説明

舌映像からの関心領域の抽出方法及び舌映像を利用した健康モニタリング方法及び装置

【課題】 舌映像からの関心領域の抽出方法及び舌映像を利用した健康モニタリング方法及び装置を提供する。
【解決手段】 (a)各個人別に撮影された舌映像、テンプレート映像と少なくとも一つ以上の特徴要素に対する健康状態の判別結果を対応させたデータベースを構築する段階と、(b)個人の舌映像から分割された舌領域でテンプレート整合を利用して関心領域を抽出する段階と、(c)前記(b)段階で抽出された関心領域に対して少なくとも一つ以上の特徴要素を検出する段階と、(d)前記(c)段階で検出された特徴要素と前記データベースから検索される健康状態別の当該関心領域の特徴要素とから追跡される舌の状態変化から個人の健康状態を判別する段階と、よりなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は健康モニタリングに係り、特に、舌映像から関心領域を抽出し、舌の関心領域から抽出される特徴要素を利用して健康状態を判別するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近生活環境が大きく改善され、生活条件が良くなるにつれて個人の健康に対する関心が高まっている。その結果、随時に個人の健康状態を容易に点検できる家庭用医療機器の開発に多くの研究が進められており、新製品が続々開発されている。人体内で健康状態を判別できる尺度は色々ありえるが、そのうち、測定の便宜上血圧や糖を一般的に使用している。このような尺度に付け加えて、人体で舌はその状態によって内部臓器に関する多くの情報を提供する。例えば、正常状態では薄いミルク色の薄い舌あかがあり、健康なピンク色を帯びる一方、肝や消化器官の機能失調を表す場合には舌の側面で舌が腫れている状態、舌が薄くなったり乾燥して縮んだ状態、黄色っぽくなったり灰色になったり、また厚い舌あかがある状態、または全く舌あかなしにつやつやになる状態から判別できる。
【0003】
また、最近には舌の状態と内臓癌または旱熱症候群のような関係を立証した多数の論文(非特許文献1〜4)が発表された。論文の例は、次の通りである。
しかし、このように舌あか、舌色、舌形のような舌の状態によって病気の侵入過程と病気の進行過程を判別できる装備は、その自体が高コストであるため、病院に設置され、したがって、診断のためには患者が来院しなければならないので、個人の日常健康のモニタリングのためには適していない。
【非特許文献1】Chuang−Chien Chiu,“A novel approach based on computerized image analysis for traditional Chinese medical diagonosis of the tongue”(Computer Methods and Programs in Biomedicine 61,pp.77−89,2000)
【非特許文献2】Yang Cai,“A novel imaging system for tongue inspection”(IEEE Instrumentation and Measurement Technology Conference,pp.159−163,2002)
【非特許文献3】Yao,Paotai,“Comparison of TCM tongue images with gastroscopy images”(Shangdong S&T Publisher,1996(inChinese))
【非特許文献4】Tadashi,Watsujiら,“Medical application of fuzzy theory to the diagnostic system of tongue inspection in traditional Chinese medicine”(IEEE International Fuzzy Systems Conference Proceedings,pp.145−148,1999)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、舌映像から舌尖、舌中、舌辺及び舌根のような関心領域を抽出するための方法を提供することである。
【0005】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、舌映像から抽出された関心領域の少なくとも一つ以上の特徴要素を利用して健康状態を判別するための方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を達成するために本発明による舌映像からの関心領域の抽出方法は、(a)各個人別に関心領域が設定されたテンプレート映像と個人情報とを対応させたデータベースを構築する段階と、(b)健康状態を判別しようとする個人の舌映像から舌領域を分割する段階と、(c)前記(b)段階で分割された舌領域を前記データベースに保存されたテンプレート映像と整合させる段階と、(d)前記(c)段階で整合されたテンプレート映像から関心領域を抽出する段階と、を含む。
【0007】
前記他の課題を達成するために本発明による舌映像を利用した健康モニタリング方法は、(a)各個人別に撮影された舌映像、テンプレート映像と少なくとも一つ以上の特徴要素に対する健康状態の判別結果を対応させたデータベースを構築する段階と、(b)健康状態を判別するために個人の舌映像から分割された舌領域でテンプレート整合を利用して関心領域を抽出する段階と、(c)前記(b)段階で抽出された関心領域に対して少なくとも一つ以上の特徴要素を検出する段階と、(d)前記(c)段階で検出された特徴要素と前記データベースから検索される健康状態別の当該関心領域の特徴要素から追跡される舌の状態変化から個人の健康状態を判別する段階と、を含む。
【0008】
前記他の課題を達成するために本発明による舌映像を利用した健康モニタリング装置は、各個人別に撮影された舌映像、テンプレート映像と少なくとも一つ以上の特徴要素に対する健康状態の判別結果を対応させた舌映像データベースと、健康状態を判別しようとする個人の舌映像を獲得する舌映像獲得部と、前記舌映像獲得部から提供される舌映像に対してしきい値化を行って舌領域を分割し、分割された舌領域と前記舌映像データベースに保存された基本テンプレート映像とのテンプレート整合を通じて関心領域を抽出する関心領域抽出部と、前記関心領域抽出部から抽出された関心領域に対して少なくとも一つ以上の特徴要素に対するデータを生成する特徴抽出部と、前記特徴抽出部から検出された各関心領域別の特徴要素に対するデータと前記舌映像データベースに保存された当該関心領域の特徴要素に対するデータとを比較する比較部と、前記比較部から提供される比較結果によって個人の健康状態を判別し、前記個人で判別結果を通報する健康状態判別部と、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、舌映像を利用した健康モニタリング装置をデジタルカメラが装着された移動通信機器自体に具現することによってデジタルカメラを利用して容易に獲得できる各個人の舌映像から抽出された舌中、舌根、舌辺または舌尖に対する関心領域の状態変化に基づいて簡便に個人の健康状態を自家診断できるので、個人の健康管理に寄与できる。
【0010】
また、デジタルカメラから獲得した各個人の舌映像を本発明による舌映像処理部及び舌映像データベースが設置された遠隔地のヘルスケアサービスセンターで有線または無線で伝送することによって特徴要素の比較による健康状態の判別方法と共に漢方医のような専門家からさらに精密な診断を受けることができる。
【0011】
また、舌映像処理部及び舌映像データベースを移動通信機器の事業者のサーバーまたは病院のサーバーに具現することによって当該事業者または病院の広報効果を極大化できるだけでなく、付加サービスを提供することによって付加価値を創出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい一実施例について詳細に説明する。
図1は、本発明による舌映像を利用した健康モニタリング装置の構成を示すブロック図であって、舌映像獲得部11、舌映像処理部13及び舌映像データベース15よりなる。
【0013】
舌映像獲得部11は、通常デジタルカメラよりなり、専用撮影機器、個人用コンピュータに付着されたカメラまたは移動通信端末機に付着されたカメラを例として挙げられる。舌映像獲得部11は、健康状態を判別しようとする個人の舌を毎日または必要時に食物の摂取前に全体が見えるように撮影して舌映像を獲得し、獲得された舌映像を舌映像処理部13に供給する。舌映像獲得時に舌映像のカラー歪曲を減らすために一定の照度環境下で撮影し、カラーチェッカーを利用して舌映像のカラーを補正することが望ましい。一方、舌映像獲得時、各個人はほとんど一定の形態、例えば、長さまたは角度に舌を出すと仮定する。
【0014】
舌映像処理部13は、舌映像獲得部11から提供される舌映像でしきい値化及び基本舌映像とのテンプレート整合を利用して舌尖、舌中、舌辺または舌根のような関心領域を抽出した後、抽出された関心領域に対して舌映像データベース15に保存された基本舌映像及び獲得された舌映像を所定の特徴要素を利用して比較する。また、これと共に各関心領域の舌質や舌あかを所定の特徴要素を利用して比較し、漢方医学的な根拠に基づいて健康状態を判別できる。
【0015】
舌映像データベース15は、個人別識別子を含む個人情報、舌映像獲得部11を通じて獲得される各個人別舌映像、関心領域が設定された舌のテンプレート映像、各関心領域に対する健康状態別または日時別の特徴要素データを相互対応させてデータベース化したものである。
【0016】
前記健康モニタリング装置において、舌映像獲得部11、舌映像処理部13及び舌映像データベース15は、一つの統合された装置に具現するか、または各々分離して具現できる。統合された装置に具現する場合、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)のような個人用移動通信機器に具現できる。この場合、舌映像データベース15は、移動通信機器の所有者の舌映像に対する個人情報、舌情報及び舌の特徴を保存する。各々を分離して具現する場合、有線または無線通信を利用して各構成要素間のデータ送受信を行い、この時に舌映像処理部13及び舌映像データベース15は、ヘルスケアサービスセンターまたは個人用コンピュータに具現できる。ここで、ヘルスケアサービスセンターは、移動通信機器の事業者サーバーまたは病院サーバーとなりうる。一方、舌映像データベース15だけを分離して具現でき、必要な場合、舌映像データベース15から有線または無線で遠隔地にある漢方医に舌映像を伝送して漢方医学的な理論に基づいて健康状態の判別と健康状態に必要な措置とを受けることができる。
【0017】
図2は、図1において舌映像処理部13の細部的な構成を示すブロック図であって、色相補正部21、関心領域抽出部23、特徴抽出部25、比較部27及び健康状態判別部29よりなる。
【0018】
色相補正部21では、舌映像獲得部11で舌映像獲得時に周囲照明の影響によって舌の色相が歪曲される場合に対応して舌映像が獲得された後、舌映像のカラーを補正する。このために舌映像獲得部11では、舌映像獲得時に舌映像に現れるように複数の色相で構成されたカラーチェッカーを生成して保存し、色相補正部21では舌映像獲得部11から提供されるカラーチェッカーと舌映像に現れたカラーチェッカーとを比較して各色相の差値を求め、求められた色相差値を基準として色相の補正程度を決定する。ここで、色相補正部21は、必ず備わる必要はなく、舌映像撮影環境によってオプションとして備えられる。
【0019】
関心領域抽出部23では、色相補正部21から色相が補正された舌映像と舌映像データベース15に保存された各個人別の舌の基本テンプレート映像とを整合させて舌尖、舌中、左舌辺、右舌辺及び舌根のような関心領域を抽出する。
【0020】
特徴抽出部25は、関心領域抽出部23から抽出された各関心領域の特徴要素を検出するが、関心領域別にHSI(Hue Saturation Intensity)カラー座標においてカラー値のヒストグラム、カラー値の平均、偏差、エントロピー、テクスチャーのような特徴要素を検出できる。
【0021】
比較部27は、特徴抽出部25から検出された舌の各関心領域の特徴要素と当該個人によって検索された舌映像データベース15に保存された個人の健康状態別または日時別のテンプレート映像の関心領域の特徴要素とを比較する。
【0022】
健康状態判別部29は、健康状態による各特徴要素のデータ範囲がすでに設定されており、比較部27から提供される比較結果を利用して個人の健康状態を追跡または判別する。例えば、舌映像データベース15に保存された健康な状態及び疲れている状態である時の舌尖部位のHSIヒストグラムから得られるH、S、I値と現在獲得された舌映像の舌尖部位のHSIヒストグラムから得られるH、S、I値の比較結果とによって現在の健康状態を追跡または判別できる。また、このような特徴要素の比較結果によって関心領域の舌質及び舌あかの状態を把握して漢方医学的な理論に基づいて個人の健康状態を判別することもある。
【0023】
次の表1は、漢方医学的な理論に基づいた舌の部位別の当該臓部及び健康状態を示すものである。
【0024】
【表1】



【0025】
図3は、図2において関心領域抽出部23の動作を説明するためのフローチャートであって、テンプレート映像生成段階(31)、口内領域分割段階(33)、テンプレート映像整合段階(35)及び関心領域抽出段階(37)よりなる。
【0026】
31段階では、各個人別に舌のテンプレート映像を生成して舌映像データベース15に保存する。31段階に対して、図4Aないし図4Dと結び付けてさらに細部的に説明すれば、次の通りである。
【0027】
舌のテンプレート映像を生成するためには、まず舌映像獲得部11で獲得された舌映像に対してしきい値化を利用して舌映像で上側から約1/4地点に位置する口内領域と残りの舌領域とを分割する。舌映像(図4A)に対するしきい値化は、次の式(1)を利用して行われる。
【0028】
【数1】



【0029】
g(x)は、口内領域を表すピクセル値であり、0または1の値を有しうる。Tは、しきい値として実験的に求められ、例えば、70を使用できる。一方、f(x)は、各ピクセルのR、G、Bのうち少なくとも一つ以上の値を使用するか、例えば、HSIカラー座標系で照度に当るI(x)を使用できる。この時、RGBカラー値からI(x)を得るためには、次の数式2に表現されたRGB/HSIカラー座標系変換式を利用する。ここでは、RGB及びHSIカラー座標系を例と挙げたが、CMY、YIQまたはHSVカラー座標系のような多様なカラー座標系を使用してもよい。
【0030】
【数2】



【0031】
このように、舌映像獲得部11から提供される舌映像(図4A)に前記式(1)によるしきい値化を適用した結果、図4B及び図4Cのように各ピクセルに対するg(x)の値が各々‘1’と‘0’に設定された領域401,402を分離する。ここで、領域401が口内領域に当り、領域402が舌領域に当る。
【0032】
次いで、図4Dのように舌映像(図4A)から分離された舌領域402に対して、口内領域401の下部の両終点431,432と舌領域402の下部の終点とによって生成される3つの辺411,412,413よりなる三角形を設定する。三角形領域を利用して、図5に示されたような形態に関心領域を設定する。図5において、“R1”は舌尖、“R2”は舌中、“R3”は左舌辺と右舌辺、“R4”は舌根を各々表す。すなわち、R2は、舌領域402で中央部位の所定領域、R4は、辺411の中央に当る所定領域、R3は、各々辺413,412の中央から舌の外側部に当る所定領域、R1は、2つの辺413,412がなす頂点付近の所定領域に設定する。
【0033】
33段階では、健康状態を判別しようとする個人の舌映像を舌映像獲得部11を通じて獲得し、前記31段階でのテンプレート映像生成時と同様にしきい値化を適用して口内領域401と舌領域402とを分割する。
【0034】
35段階では、前記33段階で分割された舌領域402に対して口内領域401の両終点431,432から舌の幅Wを求め、辺411の左側終点から始まる水平線414及び辺411から延びたライン416からの舌の回転角度a、2つの平行線415,416間の距離から舌の長さdを各々求める。このように求められた舌の幅W、舌の回転角度a及び舌の長さdのようなテンプレート特徴要素を利用してテンプレート映像と整合させる。
【0035】
37段階では、獲得された舌映像で前記35段階で整合されたテンプレート映像を利用してR1、R2、R3、R4のうち少なくとも一つ以上よりなる関心領域を抽出する。
【0036】
次いで、舌映像データベース15に保存された基本舌映像と舌映像獲得部11で獲得された舌映像とを一例として挙げて健康状態を判別する過程を簡単に説明する。
【0037】
図6Aは、舌映像データベース15に保存された少し疲れている状態に対する基本舌映像であり、図6Bは舌映像獲得部11で獲得された非常に疲れている状態に対する舌映像であって、基本舌映像及び獲得された舌映像において舌尖に対する関心領域71,73の探索例が図7A及び図7Bに各々示されており、舌中に対する関心領域81,83の探索例が図8A及び図8Bに各々示されている。
【0038】
図9Aは、図7Aにおいて舌尖に対する関心領域71、図9Bは、図7Bにおいて舌尖に対する関心領域73のHSIカラー座標のカラー値に対するヒストグラムを各々示し、図10Aは、図8Aにおいて舌中に対する関心領域81、図10Bは、図8Bにおいて舌中に対する関心領域83のHSIカラー座標のカラー値に対するヒストグラムを各々示す。
【0039】
図9Aないし図10Bに示されたヒストグラムから獲得される舌映像の部位別の特徴の一例、すなわち、HSI値の平均±標準偏差は、次の表2に示されたようである。
【0040】
【表2】



【0041】
前記表2に示されたように、健康状態によってHSI値で差が生じ、特に、H値が大きい差を示すことが分かる。
【0042】
前記本発明の実施例は、コンピュータで読取れる記録媒体にコンピュータがリードできるコードとして具現できる。例えば、舌映像からの関心領域の抽出方法は、各個人別に撮影されたテンプレート映像を個人情報と対応させたデータベースを構築する第1プログラム、健康状態を判別しようとする個人の舌映像に対して口内領域と舌領域とを分割する第2プログラム、前記第2プログラムによって分割された舌領域に対して算出された舌の幅、舌の回転角度及び舌の長さを利用してテンプレート映像との整合を行う第3プログラム、及び前記第3プログラムによって整合されたテンプレート映像から関心領域を抽出する第4プログラムをコンピュータがリードできる記録媒体に記録させて具現できる。
【0043】
一方、コンピュータがリードできる記録媒体は、コンピュータシステムによって読取られるデータが保存される全ての種類の記録装置を含む。コンピュータがリードできる記録媒体の例としては、ROM、RAM、CD−ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データ保存装置があり、またキャリヤーウェーブ(例えば、インターネットを通じた伝送)の形態に具現されるものも含む。また、コンピュータがリードできる記録媒体は、ネットワークに連結されたコンピュータシステムに分散され、分散方式でコンピュータがリードできるコードが保存され、かつ実行されうる。そして本発明を具現するための機能的なプログラム、コード及びコードセグメントは、当業界のプログラマーによって容易に推論されうる。
【0044】
以上、図面と明細書で最適の実施例が開示された。ここで、特定の用語が使われたが、これは単に本発明を説明するための目的で使われたものであり、意味限定や特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するために使われたものではない。したがって、当業者なら、これから多様な変形及び均等な他の実施例が可能であることが分かる。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決まらなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は移動通信機器やコンピュータに適用して各個人の健康状態に対する自家診断を可能にすると同時に、撮像された舌映像を遠隔地の専門家に伝送してさらに精密な診断を可能にし、この診断結果を体系的に管理することによって健康状態を持続的にモニタリングできる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の望ましい実施例による舌映像を利用した健康モニタリング装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1において、舌映像処理部の細部的な構成を示すブロック図である。
【図3】図2において、関心領域抽出部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4A】データベースに保存されるテンプレート映像形成及び整合過程を説明する図面である。
【図4B】データベースに保存されるテンプレート映像形成及び整合過程を説明する図面である。
【図4C】データベースに保存されるテンプレート映像形成及び整合過程を説明する図面である。
【図4D】データベースに保存されるテンプレート映像形成及び整合過程を説明する図面である。
【図5】舌領域において、舌尖、舌中、左舌辺と右舌辺、舌根部位を説明するための図面である。
【図6A】図1において舌映像獲得部から獲得された舌映像及び舌映像データベースに保存された基本舌映像の例である。
【図6B】図1において舌映像獲得部から獲得された舌映像及び舌映像データベースに保存された基本舌映像の例である。
【図7A】図6に示された舌映像から抽出された舌尖に対する関心領域の例である。
【図7B】図6に示された舌映像から抽出された舌尖に対する関心領域の例である。
【図8A】図6に示された舌映像から抽出された舌中に対する関心領域の例である。
【図8B】図6に示された舌映像から抽出された舌中に対する関心領域の例である。
【図9A】図7から抽出された舌尖部位に対するHSIカラー座標系でのヒストグラムを示すグラフである。
【図9B】図7から抽出された舌尖部位に対するHSIカラー座標系でのヒストグラムを示すグラフである。
【図10A】図8から抽出された舌中部位に対するHSIカラー座標系でのヒストグラムを示すグラフである。
【図10B】図8から抽出された舌中部位に対するHSIカラー座標系でのヒストグラムを示すグラフである。
【符号の説明】
【0047】
11 舌映像獲得部
13 舌映像処理部
15 舌映像データベース
21 色相補正部
23 関心領域抽出部
25 特徴抽出部
27 比較部
29 健康状態判別部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)各個人別に関心領域が設定されたテンプレート映像と個人情報とを対応させたデータベースを構築する段階と、
(b)健康状態を判別しようとする個人の舌映像から舌領域を分割する段階と、
(c)前記(b)段階で分割された舌領域を前記データベースに保存されたテンプレート映像と整合させる段階と、
(d)前記(c)段階で整合されたテンプレート映像から関心領域を抽出する段階と、を含む舌映像からの関心領域の抽出方法。
【請求項2】
前記(b)段階以前に前記獲得された舌映像の色相をカラーチェッカーを利用して補正する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の舌映像からの関心領域の抽出方法。
【請求項3】
前記(b)段階は、前記舌映像の各ピクセルに対して所定のしきい値を利用してしきい値化を行って口内領域と舌領域とを形成した後、前記舌領域を分割することを特徴とする請求項1に記載の舌映像からの関心領域の抽出方法。
【請求項4】
前記舌映像の各ピクセルのR、G、Bカラー値のうち少なくとも一つ以上のカラー値を利用してしきい値化を行うことを特徴とする請求項3に記載の舌映像からの関心領域の抽出方法。
【請求項5】
前記舌映像の各ピクセルのR、G、Bカラー値をHSIカラー値に変換し、変換されたI値を利用してしきい値化を行うことを特徴とする請求項3に記載の舌映像からの関心領域の抽出方法。
【請求項6】
前記(c)段階は、
(c1)前記(b)段階で分割された舌領域に対して舌の幅、舌の回転角度及び舌の長さを算出する段階と、
(c2)前記(c1)段階で算出された舌の幅、舌の回転角度及び舌の長さを利用して前記テンプレート映像との整合を行う段階と、よりなることを特徴とする請求項1に記載の舌映像からの関心領域の抽出方法。
【請求項7】
前記関心領域は、舌中、舌根、舌辺及び舌尖のうち少なくとも一つ以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の舌映像からの関心領域の抽出方法。
【請求項8】
コンピュータに
各個人別に撮影されたテンプレート映像を個人情報と対応させたデータベースを構築する第1手順と、
健康状態を判別しようとする個人の舌映像に対して、前記舌映像に対して口内領域と舌領域とを分割する第2手順と、
前記第2手順によって分割された舌領域に対して算出された舌の幅、舌の回転角度及び舌の長さを利用してテンプレート映像との整合を行う第3手順と、
前記第3手順によって整合されたテンプレート映像から関心領域を抽出する第4手順と、を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【請求項9】
(a)各個人別に撮影された舌映像、テンプレート映像と少なくとも一つ以上の特徴要素に対する健康状態の判別結果を対応させたデータベースを構築する段階と、
(b)健康状態を判別するために個人の舌映像から分割された舌領域でテンプレート整合を利用して関心領域を抽出する段階と、
(c)前記(b)段階で抽出された関心領域について少なくとも一つ以上の特徴要素を検出する段階と、
(d)前記(c)段階で検出された特徴要素と前記データベースから検索される健康状態別の当該関心領域の特徴要素とから追跡される舌の状態変化から個人の健康状態を判別する段階と、を含む舌映像を利用した健康モニタリング方法。
【請求項10】
前記(b)段階で前記舌映像から前記舌領域を分割するために、前記舌映像の各ピクセルに対して所定のしきい値を利用してしきい値化を行って前記舌領域を分割することを特徴とする請求項9に記載の舌映像を利用した健康モニタリング方法。
【請求項11】
前記舌映像の各ピクセルのR、G、Bカラー値のうち少なくとも一つ以上のカラー値を利用してしきい値化を行うことを特徴とする請求項10に記載の舌映像を利用した健康モニタリング方法。
【請求項12】
前記舌映像の各ピクセルのRGBカラー値をHSIカラー値に変換し、変換されたI値を利用してしきい値化を行うことを特徴とする請求項10に記載の舌映像を利用した健康モニタリング方法。
【請求項13】
前記(c)段階で前記特徴要素は、各関心領域別にHSIカラー座標系のヒストグラムから得られるH、SまたはI値の平均値であることを特徴とする請求項9に記載の舌映像を利用した健康モニタリング方法。
【請求項14】
前記方法は、
(e)前記(d)段階で判別された健康状態を有線または無線によって各個人に通報する段階をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の舌映像を利用した健康モニタリング方法。
【請求項15】
前記関心領域は、舌中、舌根、舌辺及び舌尖のうち少なくとも一つ以上を含むことを特徴とする請求項9に記載の舌映像を利用した健康モニタリング方法。
【請求項16】
コンピュータに
各個人別に撮影された舌映像、テンプレート映像と少なくとも一つ以上の特徴要素に対する健康状態の判別結果を対応させたデータベースを構築する第1手順と、
健康状態を判別するために個人の舌映像から分割された舌領域でテンプレート整合を利用して関心領域を抽出する第2手順と、
前記抽出された関心領域に対して少なくとも一つ以上の特徴要素を検出する第3手順と、
前記検出された特徴要素及び前記データベースから検索される健康状態別の当該関心領域の特徴要素から追跡される舌の状態変化から個人の健康状態を判別する第4手順と、を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【請求項17】
各個人別に撮影された舌映像、テンプレート映像と少なくとも一つ以上の特徴要素に対する健康状態の判別結果を対応させた舌映像データベースと、
健康状態を判別しようとする個人の舌映像を獲得する舌映像獲得部と、
前記舌映像獲得部から提供される舌映像に対してしきい値化を行って舌領域を分割し、分割された舌領域及び前記舌映像データベースに保存されたテンプレート映像とのテンプレート整合を通じて関心領域を抽出する関心領域抽出部と、
前記関心領域抽出部から抽出された関心領域に対して少なくとも一つ以上の特徴要素に対するデータを生成する特徴抽出部と、
前記特徴抽出部から検出された各関心領域別の特徴要素に対するデータと前記舌映像データベースに保存された当該関心領域の特徴要素に対するデータとを比較する比較部と、
前記比較部から提供される比較結果によって個人の健康状態を判別し、前記個人で判別結果を通報する健康状態判別部と、を含む舌映像を利用した健康モニタリング装置。
【請求項18】
前記装置は、前記舌映像獲得部で獲得された舌映像の色相をカラーチェッカーを利用して補正し、補正された舌映像を前記関心領域抽出部に提供する色相補正部をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の舌映像を利用した健康モニタリング装置。
【請求項19】
前記関心領域抽出部は、前記舌領域に対して算出される舌の幅、舌の回転角度及び舌の長さを利用してテンプレート整合を行うことを特徴とする請求項17に記載の舌映像を利用した健康モニタリング装置。
【請求項20】
前記装置は、デジタルカメラが装着された移動通信機器に一体型に具現されることを特徴とする請求項17に記載の舌映像を利用した健康モニタリング装置。
【請求項21】
前記装置は、デジタルカメラが装着された個人用コンピュータに一体型に具現されることを特徴とする請求項17に記載の舌映像を利用した健康モニタリング装置。
【請求項22】
前記舌映像獲得部を除外した残りの構成要素が遠隔地に位置したヘルスケアサービスセンターに具現され、前記舌映像獲得部で獲得した舌映像を有線または無線で前記ヘルスケアサービスセンターに伝送することを特徴とする請求項17に記載の舌映像を利用した健康モニタリング装置。
【請求項23】
前記ヘルスケアサービスセンターは、移動通信機器事業者のサーバーまたは病院サーバーであることを特徴とする請求項22に記載の舌映像を利用した健康モニタリング装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【公開番号】特開2004−209245(P2004−209245A)
【公開日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−430535(P2003−430535)
【出願日】平成15年12月25日(2003.12.25)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【Fターム(参考)】