測光ユニット13から出力された標準データ及び予め設定された標準試料の標準値から、各検査項目成分の濃度や活性と標準データの関係を表す検量データを生成し、生成した検量データを出力部50に出力すると共にデータ記憶部42に保存する。
【0027】
また、電解質ユニット23や測光ユニット13から出力された被検データに対応する検査項目の検量データをデータ記憶部42から読み出す。そして、読み出した検量データを用いてその被検データから濃度値や活性値として表される分析データを生成し、生成した分析データを出力部50に出力すると共にデータ記憶部42に保存する。
【0028】
データ記憶部42は、ハードディスク等のメモリデバイスを備え、演算部41から出力された検量データを検査項目毎に保存する。また、演算部41から出力された各検査項目の分析データを被検試料毎に保存する。
【0029】
出力部50は、データ処理部40の演算部41から出力された検量データや分析データを印刷出力する印刷部51及び表示出力する表示部52を備えている。そして、印刷部51はプリンタ等を備え、演算部41から出力された検量データや分析データを予め設定されたフォーマットに従って、プリンタ用紙などに印刷する。
【0030】
表示部52は、CRTや液晶パネル等のモニタを備え、演算部41から出力された検量データや分析データを表示する。また、自動分析装置100で検査可能な検査項目の分析条件を設定するための分析条件設定画面、測定対象の被検試料の情報及びこの被検試料の検査項目を設定するための被検試料/検査項目設定画面、分析部25の各分析ユニットを管理する管理条件を設定するための分析ユニット管理条件設定画面等を表示する。
【0031】
操作部60は、キーボード、マウス、ボタン、タッチキーパネルなどの入力デバイスを備え、検査項目毎の分析条件の設定操作、測定対象の被検試料の情報及びこの被検試料の検査項目の設定操作、分析ユニットの管理条件の設定操作、分析ユニットの管理を実行させる分析ユニット管理操作、標準試料や被検試料の測定を実行させる測定開始操作等を行う。
【0032】
システム制御部70は、CPU及び記憶回路を備え、操作部60からの入力操作により入力されたコマンド信号、各検査項目の分析条件、分析ユニットの管理条件、被検試料の情報及び被検試料毎の検査項目の情報等の入力情報を記憶回路に記憶した後、これらの入力情報に基づいて、分析制御部27、分析ユニット管理部30、データ処理部40、及び出力部50を統括してシステム全体を制御する。
【0033】
次に、図1乃至図6を参照して、分析部25の各分析ユニットを管理する分析制御部27及び分析ユニット管理部30の動作を説明する。なお、以下では、主にサンプル分注プローブ16の管理について説明し、第1試薬分注プローブ14、第1撹拌子18、第2試薬分注プローブ15、第2撹拌子19、及び吸引プローブ22については、サンプル分注プローブ16の場合と同様に動作するので、その説明を簡略する。
【0034】
図3は、サンプル分注プローブ16の管理に関る分析部25の各ユニットの配置を示す平面図である。図4は、基準位置から軌道に沿って分析ユニット検出器16b上方へ移動したサンプル分注アーム10を示す図である。図5は、図4に示した分析ユニット検出器16bを示すA−A矢視断面図である。図6は、分析制御部27の構成の詳細を示す図である。
【0035】
図3において、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16の回動方向に対して垂直に配置された第1のアーム101と、第1のアーム101に対して垂直に配置され、第1のアーム101の上端部に一端部が固定された第2のアーム102とにより構成される。そして、第1のアーム101の長手方向における中心軸を中心とする回動により第2のアーム102の他端部が破線で示した円形の軌道に沿って矢印R1方向及びこのR1方向とは反対方向である矢印R2方向に移動する。
【0036】
また、サンプル分注プローブ16は、第1のアーム101に対して平行に配置され、第2のアーム102の他端部に着脱可能に取り付けられている。そして、第2のアーム102の移動により回動方向であるR1方向及びR2方向に移動する。なお、以下では、サンプル分注アーム10の移動方向、停止する位置、及び移動距離は、他端部の移動する方向、停止する位置、及び移動距離のことを指す。
【0037】
そして、サンプル分注アーム10は、基準位置である例えば洗浄槽16aの上方に位置する洗浄位置T1へ移動する。また、図4に示すように、基準位置から軌道に沿ってR2方向に基準距離Ds移動した位置である分析ユニット検出器16bの上方に位置するプローブ検出位置T2へ移動する。また、プローブ検出位置T2から軌道に沿ってR2方向に移動した位置であるディスクサンプラ5に保持された被検試料を収容した試料容器17の停止位置の上方に位置する被検試料位置T3へ移動する。また、被検試料位置T3から軌道に沿ってR2方向に移動した位置であるディスクサンプラ5に保持された標準試料を収容した試料容器17の停止位置の上方に位置する標準試料位置T4へ移動する。また、洗浄位置T1から軌道に沿ってR1方向に移動した位置である反応容器3の停止位置の上方に位置する反応容器位置T5へ移動する。そして、洗浄位置T1、被検試料位置T3、標準試料位置T4、及び反応容器位置T5の各上停止位置へ移動した後に停止する。
【0038】
また、洗浄位置T1で停止した後に下へ移動し、洗浄槽16a内でサンプル分注プローブ16の洗浄が行われた後、上へ移動する。また、被検試料位置T3で停止した後に下へ移動し、サンプル分注プローブ16により試料容器17内の被検試料の吸引が行われた後、上へ移動する。また、標準試料位置T4で停止した後に下へ移動し、サンプル分注プローブ16により試料容器17内の標準試料の吸引が行われた後、上へ移動する。また、反応容器位置T5で停止した後に下へ移動し、サンプル分注プローブ16により吸引した被検試料又は標準試料の吐出が反応容器3内に行われた後、上へ移動する。
【0039】
図5は、図4に示した分析ユニット検出器16bを示したA−A矢視断面図である。この分析ユニット検出器16bは、発光素子161及びこの発光素子161に対向して配置された発光素子161からの照射光を検出する受光素子を有するフォトセンサを備えている。そして、サンプル分注アーム10が基準位置からR2方向の例えば被検試料位置T3まで移動する間にサンプル分注プローブ16の下端近傍が発光素子161からの照射光を横切っているとき、サンプル分注プローブ16を検出する。
【0040】
ここで、サンプル分注プローブ16が正常な状態である場合、図5(a)に示すように、サンプル分注アーム10の第1のアーム101に対して平行に、且つ第2のアーム102に対して垂直に直線状に配置されているため、サンプル分注アーム10がプローブ検出位置T2まで移動したとき、サンプル分注プローブ16を検出する。そして、その検出信号を分析制御部27の制御部29に出力する。
【0041】
また、サンプル分注プローブ16の下端近傍が例えばR1方向への移動中に障害部に衝突してR2方向に偏心している状態である場合、図5(b)に示すように、サンプル分注アーム10がプローブ検出位置T2まで移動したとき、サンプル分注プローブ16の下端近傍は発光素子161の照射光からR2方向に距離D1離れている。この場合、サンプル分注アーム10がプローブ検出位置T2からR1方向に距離D1離れた位置でサンプル分注プローブ16を検出する。そして、その検出信号を制御部29に出力する。
【0042】
更に、サンプル分注プローブ16の下端近傍が曲がり、サンプル分注プローブ16の最下端部が発光素子161の照射光の高さよりも上方に位置している状態である場合、図5(c)に示すように、サンプル分注アーム10の基準位置と被検試料位置T3間の移動中にサンプル分注プローブ16の検出が不可能となる。そして、その非検出信号を制御部29に出力する。
【0043】
なお、分析ユニット検出器14bは、第1試薬分注アーム8の軌道に沿って、基準位置である例えば洗浄槽14a上方の第1試薬分注プローブ洗浄位置から、試薬庫1に収納された試薬容器6の停止位置上方の第1試薬位置方向へ第1試薬分注アーム8が基準距離Dr1移動した位置に配置される。そして、第1試薬分注アーム8が基準位置から例えば第1試薬位置まで移動する間に第1試薬分注プローブ14を検出したときの検出信号、又は第1試薬分注プローブ14の検出が不可能であったときの非検出信号を制御部29に出力する。
【0044】
また、分析ユニット検出器18bは、第1撹拌アーム20の軌道に沿って、基準位置である例えば洗浄槽18a上方の第1撹拌子洗浄位置から、第1混合液を撹拌する反応容器3の停止位置上方の反応容器位置T7方向へ第1撹拌アーム20が基準距離Dm1移動した位置に配置される。そして、第1撹拌アーム20が基準位置から例えば反応容器位置T7まで移動する間に第1撹拌子18を検出したときの検出信号、又は第1撹拌子18の検出が不可能であったときの非検出信号を制御部29に出力する。
【0045】
また、分析ユニット検出器15bは、第2試薬分注アーム9の軌道に沿って、基準位置である例えば洗浄槽15a上方の第2試薬分注プローブ洗浄位置から、試薬庫2に収納された試薬容器7の停止位置上方の第2試薬位置方向へ第2試薬分注アーム9が基準距離Dr2移動した位置に配置される。そして、第2試薬分注アーム9が基準位置から例えば第2試薬位置まで移動する間に第2試薬分注プローブ15を検出したときの検出信号、又は第2試薬分注プローブ15の検出が不可能であったときの非検出信号を制御部29に出力する。
【0046】
また、分析ユニット検出器19bは、第2撹拌アーム21の軌道に沿って、基準位置である例えば洗浄槽19aの上方の第2撹拌子洗浄位置から、第2混合液を撹拌する反応容器3の停止位置上方の反応容器位置T9方向へ第2撹拌アーム21が基準距離Dm2移動した位置に配置される。そして、第2撹拌アーム21が基準位置から例えば反応容器位置T9まで移動する間に第2撹拌子19を検出したときの検出信号、又は第2撹拌子19の検出が不可能であったときの非検出信号を制御部29に出力する。
【0047】
また、分析ユニット検出器22bは、吸引アーム24の軌道に沿って、基準位置である例えば校正液ポット22a上方の校正液位置から、第1混合液を吸引する反応容器3の停止位置上方の反応容器位置T10方向へ吸引アーム24が基準距離Dp移動した位置に配置される。そして、吸引アーム24が基準位置から例えば反応容器位置T10まで移動する間に吸引プローブ22を検出したときの検出信号、又は吸引プローブ22の検出が不可能であったときの非検出信号を制御部29に出力する。
【0048】
図6は、分析制御部27の構成の詳細を示した図である。この分析制御部27の機構部28は、機構281乃至286等を備えている。そして、機構281はサンプル分注アーム10を回動及び上下移動する例えばパルスモータ及びサンプル分注アーム10の基準位置を検出する基準位置検出器281aを備え、機構282は第1試薬分注アーム8を回動及び上下移動するパルスモータ及び第1試薬分注アーム8の基準位置を検出する基準位置検出器282aを備えている。
【0049】
また、機構283は第1撹拌アーム20を回動及び上下移動するパルスモータ及び第1撹拌アーム20の基準位置を検出する基準位置検出器283aを備え、機構284は第2試薬分注アーム9を回動及び上下移動するパルスモータ及び第2試薬分注アーム9の基準位置を検出する基準位置検出器284aを備えている。
【0050】
更に、機構285は第2撹拌アーム21を回動及び上下移動するパルスモータ及び第2撹拌アーム21の基準位置を検出する基準位置検出器285aを備え、機構286は吸引アーム24を回動及び上下移動するパルスモータ及び吸引アーム24の基準位置を検出する基準位置検出器286aを備えている。
【0051】
そして、各基準位置検出器281a,282a,283a,284a,285a,286aは、検出した各基準位置検出信号を制御部29に出力する。
【0052】
制御部29は、機構部28の機構281乃至286等を制御する制御部291乃至296等を備えている。
【0053】
制御部291は、機構281の基準位置検出器281aから出力される基準検出信号により、サンプル分注アーム10の基準位置を検出する。次いで、各所定数の駆動パルスを機構281に供給して、サンプル分注アーム10を基準位置から洗浄位置T1、被検試料位置T3、標準試料位置T4、及び反応容器位置T5の各上停止位置へ移動する。また、各上停止位置で上下移動する。
【0054】
また、サンプル分注アーム10の基準位置から被検試料位置T3への移動により分析部25の分析ユニット検出器16bから出力される検出信号又は非検出信号に基づいて、サンプル分注アーム10を移動するために基準位置から分析ユニット検出器16bによりサンプル分注プローブ16が検出されるまでの間に機構281に供給した検出駆動パルス、又は基準位置から被検試料位置T3までの間に機構281に供給した所定数の非検出駆動パルスの情報を分析ユニット管理部30の移動距離検出部31に出力する。
【0055】
各制御部292,294は、各機構282,284の各基準位置検出器282a,284aから出力される基準検出信号により、各第1及び第2試薬分注アーム8,9の基準位置を検出する。次いで、各所定数の駆動パルスを各機構282,284に供給して、各第1及び第2試薬分注アーム8,9を各基準位置から各第1及び第2試薬分注プローブ洗浄位置、各第1及び第2試薬位置、並びに各第1及び第2試薬を吐出するための各反応容器位置T6,T8の各上停止位置へ移動する。また、各上停止位置で上下移動する。
【0056】
また、各第1及び第2試薬分注アーム8,9の各基準位置から各第1及び第2試薬位置への移動により分析部25の各分析ユニット検出器14b,15bから出力される各検出信号又は各非検出信号に基づいて、各第1及び第2試薬分注アーム8,9を移動するために各基準位置から各分析ユニット検出器14b,15bにより各第1及び第2試薬分注プローブ14,15が検出されるまでの間に各機構282,284に供給した検出駆動パルス、又は各基準位置から各第1及び第2試薬位置までの間に各機構282,284に供給した所定数の非検出駆動パルスの情報を移動距離検出部31に出力する。
【0057】
各制御部293,295は、各機構283,285の各基準位置検出器283a,285aから出力される基準検出信号により、各第1及び第2撹拌アーム20,21の基準位置を検出する。次いで、各所定数の駆動パルスを各機構283,285に供給して、各第1及び第2撹拌アーム20,21を各基準位置から各第1及び第2撹拌子洗浄位置並びに各反応容器位置T7,T9の各上停止位置へ移動する。また、各上停止位置で上下移動する。
【0058】
また、各第1及び第2撹拌アーム20,21の各基準位置から各反応容器位置T7,T9への移動により分析部25の各分析ユニット検出器18b,19bから出力される各検出信号又は各非検出信号に基づいて、各第1及び第2撹拌アーム20,21を移動するために各基準位置から各分析ユニット検出器18b,19bにより各第1及び第2撹拌子18,19が検出されるまでの間に各機構283,285に供給した検出駆動パルス、又は各基準位置から各反応容器位置T7,T9までの間に各機構283,285に供給した所定数の非検出駆動パルスの情報を移動距離検出部31に出力する。
【0059】
制御部296は、機構286の基準位置検出器286aから出力される基準検出信号により、吸引アーム24の基準位置を検出する。そして、所定数の駆動パルスを機構286に供給して、吸引アーム24を基準位置から校正液位置及び反応容器位置T10の各上停止位置へ移動する。また、各上停止位置で上下移動する。
【0060】
また、吸引アーム24の基準位置から反応容器位置T10への移動により分析部25の分析ユニット検出器22bから出力される検出信号又は非検出信号に基づいて、吸引アーム24を基準位置から分析ユニット検出器22bにより吸引プローブ22が検出されるまでの間に機構286に供給した検出駆動パルス、又は基準位置から反応容器位置T10までの間に機構286に供給した所定数の非検出駆動パルスの情報を移動距離検出部31に出力する。
【0061】
分析ユニット管理部30の移動距離検出部31は、分析制御部27における制御部29の各制御部291乃至296から出力される検出駆動パルス又は非検出駆動パルスの情報に基づいて、各基準位置から移動した各アームの移動距離を検出する。そして、検出した各移動距離の情報を判定部32に出力する。
【0062】
ここで、基準位置から分析ユニット検出器16bによるサンプル分注プローブ16の検出位置、又は被検試料位置T3まで移動したサンプル分注アーム10の移動距離を検出する。また、各基準位置から各分析ユニット検出器14b,15bによる各第1及び第2試薬分注プローブ14,15の検出位置、又は各第1及び第2試薬位置まで移動した各第1及び第2試薬分注アーム8,9の移動距離を検出する。更に、各基準位置から各分析ユニット検出器18b,19bによる各第1及び第2撹拌子18,19の検出位置、又は各反応容器位置T7,T9まで移動した各第1及び第2撹拌アーム20,21の移動距離を検出する。更にまた、基準位置から分析ユニット検出器22bによる吸引プローブ22の検出位置、又は反応容器位置T10まで移動した吸引アーム24の移動距離を検出する。
【0063】
判定部32は、移動距離検出部31から出力される各アームの移動距離と予め設定された各基準距離Ds,Dr1,Dm1,Dr2,Dm2,Dpの差である各アームの距離差に基づいて、各分析ユニットの状態を判定する。
【0064】
そして、各アームの距離差が許容範囲内である場合、例えば各アームへの分析ユニットの取付け誤差範囲内であり、各アームに保持された分析ユニットが正常な状態であると判定する。
【0065】
ここで、サンプル分注アーム10の距離差が許容範囲内である場合、サンプル分注アーム10の各上停止位置におけるサンプル分注プローブ16の下端が、試料容器17及び反応容器3の開口部の中心又は中心近傍に位置しているので、各試料を精度よく分注することができる。また、洗浄槽16aの開口部の中心又は中心近傍に位置しているので、サンプル分注プローブ16に付着した各試料を洗い落とすことができる。
【0066】
また、各第1及び第2試薬分注アーム8,9の距離差が許容範囲内である場合、各第1及び第2試薬分注アーム8,9の各上停止位置における各第1及び第2試薬分注プローブ14,15の下端が、各試薬容器6,7及び反応容器3の開口部の中心又は中心近傍に位置しているので、各第1及び第2試薬を精度よく分注することができる。また、各洗浄槽14a,15aの開口部の中心又は中心近傍に位置しているので、各第1及び第2試薬分注プローブ14,15に付着した各第1及び第2試薬を洗い落とすことができる。
【0067】
更に、各第1及び第2撹拌アーム20,21の距離差が許容範囲である場合、各第1及び第2撹拌アーム20,21の各上停止位置における各第1及び第2撹拌子18,19の下端が、反応容器3の開口部の中心又は中心近傍に位置しているので、反応容器3内の各第1及び第2混合液を均一に撹拌することができる。また、各洗浄槽18a,19aの開口部の中心又は中心近傍に位置しているので、各第1及び第2撹拌子18,19に付着した各第1及び第2混合液を洗い落とすことができる。
【0068】
更にまた、吸引アーム24の距離差が許容範囲内である場合、吸引アーム24の各上停止位置における吸引プローブ22の下端が、校正液ポット22a及び反応容器3の開口部の中心又は中心近傍に位置しているので、校正液ポット22a内の校正液及び反応容器3内の第1混合液を予め設定された量吸引することができる。
【0069】
また、各アームの距離差が許容範囲よりも大きい補正範囲内である場合、各アームが補正可能な状態であると判定する。この判定により、各アームの各上停止位置を補正し、各アームに保持された分析ユニットを正常に機能させて良好な分析データを得ることができると判断して、各アームの距離差の情報を補正部33に出力する。
【0070】
ここで、サンプル分注アーム10の距離差が補正範囲内である場合、サンプル分注プローブ16を洗浄槽16a内、試料容器17内、及び反応容器3内に進入させることができるが、サンプル分注プローブ16が偏心している。このため、サンプル分注アーム10の各上停止位置におけるサンプル分注プローブ16の下端が、試料容器17及び反応容器3の開口部の中心近傍からずれているため、各試料の分注精度が低下している可能性がある。また、洗浄槽16a開口部の中心近傍からずれているため、サンプル分注プローブ16に付着した各試料を充分に洗い落とすことができない恐れがある。
【0071】
また、各第1及び第2試薬分注アーム8,9の距離差が補正範囲内である場合、各第1及び第2試薬分注プローブ14,15を各洗浄槽14a,15a内及び各試薬容器6,7内に進入させることができるが、各第1及び第2試薬分注プローブ14,15が偏心している。このため、各第1及び第2試薬分注アーム8,9の各上停止位置における各第1及び第2試薬分注プローブ14,15の下端が、各試薬容器6,7及び反応容器3の開口部の中心近傍かがずれているため、各第1及び第2試薬の分注精度が低下している可能性がある。また、各洗浄槽14a,15a開口部の中心近傍からずれているため、各第1及び第2試薬分注プローブ14,15に付着した各第1及び第2試薬を充分に洗い落とすことができない恐れがある。
【0072】
更に、各第1及び第2撹拌アーム20,21の距離差が補正範囲内である場合、各第1及び第2撹拌子18,19を各洗浄槽18a,19a内及び反応容器3内に進入させることができるが、各第1及び第2撹拌子18,19が偏心している。このため、各第1及び第2撹拌アーム20,21の各上停止位置における各第1及び第2撹拌子18,19の下端が、反応容器3の開口部の中心近傍からずれているため、反応容器3内の各第1及び第2混合液の撹拌力が低下している可能性がある。また、各洗浄槽18a,19aの開口部の中心近傍からずれているため、各第1及び第2撹拌子18,19に付着した各第1及び第2混合液を充分に洗い落とすことができない恐れがある。
【0073】
更にまた、吸引アーム24の距離差が補正範囲内である場合、吸引プローブ22を校正液ポット22a内及び反応容器3内に進入させることができるが、吸引プローブ22が偏心している。このため、吸引アーム24の各上停止位置における吸引プローブ22の下端が、校正液ポット22a及び反応容器3の開口部の中心近傍からずれているため、校正液ポット22a内の校正液及び反応容器3内の第1混合液を予め設定された量吸引することができない恐れがある。
【0074】
なお、更に厳密に補正範囲を定めるには、例えばサンプル分注プローブ16の場合、各試料の分注精度の誤差要因の占める割合の大きい検査項目の分析により得られる分析データの例えば同時再現精度を実験により確認して定めるように実施すればよい。他の各分析ユニットも、サンプル分注プローブ16の場合と同様にして、その分析ユニットの機能による誤差要因の大きい検査項目の分析データに基づいて定めるように実施すればよい。
【0075】
更に、各アームの距離差が補正範囲よりも大きい異常範囲である場合、各アームに保持された分析ユニットが異常な状態であると判定する。この判定により、各アームの各上停止位置を補正しても各アームに保持された分析ユニットは正常に機能せず良好な分析データを得ることができないと判断して、その分析ユニットの異常情報をシステム制御部70に出力する。
【0076】
ここで、サンプル分注アーム10の距離差が異常範囲である場合、サンプル分注プローブ16を洗浄槽16a内又は試料容器17内又は反応容器3内のいずれかに進入させることができない。また、各第1及び第2試薬分注アーム8,9の距離差が異常範囲である場合、各第1及び第2試薬分注プローブ14,15を各洗浄槽14a,15a内又は各試薬容器6,7内へ進入させることができない。更に、各第1及び第2撹拌アーム20,21の距離差が補正範囲内である場合、各第1及び第2撹拌子18,19を各洗浄槽18a,19a内又は反応容器3内へ進入させることができない。更にまた、吸引アーム24の距離差が補正範囲内である場合、吸引プローブ22を校正液ポット22a内又は反応容器3内へ進入させることができない。
【0077】
補正部33は、判定部32から出力される各アームの距離差の情報に基づいて、各アームの各上停止位置を補正した補正停止位置を求め、求めた補正停止位置の情報を制御部29の各アームを制御する各制御部291乃至296に出力する。各制御部291乃至296では、補正部33から出力される補正停止位置の情報に基づいて、以降の基準位置から移動する各アームの各上停止位置を変更する。
【0078】
ここで、サンプル分注アーム10の移動距離が基準距離Dsよりも大きい場合、サンプル分注アーム10の各上停止位置を、基準位置から分析ユニット検出器16bへ移動する方向に例えば距離差の半分の距離等の距離差以下の距離ずらした補正停止位置を求める。また、サンプル分注アーム10の移動距離が基準距離Dsよりも小さい場合、サンプル分注アーム10の各上停止位置を、基準位置から分析ユニット検出器16bへ移動する方向とは反対方向に例えば距離差の半分の距離等の距離差以下の距離ずらした補正停止位置を求める。
【0079】
これにより、サンプル分注アーム10の各補正停止位置におけるサンプル分注プローブ16の下端を、洗浄槽16a、試料容器17、及び反応容器3の開口部の中心近傍にずらすことが可能となり、各試料を精度よく分注することができる。また、サンプル分注プローブ16に付着した各試料を洗い落とすことができる。
【0080】
また、各第1及び第2試薬分注アーム8,9の移動距離が各基準距離Dr1,Dr2よりも大きい場合、各第1及び第2試薬分注アーム8,9の各上停止位置を、各基準位置から各分析ユニット検出器14b,15bへ移動する方向に距離差以下の距離ずらした補正停止位置を求める。また、各第1及び第2試薬分注アーム8,9の移動距離が各基準距離Dr1,Dr2よりも小さい場合、各第1及び第2試薬分注アーム8,9の各上停止位置を、各基準位置から各分析ユニット検出器14b,15bへ移動する方向とは反対方向に距離差以下の距離ずらした補正停止位置を求める。
【0081】
これにより、各第1及び第2試薬分注アーム8,9の各補正停止位置における各第1及び第2試薬分注プローブ14,15の下端を、各試薬容器6,7、反応容器3、及び各洗浄槽14a,15aの開口部の中心近傍にずらすことが可能となり、各第1及び第2試薬を精度よく分注することができる。また、各第1及び第2試薬分注プローブ14,15に付着した各第1及び第2試薬を洗い落とすことができる。
【0082】
更に、各第1及び第2撹拌アーム20,21の移動距離が各基準距離Dm1,Dm2よりも大きい場合、各第1及び第2撹拌アーム20,21の各上停止位置を、各基準位置から各分析ユニット検出器18b,19bへ移動する方向に距離差以下の距離ずらした補正停止位置を求める。また、各第1及び第2撹拌アーム20,21の移動距離が各基準距離Dm1,Dm2よりも小さい場合、各第1及び第2撹拌アーム20,21の各上停止位置を、各基準位置から各分析ユニット検出器18b,19bへ移動する方向とは反対方向に距離差以下の距離ずらした補正停止位置を求める。
【0083】
これにより、各第1及び第2撹拌アーム20,21の各上停止位置における各第1及び第2撹拌子18,19の下端を、反応容器3及び各洗浄槽18a,19aの開口部の中心近傍にずらすことが可能となり、反応容器3内の各第1及び第2混合液を均一に撹拌することができる。また、各第1及び第2撹拌子18,19に付着した各第1及び第2混合液を洗い落とすことができる。
【0084】
更にまた、吸引アーム24の移動距離が基準距離Dpよりも大きい場合、吸引アーム24の各停止位置を、基準位置から分析ユニット検出器22bへ移動する方向に距離差以下の距離ずらした補正停止位置を求める。また、吸引アーム24の移動距離が基準距離Dpよりも小さい場合、吸引アーム24の各停止位置を、基準位置から分析ユニット検出器22bへ移動する方向とは反対方向に距離差以下の距離ずらした補正停止位置を求める。
【0085】
これにより、吸引アーム24の各上停止位置における吸引プローブ22の下端が、校正液ポット22a及び反応容器3の開口部の中心近傍にずらすことが可能となり、校正液ポット22a内の校正液及び反応容器3内の第1混合液を予め設定された量吸引することができる。
【0086】
このように、各アームが補正可能な状態である場合、各アームの各上停止位置を補正した補正停止を求め、求めた補正停止位置に停止させることにより、サンプル分注プローブ16においては、各試料の分注精度の低下を未然に防ぐことができる。また、第1及び第2試薬分注プローブ14,15においては、第1及び第2試薬の分注精度の低下を未然に防ぐことができる。更に、第1及び第2撹拌子18,19においては、第1及び第2混合液の撹拌力の低下を未然に防ぐことができる。更にまた、吸引プローブ22においては、吸引不良を未然に防ぐことができる。
【0087】
以下、図1乃至図9を参照して、分析部25におけるサンプル分注プローブ16を管理する自動分析装置100の動作の一例を説明する。なお、第1試薬分注プローブ14、第2試薬分注プローブ15、第1撹拌子18、第2撹拌子19、及び吸引プローブ22の各分析ユニットの管理については、サンプル分注プローブ16の管理の場合と同様に動作するので、その説明を省略する。
【0088】
図7は、表示部52に表示された分析ユニット管理条件設定画面の一例を示す図である。また、図8及び図9は、自動分析装置100の動作を示すフローチャートである。
【0089】
図7において、分析ユニット管理条件設定画面53は、管理する分析部25の各分析ユニットを設定する「分析ユニット」の欄と、「分析ユニット」の欄に設定した分析ユニットを管理するタイミングを設定する「管理モード」の欄とにより構成される。そして、操作部60からの操作により、各欄に設定された各管理条件の情報がシステム制御部70の記憶回路に保存されると共に表示部52に表示される。
【0090】
「分析ユニット」の欄には、サンプル分注プローブ16である「サンプル分注プローブ」、第1試薬分注プローブ14である「第1試薬分注プローブ」、第1撹拌子18である「第1撹拌子」、第2試薬分注プローブ15である「第2試薬分注プローブ」、第2撹拌子19である「第2撹拌子」、及び吸引プローブ22である「吸引プローブ」が表示されている。そして、操作部60からの例えばサンプル分注プローブ16を設定する入力操作により、ダイアログボックス531内に「レ」が表示されている。また、サンプル分注プローブ16以外の各分析ユニットが設定されていないので、各ダイアログボックス532乃至536内は空白になっている。
【0091】
なお、第1試薬分注プローブ14を設定する入力操作が行われるとダイアログボックス532内に「レ」が表示され、第1撹拌子18を設定する入力操作が行われるとダイアログボックス533内に「レ」が表示される。また、第2試薬分注プローブ15を設定する入力操作が行われるとダイアログボックス534内に「レ」が表示され、第2撹拌子19を設定する入力操作が行われると、ダイアログボックス535内に「レ」が表示される。更に、吸引プローブ22を設定する入力操作が行われると、ダイアログボックス536内に「レ」が表示される。
【0092】
「管理モード」の欄には、「測定開始前後」、「測定開始後」、「測定中」、及び「測定終了前」の4つのモードが表示されている。そして、操作部60からの例えば「測定開始前後」及び「測定中」の2つのモードを設定する入力操作により、「測定開始前後」に対応するダイアログボックス537内及び「測定中」に対応するダイアログボックス539内に「レ」が表示されている。また、設定されていない「測定開始後」及び「測定終了前」に対応するダイアログボックス5538,540内は空白になっている。
【0093】
ここで、「測定開始前後」の設定により、自動分析装置100の待機中に操作部60からの分析ユニット管理操作が行われると、「管理する分析ユニット」の欄に設定された分析ユニットの管理を実行する。また、「測定開始後」又は「測定終了前」のモードの設定により、自動分析装置100の待機中に操作部60から測定開始操作が行われると、標準試料又は被検試料を測定する動作を開始する前、又は標準試料又は被検試料を測定する動作を終了した後の分析部25の各ユニットが停止する前に「管理する分析ユニット」の欄に設定された分析ユニットの管理を実行する。
【0094】
更に、「測定中」の設定により、操作部60から測定開始操作が行われると、標準試料又は被検試料の測定中に各分析ユニットの管理を実行する。そして、「分析ユニット」の欄にサンプル分注プローブ16が設定されていると、サンプル分注プローブ16による標準試料又は被検試料の分注毎に管理を実行する。また、各第1及び第2試薬分注プローブ14,15が設定されていると、各第1及び第2試薬の分注毎に管理を実行する。更に、各第1及び第2撹拌子18,19が設定されていると、各第1及び第2混合液の撹拌毎に管理を実行する。更にまた、吸引プローブ22が設定されていると、校正液の吸引毎に管理を実行する。
【0095】
次に、図7に示した分析ユニット管理条件設定画面53の「管理モード」の欄に設定した「測定開始前後」のモードに従って「分析ユニット」の欄に設定したサンプル分注プローブ16を管理する自動分析装置100の動作を説明する。
【0096】
図8は、「測定開始前後」のモードに従ってサンプル分注プローブ16を管理する自動分析装置100の動作を示したフローチャートである。システム制御部70の記憶回路には、図7に示した分析ユニット管理条件設定画面53で設定された分析ユニットの管理条件が保存されている。そして、操作部60から分析ユニット管理操作が行われると、自動分析装置100は動作を開始する(ステップS1)。
【0097】
システム制御部70は、分析ユニット管理条件設定画面53で設定された分析ユニットの管理条件に基づいて、分析制御部27、分析ユニット管理部30、及び出力部50に分析部25のサンプル分注プローブ16の管理を指示する。分析制御部27における制御部29及び分析ユニット管理部30は、システム制御部70からの指示に基づいて、サンプル分注プローブ16の管理を行うためにステップS21乃至S27から成る管理工程S2及びステップS3を実行する。
【0098】
管理工程S2において、制御部29の制御部291は、機構部28の機構281を制御してサンプル分注アーム10を移動する。そして、機構281の基準位置検出器281aからの基準検出信号により、サンプル分注アーム10を基準位置へ移動する(ステップS21)。次いで、基準位置から被検試料位置T3の方向へ移動する(ステップS22)。
【0099】
そして、基準位置から被検試料位置T3まで移動する間に分析部25の分析ユニット検出器16bから出力される検出信号又は非検出信号に基づいて、サンプル分注アーム10を移動するために基準位置から分析ユニット検出器16bによりサンプル分注プローブ16が検出されるまでの間に機構281に供給した検出駆動パルス、又は基準位置から被検試料位置T3までの間に機構281に供給した所定数の非検出駆動パルスの情報を分析ユニット管理部30の移動距離検出部31に出力する。
【0100】
移動距離検出部31は、制御部291から出力される検出駆動パルス又は非検出駆動パルスの情報に基づいて、基準位置から分析ユニット検出器16bによるサンプル分注プローブ16の検出位置、又は被検試料位置T3まで移動したサンプル分注アーム10の移動距離を検出する。そして、検出したサンプル分注アーム10の移動距離の情報を判定部32に出力する。
【0101】
判定部32は、移動距離検出部31から出力されたサンプル分注アーム10の移動距離と基準距離Dsの差である距離差に基づいて、サンプル分注プローブ16の状態を判定する。
【0102】
そして、サンプル分注アーム10の距離差が許容範囲内である場合(ステップS23のはい)、サンプル分注プローブ16が正常な状態である判定して、管理工程S2の次のステップであるステップS3へ移行する。また、許容範囲から外れている場合(ステップS23のいいえ)、ステップS24へ移行する。
【0103】
ステップS23の「いいえ」の後に、サンプル分注アーム10の距離差が補正範囲内である場合(ステップS24のはい)、ステップS25へ移行する。また、補正範囲から外れている場合(ステップS24のいいえ)、ステップS27へ移行する。
【0104】
ステップS24の「はい」の後に、判定部32は、サンプル分注プローブ16が補正可能な状態であると判定して、サンプル分注アーム10の距離差の情報を補正部33に出力する。補正部33は、判定部32から出力されたサンプル分注アーム10の距離差の情報に基づいて、サンプル分注アーム10の各上停止位置を補正した補正停止位置を求める(ステップS25)。
【0105】
そして、求めた補正停止位置の情報を制御部291及びシステム制御部70に出力する。制御部291は、補正部33から出力された補正停止位置の情報に基づいて、以降の基準位置から移動するサンプル分注アーム10の各上停止位置を補正する。また、システム制御部70は、表示部52に補正部33から出力されたサンプル分注アーム10の補正停止位置の情報を表示する(ステップS26)。
【0106】
このように、サンプル分注アーム10の補正停止位置を表示部52に表示することにより、自動分析装置100の操作者にサンプル分注プローブ16が補正可能な状態であること及びサンプル分注アーム10の補正停止位置を迅速に知らせることができる。また、補正停止位置の情報に基づいてサンプル分注アーム10の各上停止位置を補正することにより、サンプル分注プローブ16による各試料の分注精度の低下を未然に防ぐことができる。
【0107】
ステップS24の「いいえ」の後に、判定部32は、サンプル分注プローブ16が異常な状態であると判定して、その異常情報をシステム制御部70に出力する。システム制御部70は、判定部32から出力されたサンプル分注プローブ16の異常情報を表示部52に表示する(ステップS27)。
【0108】
このように、サンプル分注プローブ16の異常情報を表示部52に表示することにより、操作者にサンプル分注プローブ16が異常な状態であることを迅速に知らせることができる。これにより、分析データの悪化を未然に防ぐことが可能となり、被検試料、第1試薬や第2試薬の浪費を防ぐことができる。
【0109】
ステップS23の「はい」、又はステップS26、又はステップS27の後に、制御部291は、サンプル分注アーム10を基準位置へ移動する(ステップS3)。
【0110】
そして、サンプル分注アーム10が基準位置で停止した後、システム制御部70が分析制御部27、分析ユニット管理部30、及び出力部50に管理の終了を指示することにより、自動分析装置100は動作を終了する(ステップS4)。
【0111】
次に、図7に示した分析ユニット管理条件設定画面53の「管理モード」の欄に設定した「測定中」のモードに従ってサンプル分注プローブ16を管理する自動分析装置100の動作を説明する。
【0112】
図9は、「測定中」のモードに従ってサンプル分注プローブ16を管理する自動分析装置100の動作を示したフローチャートである。
【0113】
システム制御部70の記憶回路には、図7に示した分析ユニット管理条件設定画面53で設定された分析ユニットの管理条件が保存されている。また、表示部52に表示された被検試料/検査項目設定画面で設定された測定対象の被検試料の情報及びこの被検試料の検査項目の情報が保存されている。そして、被検試料/検査項目設定画面で設定された測定対象の被検試料が例えば1種類であり、その被検試料に対して設定された検査項目が例えば5種類であるとする。更に、測定対象の被検試料を収容した試料容器17がディスクサンプラ5に収納され、その被検試料の検査項目に該当する第1及び第2試薬を収容した試薬容器6,7が試薬庫1,2に収納されている。
【0114】
図8に示したフローチャートの動作を実行し、サンプル分注プローブ16が正常であることが確認された自動分析装置100を用いて、被検試料/検査項目設定画面で設定された被検試料の測定を行うために、操作部60から測定開始操作が行われると、自動分析装置100は動作を開始する(ステップS11)。
【0115】
システム制御部70は、分析ユニット管理条件設定画面53で設定された分析ユニットの管理条件、並びに被検試料/検査項目設定画面で設定された被検試料及び検査項目の情報に基づいて、分析制御部27、分析ユニット管理部30、データ処理部40、及び出力部50に分析ユニットの管理及び被検試料の測定を指示する。分析制御部27の制御部29は、機構部28を制御して分析部25の各ユニットを作動させて、被検試料/検査項目設定画面で設定された被検試料の測定を開始する。
【0116】
ディスクサンプラ5は回動して、被検試料を収容した試料容器17を被検試料位置T3の下方へ移動する。制御部291は、洗浄槽16aによりサンプル分注プローブ16の洗浄が可能な位置まで洗浄サンプル分注アーム10を移動する。そして、サンプル分注プローブ16の洗浄が行われた後、基準位置へ移動する。
【0117】
n種類目(n=1)の検査項目に対する被検試料の分注において、制御部291は、サンプル分注アーム10を被検試料位置T3の方向へ移動する。この基準位置から被検試料位置T3の方向へ移動に並行して管理工程S2を実行する。
【0118】
そして、管理工程S2におけるステップS23の「はい」又はステップS26の後、管理工程S2の後のステップS12へ移行する。また、管理工程S2におけるステップS27の後、管理工程S2の後のステップS13へ移行する。
【0119】
ステップS23の「はい」又はステップS26の後、nが5未満である場合(ステップS12のいいえ)、ステップS2へ戻る。また、nが5である場合(ステップS12のはい)、制御部291は、サンプル分注アーム10を基準位置へ移動する(ステップS13)。
【0120】
ステップS27の後、システム制御部70は、判定部32から出力されたサンプル分注プローブ16の異常情報に基づいて、制御部29にn種類目の検査項目に対する被検試料の分注動作を停止させる。制御部291は、サンプル分注アーム10を基準位置へ移動する(ステップS13)。
【0121】
このように、サンプル分注プローブ16の異常情報に基づいて、サンプル分注アーム10の動作を停止させることにより、被検試料、第1試薬や第2試薬、及び検査時間の浪費を未然に防ぐことができる。
【0122】
そして、ステップS12の「はい」の後に各検査項目の分析データが全て出力部50に出力されたとき、又はステップS27の後に表示部52に異常情報が出力されたとき、システム制御部70が分析制御部27、分析ユニット管理部30、データ処理部40、及び出力部50に被検試料の測定の終了を指示することにより、自動分析装置100は、動作を終了する(ステップS14)。
【0123】
以上述べた本発明の実施例によれば、各分析ユニットを検出するための各分析ユニット検出器16b、14b、18b,15b,19b,22bを設け、各基準位置から所定の上停止位置まで移動する間に各分析ユニット検出器16b、14b、18b,15b,19b,22bから出力される各分析ユニットの検出信号又は非検出信号に基づいて、各分析ユニットを移動可能に保持する各アームの移動距離を検出することができる。
【0124】
そして、検出した各分析ユニットの移動距離と各基準距離Ds,Dr1,Dm1,Dr2,Dm2,Dpの差である各距離差が許容範囲内である場合、各分析ユニットが正常な状態であると判定することができる。
【0125】
また、各距離差が補正範囲内である場合、各分析ユニットが補正可能な状態であると判定し、各分析ユニットを保持するアームの各上停止位置を補正することにより、その分析ユニットを正常に機能させて良好な分析データを得ることができる。また、補正した各アームの補正停止位置の情報を表示部52に表示することにより、操作者に各分析ユニットが補正可能な状態であること及びその分析ユニットを保持するアームの補正停止位置を迅速に知らせることができる。
【0126】
更に、各距離差が補正範囲よりも大きい場合、各分析ユニットが異常な状態であると判定することができる。そして、その分析ユニットを保持するアームの動作を停止させることができる。また、各分析ユニットの異常情報を表示部52に表示することにより、操作者にその分析ユニットが異常であることを迅速に知らせることができる。
【0127】
以上により、分析データの悪化を未然に防ぎ、被検試料、試薬、及び検査時間の浪費を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明の実施例に係る自動分析装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例に係る分析部の構成を示す斜視図。
【図3】本発明の実施例に係るサンプル分注プローブの管理に関る分析部の各ユニットの配置を示す平面図。
【図4】本発明の実施例に係る基準位置から軌道に沿って分析ユニット検出器上方へ移動したサンプル分注アームを示す図。
【図5】図4に示した分析ユニット検出器を示すA−A矢視断面図。
【図6】本発明の実施例に係る分析制御部の構成の詳細を示す図。
【図7】本発明の実施例に係る表示部に表示された分析ユニット管理条件設定画面の一例を示す図。
【図8】本発明の実施例に係る「測定開始前後」のモードに従ってサンプル分注プローブを管理する自動分析装置の動作を示すフローチャート。
【図9】本発明の実施例に係る「測定中」のモードに従ってサンプル分注プローブを管理する自動分析装置の動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0129】
1,2 試薬庫
1a,2a 試薬ラック
3 反応容器
4 反応ディスク
5 ディスクサンプラ
6,7 試薬容器
8 第1試薬分注アーム
9 第2試薬分注アーム
10 サンプル分注アーム
12 洗浄ユニット
13 測光ユニット
14 第1試薬分注プローブ
14a,15a,16a,18a,19a 洗浄槽
14b,15b,16b,18b,19b,22b 分析ユニット検出器
15 第2試薬分注プローブ
16 サンプル分注プローブ
17 試料容器
18 第1撹拌子
19 第2撹拌子
20 第1撹拌アーム
21 第2撹拌アーム
22 吸引プローブ
22a 校正液ポット
23 電解質ユニット
24 吸引アーム
25 分析部
27 分析制御部
28 機構部
29 制御部
40 データ処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料と試薬を反応容器に分注してその混合液を測定する自動分析装置において、
前記試料或いは前記試薬を分注する分注プローブ、又は前記混合液を撹拌する撹拌子、又は前記混合液を測定するために吸引する吸引プローブのいずれかの分析ユニットと、
前記分析ユニットを移動可能に保持するアームと、
前記アームの軌道に沿って基準位置から基準距離移動した位置に配置され、前記分析ユニットを検出するための分析ユニット検出手段と、
前記基準位置から前記分析ユニット検出手段による前記分析ユニットの検出位置まで移動した前記アームの移動距離を検出する移動距離検出手段と、
前記移動距離検出手段により検出された移動距離と前記基準距離の差である距離差に基づいて、前記分析ユニットの状態を判定する判定手段とを
備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記移動距離検出手段は、前記アームが前記基準位置から所定の位置まで移動する間に、前記基準位置と前記所定の位置の間に配置された前記分析ユニット検出手段から出力される前記分析ユニットの検出が不可能であったときの非検出信号に基づいて、前記基準位置から前記所定の位置まで移動した前記アームの移動距離を検出することを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記判定手段は、前記距離差が許容範囲内である場合に前記分析ユニットが正常な状態であると判定し、また前記距離差が前記許容範囲よりも大きい補正範囲内である場合に前記分析ユニットの補正が可能な状態であると判定し、更に前記距離差が前記補正範囲よりも大きい場合に前記分析ユニットが異常な状態であると判定するようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記距離差が補正範囲内である場合の前記アームの停止位置を補正した補正停止位置を求める補正手段を有し、
前記補正手段は、前記アームの移動距離が前記基準距離よりも大きい場合に前記停止位置を前記基準位置から前記分析ユニット検出手段の方向に前記距離差以下の距離ずらした補正停止位置を求め、
前記アームの移動距離が前記所定の距離よりも小さい場合、前記停止位置を前記基準位置から前記分析ユニット検出手段の方向とは反対方向に前記距離差以下の距離ずらした補正停止位置を求めるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記混合液の測定により生成された分析データを出力する出力手段を有し、
前記判定手段は、前記距離差が前記補正範囲内である場合、前記アームの補正情報を前記出力手段に出力するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の自動分析装置。
【請求項6】
前記混合液の測定により生成された分析データを出力する出力手段を有し、
前記判定手段は、前記距離差が前記補正範囲よりも大きい場合、前記分析ユニットの異常情報を前記出力手段に出力するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の自動分析装置。
【請求項7】
前記判定手段は、前記距離差が前記補正範囲よりも大きい場合に、前記アームの動作を停止させるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の自動分析装置。
【請求項8】
前記吸引プローブから吸引した前記混合液を測定する電解質ユニット、又は前記反応容器内の前記混合液を光学的に測定する測光ユニットを有することを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項9】
前記停止位置は、前記反応容器が停止する位置であることを特徴とする請求項3に記載の自動分析装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−145284(P2010−145284A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−324274(P2008−324274)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】