説明

自動車用ドアの開操作補助装置

【課題】 ドア係合機構の係合解除とドアの微開放とを一つのアクチュエータによって自動的に行うことができるようにした、自動車用ドアの開操作補助装置を提供する。
【解決手段】 車体100のドア開口に開閉可能に取り付けられた自動車用ドア101に装備され、車体100と自動車用ドア101とを係合する係合機構102と、係合機構102の係合が解除されているときに自動車用ドア101を所定の開度だけ開動させて自動車用ドア101を微開放させるドア微開放機構104と、係合機構102とドア微開放機構104とに機械的に接続され係合機構102の係合を解除するとともにドア微開放機構104を作動させるリリースアクチュエータ103と、所定のドア開放操作が行われるとリリースアクチュエータ103を作動させるコントローラ106と、を備えて構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用ドアの係合を自動的に解除するとともに自動車用ドアを微開放させることによりドア操作者によるドアの開放操作を補助する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ドア操作者がキーを携帯した状態であれば、自動車用ドア(ドア)のアウトサイドハンドルに所定時間以上手を触れる等の所定のドア解錠操作を行うことにより、自動的にドアが解錠(アンロック)されるキーレスオペレーションシステムが開発され実用されている。
この技術によればドア操作者は鍵(キー)を携帯しているだけで実際にキーを手にすることなくドアが解錠されるので、例えば解錠の際にドア操作者がカバンの中や衣服のポケットの中等からキーを取り出す手間をなくすことができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上述のような従来技術ではドアの解錠が自動的に行われるのみであるので、ドアを実際に開放する際にはドア操作者がドアのアウトサイドハンドルを引く等してドアの係合機構(以下、ドアラッチという)の係合を解除する必要がある。
このようにドアが自動的に解錠された後にドア操作者が手動によりドアラッチの係合解除動作を行うという手間をなくすためには、ドアを自動的に解錠するのに加えてドアラッチの係合も自動的に解除すればよい。
【0004】
ただし、単にドアラッチの係合を自動的に解除しただけで見かけ上ドアラッチの係合状態と同じであればドア操作者がドアラッチの係合が解除されたことを視覚的に把握することが難しい。
また、ドアラッチの係合を自動的に解除してもドア操作者がこれに気付かなかったり気付くのが遅れれば、例えば、風や傾斜等によりドアが閉方向に移動してドアラッチが再び係合したりあるいは、半係合(ハーフ)状態になってしまうことが考えられる。
【0005】
そこで、ドア操作者の適切なドア開操作を容易にする為にドアラッチの係合を自動的に解除するとともにドアを所定の開度だけ開放(以下、微開放という)させることが考えられる。
このようにすれば、ドア操作者が所定のドア開放操作を行うことによりドアの解錠とドアラッチの解除とが自動的に行われるとともにドアが所定開度だけ自動的に開動(開放)されるので、ドア操作者はドアの解錠とドアラッチの係合解除とが行われたことを視覚的に理解することができ、ドアの開操作を容易且つ適切に行うことができる。
【0006】
また、風や傾斜等の影響によりドアが閉動してしまうような場合でもドアが自動的に開動された分だけドアラッチと車体のストライカとに距離があるため、ドアが閉方向に移動してドアラッチが再びストライカに係合したりあるいは半係合状態になってしまう前にドア操作者が気付く可能性が高くなり、ドアが再び係合されてしまう等の不都合を低減することができる。
【0007】
しかしながら、ドアラッチの係合解除及びドアの開放を自動的に行うためには、それぞれ個別にモータ等のアクチュエータを備える必要がありコスト増を招くことになる。また、アクチュエータの数が増加することによりドアの重量が増大するという不都合が生じる。
本発明はこのような課題に鑑み創案されたもので、ドア係合機構の係合解除とドアの微開放とを一つのアクチュエータによって自動的に行うことができるようにした、自動車用ドアの開操作補助装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、請求項1記載の本発明の自動車用ドアの開操作補助装置は、車体のドア開口に開閉可能に取り付けられた自動車用ドアに装備され、前記車体に設けられた係合部と前記自動車用ドアとを係合する係合機構と、前記係合部と前記係合機構との係合が解除されているときに前記自動車用ドアを所定の開度だけ開動させて前記自動車用ドアを微開放させるドア微開放機構と、前記係合機構と前記ドア微開放機構とに機械的に接続され前記係合部と前記係合機構との係合を解除するとともに前記ドア微開放機構を作動させるリリースアクチュエータと、所定のドア開放操作が行われると前記リリースアクチュエータを作動させるコントローラと、を備えたことを特徴としている。
【0009】
また、請求項2記載の本発明の自動車用ドアの開操作補助装置は請求項1のものにおいて、前記リリースアクチュエータは前記係合部と前記係合機構との係合を解除する可動部を有し、前記可動部は前記ドア微開放機構と連結され、前記ドア微開放機構は、前記可動部が前記係合部と前記係合機構との係合を解除する係合解除動作を行った際に、前記係合解除動作と連動して前記自動車用ドアを微開放させることを特徴としている。
【0010】
また、請求項3記載の本発明の自動車用ドアの開操作補助装置は請求項1又は2のものにおいて、前記リリースアクチュエータの前記可動部はワイヤを介して前記ドア微開放機構と接続されることを特徴としている。
また、請求項4記載の本発明の自動車用ドアの開操作補助装置は請求項1〜3のいずれか1項のものにおいて、前記ドア微開放機構は前記自動車用ドアに進退可能に突設され、前記リリースアクチュエータの前記係合解除動作により前記自動車用ドアから突出して前記車体側に当接し、前記自動車用ドアを微開放させる突き出し部材であることを特徴としている。
【0011】
また、請求項5記載の本発明の自動車用ドアの開操作補助装置は請求項4のものにおいて、前記ワイヤと前記突き出し部材とが回転軸を中心に回転するアームを介して接続されていることを特徴としている。
また、請求項6記載の本発明の自動車用ドアの開操作補助装置は請求項4又は5のものにおいて、前記リリースアクチュエータと前記突き出し部材との間には、前記係合部と前記係合機構とが非解除状態で、前記突き出し部材に前記リリースアクチュエータから前記係合解除動作の操作力が加えられた際に、前記突き出し部材に生じる圧縮力を吸収する圧縮力吸収機構が備えられていることを特徴としている。
【0012】
また、請求項7記載の本発明の自動車用ドアの開操作補助装置は請求項6のものにおいて、前記圧縮力吸収機構は、前記突き出し部材と前記ワイヤとが弾性部材を介して接続されることにより構成されることを特徴としている。
また、請求項8記載の本発明の自動車用ドアの開操作補助装置は請求項6のものにおいて、前記圧縮力吸収機構は、前記リリースアクチュエータの前記可動部と前記ワイヤとが弾性部材を介して接続されることにより構成されることを特徴としている。
【0013】
また、請求項9記載の本発明の自動車用ドアの開操作補助装置は請求項4〜8のいずれか1項のものにおいて、前記突き出し部材は、非突出時には前記突き出しロッドの先端が前記車体側に接触しないように突出する方向とは逆方向に付勢されていることを特徴としている。
また、請求項10記載の本発明の自動車用ドアの開操作補助装置は請求項1〜9のいずれか1項のものにおいて、前記係合部と前記係合機構との係合をロックするドアロック手段を備え、前記コントローラは、前記リリースアクチュエータを作動させるのに先立って、前記ドアロック手段によるロックを解除することを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の本発明の車両用ドアの開操作補助装置によれば、リリースアクチュエータが係合機構とドア微開放機構とに機械的に接続されることにより一つのアクチュエータによって自動車用ドアの係合解除とドア微開放とを行うことができる。これにより、ドア操作者がドア開操作を容易且つ適切に行うことができるとともに、係合機構の係合が解除された後再びドアが係合あるいは半係合してしまうことを防止することができる。
【0015】
請求項2記載の本発明の車両用ドアの開操作補助装置によれば請求項1の効果に加え、係合機構の係合を自動的に解除するリリースアクチュエータの係合解除動作と連動してドア微開放機構がドアを微開放するので、係合解除用のリリースアクチュエータとは別にドア微開放用のアクチュエータを設けることなく、自動車用ドアの係合解除とドア微開放とを同時に行うことができる。
【0016】
請求項3記載の本発明の車両用ドアの開操作補助装置によれば請求項1又は2の効果に加え、単純な構造でリリースアクチュエータの係合解除動作とドア微開放機構とを連動させることができる。
請求項4記載の本発明の車両用ドアの開操作補助装置によれば請求項1〜3の効果に加え、簡単な機構により、リリースアクチュエータによる係合機構の係合解除動作にかかる操作力を伝達してドアを微開放することができる。
【0017】
請求項5記載の本発明の車両用ドアの開操作補助装置によれば請求項4の効果に加え、簡単な機構により、ワイヤの引っ張り力を突き出し部材の押し出し力に変換してドアを微開放することができる。
請求項6記載の本発明の車両用ドアの開操作補助装置によれば請求項4又は5の効果に加え、例えば、係合機構の係合解除が未完了な状態等何らかの理由でドアを開くことができない場合であっても、突き出し部材に生じる圧縮力が吸収される(つまり、突出変位が不可能となっている突き出し部材と他の変位機構との相対変位が許容されることにもなる)ので突き出し部材及び車体側の変形や破損を防止することができる。また、突き出し部材と接続されている、リリースアクチュエータが動作できなくなることが防止されるのでドアラッチの係合解除動作を不具合無く行うことができる。
【0018】
請求項7記載の本発明の車両用ドアの開操作補助装置によれば請求項6の効果に加え、ワイヤと突き出し部材との相対変位を吸収することにより突き出し部材に生じる圧縮力を吸収することができる。
請求項8記載の本発明の車両用ドアの開操作補助装置によれば請求項6の効果に加え、リリースアクチュエータの可動部とワイヤとの相対変位を吸収することにより突き出し部材に生じる圧縮力を吸収することができる。
【0019】
請求項9記載の本発明の車両用ドアの開操作補助装置によれば請求項4〜8のいずれか1項の効果に加え、自動車用ドアが微開放され、リリースアクチュエータによる係合解除動作が解除されると速やかに突出した状態の突き出し部材を基準の位置に戻すことができ、ドアを閉じる際に突き出し部材を押し込むことによるドア閉まり抵抗を低減することができる。
【0020】
請求項10記載の本発明の車両用ドアの開操作補助装置によれば請求項1〜9のいずれか1項の効果に加え、ドア操作者はキー携帯しているだけで実際にキーを手にすることなくドアが解錠されるので、例えば解錠の際にドア操作者が衣服のポケット等からキーを探す等の手間をなくすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1〜図5は本発明の一実施形態に係る自動車用ドアの開操作補助装置を説明するためのものであって、図1は自動車用ドアの開操作補助装置の概略構成を模式的に示す図、図2は制御系にかかる電気回路図、図3はドアの係合機構とリリースアクチュエータとの構成を模式的に示す図、図4(A)〜(D)はいずれもドア微開放機構の構成を模式的に示す図、図5は各部の作動状態を経時的に示す作動チャートである。
【0022】
(概略構成)
図1に示すように、本実施形態の自動車用ドアの開操作補助装置はドアラッチ部(係合機構)102,リリースアクチュエータ103,ドア微開放機構104,アウトサイドハンドル105及びコントローラとしての電子制御装置(ECU)106を備えている。
自動車用ドア(ドア)101は図示しないドアヒンジを介して車体100のドア開口に回動可能に取り付けられており、ドアラッチ部102,リリースアクチュエータ103及びドア微開放機構104はドア101の内部に配設され、アウトサイドハンドル105はドア101の車外側側面に取り付けられている。
そして、リリースアクチュエータ103とドア微開放機構104とはワイヤ107を介して引張力を伝達可能に接続されており、リリースアクチュエータ103とドアラッチ部102とはリンク部材4,9を介して接続されている。
【0023】
また、図2にも示すように、ECU106の入力端子は電源及びアウトサイドハンドル105と電気的に接続されており、アウトサイドハンドル105からキーレスオペレーション操作信号が入力されるようになっている。つまり、ここではドア操作者がアウトサイドハンドル105に所定時間(例えば1秒間)だけ触れた場合にはドア開放操作がされたものとしてアウトサイドハンドル105内に設けられているキーレスオペレーションスイッチ105aがオンとなり、キーレスオペレーション操作信号がECU106に入力されるようになっている。なお、ドア開放操作については上記のように所定時間だけアウトサイドハンドル105に触れることに限らず適宜設定可能である。
【0024】
ECU106の出力端子はリリースアクチュエータ103及びキー駆動アクチュエータ108の各モータと接続されECU106により電源からの電力の供給が調整され各アクチュエータ103,108の作動が制御されるようになっている。
アウトサイドハンドル105の操作等によりキーレスオペレーション操作信号が入力されると、ECU106はID情報を含む信号を送信する携帯機と車両側ID情報との照合を行い、キー解除を許可しても良いか否かの認証を行う。
この認証装置については周知のものを使用すれば良いが、ここでは、キーレスオペレーション操作信号の入力を受けるとECU106がキー確認用の電波を発信してドア操作者がキーを携帯しているか否かを判定するようになっている。
【0025】
(ドアラッチ部及びリリースアクチュエータ)
ここで、ドアラッチ部102及びリリースアクチュエータ103の構成についてより詳細に説明する。図3に示すように、ドアラッチ部102はドアラッチ1,キーロック部材2,キーシリンダ3,リンク部材4,ロックロッド5,ロックケーブル6,オープンロッド7及びオープンケーブル8を備えて構成されている。また、リリースアクチュエータ103は可動部としてのアーム部103Aを備えており、アーム部103Aはリンク部材9を介してドアラッチ部102のリンク部材4と接続され、それぞれのリンク部材4,9が軸部10を中心として一体となって回転可能となっている。また、アーム部103Aにはワイヤ107が接続されている。
【0026】
リリースアクチュエータ103は内部に図示省略のモータを備えており、ECU106から送信される駆動信号に応じてアーム部103Aを所定のラッチ開放位置とラッチ閉鎖位置とに揺動駆動するように構成されている。
リンク部材4は2つのアーム部4A,4Bを備え、アーム部4Aはオープンケーブル8と接続されている。オープンケーブル8はドア101の車内側側面に取り付けられる図示しないインサイドハンドルと接続されており、ドア操作者がインサイドハンドル及びオープンケーブル8を介してリンク部材4を引くことによりリンク部材4が回転するように構成されている。
【0027】
キーロック部材2は、軸部2Aを中心にキーロック位置とキーアンロック位置とに回転可能に取り付けられている。
そして、キーロック部材2は図示しないリターンスプリングにより、アンロック状態時にはキーアンロック位置側に、ロック時にはロック位置側に常時付勢されている。
キーロック部材2にはロックロッド5及びロックケーブル6がそれぞれ接続されており、ロックロッド5の他端はキーシリンダ3と接続され、ロックケーブル6の他端は図示しないインサイドハンドルと接続されている。そして、キーシリンダ3及びインサイドハンドルの操作に応じてロックロッド5あるいはロックケーブル6に引っ張られることによりキーロック部材2がキーロック位置に回転するように構成されている。なお、ロックロッド5についてはロッド(棒状の部材)の代わりにケーブルを用いて構成してもよい。
【0028】
ドアラッチ1はクロー(ロックラッチ,ラッチ)1Aとポール(ラチェット)1Bとから構成されており、ドア101が閉じた状態ではクロー1Aとポール1Bとの間の隙間部分に車体100に設けられた図示しないストライカ(係合部)が挿入された状態でクロー1Aとポール1Bとが噛み合うことにより、ドアラッチ1がストライカに係合するようになっている。
【0029】
ドアラッチ1は、図示省略の動力伝達機構を介してリンク部材4のアーム4Bからの動力を伝達可能に接続されている。つまり、リンク部材4が図中矢印aに示す方向に回動するとアーム4Bも回動し、ポール1Bを矢印cに示す反時計方向に回転させる。これによってポール1Bの係合が外れ、クロー1Aが図中矢印bに示す方向に回転する。なお、クロー1Aは図示しないリターンスプリングにより噛合いが外れる方へ回転するように付勢されている。こうしてクロー1Aが回動することによってストライカを放すことによりドアラッチの係合が解除されるようになっている。
【0030】
(ドア微開放機構)
次に、ドア微開放機構について図4(A)〜(D)を用いて説明する。なお、図4(A)〜(C)においては説明容易のために図1とは上下反転して表現している。
図4(A)に示すようにドア微開放機構104はカバー部材11,リンク部材12,突き出しロッド(突き出し部材)13,吸収バネ(弾性部材)14及びリターンバネ15を備えている。
カバー部材11にはワイヤ107が進退可能に挿通され、ワイヤ107の端部はリンク部材12と接続されている。リンク部材12は軸部12Aを中心に回動可能にカバー部材11に軸部12Aが固定されており、リンク部材12の一端は突き出しロッド13の切欠き孔13Bに挿通されている。
【0031】
突き出しロッド13は先端部分がカバー部材11に挿通されて車体100に対して進退可能に配設されている。また、突き出しロッド13の中央付近には円板状の拡径部13Aが形成され突き出しロッド13と一体となって変位するようになっている。なお、突き出しロッド13の進退方向の変位量(ストローク)ΔLは、後述するようにドア101が所定の開放量Qだけ開動(つまり、微開放)するように吸収バネ14のバネ力を考慮して設定される。
【0032】
さらに図4(D)に示すように、突き出しロッド13の基端部分には突き出しロッド13の長手方向に長く形成された切欠き孔13Bが穿設されており、切欠き孔13Bに挿通されたリンク部材12は切欠き孔13Bの長手方向の長さ分だけ突き出しロッド13の進出位置あるいは後退位置に変位可能に構成されている。
突き出しロッド13の拡径部13Aよりも基端側には突き出しロッド13回りに遊嵌された状態に吸収バネ14が配設されており、この吸収バネ14は、一端がリンク部材12と当接し、他端が拡径部13Aと当接している。これにより、リンク部材12と突き出しロッド13とは吸収バネ14を介して動力伝達可能に接続されることになり、リンク部材12から伝達される突出力(突き出しロッド13が進出する方向にかかる力)は吸収バネ14を介して突き出しロッド13に伝達されることになる。
【0033】
このため、リンク部材12により突き出しロッド13を操作する際には、リンク部材12の一端から入力された操作力(突出力)が吸収バネ14の収縮分だけ鈍って突き出しロッド13に伝達することになり動力伝達ロスになるが、この吸収バネ14は、例えばドアラッチ1に不具合が生じるなどしてリンク部材12が作動する際にドア101が開放できない場合などに機能する。
【0034】
つまり、ドア101を開放できない場合とは、ドア101と車体100との相対変位が不能になっている場合であり、突き出しロッド13が突出してもその先端の車体100は動かない壁となるため、このような場合に、リンク部材12の操作力がそのまま突き出しロッド13に加わると、突き出しロッド13やリンク部材12を含んだ操作力伝達系に過剰な軸力或いは引張力が加わってしまい、操作力伝達系の損傷を招くおそれがある。そこで、リンク部材12と突き出しロッド13との間に吸収バネ14を介装し、このような場合に、リンク部材12の操作力を吸収しながら、リンク部材12と突き出しロッド13との間の相対変位、即ち、リンク部材12は動いても突き出しロッド13は動かない態様を許容できるようにしているのである。この場合、上記操作力伝達系に加わる軸力或いは引張力は、吸収バネ14で生じるバネ力程度に抑えられることになる。
【0035】
つまり、ここではワイヤ107,リンク部材12,吸収バネ14及び突き出しロッド13が圧縮力吸収機構として機能するようになっている。
したがって、吸収バネ14は、リンク部材12により突き出しロッド13を操作する観点からは可能な限り剛である(バネ定数Kaが大きい)ことが望ましいが、吸収バネ14自体の機能に着目すれば、ドア101の開放不能時に、上記の操作力伝達系をある程度余裕を持って保護できる程度には剛性を抑える(バネ定数Kaが過剰に大でない)ことが望ましい。このような観点から吸収バネ14の剛特性(バネ定数Ka)が設定されている。
【0036】
突き出しロッド13の拡径部13Aよりも先端側には突き出しバネ13回りに遊嵌された状態にリターンバネ15が配設されており、このリターンバネ15は、一端が拡径部13Aと当接し他端がカバー部材11と当接している。
リターンバネ15は、突き出しロッド13を後退位置(突き出しロッド13のカバー部材11からの突出量がドア閉鎖時の基準の突出量Lcとなる位置)となるように、突き出しロッド13が後退する方向(反突出方向:突出方向とは反対方向の力)に付勢している。なお、突き出しロッド13を後退位置(基準の突出量Lc)は突き出しロッド13の先端が車体100側と当接しない程度に設定され、突き出しロッド13はリンク部材12の操作力が加わらない通常時には図示しないストッパとリターンバネ15の付勢力とによってこの後退位置に保持されている。
【0037】
このようなリターンバネ15は、リンク部材12により突き出しロッド13を操作する力に抗する付勢力を発揮するため、リンク部材12により突き出しロッド13を操作する観点からは可能な限り軟である(バネ定数Krが小さい)ことが望ましいが、リターンバネ15本来の機能、即ち、通常時に突き出しロッド13を後退位置に保持できるだけの付勢力を発揮しうるだけの剛性は確保する(バネ定数Krが過剰の小でない)ことが望ましい。このような観点からリターンバネ15の剛特性(バネ定数Kr)が設定されている。
【0038】
また、突き出しロッド13の進出(突出)動作と後退動作を効果的に行うためには、リターンバネ15を吸収バネ14よりも柔らかい特性のもの、即ち、リターンバネ15のバネ定数Krを吸収バネ14のバネ定数Kaよりも小さいものに設定することが好ましい(Kr<Ka)。
【0039】
(作用効果)
本発明の一実施形態に係る自動車用ドアの開操作補助装置は上述のごとく構成されているので、以下のような作用および効果を奏する。
図5に示すように自動車用ドア101がロック(施錠)された状態でドア操作者がアウトサイドハンドル105に所定時間以上接触すると、アウトサイドハンドル105からECU106にキーレスオペレーション操作信号が入力され(T1時点)、ECU106は認証装置により、ドア101の解錠を行って良いか否かの認証を行う。
そして、ドア操作者がキーを所持していると認証された場合にはECU106からキー駆動アクチュエータ108にアンロック信号が送信されるとともにリリースアクチュエータ103に駆動信号が送信される。そして、アンロック信号を受けてキー駆動アクチュエータ108の図示しないモータが駆動する(T2時点)ことによりキーロック部材2がキーアンロック位置に回動されて自動車用ドア101が解錠される。
【0040】
一方、リリースアクチュエータ103は駆動信号を受けてアーム部103Aがラッチ閉鎖位置からラッチ開放位置へと回転駆動を開始し(T3時点)、アーム部103Aの駆動によりリンク部材4が図3中矢印aの方向に回転する。そして、リンク部材4のアーム部4Bを介してドアラッチ1のクロー1A及びポール1Bがそれぞれ矢印b,矢印cの方向に回転してドアラッチ1の係合が解除される(T4時点)。
【0041】
また、T3時点において、リリースアクチュエータ103のアーム部103Aが回転駆動することにより、ワイヤ107に引張力が加わり、図4(B)に示すように、この引張力によりドア微開放機構104のリンク部材12が回転される。
そして、リンク部材12の先端が突き出しロッド13の進出方向(進出位置)に変位し、吸収バネ14を介して突き出しロッド13に突出力(圧縮力)を伝達する。これにより突き出しロッド13がカバー部材11から進出して車体100のサイドシルあるいはBピラー(いずれも図示省略)部分に当接する。そして、さらに突き出しロッド13が進出することによって車体100からの反作用により突き出しロッド13を含む自動車用ドア101が開方向に付勢され、自動車用ドア101が所定のドア開放量Qだけ開動する(T5時点)。
【0042】
ここで、例えばドアラッチ1の係合解除が未完了であったり自動車用ドア101の外側に障害物が存在する等の何らかの不都合により自動車用ドア101が開動できない場合の作用について説明する。
図4(C)に示すように、何らかの不具合によって自動車用ドア101が開動できない状態では突き出しロッド13の先端が車体100に当接してもドア101が開かないので突き出しロッド13のそれ以上の突出が不可能である。このとき、ワイヤ107からリンク部材12を介して吸収バネ14に伝達された軸力により吸収バネ14が収縮する。つまり、突き出しロッド13が変位できない状態であっても吸収バネ14が収縮することによりリンク部材12は進出位置に変位し、即ち、リンク部材12と突き出しロッド13との相対変位が許容される。
【0043】
このように、本発明の一実施形態に係る自動車用ドアの開操作補助装置によれば、ドア操作者がキーを所持した状態でアウトサイドハンドル105に所定時間以上接触することにより自動車用ドア101の解錠とドアラッチ1の係合解除とを自動的に行うことができる。これによりドア操作者はドアラッチ1の係合が解除されたことを視覚的及び感覚的に理解することができ、ドア101の開操作を容易且つ適切に行うことができる。
【0044】
また、ドアラッチ1の係合解除用のアクチュエータであるリリースアクチュエータ103の駆動によるドアラッチ1の係合解除動作を利用してドア101の微開放を行うので、ドア微開放用のアクチュエータを新たに設けることなく一つのアクチュエータでドアラッチ1の係合解除とドア101の微開放とを行うことができる。
また、障害物などによりドア101の開動が不可能な場合であっても、突き出しロッド13の操作系部材に過剰な軸力(圧縮力,引張力)が生じることを防止して突き出しロッド13や車体100の突き出しロッド13と当接する箇所に損傷等が生じること防止することができる。
【0045】
また、ドア101が開動することができない場合には突き出しロッド13も変位できないが、リンク部材12は吸収バネ14の収縮により変位可能なのでリリースアクチュエータ103のアーム部103Aが回転できなくなることを防止でき、例えばリリースアクチュエータ103のモータの空回りによるモータの損傷等の不具合を回避することができるとともにドアラッチ1の係合解除動作が阻害されることはない。
【0046】
ドアラッチ1の係合解除動作の阻害を防止する点についてさらに詳しく説明すると、本実施形態ではリリースアクチュエータ103の駆動によりドアラッチ1の係合解除動作とドアの微開放動作とを同時に行うので、ドア微開放機構104によるドア微開放動作(突き出しロッド13の突出)が開始された時点においてもドアラッチ1の係合解除が未完了である状態がある(図5のT3〜T4の期間参照)。
【0047】
このような場合には、ドアラッチ1が係合状態であるので、突き出しロッド13に突出力が印可されてもドア101を開動できず、突き出しロッド13が突出することができない。
このとき、吸収バネ14の収縮によってリンク部材12と突き出しロッド13との相対変位が許容されなければ、リンク部材12,ワイヤ107及びリリースアクチュエータ103のアーム部103Aも変位不可能となりアーム部103Aと接続されているリンク部材9及びリンク部材4の回転も不可能であり、ドアラッチ1の係合解除動作が阻害されることが考えられる。
【0048】
しかしながら、吸収バネ14が収縮することによりリンク部材12が変位可能であるので、リリースアクチュエータ103のアーム103Aの回転が禁止されることなくドアラッチ1の係合解除動作が阻害されることを防止することができる。そして、ドアラッチ1の係合解除が完了した時には収縮した吸収バネ14の付勢力により突き出しロッド13が突出してドア101を微開放されることができる。
【0049】
なお、ドア101が所定の開度Qまで開放された後は(図5のT5時点)リリースアクチュエータ103の駆動力がオフとなるのでリターンバネ15の付勢力により突き出しロッド13の突出量が基準の突出量Lcとなるので、ドア101を閉じる際に突き出しロッド13の先端が車体100に接触する等してドア101の閉動を阻害することがなく、良好なドアの閉まり性を確保できるという効果も得られる。
【0050】
(変形例)
次に、本発明の変形例について図6を用いて説明する。図6は本発明の変形例に係る自動車用ドアの開操作補助装置を説明するためのものであって、図6(A)〜(C)はいずれも圧縮力吸収構造の構成を模式的に示す図である。
なお、本変形例は一部を除いて上述の実施形態のものと同様に構成されており実施形態のものと同様であるものについては説明を省略するとともに同符号を用いて説明する。
図6(A)に示すように、本変形例では軸部10を中心に回転可能なアーム部材20が配設されてワイヤ107がアーム部材20と接続されており、リンク部材9とアーム部材20とが連結バネ21を介してそれぞれの回転力を伝達可能に接続されている点で実施形態のものと異なっている。また、ここでは図示省略するがドア微開放機能104の吸収バネ14が省略されリンク部材12から突き出しロッド13に直接突出力(圧縮力)が伝達されるようになっている点でも実施形態のものと異なっている。
【0051】
なお、リンク部材9とアーム部材20とは連結バネ21を介してのみ回転力が伝達されるようになっており、連結バネ21を除けばリンク部材9とアーム部材20とはそれぞれ独立して回転するようになっている。
連結バネ21のバネ定数(バネ力)Kcはリンク部材9の回転力をアーム部材20に伝達することでアーム部材20からワイヤ107,リンク部材12を介してドア101が所定の開度だけ開動(つまり、微開放)するのに十分な突出力(圧縮力)を突き出しロッド13に付与可能であるとともに、突き出しロッド13に基準以上の過剰な圧縮力が加わる場合には連結バネ21が収縮してアーム部材20とリンク部材9との相対変位を吸収することにより、突き出しロッド13に生じる圧縮力を吸収可能な値に設定されている。つまり、ここではリンク部材9,アーム部材20,連結バネ21,ワイヤ107,リンク部材12,及び突き出しロッド13が圧縮力吸収機構として機能するようになっている。
【0052】
このように本発明の実施形態の変形例に係る自動車用ドアの開操作補助装置によれば、実施形態のものと同様にドア操作者がキーを所持した状態でアウトサイドハンドル105に所定時間以上接触することにより自動車用ドア101の解錠が自動的に行われる。また、図6(B)に示すように、リリースアクチュエータ103のアーム部103Aがラッチ閉鎖位置からラッチ開放位置へと回転駆動することによりリンク部材4が回転してドアラッチ1の係合が解除される。
【0053】
このとき、ドアラッチ1の係合解除用のリリースアクチュエータ103のアーム部103Aの回転駆動力は連結バネ21を介してアーム部材20に伝達されてこの回転駆動力によりアーム部材20が回転することによりリリースアクチュエータ103の回転駆動力がドア微開放機構104に伝達されてドア101を微開放するので、ドア微開放用のアクチュエータを新たに設けることなくドアラッチ1の係合解除とドア101の微開放とを自動的に行うことができる。これによりドア操作者はドアラッチ1の係合が解除されたことを視覚的及び感覚的に理解することができ、ドア101の開操作を容易且つ適切に行うことができる。
【0054】
また、障害物などによりドア101の開動が不可能である場合には突き出しロッド13の突出ができず、突き出しロッド13,リンク部材12,ワイヤ107,アーム部材20の変位ができないことになるが、図6(C)に示すように連結バネ21が収縮することによりリンク部材9は変位可能であるので、ドア101が開動できない場合であっても突き出しロッド13に生じる過剰な圧縮力が吸収され、突き出しロッド13及び車体100の突き出しロッド13と当接する箇所に損傷が生じることを防止することができる。また、リリースアクチュエータ103のアーム部103Aの回転が不可能になることを防止してリリースアクチュエータのモータの損傷等の不具合を回避することができる。さらに、各リンク部材4,9も回転可能なのでドアラッチ1の係合解除動作が阻害されることを防止することができる。
【0055】
(その他)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の実施形態では突き出し部材として突き出しロッドを用いたが、突き出し部材としてはこれに限らず、回転リンク等の機構を用いてドアを車体に対して押し開くようにしてもよい。
また、上述の実施形態では車体に対して回動するヒンジ式の自動車用ドアを例として説明したがドアの形式はこれに限らず本発明をスライド式の自動車用ドアに適用してもよい。
【0056】
また、ドアの微開放にかかる所定のドア開度についても適宜設定可能であるが、実施形態のようにヒンジ式のドアに本発明の自動車用ドアの開操作補助装置を適用する場合にはドア操作者がドアラッチの係合解除を視覚的に認識することができるとともにドアの外側の障害物(通行人や壁など)とドアとの接触を回避することを考慮して微開放にかかるドアの開度は100ミリメートル程度に設定することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態に係る自動車用ドアの開操作補助装置を説明するためのものであって、自動車用ドアの開操作補助装置の概略構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る自動車用ドアの開操作補助装置を説明するためのものであって、本発明の制御系のブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る自動車用ドアの開操作補助装置を説明するためのものであって、ドアの係合機構とリリースアクチュエータとの構成を模式的に示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る自動車用ドアの開操作補助装置を説明するためのものであって、図4(A)〜(D)はいずれもドア微開放機構及び圧縮力吸収構造の構成を模式的に示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る自動車用ドアの開操作補助装置を説明するためのものであって、各部材の作動状態の対応関係を経時的に示す作動チャートである。
【図6】本発明の実施形態の変形例に係る自動車用ドアの開操作補助装置を説明するためのものであって、図6(A)〜(C)はいずれも圧縮力吸収構造の構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1 ドアラッチ
1A クロー
1B ポール
2 キーロック部材
2A 軸部
3 キーシリンダ
4 リンク部材
4A,4B アーム部
5 ロックロッド
6 ロックケーブル
7 オープンロッド
8 オープンケーブル
9 リンク部材
10 軸部
11 カバー部材
12 リンク部材
12A 軸部
13 突き出しロッド
13A 拡径部
13B 切欠き部
14 吸収バネ
15 リターンバネ
20 アーム部材
21 連結バネ
100 車体
101 ドア(自動車用ドア)
102 ドアラッチ部(係合機構)
103 リリースアクチュエータ
103A アーム部(可動部)
104 ドア微開放機構
105 アウトサイドハンドル
105a キーレスオペレーションスイッチ
106 ECU
107 ワイヤ
108 キー駆動アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体のドア開口に開閉可能に取り付けられた自動車用ドアに装備され、
前記車体に設けられた係合部と前記自動車用ドアとを係合する係合機構と、
前記係合部と前記係合機構との係合が解除されているときに前記自動車用ドアを所定の開度だけ開動させて前記自動車用ドアを微開放させるドア微開放機構と、
前記係合機構と前記ドア微開放機構とに機械的に接続され前記係合部と前記係合機構との係合を解除するとともに前記ドア微開放機構を作動させるリリースアクチュエータと、
所定のドア開放操作が行われると前記リリースアクチュエータを作動させるコントローラと、を備えた
ことを特徴とする、自動車用ドアの開操作補助装置。
【請求項2】
前記リリースアクチュエータは前記係合部と前記係合機構との係合を解除する可動部を有し、
前記可動部は前記ドア微開放機構と連結され、
前記ドア微開放機構は、前記可動部が前記係合部と前記係合機構との係合を解除する係合解除動作を行った際に、前記係合解除動作と連動して前記自動車用ドアを微開放させる
ことを特徴とする、請求項1記載の自動車用ドア開操作補助装置。
【請求項3】
前記リリースアクチュエータの前記可動部はワイヤを介して前記ドア微開放機構と接続される
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の自動車用ドアの開操作補助装置。
【請求項4】
前記ドア微開放機構は前記自動車用ドアに進退可能に突設され、前記リリースアクチュエータの前記係合解除動作により前記自動車用ドアから突出して前記車体側に当接し、前記自動車用ドアを微開放させる突き出し部材である
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動車用ドアの開操作補助装置。
【請求項5】
前記ワイヤと前記突き出し部材とが回転軸を中心に回転するアームを介して接続されている
ことを特徴とする、請求項4記載の自動車用ドアの開操作補助装置。
【請求項6】
前記リリースアクチュエータと前記突き出し部材との間には、前記係合部と前記係合機構とが非解除状態で、前記突き出し部材に前記リリースアクチュエータから前記係合解除動作の操作力が加えられた際に、前記突き出し部材に生じる圧縮力を吸収する圧縮力吸収機構が備えられている
ことを特徴とする、請求項4又は5記載の自動車用ドアの開操作補助装置。
【請求項7】
前記圧縮力吸収機構は、前記突き出し部材と前記ワイヤとが弾性部材を介して接続されることにより構成される
ことを特徴とする、請求項6記載の自動車用ドアの開操作補助装置。
【請求項8】
前記圧縮力吸収機構は、前記リリースアクチュエータの前記可動部と前記ワイヤとが弾性部材を介して接続されることにより構成される
ことを特徴とする、請求項6記載の自動車用ドアの開操作補助装置。
【請求項9】
前記突き出し部材は、非突出時には前記突き出しロッドの先端が前記車体側に接触しないように突出する方向とは逆方向に付勢されている
ことを特徴とする、請求項4〜8のいずれか1項に記載の自動車用ドアの開操作補助装置。
【請求項10】
前記係合部と前記係合機構との係合をロックするドアロック手段を備え、
前記コントローラは、前記リリースアクチュエータを作動させるのに先立って、前記ドアロック手段によるロックを解除する
ことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の自動車用ドアの開操作補助装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−332681(P2007−332681A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−166502(P2006−166502)
【出願日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】