薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法
【課題】薄膜トランジスタ表示版の製造方法を単純化し、カラーフィルタの形成を容易にする。
【解決手段】基板と、前記基板上に第1方向に延在するゲート線と、前記基板上に形成され前記ゲート線と絶縁されて交差し第2方向に延在するデータ線と、制御端子、入力端子及び出力端子を有し、前記ゲート線及び前記データ線にそれぞれ前記制御端子と前記入力端子が接続されている薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタ上に形成された複数のカラーフィルタと、前記薄膜トランジスタ上に形成され前記複数のカラーフィルタを区画し、前記薄膜トランジスタの出力端子の少なくとも一部領域を取り囲む出力端子保護部を含む遮光部材と、前記遮光部材と前記カラーフィルタの上に形成され、前記出力端子の前記出力端子保護部で囲まれた部分と接触する画素電極を有する薄膜トランジスタ表示板を有して構成される。
【解決手段】基板と、前記基板上に第1方向に延在するゲート線と、前記基板上に形成され前記ゲート線と絶縁されて交差し第2方向に延在するデータ線と、制御端子、入力端子及び出力端子を有し、前記ゲート線及び前記データ線にそれぞれ前記制御端子と前記入力端子が接続されている薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタ上に形成された複数のカラーフィルタと、前記薄膜トランジスタ上に形成され前記複数のカラーフィルタを区画し、前記薄膜トランジスタの出力端子の少なくとも一部領域を取り囲む出力端子保護部を含む遮光部材と、前記遮光部材と前記カラーフィルタの上に形成され、前記出力端子の前記出力端子保護部で囲まれた部分と接触する画素電極を有する薄膜トランジスタ表示板を有して構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法に係り、より詳細には、製造方法を単純化し、カラーフィルタの形成を容易にした薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、現在最も広く使用されている平板表示装置(フラットパネルディスプレイ)のうちの1つであって、2枚の表示板とその間に挟持された液晶層とからなり、電極に電圧を印加して液晶層の液晶分子を再配列することによって透過する光の量を調節する表示装置である。
【0003】
前記液晶表示装置はまた、液晶層を透過した光を利用して色を表示するカラーフィルタを有し、このカラーフィルタは通常、共通電極が形成された表示板に取り付けられている。このようなカラーフィルタは通常、赤色、緑色、青色を含んでおり、2つの表示板を結合する際、各画素に対応する色が面するように整列する必要がある。しかし、2つの表示板の整列誤差を考慮して画素の間の遮光部材を広く形成しなければならないので、開口部が狭くなり、このため開口率が減少するという問題点がある。
【0004】
このような問題点を解決するために、薄膜トランジスタが形成されている表示板にカラーフィルタを形成する技術と、カラーフィルタをインクジェット法を利用して形成する技術が提案された。カラーフィルタをインクジェット法で形成することにより露光器が不要となり、製造工程が単純化することができるという利点がある。
【0005】
しかし、このような従来技術ではカラーフィルタがドレイン電極を覆っているため、画素電極とドレイン電極を接続するためにはカラーフィルタを覆っているカバー膜、カラーフィルタ及び保護膜にコンタクトホール(接触孔)を形成する必要があり、このため工程自体が非常に複雑になり、カラーフィルタのエッチング均一性が不良であり、また、カラーフィルタのエッチングの際に発生するパーティクルがチャンバーを汚染するという工程上の不具合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は上記従来の薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、カラーフィルタをインクジェット法によって形成し、カラーフィルタ用インクの積荷を連続的に行うことにより、カラーフィルタの形成を容易にする、薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明による薄膜トランジスタ表示板は、
基板と、前記基板上に第1方向に延在するゲート線と、前記基板上に形成され前記ゲート線と絶縁されて交差し第2方向に延在するデータ線と、制御端子、入力端子及び出力端子を有し、前記ゲート線及び前記データ線にそれぞれ前記制御端子と前記入力端子が接続されている薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタ上に形成された複数のカラーフィルタと、前記薄膜トランジスタ上に形成され前記複数のカラーフィルタを区画し、前記薄膜トランジスタの出力端子の少なくとも一部領域を取り囲む出力端子保護部を含む遮光部材と、前記遮光部材と前記カラーフィルタの上に形成され、前記出力端子の前記出力端子保護部で囲まれた部分と接触する画素電極を、有することを特徴とする。
【0008】
前記遮光部材の高さは1.5μm〜4μmであることが好ましい。
前記遮光部材は前記データ線に沿って延長している信号線部を有しており、前記カラーフィルタは前記信号線部によって分れる2つの領域において互いに異なる色を含むことが好ましい。
【0009】
前記第1方向に延在し維持電極を含む維持電極線をさらに有し、前記遮光部材は、前記信号線部とともに前記維持電極の少なくとも一部を取り囲む維持電極保護部を有しており、前記維持電極上に前記カラーフィルタが形成されるのを防止することが好ましい。
【0010】
前記遮光部材は前記薄膜トランジスタのチャンネル部を覆う部分を含むことが好ましい。
【0011】
前記薄膜トランジスタの出力端子は少なくとも一部が前記維持電極と重畳し、前記遮光部材の出力端子保護部は前記出力端子の前記維持電極と重畳する部分を取り囲み、前記維持電極保護部の役割を兼ねていることが好ましい。
【0012】
前記薄膜トランジスタは、第1薄膜トランジスタと第2薄膜トランジスタとを含み、前記画素電極は、前記第1薄膜トランジスタの出力端子に接続された第1副画素電極と、前記第2薄膜トランジスタの出力端子に接続された第2副画素電極とを含み、前記遮光部材の出力端子保護部は、前記維持電極を中心に両側に形成された第1及び第2保護部と、前記第1保護部と前記第2保護部とを接続し、前記第1副画素電極と前記第2副画素電極との間隙と重畳する第3保護部とを含むことが好ましい。
【0013】
また、前記遮光部材は前記データ線に沿って延長している信号線部を有しており、前記カラーフィルタは前記信号線部によって分れる2つの領域において互いに異なる色を含むことが好ましい。
【0014】
前記第1方向に延在し維持電極を含む維持電極線をさらに有し、前記遮光部材は、前記信号線部とともに前記維持電極の少なくとも一部を取り囲む維持電極保護部を有しており、前記維持電極上に前記カラーフィルタが形成されるのを防止することことが好ましい。
【0015】
前記遮光部材は、前記薄膜トランジスタのチャンネル部を覆う部分を含むことが好ましい。
【0016】
前記薄膜トランジスタの出力端子は少なくとも一部が前記維持電極と重畳し、前記遮光部材の出力端子保護部は前記出力端子の前記維持電極と重畳する部分を取り囲み、前記維持電極保護部の役割を兼ねていることが好ましい。
【0017】
前記薄膜トランジスタは、第1薄膜トランジスタと第2薄膜トランジスタとを含み、前記画素電極は、前記第1薄膜トランジスタの出力端子に接続された第1副画素電極と、前記第2薄膜トランジスタの出力端子に接続された第2副画素電極とを含み、前記遮光部材の出力端子保護部は、前記維持電極を中心に両側に形成された第1及び第2保護部と、前記第1保護部と前記第2保護部との間を接続し、前記第1副画素電極と前記第2副画素電極との間の間隙と重畳する第3保護部を含むことが好ましい。
【0018】
また、前記第1方向に延在し維持電極を含む維持電極線をさらに有し、前記薄膜トランジスタの出力端子は少なくとも一部が前記維持電極と重畳し、前記遮光部材の出力端子保護部は前記出力端子の前記維持電極と重畳する部分を取り囲んでいることが好ましい。
【0019】
前記薄膜トランジスタと前記遮光部材及びカラーフィルタとの間に形成された保護膜と前記遮光部材及びカラーフィルタと前記画素電極の間に形成されているカバー膜をさらに有し、前記画素電極は、前記保護膜と前記カバー膜が含むコンタクトホールを介して前記薄膜トランジスタの出力端子と接触するこことが好ましい。
【0020】
前記データ線は第1データ線と第2データ線を含み、前記薄膜トランジスタは、入力端子が前記第1データ線に接続された第1薄膜トランジスタと、入力端子が前記第2データ線に接続された第2薄膜トランジスタを含み、前記画素電極は、前記第1薄膜トランジスタの出力端子に接続された第1副画素電極と、前記第2薄膜トランジスタの出力端子に接続された第2副画素電極を含むことが好ましい。
【0021】
前記第1方向に延在し維持電極を含む維持電極線をさらに有し、前記遮光部材の出力端子保護部は、前記第1薄膜トランジスタの出力端子を囲む第1出力端子保護部と、前記第2薄膜トランジスタの出力端子を囲む第2出力端子保護部を含み、前記遮光部材の第1出力端子保護部と第2出力端子保護部は前記維持電極と重畳することが好ましい。
【0022】
前記第1方向に延在し維持電極を含む維持電極線をさらに有し、前記遮光部材の出力端子保護部は、前記維持電極を中心に両側に形成された第1及び第2保護部と、前記第1保護部と前記第2保護部との間を接続し、前記第1副画素電極と前記第2副画素電極の間の間隙と重畳する第3保護部を含むことが好ましい。
【0023】
上記目的を達成するためになされた本発明による薄膜トランジスタ表示板製造方法は、
第1方向に延在するゲート線を形成し、前記ゲート線上にゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜上に半導体を形成し、前記第1方向と交差する第2方向に延在するデータ線とドレイン電極を形成し、前記データ線とドレイン電極上に保護膜を形成し、
前記保護膜上に前記第2方向に形成されて保存空間を区画する第1部分と、前記ドレイン電極端部の周辺を囲む第2部分を含む遮光部材を形成し、前記保存空間内にインクジェット方法でカラーフィルタを形成し、前記第2部分で囲まれた前記ドレイン電極の端部を露出させるコンタクトホールを形成し、前記コンタクトホールを介して前記ドレイン電極に接続される画素電極を形成すること、を特徴とする。
【0024】
前記カラーフィルタを形成する工程と、前記コンタクトホールを形成する工程との間に前記カラーフィルタを覆うカバー膜を形成し、前記コンタクトホールを形成する際に、前記カバー膜と前記保護膜を共にフォトエッチングすることが好ましい。
【0025】
前記遮光部材を形成する際に、黒色顔料を含む感光物質を塗布して感光膜を形成し、
前記感光膜の露光し、前記感光膜の現像を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
工程自体が非常に複雑になり、カラーフィルタのエッチング均一性が不良であり、また、カラーフィルタのエッチングの際に発生するパーティクルがチャンバーを汚染するという工程上の不具合がある従来の薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法にかわって、
本発明によれば、遮光部材がデータ線に沿って形成され、ストライプ状に保存空間を区画するため、カラーフィルタをインクジェット法により形成することが容易となる。
また、本発明ではコンタクトホールが遮光部材で囲まれており、インクジェット法でカラーフィルタを形成しても、コンタクトホールでカラーフィルタが覆われるのを防止することができる。
また、本発明ではカラーフィルタが形成される保存空間がストライプ配列となっており、カラーフィルタ用インクの積荷を連続的に行うことが可能である。
また、本発明によれば、液晶表示装置の製造方法を単純化し、カラーフィルタの形成を容易にするという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に、本発明に係る薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法を実施するための最良の形態の具体例を図面を参照しながら、説明する。
【0028】
図面は、各種層及び領域を明確に表現するために、厚さを拡大して示している。明細書全体を通じて類似した部分については同一の参照符号を付けている。層、膜、領域、板などの部分が、他の部分の「上に」あるとするとき、これは他の部分の「すぐ上に」ある場合に限らず、その中間に更に他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「すぐ上に」あるとするとき、これは中間に他の部分がない場合を意味する。
【0029】
以下、本発明の第1実施形態による薄膜トランジスタ表示板を詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態による薄膜トランジスタ表示板を示した配置図である。図2〜図4は各々図1のII−II線、III−III線、及びIV−IV線に沿って切断した断面図である。
【0030】
本発明の第1実施形態による薄膜トランジスタ表示板は透明なガラスなどからなる絶縁基板110の上にゲート線121と維持電極線131が形成されている。
ゲート線121は横方向に延在してゲート信号を伝達する。ゲート線121は、ゲート電極(124a、124b)を構成する複数の突出部と、他の層又は外部駆動回路との接続のための広い面積の端部129を含む。そして維持電極線131は隣接した2つのゲート線121の間に位置し、ゲート線121と平行に横方向に延在しており、共通電極に印加される共通電圧(Vcom)など所定の電圧が印加される。維持電極線131は維持電極137を構成する突出部と、維持電極の面積を大きくするとともに光漏れを防止する分枝部(133a、133b)を含む。
【0031】
ゲート線121と維持電極線131は物理的性質が異なる2つの導電膜(図示せず)を含む多重膜構造を有してもよい。1つの導電膜はゲート線121と維持電極線131の信号地縁や電圧降下を減らすため、低い抵抗率の金属、例えば、アルミニウム系金属、銀系金属、銅系金属などからなる。これとは異なり、もう1つの導電膜は、他の物質、特にITO(indium tin oxide)及びIZO(indium zinc oxide)との接触特性に優れた物質、例えば、モリブデン系金属、クロム、チタニウム、タンタルなどからなる。このような組み合わせの好適な例としては、クロム下部膜とアルミニウム(合金)上部膜及びアルミニウム(合金)下部膜とモリブデン(合金)上部膜が挙げられる。さらに、ゲート線121及び維持電極線131はこの他にも様々な金属、導電体で形成することができる。
【0032】
またゲート線121及び維持電極線131の側面は、基板110表面に対して傾斜しており、その傾斜角は約30〜80度であることが好ましい。ゲート線121及び維持電極線131の上には窒化ケイ素(SiNx)などからなるゲート絶縁膜140が形成されている。
【0033】
ゲート絶縁膜140の上には水素化非晶質シリコン(非晶質シリコンはa−Siと略称する)又は多結晶シリコン(polysilicon)等からなる複数の線状半導体(151l、151r)が形成されている。線状半導体(151l、151r)はそれぞれ左側と右側に位置する1対からなる。線状半導体(151l、151r)は主に縦方向に延在し、それぞれゲート電極(124a、124b)に向かって延在した突出部(154a、154b)を含む。
【0034】
線状半導体(151l、151r)の上には複数の線状及び島状オーミックコンタクト部材(ohmic contact)(161l、161r、165a、165b)が形成されている。オーミックコンタクト部材(161l、161r、165a、165b)は、リンなどのn型不純物が高濃度にドーピングされているn+水素化非晶質シリコンなどの物質からなるか、シリサイドからなる。線状オーミックコンタクト部材(161l、161r)はそれぞれ複数の突出部(163a、163b)を有しており、この突出部163a、163b)と島状オーミックコンタクト部材(165a、165b)はペアをなして線状半導体(151l、151r)の突出部(154a、154b)上に配置されている。
【0035】
半導体(151l、151r)とオーミックコンタクト部材(161l、161r、165a、165b)の側面もまた、基板110面に対して傾斜しており、その傾斜角は約30〜80度であることが好ましい。
【0036】
オーミックコンタクト部材(161l、161r、165a、165b)の上には左側及び右側データ線(171l、171r)と、第1及び第2ドレイン電極(175a、175b)が形成されている。ここで、左側データ線171lと右側データ線171rの下にはそれぞれ線状オーミックコンタクト部材(161l、161r)及び線状半導体(151l、151r)が配置されている。
【0037】
データ線(171l、171r)はデータ電圧を伝達し、主に縦方向に延在してゲート線121及び維持電極線131と交差する。各データ線(171l、171r)はゲート電極(124a、124b)に向かってU字状に曲折されたソース電極(173a、173b)と、他の層又は外部駆動回路との接続のための広い端部(179l、179r)を含む。
【0038】
ドレイン電極(175a、175b)はデータ線(171l、171r)とそれぞれ分離されており、ゲート電極(124a、124b)を中心にソース電極(173a、173b)と対向する。ドレイン電極(175a、175b)は副画素電極(191a、191b)と接続される広い一端部と、棒状の他端部を含む。ドレイン電極(175a、175b)の棒状端部はそれぞれU字状に曲折されたソース電極(173a、173b)で囲まれている。
【0039】
ゲート電極(124a、124b)、ソース電極(173a、173b)及びドレイン電極(175a、175b)は、半導体の突出部(154a、154b)とともに薄膜トランジスタ(Qa、Qb)を構成し、薄膜トランジスタのチャンネルはソース電極(173a、173b)とドレイン電極(175a、175b)との間の半導体の突出部(154a、154b)に形成されている。データ線(171l、171r)とドレイン電極(175a、175b)は耐火性金属膜(図示せず)と低抵抗導電膜(図示せず)を含む多重膜構造である。多重膜構造の例としては、クロム又はモリブデン(合金)下部膜とアルミニウム(合金)上部膜の二重膜、モリブデン(合金)下部膜とアルミニウム(合金)中間膜とモリブデン(合金)下部膜の三重膜がある。しかしデータ線(171l、171r)とドレイン電極(175a、175b)はこの他にも様々な金属又は導電体で形成することができる。
【0040】
データ線(171l、171r)及びドレイン電極(175a、175b)もゲート線121及び維持電極線131と同様にその側面が約30〜80度各々傾斜している。
【0041】
データ線(171l、171r)及びドレイン電極(175a、175b)の上には保護膜180が形成されている。保護膜180は窒化ケイ素や酸化ケイ素などからなる。保護膜180の上には遮光部材220が形成されている。図18を参照すれば、遮光部材220はデータ線(171l、171r)上で縦方向に長く延在する第1部分221、維持電極線131の上下に形成された第2部分(223a、223b)、ドレイン電極(175a、175b)端部の周囲に位置する第3部分(225a、225b)、及び薄膜トランジスタ(Qa、Qb)のチャンネル部を覆う第4部分(227a、227b)を含む。
【0042】
第1部分221はデータ線(171l、171r)を覆い、データ線(171l、171r)に沿って縦方向に長く延在してダムを形成する。全体的に第1部分221はストライプ状に配置され、カラーフィルタ230が保存される空間を縦方向に区画している。その結果、保存空間が縦方向に長く形成される。また、第2部分(223a、223b)は維持電極137の上下で維持電極137と平行に横方向に形成され、第1部分221の間を接続している。第3部分(225a、225b)はドレイン電極(175a、175b)の端部の上に配置され、平面的にはドレイン電極(175a、175b)の端部を囲む囲い状に形成されている。第3部分(225a、225b)の形状は、図1に示したように、四角形リング、8角形リング、円形リングなど様々な形態をとることができる。
【0043】
このように、第1部分221は縦方向に延在してダムを形成しているので、インクジェット法により保存空間に液状のカラーフィルタ形成用物質(以下、インク)を注入してカラーフィルタ230を形成することができる。この際、維持電極137の隣には第2部分(223a、223b)が形成されており、カラーフィルタ230が維持電極137上に形成されるのを防止する。また、ドレイン電極(175a、175b)と画素電極が接続されるコンタクトホール(185a、185b)が配置されるの部分には第3部分(225a、225b)が形成されており、インクジェット法においてインクがコンタクトホール(185a、185b)が形成される部分に流入するのを防止し、コンタクトホール(185a、185b)が形成される部分をカラーフィルタ230が覆うのを防止する。
【0044】
このように形成されるカラーフィルタ230は、赤色、緑色、青色の色相からなる。例えば、1つの保存空間に赤色のカラーフィルタが形成される場合、第1部分221を介在して横方向に隣接した保存空間にはそれぞれ緑色と青色のカラーフィルタが形成される。このため、全体的にカラーフィルタ230は緑色、赤色、青色の順にストライプ配列をなす。ここでカラーフィルタ230の高さは1〜3μm程度である。
【0045】
遮光部材220は、薄膜トランジスタ(Qa、Qb)の上に配置されている第4部分(227a、227b)をさらに含む。この第4部分(227a、227b)は光が薄膜トランジスタ(Qa、Qb)のチャンネルに入射するのを防止する。図では第4部分(227a、227b)が第1部分221から離れて島状に形成されているが、第1部分221と接続することも可能である。
【0046】
ここで遮光部材220の高さは、カラーフィルタ用インクが流れてあふれるのを防止するため、1.5〜4μm範囲で形成し、遮光部材220の幅は必要に応じて多様に変更可能である。カラーフィルタ230は最終的に1〜3μmの高さで形成されるが、カラーフィルタ用インクにはカラーフィルタ固形分の他に液状にするための溶剤が含まれており、インクジェット工程におけるインクの高さは10μm程度に達する。このため、遮光部材220の高さが1.5μm未満である場合、インクが遮光部材220を越えてコンタクトホールが形成される部分まで流入する。また、遮光部材220の高さが1.5μm以下である場合は、光を遮断する機能が低下し、遮光部材としての機能を失ってしまう。ここで、インクの高さが10μm程度に達すると、遮光部材220の高さより数倍以上高くなるが、インクの表面張力により遮光部材220を越えてあふれることはない。遮光部材220の高さが4μmを超える場合は、カラーフィルタ230と遮光部材220との高さの差が大きくなり、後に形成される薄膜の平坦度が低下し、液晶セルギャップの均一性にも悪影響をおよぼす。
【0047】
遮光部材220とカラーフィルタ230の上にはカバー膜(overcoat)250が形成されている。カバー膜250は第2部分(223a、223b)の間の維持電極線131を覆う保護膜180の上と、第3部分(225a、225b)が保護しているドレイン電極(175a、175b)の端部を覆う保護膜180の上にも形成されている。カバー膜250は無機絶縁物質又は有機絶縁物質からなる。
【0048】
カバー膜250と保護膜180にはデータ線(171l、171r)の端部(179l、179r)とドレイン電極(175a、175b)の端部をそれぞれ露出させるコンタクトホール(182l、182r、185a、185b)が形成されている。また、カバー膜250、保護膜180及びゲート絶縁膜140にはゲート線121の端部129を露出させるコンタクトホール181が形成されている。コンタクトホール(185a、185b)は第3部分(225a、225b)内側に形成されており、カバー膜250と保護膜180を同時にエッチングして形成される。ここで、コンタクトホール(185a、185b)が形成される部分は、インクジェット工程において第3部分(225a、225b)によりインクの流入を遮断した部分である。このため、コンタクトホール(185a、185b)が形成される部分にはカラーフィルタ230が存在せず、カバー膜250と保護膜180を同時にエッチングすることによってドレイン電極(175a、175b)が露出される。このため、インクジェット工程によりカラーフィルタ230を形成する場合でもコンタクトホール(185a、185b)を簡単に形成することができ、カラーフィルタ230をエッチングする際に発生するチャンバー汚染問題やエッチング不均一問題も解決することができる。
【0049】
カバー膜250の上には第1及び第2副画素電極(191a、191b)と接触補助部材(81、82l、82r)が形成されている。これらはITO又はIZOなどの透明導電物質やアルミニウム、銀又はその合金などの反射性金属により形成される。
【0050】
第1副画素電極191aと第2副画素電極191bはそれぞれコンタクトホール(185a、185b)を介してドレイン電極(175a、175b)と物理的、電気的に接続され、ドレイン電極(175a、175b)からデータ電圧の印加を受ける。
【0051】
データ電圧が印加された2つの副画素電極(191a、191b)は共通電極と共に電場を生成することによって液晶分子の配列を決定する。この場合、第1副画素電極191aは左側データ線171lからデータ電圧の印加を受け、第2副画素電極191bは右側データ線171rからデータ電圧の印加を受けるので互いに異なる電圧の印加を受ける。このように、互いに異なる電圧が印加されれば、該領域の液晶の配列状態も互いに異なるようになる。これを適切に調節すれば、側面から見る画像を正面から見る画像に最大に近づけることができる。すなわち、液晶表示装置の側面視認性を向上させることができる。ここで、第1副画素電極191aと第2副画素電極191bのうち面積の広い第1副画素電極191aに印加される電圧の絶対値が、第2副画素電極191bに印加される電圧の絶対値より高い値を示すことが視認性向上に好ましい。
【0052】
第1副画素電極191aは切開部を有し、この切開部と第1副画素電極191aと第2副画素電極191bの間の間隙94は、薄膜トランジスタ表示板と対向する表示板(図示せず)に形成された共通電極(図示せず)の切開部や共通電極上に形成された有機膜突起(図示せず)とともに、電場の水平成分を誘発して、液晶の配向動作を制御するための手段として使用される。また、副画素電極(191a、191b)と共通電極は液晶キャパシタを構成して、薄膜トランジスタがターンオフした後にも印加された電圧を維持する。電圧維持能力を強化するため、液晶キャパシタと並列に接続されたストレージキャパシタは第1及び第2副画素電極(191a、191b)と維持電極線131の重畳で形成される。この際、維持電極137と第1及び第2副画素電極(191a、191b)の間にはカラーフィルタ230が存在しないのでストレージキャパシタの容量が増加する。ここでストレージキャパシタの容量が小さくて済む場合には、維持電極137上にカラーフィルタ230が形成されるのを防止する遮光部材220の第2部分(223a、223b)は不要である。この場合は、維持電極137の上にもカラーフィルタ230が形成されており、第1及び第2副画素電極(191a、191b)と維持電極137の間にもカラーフィルタ230が存在するので保持容量が減少する。保持容量の減少に伴ってキックバック電圧が増加するなどの問題が発生し得るが、これは薄膜トランジスタの大きさを小さくすることにより、ゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量を減少させるか、誘電率の大きな液晶物質を用いて液晶容量を増加させるなどの方法で解消することができる。
【0053】
1つの画素電極を構成する1対の第1及び第2副画素電極(191a、191b)は間隙(gap)94を介在して係合している。このような画素電極191は、様々な形態をとることができる。
【0054】
以下、このような構成の薄膜トランジスタ表示板を製造する方法について説明する。
図5〜図7はゲート線と維持電極線を、図8〜図10はデータ線及びドレイン電極を、図11〜図13は遮光部材を、図14〜図15はカラーフィルタを、図16〜図17はカバー膜をそれぞれ形成する態様を説明するものである。
【0055】
まず、図5〜図7に示したように、絶縁基板110の上にアルミニウム−ネオジム(AlNd)、モリブデン(Mo)等の金属膜を蒸着し、フォトエッチングして、ゲート電極(124a、124b)と端部129を含むゲート線121、分枝部(133a、133b)と維持電極137を含む維持電極線131を形成する。
【0056】
図8〜図10に示したように、ゲート線121及び維持電極線131の上にゲート絶縁膜140を形成した後、半導体層、オーミックコンタクト層、データ用金属層、感光膜を順次に積層し、感光膜に対してハーフトーンマスクを用いてフォト工程を行うことにより、位置によって厚さが異なる感光膜パターンを形成する。この際、感光膜パターンはデータ線(171l、171r)及びドレイン電極(175a、175b)が形成される部分に対応する部分はその厚さが厚く、ソース電極(173a、173b)とドレイン電極(175a、175b)の間に対応する部分は厚さが薄い。このような感光膜パターンをマスクとしてデータ用金属層、オーミックコンタクト層及び半導体層をエッチングして、予備データ線、予備オーミックコンタクト部材及び半導体(151l、15lr)を形成し、感光膜パターンをアッシングして、ソース電極(173a、173b)とドレイン電極(175a、175b)の間に対応する薄い部分を除去する。アッシングされた感光膜パターンをマスクとして、露出した予備データ線と予備オーミックコンタクト部材をエッチングすることにより、データ線(171l、171r)とドレイン電極(175a、175b)及びその下にオーミックコンタクト部材(161l、161r、165a、165b)を完成する。
【0057】
図11〜図13に示したように、黒色顔料が分散している感光剤を塗布、露光及び現像して、第1部分221、第2部分(223a、223b)、第3部分(225a、225b)、及び第4部分(227a、227b)を含む遮光部材220を形成することによってインクが提供される保存空間を区画する。ここで、遮光部材220は1.5〜4μm程度の高さで、耐熱性に優れた有機物質で形成することができる。カラーフィルタのインクジェット工程においてインクの高さが10μm程度に達するので、遮光部材220の高さを1.5μm未満とする場合、インクが遮光部材220を越えてコンタクトホールが形成される部分まで流入してしまう。ところがインクの高さが10μm程度に達し、遮光部材220の高さより数倍以上高いが、インクの表面張力により遮光部材220の上に流入しない。遮光部材220の高さが4μm以上である場合、遮光部材220とカラーフィルタ230との高さの差が大きくなり、後に形成される薄膜の平坦度が低下し、液晶セルギャップの均一性にも悪影響をおよぼす。
遮光部材220を感光性がない有機物質で形成する場合には、フォトエッチング方法でパターニングする。
【0058】
図11、図14〜図15に示したように、インクジェット工程により保存空間にカラーフィルタ230を形成する。インクは、ノズル(図示せず)が移動する矢印方向に落下点(Dp)に沿って保存空間に供給され、四方に流れて保存空間を満たす。この過程で第2部分(223a、223b)は維持電極137を介在して位置しており、第3部分(225a、225b)はコンタクトホールが形成されるドレイン電極(175a、175b)の端部を囲んでいるので、インクは、維持電極137の上部と第3部分(225a、225b)の内側、すなわち、コンタクトホールが形成される部分には流入しない。一方、インクジェット工程により保存空間に提供されるインクは液状で、第2部分(223a、223b)又は第3部分(225a、225b)に流入するので、インクの物性(例;粘度や表面張力)や量を調節したり、第2部分(223a、223b)又は第3部分(225a、225b)の高さと厚さを適切に調節したりして、インクがあふれるのを防止しなければならない。
【0059】
図16及び図17に示したように、カラーフィルタ230の上にカバー膜250を形成し、カバー膜250と保護膜180を同時にフォトエッチングして、第3部分(225a、225b)が囲んでいる部分にコンタクトホール(185a、185b)を形成する。このように、第3部分(225a、225b)の内側は、インクジェット工程において第3部分(225a、225b)の保護を受けてカラーフィルタ230が形成されていないので、コンタクトホール(185a、185b)は1回のエッチング工程により簡単に形成できるようになる。次いで、カバー膜250上に第1及び第2副画素電極(191a、191b)と接触補助部材(81、82l、82r)を形成する。
【0060】
以下、添付した図面を参照して本発明の第2実施形態による薄膜トランジスタ表示板について説明する。第2実施形態による薄膜トランジスタ表示板は、第1実施形態と比較して、遮光部材の形状、維持電極の形状、ソース及びドレイン電極の形状、画素電極の形状、画素電極と薄膜トランジスタの接続などにおいて差がある。以下、このような差異を中心に添付図を用いて第2実施形態を詳しく説明する。図19は1つの画素に対する薄膜トランジスタ表示板を示した配置図である。図20及び図21は図19のXX−XX線とXXI−XXI線に沿って切断した断面図である。図22は図20の薄膜トランジスタ表示板の有機遮光部材のみを示した配置図である。
【0061】
本発明の第2実施形態による薄膜トランジスタ表示板は、絶縁基板110の上にゲート線(121u、121d)と維持電極137を含む維持電極線131が形成されており、その上にゲート絶縁膜140が形成されている。維持電極線131は隣接した2つのゲート線(121u、121d)から等距離に配置されている。ゲート線(121u、121d)は同一線が反復的に形成されているが、図19では説明上、画素の上側ゲート線121uと下側ゲート線121dにそれぞれ異なる符号を付して区分した。ゲート線(121u、121d)はそれぞれ広い端部(129u、129d)を含む。
【0062】
ゲート絶縁膜140の上には線状半導体(151l、151r)が形成されている。線状半導体(151l、151r)の上には複数の線状及び島状オーミックコンタクト部材(161l、161r、165a、165b、167a、167b)が形成されている。線状オーミックコンタクト部材(161l、161r)は複数の突出部(163a、163b)を有しており、この突出部(163a、163b)と島状オーミックコンタクト部材(165a、165b)はペアをなして半導体(151l、151r)の突出部(154a、154b)上に配置されている。島状オーミックコンタクト部材(167a、167b)は島状オーミックコンタクト部材(165a、165b)が延在した部分である。
【0063】
オーミックコンタクト部材(161l、161r、165a、165b)の上には左側及び右側データ線(171l、171r)、第1及び第2ドレイン電極(175a、175b)が形成されている。第1及び第2ドレイン電極(175a、175b)のそれぞれは広い一端部(177a、177b)と棒状の他端部を含む。広い端部(177a、177b)は右側及び左側データ線(171r、171l)にそれぞれ隣接して維持電極137と重畳し、棒状端部はU字上に曲折されたソース電極(173a、173b)で囲まれている。
【0064】
ここで第1ドレイン電極175aは、画素の下側ゲート線121d上部から始まり、上側(画素内部)に延びて斜線方向に曲がって、維持電極137の上部で右側データ線171rと隣接する位置に広い端部177aを形成する。第2ドレイン電極175bは画素の上側ゲート線121u上部から始まり、下側(画素内部)に延びて維持電極137上部で左側データ線171lと隣接する位置に広い端部177bを形成する。
【0065】
データ線(171l、171r)及びドレイン電極(175a、175b)の上には保護膜180が形成されている。
【0066】
保護膜の上には遮光部材220が形成されている。遮光部材220はデータ線(171l、171r)の上で縦方向に長く延在した第1部分221、第1部分221で左右に突出している突出部(228a、228b)、及び薄膜トランジスタ(Qa、Qb)のチャンネル部を覆う第2部分(227a、227b)を含む。第1部分221はデータ線(171l、171r)上でデータ線(171l、171r)に沿って縦方向に長く延在してダムを形成している。図22を参照すれば、全体的に遮光部材220はストライプ状に配置されて、カラーフィルタ230が保存される空間を縦方向に区画し、このため、カラーフィルタ230が保存される保存空間を縦方向に長く形成する。
【0067】
なお、遮光部材220の突出部(228a、228b)は開口(229a、229b)を含んでいる。突出部(228a、228b)は第1部分221から維持電極137に向かって延在して形成される。このように、突出部(228a、228b)は開口(229a、229b)を含み、開口(229a、229b)にはコンタクトホール(185a、185b)が位置している。ここで遮光部材220の高さは、カラーフィルタ用インクがあふれるのを防ぐため1.5〜4μm程度に形成し、遮光部材220の幅は必要に応じて多様に変更可能である。
【0068】
このように、遮光部材220が縦方向に延在してダムを形成しているため、インクジェット工程により保存空間にインクを注入することでカラーフィルタ230を形成することができる。この際、コンタクトホール(185a、185b)が形成される部分に突出部(228a、228b)が形成されており、カラーフィルタ230が形成されるのを防止することができる。
【0069】
遮光部材220とカラーフィルタ230の上にはカバー膜250が形成されている。また、カバー膜250は遮光部材220の突出部(228a、228b)で囲まれた部分にも形成されている。
【0070】
カバー膜250と保護膜180にはデータ線(171l、171r)の端部(179l、179r)とドレイン電極(175a、175b)の端部(177a、177b)をそれぞれ露出させるコンタクトホール(182l、182r、185a、185b)が形成されている。さらに、カバー膜250、保護膜180及びゲート絶縁膜140にはゲート線(121u、121d)の端部(129u、129d)を露出させるコンタクトホール(181u、181d)が形成されている。
【0071】
コンタクトホール(185a、185b)は突出部(228a、228b)の開口(229a、229b)に形成されており、カバー膜250と保護膜180を同時にエッチングして形成する。ここで、コンタクトホール(185a、185b)が形成された部分は、インクジェット工程において突出部(228a、228b)によりインクの流入が遮断されている。このため、コンタクトホール(185a、185b)が形成された部分にはカラーフィルタ230が存在せず、保護膜180とカバー膜250を同時にエッチングすることによりドレイン電極(175a、175b)を簡単に露出させることができる。
【0072】
カバー膜250の上には第1及び第2副画素電極(191a、191b)と接触補助部材(81u、81d、82l、82r)が形成されている。第2副画素電極191bは複数の切開部(91、92a、92b、93a、93b)を含む。これらはITO又はIZOなどの透明導電物質やアルミニウム、銀又はその合金などの反射性金属で形成することができる。
【0073】
一方、ストレージキャパシタはドレイン電極(175a、175b)の端部(177a、177b)と維持電極137の重畳により形成される。これと比較して、第1実施形態におけるストレージキャパシタは、副画素電極(191a、191b)と維持電極137の重畳により形成される。このため、第1実施形態ではストレージキャパシタを形成するため維持電極137の上にカラーフィルタ230が形成されないようにする第2部分(223a、223b)が必要であるが、第2実施形態では、第1実施形態のような遮光部材が不要である。また、第2実施形態ではコンタクトホール(185a、185b)が維持電極137上でデータ線(171l、171r)に隣接して形成されており、第2実施形態は第1実施形態に比べて、開口率の損失を減らすことができる。また、図22から分かるように、カラーフィルタ230が保存される保存空間が画素列全体において1つに接続されている。このため、インクの積荷や拡散が容易となる。
【0074】
第3実施形態による薄膜トランジスタ表示板は、第1及び第2実施形態と比較すると、薄膜の層構造は同一であるが、ドレイン電極(175a、175b)を始めとした薄膜トランジスタの配置、副画素電極(191a、191b)の形状、コンタクトホール(185a、185b)の位置、遮光部材220の形状などに差がある。以下、このような差異点を中心に添付図を参照して、第3実施形態を詳細に説明する。図23は本発明の第3実施形態による薄膜トランジスタ表示板を示した配置図である。図24は図23の薄膜トランジスタ表示板の有機遮光部材のみを示した配置図である。
【0075】
絶縁基板上にゲート線121と維持電極線131が形成されている。ゲート線121は複数のゲート電極(124a、124b)を有し、維持電極線131は縦方向に延在した分枝部(133a、133b)と維持電極137を含む。維持電極線131は隣接する2つのゲート線121から等距離地点を通過する。
【0076】
ゲート線121及び維持電極線131と交差して、左側及び右側データ線(171l、171r)が形成されている。ここで、2つのゲート電極(124a、124b)は左側と右側データ線(171l、171r)とそれぞれ隣接して位置し、ゲート電極(124a、124b)の上に線状半導体の2つの突出部(154a、154b)が形成されており、左側と右側データ線(171l、171r)の分枝である2つのソース電極(173a、173b)と2つのドレイン電極(175a、175b)がそれぞれ対向している。
【0077】
図23のドレイン電極(175a、175b)の形状が左側画素と右側画素とにおいてわずかに異なる。まず左側画素は、2つのドレイン電極(175a、175b)のうち第1ドレイン電極175aはデータ線(171l、171r)と並んで延在して斜線方向に曲折された後、維持電極137上に達して面積が広い端部を形成する。第2ドレイン電極175bは、データ線(171l、171r)と並んで延在して少し屈折して右側データ線171r側にさらに接近した後、再びデータ線(171l、171r)に並んで延在して維持電極線131と交差した後、直角に2回曲折されて第1ドレイン電極175aの広い端部の周囲を回って、維持電極137の上で面積が広い端部を形成する。よって、第1ドレイン電極175aの広い端部が第2ドレイン電極175bの広い端部に比べて、右側データ線171rに近く配置される。次に、右側画素では第1ドレイン電極175aが維持電極137に達する前にもう一度屈折し、データ線(171l、171r)に並んで延在して維持電極137に達して広い端部を形成し、第2ドレイン電極175bは維持電極線131と交差した後、直角に二度曲折して維持電極137上に面積の広い端部を形成する。これにより、第1ドレイン電極175aの広い端部が第2ドレイン電極175bの広い端部に比べて、右側データ線171rから遠く配置される。
【0078】
データ線(171l、171r)とドレイン電極(175a、175b)の上には保護膜(図示せず)が形成されており、保護膜の上には遮光部材220が形成されている。図24を参照すれば、遮光部材220はデータ線(171l、171r)上で縦方向に長く延在する第1部分221、維持電極線131の上下に形成される第2部分(223a、223b)、この第2部分(223a、223b)の間を接続する第3部分223c及び薄膜トランジスタのチャンネル部を覆う第4部分(227a、227b)を含む。
【0079】
第1部分221はデータ線(171l、171r)を覆い、データ線(171l、171r)に沿って縦方向に長く延在してダムを形成している。全体的に第1部分221はストライプ状に配置されてカラーフィルタ230が保存される空間を縦方向で区画しており、結果的に保存空間を縦方向に長く形成している。ここで第1部分221はデータ線(171l、171r)を完全に覆わず、二つのデータ線(171l、171r)の間にかけて形成されており、二つのデータ線(171l、171r)の近い側の辺のみを覆っている。そして、第2部分(223a、223b)は維持電極137の上下で維持電極137と並んで横方向に形成され、第1部分221の間を接続している。第3部分223cは第1ドレイン電極175aの広い端部と、第2ドレイン電極175bの広い端部の間に配置され、第2部分(223a、223b)の間を接続する。第4部分(227a、227b)は第1部分221から突出して薄膜トランジスタを覆い、光が薄膜トランジスタ(Qa、Qb)のチャンネルに入射することを防止する。ここで遮光部材220の高さは、カラーフィルタ用インクが溢れるのを防止するため1.5〜4μm程度に形成し、遮光部材220の幅は必要に応じて様々に変更可能である。
【0080】
このように、第1部分221は縦方向に延在してダムを形成しているので、インクジェット工程により保存空間に液状のカラーフィルタ形成用物質(以下、インク)を注入することによってカラーフィルタ(図示せず)を形成することができる。このとき、維持電極137に隣接して第2部分(223a、223b)が形成されており、カラーフィルタが維持電極137の上に形成されるのを防止でき、これによってカラーフィルタがコンタクトホール(185a、185b)が形成される部分を覆うのを防ぐ。
【0081】
遮光部材220とカラーフィルタの上にはカバー膜(図示せず)が形成されており、カバー膜の上には二つの副画素電極(191a、191b)が形成されている。二つの副画素電極(191a、191b)はカバー膜と保護膜を貫通するコンタクトホール(185a、185b)を介してドレイン電極(175a、175b)と接続されている。第1副画素電極191aは、データ線(171l、171r)とゲート線121の上にまで広く拡張されて開口率を高める。このとき、隣接する二つの画素の第1副画素電極191aの境界が、遮光部材220の第1部分221上に形成されており、これらを形成するためのエッチング処理時にエッチング均一性を確保できるようにして、隣接する二つの第1副画素電極191aが互いに短絡するのを防止する。また、二つの副画素電極(191a、191b)の間の間隙が形成された部分に遮光部材220の第3部分223cを形成することで、第2部分(223a、223b)によって段差が発生するのを防止する。これによってエッチング均一性を確保でき、二つの副画素電極(191a、191b)が短絡するのを防止できる。
【0082】
第3実施例ではドレイン電極(175a、175b)の端部を維持電極137の上に配置し、コンタクトホール(185a、185b)も維持電極137の上に配置した後、維持電極137の上下に遮光部材220を配置してカラーフィルタが維持電極137上に形成されるのを防止することによって、十分な保持容量を確保すると同時に、コンタクトホール(185a、185b)を容易に形成することができる。
【0083】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】第1実施形態による薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図2】図1のII−II線に沿って切断した断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿って切断した断面図である。
【図4】図1のIV−IV線に沿って切断した断面図である。
【図5】図1に示した薄膜トランジスタ表示板の製造方法を順次に示した配置図である。
【図6】図5のVI−VI線に沿って切断した断面図である。
【図7】図5のVII−VII線に沿って切断した断面図である。
【図8】図1に示した薄膜トランジスタ表示板の製造方法を順次に示した配置図である。
【図9】図8のIX−IX線に沿って切断した断面図である。
【図10】図8のX−X線に沿って切断した断面図である。
【図11】図1に示した薄膜トランジスタ表示板の製造方法を順次に示した配置図である。
【図12】図11のXII−XII線に沿って切断した断面図である。
【図13】図11のXIII−XIII線に沿って切断した断面図である。
【図14】図11のXII−XII線に沿って切断した断面図においてカラーフィルタを形成する態様を示した断面図である。
【図15】図11のXIII−XIII線に沿って切断した断面図においてカラーフィルタを形成する態様を示した断面図である。
【図16】図14のカラーフィルタ上にカバー膜を形成する態様を示した断面図である。
【図17】図15のカラーフィルタ上にカバー膜を形成する態様を示した断面図である。
【図18】図1の薄膜トランジスタ表示板の有機遮光部材のみ示した配置図である。
【図19】本発明の第2実施形態による薄膜トランジスタ表示板を示した配置図である。
【図20】図19のXX−XX線に沿って切断した断面図である。
【図21】図19のXXI−XXI線に沿って切断した断面図である。
【図22】図20の薄膜トランジスタ表示板の有機遮光部材のみ示した配置図である。
【図23】本発明の第3実施形態による薄膜トランジスタ表示板を示した配置図である。
【図24】図23の薄膜トランジスタ表示板の有機遮光部材のみ示した配置図である。
【符号の説明】
【0085】
94…間隙
110…基板
121…ゲート線
124a、124b…ゲート電極
131…維持電極線
137…維持電極
140…ゲート絶縁膜
1511、151r…半導体
154a、154b、163a、163b、228a、228b…突出部
1611、161r、165a、165b、167a、167b…オーミックコンタクト部材
171l、171r…データ線
173a、173b…ソース電極
175a、175b…ドレイン電極
180…保護膜
220…遮光部材
230…カラーフィルタ
250…カバー膜
【技術分野】
【0001】
本発明は薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法に係り、より詳細には、製造方法を単純化し、カラーフィルタの形成を容易にした薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、現在最も広く使用されている平板表示装置(フラットパネルディスプレイ)のうちの1つであって、2枚の表示板とその間に挟持された液晶層とからなり、電極に電圧を印加して液晶層の液晶分子を再配列することによって透過する光の量を調節する表示装置である。
【0003】
前記液晶表示装置はまた、液晶層を透過した光を利用して色を表示するカラーフィルタを有し、このカラーフィルタは通常、共通電極が形成された表示板に取り付けられている。このようなカラーフィルタは通常、赤色、緑色、青色を含んでおり、2つの表示板を結合する際、各画素に対応する色が面するように整列する必要がある。しかし、2つの表示板の整列誤差を考慮して画素の間の遮光部材を広く形成しなければならないので、開口部が狭くなり、このため開口率が減少するという問題点がある。
【0004】
このような問題点を解決するために、薄膜トランジスタが形成されている表示板にカラーフィルタを形成する技術と、カラーフィルタをインクジェット法を利用して形成する技術が提案された。カラーフィルタをインクジェット法で形成することにより露光器が不要となり、製造工程が単純化することができるという利点がある。
【0005】
しかし、このような従来技術ではカラーフィルタがドレイン電極を覆っているため、画素電極とドレイン電極を接続するためにはカラーフィルタを覆っているカバー膜、カラーフィルタ及び保護膜にコンタクトホール(接触孔)を形成する必要があり、このため工程自体が非常に複雑になり、カラーフィルタのエッチング均一性が不良であり、また、カラーフィルタのエッチングの際に発生するパーティクルがチャンバーを汚染するという工程上の不具合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は上記従来の薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、カラーフィルタをインクジェット法によって形成し、カラーフィルタ用インクの積荷を連続的に行うことにより、カラーフィルタの形成を容易にする、薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明による薄膜トランジスタ表示板は、
基板と、前記基板上に第1方向に延在するゲート線と、前記基板上に形成され前記ゲート線と絶縁されて交差し第2方向に延在するデータ線と、制御端子、入力端子及び出力端子を有し、前記ゲート線及び前記データ線にそれぞれ前記制御端子と前記入力端子が接続されている薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタ上に形成された複数のカラーフィルタと、前記薄膜トランジスタ上に形成され前記複数のカラーフィルタを区画し、前記薄膜トランジスタの出力端子の少なくとも一部領域を取り囲む出力端子保護部を含む遮光部材と、前記遮光部材と前記カラーフィルタの上に形成され、前記出力端子の前記出力端子保護部で囲まれた部分と接触する画素電極を、有することを特徴とする。
【0008】
前記遮光部材の高さは1.5μm〜4μmであることが好ましい。
前記遮光部材は前記データ線に沿って延長している信号線部を有しており、前記カラーフィルタは前記信号線部によって分れる2つの領域において互いに異なる色を含むことが好ましい。
【0009】
前記第1方向に延在し維持電極を含む維持電極線をさらに有し、前記遮光部材は、前記信号線部とともに前記維持電極の少なくとも一部を取り囲む維持電極保護部を有しており、前記維持電極上に前記カラーフィルタが形成されるのを防止することが好ましい。
【0010】
前記遮光部材は前記薄膜トランジスタのチャンネル部を覆う部分を含むことが好ましい。
【0011】
前記薄膜トランジスタの出力端子は少なくとも一部が前記維持電極と重畳し、前記遮光部材の出力端子保護部は前記出力端子の前記維持電極と重畳する部分を取り囲み、前記維持電極保護部の役割を兼ねていることが好ましい。
【0012】
前記薄膜トランジスタは、第1薄膜トランジスタと第2薄膜トランジスタとを含み、前記画素電極は、前記第1薄膜トランジスタの出力端子に接続された第1副画素電極と、前記第2薄膜トランジスタの出力端子に接続された第2副画素電極とを含み、前記遮光部材の出力端子保護部は、前記維持電極を中心に両側に形成された第1及び第2保護部と、前記第1保護部と前記第2保護部とを接続し、前記第1副画素電極と前記第2副画素電極との間隙と重畳する第3保護部とを含むことが好ましい。
【0013】
また、前記遮光部材は前記データ線に沿って延長している信号線部を有しており、前記カラーフィルタは前記信号線部によって分れる2つの領域において互いに異なる色を含むことが好ましい。
【0014】
前記第1方向に延在し維持電極を含む維持電極線をさらに有し、前記遮光部材は、前記信号線部とともに前記維持電極の少なくとも一部を取り囲む維持電極保護部を有しており、前記維持電極上に前記カラーフィルタが形成されるのを防止することことが好ましい。
【0015】
前記遮光部材は、前記薄膜トランジスタのチャンネル部を覆う部分を含むことが好ましい。
【0016】
前記薄膜トランジスタの出力端子は少なくとも一部が前記維持電極と重畳し、前記遮光部材の出力端子保護部は前記出力端子の前記維持電極と重畳する部分を取り囲み、前記維持電極保護部の役割を兼ねていることが好ましい。
【0017】
前記薄膜トランジスタは、第1薄膜トランジスタと第2薄膜トランジスタとを含み、前記画素電極は、前記第1薄膜トランジスタの出力端子に接続された第1副画素電極と、前記第2薄膜トランジスタの出力端子に接続された第2副画素電極とを含み、前記遮光部材の出力端子保護部は、前記維持電極を中心に両側に形成された第1及び第2保護部と、前記第1保護部と前記第2保護部との間を接続し、前記第1副画素電極と前記第2副画素電極との間の間隙と重畳する第3保護部を含むことが好ましい。
【0018】
また、前記第1方向に延在し維持電極を含む維持電極線をさらに有し、前記薄膜トランジスタの出力端子は少なくとも一部が前記維持電極と重畳し、前記遮光部材の出力端子保護部は前記出力端子の前記維持電極と重畳する部分を取り囲んでいることが好ましい。
【0019】
前記薄膜トランジスタと前記遮光部材及びカラーフィルタとの間に形成された保護膜と前記遮光部材及びカラーフィルタと前記画素電極の間に形成されているカバー膜をさらに有し、前記画素電極は、前記保護膜と前記カバー膜が含むコンタクトホールを介して前記薄膜トランジスタの出力端子と接触するこことが好ましい。
【0020】
前記データ線は第1データ線と第2データ線を含み、前記薄膜トランジスタは、入力端子が前記第1データ線に接続された第1薄膜トランジスタと、入力端子が前記第2データ線に接続された第2薄膜トランジスタを含み、前記画素電極は、前記第1薄膜トランジスタの出力端子に接続された第1副画素電極と、前記第2薄膜トランジスタの出力端子に接続された第2副画素電極を含むことが好ましい。
【0021】
前記第1方向に延在し維持電極を含む維持電極線をさらに有し、前記遮光部材の出力端子保護部は、前記第1薄膜トランジスタの出力端子を囲む第1出力端子保護部と、前記第2薄膜トランジスタの出力端子を囲む第2出力端子保護部を含み、前記遮光部材の第1出力端子保護部と第2出力端子保護部は前記維持電極と重畳することが好ましい。
【0022】
前記第1方向に延在し維持電極を含む維持電極線をさらに有し、前記遮光部材の出力端子保護部は、前記維持電極を中心に両側に形成された第1及び第2保護部と、前記第1保護部と前記第2保護部との間を接続し、前記第1副画素電極と前記第2副画素電極の間の間隙と重畳する第3保護部を含むことが好ましい。
【0023】
上記目的を達成するためになされた本発明による薄膜トランジスタ表示板製造方法は、
第1方向に延在するゲート線を形成し、前記ゲート線上にゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜上に半導体を形成し、前記第1方向と交差する第2方向に延在するデータ線とドレイン電極を形成し、前記データ線とドレイン電極上に保護膜を形成し、
前記保護膜上に前記第2方向に形成されて保存空間を区画する第1部分と、前記ドレイン電極端部の周辺を囲む第2部分を含む遮光部材を形成し、前記保存空間内にインクジェット方法でカラーフィルタを形成し、前記第2部分で囲まれた前記ドレイン電極の端部を露出させるコンタクトホールを形成し、前記コンタクトホールを介して前記ドレイン電極に接続される画素電極を形成すること、を特徴とする。
【0024】
前記カラーフィルタを形成する工程と、前記コンタクトホールを形成する工程との間に前記カラーフィルタを覆うカバー膜を形成し、前記コンタクトホールを形成する際に、前記カバー膜と前記保護膜を共にフォトエッチングすることが好ましい。
【0025】
前記遮光部材を形成する際に、黒色顔料を含む感光物質を塗布して感光膜を形成し、
前記感光膜の露光し、前記感光膜の現像を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
工程自体が非常に複雑になり、カラーフィルタのエッチング均一性が不良であり、また、カラーフィルタのエッチングの際に発生するパーティクルがチャンバーを汚染するという工程上の不具合がある従来の薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法にかわって、
本発明によれば、遮光部材がデータ線に沿って形成され、ストライプ状に保存空間を区画するため、カラーフィルタをインクジェット法により形成することが容易となる。
また、本発明ではコンタクトホールが遮光部材で囲まれており、インクジェット法でカラーフィルタを形成しても、コンタクトホールでカラーフィルタが覆われるのを防止することができる。
また、本発明ではカラーフィルタが形成される保存空間がストライプ配列となっており、カラーフィルタ用インクの積荷を連続的に行うことが可能である。
また、本発明によれば、液晶表示装置の製造方法を単純化し、カラーフィルタの形成を容易にするという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に、本発明に係る薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法を実施するための最良の形態の具体例を図面を参照しながら、説明する。
【0028】
図面は、各種層及び領域を明確に表現するために、厚さを拡大して示している。明細書全体を通じて類似した部分については同一の参照符号を付けている。層、膜、領域、板などの部分が、他の部分の「上に」あるとするとき、これは他の部分の「すぐ上に」ある場合に限らず、その中間に更に他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「すぐ上に」あるとするとき、これは中間に他の部分がない場合を意味する。
【0029】
以下、本発明の第1実施形態による薄膜トランジスタ表示板を詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態による薄膜トランジスタ表示板を示した配置図である。図2〜図4は各々図1のII−II線、III−III線、及びIV−IV線に沿って切断した断面図である。
【0030】
本発明の第1実施形態による薄膜トランジスタ表示板は透明なガラスなどからなる絶縁基板110の上にゲート線121と維持電極線131が形成されている。
ゲート線121は横方向に延在してゲート信号を伝達する。ゲート線121は、ゲート電極(124a、124b)を構成する複数の突出部と、他の層又は外部駆動回路との接続のための広い面積の端部129を含む。そして維持電極線131は隣接した2つのゲート線121の間に位置し、ゲート線121と平行に横方向に延在しており、共通電極に印加される共通電圧(Vcom)など所定の電圧が印加される。維持電極線131は維持電極137を構成する突出部と、維持電極の面積を大きくするとともに光漏れを防止する分枝部(133a、133b)を含む。
【0031】
ゲート線121と維持電極線131は物理的性質が異なる2つの導電膜(図示せず)を含む多重膜構造を有してもよい。1つの導電膜はゲート線121と維持電極線131の信号地縁や電圧降下を減らすため、低い抵抗率の金属、例えば、アルミニウム系金属、銀系金属、銅系金属などからなる。これとは異なり、もう1つの導電膜は、他の物質、特にITO(indium tin oxide)及びIZO(indium zinc oxide)との接触特性に優れた物質、例えば、モリブデン系金属、クロム、チタニウム、タンタルなどからなる。このような組み合わせの好適な例としては、クロム下部膜とアルミニウム(合金)上部膜及びアルミニウム(合金)下部膜とモリブデン(合金)上部膜が挙げられる。さらに、ゲート線121及び維持電極線131はこの他にも様々な金属、導電体で形成することができる。
【0032】
またゲート線121及び維持電極線131の側面は、基板110表面に対して傾斜しており、その傾斜角は約30〜80度であることが好ましい。ゲート線121及び維持電極線131の上には窒化ケイ素(SiNx)などからなるゲート絶縁膜140が形成されている。
【0033】
ゲート絶縁膜140の上には水素化非晶質シリコン(非晶質シリコンはa−Siと略称する)又は多結晶シリコン(polysilicon)等からなる複数の線状半導体(151l、151r)が形成されている。線状半導体(151l、151r)はそれぞれ左側と右側に位置する1対からなる。線状半導体(151l、151r)は主に縦方向に延在し、それぞれゲート電極(124a、124b)に向かって延在した突出部(154a、154b)を含む。
【0034】
線状半導体(151l、151r)の上には複数の線状及び島状オーミックコンタクト部材(ohmic contact)(161l、161r、165a、165b)が形成されている。オーミックコンタクト部材(161l、161r、165a、165b)は、リンなどのn型不純物が高濃度にドーピングされているn+水素化非晶質シリコンなどの物質からなるか、シリサイドからなる。線状オーミックコンタクト部材(161l、161r)はそれぞれ複数の突出部(163a、163b)を有しており、この突出部163a、163b)と島状オーミックコンタクト部材(165a、165b)はペアをなして線状半導体(151l、151r)の突出部(154a、154b)上に配置されている。
【0035】
半導体(151l、151r)とオーミックコンタクト部材(161l、161r、165a、165b)の側面もまた、基板110面に対して傾斜しており、その傾斜角は約30〜80度であることが好ましい。
【0036】
オーミックコンタクト部材(161l、161r、165a、165b)の上には左側及び右側データ線(171l、171r)と、第1及び第2ドレイン電極(175a、175b)が形成されている。ここで、左側データ線171lと右側データ線171rの下にはそれぞれ線状オーミックコンタクト部材(161l、161r)及び線状半導体(151l、151r)が配置されている。
【0037】
データ線(171l、171r)はデータ電圧を伝達し、主に縦方向に延在してゲート線121及び維持電極線131と交差する。各データ線(171l、171r)はゲート電極(124a、124b)に向かってU字状に曲折されたソース電極(173a、173b)と、他の層又は外部駆動回路との接続のための広い端部(179l、179r)を含む。
【0038】
ドレイン電極(175a、175b)はデータ線(171l、171r)とそれぞれ分離されており、ゲート電極(124a、124b)を中心にソース電極(173a、173b)と対向する。ドレイン電極(175a、175b)は副画素電極(191a、191b)と接続される広い一端部と、棒状の他端部を含む。ドレイン電極(175a、175b)の棒状端部はそれぞれU字状に曲折されたソース電極(173a、173b)で囲まれている。
【0039】
ゲート電極(124a、124b)、ソース電極(173a、173b)及びドレイン電極(175a、175b)は、半導体の突出部(154a、154b)とともに薄膜トランジスタ(Qa、Qb)を構成し、薄膜トランジスタのチャンネルはソース電極(173a、173b)とドレイン電極(175a、175b)との間の半導体の突出部(154a、154b)に形成されている。データ線(171l、171r)とドレイン電極(175a、175b)は耐火性金属膜(図示せず)と低抵抗導電膜(図示せず)を含む多重膜構造である。多重膜構造の例としては、クロム又はモリブデン(合金)下部膜とアルミニウム(合金)上部膜の二重膜、モリブデン(合金)下部膜とアルミニウム(合金)中間膜とモリブデン(合金)下部膜の三重膜がある。しかしデータ線(171l、171r)とドレイン電極(175a、175b)はこの他にも様々な金属又は導電体で形成することができる。
【0040】
データ線(171l、171r)及びドレイン電極(175a、175b)もゲート線121及び維持電極線131と同様にその側面が約30〜80度各々傾斜している。
【0041】
データ線(171l、171r)及びドレイン電極(175a、175b)の上には保護膜180が形成されている。保護膜180は窒化ケイ素や酸化ケイ素などからなる。保護膜180の上には遮光部材220が形成されている。図18を参照すれば、遮光部材220はデータ線(171l、171r)上で縦方向に長く延在する第1部分221、維持電極線131の上下に形成された第2部分(223a、223b)、ドレイン電極(175a、175b)端部の周囲に位置する第3部分(225a、225b)、及び薄膜トランジスタ(Qa、Qb)のチャンネル部を覆う第4部分(227a、227b)を含む。
【0042】
第1部分221はデータ線(171l、171r)を覆い、データ線(171l、171r)に沿って縦方向に長く延在してダムを形成する。全体的に第1部分221はストライプ状に配置され、カラーフィルタ230が保存される空間を縦方向に区画している。その結果、保存空間が縦方向に長く形成される。また、第2部分(223a、223b)は維持電極137の上下で維持電極137と平行に横方向に形成され、第1部分221の間を接続している。第3部分(225a、225b)はドレイン電極(175a、175b)の端部の上に配置され、平面的にはドレイン電極(175a、175b)の端部を囲む囲い状に形成されている。第3部分(225a、225b)の形状は、図1に示したように、四角形リング、8角形リング、円形リングなど様々な形態をとることができる。
【0043】
このように、第1部分221は縦方向に延在してダムを形成しているので、インクジェット法により保存空間に液状のカラーフィルタ形成用物質(以下、インク)を注入してカラーフィルタ230を形成することができる。この際、維持電極137の隣には第2部分(223a、223b)が形成されており、カラーフィルタ230が維持電極137上に形成されるのを防止する。また、ドレイン電極(175a、175b)と画素電極が接続されるコンタクトホール(185a、185b)が配置されるの部分には第3部分(225a、225b)が形成されており、インクジェット法においてインクがコンタクトホール(185a、185b)が形成される部分に流入するのを防止し、コンタクトホール(185a、185b)が形成される部分をカラーフィルタ230が覆うのを防止する。
【0044】
このように形成されるカラーフィルタ230は、赤色、緑色、青色の色相からなる。例えば、1つの保存空間に赤色のカラーフィルタが形成される場合、第1部分221を介在して横方向に隣接した保存空間にはそれぞれ緑色と青色のカラーフィルタが形成される。このため、全体的にカラーフィルタ230は緑色、赤色、青色の順にストライプ配列をなす。ここでカラーフィルタ230の高さは1〜3μm程度である。
【0045】
遮光部材220は、薄膜トランジスタ(Qa、Qb)の上に配置されている第4部分(227a、227b)をさらに含む。この第4部分(227a、227b)は光が薄膜トランジスタ(Qa、Qb)のチャンネルに入射するのを防止する。図では第4部分(227a、227b)が第1部分221から離れて島状に形成されているが、第1部分221と接続することも可能である。
【0046】
ここで遮光部材220の高さは、カラーフィルタ用インクが流れてあふれるのを防止するため、1.5〜4μm範囲で形成し、遮光部材220の幅は必要に応じて多様に変更可能である。カラーフィルタ230は最終的に1〜3μmの高さで形成されるが、カラーフィルタ用インクにはカラーフィルタ固形分の他に液状にするための溶剤が含まれており、インクジェット工程におけるインクの高さは10μm程度に達する。このため、遮光部材220の高さが1.5μm未満である場合、インクが遮光部材220を越えてコンタクトホールが形成される部分まで流入する。また、遮光部材220の高さが1.5μm以下である場合は、光を遮断する機能が低下し、遮光部材としての機能を失ってしまう。ここで、インクの高さが10μm程度に達すると、遮光部材220の高さより数倍以上高くなるが、インクの表面張力により遮光部材220を越えてあふれることはない。遮光部材220の高さが4μmを超える場合は、カラーフィルタ230と遮光部材220との高さの差が大きくなり、後に形成される薄膜の平坦度が低下し、液晶セルギャップの均一性にも悪影響をおよぼす。
【0047】
遮光部材220とカラーフィルタ230の上にはカバー膜(overcoat)250が形成されている。カバー膜250は第2部分(223a、223b)の間の維持電極線131を覆う保護膜180の上と、第3部分(225a、225b)が保護しているドレイン電極(175a、175b)の端部を覆う保護膜180の上にも形成されている。カバー膜250は無機絶縁物質又は有機絶縁物質からなる。
【0048】
カバー膜250と保護膜180にはデータ線(171l、171r)の端部(179l、179r)とドレイン電極(175a、175b)の端部をそれぞれ露出させるコンタクトホール(182l、182r、185a、185b)が形成されている。また、カバー膜250、保護膜180及びゲート絶縁膜140にはゲート線121の端部129を露出させるコンタクトホール181が形成されている。コンタクトホール(185a、185b)は第3部分(225a、225b)内側に形成されており、カバー膜250と保護膜180を同時にエッチングして形成される。ここで、コンタクトホール(185a、185b)が形成される部分は、インクジェット工程において第3部分(225a、225b)によりインクの流入を遮断した部分である。このため、コンタクトホール(185a、185b)が形成される部分にはカラーフィルタ230が存在せず、カバー膜250と保護膜180を同時にエッチングすることによってドレイン電極(175a、175b)が露出される。このため、インクジェット工程によりカラーフィルタ230を形成する場合でもコンタクトホール(185a、185b)を簡単に形成することができ、カラーフィルタ230をエッチングする際に発生するチャンバー汚染問題やエッチング不均一問題も解決することができる。
【0049】
カバー膜250の上には第1及び第2副画素電極(191a、191b)と接触補助部材(81、82l、82r)が形成されている。これらはITO又はIZOなどの透明導電物質やアルミニウム、銀又はその合金などの反射性金属により形成される。
【0050】
第1副画素電極191aと第2副画素電極191bはそれぞれコンタクトホール(185a、185b)を介してドレイン電極(175a、175b)と物理的、電気的に接続され、ドレイン電極(175a、175b)からデータ電圧の印加を受ける。
【0051】
データ電圧が印加された2つの副画素電極(191a、191b)は共通電極と共に電場を生成することによって液晶分子の配列を決定する。この場合、第1副画素電極191aは左側データ線171lからデータ電圧の印加を受け、第2副画素電極191bは右側データ線171rからデータ電圧の印加を受けるので互いに異なる電圧の印加を受ける。このように、互いに異なる電圧が印加されれば、該領域の液晶の配列状態も互いに異なるようになる。これを適切に調節すれば、側面から見る画像を正面から見る画像に最大に近づけることができる。すなわち、液晶表示装置の側面視認性を向上させることができる。ここで、第1副画素電極191aと第2副画素電極191bのうち面積の広い第1副画素電極191aに印加される電圧の絶対値が、第2副画素電極191bに印加される電圧の絶対値より高い値を示すことが視認性向上に好ましい。
【0052】
第1副画素電極191aは切開部を有し、この切開部と第1副画素電極191aと第2副画素電極191bの間の間隙94は、薄膜トランジスタ表示板と対向する表示板(図示せず)に形成された共通電極(図示せず)の切開部や共通電極上に形成された有機膜突起(図示せず)とともに、電場の水平成分を誘発して、液晶の配向動作を制御するための手段として使用される。また、副画素電極(191a、191b)と共通電極は液晶キャパシタを構成して、薄膜トランジスタがターンオフした後にも印加された電圧を維持する。電圧維持能力を強化するため、液晶キャパシタと並列に接続されたストレージキャパシタは第1及び第2副画素電極(191a、191b)と維持電極線131の重畳で形成される。この際、維持電極137と第1及び第2副画素電極(191a、191b)の間にはカラーフィルタ230が存在しないのでストレージキャパシタの容量が増加する。ここでストレージキャパシタの容量が小さくて済む場合には、維持電極137上にカラーフィルタ230が形成されるのを防止する遮光部材220の第2部分(223a、223b)は不要である。この場合は、維持電極137の上にもカラーフィルタ230が形成されており、第1及び第2副画素電極(191a、191b)と維持電極137の間にもカラーフィルタ230が存在するので保持容量が減少する。保持容量の減少に伴ってキックバック電圧が増加するなどの問題が発生し得るが、これは薄膜トランジスタの大きさを小さくすることにより、ゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量を減少させるか、誘電率の大きな液晶物質を用いて液晶容量を増加させるなどの方法で解消することができる。
【0053】
1つの画素電極を構成する1対の第1及び第2副画素電極(191a、191b)は間隙(gap)94を介在して係合している。このような画素電極191は、様々な形態をとることができる。
【0054】
以下、このような構成の薄膜トランジスタ表示板を製造する方法について説明する。
図5〜図7はゲート線と維持電極線を、図8〜図10はデータ線及びドレイン電極を、図11〜図13は遮光部材を、図14〜図15はカラーフィルタを、図16〜図17はカバー膜をそれぞれ形成する態様を説明するものである。
【0055】
まず、図5〜図7に示したように、絶縁基板110の上にアルミニウム−ネオジム(AlNd)、モリブデン(Mo)等の金属膜を蒸着し、フォトエッチングして、ゲート電極(124a、124b)と端部129を含むゲート線121、分枝部(133a、133b)と維持電極137を含む維持電極線131を形成する。
【0056】
図8〜図10に示したように、ゲート線121及び維持電極線131の上にゲート絶縁膜140を形成した後、半導体層、オーミックコンタクト層、データ用金属層、感光膜を順次に積層し、感光膜に対してハーフトーンマスクを用いてフォト工程を行うことにより、位置によって厚さが異なる感光膜パターンを形成する。この際、感光膜パターンはデータ線(171l、171r)及びドレイン電極(175a、175b)が形成される部分に対応する部分はその厚さが厚く、ソース電極(173a、173b)とドレイン電極(175a、175b)の間に対応する部分は厚さが薄い。このような感光膜パターンをマスクとしてデータ用金属層、オーミックコンタクト層及び半導体層をエッチングして、予備データ線、予備オーミックコンタクト部材及び半導体(151l、15lr)を形成し、感光膜パターンをアッシングして、ソース電極(173a、173b)とドレイン電極(175a、175b)の間に対応する薄い部分を除去する。アッシングされた感光膜パターンをマスクとして、露出した予備データ線と予備オーミックコンタクト部材をエッチングすることにより、データ線(171l、171r)とドレイン電極(175a、175b)及びその下にオーミックコンタクト部材(161l、161r、165a、165b)を完成する。
【0057】
図11〜図13に示したように、黒色顔料が分散している感光剤を塗布、露光及び現像して、第1部分221、第2部分(223a、223b)、第3部分(225a、225b)、及び第4部分(227a、227b)を含む遮光部材220を形成することによってインクが提供される保存空間を区画する。ここで、遮光部材220は1.5〜4μm程度の高さで、耐熱性に優れた有機物質で形成することができる。カラーフィルタのインクジェット工程においてインクの高さが10μm程度に達するので、遮光部材220の高さを1.5μm未満とする場合、インクが遮光部材220を越えてコンタクトホールが形成される部分まで流入してしまう。ところがインクの高さが10μm程度に達し、遮光部材220の高さより数倍以上高いが、インクの表面張力により遮光部材220の上に流入しない。遮光部材220の高さが4μm以上である場合、遮光部材220とカラーフィルタ230との高さの差が大きくなり、後に形成される薄膜の平坦度が低下し、液晶セルギャップの均一性にも悪影響をおよぼす。
遮光部材220を感光性がない有機物質で形成する場合には、フォトエッチング方法でパターニングする。
【0058】
図11、図14〜図15に示したように、インクジェット工程により保存空間にカラーフィルタ230を形成する。インクは、ノズル(図示せず)が移動する矢印方向に落下点(Dp)に沿って保存空間に供給され、四方に流れて保存空間を満たす。この過程で第2部分(223a、223b)は維持電極137を介在して位置しており、第3部分(225a、225b)はコンタクトホールが形成されるドレイン電極(175a、175b)の端部を囲んでいるので、インクは、維持電極137の上部と第3部分(225a、225b)の内側、すなわち、コンタクトホールが形成される部分には流入しない。一方、インクジェット工程により保存空間に提供されるインクは液状で、第2部分(223a、223b)又は第3部分(225a、225b)に流入するので、インクの物性(例;粘度や表面張力)や量を調節したり、第2部分(223a、223b)又は第3部分(225a、225b)の高さと厚さを適切に調節したりして、インクがあふれるのを防止しなければならない。
【0059】
図16及び図17に示したように、カラーフィルタ230の上にカバー膜250を形成し、カバー膜250と保護膜180を同時にフォトエッチングして、第3部分(225a、225b)が囲んでいる部分にコンタクトホール(185a、185b)を形成する。このように、第3部分(225a、225b)の内側は、インクジェット工程において第3部分(225a、225b)の保護を受けてカラーフィルタ230が形成されていないので、コンタクトホール(185a、185b)は1回のエッチング工程により簡単に形成できるようになる。次いで、カバー膜250上に第1及び第2副画素電極(191a、191b)と接触補助部材(81、82l、82r)を形成する。
【0060】
以下、添付した図面を参照して本発明の第2実施形態による薄膜トランジスタ表示板について説明する。第2実施形態による薄膜トランジスタ表示板は、第1実施形態と比較して、遮光部材の形状、維持電極の形状、ソース及びドレイン電極の形状、画素電極の形状、画素電極と薄膜トランジスタの接続などにおいて差がある。以下、このような差異を中心に添付図を用いて第2実施形態を詳しく説明する。図19は1つの画素に対する薄膜トランジスタ表示板を示した配置図である。図20及び図21は図19のXX−XX線とXXI−XXI線に沿って切断した断面図である。図22は図20の薄膜トランジスタ表示板の有機遮光部材のみを示した配置図である。
【0061】
本発明の第2実施形態による薄膜トランジスタ表示板は、絶縁基板110の上にゲート線(121u、121d)と維持電極137を含む維持電極線131が形成されており、その上にゲート絶縁膜140が形成されている。維持電極線131は隣接した2つのゲート線(121u、121d)から等距離に配置されている。ゲート線(121u、121d)は同一線が反復的に形成されているが、図19では説明上、画素の上側ゲート線121uと下側ゲート線121dにそれぞれ異なる符号を付して区分した。ゲート線(121u、121d)はそれぞれ広い端部(129u、129d)を含む。
【0062】
ゲート絶縁膜140の上には線状半導体(151l、151r)が形成されている。線状半導体(151l、151r)の上には複数の線状及び島状オーミックコンタクト部材(161l、161r、165a、165b、167a、167b)が形成されている。線状オーミックコンタクト部材(161l、161r)は複数の突出部(163a、163b)を有しており、この突出部(163a、163b)と島状オーミックコンタクト部材(165a、165b)はペアをなして半導体(151l、151r)の突出部(154a、154b)上に配置されている。島状オーミックコンタクト部材(167a、167b)は島状オーミックコンタクト部材(165a、165b)が延在した部分である。
【0063】
オーミックコンタクト部材(161l、161r、165a、165b)の上には左側及び右側データ線(171l、171r)、第1及び第2ドレイン電極(175a、175b)が形成されている。第1及び第2ドレイン電極(175a、175b)のそれぞれは広い一端部(177a、177b)と棒状の他端部を含む。広い端部(177a、177b)は右側及び左側データ線(171r、171l)にそれぞれ隣接して維持電極137と重畳し、棒状端部はU字上に曲折されたソース電極(173a、173b)で囲まれている。
【0064】
ここで第1ドレイン電極175aは、画素の下側ゲート線121d上部から始まり、上側(画素内部)に延びて斜線方向に曲がって、維持電極137の上部で右側データ線171rと隣接する位置に広い端部177aを形成する。第2ドレイン電極175bは画素の上側ゲート線121u上部から始まり、下側(画素内部)に延びて維持電極137上部で左側データ線171lと隣接する位置に広い端部177bを形成する。
【0065】
データ線(171l、171r)及びドレイン電極(175a、175b)の上には保護膜180が形成されている。
【0066】
保護膜の上には遮光部材220が形成されている。遮光部材220はデータ線(171l、171r)の上で縦方向に長く延在した第1部分221、第1部分221で左右に突出している突出部(228a、228b)、及び薄膜トランジスタ(Qa、Qb)のチャンネル部を覆う第2部分(227a、227b)を含む。第1部分221はデータ線(171l、171r)上でデータ線(171l、171r)に沿って縦方向に長く延在してダムを形成している。図22を参照すれば、全体的に遮光部材220はストライプ状に配置されて、カラーフィルタ230が保存される空間を縦方向に区画し、このため、カラーフィルタ230が保存される保存空間を縦方向に長く形成する。
【0067】
なお、遮光部材220の突出部(228a、228b)は開口(229a、229b)を含んでいる。突出部(228a、228b)は第1部分221から維持電極137に向かって延在して形成される。このように、突出部(228a、228b)は開口(229a、229b)を含み、開口(229a、229b)にはコンタクトホール(185a、185b)が位置している。ここで遮光部材220の高さは、カラーフィルタ用インクがあふれるのを防ぐため1.5〜4μm程度に形成し、遮光部材220の幅は必要に応じて多様に変更可能である。
【0068】
このように、遮光部材220が縦方向に延在してダムを形成しているため、インクジェット工程により保存空間にインクを注入することでカラーフィルタ230を形成することができる。この際、コンタクトホール(185a、185b)が形成される部分に突出部(228a、228b)が形成されており、カラーフィルタ230が形成されるのを防止することができる。
【0069】
遮光部材220とカラーフィルタ230の上にはカバー膜250が形成されている。また、カバー膜250は遮光部材220の突出部(228a、228b)で囲まれた部分にも形成されている。
【0070】
カバー膜250と保護膜180にはデータ線(171l、171r)の端部(179l、179r)とドレイン電極(175a、175b)の端部(177a、177b)をそれぞれ露出させるコンタクトホール(182l、182r、185a、185b)が形成されている。さらに、カバー膜250、保護膜180及びゲート絶縁膜140にはゲート線(121u、121d)の端部(129u、129d)を露出させるコンタクトホール(181u、181d)が形成されている。
【0071】
コンタクトホール(185a、185b)は突出部(228a、228b)の開口(229a、229b)に形成されており、カバー膜250と保護膜180を同時にエッチングして形成する。ここで、コンタクトホール(185a、185b)が形成された部分は、インクジェット工程において突出部(228a、228b)によりインクの流入が遮断されている。このため、コンタクトホール(185a、185b)が形成された部分にはカラーフィルタ230が存在せず、保護膜180とカバー膜250を同時にエッチングすることによりドレイン電極(175a、175b)を簡単に露出させることができる。
【0072】
カバー膜250の上には第1及び第2副画素電極(191a、191b)と接触補助部材(81u、81d、82l、82r)が形成されている。第2副画素電極191bは複数の切開部(91、92a、92b、93a、93b)を含む。これらはITO又はIZOなどの透明導電物質やアルミニウム、銀又はその合金などの反射性金属で形成することができる。
【0073】
一方、ストレージキャパシタはドレイン電極(175a、175b)の端部(177a、177b)と維持電極137の重畳により形成される。これと比較して、第1実施形態におけるストレージキャパシタは、副画素電極(191a、191b)と維持電極137の重畳により形成される。このため、第1実施形態ではストレージキャパシタを形成するため維持電極137の上にカラーフィルタ230が形成されないようにする第2部分(223a、223b)が必要であるが、第2実施形態では、第1実施形態のような遮光部材が不要である。また、第2実施形態ではコンタクトホール(185a、185b)が維持電極137上でデータ線(171l、171r)に隣接して形成されており、第2実施形態は第1実施形態に比べて、開口率の損失を減らすことができる。また、図22から分かるように、カラーフィルタ230が保存される保存空間が画素列全体において1つに接続されている。このため、インクの積荷や拡散が容易となる。
【0074】
第3実施形態による薄膜トランジスタ表示板は、第1及び第2実施形態と比較すると、薄膜の層構造は同一であるが、ドレイン電極(175a、175b)を始めとした薄膜トランジスタの配置、副画素電極(191a、191b)の形状、コンタクトホール(185a、185b)の位置、遮光部材220の形状などに差がある。以下、このような差異点を中心に添付図を参照して、第3実施形態を詳細に説明する。図23は本発明の第3実施形態による薄膜トランジスタ表示板を示した配置図である。図24は図23の薄膜トランジスタ表示板の有機遮光部材のみを示した配置図である。
【0075】
絶縁基板上にゲート線121と維持電極線131が形成されている。ゲート線121は複数のゲート電極(124a、124b)を有し、維持電極線131は縦方向に延在した分枝部(133a、133b)と維持電極137を含む。維持電極線131は隣接する2つのゲート線121から等距離地点を通過する。
【0076】
ゲート線121及び維持電極線131と交差して、左側及び右側データ線(171l、171r)が形成されている。ここで、2つのゲート電極(124a、124b)は左側と右側データ線(171l、171r)とそれぞれ隣接して位置し、ゲート電極(124a、124b)の上に線状半導体の2つの突出部(154a、154b)が形成されており、左側と右側データ線(171l、171r)の分枝である2つのソース電極(173a、173b)と2つのドレイン電極(175a、175b)がそれぞれ対向している。
【0077】
図23のドレイン電極(175a、175b)の形状が左側画素と右側画素とにおいてわずかに異なる。まず左側画素は、2つのドレイン電極(175a、175b)のうち第1ドレイン電極175aはデータ線(171l、171r)と並んで延在して斜線方向に曲折された後、維持電極137上に達して面積が広い端部を形成する。第2ドレイン電極175bは、データ線(171l、171r)と並んで延在して少し屈折して右側データ線171r側にさらに接近した後、再びデータ線(171l、171r)に並んで延在して維持電極線131と交差した後、直角に2回曲折されて第1ドレイン電極175aの広い端部の周囲を回って、維持電極137の上で面積が広い端部を形成する。よって、第1ドレイン電極175aの広い端部が第2ドレイン電極175bの広い端部に比べて、右側データ線171rに近く配置される。次に、右側画素では第1ドレイン電極175aが維持電極137に達する前にもう一度屈折し、データ線(171l、171r)に並んで延在して維持電極137に達して広い端部を形成し、第2ドレイン電極175bは維持電極線131と交差した後、直角に二度曲折して維持電極137上に面積の広い端部を形成する。これにより、第1ドレイン電極175aの広い端部が第2ドレイン電極175bの広い端部に比べて、右側データ線171rから遠く配置される。
【0078】
データ線(171l、171r)とドレイン電極(175a、175b)の上には保護膜(図示せず)が形成されており、保護膜の上には遮光部材220が形成されている。図24を参照すれば、遮光部材220はデータ線(171l、171r)上で縦方向に長く延在する第1部分221、維持電極線131の上下に形成される第2部分(223a、223b)、この第2部分(223a、223b)の間を接続する第3部分223c及び薄膜トランジスタのチャンネル部を覆う第4部分(227a、227b)を含む。
【0079】
第1部分221はデータ線(171l、171r)を覆い、データ線(171l、171r)に沿って縦方向に長く延在してダムを形成している。全体的に第1部分221はストライプ状に配置されてカラーフィルタ230が保存される空間を縦方向で区画しており、結果的に保存空間を縦方向に長く形成している。ここで第1部分221はデータ線(171l、171r)を完全に覆わず、二つのデータ線(171l、171r)の間にかけて形成されており、二つのデータ線(171l、171r)の近い側の辺のみを覆っている。そして、第2部分(223a、223b)は維持電極137の上下で維持電極137と並んで横方向に形成され、第1部分221の間を接続している。第3部分223cは第1ドレイン電極175aの広い端部と、第2ドレイン電極175bの広い端部の間に配置され、第2部分(223a、223b)の間を接続する。第4部分(227a、227b)は第1部分221から突出して薄膜トランジスタを覆い、光が薄膜トランジスタ(Qa、Qb)のチャンネルに入射することを防止する。ここで遮光部材220の高さは、カラーフィルタ用インクが溢れるのを防止するため1.5〜4μm程度に形成し、遮光部材220の幅は必要に応じて様々に変更可能である。
【0080】
このように、第1部分221は縦方向に延在してダムを形成しているので、インクジェット工程により保存空間に液状のカラーフィルタ形成用物質(以下、インク)を注入することによってカラーフィルタ(図示せず)を形成することができる。このとき、維持電極137に隣接して第2部分(223a、223b)が形成されており、カラーフィルタが維持電極137の上に形成されるのを防止でき、これによってカラーフィルタがコンタクトホール(185a、185b)が形成される部分を覆うのを防ぐ。
【0081】
遮光部材220とカラーフィルタの上にはカバー膜(図示せず)が形成されており、カバー膜の上には二つの副画素電極(191a、191b)が形成されている。二つの副画素電極(191a、191b)はカバー膜と保護膜を貫通するコンタクトホール(185a、185b)を介してドレイン電極(175a、175b)と接続されている。第1副画素電極191aは、データ線(171l、171r)とゲート線121の上にまで広く拡張されて開口率を高める。このとき、隣接する二つの画素の第1副画素電極191aの境界が、遮光部材220の第1部分221上に形成されており、これらを形成するためのエッチング処理時にエッチング均一性を確保できるようにして、隣接する二つの第1副画素電極191aが互いに短絡するのを防止する。また、二つの副画素電極(191a、191b)の間の間隙が形成された部分に遮光部材220の第3部分223cを形成することで、第2部分(223a、223b)によって段差が発生するのを防止する。これによってエッチング均一性を確保でき、二つの副画素電極(191a、191b)が短絡するのを防止できる。
【0082】
第3実施例ではドレイン電極(175a、175b)の端部を維持電極137の上に配置し、コンタクトホール(185a、185b)も維持電極137の上に配置した後、維持電極137の上下に遮光部材220を配置してカラーフィルタが維持電極137上に形成されるのを防止することによって、十分な保持容量を確保すると同時に、コンタクトホール(185a、185b)を容易に形成することができる。
【0083】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】第1実施形態による薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図2】図1のII−II線に沿って切断した断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿って切断した断面図である。
【図4】図1のIV−IV線に沿って切断した断面図である。
【図5】図1に示した薄膜トランジスタ表示板の製造方法を順次に示した配置図である。
【図6】図5のVI−VI線に沿って切断した断面図である。
【図7】図5のVII−VII線に沿って切断した断面図である。
【図8】図1に示した薄膜トランジスタ表示板の製造方法を順次に示した配置図である。
【図9】図8のIX−IX線に沿って切断した断面図である。
【図10】図8のX−X線に沿って切断した断面図である。
【図11】図1に示した薄膜トランジスタ表示板の製造方法を順次に示した配置図である。
【図12】図11のXII−XII線に沿って切断した断面図である。
【図13】図11のXIII−XIII線に沿って切断した断面図である。
【図14】図11のXII−XII線に沿って切断した断面図においてカラーフィルタを形成する態様を示した断面図である。
【図15】図11のXIII−XIII線に沿って切断した断面図においてカラーフィルタを形成する態様を示した断面図である。
【図16】図14のカラーフィルタ上にカバー膜を形成する態様を示した断面図である。
【図17】図15のカラーフィルタ上にカバー膜を形成する態様を示した断面図である。
【図18】図1の薄膜トランジスタ表示板の有機遮光部材のみ示した配置図である。
【図19】本発明の第2実施形態による薄膜トランジスタ表示板を示した配置図である。
【図20】図19のXX−XX線に沿って切断した断面図である。
【図21】図19のXXI−XXI線に沿って切断した断面図である。
【図22】図20の薄膜トランジスタ表示板の有機遮光部材のみ示した配置図である。
【図23】本発明の第3実施形態による薄膜トランジスタ表示板を示した配置図である。
【図24】図23の薄膜トランジスタ表示板の有機遮光部材のみ示した配置図である。
【符号の説明】
【0085】
94…間隙
110…基板
121…ゲート線
124a、124b…ゲート電極
131…維持電極線
137…維持電極
140…ゲート絶縁膜
1511、151r…半導体
154a、154b、163a、163b、228a、228b…突出部
1611、161r、165a、165b、167a、167b…オーミックコンタクト部材
171l、171r…データ線
173a、173b…ソース電極
175a、175b…ドレイン電極
180…保護膜
220…遮光部材
230…カラーフィルタ
250…カバー膜
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に第1方向に延在するゲート線と、
前記基板上に形成され前記ゲート線と絶縁されて交差し第2方向に延在するデータ線と、
制御端子、入力端子及び出力端子を有し、前記ゲート線及び前記データ線にそれぞれ前記制御端子と前記入力端子が接続されている薄膜トランジスタと、
前記薄膜トランジスタ上に形成された複数のカラーフィルタと、
前記薄膜トランジスタ上に形成され前記複数のカラーフィルタを区画し、前記薄膜トランジスタの出力端子の少なくとも一部領域を取り囲む出力端子保護部を含む遮光部材と、
前記遮光部材と前記カラーフィルタの上に形成され、前記出力端子の前記出力端子保護部で囲まれた部分と接触する画素電極を、
有することを特徴とする薄膜トランジスタ表示板。
【請求項2】
前記遮光部材の高さは1.5μm〜4μmであることを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項3】
前記遮光部材は前記データ線に沿って延長している信号線部を有しており、前記カラーフィルタは前記信号線部によって分れる2つの領域において互いに異なる色を含むことを特徴とする請求項2に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項4】
前記第1方向に延在し維持電極を含む維持電極線をさらに有し、
前記遮光部材は、前記信号線部とともに前記維持電極の少なくとも一部を取り囲む維持電極保護部を有しており、前記維持電極上に前記カラーフィルタが形成されるのを防止することを特徴とする請求項3に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項5】
前記遮光部材は前記薄膜トランジスタのチャンネル部を覆う部分を含むことを特徴とする請求項4に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項6】
前記薄膜トランジスタの出力端子は少なくとも一部が前記維持電極と重畳し、前記遮光部材の出力端子保護部は前記出力端子の前記維持電極と重畳する部分を取り囲み、前記維持電極保護部の役割を兼ねていることを特徴とする請求項5に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項7】
前記薄膜トランジスタは、第1薄膜トランジスタと第2薄膜トランジスタとを含み、前記画素電極は、前記第1薄膜トランジスタの出力端子に接続された第1副画素電極と、前記第2薄膜トランジスタの出力端子に接続された第2副画素電極とを含み、前記遮光部材の出力端子保護部は、前記維持電極を中心に両側に形成された第1及び第2保護部と、前記第1保護部と前記第2保護部とを接続し、前記第1副画素電極と前記第2副画素電極との間隙と重畳する第3保護部とを含むことを特徴とする請求項6に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項8】
前記遮光部材は前記データ線に沿って延長している信号線部を有しており、前記カラーフィルタは前記信号線部によって分れる2つの領域において互いに異なる色を含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項9】
前記第1方向に延在し維持電極を含む維持電極線をさらに有し、
前記遮光部材は、前記信号線部とともに前記維持電極の少なくとも一部を取り囲む維持電極保護部を有しており、前記維持電極上に前記カラーフィルタが形成されるのを防止することを特徴とする請求項8に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項10】
前記遮光部材は、前記薄膜トランジスタのチャンネル部を覆う部分を含むことを特徴とする請求項9に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項11】
前記薄膜トランジスタの出力端子は少なくとも一部が前記維持電極と重畳し、前記遮光部材の出力端子保護部は前記出力端子の前記維持電極と重畳する部分を取り囲み、前記維持電極保護部の役割を兼ねていることを特徴とする請求項10に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項12】
前記薄膜トランジスタは、第1薄膜トランジスタと第2薄膜トランジスタとを含み、前記画素電極は、前記第1薄膜トランジスタの出力端子に接続された第1副画素電極と、前記第2薄膜トランジスタの出力端子に接続された第2副画素電極とを含み、前記遮光部材の出力端子保護部は、前記維持電極を中心に両側に形成された第1及び第2保護部と、前記第1保護部と前記第2保護部との間を接続し、前記第1副画素電極と前記第2副画素電極との間の間隙と重畳する第3保護部を含むことを特徴とする請求項10に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項13】
前記第1方向に延在し維持電極を含む維持電極線をさらに有し、
前記薄膜トランジスタの出力端子は少なくとも一部が前記維持電極と重畳し、前記遮光部材の出力端子保護部は前記出力端子の前記維持電極と重畳する部分を取り囲んでいることを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項14】
前記薄膜トランジスタと前記遮光部材及びカラーフィルタとの間に形成された保護膜と前記遮光部材及びカラーフィルタと前記画素電極の間に形成されているカバー膜をさらに有し、
前記画素電極は、前記保護膜と前記カバー膜が含むコンタクトホールを介して前記薄膜トランジスタの出力端子と接触することを特徴とする請求項13に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項15】
前記データ線は第1データ線と第2データ線を含み、
前記薄膜トランジスタは、入力端子が前記第1データ線に接続された第1薄膜トランジスタと、入力端子が前記第2データ線に接続された第2薄膜トランジスタを含み、
前記画素電極は、前記第1薄膜トランジスタの出力端子に接続された第1副画素電極と、前記第2薄膜トランジスタの出力端子に接続された第2副画素電極を含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項16】
前記第1方向に延在し維持電極を含む維持電極線をさらに有し、前記遮光部材の出力端子保護部は、前記第1薄膜トランジスタの出力端子を囲む第1出力端子保護部と、前記第2薄膜トランジスタの出力端子を囲む第2出力端子保護部を含み、前記遮光部材の第1出力端子保護部と第2出力端子保護部は前記維持電極と重畳することを特徴とする請求項15に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項17】
前記第1方向に延在し維持電極を含む維持電極線をさらに有し、前記遮光部材の出力端子保護部は、前記維持電極を中心に両側に形成された第1及び第2保護部と、前記第1保護部と前記第2保護部との間を接続し、前記第1副画素電極と前記第2副画素電極の間の間隙と重畳する第3保護部を含むことを特徴とする請求項15に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項18】
第1方向に延在するゲート線を形成し、
前記ゲート線上にゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜上に半導体を形成し、
前記第1方向と交差する第2方向に延在するデータ線とドレイン電極を形成し、
前記データ線とドレイン電極上に保護膜を形成し、
前記保護膜上に前記第2方向に形成されて保存空間を区画する第1部分と、前記ドレイン電極端部の周辺を囲む第2部分を含む遮光部材を形成し、
前記保存空間内にインクジェット方法でカラーフィルタを形成し、
前記第2部分で囲まれた前記ドレイン電極の端部を露出させるコンタクトホールを形成し、
前記コンタクトホールを介して前記ドレイン電極に接続される画素電極を形成すること、
を特徴とする薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項19】
前記カラーフィルタを形成する工程と、前記コンタクトホールを形成する工程との間に前記カラーフィルタを覆うカバー膜を形成し、
前記コンタクトホールを形成する際に、前記カバー膜と前記保護膜を共にフォトエッチングすることを特徴とする請求項18に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項20】
前記遮光部材を形成する際に、黒色顔料を含む感光物質を塗布して感光膜を形成し、
前記感光膜の露光し、
前記感光膜の現像を行うことを特徴とする請求項19に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項1】
基板と、
前記基板上に第1方向に延在するゲート線と、
前記基板上に形成され前記ゲート線と絶縁されて交差し第2方向に延在するデータ線と、
制御端子、入力端子及び出力端子を有し、前記ゲート線及び前記データ線にそれぞれ前記制御端子と前記入力端子が接続されている薄膜トランジスタと、
前記薄膜トランジスタ上に形成された複数のカラーフィルタと、
前記薄膜トランジスタ上に形成され前記複数のカラーフィルタを区画し、前記薄膜トランジスタの出力端子の少なくとも一部領域を取り囲む出力端子保護部を含む遮光部材と、
前記遮光部材と前記カラーフィルタの上に形成され、前記出力端子の前記出力端子保護部で囲まれた部分と接触する画素電極を、
有することを特徴とする薄膜トランジスタ表示板。
【請求項2】
前記遮光部材の高さは1.5μm〜4μmであることを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項3】
前記遮光部材は前記データ線に沿って延長している信号線部を有しており、前記カラーフィルタは前記信号線部によって分れる2つの領域において互いに異なる色を含むことを特徴とする請求項2に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項4】
前記第1方向に延在し維持電極を含む維持電極線をさらに有し、
前記遮光部材は、前記信号線部とともに前記維持電極の少なくとも一部を取り囲む維持電極保護部を有しており、前記維持電極上に前記カラーフィルタが形成されるのを防止することを特徴とする請求項3に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項5】
前記遮光部材は前記薄膜トランジスタのチャンネル部を覆う部分を含むことを特徴とする請求項4に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項6】
前記薄膜トランジスタの出力端子は少なくとも一部が前記維持電極と重畳し、前記遮光部材の出力端子保護部は前記出力端子の前記維持電極と重畳する部分を取り囲み、前記維持電極保護部の役割を兼ねていることを特徴とする請求項5に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項7】
前記薄膜トランジスタは、第1薄膜トランジスタと第2薄膜トランジスタとを含み、前記画素電極は、前記第1薄膜トランジスタの出力端子に接続された第1副画素電極と、前記第2薄膜トランジスタの出力端子に接続された第2副画素電極とを含み、前記遮光部材の出力端子保護部は、前記維持電極を中心に両側に形成された第1及び第2保護部と、前記第1保護部と前記第2保護部とを接続し、前記第1副画素電極と前記第2副画素電極との間隙と重畳する第3保護部とを含むことを特徴とする請求項6に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項8】
前記遮光部材は前記データ線に沿って延長している信号線部を有しており、前記カラーフィルタは前記信号線部によって分れる2つの領域において互いに異なる色を含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項9】
前記第1方向に延在し維持電極を含む維持電極線をさらに有し、
前記遮光部材は、前記信号線部とともに前記維持電極の少なくとも一部を取り囲む維持電極保護部を有しており、前記維持電極上に前記カラーフィルタが形成されるのを防止することを特徴とする請求項8に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項10】
前記遮光部材は、前記薄膜トランジスタのチャンネル部を覆う部分を含むことを特徴とする請求項9に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項11】
前記薄膜トランジスタの出力端子は少なくとも一部が前記維持電極と重畳し、前記遮光部材の出力端子保護部は前記出力端子の前記維持電極と重畳する部分を取り囲み、前記維持電極保護部の役割を兼ねていることを特徴とする請求項10に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項12】
前記薄膜トランジスタは、第1薄膜トランジスタと第2薄膜トランジスタとを含み、前記画素電極は、前記第1薄膜トランジスタの出力端子に接続された第1副画素電極と、前記第2薄膜トランジスタの出力端子に接続された第2副画素電極とを含み、前記遮光部材の出力端子保護部は、前記維持電極を中心に両側に形成された第1及び第2保護部と、前記第1保護部と前記第2保護部との間を接続し、前記第1副画素電極と前記第2副画素電極との間の間隙と重畳する第3保護部を含むことを特徴とする請求項10に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項13】
前記第1方向に延在し維持電極を含む維持電極線をさらに有し、
前記薄膜トランジスタの出力端子は少なくとも一部が前記維持電極と重畳し、前記遮光部材の出力端子保護部は前記出力端子の前記維持電極と重畳する部分を取り囲んでいることを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項14】
前記薄膜トランジスタと前記遮光部材及びカラーフィルタとの間に形成された保護膜と前記遮光部材及びカラーフィルタと前記画素電極の間に形成されているカバー膜をさらに有し、
前記画素電極は、前記保護膜と前記カバー膜が含むコンタクトホールを介して前記薄膜トランジスタの出力端子と接触することを特徴とする請求項13に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項15】
前記データ線は第1データ線と第2データ線を含み、
前記薄膜トランジスタは、入力端子が前記第1データ線に接続された第1薄膜トランジスタと、入力端子が前記第2データ線に接続された第2薄膜トランジスタを含み、
前記画素電極は、前記第1薄膜トランジスタの出力端子に接続された第1副画素電極と、前記第2薄膜トランジスタの出力端子に接続された第2副画素電極を含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項16】
前記第1方向に延在し維持電極を含む維持電極線をさらに有し、前記遮光部材の出力端子保護部は、前記第1薄膜トランジスタの出力端子を囲む第1出力端子保護部と、前記第2薄膜トランジスタの出力端子を囲む第2出力端子保護部を含み、前記遮光部材の第1出力端子保護部と第2出力端子保護部は前記維持電極と重畳することを特徴とする請求項15に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項17】
前記第1方向に延在し維持電極を含む維持電極線をさらに有し、前記遮光部材の出力端子保護部は、前記維持電極を中心に両側に形成された第1及び第2保護部と、前記第1保護部と前記第2保護部との間を接続し、前記第1副画素電極と前記第2副画素電極の間の間隙と重畳する第3保護部を含むことを特徴とする請求項15に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項18】
第1方向に延在するゲート線を形成し、
前記ゲート線上にゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜上に半導体を形成し、
前記第1方向と交差する第2方向に延在するデータ線とドレイン電極を形成し、
前記データ線とドレイン電極上に保護膜を形成し、
前記保護膜上に前記第2方向に形成されて保存空間を区画する第1部分と、前記ドレイン電極端部の周辺を囲む第2部分を含む遮光部材を形成し、
前記保存空間内にインクジェット方法でカラーフィルタを形成し、
前記第2部分で囲まれた前記ドレイン電極の端部を露出させるコンタクトホールを形成し、
前記コンタクトホールを介して前記ドレイン電極に接続される画素電極を形成すること、
を特徴とする薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項19】
前記カラーフィルタを形成する工程と、前記コンタクトホールを形成する工程との間に前記カラーフィルタを覆うカバー膜を形成し、
前記コンタクトホールを形成する際に、前記カバー膜と前記保護膜を共にフォトエッチングすることを特徴とする請求項18に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項20】
前記遮光部材を形成する際に、黒色顔料を含む感光物質を塗布して感光膜を形成し、
前記感光膜の露光し、
前記感光膜の現像を行うことを特徴とする請求項19に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2009−139916(P2009−139916A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−164289(P2008−164289)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】
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