説明

蓄電装置の制御装置およびそれを搭載する車両、ならびに蓄電装置の制御方法

【課題】電流遮断装置(CID)を含む蓄電装置を備えたシステムにおいて、CIDの作動を精度よく検出する。
【解決手段】CIDを含む蓄電装置110についてのECU300は、CIDの作動の有無を検出するために、基準値設定部310と、偏差演算部320と、判定部340とを備える。基準値設定部310、予め定められたタイミングにおける蓄電装置110の出力電圧と蓄電装置100から負荷装置120への入力電圧との第1の偏差を基準偏差として設定する。偏差演算部320は、上記の所定タイミングより後の、蓄電装置110の出力電圧と負荷装置120への入力電圧との第2の偏差を演算する。判定部340は、基準偏差および第2の偏差の差分値の大きさと予め定められたしきい値との比較に基づいて、CIDの作動の有無を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置の制御装置およびそれを搭載する車両、ならびに蓄電装置の制御方法に関し、より特定的には、蓄電装置に含まれる電流遮断装置(Current Interrupt Device:CID)の作動を検出するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境に配慮した車両として、蓄電装置(たとえば二次電池やキャパシタなど)を搭載し、蓄電装置に蓄えられた電力から生じる駆動力を用いて走行する車両が注目されている。この車両には、たとえば電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池車などが含まれる。
【0003】
このような蓄電装置は、一般的に、複数のバッテリセルを直列または並列に積層することによって、所望の電圧を出力するように構成される。これらのバッテリセルにおいて、断線や短絡などの異常が発生した場合には、蓄電装置の機能が正常に発揮されない場合が生じ得る。そのため、バッテリセルの異常を検出することが必要とされる。
【0004】
特開2007−018871号公報(特許文献1)は、蓄電装置内のセルにおける過電圧の発生の有無を検出するための電圧検出回路を有するシステムにおいて、当該電圧検出回路に機能不全または通信異常などの異常が生じた場合の制御を開示する。
【0005】
特開2007−018871号公報(特許文献1)によれば、電圧検出回路に異常が生じた場合に、蓄電装置を充電する際の充電電圧を所望の電圧よりも低く制限することによって、蓄電装置の過充電を抑制しつつ、その蓄電装置から供給される負荷の作動を確保することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−018871号公報
【特許文献2】特開2009−071901号公報
【特許文献3】特開2004−236473号公報
【特許文献4】特開2007−244123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような蓄電装置には、各バッテリセルに電流遮断装置(以下、CID「Current Interrupt Device」とも称する。)を備えるものが存在する。このCIDは、バッテリセルに異常が発生してバッテリセルの内圧が規定値を超えた場合に、その内圧によって作動して、蓄電装置の通電経路をハード的に遮断する構成を一般的に有する。そのため、CIDが作動することによって蓄電装置の過電圧が防止される。
【0008】
しかしながら、CIDが作動したか否かが直接的に検出できない場合があり、たとえば、ハイブリッド車両などにおいてCIDが作動したまま車両の走行を継続させると、CIDに大きな電圧が印加されてバッテリセル内部でのスパークの発生などの原因となり、二次的な故障を誘発するおそれがある。したがって、CIDが動作したことを速やかに検出することが必要となる。
【0009】
特開2007−018871号公報(特許文献1)および上記の他の特許文献においては、このCIDに関しては記載されておらず、CIDの作動検出手法についても、何も示されていない。
【0010】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、CIDを含む蓄電装置を備えたシステムにおいて、CIDの作動を精度よく検出することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による蓄電装置についての制御装置は、負荷装置に駆動電力を供給するための蓄電装置についての制御装置であり、設定部と、演算部と、判定部とを備える。蓄電装置は、蓄電装置の内圧が規定値を超えた場合に作動して蓄電装置の通電経路を遮断するように構成された遮断装置を含む。設定部は、予め定められたタイミングにおける蓄電装置の出力電圧と蓄電装置から負荷装置への入力電圧との第1の偏差を基準偏差として設定する。演算部は、上記のタイミングより後の、出力電圧と入力電圧との第2の偏差を演算する。判定部は、基準偏差および第2の偏差の差分値の大きさと予め定められたしきい値との比較に基づいて、遮断装置の作動の有無を判定する。
【0012】
好ましくは、演算部は、蓄電装置の充放電が停止している間に、第2の偏差を演算する。
【0013】
好ましくは、判定部は、差分値の大きさがしきい値を上回る場合は遮断装置が作動したと判定し、差分値の大きさがしきい値を下回る場合は遮断装置が非作動であると判定する。
【0014】
好ましくは、負荷装置の入力端子間には、蓄電装置と並列に接続されたコンデンサが設けられる。
【0015】
好ましくは、設定部は、蓄電装置と負荷装置との間の導通および非導通を切換えるために蓄電装置と負荷装置との間に設けられた切換装置が導通状態とされてから、予め定められた時間経過後における偏差を第1の偏差として、基準偏差を設定する。
【0016】
好ましくは、設定部は、蓄電装置の充放電が行なわれている期間中の偏差を第1の偏差として、基準偏差を設定する。
【0017】
好ましくは、設定部は、蓄電装置の充放電が行なわれている期間中の偏差を時間軸方向に平滑化した値を第1の偏差として、基準偏差を設定する。
【0018】
好ましくは、制御装置は、判定部によって遮断装置が作動したと判定された場合に、蓄電装置と負荷装置との間の導通および非導通を切換えるために蓄電装置と負荷装置との間に設けられた切換装置を、非導通に切換えるための制御部をさらに備える。
【0019】
好ましくは、演算部は、負荷装置が駆動されているか否かに基づいて、蓄電装置の充放電が停止しているか否かを判定する。
【0020】
好ましくは、演算部は、蓄電装置に入出力される電流値に基づいて、蓄電装置の充放電が停止しているか否かを判定する。
【0021】
好ましくは、蓄電装置、負荷装置、および制御装置は車両に搭載される。負荷装置は、蓄電装置からの電力を用いて車両の駆動力を発生するように構成された駆動装置を含む。
【0022】
好ましくは、負荷装置は、蓄電装置からの電力を用いて動作する補機装置をさらに含む。
【0023】
本発明よる車両は、蓄電装置と、蓄電装置からの電力を用いて車両の駆動力を発生するように構成された駆動装置を含む負荷装置と、蓄電装置を制御するための制御装置とを備える。蓄電装置は、蓄電装置の内圧が規定値を超えた場合に作動して、蓄電装置の通電経路を遮断するように構成された遮断装置を含む。制御装置は、設定部と、演算部と、判定部とを含む。設定部は、予め定められたタイミングにおける蓄電装置の出力電圧と蓄電装置から負荷装置への入力電圧との第1の偏差を基準偏差として設定する。演算部は、上記タイミングより後の、出力電圧と入力電圧との第2の偏差を演算する。判定部は、基準偏差および第2の偏差の差分値の大きさと予め定められたしきい値との比較に基づいて、遮断装置の作動の有無を判定する。
【0024】
本発明による蓄電装置の制御方法は、負荷装置に駆動電力を供給するための蓄電装置についての制御方法である。蓄電装置は、蓄電装置の内圧が規定値を超えた場合に作動して、蓄電装置の通電経路を遮断するように構成された遮断装置を含む。制御方法は、予め定められたタイミングにおける蓄電装置の出力電圧と蓄電装置から負荷装置への入力電圧との第1の偏差を基準偏差として設定するステップと、上記タイミングより後の出力電圧と入力電圧との第2の偏差を演算するステップと、基準偏差および第2の偏差の差分値の大きさと予め定められたしきい値との比較に基づいて、遮断装置の作動の有無を判定するステップとを備える。
【0025】
好ましくは、制御方法は、判定するステップによって遮断装置が作動したと判定された場合に、蓄電装置と負荷装置との間の導通および非導通を切換えるために蓄電装置と負荷装置との間に設けられた切換装置を、非導通に切換えるステップをさらに備える。
【発明の効果】
【0026】
本発明よれば、CIDを含む蓄電装置を備えたシステムにおいて、CIDの作動を精度よく検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施の形態に従う車両の全体ブロック図である。
【図2】蓄電装置の詳細な構成を示す図である。
【図3】本実施の形態における、CIDの作動検出制御の概要を説明するための図である。
【図4】本実施の形態において、ECUで実行されるCIDの作動検出制御を説明するための機能ブロック図である。
【図5】本実施の形態において、ECUで実行されるCIDの作動検出制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0029】
図1は、本実施の形態に従う車両100を含む充電システム10を示す全体ブロック図である。
【0030】
図1を参照して、車両100は、蓄電装置110と、システムメインリレー(System Main Relay:SMR)115と、負荷装置180と、警報装置190と、制御装置であるECU(Electronic Control Unit)300と、コンデンサC1と、抵抗R1とを備える。負荷装置180は、駆動装置120と、補機装置170とを含む。
【0031】
駆動装置120は、コンバータ121と、インバータ122,123と、モータジェネレータ130,135と、動力伝達ギヤ140と、駆動輪150と、内燃機関であるエンジン160と、コンデンサC2とを含む。
【0032】
蓄電装置110は、充放電可能に構成された電力貯蔵要素である。蓄電装置110は、たとえば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池または鉛蓄電池などの二次電池、あるいは電気二重層キャパシタなどの蓄電素子を含んで構成される。
【0033】
蓄電装置110は、電力線PL1および接地線NL1を介して駆動装置120に接続される。そして、蓄電装置110は、車両100の駆動力を発生させるための電力を駆動装置120に供給する。また、蓄電装置110は、モータジェネレータ130、135で発電された電力を蓄電する。蓄電装置110の出力はたとえば200V程度である。
【0034】
SMR115に含まれるリレーは、蓄電装置110と駆動装置120とを結ぶ電力線PL1および接地線NL1にそれぞれ介挿される。そして、SMR115は、ECU300からの制御信号SE1に基づいて、蓄電装置110と駆動装置120との間での電力の供給と遮断とを切換える。
【0035】
コンバータ121は、ECU300からの制御信号PWCに基づいて、電力線PL1および接地線NL1と電力線PL2および接地線NL1との間で電圧変換を行なう。
【0036】
インバータ122,123は、電力線PL2および接地線NL1に並列に接続される。インバータ122,123は、ECU300からの制御信号PWI1,PWI2にそれぞれ基づいて、コンバータ121から供給される直流電力を交流電力に変換し、モータジェネレータ130,135をそれぞれ駆動する。
【0037】
コンデンサC1は、電力線PL1および接地線NL1の間に設けられ、電力線PL1および接地線NL1間の電圧変動を減少させる。また、コンデンサC2は、電力線PL2および接地線NL1の間に設けられ、電力線PL2および接地線NL1間の電圧変動を減少させる。
【0038】
電圧センサ124および125は、それぞれコンデンサC1およびC2の両端にかかる電圧VLおよびVHを検出し、その検出値をECU300へ出力する。
【0039】
抵抗R1は、電力線PL1および接地線NL1の間に、コンデンサC1と並列に設けられる。抵抗R1は、車両100の運転が終了した後などに、コンデンサC1に残留する電荷を放電するための放電抵抗である。車両運転中においては、効率の観点から抵抗R1による放電はできるだけ小さいことが好ましいため、抵抗R1の抵抗値は比較的高い値に設定される。
【0040】
モータジェネレータ130,135は交流回転電機であり、たとえば、永久磁石が埋設されたロータを備える永久磁石型同期電動機である。
【0041】
モータジェネレータ130,135の出力トルクは、減速機や動力分割機構を含んで構成される動力伝達ギヤ140を介して駆動輪150に伝達されて、車両100を走行させる。モータジェネレータ130,135は、車両100の回生制動動作時には、駆動輪150の回転力によって発電することができる。そして、その発電電力は、駆動装置120によって蓄電装置110の充電電力に変換される。
【0042】
また、モータジェネレータ130,135は動力伝達ギヤ140を介してエンジン160とも結合される。そして、ECU300により、モータジェネレータ130,135およびエンジン160が協調的に動作されて必要な車両駆動力が発生される。さらに、モータジェネレータ130,135は、エンジン160の回転により発電が可能であり、この発電電力を用いて蓄電装置110を充電することができる。なお、本実施の形態においては、モータジェネレータ135を専ら駆動輪150を駆動するための電動機として用い、モータジェネレータ130を専らエンジン160により駆動される発電機として用いるものとする。
【0043】
なお、図1においては、モータジェネレータが2つ設けられる構成が例として示されるが、モータジェネレータの数はこれに限定されず、モータジェネレータが1つの場合、あるいは2つより多くのモータジェネレータを設ける構成としてもよい。また、エンジン160は必須の構成ではなく、エンジン160を含まない、電気自動車や燃料電池車であってもよい。さらに、蓄電装置110に接続される負荷は上記のような車両には限られず、蓄電装置110から出力される電力で駆動される電気機器であれば、本実施の形態が適用可能である。
【0044】
負荷装置180は、低電圧系(補機系)の構成として補機装置170を含む。補機装置170は、DC/DCコンバータ171と、補機負荷172と、補機バッテリ173と、空調機であるエアコン174とを含む。
【0045】
DC/DCコンバータ171は、電力線PL1,NL1に接続され、ECU300からの制御信号PWDに基づいて、蓄電装置110から供給される直流電圧を所定の電圧に降圧する。そして、DC/DCコンバータ171は、電力線PL3を介して補機負荷172に駆動電力を供給したり、補機バッテリ173の充電電力を供給したりする。
【0046】
補機負荷172には、たとえばランプ類、ワイパー、ヒータ、オーディオ、ナビゲーションシステムなどが含まれる。
【0047】
補機バッテリ173は、代表的には鉛蓄電池によって構成される。補機バッテリ173の出力電圧は、蓄電装置110の出力電圧よりも低く、たとえば12V程度である。
【0048】
エアコン174は、電力線PL1,NL1にDC/DCコンバータ171と並列に接続される。エアコン174は、ECU300からの制御信号ACONにより駆動され、車両室内の空調を行なう。
【0049】
警報装置190は、異常等が発生した場合に、ECU300からの制御信号ALMに基づいて、ユーザに異常の発生を通知するための装置である。警報装置190は、たとえばランプやLEDあるいは液晶表示パネルのように視覚的に通知するもの、およびブザーやチャイム、ボイスアラームのように聴覚的に通知するものを含む。
【0050】
ECU300は、いずれも図1には図示しないがCPU(Central Processing Unit)、記憶装置および入出力バッファを含み、各センサ等からの信号の入力や各機器への制御信号の出力を行なうとともに、車両100および各機器の制御を行なう。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
【0051】
ECU300は、蓄電装置110に備えられる電圧センサ111,電流センサ112からの電圧VBおよび電流IBの検出値に基づいて、蓄電装置110の充電状態SOC(State of Charge)を演算する。
【0052】
なお、蓄電装置110は、図2で後述するように、複数のバッテリセルを直列に接続することによって所望の電圧が出力されるように構成されるが、電圧センサ111によって検出される電圧VBは、蓄電装置110の両端の電圧ではなく、一般的に、個々のバッテリセルの電圧の和に基づいて算出される。そのため、CIDが作動しても電圧VBの出力は必ずしもゼロとならない。
【0053】
ECU300は、駆動装置120、SMR115などを制御するための制御信号を生成して出力する。なお、図1においては、ECU300として1つの制御装置を設ける構成としているが、たとえば、駆動装置120用の制御装置や蓄電装置110用の制御装置などのように、機能ごとまたは制御対象機器ごとに個別の制御装置を設ける構成としてもよい。
【0054】
車両100は、外部電源500からの電力によって蓄電装置110を充電するための構成として、充電装置200と、充電リレーCHR210と、接続部220とを含む。
【0055】
接続部220には、充電ケーブル400の充電コネクタ410が接続される。そして、外部電源500からの電力が、充電ケーブル400を介して車両100に伝達される。
【0056】
充電ケーブル400は、充電コネクタ410に加えて、外部電源500のコンセント510に接続するためのプラグ420と、充電コネクタ410およびプラグ420とを接続する電線部430とを含む。電線部430には、外部電源500からの電力の供給および遮断を切換えるための充電回路遮断装置(以下、CCID(Charging Circuit Interrupt Device)とも称する。)440が介挿される。
【0057】
充電装置200は、電力線ACL1,ACL2を介して、接続部220に接続される。また、充電装置200は、CHR210を介して、電力線PL2および接地線NL2によって蓄電装置110に接続される。
【0058】
充電装置200は、ECU300からの制御信号PWEによって制御され、接続部220から供給される交流電力を、蓄電装置110の充電電力に変換する。
【0059】
CHR210は、ECU300からの制御信号SE2によって制御され、充電装置200から蓄電装置110への充電電力の供給と停止とを切換える。
【0060】
なお、図1においては、充電ケーブル400が、コンセント510に接続されることによって直接的に外部電源500へ接続される場合を例として説明したが、充電ケーブル400と外部電源500との間に給電装置が設けられる場合がある。
【0061】
図2は、蓄電装置110の詳細な構成を示す図である。図2を参照して、蓄電装置110は、直列に接続された複数のバッテリセルCL1〜CLn(以下、総称してCLとも称する。)を含んで構成され、バッテリセルCLの個数により所望の出力電圧が得られる。この各バッテリセルCLには、電流遮断装置CIDが設けられる。
【0062】
CIDは、バッテリセルCLの電解液から発生するガスによって、バッテリセルCLの内圧が規定値を上回った場合に、その内圧によって作動して、当該バッテリセルを他のバッテリセルから物理的に遮断する。したがって、バッテリセルCLのいずれかのCIDが作動すると、蓄電装置110に電流が流れなくなる。
【0063】
このようにCIDが作動して電流が遮断されると、CIDが作動したバッテリセル以外のバッテリセルの合計電圧と、負荷装置180への入力電圧VLとの差電圧が、作動したCIDに印加されることが知られている。したがって、SMR115が導通した状態において、たとえば駆動装置120や補機装置170、あるいは抵抗R1による電力消費によりコンデンサC1の電荷が減少して電圧VLが低下すると、それに伴って作動したCIDに印加される電圧が増加する。CIDによって遮断された部分の間隙は小さいため、CIDに印加される電圧が所定の耐電圧を上回ると、たとえば、上記の間隙においてスパークが発生するなどして、二次的な故障が誘発されるおそれがある。したがって、CIDの作動を速やかに検出することが必要となるが、一般的に、バッテリセルCLにおいては、CIDが作動したことを出力するための手段を有しない場合がある。
【0064】
また、CIDが作動すると、電圧VLが変動することが実験等からわかっている。これは、蓄電装置110から負荷装置180への充放電が途絶えるため、駆動装置120による電力消費または発電、および補機装置170による電力消費などにより、コンデンサC1に蓄えられる電荷量が変動するためである。
【0065】
たとえば、車両100が走行中であり駆動装置120による電力消費が大きいような高負荷時においてCIDが動作した場合には、CIDが動作していない場合と比較して、電圧VLが急激に減少する。このため、高負荷時であれば、電圧VLの増減の度合いを監視することによってCIDが作動したか否かを検出することが可能である。
【0066】
しかしながら、たとえば、負荷装置180全体の消費電力が小さい場合、またはモータジェネレータによって発電された電力と消費電力がバランスしているような場合にCIDが作動したときには、コンデンサC1に蓄えられた電力が消費されず、電圧VLの変動量が小さくなり得る。そうすると、電圧VLの変動の監視のみによってはCIDの作動を検出することが困難となり、CIDが作動したことの検出が遅れてしまうおそれがある。
【0067】
このような問題に鑑み、本実施の形態においては、所定のタイミングにおいて蓄電装置110の出力電圧VBと負荷装置180の入力電圧VLとの偏差を基準偏差として記憶し、その所定のタイミング以降の電圧VBおよび電圧VLの偏差と上記基準偏差との差分値に基づいて、CIDが作動したか否かを検出するCIDの作動検出制御を行なう。このようにすることによって、電圧VLの変動量のみでは検出することが困難な低負荷時においても、精度良くCIDが作動したことを検出することが可能となる。
【0068】
図3は、本実施の形態における、CIDの作動検出制御の概要を説明するための図である。
【0069】
図1および図3を参照して、時刻t1にて車両100が始動され、SMR115がオン(導通状態)にされる。これによって、蓄電装置110からの電力によってコンデンサC1が充電され、電圧VLが上昇する(図3中の曲線W2)。なお、本来であれば、電圧VBおよび電圧VLはほぼ同じ値を示すはずであるが、電圧センサの機差や補機装置170および通電経路の抵抗成分などに起因する電圧低下などによって検出値に多少のオフセットが生じ得る。
【0070】
ECU300は、SMR115がオンにされてコンデンサC1が初期充電されたときの、蓄電装置110の電圧VBとコンデンサC1の電圧VLとの差を、基準偏差ΔVrefの初期値として記憶する。この基準偏差ΔVrefの初期値は、SMRがオンとなった後に、蓄電装置110からの充放電が行なわれないような場合の基準値となり得る。
【0071】
なお、図3においては、時刻t1ではCIDが作動していない場合が示されるが、SMR115がオンにされたときにすでにCIDが作動している場合には、SMR115がオンにされてもコンデンサC1は充電されない。そのため、基準偏差ΔVrefの初期値が所定の値よりも大きいときには、CIDがすでに作動している可能性があることを検出するようにしてもよい。
【0072】
次に、図3の時刻t1から時刻t2までの間は、負荷装置180が駆動されることによって、蓄電装置110からの充放電が実行される。図3においては、負荷装置180が電力消費を行なうことによって蓄電装置110から放電が行なわれる例を示しており、これに伴って、電圧VBおよび電圧VLが低下する。
【0073】
ECU300は、蓄電装置110の充放電が継続されている間、電圧VBおよび電圧VLの偏差ΔVを逐次演算する。このとき、検出される電圧値の急激な変動の影響を低減するために、ECU300は、演算した偏差に、たとえば移動平均処理を施して平滑化を行なう。そして、ECU300は、平滑化後の偏差を基準偏差ΔVrefとして設定(更新)する。なお、平滑化の手法は、移動平均処理以外の手法を用いてもよい。
【0074】
その後、時刻t2において、負荷装置180の駆動が停止、あるいはモータジェネレータ130,135による発電電力と負荷装置180での消費電力とがバランスした状態になると、それに伴って蓄電装置110からの充放電が停止される。なお、この時点ではSMR115はオンのままである。
【0075】
ECU300は、このとき、時刻t2における基準偏差ΔVrefを維持するともに、充放電が停止した状態での電圧VBおよび電圧VLの偏差ΔVと基準偏差ΔVrefとを監視および比較する。
【0076】
時刻t3までは、蓄電装置110のCIDが作動していないため、電圧VBおよび電圧VLは、ほぼ時刻t2の状態が維持される。
【0077】
しかしながら、時刻t3において、蓄電装置110のCIDが作動すると、蓄電装置110からのコンデンサC1への充電電力が途絶えてしまう。そうすると、コンデンサC1に蓄えられた電荷が抵抗R1によって放電されてしまうために、電圧VLが時間とともに減少する。これによって、電圧VBと電圧VLとの偏差ΔVが増加する。
【0078】
ECU300は、電圧VBおよび電圧VLの偏差ΔVと基準偏差ΔVrefとの差分値(ΔVref−ΔV)が、予め定められたしきい値βに到達した場合(図3中の時刻t4)に、蓄電装置110のCIDが作動したと判定し、SMR115を強制的にオフとする。このしきい値βは、CIDが、印加される電圧(すなわち、電圧VBと電圧VLとの差電圧)によって影響を受けない範囲で適宜設定される。
【0079】
これによって、負荷による電圧VLの変動量が小さくなるような場合においても、蓄電装置110におけるCIDの作動を適切に検出でき、二次的な故障の抑制することが可能となる。
【0080】
図4は、本実施の形態において、ECU300で実行されるCIDの作動検出制御を説明するための機能ブロック図である。図4の機能ブロック図に記載された各機能ブロックは、ECU300によるハードウェア的あるいはソフトウェア的な処理によって実現される。
【0081】
図1および図4を参照して、ECU300は、基準値設定部310と、偏差演算部320と、平滑化部330と、判定部340と、リレー制御部350と、警報出力部360とを含む。
【0082】
基準値設定部310は、電圧センサ111および124によってそれぞれ検出された電圧VBおよび電圧VLを受ける。また、基準値設定部310は、SMR115の制御信号SE1と、負荷装置180の駆動信号DRV(PWC,PWI1,PWI2,PWD,ACONなど)と、電流センサ112によって検出された電流IBを受ける。基準値設定部310は、図3で説明したように、SMR115が導通状態になったタイミング、あるいは蓄電装置110の充放電が行なわれているタイミングにおける、電圧VBと電圧VLとの偏差の絶対値である基準偏差ΔVref#(=|VB−VL|)を演算し記憶する。そして、基準値設定部310は、この基準偏差ΔVref#を平滑化部330へ出力する。なお、図1に示すような外部電源からの電力を用いて蓄電装置110の充電(外部充電)が可能な構成を有する場合には、この外部充電中も上記の充放電が行なわれているタイミングに含まれる。
【0083】
平滑化部330は、基準値設定部310から受けた基準偏差ΔVref#を時間軸方向に平滑化を行ない、その平滑化後の基準偏差ΔVrefを判定部340へ出力する。なお、平滑化の具体的な手法としては、たとえば、予め定められた期間の基準偏差ΔVref#の移動平均としてもよい。
【0084】
偏差演算部320は、電圧センサ111および124によってそれぞれ検出された電圧VBおよび電圧VLを受ける。そして、偏差演算部320は、電圧VBと電圧VLとの偏差ΔVを演算し、その演算結果を判定部340に出力する。
【0085】
判定部340は、平滑化部330からの平滑化後の基準偏差ΔVrefと、偏差演算部320からの偏差ΔVとを受ける。また、判定部340は、駆動信号DRVおよび電流IBを受ける。判定部340は、蓄電装置110の充放電が行なわれていない状態において、平滑化後の基準偏差ΔVrefと偏差ΔVとの差分値を演算する。そして、判定部340は、この差分値が予め定められたしきい値を上回った否か、すなわちCIDが作動したか否かを判定し、その判定結果である判定フラグFLGを、リレー制御部350および警報出力部360へ出力する。たとえば、CIDが作動したと判定され場合には判定フラグFLGがオンに設定され、CIDが作動していないと判定された場合には判定フラグFLGがオフに設定される。
【0086】
リレー制御部350は、判定部340からの判定フラグFLGを受ける。そして、リレー制御部350は、CIDが作動したと判定され判定フラグFLGがオンに設定されている場合には、SMR115を非接続の状態とするような制御信号SE1を生成して、SMR115へ出力する。
【0087】
警報出力部360は、判定部340からの判定フラグFLGを受ける。そして、警報出力部360は、CIDが作動したと判定され判定フラグFLGがオンに設定されている場合には、警報装置190へ制御信号ALMを出力して、CIDが作動したことをユーザに通知する。
【0088】
図5は、本実施の形態において、ECU300で実行されるCIDの作動検出制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。図5に示されるフローチャートは、ECU300に予め格納されたプログラムがメインルーチンから呼び出されて、所定周期で実行されることによって処理が実現される。あるいは、一部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)で処理を実現することも可能である。
【0089】
図1および図5を参照して、ECU300は、ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、SMR115が接続された直後であるか否かを判定する。SMR115が接続された直後であるとは、たとえば、SMR115が接続されてから、予め定められた短い時間の経過後としてもよい。
【0090】
SMR115が接続された直後である場合(S100にてYES)は、ECU300は、S110にて、そのときの電圧VBと電圧VLとの偏差を基準偏差ΔVrefの初期値として設定する。そして、処理がS120に進められる。
【0091】
SMR115が接続された直後でない場合(S100にてNO)は、ECU300は、S110をスキップして、S120に処理を進める。
【0092】
S120においては、ECU300は、蓄電装置110からの充放電が実施中であるか否かを判定する。具体的には、ECU300は、負荷装置180への駆動信号DRVが出力されているか否か、あるいは蓄電装置110の入出力電流IBの絶対値が規定値α以上であるか否かによって、充放電が実施中であるか否かを判定する。
【0093】
蓄電装置110から充放電が実施中である場合(S120にてYES)は、処理がS160に進められて、ECU300は、現在の電圧VBと電圧VLとの偏差を平滑化した値を基準偏差ΔVrefとして設定する。そして、処理をメインルーチンに戻す。
【0094】
蓄電装置110から充放電が実施中でない場合(S120にてYNO)は、処理がS130に進められ、記憶された基準偏差ΔVrefと、現在の電圧VBおよび電圧VLの偏差ΔVとの差分値が、しきい値β以上であるか否かを判定する。
【0095】
基準偏差ΔVrefと偏差ΔVとの差分値がしきいβ値以上である場合(S130にてYES)は、処理がS140に進められ、ECU300は、蓄電装置110のCIDが作動したと判定する。そして、S150にて、ECU300は、SMR115を非接続に(開放)するとともに、警報装置190によりユーザにCIDが作動したことを通知する。
【0096】
一方、基準偏差ΔVrefと偏差ΔVとの差分値がしきい値βより小さい場合(S130にてNO)は、ECU300は、CIDが作動していないと判定して、処理をメインルーチンに戻す。
【0097】
以上のような処理に従って制御を行なうことによって、CIDを含む蓄電装置を備えたシステムにおいて、低負荷時においてもCIDの作動を精度よく判定することができる。これによって、CIDが作動したことを迅速に検出することができるので、CIDが作動した場合の二次的な故障の発生を防止することが可能となる。
【0098】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0099】
10 充電システム、100 車両、110 蓄電装置、111,124,125 電圧センサ、112 電流センサ、115 SMR、120 駆動装置、121 コンバータ、122,123 インバータ、130,135 モータジェネレータ、140 動力伝達ギヤ、150 駆動輪、160 エンジン、170 補機装置、171 DC/DCコンバータ、172 補機負荷、173 補機バッテリ、174 エアコン、180 負荷装置、190 警報装置、200 充電装置、210 CHR、220 接続部、300 ECU、310 基準値設定部、320 偏差演算部、330 平滑化部、340 判定部、350 リレー制御部、360 警報出力部、400 充電ケーブル、410 充電コネクタ、420 プラグ、430 電線部、440 CCID、500 外部電源、510 コンセント、ACL1,ACL2,PL1〜PL3 電力線、CID 電流遮断装置、CL1〜CLn バッテリセル、NL1,NL2 接地線、R1 抵抗。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷装置に駆動電力を供給するための蓄電装置についての制御装置であって、
前記蓄電装置は、前記蓄電装置の内圧が規定値を超えた場合に作動して、前記蓄電装置の通電経路を遮断するように構成された遮断装置を含み、
前記制御装置は、
予め定められたタイミングにおける前記蓄電装置の出力電圧と前記蓄電装置から前記負荷装置への入力電圧との第1の偏差を基準偏差として設定するための設定部と、
前記タイミングより後の、前記出力電圧と前記入力電圧との第2の偏差を演算するための演算部と、
前記基準偏差および前記第2の偏差の差分値の大きさと予め定められたしきい値との比較に基づいて、前記遮断装置の作動の有無を判定するための判定部とを備える、蓄電装置の制御装置。
【請求項2】
前記演算部は、前記蓄電装置の充放電が停止している間に、前記第2の偏差を演算する、請求項1に記載の蓄電装置の制御装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記差分値の大きさが前記しきい値を上回る場合は前記遮断装置が作動したと判定し、前記差分値の大きさが前記しきい値を下回る場合は前記遮断装置が非作動であると判定する、請求項1または2に記載の蓄電装置の制御装置。
【請求項4】
前記負荷装置の入力端子間には、前記蓄電装置と並列に接続されたコンデンサが設けられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄電装置の制御装置。
【請求項5】
前記設定部は、前記蓄電装置と前記負荷装置との間の導通および非導通を切換えるために前記蓄電装置と前記負荷装置との間に設けられた切換装置が導通状態とされてから予め定められた時間経過後における偏差を前記第1の偏差として、前記基準偏差を設定する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄電装置の制御装置。
【請求項6】
前記設定部は、前記蓄電装置の充放電が行なわれている期間中の偏差を前記第1の偏差として、前記基準偏差を設定する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の蓄電装置の制御装置。
【請求項7】
前記設定部は、前記蓄電装置の充放電が行なわれている期間中の偏差を時間軸方向に平滑化した値を前記第1の偏差として、前記基準偏差を設定する、請求項6に記載の蓄電装置の制御装置。
【請求項8】
前記制御装置は、
前記判定部によって前記遮断装置が作動したと判定された場合に、前記蓄電装置と前記負荷装置との間の導通および非導通を切換えるために前記蓄電装置と前記負荷装置との間に設けられた切換装置を、非導通に切換えるための制御部をさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄電装置の制御装置。
【請求項9】
前記演算部は、前記負荷装置が駆動されているか否かに基づいて、前記蓄電装置の充放電が停止しているか否かを判定する、請求項2に記載の蓄電装置の制御装置。
【請求項10】
前記演算部は、前記蓄電装置に入出力される電流値に基づいて、前記蓄電装置の充放電が停止しているか否かを判定する、請求項2に記載の蓄電装置の制御装置。
【請求項11】
前記蓄電装置、前記負荷装置、および前記制御装置は車両に搭載され、
前記負荷装置は、
前記蓄電装置からの電力を用いて前記車両の駆動力を発生するように構成された駆動装置を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の蓄電装置の制御装置。
【請求項12】
前記負荷装置は、
前記蓄電装置からの電力を用いて動作する補機装置をさらに含む、請求項10に記載の蓄電装置の制御装置。
【請求項13】
車両であって、
蓄電装置と、
前記蓄電装置からの電力を用いて前記車両の駆動力を発生するように構成された駆動装置を含む負荷装置と、
前記蓄電装置を制御するための制御装置とを備え、
前記蓄電装置は、前記蓄電装置の内圧が規定値を超えた場合に作動して、前記蓄電装置の通電経路を遮断するように構成された遮断装置を含み、
前記制御装置は、
予め定められたタイミングにおける前記蓄電装置の出力電圧と前記蓄電装置から前記負荷装置への入力電圧との第1の偏差を基準偏差として設定するための設定部と、
前記タイミングより後の、前記出力電圧と前記入力電圧との第2の偏差を演算するための演算部と、
前記基準偏差および前記第2の偏差の差分値の大きさと予め定められたしきい値との比較に基づいて、前記遮断装置の作動の有無を判定するための判定部とを含む、車両。
【請求項14】
負荷装置に駆動電力を供給するための蓄電装置についての制御方法であって、
前記蓄電装置は、前記蓄電装置の内圧が規定値を超えた場合に作動して、前記蓄電装置の通電経路を遮断するように構成された遮断装置を含み、
前記制御方法は、
予め定められたタイミングにおける前記蓄電装置の出力電圧と前記蓄電装置から前記負荷装置への入力電圧との第1の偏差を基準偏差として設定するステップと、
前記タイミングより後の、前記出力電圧と前記入力電圧との第2の偏差を演算するステップと、
前記基準偏差および前記第2の偏差の差分値の大きさと予め定められたしきい値との比較に基づいて、前記遮断装置の作動の有無を判定するステップとを備える、蓄電装置の制御方法。
【請求項15】
前記判定するステップによって前記遮断装置が作動したと判定された場合に、前記蓄電装置と前記負荷装置との間の導通および非導通を切換えるために前記蓄電装置と前記負荷装置との間に設けられた切換装置を、非導通に切換えるステップをさらに備える、請求項14に記載の蓄電装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−109146(P2012−109146A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257841(P2010−257841)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】